JP2024031360A - 建設機械のキャビン - Google Patents

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Abstract

【課題】前方上部の視界を向上する。【解決手段】建設機械のキャビンは、左右のフロントピラー12と、左右のフロントピラーにそれぞれ接続された左右のルーフビーム16と、フロントピラーおよびルーフビームが接続する左右の接続部60を掛け渡して連結するフロントヘッダ17とを備える。フロントヘッダは、アイポイントPから見たときに上下方向に離間された複数のヘッダ片70を有し、複数のヘッダ片は、側面視において、アイポイントから延びるヘッダ断面中心線C1~C3を有すると共に、ヘッダ断面中心線の方向における前後幅が、ヘッダ断面中心線に直角な方向における上下幅よりも大きい扁平な断面形状を有する。【選択図】図5

Description

本開示は、建設機械のキャビンに関する。
一般に、油圧ショベル等の建設機械におけるキャビンは、その骨格をなすキャビンフレームを備える。キャビンフレームは、左右のフロントピラーと、左右のフロントピラーにそれぞれ接続された左右のルーフビームと、フロントピラーおよびルーフビームが接続する左右の接続部を掛け渡して連結するフロントヘッダとを備える。
特開2010-52574号公報
一方、キャビンは、ISOで定めるROPS(Roll-Over Protective Structures)規格を満たさなければならない。ROPS規格とは、左右一方のルーフビームに横力すなわちROPS荷重を加えたときのキャビンの変形度合いに関する規格である。フロントヘッダは、キャビン前半部分においてROPS荷重を受け持つ重要な構造部材である。そのためフロントヘッダは高剛性のものとされ、比較的大きな断面寸法を有している。
しかしこれにより、キャビン内のアイポイントから前方上部を見たとき、フロントヘッダによる比較的大きな死角ができてしまう。この死角により前方上部の視界が悪化してしまう。
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、前方上部の視界を向上することができる建設機械のキャビンを提供することにある。
本開示の一の態様によれば、
左右のフロントピラーと、
前記左右のフロントピラーにそれぞれ接続された左右のルーフビームと、
前記フロントピラーおよび前記ルーフビームが接続する左右の接続部を掛け渡して連結するフロントヘッダと、
を備え、
前記フロントヘッダは、アイポイントから見たときに上下方向に離間された複数のヘッダ片を有し、
前記複数のヘッダ片は、側面視において、前記アイポイントから延びるヘッダ断面中心線を有すると共に、ヘッダ断面中心線の方向における前後幅が、ヘッダ断面中心線に直角な方向における上下幅よりも大きい扁平な断面形状を有する
ことを特徴とする建設機械のキャビンが提供される。
好ましくは、前記複数のヘッダ片は、台形、長方形、三角形または楕円形の断面形状を有する。
好ましくは、前記複数のヘッダ片は左右の支持板に取り付けられ、前記左右の支持板が前記接続部の内側面部に取り付けられている。
好ましくは、前記フロントヘッダは、前記左右の接続部から前方に突出する左右の突出ブラケットを備え、
前記複数のヘッダ片のうち少なくとも1つは、前記左右の突出ブラケットに取り付けられている。
好ましくは、前記フロントヘッダは第1、第2および第3ヘッダ片を有し、前記第2ヘッダ片は前記左右の突出ブラケットに取り付けられ、前記第1ヘッダ片および前記第3ヘッダ片は、側面視において前記第2ヘッダ片と共に三角形の頂点をなすよう、前記左右の接続部に取り付けられている。
好ましくは、前記複数のヘッダ片の間の隙間を通じて前記アイポイントから外部を視認可能である。
本開示によれば、前方上部の視界を向上することができる。
第1実施形態に係る建設機械を概略的に示す正面図である。 第1実施形態のキャビンを概略的に示す斜視図である。 第1実施形態のキャビンを示す断面斜視図である。 フロントヘッダを示す斜視図である。 フロントヘッダの周辺部分を示す縦断側面図である。 ヘッダ片を示す縦断側面図である。 比較例のフロントヘッダの周辺部分を示す縦断側面図である。 比較例のキャビンの変形モードを概略的に示す正面図である。 比較例の前方上部の視界を示す概略図である。 第1実施形態の前方上部の視界を示す概略図である。 第2実施形態のキャビンを概略的に示す斜視図である。 第2実施形態のフロントヘッダの周辺部分を示す縦断側面図である。 ヘッダ片の第1変形例を示す縦断側面図である。 ヘッダ片の第2変形例を示す縦断側面図である。 ヘッダ片の第3変形例を示す縦断側面図である。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお本開示は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
[第1実施形態]
図1に、第1実施形態に係る建設機械を概略的に示す。本実施形態における建設機械1は油圧ショベルであり、下部走行体2と、下部走行体2上に上下軸回りに旋回可能に設けられた上部旋回体3とを備える。
下部走行体2は、左右のクローラ5を備える。上部旋回体3は、旋回フレーム6と、旋回フレーム6上の左側(左右の一方側)に設けられたキャビン7と、旋回フレーム6上の前部かつ左右中央部に設けられた掘削用アタッチメント4と、旋回フレーム6上の右側(左右の他方側)に設けられた機械室8とを備える。
掘削用アタッチメント4は、旋回フレーム6に起伏自在に設けられたブーム9と、ブーム9の先端部に回動可能に設けられたアーム(図示せず)と、アームの先端部に回動可能に設けられたバケット(図示せず)とを備える。また掘削用アタッチメント4は、旋回フレーム6に対してブーム9を起伏させるためのブームシリンダ10と、ブーム9に対してアームを回動させるためのアームシリンダ(図示せず)と、アームに対してバケットを回動させるためのバケットシリンダ(図示せず)とを備える。
右側は、キャビン7に対してブーム9が存在する側、つまりブーム側である。これに対し、左側は、キャビン7に対してブーム9が存在する側の反対側、つまり反ブーム側である。
図2および図3に、キャビン7と、その骨格をなすキャビンフレーム11とを概略的に示す。キャビンフレーム11に各種パネル、ドア、窓、艤装品等が取り付けられてキャビン7が構成される。キャビン7およびキャビンフレーム11は概ね左右対称に構成されている。
キャビンフレーム11は、その最前端に立設された左右のフロントピラー12(12L,12R)と、その最後端に立設された左右のリヤピラー13(13L,13R)と、左側に位置され左フロントピラー12と左リヤピラー13Lの間に位置されたセンターピラー14すなわち左センターピラー14Lとを備える。本実施形態の場合、視界向上のため、右側にはセンターピラーが存在しない。
これら各ピラーはキャビンフレーム11における四角枠状のフロアメンバ15に上方に向かって立設されている。
またキャビンフレーム11は、左右のそれぞれにおいてフロントピラー12の上端とリヤピラー13の上端とを連結するルーフビーム16(16L,16R)を備える。左右のルーフビーム16の前端は左右のフロントピラー12の上端にそれぞれ接続される。フロントピラー12とルーフビーム16が接続する接続部60(60L,60R)が左右に形成される。左ルーフビーム16Lには左センターピラー14Lの上端が接続される。
またキャビンフレーム11は、左右の接続部60を掛け渡して連結するフロントヘッダ17を備える。詳しくは後述するが、本実施形態は、フロントヘッダ17が複数のヘッダ片70(71,72,73)を有する点に特徴がある。
キャビンフレーム11は、左右のリヤピラー13の上端部同士を掛け渡して連結するリヤアッパクロスメンバ18と、左右のリヤピラー13の中間部同士を掛け渡して連結するリヤミドルクロスメンバ19と、左右のリヤピラー13の下端部同士を掛け渡して連結するリヤロワクロスメンバ22とを備える。
またキャビンフレーム11は、左右のルーフビーム16の中間部同士を掛け渡して連結するセンタークロスメンバ20を備える。前後方向におけるセンタークロスメンバ20の位置は左センターピラー14Lの位置と等しくされる。
またキャビンフレーム11は、左センターピラー14Lと左リヤピラー13Lとの中間部同士を連結する左サイドメンバ21Lを備える。左サイドメンバ21Lは前下がりになるよう傾斜される。
またキャビンフレーム11は、右リヤピラー13Rの中間部とフロアメンバ15の右側端縁部とを連結する右サイドビーム23Rを備える。右サイドビーム23Rは前下がりになるよう傾斜され、右リヤピラー13Rとフロアメンバ15を筋交い状に連結する。
上述のリヤピラー13、センターピラー14、リヤアッパクロスメンバ18、リヤミドルクロスメンバ19、リヤロワクロスメンバ22、センタークロスメンバ20、左サイドメンバ21L、右サイドビーム23Rは、金属(例えば鋼)製で直線状かつ矩形断面の中空角パイプにより形成される。
一方、左右のフロントピラー12およびルーフビーム16は、金属(例えば鋼)製かつ異形断面の中空パイプにより一体かつ連続的に形成されている。すなわち、フロントピラー12およびルーフビーム16は、1本の異形断面のパイプを湾曲状に曲げることにより形成される。よって左右の接続部60は側面視において図示するような湾曲形状とされている。ここで異形断面とは、一般的な長方形および円形とは異なる形状の断面をいう。
このように本実施形態では、フロントピラー12とルーフビーム16を一体に接続しており、こうした場合も接続部60に含まれる。当然、フロントピラー12とルーフビーム16を別体で接続する場合も接続部60に含まれる。この場合、フロントピラー12とルーフビーム16は直接接続してもよいし、継手部材を介して間接的に接続してもよい。
こうしたキャビンフレーム11において、前面の開口部は、図2に仮想線で示すような前窓24(図1にも示す)により閉止される。また、キャビンフレーム11の後面開口部は、リヤパネル25と、その開口部26に設けられた図示しない後窓とにより閉止される。キャビンフレーム11の右側面部は、右サイドパネル27と、その開口部28に設けられた図示しない右窓とにより閉止される。
キャビンフレーム11の左側面部において、左フロントピラー12L、左センターピラー14Lおよび左ルーフビーム16Lで囲まれた空間は、図示しない開閉可能なドアにより閉止される。また左センターピラー14L、左リヤピラー13Lおよび左ルーフビーム16Lで囲まれた空間は、左サイドパネル29と、その開口部30に設けられた図示しない左窓とにより閉止される。
前窓24、後窓、右窓および左窓は、概して透明なガラス板により形成されている。
一方、キャビンフレーム11の天井開口部のうち、後半部は後ルーフパネル31により閉止される。後ルーフパネル31は、センタークロスメンバ20より僅かに前方の位置から後方の部分に設けられる。
またキャビンフレーム11の天井開口部のうち、前半部は、ルーフハッチをなし、図2に仮想線で示すようなルーフハッチカバーすなわち前ルーフパネル32により閉止される。前ルーフパネル32は、金属(例えば鋼)製の板材により形成されると共に、後ルーフパネル31に回動可能に接続されてチルトアップ可能である。前ルーフパネル32の後端部は、図示しないヒンジを介して、後ルーフパネル31の前端部に回動可能に接続されている。
前ルーフパネル32がチルトアップされてない通常位置aにあるとき、前ルーフパネル32は天井開口部の前半部を閉止する。他方、前ルーフパネル32がチルトアップされたチルト位置bにあるとき、前ルーフパネル32は、その前端部が後端部より高くなるよう傾斜され、前半部を開放する。
このように前ルーフパネル32をチルトアップさせると、キャビン内のアイポイントから見たときに前方上部および上方の視界が開けるので、掘削作業等の作業が容易となる。
次に、フロントヘッダ17について説明する。上述したように、フロントヘッダ17は複数のヘッダ片70を有し、本実施形態では3つのヘッダ片71,72,73を有する。これらヘッダ片71~73を前方から順番に第1ヘッダ片71、第2ヘッダ片72および第3ヘッダ片73とする。またフロントヘッダ17は、図4に詳しく示すように、ヘッダ片71~73が取り付けられる左右の支持板64(64L,64R)を有する。これらヘッダ片71~73と左右の支持板64により、両者が一体化されたフロントヘッダアセンブリが形成される。
こうしたフロントヘッダアセンブリとしてのフロントヘッダ17が、左右の接続部60に取り付けられる。すなわち、図5にも示すように、左右の接続部60の内側面部60Bの間に挟まれるようにフロントヘッダ17が位置決めされた後、左右の支持板64がフランジの如く機能し、左右の接続部60の内側面部60Bにそれぞれ溶接、ボルト止め等により取り付けられる。これにより、3つのヘッダ片71~73を取り付けるための取付作業を容易に行うことができる。取付後、3つのヘッダ片71,72,73は、左右の接続部60の長手方向に沿って位置されると共に、左右の接続部60の内側面60Bの間に位置されて突っ張り棒の如く機能する。
図5は、フロントヘッダ17の周辺部分を左側方から見たときの断面図である。また図6は、3つのヘッダ片71~73のうちの1つ、具体的には第2ヘッダ片72を左側方から見たときの拡大断面図である。
図示するように、3つのヘッダ片71~73は、アイポイントPから見たときに上下方向に離間されている。言い換えれば、図5に示すような側面視において、3つのヘッダ片71~73は、アイポイントPを中心とした周方向に離間されている。また3つのヘッダ片71~73は、側面視において、アイポイントPから延びるヘッダ断面中心線C1~C3を有する。3つのヘッダ片71~73は、ヘッダ断面中心線C1~C3の方向における前後幅L1~L3(L2のみ図6に示す)が、ヘッダ断面中心線C1~C3に直角な方向における上下幅H1~H3(H2のみ図6に示す)よりも大きい、扁平な断面形状を有する。図示例において、3つのヘッダ片71~73は、向きが異なるだけで同一の断面形状を有する。
アイポイントPとは、キャビン内のシートに着座したオペレータの仮想的な目の位置をいう。このアイポイントPから見たとき、3つのヘッダ片71~73は上下方向に離間され、各ヘッダ片71~73の間には隙間G1,G2ができる。前ルーフパネル32がチルト位置bにあるとき、オペレータはアイポイントPから、それら隙間G1,G2を通じて外部を視認可能である。これにより、前方上部の視界を向上することができ、作業効率を向上することができる。
なお、本実施形態では前ルーフパネル32が金属板により形成されるので、前ルーフパネル32が通常位置aにあるとき、前ルーフパネル32が各ヘッダ片71~73と隙間G1,G2の上に覆い被さってこれらを隠し、隙間G1,G2を通じて外部を視認することができない。しかしながら、前ルーフパネル32は、透明なガラス板等で形成された天窓に置換可能である。この場合には天窓が通常位置aにあっても、隙間G1,G2と天窓を通じて外部を視認可能である。
3つのヘッダ片71~73は、湾曲状の接続部60の長手方向に沿って配置されている。最も前方かつ下方に位置される第1ヘッダ片71は、接続部60の長手方向におけるフロントピラー12側の端部に位置される。最も後方かつ上方に位置される第3ヘッダ片73は、接続部60の長手方向におけるルーフビーム16側の端部に位置される。前後方向および上下方向の中間に位置される第2ヘッダ片72は、接続部60の長手方向における中間部に位置される。
本実施形態の場合、ヘッダ片71~73は台形もしくは略台形の断面形状を有する。図6に示すように、台形の高さ方向がヘッダ断面中心線C2の方向に平行とされ、台形はヘッダ断面中心線C2に対称もしくは略対称な形状とされる。台形の上底部分72Aは下底部分72BよりアイポイントP側に位置される。
ヘッダ片71~73は、台形もしくは略台形断面で直線状の金属(例えば鋼)製中空パイプにより形成されている。ヘッダ片71~73は、左右の支持板64に溶接、ボルト止め等により取り付けられる。
ヘッダ片71~73をこのような扁平形状としたので、ヘッダ片71~73の剛性を確保しつつ、アイポイントPから見たときの死角B(周方向におけるヘッダ片71~73の存在領域)を減らすことができ、前方上部の視界を有利に向上できる。
このように本実施形態によれば、フロントヘッダ17が互いに離間された3つのヘッダ片71~73を有し、これらヘッダ片71~73が扁平な断面形状を有する。そのため、前方上部の視界を向上することができる。
ここで、本実施形態の利点を比較例と比較しつつ説明する。
図7は、比較例のフロントヘッダ17Xの周辺部分の断面図である。図示するように比較例のフロントヘッダ17Xは、矩形断面の単一の部材である。フロントヘッダは、キャビン前半部分においてROPS荷重を受け持つ重要な構造部材である。そのため比較例のフロントヘッダ17Xの断面寸法は比較的大きくされている。
図8は、比較例のキャビン7XにROPS荷重F1を付加したときの変形モードを示す図である。仮想線が荷重付加前、実線が荷重付加後を示す。ROPS荷重F1は、左ルーフビームの長さ方向の中間部付近に、右側つまりブーム側に向かって加えられる。建設機械の横転時にキャビンに付加される横荷重を模倣したものだからである。
荷重が付加されると、キャビン7Xの前面部はまず右側に傾く。このときフロアが拘束されているので、キャビン7Xの前面部は平行四辺形状に傾きながら変形する。こうした変形の仕方をマッチボクシング変形という。
その後、右フロントピラー12RXがブーム9Xにぶつかり、右フロントピラー12RXが座屈変形する。これと同時に、フロントヘッダ17Xに応力が集中し、フロントヘッダ17Xに座屈が発生する。すると、キャビン7Xの変形が一気に進み、DLV(Deflection-limiting Volume、キャビン内の乗員のための最小空間)の範囲にキャビン7Xが侵入して、規格を満たさないことがある。なお、こうした変形モードは本実施形態でも同じである。
比較例のフロントヘッダ17Xは、応力集中したときに座屈しないよう、高い剛性と大きな断面寸法とを有するものとされている。しかしこれにより、フロントヘッダ17Xの断面上下幅HXと死角BXが大きくなり、前方上部の視界が悪化している。
これに対し本実施形態のフロントヘッダ17は、ROPS荷重F1を3つのヘッダ片71~73により広範囲で分散して支持するので、ROPS荷重F1に対する座屈強度を高め、座屈を抑制することができ、キャビン内の安全空間を確保することができる。また、3つのヘッダ片71~73が扁平な断面形状を有するので、個々のヘッダ片71~73の死角Bを最小とし、剛性と視界を両立できる。ヘッダ片71~73の間には比較的大きな隙間G1,G2があるので、これら隙間G1,G2を通じて前方上部の視界を確保できる。こうして、フロントヘッダ17の剛性を確保しつつ、前方上部の視界を向上することができる。
図9および図10は、キャビン内から見たときの前方上部の視界の様子を概略的に示す。図9は比較例、図10は本実施形態である。なお両者とも前ルーフパネルがチルトアップされている。
これらを見比べると明らかなように、本実施形態の前方上部の視界は比較例よりも格段に優れる。比較例では、断面上下幅HXの大きなフロントヘッダ17Xにより比較的大きな死角ができる。しかし本実施形態では、個々のヘッダ片71~73の断面上下幅H1~H3が小さいことに加え、それらの間に大きな隙間G1,G2があることから、隙間G1,G2を通じて(つまりフロントヘッダ17を部分的に透過して)外部を視認できる。
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態を説明する。なお前記第1実施形態と同様の部分については図中同一符号を付して説明を割愛し、以下、第1実施形態との相違点を主に説明する。
図11および図12に示すように、第2実施形態のフロントヘッダ17は、左右の接続部60(60L,60R)から前方に突出する左右の突出ブラケット65(65L,65R)を備える。そして複数のヘッダ片70のうち少なくとも1つは、左右の突出ブラケット65に取り付けられている。本実施形態の場合、3つのヘッダ片71~73のうちの第2ヘッダ片72が、左右の突出ブラケット65に取り付けられている。そして第1および第3ヘッダ片71,73が、左右の接続部60に取り付けられている。
第1ヘッダ片71および第3ヘッダ片73は、図12に示すような側面視において、第2ヘッダ片72と共に三角形の頂点をなすように配置されている。
詳しくは、突出ブラケット65は、側面視で略三角形の形状を有し、その三角形の底辺に相当する底面部66が、接続部60の外周面60Aに符合する湾曲形状とされ、その接続部60の外周面60Aに重ねて溶接、ボルト止め等により取り付けられている。
三角形の上側の一辺に相当する突出ブラケット65の上面部67は、ルーフビーム16の上面部16Aと略面一になるように配置されている。三角形の下側の一辺に相当する突出ブラケット65の下面部68は、前方に向かうにつれ上方に向かうよう傾斜されている。
上面部67と下面部68が交差する突出ブラケット65の先端部付近に第2ヘッダ片72が配置される。第2ヘッダ片72の配置方法と向きは第1実施形態と同様である。この結果、左右の支持板64には第1ヘッダ片71と第3ヘッダ片73のみが取り付けられる。
本実施形態によれば、第1~第3ヘッダ片71~73が側面視において三角形の頂点をなすように配置されているので、これらヘッダ片71~73によりトラス配置を実現でき、ROPS荷重に対する座屈強度を高めることができる。
なお、本実施形態において前ルーフパネル32は第2ヘッダ片72よりも半径方向内側の位置を通過してチルトアップ動作を行う。前ルーフパネル32は通常位置aにあるとき第1および第3ヘッダ片71,73のみを覆い隠す。
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示の実施形態および変形例は他にも様々考えられる。
(1)例えば、本開示は、油圧ショベル以外の建設機械にも適用できる。
(2)ヘッダ片70の断面形状は変更可能である。例えば図13に示すような長方形とすることができる。この場合、長方形の長辺がヘッダ断面中心線C2の方向に平行とされ、長方形はヘッダ断面中心線C2に対称もしくは略対称な形状とされる。
ヘッダ片70の断面形状は、図14に示すような三角形とすることもできる。この場合、三角形の高さ方向がヘッダ断面中心線C2の方向に平行とされ、三角形はヘッダ断面中心線C2に対称もしくは略対称な形状とされる。三角形の頂点部分72Cは底辺部分72DよりアイポイントP側に位置される。
ヘッダ片70の断面形状は、図15に示すような楕円形とすることもできる。この場合、楕円の長径方向がヘッダ断面中心線C2の方向に平行とされ、楕円はヘッダ断面中心線C2に対称もしくは略対称な形状とされる。
ヘッダ片70の断面形状は他の扁平形状とすることもでき、例えば翼断面形状等とすることもできる。
複数のヘッダ片70の断面形状は、上記実施形態では同一であるが、異なっていてもよい。
(3)複数のヘッダ片70のうち少なくとも1つは、支持板64を介さず、左右の接続部60に直接取り付けられてもよい。例えば、複数のヘッダ片70のうち幾つかは支持板64を介さず接続部60に直接取り付けられ、残りの幾つかは支持板64を介して接続部60に取り付けられてもよい。支持板64が省略され、複数のヘッダ片70の全てが接続部60に直接取り付けられてもよい。
(4)前ルーフパネル32および天窓は、チルトアップ式でなくてもよく、着脱式または固定式であってもよい。
(5)ヘッダ片70の数は3以外の複数であってもよい。
(6)第2実施形態において、突出ブラケット65に取り付けるヘッダ片70の数は任意であり、例えば全てのヘッダ片70を突出ブラケット65に取り付けてもよい。
前述の各実施形態および各変形例の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 建設機械
7 キャビン
9 ブーム
12 フロントピラー
16 ルーフビーム
17 フロントヘッダ
60 接続部
60B 内側面部
64 支持板
65 突出ブラケット
70 ヘッダ片
71 第1ヘッダ片
72 第2ヘッダ片
73 第3ヘッダ片
C1~C3 ヘッダ断面中心線
L1~L3 前後幅
H1~H3 上下幅
P アイポイント
G1,G2 隙間

Claims (6)

  1. 左右のフロントピラーと、
    前記左右のフロントピラーにそれぞれ接続された左右のルーフビームと、
    前記フロントピラーおよび前記ルーフビームが接続する左右の接続部を掛け渡して連結するフロントヘッダと、
    を備え、
    前記フロントヘッダは、アイポイントから見たときに上下方向に離間された複数のヘッダ片を有し、
    前記複数のヘッダ片は、側面視において、前記アイポイントから延びるヘッダ断面中心線を有すると共に、ヘッダ断面中心線の方向における前後幅が、ヘッダ断面中心線に直角な方向における上下幅よりも大きい扁平な断面形状を有する
    ことを特徴とする建設機械のキャビン。
  2. 前記複数のヘッダ片は、台形、長方形、三角形または楕円形の断面形状を有する
    請求項1に記載の建設機械のキャビン。
  3. 前記複数のヘッダ片は左右の支持板に取り付けられ、前記左右の支持板が前記接続部の内側面部に取り付けられている
    請求項1に記載の建設機械のキャビン。
  4. 前記フロントヘッダは、前記左右の接続部から前方に突出する左右の突出ブラケットを備え、
    前記複数のヘッダ片のうち少なくとも1つは、前記左右の突出ブラケットに取り付けられている
    請求項1に記載の建設機械のキャビン。
  5. 前記フロントヘッダは第1、第2および第3ヘッダ片を有し、前記第2ヘッダ片は前記左右の突出ブラケットに取り付けられ、前記第1ヘッダ片および前記第3ヘッダ片は、側面視において前記第2ヘッダ片と共に三角形の頂点をなすよう、前記左右の接続部に取り付けられている
    請求項4に記載の建設機械のキャビン。
  6. 前記複数のヘッダ片の間の隙間を通じて前記アイポイントから外部を視認可能である
    請求項1に記載の建設機械のキャビン。
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