JP2024025995A - 固体電池および電池パッケージ - Google Patents

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Abstract

【課題】より優れた信頼性を有する固体電池を提供する。【解決手段】この固体電池は、正極層と、負極層と、正極層と負極層との積層方向において正極層と負極層との間に介在する固体電解質層とを備える。正極層、負極層、および固体電解質層のうちの少なくとも1つが、第1表面を有する第1層と、中間層と、積層方向において第1表面と反対側に位置する第2表面を有する第2層とを積層方向に順に含む。第1層のヤング率および第2層のヤング率は、中間層のヤング率よりも低い。【選択図】図2

Description

本技術は、固体電解質を備えた固体電池および電池パッケージに関する。
携帯電話機などの多様な電子機器が普及しているため、小型かつ軽量であると共に高エネルギー密度を得ることが可能である電源として、二次電池の開発が進められている。この二次電池は、外装部材の内部に収納された正極、負極および電解質を備えている。近年、有機溶媒等を含む液状もしくはゲル状の電解質に替えて、固体電解質を備えた二次電池である固体電池の開発がなされている(例えば特許文献1,2参照)。
特開2019-140024号公報 特開2019-153535号公報
ところで、固体電池の性能を改善するために様々な検討がなされている。しかしながら、固体電池の性能には改善の余地がある。
このため、より優れた信頼性を有する固体電池が望まれる。
本開示の一実施形態の固体電池は、正極層と、負極層と、正極層と負極層との積層方向において正極層と負極層との間に介在する固体電解質層とを備える。正極層、負極層、および固体電解質層のうちの少なくとも1つが、第1表面を有する第1層と、中間層と、積層方向において第1表面と反対側に位置する第2表面を有する第2層とを積層方向に順に含む。第1層のヤング率および第2層のヤング率は、中間層のヤング率よりも低い。
本開示の一実施形態の固体電池によれば、機械的強度が向上し、より優れた信頼性を有することができる。
なお、本開示の効果は、必ずしもここで説明された効果に限定されるわけではなく、後述する本技術に関連する一連の効果のうちのいずれの効果でもよい。
本開示の第1の実施形態としての電池パッケージの構成を表す概略断面図である。 図1に示した固体電池の構成を表す断面図である。 本開示の第2の実施の形態に係る固体電池の構成を表す断面図である。 本開示の第2の実施の形態の第1変形例に係る固体電池の構成を表す断面図である。 本開示の第2の実施の形態の第2変形例に係る固体電池の構成を表す断面図である。
以下、本開示の一実施形態に関して、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。
1.第1の実施の形態
1.1 電池パッケージ
1.2 固体電池(正極層がヤング率の異なる部分を有する形態)
1.3 被覆部
1.4 電池パッケージの製造方法
1.5 作用および効果
2.第2の実施の形態
2.1 固体電池(余白層がヤング率の異なる部分を有する形態)
2.2 作用および効果
2.3 変形例
3.電池パッケージの用途
4.実施例

なお、本開示の「固体電池」は、その構成要素が固体である電池をいう。例えば、本開示の「固体電池」は、複数の層が積層されてなる積層型固体電池である。複数の層は、例えば焼結体からなる。本開示の「固体電池」は、充放電を繰り返し行うことのできる二次電池のみならず、放電のみ可能である一次電池をも包含する。
[1.第1の実施の形態]
<1.1 電池パッケージ100>
まず、本開示の第1の実施形態の電池パッケージ100について説明する。図1は、電池パッケージ100の全体構成を模式的に表す概略断面図である。電池パッケージ100は、固体電池101と、固体電池101を覆う被覆部102とを備える。固体電池101は、被覆部102により、外部環境から保護されるようになっている。被覆部102は、例えば水蒸気の固体電池101への浸入を抑止する。以下、固体電池101について説明し、次いで被覆部102について説明する。ここでいう「水蒸気」とは、大気中の水蒸気に代表される水分を指しており、ある好適な態様ではガス形態を有する水蒸気のみならず、液体状の水をも包括した水分を意味している。好ましくは、そのような水分透過が防止された固体電池101は基板実装に適するようにパッケージ化され、特に、表面実装に適するようにパッケージ化されている。
<1.2 固体電池101>
図2は、固体電池101の構成を模式的に表す概略断面図である。図1および図2に示したように、固体電池101は、積層体4と、正極端子5と、負極端子6とを有している。正極端子5および負極端子6は、積層体4を挟んで対向するように設けられている。積層体4は、正極層10と、負極層20と、固体電解質層30とがZ軸方向に積層されたものである。固体電解質層30は、積層方向であるZ軸方向において正極層10と負極層20との間に介在している。固体電池101は、具体的には、負極層20と、固体電解質層30と、正極層10と、固体電解質層30とが順に積層されたユニットUを1つの単位として、Z軸方向に繰り返し積層された構造を有する。なお、図2では、2つのユニットUを含む固体電池101を例示しているが、固体電池101はその態様に限定されず、3以上のユニットUを含んでいてもよい。固体電池101は、電子絶縁層である余白層41,42をさらに有していてもよい。余白層41は正極層10の一部と同じ階層に設けられている。余白層42は負極層20の一部と同じ階層に設けられている。固体電池101を構成する各層、すなわち、正極層10、負極層20、固体電解質層30、および余白層41,42は、例えば、焼成により形成される焼結層であってもよい。好ましくは、正極層10、負極層20、固体電解質層30、および余白層41,42は、互いに一体焼成されているとよい。
正極層10および負極層20は、導電助剤を含んでいてもよい。正極層10および負極層20に含まれ得る導電助剤として、銀、パラジウム、金、プラチナ、銅およびニッケル等の金属材料、ならびに炭素などから成る少なくとも1種を挙げることができる。正極層10に含まれる導電助剤と、負極層20に含まれる導電助剤とは同種であってもよいし、異種であってもよい。
さらに、正極層10および負極層20は、焼結助剤を含んでいてもよい。焼結助剤としては、リチウム酸化物、ナトリウム酸化物、カリウム酸化物、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化ビスマスおよび酸化リンから成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。正極層10に含まれる焼結助剤と、負極層20に含まれる焼結助剤とは同種であってもよいし、異種であってもよい。
(正極層10)
正極層10は、少なくとも正極活物質を含んでなる電極層である。図2に示した固体電池101では、正極層10が、正極集電体11と、一対の正極活物質層12,13との含む積層構造を有している。
正極集電体11は、例えばアルミニウム箔などの金属箔である。また、正極集電体11は、焼結体であってもよい。固体電池101を一体焼成により形成可能にするためであり、あるいは正極集電体11の内部抵抗を低減するためである。正極集電体11が焼結体である場合、正極集電体11は導電助剤および焼結助剤を含むようにしてもよい。正極集電体11に含まれる導電助剤は、例えば正極活物質層12,13に含まれる導電助剤と同種のものであってもよい。また、正極集電体11に含まれる焼結助剤は、例えば正極活物質層12,13に含まれる焼結助剤と同種のものであってもよい。なお、図2では、正極層10が正極集電体11を含む形態を例示したが、正極集電体11は必須の構成要素ではない。正極層10は、正極集電体11を含まずに、正極活物質層12または正極活物質層13のいずれかを含む形態であってもよい。
(正極活物質層12,13)
正極活物質層12,13は、主成分として正極活物質を含んでいる。正極活物質層12は正極集電体11の上面に設けられ、正極活物質層13は正極集電体11の下面に設けられている。正極活物質層12,13は、必要に応じて、固体電解質をさらに含んでいてもよい。また、正極活物質層12,13は、正極活物質粒子と固体電解質粒子とを含む焼結体であってもよい。
正極活物質層12,13に含まれる正極活物質は、固体電池101においてイオンの吸蔵放出に関与すると共に外部回路との電子の受け渡しに関与する物質である。固体電解質を介して、イオンは、正極層10と負極層20との間で移動する(すなわちイオン伝導する)。正極活物質へのイオンの吸蔵放出は、正極活物質の酸化もしくは還元を伴う。このような酸化還元反応のための電子またはホールが、外部回路から正極端子5もしくは負極端子6へと受け渡され、さらには正極層10もしくは負極層20へと受け渡されることによって充放電が進行するようになっている。正極活物質層12,13は、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、プロトン(H)、カリウムイオン(K)、マグネシウムイオン(Mg2+)、アルミニウムイオン(Al3+)、銀イオン(Ag)、フッ化物イオン(F)または塩化物イオン(Cl)を吸蔵放出可能な層である。つまり、固体電池101は、固体電解質を介して、上記イオンが正極層10と負極層20との間で移動して充放電が行われる全固体型の二次電池であることが好ましい。
(正極活物質)
正極層10に含まれる正極活物質としては、例えば、ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物、オリビン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物、リチウム含有層状酸化物、およびスピネル型構造を有するリチウム含有酸化物等から成る群から選択される少なくとも一種が挙げられる。ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物の一例としては、Li(PO等が挙げられる。オリビン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物の一例としては、LiFe(PO,LiFePO,LiMnPO,LiFe0.6Mn0.4PO等が挙げられる。リチウム含有層状酸化物の一例としては,LiCoO,LiCo1/3Ni1/3Mn1/3,LiCo0.8Ni0.15Al0.05等が挙げられる。スピネル型構造を有するリチウム含有酸化物の一例としては、LiMn,LiNi0.5Mn1.5等が挙げられる。
また、ナトリウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質としては、ナシコン型構造を有するナトリウム含有リン酸化合物、オリビン型構造を有するナトリウム含有リン酸化合物、ナトリウム含有層状酸化物およびスピネル型構造を有するナトリウム含有酸化物等から成る群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
正極活物質層12は、例えば中間層12Cと、中間層12CをZ軸方向に挟むように設けられた第1層12Aおよび第2層12Bとを有している。図2に示した構成例では、正極集電体11の上面に、第2層12Bと中間層12Cと第1層12AとがZ軸方向に順に積層されている。第1層12Aは、固体電解質層30と接する第1表面12ASを有している。第2層12Bは、正極集電体11の上面と接する第2表面12BSを有している。ここで、第1層12Aのヤング率および第2層12Bのヤング率は、中間層12Cのヤング率よりも低くなっている。中間層12Cのヤング率を1としたとき、第1層12Aのヤング率および第2層12Bのヤング率は0.46以上1未満であるとよく、特に0.6以上0.8以下であるとよい。正極活物質層12を構成する各層のヤング率は、例えば、各層に含まれる導電助剤の含有率および焼結助剤の含有率のうちの少なくとも一方を変化させることで調整可能である。また、第1層12Aの厚さおよび第2層12Bの厚さは、それぞれ、第1層12A、中間層12C、および第2層12Bの合計の厚さ、すなわち正極活物質層12の厚さの1/3以下であるとよい。
同様に、正極活物質層13は、例えば中間層13Cと、中間層13CをZ軸方向に挟むように設けられた第1層13Aおよび第2層13Bとを有している。図2に示した構成例では、正極集電体11の下面に、第1層13Aと中間層13Cと第2層13BとがZ軸方向に順に積層されている。第1層13Aは、正極集電体11の下面と接する第1表面13ASを有している。第2層12Bは、固体電解質層30と接する第2表面13BSを有している。ここで、第1層13Aのヤング率および第2層13Bのヤング率は、中間層13Cのヤング率よりも低くなっている。ここで、第1層13Aのヤング率および第2層13Bのヤング率は、中間層13Cのヤング率よりも低くなっている。中間層13Cのヤング率を1としたとき、第1層13Aのヤング率および第2層13Bのヤング率は0.46以上1未満であるとよく、特に0.6以上0.8以下であるとよい。正極活物質層13を構成する各層のヤング率は、例えば、各層に含まれる導電助剤の含有率および焼結助剤の含有率のうちの少なくとも一方を変化させることで調整可能である。また、第1層13Aの厚さおよび第2層13Bの厚さは、それぞれ、第1層13A、中間層13C、および第2層13Bの合計の厚さ、すなわち正極活物質層13の厚さの1/3以下であるとよい。
(負極層20)
負極層20は、少なくとも負極活物質を含んでなる電極層である。負極層20は、主成分として負極活物質からなる負極活物質層であってもよい。負極層20は、必要に応じて、さらに固体電解質を含んでいてもよい。また、負極層20は、負極活物質粒子と固体電解質粒子とを含む焼結体であってもよい。さらに、負極層20は、負極集電体を有していてもよい。負極集電体は、例えば銅箔などの金属箔である。また、負極集電体は、焼結体であってもよい。固体電池101を一体焼成により形成可能にするためであり、あるいは負極集電体の内部抵抗を低減するためである。負極集電体が焼結体である場合、負極集電体は導電助剤および焼結助剤を含むようにしてもよい。
(負極活物質)
負極層20に含まれる負極活物質は、正極層10に含まれる正極活物質と同様、固体電池101においてイオンの吸蔵放出に関与すると共に外部回路との電子の受け渡しに関与する物質である。固体電解質を介して、イオンは、正極層10と負極層20との間で移動する(すなわちイオン伝導する)。負極活物質へのイオンの吸蔵放出は、負極活物質の酸化もしくは還元を伴う。このような酸化還元反応のための電子またはホールが、外部回路から正極端子5もしくは負極端子6へと受け渡され、さらには正極層10もしくは負極層20へと受け渡されることによって充放電が進行するようになっている。負極活物質は、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、プロトン(H)、カリウムイオン(K)、マグネシウムイオン(Mg2+)、アルミニウムイオン(Al3+)、銀イオン(Ag)、フッ化物イオン(F)または塩化物イオン(Cl)を吸蔵放出可能である。負極層20に含まれる負極活物質としては、例えば、Ti、Si、Sn、Cr、Fe、NbおよびMoから成る群から選ばれる少なくとも一種の元素を含む酸化物、黒鉛-リチウム化合物、リチウム合金、ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物、オリビン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物、ならびにスピネル型構造を有するリチウム含有酸化物等から成る群から選択される少なくとも一種が挙げられる。リチウム合金の一例としては、Li-Al等が挙げられる。ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物の一例としては、Li(PO、LiTi(PO等が挙げられる。オリビン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物の一例としては、LiFe(PO、LiCuPO等が挙げられる。スピネル型構造を有するリチウム含有酸化物の一例としては、LiTi12等が挙げられる。
また、ナトリウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質としては、ナシコン型構造を有するナトリウム含有リン酸化合物、オリビン型構造を有するナトリウム含有リン酸化合物およびスピネル型構造を有するナトリウム含有酸化物等から成る群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
(固体電解質層30)

固体電解質層30に含まれる固体電解質は、例えば、リチウムイオンまたはナトリウムイオンなどのイオンが伝導可能な材質である。特に固体電池で電池構成単位を成す固体電解質は、正極層10と負極層20との間において例えばリチウムイオンが伝導可能な層を成している。具体的な固体電解質としては、例えば、ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物、ペロブスカイト型構造を有する酸化物、ガーネット型またはガーネット型類似構造を有する酸化物等が挙げられる。ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物としては、Li(PO(1≦x≦2、1≦y≦2、Mは、Ti、Ge、Al、GaおよびZrから成る群より選ばれた少なくとも一種である)が挙げられる。ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物の一例としては、例えば、Li1.2Al0.2Ti1.8(PO等が挙げられる。ペロブスカイト型構造を有する酸化物の一例としては、La0.55Li0.35TiO等が挙げられる。ガーネット型またはガーネット型類似構造を有する酸化物の一例としては、LiLaZr12等が挙げられる。 また、ナトリウムイオンが伝導可能な固体電解質としては、例えば、ナシコン型構造を有するナトリウム含有リン酸化合物、ペロブスカイト型構造を有する酸化物、ガーネット型またはガーネット型類似構造を有する酸化物等が挙げられる。ナシコン型構造を有するナトリウム含有リン酸化合物としては、Na(PO(1≦x≦2、1≦y≦2、Mは、Ti、Ge、Al、GaおよびZrから成る群より選ばれた少なくとも一種である)が挙げられる。
固体電解質層30は、焼結助剤を含んでいてもよい。固体電解質層30に含まれ得る焼結助剤は、例えば、正極層10および負極層20に含まれ得る焼結助剤と同様の材料から選択されてよい。
(正極端子5および負極端子6)
正極端子5および負極端子6は、積層体4と外部装置との接続を行うための外部接続端子である。正極端子5および負極端子6は、積層体4の側面に端面電極として設けられていることが好ましい。すなわち、正極端子5および負極端子6は、積層体4の積層方向であるZ軸方向に沿って延在している。図2では、正極端子5と負極端子6とがX軸方向において互いに対向するように配置されている。図2に示したように、正極端子5は、正極層10の正極集電体11の端面と電気的に接続されている。負極端子6は、負極層20の端面と電気的に接続されている。正極端子5および負極端子6は、高い導電率を有する材料により構成されるとよい。正極端子5の構成材料および負極端子6の構成材料としては、例えば、金、銀、プラチナ、アルミニウム、スズ、ニッケル、銅、マンガン、コバルト、鉄、チタンおよびクロムからなる群から選択される少なくとも一種を挙げることができる。ただし、正極端子5の構成材料および負極端子6の構成材料は、上記に限定されるものではない。
(余白層41,42)
余白層41は、余白部分411~413を有している。余白部分411は、正極集電体11と同じ階層であって正極集電体11と負極端子6との間に設けられている。余白部分412は、正極活物質層12と同じ階層であって、正極活物質層12と正極端子5との間および正極活物質層12と負極端子6との間にそれぞれ設けられている。余白部分413は、正極活物質層13と同じ階層であって、正極活物質層13と正極端子5との間および正極活物質層13と負極端子6との間にそれぞれ設けられている。余白層42は、負極層20と同じ階層であって負極層20と正極端子5との間に設けられている。
余白層41の余白部分411~413および余白層42の構成材料としては、例えば電子絶縁性を有する材料(以下、単に絶縁材という。)が挙げられる。
絶縁材としては、例えばガラス材やセラミック材が挙げられる。ガラス材としては、以下のもの限定されるものではないが、例えば、ソーダ石灰ガラス、カリガラス、ホウ酸塩系ガラス、ホウケイ酸塩系ガラス、ホウケイ酸バリウム系ガラス、ホウ酸亜塩系ガラス、ホウ酸バリウム系ガラス、ホウケイ酸ビスマス塩系ガラス、ホウ酸ビスマス亜鉛系ガラス、ビスマスケイ酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、アルミノリン酸塩系ガラス、および、リン酸亜塩系ガラスからなる群より選択される少なくとも一種を挙げることができる。また、セラミック材としては、以下のものに限定されるものではないが、例えば、酸化アルミニウム(Al)、窒化ホウ素(BN)、二酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)、酸化ジルコニウム(ZrO)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)およびチタン酸バリウム(BaTiO)からなる群より選択される少なくとも一種を挙げることができる。
余白層41,42を構成する絶縁材は、固体電解質を含んでいてもよい。その場合、絶縁材に含まれる固体電解質は、固体電解質層30に含まれる固体電解質と同じ材料であることが好ましい。このような構成とすることで、余白層41,42と固体電解質層30との間の結合性をさらに向上させることができるからである。
<1.3 被覆部102>
電池パッケージ100のうちの被覆部102は、図1に示したように、支持基板1、被覆絶縁膜2および被覆無機膜3を有する。電池パッケージ100では、固体電池101の全体が被覆部102によって包囲されている。すなわち、固体電池101が外部に露出することのないように被覆部102が設けられている。
(支持基板1)
支持基板1は、固体電池101を支持する板状の部材である。支持基板1は、固体電池101の主面である底面101Bと対向する表面1Sを有している。支持基板1は、樹脂基板であってよいし、セラミック基板であってもよい。ある好適な態様では支持基板1が、セラミック基板となっている。支持基板1はセラミックを主成分として含んでいる。支持基板1がセラミック基板であれば、水蒸気の透過防止に優れるうえ、耐熱性にも優れるので好ましい。セラミラック基板は、例えばグリーンシート積層体の焼成によって得ることができる。具体的には、セラミック基板は、例えばLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)基板であってよいし、HTCC(High Temperature Co-fired Ceramic)基板であってもよい。あくまでも例示にすぎないが、支持基板1の厚さは、20μm以上1000μm以下であり、例えば100μm以上300μm以下であってもよい。
(被覆絶縁膜2)
被覆絶縁膜2は、固体電池101の上面101Aおよび側面101Cを少なくとも覆うように設けられた層である。図1に示したように、支持基板1上に設けられた固体電池101は被覆絶縁膜2によって全体として大きく包み込まれるようになっている。ある好適な態様では、固体電池101の上面101Aおよび側面101Cの全てを覆うように被覆絶縁膜2が設けられている。固体電池101を構成する2つの主面のうち、相対的に上方に位置付けられる面を意味している。固体電池101を構成する2つの主面のうち、相対的に下方に位置付けられる面は底面101Bである。したがって、上面101Aは、支持基板1と反対側に位置する主面である。したがって、被覆絶縁膜2は、固体電池101のうちの底面101B以外の面の全てを覆っているとよい。被覆絶縁膜2は、例えば水蒸気を遮断することのできる樹脂材料により構成される。被覆絶縁膜2は、被覆無機膜3と相俟って好適な水蒸気バリアを形成している。被覆絶縁膜2に用いられる材料としては、例えばエポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、および液晶ポリマーなどを挙げることができる。あくまでも例示にすぎないが、被覆絶縁膜2の厚さは、30μm以上1000μm以下であり、例えば50μm以上300μm以下であってもよい。
(被覆無機膜3)
被覆無機膜3は、被覆絶縁膜2を覆うように設けられている。図示されるように、被覆無機膜3は、被覆絶縁膜2上に位置付けられているので、被覆絶縁膜2とともに、支持基板1上の固体電池101を全体として大きく包み込む形態を有している。被覆無機膜3の材質は無機材料であれば特に限定されるものではない。被覆無機膜3は、金属、ガラス、酸化物セラミックスまたはそれらの混合物などであってもよい。ある好適な態様では被覆無機膜3が金属成分を含んでいる。すなわち、被覆無機膜3は金属薄膜であってもよい。あくまでも例示にすぎないが、被覆無機膜3の厚さは、0.1μm以上100μm以下であり、例えば1μm以上50μm以下であってもよい。被覆無機膜3は、乾式めっき膜であってよい。ここでいう乾式めっき膜は、物理的気相成長法(PVD)や化学的気相成長法(CVD)といった気相法で得られる膜であって、ナノオーダーまたはミクロンオーダーの非常に薄い厚さを有する薄膜である。薄膜である乾式めっき膜は、電池パッケージ100の小型化および薄型化に資する。乾式めっき膜は、例えば、アルミニウム(Al),ニッケル(Ni),パラジウム(Pd),銀(Ag),スズ(Sn),金(Au),銅(Cu),チタン(Ti),白金(Pt),珪素(Si)およびステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種を含むとよい。このような成分からなる乾式めっき膜は、化学的および熱的に安定するので、耐薬品性、耐候性および耐熱性などに優れ、長期信頼性がより向上した固体電池101がもたらされるからである。
図1に示した電池パッケージ100では、支持基板1が、固体電池101と外部機器との接続を行うための外部端子を含む基板配線9が設けられた端子基板となっている。端子基板としての支持基板1における基板配線9は特に限定されるものではなく、支持基板1の上面と下面との間の電気的接続が可能なものであればよい。図1では、支持基板1に、ビア7および一対のランド8A,8Bを含む基板配線9が設けられている。ランド8Aは支持基板1の上面に露出しており、正極端子5または負極端子6と電気的に接続されている。ランド8Bは支持基板1の下面に露出している。ビア7は、ランド8Aとランド8Bとを繋ぐように支持基板1を貫いている。
<1.4 製造方法>
続いて、本開示の電池パッケージ100の製造方法を簡単に説明する。電池パッケージ100は、例えば、固体電池101を製造する工程と、固体電池101をパッケージ化する工程とにより作製することができる。
(固体電池101を製造する工程)
固体電池101の積層体4を製造するにあたっては、スクリーン印刷法等の印刷法、グリーンシートを用いるグリーンシート法、またはそれらの複合法を用いることができる。すなわち、積層体4は、常套的な固体電池の製造方法に準じて作製してよい。したがって、下記で説明する固体電解質、有機バインダ、溶剤、任意の添加剤、正極活物質、および負極活物質などの各原料物質は、既知の固体電池の製造で用いられているものを用いることができる。
以下では、1つの製造方法を例示して説明するが、本開示は下記の製造方法に限定されない。また、以下の記載順序など経時的な事項は、あくまでも説明のための便宜上のものにすぎず、本開示はその事項に限定されるものではない。
まず、固体電解質、有機バインダ、溶剤および任意の添加剤などを混合してスラリーを調製する。次いで、調製されたスラリーから、焼成後の厚みが例えば約10μmとなるシートを形成する。次に、正極活物質、固体電解質、導電助剤、有機バインダ、溶剤および任意の添加剤などを混合して正極用ペーストを作製する。次に、負極活物質、固体電解質、導電助剤、有機バインダ、溶剤および任意の添加剤などを混合して負極用ペーストを作製する。さらに、絶縁材、結着剤、有機バインダ、溶剤および任意の添加剤などを混合して絶縁用ペーストを作製する。
続いて、上記のシート上の所定の位置に正極用ペーストおよび絶縁用ペーストを印刷し、必要に応じて正極集電層を印刷する。同様にして、上記のシート上に負極用ペーストおよび絶縁用ペーストを印刷し、必要に応じて負極集電層を印刷する。そののち、正極用ペーストおよび絶縁用ペーストを印刷したシートと、負極用ペーストおよび絶縁用ペーストを印刷したシートとを交互に積層して積層構造を得る。
得られた積層構造を圧着一体化させたのち、所定の寸法にカットする。所定の寸法にカットされた積層構造を脱脂および焼成する。これにより、焼結した積層体4を得ることができる。なお、カット前に積層構造を脱脂および焼成し、そののちにカットを行ってもよい。
次に、焼結した積層体4のうち正極層10の一部が露出した側面に対し、導電性ペーストを塗布する。これにより、正極端子5を形成することができる。同様にして、焼結した積層体4のうち負極層20の一部が露出した側面に対し、導電性ペーストを塗布する。これにより、負極端子6を形成することができる。なお、正極端子5および負極端子6は、焼結した積層体4に形成する場合に限定されず、焼成前の積層構造に形成し、積層構造と同時に焼結させるようにしてもよい。
以上により、固体電池101を得ることができる。
(固体電池101をパッケージ化する工程)
まず、支持基板1を用意する。支持基板1は、例えば、複数のグリーンシートを積層して焼成することによって得ることができる。支持基板1の調製は、例えばLTCC基板の作成に準じで行うことができる。支持基板1には、ビア7およびランド8A,8Bを含む基板配線9を形成しておく。具体的には、例えばグリーンシートに対してパンチプレスまたは炭酸ガスレーザなどによって孔を形成したのち、その孔に導電性ペースト材料を充填したり、印刷法などを実施したりすることにより、ビア7およびランド8A,8Bを形成する。次いで、そのようなグリーンシートを所定の枚数重ねて熱圧着することによってグリーンシート積層体を形成し、グリーンシート積層体を焼成に付すことによって、基板配線9が形成された支持基板1を得ることができる。なお、基板配線9は、グリーンシート積層体の焼成後において形成することもできる。
上記のように支持基板1を用意したのち、支持基板1上に固体電池101を配置する。その際、支持基板1の基板配線9と固体電池101の正極端子5および負極端子6とが互いに電気的に接続されるように、固体電池101を支持基板1の上に配置する。なお、銀などを含む導電性ペーストを支持基板1の基板配線9の上に塗布し、その導電性ペーストと正極端子5および負極端子6とをそれぞれ電気的に接続するようにしてよい。
次いで、支持基板1上の固体電池101を全面的に覆うように被覆絶縁膜2を形成する。被覆絶縁膜2が樹脂材料からなる場合、固体電池101の側面101Cおよび上面101Aを覆うように樹脂材料を塗布したのち、その樹脂材料を硬化させることで被覆絶縁膜2を形成する。例えば、所定の形状の金型を用いて樹脂材料を加圧することで被覆絶縁膜2の成型を行ってもよい。なお、被覆絶縁膜2の成型は、金型成型に限らず、研磨加工、レーザー加工および化学的処理などを用いて実施してもよい。
次いで、被覆絶縁膜2を全面的に覆うように被覆無機膜3を形成する。具体的には、例えば、乾式めっきを実施することで被覆無機膜3を形成してもよい。
以上のような工程を経ることにより、支持基板1に載置された固体電池101が被覆絶縁膜2および被覆無機膜3によって全体的に覆われた電池パッケージ100を得ることができる。
<1.5 作用効果>
本実施の形態の固体電池101を備えた電池パッケージ100によれば、正極層10の正極活物質層12が、第1層12Aと中間層12Cと第2層12BとがZ軸方向に順に積層された積層構造を含んでいる。また、正極層10の正極活物質層13についても同様に、第1層13Aと中間層13Cと第2層13BとがZ軸方向に順に積層された積層構造を含んでいる。ここで、第1層12A,13Aのヤング率および第2層12B,13Bのヤング率が中間層12C,13Cのヤング率よりも低くなるようにしている。このため、正極活物質層12,13と固体電解質層30との境界における応力集中、および正極活物質層12,13と正極集電体11との境界における応力集中が緩和される。したがって、積層体4の機械的強度が向上し、積層体4の内部における亀裂や剥離などの劣化を効果的に防ぐことができる。その結果、固体電池101およびそれを備えた電池パッケージ100は、長期に亘って優れた信頼性を確保することができる。なお、ここでいう応力集中とは、例えば固体電池101を製造する工程や固体電池101をパッケージ化する工程での熱膨張率の差異に起因するもの、さらには使用時、すなわち充放電を行う際の膨張収縮に起因するものなどを含む意である。
特に、中間層12C,13Cのヤング率を1としたとき、第1層12A,13Aのヤング率および第2層12B,13Bのヤング率が0.46以上1未満であると、より効果的に上記の応力集中が緩和され、積層体4の内部における亀裂や剥離などの劣化をより効果的に防ぐことができる。さらに、中間層12C,13Cのヤング率を1としたとき、第1層12A,13Aのヤング率および第2層12B,13Bのヤング率が0.6以上0.8以下であれば、よりいっそう効果的に上記の応力集中が緩和され、積層体4の内部における亀裂や剥離などの劣化をよりいっそう効果的に防ぐことができる。
また、本実施の形態では、正極活物質層12,13において、相対的に高いヤング率を有する中間層12C,13Cを、相対的に低いヤング率を有する第1層12A,13Aおよび第2層12B,13BによってZ軸方向に挟むようにしている。このため、正極活物質層12,13と、それらと各々接する他の層との間で生じる応力集中を効果的に解消することができる。例えば正極活物質層12において第2層12Bが存在しないと仮定した場合、すなわち正極活物質層12が第1層12Aと中間層12Cとの2層構造であると仮定した場合、正極活物質層12と正極集電体11との剥離や正極活物質層12の亀裂などが発生しやすくなる。正極活物質層12と固体電解質層30との間の応力集中は緩和されるものの、正極活物質層12と正極集電体11との間の応力集中は解消されず、正極活物質層12と正極集電体11との間に強い応力歪みが生じることとなるからである。本実施の形態によれば、中間層12Cの両面に、相対的にヤング率の低い層を設けるようにしているので、正極活物質層12と固体電解質層30との間の応力集中を緩和すると共に正極活物質層12と正極集電体11との間の応力集中を緩和することができる。
[2.第2の実施の形態]
<2.1 固体電池201の構成>
図3は、本開示の第2の実施の形態としての固体電池201の構成を模式的に表す概略断面図である。図3に示した固体電池201は、上記第1の実施の形態で説明した図2の固体電池101と同様、図1に示した電池パッケージ100に用いることができる。
本実施の形態の固体電池201では、余白層41が、余白部分411と、一部の余白部分412,413の代わりに、余白部分414を含むようにしている。すなわち、固体電池201の積層体4は、余白層41が余白部分412~414により構成されている。
余白部分414は、Z軸方向と直交する面内方向において異なるヤング率を有する。余白部分414は、例えば正極層10と負極端子6との間に設けられている。余白部分414は、例えばZ軸方向と直交するX軸方向において分割された複数の層を有している。それら複数の層は、X軸方向において互いに異なるヤング率を有する。図3に示した構成例では、余白部分414は、第1から第6の層41A~41Fを有している。但し、余白部分414を構成する複数の層の数は特に限定されるものではない。第1から第6の層41A~41Fは、いずれもX軸方向と直交するYZ面に沿って延在している。第1から第6の層41A~41FのそれぞれのX軸方向の幅は任意に設定可能である。ここで、第1から第6の層41A~41Fのうちの少なくとも1つの層は、他の層のヤング率と異なるヤング率を有する。第1から第6の層41A~41Fの各々のヤング率の全てが互いに異なっていてもよい。余白部分414では、例えば、正極集電体11および正極活物質層12,13の各々の端面と接する第1の層41Aが最も高いヤング率を有し、負極端子6へ近づくほど段階的にヤング率が低下し、負極端子6と接する第6の層41Fが最も低いヤング率を有するように構成されていてもよい。反対に、余白部分414では、第1の層41Aが最も低いヤング率を有し、負極端子6へ近づくほど段階的にヤング率が上昇し、第6の層41Fが最も高いヤング率を有するように構成されていてもよい。あるいは、余白部分414では、例えば、第1の層41Aのヤング率および第6の層41Fのヤング率が、それらの中間に位置する第2~第5の層41B~41Eの各々のヤング率よりも低くなっていてもよい。さらには、余白部分414では、第1の層41Aのヤング率および第6の層41Fのヤング率が、第2~第5の層41B~41Eの各々のヤング率よりも高くなっていてもよい。なお、図3に示した構成例では、第1から第6の層41A~41Fの各層がある固体電解質層30から次の固体電解質層30に至るまでZ軸方向に延在するように設けられているが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、正極集電体11に対応する階層部分と、正極活物質層12に対応する階層部分と、正極活物質層13に対応する階層部分とにZ軸方向で分割されていてもよい。なお、余白部分414におけるヤング率は、例えば各層に含まれる導電助剤の含有率および焼結助剤の含有率のうちの少なくとも一方を変化させることで調整可能である。また、図3に示した構成例では、余白部分414を複数の層により構成するようにしたが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば余白部分414の組成を傾斜させることにより、余白部分414が連続的に変化するヤング率を有するようにしてもよい。
なお、固体電池201では、正極活物質層12,13がいずれも単層構造を有している。すなわち、正極活物質層12,13におけるヤング率は実質的に一定である。
固体電池201では、固体電解質層30のヤング率は、余白層41の最大のヤング率および余白層42の最大のヤング率の双方よりも低いことが望ましい。
また、固体電池201では、正極層10の正極集電体11がグラファイトを含有するようにしてもよい。その場合、正極層10と負極端子6との間の余白部分414を構成する複数の層のうち、相対的に正極層10に近い位置に設けられている内側の層のヤング率は、その層から見て正極層10と反対側に位置する外側の層のヤング率よりも低くなるようにしてもよい。なお、内側の層のX軸方向の幅は、余白部分414のX軸方向の幅の5%以上であるとよい。
<2.2 作用効果>
このように、本実施の形態の固体電池201では、Z軸方向と直交するX軸方向において正極層10および負極端子6の双方と隣り合うように設けられた余白部分414が、X軸方向において互いに異なるヤング率を有する複数の層を含むようにしている。このため、正極層10と余白部分414との境界における応力集中、および余白部分414と負極端子6との境界における応力集中が緩和される。したがって、積層体4の機械的強度が向上し、積層体4の内部における亀裂や剥離などの劣化を効果的に防ぐことができる。その結果、固体電池201およびそれを備えた電池パッケージ100は、長期に亘って優れた信頼性を確保することができる。なお、ここでいう応力集中とは、例えば固体電池201を製造する工程や固体電池201をパッケージ化する工程での熱膨張率の差異に起因するもの、さらには使用時、すなわち充放電を行う際の膨張収縮に起因するものなどを含む意である。
<2.3 変形例>
上記第2の実施の形態の固体電池201では、正極層10と隣り合う余白層41が、X軸方向に分割された複数の層からなる余白部分414を含むようにしているが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば図4に示した第2の実施の形態の第1変形例としての固体電池201Aのように、負極層20と隣り合う余白層42についてもX軸方向に分割された複数の層を含むようにしてもよい。具体的には、図4に示した構成例では、負極層20と正極端子5との間に設けられた余白層42が、第1~第4の層42A~42Dを含んでいる。但し、余白層42を構成する複数の層の数はこれに限定されるものではない。第1~第4の層42A~42Dのうちの少なくとの1つ層のヤング率は、他の層のヤング率と異なっている。例えば、第1の層42Aのヤング率が最も低く、第4の層42Dのヤング率が最も高くなるように、負極層20から正極端子5へ向かって段階的にヤング率が変化するようになっている。反対に、第1の層42Aのヤング率が最も高く、第4の層42Dのヤング率が最も低くなるように、負極層20から正極端子5へ向かって段階的にヤング率が変化するようになっていてもよい。あるいは、余白層42では、例えば、第1の層42Aのヤング率および第4の層42Dのヤング率が、それらの中間に位置する第2~第3の層42B~42Cの各々のヤング率よりも低くなっていてもよい。さらには、余白層42では、第1の層42Aのヤング率および第4の層42Dのヤング率が、第2~第3の層42B~42Cの各々のヤング率よりも高くなっていてもよい。このような構成の固体電池201Aでは、負極層20と余白層42との境界における応力集中、および余白層42と正極端子5との境界における応力集中が緩和される。したがって、積層体4の機械的強度が向上し、積層体4の内部における亀裂や剥離などの劣化を効果的に防ぐことができる。
また、固体電池201Aでは、負極層20がグラファイトを含有するようにしてもよい。その場合、負極層20と正極端子5との間の余白層42を構成する複数の層のうち、相対的に負極層20に近い位置に設けられている内側の層のヤング率は、その層から見て負極層20と反対側に位置する外側の層のヤング率よりも低くなるようにしてもよい。なお、内側の層のX軸方向の幅は、余白層42のX軸方向の幅の5%以上であるとよい。
さらに、上記第2の実施の形態の固体電池201、および第1変形例としての固体電池201Aにおいて、正極活物質層12と正極端子5との間の余白部分412、および正極活物質層13と正極端子5との間の余白部分413を、いずれも、Z軸方向に直交する面内方向において分割された複数の層により構成することもできる。その場合には、正極層10と余白部分412,413との境界における応力集中、および余白部分412,413と正極端子5との境界における応力集中が緩和される。したがって、そのような態様においても積層体4の機械的強度が向上し、積層体4の内部における亀裂や剥離などの劣化を効果的に防ぐことができる。
さらに、本開示の電池パッケージ100では、例えば図5に示した第2の実施の形態の第2変形例としての固体電池201Bのように、正極活物質層12,13をそれぞれ3層構造としてもよい。正極活物質層12,13の構成は、上記第1の実施の形態で説明した固体電池101の正極活物質層12,13の構成と実質的に同じである。すなわち、固体電池201Bは、固体電池101の正極層10と、固体電池201の余白層41とを組み合わせた構成である。固体電池201Bによれば、積層体4の機械的強度がよりいっそう向上し、積層体4の内部における亀裂や剥離などの劣化をよりいっそう効果的に防ぐことができる。
<3.電池パッケージの用途>
次に、上記した固体電池を備えた電池パッケージの用途(適用例)に関して説明する。
電池パッケージの用途は、主に、駆動用の電源または電力蓄積用の電力貯蔵源などとして固体電池を利用可能である機械、機器、器具、装置およびシステム(複数の機器などの集合体)などであれば、特に限定されない。電源として用いられる電池パッケージは、主電源でもよいし、補助電源でもよい。主電源とは、他の電源の有無に関係なく、優先的に用いられる電源である。補助電源は、主電源の代わりに用いられる電源でもよいし、必要に応じて主電源から切り替えられる電源でもよい。電池パッケージを補助電源として用いる場合には、主電源の種類は固体電池を備えたものに限られない。
電池パッケージの用途の具体例は、以下の通りである。ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話機、ノート型パソコン、コードレス電話機、ヘッドホンステレオ、携帯用ラジオ、携帯用テレビおよび携帯用情報端末などの電子機器(携帯用電子機器を含む。)である。電気シェーバなどの携帯用生活器具である。バックアップ電源およびメモリーカードなどの記憶用装置である。電動ドリルおよび電動鋸などの電動工具である。着脱可能な電源としてノート型パソコンなどに搭載される電池パックである。ペースメーカおよび補聴器などの医療用電子機器である。電気自動車(ハイブリッド自動車を含む。)などの電動車両である。非常時などに備えて電力を蓄積しておく家庭用バッテリシステムなどの電力貯蔵システムである。なお、複数の電池パッケージが用いられた電池モジュールとして用いられてもよい。
電池モジュールは、電動車両、電力貯蔵システムおよび電動工具などの比較的大型の機器などに適用されることが有効である。電動車両は、電池モジュールを駆動用電源として作動(走行)する車両であり、固体電池を備えた電池パッケージ以外の駆動源を併せて備えた自動車(ハイブリッド自動車など)でもよい。電力貯蔵システムは、電池パッケージを電力貯蔵源として用いるシステムである。家庭用の電力貯蔵システムでは、電力貯蔵源である二次電池に電力が蓄積されているため、その電力を利用して家庭用の電気製品などを使用可能である。
<4.実施例>
本技術の実施例に関して説明する。
(実験例1-1)
以下で説明するように、図1に示した電池パッケージ100の特性についてシミュレーションにより評価した。
[電池パッケージの構成]
本実験例の電池パッケージ100では、各構成要素のヤング率を、正極活物質層12,13の中間層12C,13Cのヤング率を1として規格化した数値で表すようにした。
本実験例では、正極集電体11の構成材料を炭素材料とした。
また、正極活物質層12,13の第1層12A,13Aおよび第2層12B,13Bの各々のヤング率を0.46とした。
[電池パッケージの評価]
上記の構成の電池パッケージについて、中間層12C,13Cの中心部で発生するX軸方向の最大の残留応力を1としたとき、正極活物質層12,13と、固体電解質層30、余白層41、および正極集電体11の各々との間で発生するX軸方向の最大の残留応力の比率(最大主応力比率)を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 2024025995000002
(実験例1-2)
第1層12A,13Aおよび第2層12B,13Bの各々のヤング率を0.59としたことを除き、他は実施例1-1の構成と同様の構成の電池パッケージとし、実施例1-1と同様の評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
(実験例1-3)
第1層12A,13Aおよび第2層12B,13Bの各々のヤング率を0.73としたことを除き、他は実施例1-1の構成と同様の構成の電池パッケージとし、実施例1-1と同様の評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
(実験例1-4)
第1層12A,13Aおよび第2層12B,13Bの各々のヤング率を0.80としたことを除き、他は実施例1-1の構成と同様の構成の電池パッケージとし、実施例1-1と同様の評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
(実験例1-5)
第1層12A,13Aおよび第2層12B,13Bの各々のヤング率を0.90としたことを除き、他は実施例1-1の構成と同様の構成の電池パッケージとし、実施例1-1と同様の評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
(比較例1-1)
正極活物質層12,13を、それぞれヤング率が1の単層構造としたことを除き、他は実施例1-1の構成と同様の構成の電池パッケージとし、実施例1-1と同様の評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
[考察]
表1に示したように、実施例1-1~1-5では、いずれも比較例1-1と比較して、最大主応力比率を低減させることができた。すなわち、中間層12C,13Cのヤング率を1としたとき、第1層12A,13Aおよび第2層12B,13Bの各々のヤング率を0.46以上1未満とすることで、正極層10の近傍における応力集中を緩和することができることが確認できた。特に、中間層12C,13Cのヤング率を1としたとき、第1層12A,13Aおよび第2層12B,13Bの各々のヤング率を0.6以上0.8以下とすることで、より効果的に正極層10の近傍における応力集中を緩和することができることが確認できた。
(実験例2-1)
続いて、以下で説明するように、図3に示した固体電池201を備えた電池パッケージ100の特性についてシミュレーションにより評価した。但し、固体電池201の余白部分414は、第1の層41Aと、その外側に位置する第2の層41Bとの2層構造とした。
[電池パッケージの構成]
本実験例の固体電池201を備えた電池パッケージ100では、各構成要素のヤング率を、余白部分412,413のヤング率を1として規格化した数値で表すようにした。
本実験例では、X軸方向において、第1の層41Aは、余白部分414のうちの5%の幅を有するようにした。すなわち、余白部分414における第1の層41Aの分割比率は0.05とした。
[電池パッケージの評価]
上記の固体電池201を備えた電池パッケージについて、余白部分414の第1の層41Aと正極層10との境界近傍において発生する最大主応力を求めた。ここでは、余白部分414のヤング率がすべて1であるとした場合(後出の比較例2-1)に、余白部分414と正極層10との境界近傍において発生する最大主応力を1としたときの比率で求めた。その結果を表2に示す。
Figure 2024025995000003
(実験例2-2)
余白部分414の第1の層41AについてX軸方向の寸法を1.0mmとし、余白部分414の第2の層41BについてX軸方向の寸法を9.0とした。したがって、X軸方向において、第1の層41Aは、余白部分414のうちの10%の幅を有するようにした。すなわち、余白部分414における第1の層41Aの分割比率は0.10とした。この点を除き、他は実施例2-1の構成と同様の構成の電池パッケージとし、実施例2-1と同様の評価を行った。その結果を表2に併せて示す。
(実験例2-3)
余白部分414の第1の層41AについてX軸方向の寸法を2.0mmとし、余白部分414の第2の層41BについてX軸方向の寸法を8.0とした。したがって、X軸方向において、第1の層41Aは、余白部分414のうちの20%の幅を有するようにした。すなわち、余白部分414における第1の層41Aの分割比率は0.20とした。この点を除き、他は実施例2-1の構成と同様の構成の電池パッケージとし、実施例2-1と同様の評価を行った。その結果を表2に併せて示す。
(実験例2-4)
余白部分414の第1の層41AについてX軸方向の寸法を3.0mmとし、余白部分414の第2の層41BについてX軸方向の寸法を7.0とした。したがって、X軸方向において、第1の層41Aは、余白部分414のうちの30%の幅を有するようにした。すなわち、余白部分414における第1の層41Aの分割比率は0.30とした。この点を除き、他は実施例2-1の構成と同様の構成の電池パッケージとし、実施例2-1と同様の評価を行った。その結果を表2に併せて示す。
(実験例2-5)
余白部分414の第1の層41AについてX軸方向の寸法を5.0mmとし、余白部分414の第2の層41BについてX軸方向の寸法を5.0とした。したがって、X軸方向において、第1の層41Aは、余白部分414のうちの50%の幅を有するようにした。すなわち、余白部分414における第1の層41Aの分割比率は0.50とした。この点を除き、他は実施例2-1の構成と同様の構成の電池パッケージとし、実施例2-1と同様の評価を行った。その結果を表2に併せて示す。
(実験例2-6)
余白部分414の第1の層41AについてX軸方向の寸法を7.0mmとし、余白部分414の第2の層41BについてX軸方向の寸法を7.0とした。したがって、X軸方向において、第1の層41Aは、余白部分414のうちの70%の幅を有するようにした。すなわち、余白部分414における第1の層41Aの分割比率は0.70とした。この点を除き、他は実施例2-1の構成と同様の構成の電池パッケージとし、実施例2-1と同様の評価を行った。その結果を表2に併せて示す。
(実験例2-7)
余白部分414の第1の層41AについてX軸方向の寸法を9.0mmとし、余白部分414の第2の層41BについてX軸方向の寸法を1.0とした。したがって、X軸方向において、第1の層41Aは、余白部分414のうちの90%の幅を有するようにした。すなわち、余白部分414における第1の層41Aの分割比率は0.90とした。この点を除き、他は実施例2-1の構成と同様の構成の電池パッケージとし、実施例2-1と同様の評価を行った。その結果を表2に併せて示す。
(比較例2-1)
余白部分414を、ヤング率が1の単層構造としたことを除き、他は実施例2-1の構成と同様の構成の電池パッケージとし、実施例2-1と同様の評価を行った。その結果を表2に併せて示す。
[考察]
表2に示したように、実施例2-1~2-7では、いずれも比較例2-1と比較して、最大主応力比率を低減させることができた。すなわち、余白部分414がX軸方向において異なるヤング率を有する部分を含むことにより、余白部分414と正極層10との境界近傍における応力集中を緩和することができることが確認できた。特に、分割比率を高くするほど、より効果的に余白部分414と正極層10との境界近傍における応力集中を緩和することができることが確認できた。
(実験例3-1~3-7)
続いて、図5に示した固体電池201Bを備えた電池パッケージ100の特性についてシミュレーションにより評価した。但し、固体電池201Bの正極層10の構成は、上記実施例1-1の正極層10の構成と実質的に同じものとした。また、固体電池201Bの余白部分414の構成は、上記実験例2-1~2-7の余白部分414の構成とそれぞれ実質的に同じものとした。なお、中間層12C,13Cのヤング率は、余白部分412,413のヤング率と等しいものとした。このような固体電池201Bを備えた電池パッケージについて、余白部分414の第1の層41Aと正極層10との境界近傍において発生する最大主応力を求めた。ここでは、余白部分414のヤング率がすべて1であるとした場合(比較例2-1)に、余白部分414と正極層10との境界近傍において発生する最大主応力を1としたときの比率で求めた。その結果を表3に示す。
Figure 2024025995000004
[考察]
表3に示したように、実施例3-1~3-7では、いずれも比較例2-1と比較して、最大主応力比率を低減させることができた。さらに、実施例3-1~3-7では、それぞれ実施例2-1~2-7と比較した場合、最大主応力比率をより低減させることができた。すなわち、図5に示した固体電池201Bを備えた電池パッケージ100によれば、固体電池101を備えた電池パッケージ100や固体電池201を備えた電池パッケージ100よりも、よりいっそう効果的に余白部分414と正極層10との境界近傍における応力集中を緩和することができることが確認できた。
以上、いくつかの実施の形態、変形例および実施例を挙げながら本開示に関して説明したが、本開示の構成は、上記の説明の構成に限定されず、種々に変形可能である。
具体的には、例えば第1の実施の形態では、支持基板1の上に固体電池101を載置してパッケージングした電池パッケージ100について説明したが、本開示の電池パッケージはこの態様に限定されるものではない。例えば支持基板を有しておらず、被覆絶縁膜や被覆無機膜などのみによって密封された態様であってもよい。
また、第1の実施の形態では、固体電池101における正極層10が第1層、中間層および第2層の積層構造を有するようにしたが、本開示はこれに限定されるものではない。固体電池において、例えば負極層や固体電解質層が第1層、中間層および第2層の積層構造を有するようにしてもよい。その場合であっても、正極層、負極層、および固体電解質層を含む積層体における応力集中を緩和することができ、信頼性を向上させることができる。
本明細書中に記載された効果は、あくまで例示であり、本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されない。よって、本技術に関して、他の効果が得られてもよい。
また、本開示の一実施形態の固体電池は下記の構成を取り得る。
<1>
正極層と、
負極層と、
前記正極層と前記負極層との積層方向において前記正極層と前記負極層との間に介在する固体電解質層と
を備え、
前記正極層、前記負極層、および前記固体電解質層のうちの少なくとも1つが、第1表面を有する第1層と、中間層と、前記積層方向において前記第1表面と反対側に位置する第2表面を有する第2層とを前記積層方向に順に含み、
前記第1層のヤング率および前記第2層のヤング率は、前記中間層のヤング率よりも低い
固体電池。
<2>
前記中間層のヤング率を1としたとき、前記第1層のヤング率および前記第2層のヤング率は0.46以上1未満である
上記<1>記載の固体電池。
<3>
前記中間層のヤング率を1としたとき、前記第1層のヤング率および前記第2層のヤング率は0.6以上0.8以下である
上記<1>記載の固体電池。
<4>
前記第1層の厚さおよび前記第2層の厚さは、それぞれ、前記第1層、前記中間層、および前記第2層の合計の厚さの1/3以下である
上記<1>から<3>のいずれか1つに記載の固体電池。
<5>
前記積層方向と直交する面内方向において前記正極層と隣り合うように設けられた第1絶縁層と、
前記面内方向において前記負極層と隣り合うように設けられた第2絶縁層と
をさらに備え、
前記第1絶縁層および前記第2絶縁層のうちの少なくとも一方は、前記面内方向において異なるヤング率を有する
上記<1>から<3>のいずれか1つに記載の固体電池。
<6>
前記固体電解質層のヤング率は、前記第1絶縁層の最大のヤング率および前記第2絶縁層の最大のヤング率の双方よりも低い
上記<1>から<5>のいずれか1つに記載の固体電池。
<7>
前記第1絶縁層および前記第2絶縁層のうちの少なくとも一方は、前記面内方向において連続的または段階的に変化するヤング率を有する
上記<5>または<6>に記載の固体電池。
<8>
前記正極層は、グラファイトを含有する集電層と、前記集電層に積層形成された活物質層とを含み、
前記第1絶縁層は、前記集電層と対向する第1内側領域と、前記第1内側領域から見て前記集電層と反対側に位置する第1外側領域とを有し、
前記第1内側領域のヤング率は、前記第1外側領域のヤング率よりも低い
上記<5>から<7>のいずれか1つに記載の固体電池。
<9>
前記第1内側領域の前記面内方向の幅は、前記第1絶縁層の前記面内方向の幅の5%以上である
上記<8>記載の固体電池。
<10>
前記負極層は、グラファイトを含有し、
前記第2絶縁層は、前記負極層と対向する第2内側領域と、前記第2内側領域から見て前記負極層と反対側に位置する第2外側領域とを有し、
前記第2内側領域のヤング率は、前記第2外側領域のヤング率よりも低い
上記<5>から<9>のいずれか1つに記載の固体電池。
<11>
前記第2内側領域の前記面内方向の幅は、前記第2絶縁層の前記面内方向の幅の5%以上である
上記<10>記載の固体電池。
<12>
上記<1>から<11>のいずれか1つに記載の固体電池と、
前記固体電池を覆う被覆部と
を備えた電池パッケージ。
100…電池パッケージ、101…固体電池、101A…上面、101B…底面、101C…側面、102…被覆部、1…支持基板、1S…表面、2…被覆絶縁膜、3…被覆無機膜、4…積層体、5…正極端子、6…負極端子、7…ビア、8A,8B…ランド、9…基板配線、10…正極層、11…正極集電体、12,13…正極活物質層、12A,13A…第1層、12B,13B…第2層、12C,13C…中間層、20…負極層、30…固体電解質層、41,42…余白層、411~414…余白部分。

Claims (12)

  1. 正極層と、
    負極層と、
    前記正極層と前記負極層との積層方向において前記正極層と前記負極層との間に介在する固体電解質層と
    を備え、
    前記正極層、前記負極層、および前記固体電解質層のうちの少なくとも1つが、第1表面を有する第1層と、中間層と、前記積層方向において前記第1表面と反対側に位置する第2表面を有する第2層とを前記積層方向に順に含み、
    前記第1層のヤング率および前記第2層のヤング率は、前記中間層のヤング率よりも低い
    固体電池。
  2. 前記中間層のヤング率を1としたとき、前記第1層のヤング率および前記第2層のヤング率は0.46以上1未満である
    請求項1記載の固体電池。
  3. 前記中間層のヤング率を1としたとき、前記第1層のヤング率および前記第2層のヤング率は0.6以上0.8以下である
    請求項1記載の固体電池。
  4. 前記第1層の厚さおよび前記第2層の厚さは、それぞれ、前記第1層、前記中間層、および前記第2層の合計の厚さの1/3以下である
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固体電池。
  5. 前記積層方向と直交する面内方向において前記正極層と隣り合うように設けられた第1絶縁層と、
    前記面内方向において前記負極層と隣り合うように設けられた第2絶縁層と
    をさらに備え、
    前記第1絶縁層および前記第2絶縁層のうちの少なくとも一方は、前記面内方向において異なるヤング率を有する
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固体電池。
  6. 前記固体電解質層のヤング率は、前記第1絶縁層の最大のヤング率および前記第2絶縁層の最大のヤング率の双方よりも低い
    請求項5記載の固体電池。
  7. 前記第1絶縁層および前記第2絶縁層のうちの少なくとも一方は、前記面内方向において連続的または段階的に変化するヤング率を有する
    請求項5記載の固体電池。
  8. 前記正極層は、グラファイトを含有する集電層と、前記集電層に積層形成された活物質層とを含み、
    前記第1絶縁層は、前記集電層と対向する第1内側領域と、前記第1内側領域から見て前記集電層と反対側に位置する第1外側領域とを有し、
    前記第1内側領域のヤング率は、前記第1外側領域のヤング率よりも低い
    請求項5記載の固体電池。
  9. 前記第1内側領域の前記面内方向の幅は、前記第1絶縁層の前記面内方向の幅の5%以上である
    請求項8記載の固体電池。
  10. 前記負極層は、グラファイトを含有し、
    前記第2絶縁層は、前記負極層と対向する第2内側領域と、前記第2内側領域から見て前記負極層と反対側に位置する第2外側領域とを有し、
    前記第2内側領域のヤング率は、前記第2外側領域のヤング率よりも低い
    請求項5に記載の固体電池。
  11. 前記第2内側領域の前記面内方向の幅は、前記第2絶縁層の前記面内方向の幅の5%以上である
    請求項10記載の固体電池。
  12. 請求項1記載の固体電池と、
    前記固体電池を覆う被覆部と
    を備えた電池パッケージ。
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