JP2024025271A - 半導体モジュールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、接合工程の後の工程における不良の発生及び製造費用の低減を図ることができる半導体モジュールの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】半導体モジュールの製造方法は、絶縁基板131の上に導電パターン133aが形成された絶縁配線基板13を下側熱板2の上に配置し、導電パターン133aの上に焼結材151a-1を配置し、焼結材151a-1の上に半導体チップ14a-1を配置し、半導体チップ14a-1の上に緩衝材4Aを配置し、緩衝材4Aの上に上側熱板3を配置し、絶縁基板131の一部131aとの間に空間61aを設けた状態の上側熱板3によって、緩衝材4A及び半導体チップ14a-1を介して焼結材151a-1を加圧及び加熱して焼結する。【選択図】図5

Description

本発明は、電子部品を備える半導体モジュールの製造方法に関する。
主に産業用の半導体モジュールは、絶縁基板と、はんだによって絶縁基板に接合された半導体チップと、はんだによって絶縁基板が接合された放熱部材と、サーマルコンパウンドを介して放熱部材が取り付けられた放熱フィンとを有している。また、車載分野では、直接水冷冷却構造を有し、サーマルコンパウンドを使用せずに絶縁基板と冷却フィンとがはんだによって接合された構造を有する半導体モジュールも使用されている。現在、半導体チップと絶縁基板との接合には、はんだ付けが用いられている。しかしながら、高耐熱性、高放熱及び高信頼性などを目的に、半導体チップと絶縁基板とを接合する方法として、銀などのナノ粒子やマイクロ粒子を用いた焼結接合の研究・開発が進められている。
特許文献1には、「緩衝材シートが、一対のプレス面における理想的な平行姿勢からの逸脱ないし傾きや、基板の面からチップの頂面までの高さについてチップ間で差異がある場合にはその差異を、実質的に吸収して低減・解消するクッション機能を発揮しうる」ことが開示されている。また、特許文献1には、「高温加圧過程において、使用緩衝材シートが基板上のチップを包埋するような過度の圧縮変形や垂れ下がる変形を生じてチップ周りに閉空間(基板とチップと緩衝材シートとにより閉ざされた空間)が形成されると、焼結接合用材料層から揮発して逸出した成分が基板に対して沈着してしまう場合がある。このような沈着が生じると、沈着箇所を清浄化するための洗浄工程が別途必要となり、好ましくない。高温加圧過程を経る上述の焼結接合工程において過度の圧縮変形や垂れ下がる変形を生じにくい上述の緩衝材シートは、このような問題を回避するのに適するのである。」ことが開示されている。
特許文献2には、「焼結材からガスが発生するため、緩衝層は半導体チップ及び焼結材の周囲を密閉しないことが好ましい。」が開示されている。また、特許文献2の図14には、「加圧の前後での弾性部材の厚さが変化し、加圧時に緩衝層と絶縁回路基板に設けられた第2回路層との間に間隙がある」ことが開示されている。
特許文献3には、「単に圧力均一化シートを介在させるだけでは、加圧中に圧力均一化シートが垂れ下がって接合部分の周囲を覆ってしまい、分解・脱ガスした有機保護膜の成分がその空間内に滞留することが懸念される。この場合、空間近傍の回路部材等を汚染して、回路部材等の信頼性が低下する恐れがあった。」ことが開示されている。また、特許文献3には、「加圧した際に、圧力均一化シートが加圧面よりもさらに電力用半導体素子から離れる方向に反り返る。その結果、電力用半導体素子の近傍の空間が圧力均一化シートによって遮蔽されるのを防ぎ、有機保護膜の揮発成分が電力用半導体素子の近傍の空間に滞留することがなくなる。」ことが開示されている。
国際公開第2019/208072号 特開2021-150548号公報 特開2014-239170号公報
半導体チップなどの電子部品と絶縁基板を焼結結合する場合、焼結材に加圧する必要がある。電子部品を介して焼結材を加圧する場合、電子部品の表面の凹凸や高さのばらつきを吸収するために、緩衝材が使用される。また、複数の電子部品や高さの異なる電子部品を一度に加圧接合する場合には、複数の電子部品に加わる圧力を均一にするために、厚い緩衝材が必要になる。
焼結材の焼結時に厚い緩衝材を用いると、緩衝材が電子部品や焼結材の周りを完全に覆うとともに、絶縁基板の表面に接触してしまう。そうすると、焼結材を加圧する際に焼結材から放出されるガスが外部に抜けることを緩衝材が阻害する。その結果、当該ガスが絶縁基板の表面に炭化物のような堆積物として残る場合がある。こ半導体モジュールの製造工程における焼結後の工程において、この堆積物がはんだ付け性を低下させ、ゲルや樹脂封止のボイド、あるいは封止樹脂の剥離の発生の原因となる。
本発明の目的は、接合工程の後の工程における不良の発生及び製造費用の低減を図ることができる半導体モジュールの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様による半導体モジュールの製造方法は、絶縁基板の上に導電パターンが形成された絶縁配線基板を下側熱板の上に配置し、前記導電パターンの上に焼結材を配置し、前記焼結材の上に電子部品を配置し、複数の電子部品の上に緩衝材を配置し、前記緩衝材の上に上側熱板を配置し、前記絶縁基板の一部との間に空間を設けた状態の前記上側熱板によって、前記緩衝材及び前記電子部品を介して前記焼結材を加圧及び加熱して焼結する。
本発明の一態様によれば、接合工程の後の工程における不良の発生及び製造費用の低減を図ることができる。
本発明の第1実施形態による半導体モジュールの製造方法によって製造される半導体モジュールの概略構成の一例を示す平面図である。 本発明の第1実施形態による半導体モジュールの製造方法によって製造される半導体モジュールの概略構成の一例を示す断面図である。 本発明の第1実施形態による半導体モジュールの製造方法の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態による半導体モジュールの製造方法における絶縁配線基板の配置工程から上側熱板の配置工程までを模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態による半導体モジュールの製造方法における焼結材への加圧及び加熱工程を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態による半導体モジュールの製造方法における上側熱板の退避工程から絶縁配線基板の取り外し工程までを模式的に示す図である。 比較例による半導体モジュールの製造方法における上側熱板の配置工程を模式的に示す図である。 比較例による半導体モジュールの製造方法における焼結材の加圧及び加熱工程を模式的に示す図である。 比較例による半導体モジュールの製造方法における焼結材への加圧及び加熱工程が終了した後の絶縁配線基板の平面の一例を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態による半導体モジュールの製造方法における絶縁配線基板の配置工程から上側熱板の配置工程までを模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態による半導体モジュールの製造方法における焼結材への加圧及び加熱工程を模式的に示す図である。 本発明の第3実施形態による半導体モジュールの製造方法によって製造される半導体モジュールに備えられて半導体チップが実装された状態の絶縁配線基板の概略構成の一例を示す平面図である。 本発明の第3実施形態による半導体モジュールの製造方法における絶縁配線基板の配置工程から上側熱板の配置工程までを模式的に示す図である。 本発明の第3実施形態による半導体モジュールの製造方法における焼結材への加圧及び加熱工程を模式的に示す図である。
本発明の各実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態による半導体モジュールの製造について図1から図9を用いて説明する。
(半導体モジュールの構成)
本実施形態による半導体モジュールの製造方法によって製造される半導体モジュール1の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。半導体モジュール1は、例えば直流交流変換が可能な単相の電力変換モジュールを例にとって説明する。図1は、半導体モジュール1の概略構成の一例を示す平面図(半導体チップ14a-1などが実装される側から見た図)である。図1では、理解を容易にするため、封止樹脂18の図示が省略されている。図2は、図1中に示すA-A線で切断した半導体モジュール1の切断を模式的に示す図である。
図1に示すように、半導体モジュール1は、空間111を画定するケース11を備えている。ケース11は、例えば絶縁性の熱可塑性樹脂で形成されている。ケース11は、例えば平面視で矩形の枠形状を有している。ここで、平面視とは、導電パターン133a,133b,133c(詳細は後述)が形成された絶縁基板131(詳細は後述)の表面を直交する方向に見ることをいう。
ケース11を構成する一方の短辺には、例えば正極側の直流電力が供給される正極端子Ptと、例えば負極側の直流電力が供給される負極端子Ntとが配置されている。ケース11を構成する他方の短辺には、入力される直流電力が半導体モジュール1によって交流変換された交流電力が出力される出力端子Otが配置されている。正極端子Pt、負極端子Nt及び出力端子Otは、ケース11から空間111に亘って設けられている。
図1に示すように、半導体モジュール1は、空間111に配置された絶縁配線基板13を備えている。絶縁配線基板13は、例えばDCB(Direct Copper Bonding)基板又はAMB(Active Matal Brazing)基板である。
絶縁配線基板13は、例えば矩形平板状を有する絶縁基板131を有している。絶縁基板131は、例えばアルミナ(Al)や窒化アルミニウム(AlN)などのセラミックスで形成されている。絶縁配線基板13は、絶縁基板131の上面(封止樹脂18(図1では不図示、図2参照)側)に形成された導電パターン133a,133b,133cを有している。導電パターン133a,133b,133cは、例えば銅(Cu)で形成されている。導電パターン133aは、例えば長方形状を有している。導電パターン133aは、絶縁基板131の一方の長辺の近傍に当該長辺に沿って配置されている。導電パターン133bは例えば、絶縁基板131の他方の長辺の近傍、出力端子Otの配置側の絶縁基板131の短辺に沿い、かつ当該短辺から絶縁基板131の中央部に向かって延在して配置されている。導電パターン133bは、例えば凹形状を有している。導電パターン133cは例えば、導電パターン133bの間の絶縁基板131の中央部から負極端子Ntが配置された側の絶縁基板131の角部まで延在して配置されている。導電パターン133cは、例えば上下反対向きのL字形状を有している。
導電パターン133aは、正極端子Ptが配置されている側の端部に形成された端子パターン133a-1を有している。端子パターン133a-1の上方には正極端子Ptの端部が配置されている。正極端子Ptは、端子パターン133a-1に例えばはんだ付けされている。これにより、正極端子Ptと端子パターン133a-1とは機械的かつ電気的に接続される。
導電パターン133bは、出力端子Otが配置されている側の絶縁基板131の短辺に沿う領域の一部に形成された端子パターン133b-1を有している。端子パターン133b-1の上方には出力端子Otの端部が配置されている。出力端子Otは、端子パターン133b-1に例えばはんだ付けされている。これにより、出力端子Otと端子パターン133b-1とは機械的かつ電気的に接続される。
導電パターン133cは、負極端子Ntが配置されている側の端部に形成された端子パターン133c-1を有している。端子パターン133c-1の上方には負極端子Ntの端部が配置されている。負極端子Ntは、端子パターン133c-1に例えばはんだ付けされている。これにより、負極端子Ntと端子パターン133c-1とは機械的かつ電気的に接続される。
図1に示すように、半導体モジュール1は、導電パターン133aの上に形成された焼結体15a-1,15a-2と、焼結体15a-1,15a-2の上に配置された半導体チップ14a-1,14a-2とを備えている。焼結体15a-1は、焼結材151a-1(図1では不図示、図4及び図5参照)が焼結されて形成され、焼結体15a-2は、焼結材151a-1と同じ材料で形成された焼結材(不図示)が焼結されて形成されている。半導体チップ14a-1は、焼結体15a-1によって導電パターン133aと接合され、半導体チップ14a-2は、焼結体15a-2によって導電パターン133aと接合されている。このため、半導体チップ14a-1は、焼結体15a-1によって導電パターン133aと機械的及び電気的に接続され、半導体チップ14a-2は、焼結体15a-2によって導電パターン133aと機械的及び電気的に接続されている。
半導体モジュール1は、導電パターン133bのうちの絶縁基板131の長辺に沿う領域の上に形成された焼結体15b-1,15b-2と、焼結体15b-1,15b-2の上に配置された半導体チップ14b-1,14b-2とを備えている。焼結体15b-1は、焼結材151b-1(図1では不図示、図4及び図5参照)が焼結されて形成され、焼結体15b-2は、焼結材151b-1と同じ材料で形成された焼結材(不図示)が焼結されて形成されている。半導体チップ14b-1は、焼結体15b-1によって導電パターン133bと接合され、半導体チップ14b-2は、焼結体15b-2によって導電パターン133bと接合されている。このため、半導体チップ14b-1は、焼結体15b-1によって導電パターン133bと機械的かつ電気的に接続され、半導体チップ14b-2は、焼結体15b-2によって導電パターン133bと機械的かつ電気的に接続されている。
詳細は後述するが、本実施形態では、上側熱板3(図1では不図示、図5参照)と絶縁基板131との間に空間61a,61b,61c,61d(図5参照)を設けた状態で上側熱板3によって焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2(図1では不図示、図4及び図5参照)を加圧及び加熱し、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を焼結する。これにより、焼結時に焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2から放出されるガスに基づく堆積物が半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2や絶縁基板131に付着することが防止される。
焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2は、周囲を有機物でコーティングされた微細な金属粒子を有機溶媒に混合したものである。焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を接合対象物である半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2及び導電パターン133a,133bの間に配置した状態で加圧及び加熱することによって有機溶媒とコーティングしている有機物が気化し、露出した微細な金属粒子同士が融合して多孔質の焼結体15a-1,15a-2,15b-1,15b-2が形成される。金属粒子としては、例えば粒径数ナノメートル以上数マイクロメートル以下の銀(Ag)や銅(Cu)が用いられる。焼結体15a-1,15a-2,15b-1,15b-2は、例えば銀系焼結材又は銅系焼結材によって形成される。これらの焼結材は例えば、150W/mK以上400W/mK以下の熱伝導率、約19×10-6/℃の熱膨張係数及び約960℃の融点を有している。このため、焼結体15a-1,15a-2,15b-1,15b-2は、半導体モジュール1の使用温度(例えば150℃から170℃)で安定した強度を有する。
図1に示すように、半導体モジュール1は例えば、半導体チップ14a-1と導電パターン133bとを機械的かつ電気的に接続するリードフレーム16a-1と、半導体チップ14a-2と導電パターン133bとを機械的かつ電気的に接続するリードフレーム16a-2とを有している。半導体モジュール1は例えば、半導体チップ14b-1と導電パターン133cとを機械的かつ電気的に接続するリードフレーム16b-1と、半導体チップ14b-2と導電パターン133cとを機械的かつ電気的に接続するリードフレーム16b-2とを有している。
半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2には例えば、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)やパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor:MOSFET)などのパワー半導体素子(不図示)が形成されている。本実施形態では、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2には、例えばIGBT(不図示)が形成されている。また、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2には、IGBTに逆並列に接続された還流ダイオード(不図示)が形成されている。
半導体チップ14a-1に形成されたIGBTのコレクタ端子(不図示)及び還流ダイオードのカソード端子(不図示)は、焼結体15a-1に対向する表面に露出しており、焼結体15a-1と機械的かつ電気的に接続されている。半導体チップ14a-1に形成されたIGBTのエミッタ端子(不図示)及び還流ダイオードのアノード端子(不図示)は、リードフレーム16a-1が配置されている側の表面の一部に露出しており、リードフレーム16a-1の端部と機械的かつ電気的に接続されている。
したがって、半導体チップ14a-1に設けられたIGBT及び還流ダイオードと、半導体チップ14a-2に設けられたIGBT及び還流ダイオードとは、導電パターン133a、リードフレーム16a-1,16a-2及び導電パターン133bによって、正極端子Pt及び出力端子Otの間で並列に接続される。
半導体チップ14a-2に形成されたIGBTのコレクタ端子(不図示)及び還流ダイオードのカソード端子(不図示)は、焼結体15a-2に対向する表面に露出しており、焼結体15a-2と機械的かつ電気的に接続されている。半導体チップ14a-2に形成されたIGBTのエミッタ端子(不図示)及び還流ダイオードのアノード端子(不図示)は、リードフレーム16a-2が配置されている側の表面の一部に露出しており、リードフレーム16a-2の端部と機械的かつ電気的に接続されている。
半導体チップ14b-1に形成されたIGBTのコレクタ端子(不図示)及び還流ダイオードのカソード端子(不図示)は、焼結体15b-1に対向する表面に露出しており、焼結体15b-1と機械的かつ電気的に接続されている。半導体チップ14b-1に形成されたIGBTのエミッタ端子(不図示)及び還流ダイオードのアノード端子(不図示)は、リードフレーム16b-1が配置されている側の表面の一部に露出しており、リードフレーム16b-1の端部と機械的かつ電気的に接続されている。
半導体チップ14b-2に形成されたIGBTのコレクタ端子(不図示)及び還流ダイオードのカソード端子(不図示)は、焼結体15b-2に対向する表面に露出しており、焼結体15b-2と機械的かつ電気的に接続されている。半導体チップ14b-2に形成されたIGBTのエミッタ端子(不図示)及び還流ダイオードのアノード端子(不図示)は、リードフレーム16b-2が配置されている側の表面の一部に露出しており、リードフレーム16b-2の端部と機械的かつ電気的に接続されている。
したがって、半導体チップ14b-1に設けられたIGBT及び還流ダイオードと、半導体チップ14b-2に設けられたIGBT及び還流ダイオードとは、導電パターン133b、リードフレーム16b-1,16b-2及び導電パターン133cによって、出力端子Ot及び負極端子Ntの間で並列に接続される。さらに、半導体チップ14a-1,14a-2のそれぞれに設けられて並列接続されたIGBT及び還流ダイオードと、半導体チップ14b-1,14b-2のそれぞれに設けられて並列接続されたIGBT及び還流ダイオードとは、導電パターン133a、リードフレーム16a-1,16a-2、導電パターン133b、導電パターン133b、リードフレーム16b-1,16b-2及び導電パターン133cによって、正極端子Pt及び負極端子Ntの間に直列に接続される。
半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2のIGBTのエミッタ端子及び還流ダイオードのアノード端子が露出する表面の他の一部には、IGBTのゲート端子が露出している。当該ゲート端子は、リードフレームやボンディングワイヤ(いずれも不図示)によって、ケース11に設けられた複数の端子(不図示)のうちの互いに異なる端子に接続されている。ケース11に設けられた当該端子には、半導体チップ14a-1,14a-1,14b-1,14b-2を制御する制御信号を生成する制御装置(不図示)に接続されている。このため、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2のそれぞれに設けられたIBGTは、ケース11に設けられた当該端子を介して制御装置から入力されるゲート信号によって、所定のタイミングでオン/オフ制御される。これにより、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2は協働して、正極端子Pt及び負極端子Ntから入力される直流電力を交流電力に変換する。半導体モジュール1は、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2によって生成された交流電力を出力端子Otから出力し、出力端子Otに接続された不図示の負荷(例えばモータ)を駆動する。
図2に示すように、絶縁配線基板13は、導電パターン133a,133b,133cが形成された表面とは反対側の絶縁基板131の表面に形成された矩形平板状の伝熱部材135を有している。伝熱部材135は、例えば絶縁基板131のほぼ全面に形成されている。伝熱部材135は、例えば銅で形成されている。
図2に示すように、半導体モジュール1は、ケース11に取り付けられた冷却器19を備えている。伝熱部材135は、例えばはんだ付けによって冷却器19に接続されている。半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2に形成されたIGBTが動作する際に発生する熱は、伝熱部材135及び冷却器19を介して外部に放熱される。これにより、半導体モジュール1は、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2に形成されたIGBTが熱暴走することを防止できる。
図2に示すように、半導体モジュール1は、導電パターン133a,133b,133c、焼結体15a-1,15a-2,15b-1,15b-2、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2及びリードフレーム16a-1,16a-2,16b-1,16b-2を含み絶縁基板131のほぼ全面を覆って空間111に形成された封止樹脂18を備えている。封止樹脂18は、例えばエポキシ樹脂などのケース11とは異なる材料で形成されている。封止樹脂18は、空間111に設けられた半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2や絶縁配線基板13などの構成要素を封止する封止部材である。封止樹脂18は、絶縁基板131を封止することによって、絶縁基板131に形成された導電パターン133a,133b,133cの間の絶縁性の向上を図ることができる。これにより、封止樹脂18は、半導体モジュール1の信頼性の向上を図ることができる。
図1では、絶縁配線基板13には、4個の半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2が配置されているが、絶縁配線基板13に配置される半導体チップの個数及び絶縁配線基板13に形成される導電パターン133a,133b,133cの個数や形状は、図1に示す個数などに限られない。また、図1では、1個の絶縁配線基板13がケース11に配置されているが、絶縁配線基板13の個数は1個に限られない。半導体モジュール1は、例えばケース11に設けられた複数の絶縁配線基板を有し、例えば3相の電力変換モジュールに適用できる。
(半導体モジュールの製造方法)
次に、本実施形態による半導体モジュールの製造方法について、図3から図6を用いて説明する。本実施形態による半導体モジュールの製造方法の説明について、図1及び図2に示す半導体モジュール1の製造方法を例にとって説明する。図2は、本実施形態による半導体モジュールの製造方法のうちの半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2を絶縁配線基板13に接合する工程(以下、「接合工程」と略記する場合がある)の流れの一例を示している。
図3に示すように、本実施形態による半導体モジュール1の製造方法における接合工程のステップS11では絶縁配線基板13の配置工程が実行される。具体的には、ステップS11において、図4に示すように、絶縁基板131の上に導電パターン133a,133b,133cが形成された絶縁配線基板13を下側熱板2の上に配置する。下側熱板2は、例えば平板状を有している。下側熱板2は、例えば金型用の金属材料で形成されている。なお、下側熱板2は、セラミックス材料(例えば窒化ケイ素や窒化アルミニウム)で形成されていてもよい。下側熱板2は、半導体モジュール1の製造装置に取り付けられている。下側熱板2は、後の工程で焼結材に熱を加えるために、絶縁配線基板13が配置される前に加熱されてから当該製造装置に取り付けられてもよい。また、下側熱板2は、絶縁配線基板13が配置される前又は絶縁配線基板13が配置された後に、当該製造装置によって加熱されてもよい。また、下側熱板2は、焼結材の乾燥工程(詳細は後述)の後に当該製造装置によって加熱されてもよい。下側熱板2は、例えば200℃から350℃(本実施形態では250℃)に加熱される。
ステップS11の次のステップS13では、焼結材の形成工程が実行される。具体的には、ステップS13において、図4に示すように、導電パターン133a,133bの上に焼結材151a-1,151b-1、焼結体15b-2(図1参照)を形成するための焼結材(不図示)及び焼結体15a-2(図1参照)を形成するための焼結材(不図示)を配置する。焼結材151a-1及び焼結体15a-2を形成するための焼結材は、導電パターン133aの所定位置に塗布されてペースト印刷やディスペンサによって形成される。焼結材151b-1及び焼結体15b-2を形成するための焼結材は、導電パターン133bの所定位置に塗布されてペースト印刷によって形成される。以下、説明の便宜上、図面に図示されていないが、焼結体15a-2を形成するための焼結材を「焼結材151a-2」と称し、焼結体15b-2を形成するための焼結材を「焼結材151b-2」と称することにする。
ステップS13の次のステップS15では、焼結材の乾燥工程が実行される。具体的には、ステップS15において、焼結材151a-1を含む導電パターン133aの上に形成された全ての焼結材と、焼結材151b-1を含む導電パターン133bの上に形成された全ての焼結材とは、例えば100℃から150℃の温度でペースト乾燥される。焼結材の乾燥工程において導電パターン133a,133bの上に形成された全ての焼結材を乾燥することよって、後工程の焼結材への加圧及び加熱工程(詳細は後述)においてこれらの焼結材から汚れが発生することを防止できる。なお、焼結材の乾燥工程は、省略されてもよい。これにより、半導体モジュールの製造費用の低コスト化を図ることができる。
ステップS15の次のステップS17では、電子部品の配置工程が実行される。具体的には、ステップS17において、焼結材151a-1,151b-1の上に電子部品を配置する。本実施形態では、当該電子部品は、半導体チップ14a-1,14b-1である。半導体チップ14a-1は、焼結材151a-1に接触させて焼結材151a-1の上に配置される。半導体チップ14a-2(図1参照)は、焼結材151a-2に接触させて焼結材151a-2の上に配置される。半導体チップ14b-1は、焼結材151b-1に接触させて焼結材151b-1の上に配置される。半導体チップ14b-2(図1参照)は、焼結材151b-2に接触させて焼結材151b-2の上に配置される。絶縁基板131から緩衝材4A(詳細は後述)の側の半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の表面までの距離Dは、例えば0.52mmである。より具体的には、導電パターン133a,133b,133cの厚さは例えば0.4mmであり、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の厚さは0.1mmである。
ステップS17の次のステップS19では、緩衝材の配置工程が実行される。具体的には、ステップS19において、図4に示すように、複数の半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の上に緩衝材4Aを配置する。本実施形態では、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2を含み絶縁基板131のほぼ全面を覆うことが可能な大きさの1つの緩衝材4Aが配置される。このため、緩衝材4Aは、焼結材151a-1,151a-2,151b-1、151b-2及び導電パターン133a,133b,133cの上にも配置される。緩衝材4Aは、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2の焼結時でも低弾性率を有する例えばカーボン製シートなどで構成されている。緩衝材4Aは、焼結時に焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2に加えられる温度(本実施形態では250℃)以上の耐熱性を有している。また、緩衝材4Aは、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧する前では、厚さT(例えばT=0.6mm)を有している。
ステップS19の次のステップS21では、上側熱板の配置工程が実行される。具体的には、ステップS21において、図4に示すように、緩衝材4Aの上に上側熱板3を配置する。上側熱板3は、平板形状を有し、緩衝材4Aよりも一回り大きい形状を有している。これにより、上側熱板3は、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を焼結する際に、緩衝材4Aの全面にほぼ均一の力を加えることができる。上側熱板3は、例えば下側熱板2と同じ金属材料で形成されている。上側熱板3は、セラミックス材料(例えば窒化ケイ素や窒化アルミニウム)で形成されていてもよい。また、上側熱板3は、下側熱板2と異なる材料で形成されていてもよい。
上側熱板3は、半導体モジュール1の製造装置に取り付けられている。上側熱板3は、後の工程で焼結材に熱を加えるために、緩衝材4Aの上に配置される前に加熱されてから当該製造装置に取り付けられてもよい。また、上側熱板3は、緩衝材4Aの上に配置される前又は緩衝材4Aの上に配置された後に、当該製造装置によって加熱されてもよい。上側熱板3は、例えば200℃から350℃(本実施形態では250℃)に加熱される。上側熱板3は、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を焼結することができる温度であれば、下側熱板2と同じ温度になるように加熱されてもよいし、下側熱板2と異なる温度となるように加熱されてもよい。
ステップS21の次のステップS23では、焼結材への加圧及び加熱工程が実行される。具体的には、ステップS23において、図5に示すように、絶縁基板131の一部131a,131b,131c,131dとの間に空間61a,61b,61c,61dを設けた状態の上側熱板3によって、緩衝材4A及び半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2を介して焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧及び加熱して焼結する。
緩衝材4Aは、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2及び導電パターン133a,133b,133cよりも柔らかい。このため、図5に示すように、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2及び導電パターン133a,133b,133cに向かう力が上側熱板3から緩衝材4Aに与えられたとする。そうすると、緩衝材4Aは、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2及び導電パターン133a,133b,133cによって上側熱板3側に押し上げられる。これにより、緩衝材4Aの下側熱板2側の表面は、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2及び導電パターン133a,133b,133cによって形成される段差形状に倣う形状になる。緩衝材4Aは、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2の焼結時に下側熱板2側の表面をこのように変形させた状態で圧縮される。
焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧する前後での半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の上での緩衝材4Aの厚さの変化量が、絶縁基板131から緩衝材4Aの側の半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の表面までの距離よりも小さくなるように、上側熱板3で焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧する。焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧する前の緩衝材4Aの厚さをTとし(図4参照)、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧した後の緩衝材4Aの厚さをtとする。そうすると、当該変化量T-tと、絶縁基板131から半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の表面までの距離Dとの間には、以下の式(1)の関係が成り立つ。
T-t<D ・・・(1)
絶縁基板131から緩衝材4Aの側の半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の表面までの距離が、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の厚さばらつきなどによって異なっている場合には、当該距離が最も長い半導体チップの表面が距離Dの対象となる。また、距離Dの対象となる半導体チップの当該表面に凹凸がある場合には、当該凹凸のうち、絶縁基板131から最も離れている部分が距離Dの対象となる。換言すると、絶縁基板131から緩衝材4Aの側の半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の表面までの距離が、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の厚さばらつきなどによって異なっている場合には、下側熱板2側に向けられた緩衝材4Aの表面からの距離が最も短い半導体チップの表面が距離Dの対象となる。また、距離Dの対象となる半導体チップの当該表面に凹凸がある場合には、当該凹凸のうち、下側熱板2側に向けられた緩衝材4Aの表面に最も近い部分が距離Dの対象となる。
本実施形態では、1つの緩衝材4Aが用いられている。このため、導電パターン133a,133b,133c、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2及び半導体チップ141a-1,14a-2,14b-1,14b-2のそれぞれに1つの緩衝材4Aを接触させた状態で焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧及び加熱する。さらに、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2は、式(1)を満たすように上側熱板3から加圧される。つまり、緩衝材4Aを絶縁基板131の一部131a,131b,131c,131dに接触させずに焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧する。これにより、緩衝材4Aと絶縁基板131との間に空間61a,61b,61c,61dが設けられる。
上述のとおり、本実施形態では、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧した後の緩衝材4Aの厚さtは、例えば0.3mmである。焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧する前の緩衝材4Aの厚さTは、例えば0.6mmである。絶縁基板131から半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の表面までの距離Dは、例えば0.52mmである。このため、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2の加圧前後における緩衝材4B-1,4B-2の厚さの変化量T-tは、0.3mmとなり、距離Dよりも小さくなる。このため、本実施形態による半導体モジュールの製造方法では、上述の式(1)の関係が成り立つ。
本実施形態では、空間61aは、導電パターン133a、絶縁基板131、導電パターン133c及び緩衝材4Aによって囲まれる領域である。空間61bは、導電パターン133c、絶縁基板131、導電パターン133b及び緩衝材4Aによって囲まれる領域である。空間61cは、絶縁基板131、導電パターン133a及び緩衝材4Aによって囲まれる領域である。空間61cは、絶縁基板131、導電パターン133b及び緩衝材4Aによって囲まれる領域である。
空間61a,61b,61c,61dが形成された状態で焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧及び加熱すると、図5中に矢印Yで示すように、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2から放出されるガスGは、空間61a,61b,61c,61dを通って、下側熱板2及び上側熱板3に挟まれた領域の外部に放出される。その結果、詳細は後述するが、ガスGに起因する堆積物が接合工程の終了後に絶縁基板131の表面などに生じることが防止される。
下側熱板2は、焼結材への加圧及び加熱工程において、絶縁配線基板13を固定した状態で伝熱部材135側から絶縁配線基板13を支える。さらに、下側熱板2は、例えば250℃以上の温度を有している。このため、下側熱板2は、焼結材への加圧及び加熱工程において、絶縁配線基板13を介して焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧及び加熱する。このように、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2は、上側熱板3及び下側熱板2によって、例えば60秒以上300秒以下の期間に1MPa以上50MPa以下の圧力及び200℃以上300℃以下の温度が加えられて焼結する。
ステップS23の次のステップS25では、上側熱板の退避工程が実行される。具体的には、ステップS25において、図6に示すように、上側熱板3が例えば下側熱板2の上方に退避され、緩衝材4Aから離れる。
ステップS25の次のステップS27では、緩衝材の除去工程が実行される。具体的には、ステップS27において、図6に示すように、緩衝材4Aが絶縁配線基板13から除去される。下側熱板2側の緩衝材4Aの表面には、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2及び導電パターン133a,133b,133cに倣う形状が残存する。このため、緩衝材4Aは、半導体モジュール1を製造するごとに取り替えられる使い捨ての部材である。
ステップS27の次のステップS29では、絶縁配線基板の取り外し工程が実行される。具体的には、ステップS29において、図6に示すように、焼結体15a-1,15a-2,15b-1,15b-2によって導電パターン133a,133bに接合された半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2を有する絶縁配線基板13が下側熱板2から取り外される。これにより、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2を絶縁配線基板13に接合する工程が終了する。
図示は省略するが、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2と導電パターン133cとをリードフレーム16a-1,16a-2,16b-1,16b-2によってはんだ付けなどによって接合する(図1参照)。次に、絶縁配線基板13に設けられた伝熱部材135を冷却器19に例えばはんだ付けなどによって接合する。次に、絶縁配線基板13をケース11の空間111に配置した状態で冷却器19をケース11に例えば接着剤で接着して取り付ける(図2参照)。次に、正極端子Ptと端子パターン133a-1とを接続し、負極端子Ntと端子パターン133b-1とを接続し、出力端子Otと端子パターン133c-1とを接続する。次に、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2のそれぞれの表面に露出したゲート端子とケース11に配置された端子とを例えばリードフレームによって接続する。次に、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2、リードフレーム16a-1,16a-2,16b-1,16b-2、その他のリードフレーム及び導電パターン133a,133b,133cを覆って空間111に封止樹脂18を注型する。これにより、半導体モジュール1が完成する。
(半導体モジュールの製造方法の効果)
次に、本実施形態による半導体モジュールの製造方法の効果について、図4及び図5を参照しつつ図6から図8を用いて説明する。
(比較例)
図6及び図7は、比較例による半導体モジュールの製造方法における焼結材の加圧及び加熱工程を説明するための図である。
図7に示すように、比較例による半導体モジュールの製造方法では、本実施形態と同様に、平板形状の下側熱板2Xの上に絶縁配線基板13Xが配置される。絶縁配線基板13Xは、本実施形態における絶縁配線基板13と同様に、絶縁基板132と、絶縁基板132の一方の表面に形成された導電パターン134a,134b,134cと、絶縁基板132の他方の表面に形成された伝熱部材136とを有している。絶縁基板132は、本実施形態における絶縁基板131と同様の作用・機能を有している。導電パターン134a,134b,134cは、本実施形態における導電パターン133a,133b,133cと同様の作用・機能を有している。伝熱部材136は、本実施形態における伝熱部材135と同様の作用・機能を有している。絶縁配線基板13Xは、伝熱部材136を下側熱板2X側に向けて下側熱板2Xの上に配置される。
次に、図7に示すように、導電パターン134a,134bの所定箇所に焼結材152a-1,152b-1がペースト印刷により形成され、その後、焼結材152a-1,152b-1がペースト乾燥される。焼結材152a-1,152b-1は、本実施形態における焼結材151a-1,151b-1と同様の作用・機能を有している。比較例による半導体モジュールの製造方法では、本実施形態による半導体モジュールの製造方法と同様に、焼結材151a-2,151b-2に対応する焼結材も形成されるが、これらの焼結材については説明を省略する。
次に、図7に示すように、焼結材152a-1,152b-1の上に半導体チップ141a-1,141b-1を配置する。半導体チップ141a-1,141b-1は、本実施形態における半導体チップ14a-1,14b-1と同様の作用・機能を有している。比較例による半導体モジュールの製造方法では、本実施形態による半導体モジュールの製造方法と同様に、半導体チップ14a-2,14b-2に対応する半導体チップも、本実施形態における焼結材151a-2,151b-2に対応する焼結材の上に配置されるが、これらの半導体チップについては説明を省略する。絶縁基板132から緩衝材4X(詳細は後述)の側の半導体チップ141a-1,14b-1の表面までの距離Dcは、本実施形態と同様に例えば0.52mmである。より具体的には、導電パターン134a,134b,134cの厚さは例えば0.4mmであり、半導体チップ141a-1,141b-1の厚さは0.1mmである。
次に、図7に示すように、複数の半導体チップ141a-1,141b-1の上に緩衝材4Xを配置する。本比較例では、半導体チップ141a-1,141b-1を含み絶縁基板132のほぼ全面を覆うことが可能な大きさの1つの緩衝材4Xが配置される。本変形例における緩衝材4Xは、本実施形態における緩衝材4Aと例えば同じ材料で形成されているが、緩衝材4Aと異なる厚さを有している。緩衝材4Xは、例えば1.6mmの厚さを有している。このように、緩衝材4Xは、緩衝材4Aよりも厚くなるように形成されている。
次に、図7に示すように、緩衝材4Xの上に上側熱板3Xを配置する。上側熱板3Xは、平板形状を有し、緩衝材4Xよりも一回り大きい形状を有している。これにより、上側熱板3Xは、焼結材152a-1,152b-1を焼結する際に、緩衝材4Xの全面にほぼ均一の力を加えることができる。緩衝材4Xは、例えば緩衝材4Aと同様の材料で形成され、同様の温度に加熱される。
次に、図8に示すように、半導体チップ141a-1,141b-1、焼結材152a-1,152b-1及び絶縁基板132に緩衝材4Xを接触させた状態で、上側熱板3Xによって、焼結材152a-1,152b-1を加圧及び加熱して焼結する。焼結材152a-1,152b-1は、緩衝材4X及び半導体チップ141a-1,141b-1を介して上側熱板3Xによって加圧及び加熱される。
緩衝材4Xは、半導体チップ141a-1,141b-1、焼結材152a-1,152b-1及び導電パターン134a,134b,134cよりも柔らかい。このため、半導体チップ141a-1,141b-1、焼結材152a-1,152b-1及び導電パターン134a,134b,134cに向かう力が上側熱板3Xから緩衝材4Xに与えられたとする。そうすると、図8に示すように、緩衝材4Xは、半導体チップ141a-1,141b-1、焼結材152a-1,152b-1及び導電パターン134a,134b,134cによって上側熱板3X側に押し上げられる。これにより、緩衝材4Xの下側熱板2X側の表面は、半導体チップ141a-1,141b-1、焼結材152a-1,152b-1及び導電パターン134a,134b,134cによって形成される段差形状に倣う形状になる。緩衝材4Xは、焼結材152a-1,152b-1の焼結時に下側熱板2X側の表面をこのように変形させた状態で圧縮される。
図8に示すように、焼結材152a-1,152b-1を加圧した後の緩衝材4Xの厚tcは、例えば0.8mmである。上述のとおり、焼結材152a-1,152b-1を加圧する前の緩衝材4Xの厚Tcは、例えば1.6mmである。このため、本比較例において、焼結材152a-1,152b-1を加圧する前後での半導体チップ141a-1,141b-1の上での緩衝材4Xの厚さの変化量Tc-tcは、0.8mm(=1.6-0.8)である。上述のとおり、絶縁基板132から半導体チップ141a-1,141b-1の表面までの距離Dcは、0.52mmであり、変化量Tc-tcよりも小さい。したがって、本比較例による半導体モジュールの製造方法は、上記の式(1)の関係を満たさない。このため、図8に示すように、緩衝材4Xは、上側熱板3Xから圧力が与えられると、半導体チップ141a-1,141b-1、焼結材152a-1,152b-1、導電パターン134a,134b,134c及び絶縁基板132に密着してしまう。これにより、本比較例による半導体モジュールの製造方法では、緩衝材4Xと絶縁基板132との間に空間が形成されない。
したがって、本比較例では、下側熱板2X及び上側熱板3Xに挟まれた領域と外部とを繋ぐ空間が存在しないため、図8中に矢印Ycで示すように、焼結材152a-1,152b-1から放出されるガスGcは、緩衝材4Xの内部における焼結材152a-1,152b-1の近傍の領域に留まってしまう。
その結果、図9に示すように、半導体チップ141a-1,141b-1の接合が終了した絶縁配線基板13Xには、ガスGcに起因する堆積物dpが生じる。堆積物dpは主に、例えば焼結材152a-1,152b-1によって形成された焼結体15Xa-1,15Xb-1及び半導体チップ141a-1,141b-1の近傍に生じる。さらに、堆積物dpは、焼結材152a-1,152b-1とともに焼結された焼結材によって形成された焼結体15Xa-2,15Xb-2及びそれらの上に配置された半導体チップ141a-2,141b-2の近傍にも生じる。
半導体チップ141a-1,141a-2,141b-1,141b-2と導電パターン134cとを接続するリードフレームの接続箇所に堆積物dpが生じた場合、当該リードフレームのはんだ付け性が低下する。このため、半導体モジュールの使用中に当該リードフレームが半導体チップ141a-1,141a-2,141b-1,141b-2や導電パターン134cから外れてしまう可能性がある。また、絶縁配線基板13Xなどが配置されるケースの空間内に注型された封止樹脂の内部にボイドが生じたり当該封止樹脂が絶縁配線基板13Xから剥離したりする可能性がある。これにより、半導体モジュールの信頼性が低下するという問題が生じる。
一方、このような半導体モジュールの信頼性の低下を防止するために、半導体チップ141a-1,141b-1を絶縁配線基板13Xに接合する接合工程が終了した後に、堆積物dpを洗浄する洗浄工程を設けると、半導体モジュールの製造工程が煩雑になるとともに、半導体モジュールの製造費用が高くなるという問題が生じる。
これに対し、本実施形態による半導体モジュールの製造方法では、焼結材への加圧及び加熱工程において、絶縁基板131の一部131a,131b,131c,131dとの間に空間61a,61b,61c,61dを設けた状態の上側熱板3によって、緩衝材4A及び半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2を介して焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧及び加熱して焼結する。これにより、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2から放出されるガスGは、空間61a,61b,61c,61dを通って、下側熱板2及び上側熱板3に挟まれた領域の外部に放出される。このため、本実施形態による半導体モジュールの製造方法では、ガスGに起因する堆積物が絶縁基板131の表面などに生じることが防止される。その結果、本実施形態による半導体モジュールの製造方法では、半導体モジュール1の信頼性の低下が防止されるとともに、製造費用の低コスト化を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態による半導体モジュールの製造方法は、絶縁基板131の上に導電パターン133a,133b,133cが形成された絶縁配線基板13を下側熱板2の上に配置し、導電パターン133a,133bの上に焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を配置し、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2の上に半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2を配置し、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の上に緩衝材4Aを配置し、緩衝材4Aの上に上側熱板3を配置し、絶縁基板131の一部131a,131b,131c,131dとの間に空間61a,61b,61c,61dを設けた状態の上側熱板3によって、緩衝材4A及び半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2を介して焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧及び加熱して焼結する。
本実施形態による半導体モジュールの製造方法によれば、接合工程の後の工程における不良の発生及び製造費用の低減を図ることができる。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態による半導体モジュールの製造方法について図10及び図11を用いて説明する。本実施形態による半導体モジュールの製造方法は、分離された複数の緩衝材を介して焼結材を1又は複数個ずつ個別に加圧及び加熱する点に特徴を有している。本実施形態による半導体モジュールの製造方法の説明に当たって、上記第1実施形態による半導体モジュールの製造方法に用いられる部材と同一の作用・機能を奏する部材については、同一の符号を付して説明は省略する。
(半導体モジュールの構成)
本実施形態による半導体モジュールの製造方法によって製造される半導体モジュールは、上記第1実施形態による半導体モジュールの製造方法によって製造される半導体モジュールと同様の構成を有し、同様の機能を発揮するため、説明は省略する。
(半導体モジュールの製造方法)
本実施形態による半導体モジュールの製造方法は、緩衝材の形状が異なる点を除いて、上記第1実施形態による半導体モジュールの製造方法と同様であるため、焼結材の配置工程から焼結材への加圧及び加熱工程(図3参照)について説明し、その他の工程の説明は省略する。また、本実施形態による半導体モジュールの製造方法の説明において、必要に応じて図1から図3を参照する。
図10は、焼結材の配置工程から上側熱板の配置工程までを説明するための図であって、図1中に示すA-A線に対応する箇所で切断した断面図である。図11は、焼結材への加圧及び加熱工程を説明するための図であって、図1中に示すA-A線に対応する箇所で切断した断面図である。
本実施形態による半導体モジュールの製造方法における接合工程において、上記第1実施形態による半導体モジュールの製造方法と同様の方法によって、絶縁配線基板の配置工程から電子部品の配置工程(図3参照)が実行される。
本実施形態における焼結材の配置工程において、図10に示すように、絶縁基板131には複数の導電パターン133a,133b,133cが形成されており、複数の導電パターン133a,133b,133cの少なくとも2つ(本例では導電パターン133a,133b)のそれぞれの上に焼結材151a-1,151b-1、焼結体15b-2(図1参照)を形成するための焼結材(不図示)及び焼結体15a-2(図1参照)を形成するための焼結材(不図示)を配置する。焼結材151a-1及び焼結体15a-2を形成するための焼結材は、導電パターン133aの所定位置に塗布されてペースト印刷によって形成される。焼結材151b-1及び焼結体15b-2を形成するための焼結材は、導電パターン133bの所定位置に塗布されてペースト印刷によって形成される。以下、説明の便宜上、図面に図示されていないが、焼結体15a-2を形成するための焼結材を「焼結材151a-2」と称し、焼結体15b-2を形成するための焼結材を「焼結材151b-2」と称することにする。
本実施形態における電子部品の配置工程において、図10に示すように、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2の上に電子部品を配置する。本実施形態では、当該電子部品は、半導体チップ14a-1,14a-1,14b-2,14b-2である。具体的には、半導体チップ14a-1は、焼結材151a-1に接触させて焼結材151a-1の上に配置される。半導体チップ14a-2は、焼結材151a-2に接触させて焼結材151a-2の上に配置される、半導体チップ14b-1は、焼結材151b-1に接触させて焼結材151b-1の上に配置される。半導体チップ14b-2は、焼結材151b-2に接触させて焼結材151b-2の上に配置される。絶縁基板131から緩衝材4B-1(詳細は後述)の側の半導体チップ14a-1,14a-2の表面までの距離Dは、例えば0.52mmである。同様に、絶縁基板131から緩衝材4B-2(詳細は後述)の側の半導体チップ14a-1,14a-2の表面までの距離Dは、例えば0.52mmである。より具体的には、導電パターン133a,133b,133cの厚さは例えば0.4mmであり、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の厚さは0.1mmである。
本実施形態における緩衝材の配置工程において、図10に示すように、同一の導電パターンの上に配置された焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2及び焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2の上に配置された半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2を一組とし、複数の当該一組の上に緩衝材4B-1,4B-2をそれぞれ個別に配置する。より具体的には、導電パターン133aの上に配置された焼結材151a-1及び半導体チップ14a-1並びに焼結材151a-2及び半導体チップ14a-2が一組とされ、当該一組の上に緩衝材4B-1が配置される。また、導電パターン133bの上に配置された焼結材151b-1及び半導体チップ14b-1並びに焼結材151b-2及び半導体チップ14b-2が一組とされ、当該一組の上に緩衝材4B-2が配置される。
したがって、緩衝材4B-1は、導電パターン133aの延在方向と同方向に延在する直方体形状を有している。同様に、緩衝材4B-2は、導電パターン133bの延在方向と同方向に延在する直方体形状を有している。また、緩衝材4B-1及び緩衝材4B-2は、互いに同じ形状を有している。緩衝材4B-1,4B-2は、上記第1実施形態おける緩衝材4Aと同じ材料で形成され、同様の作用・機能を奏するようになっている。さらに、緩衝材4B-1,4B-2は、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧する前では、厚さT(例えばT=0.6mm)を有している。
本実施形態おける上側熱板の配置工程に続く焼結材への加圧及び加熱工程において、図11に示すように、絶縁基板131の一部131e,131f,131gとの間に空間63a,63b,63cを設けた状態の上側熱板3によって、緩衝材4B-1及び半導体チップ14a-1,14a-2を介して焼結材151a-1,151a-2を加圧及び加熱して焼結し、緩衝材4B-2及び半導体チップ14b-1,14b-2を介して焼結材151b-1,151b-2を加圧及び加熱して焼結する。
焼結材151a-1,151a-2を加圧する前後での半導体チップ14a-1,14a-2の上での緩衝材4B-1の厚さの変化量が、絶縁基板131から緩衝材4B-1の側の半導体チップ14a-1,14a-2の表面までの距離よりも小さくなるように、上側熱板3で焼結材151a-1,151a-2を加圧する。同様に、焼結材151b-1,151b-2を加圧する前後での半導体チップ14b-1,14b-2の上での緩衝材4B-2の厚さの変化量が、絶縁基板131から緩衝材4B-2の側の半導体チップ14b-1,14b-2の表面までの距離よりも小さくなるように、上側熱板3で焼結材151a-2,151a-2を加圧する。
本実施形態において、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧した後の緩衝材4B-1,4B-2の厚さtは、例えば0.3mmである。焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧する前の緩衝材4B-1,4B-2の厚さTは、例えば0.6mmである。さらに、上述のとおり、絶縁基板131から半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の表面までの距離Dは、例えば0.52mmである。このため、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2の加圧前後における緩衝材4B-1,4B-2の厚さの変化量T-tは、0.3mmとなり、距離Dよりも小さくなる。したがって、本実施形態による半導体モジュールの製造方法では、上述の式(1)の関係が成り立つ。
本実施形態では、絶縁基板131から半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の表面までの距離Dが同一であるが、絶縁基板131から半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の表面までの距離が異なる場合には、当該距離が最も長い半導体チップの表面が距離Dの対象となる。また、距離Dの対象となる半導体チップの当該表面に凹凸がある場合には、当該凹凸のうち、絶縁基板131から最も離れている部分が距離Dの対象となる。
上述の式(1)の関係が成り立つことにより、上側熱板3、絶縁基板131の間には、空間63a,63b,63cが形成される。このように、空間63a,63b,63cが形成された状態で焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2が加圧及び加熱されると、図11中に矢印Yで示すように、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2から放出されるガスGは、空間63a,63b,63cを通って、下側熱板2及び上側熱板3に挟まれた領域の外部に放出される。その結果、ガスGに起因する堆積物が接合工程の終了後に絶縁基板131の表面などに生じることが防止される。
焼結材151a-1,151a-2及び半導体チップ14a-1,14a-2を含む一組と、焼結材151b-1,151b-2及び半導体チップ14b-1,14b-2を含む一組とは、絶縁基板131の両短辺の中心を通る仮想直線を対称軸として、線対称の関係にある。このため、緩衝材4B-1と緩衝材4B-2とは、当該仮想直線を対称軸として線対称の関係にある。これにより、上側熱板3は、上側熱板3の下方で部分的に配置された緩衝材4B-1及び緩衝材4B-2を介して焼結材151a-1,151a-2及び焼結材151b-1,151b-2にほぼ同じ強さの圧力を加えることができる。このように、本実施形態による半導体モジュールの製造方法では、緩衝材4B-1,4B-2が部分的に配置されているものの、焼結材151a-1,151a-2及び焼結材151b-1,151b-2にほぼ同じ条件で加圧及び加熱することができる。したがって、本実施形態による半導体モジュールの製造方法は、ほぼ同じ状態に焼結された焼結体15a-1,15a-2,15b-1,15b-2を形成することができる。その結果、絶縁配線基板13への半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の接合状態が悪化することが防止される。
また、本実施形態による半導体モジュールの製造方法では、絶縁基板131の中央部に形成された導電パターン133cの上に緩衝材を設けなくても、緩衝材4B-1,4B-2を介して焼結材151a-1,151a-2及び焼結材151b-1,151b-2ほぼ同じ圧力を加えることができる。したがって、本実施形態による半導体モジュールの製造方法は、焼結対象の焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を含む一定の領域のみに緩衝材4B-1,4B-2を設ければよいので、上記第1実施形態による半導体モジュールの製造方法における緩衝材4Aよりも小さい緩衝材4B-1,4B-2を用いることができる。その結果、本実施形態による半導体モジュールの製造方法は、上記第1実施形態による半導体モジュールの製造方法よりも製造費用の低コスト化を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態による半導体モジュールの製造方法は、絶縁基板131の上に導電パターン133a,133b,133cが形成された絶縁配線基板13を下側熱板2の上に配置し、導電パターン133a,133bの上に焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を配置し、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2の上に半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2を配置し、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の上に緩衝材4B-1,4B-2を配置し、緩衝材4B-1,4B-2の上に上側熱板3を配置し、絶縁基板131の一部131e,131f,131gとの間に空間63a,63b,63cを設けた状態の上側熱板3によって、緩衝材4B-1,4B-2及び半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2を介して焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧及び加熱して焼結する。
本実施形態による半導体モジュールの製造方法によれば、接合工程の後の工程における不良の発生及び製造費用の低減を図ることができる。
また、同一の導電パターンの上に配置された焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2及び焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2の上に配置された半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2を一組とし、複数の当該一組の上に緩衝材4B-1,4B-2をそれぞれ個別に配置する。これにより、本実施形態による半導体モジュールの製造方法は、上記第1実施形態による半導体モジュールの製造方法における緩衝材4Aよりも小さい緩衝材4B-1,4B-2を用いることができるので、上記第1実施形態による半導体モジュールの製造方法よりも製造費用の低コスト化を図ることができる。
〔第3実施形態〕
本発明の第3実施形態による半導体モジュールの製造方法について図12から図14を用いて説明する。本実施形態による半導体モジュールの製造方法は、焼結材が配置されていない箇所も緩衝材を設ける点に特徴を有している。本実施形態による半導体モジュールの製造方法の説明に当たって、上記第1実施形態による半導体モジュールの製造方法に用いられる部材と同一の作用・機能を奏する部材については、同一の符号を付して説明は省略する。
(半導体モジュールの構成)
本実施形態による半導体モジュールの製造方法によって製造される半導体モジュールは、上記第1実施形態による半導体モジュールの製造方法によって製造される半導体モジュールと比較して、絶縁配線基板の構成が異なっている点を除いて、上記第1実施形態おける半導体モジュール1と同様の構成を有している。このため、本実施形態における半導体モジュールの説明に当たって、必要に応じて図1及び図2を参照する。
図12は、本実施形態における絶縁配線基板13の概略構成を示す平面図である。
図12に示すように、絶縁配線基板13は、絶縁基板131の上面(封止樹脂18(図12では不図示、図2参照)側)に形成された導電パターン133a,133b,133cを有している。導電パターン133a,133b,133cは、例えば銅(Cu)で形成されている。導電パターン133a,133b,133cは、例えば長方形状を有している。導電パターン133aは、絶縁基板131の一方の長辺の近傍に当該長辺に沿って配置されている。導電パターン133cは、絶縁基板131の他方の長辺の近傍に当該長辺に沿って配置されている。導電パターン133bは、導電パターン133a及び導電パターン133cの間で絶縁基板131の中央部に配置されている。
導電パターン133aの上には、焼結体15a-1,15a-2と、焼結体15a-1,15a-2の上に配置された半導体チップ14a-1,14a-2とが配置されている。導電パターン133bの上には、焼結体15b-1,15b-2と、焼結体15b-1,15b-2の上に配置された半導体チップ14b-1,14b-2とが配置されている。半導体チップ14a-1は、リードフレーム16a-1によって導電パターン133bに接続されている。半導体チップ14a-2は、リードフレーム16a-2によって導電パターン133bに接続されている。半導体チップ14b-1は、リードフレーム16b-1によって導電パターン133cに接続されている。半導体チップ14b-2は、リードフレーム16b-2によって導電パターン133cに接続されている。
導電パターン133aの端部に形成された端子パターン133a-1には、正極端子Pt(図12では不図示、図1参照)が接続されている。導電パターン133bの端部に形成された端子パターン133b-1には、出力端子Ot(図12では不図示、図1参照)が接続されている。導電パターン133cの端部に形成された端子パターン133c-1には、負極端子Nt(図12では不図示、図1参照)が接続されている。
このように、本実施形態における半導体モジュールでは、正極端子Pt、負極端子Nt、出力端子Ot、導電パターン133a,133b,133c、焼結体15a-1,15a-2,15b-1,15b-2、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2及びリードフレーム16a-1,16a-2,16b-1,16b-2の互いの接続関係が、半導体モジュール1のこれらの接続関係と同様となっている。これにより、本実施形態における半導体モジュールは、半導体モジュール1と同様の機能を発揮することができる。
(半導体モジュールの製造方法)
本実施形態による半導体モジュールの製造方法は、緩衝材の形状が異なる点を除いて、上記第1実施形態による半導体モジュールの製造方法と同様であるため、焼結材の配置工程から焼結材への加圧及び加熱工程(図3参照)について説明し、その他の工程の説明は省略する。また、本実施形態による半導体モジュールの製造方法の説明において、必要に応じて図1から図3を参照する。
図13は、焼結材の配置工程から上側熱板の配置工程までを説明するための図であって、図12中に示すB-B線に対応する箇所で切断した断面図である。図14は、焼結材への加圧及び加熱工程を説明するための図であって、図12中に示すB-B線に対応する箇所で切断した断面図である。
本実施形態による半導体モジュールの製造方法における接合工程において、上記第1実施形態による半導体モジュールの製造方法と同様の方法によって、絶縁配線基板の配置工程から電子部品の配置工程(図3参照)が実行される。
本実施形態における焼結材の配置工程において、図13に示すように、絶縁基板131には複数の導電パターン133a,133b,133cが形成されており、複数の導電パターン133a,133b,133cの少なくとも2つ(本例では導電パターン133a,133b)のそれぞれの上に焼結材151a-1,151b-1、焼結体15b-2(図1参照)を形成するための焼結材(不図示)及び焼結体15a-2(図1参照)を形成するための焼結材(不図示)を配置する。焼結材151a-1及び焼結体15a-2を形成するための焼結材は、導電パターン133aの所定位置に塗布されてペースト印刷によって形成される。焼結材151b-1及び焼結体15b-2を形成するための焼結材は、導電パターン133bの所定位置に塗布されてペースト印刷によって形成される。以下、説明の便宜上、図面に図示されていないが、焼結体15a-2を形成するための焼結材を「焼結材151a-2」と称し、焼結体15b-2を形成するための焼結材を「焼結材151b-2」と称することにする。
本実施形態における電子部品の配置工程において、図13に示すように、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2の上に半導体チップ(電子部品の一例)14a-1,14a-1,14b-2,14b-2を配置する。具体的には、半導体チップ14a-1は、焼結材151a-1に接触させて焼結材151a-1の上に配置される。半導体チップ14a-2は、焼結材151a-2に接触させて焼結材151a-2の上に配置される、半導体チップ14b-1は、焼結材151b-1に接触させて焼結材151b-1の上に配置される。半導体チップ14b-2は、焼結材151b-2に接触させて焼結材151b-2の上に配置される。絶縁基板131から緩衝材4B-1の側の半導体チップ14a-1,14a-2の表面までの距離Dは、例えば0.52mmである。同様に、絶縁基板131から緩衝材4B-2の側の半導体チップ14a-1,14a-2の表面までの距離Dは、例えば0.52mmである。より具体的には、導電パターン133a,133b,133cの厚さは例えば0.4mmであり、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の厚さは0.1mmである。
本実施形態における緩衝材の配置工程において、図13に示すように、同一の導電パターンの上に配置された焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2及び焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2の上に配置された半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2を一組とし、複数の当該一組の上に緩衝材4B-1,4B-2をそれぞれ個別に配置する。より具体的には、導電パターン133aの上に配置された焼結材151a-1及び半導体チップ14a-1並びに焼結材151a-2及び半導体チップ14a-2が一組とされ、当該一組の上に緩衝材4B-1が配置される。また、導電パターン133bの上に配置された焼結材151b-1及び半導体チップ14b-1並びに焼結材151b-2及び半導体チップ14b-2が一組とされ、当該一組の上に緩衝材4B-2が配置される。
したがって、緩衝材4B-1は、導電パターン133aの延在方向と同方向に延在する直方体形状を有している。同様に、緩衝材4B-2は、導電パターン133bの延在方向と同方向に延在する直方体形状を有している。また、緩衝材4B-1及び緩衝材4B-2は、互いに同じ形状を有している。緩衝材4B-1,4B-2は、上記第1実施形態おける緩衝材4Aと同じ材料で形成され、同様の作用・機能を奏するようになっている。さらに、緩衝材4B-1,4B-2は、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧する前では、厚さT(例えばT=0.6mm)を有している。
ところで、導電パターン133a及び導電パターン133bは、絶縁基板131の両短辺の中心を通る仮想直線を対称軸とした場合、線対称の関係にない。このため、導電パターン133aの上に配置された焼結材151a-1,151a-2及び半導体チップ14a-1,14a-2を含む一組と、導電パターン133bの上に配置された焼結材151b-1,151b-2及び半導体チップ14b-1,14b-2を含む一組とは、当該仮想直線を対称軸とした場合、線対称の関係にない。したがって、導電パターン133aの上に配置された焼結材151a-1,151a-2及び半導体チップ14a-1,14a-2を含む一組の上に配置される緩衝材4B-1と、導電パターン133bの上に配置された焼結材151b-1,151b-2及び半導体チップ14b-1,14b-2を含む一組の上に配置される緩衝材4B-2とも、当該仮想直線を対称軸とした場合、線対称の関係にない。このため、上側熱板3は、緩衝材4B-1,4B-2だけでは、焼結材151a-1,151a-2及び焼結材151b-1,151b-2にほぼ同じ強さの圧力を加えることが困難である。
そこで、本実施形態による半導体モジュールの製造方法では、緩衝材の配置工程において、複数の導電パターン133a,133b,133cのうちの上述の一組が配置されていない導電パターンの少なくとも1つ(本実施形態では導電パターン133c)の上に、当該一組の上の緩衝材4B-1,4B-2とは別の緩衝材4B-3を配置する。詳細は後述するが、緩衝材4B-3は、緩衝材4B-1,4B-2よりも半導体チップ及び焼結材の厚さ分だけ厚い厚さを有している。
本実施形態おける上側熱板の配置工程に続く焼結材への加圧及び加熱工程において、図14に示すように、絶縁基板131の一部131h,131i,131j,131kとの間に空間65a,65b,65c,65dを設けた状態の上側熱板3によって、緩衝材4B-1及び半導体チップ14a-1,14a-2を介して焼結材151a-1,151a-2を加圧及び加熱して焼結し、緩衝材4B-2及び半導体チップ14b-1,14b-2を介して焼結材151b-1,151b-2を加圧及び加熱して焼結する。焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2が焼結される際に、緩衝材4B-3は、導電パターン133cと接触している。このため、焼結材151a-1,151a-2及び焼結材151b-1,151b-2が絶縁基板131内において対称配置されていなくても、上側熱板3は、焼結材151a-1,151a-2及び焼結材151b-1,151b-2にほぼ同じ圧力を加えることができる。
焼結材151a-1,151a-2を加圧する前後での半導体チップ14a-1,14a-2の上での緩衝材4B-1の厚さの変化量が、絶縁基板131から緩衝材4B-1の側の半導体チップ14a-1,14a-2の表面までの距離よりも小さくなるように、上側熱板3で焼結材151a-1,151a-2を加圧する。同様に、焼結材151b-1,151b-2を加圧する前後での半導体チップ14b-1,14b-2の上での緩衝材4B-2の厚さの変化量が、絶縁基板131から緩衝材4B-2の側の半導体チップ14b-1,14b-2の表面までの距離よりも小さくなるように、上側熱板3で焼結材151a-2,151a-2を加圧する。緩衝材4B-3は、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧する前後での緩衝材4B-1,4B-2の厚さの変化量を妨げない厚さを有し、当該前後で厚さが変化するようになっている。
本実施形態において、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧した後の緩衝材4B-1,4B-2の厚さtは、例えば0.3mmである。焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧する前の緩衝材4B-1,4B-2の厚さTは、例えば0.6mmである。さらに、上述のとおり、絶縁基板131から半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の表面までの距離Dは、例えば0.52mmである。このため、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2の加圧前後における緩衝材4B-1,4B-2の厚さの変化量T-tは、0.3mmとなり、距離Dよりも小さくなる。したがって、本実施形態による半導体モジュールの製造方法では、上述の式(1)の関係が成り立つ。
焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧する前の緩衝材4B-3の厚さT3は、厚さTよりも半導体チップ及び焼結材の厚さ分だけ厚い例えば0.72mm(=0.6+0.1+0.02)である。緩衝材4B-3は、緩衝材4B-1,4B-2と同様の弾性率を有しているので、上側熱板3によって加圧されることにより、緩衝材4B-1,4B-2と同じ分だけ厚さが変化する。したがって、緩衝材4B-1,4B-2,4B-3は、上側熱板3から圧力が加えられた場合、上側熱板3と絶縁基板131との間の空間65a,65b,65c,65dをほぼ同じ長さに維持できる。
本実施形態では、絶縁基板131から半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の表面までの距離Dが同一であるが、絶縁基板131から半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の表面までの距離が異なる場合には、当該距離が最も長い半導体チップの表面が距離Dの対象となる。また、距離Dの対象となる半導体チップの当該表面に凹凸がある場合には、当該凹凸のうち、絶縁基板131から最も離れている部分が距離Dの対象となる。
本実施形態では、焼結材が配置されない箇所に緩衝材4B-3を配置することにより、上述の式(1)の関係を成り立たせて、上側熱板3、絶縁基板131の間に空間65a,65b,65c,65dが形成される。このように、空間65a,65b,65c,65dが形成された状態で焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2が加圧及び加熱されると、図14中に矢印Yで示すように、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2から放出されるガスGは、空間65a,65b,65c,65dを通って、下側熱板2及び上側熱板3に挟まれた領域の外部に放出される。その結果、ガスGに起因する堆積物が接合工程の終了後に絶縁基板131の表面などに生じることが防止される。
また、本実施形態による半導体モジュールの製造方法では、上記第2実施形態による半導体モジュールの製造方法と同様に、上記第1実施形態による半導体モジュールの製造方法における緩衝材4Aよりも小さい緩衝材4B-1,4B-2,4B-3を用いることができる。その結果、本実施形態による半導体モジュールの製造方法は、上記第1実施形態による半導体モジュールの製造方法よりも製造費用の低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態による半導体モジュールの製造方法では、焼結材151a-1,151a-2及び焼結材151b-1,151b-2が絶縁基板131の上に非対称性に配置される場合でも、焼結材151a-1,151a-2及び焼結材151b-1,151b-2のそれぞれにほぼ同じ圧力を加えることができる。これにより、本実施形態による半導体モジュールの製造方法は、ほぼ同じ状態に焼結された焼結体15a-1,15a-2,15b-1,15b-2を形成することができる。その結果、絶縁配線基板13への半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の接合状態が悪化することが防止される。
以上説明したように、本実施形態による半導体モジュールの製造方法は、絶縁基板131の上に導電パターン133a,133b,133cが形成された絶縁配線基板13を下側熱板2の上に配置し、導電パターン133a,133bの上に焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を配置し、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2の上に半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2を配置し、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の上に緩衝材4B-1,4B-2を配置し、緩衝材4B-1,4B-2の上に上側熱板3を配置し、絶縁基板131の一部131h,131i,131j,131kとの間に空間65a,65b,65c,65dを設けた状態の上側熱板3によって、緩衝材4B-1,4B-2及び半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2を介して焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧及び加熱して焼結する。
本実施形態による半導体モジュールの製造方法によれば、接合工程の後の工程における不良の発生及び製造費用の低減を図ることができる。
また、同一の導電パターンの上に配置された焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2及び焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2の上に配置された半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2を一組とし、複数の当該一組の上に緩衝材4B-1,4B-2をそれぞれ個別に配置する。これにより、本実施形態による半導体モジュールの製造方法は、上記第2実施形態による半導体モジュールの製造方法と同様の効果が得られる。
さらに、本実施形態による半導体モジュールの製造方法は、焼結材151a-1,151a-2及び焼結材151b-1,151b-2が絶縁基板131の上に非対称性に配置される場合でも、焼結材151a-1,151a-2及び焼結材151b-1,151b-2のそれぞれにほぼ同じ圧力を加えることができる。これにより、本実施形態による半導体モジュールの製造方法は、絶縁配線基板13への半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の接合状態の悪化を防止することができる。
本発明は、上記第1実施形態から上記第3実施形態に限らず、種々の変形が可能である。
上記第1実施形態から上記第3実施形態では、電子部品としてパワー半導体素子及び還流ダイオードを有する半導体チップを有しているが、パワー半導体素子及び還流ダイオードが個別に形成された半導体チップ並びに抵抗素子、容量素子及び誘導素子などの受動素子の接合にも適用できる。
上記第1実施形態から上記第3実施形態による半導体モジュールの製造方法は、緩衝材の配置工程と電子部品の配置工程の間に、電子部品を保護するための保護シート(例えばアルミニウム又はテフロン(登録商標)で形成されたシート)を配置する工程を有していてもよい。
上記第1実施形態から上記第3実施形態では、半導体チップと導電パターンとがリードフレームで接続された配線構造を有しているが、本発明はこれに限られない。例えば、本発明による半導体モジュールの製造方法において製造される半導体モジュールは、半導体チップの主面上にピンを接合して電気配線とするインプラントピン基板を用いたインプラントピン構造を有していてもよい。また例えば、本発明による半導体モジュールの製造方法において製造される半導体モジュールは、ワイヤボンディングを用いた配線構造を有していてもよい。
本発明の技術的範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本発明の技術的範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画され得る。
1 半導体モジュール
2,2X 下側熱板
3,3X 上側熱板
4A,4B-1,4B-2,4B-3,4X 緩衝材
11 ケース
13,13X 絶縁配線基板
14a-1,14a-2,14b-1,14b-2 半導体チップ
15a-1,15a-2,15b-1,15b-2,15Xa-1,15Xa-2,15Xb-1,15Xb-2 焼結体
16a-1,16a-2,16b-1,16b-2 リードフレーム
18 封止樹脂
19 冷却器
61a,61b,61c,61d,63a,63b,63c,65a,65b,65c,65d,111 空間
131 絶縁基板
131a,131b,131c,131d,131e,131f,131g,131h,131i,131j,131k 一部
132 絶縁基板
133a,133b,133c,134a,134b,134c 導電パターン
133a-1,133b-1,133c-1 端子パターン
135,136 伝熱部材
141a-1,141a-2,141b-1,141b-2 半導体チップ
151a-1,151a-2,151b-1,151b-2,152a-1,152b-1 焼結材
dp 堆積物
G,Gc ガス
Nt 負極端子
Ot 出力端子
Pt 正極端子
焼結材の焼結時に厚い緩衝材を用いると、緩衝材が電子部品や焼結材の周りを完全に覆うとともに、絶縁基板の表面に接触してしまう。そうすると、焼結材を加圧する際に焼結材から放出されるガスが外部に抜けることを緩衝材が阻害する。その結果、当該ガスが絶縁基板の表面に炭化物のような堆積物として残る場合がある半導体モジュールの製造工程における焼結後の工程において、この堆積物がはんだ付け性を低下させ、ゲルや樹脂封止のボイド、あるいは封止樹脂の剥離の発生の原因となる。
図1に示すように、半導体モジュール1は、空間111に配置された絶縁配線基板13を備えている。絶縁配線基板13は、例えばDCB(Direct Copper Bonding)基板又はAMB(Active Mtal Brazing)基板である。
したがって、半導体チップ14b-1に設けられたIGBT及び還流ダイオードと、半導体チップ14b-2に設けられたIGBT及び還流ダイオードとは、導電パターン133b、リードフレーム16b-1,16b-2及び導電パターン133cによって、出力端子Ot及び負極端子Ntの間で並列に接続される。さらに、半導体チップ14a-1,14a-2のそれぞれに設けられて並列接続されたIGBT及び還流ダイオードと、半導体チップ14b-1,14b-2のそれぞれに設けられて並列接続されたIGBT及び還流ダイオードとは、導電パターン133a、リードフレーム16a-1,16a-2、導電パターン133bリードフレーム16b-1,16b-2及び導電パターン133cによって、正極端子Pt及び負極端子Ntの間に直列に接続される。
半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2のIGBTのエミッタ端子及び還流ダイオードのアノード端子が露出する表面の他の一部には、IGBTのゲート端子が露出している。当該ゲート端子は、リードフレームやボンディングワイヤ(いずれも不図示)によって、ケース11に設けられた複数の端子(不図示)のうちの互いに異なる端子に接続されている。ケース11に設けられた当該端子には、半導体チップ14a-1,14a-1,14b-1,14b-2を制御する制御信号を生成する制御装置(不図示)に接続されている。このため、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2のそれぞれに設けられたIGBTは、ケース11に設けられた当該端子を介して制御装置から入力されるゲート信号によって、所定のタイミングでオン/オフ制御される。これにより、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2は協働して、正極端子Pt及び負極端子Ntから入力される直流電力を交流電力に変換する。半導体モジュール1は、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2によって生成された交流電力を出力端子Otから出力し、出力端子Otに接続された不図示の負荷(例えばモータ)を駆動する。
ステップS21の次のステップS23では、焼結材への加圧及び加熱工程が実行される。具体的には、ステップS23において、図5に示すように、緩衝材4Aと絶縁基板131の一部131a,131b,131c,131dとの間に空間61a,61b,61c,61dを設けた状態の上側熱板3によって、緩衝材4A及び半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2を介して焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧及び加熱して焼結する。
上述のとおり、本実施形態では、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧した後の緩衝材4Aの厚さtは、例えば0.3mmである。焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧する前の緩衝材4Aの厚さTは、例えば0.6mmである。絶縁基板131から半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の表面までの距離Dは、例えば0.52mmである。このため、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2の加圧前後における緩衝材4の厚さの変化量T-tは、0.3mmとなり、距離Dよりも小さくなる。このため、本実施形態による半導体モジュールの製造方法では、上述の式(1)の関係が成り立つ。
次に、図7に示すように、複数の半導体チップ141a-1,141b-1の上に緩衝材4Xを配置する。本比較例では、半導体チップ141a-1,141b-1を含み絶縁基板132のほぼ全面を覆うことが可能な大きさの1つの緩衝材4Xが配置される。本比較例における緩衝材4Xは、本実施形態における緩衝材4Aと例えば同じ材料で形成されているが、緩衝材4Aと異なる厚さを有している。緩衝材4Xは、例えば1.6mmの厚さを有している。このように、緩衝材4Xは、緩衝材4Aよりも厚くなるように形成されている。
本実施形態における電子部品の配置工程において、図10に示すように、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2の上に電子部品を配置する。本実施形態では、当該電子部品は、半導体チップ14a-1,14a-,14b-,14b-2である。具体的には、半導体チップ14a-1は、焼結材151a-1に接触させて焼結材151a-1の上に配置される。半導体チップ14a-2は、焼結材151a-2に接触させて焼結材151a-2の上に配置される、半導体チップ14b-1は、焼結材151b-1に接触させて焼結材151b-1の上に配置される。半導体チップ14b-2は、焼結材151b-2に接触させて焼結材151b-2の上に配置される。絶縁基板131から緩衝材4B-1(詳細は後述)の側の半導体チップ14a-1,14a-2の表面までの距離Dは、例えば0.52mmである。同様に、絶縁基板131から緩衝材4B-2(詳細は後述)の側の半導体チップ14-1,14-2の表面までの距離Dは、例えば0.52mmである。より具体的には、導電パターン133a,133b,133cの厚さは例えば0.4mmであり、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の厚さは0.1mmである。
焼結材151a-1,151a-2を加圧する前後での半導体チップ14a-1,14a-2の上での緩衝材4B-1の厚さの変化量が、絶縁基板131から緩衝材4B-1の側の半導体チップ14a-1,14a-2の表面までの距離よりも小さくなるように、上側熱板3で焼結材151a-1,151a-2を加圧する。同様に、焼結材151b-1,151b-2を加圧する前後での半導体チップ14b-1,14b-2の上での緩衝材4B-2の厚さの変化量が、絶縁基板131から緩衝材4B-2の側の半導体チップ14b-1,14b-2の表面までの距離よりも小さくなるように、上側熱板3で焼結材151-2,151-2を加圧する。
本実施形態における電子部品の配置工程において、図13に示すように、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2の上に半導体チップ(電子部品の一例)14a-1,14a-,14b-,14b-2を配置する。具体的には、半導体チップ14a-1は、焼結材151a-1に接触させて焼結材151a-1の上に配置される。半導体チップ14a-2は、焼結材151a-2に接触させて焼結材151a-2の上に配置される、半導体チップ14b-1は、焼結材151b-1に接触させて焼結材151b-1の上に配置される。半導体チップ14b-2は、焼結材151b-2に接触させて焼結材151b-2の上に配置される。絶縁基板131から緩衝材4B-1の側の半導体チップ14a-1,14a-2の表面までの距離Dは、例えば0.52mmである。同様に、絶縁基板131から緩衝材4B-2の側の半導体チップ14a-1,14a-2の表面までの距離Dは、例えば0.52mmである。より具体的には、導電パターン133a,133b,133cの厚さは例えば0.4mmであり、半導体チップ14a-1,14a-2,14b-1,14b-2の厚さは0.1mmである。
焼結材151a-1,151a-2を加圧する前後での半導体チップ14a-1,14a-2の上での緩衝材4B-1の厚さの変化量が、絶縁基板131から緩衝材4B-1の側の半導体チップ14a-1,14a-2の表面までの距離よりも小さくなるように、上
側熱板3で焼結材151a-1,151a-2を加圧する。同様に、焼結材151b-1,151b-2を加圧する前後での半導体チップ14b-1,14b-2の上での緩衝材4B-2の厚さの変化量が、絶縁基板131から緩衝材4B-2の側の半導体チップ14b-1,14b-2の表面までの距離よりも小さくなるように、上側熱板3で焼結材151-2,151-2を加圧する。緩衝材4B-3は、焼結材151a-1,151a-2,151b-1,151b-2を加圧する前後での緩衝材4B-1,4B-2の厚さの変化量を妨げない厚さを有し、当該前後で厚さが変化するようになっている。

Claims (9)

  1. 絶縁基板の上に導電パターンが形成された絶縁配線基板を下側熱板の上に配置し、
    前記導電パターンの上に焼結材を配置し、
    前記焼結材の上に電子部品を配置し、
    複数の電子部品の上に緩衝材を配置し、
    前記緩衝材の上に上側熱板を配置し、
    前記絶縁基板の一部との間に空間を設けた状態の前記上側熱板によって、前記緩衝材及び前記電子部品を介して前記焼結材を加圧及び加熱して焼結する
    半導体モジュールの製造方法。
  2. 前記焼結材を加圧する前後での前記電子部品の上での前記緩衝材の厚さの変化量が、前記絶縁基板から前記緩衝材の側の該電子部品の表面までの距離よりも小さくなるように、前記上側熱板で前記焼結材を加圧する
    請求項1に記載の半導体モジュールの製造方法。
  3. 前記導電パターン、前記焼結材及び前記電子部品のそれぞれの前記上側熱板の側の表面に1つの前記緩衝材を接触させた状態で前記焼結材を加圧及び加熱する
    請求項1又は2に記載の半導体モジュールの製造方法。
  4. 前記緩衝材と前記絶縁基板との間に前記空間が設けられる
    請求項3に記載の半導体モジュールの製造方法。
  5. 前記緩衝材を前記絶縁基板の前記一部に接触させずに前記焼結材を加圧する
    請求項3に記載の半導体モジュールの製造方法。
  6. 前記緩衝材を前記絶縁基板の前記一部に接触させずに前記焼結材を加圧する
    請求項4に記載の半導体モジュールの製造方法。
  7. 前記絶縁基板には複数の前記導電パターンが形成されており、複数の前記導電パターンの少なくとも2つのそれぞれの上に前記焼結材を配置し、
    該焼結材の上に前記電子部品を配置し、
    同一の前記導電パターンの上に配置された前記焼結材及び該焼結材の上に配置された前記電子部品を一組とし、複数の前記一組の上に前記緩衝材をそれぞれ個別に配置する
    請求項1又は2に記載の半導体モジュールの製造方法。
  8. 複数の前記導電パターンのうちの前記一組が配置されていない導電パターンの少なくとも1つの上に、前記一組の上の前記緩衝材とは別の緩衝材を配置する
    請求項7に記載の半導体モジュールの製造方法。
  9. 前記電子部品は、半導体チップである
    請求項1に記載の半導体モジュールの製造方法。
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