JP5817095B2 - 電動車両の制御装置 - Google Patents
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Description
前記回生協調ブレーキ制御手段は、ブレーキ操作に基づく総制動トルクからモータ駆動輪による回生トルクを差し引いた残りの制動トルク分を、前後輪の各摩擦ブレーキによる摩擦ブレーキトルクに配分する回生協調ブレーキ制御を行う。
前記回生トルク制限手段は、前記回生協調ブレーキ制御時、前輪車輪速と後輪車輪速の差である前後車輪速差が、決定された閾値より大きくなると前記回生トルクを制限する。
前記閾値決定手段は、前記回生協調ブレーキ制御中における車両の旋回度合いを表す旋回状態量が、旋回度合いが高いことを表すほど回生トルク制限が作用しやすくなるように前記閾値を下げた値に決定する。
前記回生トルク制限手段は、前後車輪速差が決定された閾値より大きくなると、前記回生協調ブレーキ制御での回生トルク要求を下げる補正により前記回生トルクを制限し、前記回生トルク要求から低下させる補正分を、閾値と前後車輪速差の差分の大きさに応じて与える。
この前後車輪速差は、モータ駆動輪が制動ロック傾向になればなるほど大きな値になるというように、前輪と後輪の制動スリップ率の差に応じた値となる。つまり、前後車輪速差の値は、モータ駆動輪への入力に対するタイヤキャパシティの余裕度合いを表す。
したがって、タイヤキャパシティに余裕がある間は、回生トルクを制限しないため、要求する回生量を確保することができる。そして、タイヤキャパシティに余裕がなくなると、回生トルクを制限するため、車両挙動の安定性を確保することができる。
そして、回生トルクの制限を実行するか否かを切り分ける情報である前後車輪速差の閾値を、旋回度合いを表す旋回状態量に基づいて変更するようにした。
したがって、直線制動時等のように旋回度合いが低いときは、不安定挙動へ移行しにくいため、回生を優先して高い閾値に決定する。これにより、回生トルクの制限開始タイミングを遅らせることになるため、早期の回生トルク制限により回生量が低下するということを回避できる。一方、旋回制動時等のように旋回度合いが高いときは、車両挙動が不安定状態へ移行しやすいため、車両挙動安定性を優先して低い閾値に決定する。これにより、回生トルクの制限開始タイミングを早めることになるため、車両挙動が不安定になっても回生トルクに制限がかからないといったことを回避できる。
この結果、回生協調ブレーキ制御時、旋回度合いに対応して車両挙動の安定性と回生量の確保との両立を図ることができる。
図1は、実施例1の制御装置が適用された電気自動車(電動車両の一例)の構成を示す全体構成図である。以下、図1に基づき全体構成を説明する。
ここで、ブレーキ減速度要求は、ドライバのブレーキ操作によって判断するもので、ブレーキペダルが踏込まれたか(ブレーキ減速度要求有り)、ブレーキペダルが踏まれていないか(ブレーキ減速度要求無し)、を判断する。
ここで、最終的に決定する閾値K1は、下記の式(1)により算出される。
K1=G1×G2×G6×G7×K0 …(1)
但し、K0:初期閾値、G1:第1補正係数、G2:第2補正係数、G6:第6補正係数、G7:第7補正係数、である。
ここで、前後車輪速差は、ステップS12で読み込んだ車輪速センサ51からの各輪の車輪速センサ信号に基づき、前輪車輪速と後輪車輪速の差の絶対値により算出する。この前後輪車輪速差の値が大きくなると、制動時において、前輪と後輪の制動スリップ率の差が大きいことを意味し、いずれかのタイヤが制動スリップ(=制動ロック)していることを意味することになる。
ここで、回生トルク指令の補正方法は、閾値と前後車輪速差に基づき、それらの値の差分と定数の積を、回生トルク要求から引き、回生トルク要求を下げる。つまり、回生トルク要求から低下させる補正分を、閾値と前後車輪速差の差分の大きさに応じて与えるようにしている。
まず、「回生トルクを制限する比較例の課題」を説明する。続いて、実施例1の電気自動車の制御作用を、「回生協調ブレーキ制御作用」、「閾値決定作用」、「制動旋回シーンにおける対比作用」に分けて説明する。
回生制動時、横加速度が所定値まではブレーキ回生トルクの上限値を一定値とし、所定値を超える横加速度領域になると、横加速度が大きいほどブレーキ回生トルクの上限値を小さな値に決定するものを比較例とする。この比較例は、車両が不安定な挙動をしたか否かにかかわらず、横加速度に応じて制動時の回生量を抑え、油圧ブレーキで制動することで、予め車両が不安定な挙動にならないようにすることを狙っている。
上記比較例の課題に対し、前後車輪速差が閾値以下で回生トルクを制限せず、前後車輪速差が閾値より大きくなると回生トルクを制限する。このとき、前後車輪速差の閾値を、旋回度合いを表す横加速度絶対値に基づいて変更する構成を採用した。以下、実施例1の回生協調ブレーキ制御作用を、図2〜図4に基づいて説明する。
例えば、前輪をモータ駆動輪3とする場合、回生制動時、回生トルクが入力されるモータ駆動輪3に対し、操舵介入により横力の入力が加わると、モータ駆動輪3への入力がタイヤキャパシティの限界域になり、制動ロック傾向を示す。この制動ロック傾向により車輪速が低くなるモータ駆動輪3と、路面を転がるタイヤにより車輪速が確保される従動輪4との間で車輪速差が生じる。
したがって、回生協調ブレーキ制御時、旋回度合いを示す横加速度絶対値に対応して車両挙動の安定性と回生量の確保との両立が図られる。
実施例1において、前後車輪速差の閾値は、初期閾値K0に対して、横加速度絶対値による第1補正係数G1と、路面摩擦係数による第2補正係数G2と、回生トルクによる第6補正係数G6と、車速による第7補正係数G7と、による補正を加えて決定するようにした。
つまり、図3のステップS13において、最終的に決定する閾値K1は、
K1=G1×G2×G6×G7×K0 …(1)
の式により算出される。以下、実施例1の閾値決定作用を説明する。
すなわち、横加速度絶対値が所定値A1を超える領域のとき、横加速度絶対値が大きいほど閾値K1を下げた値(K1=G1×K0)に決定し、横加速度の増加に対して車両が不安定な挙動になりやすいのに備える。
したがって、直線走行による回生制動時には、超過配分リミッタが作用しにくく、回生量を確保しやすくすることができ、旋回による回生制動時には、超過配分リミッタが作用しやすく、車両挙動の安定性を確保することができる。
すなわち、路面摩擦係数が所定値A2未満の領域のとき、路面摩擦係数が低いほど閾値K1を下げた値(K1=G2×K0)に決定する。
この第2補正係数G2が必要な理由を補足説明するのが図6である。この図6は、路面の摩擦係数が異なる場合のタイヤスリップSと見かけのタイヤ摩擦係数μの関係を示す。路面摩擦係数が低い場合、見かけのタイヤ摩擦係数μは、路面摩擦係数が高い場合に比べて小さい値を示す。閾値をタイヤスリップSbに決定した時、路面摩擦係数が高い場合は、μ−Sカーブの頂点よりも低いタイヤスリップとなる。しかし、路面摩擦係数が低い場合は、μ−Sカーブの頂点のタイヤスリップとなってしまう。この場合、路面摩擦係数が高い場合は回生トルクを下げることで車両を安定化することができたとしても、路面摩擦係数が低い場合はタイヤがスリップした状態になっているため、必ずしも車両を安定にすることはできない。そのため、路面摩擦係数によって、車両が不安定な挙動になりやすい特性を加味し、路面摩擦係数が低い場合は高い場合に比べ閾値を下げるべく、第2補正係数G2を決める。
したがって、路面摩擦係数が低く車両が容易に不安定な挙動になりやすい回生制動時は、早急に超過配分リミッタを作動させやすくすることで、低μ路での不安定挙動を防止することができる。
すなわち、回生トルクが所定値A6を超える領域のとき、回生トルクが大きいほど閾値K1を下げた値(K1=G6×K0)に決定し、回生トルクが大きいときには、車両が不安定な挙動になりやすいことに備える。
したがって、回生トルクが大きい回生制動時は、タイヤへの入力が飽和しやすく車両が不安定な挙動になりやすいのに対し、未然に車両が不安定挙動になるのを防止することができる。
すなわち、車速が上昇するほど閾値K1を下げた値(K1=G7×K0)に決定し、車速が高いときには、車両が不安定な挙動になりやすいことに備える。
したがって、車速が高い回生制動時は、タイヤへの入力変化に伴う車両挙動の変化が大きくなって車両が不安定な挙動になりやすいのに対し、未然に車両が不安定挙動になるのを防止することができる。
図6は、比較例において回生制動中に操舵介入があった制動旋回シーンにおけるタイムチャートであり、図7は、実施例1において回生制動中に操舵介入があった制動旋回シーンにおけるタイムチャートである。以下、図6および図7に基づいて、制動旋回シーンにおける対比作用を説明する。
実施例1の電気自動車の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
前記回生協調ブレーキ制御時、前輪車輪速と後輪車輪速の差である前後車輪速差が、決定された閾値K1より大きくなると前記回生トルクを制限する回生トルク制限手段(図3のステップS14→ステップS15)と、
前記回生協調ブレーキ制御中における車両の旋回度合いを表す旋回状態量が、旋回度合いが高いことを表すほど前記閾値K1を下げた値に決定する閾値決定手段(図3のステップS13)と、
を備える。
このため、回生協調ブレーキ制御時、旋回度合いに対応して車両挙動の安定性と回生量の確保との両立を図ることができる。
このため、上記(1)の効果に加え、直線走行による回生制動時には、超過配分リミッタが作用しにくく、回生量を確保しやすくすることができ、旋回による回生制動時には、超過配分リミッタが作用しやすく、車両挙動の安定性を確保することができる。
このため、上記(1)または(2)の効果に加え、車両が容易に不安定な挙動になりやすい走行環境状態での回生制動時は、早急に超過配分リミッタを作動させやすくすることで、走行環境状態にかかわらず不安定挙動を防止することができる。
このため、上記(3)の効果に加え、路面摩擦係数が低く車両が容易に不安定な挙動になりやすい回生制動時は、早急に超過配分リミッタを作動させやすくすることで、低μ路での不安定挙動を防止することができる。
このため、上記(1)〜(4)の効果に加え、車両挙動が安定挙動から不安定挙動へ移行しやすい車両状態での回生制動時、未然に車両が不安定挙動になるのを防止することができる。
このため、上記(5)の効果に加え、回生トルクが大きい回生制動時は、タイヤへの入力が飽和しやすく車両が不安定な挙動になりやすいのに対し、未然に車両が不安定挙動になるのを防止することができる。
このため、上記(5)または(6)の効果に加え、車速が高い回生制動時は、タイヤへの入力変化に伴う車両挙動の変化が大きくなって車両が不安定な挙動になりやすいのに対し、未然に車両が不安定挙動になるのを防止することができる。
実施例2の電気自動車の制御装置において、全体構成は、実施例1の図1と同じであり、実施例2のメインフローチャートは、実施例1の図2と同じであるので、これらの図示並びに説明を省略する。
なお、ステップS21,S22,S24,S25,S26の各ステップは、図3のステップS11,S12,S14,S15,S16の各ステップと同様の処理を行うステップであるので、説明を省略する。
ここで、最終的に決定する閾値K1は、下記の式(2)により算出される。
K1=G1×G3×G4×G5×G9×K0 …(2)
但し、K0:初期閾値、G1:第1補正係数、G3:第3補正係数、G4:第4補正係数、G5:第5補正係数、G9:第9補正係数、である。
[閾値決定作用]
実施例2において、前後車輪速差の閾値は、初期閾値K0に対して、横加速度絶対値による第1補正係数G1と、操舵速度による第3補正係数G3と、ブレーキ踏み込み速度による第4補正係数G4と、アクセル戻し速度による第5補正係数G5と、ギヤシフトによる第9補正係数G9と、による補正を加えて決定するようにした。
つまり、図8のステップS23において、最終的に決定する閾値K1は、
K1=G1×G3×G4×G5×G9×K0 …(2)
の式により算出される。以下、実施例2の閾値決定作用を説明する。ここで示す各補正係数G3、G4、G5、G9は、ドライバの運転操作量によって初期閾値K0を補正する係数である。なお、初期閾値K0と第1補正係数G1については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
すなわち、操舵速度が所定値A3を超える領域のとき、操舵速度が速いほど閾値K1を下げた値(K1=G3×K0)に決定する。つまり、車両はドライバの急な操舵に対して不安定な挙動を示しやすくなるため、それに備えている。
したがって、急操舵により車両が不安定な挙動になりやすいのに対し、急操舵による不安定挙動を未然に防止することができる。
すなわち、ブレーキ踏み込み速度が所定値A4を超える領域のとき、ブレーキ踏み込み速度が速いほど閾値K1を下げた値(K1=G4×K0)に決定する。つまり、車両はドライバの急なブレーキ踏み込み操作に対して不安定な挙動を示しやすくなるため、それに備えている。
したがって、急ブレーキ操作により車両が不安定な挙動になりやすいのに対し、急ブレーキ操作による不安定挙動を未然に防止することができる。
すなわち、アクセル戻し速度が所定値A5を超える領域のとき、アクセル戻し速度が速いほど閾値K1を下げた値(K1=G5×K0)に決定し、車両はドライバの急なアクセル戻し操作に対して不安定な挙動を示しやすくなるため、それに備えている。
したがって、急なアクセル戻し操作により車両が不安定な挙動になりやすいのに対し、急なアクセル戻し操作による不安定挙動を未然に防止することができる。
すなわち、シフトチェンチジに伴い車両の挙動が変化することが予測される限られた時間(時刻tss〜時刻tse)、閾値K1を下げた値(K1=G9×K0)に決定する。これによって、シフトチェンジ時に発生しやすい不安定な挙動を未然に察知する。
したがって、シフトチェンジ時、モータ発生トルクの変化や伝達される駆動トルクの急変によって、車両が不安定な挙動になりやすくなるのを防止することができる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
実施例2の電気自動車の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
このため、上記(1)〜(4)の効果に加え、車両挙動が安定挙動から不安定挙動へ移行しやすいドライバ運転操作状態のとき、ドライバ運転操作による不安定挙動を未然に防止することができる。
このため、上記(8)の効果に加え、急操舵により車両が不安定な挙動になりやすいのに対し、急操舵による不安定挙動を未然に防止することができる。
このため、上記(8)または(9)の効果に加え、急ブレーキ操作により車両が不安定な挙動になりやすいのに対し、急ブレーキ操作による不安定挙動を未然に防止することができる。
このため、上記(8)〜(10)の効果に加え、急なアクセル戻し操作により車両が不安定な挙動になりやすいのに対し、急なアクセル戻し操作による不安定挙動を未然に防止することができる。
このため、上記(8)〜(11)の効果に加え、シフトチェンジ時、モータ発生トルクの変化や伝達される駆動トルクの急変によって、車両が不安定な挙動になりやすくなるのを防止することができる。
実施例3の電気自動車の制御装置において、全体構成は、実施例1の図1と同じであり、実施例3のメインフローチャートは、実施例1の図2と同じであるので、これらの図示並びに説明を省略する。
なお、ステップS31,S32,S34,S35,S36の各ステップは、図3のステップS11,S12,S14,S15,S16の各ステップと同様の処理を行うステップであるので、説明を省略する。
ここで、車両の前輪荷重配分の算出方法は数々あり、例えば、サスペンションのストローク量を計測し、前後のストローク差から求める方法や、車両の挙動から推定する方法などがあるが、ここでは、車両の全重量から前輪の荷重配分を求められればよい。
ここで、最終的に決定する閾値K1は、下記の式(3)により算出される。
K1=G1×G2×G3×G4×G5×G6×G7×G8×G9×K0 …(3)
但し、K0:初期閾値、G1:第1補正係数、G2:第2補正係数、G3:第3補正係数、G4:第4補正係数、G5:第5補正係数、G6:第6補正係数、G7:第7補正係数、G8:第8補正係数、G9:第9補正係数、である。
[閾値決定作用]
実施例3において、前後車輪速差の閾値は、初期閾値K0に対して、横加速度絶対値による第1補正係数G1と、路面摩擦係数による第2補正係数G2と、操舵速度による第3補正係数G3と、ブレーキ踏み込み速度による第4補正係数G4と、アクセル戻し速度による第5補正係数G5と、回生トルクによる第6補正係数G6と、車速による第7補正係数G7と、前輪荷重配分による第8補正係数G8と、ギヤシフトによる第9補正係数G9と、による補正を加えて決定するようにした。
つまり、図11のステップS33において、最終的に決定する閾値K1は、
K1=G1×G2×G3×G4×G5×G6×G7×G8×G9×K0 …(3)
の式により算出される。以下、実施例3の閾値決定作用を説明する。なお、第8補正係数G8を除いて、初期閾値K0および各補正係数G1,G2,G3,G4,G5,G6,G7,G9については、実施例1,2と同様であるので説明を省略する。
つまり、前輪駆動の場合は、図12(a)に示すように、ノミナル配分(G8=1)に対して前輪荷重配分が増えた場合は、前輪の回生に伴い前輪が制動スリップすることでの不安定な挙動を招きにくい。このため、G8は1よりも大きくする。逆に、ノミナル配分(G8=1)に対して前輪荷重配分が減った場合は、前輪の回生に伴い前輪が制動スリップすることでの不安定な挙動を招きやすくなる。このため、G8は1よりも小さくする。
後輪駆動の場合も同様な考え方であり、図12(b)に示すように、モータ駆動輪3が制動スリップしやすい条件においては、G8を1よりも小さい値にし、制動スリップしにくい条件ではG8を1よりも大きい値にする。なお、4輪駆動の場合は、前後輪の荷重配分や前後輪の制駆動配分に従い、図12と同様の考え方で、第8補正係数G8を決める。
すなわち、車両の挙動が変化することが予測される前輪荷重配分の変化に対し、閾値K1を下げた値(K1=G8×K0)に決定する。
したがって、車載重量の変化によって荷重配分が変わり、モータ駆動輪3の荷重が軽くなり、回生ブレーキによって制動スリップしやすくなるのに対し、車両が不安定な挙動になりやすくなるのを防止することができる。加えて、ノミナル配分を基準とすることで、閾値K1を、初期閾値K0よりも上げた値にすることも可能で、必要以上に回生トルクを小さくすることを減らすという狙いも達成できる。
なお、他の作用は、実施例1,2と同様であるので、説明を省略する。
実施例3の電気自動車の制御装置にあっては、実施例1,2の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
このため、前後輪の荷重配分変化があった場合、モータ駆動輪3の荷重が軽くなると、回生ブレーキによって制動スリップしやすくなるのに対し、未然に車両が不安定挙動になるのを防止することができると共に、ノミナル配分を基準とすることで、必要以上に回生トルクを小さくすることを減らすという狙いも達成することができる。
2 油圧ブレーキ
3 モータ駆動輪
4 従動輪
5 車両センサ
51 車輪速センサ
52 横Gセンサ
53 路面μセンサ
54 車速センサ
55 操舵角センサ
56 ヨーレイトセンサ
57 ブレーキストロークセンサ
58 アクセル開度センサ
59 他のセンサ・スイッチ類
6 ATコントローラ
7 ブレーキコントローラ
71 総ブレーキトルク演算部
72 ブレーキ配分演算部
73 回生トルク演算部
74 モータ制御部
Claims (13)
- ブレーキ操作に基づく総制動トルクから前記モータ駆動輪による回生トルクを差し引いた残りの制動トルク分を、前後輪の各摩擦ブレーキによる摩擦ブレーキトルクに配分する回生協調ブレーキ制御を行う回生協調ブレーキ制御手段と、
前記回生協調ブレーキ制御時、前輪車輪速と後輪車輪速の差である前後車輪速差が、決定された閾値より大きくなると前記回生トルクを制限する回生トルク制限手段と、
前記回生協調ブレーキ制御中における車両の旋回度合いを表す旋回状態量が、旋回度合いが高いことを表すほど回生トルク制限が作用しやすくなるように前記閾値を下げた値に決定する閾値決定手段と、を備え、
前記回生トルク制限手段は、前後車輪速差が決定された閾値より大きくなると、前記回生協調ブレーキ制御での回生トルク要求を下げる補正により前記回生トルクを制限し、前記回生トルク要求から低下させる補正分を、閾値と前後車輪速差の差分の大きさに応じて与える
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項1に記載された電動車両の制御装置において、
前記閾値決定手段は、前記旋回状態量として横加速度絶対値を用い、前記横加速度絶対値が大きいほど前記閾値を下げた値に決定する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載された電動車両の制御装置において、
前記閾値決定手段は、前記回生協調ブレーキ制御中における走行環境状態を表す走行環境状態量が、車両挙動が安定挙動から不安定挙動へ移行しやすい走行環境状態を表すほど前記閾値を下げた値に決定する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項3に記載された電動車両の制御装置において、
前記閾値決定手段は、前記走行環境状態量として路面摩擦係数を用い、前記路面摩擦係数が低いほど前記閾値を下げた値に決定する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項1から請求項4までの何れか1項に記載された電動車両の制御装置において、
前記閾値決定手段は、前記回生協調ブレーキ制御中におけるドライバ運転操作状態を表すドライバ運転操作状態量が、車両挙動が安定挙動から不安定挙動へ移行しやすいドライバ運転操作状態を表すほど前記閾値を下げた値に決定する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項5に記載された電動車両の制御装置において、
前記閾値決定手段は、前記ドライバ運転操作状態量として操舵速度を用い、前記操舵速度が速いほど前記閾値を下げた値に決定する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項5または請求項6に記載された電動車両の制御装置において、
前記閾値決定手段は、前記ドライバ運転操作状態量としてブレーキ踏み込み速度を用い、前記ブレーキ踏み込み速度が速いほど前記閾値を下げた値に決定する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項5から請求項7までの何れか1項に記載された電動車両の制御装置において、
前記閾値決定手段は、前記ドライバ運転操作状態量としてアクセル戻し速度を用い、前記アクセル戻し速度が速いほど前記閾値を下げた値に決定する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項5から請求項8までの何れか1項に記載された電動車両の制御装置において、
前記閾値決定手段は、前記ドライバ運転操作状態量として変速機のシフトチェンジ情報を用い、シフトチェンジの開始時点から限られた時間までの間、前記閾値を下げた値に決定する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項1から請求項9までの何れか1項に記載された電動車両の制御装置において、
前記閾値決定手段は、前記回生協調ブレーキ制御中における車両状態を表す車両状態量が、車両挙動が安定挙動から不安定挙動へ移行しやすい車両状態を表すほど前記閾値を下げた値に決定する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項10に記載された電動車両の制御装置において、
前記閾値決定手段は、前記車両状態量として回生トルクを用い、前記回生トルクが大きいほど前記閾値を下げた値に決定する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項10または請求項11に記載された電動車両の制御装置において、
前記閾値決定手段は、前記車両状態量として車速を用い、前記車速が上昇するほど前記閾値を下げた値に決定する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項10から請求項12までの何れか1項に記載された電動車両の制御装置において、
前記閾値決定手段は、前記車両状態量として前輪荷重配分を用い、前記前輪荷重配分がノミナル配分から不安定挙動へ移行しやすい配分になるほど前記閾値を下げた値に決定する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。
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