JP2024021540A - 高周波電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数段の電力増幅器で電力増幅した複数のアンプ出力の電力を電力合成する高周波電源装置において、各電力増幅器のアンプ出力の電力差によって生じる電源効率の低下を抑制する。【解決手段】本発明の高周波電源装置は、複数段の電力増幅器のアンプ出力を電力合成して得られる合成出力の出力レベルを制御する制御部において、(a)各アンプ出力の出力レベルを定めるアンプ出力基準値prefを定め、(b)各アンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力基準値prefとを比較し、(c)各電力増幅器の各アンプ出力の出力レベルを制御する操作量MVを電力増幅器毎に設定し、(d)設定した各操作量MVに基づいて各電力増幅器の各アンプ出力の出力レベルを制御する。を出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、複数段の電力増幅器から構成される電力増幅部と電力合成部とを備えた高周波電源装置に関し、高周波信号を複数の電力増幅器に分配し、各電力増幅器で電力増幅した各アンプ出力を電力合成部で電力合成して合成出力を出力する高周波電源装置に関する。
並列構成した複数段の電力増幅器により電力増幅部を構成し、各段の電力増幅器から得られるアンプ出力を電力合成部で電力合成して合成出力を出力する高周波電源装置が知られている。このような高周波電源装置において、各段の電力増幅器としてAB級増幅器を用いたリニアアンプ式高周波電源装置(特許文献1参照)、あるいはD級増幅器を用いたスイッチングアンプ式高周波電源装置(特許文献2参照)が知られている。
リニアアンプ式高周波電源装置は、並列構成される複数段の電力増幅器において、各段の電力増幅器で増幅される出力電力は、電力増幅器で使われる半導体素子(MOSFET、バイポーラトランジスタ)の特性バラツキや電力増幅器の周辺増幅回路で使用される回路部品のバラツキにより変動する。例えば、ある段の電力増幅器の出力電力を1000W(60dBm)としたとき、その電力増幅器の増幅度に最大±1.5dBの変動がある場合には、-1.5dB時の出力電力は708W(58.5dBm)となり、+1.5dB時の出力電力は1412W(61.5dBm)となる。そのため、基準電力の1000Wに対して上下でそれぞれ最大約300Wの電力差の電力変動が生じる。
電力増幅器の出力電力の変動に対して、特許文献1には2つの電力増幅器の出力電力の出力レベルを比較して最適出力レベルを設定し、最適出力レベル電力増幅器が備える可変減衰器の制御電圧を調整し、電力合成部の損失が最小となるように可変減衰器の減衰量を制御することが記載されている。
また、特許文献2には、電力増幅部を並列接続した2つの電力増幅器により構成し、2つの電力増幅器のそれぞれの位相を急変負荷に対して変化させることにより高調波出力を変化させることが記載されている。
特開2001-237651号公報 特開2021-106462号公報
高周波電源装置の合成出力は、複数段の電力増幅器のアンプ出力を電力合成することにより得られる。一方、各電力増幅器の電源効率は、それぞれの電力増幅器を構成する半導体素子の特性に応じた出力電力によって変化する。
各段の電力増幅器が備える半導体素子や回路部品のバラツキにより出力電力に差が生じると、この出力電力/電源効率特性により各段の電力増幅器の電源効率が変化し、各段の電力増幅器間の電源効率に差が生じる。このように、各段の電力増幅器間の電源効率が不均等になると、各アンプ出力を電力合成する際に各電力増幅器を最適な電源効率で駆動することができなくなる。このことから、高周波電源装置の全体の電源効率は低下する。
前記した従来技術において、特許文献1は、高周波電源装置の出力電力の変動に対して2つの電力増幅器の出力レベルを比較し、電力合成器の損失を最小とするように各電力増幅器の減衰量を制御するものである。しかしながら、特許文献1には、高周波電源装置の各電力増幅器の電源効率の課題、及びこの課題を解決する手段は開示されていない。
また、特許文献2は、急変負荷に対して2つの電力増幅器の位相を変化させ、負荷急変時において高周波電源装置の回路部品や負荷装置に生じる電気的ストレスを、電源装置を大型化することなく低減するものである。しかしながら、特許文献2には、高周波電源装置の各電力増幅器の電源効率の課題、及びこの課題を解決する手段は開示されていない。
本発明は上記した従来の課題を解決して、複数段の電力増幅器で電力増幅した複数のアンプ出力の電力を電力合成する高周波電源装置において、各電力増幅器のアンプ出力の電力差によって生じる高周波電源装置の電源効率の低下を抑制することを目的とする。
(A)高周波電源装置
A1:構成
本発明の高周波電源装置は、複数段の電力増幅器が並列構成された電力増幅部と、
各電力増幅器に高周波信号を分配する分配部と、
各電力増幅器で電力増幅された複数のアンプ出力を電力合成し、得られた合成出力を出力する電力合成部と、を備え、フィードバック値を検出する検出器及び出力レベルを制御する制御部を備える。
本発明は、検出器として、電力増幅器のアンプ出力フィードバック値pfbを検出するアンプ出力検出部と、合成出力フィードバック値PFBを検出する合成出力検出部とを備える。合成出力検出部は、電力合成部と出力端との間に接続され、出力端から負荷に向かう進行波電力と出力端から電力合成部に向かう反射波電力とを分離し、進行波電力から合成出力フィードバック値PFBを検出する。合成出力検出部は例えば方向性結合器を用いることができる。
本発明の制御部は、
(a)合成出力指令値Pcom又は合成出力フィードバック値PFBに基づいて、各アンプ出力の出力レベルを定めるアンプ出力基準値pref(アンプ出力指令値pcom又はアンプ出力換算値pFB)を定め、
(b)アンプ出力検出部で検出されたアンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力基準値pref(アンプ出力指令値pcom、アンプ出力換算値pFB)とを比較し、
(c)各電力増幅器の各アンプ出力の出力レベルを制御する操作量MVを電力増幅器毎に設定し、
(d)設定した各操作量MVに基づいて各電力増幅器の各アンプ出力の出力レベルを制御する。
なお、“P”は合成出力を表し、“p”はアンプ出力を表している。符号P、pに続けて記載される各文字列において、“com”は指令値を表し、“ref”は基準値を表し、“FB”は合成出力のフィードバックを表し、“fb”はアンプ出力のフィードバックをそれぞれ表している。
合成出力指令値Pcomは、電力合成部の合成出力の目標値を定める指令値である。
アンプ出力フィードバック値pfbは、各電力増幅器のアンプ出力の電力値であり、アンプ出力検出部で検出される。
合成出力フィードバック値PFBは、電力合成部の合成出力の電力値であり、合成出力検出部で検出される。
アンプ出力基準値prefは、アンプ出力の出力レベルを定める基準値であり、この基準値としてアンプ出力指令値pcom、又はアンプ出力換算値pFBを用いることができる。
アンプ出力指令値pcomは各電力増幅器に定められる一つの電力増幅器当たりの出力指令値であり、電力増幅器の段数である個数N、及び電力増幅器の出力電力/電源効率特性に基づいて合成出力指令値Pcomを按分することで算出される。
アンプ出力換算値pFBは電力増幅器毎に定められるアンプ出力であり、電力増幅器の段数である個数N、及び電力増幅器の出力電力/電源効率特性に基づいて、合成出力フィードバック値PFBを按分することで算出される。
本発明は、電力増幅器のアンプ出力の出力レベルを制御する操作量MVの設定において、各電力増幅器のアンプ出力に対して合成出力の出力レベルを定める合成出力指令値Pcom、又は合成出力フィードバック値PFBに基づいて、アンプ出力の出力レベルを定めるアンプ出力基準値pref(アンプ出力指令値pcomあるいはアンプ出力換算値pFB)を定め(a)、このアンプ出力基準値pref(アンプ出力指令値pcom又はアンプ出力換算値pFB)を各アンプ出力の出力レベルを制御するための基準とし、アンプ出力フィードバック値pfbと比較する(b)ことによって、各電力増幅器を制御する操作量MVを設定するための基準値を安定したものとし、出力レベルの制御を安定化させる。
従来装置の制御では、各アンプ出力のフィードバック値同士を比較し、このフィードバック値間の相対的な比較により操作量MVを設定している。そのため、何れのフィードバック値が正常であるかの特定が困難であるため、操作量MVを設定するための基準が不安定である。これに対して、本発明では、合成出力指令値Pcom、又は合成出力フィードバック値PFBに基づいて、各電力増幅器についてアンプ出力基準値pref(アンプ出力指令値pcom又はアンプ出力換算値pFB)を定め、これらのアンプ出力基準値pref(アンプ出力指令値pcom又はアンプ出力換算値pFB)を基準値として、各アンプ出力フィードバック値pfbとを比較するため、各アンプ出力の各フィードバック値に依存することなく操作量MVを設定することができる。
従来の高周波電源装置は、一段の電力増幅器に故障が発生し出力できない場合には、機器が全体的に運転停止となるおそれがある。これに対して、本発明の高周波電源装置は一段の電力増幅器が故障して出力できない場合であっても、自動的に他段の電力増幅器の出力バランスを最適化することにより運転を継続することができる。
A2:操作量MVの設定
操作量MVの設定において、アンプ出力フィードバック値pfbとの比較に用いる基準値として用いる各電力増幅器のアンプ出力基準値pref(アンプ出力指令値pcom又はアンプ出力換算値pFB)は、合成出力指令値Pcomに基づく設定態様(A2-a)、又は合成出力フィードバック値PFBに基づく設定態様(A2-b)により得ることができる。
A2-a:合成出力指令値Pcomに基づく操作量MVの設定態様
この設定形態は、合成出力指令値Pcomに基づいて、各電力増幅器の操作量MVとしてアンプ出力指令値pcomを設定する。
制御部は、合成出力の出力レベルを定める合成出力指令値Pcomと、電力増幅器の個数N、及び各電力増幅器の出力電力/電源効率特性とに基づいて、各電力増幅器のアンプ出力指令値pcomを定める。また、制御部は、各アンプ出力検出部で検出されたアンプ出力フィードバック値pfbがアンプ出力指令値pcomになるように制御する操作量MVを設定し、設定した操作量MVに基づいて電力増幅器のゲインを制御する。なお、電力増幅器の個数Nは2以上の整数であり、段数に相当する。
この操作量MVの設定として、各電力増幅器の出力を均等な出力レベルとする設定態様(a1)、各電力増幅器の出力を個別の出力レベルとする設定態様(a2)がある。
(a1)均等な出力レベルとする設定態様
この設定態様では、各電力増幅器は等しい出力電力/電源効率特性を備え、各電力増幅器の電源効率が同一となるように各出力電力を設定する。
制御部は、合成出力指令値Pcomを電力増幅器の個数Nで除算して(合成出力指令値Pcom/個数N:(Pcom/N))を算出し、この算出値を各電力増幅器の操作量MVであるアンプ出力指令値pcomとして定める。
合成出力指令値/個数(Pcom/N)のアンプ出力指令値pcomは、各電力増幅器に対して均等な指令値となり、アンプ出力は均等出力となる。各電力増幅器の出力電力/電源効率特性は等しいため、出力電力を均等出力とすることにより各電力増幅器の電源効率は等しくなり、全体の電源効率は向上する。
(a2)個別の出力レベルとする制御態様
この設定態様において、各電力増幅器はそれぞれ固有の出力電力/電源効率特性を備える。制御部は、電力増幅器の各固有の出力電力/電源効率特性において、同一の電源効率に対して定まる各出力電力値を各電力増幅器の操作量MVとして、アンプ出力指令値pcomを定める。このアンプ出力指令値pcomの設定において、各アンプ出力指令値pcomの総和が合成出力指令値Pcomとなるように定める。アンプ出力指令値pcomをその総和が合成出力指令値Pcomとなるように定めるという制限をかけることにより、合成出力の出力レベルの変動は抑制される。
A2-b: 合成出力フィードバック値PFBに基づく操作量MVの設定態様
この設定形態では、合成出力フィードバック値PFBに基づいて、各電力増幅器の操作量MVとしてアンプ出力換算値pFBを設定する。
制御部は、電力合成部の合成出力フィードバック値PFBと、電力増幅器の個数N、及び各電力増幅器の出力電力/電源効率特性とに基づいて、各電力増幅器のアンプ出力換算値pFBを定める。制御部は、各アンプ出力検出部で検出されたアンプ出力フィードバック値pfbがアンプ出力換算値pFBになるように制御する操作量MVを設定し、操作量MVに基づいて電力増幅器のゲインを制御する。アンプ出力換算値pFBは、各電力増幅器に定められるアンプ出力であり、電力増幅器の個数N、及び電力増幅器の出力電力/電源効率特性に基づいて、合成出力フィードバック値PFBを按分することで算出される。
合成出力フィードバック値PFBに基づく設定においても、操作量MVの設定として、各電力増幅器の出力を均等な出力レベルとする設定態様(b1)、各電力増幅器の出力を個別の出力レベルとする設定態様(b2)がある。
(b1)均等な出力レベルの設定態様
この設定態様では、各電力増幅器は等しい出力電力/電源効率特性を備え、各電力増幅器の電源効率が同一となるように各出力電力を設定する。
制御部は、合成出力フィードバック値PFBを電力増幅器の個数Nで除算して得られる(合成出力フィードバック値PFB/電力増幅器の個数N:(PFB/N))の均等出力を算出し、この算出値を各電力増幅器の操作量MVであるアンプ出力換算値pFBとして定める。各電力増幅器の出力電力/電源効率特性は等しいため、出力電力を均等出力とすることにより各電力増幅器の電源効率は等しくなり、全体の電源効率は向上する。
(b2)個別の出力レベルの制御態様
この設定態様では、各電力増幅器はそれぞれ固有の出力電力/電源効率特性を備える。
制御部は、電力増幅器の各固有の出力電力/電源効率特性において、同一の電源効率となる各電力増幅器のアンプ出力換算値pFBの組み合わせの中から、この各アンプ出力換算値pFBの総和が合成出力フィードバック値PFBとなるように定める。アンプ出力換算値pFBをその総和が合成出力フィードバック値PFBとなるように制限することにより、合成出力の出力レベルの変動は抑制される。
A3:操作量MV
電力増幅部のアンプ出力の出力レベルを制御する操作量MVは、電力増幅部の各段の電力増幅器が備えるアンプ形態に応じて設定する。
(a)電力増幅部の各段の電力増幅器が可変減衰器付きアンプを含むリニアアンプで構成される場合には、操作量MVは可変減衰器付きアンプの減衰量Attにより設定される。
(b)電力増幅部の各段の電力増幅器が位相制御部を含むスイッチングアンプで構成される場合には、操作量MVは位相制御部の位相シフト量θ、位相量Θにより設定される。
可変抵抗器による手動調整回路を調整することにより各段の電力増幅器のゲインを揃えることは可能であるが、この場合には調整工程の工数が多く、また各段の電力増幅器の経年変化によるゲインの変動に対して自動対応が困難であるという課題がある。これに対して、本発明ではリニアアンプの場合には可変減衰器付きアンプの減衰量Attを操作量MVとして制御し、またスイッチングアンプの場合には位相制御部の位相シフト量θ、位相量Θを操作量MVとして制御することにより、これらの課題は解消される。
A4:電力増幅部の異常検出
電力増幅部の異常検出の態様として、合成出力フィードバック値PFBに基づく異常検出態様(a)、各アンプ出力フィードバック値pfbに基づく異常検出態様(b)がある。
(a)合成出力フィードバック値PFBに基づく異常検出態様
制御部は、合成出力フィードバック値PFBに基づいて異常状態を検出する。一形態では、合成出力フィードバック値PFBと合成出力指令値Pcomとを比較し、合成出力フィードバック値PFBがアンプ合成出力指令値Pcomに対して許容範囲を超えている場合に電力増幅部が異常状態にあるとして検出する。
また他の形態では、合成出力フィードバック値PFBの変動量に基づいて、合成出力フィードバック値PFBの変動幅が許容範囲を超えている場合に電力増幅部が異常状態にあるとして検出する。
(b)アンプ出力フィードバック値pfbに基づく異常検出態様
制御部は、アンプ出力フィードバック値pfbに基づいて異常状態を検出する。一形態では、アンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力指令値pcomとを比較し、アンプ出力フィードバック値pfbがアンプ出力指令値pcomに対して許容範囲を超えている場合に電力増幅部が異常状態にあるとして検出する。
また他の形態では、アンプ出力フィードバック値pfbの変動量に基づいて、アンプ出力フィードバック値pfbの変動幅が許容範囲を超えている場合に電力増幅部が異常状態にあるとして検出する。
(B):高周波電源装置の制御方法
B1:制御方法
複数段の電力増幅器が並列構成された電力増幅部と、電力増幅部の各段の電力増幅器に高周波信号を分配する分配部と、各電力増幅器で電力増幅された複数のアンプ出力を電力合成し、得られた合成出力を出力する電力合成部とを備える高周波電源装置の制御方法において、
(a)合成出力指令値Pcom、又は合成出力フィードバック値PFBに基づいて各アンプ出力の出力レベルを定めるアンプ出力基準値pref(アンプ出力指令値pcom又はアンプ出力換算値pFB)を定める。
(b)各アンプ出力フィードバック値pfbと、アンプ出力基準値pref(各アンプ出力のアンプ出力指令値pcom又はアンプ出力換算値pFB)とを比較する。
(c)比較に基づいて、各アンプ出力の出力レベルを制御する操作量MVを電力増幅器毎に設定する。
(d)各操作量MVに基づいて各電力増幅器の各アンプ出力の出力レベルを制御する。
B2:操作量MVの設定
操作量MVの設定において、アンプ出力フィードバック値pfbとの比較に用いる基準値として用いる各電力増幅器のアンプ出力基準値prefは、合成出力指令値Pcomに基づく設定態様(B2-a)、又は合成出力フィードバック値PFBに基づく設定態様(B2-b)により得ることができる。
B2-a: 合成出力指令値Pcomに基づく操作量MVの設定態様
合成出力指令値Pcomと、電力増幅器の個数N、及び各電力増幅器の出力電力/電源効率特性とに基づいて各電力増幅器のアンプ出力指令値pcomを定め、このアンプ出力指令値pcomをアンプ出力基準値prefとして、各アンプ出力フィードバック値pfbがアンプ出力指令値pcomとなるように制御する操作量MVを設定する。
B2-b:合成出力フィードバック値PFBに基づく操作量MVの設定態様
合成出力フィードバック値PFBと、電力増幅器の個数N、及び各電力増幅器の出力電力/電源効率特性とに基づいて、各電力増幅器のアンプ出力換算値pFBを定め、このアンプ出力換算値pFBをアンプ出力基準値prefとして、各アンプ出力フィードバック値pfbがアンプ出力換算値pFBになるように制御する操作量MVを設定する。
以上説明したように、本発明によれば、各電力増幅器が出力する出力電力差により生じる高周波電源装置の電源効率の低下を抑制することができる。
本発明の高周波電源装置の概略構成を説明するための図である。 本発明の高周波電源装置の概略動作を説明するための図である。 本発明の高周波電源装置のリニアアンプによる構成例を説明するためのブロック図である。 本発明の高周波電源装置のリニアアンプによる動作例を示すフローチャートである。 本発明の合成出力フィードバック値PFBに基づいて行う異常検出を説明するための図である。 本発明のアンプの異常検出を示すフローチャートである。 本発明のアンプ出力フィードバック値pfbに基づいて行う異常検出を説明するための図である。 本発明の電力増幅器のアンプ出力の異常検出を示すフローチャートである。 本発明のアンプ出力レベルの均等設定及び操作量MVの設定を説明するための説明図である。 本発明のアンプ出力レベルの均等設定及び操作量MVの設定を説明するためのフローチャートである。 本発明のアンプ出力レベルの均等設定及び操作量MVの設定を説明するための説明図である。 本発明のアンプ出力レベルの均等設定及び操作量MVの設定を説明するためのフローチャートである。 本発明のアンプ出力レベルの個別設定及び操作量MVの設定を説明するための説明図である。 本発明のアンプ出力レベルの個別設定及び操作量MVの設定を説明するためのフローチャートである。 本発明の減衰量Attの設定動作例を説明するためのフローチャートである。 本発明の設定動作例1を説明するためのフローチャートである。 本発明の設定動作例1を説明するための動作図である。 本発明の設定動作例2を説明するためのフローチャートである。 本発明の設定動作例2を説明するための動作図である。 本発明の設定動作例3を説明するためのフローチャートである。 本発明の設定動作例3を説明するための動作図である。 本発明の設定動作例4を説明するためのフローチャートである。 本発明の高周波電源装置のスイッチングアンプによる構成例を説明するためのブロック図である。 トライアックを用いた位相制御器の一構成例を示す図である。
(1)本発明の高周波電源装置の概略構成
以下、本発明の高周波電源装置の概略構成について図1を用いて説明する。
本発明の高周波電源装置PSは、高周波電源装置PSを制御する制御部1と、複数段の電力増幅器4A,4B,・・・4Nが並列構成された電力増幅部4と、高周波信号(RF信号)を生成するRF信号部2と、RF信号部2で生成された高周波信号(RF信号)を電力増幅部4の各段の電力増幅器(4A~4N)に分配する分配部3と、各電力増幅器(4A~4N)で電力増幅された複数のアンプ出力を電力合成して合成出力を出力する電力合成部6と、各段の電力増幅器(4A~4N)のアンプ出力を検出してアンプ出力フィードバック値pfbを制御部1にフィードバックするアンプ出力検出部5と、電力合成部6と出力端OUTとの間に接続され、分離した進行波電力から合成出力フィードバック値PFBを検出する合成出力検出部7と、を備える。
電力増幅器4A,4B,・・・4Nは、例えばAB級のリニアアンプ、あるいはD級のスイッチングアンプを用いることができる。
制御部1は、電力増幅部4の各段の電力増幅器(4A~4N)のゲインを制御するアンプ制御部1a、電力増幅器(4A~4N)の異常を検出するアンプ異常検出部1bと、RF信号を分配する分配部3を制御する分配制御部1c、高周波信号(RF信号)の周波数や信号レベルを設定するRF信号設定部1dを備える。
アンプ制御部1aは、アンプ出力基準値設定部1a-1と操作量設定部1a-2とを備える。アンプ出力基準値設定部1a-1は、各アンプ出力の出力レベルを定めるアンプ出力基準値prefを設定する。操作量設定部1a-2は、アンプ出力検出部5で検出された各電力増幅器(4A~4N)のアンプ出力フィードバック値pfbと、アンプ出力基準値設定部1a-1で設定されたアンプ出力基準値prefとを比較し、この比較に基づいて各電力増幅器(4A~4N)の各アンプ出力の出力レベルを制御する操作量MVを電力増幅器(4A~4N)毎に設定する。アンプ出力基準値prefは、合成出力指令値Pcomに基づいて設定されるアンプ出力指令値pcom、あるいは合成出力フィードバック値PFBに基づいて設定されるアンプ出力換算値pFBを用いることができる。
電力増幅部4の各電力増幅器4A,4B,・・・4Nは、各電力増幅器に設定された操作量MVに基づいて、アンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力基準値prefとの偏差が減少するように制御する。操作量MVはアンプゲインに相当し、例えば減衰器付きアンプでは減衰量Attであり、スイッチングアンプでは位相シフト量θ、位相量Θである。
アンプ制御部1aは、各操作量MVに基づいて電力増幅部4の各電力増幅器4A,4B,・・・4Nのアンプ出力の出力レベルを制御する。アンプ出力基準値設定部1a-1は、高周波電源装置PSが出力端OUTから出力する出力レベルを制御部1に指令する合成出力指令値Pcom、又は合成出力検出部7で検出された合成出力フィードバック値PFBに基づいて、アンプ出力基準値prefを設定する。アンプ出力基準値prefは、電力増幅部4の各電力増幅器4A,4B,・・・4Nが出力するアンプ出力の出力レベルを指令するアンプ出力指令値pcom、またはアンプ出力換算値pFBに基づいて設定される。アンプ出力基準値設定部1a-1によるアンプ出力基準値prefの設定は、電力増幅器4A,4B,・・・4Nの個数、及び各電力増幅器4A,4B,・・・4Nの出力電力/電源効率に基づいて、合成出力指令値Pcom又は合成出力フィードバック値PFBを按分することで行われる。
アンプ異常検出部1bは、アンプ出力フィードバック値pfb、又は合成出力フィードバック値PFBに基づいてアンプの異常状態の有無を検出する。
分配制御部1cは、電力増幅部4の各段の電力増幅器4A,4B,・・・4Nに高周波信号(RF信号)を分配する。設定変更等により駆動する電力増幅器4A,4B,・・・4Nに変更が生じた場合には、駆動を停止する電力増幅器4A,4B,・・・4Nへの高周波信号(RF信号)の供給を停止する。また、アンプ異常検出部1bによって何れかの電力増幅器4A,4B,・・・4Nに異常が検出された場合には、異常検出された電力増幅器への高周波信号(RF信号)の分配を停止する。
RF信号設定部1dは、内部に記憶された設定データ、あるいは外部から入力される設定データに基づいて高周波信号(RF信号)の周波数や信号レベルを設定する。
合成出力検出部7は、例えば方向性結合器を用いて進行波と反射波とを分離し、分離した進行波から合成出力フィードバック値PFBを検出し制御部1にフィードバックする。
(2)高周波電源装置の概略動作
本発明の高周波電源装置の概略動作について図2を用いて説明する。
本発明の高周波電源装置は、アンプの異常検出(SA)、操作量MVの設定(SB)、アンプ制御(SC)、電力合成(SD)、及び出力検出(SE)の各動作により合成出力を出力する。
(SA)電力増幅器の異常検出
制御部1は、電力増幅部4の各電力増幅器(4A~4N)から出力されるアンプ出力の出力レベル、あるいは電力合成部6で合成された合成出力の出力レベルを監視し、これらの出力レベルが基準レベルから逸脱した場合、あるいは出力レベルの変動幅が許容範囲を逸脱した場合にアンプに異常が発生したと判定して、アンプの異常検出を行う。
電力増幅器(4A~4N)の異常検出を実行する時期は、高周波電源装置の稼働中において所定の時間間隔毎に実行する他、稼働開始時等の所定時点で実行するなど、任意に設定することができる。
(SB)操作量MVの設定
電力増幅器(4A~4N)の異常が検出された場合には、各電力増幅器(4A~4N)の出力レベル間に差異が生じていることを示唆し、各電力増幅器(4A~4N)の電源効率のバランスがずれ、全体の電源効率が低下したことを示唆している。高周波電源装置の全体の電源効率を高い状態に維持するには、各電力増幅器(4A~4N)の電源効率が等しいことが求められる。
各電力増幅器(4A~4N)のアンプ出力の出力レベルを制御する操作量MVを、各電力増幅器(4A~4N)の電源効率が均等化するように設定する。操作量MVは、例えばリニアアンプでは減衰器付きアンプの減衰器の減衰量Attであり、スイッチングアンプでは位相制御部の位相シフト量θ、位相量Θである。
操作量MVの設定に際して、各電力増幅器(4A~4N)が出力する出力電力の出力レベルを比較する基準としてアンプ出力基準値prefを設定する。
このアンプ出力基準値prefは、高周波電源装置PSが出力する出力電力の出力レベルを指令する合成出力指令値Pcom、又は合成出力検出部7で検出される合成出力フィードバック値PFBを、電力増幅器(4A~4N)の個数N及び出力電力/電源効率特性に基づいて按分することにより、アンプ出力指令値pcom、アンプ出力換算値pFBを求めることで設定される。
各電力増幅器(4A~4N)のアンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力基準値pref(アンプ出力指令値pcomまたはアンプ出力換算値pFB)との差分に基づいて操作量MVを算出する。操作量MVはアンプのゲインに相当し、例えば減衰器付きアンプでは減衰量Attであり、スイッチングアンプでは位相シフト量θ、位相量Θである。
(SC)アンプ制御
制御部1は、各電力増幅器(4A~4N)のアンプ出力の出力レベルを制御し、各操作量MVに基づいてアンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力基準値pref(アンプ出力指令値pcomまたはアンプ出力換算値pFB)との偏差が減少するように制御する。
(SD)電力合成
電力合成部6は、各電力増幅器(4A~4N)の各アンプ出力を電力合成する。合成回路(コンバイナ)は、抵抗を用いた構成、トランスを用いた構成、ハイブリッド回路等が知られている。本発明の電力合成部6は、出力特性に適して選択した任意の合成回路を用いることができる。
(SE)出力検出
出力検出は、各電力増幅器(4A~4N)の各アンプ出力を検出するアンプ出力検出(SEa)と、電力合成された合成出力を検出する合成出力検出(SEb)がある。
アンプ出力検出(SEa)で検出された各アンプ出力フィードバック値pfbは、電力増幅器の異常検出(SA)で行われる異常検出に用いられる他、操作量MVの設定(SB)で行われる操作量MVの設定に用いられる。また、合成出力検出(SEb)で検出された合成出力フィードバック値PFBは、電力増幅器の異常検出(SA)で行われる電力増幅器の異常検出に用いられる他、操作量MVの設定(SB)で行われるアンプ出力指令値pcomの算出に用いられる。
(3)リニアアンプによる高周波電源装置
本発明の高周波電源装置は、電力増幅部4の各電力増幅器(4A~4N)をAB級のリニアアンプ、あるいはD級のスイッチングアンプで構成することができる。
以下、リニアアンプによる高周波電源装置の構成例(3a)と動作例(3b)を説明する。
(3a)リニアアンプによる構成例
図3は、本発明の高周波電源装置のリニアアンプによる構成例を説明するためのブロック図である。
高周波電源装置10は、制御部11、RF信号部12、分配部13、電力増幅部14、アンプ出力検出部15、電力合成部16、合成出力検出部17、A/Dコンバータ18、D/Aコンバータ19を備える。
RF信号部12は、RF信号生成部12a、電力制御アンプ12b、電力制御インターフェース12cを備え、高周波電源装置の高周波出力の周波数信号である高周波信号(RF信号)を生成する。RF信号生成部12aで生成された高周波信号(RF信号)は、電力制御アンプ12bにより、所定の電力レベルに電力制御され、分配部13に送られる。電力制御アンプ12bは、例えば可変減衰器アンプにより構成することができる。可変減衰器アンプのゲインは、電力制御インターフェース12cから入力される制御信号の減衰量に従って制御される。
分配部13は、RF信号生成部12aで生成された高周波信号(RF信号)を電力増幅部14の複数段の電力増幅器14A、14B、・・・14Dに分配する。なお、“N”は電力増幅部14が備える電力増幅器の台数を示し、高周波電源装置に設定される高周波出力の出力レベルや、電力増幅器14A、14B、・・・14Dのアンプ出力の出力レベル等に応じて適宜設定される。分配部13は、各電力増幅器14A、14B、・・・14Dに対して、各電力増幅器のアンプ出力の出力レベルに応じた信号レベルの高周波信号(RF信号)を分配する。電力増幅器14A、14B、・・・14Dのアンプ出力の出力レベルが同一である場合には、各電力増幅器14A、14B、・・・14Dに分配されるの高周波信号(RF信号)の信号レベルは同一となる。
各電力増幅器14A、14B、・・・14Dは、例えば可変ゲインアンプ14a、ドライバアンプ14b、及び終端段パワーアンプ14cの各リニアアンプを直列接続して構成され、分配部13から分配された高周波信号(RF信号)を電力増幅してアンプ出力とする。可変ゲインアンプ14aは例えば可変減衰器アンプにより構成することができ、制御部11から送られる減衰量の制御信号をD/Aコンバータ19を介して入力し、ゲイン調整が行われる。ドライバアンプ14bは、可変ゲインアンプ14aでゲイン調整された高周波信号(RF信号)信号のレベルを増幅し、終端段パワーアンプ14cはドライバアンプ14bで増幅された信号を、各電力増幅器14A、14B、・・・14Dに設定された出力レベルまで電力増幅する。電力増幅器14A,14B,・・・14Dのアンプは、例えばAB級のリニアアンプを用いることができる。
電力合成部16は、各電力増幅器14A、14B、・・・14Dで電力増幅された複数のアンプ出力を電力合成し、得られた合成出力を出力する。
アンプ出力検出部15は、各電力増幅器14A、14B、・・・14Dと電力合成部16との間に接続され、各電力増幅器14A、14B、・・・14Dのアンプ出力を検出し、アンプ出力フィードバック値pfbを、A/Dコンバータ18を介してディジタル信号に変換した後に制御部11に戻す。
合成出力検出部17は、電力合成部16と出力端OUTとの間に接続され、合成出力フィードバック値PFBを制御部11に戻す。合成出力検出部17は方向性結合器により構成することができ、負荷に向かう進行波電力と負荷から戻る反射波電力を分離し、進行波電力を合成出力フィードバック値PFBとして検出する。
制御部11は、電力増幅部14の電力増幅器(14A~14D)の可変ゲインアンプ14aのゲインを制御するアンプ制御部11a、電力増幅器(14A~14D)の異常を検出する電力増幅器異常検出部11b、分配部13によるRF信号の分配を制御する分配制御部11c、高周波信号(RF信号)の周波数や信号レベルを設定するRF信号設定部11dを備える。
アンプ制御部11aは、アンプ出力基準値設定部11a-1と操作量設定部11a-2とを備える。アンプ出力基準値設定部11a-1は、電力増幅器14A~14Dのアンプ出力の出力レベルを定めるアンプ出力基準値prefを設定する。操作量設定部11a-2は、アンプ出力検出部15で検出されたアンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力基準値設定部11a-1で設定されたアンプ出力基準値prefとを比較し、この比較に基づいて各電力増幅器14A~14Dの各アンプ出力の出力レベルを制御する減衰量Attを電力増幅器14A~14D毎に設定する。電力増幅器14A~14Dの各可変ゲインアンプ14aは、それぞれの可変ゲインアンプ14aに設定された減衰量Attに基づいて、アンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力基準値prefとの偏差が減少するように制御される。減衰量Attはアンプゲインに相当する。
各減衰量Attに基づいて電力増幅部14の各電力増幅器14A~14Dのアンプ出力の出力レベルを制御する。アンプ出力基準値設定部11a-1は、高周波電源装置PSが出力端OUTから出力する出力レベルを制御部11に対して指令する合成出力指令値Pcom、又は合成出力検出部17で検出された合成出力フィードバック値PFBに基づいて、電力増幅器14A~14Dのアンプ出力の出力レベルを指令するアンプ出力基準値pref(アンプ出力指令値pcom、アンプ出力換算値pFB)を設定する。アンプ出力基準値設定部11a-1によるアンプ出力基準値pref(アンプ出力指令値pcom、アンプ出力換算値pFB)の設定は、電力増幅器14A~14Dの個数N、及び各電力増幅器14A~14Dの出力電力/電源効率に基づいて、合成出力指令値Pcom又は合成出力フィードバック値PFBを按分することで行われる。
電力増幅器異常検出部11bは、アンプ出力フィードバック値pfb又は合成出力フィードバック値PFBに基づいて電力増幅器の異常状態の有無を検出する。
分配制御部11cは、電力増幅部14の各段の電力増幅器14A~14Dに高周波信号(RF信号)を分配する。電力増幅器14A~14Dに異常が検出された場合などにより駆動する電力増幅器に変更が生じた場合には、異常が検出された電力増幅器への高周波信号(RF信号)の供給を停止する制御を行う。
RF信号設定部11dは、内部に記憶しておいた設定データ、あるいは外部から入力される設定データに基づいて高周波信号(RF信号)の周波数や信号レベルを設定する。
(3b)リニアアンプによる動作例
以下、本発明の高周波電源装置においてリニアアンプによる動作例について、
(3b-1)異常状態を検出する動作
(3b-2)操作量MVを設定する動作
(3b-3)減衰量Attを設定する動作
の各動作例を説明する。図4はリニアアンプによる動作例を示すフローチャートであり、工程(SA)~(SE)は図2のフローチャートと対応して示している。
(3b-1:電力増幅部の異常状態の検出動作例)
予めアンプの操作量MV(減衰量Att)の初期値MVo(初期減衰量Atto)が設定しておき(SO)、初期設定された操作量MVで定まるゲインによりリニアアンプを駆動して各電力増幅器のアンプ出力を取得し、これらのアンプ出力を電力合成して合成出力を得る(SC)。
工程(SC)で得られたアンプ出力及び合成出力に基づいて電力増幅部の異常状態の有無を検出する(SA)。この異常検出の工程(SA)において、異常状態が検出された場合には、各電力増幅器のリニアアンプの操作量MV(減衰量Att)を設定し(SB)、更新した操作量MV(減衰量Att)を用いてリニアアンプを制御する(SC)。
電力増幅部の異常状態の検出は、所定時間が経過した時点、あるいは所定時点(SA1)において行う異常判定(SA2,SA3)の他、常時に行う故障検出(SA4)により行ってもよい。
所定時間の経過時あるいは所定時点(SA1)において、各電力増幅器のアンプ出力フィードバック値pfbに基づく異常検出(SA2)あるいは合成出力フィードバック値PFBに基づく異常検出(SA3)を行う。また、電力増幅装置を常時監視する故障検出(SA4)により異常検出を行ってもよい。
(SA2)あるいは(SA3)の異常検出において異常が検出された場合、あるいは(SA4)の故障検出で故障が検出された場合には、各電力増幅器のリニアアンプの操作量MVを設定し更新する(SB)。操作量MVの設定は、アンプが減衰器付きアンプである場合には減衰量Attを操作量MVとして設定する。
電力増幅部の異常検出(SA)について、合成出力検出部17で検出された合成出力フィードバック値PFBに基づいて行う異常検出(SA3)を、図5及び図6を用いて説明し、アンプ出力検出部15で検出されたアンプ出力フィードバック値pfbに基づいて行う異常検出(SA2)を、図7及び図8を用いて説明とする。
(SA3:合成出力フィードバック値PFBに基づいて行う異常検出)
合成出力フィードバック値PFBに基づいて行う電力増幅器の異常検出は、合成出力指令値Pcomを比較基準とする形態(a)、あるいは合成出力フィードバック値PFBの変動幅による形態(b)により行うことができる。
(a)合成出力フィードバック値PFBと合成出力指令値Pcomとを比較し、合成出力フィードバック値PFBが合成出力指令値Pcomを基準とする所定範囲内に収まっているか否かによって電力増幅器の異常検出を行う。図5はこの電力増幅器の異常検出を示すフローチャートである。
合成出力指令値Pcomを取得し(S11)、合成出力フィードバック値PFBを取得し(S12)、合成出力閾値Pth1を設定する(S13)。合成出力フィードバック値PFBが、合成出力指令値Pcomを基準とする合成出力閾値Pth1の範囲内にある場合(S14)には、合成出力フィードバック値PFBは許容範囲内にあるとして、電力増幅器は正常状態にあると判定する(S17)。一方、合成出力フィードバック値PFBが、合成出力指令値Pcomを基準とする合成出力閾値Pth1の範囲外にある場合(S14)には、合成出力フィードバック値PFBは許容範囲外にあるとして、電力増幅器は異常状態にあると判定して(S15)、合成出力の異常を検出する(S16)。
(b)合成出力フィードバック値PFBの変動幅に基づいて電力増幅器の異常検出を行う。
合成出力フィードバック値PFBの時間変化に伴う変動幅を監視し、変動幅が所定範囲内に収まっているか否かによって電力増幅器の異常検出を行う。図6はこのアンプの異常検出を示すフローチャートである。
合成出力フィードバック値PFB1を取得し(S21)、所定時間が経過した後(S22)に合成出力フィードバック値PFB2を取得する(S23)。取得した2時点の合成出力フィードバック値PFB1と合成出力フィードバック値PFB2との差分ΔPFB(=PFB2-PFB1)を算出する(S24)。合成出力閾値Pth2を設定し(S25)、差分ΔPFBと合成出力閾値Pth2とを比較する(S26)。
差分ΔPFBが合成出力閾値±Pth2の範囲内にある場合には、合成出力フィードバック値PFBは許容範囲内にあるとして、電力増幅器は正常であると判定する(S29)。一方、差分ΔPFBが合成出力閾値±Pth2の範囲外にある場合には、合成出力フィードバック値PFBは許容範囲外にあるとして異常判定を行い(S27)、合成出力の異常を検出する(S28)。
(SA2:アンプ出力フィードバック値pfbに基づいて行う異常検出)
この電力増幅器の異常検出は、アンプ出力指令値pcomを比較基準とする形態(a)、あるいはアンプ出力フィードバック値Pfbの変動幅による形態(b)により行うことができる。
(a)アンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力指令値pcomとの比較に基づいて電力増幅器のアンプ出力の異常検出を行う。
アンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力指令値pcomとを比較し、アンプ出力フィードバック値pfbがアンプ出力指令値pcomを基準とする所定範囲内に収まっているか否かによって電力増幅器の異常検出を行う。図7はこの電力増幅器のアンプ出力の異常検出を示すフローチャートである。
アンプ出力指令値pcomを取得する。アンプ出力指令値pcomは、合成出力指令値Pcomをアンプの台数Nで除算することにより算出する。この算出により取得されるアンプ出力指令値pcom(=Pcom/N)は、合成出力指令値Pcomにより指令される出力レベルをアンプの台数Nに合わせて均等に分割して得られる出力レベルである(S31)。
アンプ出力フィードバック値pfbを取得し(S32)、アンプ出力閾値pth3を設定する(S33)。アンプ出力フィードバック値pfbが、アンプ出力指令値pcomを基準としてアンプ出力閾値pth3の範囲内にある場合(S34)には、アンプ出力フィードバック値pfbは許容範囲内にあるとして、電力増幅器は正常であると判定する(S37)。一方、アンプ出力フィードバック値pfbが、アンプ出力指令値pcomを基準としてアンプ出力閾値pth3の範囲外にある場合(S34)には、アンプ出力フィードバック値pfbは許容範囲外にあるとして異常判定を行い(S35)、電力増幅器のアンプ出力の異常を検出する(S36)。
(b)アンプ出力フィードバック値pfbの変動幅に基づいて電力増幅器のアンプ出力の異常検出を行う。
アンプ出力フィードバック値pfbの時間変化の伴う変動幅を監視し、変動幅が所定範囲内に収まっているか否かによってアンプ出力の異常検出を行う。図8はこの電力増幅器のアンプ出力の異常検出を示すフローチャートである。
アンプ出力フィードバック値pfb1を取得し(S41)、所定時間が経過した後(S42)にアンプ出力フィードバック値pfb2を取得する(S43)。取得した2つの時点のアンプ出力フィードバック値pfb1とアンプ出力フィードバック値pfb2との差分Δpfb(=pfb2-pfb1)を算出する(S44)。アンプ出力閾値pth4を設定し(S45)、差分Δpfbと合成出力閾値Pth4とを比較する(S46)。
差分Δpfbがアンプ出力閾値±pfb4の範囲内にある場合には、アンプ出力フィードバック値pfbは許容範囲内にあるとして、アンプ出力は正常であると判定する(S49)。一方、差分Δpfbがアンプ出力閾値±pth4の範囲外にある場合には、アンプ出力フィードバック値pfbは許容範囲外にあるとして異常判定を行い(S47)、アンプ出力の異常を検出する(S48)。
(3b-2:操作量MVの設定動作)
操作量MVは、各電力増幅器のアンプ出力の出力レベルを設定レベルとなるように出力レベル調整するために用いられる。各電力増幅器のアンプ出力の設定レベルが異なれば操作量MVも異なり、操作量MVは各電力増幅器に設定されるアンプ出力の出力レベル(アンプ設定レベル)に応じて定まる。そこで、操作量MVの設定は、初めに各電力増幅器のアンプ設定レベルを定め、このアンプ設定レベルに基づいて行う。
アンプ設定レベル:
各電力増幅器に設定されるアンプ出力レベル(アンプ設定レベル)は、各電力増幅器の出力電力/電源効率特性に応じて、複数台の電力増幅器に対して均等な値に設定する他、各電力増幅器に対してそれぞれ個別の値に設定することができる。
複数台の電力増幅器が共通の出力電力/電源効率特性を有している場合には、各電力増幅器に設定されるアンプ出力レベル(アンプ設定レベル)を均等に設定することにより、各電力増幅器の電源効率は等しくなり、全体の電源効率が高まる。
また、複数台の電力増幅器がそれぞれ固有の出力電力/電源効率特性を有している場合には、各電力増幅器が電源効率は等しくなるように各電力増幅器のアンプ出力の出力レベルを個別に設定することによって全体の電源効率を高めることができる。
電力増幅器に設定されるアンプ出力レベル(アンプ設定レベル)は、駆動する電力増幅器の台数N、及び合成出力の出力レベルに依存する。駆動状態にある電力増幅器の台数Nは、アンプ異常検出で検出されるアンプ状態により求められる。また、合成出力の出力レベルは、合成出力指令値Pcom、あるいは合成出力フィードバック値PFBから求められる。
以下、アンプ設定レベル及び操作量MVの設定について、アンプ出力レベルを均等な値に設定する場合(a)と、アンプ出力レベルを個別な値に設定する場合(b)の各場合について説明する。
(a)アンプ出力レベルの均等設定
アンプ出力レベルの均等設定、及びこの均等設定に伴う操作量MVにおいて、各電力増幅器のアンプ出力指令値pcomはアンプ出力フィードバック値pfbと比較する際に基準値となる値である。このアンプ出力指令値pcomは、合成出力指令値Pcomに基づく設定(a1)、又は合成出力フィードバック値PFBに基づく設定(a2)により得ることができる。
(a1)合成出力指令値Pcomに基づく設定
図9及び図10は、アンプ出力レベルの均等設定及び操作量MVの設定を、合成出力指令値Pcomに基づいて行う例を説明するための説明図及びフローチャートである。図9は横軸に出力を示し縦軸に電源効率を表している。なお、図9は3台の電力増幅器のアンプ出力が等しい場合を示している。
図9(a)は正常に動作している状態を示し、3台の電力増幅器はアンプ出力pout1,pout2,pout3の等しい電力出力を出力している状態を示している。正常動作により、各アンプのアンプ出力指令値pcomはPcom/3となり、アンプ出力pout1,pout2,pout3は等しい出力レベルとなる。これにより、合成出力Pout(=pout1+pout2+pout3)が出力される。合成出力Poutは合成出力指令値Pcomに応じた出力レベルとなる。このとき、各電力増幅器は同じ出力電力/電源効率特性を有しているため、各電力増幅器の電源効率EF1は等しく、全体の電源効率は高い状態にある。
図9(b)は、アンプ出力pout3が低下した異常状態を示し、合成出力Pout(=pout1+pout2+pout3)は合成出力指令値Pcomにより低い値となる。アンプ出力pout1,pout2は、各電力増幅器のアンプ出力指令値pcom(=Pcom/3)に基づいた等しい出力レベルとなるが、pout3はアンプ異常によりアンプ出力指令値pcom(=Pcom/3)より低くなる。このとき、アンプ出力pout1,pout2を出力する電力増幅器の電源効率はEF1に保持されるが、アンプ出力pout3の電力増幅器の電源効率はEF2に低下するため、全体の電源効率は低下する。
図9(c)は、アンプの異常を検出した際の操作量MVの設定を示している。図9(b)に示すように、アンプ出力pout3が低下した場合には、アンプ出力pout3とアンプ出力指令値pcom(=Pcom/3)との間に差分Δ1が生じる。操作量MVは、この差分を解消するアンプのゲイン調整量であり、出力が低下したアンプ出力pout3をアンプ出力指令値pcom(=Pcom/3)まで上昇させる。これにより、各アンプ出力pout1, pout2,pout3は等しい出力レベルとなり、各アンプの電源効率は等しくEF1となり、全体の電源効率は高い状態に戻る。
図10のフローチャートにおいて、アンプ異常検出(SA)の後、操作量MVを設定し(SB)、操作量MVに基づいてアンプ制御(SC)を行い、電力合成(SD)で合成出力を出力すると共に出力検出(SE)を行う。
以下では、合成出力指令値Pcomに基づいて行う操作量MVの設定(SB)について、操作量MVとして減衰器付きアンプの減衰量Attを適用した場合について説明する。
アンプ異常検出(SA)に基づいて、駆動する電力増幅器の台数Nを求める(S51)。合成出力指令値Pcomと電力増幅器の台数Nに基づいて、合成出力指令値PcomをNで除算して一台あたりのアンプ出力指令値pcom(=Pcom/N)を算出する(S52)。算出したアンプ出力指令値pcomとアンプ出力フィードバック値pfbとの差分Δ1(=pfb-pcom)を算出し(S53)、この差分Δ1を解消する減衰量Attを求め(S54)、求めた減衰量Attを更新して保存する(S55)。
更新した減衰量Attを用いたゲインで電力増幅器を駆動制御し(SC)、各電力増幅器のアンプ出力を電力合成する(SD)。出力検出(SE)は、各電力増幅器のアンプ出力フィードバック値pfb、あるいは電力合成した合成出力フィードバック値PFBを検出する。
(a2)合成出力フィードバック値PFBに基づく設定
図11及び図12は、アンプ出力レベルの均等設定及び操作量MVの設定を合成出力フィードバック値PFBに基づいて行う例を説明するための説明図及びフローチャートである。図11は横軸に出力を示し縦軸に電源効率を表している。なお、図11は3台の電力増幅器のアンプ出力が等しい場合を示している。
図11(a)は正常に動作している状態を示し、3台の電力増幅器のアンプ出力フィードバック値pfb1,pfb2,pfb3は等しい電力出力である状態を示している。このときの合成出力フィードバック値をPFB1としたとき、正常動作では、各電力増幅器のアンプ出力フィードバック値pfb1,pfb2,pfb3の出力レベルは、合成出力フィードバック値PFB1を電力増幅器の台数分で均等に分けた一台当たりのアンプ出力換算値pFB(=PFB1/3)に等しく、合成出力Poutは(pfb1+pfb2+pfb3)である。
このとき、各電力増幅器は同じ出力電力/電源効率特性を有しているため、各アンプの電源効率EF1は等しく、全体の電源効率は高い状態にある。
図11(b)は、アンプ出力pout3が低下した異常状態を示している。この状態では、合成出力Pout2(=pout1+pout2+pout3)は正常状態の合成出力Pout1より低い値となる。アンプ出力pout1,pout2は、正常状態の合成出力フィードバック値PFB1を電力増幅器の台数分で均等分けしたアンプ出力換算値pFB(=PFB1/3)の出力レベルである。これに対して、pout3はアンプ異常によりアンプ出力換算値pFB(=PFB1/3)よりも低い値となる。
このとき、アンプ出力pout1,pout2を出力する電力増幅器の電源効率はEF1に保持されているが、アンプ出力pout3のアンプの電源効率はEF2に低下するため、電力増幅部全体の電源効率は低下する。
図11(c)は、アンプ異常を検出した際の操作量MVの設定を示している。図11(b)に示すように、アンプ出力pout3が低下した場合には、アンプ出力pout3と正常状態のアンプ出力換算値pFB(=PFB1/3)との間に差分Δ2が生じる。操作量MVは、この差分を解消するためにアンプのゲインを調整する調整量であり、出力が低下したアンプ出力pout3を上昇させると共にアンプ出力pout1及びpout2を下降させて等しい出力レベルとし、全ての電力増幅器の電源効率を等しくする。
このときのアンプ出力pout1,pout2,pout3はアンプ出力換算値pFB2(=PFB2/3)となる。なお、調整後の合成出力フィードバック値PFB2は、上昇調整したアンプ出力pout3と下降調整したアンプ出力pout1,pout2を加算した値である。
これにより、各アンプ出力pout1,pout2,pout3は等しい出力レベルとなり、各電力増幅器の電源効率は等しくEF3となり、電力増幅部全体の電源効率をゲイン調整前よりも上昇さることができる。
図12のフローチャートにおいて、故障アンプ検出(SA)の後、操作量MVを設定し(SB)、操作量MVに基づいてアンプ制御(SC)を行い、電力合成(SD)で合成出力を出力すると共に、出力検出(SE)を行う。
以下では、合成出力フィードバック値PFBに基づいて行う操作量MVの設定(SB)について、操作量MVとして減衰器付きアンプの減衰量Attを適用した場合について説明する。
故障アンプ検出(SA)に基づいて、駆動する電力増幅器を特定し駆動が可能な台数Nを求める(S61)。合成出力フィードバック値PFBと電力増幅器の台数Nに基づいて、合成出力フィードバック値PFBをNで除算して電力増幅器一台あたりのアンプ出力換算値pFB(=PFB/N)を算出する(S62)。算出したアンプ出力換算値pFBと各電力増幅器のアンプ出力フィードバック値pfbとの差分Δ2(=pfb-pFB)を算出し(S63)、この差分Δ2を解消する減衰量Attを駆動する各電力増幅器について求め(S64)、求めた減衰量Attを更新して保存する(S65)。
更新した減衰量Attを用いて求めた各電力増幅器のゲインにより各電力増幅器を駆動制御し(SC)、各電力増幅器のアンプ出力を電力合成する(SD)。出力検出(SE)は、各電力増幅器のアンプ出力フィードバック値pfb、あるいは電力合成した合成出力フィードバック値PFBを検出する。
(b)アンプ出力レベルの個別設定
アンプ出力レベルの個別設定は、複数台の電力増幅器を等しい電源効率で駆動すると共に、電力合成した合成出力が合成出力指令値Pcomとなるように各電力増幅器のアンプ出力レベルを設定する。このとき、各電力増幅器のアンプ出力指令値pcomは各電力増幅器のアンプ出力レベルの指標となる値であり、アンプ出力指令値pcomの合計値が合成出力指令値Pcomとなるように設定する。
図13及び図14は、アンプ出力レベルの個別設定及び操作量MVの設定を説明するための説明図及びフローチャートである。図13は横軸に出力を示し縦軸に電源効率を表している。
図13(a)は正常に動作している状態を示し、3台の電力増幅器は等しい電源効率EF4で駆動し、それぞれpout1,pout2,pout3のアンプ出力を出力している。アンプ出力pout1,pout2,pout3を合成電力して得られる合成出力Pout1(=pout1+pout2+pout3)は、合成出力指令値Pcomに応じた出力レベルである。電力増幅器が固有の出力電力/電源効率特性を備えている場合には、電源効率を同一としたとき、各電力増幅器は各出力電力/電源効率特性に応じて異なるアンプ出力pout1,pout2,pout3を出力する。図13(a)はこの状態を示し、各電力増幅器は同一の電源効率EF4において異なるアンプ出力pout1,pout2,pout3を出力する。
図13(b)は、一台の電力増幅器が停止しアンプ出力pout3が消失した異常状態を示している。この状態では、アンプ出力pout1及びpout2を出力する電力増幅器の電源効率は同一であるものの、合成出力Pout3(=pout1+pout2)は正常状態の合成出力Pout1より低い値となり、合成出力指令値Pcomから逸脱する。
図13(c)は、アンプ異常を検出した際の操作量MVの設定を示している。図13(b)に示すようにアンプ出力pout3が消失した場合には、合成出力Pout3は合成出力指令値Pcomよりもアンプ出力pout3だけアンプ出力が不足する。このアンプ出力の不足分を補償するために、アンプ出力pout1及びアンプ出力pout2を増加させる。アンプ出力pout1及びアンプ出力pout2の増加は、電力増幅器のアンプ出力指令値pcomを上昇させ、このアンプ出力指令値pcomの上昇に対応する操作量MVにより電力増幅器のゲインを調整する。
この電力増幅器のゲインを調整において、アンプ出力pout1及びアンプ出力pout2の配分は、出力電力/電源効率特性に基づいて各電力増幅器の電源効率が同一の値となるように設定する。図13(c)では、アンプ出力pout1及びアンプ出力pout2は、共に電源効率EF5となるように配分した状態を示している。
これにより、各電力増幅器の電源効率は等しくEF5となり、電力増幅部全体の電源効率をゲイン調整前よりも上昇させることができる。
図14のフローチャートにおいて、アンプ異常検出(SA)の後、操作量MVを設定し(SB)、操作量MVに基づいてアンプ制御(SC)を行い、電力合成(SD)で合成出力を出力すると共に、出力検出(SE)を行う。
以下では、アンプ出力レベルを電力増幅器について個別に定める操作量MVの設定(SB)について、操作量MVとして減衰器付きアンプの減衰量Attを適用した場合について説明する。
故障アンプ検出(SA)に基づいて、駆動する電力増幅器を特定する(S71)。合成出力指令値Pcomと出力電力/電源効率特性とに基づいて、駆動する電力増幅器のアンプ出力指令値pcomを算出する(S72)。出力電力/電源効率特性は、電力増幅器のアンプ出力と電力効率との関係を表す特性データであり、電力増幅部を構成する各段の電力増幅器が備える固有の特性データであり、読み出し可能な記憶手段に格納しておき、駆動する電力増幅器に基づいて読み出し、アンプ出力指令値pcomの算出に用いる(S70)。(S72)で算出した電力増幅器のアンプ出力指令値pcomに基づいて減衰量Attを求め(S73)、求めた減衰量Attを更新して保存する(S74)。
更新した減衰量Attを用いて求めた各電力増幅器のゲインにより各電力増幅器を駆動制御し(SC)、各電力増幅器のアンプ出力を電力合成する(SD)。出力検出(SE)は、各電力増幅器のアンプ出力フィードバック値pfb、あるいは電力合成した合成出力フィードバック値PFBを検出する。
次に、減衰量Attを設定する動作例1~動作例3について図15~図21を用いて説明し、電源効率EFを設定する動作例4について図22を用いて説明する。
(3b-3:減衰量Attの設定動作)
動作例1~動作例3は、アンプ出力フィードバック値pfbがアンプ出力指令値pcomを基準値とする所定範囲内に収斂することを条件として減衰量Attを設定する動作例である。
(a)設定動作例1
動作例1は、アンプ出力フィードバック値pfbがアンプ出力指令値pcomを基準値とする所定範囲内に収斂するか否かの判断において、第1段でアンプ出力指令値pcomの上限と比較し、第2段でアンプ出力指令値pcomの下限と比較する。
初めに初期減衰量Attoを設定しておく(S80)。初期減衰量Attoの設定動作例を図15のフローチャートを用いて説明する。
合成出力指令値Pcomを取得し(S80a)、電力増幅部を構成する電力増幅器の段数N(台数N)を取得する(S80b)。取得した合成出力指令値Pcomと段数Nに基づいて、各電力増幅器のアンプ出力指令値pcom(=Pcom/N)を求める(S80c)。
各電力増幅器の出力電力/電源効率特性とアンプ出力指令値pcomとに基づいて、各電力増幅器の減衰量Attを算出する。減衰量Attの算出において、各電力増幅器のアンプ出力poutの合成出力の値がアンプ出力指令値pcomとなる条件と各電力増幅器の電源効率が同一の効率となる条件との2つの条件を満たす減衰量Attを、出力電力/電源効率特性に基づいて求める(S80d)。求めた減衰量Attを初期減衰量Attoとして設定する(S80e)。
設定動作例1を図16のフローチャート及び図17の動作図を用いて説明する。S80で設定した初期減衰量Attoを用いて電力増幅器を駆動してアンプ出力フィードバック値pfbを取得する(S81)。
第1段の比較において、取得したアンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力指令値pcomの上限とを比較する。アンプ出力指令値pcomの上限として、アンプ出力指令値pcomに閾値pthを加算した値(pcom+pth)を用いる(S82)。
アンプ出力フィードバック値pfbが(pcom+pth)を越えない場合には(S82)、減衰量Attを下げ、アンプ出力フィードバック値pfbを上昇させる(S83d)。一方、アンプ出力フィードバック値pfbが(pcom+pth)以上である場合には(S82)、減衰量Attを上げ、アンプ出力フィードバック値pfbを下降させる(S83u)。S83で設定した減衰量Attを用いて電力増幅器を駆動してアンプ出力フィードバック値pfbを取得する(S84)。
第2段の比較において、取得したアンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力指令値pcomの下限とを比較する。アンプ出力指令値pcomの下限として、アンプ出力指令値pcomから閾値pthを減算した値(pcom-pth)を用いる(S85)。
アンプ出力フィードバック値pfbが(pcom-pth)以上である場合には(S85)、減衰量Attを上げ、アンプ出力フィードバック値pfbを下降させる(S86u)。一方、アンプ出力フィードバック値pfbが(pcom-pth)未満である場合には(S85)、減衰量Attを下げ、アンプ出力フィードバック値pfbを上昇させる(S86d)。S86で設定した減衰量Attを用いて電力増幅器を駆動してアンプ出力フィードバック値pfbを取得する(S87)。
取得したアンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力指令値pcomの上限及び下限の範囲内に収斂したか否かを判定する(S88)。
アンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)の範囲外である場合には(S88)、S81に戻って減衰量Attを再度求める。一方、アンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)の範囲内にある場合には(S88)、減衰量Attをその時点の値で確定する(S89)。
図17(a)の動作例では、アンプ出力フィードバック値pfbが下限(pcom-pth)未満の値から制御を開始し、第1段の比較において減衰量Attを下げる(S83d)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)未満まで上昇したときには、第2段の比較において減衰量Attを上げる(S86u)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)と範囲内に収まり、減衰量Attが設定される。
図17(b)の動作例では、アンプ出力フィードバック値pfbが下限(pcom-pth)を越えた値から制御を開始し、第1段の比較において減衰量Attを下げる(S83d)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)を越えて上昇したときには、第2段の比較において減衰量Attを上げる(S86u)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)と範囲内に収まり、減衰量Attが設定される。
図17(c)の動作例では、アンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)の間の値から制御を開始し、第1段の比較において減衰量Attを下げる(S83d)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)を越えて上昇したときには、第2段の比較において減衰量Attを上げる(S86u)。アンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)を下回らない場合には、再度第1段の比較を行って減衰量Attを上げる(S83u)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが下限(pcom-pth)を下回らない場合には、第2段の比較において減衰量Attを上げる(S86u)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)と範囲内に収まり、減衰量Attが設定される。
図17(d)の動作例では、アンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)を越える値から制御を開始し、第1段の比較において減衰量Attを上げる(S83u)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbの下降が下限(pcom-pth)を越えないときには、第2段の比較において減衰量Attを上げる(S86u)。アンプ出力フィードバック値pfbが下限(pcom-pth)を下回った場合には、再度第1段の比較を行って減衰量Attを下げる(S83d)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが下限(pcom-pth)を越えない場合には、第2段の比較において減衰量Attを下げ(S86d)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)と範囲内に収まり、減衰量Attが設定される。
(b)設定動作例2
設定動作例2は、アンプ出力フィードバック値pfbがアンプ出力指令値pcomを基準値とする所定範囲内に収斂するか否かの判断において、第1段でアンプ出力指令値pcomの下限と比較し、第2段でアンプ出力指令値pcomの上限と比較する。
設定動作例2を図18のフローチャート及び図19の動作図を用いて説明する。動作例1と同様に、S80で設定した初期減衰量Attoを設定しておき、この初期減衰量Attoを用いて電力増幅器を駆動してアンプ出力フィードバック値pfbを取得する(S91)。
第1段の比較において、取得したアンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力指令値pcomの下限とを比較する。アンプ出力指令値pcomの下限として、アンプ出力指令値pcomから閾値pthを減算した値(pcom-pth)を用いる(S92)。
アンプ出力フィードバック値pfbが(pcom-pth)未満の場合には(S92)、減衰量Attを下げ、アンプ出力フィードバック値pfbを上昇させる(S93d)。一方、アンプ出力フィードバック値pfbが(pcom-pth)以上である場合には(S92)、減衰量Attを上げ、アンプ出力フィードバック値pfbを下降させる(S93u)。S93で設定した減衰量Attを用いて電力増幅器を駆動してアンプ出力フィードバック値pfbを取得する(S94)。
第2段の比較において、取得したアンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力指令値pcomの上限とを比較する。アンプ出力指令値pcomの上限として、アンプ出力指令値pcomに閾値pthを加算した値(pcom+pth)を用いる(S95)。
アンプ出力フィードバック値pfbが(pcom+pth)以上である場合には(S95)、減衰量Attを上げ、アンプ出力フィードバック値pfbを下降させる(S96u)。一方、アンプ出力フィードバック値pfbが(pcom+pth)未満である場合には(S95)、減衰量Attを下げ、アンプ出力フィードバック値pfbを上昇させる(S96d)。S96で設定した減衰量Attを用いて電力増幅器を駆動してアンプ出力フィードバック値pfbを取得する(S97)。
取得したアンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力指令値pcomの上限及び下限の範囲内に収斂したか否かを判定する(S98)。
アンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)の範囲外である場合には(S98)、S91に戻って減衰量Attを再度求める。一方、アンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)の範囲内にある場合には(S98)、減衰量Attをその時点の値で確定する(S99)。
図19(a)の設定動作例では、アンプ出力フィードバック値pfbが下限(pcom-pth)未満の値から制御を開始し、第1段の比較において減衰量Attを下げる(S93d)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)未満まで上昇したときには、第2段の比較において減衰量Attを下げる(S96d)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)を越えた場合には、再度第1段の比較を行って減衰量Attを上げる(S93u)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが依然として上限(pcom+pth)を越えた状態にあるときには、第2段の比較において減衰量Attを上げる(S96u)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)と範囲内に収まり、減衰量Attが設定される。
図19(b)の設定動作例では、アンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)を越えた値から制御を開始し、第1段の比較において減衰量Attを上げる(S93u)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが下限(pcom-pth)を越えて下降したときには、第2段の比較において減衰量Attを下げる(S96d)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが下限(pcom-pth)を越えない場合には、再度第1段の比較を行って減衰量Attを下げる(S93d)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが下限(pcom-pth)を越えた場合には、第2段の比較において減衰量Attを下げ(S96d)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)と範囲内に収まり、減衰量Attが設定される。
図19(c)の設定動作例では、アンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)の間の値から制御を開始し、第1段の比較において減衰量Attを上げ(S93u)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが下限(pcom-pth)を越えて下降したときには、第2段の比較において減衰量Attを下げる(S96d)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)と範囲内に収まり、減衰量Attが設定される。
図19(d)の設定動作例では、アンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)を越えた値から制御を開始し、第1段の比較において減衰量Attを上げ(S93u)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)の間の値となったときには、第2段の比較において減衰量Attを下げる(S96d)。これによりアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)と範囲内に収まり、減衰量Attが設定される。
(c)設定動作例3
設定動作例3は、アンプ出力フィードバック値pfbがアンプ出力指令値pcomを基準値とする所定範囲内に収斂するか否かの判断において、アンプ出力指令値pcomの上限とアンプ出力指令値pcomの下限で挟まれる範囲と比較する。
設定動作例3を図20のフローチャート及び図21の動作図を用いて説明する。動作例1と同様に、S80で設定した初期減衰量Attoを設定しておき、この初期減衰量Attoを用いて電力増幅器を駆動してアンプ出力フィードバック値pfbを取得する(S101)。
取得したアンプ出力フィードバック値pfbが、アンプ出力指令値pcomの上限とアンプ出力指令値pcomの下限で挟まれる範囲であるか否かを判定することにより、電力増幅器の減衰量を求める。アンプ出力指令値pcomの下限としてアンプ出力指令値pcomから閾値pthを減算した値(pcom-pth)を用い、アンプ出力指令値pcomの上限としてアンプ出力指令値pcomに閾値pthを加算した値(pcom+pth)を用いる(S102)。
アンプ出力フィードバック値pfbがアンプ出力指令値pcomの上限とアンプ出力指令値pcomの下限で挟まれる範囲内にある場合には、そのときの減衰量を減衰量Attとして確定する(S103)。
アンプ出力フィードバック値pfbがアンプ出力指令値pcomの上限値(pcom+pth)を超えた値である場合には減衰量を下げ(S104d)、アンプ出力フィードバック値pfbがアンプ出力指令値pcomの下限値(pcom-pth)よりも小さい値である場合には減衰量を上げる(S104u)。
S104dあるいはS104uにおいて定めた減衰量を用いてS101に戻り、電力増幅器を駆動してアンプ出力フィードバック値pfbを取得して、再度S102以降の工程を繰り替えし、減衰量Attを確定する。
図21(a)の設定動作例では、取得したアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)の範囲内にあるため(S102)、このときの減衰量を減衰量Attとして確定する(S103)。
図21(b)の設定動作例では、取得したアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)を超えた値であるため(S102)、減衰量を上げる(S104u)。上昇させた減衰量で取得したアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)の範囲内となった場合には(S102)、このときの減衰量を減衰量Attとして確定する(S103)。
図21(c)の設定動作例では、取得したアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)を超えた値であるため(S102)、減衰量を上げる(S104u)。上昇させた減衰量で取得したアンプ出力フィードバック値pfbが、依然として上限(pcom+pth)を超えた値である場合には(S102)、再度減衰量を上げる(S104u)。上昇させた減衰量で取得したアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)の範囲内となった場合には(S102)、このときの減衰量を減衰量Attとして確定する(S103)。
図21(d)の設定動作例では、取得したアンプ出力フィードバック値pfbが下限(pcom-pth)を下回る値であるため(S102)、減衰量を下げる(S104d)。下降させた減衰量で取得したアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)の範囲内となった場合には(S102)、このときの減衰量を減衰量Attとして確定する(S103)。
図21(e)の設定動作例では、取得したアンプ出力フィードバック値pfbが下限(pcom-pth)を下回る値であるため(S102)、減衰量を下げる(S104d)。下降させた減衰量で取得したアンプ出力フィードバック値pfbが、依然として下限(pcom-pth)を下回る値である場合には(S102)、再度減衰量を下げる(S104d)。
下降させた減衰量で取得したアンプ出力フィードバック値pfbが、依然として下限(pcom-pth)を下回る値である場合には(S102)、再度減衰量を下げる(S104d)。下降させた減衰量で取得したアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)の範囲内となった場合には(S102)、このときの減衰量を減衰量Attとして確定する(S103)。
図21(f)の設定動作例では、取得したアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)を超えた値であるため(S102)、減衰量を上げる(S104u)。上昇させた減衰量で取得したアンプ出力フィードバック値pfbが下限(pcom-pth)を下回る値である場合には(S102)、減衰量を下げる(S104d)。下降させた減衰量で取得したアンプ出力フィードバック値pfbが上限(pcom+pth)と下限(pcom-pth)の範囲内となった場合には(S102)、このときの減衰量を減衰量Attとして確定する(S103)。
(3b-4:電源効率EFの設定動作)
設定動作例4は、合成出力Poutが合成出力指令値Pcomを基準値とする所定範囲内に収斂することを条件として電源効率EFを設定する動作例である。
設定動作例4を図22のフローチャートを用いて説明する。
合成出力指令値Pcomに対して好適な電源効率EFを設定するために、基準となる合成出力指令値Pcomを取得し(S110)、電源増幅器の初期電源効率EF0を設定する(S111)。
各電源増幅器の出力電力/電源効率特性に基づいて、初期電源効率EF0に対応して各電源増幅器のアンプ出力poutを求める。電源増幅部が備える複数台の電源増幅器の出力電力/電源効率特性が同一である場合には、各電源増幅器のアンプ出力poutは同じ出力電力となる(S112)。求めたアンプ出力poutを加算して合成出力Poutを算出する(S113)。
電源増幅部に求められる合成出力の下限出力Plimitを設定し、S113で算出した合成出力Poutがこの下限出力Plimitを満たすものであるか否かを判定する(S114)。
算出した合成出力Poutが下限出力Plimitを超える場合には、必要とする最低限の電力出力が得られると判断し、合成出力指令値Pcomを満足するものであるかを判定する。この判定は、合成出力Poutが合成出力指令値Pcomの許容誤差ΔP範囲内にあるか否かに基づいて行うことができる(S115)。
算出した合成出力Poutが合成出力指令値Pcomの許容誤差ΔP範囲内にある場合には、S112で求めたpoutを各電源増幅器のアンプ出力poutとして定める(S117)。
算出した合成出力Poutが合成出力指令値Pcomの許容誤差ΔP範囲内にない場合には、電源効率EFを変更し(S118)、S112からの工程を繰り返す。
S114において、算出した合成出力Poutが下限出力Plimitを超えない場合には、電源効率EFの変更が可能である場合には、電源効率EFを変更し(S118)、S112からの工程を繰り返す。一方、電源効率EFの変更ができない場合には、現時点の電源増幅器の設定では満足する合成出力Poutが得られないため、電源増幅器の設定を見直す(S119)。
(4)スイッチングアンプによる高周波電源装置
電力増幅部の各段の電力増幅器が位相制御部を含むスイッチングアンプで構成される場合には、操作量MVは位相制御部の位相シフト量θ、位相量Θにより設定される。以下、スイッチングアンプによる高周波電源装置の構成例を、図23を用いて説明し、位相制御部の構成例を、図24を用いて説明する。
構成例1:
図23は本発明の高周波電源装置のスイッチングアンプによる構成例を説明するためのブロック図である。
構成例1は、各電力増幅器の各アンプ出力の出力レベルを制御する操作量MVを位相シフト量θ、位相量Θにより制御すると共に、高周波電源装置の出力レベルの制御を直流電源の直流電圧の増減制御により行う例を示している。構成例1では、直流電源の直流電圧をPWM制御により増減制御する例を示している。
高周波電源装置20は、制御部21、直流電源部22、分配部23、電力増幅部24、アンプ出力検出部25、電力合成部26、合成出力検出部27、A/Dコンバータ28、RF信号発生部29を備える。
直流電源部22は直流電圧を制御可能とする電源部であり、交流電源22a、交流電源22aの交流電圧を直流電圧に変換するAC/DC変換部22b、AC/DC変換部22bで変換した直流電圧をPWM制御によって振幅増幅するDC/DC変換部22c、DC/DC変換部22cのPWM制御に用いるPWM信号を生成するPWM信号生成部22dを備える。
DC/DC変換部22cは、PWM信号生成部22dで生成したPWM信号に基づいてPWM信号のデューティ比に応じた直流電圧を出力し、終端段パワーアンプ24cに印加される。
電力増幅部24は複数段の電力増幅器24A、24B、・・・24Nを備える。各電力増幅器24A~24Nは、RF位相変換部・位相制御部24a、ドライバ回路24b、終端段パワーアンプ24cの各デジタルアンプを直列接続して構成される。RF信号発生部29で生成されたRF信号は分配部23から各電力増幅器24A、24B、・・・24Nに分配される。RF位相変換部・位相制御部24aは、分配部23から分配されたRF信号を位相シフト信号に変換し、更に位相シフト制御により各電力増幅器24A、24B、・・・24Nの各アンプ出力の出力レベルを制御する。直流電源部22から印加される直流電圧をPWM制御により調整し、終端段パワーアンプ24cを電圧調整することにより、パワー制御の精度が高められる。
RF位相変換部・位相制御部24aは、半導体スイッチング素子のブリッジ回路で構成されたD級アンプのCD/RF変換器を用いることができる。
電力増幅器24AのRF位相変換部・位相制御部24aと、電力増幅器24BのRF位相変換部・位相制御部24aとを位相シフト量θ、位相量Θに基づいて位相シフト制御を行い、電力合成部26で電力合成する。同様に、電力増幅器24CのRF位相変換部・位相制御部24aと、電力増幅器24DのRF位相変換部・位相制御部24aとを位相シフト量θ、位相量Θに基づいて位相シフト制御を行い、電力合成部26で電力合成する。
制御部21は、電力増幅部24の電力増幅器(24A~24N)のRF位相変換部・位相制御部24aのスイッチングの位相を制御する位相シフト量設定制御部21a、電力増幅器(24A~24N)の異常を検出する電力増幅器異常検出部21b、分配部23によるRF信号の分配を制御する分配制御部21c、高周波信号(RF信号)の周波数や信号レベルを設定するRF信号設定部21d、終端段パワーアンプ24cの出力レベルを制御する直流電源制御部21eを備える。
位相シフト量設定制御部21aは、アンプ出力基準値設定部21a-1と操作量設定部11a-2とを備える。なお、図23ではアンプ出力基準値設定部21a-1と操作量設定部11a-2は記載を省略している。
アンプ出力基準値設定部21a-1は、電力増幅器24A~24Nのアンプ出力の出力レベルを定めるアンプ出力基準値prefを設定する。操作量設定部21a-2は、アンプ出力検出部25で検出されたアンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力基準値設定部21a-1で設定されたアンプ出力基準値prefとを比較し、この比較に基づいて各電力増幅器24A~24Nの各アンプ出力の出力レベルを制御する位相シフト量θを電力増幅器24A~24N毎に設定する。電力増幅器22A~24Nの各RF位相変換部・位相制御部24aは、位相シフト量θに基づいて、アンプ出力フィードバック値pfbとアンプ出力基準値prefとの偏差が減少するように制御される。位相シフト量θはアンプゲインに相当する。位相シフト量θに基づいて電力増幅部24の各電力増幅器24A~24Nのアンプ出力の出力レベルを制御する。
アンプ出力基準値設定部21a-1は、高周波電源装置20が出力端OUTから出力する出力レベルを、合成出力指令値Pcom又は合成出力検出部27で検出された合成出力フィードバック値PFBに基づいて、電力増幅器24A~24Nのアンプ出力の出力レベルを指令するアンプ出力基準値pref(アンプ出力指令値pcom、アンプ出力換算値pFB)を設定する。
アンプ出力基準値設定部21a-1によるアンプ出力基準値pref(アンプ出力指令値pcom、アンプ出力換算値pFB)の設定は、電力増幅器24A~24Nの個数N、及び各電力増幅器24A~24Nの出力電力/電源効率に基づいて、合成出力指令値Pcom又は合成出力フィードバック値PFBを按分することで行われる。終端段パワーアンプ24cの出力レベルは、直流電源制御部21eの直流電源電圧によって制御することができる。
構成例2:
構成例2はRF位相変換部・位相制御部24aに代えてトライアック等を用いた位相制御器を用いた構成である。
構成例1は、RF位相変換部・位相制御部24aにおいて、RF位相変換部により位相シフト信号に変換し、位相制御部により各電力増幅部を位相シフト制御する例を示している。
一方、構成例2の位相制御器は、位相量Θを用いてトライアックを導通するタイミングを制御して電力制御を行う。構成例2の位相制御器では、RF位相変換部・位相制御部24aに代えてトライアック等のスイッチング素子のオン/オフを位相量Θで調整することによりアンプ出力の電力制御を行う。
図24はトライアックを用いた位相制御器の一構成例を示している。位相制御器は、抵抗とスイッチング素子の直列回路とトライアックとを並列接続し、スイッチング素子と一方の抵抗との接続端をトライアックのゲート端に接続される。スイッチング素子をON状態とするタイミングを位相量Θで調整することによりアンプ出力の電力制御を行う。
本発明の高周波電源装置は、半導体製造装置や液晶パネル製造装置等に用いられる高周波電源(RFジェネレータ)に適用することができる。
1 制御部
1a アンプ制御部
1a-2 操作量設定部
1a-1 アンプ出力基準値設定部
1b アンプ異常検出部
1c 分配制御部
1d RF信号設定部
2 RF信号部
3 分配部
4 電力増幅部
4A,4B 電力増幅器
5 アンプ出力検出部
6 電力合成部
7 合成出力検出部
10 高周波電源装置
11 制御部
11a アンプ制御部
11a-1 アンプ出力基準値設定部
11a-2 操作量設定部
11b 電力増幅器異常検出部
11c 分配制御部
11d RF信号設定部
12 RF信号部
12a RF信号生成部
12b 電力制御アンプ
12c 電力制御インターフェース
13 分配部
14 電力増幅部
14A~14D 電力増幅器
14a 可変ゲインアンプ
14b ドライバアンプ
14c 終端段パワーアンプ
15 アンプ出力検出部
16 電力合成部
17 合成出力検出部
18 A/Dコンバータ
19 D/Aコンバータ
20 高周波電源装置
21 制御部
21a 位相シフト量設定制御部
21a-1 アンプ出力基準値設定部
21a-2 操作量設定部
21b 電力増幅器異常検出部
21c 分配制御部
21d RF信号設定部
21e 直流電源制御部
22 直流電源部
22A~24N 電力増幅器
22a 交流電源
22d PWM信号生成部
23 分配部
24 電力増幅部
24A~24N 電力増幅器
24B,24C,24D 電力増幅器
24a RF位相変換部・位相制御部
24b ドライバ回路
24c 終端段パワーアンプ
25 アンプ出力検出部
26 電力合成部
27 合成出力検出部
28 A/Dコンバータ
29 RF信号発生部
tt 減衰量
tto 初期減衰量
EF,EF1~EF4 電源効率
EF0 初期電源効率
MV 操作量
MVo 初期値
OUT 出力端
FB,PFB1,PFB2 合成出力フィードバック値
fb,pfb1,pfb2 アンプ出力フィードバック値
limit 下限出力
out,Pout1,Pout2,Pout3 合成出力
th1,Pth2 合成出力閾値
PS 高周波電源装置
FB アンプ出力換算値
com アンプ出力指令値
out,pout1,pout2,pout3 アンプ出力
ref アンプ出力基準値
th 閾値
th3,pth4 アンプ出力閾値
Δ1,Δ2 差分
ΔP 許容誤差
ΔPFB 差分
Δpfb 差分
Θ 位相量
θ 位相シフト量

Claims (14)

  1. 複数段のアンプが並列構成された電力増幅部と、
    前記各電力増幅部の各アンプに高周波信号を分配する分配部と、
    前記各電力増幅部で電力増幅された複数のアンプ出力を電力合成し、電力合成で得られた合成出力を出力する電力合成部と、
    前記電力増幅部のアンプ出力を検出し、アンプ出力フィードバック値pfbを出力するアンプ出力検出部と、
    前記電力合成部と出力端との間に接続され、進行波電力を分離し、前記電力合成部の合成出力の合成出力フィードバック値PFBを検出する合成出力検出部と、
    各アンプ出力の出力レベルを定めるアンプ出力指令値pcomを定め、前記アンプ出力検出部で検出された各アンプ出力フィードバック値pfbと前記アンプ出力指令値pcomとを比較し、前記各電力増幅部の各アンプ出力の出力レベルを制御する操作量MVを電力増幅部毎に設定し当該各操作量MVに基づいて前記各電力増幅部の各アンプ出力の出力レベルを制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記アンプ出力指令値pcomを前記電力合成部の合成出力の目標値を定める合成出力指令値Pcom又は前記合成出力フィードバック値PFBに基づいて定める、
    高周波電源装置。
  2. 前記制御部は、前記合成出力の出力レベルを定める合成出力指令値Pcomと、前記電力増幅部の個数N(Nは2以上の整数)、及び各電力増幅部の出力電力/電源効率特性とに基づいて、各電力増幅部のアンプ出力指令値pcomを定め、
    各アンプ出力検出部で検出されたアンプ出力フィードバック値pfbが前記アンプ出力指令値pcomとなるように制御する操作量MVを設定する、
    請求項1に記載の高周波電源装置。
  3. 前記各電力増幅部は等しい出力電力/電源効率特性を備え、
    前記制御部は、前記合成出力指令値Pcomを前記電力増幅部の個数Nで除算して得られる(合成出力指令値Pcom/個数N:(Pcom/N))の均等出力を各電力増幅部のアンプ出力指令値pcomとして定める、
    請求項2に記載の高周波電源装置。
  4. 前記各電力増幅部はそれぞれ固有の出力電力/電源効率特性を備え、
    前記制御部は、前記電力増幅部の各固有の出力電力/電源効率特性において、同一の電源効率に対して定まる各出力電力値を各電力増幅部のアンプ出力指令値pcomとし、当該各アンプ出力指令値pcomの総和が前記合成出力指令値Pcomとなるように定める、
    請求項2に記載の高周波電源装置。
  5. 前記制御部は、前記電力合成部の合成出力フィードバック値PFBと、前記電力増幅部の個数N及び各電力増幅部の出力電力/電源効率特性とに基づいて、各電力増幅部のアンプ出力指令値pcomを定め、各アンプ出力検出部で検出されたアンプ出力フィードバック値pfbが前記アンプ出力指令値pcomとなるように制御する操作量MVを設定する、
    請求項1に記載の高周波電源装置。
  6. 前記各電力増幅部は等しい出力電力/電源効率特性を備え、
    前記制御部は、前記合成出力フィードバック値PFBを前記電力増幅部の個数Nで除算して得られる(合成出力フィードバック値PFB/電力増幅部の個数N:(PFB/N))の均等出力を各電力増幅部のアンプ出力指令値pcomとして定める、
    請求項5に記載の高周波電源装置。
  7. 前記各電力増幅部はそれぞれ固有の出力電力/電源効率特性を備え、
    前記制御部は、前記電力増幅部の各固有の出力電力/電源効率特性において、同一の電源効率に対して定まる各出力電力値を各電力増幅部のアンプ出力指令値pcomとし、当該各アンプ出力指令値pcomの総和が前記合成出力フィードバック値PFBとなるように定める、
    請求項2に記載の高周波電源装置。
  8. 前記各電力増幅部の各アンプ段は可変減衰器付きアンプを含むリニアアンプで構成され、
    前記操作量MVは、前記可変減衰器付きアンプの可変減衰器の減衰量である、請求項1から7の何れか一つに記載の高周波電源装置。
  9. 前記各電力増幅部の各アンプ段は位相制御部を含むスイッチングアンプで構成され、
    前記操作量MVは、前記位相制御部の位相量である、請求項1から7の何れか一つに記載の高周波電源装置。
  10. 前記制御部は、前記合成出力フィードバック値PFBと前記合成出力指令値Pcomとの比較、あるいは前記合成出力のフィードバック値PFBの変動量に基づいて、前記電力増幅部の異常を検出する、
    請求項2から7の何れか一つに記載の高周波電源装置。
  11. 前記制御部は、前記アンプ出力フィードバック値pfbと前記アンプ出力指令値pcomとの比較、あるいは前記アンプ出力フィードバック値pfbの変動量に基づいて、前記電力増幅部の異常を検出する、
    請求項2から7の何れか一つに記載の高周波電源装置。
  12. 複数段のアンプが並列構成された電力増幅部と、
    前記各電力増幅部の各アンプ段に高周波信号を分配する分配部と、
    前記各電力増幅部で電力増幅された複数のアンプ出力を電力合成し、得られた合成出力を出力する電力合成部と、を備える高周波電源装置の制御方法において、
    (a)前記電力合成部の合成出力の目標値を定める合成出力指令値Pcom又は前記電力合成部の合成出力の合成出力フィードバック値PFBに基づいて各アンプ出力の出力レベルを定めるアンプ出力指令値pcomを定め、
    (b)各アンプ出力フィードバック値pfbと各アンプ出力のアンプ出力指令値pcomとを比較し、
    (c)各アンプ出力の出力レベルを制御する操作量MVを電力増幅部毎に設定し、
    (d)前記各操作量MVに基づいて前記各電力増幅部の各アンプ出力の出力レベルを制御する、
    高周波電源装置の制御方法。
  13. 前記合成出力指令値Pcomと、前記電力増幅部の個数N、及び各電力増幅部の出力電力/電源効率特性とに基づいて、各電力増幅部のアンプ出力指令値pcomを定め、
    各アンプ出力フィードバック値pfbが前記アンプ出力指令値pcomとなるように制御する操作量MVを設定する、
    請求項12に記載の高周波電源装置の制御方法。
  14. 前記合成出力フィードバック値PFBと、前記電力増幅部の個数N及び各電力増幅部の出力電力/電源効率特性とに基づいて、各電力増幅部のアンプ出力指令値pcomを定め、
    各アンプ出力フィードバック値pfbが前記アンプ出力指令値pcomになりように制御する操作量MVを設定する、
    請求項12に記載の高周波電源装置の制御方法。
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