JP2024024144A - 飲料供給装置 - Google Patents

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孝洋 鳥海
Takahiro Chokai
由次 海老原
Yuji Ebihara
勉 石井
Tsutomu Ishii
貴也 角田
Takaya Tsunoda
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Abstract

【課題】混合運転におけるエア攪拌不足の発生を確実に防止させる。【解決手段】飲料供給装置1は、原料供給部2と、水供給部3と、抽出容器4と、フィルタFと、ドリップパン5と、抽出容器4において抽出された飲料をフィルタF及びドリップパン5を介して吸引し吸引した飲料を吐出してカップCへ供給するポンプ7と、エアを抽出容器4に供給するエア供給部8と、制御部11と、を含み、水及び原料が供給されている抽出容器4にエアを供給する混合運転を実行可能である。制御部11は、混合運転の前であり且つ原料供給部2を作動させる前に、水供給部3を作動させて水を抽出容器4に供給すると共に、ポンプ7を所定時間作動させて抽出容器4の内部の水を吸引するフィルタ初期濡らし運転を実行するように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、飲料を抽出してカップに提供する飲料供給装置に関する。
一般に、コーヒー豆を粉砕することで得られたコーヒー粉末(挽き豆ともいう)や緑茶などの茶葉を原料として用い、この原料と水とを抽出容器に供給して飲料を抽出し、この飲料をカップに供給する飲料供給装置が知られている。このような飲料抽出タイプの飲料供給装置として、特許文献1に開示された飲料供給装置が知られている。特許文献1の飲料供給装置では、抽出容器の底部開口は抽出容器において抽出された飲料を濾過するフィルタにより塞がれており、フィルタの下方にはフィルタを通過した飲料を受け入れるドリップパンが配置され、ドリップパンに接続された飲料供給路には、ポンプが設けられている。抽出容器の内部で抽出された飲料はフィルタによって濾過されつつドリップパンで受け入れられ、ドリップパンに受け入れられた飲料はポンプによって吸引されて飲料供給路を介してカップに供給される。
そして、飲料抽出タイプの飲料供給装置では、抽出容器における飲料の抽出を促進するために、水及び原料が供給された抽出容器にドリップパン及びフィルタを介してエアを送り込む、混合運転がなされる場合がある。この混合運転(エア攪拌運転ともいう)では、抽出容器の内部の水と原料との混合液が、フィルタの上面から抽出容器の内部に噴出されたエアによって攪拌される。その結果、原料が水の中で概ね均一に分散され、飲料の抽出が促進されるようになっている。
特許第6402423号公報
ところで、飲料抽出タイプの飲料供給装置では、フィルタとして、繊維材からなるフィルタ(例えば、紙フィルタや不織布フィルタなど)が用いられることが多い。そして、混合運転の際におけるエア攪拌の観点において、エアが繊維材からなるフィルタの上面の全体から概ね均一に噴出することが理想的である。
ここで、本願発明者は、混合運転の際に、エアが噴出しない領域や、エア噴出量が他の部分よりも顕著に少ない領域などが、繊維材からなるフィルタの上面に存在し、フィルタの上面からのエア噴出の均一性が良好でない場合があることに気づいた。このようなエア噴出の不均一は混合運転におけるエア攪拌不足、ひいては、抽出容器における飲料の抽出効率の低下や飲料の品質の低下などを招くおそれがある。
そこで、本発明は、このような実状に鑑み、混合運転におけるエア攪拌不足の発生を確実に防止することができる、飲料供給装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の一態様によると、水及び原料を用いて飲料を抽出する抽出容器と、前記抽出容器に原料を供給する原料供給部と、前記抽出容器に水を供給する水供給部と、前記抽出容器の底部開口を塞ぐように配置されると共に前記抽出容器において抽出された飲料を濾過するフィルタと、前記フィルタを通過した飲料を受け入れるドリップパンと、前記ドリップパンに接続された飲料供給路に設けられ、前記抽出容器において抽出された飲料を前記フィルタ及び前記ドリップパンを介して吸引し、吸引した飲料を吐出してカップへ供給するポンプと、を含み、水及び原料が供給されている前記抽出容器に、エアを前記ドリップパン及び前記フィルタを介して供給する混合運転を実行可能な飲料供給装置が提供される。この飲料供給装置は、前記ドリップパン及び前記フィルタを介してエアを前記抽出容器に供給するエア供給部と、前記水供給部、前記原料供給部、前記ポンプ及び前記エア供給部の動作を制御する制御部と、を含み、前記フィルタは、複数の繊維を絡み合わせて形成され、前記制御部は、前記混合運転の前であり且つ原料供給部を作動させる前に、前記水供給部を作動させて水を前記抽出容器に供給すると共に、前記ポンプを所定時間作動させて前記抽出容器の内部の水を吸引するフィルタ初期濡らし運転を実行するように構成されている。
本発明の一態様によれば、混合運転におけるエア攪拌不足の発生を確実に防止することができる、飲料供給装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る飲料供給装置の概略図である。 フィルタ送り中の飲料供給装置の概略図である。 飲料供給装置の動作の一例を説明するタイミングチャートである。 フィルタ初期濡らし運転の効果を説明するための説明図である。 図1の飲料供給装置の動作の他の例を説明するタイミングチャートである。 図1の飲料供給装置の動作の他の例を説明するタイミングチャートである。 図1の飲料供給装置の動作の他の例を説明するタイミングチャートである。 変形例に係る飲料供給装置の概略図である。 図8の飲料供給装置の動作の一例を説明するタイミングチャートである。 他の変形例に係る飲料供給装置の概略図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る飲料供給装置1の概略図である。飲料供給装置1は、例えば、コーヒー豆を粉砕することで得られるコーヒー粉末を原料とし、この原料と水を用いてレギュラーコーヒーを抽出し、抽出した所定の供給容量のレギュラーコーヒー(コーヒー飲料)をカップCに入れて提供する、カップ式のコーヒーサーバーに組み込まれている。
飲料供給装置1は、原料を供給する原料供給部2と、水(本実施形態では、湯水)を供給する水供給部3と、原料及び水(湯水)を受け入れる円筒状の抽出容器4と、抽出容器4の下方にフィルタFを介在させて配置されたドリップパン5と、フィルタFのフィルタ送り機構6と、ポンプ7と、エア供給部8と、バッファ部9と、流量計10と、制御部11と、を含む。
原料供給部2は、コーヒー豆を収容するキャニスタ21を有している。キャニスタ21の下方には、原料モータ22によって駆動されることで、キャニスタ21から所定容量のコーヒー豆を繰り出す繰り出し機構23が設けられている。繰り出し機構23の下方には、繰り出し機構23によってキャニスタ21から繰り出されたコーヒー豆を粉末状に粉砕して抽出容器4に供給する、モータ駆動式のミル24が配置されている。したがって、原料供給部2は、原料モータ22及びミル24が駆動されることで、原料としてのコーヒー粉末を抽出容器4に供給することができる。
水供給部3は、所定温度の湯水(抽出湯とも言う)を沸かして貯蔵するタンク31を有している。タンク31の下部には、湯水の供給を制御するための給湯電磁弁32を介して、湯水を抽出容器4に供給する湯水供給路L1が接続されている。湯水供給路L1の先端部には、抽出容器4の上方においてその内部に向かって開口する複数の開口部(図示せず)が形成された抽出湯ノズル33が接続されている。したがって、水供給部3は、給湯電磁弁32が開弁されることで、タンク31に貯蔵されている湯水を抽出容器4に供給することができる。
抽出容器4は、原料供給部2から供給されたコーヒー粉末、及び水供給部3から供給された湯水を受け入れ、受け入れた湯水及びコーヒー粉末を用いてコーヒー飲料を抽出する。抽出容器4は、例えば、一定の直径を有する円筒状に形成されている。抽出容器4の上端部は上方に向けて開口しており、この開口を介して水供給部3の抽出湯ノズル33から供給された湯水を受け入れ可能になっている。また、抽出容器4の底部は下方に向けて開口している。抽出容器4の底部とドリップパン5の上部との間には、抽出容器4において抽出されたコーヒー飲料を濾過するフィルタFが挟まれている。
フィルタFは、抽出容器4の底部開口4aを塞ぐように配置されている。フィルタFは、複数の繊維を絡み合わせて形成されている。フィルタFは所定のフィルタ厚みFtを有している。フィルタFは、薄く帯状に形成されており、ロール状に巻き回され得る。フィルタFの複数の繊維は、ランダムに配向されている。例えば、繊維は保水性を有しており、液体が毛細管現象などにより繊維の内部に浸透し得る。フィルタFとしては、繊維材からなる、例えば、紙フィルタや不織布フィルタなどが用いられる。
ドリップパン5は、フィルタFを通過したコーヒー飲料を受け入れる容器である。ドリップパン5の上部は上方に向けて開口しており、この上部開口はフィルタFによって塞がれる。ドリップパン5の上部開口は、抽出容器4の底部開口4aに倣った形状をなしている。ドリップパン5は、図示しないドリップパン移動機構によって、図1及び図2に両矢印で示す上下方向に、移動可能に構成される。ドリップパン5の上部は、フィルタFを介在させた状態で抽出容器4の底部に対して圧接される。ドリップパン5の上面には、環状のシール部材5a(パッキン)が取り付けられる。ドリップパン5の上面には、フィルタFを支持しつつコーヒー飲料を通過させる金網などのメッシュ部材からなるフィルタ受部(図示せず)が配置される。ドリップパン5の下部に形成された飲料吸引ポート5bには、コーヒー飲料をドリップパン5からカップCまで搬送(供給)する、シリコンチューブなどの可撓性チューブからなる飲料供給路L2が接続される。なお、ドリップパン移動機構によってドリップパン5を移動させる代わりに、図示しない移動機構によって抽出容器4を上下方向に移動させるように構成されてもよい。
フィルタ送り機構6は、ロール状に巻き回されたフィルタFを長手方向に送り出す装置である。具体的には、抽出容器4及びドリップパン5の一側方(図示の例では左方)には、未使用のフィルタFが巻き回されたロールR1と、ロールR1から引き出されたフィルタFをガイドするガイドローラR2と、がそれぞれ配置される。抽出容器4及びドリップパン5の他側方(図示の例では右方)には、フィルタFの送り出し方向(図示の例では時計回り方向)に回転してフィルタFを送り出すモータ駆動式の送りローラR3と、送りローラR3に向けてフィルタFを押圧する従動ローラR4と、がそれぞれ配置される。送りローラR3の下方には、送りローラR3によって送り出された使用済みのフィルタFを回収する回収ボックスBが配置される。抽出容器4とドリップパン5との間に挟持されたフィルタFは、図2に示されるように、ドリップパン移動機構によってドリップパン5が下方に移動された後、送りローラR3によって送り出される。
ポンプ7は、ドリップパン5に接続された飲料供給路L2の途中に設けられている。ポンプ7は、抽出容器4において抽出されたコーヒー飲料をフィルタF及びドリップパン5を介して吸引し、吸引したコーヒー飲料を吐出して飲料供給路L2を通じてカップCへ供給する。ポンプ7は、ドリップパン5の内部の圧力を減圧させることで抽出容器4の内部のコーヒー飲料のドリップパン5へのドリップを促進(誘発)させ、ドリップパン5に受け入れられたコーヒー飲料を吸引してカップCに吐出(供給)する。
具体的には、ポンプ7は、チューブポンプからなる。ポンプ7は、中心にポンプ軸7aが挿通された環状のポンプケーシング7bを有する。ポンプケーシング7bの内部には、ポンプ軸7aに取り付けられた回転盤7cが回転可能に配置されている。また、ポンプケーシング7bの内壁と回転盤7cとの間には、飲料供給路L2の一部を構成するチューブが挿通されている。回転盤7cの外周であって、互いに周方向に等間隔に離間した複数位置(図示の例では3箇所)には、チューブを押圧するチューブローラ7dがそれぞれ配置されている。ポンプ7では、図示しないポンプモータによって回転盤7cが回転すると、各チューブローラ7dがチューブを押しつぶして閉塞しながら、その閉塞部分をチューブの長手方向に移動させる。したがって、ポンプ7は、互いに隣接する2つのチューブローラ7dの間でチューブ内に閉じ込められたコーヒー飲料又は空気を送り出すポンプ作用を発揮するチューブポンプからなる。回転盤7cを回転させるポンプモータは、回転方向を正回転方向Rと逆回転方向Lとに切り替え可能に構成されている。
ポンプ7は、正回転方向Rで作動することで、抽出容器4において抽出されたコーヒー飲料を吸引すると共に吸引したコーヒー飲料を吐出してカップCに供給する。正回転方向Rとはドリップパン5の内部を負圧状態にする回転方向であり、逆回転方向Lとはドリップパン5の内部を加圧状態にする回転方向である。
待機状態(初期状態)では、抽出容器4、ドリップパン5及び飲料供給路L2には、コーヒー飲料などの液体は残存しておらず、エアが充満しているだけであり、さらに、飲料供給路L2は停止しているポンプ7のチューブローラ7dによって塞がれている。そのため、抽出容器4で抽出された大半のコーヒー飲料は、ポンプ7が停止している状態では、フィルタFの上、つまり抽出容器4の内部に貯留されたままである。そして、抽出容器4において抽出されたコーヒー飲料のドリップパン5へのドリップは、ポンプ7の正回転方向Rでの作動により促進(誘発)される。
エア供給部8は、ドリップパン5及びフィルタFを介してエアを抽出容器4に供給する(噴出させる)。本実施形態において、ポンプ7は、正回転時に抽出容器4(ドリップパン5)のコーヒー飲料を吸引してカップCに吐出(供給)する運転と、逆回転時にドリップパン5にエアを供給し、ドリップパン5及びフィルタFを介して抽出容器4にエアを供給する運転とを選択的に切替えて運転可能に構成されている。したがって、ポンプ7は、逆回転方向Lで作動することで、ドリップパン5及びフィルタFを介してエアを抽出容器4に供給するエア供給部8としても機能することができる。つまり、本実施形態では、エア供給部8は、ポンプ7を逆回転方向Lで作動させることで実現されており、ポンプ7はエア供給部8としての機能も有している。
また、飲料供給装置1は、湯水及び原料が供給されている抽出容器4に、エアをドリップパン5及びフィルタFを介して供給する混合運転を実行可能に構成されている。この混合運転は、ポンプ7からの飲料吐出開始前に、抽出容器4における飲料の抽出を促進するために実行され、エア攪拌運転とも呼ばれる。具体的には、混合運転では、抽出容器の内部の湯水と原料との混合液が、フィルタFの上面から抽出容器4の内部に噴出されたエアによって攪拌される。その結果、原料が湯水の中で概ね均一に分散され、飲料の抽出が促進されるようになっている。この混合運転におけるエアは、エア供給部8(本実施形態ではポンプ7)により供給される。
バッファ部9は、飲料供給路L2の下流の端部に接続され、コーヒー飲料を所定量受け入れるバッファとして機能する。バッファ部9は、下方に向けて開口する有底円筒形をなし、上方に位置する大径部91と、大径部91の下方に位置する小径部92と、が一体化された部材である。大径部91の側面には、円筒状の内周面の接線方向からコーヒー飲料が流入する流入口が形成され、ここに飲料供給路L2の下流の端部が接続されている。また、小径部92は、下方に向かうにつれて縮径する漏斗状に形成され、その下端面に下方に向けて開口する飲料吐出口が形成されている。したがって、バッファ部9に流入されたコーヒー飲料は、その内周面に沿って旋回しながら下方へと流れ、その飲料吐出口からカップCへと吐出される。本実施形態では、エア供給部8(逆回転方向Lで作動しているポンプ7)は、バッファ部9の飲料吐出口からエアを取り込み(吸引し)、取り込んだ(吸引した)エアを、飲料供給路L2を通じてドリップパン5に導く(吐出する)。
流量計10は、飲料供給路L2を通じて流れるコーヒー飲料の流量、即ち、ドリップパン5からカップCへと供給されるコーヒー飲料の流量を計測し、その計測結果(計測値)に応じた計測信号を出力する。流量計10は、ドリップパン5とポンプ7との間に位置する飲料供給路L2に配置されている。流量計10の計測値は、単位時間当たりの流量又は積算流量である。流量計10の計測信号は、例えば、所定のサンプリング時間間隔で制御部11に入力される。
制御部11は、原料供給部2、水供給部3、ポンプ7及びエア供給部8の動作を含む装置全体の動作を制御する電子デバイスである。制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、不揮発性メモリ、揮発性メモリ、入出力回路などを内蔵したマイクロコンピュータから構成されている。具体的には、制御部11のプロセッサは、不揮発性メモリに格納されたアプリケーションプログラムを実行することで、流量計10の計測信号を含む各種の信号に応じて、原料供給部2の原料モータ22及びミル24、水供給部3の給湯電磁弁32、フィルタ送り機構6の送りローラR3、ポンプ7(エア供給部8)の動作などをそれぞれ電子制御する。
制御部11には、カップサイズに応じた所定の供給容量のコーヒー飲料の抽出に必要な所定容量(例えば、10g)のコーヒー粉末が原料供給部2から抽出容器4に供給されるのに必要な時間である原料投入時間Tcと、上記所定の供給容量のコーヒー飲料の抽出に必要な所定容量(例えば、150ml)の湯水が水供給部3から抽出容器4に供給されるのに必要な時間である抽出湯供給時間Twとがそれぞれ予め設定されている。
ところで、本願発明者は、飲料抽出を促進するための混合運転(エア攪拌運転)の際に、エアが噴出しない領域や、エア噴出量が他の部分よりも顕著に少ない領域が、繊維材からなるフィルタFの上面に存在し、フィルタFの上面からのエア噴出の均一性が良好でない場合があることに気づいた。エア噴出の不均一は混合運転におけるエア攪拌不足、ひいては、抽出容器4における飲料の抽出効率の低下や飲料の品質の低下(例えば、所望の濃度の飲料を抽出することができなくなるといった、飲料品質の低下)などを招くおそれがある。飲料供給装置1の制御部11は、エア攪拌不足の発生を確実に防止すべく以下の制御を実行する。
制御部11は、エア攪拌不足の発生を確実に防止すべく、混合運転の前であり且つ原料供給部2を作動させる前(つまり、原料供給運転の前)に、フィルタFに対するフィルタ初期濡らし運転(換言すると、フィルタ目通し運転、フィルタイニシャライズ運転、又は、フィルタ均し運転)を実行するように構成されている。混合運転は、前述のように、ポンプ7からの飲料吐出開始前に実行される。つまり、コーヒー飲料の供給指示を示す信号が制御部11に入力されると、制御部11は、最初にフィルタ初期濡らし運転を実行し、フィルタ初期濡らし運転の後に、原料供給運転を実行する。そして、制御部11は、原料供給運転の後に、混合運転を実行し、さらに、混合運転の後に、ポンプ7からのコーヒー飲料のカップCに向けた供給を開始するように構成されている。
制御部11は、フィルタ初期濡らし運転において、水供給部3を作動させて水を抽出容器4に供給すると共に、ポンプ7を所定時間作動させて抽出容器4の内部の水を吸引する。本実施形態では、制御部11は、水供給部3を第1の所定時間T1作動させて所定容量の水であるフィルタ濡らし水を抽出容器4に供給すると共に、ポンプ7を第2の所定時間T2作動させて抽出容器4の内部のフィルタ濡らし水を吸引することによって、フィルタFのうちの抽出容器4の底部開口4aに対応する部分の全体におけるフィルタ上面(抽出容器4側)からフィルタ下面(ドリップパン5側)までの全体を濡らす。このフィルタ初期濡らし運転により、フィルタ濡らし水が、フィルタ厚みFtの全体に亘ってフィルタFの繊維に浸透してフィルタFの全体に行き渡ると共にその一部がフィルタFを通過する。
本実施形態では、フィルタ濡らし水は、コーヒー飲料を抽出するための湯水(抽出用湯水)の一部としても利用され、外部へ排出されない。フィルタ濡らし水の容量は、上記所定の供給容量のコーヒー飲料の抽出に必要な所定容量(例えば、150ml)よりも少ない容量に設定されている。したがって、第1の所定時間T1は抽出湯供給時間Twよりも短い時間に設定されている。また、フィルタ濡らし水の容量は、フィルタFをフィルタ厚みFtの全体に亘って濡らすのに必要な容量よりも多い容量であればよい。
本実施形態では、フィルタ濡らし水の容量は、上記所定の供給容量のコーヒー飲料の抽出に必要な所定容量(例えば、150ml)よりも小さく、且つ、ドリップパン5の内部容積よりも大きい容量に設定されている。本実施形態では、第2の所定時間T2は、フィルタ濡らし水を少なくともフィルタFの内部及びドリップパン5の内部に充満させるのに必要な時間に設定されている。図3では、吸引のための第2の所定時間T2は、供給のための第1の所定時間T1よりも短い値に設定されている。但し、例えば、ポンプ7による単位時間当たりの吸引流量が水供給部3による単位時間当たりの供給流量よりも小さい場合には、第2の所定時間T2は第1の所定時間T1より長い値に設定される。
より具体的には、本実施形態では、フィルタ濡らし水の容量は、フィルタ濡らし水の一部が抽出容器4に残存しつつ、フィルタ濡らし水の残りがフィルタFの内部、ドリップパン5の内部、及び、飲料供給路L2におけるドリップパン5からポンプ7の近傍までの部分に充満し得る、容量に設定されている。そして、本実施形態では、第2の所定時間T2は、フィルタ初期濡らし運転において、ポンプ7により吸引したフィルタ濡らし水がポンプ7を超えてカップC側に吐出しないように設定されている。
本実施形態では、ポンプ7は、正回転方向で作動することで抽出容器4の内部のフィルタ濡らし水を吸引する。ポンプ7が正回転方向R(負圧方向)で第2の所定時間T2作動すると、抽出容器4のフィルタ濡らし水は、フィルタF、ドリップパン5、飲料吸引ポート5b及び飲料供給路L2を通じて流れ、ポンプ7の近傍まで到達する。このとき、フィルタ濡らし水の一部が抽出容器4に残存しつつ、フィルタ濡らし水の残りがフィルタFの内部、ドリップパン5の内部、及び、飲料供給路L2におけるドリップパン5からポンプ7の近傍までの部分に充満している。特に限定されるものではないが、本実施形態では、ポンプ7によるフィルタ濡らし水の吸引動作は、例えば、水供給部3によるフィルタ濡らし水の供給動作の開始と同時に開始される。
制御部11は、フィルタ初期濡らし運転において、ポンプ7により吸引したフィルタ濡らし水の一部を、ポンプ7を逆回転方向Lで作動させることにより抽出容器4に戻すように構成されている。
また、本実施形態では、流量計10の計測値は、ポンプ7によるカップCへのコーヒー飲料の供給運転(以下、適宜に、「飲料供給運転」という)が完了したか否かを判定するために用いられる。制御部11は、例えば、計測値が所定の閾値より小さい場合に、ポンプ7によるカップCへの飲料の供給運転を終了させる。
次に、制御部11による飲料供給装置1の動作の制御について、図1から図3を参照して説明する。なお、フィルタFは、繊維密度の高い部分(密な部分)と繊維密度の低い部分(粗い部分)とを有しており、フィルタFの繊維密度のばらつきが比較的大きいものとする。
図3は、コーヒー飲料の供給指示があったことを契機として、制御部11がアプリケーションプログラムに従って実行する飲料供給処理の一例のタイムチャートを示している。
まず、待機時には、ドリップパン5は、図2に示されるように、下位置にあり、抽出容器4と離間した状態にある。ここで、コーヒー飲料の供給指示を示す信号が制御部11に入力されると、制御部11は、図1に示されるように、動作開始信号をドリップパン移動機構に出力してドリップパン5を上位置に移動させ、フィルタFをドリップパン5と抽出容器4との間に挟持させる。この状態(初期状態)で、湯水及びコーヒー飲料は、抽出容器4、ドリップパン5及び飲料供給路L2に残存していない。そして、制御部11は、原料供給部2(原料モータ22及びミル24)を作動させる前(つまり、混合運転の前であり且つ原料供給運転の前)に、フィルタ初期濡らし運転を実行する。
図3に示されるように、制御部11は、フィルタ初期濡らし運転において、例えば、給湯電磁弁32を開弁させるのと同時に、ポンプ7を正回転方向Rで作動させる。制御部11は、給湯電磁弁32を開弁させた後、第1の所定時間T1が経過したときに給湯電磁弁32を閉弁させ、ポンプ7を作動させた後、第2の所定時間T2が経過したときにポンプ7を停止させる。これにより、第1の所定時間T1に応じた容量のフィルタ濡らし水が抽出容器4に供給され、抽出容器4に供給されたフィルタ濡らし水がポンプ7により吸引される。つまり、ポンプ7は、初期状態からの正回転時には、ドリップパン5の内部の空気を吸い込んでドリップパン5の内部の圧力を減圧させる。これにより、ドリップパン5の内部が大気圧より低い負圧状態になり、抽出容器4の内部のフィルタ濡らし水がフィルタFを通過してポンプ7に向かって流れる。そして、本実施形態では、第2の所定時間T2経過後には、フィルタ濡らし水の一部が抽出容器4に残存し、フィルタ濡らし水の残りがフィルタFの内部、ドリップパン5の内部、及び、飲料供給路L2におけるドリップパン5からポンプ7の近傍までの部分に充満する。このとき、フィルタFのうちの抽出容器4の底部開口4aに対応する部分の全体におけるフィルタ上面(抽出容器4側)からフィルタ下面(ドリップパン5側)までの全体が濡らされ、フィルタ濡らし水がフィルタ厚みFtの全体に亘ってフィルタFの繊維に浸透してフィルタFの全体に行き渡ると共にその一部がフィルタFを通過する。
そして、制御部11は、給湯電磁弁32を閉弁させた後、所定時間経過後に、ポンプ7を所定時間の間、逆回転方向Lで作動させる。具体的には、ポンプ7は、逆回転時には、飲料供給路L2の下流側開口からエアを吸い込み、吸い込んだエアをポンプ7からドリップパン5に向けて圧送する。これにより、ドリップパン5の内部のフィルタ濡らし水の一部がフィルタFを通じて抽出容器4に戻り(逆流し)、フィルタ初期濡らし運転が完了する。このとき、例えば、飲料供給路L2におけるドリップパン5からポンプ7の近傍までの部分に充満していたフィルタ濡らし水の大半はドリップパン5の内部に逆流していると共に、ドリップパン5の内部及びフィルタFの内部には、フィルタ濡らし水が充満している。
フィルタ初期濡らし運転が完了すると、制御部11は、給湯電磁弁32を開弁させると同時に原料モータ22及びミル24を起動(ON)させる。これにより、タンク31の湯水が抽出容器4に供給されると同時に、キャニスタ21のコーヒー豆がミル24に供給されて粉砕され、粉砕されたコーヒー粉末が抽出容器4に投下される。そして、コーヒー粉末と湯水とが、抽出容器4のフィルタFの上で混合する。ここで、制御部11は、原料モータ22及びミル24の駆動モータに動作開始信号を出力後、原料投入時間Tcが経過したときに、原料モータ22及びミル24の駆動モータを停止(OFF)させる。これにより、適切な容量のコーヒー粉末が抽出容器4に供給される。一方、制御部11は、給湯電磁弁32を開弁させた後、上記所定の供給容量のコーヒー飲料の抽出に必要な残りの容量(例えば、150ml-フィルタ濡らし水の容量)の湯水(残りの抽出用湯水)の供給に要する時間(=Tw-T1)が経過したときに、給湯電磁弁32を閉弁させる。
そして、制御部11は、原料供給後で且つポンプ7からの飲料吐出開始前に、抽出容器4における飲料の抽出を促進するための混合運転を実行する。具体的には、制御部11は、原料モータ22及びミル24の駆動モータを停止(OFF)させた後(本実施形態では、換言すると、給湯電磁弁32を閉弁させた後)、所定時間経過後に、ポンプ7を逆回転方向Lで再度作動させ、ドリップパン5及びフィルタFを介してエアを抽出容器4に供給する、混合運転を開始させる。このとき、ポンプ7は飲料供給路L2の下流側開口から更にエアを吸い込み、吸い込んだエアがドリップパン5の内部まで到達し、ドリップパン5の内部の圧力が増圧して、ドリップパン5の内部が加圧状態になる。その結果、ドリップパン5の内部のフィルタ濡らし水(兼抽出用湯水の一部)の大半が抽出容器4の内部に逆流しつつ、ポンプ7からのエアがフィルタFのフィルタ上面の全体から均一に抽出容器4の内部に噴出し始める(後述する図4の右図参照)。これにより、抽出容器4のコーヒー粉末と湯水とが十分に撹拌混合される。この混合運転により、コーヒー粉末と湯水との混合が促進され、コーヒー飲料の抽出が促進される。制御部11は、予め定めた時間T3の間、ポンプ7(エア供給部8)による混合運転を継続させ、この時間T3が経過したときに、ポンプ7を停止させて混合運転を停止させる。
さらに、制御部11は、例えば、ポンプ7による混合運転を停止させてから予め定めた時間経過したタイミングで、ポンプ7を正回転方向Rで作動させ、ポンプ7による飲料供給運転を開始させる。これにより、ドリップパン5の内部が大気圧より低い負圧状態になり、抽出容器4の内部の混合液のうち、コーヒー粉末はフィルタFで捕獲され、コーヒー飲料のみがフィルタFで濾過されてドリップパン5にドリップされる。ドリップしたコーヒー飲料は、ポンプ7に吸い込まれ、ポンプ7から吐出され(飲料吐出開始)、バッファ部9へ圧送される。バッファ部9へ圧送されたコーヒー飲料は、バッファ部9から流出してカップCに注がれる。
そして、制御部11は流量計10の計測値に基づいてポンプ7を停止させ、上記所定の供給容量のコーヒー飲料のカップCへの供給を完了させ、飲料供給運転が終了する。具体的には、抽出容器4により抽出されたコーヒー飲料の全量がポンプ7によって吸引されカップCに供給されると(飲料供給完了)、流量計10の計測値は急激に低下する(又はゼロになる)。その結果、流量計10の計測値は急激に所定の閾値より小さくなり、制御部11は、計測値が閾値より低いと判定し、ポンプ7を停止させる。その後、制御部11はドリップパン移動機構によりドリップパン5を下位置に移動させる。これにより、飲料供給装置1は待機状態になる。
次に、飲料供給装置1におけるフィルタ初期濡らし運転による効果について、図3及び図4を参照して説明する。
図4はフィルタ初期濡らし運転の効果を説明するための説明図である。図4の左図は、フィルタ初期濡らし運転を実行しなかった場合における混合運転中のフィルタ上面からのエア噴出状況の一例を示し、図4の右図は、フィルタ初期濡らし運転を実行した場合における混合運転中のフィルタ上面からのエア噴出状況の一例を示している。図4の左図を参照すると、フィルタ初期濡らし運転を実行しなかった場合、混合運転の際に、エアが噴出しない領域や、エア噴出量が他の部分よりも顕著に少ない領域などが、フィルタ上面に存在し、フィルタ上面からのエア噴出の均一性が良好ではない。
これに対し、図4の右図を参照すると、フィルタ初期濡らし運転を実行した場合、混合運転の際に、エアがフィルタ上面の全体から概ね均一に噴出する。つまり、フィルタ初期濡らし運転が実行されることにより、混合運転の前に、フィルタ濡らし水(本実施形態では、抽出用湯水の一部)がフィルタFのうちの抽出容器4の底部開口4aに対応する部分の全体を通過することで、フィルタFにおけるエアに対する通過抵抗がフィルタFの全体に亘って概ね均一になり、その結果、混合運転の際に、エアが概ね均一に噴出するようになっている。
以上のように、本実施形態による飲料供給装置1によれば、混合運転の際に、エアをフィルタFの上面の全体から概ね均一に噴出させ、エア攪拌不足の発生が確実に防止される。その結果、抽出容器4における原料と湯水が十分に攪拌され、コーヒー飲料の抽出が効果的に促進され、コーヒー飲料の抽出効率が従来よりも向上する。また、十分なエア攪拌が混合運転によりなされることで、コーヒー飲料の品質(味)の安定化も図られる。
本実施形態では、エア供給部8はポンプ7を逆回転方向で作動させることで実現される。これにより、飲料供給装置1は、部品コストの増大を抑制しつつ、混合運転を実行することができる。
本実施形態では、制御部11は、フィルタ初期濡らし運転において、ポンプ7により吸引したフィルタ濡らし水の一部を、ポンプ7を逆回転方向で作動させることにより抽出容器4に戻すように構成されている。これにより、フィルタFのうちの抽出容器4の底部開口4aに対応する部分の全体がより確実にフィルタ上面からフィルタ下面の全体に亘って濡れると共にこの部分に対する通水がより確実になされることになり、エア噴出の均一性が顕著に向上し、ひいては、抽出効率の更なる向上が図られる。また、本実施形態では、フィルタ濡らし水(フィルタ浸透水)は、コーヒー飲料を抽出するための湯水の一部としても利用されているので、フィルタ濡らし水が有効利用される。
本実施形態では、吸引のための第2の所定時間T2は、フィルタ初期濡らし運転において、ポンプ7により吸引したフィルタ濡らし水がポンプ7を超えてカップC側に吐出しないように設定されている。これにより、フィルタ濡らし水がカップCに供給されることが確実に阻止され、狙いの味のコーヒー飲料の供給が容易になされ得る。
図5、図6、図7は、それぞれ、飲料供給装置1の動作の他の例を説明するタイミングチャートである。本実施形態では、制御部11は残りの抽出用湯水の供給開始と同時に原料の供給を開始させているが、これに限らず、図5、図6、図7に示されるように、制御部11は湯水(残りの抽出用湯水)の供給完了後に原料の供給を開始させてもよい。
また、図3及び図5では、フィルタ初期濡らし運転において、制御部11はフィルタ濡らし水の供給開始(給湯電磁弁32:開弁)と同時にポンプ7を正回転方向Rで第2の所定時間T2作動させているが、これに限らない。制御部11は、(1)フィルタ濡らし水の供給開始前からポンプ7を正回転方向Rで作動させてもよいし(図示省略)、(2)フィルタ濡らし水の供給完了後で且つ原料の供給開始前においてポンプ7を正回転方向Rで作動させてもよい(例えば、図6、図7参照)。また、制御部11は、フィルタ初期濡らし運転において、ポンプ7を逆回転方向Lで作動させなくてもよい。
図6や図7に示されるように(上記(2)のように)、フィルタ初期濡らし運転において、フィルタ濡らし水の供給完了後に、ポンプ7が正回転方向Rで作動されることにより(換言すると、給湯電磁弁32の開弁からポンプ7の作動までの間に、タイムラグ時間(ディレイ時間)が設けられることにより)、抽出容器4の内部の供給されたフィルタ濡らし水がフィルタFのうちの抽出容器4の底部開口4aに対応する部分の全体により確実に行き渡る。その結果、フィルタFの上面からのエア噴出の均一性が更に顕著に向上する。なお、図6及び図7では、第1の所定時間T1が上記タイムラグ時間に相当する。
また、図3(本実施形態)及び図5及び図6では、制御部11は、フィルタ濡らし水と抽出用湯水とを区別すべく、給湯電磁弁32を開弁させた後、第1の所定時間T1が経過したときに給湯電磁弁32を閉弁させているが、これに限らない。例えば、図7に示されるように、制御部11は、給湯電磁弁32を開弁させた後、抽出湯供給時間Twが経過したときに給湯電磁弁32を閉弁させ、前述した所定の供給容量のコーヒー飲料の抽出に必要な容量(例えば、150mlの容量)の湯水の供給に要する時間(=Tw-T1)が経過したときに、給湯電磁弁32を閉弁させてもよい。
また、フィルタ濡らし水は、図8及び図9に示されるように、カップC外に排出されてもよい。この場合、フィルタ濡らし水はコーヒー飲料を抽出するための湯水(抽出用湯水)の一部として利用されず、抽出用湯水はフィルタ濡らし水とは別に抽出容器4に供給される。そして、図8に示されるように、飲料供給装置1は、フィルタ濡らし水を排出するための排出路L2aと、電磁駆動式の切替弁12と、排出タンク13と、を更に含む。排出路L2aは、飲料供給路L2におけるポンプ7とカップCとの間に位置する分岐点Xから分岐する配管である。切替弁12は、ポンプ7から吐出される流体の吐出先を、カップCと排出路L2aとの間で切り替える電磁弁である。切替弁12は、例えば、分岐点Xに設けられる3方弁である。排出路L2aは、分岐点Xから排出タンク13まで延在している。そして、制御部11は、フィルタ初期濡らし運転において、切替弁12を作動させてポンプ7により吸引したフィルタ濡らし水の吐出先を、排出路L2aに切り替えるように構成されている。
具体的には、図9に示されるように、フィルタ初期濡らし運転において、制御部11は、例えば、給湯電磁弁32を第1の所定時間T1開弁させてフィルタ濡らし水を抽出容器4に供給し、ポンプ7を正回転方向Rで第2の所定時間T2作動させてフィルタ濡らし水を吸引させ、切替弁12を開弁方向に作動させてフィルタ濡らし水の吐出先を排出路L2aに切り替える。この場合、第2の所定時間T2は、フィルタ濡らし水の全量をカップC外(ここでは排出タンク13)に排出可能な長さに設定される。図9の例では、ポンプ7は給湯電磁弁32の開弁と同時に正回転方向Rで作動している。そして、制御部11は、フィルタ濡らし水の排出が完了した後に、抽出容器4への抽出用湯水及び原料の供給を開始させる。なお、図9の例において、制御部11は抽出用湯水の供給完了後に原料の供給を開始させてもよい。さらに、図9の例のフィルタ初期濡らし運転において、制御部11は、(1)フィルタ濡らし水の供給開始前からポンプ7を正回転方向Rで作動させてもよいし、(2)フィルタ濡らし水の供給完了後で且つ抽出用湯水及び原料の供給開始前においてポンプ7を正回転方向Rで作動させてもよい。なお、フィルタ濡らし水の排出は、切替弁12に限らず、他の構造により行われてもよい。例えば、飲料吐出口(図8では、バッファ部9の小径部92の下端面に形成された飲料吐出口)がカップCの上方の位置と排出先(図8では、排出タンク13)の上方の位置との間で移動できるように構成されてもよいし、一端にノズルを有するシリコンチューブの他端が飲料供給口(バッファ部9の小径部92の下端面に形成された飲料吐出口)に接続され、通常時には、前記ノズルがカップCの上方に配置され、排出時には、前記ノズルが排出先の上方に移動されることで、フィルタ濡らし水の排出がなされ得るように構成されてもよい。
ここで、フィルタ濡らし水が抽出用湯水の一部として利用される場合であっても、フィルタ濡らし水の一部は抽出容器4に戻されずにドリップパン5に残り、原料と混合されず、飲料の抽出に寄与しないおそれがある。この点、フィルタ濡らし水の全量が排出され、抽出用湯水がフィルタ濡らし水とは別に抽出容器4に供給されることで、狙いの味のコーヒー飲料の供給がより容易になされ得る。
また、図10に示されるように、エア供給部8は、ポンプ7とは別に設けられてもよい。具体的には、エア供給部8は、飲料供給路L2とは別に設けられたエア供給路L3を介してドリップパン5にエアを供給する。エア供給路L3の一端はエア供給部8に接続され、エア供給路L3の他端はドリップパン5に接続されている。そして、ドリップパン5は、例えば、飲料供給路L2が接続される飲料吸引ポート5bと、エア供給路L3が接続されるエア吐出ポート5cと、飲料吸引ポート5bの上方に設けられる蓋板5d1を有しエア吐出ポート5cから飲料吸引ポート5bへのエアの流入(逆流)を抑制するカバー部5dとを含む。
図10の例では、制御部11は、フィルタ初期濡らし運転において、ポンプ7により吸引したフィルタ濡らし水の一部を抽出容器4に戻す場合には、ポンプ7を逆回転方向Lで作動させる代わりに、エア供給部8を作動させるように構成されてもよい。また、制御部11は、エア供給部8を作動させることで、混合運転を実行するように構成されてもよい。これらの場合、ポンプ7の総動作時間が低減され、逆回転方向の動作が低減又は無くなり、モータ及びチューブへの負荷が低減され、ひいては、チューブポンプからなるポンプ7の高寿命化が図られる。
また、本実施形態では、抽出容器4に供給される水は湯水であるが、これに限らず、冷水でもよい。
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は上述の実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて更なる変形や変更が可能であることはもちろんである。
1…飲料供給装置、2…原料供給部、3…水供給部、4…抽出容器、4a…底部開口、5…ドリップパン、7…ポンプ(チューブポンプ)、8…エア供給部、11…制御部、12…切替弁、C…カップ、F…フィルタ、L2…飲料供給路、L2a…排出路、T2…第2の所定時間(所定時間)、X…分岐点

Claims (6)

  1. 水及び原料を用いて飲料を抽出する抽出容器と、
    前記抽出容器に原料を供給する原料供給部と、
    前記抽出容器に水を供給する水供給部と、
    前記抽出容器の底部開口を塞ぐように配置されると共に前記抽出容器において抽出された飲料を濾過するフィルタと、
    前記フィルタを通過した飲料を受け入れるドリップパンと、
    前記ドリップパンに接続された飲料供給路に設けられ、前記抽出容器において抽出された飲料を前記フィルタ及び前記ドリップパンを介して吸引し、吸引した飲料を吐出してカップへ供給するポンプと、
    を含み、水及び原料が供給されている前記抽出容器に、エアを前記ドリップパン及び前記フィルタを介して供給する混合運転を実行可能な飲料供給装置であって、
    前記ドリップパン及び前記フィルタを介してエアを前記抽出容器に供給するエア供給部と、
    前記水供給部、前記原料供給部、前記ポンプ及び前記エア供給部の動作を制御する制御部と、
    を含み、
    前記フィルタは、複数の繊維を絡み合わせて形成され、
    前記制御部は、
    前記混合運転の前であり且つ前記原料供給部を作動させる前に、前記水供給部を作動させて水を前記抽出容器に供給すると共に、前記ポンプを所定時間作動させて前記抽出容器の内部の水を吸引するフィルタ初期濡らし運転を実行するように構成されている、飲料供給装置。
  2. 前記ポンプは、正回転方向で作動することで前記抽出容器の内部の水を吸引し、
    前記制御部は、前記フィルタ初期濡らし運転において、前記ポンプにより吸引した水の一部を、前記ポンプを逆回転方向で作動させることにより前記抽出容器に戻すように構成されている、請求項1に記載の飲料供給装置。
  3. 前記所定時間は、前記フィルタ初期濡らし運転において、前記ポンプにより吸引した水が前記ポンプを超えてカップ側に吐出しないように設定されている、請求項1に記載の飲料供給装置。
  4. 前記飲料供給路における前記ポンプと前記カップとの間に位置する分岐点から分岐する排出路と、
    前記ポンプから吐出される流体の吐出先を、前記カップと前記排出路との間で切り替える切替弁と、
    を更に含み、
    前記制御部は、前記フィルタ初期濡らし運転において、前記切替弁を作動させて前記ポンプにより吸引した水の吐出先を、前記排出路に切り替えるように構成されている、請求項1に記載の飲料供給装置。
  5. 前記エア供給部は、前記ポンプとは別に設けられている、請求項1から4のいずれか一つに記載の飲料供給装置。
  6. 前記エア供給部は、前記ポンプを逆回転方向で作動させることで実現される、請求項1から4のいずれか一つに記載の飲料供給装置。
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