JP2024031359A - 建設機械のキャビン - Google Patents
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Abstract
【課題】跳ね上げられた前窓の収納スペースを十分確保する。【解決手段】建設機械のキャビンは、左右のフロントピラー12と、左右のリヤピラー13と、左右の一方側に位置された第1センターピラー14と、左右の他方側に位置されたリヤピラーと第1センターピラーとを掛け渡して連結する第1クロスメンバ50と、左右のそれぞれにおいてフロントピラーとリヤピラーを連結するルーフレール16と、左右のそれぞれにおいてフロントピラーとルーフレールに沿って設けられたガイドレール27と、左右のガイドレールに沿って移動可能な跳ね上げ式の前窓25とを備える。第1クロスメンバは、ルーフレールに沿って設けられたガイドレールの部分よりも低い位置に位置されている。【選択図】図3
Description
本開示は、建設機械のキャビンに関する。
一般に、油圧ショベル等の建設機械におけるキャビンは、その骨格をなすキャビンフレームを備える。キャビンフレームは、左右のフロントピラーと、左右のリヤピラーと、左右の一方側に位置されたセンターピラーと、左右のそれぞれにおいてフロントピラーとリヤピラーを連結するルーフレールとを備える。
また、キャビンの剛性を向上するため、キャビンフレームは、左右の他方側に位置されたリヤピラーとセンターピラーとを掛け渡して連結するクロスメンバを備える場合もある。
ところでキャビンには、跳ね上げ式の前窓を備えるものがある。この場合、キャビンは、左右のそれぞれにおいてフロントピラーとルーフレールに沿って設けられたガイドレールを備える。前窓は、左右のガイドレールに沿って移動可能であり、跳ね上げられたとき天井に沿って、ルーフレールの高さ位置に水平に配置される。
しかし、従来のクロスメンバはガイドレールと同一の高さ位置に設けられている。そのため、前窓が跳ね上げられたときにクロスメンバと干渉し、前窓の収納スペースを十分確保できない虞がある。
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、跳ね上げられた前窓の収納スペースを十分確保することができる建設機械のキャビンを提供することにある。
本開示の一の態様によれば、
左右のフロントピラーと、
左右のリヤピラーと、
左右の一方側に位置された第1センターピラーと、
左右の他方側に位置された前記リヤピラーと前記第1センターピラーとを掛け渡して連結する第1クロスメンバと、
左右のそれぞれにおいて前記フロントピラーと前記リヤピラーを連結するルーフレールと、
左右のそれぞれにおいて前記フロントピラーと前記ルーフレールに沿って設けられたガイドレールと、
左右の前記ガイドレールに沿って移動可能な跳ね上げ式の前窓と、
を備え、
前記第1クロスメンバは、前記ルーフレールに沿って設けられた前記ガイドレールの部分よりも低い位置に位置されている
ことを特徴とする建設機械のキャビンが提供される。
左右のフロントピラーと、
左右のリヤピラーと、
左右の一方側に位置された第1センターピラーと、
左右の他方側に位置された前記リヤピラーと前記第1センターピラーとを掛け渡して連結する第1クロスメンバと、
左右のそれぞれにおいて前記フロントピラーと前記リヤピラーを連結するルーフレールと、
左右のそれぞれにおいて前記フロントピラーと前記ルーフレールに沿って設けられたガイドレールと、
左右の前記ガイドレールに沿って移動可能な跳ね上げ式の前窓と、
を備え、
前記第1クロスメンバは、前記ルーフレールに沿って設けられた前記ガイドレールの部分よりも低い位置に位置されている
ことを特徴とする建設機械のキャビンが提供される。
好ましくは、前記第1クロスメンバは、前下がりになるように傾斜されている。
好ましくは、前記キャビンは、
左右の他方側に位置された第2センターピラーと、
左右の一方側に位置された前記リヤピラーと前記第2センターピラーとを掛け渡して連結する第2クロスメンバと、
を備え、
前記第2クロスメンバは、前記ルーフレールに沿って設けられた前記ガイドレールの部分よりも低い位置に位置されている。
左右の他方側に位置された第2センターピラーと、
左右の一方側に位置された前記リヤピラーと前記第2センターピラーとを掛け渡して連結する第2クロスメンバと、
を備え、
前記第2クロスメンバは、前記ルーフレールに沿って設けられた前記ガイドレールの部分よりも低い位置に位置されている。
好ましくは、前記第2クロスメンバは、前下がりになるように傾斜されている。
好ましくは、前記第2クロスメンバは、前記第1クロスメンバと交差されている。
好ましくは、前記キャビンは、
左右の他方側において前記ルーフレールから下方に延びるセンターブラケットと、
左右の一方側に位置された前記リヤピラーと前記センターブラケットとを掛け渡して連結する第2クロスメンバと、
を備え、
前記第2クロスメンバは、前記ルーフレールに沿って設けられた前記ガイドレールの部分よりも低い位置に位置されている。
左右の他方側において前記ルーフレールから下方に延びるセンターブラケットと、
左右の一方側に位置された前記リヤピラーと前記センターブラケットとを掛け渡して連結する第2クロスメンバと、
を備え、
前記第2クロスメンバは、前記ルーフレールに沿って設けられた前記ガイドレールの部分よりも低い位置に位置されている。
好ましくは、前記第2クロスメンバは、前下がりになるように傾斜されている。
好ましくは、前記第2クロスメンバは、前記第1クロスメンバと交差されている。
好ましくは、左右の一方側は、前記キャビンに対して前記建設機械のブームが存在する側の反対側である。
本開示によれば、跳ね上げられた前窓の収納スペースを十分確保することができる。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお本開示は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
[第1実施形態]
図1に、第1実施形態に係る建設機械を概略的に示す。本実施形態における建設機械1は油圧ショベルであり、下部走行体2と、下部走行体2上に上下軸回りに旋回可能に設けられた上部旋回体3とを備える。
図1に、第1実施形態に係る建設機械を概略的に示す。本実施形態における建設機械1は油圧ショベルであり、下部走行体2と、下部走行体2上に上下軸回りに旋回可能に設けられた上部旋回体3とを備える。
下部走行体2は、左右のクローラ5を備える。上部旋回体3は、旋回フレーム6と、旋回フレーム6上の左側(左右の一方側)に設けられたキャビン7と、旋回フレーム6上の前部かつ左右中央部に設けられた掘削用アタッチメント4と、旋回フレーム6上の右側(左右の他方側)に設けられた機械室8とを備える。
掘削用アタッチメント4は、旋回フレーム6に起伏自在に設けられたブーム9と、ブーム9の先端部に回動可能に設けられたアーム(図示せず)と、アームの先端部に回動可能に設けられたバケット(図示せず)とを備える。また掘削用アタッチメント4は、旋回フレーム6に対してブーム9を起伏させるためのブームシリンダ10と、ブーム9に対してアームを回動させるためのアームシリンダ(図示せず)と、アームに対してバケットを回動させるためのバケットシリンダ(図示せず)とを備える。
右側は、キャビン7に対してブーム9が存在する側、つまりブーム側である。これに対し、左側は、キャビン7に対してブーム9が存在する側の反対側、つまり反ブーム側である。
図2に、キャビン7の骨格をなすキャビンフレーム11を概略的に示す。このキャビンフレーム11に図示しない各種パネル、サイドドア、窓、艤装品等が取り付けられてキャビン7が構成される。キャビンフレーム11は概ね左右対称に構成されている。
キャビンフレーム11は、その最前端に立設された左右のフロントピラー12(12L,12R)と、その最後端に立設された左右のリヤピラー13(13L,13R)と、左側に位置され左フロントピラー12と左リヤピラー13Lの間に位置されたセンターピラー(第1センターピラー)14すなわち左センターピラー14Lとを備える。本実施形態の場合、視界向上のため、右側にはセンターピラーが存在しない。
これら各ピラーはキャビンフレーム11における四角枠状のフロアメンバ15に上方に向かって立設されている。
またキャビンフレーム11は、左右のそれぞれにおいてフロントピラー12の上端とリヤピラー13の上端とを連結するルーフレール16(16L,16R)を備える。左ルーフレール16Lには左センターピラー14Lの上端が接続される。
またキャビンフレーム11は、フロントピラー12とルーフレール16が接続する左右の接続部を連結するフロントヘッダ17と、左右のリヤピラー13の上端同士を連結するリヤアッパクロスメンバ18と、左右のリヤピラー13の中間部同士を連結するリヤミドルクロスメンバ19とを備える。
またキャビンフレーム11は、左右のルーフレール16の中間部同士を連結するセンタークロスメンバ20を備える。前後方向におけるセンタークロスメンバ20の位置は左センターピラー14Lの位置と等しくされる。
またキャビンフレーム11は、左センターピラー14Lと左リヤピラー13Lとを連結する左アッパサイドメンバ21Lおよび左ロワサイドメンバ22Lを備える。左アッパサイドメンバ21Lおよび左ロワサイドメンバ22Lは前下がりになるよう傾斜され、左アッパサイドメンバ21Lより左ロワサイドメンバ22Lの方が大きく傾斜される。
左ロワサイドメンバ22Lとリヤミドルクロスメンバ19は同一の高さ位置で左リヤピラー13Lに接続される。
またキャビンフレーム11は、右リヤピラー13Rの中間部とフロアメンバ15の右側端縁部とを連結する右サイドビーム23Rを備える。右サイドビーム23Rは前下がりになるよう傾斜され、右リヤピラー13Rとフロアメンバ15を筋交い状に連結する。
特に本実施形態では、キャビン7の剛性向上のため、右リヤピラー13Rと左センターピラー14Lを掛け渡して連結する第1クロスメンバ50が設けられている。これについては後に詳述する。
上述のリヤピラー13、センターピラー14、フロントヘッダ17、リヤアッパクロスメンバ18、リヤミドルクロスメンバ19、センタークロスメンバ20、左アッパサイドメンバ21L、左ロワサイドメンバ22L、右サイドビーム23Rおよび第1クロスメンバ50は、金属(例えば鋼)製で矩形断面の角パイプにより形成される。一方、左右のフロントピラー12およびルーフレール16は、後述するように、金属(例えば鋼)製かつ異形断面のパイプにより一体かつ連続的に形成されている。
こうしたキャビンフレーム11において、前面部は図1に示すような前窓24により閉止される。前窓24は、跳ね上げ式の(跳ね上げ可能な)前上窓25と、取り外し可能な前下窓26とを備える。前上窓25を跳ね上げた後に前下窓26を上方に引き抜いて取り外すことで、キャビン7の前面全体を開放できる。これは、さらなる前方視界が必要なときや、外部作業者により積極的にアクセスしたい場合等に有利である。
また、キャビンフレーム11の後面部は図示しないリヤパネルと後窓により閉止される。キャビンフレーム11の右側面部は図示しない右サイドパネルと右窓により閉止される。
キャビンフレーム11の左側面部において、左フロントピラー12L、左センターピラー14Lおよび左ルーフレール16Lで囲まれた空間は、図示しない開閉可能なサイドドアにより閉止される。また左センターピラー14L、左リヤピラー13Lおよび左ルーフレール16Lで囲まれた空間のうち、左アッパサイドメンバ21Lと左ロワサイドメンバ22Lで挟まれた空間は、図示しない左窓により閉止され、残りの空間は図示しない左サイドパネルにより閉止される。
前上窓25、前下窓26、右窓、左窓および後窓は、概して透明なガラス板により形成されている。
キャビンフレーム11の天井部は図示しないルーフパネルにより閉止される。
図3(A)および(B)は、キャビンフレーム11の平面図および縦断左側面図を示す。図示するように、フロントピラー12とルーフレール16には、これらに沿ってガイドレール27が設けられている。このガイドレール27に沿って前上窓25は移動可能である。なお図では右側のガイドレール27のみが示されているが、左側にも同様のガイドレール27が左右対称で設けられている。前下窓26は省略されている。
前上窓25は、跳ね上げ時にガイドレール27に案内されて、符号a,b,c,d,e,fに示す各位置を順番に通過して移動する。符号aは、前上窓25がキャビン前面部を閉止する初期位置を示す。前上窓25はこの初期位置aから、位置b,c,d,eを通過して、最終位置fまで移動する。最終位置fにおいて前上窓25は、天井面すなわちルーフパネルの直下裏側において、ルーフパネルに略平行に水平に配置される。こうして前上窓25は天井裏の収納スペースに収納される。
フロントピラー12とルーフレール16は一体かつ連続で、それらの接続部で曲げられている。
一方、ガイドレール27は側面視で略L字状である。ガイドレール27は、フロントピラー12に沿った垂直部27Aと、ルーフレール16に沿った水平部27Bとを有する。垂直部27Aと水平部27Bは互いに別体で接続されている。水平部27Bは、フロントヘッダ17およびセンタークロスメンバ20の僅かに下側に位置される。水平部27Bは、ルーフレール16の前端から、センタークロスメンバ20および左センターピラー14Lより後方かつリヤピラー13より前方の位置まで延びる。
なお、代替的に、フロントピラー12とルーフレール16は互いに別体で接続されていてもよい。ガイドレール27の垂直部27Aと水平部27Bは一体かつ連続で、それらの接続部で曲げられていてもよい。
図4および図5は、図3(B)のIV-IV位置およびV-V位置における左側の断面図を示す。図4に示すように、キャビン左側前端部におけるフロントピラー12(左フロントピラー12L)の断面形状は、概ね四角形であるが、一部丸みを帯びたり凹んだりする異形形状である。その最も前側かつ左右外側の角部12Aの断面形状は意匠面を考慮した湾曲形状となっている。またその左右外側の側面部には、サイドドアの窓枠部材28を収容する凹部12Bが形成されている。
フロントピラー12は、左右内側の内側面部12Cを有し、この内側面部12Cに、断面U字状のガイドレール27が固定されている。一方、前上窓25には、左右外側に突出する車輪29が設けられており、この車輪29がガイドレール27内を転動することにより、前上窓25はガイドレール27に案内されて移動することができる。図3(B)に示すように、車輪29は、初期位置aにある前上窓25の下端および上端に設けられる。
フロントピラー12には、前上窓25の左右外側の側縁部とガイドレール27を前方からカバーするリップ部12Dが設けられる。リップ部12Dの後面ないし裏面には、図示しないシールプレートを介して、中空ゴム製のウェザーストリップ30が取り付けられる。このウェザーストリップ30が初期位置aの前上窓25に密着して水の浸入を防止する。
図中、符号Bで示すのは、キャビン内の所定のアイポイントから前方を見たときの前方視界における死角である。キャビンにはこうした死角Bを極力減らすという普遍的課題が存在する。
死角Bを減らすには、フロントピラー12の断面積を減らすのが有効であるが、こうするとフロントピラー12の剛性が低下する。よって、剛性と視界のバランスを最適化するようなフロントピラー12の形状、ひいては、各ピラー等の形状およびキャビン全体の構造が望まれる。
図5に示すように、キャビン左側天井部におけるルーフレール16(左ルーフレール16L)の断面形状は、フロントピラー12と向きが略90°異なるだけで同じである。ルーフレール16がフロントピラー12と一体成形され折り曲げられているからである。ルーフレール16も前記同様の角部16A、凹部16B、内側面部16C、リップ部16Dを有する。この天井部では、ガイドレール27と窓枠部材28の向きが略90°変更される。リップ部16Dに天井パネルの一部31が取り付けられる。ガイドレール27は、その下面とルーフレール16の下面とが略面一となるように内側面部16Cに取り付けられている。
右側については、図4および図5に示した左側の構造と左右対称の構造が設けられるため、説明を省略する。
図3において、符号32で示す点は、キャビン内におけるシートインデックスポイント(SIP、座席基準点)を示し、符号33で示す線は、ISO3411で規定された最小空間の境界線を示す。図3(B)に示すように、前上窓25は、初期位置aから最終位置fへの移動途中では境界線33の内側に入り込むが、最終位置fでは境界線33より上方に位置される。そして最終位置fにある前上窓25は、図示しないロック機構によりロックされる。
最終位置fにある前上窓25は、図5から分かるように、その下面が、ルーフレール16およびガイドレール27の下面と略面一となるように、配置されている。
さて、こうした構成のキャビンにおいては、図3(B)に示すように、最終位置fにある前上窓25が、ガイドレール27およびルーフレール16に沿って、左センターピラー14Lより後方の位置まで配置されている。
一方、右リヤピラーと左センターピラーを掛け渡して連結する従来のクロスメンバは、その全長が、ガイドレールおよびルーフレールと同一の高さ位置に設けられている。そのため、前上窓が跳ね上げられたときにクロスメンバと干渉し、前上窓の収納スペースを十分確保できない虞がある。
そこで、図2および図3に示すように、本実施形態の第1クロスメンバ50は、ルーフレール16に沿って設けられたガイドレール27の部分すなわち水平部27Bよりも低い位置に位置されている。これにより、跳ね上げられた前上窓25がクロスメンバと干渉するのを防止し、前上窓25の収納スペースを十分確保することができる。
跳ね上げられて最終位置fに位置された前上窓25は、第1クロスメンバ50の前部を上方から覆うように位置されて、第1クロスメンバ50との干渉を防止する。言い換えれば、第1クロスメンバ50の前部は、跳ね上げられて最終位置fに位置された前上窓25の下を潜って、前上窓25との干渉を防止する。こうして、ルーフパネルと第1クロスメンバ50の間には、最終位置fの前上窓25を収容する広い収容スペースが出来上がる。
本実施形態において、第1クロスメンバ50は、前下がりになるように傾斜されている。これにより、必要最小限の高さ位置の低下で前上窓25との干渉を防止でき、第1クロスメンバ50の低下による室内スペースの犠牲を最小限に止めることができる。
本実施形態において、第1クロスメンバ50の後端は、右ルーフレール16とリヤアッパクロスメンバ18が接続される右リヤピラー13の位置よりも僅かに下側の位置において、右リヤピラー13に接続されている。また第1クロスメンバ50の前端は、最小空間の境界線33よりも僅かに上側の位置において、左センターピラー14Lに接続されている。従って第1クロスメンバ50は、境界線33を超えて最小空間に浸入しないよう、最小空間より上方に配置される。
図3(A)に示すような平面視において、第1クロスメンバ50は、左右方向(車幅方向)に対し傾斜されている。よって、センタークロスメンバ20に重なるように左右方向に平行とした場合に比べ、第1クロスメンバ50が最小空間を横切る長さが短くなり、乗員のヘッドクリアランス確保に有利である。
ところで、本実施形態のキャビンにおいては、左右幅が一定の前上窓25が左右のガイドレール27に沿って移動するため、左右のガイドレール27の間隔が一定であり、これに倣って左右のフロントピラー12とルーフレール16の間隔および断面形状も一定とされる。一方、前方視界の死角Bを減らすため、左右のフロントピラー12とルーフレール16の断面積は小さくされ、特に、リップ部16Dを除いた左右幅が前後幅より小さくされる。
すると、フロントピラー12とルーフレール16の剛性は小さくなりがちであり、何等対処しなければ、キャビンの必要な剛性を満足できなくなる虞がある。
特に、キャビンは、ISOで定めるROPS(Roll-Over Protective Structures)規格を満たさなければならない。ROPS規格とは、図2に符号F1で示すような横力すなわちROPS荷重をキャビンに加えたときのキャビンの変形度合いに関する規格である。ROPS荷重F1は、左ルーフレール16Lの長さ方向の中間位置付近で、かつ左センターピラー14L付近に加えられる。
上述のように左右のフロントピラー12とルーフレール16の断面積を小さくすると、左センターピラー14Lより前側に位置するキャビン前半部分の剛性が小さくなりがちである。よってROPS荷重F1に耐えられるようにするためには、左センターピラー14L以降のキャビン後半部分の剛性を上げ、前半部分の剛性低下を補う必要がある。
こうした意味で、第1クロスメンバ50を設けることは、後半部分の剛性を上げることに繋がるので有利である。本実施形態では、ROPS荷重F1を第1クロスメンバ50により右リヤピラー13に伝達できるので、ROPS荷重F1を分散し、ROPS剛性を向上できる。また、ROPS荷重F1を受ける左ルーフレール16Lの荷重点付近の位置で、第1クロスメンバ50の前端が左センターピラー14Lに接続されているので、ROPS荷重F1の右リヤピラー13への伝達および分散に有利である。
他にも本実施形態では、視界と剛性の両立を図って次の特徴が採用されている。
フロントピラー12の断面積は、左センターピラー14Lとリヤピラー13の断面積より小さくされる。これにより、後半部分で必要な剛性を確保しつつ、前方視界を向上できる。
ルーフレール16の断面積は、左センターピラー14Lとリヤピラー13の断面積より小さくされる。これにより、後半部分で必要な剛性を確保しつつ、ルーフレール16付近の上方視界を向上できる。
左センターピラー14Lの断面積は、リヤピラー13の断面積より小さくされる。これにより、後半部分で必要な剛性を確保しつつ、左センターピラー14L付近の側方視界を向上できる。
フロントピラー12とルーフレール16の断面積を小さくしたので、左右のガイドレール27の間隔を広げ、前上窓25の左右幅を大きくできるので、前方視界を向上できる。
左センターピラー14Lが左ルーフレール16の内側に出っ張って前上窓25と干渉するのを避けるため、左センターピラー14Lの左右幅は左ルーフレール16と同等の狭い幅とされる。また、左センターピラー14Lの剛性を確保するため、左センターピラー14Lの前後幅は左右幅より大きくされる。
前上窓25がリヤピラー13まで到達しないため、リヤピラー13の左右幅は、前上窓25の左右幅および左右ガイドレール27の間隔と無関係である。よって剛性を向上するため、リヤピラー13の左右幅は、フロントピラー12、ルーフレール16および左センターピラー14Lの左右幅より大きくされる。
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態を説明する。なお前記第1実施形態と同様の部分については図中同一符号を付して説明を割愛し、以下、第1実施形態との相違点を主に説明する。
次に、本開示の第2実施形態を説明する。なお前記第1実施形態と同様の部分については図中同一符号を付して説明を割愛し、以下、第1実施形態との相違点を主に説明する。
図6および図7に示すように、第2実施形態において、キャビンフレーム11は、右側に位置され右フロントピラー12Rと右リヤピラー13Rの間に位置されたセンターピラー(第2センターピラー)14すなわち右センターピラー14Rを備える。そしてキャビンフレーム11は、左リヤピラー13Lと右センターピラー14Rを掛け渡して連結する第2クロスメンバ52を備える。第2クロスメンバ52は、ルーフレール16に沿って設けられたガイドレール27の部分すなわち水平部27Bよりも低い位置に位置されている。
これによっても、跳ね上げられた前上窓25がクロスメンバと干渉するのを防止し、前上窓25の収納スペースを十分確保することができる。
これによっても、跳ね上げられた前上窓25がクロスメンバと干渉するのを防止し、前上窓25の収納スペースを十分確保することができる。
跳ね上げられて最終位置fに位置された前上窓25は、第2クロスメンバ52の前部を上方から覆うように位置されて、第2クロスメンバ52との干渉を防止する。言い換えれば、第2クロスメンバ52の前部は、跳ね上げられて最終位置fに位置された前上窓25の下を潜って、前上窓25との干渉を防止する。こうして、ルーフパネルと第2クロスメンバ52の間にも、最終位置fの前上窓25を収容する大きな収容スペースが出来上がる。
第1クロスメンバ50と同様、第2クロスメンバ52は、直線状の金属(例えば鋼)製かつ断面矩形の角パイプにより形成される。
本実施形態において、右センターピラー14Rは左センターピラー14Lと左右対称に構成および配置される。また、第2クロスメンバ52は第1クロスメンバ50と左右対称に構成および配置される。よって、第2クロスメンバ52は前下がりになるように傾斜される。また、第2クロスメンバ52は第1クロスメンバ50と交差され、特にX字状に交差して連結されている。これにより、第1クロスメンバ50と第2クロスメンバ52は全体として、図7(A)に示すような平面視でX字状の、前下がりのクロスメンバ54をなす。
前記同様、第2クロスメンバ52が前下がりになるよう傾斜されるので、必要最小限の高さ位置の低下で前上窓25との干渉を避けることができ、第2クロスメンバ52の低下による室内スペースの犠牲を最小限に止めることができる。
第2クロスメンバ52の後端は、第1クロスメンバ50の後端と同一の高さ位置で左リヤピラー13Lに接続されている。また第2クロスメンバ52の前端は、第1クロスメンバ50の前端と同一の高さ位置で右センターピラー14Rに接続されている。従って第2クロスメンバ52も、境界線33を超えて最小空間に浸入しないよう、最小空間より上方に配置される。
図7(A)に示すような平面視において、第2クロスメンバ52は、左右方向(車幅方向)に対し傾斜されている。よって、センタークロスメンバ20に重なるように左右方向に平行とした場合に比べ、第2クロスメンバ52が最小空間を横切る長さが短くなり、乗員のヘッドクリアランス確保に有利である。
第2クロスメンバ52を第1クロスメンバ50に交差させて連結し、全体としてX字状のクロスメンバ54を形成したため、キャビン後半部分の剛性を益々向上し、その分、キャビン前半部分の剛性を下げると共にフロントピラー12およびルーフレール16の断面積を縮小し、視界の向上に資することができる。
本実施形態では、右センターピラー14Rが設けられるため、右側の視界が第1実施形態よりも悪化するが、キャビンの右側には元々ブーム9があるので、右側視界への影響は比較的少ない。本実施形態では、右サイドビーム23Rが、右リヤピラー13Rと、右センターピラー14Rの根元にあるフロアメンバ15とを筋交い状に連結する。
また本実施形態では、リヤアッパクロスメンバ18の高さ位置が、第1実施形態よりも下げられ、第1クロスメンバ50および第2クロスメンバ52の後端と同じ高さ位置まで下げられている。右アッパサイドメンバ21Rが左アッパサイドメンバ21Lと左右対称に設けられている。
[第3実施形態]
図8に示すように、第3実施形態は第2実施形態とほぼ同様であるが、次の点が異なる。すなわち、第3実施形態では、右センターピラー14Rの代わりに、右ルーフレール16から下方に延びるセンターブラケットすなわち右センターブラケット56Rが設けられる。そして右センターブラケット56Rの下端に、第2クロスメンバ52の前端が接続されている。
図8に示すように、第3実施形態は第2実施形態とほぼ同様であるが、次の点が異なる。すなわち、第3実施形態では、右センターピラー14Rの代わりに、右ルーフレール16から下方に延びるセンターブラケットすなわち右センターブラケット56Rが設けられる。そして右センターブラケット56Rの下端に、第2クロスメンバ52の前端が接続されている。
右センターブラケット56Rは、直線状の金属(例えば鋼)製かつ断面矩形の角パイプにより形成される。その上端は、右ルーフレール16に垂直に接続される。右センターブラケット56Rは短く、フロアメンバ15に到達しないので、ピラーをなさず、むしろ第2クロスメンバ52を接続する専用のブラケットをなす。
本実施形態によれば、第2実施形態における右センターピラー14Rの下側の大部分を削除したのと同じになるため、第2実施形態よりも右側視界を向上できる。
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示の実施形態および変形例は他にも様々考えられる。
(1)例えば、本開示は、油圧ショベル以外の建設機械にも適用できる。
(2)第1実施形態において、第2実施形態のような右センターピラー14Rを設けてもよい。この場合、第1クロスメンバ50を平面視で逆向きに傾斜させ、第1クロスメンバ50の前端を右センターピラー14Rに接続してもよい。
(3)第1実施形態において、第3実施形態のような右センターブラケット56Rを設けてもよい。この場合、第1クロスメンバ50を平面視で逆向きに傾斜させ、第1クロスメンバ50の前端を右センターブラケット56Rに接続してもよい。
(4)第2および第3実施形態において、第1クロスメンバ50と第2クロスメンバ52を交差させず、高さ方向に離間もしくは隣接させて段違いに設けてもよい。
(5)前記実施形態では、前窓24を上下に分割して前上窓25と前下窓26により構成し、そのうち前上窓25のみを跳ね上げ式とした。しかしこれに限らず、分割しない単一の前窓を跳ね上げ式としてもよい。
前述の各実施形態および各変形例の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 建設機械
7 キャビン
9 ブーム
12 フロントピラー
13 リヤピラー
14 センターピラー
16 ルーフレール
25 前上窓
27 ガイドレール
27B 水平部
50 第1クロスメンバ
52 第2クロスメンバ
56R 右センターブラケット
7 キャビン
9 ブーム
12 フロントピラー
13 リヤピラー
14 センターピラー
16 ルーフレール
25 前上窓
27 ガイドレール
27B 水平部
50 第1クロスメンバ
52 第2クロスメンバ
56R 右センターブラケット
Claims (9)
- 左右のフロントピラーと、
左右のリヤピラーと、
左右の一方側に位置された第1センターピラーと、
左右の他方側に位置された前記リヤピラーと前記第1センターピラーとを掛け渡して連結する第1クロスメンバと、
左右のそれぞれにおいて前記フロントピラーと前記リヤピラーを連結するルーフレールと、
左右のそれぞれにおいて前記フロントピラーと前記ルーフレールに沿って設けられたガイドレールと、
左右の前記ガイドレールに沿って移動可能な跳ね上げ式の前窓と、
を備え、
前記第1クロスメンバは、前記ルーフレールに沿って設けられた前記ガイドレールの部分よりも低い位置に位置されている
ことを特徴とする建設機械のキャビン。 - 前記第1クロスメンバは、前下がりになるように傾斜されている
請求項1に記載の建設機械のキャビン。 - 左右の他方側に位置された第2センターピラーと、
左右の一方側に位置された前記リヤピラーと前記第2センターピラーとを掛け渡して連結する第2クロスメンバと、
を備え、
前記第2クロスメンバは、前記ルーフレールに沿って設けられた前記ガイドレールの部分よりも低い位置に位置されている
請求項1に記載の建設機械のキャビン。 - 前記第2クロスメンバは、前下がりになるように傾斜されている
請求項3に記載の建設機械のキャビン。 - 前記第2クロスメンバは、前記第1クロスメンバと交差されている
請求項3に記載の建設機械のキャビン。 - 左右の他方側において前記ルーフレールから下方に延びるセンターブラケットと、
左右の一方側に位置された前記リヤピラーと前記センターブラケットとを掛け渡して連結する第2クロスメンバと、
を備え、
前記第2クロスメンバは、前記ルーフレールに沿って設けられた前記ガイドレールの部分よりも低い位置に位置されている
請求項1に記載の建設機械のキャビン。 - 前記第2クロスメンバは、前下がりになるように傾斜されている
請求項6に記載の建設機械のキャビン。 - 前記第2クロスメンバは、前記第1クロスメンバと交差されている
請求項6に記載の建設機械のキャビン。 - 左右の一方側は、前記キャビンに対して前記建設機械のブームが存在する側の反対側である
請求項1に記載の建設機械のキャビン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022134868A JP2024031359A (ja) | 2022-08-26 | 2022-08-26 | 建設機械のキャビン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022134868A JP2024031359A (ja) | 2022-08-26 | 2022-08-26 | 建設機械のキャビン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024031359A true JP2024031359A (ja) | 2024-03-07 |
Family
ID=90105768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022134868A Pending JP2024031359A (ja) | 2022-08-26 | 2022-08-26 | 建設機械のキャビン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024031359A (ja) |
-
2022
- 2022-08-26 JP JP2022134868A patent/JP2024031359A/ja active Pending
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