JP2024024251A - 作業機械システムおよび作業機械の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】オペレータがパーキングブレーキをかけ忘れた状態でシートから離席した場合に、作業機械が自然発車することを抑制可能な作業機械システムを提供する。【解決手段】作業機械システムは、機械本体と、機械本体に取り付けられる作業機と、機械本体を走行させる走行体と、機械本体の傾き度合を検知する傾斜センサと、オペレータの存在を検知するオペレータ存在センサと、走行体を制動するパーキングブレーキと、パーキングブレーキを作動させる操作を受け付ける操作装置と、操作装置が当該操作を受け付けていない場合、オペレータの存在が検知されておらず、かつ、機械本体が傾斜していることを条件に、パーキングブレーキのかけ忘れを防止する制御を実行するコントローラとを、さらに備える。【選択図】図7
Description
本開示は、作業機械システムおよび作業機械の制御方法に関する。
従来、作業機を備えた作業機械が知られている。たとえば、特開2019-157543号公報(特許文献1)には、このような作業機械として、着座センサを備えた作業車両が開示されている。この作業車両では、運転席にオペレータが着座していないことが着座センサによって検知された場合、制御部が、ステアリングレバーによる操向操作を不能にする。さらに、このような作業機械は、ブレーキペダルの操作によって作動するサービスブレーキに加えて、駐車時に作動させるパーキングブレーキを備えている。
作業機械を傾斜地に駐車する場合、オペレータがパーキングブレーキをかけ忘れた状態で運転席(オペレータが着座するシート)から離席すると、作業機械が、オペレータの運転行為以外の原因で走り出してしまう自然発車という事象が発生する虞がある。
本開示は、オペレータがパーキングブレーキをかけ忘れた状態でシートから離席した場合に、作業機械が自然発車することを抑制可能な作業機械システムおよび作業機械の制御方法を提供することにある。
本開示のある局面に従うと、作業機械システムは、作業機が取り付けられる機械本体と、機械本体を走行させる走行体と、機械本体の傾き度合を検知する傾斜センサと、オペレータの存在を検知するオペレータ存在センサと、走行体を制動するパーキングブレーキと、パーキングブレーキを作動させる第1の操作を受け付ける操作装置と、操作装置が第1の操作を受け付けていない場合、オペレータがシートの存在が検知されておらず、かつ、機械本体が傾斜していることを条件に、パーキングブレーキのかけ忘れを防止する制御を実行するコントローラとを備える。
本開示の他の局面に従うと、作業機械の制御方法は、作業機械のオペレータが存在しているか否かを、第1のセンサにて検知するステップと、作業機械の機械本体の傾き度合いを第2のセンサにて検知するステップと、機械本体の走行体を制動するパーキングブレーキが作動していない場合、オペレータの存在が検知されておらず、かつ、機械本体が傾斜していることを条件に、コントローラが、パーキングブレーキのかけ忘れを防止する制御を実行するステップとを備える。
本開示によれば、オペレータがパーキングブレーキをかけ忘れた状態でシートから離席した場合に、作業機械が自然発車することを抑制可能となる。
以下、実施の形態について図に基づいて説明する。以下の説明では、同一部品には、同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
以下、作業機械の一例であるホイールローダについて、図面を参照しながら説明する。なお、作業機械は、ホイールローダに限定されず、モータグレーダ、ショベル、ダンプトラック等の走行する機械であればよい。以下の説明において、「上」「下」「前」「後」「左」「右」とは、運転席(シート)に着座したオペレータを基準とする用語である。
先ず、作業機械システムがホイールローダのみで構成される例を説明する。次いで、変形例として、作業機械システムがホイールローダとリモートコントロールシステムとで構成される例を説明する。
<A.全体構成>
図1は、本実施形態に係るホイールローダ1の外観図である。図1に示されるように、ホイールローダ1は、機械本体101と、作業機102とを備える。機械本体101には、作業機102が取り付けられている。
図1は、本実施形態に係るホイールローダ1の外観図である。図1に示されるように、ホイールローダ1は、機械本体101と、作業機102とを備える。機械本体101には、作業機102が取り付けられている。
機械本体101は、車体103と、走行体104と、運転室105とを備えている。走行体104は、車輪104a,104bを有する。ホイールローダ1は、車輪104a,104bが回転駆動されることにより自走可能であると共に、作業機102を用いて所望の作業を行うことができる。
車体103は、前車体部103aと後車体部103bとを有している。前車体部103aと後車体部103bとは、互いに左右方向に揺動可能に連結されている。
前車体部103aには、作業機102および一対の前輪104aが取り付けられている。作業機102は、車体103の前方に配設されている。作業機102は、油圧ポンプ8(図3参照)からの作動油によって駆動される。作業機102は、ブーム106と、一対のリフトシリンダ114a,114bと、バケット107と、ベルクランク109と、チルトシリンダ115とを有している。
ブーム106は、前車体部103aに回転可能に支持されている。ブーム106の基端部が、ブームピン116によって、前車体部103aに揺動可能に取り付けられている。リフトシリンダ114a,114bの一端は前車体部103aに取り付けられている。リフトシリンダ114a,114bの他端は、ブーム106に取り付けられている。前車体部103aとブーム106とは、リフトシリンダ114a,114bにより連結されている。リフトシリンダ114a,114bが油圧ポンプ8からの作動油によって伸縮することによって、ブーム106がブームピン116を中心として上下に揺動する。
バケット107は、ブーム106の先端に回転可能に支持されている。バケット107は、バケットピン117によって、ブーム106の先端部に揺動可能に指示されている。チルトシリンダ115の一端は前車体部103aに取り付けられている。チルトシリンダ115の他端はベルクランク109に取り付けられている。ベルクランク109とバケット107とは、図示しないリンク装置によって連結されている。前車体部103aとバケット107とは、チルトシリンダ115、ベルクランク109およびリンク装置により連結されている。チルトシリンダ115が、油圧ポンプ8からの作動油によって伸縮することによって、バケット107がバケットピン117を中心として上下に揺動する。
後車体部103bには、運転室105および一対の後輪104bが取り付けられている。運転室105は、車体103に搭載されている。運転室105には、オペレータが着座するシート80(図3参照)、および後述する操作用の装置などが内装されている。
本例では、車体103に、詳細を後述する傾斜センサ144が設けられている。なお、傾斜センサ144の設置位置は、これに限定されず、運転室105に設置されていてもよい。
図2は、シートに着座したオペレータから視たときの運転室を示した図である。図2に示されるように、運転室105は、ステアリングホイール61と、メータパネル62と、側部モニタ63と、アクセルペダル31と、ブレーキペダル75a,75bと、ブーム操作レバー71aと、バケット操作レバー72aと、前後進切替スイッチ73a,73cと、パーキングブレーキスイッチ83とを備える。メータパネル62は、速度計621と、正面モニタ622と、警告表示エリア623とを有する。警告表示エリア623には、複数の警告灯が発光可能に一列に並んでいる。
パーキングブレーキスイッチ83は、パーキングブレーキ43(図3参照)を操作するためのスイッチである。パーキングブレーキスイッチ83は、本例では、ロッカースイッチである。パーキングブレーキスイッチ83は、オペレータ操作によって、オン位置とオフ位置とが切り換えられる。
パーキングブレーキスイッチ83の上部(上端側)が前方向に押下された状態となると、パーキングブレーキスイッチ83はオン状態となる。パーキングブレーキスイッチ83がオン状態(オン位置)となると、パーキングブレーキ43(図3参照)は作動する。パーキングブレーキ43がかかった状態となる。
パーキングブレーキスイッチ83の下部(下端側)を前方向に押下された状態となると、パーキングブレーキスイッチ83はオフ状態となる。パーキングブレーキスイッチ83がオフ状態(オフ位置)となると、パーキングブレーキ43(図3参照)は解放する。パーキングブレーキ43が緩んだ状態となる。
<B.システム構成>
図3は、ホイールローダ1の構成を示す模式図である。図3に示すように、ホイールローダ1は、コントローラ30を備える。コントローラ30は、T/M(Transmission)コントローラ部301を有する。T/Mコントローラ部301は、トランスミッション4を制御する。なお、T/Mコントローラ部301は、コントローラ30とは別個に設けられていてもよい。
図3は、ホイールローダ1の構成を示す模式図である。図3に示すように、ホイールローダ1は、コントローラ30を備える。コントローラ30は、T/M(Transmission)コントローラ部301を有する。T/Mコントローラ部301は、トランスミッション4を制御する。なお、T/Mコントローラ部301は、コントローラ30とは別個に設けられていてもよい。
運転室105(図2)には、オペレータが着座するシート80が設置されている。シート80は、オペレータの存在を検知するオペレータ存在センサ81を含む。オペレータ存在センサ81による検知結果は、コントローラ30に送られる。本例では、オペレータ存在センサ81は着座センサである。オペレータ存在センサ81は、シート80の座面の下部に内蔵されている。オペレータ存在センサ81はオペレータがシート80に着座しているか否かを検知する。
オペレータ存在センサ81は、オペレータがシート80に着座している状態では、予め定められた信号をコントローラ30に送る。なお、これに限定されず、オペレータがシート80に着座していない状態において予め定められた信号をコントローラ30に送るように、オペレータ存在センサ81を構成してもよい。これにより、コントローラ30は、シート80にオペレータが着座しているか否かを判断できる。
エンジン2から車輪104bまでの駆動力伝達経路90には、トランスファー6、トルクコンバータ3、トランスミッション4、パーキングブレーキ43およびサービスブレーキ40が設けられている。なお、ホイールローダ1は、トルクコンバータを搭載した車両に限定されるものではない。ホイールローダ1は、HST(Hydro Static Transmission)を搭載した車両、HMT(Hydro Mechanical Transmission)を搭載した車両、電動発電機とモータとを組合せた車両等であってもよい。
エンジン2の出力軸は、トランスファー6に連結されている。トランスファー6は、油圧ポンプ8に連結される。エンジン2の出力の一部は、トランスファー6、トルクコンバータ3およびトランスミッション4を介して車輪104bに伝達される。これにより、ホイールローダ1は走行する。ホイールローダ1の走行速度は、運転室105に備えられたアクセルペダル31によって制御可能である。アクセルペダル31がオペレータによって踏み込み操作されると、アクセル操作量センサ32は、アクセルペダル31の踏み込み操作量を示す検知信号をコントローラ30に送信する。
エンジン2の出力の残りは、トランスファー6を介して油圧ポンプ8に伝達される。これにより油圧ポンプ8が駆動される。油圧ポンプ8は、操作弁42aを介して、ブーム106を駆動するリフトシリンダ114a,114bに作動油を供給する。ブーム106の上下動作は、運転室105に備えられたブーム操作レバー71aの操作によって制御可能である。また、油圧ポンプ8は、操作弁42bを介して、バケット107を駆動するチルトシリンダ115に作動油を供給する。バケット107の動作は、運転室105に備えられたバケット操作レバー72aの操作によって制御可能である。
トルクコンバータ3は、トランスファー6とトランスミッション4との間に設けられる。トルクコンバータ3は、ポンプインペラ11と、タービンランナ12と、ステータ13と、ロックアップクラッチ14と、ワンウェイクラッチ15とを有する。
トランスミッション4は、前進クラッチ55と、後進クラッチ56とを有する。トランスミッション4は、1速クラッチ51、2速クラッチ52、3速クラッチ53および4速クラッチ54を有する。各クラッチ51~56の係合圧力は、T/Mコントローラ部301から各クラッチ制御弁34~39へ送信されたクラッチ油圧指令信号に応じて、各クラッチ制御弁34~39が各クラッチ51~56に供給するクラッチ油圧を調整することで制御される。
パーキングブレーキ43は、走行体104(図1)を制動する。パーキングブレーキ43は、トランスミッション4とサービスブレーキ40との間に配置される。パーキングブレーキ43は、出力軸に取り付けられる。パーキングブレーキ43は、主としてホイールローダ1を駐車させるためのネガティブブレーキである。パーキングブレーキ43は、制動状態と非制動状態に切替可能な湿式多板式のブレーキである。
サービスブレーキ40は、パーキングブレーキ43と車輪104a,104bとの間に配置される。サービスブレーキ40は、車輪104bに連結される車軸に取り付けられる。サービスブレーキ40は、主として走行中の減速又は停止のために用いられるブレーキである。サービスブレーキ40は、制動状態と非制動状態に切替可能な湿式多板式のいわゆるポジティブブレーキである。
コントローラ30は、アクセル操作量センサ32からの検知信号に基づいて、アクセル開度を調整し、電子制御燃料噴射装置(図示せず)に燃料噴射量指令信号を送信する。電子制御燃料噴射装置28は、噴射量指令信号を判断し、シリンダ内に噴射される燃料噴射量を調整し、エンジン2の出力(回転数)を制御する。
ブーム操作レバー71aが操作されると、ブーム操作検知部71bは、コントローラ30に対して、当該操作に基づいたブーム操作信号を送信する。コントローラ30は、ブーム操作信号に応じて、操作弁42aにブーム油圧指令信号を送信する。操作弁42aはブーム油圧指令信号を判断し、油圧ポンプ8からリフトシリンダ114a,114bへの作動油の供給量を制御する。
バケット操作レバー72aが操作されると、バケット操作検知部72bは、コントローラ30に対して、当該操作に基づいたバケット操作信号を送信する。コントローラ30は、バケット操作信号に応じて、操作弁42bにバケット油圧指令信号を送信する。操作弁42bはバケット油圧指令信号を判断し、油圧ポンプ8からチルトシリンダ115への作動油の供給量を制御する。
前後進切替スイッチ73aが操作されると、前後進切替検知部73bは、T/Mコントローラ部301に対して、前後進切替スイッチ73aの操作位置に応じた前後進切替操作信号を送信する。T/Mコントローラ部301は、前後進切替操作信号に応じて、前後進クラッチ制御弁34,35にクラッチ油圧指令信号を送信する。前後進クラッチ制御弁34,35はクラッチ油圧指令信号を判断し、前進クラッチ55および後進クラッチ56の一方を係合させる。
変速レバー74aが操作されると、変速検知部74bは、T/Mコントローラ部301に対して、変速レバー74aの操作位置に応じた変速切替操作信号を送信する。T/Mコントローラ部301は、変速切替操作信号に応じて、各変速クラッチ制御弁36~39にクラッチ油圧指令信号を送信する。各変速クラッチ制御弁36~39はクラッチ油圧指令信号を判断し、トランスミッション4の各速度段クラッチ51~54のいずれかを係合させる。
ブレーキペダル75は、オペレータの踏込操作に基づき作動油を供給し、サービスブレーキ40の係合圧力を調整する。また、コントローラ30からの指令に基づく作動油もサービスブレーキ40に向け供給される。ブレーキペダル75の踏込操作による作動油と、コントローラ30からの指令に基づく作動油とのうちから圧力の高い作動油が選択され、サービスブレーキ40に供給される。
パーキングブレーキスイッチ83は、上述したように、パーキングブレーキ43を操作するためのスイッチである。パーキングブレーキスイッチ83は、パーキングブレーキ43を作動させる操作と、パーキングブレーキ43を解放する操作とを受け付ける。
パーキングブレーキ43を作動させる操作は、オフ位置からオン位置に切り替える操作である。パーキングブレーキスイッチ83がオン位置となると、パーキングブレーキ43は作動する。パーキングブレーキ43を解放させる操作は、オン位置からオフ位置に切り替える操作である。パーキングブレーキスイッチ83がオフ位置となると、パーキングブレーキ43は解放する。パーキングブレーキスイッチ83の操作によるパーキングブレーキ43の制御の詳細については、後述する。
コントローラ30は、傾斜センサ144と接続されている。傾斜センサ144は、機械本体101の傾き度合いを検知する。本例では、傾斜センサ144は、車体103の傾斜角度を検知する。
傾斜センサ144は、本例では、図1に示すように、車体103に設けられている。傾斜センサ144は、車体103のピッチ角を検知し、検知信号をコントローラ30に入力する。ここで、ホイールローダ1の重心を通り左右方向に延びる軸回りの方向を、ピッチ方向と称する。ピッチ方向は、車体103の前端が車体103の重心に対して下降または上昇する方向をいう。ピッチ角とは、ピッチ方向における車体103の傾斜角度をいう。ピッチ角は、鉛直方向または水平方向などの基準面に対する車体103の前後方向の傾斜角度である。
コントローラ30は、ホイールローダ1の車速を検知する車速センサ82と接続されている。コントローラ30は、車速センサ82から検知結果を取得する。こにより、コントローラ30は、ホイールローダ1が走行しているか否かを判断できる。
コントローラ30は、出力装置の一例である警報装置84と接続されている。警報装置84は、コントローラ30からの指示に基づき警報を発出する。警報装置84は、たとえば、側部モニタ63(あるいは正面モニタ622)と、スピーカと、表示灯(警告灯)との少なくとも1つを含む。スピーカおよび表示灯は、運転室105内に設置されていてもよいし、警報を運転室105外に発出するために運転室105外に設置されていてもよい。スピーカおよび表示灯は、運転室105内と運転室105外とに設置されていてもよい。警報を発出する条件(トリガ)については後述する。
<C.パーキングブレーキコントロールシステム>
図4および図5は、パーキングブレーキ43を制御するパーキングブレーキコントロールシステムを示した図である。詳しくは、図4および図5は、エンジンがかかっている状態(始動状態)を示している。より詳しくは、図4は、パーキングブレーキスイッチ83をオフ位置からオン位置にしたときの状態を表した図である。図5は、パーキングブレーキスイッチ83をオン位置からオフ位置にしたときの状態を表した図である。
図4および図5は、パーキングブレーキ43を制御するパーキングブレーキコントロールシステムを示した図である。詳しくは、図4および図5は、エンジンがかかっている状態(始動状態)を示している。より詳しくは、図4は、パーキングブレーキスイッチ83をオフ位置からオン位置にしたときの状態を表した図である。図5は、パーキングブレーキスイッチ83をオン位置からオフ位置にしたときの状態を表した図である。
図4に示されるように、パーキングブレーキコントロールシステム800は、パーキングブレーキスイッチ83と、パーキングブレーキリレー85と、パーキングブレーキソレノイドバルブリレー86と、パーキングブレーキソレノイドバルブ87と、T/Mコントローラ部301とを含んで構成される。
パーキングブレーキスイッチ83は、LED表示灯831を有する。LED表示灯831は、パーキングブレーキスイッチ83に内蔵されている。LED表示灯831は、パーキングブレーキ43が作動していることを条件に点灯する。
パーキングブレーキリレー85は、コイル851と、スイッチ852と、5つの外部接続用の端子(#1~#5)とを含む。パーキングブレーキソレノイドバルブリレー86は、コイル861と、スイッチ862と、5つの外部接続用の端子(#1~#5)とを含む。
パーキングブレーキスイッチ83がオン位置になると、24V電源から、パーキングブレーキリレー85の端子#1を介して、コイル851に電流が流れる。コイル851に電流が流れると、スイッチ852が端子#5から端子#4側に切り替わる。その結果、24V電源から、パーキングブレーキスイッチ83とスイッチ852とをこの順に介して、コイル851に電流が流れる。このように、2つの経路から電流がコイル851に流れる。
パーキングブレーキスイッチ83がオン位置の場合には、パーキングブレーキソレノイドバルブリレー86には電流が流れない。このため、パーキングブレーキソレノイドバルブ87には電流が流れない。よって、パーキングブレーキソレノイドバルブ87は消磁された状態となる。パーキングブレーキソレノイドバルブ87が消磁された状態となると、パーキングブレーキ43は作動する。
パーキングブレーキスイッチ83がオン位置の場合には、T/Mコントローラ部301にも、パーキングブレーキスイッチ83を介して電流が流れることはない。このため、T/Mコントローラ部301は、パーキングブレーキスイッチ83がオン位置にあることが分かる。
次に、パーキングブレーキスイッチ83がオン位置からオフ位置に切り替わると、図5に示されるように、24V電源から、パーキングブレーキスイッチ83を介して、パーキングブレーキソレノイドバルブリレー86に電流が流れる。当該電流は、パーキングブレーキソレノイドバルブリレー86の端子#5と端子#3とをこの順に介して、パーキングブレーキソレノイドバルブ87に流れる。よって、パーキングブレーキソレノイドバルブ87は励磁された状態となる。パーキングブレーキソレノイドバルブ87が励磁された状態となると、パーキングブレーキ43は解放される。
パーキングブレーキスイッチ83がオフ位置の場合には、T/Mコントローラ部301に、パーキングブレーキスイッチ83を介して電流が流れる。このため、T/Mコントローラ部301は、パーキングブレーキスイッチ83がオフ位置にあることが分かる。
以上のように、コントローラ30(詳しくは、T/Mコントローラ部301)は、パーキングブレーキスイッチ83から流れてくる電流の電流値あるいは電圧値に基づき、パーキングブレーキの状態を取得できる。詳しくは、コントローラ30は、パーキングブレーキの状態が、作動状態であるか、あるいは解放状態(非作動状態)であるのかを判断できる。
<D.警報の発出>
以下の図6および図7を参照して説明する処理の前提として、エンジン2がかかっているものとする。
以下の図6および図7を参照して説明する処理の前提として、エンジン2がかかっているものとする。
図6は、コントローラ30の入出力を説明するための図である。図6に示されるように、コントローラ30は、パーキングブレーキ43の状態を取得する。これによれば、コントローラ30は、パーキングブレーキ43が、作動状態にあるのか、あるいは、解放状態にあるのかを判断できる。コントローラ30は、車速センサ82からホイールローダ1の車速の情報を取得する。これによれば、コントローラ30は、車速の情報に基づき、ホイールローダ1が走行しているのか、あるいは停止しているのかを判断できる。
コントローラ30は、傾斜センサ144から傾斜度合い(本例では、傾斜角度)の情報を取得する。これにより、コントローラ30は、機械本体101が傾斜しているか否かを判断できる。コントローラ30は、オペレータ存在センサ81から検知結果を取得する。これにより、コントローラ30は、オペレータがシート80に着座しているか、シート80から離席しているかを判断できる。
コントローラ30は、パーキングブレーキ43が解放状態であって、ホイールローダ1が停止状態であって、ホイールローダ1が傾斜状態であって、かつ、オペレータが離席していることを条件に、警報装置84に警報の発出指示を送る。この場合、警報装置84は、所定の警報を発出する。たとえば、警報装置84は、表示および音の少なくとも一方で警報を発出する。当該警報は、パーキングブレーキ43がかかっていないことをオペレータに伝える内容を含んでいることが好ましい。警報により、オペレータは、パーキングブレーキ43のかけ忘れに気づくことができる。
図7は、コントローラ30による警報装置84の制御の流れを説明するためのフロー図である。図7に示されるように、ステップS1において、コントローラ30は、制御周期が到来したか否かを判断する。コントローラ30は、制御周期が到来していないと判断すると(ステップS1においてNO)、制御周期が到来するまで待つ。
コントローラ30は、制御周期が到来したと判断すると(ステップS1においてYES)、ステップS2において、パーキングブレーキ43が解放状態であって、ホイールローダ1が停止状態であって、ホイールローダ1が傾斜状態であって、かつ、オペレータが離席しているかを判断する。このように、コントローラ30は、4つの条件が全て満たされているか否かを判断する。
コントローラ30は、4つの条件が全て満たされていると判断すると(ステップS2においてYES)、ステップS3において、警報の発出中か否かを判断する。コントローラ30は、警報の発出中であると判断すると(ステップS3においてYES)、ステップS4において、警報の発出を警報装置84に継続させる。コントローラ30は、警報の発出中でないと判断すると(ステップS3においてNO)、ステップS5において、警報装置84に警報を発出させる。コントローラ30は、ステップS4およびステップS5の後は、処理をステップS1に進める。
コントローラ30は、4つの条件の少なくとも1つの条件が満たされていないと判断すると(ステップS2においてNO)、ステップS6において、警報の発出中か否かを判断する。コントローラ30は、警報の発出中であると判断すると(ステップS6においてYES)、ステップS7において、警報装置84に警報の発出を停止させる。その後、コントローラ30は、処理をステップS1に進める。コントローラ30は、警報の発出中でないと判断すると(ステップS6においてNO)、処理をステップS1に進める。
なお、上記においては、4つの条件を用いた場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。4つの条件のうち、「ホイールローダ1が停止状態」といった条件は、必須ではない。
<E.小括>
(1)作業機械システムであるホイールローダ1は、作業機102が取り付けられる機械本体101と、機械本体101を走行させる走行体104と、機械本体101の傾き度合を検知する傾斜センサ144と、オペレータの存在を検知するオペレータ存在センサ81と、走行体104を制動するパーキングブレーキ43と、パーキングブレーキ43を作動させるオン操作を受け付けるパーキングブレーキスイッチ83と、パーキングブレーキスイッチ83がオン操作を受け付けていない場合、オペレータの存在が検知されておらず、かつ、機械本体101が傾斜していることを条件に、パーキングブレーキ43のかけ忘れを防止する制御を実行するコントローラ30とを備える。
(1)作業機械システムであるホイールローダ1は、作業機102が取り付けられる機械本体101と、機械本体101を走行させる走行体104と、機械本体101の傾き度合を検知する傾斜センサ144と、オペレータの存在を検知するオペレータ存在センサ81と、走行体104を制動するパーキングブレーキ43と、パーキングブレーキ43を作動させるオン操作を受け付けるパーキングブレーキスイッチ83と、パーキングブレーキスイッチ83がオン操作を受け付けていない場合、オペレータの存在が検知されておらず、かつ、機械本体101が傾斜していることを条件に、パーキングブレーキ43のかけ忘れを防止する制御を実行するコントローラ30とを備える。
このような構成によれば、オペレータがホイールローダ1を傾斜地にパーキングブレーキ43をかけずに停車させ、かつオペレータが離席した場合、パーキングブレーキ43のかけ忘れを防止する制御が実行される。それゆえ、ホイールローダ1によれば、ホイールローダ1が自然発車することを抑制可能となる。
(2)コントローラ30は、ホイールローダ1が走行していないことを条件に、パーキングブレーキ43のかけ忘れを防止する制御を実行する。このような構成によれば、以下のような状況の発生を防ぐことができる。
走行中においては、ホイールローダ1の振動により、オペレータがシート80から一時的に離間した状態となることがある。この場合、コントローラ30は、オペレータ存在センサ81による検知結果に基づき、離席した状態と判定する。それゆえ、パーキングブレーキ43の自動作動の条件に「ホイールローダ1が走行していないこと」を加えることにより、ホイールローダ1の振動により離席と判定された場合であっても、パーキングブレーキ43が自動的に作動することを防止できる。
(3)ホイールローダ1は、警報装置84を備える。コントローラ30は、かけ忘れを防止する制御として、警報装置84に警報を発出させる。このような構成によれば、オペレータは、パーキングブレーキ43のかけ忘れに気づくことができる。
(4)コントローラ30は、警報装置84から警報を発出させた後に、オペレータの存在が検知された場合、機械本体101の傾斜が検知されなくなった場合、またはパーキングブレーキスイッチ83がオン操作を受け付けた場合、上記警報の発出を停止させる。このような構成によれば、オペレータは、警報の発出を停止させる操作が不要となる。
(5)警報装置84は、警報を運転室105の外に発出する。このような構成によれば、オペレータがパーキングブレーキ43を作動させずに運転室105の外に出てしまった場合でも、車外の人間は、警報に気付くことができる。
<F.変形例>
(1)第1の変形例
次に、上述した4つの条件が成立したときに、警報の発出とともに、パーキングブレーキ43を自動で作動させる構成について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、図5に示したように、パーキングブレーキスイッチ83がオフ位置(パーキングブレーキ43が解放状態)にあるものとする。
(1)第1の変形例
次に、上述した4つの条件が成立したときに、警報の発出とともに、パーキングブレーキ43を自動で作動させる構成について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、図5に示したように、パーキングブレーキスイッチ83がオフ位置(パーキングブレーキ43が解放状態)にあるものとする。
コントローラ30は、パーキングブレーキ43が解放状態であって、ホイールローダ1が停止状態であって、ホイールローダ1が傾斜状態であって、かつ、オペレータが離席していることを条件に、警報装置84に警報の発出指示を送る。さらに、本変形例では、コントローラ30は、パーキングブレーキ43の指令信号を、パーキングブレーキコントロールシステム800に送る。具体的には、コントローラ30は、パーキングブレーキソレノイドバルブリレー86に対して、スイッチ862の接続先を端子#5から端子#4側に切り替える指令を送る。
スイッチ862の接続先が端子#5から端子#4側に切り替わると、パーキングブレーキソレノイドバルブ87には電流が流れない。よって、パーキングブレーキソレノイドバルブ87は消磁された状態となる。パーキングブレーキソレノイドバルブ87が消磁された状態となると、パーキングブレーキ43は作動する。
このような構成によれば、上述した4つの条件が成立したときに、警報の発出とともに、パーキングブレーキ43を自動で作動させることができる。また、コントローラ30は、上述した4つの条件のうち、少なくとも1つの条件を満たさなくなったと判断した場合、スイッチ862の接続先を端子#4から端子#5側に切り替えることにより、パーキングブレーキ43を再び解放することができる。
図8は、本変形例における、コントローラ30による警報装置84およびパーキングブレーキ43の制御の流れを説明するためのフロー図である。図8に示すフロー図は、ステップS11~S13をさらに備える点において、図7におけるフロー図と異なる。
本変形例では、ステップS5の後に、コントローラ30は、ステップS11において、パーキングブレーキ43を自動で作動する。具体的には、コントローラ30は、スイッチ862の接続先を端子#5から端子#4側に切り替える。
ステップS6において肯定的な判断がなされた後(ステップS6においてYES)、ステップS12において、コントローラ30は、ホイールローダ1が停止状態であって、ホイールローダ1が傾斜状態であって、かつ、オペレータが離席しているかを判断する。このように、コントローラ30は、3つの条件が全て満たされているか否かを判断する。コントローラ30は、当該3つの条件が全て満たされていると判断すると(ステップS12においてYES)、処理をステップS1に進める。コントローラ30は、3つの条件が少なくとも1つが満たされていないと判断すると(ステップS12においてNO)、処理をステップS7に進め、警報の発出を停止させる。
ステップS7の後に、コントローラ30は、ステップS13において、パーキングブレーキ43を自動で解放する。具体的には、コントローラ30は、スイッチ862の接続先を端子#4から端子#5側に切り替える。
なお、ステップS5とステップS11との順序は、反対であってもよい。同様に、ステップS7とステップS13との順序も反対であってもよい。
以上のように、コントローラ30は、パーキングブレーキ43のかけ忘れを防止する制御として、警報装置84に警報を発出させ、かつパーキングブレーキ43を作動させる。このような構成によれば、オペレータは、パーキングブレーキ43のかけ忘れに気づくことに加えて、パーキングブレーキ43を作動させる操作をしなくて済む。
コントローラ30は、警報装置84から警報を発した後に、たとえばオペレータの着座が検知された場合または機械本体101の傾斜が検知されなくなった場合、警報の発出を停止させ、かつパーキングブレーキ43を自動で解放する。このような構成によれば、警報の発出を自動で停止させることができ、かつ、自動で作動したパーキングブレーキ43を自動で解放することができる。
なお、本変形例においても、4つの条件を用いた場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。4つの条件のうち、「ホイールローダ1が停止状態」といった条件は、必須ではない。
本変形例では、警報装置84に警報を発出させる制御と、パーキングブレーキ43を自動で作動させる制御との両方を行ったが、当該両制御のうち、パーキングブレーキ43を自動で作動させる制御のみを実行してもよい。なお、この点は、後述する「第2の変形例」でも同様である。
(2)第2の変形例
上記の第1の変形例では、4つの条件のうち少なくとも1つの条件が満たされなくなると、自動でパーキングブレーキ43を解放する構成(図8のステップS12)を説明した。しかしながら、これに限定されず、オペレータによるパーキングブレーキ43の解放操作を受け付けたことを条件に、パーキングブレーキ43を解放してもよい。
上記の第1の変形例では、4つの条件のうち少なくとも1つの条件が満たされなくなると、自動でパーキングブレーキ43を解放する構成(図8のステップS12)を説明した。しかしながら、これに限定されず、オペレータによるパーキングブレーキ43の解放操作を受け付けたことを条件に、パーキングブレーキ43を解放してもよい。
図9は、本変形例における、コントローラ30による警報装置84の制御の流れを説明するためのフロー図である。図9に示すフロー図は、図7におけるステップS13の代わりに、ステップS21とステップS22とを備える。
ステップS21において、コントローラ30は、パーキングブレーキスイッチ83を用いたパーキングブレーキ43の解放操作を受け付けたか否かを判断する。コントローラ30は、解放操作を受け付けていないと判断すると(ステップS21においてNO)、処理をステップS12に進める。
コントローラ30は、解放操作を受け付けたと判断すると(ステップS21においてYES)、ステップS22において、パーキングブレーキ43を解放する。具体的には、コントローラ30は、スイッチ862の接続先を端子#4から端子#5側に切り替える制御を行う。たとえば、警報停止直後(ステップS7の後)においてオフ位置にあるパーキングブレーキスイッチ83を、オン位置に一旦変更し、次いで、オフ位置に戻すオペレータ操作を受け付けたことに基づき、コントローラ30は、スイッチ862の接続先を端子#4から端子#5側に切り替える制御を行う。なお、当該操作は、パーキングブレーキ43を解放するための操作の一例であって、これに限定されるものではない。
以上のように、パーキングブレーキスイッチ83は、パーキングブレーキ43を解放させる操作をさらに受け付ける。かけ忘れを防止する制御としてパーキングブレーキ43を作動させる制御が実行された後、パーキングブレーキスイッチ83が上記操作を受け付けると、ホイールローダ1は、パーキングブレーキ43を解放する。このような構成によれば、警報の発出を自動で停止させることができ、かつ、自動で作動したパーキングブレーキ43を、オペレータによるパーキングブレーキスイッチ83の操作によって解放することができる。
(3)第3の変形例
ホイールローダ1の動力源(原動機)として、エンジンを例示したが、これに限定されない。動力源は、モータであってもよい。あるいは、動力源は、エンジンおよびモータであってもよい。
ホイールローダ1の動力源(原動機)として、エンジンを例示したが、これに限定されない。動力源は、モータであってもよい。あるいは、動力源は、エンジンおよびモータであってもよい。
(4)第4の変形例
上記においては、運転室105を備えたホイールローダ1を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。ホイールローダ1は、運転室105の代わりに、キャノピーを備えてもよい。
上記においては、運転室105を備えたホイールローダ1を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。ホイールローダ1は、運転室105の代わりに、キャノピーを備えてもよい。
(5)第5の変形例
上記においては、パーキングブレーキ43とサービスブレーキ40とのうち、上述した条件が成立するとパーキングブレーキ43のみ自動的に作動させる構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。ホイールローダ1は、上述した条件が成立するとパーキングブレーキ43に加えて、サービスブレーキ40を自動的に作動させてもよい。また、ホイールローダ1は、上述した条件が成立すると、パーキングブレーキ43に代えて、サービスブレーキ40を自動的に作動させてもよい。
上記においては、パーキングブレーキ43とサービスブレーキ40とのうち、上述した条件が成立するとパーキングブレーキ43のみ自動的に作動させる構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。ホイールローダ1は、上述した条件が成立するとパーキングブレーキ43に加えて、サービスブレーキ40を自動的に作動させてもよい。また、ホイールローダ1は、上述した条件が成立すると、パーキングブレーキ43に代えて、サービスブレーキ40を自動的に作動させてもよい。
(6)第6の変形例
本変形例では、作業機械システムがホイールローダとリモートコントロールシステムとにより構成される例を説明する。
本変形例では、作業機械システムがホイールローダとリモートコントロールシステムとにより構成される例を説明する。
図10は、作業機械システムの構成例を説明する図である。図10に示されるように、作業機械システム1000は、ホイールローダ1と、リモートコントロールシステム900とを備える。リモートコントロールシステム900は、リモートコントロール室105Aに設置されている。
リモートコントロールシステム900は、ホイールローダ1の運転室105内に設けられた機器と同じ機器によって構成される。リモートコントロール室105Aは、運転室105と同じ操縦環境を、ホイールローダ1のオペレータに提供している。
リモートコントロールシステム900は、ホイールローダ1と無線により通信する。リモートコントロールシステム900からの指令が、ホイールローダ1のコントローラ30に送られる。このような構成により、オペレータは、ホイールローダ1の運転室105のシート80に着座しなくても、ホイールローダ1を操縦できる。オペレータは、リモートコントロール室105Aのシート80に着座しながら、ホイールローダ1を操縦することができる。
作業機械システムがリモートコントロールシステム900を含んで構成される場合であっても、ホイールローダ1は、実施の形態1で述べた、パーキングブレーキ43のかけ忘れを防止する制御を実行する。このような制御によれば、本実施の形態でも、実施の形態1で述べた効果と同様の効果を得ることができる。より詳しくは、以下のとおりである。
リモートコントロール室105Aでホイールローダ1を遠隔操縦する場合には、ホイールローダ1を傾斜地に駐車しても、リモートコントロール室105Aは傾斜しない。よって、リモートコントロール室105Aのシート80も傾斜しない。このため、ホイールローダ1を傾斜地に駐車した場合には、オペレータはホイールローダ1(機械本体101)が傾斜していることを感覚的に捉えることができない。
したがって、リモートコントロール室105Aからホイールローダ1をリモートで操縦する場合には、ホイールローダ1に実際に搭乗してホイールローダ1を操縦するよりも、パーキングブレーキ43のかけ忘れが生じやすい。それゆえ、上述したパーキングブレーキ43のかけ忘れ防止の制御は、ホイールローダ1を遠隔操縦する場合に、特に好適である。
(7)第7の変形例
上記においては、オペレータ存在センサ81として、シート80に設けられた着座センサを例に挙げて説明した。しかしながら、これに限定されるものでない。オペレータ存在センサ81によって、運転室105またはリモートコントロール室105Aにオペレータがいないことを検知できればよい。たとえば、オペレータ存在センサ81は、アームレストに設けられていてもよい。オペレータ存在センサ81は、赤外線等を用いた人感センサであってもよい。
上記においては、オペレータ存在センサ81として、シート80に設けられた着座センサを例に挙げて説明した。しかしながら、これに限定されるものでない。オペレータ存在センサ81によって、運転室105またはリモートコントロール室105Aにオペレータがいないことを検知できればよい。たとえば、オペレータ存在センサ81は、アームレストに設けられていてもよい。オペレータ存在センサ81は、赤外線等を用いた人感センサであってもよい。
<付記>
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
(付記1)
機械本体と、
前記機械本体に取り付けられる作業機と、
前記機械本体を走行させる走行体と、
前記機械本体の傾き度合を検知する傾斜センサと、
オペレータの存在を検知するオペレータ存在センサと、
前記走行体を制動するパーキングブレーキと、
前記パーキングブレーキを作動させる第1の操作を受け付ける操作装置と、
前記操作装置が前記第1の操作を受け付けていない場合、前記オペレータの存在が検知されておらず、かつ、前記機械本体が傾斜していることを条件に、前記パーキングブレーキのかけ忘れを防止する制御を実行するコントローラとを、さらに備える、作業機械システム。
機械本体と、
前記機械本体に取り付けられる作業機と、
前記機械本体を走行させる走行体と、
前記機械本体の傾き度合を検知する傾斜センサと、
オペレータの存在を検知するオペレータ存在センサと、
前記走行体を制動するパーキングブレーキと、
前記パーキングブレーキを作動させる第1の操作を受け付ける操作装置と、
前記操作装置が前記第1の操作を受け付けていない場合、前記オペレータの存在が検知されておらず、かつ、前記機械本体が傾斜していることを条件に、前記パーキングブレーキのかけ忘れを防止する制御を実行するコントローラとを、さらに備える、作業機械システム。
(付記2)
前記コントローラは、前記機械本体が走行していないことを条件に、前記パーキングブレーキのかけ忘れを防止する制御を実行する、付記1に記載の作業機械システム。
前記コントローラは、前記機械本体が走行していないことを条件に、前記パーキングブレーキのかけ忘れを防止する制御を実行する、付記1に記載の作業機械システム。
(付記3)
出力装置をさらに備え、
前記コントローラは、前記かけ忘れを防止する制御として、前記出力装置に警報を発出させる、付記1または付記2に記載の作業機械システム。
出力装置をさらに備え、
前記コントローラは、前記かけ忘れを防止する制御として、前記出力装置に警報を発出させる、付記1または付記2に記載の作業機械システム。
(付記4)
前記コントローラは、前記出力装置から警報を発出させた後に、前記オペレータの存在が検知された場合、前記機械本体の傾斜が検知されなくなった場合、または前記操作装置が前記第1の操作を受け付けた場合、前記警報の発出を停止させる、付記3に記載の作業機械システム。
前記コントローラは、前記出力装置から警報を発出させた後に、前記オペレータの存在が検知された場合、前記機械本体の傾斜が検知されなくなった場合、または前記操作装置が前記第1の操作を受け付けた場合、前記警報の発出を停止させる、付記3に記載の作業機械システム。
(付記5)
運転室をさらに備え、
前記出力装置は、前記警報を前記運転室の外に発出する、付記3または付記4に記載の作業機械システム。
運転室をさらに備え、
前記出力装置は、前記警報を前記運転室の外に発出する、付記3または付記4に記載の作業機械システム。
(付記6)
前記コントローラは、前記かけ忘れを防止する制御として、前記パーキングブレーキを作動させる、付記1または付記2に記載の作業機械システム。
前記コントローラは、前記かけ忘れを防止する制御として、前記パーキングブレーキを作動させる、付記1または付記2に記載の作業機械システム。
(付記7)
前記操作装置は、前記パーキングブレーキを解放させる第2の操作をさらに受け付け、
前記かけ忘れを防止する制御として前記パーキングブレーキを作動させる制御が実行された後、前記操作装置が前記第2の操作を受け付けると、前記パーキングブレーキを解放する、付記6に記載の作業機械システム。
前記操作装置は、前記パーキングブレーキを解放させる第2の操作をさらに受け付け、
前記かけ忘れを防止する制御として前記パーキングブレーキを作動させる制御が実行された後、前記操作装置が前記第2の操作を受け付けると、前記パーキングブレーキを解放する、付記6に記載の作業機械システム。
(付記8)
出力装置をさらに備え、
前記コントローラは、
前記かけ忘れを防止する制御として、さらに、前記出力装置に警報を発出させ、
前記出力装置から警報を発出させた後に、前記オペレータの存在が検知された場合または前記機械本体の傾斜が検知されなくなった場合、前記警報の発出を停止させ、かつ、前記パーキングブレーキを自動で解放する、付記6に記載の作業機械システム。
出力装置をさらに備え、
前記コントローラは、
前記かけ忘れを防止する制御として、さらに、前記出力装置に警報を発出させ、
前記出力装置から警報を発出させた後に、前記オペレータの存在が検知された場合または前記機械本体の傾斜が検知されなくなった場合、前記警報の発出を停止させ、かつ、前記パーキングブレーキを自動で解放する、付記6に記載の作業機械システム。
(付記9)
出力装置をさらに備え、
前記コントローラは、
前記かけ忘れを防止する制御として、さらに、前記出力装置に警報を発出させ、
前記出力装置から警報を発出させた後に、前記オペレータの存在が検知された場合または前記機械本体の傾斜が検知されなくなった場合、前記警報の発出を停止させ、かつ、前記操作装置が前記パーキングブレーキを解放させる第2の操作を受け付けたことを条件に前記パーキングブレーキを解放する、付記6に記載の作業機械システム。
出力装置をさらに備え、
前記コントローラは、
前記かけ忘れを防止する制御として、さらに、前記出力装置に警報を発出させ、
前記出力装置から警報を発出させた後に、前記オペレータの存在が検知された場合または前記機械本体の傾斜が検知されなくなった場合、前記警報の発出を停止させ、かつ、前記操作装置が前記パーキングブレーキを解放させる第2の操作を受け付けたことを条件に前記パーキングブレーキを解放する、付記6に記載の作業機械システム。
(付記10)
前記作業機械システムは作業機械である、付記1から付記9のいずれか1つに記載の作業機械システム。
前記作業機械システムは作業機械である、付記1から付記9のいずれか1つに記載の作業機械システム。
(付記11)
前記機械本体と、前記作業機と、前記走行体と、前記傾斜センサと、前記パーキングブレーキとを含む作業機械を備え、
前記オペレータ存在センサと、前記操作装置とは、前記作業機械をリモートで操縦するリモートコントロール室に設置されている、付記1から付記9のいずれか1つに記載の作業機械システム。
前記機械本体と、前記作業機と、前記走行体と、前記傾斜センサと、前記パーキングブレーキとを含む作業機械を備え、
前記オペレータ存在センサと、前記操作装置とは、前記作業機械をリモートで操縦するリモートコントロール室に設置されている、付記1から付記9のいずれか1つに記載の作業機械システム。
(付記12)
作業機械のオペレータが存在しているか否かを、第1のセンサにて検知するステップと、
前記作業機械の機械本体の傾き度合いを第2のセンサにて検知するステップと、
前記機械本体の走行体を制動するパーキングブレーキが作動していない場合、前記オペレータの存在が検知されておらず、かつ、前記機械本体が傾斜していることを条件に、コントローラが、前記パーキングブレーキのかけ忘れを防止する制御を実行するステップとを備える、作業機械の制御方法。
作業機械のオペレータが存在しているか否かを、第1のセンサにて検知するステップと、
前記作業機械の機械本体の傾き度合いを第2のセンサにて検知するステップと、
前記機械本体の走行体を制動するパーキングブレーキが作動していない場合、前記オペレータの存在が検知されておらず、かつ、前記機械本体が傾斜していることを条件に、コントローラが、前記パーキングブレーキのかけ忘れを防止する制御を実行するステップとを備える、作業機械の制御方法。
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ホイールローダ、2 エンジン、3 トルクコンバータ、4 トランスミッション、6 トランスファー、8 油圧ポンプ、30 コントローラ、31 アクセルペダル、40 サービスブレーキ、43 パーキングブレーキ、61 ステアリングホイール、62 メータパネル、63 側部モニタ、71a ブーム操作レバー、72a バケット操作レバー、73a,73c 前後進切替スイッチ、74a 変速レバー、75a,75b ブレーキペダル、80 シート、81 オペレータ存在センサ、82 車速センサ、83 パーキングブレーキスイッチ、84 警報装置、85 パーキングブレーキリレー、86 パーキングブレーキソレノイドバルブリレー、87 パーキングブレーキソレノイドバルブ、90 駆動力伝達経路、101 機械本体、102 作業機、103 車体、104 走行体、105 運転室、105A リモートコントロール室、106 ブーム、107 バケット、144 傾斜センサ、301 T/Mコントローラ部、621 速度計、622 正面モニタ、623 警告表示エリア、800,800A パーキングブレーキコントロールシステム、831 警告灯、851,861 コイル、852,862 スイッチ、900 リモートコントロールシステム、1000 作業機械システム。
Claims (12)
- 作業機が取り付けられる機械本体と、
前記機械本体を走行させる走行体と、
前記機械本体の傾き度合を検知する傾斜センサと、
オペレータの存在を検知するオペレータ存在センサと、
前記走行体を制動するパーキングブレーキと、
前記パーキングブレーキを作動させる第1の操作を受け付ける操作装置と、
前記操作装置が前記第1の操作を受け付けていない場合、前記オペレータの存在が検知されておらず、かつ、前記機械本体が傾斜していることを条件に、前記パーキングブレーキのかけ忘れを防止する制御を実行するコントローラとを備える、作業機械システム。 - 前記コントローラは、前記機械本体が走行していないことを条件に、前記パーキングブレーキのかけ忘れを防止する制御を実行する、請求項1に記載の作業機械システム。
- 出力装置をさらに備え、
前記コントローラは、前記かけ忘れを防止する制御として、前記出力装置に警報を発出させる、請求項1または2に記載の作業機械システム。 - 前記コントローラは、前記出力装置から警報を発出させた後に、前記オペレータの存在が検知された場合、前記機械本体の傾斜が検知されなくなった場合、または前記操作装置が前記第1の操作を受け付けた場合、前記警報の発出を停止させる、請求項3に記載の作業機械システム。
- 運転室をさらに備え、
前記出力装置は、前記警報を前記運転室の外に発出する、請求項3に記載の作業機械システム。 - 前記コントローラは、前記かけ忘れを防止する制御として、前記パーキングブレーキを作動させる、請求項1または2に記載の作業機械システム。
- 前記操作装置は、前記パーキングブレーキを解放させる第2の操作をさらに受け付け、
前記かけ忘れを防止する制御として前記パーキングブレーキを作動させる制御が実行された後、前記操作装置が前記第2の操作を受け付けると、前記パーキングブレーキを解放する、請求項6に記載の作業機械システム。 - 出力装置をさらに備え、
前記コントローラは、
前記かけ忘れを防止する制御として、さらに、前記出力装置に警報を発出させ、
前記出力装置から警報を発出させた後に、前記オペレータの存在が検知された場合または前記機械本体の傾斜が検知されなくなった場合、前記警報の発出を停止させ、かつ、前記パーキングブレーキを自動で解放する、請求項6に記載の作業機械システム。 - 出力装置をさらに備え、
前記コントローラは、
前記かけ忘れを防止する制御として、さらに、前記出力装置に警報を発出させ、
前記出力装置から警報を発出させた後に、前記オペレータの存在が検知された場合または前記機械本体の傾斜が検知されなくなった場合、前記警報の発出を停止させ、かつ、前記操作装置が前記パーキングブレーキを解放させる第2の操作を受け付けたことを条件に前記パーキングブレーキを解放する、請求項6に記載の作業機械システム。 - 前記作業機械システムは作業機械である、請求項1に記載の作業機械システム。
- 前記機械本体と、前記作業機と、前記走行体と、前記傾斜センサと、前記パーキングブレーキとを含む作業機械を備え、
前記オペレータ存在センサと、前記操作装置とは、前記作業機械をリモートで操縦するリモートコントロール室に設置されている、請求項1に記載の作業機械システム。 - 作業機械のオペレータが存在しているか否かを、第1のセンサにて検知するステップと、
前記作業機械の機械本体の傾き度合いを第2のセンサにて検知するステップと、
前記機械本体の走行体を制動するパーキングブレーキが作動していない場合、前記オペレータの存在が検知されておらず、かつ、前記機械本体が傾斜していることを条件に、コントローラが、前記パーキングブレーキのかけ忘れを防止する制御を実行するステップとを備える、作業機械の制御方法。
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