JP2024031788A - 処理システム及び処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機フッ素化合物の無毒化処理を円滑に実施すること。【解決手段】PFAS無毒化システム1は、半導体製造装置100から排出された、PFASを含む廃液を濃縮する濃縮器11と、濃縮器11によって濃縮された濃縮液を濃硫酸を含む液体で分解及び蒸発させる硫酸処理槽12と、硫酸処理槽12によって蒸発させられたガスを液化して捕集する冷却装置13と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、処理システム及び処理方法に関する。
特許文献1には、有機フッ素化合物等の含有比率を低減する処理装置と、アニオン交換体を含むイオン交換体を充填したアニオン交換棟と、アニオン交換棟に流通した再生液を分解処理する分解装置と、を含む排水処理システムが記載されている。
特開2010-125352号公報
本開示は、有機フッ素化合物の無毒化処理を円滑に実施することができる処理システム及び処理方法を提供する。
本開示の一側面に係る処理システムは、半導体製造装置から排出された、有機フッ素化合物を含む廃液を濃縮する濃縮部と、濃縮部によって濃縮された濃縮液を濃硫酸で分解及び蒸発させる薬液処理部と、薬液処理部によって蒸発させられたガスを液化して捕集する捕集部と、を備える。
本開示によれば、有機フッ素化合物の無毒化処理を円滑に実施することができる。
本実施形態に係るPFAS無毒化システムの構成図である。 硫酸処理槽及び冷却装置の一例を示す模式図である。 硫酸処理槽及び冷却装置の他の例を示す模式図である。 PFAS無毒化処理を示すフローチャートである。 変形例に係るPFAS無毒化システムの構成図である。 変形例に係る硫酸処理槽の模式図である。 硫酸処理槽における第1の処理イメージを示す図である。 硫酸処理槽における第2の処理イメージを示す図である。 硫酸処理槽における第3の処理イメージを示す図である。
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態に係る処理システムは、図1に示されるように、半導体製造装置100から排出された、PFASを無毒化するPFAS無毒化システム1である。PFASとは、有機フッ素化合物であるペルフルオロアルキル物質及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS:Per- and PolyFluoroAlkyl Substances)である。
PFASとは、少なくとも1つ以上の-CF2-又は-CF3の脂肪族分子を含む化合物であり、テフロンのような有機高分子化合物(ポリマー)も含む。ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS:Per Fluoro Octane Sulfonic Acid)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA:Per Fluoro Octanoic Acid)は、PFASの一種である。PFOSは、例えば、泡消火剤、めっき液、航空機作動油、撥水剤、フロアワックス等に含まれている。また、PFOAは、例えば、繊維、医療、電子基板、自動車、食品包装紙、石材、フローリング、皮革等に含まれている。半導体の製造工程においては、例えばノンポリマーのPFASがフォトレジストで用いられている。また、ポリマーのPFASが、半導体製造装置の配管、バルブ、ポンプ等の接液部材、フォトレジスト、反射防止膜等に用いられている。
PFASは自然界において安定しており、分解されにくい。そのため、PFASは、残留性が高く、生体内に蓄積されやすい性質があり、害性が高い。本実施形態に係るPFAS無毒化システム1は、半導体製造装置100から排出されるPFASを無毒化することにより、PFASが外部に排出されることを抑制するシステムである。
図1に示されるように、PFAS無毒化システム1は、濃縮器11(濃縮部)と、硫酸処理槽12(薬液処理部)と、冷却装置13(捕集部)と、無毒化装置14(無毒化部)と、を含んで構成されている。なお、本実施形態では、PFAS無毒化システム1が複数の装置を含む装置群であるとして説明するが、PFAS無毒化システム1は1つの装置で構成されていてもよい。また、半導体製造装置100は、リソグラフィー装置111と、洗浄装置112と、エッチング装置113と、成膜装置114と、を含んで構成されている。半導体製造装置100の各構成は、実施する処理に伴って、PFASを含んだ物質を排出する。なお、PFAS無毒化システム1を構成する各処理部は、同じ空間(場所)に設置されていてもよいし、同じ空間に設置されていなくてもよい。例えば、各処理部は、リソグラフィー装置111、洗浄装置112、或いはエッチング装置113が設置されている建物内に設置されていてもよいし、該建物の外や隣接した空間に設置されていてもよい。各処理部は、上記建物内と建物外とで互いに分かれて設置されていてもよい。また、濃縮器11、硫酸処理槽12、冷却装置13、及び無毒化装置14のうち不使用のものは、常時設置されていなくてもよい。
リソグラフィー装置111は、塗布・現像装置と、露光装置とを含んで構成されている。なお、リソグラフィー装置111は、露光装置を含んでいなくてもよく、塗布・現像装置単体で構成されていてもよい。更に、リソグラフィー装置111は、塗布装置又は現像装置単体で構成されていてもよい。露光装置は、レジスト膜の露光処理を行う。具体的には、液浸露光等の方法によりレジスト膜(感光性被膜)の露光対象部分にエネルギー線を照射する。塗布・現像装置は、露光装置による露光処理の前に、基板の表面にレジスト膜を形成する処理を行い、露光処理後にレジスト膜の現像処理を行う。このようなリソグラフィー装置111から排出される液体又は気体には、PFASが含まれている。例えば、レジスト廃液、現像処理に係るアルカリ廃液、レジスト剥離に係る酸廃液、有機排気、熱排気、昇華物の固化物等には、PFASが含まれている。本実施形態では、レジスト廃液に含まれるPFASについて主に説明する。レジスト廃液に含まれるPFASの例として、例えば光酸発生材(PAG:Photo Acid Generator)がある。リソグラフィー装置111から排出されるレジスト廃液は、PFAS無毒化システム1の濃縮器11に導入される。
洗浄装置112は、基板に対する洗浄処理を行う。洗浄装置112は、例えば、レジスト等の有機物の除去にはHと硫酸とを混合したSPM:Sulfuric. Acid Hydrogen Peroxide Mixtureを用いる。洗浄装置112は、金属の除去にはHと塩酸とを混合した混合水溶液(SC2:Standard Clean 2)を用い、パーティクルの除去にはHとアンモニアとを混合した混合水溶液(SC1)を用いる。また、濃硫酸のみも廃液処理中に出る。洗浄装置112は、PFASを含んだSPM廃液を排出する。洗浄装置112から排出されるSPM廃液や濃硫酸は、硫酸処理槽12に導入される。また、洗浄装置112は、PFASを含んだ酸廃気を排出する。洗浄装置112から排出される酸廃気は、無毒化装置14に導入される。
エッチング装置113は、形成されたレジスト膜のパターンに沿って、酸化膜・薄膜を削り取るエッチング処理を行う。エッチング装置113は、PFASを含んだ排ガスを排出する。エッチング装置113から排出される排ガスは、無毒化装置14に導入される。
成膜装置114は、基板に配線膜及び絶縁膜を形成する。成膜装置114は、各種プロセスガス(PFAS含有又は非含有ガス)を用いており、その排ガスを排出する。成膜装置114から排出される排ガスは、無毒化装置14に導入される。
濃縮器11は、半導体製造装置100のリソグラフィー装置111から排出されたPFASを含むレジスト廃液を濃縮する。すなわち、濃縮器11は、PFASを含む廃液として、リソグラフィー装置111における基板処理廃液を濃縮する。濃縮器11は、例えば限界ろ過膜や逆浸透膜等を用いて、レジスト廃液を濃縮すると共に、レジスト廃液に含まれる溶媒を分離させる。レジスト廃液の濃縮液は、ポリマーを含む濃縮液なので、粘度が高くなっている。レジスト廃液の濃縮液は、硫酸処理槽12に導入される。なお、リソグラフィー装置111から排出されたアルカリ廃液が濃縮器11によって濃縮される場合には、アルカリ廃液が中和後に逆浸透膜に導入されてもよい。
レジスト廃液から分離された溶媒は、リサイクルソルベントとして半導体製造装置100におけるカップ洗浄等に利用されてもよいし、ソルベント回収業者に回収されてもよい。従来の場合、ソルベント回収業者がレジスト廃液から再生溶媒を精製しようとするときに成分分析をするとレジストメーカーの機密物質を含んだ廃液も回収してしまう可能性がある。この点、本実施形態のように濃縮器11を通したレジスト廃液は、固形分成分が濃縮液に含まれるため、ソルベント回収業者への機密漏洩を防ぐことができる。
硫酸処理槽12は、濃縮器11によって濃縮された濃縮液を、SPM廃液にて分解及び蒸発させる。すなわち、硫酸処理槽12は、洗浄装置112のSPM廃液を利用する。SPM廃液中においては、溶媒及びポリマーは、酸化反応や脱水反応の分解反応が生じ、低分子化する(低粘度化する)。このとき、SPM廃液は発熱反応によって温度が高くなる(SPM廃液中の濃硫酸の温度が高くなる)。PFASは基本的に分解されないが、PAG等の成分は沸点が低いため高温のSPM廃液により蒸発する(特にSPM廃液中に含まれる濃硫酸の効果で蒸発する)。また、その際にPFASも一緒に蒸発する。従来、SPM廃液は、発泡の抑制をするためにカタラーゼを添加して廃液処理を行っているが、硫酸処理槽12で有機物と反応させてHの成分を使い切って脱気すれば、下流の硫酸廃液で発泡せず処理が容易になる。また、カタラーゼを減らすことができる。この反応によって例えば300℃程度の熱が発生するため、排熱を利用した温度差発電や硫酸処理槽12を冷却するための循環水から発生する蒸気で蒸気発電が行われてもよい。なお、硫酸処理槽12から排出される硫酸廃液は、例えばリサイクル業者にて回収される。該硫酸廃液は、従来の廃液よりも硫酸の純度を高くすることができている。なお、硫酸処理槽12は、不慮の発火を抑制するために不活性ガスである窒素雰囲気中で実施することが望ましい。また、上記SPM廃液は濃硫酸廃液でも良く、濃硫酸の場合は、溶媒及びポリマーで、脱水反応の分解反応が生じ、低分化する(低粘度化する)。このとき濃硫酸は発熱反応によって濃硫酸の温度が高くなりPFAS、PAGなどを蒸発させる。
硫酸処理槽12に溜めたSPM廃液に、レジスト廃液の濃縮液を加え処理していくと次第にHが消費され、処理能力が低下する。レジスト廃液の濃縮液を適切量供給したのち、反応が落ち着きガスの発生が終了するまで硫酸処理槽12は待機させる。洗浄装置112からのSPM廃液が多いため、洗浄装置112からのSPM廃液も滞ることなく処理する必要がある。そのため、硫酸処理槽12は、複数の処理槽で構成されていてもよい。この場合、1つの処理槽が処理している間に、他の処理槽にて液の注入等の準備を行ってもよい。また、1つ目の処理槽、次に2つ目の処理槽、次に3つ目の処理槽、のように、反応の進行の程度を見て、液を下流に流していってもよい。なお、レジスト廃液がメタル含有レジストである場合には、上述した各工程と同様の工程で、メタル成分のみ蒸発せずに沈殿し、硫酸廃液と共に処理される。
SPM廃液は、過酸化水素水が含まれているため、そのまま廃液にすると発泡して装置に負担をかけること、或いは、発泡ガスで環境を悪化させることがある。この点、本実施形態に係る構成では、残留の過酸化水素水が有効的に活用されて、発泡したガスも燃料として無毒化装置14で燃やされることから、装置や環境への負担を小さくすることができる。
図2は、硫酸処理槽12及び冷却装置13の一例を示す模式図である。図2に示される例では、硫酸処理槽12と冷却装置13とが連続的に構成されている。硫酸処理槽12は、洗浄装置112のSPM廃液を貯留する硫酸貯留部121(第1貯留部)と、硫酸貯留部121に連続すると共に傾斜状に延びる傾斜部122と、を有している。そして、硫酸処理槽12では、濃縮器11によって濃縮された濃縮液が傾斜部122に滴下される。傾斜部122は、滴下される濃縮液を受け、該濃縮液を硫酸貯留部121に向かってガイドする。多量の硫酸に濃縮液を入れた場合には、激しい反応が生じ危険である。この点、傾斜部122に濃縮液が滴下されて、傾斜部122における波打ち際で硫酸に接する濃縮液の量が限定的とされることにより、上記激しい反応が生じることを抑制することができる。硫酸処理槽12では、反応により生じる熱によってタービン123を回し、発電してもよい。濃硫酸よって蒸発したPFASを含むガスは、冷却装置13に向かって流れる。なお、濃縮液を硫酸処理槽12に加えるときには、激しい反応を抑制するために、濃縮液と窒素とを二流体スプレーノズルを介して投入してもよい。濃硫酸を小滴にすることによって、SPM廃液の液面に到達する前に蒸発しやすくなり、また、SPM廃液の液面で反応するときにも大きな接触界面とならないため、比較的緩やかな反応におさえることができる。また窒素で供給することによって、不慮の発火を抑制することができる。
図3は、硫酸処理槽12及び冷却装置13の他の例を示す模式図である。図3に示される例では、硫酸処理槽12が、濃縮液を貯留する濃縮液貯留部125(第2貯留部)を更に有している。そして、濃縮液貯留部125において、洗浄装置112のSPM廃液が所定量だけ加えられて濃縮液と混ぜ合わされ、混ぜ合わされた液体が傾斜部122を介して硫酸貯留部121に流し込まれる。このように、濃縮液貯留部125において、激しい反応とならない程度にSPM廃液と濃縮液との混ぜ合わせが実施され、混ぜ合わされた液体が傾斜部122を介して硫酸貯留部121に流し込まれる。このことにより、SPM廃液と濃縮液との反応を効果的に加速させることができる。
図1に戻り、冷却装置13は、硫酸処理槽12によって蒸発させられたPFASを含むガスを液化して捕集する。冷却装置13は、ガスを気体成分である低分子ガスと、液体成分である炭化水素(HC)抽出液とに分離して捕集する。図2に示されるように、硫酸処理槽12からのガスが、冷却装置13の冷却部131において冷却されることにより、液化したものはHC抽出液として捕集されるともに、結露しなかった低分子ガスについても捕集される。硫酸処理槽12から発生したガスは、窒素雰囲気にて処理しているため、窒素との混合ガスになっている。窒素を多量に含んだ混合ガスについては、後段の無毒化装置14における処理量が多くなるため、例えば、冷却装置13で結露しなかった低分子ガスを、ナノサブセラミッグフィルタを用いて、窒素とそれ以外に分離し濃縮してもよい。
上述した硫酸処理槽12からは、多種の有機ガス及びその他のガスが排出される。PAG等のPFASもガスとして排出されている。無毒化装置14にこれらのガスを直接導入することも考えられるが、室温で液体となるガスについては冷却装置13において一旦液化することによって運搬性を向上させることができる。なお、液化せずに運搬した場合には、配管の途中で液溜りができ制御が難しくなることがある。液化したHC抽出液及び結露しなかった低分子ガスの双方に、PFASが含まれている。HC抽出液及び低分子ガスは、無毒化装置14に導入される。なお、ガスの運搬性をより向上させるために、低分子ガスも含めてすべて液化してから無毒化装置に導入してもよい。
無毒化装置14は、冷却装置13による処理後の物質を無毒化する。無毒化装置14は、冷却装置13による処理後の物質を燃焼除害する燃焼除害装置であってもよい。無毒化装置14は、冷却装置13から導入されたHC抽出液及び低分子ガスを焼却する。HC抽出液の多くは炭化水素であるので、燃料として燃やすことができる。また、低分子ガスの多くは、炭素数が10以下の炭化水素であるので、同様に燃料として燃やすことができる。従来、燃焼除害装置では燃料としてプロパンガスや都市ガスが用いられているが、上記のようにHC抽出液等が燃料として用いられるので、プロパンガス等を減量することができる。
更に、無毒化装置14は、エッチング装置113から導入された排ガス、成膜装置114から導入された排ガス、及び、洗浄装置112から導入された酸廃気についても同時に燃焼除害してもよい。これらのガスは、各装置において使用されたPFASを含む排ガスである。これらのガスが同時に燃焼除害されることによって、プロパンガス等をより減量することができる。なお、燃焼除害の際には、ガスタービン等の内燃機関を用いて燃焼させることにより、電力発電をしてもよい。二酸化炭素等の無毒化されたガスは、回収しギ酸やメタノール等の有機物合成に利用してもよい。また、無毒化装置14は、冷却装置13による処理後の物質を亜臨界処理する亜臨界処理装置、超臨界処理する超臨界処理装置であってもよい。また、無毒化した廃ガスをスクラバ装置(排ガスを水洗、薬液中和処理、又は吸着し、大気中に放出する装置)を通して、Fイオン含有のスクラバ水と廃ガスに処理してもよい。
次に、PFAS無毒化システム1において実施されるPFAS無毒化処理について、図4を参照して説明する。図4は、PFAS無毒化処理を示すフローチャートである。
図4に示されるように、PFAS無毒化システム1では、濃縮器11において、半導体製造装置100のリソグラフィー装置111から排出されたPFASを含むレジスト廃液が濃縮される(ステップS1,濃縮ステップ)。濃縮ステップでは、レジスト廃液を濃縮すると共にレジスト廃液に含まれる溶媒が分離されてもよい。
つづいて、硫酸処理槽12において、濃縮器11によって濃縮された濃縮液が、洗浄装置112からのSPM廃液(又は濃硫酸廃液)で分解及び蒸発させられる(ステップS2,薬液処理ステップ)。薬液処理ステップでは、SPM廃液を貯留する硫酸貯留部121に連続すると共に傾斜状に延びる傾斜部122に対して濃縮液が滴下されてもよい。また、薬液処理ステップでは、濃縮液を貯留する濃縮液貯留部125において、洗浄装置112のSPM廃液が所定量だけ加えられて濃縮液と混ぜ合わされ、混ぜ合わされた液体が傾斜部122を介して硫酸貯留部121に流し込まれてもよい。
つづいて、冷却装置13において、硫酸処理槽12によって蒸発させられたPFASを含むガスが液化されて捕集される(ステップS3,捕集ステップ)。捕集ステップでは、ガスが気体成分(低分子ガス)と液体成分(HC抽出液)とに分離して捕集される。
つづいて、無毒化装置14において、捕集ステップにおける処理後の物質(低分子ガス及びHC抽出液)を無毒化する無毒化処理が実施される(ステップS4,無毒化ステップ)。無毒化ステップでは、捕集ステップにおける処理後の物質が燃焼除害されてもよいし、亜臨界処理されてもよい。また、無毒化ステップでは、エッチング装置113及び成膜装置114において使用されたPFASを含む排ガスを利用して燃焼除害処理が行われてもよい。
次に、本実施形態に係るPFAS無毒化システム1の作用効果について説明する。
本実施形態に係るPFAS無毒化システム1は、半導体製造装置100から排出された、PFASを含む廃液を濃縮する濃縮器11と、濃縮器11によって濃縮された濃縮液を濃硫酸を含む液体で分解及び蒸発させる硫酸処理槽12と、を備える。更に、PFAS無毒化システム1は、硫酸処理槽12によって蒸発させられたガスを液化して捕集する冷却装置13を備える。
本実施形態に係るPFAS無毒化システム1では、PFASを含む廃液が濃縮された後に、濃縮液が濃硫酸を含む液体(SPM廃液又は濃硫酸)で分解及び蒸発させられ、蒸発したガスが液化される。このように、濃縮液が濃硫酸を含む液体に混ぜ合わされることにより、ポリマーや溶媒等については脱水反応の分解反応により低分子化されると共に、有機フッ素化合物については蒸発する。上記混ぜ合わされた液体において有機物反応により脱気することにより、後段の処理において液体が発泡しにくくなり、後段で実施される処理が容易になる。そして、蒸発したガスが液化されることにより、上記無毒化処理が行われる物質の運搬性を向上させることができる。以上のように、本実施形態に係るPFAS無毒化システム1によれば、PFASの無毒化処理を円滑に実施することができる。
冷却装置13は、ガスを気体成分と液体成分とに分離して捕集してもよい。このように、液化が可能なものは液化して運搬性を高めると共に、液化しなかった低分子ガス(気体成分)についても捕集することにより、PFASが含まれる物質を適切に捕集することができる。
本実施形態に係るPFAS無毒化システム1は、冷却装置13による処理後の物質を無毒化する無毒化装置14を更に備えていてもよい。これにより、PFAS無毒化システム1内においてPFASの無毒化処理を適切に実施することができる。
無毒化装置14は、冷却装置13による処理後の物質を燃焼除害する燃焼除害装置であってもよい。このような構成によれば、PFASの無毒化処理を適切に実施することができる。
無毒化装置14は、冷却装置13による処理後の物質を亜臨界処理する亜臨界処理装置であってもよい。このような構成によれば、PFASの無毒化処理を適切に実施することができる。
濃縮器11は、廃液を濃縮すると共に廃液に含まれる溶媒を分離させてもよい。このように、排液に含まれる溶媒が分離されることによって、該溶媒をリサイクルソルベントとして再利用したり回収業者に販売すること等が可能になる。
半導体製造装置100は、少なくとも、リソグラフィー装置111及び洗浄装置112を有している。濃縮器11は、PFASを含む廃液として、リソグラフィー装置111における基板処理廃液を濃縮し、硫酸処理槽12は、濃硫酸を含む液体として、洗浄装置112の廃棄する濃硫酸を含む液体(SPM廃液等)を利用してもよい。濃縮器11がリソグラフィー装置111における基板処理廃液を濃縮することにより、PFASを多く含むレジスト廃液等を無毒化処理の対象とすることができる。また、洗浄装置112のSPM廃液が利用されることにより、本来廃棄される洗浄装置112のSPM廃液を有効利用することができる。また、洗浄装置112のSPM廃液にもPFASが含まれているところ、SPM廃液に含まれる有機フッ素化合物についても適切に無毒化処理を行うことができる。
半導体製造装置100は、少なくとも、エッチング装置113及び成膜装置114を有しており、無毒化装置14は、エッチング装置113及び成膜装置114において使用された、PFASを含む排ガスを利用して燃焼除害処理を行ってもよい。このように排ガスが利用されることにより、無毒化装置14に導入される燃料を減量することができ、トータル的にCO2排出量を抑制し、焼却施設が大型化することを回避することができる。また、排ガスに含まれるPFASについても無毒化処理を行うことができる。
硫酸処理槽12は、SPM廃液を貯留する硫酸貯留部121と、硫酸貯留部121に連続すると共に傾斜状に延びる傾斜部122と、を有し、傾斜部122は、滴下される濃縮液を受け、該濃縮液を硫酸貯留部121に向かってガイドしてもよい。このように、傾斜部122に濃縮液が滴下されることにより、SPM廃液と濃縮液とで激しい反応が生じることを抑制することができる。
硫酸処理槽12は、濃縮液を貯留する濃縮液貯留部125を更に有し、濃縮液貯留部125において、SPM廃液が所定量だけ加えられて濃縮液と混ぜ合わされ、混ぜ合わされた液体が傾斜部122を介して硫酸貯留部121に流し込まれてもよい。これにより、濃縮液貯留部125において激しい反応とならない程度にSPM廃液と濃縮液との混ぜ合わせが実施された後に、混ぜ合わされた液体が傾斜部122を介して硫酸貯留部121に流し込まれる。このことで、SPM廃液と濃縮液との反応を効果的に加速させることができる。
以上、本実施形態について説明したが、本実施形態は上記に限定されない。例えば、図5に示されるPFAS無毒化システム1Aのように、リソグラフィー装置111からの排ガスが直接、無毒化装置14に導入される構成であってもよい。当該排ガスは、例えば、成膜/現像/加熱/光照射処理等により発生するPFAS含有ガスである。なお、このような構成においても、リソグラフィー装置111における一部処理からPFAS含有液が発生する場合には、当該PFAS含有液が濃縮器11に導入されてもよい。また、図5に示されるように、洗浄装置112が乾式、すなわちガスによる処理を含む場合においては、PFAS含有ガスである排ガスが直接、無毒化装置14に導入されてもよい。そして、無毒化装置14において、これらの排ガスを含めて無毒化処理が実施されてもよい。
図6は、変形例に係る硫酸処理槽312の模式図である。硫酸処理槽312は、硫酸貯留部421(第1貯留部)と、SPM用ノズル422と、撹拌機423と、濃縮液用ノズル424(濃縮液吐出部)と、気体放出口425(排気部)と、を備えている。硫酸処理槽312は、さらに、SPM排出口426(排出口)と、冷却水流路427と、ガス放出口428と、を備えている。
硫酸貯留部421は、廃棄する濃硫酸を含む液体であるSPM廃液を貯留する貯留部である。なお、硫酸貯留部421が貯留する液体は、SPM廃液に限定されず、濃硫酸を含むその他の液体であってもよい。SPM用ノズル422は、洗浄装置から排出されたSPM廃液を硫酸貯留部421に供給するノズルである。撹拌機423は、硫酸貯留部421に貯留されたSPM廃液の攪拌を行う構成である。濃縮液用ノズル424は、上述した濃縮液をミスト状にして硫酸貯留部421に入れる構成である。濃縮液用ノズル424は、濃縮液を不活性ガス(例えば窒素ガス)と共にミスト状にして噴霧する。このように、濃縮液がミスト状にして噴霧されることにより、レジスト濃縮液をゆっくりと間欠的に入れることができ、安全性を高くすることができる(詳細は後述)。また、濃縮液がミスト状に噴霧されることにより、界面最小化が実現され、乾燥を促進することができる。また、不活性ガスが窒素ガスとされることにより、反応における発火を防止することができる。なお、濃縮液用ノズル424は、必ずしも濃縮液をミスト状に噴霧するものでなくてもよく、通常の液体として硫酸貯留部421に送り込む構成であってもよい。
気体放出口425は、硫酸貯留部421に溜まったガスを排気する排気部である。SPM排出口426は、硫酸貯留部421からSPM廃液を廃液する排出口である。冷却水流路427は、硫酸貯留部421底面及び側面を囲うように設けられた流路であり、流れる冷却水によって硫酸貯留部421を冷却する構成である。ガス放出口428は、冷却水流路427の上端部側に設けられており、蒸発した冷却水のガスを排気する排気部である。
以下では、上述した硫酸処理槽312を用いたSPM廃液に係る処理(第1~第3の処理)について図7~図9を参照して説明する。ここで、硫酸過水に濃縮液を入れると、分子内及び分子間脱水反応により有機物は低分子化する。硫酸過水は硫酸よりも反応性が高く危険である。また、硫酸密度(1.84)は濃縮液と比べて重いため、そのままでは混ざらない。そのため、界面では積極的に反応するが混ざらないため、突沸が発生する場合がある。そして、発生したガスには、自然発火点が200℃以下のガスも含まれているところ、濃硫酸の温度は290℃程度とされるため、発火のおそれがある。上述した第1~第3の処理は、SPM廃液に濃縮液を入れる処理をより安全に行うための処理である。
図7は、硫酸処理槽312における第1の処理イメージを示す図である。第1の処理では、最初に、図7(a)に示されるように、硫酸貯留部421が空の状態とされると共に、冷却水流路427に冷却水が貯留された状態とされる。つづいて、図7(b)に示されるように、SPM用ノズル422を介して硫酸貯留部421にSPM廃液が貯留される。つづいて、図7(c)に示されるように、濃縮液用ノズル424によって、レジストの濃縮液が窒素ガスと共にミスト状に噴霧される。濃縮液の噴霧は、ゆっくりと間欠的に行われる。濃縮液は硫酸よりも比重が重いため、SPM廃液の表面に浮いているような状態で供給される。この状態において、撹拌機423によってゆっくりと攪拌が行われる。これにより、濃縮液がSPM廃液の表面に留められることとなる。濃縮液の界面とSPM廃液の界面では、酸化反応と脱水反応が激しく行われるが、SPM廃液に触れていない内側の成分は、反応熱をもらい反応せずにそのまま蒸発する。蒸発した溶媒は、再びSPM廃液に触れることなく放出されるため、分解されず、燃焼除害装置における燃料として利用することができる。
そして、図7(d)に示されるように、SPM廃液の過水の能力が衰えて有機物の炭化が進み、液が褐色になっていくと、濃縮液用ノズル424からの濃縮液の噴霧が終了される。なお、気体放出口425からのガス放出が加速されるように、真空排気が行われてもよい。図7(e)に示されるように、ガスの放出が終了すると、SPM排出口426から硫酸を含む液体の廃液が行われ、図7(a)の状態に戻る。
上記処理において、液が褐色になっていない状態においては、炭素が二酸化炭素として放出される。硫酸処理槽312における工程で可燃物質を燃やしてしまうと、燃焼除害を行う際に燃やすための燃料として活用できなくなる。しかし、亜臨界分解の際に可燃物質が分解の邪魔になることがあるので、硫酸処理槽312において燃やすことが好ましい。
上述した第1処理では、ミスト状の噴霧によってゆっくりと濃縮液が入れられるので、安全性が極めて高くなっている(後述する第2処理よりも安全性が高くなっている)。また、蒸発した溶媒成分が分解されないため、該蒸発した溶媒成分を、燃焼除害装置の燃料として利用することができる。
図8は、硫酸処理槽312における第2の処理イメージを示す図である。第2の処理では、最初に、図8(a)に示されるように、硫酸貯留部421が空の状態とされると共に、冷却水流路427に冷却水が貯留された状態とされる。つづいて、図8(b)に示されるように、濃縮液用ノズル424から、レジストの濃縮液が硫酸貯留部421に供給される。この場合、濃縮液用ノズル424は、ミスト状の噴霧でなく、通常の液体として濃縮液を供給してもよい。つづいて、図8(c)に示されるように、SPM用ノズル422を介して硫酸貯留部421にSPM廃液が貯留される。これにより、一気に濃縮液とSPM廃液との処理が進む。この状態において、撹拌機423によって素早く攪拌が行われる。
そして、気体放出口425から、硫酸貯留部421に溜まったガスの排気が行われ、反応が落ち着きガスの放出が終了するまで待機される。または、真空状態でガスの排気が行われる。これにより、図8(d)に示されるように、SPM廃液の過水の能力が衰えて有機物の炭化が進み、液が褐色になっていく。最後に、図8(e)に示されるように、SPM排出口426から硫酸を含む液体の廃液が行われ、図8(a)の状態に戻る。
上記処理において、液が褐色になっていない状態においては、炭素が二酸化炭素として放出される。硫酸処理槽312における工程で可燃物質を燃やしてしまうと、燃焼除害を行う際に燃やすための燃料として活用できなくなる。しかし、亜臨界分解の際に可燃物質が分解の邪魔になることがあるので、硫酸処理槽312において燃やすことが好ましい。
上述した第2処理では、先に濃縮液が入れられてその後にSPM廃液が入れられる。このため、蒸発した溶媒成分についても、周囲にあるSPM廃液にて酸化反応及び脱水反応が進む。これにより、上述した第1処理よりも高速処理が期待でき、発熱量も多くなる。そして、分子内脱水反応の割合が多くなり、結果、低分子量の炭化水素ガスが多く放出される。
図9は、硫酸処理槽312における第3の処理イメージを示す図である。第3の処理では、最初に、図9(a)に示されるように、硫酸貯留部421が空の状態とされると共に、冷却水流路427に冷却水が貯留された状態とされる。つづいて、図9(b)に示されるように、SPM用ノズル422を介して硫酸貯留部421にSPM廃液が貯留される。第3の処理では、この状態で、過水の成分が蒸発するまで硫酸貯留部421内が真空状態とされる。この際、必要に応じて水が入れられて、SPM温度が上げられる。また、撹拌機423によってゆっくりと攪拌が行われる。
つづいて、図9(c)に示されるように、濃縮液用ノズル424によって、レジストの濃縮液が窒素ガスと共にミスト状に噴霧される。濃縮液の噴霧は、ゆっくりと間欠的に行われる。濃縮液は硫酸よりも比重が重いため、SPM廃液の表面に浮いているような状態で供給される。この状態において、撹拌機423によってゆっくりと攪拌が行われる。これにより、濃縮液がSPM廃液の表面に留められることとなる。濃縮液の界面とSPM廃液の界面では、酸化反応と脱水反応が激しく行われるが、SPM廃液に触れていない内側の成分は、反応熱をもらい反応せずにそのまま蒸発する。蒸発した溶媒は、再びSPM廃液に触れることなく放出されるため、分解されず、燃焼除害装置における燃料として利用することができる。
そして、図9(d)に示されるように、SPM廃液の過水の能力が衰えて有機物の炭化が進み、液が褐色になっていくと、濃縮液用ノズル424からの濃縮液の噴霧が終了される。なお、気体放出口425からのガス放出が加速されるように、真空排気が行われてもよい。図9(e)に示されるように、ガスの放出が終了すると、SPM排出口426から硫酸を含む液体の廃液が行われ、図9(a)の状態に戻る。
上述した第3の処理では、硫酸貯留部421にSPM廃液が貯留された状態において過水を失活させることにより、可燃性物質の分解反応を極力減らすことができる。このため、第3の処理は、各処理の中で最も安全性が高くなっている。
最後に、本開示に含まれる種々の例示的実施形態を、以下の[E1]~[E26]に記載する。
[E1]
処理システムは、半導体製造装置から排出された、有機フッ素化合物を含む廃液を濃縮する濃縮部と、濃縮部によって濃縮された濃縮液を濃硫酸を含む液体で分解及び蒸発させる薬液処理部と、を備える。また、処理システムは、薬液処理部によって蒸発させられたガスを液化して捕集する捕集部を備える。
[E2]
捕集部は、ガスを気体成分と液体成分とに分離して捕集する、[E1]記載の処理システム。
[E3]
捕集部による処理後の物質を無毒化する無毒化部を更に備える、[E1]又は[E2]記載の処理システム。
[E4]
無毒化部は、捕集部による処理後の物質を燃焼除害する燃焼除害装置である、[E3]記載の処理システム。
[E5]
無毒化部は、捕集部による処理後の物質を亜臨界処理する亜臨界処理装置、又は超臨界処理をする超臨界処理装置である、[E3]記載の処理システム。
[E6]
濃縮部は、廃液を濃縮すると共に廃液に含まれる溶媒を分離させる、[E1]~[E5]のいずれか一項記載の処理システム。
[E7]
半導体製造装置は、少なくとも、リソグラフィー装置及び洗浄装置を有しており、濃縮部は、有機フッ素化合物を含む廃液として、リソグラフィー装置における基板処理廃液を濃縮する。そして、薬液処理部は、濃硫酸を含む液体として、洗浄装置の廃棄する濃硫酸を含む液体を利用する、[E1]~[E6]のいずれか一項記載の処理システム。
[E8]
半導体製造装置は、少なくとも、エッチング装置及び成膜装置を有しており、燃焼除害装置は、エッチング装置及び成膜装置において使用された、有機フッ素化合物を含む排ガスを利用して燃焼除害処理を行う、[E4]記載の処理システム。
[E9]
薬液処理部は、廃棄する濃硫酸を含む液体を貯留する第1貯留部と、第1貯留部に連続すると共に傾斜状に延びる傾斜部と、を有し、傾斜部は、滴下される濃縮液を受け、該濃縮液を第1貯留部に向かってガイドする、[E7]記載の処理システム。
[E10]
薬液処理部は、濃縮液を貯留する第2貯留部を更に有し、第2貯留部において、廃棄する濃硫酸を含む液体が所定量だけ加えられて濃縮液と混ぜ合わされ、混ぜ合わされた液体が傾斜部を介して第1貯留部に流し込まれる、[E9]記載の処理システム。
[E11]
処理方法は、半導体製造装置から排出された、有機フッ素化合物を含む廃液を濃縮する濃縮ステップと、濃縮ステップにおいて濃縮された濃縮液を濃硫酸を含む液体で分解及び蒸発させる薬液処理ステップと、を含む。更に、本処理方法は、薬液処理ステップにおいて蒸発させられたガスを液化して捕集する捕集ステップを含む。
[E12]
捕集ステップでは、ガスを気体成分と液体成分とに分離して捕集する、[E11]記載の処理方法。
[E13]
捕集ステップにおける処理後の物質を無毒化する無毒化ステップを更に含む、[E11]又は[E12]記載の処理方法。
[E14]
無毒化ステップでは、捕集ステップにおける処理後の物質を燃焼除害する、[E13]記載の処理方法。
[E15]
無毒化ステップでは、捕集ステップにおける処理後の物質を亜臨界処理する、[E13]記載の処理方法。
[E16]
濃縮ステップでは、廃液を濃縮すると共に廃液に含まれる溶媒を分離させる、[E11]~[E15]のいずれか一項記載の処理方法。
[E17]
濃縮ステップでは、有機フッ素化合物を含む廃液として、リソグラフィー装置における基板処理廃液を濃縮する。薬液処理ステップでは、濃硫酸を含む液体として、洗浄装置の廃棄する濃硫酸を含む液体を利用する、[E11]~[E16]のいずれか一項記載の処理方法。
[E18]
無毒化ステップでは、エッチング装置及び成膜装置において使用された、有機フッ素化合物を含む排ガスを利用して燃焼除害処理を行う、[E14]記載の処理方法。
[E19]
薬液処理ステップでは、廃棄する濃硫酸を含む液体を貯留する第1貯留部に連続すると共に傾斜状に延びる傾斜部に対して濃縮液を滴下する、[E17]記載の処理方法。
[E20]
薬液処理ステップでは、濃縮液を貯留する第2貯留部において、廃棄する濃硫酸を含む液体を所定量だけ加えて濃縮液と混ぜ合わせ、混ぜ合わせた液体を、傾斜部を介して第1貯留部に流し込む、[E9]記載の処理方法。
[E21]
前記薬液処理部は、前記廃棄する濃硫酸を含む液体を貯留する第1貯留部と、前記濃縮液をミスト状にして前記第1貯留部に入れる濃縮液吐出部と、を有する、[E7]記載の処理システム。
[E22]
前記濃縮液吐出部は、前記濃縮液を不活性ガスと共にミスト状にして噴霧する、[E21]記載の処理システム。
[E23]
前記薬液処理部は、前記第1貯留部に溜まったガスを排気する排気部と、前記濃硫酸を含む液体を廃液する排出口と、を有し、
前記薬液処理部における処理では、
前記第1貯留部に前記濃硫酸を含む液体を入れることと、
前記濃縮液吐出部が、前記濃縮液を不活性ガスと共にミスト状にして前記第1貯留部に噴霧することと、
前記排気部が、前記第1貯留部に溜まったガスを排気することと、
前記排出口から、前記濃硫酸を含む液体を廃液することと、が順次実行される、[E22]記載の処理システム。
[E24]
前記薬液処理部は、前記廃棄する濃硫酸を含む液体を貯留する第1貯留部と、前記濃縮液を前記第1貯留部に入れる濃縮液吐出部と、前記第1貯留部に溜まったガスを排気する排気部と、前記濃硫酸を含む液体を廃液する排出口と、を有し、
前記薬液処理部における処理では、
前記濃縮液吐出部が、前記濃縮液を前記第1貯留部に入れることと、
前記第1貯留部に前記濃硫酸を含む液体を入れることと、
前記排気部が、前記第1貯留部に溜まったガスを排気することと、
前記排出口から、前記濃硫酸を含む液体を廃液することと、が順次実行される、[E7]記載の処理システム。
[E25]
前記濃硫酸を含む液体は、SPM廃液である、[E23]記載の処理システム。
[E26]
前記薬液処理部における処理では、
前記第1貯留部に前記濃硫酸を含む液体を入れた後、前記濃縮液が噴霧される前において、過水の成分が蒸発するまで前記第1貯留部内を真空状態とすること、が実行される、[E25]記載の処理システム。
[E27]
前記不活性ガスは、窒素ガスである、[E21]又は[E22]記載の処理システム。
1,1A…PFAS無毒化システム、11…濃縮器(濃縮部)、12…硫酸処理槽(薬液処理部)、13…冷却装置(捕集部)、14…無毒化装置(無毒化部)、100…半導体製造装置、111…リソグラフィー装置、112…洗浄装置、113…エッチング装置、114…成膜装置、121…硫酸貯留部(第1貯留部)、122…傾斜部、125…濃縮液貯留部(第2貯留部)。

Claims (20)

  1. 半導体製造装置から排出された、有機フッ素化合物を含む廃液を濃縮する濃縮部と、
    前記濃縮部によって濃縮された濃縮液を濃硫酸を含む液体で分解及び蒸発させる薬液処理部と、
    前記薬液処理部によって蒸発させられたガスを液化して捕集する捕集部と、を備える処理システム。
  2. 前記捕集部は、前記ガスを気体成分と液体成分とに分離して捕集する、請求項1記載の処理システム。
  3. 前記捕集部による処理後の物質を無毒化する無毒化部を更に備える、請求項1記載の処理システム。
  4. 前記無毒化部は、前記捕集部による処理後の物質を燃焼除害する燃焼除害装置である、請求項3記載の処理システム。
  5. 前記無毒化部は、前記捕集部による処理後の物質を亜臨界処理する亜臨界処理装置である、請求項3記載の処理システム。
  6. 前記濃縮部は、前記廃液を濃縮すると共に前記廃液に含まれる溶媒を分離させる、請求項1~5のいずれか一項記載の処理システム。
  7. 前記半導体製造装置は、少なくとも、リソグラフィー装置及び洗浄装置を有しており、
    前記濃縮部は、前記有機フッ素化合物を含む前記廃液として、前記リソグラフィー装置における基板処理廃液を濃縮し、
    前記薬液処理部は、前記濃硫酸を含む液体として、前記洗浄装置の廃棄する濃硫酸を含む液体を利用する、請求項1~5のいずれか一項記載の処理システム。
  8. 前記半導体製造装置は、少なくとも、エッチング装置及び成膜装置を有しており、
    前記燃焼除害装置は、前記エッチング装置及び前記成膜装置において使用された、有機フッ素化合物を含む排ガスを利用して燃焼除害処理を行う、請求項4記載の処理システム。
  9. 前記薬液処理部は、前記廃棄する濃硫酸を含む液体を貯留する第1貯留部と、前記第1貯留部に連続すると共に傾斜状に延びる傾斜部と、を有し、
    前記傾斜部は、滴下される前記濃縮液を受け、該濃縮液を前記第1貯留部に向かってガイドする、請求項7記載の処理システム。
  10. 前記薬液処理部は、前記濃縮液を貯留する第2貯留部を更に有し、
    前記第2貯留部において、前記廃棄する濃硫酸を含む液体が所定量だけ加えられて前記濃縮液と混ぜ合わされ、混ぜ合わされた液体が前記傾斜部を介して前記第1貯留部に流し込まれる、請求項9記載の処理システム。
  11. 前記薬液処理部は、前記廃棄する濃硫酸を含む液体を貯留する第1貯留部と、前記濃縮液をミスト状にして前記第1貯留部に入れる濃縮液吐出部と、を有する、請求項7記載の処理システム。
  12. 前記濃縮液吐出部は、前記濃縮液を不活性ガスと共にミスト状にして噴霧する、請求項11記載の処理システム。
  13. 前記薬液処理部は、前記第1貯留部に溜まったガスを排気する排気部と、前記濃硫酸を含む液体を廃液する排出口と、を有し、
    前記薬液処理部における処理では、
    前記第1貯留部に前記濃硫酸を含む液体を入れることと、
    前記濃縮液吐出部が、前記濃縮液を不活性ガスと共にミスト状にして前記第1貯留部に噴霧することと、
    前記排気部が、前記第1貯留部に溜まったガスを排気することと、
    前記排出口から、前記濃硫酸を含む液体を廃液することと、が順次実行される、請求項12記載の処理システム。
  14. 前記薬液処理部は、前記廃棄する濃硫酸を含む液体を貯留する第1貯留部と、前記濃縮液を前記第1貯留部に入れる濃縮液吐出部と、前記第1貯留部に溜まったガスを排気する排気部と、前記濃硫酸を含む液体を廃液する排出口と、を有し、
    前記薬液処理部における処理では、
    前記濃縮液吐出部が、前記濃縮液を前記第1貯留部に入れることと、
    前記第1貯留部に前記濃硫酸を含む液体を入れることと、
    前記排気部が、前記第1貯留部に溜まったガスを排気することと、
    前記排出口から、前記濃硫酸を含む液体を廃液することと、が順次実行される、請求項7記載の処理システム。
  15. 前記濃硫酸を含む液体は、SPM廃液である、請求項13記載の処理システム。
  16. 前記薬液処理部における処理では、
    前記第1貯留部に前記濃硫酸を含む液体を入れた後、前記濃縮液が噴霧される前において、過水の成分が蒸発するまで前記第1貯留部内を真空状態とすること、が実行される、請求項15記載の処理システム。
  17. 前記不活性ガスは、窒素ガスである、請求項12記載の処理システム。
  18. 半導体製造装置から排出された、有機フッ素化合物を含む廃液を濃縮する濃縮ステップと、
    前記濃縮ステップにおいて濃縮された濃縮液を濃硫酸を含む液体で分解及び蒸発させる薬液処理ステップと、
    前記薬液処理ステップにおいて蒸発させられたガスを液化して捕集する捕集ステップと、を含む処理方法。
  19. 前記捕集ステップでは、前記ガスを気体成分と液体成分とに分離して捕集する、請求項18記載の処理方法。
  20. 前記捕集ステップにおける処理後の物質を無毒化する無毒化ステップを更に含む、請求項18記載の処理方法。
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