JP2024034574A - 車両制御装置、車両制御方法および車両制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 滑らかな停車を実現できる車両制御装置、車両制御方法および車両制御システムを提供する。【解決手段】 総制動トルクに基づいて車両を減速させるときに、摩擦制動力が発生している状態で、駆動装置による駆動力を発生させるための制御指令を出力するにあたり、総制動トルクに基づいて、制御指令を介入させる車両速度を変更する。【選択図】 図6
Description
本発明は、車両制御装置、車両制御方法および車両制御システムに関する。
特許文献1には、車両停車間際のピッチング変動の抑制を狙いとし、車両速度に関する物理量と、車両を減速させるために必要な要求制動力に関する物理量とを取得し、要求制動力に関する物理量に基づいて車両を減速させる際、摩擦制動力が発生している状態で、駆動装置によって駆動力を発生させる技術が開示されている。
しかしながら、上記従来の車両制御装置にあっては、車両速度が低下するにつれて駆動力を大きくしてものの、駆動力の発生を開始する速度は、要求制動力の大きさにかかわらず常に一定の値であるため、滑らかな停車が効果的に実現できないおそれがあった。
本発明の目的の一つは、滑らかな停車を実現できる車両制御装置、車両制御方法および車両制御システムを提供することにある。
本発明の目的の一つは、滑らかな停車を実現できる車両制御装置、車両制御方法および車両制御システムを提供することにある。
本発明の一実施形態における車両制御装置は、総制動力に関する物理量に基づいて車両を減速させるときに、摩擦制動力が発生している状態で、駆動装置による駆動力を発生させるための制御指令を出力するにあたり、総制動力に関する物理量に基づいて、制御指令を介入させる車両の速度に関する物理量を変更する。
よって、本発明にあっては、滑らかな停車を実現できる。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1の車両制御システムを備えた電動車両1の概略図である。
電動車両1は、前輪2FL,2FRと後輪2RL,2RRと、各輪に設けられ車輪に摩擦制動力を発生させる摩擦ブレーキ(摩擦制動装置)3FL,3FR,3RL,3RR(以下、各輪の摩擦ブレーキを総称して摩擦ブレーキ3とも記載する。)を有する。
電動車両1は、後輪2RL,2RRにトルクを出力するリアモータ(駆動装置)7を有する。なお、後輪2RL,2RRを総称して駆動輪2とも記載する。リアモータ7および後輪2RL,2RR間の動力伝達は、減速機8、ディファレンシャル10およびリア車軸6RL,6RRを介して行われる。
図1は、実施形態1の車両制御システムを備えた電動車両1の概略図である。
電動車両1は、前輪2FL,2FRと後輪2RL,2RRと、各輪に設けられ車輪に摩擦制動力を発生させる摩擦ブレーキ(摩擦制動装置)3FL,3FR,3RL,3RR(以下、各輪の摩擦ブレーキを総称して摩擦ブレーキ3とも記載する。)を有する。
電動車両1は、後輪2RL,2RRにトルクを出力するリアモータ(駆動装置)7を有する。なお、後輪2RL,2RRを総称して駆動輪2とも記載する。リアモータ7および後輪2RL,2RR間の動力伝達は、減速機8、ディファレンシャル10およびリア車軸6RL,6RRを介して行われる。
各車輪2FL,2FR,2RL,2RRは、車輪速を検出する車輪速センサ11FR,11FL,11RL,11RRを有する。リアモータ7は、モータ回転数を検出する後輪用レゾルバ13を有する。また、電動車両1は、車両の前後方向加速度(以下、単に加速度とも言う。)を検出するGセンサ5を有する。
摩擦ブレーキ3は、各輪と一体に回転するブレーキロータに対し、各輪の回転軸方向にブレーキパッドを押し付けて摩擦力により制動力を発生させる。実施形態1の摩擦ブレーキ3は、ブレーキ液圧により作動するホイルシリンダによってブレーキパッドを押し付ける構成について説明するが、電動モータにより駆動するボールねじ機構等を介してブレーキパッドを押し付ける構成としても良く、特に限定しない。
摩擦ブレーキ3は、各輪と一体に回転するブレーキロータに対し、各輪の回転軸方向にブレーキパッドを押し付けて摩擦力により制動力を発生させる。実施形態1の摩擦ブレーキ3は、ブレーキ液圧により作動するホイルシリンダによってブレーキパッドを押し付ける構成について説明するが、電動モータにより駆動するボールねじ機構等を介してブレーキパッドを押し付ける構成としても良く、特に限定しない。
電動車両1は、低電圧バッテリ14および高電圧バッテリ15を有する。低電圧バッテリ14は、例えば鉛蓄電池である。高電圧バッテリ15は、例えばリチウムイオン電池またはニッケル水素電池である。高電圧バッテリ15は、DC-DCコンバータ16により昇圧された電力により充電される。
電動車両1は、車両制御装置(コントロール部)17、ブレーキ制御装置18、リアモータ制御装置20およびバッテリ制御装置19を有する。各制御装置17,18,20は、CANバス21を介してお互いに情報を共有する。
電動車両1は、車両制御装置(コントロール部)17、ブレーキ制御装置18、リアモータ制御装置20およびバッテリ制御装置19を有する。各制御装置17,18,20は、CANバス21を介してお互いに情報を共有する。
車両制御装置17は、後輪用レゾルバ13、アクセル操作量を検出するアクセルペダルセンサ22、ブレーキ操作量を検出するブレーキセンサ23、ギヤ位置センサ24等の各種センサから情報を取得し、車両の統合制御を行う。車両制御装置17は、運転者のアクセル操作やブレーキ操作等に応じた要求トルクに対し、要求配分トルクに応じてリアモータ7が出力すべき運転者要求トルクを出力する。
ブレーキ制御装置18は、ブレーキセンサ23等の各種センサから情報を取得して車両の目標制動力のトルク換算値である目標制動トルクを設定し、目標制動トルクに応じて各輪に必要なブレーキ液圧を発生させ、油圧配管18aを通して摩擦ブレーキ3に出力する。
ブレーキ制御装置18は、ブレーキセンサ23等の各種センサから情報を取得して車両の目標制動力のトルク換算値である目標制動トルクを設定し、目標制動トルクに応じて各輪に必要なブレーキ液圧を発生させ、油圧配管18aを通して摩擦ブレーキ3に出力する。
バッテリ制御装置19は、高電圧バッテリ15の充放電状態および高電圧バッテリ15を構成する単電池セルを監視する。バッテリ制御装置19は、高電圧バッテリ15の充放電状態等に基づいて、バッテリ要求トルク制限値を算出する。バッテリ要求トルク制限値は、リアモータ7において許容する最大トルクである。例えば高電圧バッテリ15の充電量が低下しているときには、通常よりもバッテリ要求トルク制限値を小さな値に設定する。
リアモータ制御装置20は、リア要求トルクに基づいてリアモータ7に供給する電力を制御する。
リアモータ制御装置20は、リア要求トルクに基づいてリアモータ7に供給する電力を制御する。
実施形態1の電動車両1では、停車時の不快な車両の揺れを抑制し、乗員の疲労を軽減することを狙いとし、停車時に実際に車両に発生している制動トルクを推定した総制動トルク相当の駆動トルクをリアモータ7で出力するアンチジャーク制御を実施する。これにより、一定のブレーキ操作量での停車時に生じる前後ジャーク(加加速度)を、アンチジャーク制御無しの場合と比べて68%程度低減できる。つまり、巧みなブレーキ操作無しでも、滑らかな停車を実現できる。
図2は、実施形態1のリアモータ7の制御ブロック図である。
運転者要求トルク算出部31は、アクセル操作量と車両速度から運転者要求トルクを算出する。
勾配抵抗算出部32は、車両速度、Gセンサ値および車両重量に基づき、路面勾配によって車両に作用する抵抗である勾配抵抗を算出する。具体的には、車両速度の微分値とGセンサ値との偏差から勾配により発生した推定勾配加速度を求め、勾配により発生した推定勾配加速度と車両重量から勾配抵抗を算出する。
運転者要求トルク算出部31は、アクセル操作量と車両速度から運転者要求トルクを算出する。
勾配抵抗算出部32は、車両速度、Gセンサ値および車両重量に基づき、路面勾配によって車両に作用する抵抗である勾配抵抗を算出する。具体的には、車両速度の微分値とGセンサ値との偏差から勾配により発生した推定勾配加速度を求め、勾配により発生した推定勾配加速度と車両重量から勾配抵抗を算出する。
推定摩擦制動力補正ゲイン算出部33は、Gセンサ値、車両速度、推定摩擦制動力、走行抵抗、車両重量、モータトルクおよびブレーキパッド温度に基づき、パッドμ(摩擦係数)変化に伴う推定摩擦制動力の推定誤差を補正するための最終補正ゲインを算出する。温度変化や湿度変化等によりパッドμが変化すると、実際にブレーキにより車両へ発生する制動力に対し、推定摩擦力にずれが生じる。そこで、パッドμを推定し、パッドμのノミナル値に対する推定パッドμの誤差を打ち消すために推定摩擦制動力(のトルク換算値)を補正するゲインを算出する。
推定摩擦制動力は、各輪の推定摩擦制動力の総和として求める。各輪の推定摩擦制動力Biは、下記の式(1)を用いて算出する。
各輪の推定摩擦制動力Bi=ブレーキ液圧×シリンダ面積×ブレーキ有効半径×パッドμ(ノミナル値) …(1)
ここで、パッドμのノミナル値は、一度設定したら走行中は変更しない。ノミナル値は、ブレーキパッドの温度-μ特性を予めマップとして取得しておき、マップを参照して設定する。ノミナル値を算出する際のブレーキパッドの温度は、走行開始時の外気温度でもよいし、予め規定した温度(例えば、20℃)を用いてもよい。
走行抵抗は、予め車両重量や車両速度の変化に対する走行抵抗の変化を取得しそれを基に算出してもよいし、推定されてもよい。
推定摩擦制動力はブレーキ液圧からではなく運転者のブレーキペダルのストローク量から推定されてもよい。
推定摩擦制動力は、各輪の推定摩擦制動力の総和として求める。各輪の推定摩擦制動力Biは、下記の式(1)を用いて算出する。
各輪の推定摩擦制動力Bi=ブレーキ液圧×シリンダ面積×ブレーキ有効半径×パッドμ(ノミナル値) …(1)
ここで、パッドμのノミナル値は、一度設定したら走行中は変更しない。ノミナル値は、ブレーキパッドの温度-μ特性を予めマップとして取得しておき、マップを参照して設定する。ノミナル値を算出する際のブレーキパッドの温度は、走行開始時の外気温度でもよいし、予め規定した温度(例えば、20℃)を用いてもよい。
走行抵抗は、予め車両重量や車両速度の変化に対する走行抵抗の変化を取得しそれを基に算出してもよいし、推定されてもよい。
推定摩擦制動力はブレーキ液圧からではなく運転者のブレーキペダルのストローク量から推定されてもよい。
総制動トルク算出部34は、走行抵抗、推定摩擦制動力、勾配抵抗および最終補正ゲインに基づき、総制動トルクを算出する。図3は、実施形態1の総制動トルク算出部34の制御ブロック図である。制動力トルク変換部41は、推定摩擦制動力を推定摩擦制動トルクに変換する。乗算器42は、推定摩擦制動トルクに最終補正ゲインを乗じて、ブレーキパッドのμ変化に伴う推定誤差を補正した補正後推定摩擦制動トルクを算出する。第1加算器43および第2加算器44は、補正後推定摩擦制動トルクに勾配抵抗相当のトルクおよび走行抵抗相当のトルクを加算する。リミッタ45は、補正後推定摩擦制動トルクに勾配抵抗相当のトルクおよび走行抵抗相当のトルクを加算した値と、0とを比較し、値の大きな方を総制動トルクとして出力する。
制御ゲイン算出部35は、車両速度および総制動トルクに基づき、制御ゲインを算出する。図4は、実施形態1の制御ゲイン算出部35の制御ブロック図である。加速度推定値算出部51は、車両速度を微分して加速度を算出する。加速度ベース制御ゲインマップ52は、加速度に応じた加速度ベース制御ゲインを設定する。加速度ベース制御ゲインマップ52では、絶対値として既定値x2(G)よりも小さな減速度の場合には、加速度ベース制御ゲインを1(100%)とする一方、絶対値として既定値x2(G)以上の減速度が生じる場合には、減速度の絶対値が大きいほど、加速度ベース制御ゲインを徐々に小さくする。加速度ベース制御ゲインの最小値は、0(0%)とする。これにより、急制動時にトルクが加算されることを回避できる。なお、急制動時には、ピッチング方向の振動を抑制することよりも制動力を確保することが望ましいのは言うまでもない。
速度ベース制御ゲインマップ(ゲイン特性マップ)53は、車両速度(車両の速度に関する物理量)および総制動トルク(総制動力に関する物理量)に応じた速度ベース制御ゲイン(制御ゲイン)を設定する。速度ベース制御ゲインマップ53の詳細については後述する。停車判断部54は、現在の車両速度と総制動トルクから停車までの時間を制御サイクル毎に算出し、停車までの時間が0以外の場合に停車判断フラグをクリア(=0)し、停車までの時間が0となった場合に停車判断フラグをセット(=1)する。制御ゲインレートリミット部55は、速度ベース制御ゲインの増加側と減少側の変化速度を制限する。また、停車判断フラグがセット(=1)された場合には、それまで使用していた減少側の変化速度制限値を変更する。また、停車判断フラグのクリアとセットのタイミングは停車までの時間が0となったタイミングではなく、規定値以下でセットし、規定値以上でクリアするようにしてもよい。
乗算器56は、加速度ベース制御ゲインに速度ベース制御ゲインを乗じた値を最終的な制御ゲインとして出力する。乗算器36は、制御ゲインを総制動トルクに乗じて、制御ゲイン乗算後総制動トルクを算出する。加算トルク算出部37は、運転者要求トルクおよび制御ゲイン乗算後総制動トルクに基づき、アンチジャーク制御トルクとしての加算トルクを算出する。図5は、実施形態1の加算トルク算出部37の制御ブロック図である。リミッタ61は運転者要求トルクと0とを比較し、値の大きな方を出力する。比較器62は、制御ゲイン乗算後総制動トルクからリミッタ61の出力を減じる。リミッタ63は、比較器62の出力と、0とを比較し、値の大きな方を加算トルクとして出力する。
加算器38は、運転者要求トルクに加算トルクを加えた加算後トルクをリア要求トルクとする。
加算器38は、運転者要求トルクに加算トルクを加えた加算後トルクをリア要求トルクとする。
次に、実施形態1の速度ベース制御ゲインマップ53について詳細に説明する。
図6に、実施形態1における速度ベース制御ゲインマップ53のゲイン特性を示す。
速度ベース制御ゲインマップ53は、車両速度と総制動トルクを入力とし、速度ベース制御ゲインを出力とする3次元マップである。速度ベース制御ゲインは、総制動トルクが0付近の所定領域のみ総制動トルクが小さくなるに従って、線形的に小さくなり、所定領域を超える大部分の領域では、最大値1となる特性を有する。なお、最大値は1以外の正の値としてもよい。また、速度ベース制御ゲインは、車両速度が小さくなるに従って、線形的に大きくなるように設定されている。そして、速度ベース制御ゲインは、図7にも示すように、総制動トルクが大きくなるに従って、値が0から立ち上がる車両速度(ゲイン増加開始速度)が大きくなるように設定されている。すなわち、速度ベース制御ゲインは、総制動トルクが大きくなるに従って、アンチジャーク制御指令を介入させる車両速度(アンチジャーク制御による駆動力の発生を開始する車両速度)が大きくなる特性を有する。
図6に、実施形態1における速度ベース制御ゲインマップ53のゲイン特性を示す。
速度ベース制御ゲインマップ53は、車両速度と総制動トルクを入力とし、速度ベース制御ゲインを出力とする3次元マップである。速度ベース制御ゲインは、総制動トルクが0付近の所定領域のみ総制動トルクが小さくなるに従って、線形的に小さくなり、所定領域を超える大部分の領域では、最大値1となる特性を有する。なお、最大値は1以外の正の値としてもよい。また、速度ベース制御ゲインは、車両速度が小さくなるに従って、線形的に大きくなるように設定されている。そして、速度ベース制御ゲインは、図7にも示すように、総制動トルクが大きくなるに従って、値が0から立ち上がる車両速度(ゲイン増加開始速度)が大きくなるように設定されている。すなわち、速度ベース制御ゲインは、総制動トルクが大きくなるに従って、アンチジャーク制御指令を介入させる車両速度(アンチジャーク制御による駆動力の発生を開始する車両速度)が大きくなる特性を有する。
実施形態1では、図7において、総制動トルクが|X1|>|X2|>|X3|のとき、ゲイン増加開始速度はY1>Y2>Y3であり、さらに、|X1|が|X3|の3倍、|X2|が|X3|の2倍となる関係のときに、Y1がY3の3倍、Y2がY3の2倍となるような関係としている。つまり、速度ベース制御ゲインは、制動トルクが大きくなるに従って、アンチジャーク制御指令を介入させる車両速度が線形的に大きくなる特性を有する。これにより、総制動力の大きさに依らず、どの総制動トルクにおいても車両速度の低下と共に同様な減速フィールとなるようにすることが可能であり、この結果、運転者に与える違和感を軽減できる。例えばX1は-0.3[G]、X2は-0.2[G]、X3は-0.1[G]相当の総制動トルク、Y1は3[km/h]、Y2は2[km/h]、Y3は1[km/h]とすることが考えられる。なお、実施形態1では、速度ベース制御ゲインを、各総制動トルクにおいて、車両速度の低下に対して線形に値が増加するようにしているが、車両速度が高いときには値の増加が遅く、車両速度が低くなるに伴い値の増加量が大きくなるような特性としてもよい。
次に、実施形態1の作用効果を説明する。
図8は、実施形態1の比較例として、アンチジャーク制御における制御ゲインを車両速度のみに応じて設定し、総制動トルクの大きさにかかわらず、駆動力の発生を開始する車両速度を一定とした場合の、車両速度、リアモータトルクおよび車両の前後方向加速度のタイムチャートである。この比較例では、常に車両速度がY1[km/h]になると車両速度の低下に応じて制御ゲインを増加させる。総制動トルクがX1[Nm]の場合、時点t2でアンチジャーク制御によるトルクの増加を開始し、時点t4で停車する。一方、総制動トルクがX2[Nm](<X1)の場合、時点t1でアンチジャーク制御によるトルクの増加を開始し、時点t3で停車する。このため、比較例では、総制動トルク毎に停車までの車両の加速度特性が異なる。つまり、総制動トルク毎に減速フィールが異なるため、ドライバに違和感を与えるおそれがある。具体的には、総制動トルクが比較的小さいにもかかわらず、早期に減速度が抜けたり、総制動トルクが比較的大きいにもかかわらず、低速からトルク増加が開始されたりすると、運転者に違和感を与えてしまう。
図8は、実施形態1の比較例として、アンチジャーク制御における制御ゲインを車両速度のみに応じて設定し、総制動トルクの大きさにかかわらず、駆動力の発生を開始する車両速度を一定とした場合の、車両速度、リアモータトルクおよび車両の前後方向加速度のタイムチャートである。この比較例では、常に車両速度がY1[km/h]になると車両速度の低下に応じて制御ゲインを増加させる。総制動トルクがX1[Nm]の場合、時点t2でアンチジャーク制御によるトルクの増加を開始し、時点t4で停車する。一方、総制動トルクがX2[Nm](<X1)の場合、時点t1でアンチジャーク制御によるトルクの増加を開始し、時点t3で停車する。このため、比較例では、総制動トルク毎に停車までの車両の加速度特性が異なる。つまり、総制動トルク毎に減速フィールが異なるため、ドライバに違和感を与えるおそれがある。具体的には、総制動トルクが比較的小さいにもかかわらず、早期に減速度が抜けたり、総制動トルクが比較的大きいにもかかわらず、低速からトルク増加が開始されたりすると、運転者に違和感を与えてしまう。
これに対し、実施形態1の車両制御装置17は、総制動トルクに基づいて、アンチジャーク制御指令を介入させる車両速度を変更する。具体的には、総制動トルクが大きくなるに従って、アンチジャーク制御指令を介入させる車両速度を大きくする。総制動トルクがX1[Nm]の場合は、時点t1でアンチジャーク制御によるトルクの増加を開始し、時点t3で停車する。総制動トルクがX2[Nm]の場合は、時点t2でアンチジャーク制御によるトルクの増加を開始し、時点t3で停車する。つまり、実施形態1の車両制御装置17では、総制動トルクにかかわらず、停車までの車両の加速度特性を、予め設定した狙いの特性に近似させることができる。この結果、要求制動力に依らず、運転者に違和感を与えることなく滑らかな停車を実現できる。
このとき、車両制動装置17は、総制動トルクが大きくなるに従って、アンチジャーク制御指令を介入させる車両速度を線形的に大きくする。これにより、図9のタイムチャートに示すように、各総制動トルクにおける加速度の変化は一様となり、狙いとする滑らかな停車を実現できる。すなわち、実施形態1のアンチジャーク制御では、総制動力にかかわらず常に一定の良好な減速フィールが得られるため、運転者に与える違和感を軽減できる。
このとき、車両制動装置17は、総制動トルクが大きくなるに従って、アンチジャーク制御指令を介入させる車両速度を線形的に大きくする。これにより、図9のタイムチャートに示すように、各総制動トルクにおける加速度の変化は一様となり、狙いとする滑らかな停車を実現できる。すなわち、実施形態1のアンチジャーク制御では、総制動力にかかわらず常に一定の良好な減速フィールが得られるため、運転者に与える違和感を軽減できる。
車両制御装置17は、総制動トルクおよび車両速度を入力とし、速度ベース制御ゲインを出力とする、予め準備された3次元マップである、速度ベース制御ゲインマップ53に基づいて速度ベース制御ゲインを出力し、速度ベース制御ゲインに基づいてアンチジャーク制御指令を変更する。これにより、総制動トルクおよび車両速度に応じて所望の加速度特性を実現するための最適な速度ベース制御ゲインが得られる。
速度ベース制御ゲインマップ53において、速度ベース制御ゲインは、車両速度が小さくなるに従って、線形的に大きくなる。これにより、急減速時以外であって、車両停止直前に効果的に駆動力を発生できる。
速度ベース制御ゲインマップ53において、速度ベース制御ゲインは、車両速度が小さくなるに従って、線形的に大きくなる。これにより、急減速時以外であって、車両停止直前に効果的に駆動力を発生できる。
〔実施形態2〕
実施形態2の基本的な構成は実施形態1と同じであるため、実施形態1と相違する部分のみ説明する。
図10は、実施形態2における速度ベース制御ゲインマップ53のゲイン特性を示す図である。速度ベース制御ゲインは、各総制動トルクにおいて、車両速度に対する速度ベース制御ゲインの変化勾配が2段階に設定されている。具体的には、車両速度が0に近い領域では、他の領域よりも車両速度変化に対する速度ベース制御ゲインの変化率が低くなるように設定されている。総制動トルクが大きいほど、速度ベース制御ゲインの変化率が切り替わる車両速度が大きくなるように設定されている。なお、車両速度が小さくなるに従って、速度ベース制御ゲインの増加勾配が徐々に小さくなるようにしてもよい。これにより、車両が停車するまでに制動により発生した車両のピッチ角を0に戻し易くなるため、より停車際のショックを抑制できる。
実施形態2の基本的な構成は実施形態1と同じであるため、実施形態1と相違する部分のみ説明する。
図10は、実施形態2における速度ベース制御ゲインマップ53のゲイン特性を示す図である。速度ベース制御ゲインは、各総制動トルクにおいて、車両速度に対する速度ベース制御ゲインの変化勾配が2段階に設定されている。具体的には、車両速度が0に近い領域では、他の領域よりも車両速度変化に対する速度ベース制御ゲインの変化率が低くなるように設定されている。総制動トルクが大きいほど、速度ベース制御ゲインの変化率が切り替わる車両速度が大きくなるように設定されている。なお、車両速度が小さくなるに従って、速度ベース制御ゲインの増加勾配が徐々に小さくなるようにしてもよい。これにより、車両が停車するまでに制動により発生した車両のピッチ角を0に戻し易くなるため、より停車際のショックを抑制できる。
〔実施形態3〕
実施形態3の基本的な構成は実施形態1と同じであるため、実施形態1と相違する部分のみ説明する。
図11は、実施形態2における速度ベース制御ゲインマップ53のゲイン特性を示す図である。速度ベース制御ゲインは、総制動トルクが所定値X0よりも大きい領域に限り、車両速度が0に近い領域では、他の領域よりも車両速度変化に対する速度ベース制御ゲインの変化率が低くなるように設定されている。総制動トルクが所定値X0以下の領域では、車両速度に対する速度ベース制御ゲインは線形的に変化する。図12は、実施形態3の速度ベース制御ゲインマップ53の車両速度に対するゲイン特性を示す図であり、|X1|>|X2|>|X0|>|X3|の場合を示している。なお、総制動トルクが規定値T1よりも大きい領域では、車両速度が小さくなるに従って、速度ベース制御ゲインの増加勾配が徐々に小さくなるようにしてもよい。
実施形態3の基本的な構成は実施形態1と同じであるため、実施形態1と相違する部分のみ説明する。
図11は、実施形態2における速度ベース制御ゲインマップ53のゲイン特性を示す図である。速度ベース制御ゲインは、総制動トルクが所定値X0よりも大きい領域に限り、車両速度が0に近い領域では、他の領域よりも車両速度変化に対する速度ベース制御ゲインの変化率が低くなるように設定されている。総制動トルクが所定値X0以下の領域では、車両速度に対する速度ベース制御ゲインは線形的に変化する。図12は、実施形態3の速度ベース制御ゲインマップ53の車両速度に対するゲイン特性を示す図であり、|X1|>|X2|>|X0|>|X3|の場合を示している。なお、総制動トルクが規定値T1よりも大きい領域では、車両速度が小さくなるに従って、速度ベース制御ゲインの増加勾配が徐々に小さくなるようにしてもよい。
総制動トルクが比較的大きい場合には、制動力により発生するピッチ角も大きくなるため、早く速度ベース制御ゲインを増加させることにより、ピッチ角を0にするために長い間高トルクを掛ける効果が大きい。一方、総制動トルクが小さい場合には、制動力により発生するピッチ角が小さいため、ピッチ角を0にするために掛かる時間も短いことが想定されるため、ゲイン特性を線形としてもよい。
〔実施形態4〕
実施形態4の基本的な構成は実施形態1と同じであるため、実施形態1と相違する部分のみ説明する。
実施形態4の車両制御システムでは、停車時の不快な車両の揺れを抑制し、乗員の疲労を軽減することを狙いとし、基準となる摩擦制動力(基準摩擦制動力)から摩擦制動力を減少させるアンチジャーク制御を実施する。ここで、基準摩擦制動力はブレーキペダルのストローク量より推定した推定摩擦制動力である。
図13は、実施形態4の摩擦ブレーキ3の制御ブロック図である。
外乱推定部71は、勾配抵抗、運転者要求トルク、Gセンサ値、走行抵抗および車両重量に基づき、外乱を推定する。外乱は、基本的にはブレーキを使用していないときに下記の式(2)を用いて推定する。
外乱=Gセンサ値×車両重量-運転者要求トルク相当の制駆動力-勾配抵抗-走行抵抗 …(2)
なお、推定摩擦制動力が非常に小さい場合など、パッドμ変化の影響が小さい場合にも推定する構成としてもよい。
実施形態4の基本的な構成は実施形態1と同じであるため、実施形態1と相違する部分のみ説明する。
実施形態4の車両制御システムでは、停車時の不快な車両の揺れを抑制し、乗員の疲労を軽減することを狙いとし、基準となる摩擦制動力(基準摩擦制動力)から摩擦制動力を減少させるアンチジャーク制御を実施する。ここで、基準摩擦制動力はブレーキペダルのストローク量より推定した推定摩擦制動力である。
図13は、実施形態4の摩擦ブレーキ3の制御ブロック図である。
外乱推定部71は、勾配抵抗、運転者要求トルク、Gセンサ値、走行抵抗および車両重量に基づき、外乱を推定する。外乱は、基本的にはブレーキを使用していないときに下記の式(2)を用いて推定する。
外乱=Gセンサ値×車両重量-運転者要求トルク相当の制駆動力-勾配抵抗-走行抵抗 …(2)
なお、推定摩擦制動力が非常に小さい場合など、パッドμ変化の影響が小さい場合にも推定する構成としてもよい。
推定摩擦制動力補正ゲイン算出部72は、外乱、Gセンサ値、走行抵抗、車両速度、推定摩擦制動力、車両重量、モータトルクおよびブレーキパッド温度に基づき、パッドμ(摩擦係数)変化に伴う推定摩擦制動力の推定誤差を補正するための最終補正ゲインを算出する。最終補正ゲインの算出方法は、実施形態1の推定摩擦制動力補正ゲイン算出部33と同様であるが、推定摩擦制動力補正ゲイン算出部72では、さらに外乱に伴う誤差を補正するための推定摩擦制動力補正ゲインを算出する。
総制動トルク算出部73は、推定摩擦制動力、走行抵抗、勾配抵抗、外乱および最終補正ゲインに基づき、総制動トルクを算出する。図14は、実施形態4の総制動トルク算出部73の制御ブロック図である。第3加算器81は、補正後推定摩擦制動トルクに勾配抵抗相当のトルクおよび走行抵抗相当のトルクを加算した値に対し、外乱相当のトルクを加算する。
総制動トルク算出部73は、推定摩擦制動力、走行抵抗、勾配抵抗、外乱および最終補正ゲインに基づき、総制動トルクを算出する。図14は、実施形態4の総制動トルク算出部73の制御ブロック図である。第3加算器81は、補正後推定摩擦制動トルクに勾配抵抗相当のトルクおよび走行抵抗相当のトルクを加算した値に対し、外乱相当のトルクを加算する。
減算制動力算出部74は、推定摩擦制動力、外乱、運転者要求トルクおよび最終補正ゲインに基づき、減算制動力を算出する。図15は、実施形態4の減算制動力算出部74の制御ブロック図である。比較器91は、運転者要求トルク相当の制駆動力から勾配抵抗を減算し、勾配抵抗を加味した運転者要求トルク相当の制駆動力を算出する。絶対値算出部92では比較器91の出力の絶対値を算出する。乗算器93は、絶対値算出部92の出力を最終補正ゲインで除して、補正後運転者要求トルク相当の制駆動力絶対値を算出する。比較器94は、推定摩擦制動力から補正後運転者要求トルク相当の制駆動力絶対値を減算する。リミッタ95は、推定摩擦制動力から補正後運転者要求トルク相当の制駆動力絶対値を減じた値と、0とを比較し、値の大きな方を減算制動力として出力する。
乗算器75は、制御ゲインを減算制動力に乗じて、制御ゲイン乗算後減算制動力を算出する。比較器76は、推定摩擦制動力から制御ゲイン乗算後減算制動力を減じて減算後摩擦制動力を算出する。ブレーキ制御装置18は、減算後摩擦制動力のトルク換算値である減算後摩擦制動トルクを目標制動トルクとする。
乗算器75は、制御ゲインを減算制動力に乗じて、制御ゲイン乗算後減算制動力を算出する。比較器76は、推定摩擦制動力から制御ゲイン乗算後減算制動力を減じて減算後摩擦制動力を算出する。ブレーキ制御装置18は、減算後摩擦制動力のトルク換算値である減算後摩擦制動トルクを目標制動トルクとする。
次に、実施形態4の作用効果を説明する。
図16は、実施形態4のアンチジャーク制御において、外乱が発生していない場合の、車両速度、制動トルクおよび車両の前後方向加速度のタイムチャートである。
実施形態4においても、総制動トルクが大きくなるに従って、アンチジャーク制御指令を介入させる車両速度を線形的に大きくする。総制動トルクがX1[Nm]の場合は、時点t1でアンチジャーク制御による制動トルクの減少を開始し、時点t3で停車する。総制動トルクがX2[Nm]の場合は、時点t2でアンチジャーク制御による制動トルクの減少を開始し、時点t3で停車する。これにより、実施形態1と同様に、総制動力にかかわらず、常に一定の良好な減速フィールが得られ、運転者に与える違和感を軽減できる。
図16は、実施形態4のアンチジャーク制御において、外乱が発生していない場合の、車両速度、制動トルクおよび車両の前後方向加速度のタイムチャートである。
実施形態4においても、総制動トルクが大きくなるに従って、アンチジャーク制御指令を介入させる車両速度を線形的に大きくする。総制動トルクがX1[Nm]の場合は、時点t1でアンチジャーク制御による制動トルクの減少を開始し、時点t3で停車する。総制動トルクがX2[Nm]の場合は、時点t2でアンチジャーク制御による制動トルクの減少を開始し、時点t3で停車する。これにより、実施形態1と同様に、総制動力にかかわらず、常に一定の良好な減速フィールが得られ、運転者に与える違和感を軽減できる。
図17は、実施形態4のアンチジャーク制御において、外乱が発生している場合の、車両速度、制動トルクおよび車両の前後方向加速度のタイムチャートである。
制御ゲイン算出部35において、総制動トルクに応じて算出される速度ベース制御ゲインは、総制動トルクが大きくなるに従って、ゲイン増加開始速度が大きくなるように設定されている。ここで、実施形態4では、総制動トルク算出部73において、外乱を加味して総制動トルクを算出している。このため、速度ベース制御ゲインのゲイン増加開始速度は、外乱の大きさに応じて変化する。総制動トルクがX1[Nm]の場合は、時点t1'でアンチジャーク制御による制動トルクの減少を開始し、時点t3で停車する。総制動トルクがX2[Nm]の場合、時点t2'でアンチジャーク制御による制動トルクの減少を開始し、時点t3で停車する。このように、実施形態4では、外乱まで加味して総制動トルクを算出することにより、より適したゲイン増加開始速度からアンチジャーク制御を介入できるため、外乱に依らず乗り心地の改善を図れる。
制御ゲイン算出部35において、総制動トルクに応じて算出される速度ベース制御ゲインは、総制動トルクが大きくなるに従って、ゲイン増加開始速度が大きくなるように設定されている。ここで、実施形態4では、総制動トルク算出部73において、外乱を加味して総制動トルクを算出している。このため、速度ベース制御ゲインのゲイン増加開始速度は、外乱の大きさに応じて変化する。総制動トルクがX1[Nm]の場合は、時点t1'でアンチジャーク制御による制動トルクの減少を開始し、時点t3で停車する。総制動トルクがX2[Nm]の場合、時点t2'でアンチジャーク制御による制動トルクの減少を開始し、時点t3で停車する。このように、実施形態4では、外乱まで加味して総制動トルクを算出することにより、より適したゲイン増加開始速度からアンチジャーク制御を介入できるため、外乱に依らず乗り心地の改善を図れる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明を実施するための実施形態を説明したが、本発明の具体的な構成は実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
実施形態では推定摩擦制動力を入力としているが、制動力と制動トルクはタイヤの有効半径等の車両パラメータにより換算可能な値であるため、推定摩擦制動トルクが入力されても良く、このときタイヤの有効半径は規定値ではなく推定されてもよい。
また、実施形態1-3では出力を駆動トルクとして出力しているが、制動力と制動トルクの関係と同様にタイヤ有効半径により換算可能な値である駆動力でもよいし、車両重量等の車両パラメータを用いて換算される前後加速度や、前後加加速度でもよい。
さらに、実施形態4において出力は制動力としているが、タイヤの有効半径等の車両パラメータにより換算可能な値であるため、推定摩擦制動トルクが出力されてもよいし、車両重量等の車両パラメータを用いて換算される前後加速度や、前後加加速度でもよい。
実施形態では、後輪駆動の電動車両に本発明を適用した例を示したが、前輪駆動の電動車両や四輪駆動の電動車両でもよい。また、電動車両に限らず、内燃機関であるエンジンを備えた車両や、エンジンとモータの両方を用いて走行可能なハイブリッド車両であってもよい。すなわち、摩擦ブレーキを用いた車両停止時に、車両が停止可能な範囲で、もしくは駆動輪と路面との間に制動力が働く範囲で、駆動源側からトルクを付与可能な構成、または摩擦ブレーキを低減可能な構成であればよい。
車両重量は、サスペンションのハイトセンサのようなセンサで検出してもよいし、推定してもよい。
実施形態1-4において、速度ベース制御ゲインマップは車両重量に応じて複数の速度ベース制御ゲインマップを用意し、適切なマップを選択する構成としてもよい。また、実施形態1-4において、速度ベース制御ゲインマップは総制動トルクが大きい場合にも速度が0となった際のゲインを1となるようにしているが、総制動トルクが規定値以上である場合に、総制動トルクが大きくなるにしたがって、ゲインの最大値が低下するようなマップとしてもよい。
ブレーキパッド温度は、ブレーキパッドの温度をセンサにより取得してもよいし、時刻毎のパッド温度変化を推定してもよい。
実施形態4において、ステレオカメラ等から路面の荒れ具合を検出して、外乱を推定してもよい。また、ステレオカメラ等で路面の状態を検出し、路面により外乱が増加することが想定される場合には、本来の制動トルクで介入するよりも早く制動力を抜き始める構成としてもよい。
以上、本発明を実施するための実施形態を説明したが、本発明の具体的な構成は実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
実施形態では推定摩擦制動力を入力としているが、制動力と制動トルクはタイヤの有効半径等の車両パラメータにより換算可能な値であるため、推定摩擦制動トルクが入力されても良く、このときタイヤの有効半径は規定値ではなく推定されてもよい。
また、実施形態1-3では出力を駆動トルクとして出力しているが、制動力と制動トルクの関係と同様にタイヤ有効半径により換算可能な値である駆動力でもよいし、車両重量等の車両パラメータを用いて換算される前後加速度や、前後加加速度でもよい。
さらに、実施形態4において出力は制動力としているが、タイヤの有効半径等の車両パラメータにより換算可能な値であるため、推定摩擦制動トルクが出力されてもよいし、車両重量等の車両パラメータを用いて換算される前後加速度や、前後加加速度でもよい。
実施形態では、後輪駆動の電動車両に本発明を適用した例を示したが、前輪駆動の電動車両や四輪駆動の電動車両でもよい。また、電動車両に限らず、内燃機関であるエンジンを備えた車両や、エンジンとモータの両方を用いて走行可能なハイブリッド車両であってもよい。すなわち、摩擦ブレーキを用いた車両停止時に、車両が停止可能な範囲で、もしくは駆動輪と路面との間に制動力が働く範囲で、駆動源側からトルクを付与可能な構成、または摩擦ブレーキを低減可能な構成であればよい。
車両重量は、サスペンションのハイトセンサのようなセンサで検出してもよいし、推定してもよい。
実施形態1-4において、速度ベース制御ゲインマップは車両重量に応じて複数の速度ベース制御ゲインマップを用意し、適切なマップを選択する構成としてもよい。また、実施形態1-4において、速度ベース制御ゲインマップは総制動トルクが大きい場合にも速度が0となった際のゲインを1となるようにしているが、総制動トルクが規定値以上である場合に、総制動トルクが大きくなるにしたがって、ゲインの最大値が低下するようなマップとしてもよい。
ブレーキパッド温度は、ブレーキパッドの温度をセンサにより取得してもよいし、時刻毎のパッド温度変化を推定してもよい。
実施形態4において、ステレオカメラ等から路面の荒れ具合を検出して、外乱を推定してもよい。また、ステレオカメラ等で路面の状態を検出し、路面により外乱が増加することが想定される場合には、本来の制動トルクで介入するよりも早く制動力を抜き始める構成としてもよい。
1…電動車両(車両)、3…摩擦ブレーキ(摩擦制動装置)、7…リアモータ(駆動装置)、17…車両制御装置(コントロール部)
Claims (12)
- 車両に摩擦制動力を発生させる摩擦制動装置と、前記車両に駆動力を発生させる駆動装置と、を有する前記車両に備えられ、入力した情報に基づいて演算した結果を出力するコントロール部を備える車両制御装置であって、
前記コントロール部は、
前記車両の速度に関する物理量を取得し、
前記車両を減速させるための総制動力に関する物理量を取得し、
前記総制動力に関する物理量に基づいて前記車両を減速させるときに、前記摩擦制動力が発生している状態で、前記駆動装置による駆動力を発生させるための制御指令を出力するにあたり、
前記総制動力に関する物理量に基づいて、前記制御指令を介入させる前記車両の速度に関する物理量を変更する、
車両制御装置。 - 請求項1に記載の車両制御装置であって、
前記コントロール部は、
前記総制動力に関する物理量が大きくなるにしたがって、前記制御指令を介入させる前記車両の速度に関する物理量を大きくする、
車両制御装置。 - 請求項2に記載の車両制御装置であって、
前記コントロール部は、
前記総制動力に関する物理量が大きくなるにしたがって、前記制御指令を介入させる前記車両の速度に関する物理量を線形的に大きくする、
車両制御装置。 - 請求項1に記載の車両制御装置であって、
前記コントロール部は、
前記総制動力に関する物理量および前記車両の速度に関する物理量を入力とし、ゲインを出力とする、予め準備されたゲイン特性マップに基づいて制御ゲインを出力し、
前記制御ゲインに基づいて前記制御指令を変更する、
車両制御装置。 - 請求項4に記載の車両制御装置であって、
前記ゲイン特性マップは、前記総制動力に関する物理量および前記車両の速度に関する物理量を入力とし、ゲインを出力とする、3次元マップである、
車両制御装置。 - 請求項4に記載の車両制御装置であって、
前記制御ゲインは、前記車両の速度に関する物理量が小さくなるにしたがって、線形的に大きくなるように設定される、
車両制御装置。 - 請求項4に記載の車両制御装置であって、
前記制御ゲインは、前記車両の速度に関する物理量が小さくなるにしたがって、前記制御ゲインの増加勾配が徐々に小さくなるように設定される、
車両制御装置。 - 請求項4に記載の車両制御装置であって、
前記制御ゲインは、
前記総制動力に関する物理量が所定値より大きいときは、前記車両の速度に関する物理量が小さくなるにしたがって、前記制御ゲインの増加勾配が徐々に小さくなるように設定され、
前記総制動力に関する物理量が前記所定値または前記所定値より小さいときは、前記車両の速度に関する物理量が小さくなるにしたがって、線形的に大きくなるように設定される、
車両制御装置。 - 請求項4に記載の車両制御装置であって、
前記制御ゲインは、前記車両の速度に関する物理量が小さくなるにしたがって、前記制御ゲインの増加勾配が徐々に大きくなるように設定される、
車両制御装置。 - 車両に摩擦制動力を発生させる摩擦制動装置と、前記車両に駆動力を発生させる駆動装置と、を有する前記車両に備えられ、入力した情報に基づいて演算した結果を出力するコントロール部を備える車両制御装置であって、
前記コントロール部は、
前記車両の速度に関する物理量を取得し、
前記車両を減速させるための総制動力に関する物理量を取得し、
前記車両の挙動に影響を与える外乱に関する物理量を取得し、
前記総制動力に関する物理量に基づいて前記車両を減速させる際に、
前記駆動装置によって駆動力を増加、または前記摩擦制動装置によって基準摩擦制動力から摩擦制動力を減少させる、ための制御指令を出力するにあたり、
前記総制動力に関する物理量の大きさおよび外乱に関する物理量に基づいて、前記制御指令を介入させる前記車両の速度に関する物理量を変更する、
車両制御装置。 - 車両に摩擦制動力を発生させる摩擦制動装置と、前記車両に駆動力を発生させる駆動装置と、を備えた前記車両に搭載されたコントロールユニットが実行する車両制御方法であって、
前記コントロールユニットが
前記車両の速度に関する物理量を取得し、
前記車両を減速させるための総制動力に関する物理量を取得し、
前記総制動力に関する物理量に基づいて前記車両を減速させるときに、前記摩擦制動力が発生している状態で、前記駆動装置による駆動力を発生させるための制御指令を出力するにあたり、
前記総制動力に関する物理量に基づいて、前記制御指令を介入させる前記車両の速度に関する物理量を変更する、
車両制御方法。 - 車両に摩擦制動力を発生させる摩擦制動装置と、
前記車両に駆動力を発生させる駆動装置と、
入力した情報に基づいて演算した結果を出力する制御装置であって、
前記車両の速度に関する物理量を取得し、
前記車両を減速させるための総制動力に関する物理量を取得し、
前記総制動力に関する物理量に基づいて前記車両を減速させるときに、前記摩擦制動力が発生している状態で、前記駆動装置による駆動力を発生させるための制御指令を出力するにあたり、
前記総制動力に関する物理量に基づいて、前記制御指令を介入させる前記車両の速度に関する物理量を変更する、
制御装置と、
を備える車両制御システム。
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