JP2024021300A - 車両用のドアハンドル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクチュエータが動作しない場合にも手動で車両ドアを開放できる車両用のドアハンドル装置を提供する。【解決手段】車両用のドアハンドル装置20は、ベース21と第一関節にて回転可能に連結され、ドアハンドル24と第二関節にて回転可能に連結されるフロントリンク28と、ベース21と第三関節にて相対的に回転可能に連結されるサブリンク29と、サブリンク29と第四関節にて回転可能に連結されドアハンドル24と第五関節にて回転可能に連結されるリアリンク31とを備え、サブリンク29が初期位置に位置しているときには、第二関節の回転移動と第五関節の回転移動とによりドアハンドル24が略平行に移動し、フロントリンク28が初期位置に位置しているときには、サブリンク29の初期位置から作動位置への移動とリアリンク31の回転移動とによりドアハンドル24の前記第二関節を中心とする回転移動が許容される。【選択図】図8

Description

本発明は、車両用のドアハンドル装置に関する。
ポップアップ機能を有する車両用のアウトサイドドアハンドル装置は、不使用時にはアウトサイドドアハンドルがベースに格納され、使用時にはアウトサイドドアハンドルがベースから車外方向に飛び出す(ポップアップする)ように構成される。例えば、特許文献1および特許文献2には、使用時にアウトサイドドアハンドルが上下方向視において車外側に略平行移動するように飛び出す構成が開示されている。
米国特許出願公開第2018/0274271号明細書 米国特許出願公開第2013/0076047号明細書
(発明が解決しようとする課題)
このようなドアハンドル装置のドアハンドルには、使用者が手動でベースから引き出すための突起等が設けられていないことが多い。このような構成であると、アクチュエータの不調時や電源の喪失時などにおいては、使用者はアウトサイドドアハンドルをベースに格納された位置から飛び出した位置に引き出すことができないため、車両ドアを開放できないおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的の一つは、アクチュエータの駆動力によってドアハンドルを格納された位置から飛び出した位置に移動させることができる車両用のドアハンドル装置において、手動操作によってもドアハンドルを操作できる位置に移動させることができるようにすることである。
(課題を解決するための手段)
上記目的を達成するため、本発明に係る車両用のドアハンドル装置は、
使用者が把持可能なグリップ部が設けられたドアハンドルを備える車両用のドアハンドル装置であって、
筐体と、
前記筐体と第一関節にて相対的に回転可能に連結され、前記ドアハンドルと第二関節にて相対的に回転可能に連結され、前記第一関節にて前記筐体に対して回転することにより初期位置と作動位置とに移動可能に構成される第一リンク部材と、
前記筐体と第三関節にて相対的に回転可能に連結され、前記第三関節にて前記筐体に対して回転することにより初期位置と作動位置とに移動可能に構成される第二リンク部材と、
前記第二リンク部材と第四関節にて相対的に回転可能に連結され、前記ドアハンドルと第五関節にて相対的に回転可能に連結される第三リンク部材と、
を備え、
前記第一リンク部材が前記初期位置に位置し、かつ、前記第二リンク部材が前記初期位置に位置するときに、前記ドアハンドルが第一位置に位置し、
前記第二リンク部材が前記初期位置に位置しているときに、前記第一リンク部材が前記初期位置から前記作動位置に移動すると、前記第二関節の前記第一関節を中心とする回転移動と、前記第二関節の回転移動による前記ドアハンドルの移動に連動した前記第五関節の前記第四関節を中心とする回転移動とにより、前記ドアハンドルが前記第一位置から略平行に第二位置に移動し、
前記第一リンク部材が前記初期位置に位置しているときに、前記第二リンク部材が前記初期位置から前記作動位置へ移動するとともに、前記第三リンク部材が前記第二リンク部材の移動に連動して前記第三関節を中心として略回転移動することにより、前記ドアハンドルが前記第一位置から前記第二関節を中心として回転移動することにより第三位置に移動することが許容されるように構成される。
本発明によれば、第二リンク部材が第一位置に位置する時には、ドアハンドルと、第一リンク部材と、筐体および第二リンク部材と、第三リンク部材とが、4節リンク機構を構成する。そしてこの場合、筐体および第二リンク部材が4節リンク機構の固定リンクに相当し、ハンドルが固定リンクに対向するリンク(固定リンクと直接に連結されないリンク)に相当する。このため、ドアハンドルは、ベースおよびサブリンクに対して略平行移動可能である。そして、第一リンク部材を初期位置から作動位置に移動させることにより、ドアハンドルを第一位置から第二位置に移動させることができる。一方、第一リンク部材が初期位置に位置するときには、第一リンク部材を初期位置から作動位置に移動させることなく、ドアハンドルを第二関節を中心として回転させることにより、ドアハンドルを第一位置から第三位置に移動させることができる。このため、例えば、第二リンク部材が初期位置に位置するときに、第一リンク部材をアクチュエータの駆動力によって初期位置から作動位置に移動させることによって、ドアハンドルを自動的に第一位置から第二位置に移動させることができる。一方、アクチュエータの不調やアクチュエータを駆動するための電源が喪失した場合には、使用者等は、手動操作によってドアハンドルを回転させることにより、第一位置から第三位置に移動させることができる。このため、アクチュエータの不調時や電源の喪失時などにおいても、使用者はドアハンドルを操作できる。
前記筐体は前記ドアハンドルを格納可能に構成されており、
前記ドアハンドルの前記第一位置は前記グリップ部が前記筐体の内部に格納された位置であり、前記ドアハンドルの前記第二位置および前記第三位置は前記グリップ部が前記筐体の外部に位置する位置であり、前記第二位置および前記第三位置とは互いに異なる位置である、
という構成が適用できる。
このような構成によれば、第一リンク部材を初期位置から作動位置に移動させることにより、ドアハンドルを筐体の外部に移動させることができる。また、第一リンクを初期位置から作動位置に移動させることができない場合には、ドアハンドルを回転させることによってドアハンドルを筐体に外部に移動させることができる。したがって、第一リンクを初期位置から作動位置に移動させることができない場合であっても、使用者はハンドルを把持できる位置に移動させることができる。
前記第二リンク部材は、前記初期位置に向かって常時弾性付勢されている、
という構成が適用できる。
このような構成によれば、ドアハンドルは、第二付勢部材によって第三リンク部材を介して第一位置に向かって常時弾性付勢される。したがって、このような構成によれば、使用者がドアハンドル装置を使用しない時には、ドアハンドルを第一位置に保持できる。
前記第三関節と、前記第一リンク部材が前記初期位置に位置するときの前記第二関節と、は同軸である、
という構成が適用できる。
このような構成によれば、ドアハンドルが第二関節を中心として回転するときには、第二リンク部材と第三リンク部材とは、ドアハンドルと一体となって第二関節と同軸である第三関節を中心として回転する。このため、ドアハンドルは、第二リンク部材と第三リンク部材とにより可動範囲が規制されることが無いから、ドアハンドルの可動範囲を大きくすることができる。
前記第三リンク部材は、前記初期位置に位置している前記第二リンク部材に対して前記第四関節を中心として回転することにより、前記ドアハンドルが前記第一位置に位置するときの位置である初期位置と、前記ドアハンドルが前記第二位置に位置するときの位置である作動位置とに移動可能に構成され、
前記筐体は、前記前記ドアハンドルが前記第二位置に位置するときに前記第三リンク部材に当接することにより、前記第三リンク部材が前記初期位置から前記作動位置を越えて移動することを規制する規制部を備える、
という構成が適用できる。
前記のように、第二リンク部材が第一位置に位置する時には、ドアハンドルと、第一リンク部材と、筐体および第二リンク部材と、第三リンク部材とが、4節リンク機構を構成するため、第三リンク部材の可動範囲が規制されると(換言すると、可動範囲の一端の位置が規定されると)、ドアハンドルの可動範囲が規制される(すなわち、ドアハンドルの可動範囲の一端の位置が規定される)。このため、第三リンクの初期位置から作動位置を越えた移動が規制部により規制されることにより、ドアハンドルが第一位置から第二位置を越えて移動することが規制される。したがって、ドアハンドルが第二位置に位置するときにドアハンドルに対して第一位置から第二位置を越えて移動させる力(第二位置に位置するドアハンドルに対して第一位置とは反対側へ移動させる力)が掛かっても、ドアハンドルは第二位置に保持される。
図1Aは、車両ドアの構成を示す模式図である。 図1Bは、車両ドアの構成を示す模式図である。 図2は、ドアハンドル装置の構成および動作を示す斜視図である。 図3は、ドアハンドル装置の構成および動作を示す斜視図である。 図4は、ドアハンドル装置の構成および動作を示す斜視図である。 図5は、ドアハンドル装置の構成を示す斜視図である。 図6は、ドアハンドル装置の構成を示す斜視図である。 図7は、ドアハンドル装置の構成および動作を示す平面図である。 図8は、ドアハンドル装置の構成および動作を示す平面図である。 図9Bは、ドアハンドル装置の構成および動作を示す平面図である。 図9Bは、ドアハンドル装置の構成および動作を示す斜視図である。 図10Aは、ドアハンドル装置の構成および動作を示す平面図である。 図10Bは、ドアハンドル装置の構成および動作を示す斜視図である。 図11は、ストッパーの構成および作用を示す図である。
本発明の実施形態に係る車両用のドアハンドル装置は、車両ドアに取り付けられ、車両の使用者等が閉止状態の車両ドアを車外から開放するために使用される装置である。各図においては、車両用のドアハンドル装置の前側を矢印Frで示し、後側を矢印Rrで示し、上側を矢印Upで示し、下側を矢印Dwで示し、車外側(車幅方向外側)を矢印Outで示し、車内側(車幅方向内側)を矢印Inで示す。また、各方向は、車両用のドアハンドル装置が車両ドアに組付けられ、かつ車両ドアが閉止状態である場合の方向を示す。なお、以下の説明では、「車両用のドアハンドル装置」を「ドアハンドル装置」と略して記すことがある。
(車両ドア)
図1Aおよび図1Bは、ドアハンドル装置20が組付けられた車両ドア10の構成を示す模式図でる。なお、図1Aは車外側から見た図であり、図1Bは図1AのIB-IB断面図である。図1Aに示す車両ドア10は車両右前ドア(FLドア)であり、その前端部が図略の車体に対して上下方向に略平行な回転軸を中心として回転可能に支持される。車両ドア10は、車体に対して回転することにより、車体に設けられている乗降用の開口部を閉鎖する閉位置と、閉鎖しない開位置とに移動可能である。
車両ドア10は、その下半部を構成するドア本体部11と、その上半部を構成するドアサッシュ部12とを備える。図1Bに示すように、ドア本体部11は、その外側面を構成するアウターパネル111と、アウターパネル111の車内側に位置するインナーパネル112と、インナーパネル112の車内側の面に固定され、かつドア本体部11の内側面を構成する樹脂製のトリム113とを備える。アウターパネル111とインナーパネル112とによってドア本体部11の内部空間が形成される。このドア本体部11の内部空間には、ドアハンドル装置20およびドアロック装置13が配設される。
ドアロック装置13は、ラッチ機構とロック機構とを備える。ラッチ機構は、車両ドア10の閉位置から開位置への移動を許容するアンラッチ状態と、車両ドア10の閉位置から開位置への移動を許容しないラッチ状態とに切り替え可能に構成される。ロック機構は、ラッチ機構のラッチ状態からアンラッチ状態への切り換えを許容するアンロック状態と、ラッチ機構のラッチ状態からアンラッチ状態への切り替えを許容しないロック状態とに切り替え可能に構成される。
ドアハンドル装置20とドアロック装置13とはケーブル14によって連結されている。そして、ドアハンドル装置20はこのケーブル14を引っ張ることができるように構成される(詳細は後述)。ドアロック装置13のラッチ機構は、ラッチ状態であるときにドアハンドル装置20によってケーブル14が引っ張られると、ラッチ状態からアンラッチ状態に切り替わるように構成される。また、ドアロック装置13はアクチュエータを備え、このアクチュエータの駆動力によっても、ラッチ機構をラッチ状態からアンラッチ状態に切り替えることができるように構成される。さらに、車両は、ドアハンドル装置20およびドアロック装置13を制御するための図略のECUを備え、このECUが、ドアロック装置20のアクチュエータおよび後述するドアハンドル装置20のアクチュエータを駆動する。
(ドアハンドル装置)
図2~図4はドアハンドル装置20の構成および動作を示す図である。図2~図4に示すように、ドアハンドル装置20は、ベース21と、ベース21に対して移動可能に構成されたドアハンドル24(アウトサイドドアハンドルと称されることもある)とを備える。ドアハンドル24は、図2に示す第一位置と、図3に示す第二位置と、図4に示す第三位置とに移動可能である。
ドアハンドル24の第一位置は、ドアハンドル装置20が使用されないときの位置である。図2に示すように、ドアハンドル24の第一位置は、ドアハンドル24の全体がベース21の内部に格納され、ドアハンドル24の車外側の面がベース21の車外側の面と略面一(ツライチ)となる位置である。なお、ドハンドル24の第一位置は、車両ドア10のアウターパネル111の車外側の面と略面一となる位置であってもよい。ドアハンドル24は、車両ドア10のアウターパネル111に設けられる開口部114を通じて車外側に露出しており、使用者等は第一位置に位置するドアハンドル24の車外側の面に接触することができる(図1Aおよび図1B参照)。
ドアハンドル24の第二位置および第三位置は、それぞれ、ドアハンドル装置20が使用されるときの位置である。図3に示すように、ドアハンドル24の第二位置は、第一位置から車外側に略平行移動(略水平移動)した位置であり、かつ、上下方向視においてドアハンドル24のハンドル本体部25(後述)がベース21および車両ドア10のアウターパネル111の車外側の面から車外側に離間した位置である。図4に示すように、ドアハンドル24の第三位置は、第一位置からドアハンドル24の前端側が車内側に移動し後端側が車外側に移動する態様で、ベース21および車両ドア10のアウターパネル111に対して上下方向に平行な直線を中心として所定の角度回転した位置である。ドアハンドル24が第三位置に位置すると、ハンドル本体部25の前側寄りの部分はベース21および車両ドア10のドア本体部11の内部に入り込み、ドアハンドル24のハンドル本体部25の後側寄りの部分はベース21および車両ドア10のドア本体部11から車外側に突出する。なお、第三位置は、特定の一点の位置ではなく、ある程度の範囲を有する位置である。
ドアハンドル装置20は、図略のアクチュエータの駆動力によって、ドアハンドル24を第一位置から第二位置へ、および第二位置から第一位置へ移動させることができるように構成される。また、ドアハンドル装置20は、使用者等の手動操作によって、ドアハンドル24を第一位置から第三位置に移動させることができるように構成される。さらに、ドアハンドル装置20は、ドアハンドル24を第三位置から第一位置に自動的に(すなわち、使用者等の手動操作によらずに)移動させるように構成される。
図5は、ドアハンドル装置20からドアハンドル24を省略した図である。図6は、ドアハンドル装置20からベース21を省略した図である。ドアハンドル装置20は、ベース21およびドアハンドル24に加え、フロントリンク28、サブリンク29、およびリアリンク31を備える。このほか、ドアハンドル装置20は、ドアハンドル24を移動させるための駆動力源である図略のアクチュエータを備える。
ベース21は、本発明のドアハンドル装置20の筐体の例である。ベース21は、ケースまたはハウジングと称されることもある。ベース21の内部には、ドアハンドル24、フロントリンク28、およびリアリンク31を格納可能な空間が設けられる。以下、この空間を「格納空間211」と記すことがある。具体的には、ベース21は、上下方向に直角な方向に延伸し互いに上下方向に離間する平板状の上板部22と下板部23とを備える。上板部22と下板部23との間の空間が格納空間211である。ベース21の車外側の表面には、ベース21の格納空間211と外部を連通するように開口している開口部212が設けられる。この開口部212は、ドアハンドル24を車幅方向に挿抜可能に構成される。例えば、この開口部212の車幅方向視の形状は、ドアハンドル24のハンドル本体部25の車幅方向視の形状と略同じであり、この開口部212の寸法はドアハンドル24の寸法よりもわずかに大きい。
ベース21には、フロントリンク28が、ベース21の前端部近傍かつ車外側端部近傍の位置において回転可能に連結されるとともに、サブリンク29が、フロントリンク28のベース21に対する回転中心線よりも後方の位置において回転可能に連結される。「ベース21は、フロントリンク28およびサブリンク29を、それぞれ所定の位置において回転可能に支持するように構成される」ということもできる。なお、ベース21に対するフロントリンク28の回転中心線およびサブリンク29の回転中心線は互いに平行であり、かつ、上下方向に平行である。
ベース21の上板部22および下板部23には、フロントリンク28を回転可能に連結(支持)するための第一連結軸41を挿通可能な第一連結軸挿通孔221が設けられる。第一連結軸挿通孔221は、ベース21の上板部22および下板部23のそれぞれを上下方向に貫通する貫通孔である。第一連結軸挿通孔221は、ベース21の前端部近傍かつ車外側端部近傍に設けられる。また、第一連結軸挿通孔221は、ベース21の開口部212の内周面の前端よりも前方に位置する。
ベース21の上板部22には、サブリンク29を回転可能に連結するための(換言すると回転可能に支持するための)第三連結軸43が設けられる。第三連結軸43は、例えば、軸線が上下方向に平行で上側に突出する円柱状または円筒状の構成を備える。なお、第三連結軸43は、フロントリンク28のベース21に対する回転中心よりも後方の位置においてサブリンク29を連結できるように、ベース21の開口部212の前端および第一連結軸挿通孔221よりも後方で、かつ、ベース21の車外側の端部の近傍に設けられる。本実施形態では、第三連結軸43は、車幅方向に関し、第一連結軸挿通孔221よりわずかに車内側にずれた位置に設けられる。
このほかベース21の上板部22には、バネ係止部223および第四連結軸挿通孔224が設けられる。バネ係止部223は、後述するサブリンク付勢バネ30を係止可能に構成される部分であり、上側に突出する突起状の構成を備える。なお、バネ係止部223は、第三連結軸43の前側で、かつ第三連結軸43に近接した位置に設けられる。ベース21の第四連結軸挿通孔224は、サブリンク29とリアリンク31とを相対的に回転可能に連結するための第四連結軸44を挿通可能に構成される。ベース21の第四連結軸挿通孔224は、第三連結軸43から後方に所定の距離離間した位置に設けられる。ベース21の第四連結軸挿通孔224は、上板部22を上下方向に貫通する貫通孔であり、かつ、上下方向視において第三連結軸43を中心とする円弧状の長孔である。ベース21の第四連結軸挿通孔224の延伸方向の一端は、他端よりも車外側に位置する。
ベース21の下板部23には、ガイド孔231が設けられる。ガイド孔231は、後述する第四連結軸44の下端部を挿入可能に構成される。ガイド孔231は、下板部23を上下方向に貫通する貫通孔であり、上下方向視においてベース21の第四連結軸挿通孔224と一致する位置および範囲に設けられる。
ベース21の上板部22の下面には、下側に向かって(換言すると、格納空間211の内部に向かって)突出する突起状の図略のストッパーが設けられる。一方、ベース21の下板部23の上面には、上側に向かって(換言すると、格納空間211の内部に向かって)突出する突起状のストッパー232が設けられる。これらのストッパー232は、本発明の規制部の例である。なお、本実施形態では、上板部22のストッパーと下板部のストッパー232とは、上下方向視において略同形同寸であり、かつ、上下方向視において互いに重畳する位置に設けられる。これらのストッパー232の詳細については後述する。
ドアハンドル24は、使用者が操作するための部材である。ドアハンドル24は、前後方向に長い棒状のハンドル本体部25と、フロントリンク連結部26と、リアリンク連結部27とを備える。
フロントリンク連結部26はフロントリンク28と相対的に回転可能に連結される部分であり、リアリンク連結部27はリアリンク31と相対的に回転可能に連結される部分である。フロントリンク連結部26とフロントリンク28との相対的な回転中心線、およびリアリンク連結部27とリアリンク31との相対的な回転中心線は、ベース21に対するフロントリンク28の回転中心線およびベース21に対するサブリンク29の回転中心線と平行であり、上下方向に平行である。
フロントリンク連結部26は、ハンドル本体部25の前寄りの位置に設けられ、車内側に向かって突出する突起状の構成を備える。フロントリンク連結部26の車幅方向に直角な平面で切断した断面形状は、前側が開口する略「C」字状の形状である。このため、フロントリンク連結部26は、後述するフロントリンク28の後端部およびその近傍の部分を前側から挿入可能である。フロントリンク連結部26には、フロントリンク28と相対的に回転可能に連結するための第二連結軸42を挿通可能な第二連結軸挿通孔261が設けられる。フロントリンク連結部26の第二連結軸挿通孔261は、上下方向に貫通する断面略円形の貫通孔である。
リアリンク連結部27は、フロントリンク連結部26の後方、かつ、ハンドル本体部25の後端部近傍に設けられる。リアリンク連結部27は、車内側に向かって突出する突起状の構成を備える。リアリンク連結部27には、リアリンク31と相対的に回転可能に連結するための第五連結軸45を挿通可能な第五連結軸挿通孔271が設けられる。リアリンク連結部27の第五連結軸挿通孔271は、上下方向に貫通する断面略円形の貫通孔である。なお、リアリンク連結部27の第五連結軸挿通孔271は、ドアハンドル24が第一位置および第二位置に位置するときにフロントリンク連結部26の第二連結軸挿通孔261よりも車内側に設けられる。
ハンドル本体部25は、フロントリンク連結部26よりも前側に突出する部分を備える。説明の便宜上、この部分をテコ部252(梃子部)と記すことがある。また、ハンドル本体部25のフロントリンク連結部26よりも後側の部分を、グリップ部251と記すことがある。グリップ部251は、使用者等が把持可能に構成される。グリップ部251の車内側の面には、図略のタッチセンサが設けられる。このタッチセンサはECUに接続されている。ECUは、使用者等によるタッチセンサへ手や指等を近づける操作および接触させる操作を検出できる。
フロントリンク28は、本発明の第一リンク部材の例である。フロントリンク28は、前端部を中心としてベース21に対して回転することにより、ドアハンドル24を第一位置から第二位置へ、および第二位置から第一位置へ移動させるように構成される部材である。フロントリンク28は、前後方向の中間部が屈曲または湾曲している略「L」字状の棒状の部材であり、屈曲または湾曲している部分よりも後端側の部分が車外側に向かって突出する向きで配置される。
フロントリンク28の前端部は、ベース21に対して回転可能に連結される。具体的には、フロントリンク28の前端部には第一連結軸41を挿通可能に構成される第一連結軸挿通孔281が設けられる。第一連結軸挿通孔281は、上下方向に貫通する断面略円形の貫通孔である。第一連結軸41は、円柱状または円筒状の部材である。そして、フロントリンク28の第一連結軸挿通孔281およびベース21の第一連結軸挿通孔221に第一連結軸41が挿通されることにより、フロントリンク28がベース21に対して上下方向に平行な軸線を中心として相対的に回転可能に連結される。
本実施形態では、第一連結軸41をアクチュエータの駆動力によって回転させることにより、フロントリンク28をベース21に対して回転させることができるように構成される。例えば、第一連結軸41は、ベース21の第一連結軸挿通孔221にベース21に対して回転可能に挿通されるが、フロントリンク28の第一連結軸挿通孔281にはフロントリンク28に対して回転不可能に(すなわち、フロントリンク28と一体に回転するように)挿通される。
フロントリンク28とベース21とが連結される部分が、本発明の第一関節の例である。すなわち、フロントリンク28の第一連結軸挿通孔281と、ベース21の第一連結軸挿通孔221と、第一連結軸41とにより、本発明の第一関節が構成される。
フロントリンク28の後端部は、ドアハンドル24のフロントリンク連結部26と相対的に回転可能に連結される。具体的には、フロントリンク28に設けられる第二連結軸挿通孔282およびドアハンドル24の第二連結軸挿通孔261に第二連結軸42が挿通されることにより、フロントリンク28とドアハンドル24とが、上下方向に平行な軸線を中心として相対的に回転可能に連結される。フロントリンク28に設けられる第二連結軸挿通孔282はフロントリンク28を上下方向に貫通する断面略円形の貫通孔である。第二連結軸42は円柱状または円筒状の部材である。
ドアハンドル24とフロントリンク28とが連結される部分が、本発明の第二関節の例である。すなわち、ドアハンドル24のフロントリンク連結部26の第二連結軸挿通孔261と、フロントリンク28の第二連結軸挿通孔282と、第二連結軸42とにより、第二関節が構成される。
フロントリンク28は、ベース21に対して回転することにより、初期位置(図6および図7参照)と作動位置(図9Aおよび図9B参照)とに移動可能である。フロントリンク28の初期位置は、ドアハンドル24に連結される部分(第二連結軸挿通孔282が設けられる部分)がベース21の車外側の面よりも車内側に位置する位置である。フロントリンク28の作動位置は、フロントリンク28の後端部が初期位置よりも車外側に位置する位置であって、ドアハンドル24に連結される部分がベース21および車両ドア10のアウターパネル111の車外側の面よりも車外側に位置する位置である。このため、「フロントリンク28は、前端部(ベース21に連結される部分)を中心に後端部(ドアハンドル24に連結される部分)が車幅方向に移動する態様で振り子状に揺動可能である」ということもできる。
図略のアクチュエータには、回転動力を出力する電動モータが適用される。そして、この電動モータは、歯車などの動力伝達機構を介して第一連結軸41を回転させることができるように構成され、第一連結軸41を回転させることによってフロントリンク28を初期位置と作動位置とに移動させることができる。なお、アクチュエータは、フロントリンク28を初期位置と作動位置とに移動させることができるように構成されればよく、具体的な構成は特に限定されない。
サブリンク29は、本発明の第二リンク部材の例である。サブリンク29は、ベース21の格納空間211の外側であって、上板部22の上側に配置される。サブリンク29は、ベース21と回転可能に連結されるとともに、リアリンク31と相対的に回転可能に連結される。なお、サブリンク29とリアリンク31との相対的な回転中心線は、ドアハンドル24とフロントリンク28との相対的な回転中心線、ドアハンドル24とリアリンク31との相対的な回転中心線、ベース21に対するフロントリンク28の回転中心線、およびベース21に対するサブリンク29の回転中心線と平行であり、上下方向に平行である。このほか、サブリンク29は、ケーブル14を介してドアロック装置13と連結可能に構成される。
サブリンク29には、第三連結軸43を挿通可能な第三連結軸挿通孔291と、リアリンク31と相対的に回転可能に連結するための第四連結軸44を挿通可能な第四連結軸挿通孔292と、ケーブル14の端部を支持可能なケーブル支持部293とが設けられる。サブリンク29の第三連結軸挿通孔291および第四連結軸挿通孔292は、いずれも上下方向に貫通する断面略円形の貫通孔である。サブリンク29の第三連結軸挿通孔291にベース21の上板部22に設けられる第三連結軸43が挿通されることより、サブリンク29はベース21に対して回転可能に連結(支持)される。なお、フロントリンク28が初期位置に位置するときの第二連結軸42(フロントリンク28とドアハンドル24との相対的な回転中心)と、第三連結軸43(サブリンク29のベース21に対する回転中心)とは同軸である(図7、図8、図10A参照)。
サブリンク29とベース21とが連結される部分が、本発明の第三関節の例である。すなわち、ベース21の第三連結軸43と、サブリンク29の第三連結軸挿通孔291とにより、本発明の第三関節が構成される。
サブリンク29は、第三連結軸43を中心としてベース21に対して回転することにより、初期位置(図7参照)と、作動位置(図10Aおよび図10B参照)とに移動可能に構成される。そして、サブリンク29は、サブリンク付勢バネ30によって初期位置に向かって常時弾性付勢されている。サブリンク付勢バネ30には、例えば両端にアームを備えるトーションバネが適用される。この場合、サブリンク付勢バネ30は、一方のアームがベース21の上板部22に設けられるバネ係止部223に係止し、他方のアームがサブリンク29に係止することにより、サブリンク29を初期位置に向かって常時弾性付勢する。
リアリンク31は本発明の第三リンク部材の例である。リアリンク31は長尺棒状の形状を備える。そして、リアリンク31の前端部(長尺方向の一方の端部)がサブリンク29と相対的に回転可能に連結され、後端部(長尺方向の他方の端部)がドアハンドル24と回転可能に連結される。
具体的には、リアリンク31の前端部には、第四連結軸44を挿通可能な第四連結軸挿通孔311が設けられる。リアリンク31の第四連結軸挿通孔311は上下方向に貫通する断面略円形の貫通孔である。第四連結軸44は、円柱状または円筒状の部材である。そして、サブリンク29の第四連結軸挿通孔292とリアリンク31の第四連結軸挿通孔311とに第四連結軸44が挿通されることにより、サブリンク29とリアリンク31とが相対的に回転可能に連結される。なお、第四連結軸44の下端部は、サブリンク29の下面より下方に突出しており、ベース21の下板部23に設けられるガイド孔231に入り込んでいる。
リアリンク31とサブリンク29とが連結される部分が、本発明の第四関節の例である。すなわち、サブリンク29の第四連結軸挿通孔292と、リアリンク31の第四連結軸挿通孔311と、第四連結軸44とにより、本発明の第四関節が構成される。
リアリンク31の後端部には、ドアハンドル24のリアリンク連結部27と相対的に回転可能に連結するための第五連結軸45を挿通可能な第五連結軸挿通孔312が設けられる。リアリンク31の第五連結軸挿通孔312は、上下方向に貫通する断面略円形の貫通孔である。第五連結軸45は、円柱状または円筒状の部材である。そして、リアリンク31の第五連結軸挿通孔312とドアハンドル24の第五連結軸挿通孔271とに第五連結軸45が挿通されることにより、リアリンク31とドアハンドル24とが相対的に回転可能に連結される。
リアリンク31とドアハンドル24とが連結される部分が、本発明の第五関節の例である。すなわち、リアリンク31に設けられる第五連結軸挿通孔312と、ドアハンドル24のリアリンク連結部27に設けられる第五連結軸挿通孔271と、第五連結軸45とにより、本発明の第五関節が構成される。
リアリンク31は、サブリンク29が初期位置に位置するときにサブリンク29に対して回転することにより、初期位置(図7参照)と第一作動位置(図9Aおよび図9B参照)とに移動可能に構成される。さらに、リアリンク31は、ベース21に対してサブリンク29と一体に回転することにより初期位置(図7参照)と第二作動位置(図10Aおよび図10B参照)とに移動可能である。リアリンク31の初期位置は、フロントリンク28が初期位置に位置し、かつ、ドアハンドル24が第一位置に位置するときの位置である。リアリンク31の第一作動位置は、ドアハンドル24が第二位置に位置するときの位置である。第二作動位置は、ドアハンドル24が第三位置に位置するときの位置である。
(ドアハンドル装置の動作)
次に、ドアハンドル装置20の動作について説明する。ドアハンドル装置20の動作には、アクチュエータの駆動力によってドアハンドル24を第一位置から第二位置へ移動させる電動ポップアップ動作と、使用者等の手動操作によりドアハンドル24を第一位置から第三位置へ移動させる手動ポップアップ動作とが含まれる。
(電動ポップアップ動作)
図7、図8、図9Aおよび図9Bは、ドアハンドル装置20の電動ポップアップ動作を説明する模式図である。フロントリンク28が初期位置に位置し、かつ、ドアハンドル24に外力が掛かっていない場合には、図7に示すように、ドアハンドル24は第一位置に位置し、サブリンク29およびリアリンク31は初期位置に位置する。ドアハンドル24が初期位置に位置すると、ドアハンドル24のハンドル本体部25の車外側の面とベース21の車外側の面(または車両ドア10のアウターパネル111の車外側の面)とが略ツライチの状態になる。この状態では、使用者等は、ドアハンドル24のハンドル本体部25の車外側の面に接触することはできるが、グリップ部251の車内側の面に設けられるタッチセンサに接触することができない。
ドアハンドル24が初期位置に位置しているときに、例えばECUがポップアップ信号を受け付けると、ECUはアクチュエータを駆動させて、フロントリンク28を初期位置から作動位置に移動させる。フロントリンク28が初期位置から作動位置に移動すると、第二連結軸42は第一連結軸41を中心とする円弧軌道を描いて車外側に向かって移動する。そして、第二連結軸42が車外側に移動すると、ドアハンドル24がリアリンク31を車外側に引っ張るため、リアリンク31の後端部側が初期位置から車外側に向かって移動する。なお、サブリンク29はサブリンク付勢バネ30によって初期位置に保持されているため、サブリンク29の前端部(第四連結軸44)は車外側に移動しない。このため、リアリンク31は、第四連結軸44を中心として後端部側(第五連結軸45が設けられる側)が車外側に移動する態様で回転する。
すなわち、サブリンク29がベース21に対して移動しない場合には、図8に示すように、ドアハンドル24と、フロントリンク28と、ベース21およびサブリンク29と、リアリンク31とは、上下方向に直角な平面内で運動する1自由度の4節リンク機構50を構成する。この場合、ベース21およびサブリンク29が4節リンク機構50における固定リンク501に相当し、フロントリンク28およびリアリンク31がそれぞれ固定リンク501に直接に連結されるリンク502,503に相当し、ドアハンドル24が固定リンク501に直接に連結されないリンク504(固定リンク501に対向するリンク)に相当する。
図8においては、フロントリンク28が初期位置に位置する場合の4節リンク機構50の各リンク501,502,503,504を実線で示し、フロントリンク28が作動位置に位置する場合の4節リンク機構50の各リンク502,503,504を破線で示す。この4節リンク機構50において、ベース21およびサブリンク29によるリンク(固定リンク501)と、ドアハンドル24によるリンク504(固定リンク501に直接に連結されないリンク)とは、略平行である。また、フロントリンク28によるリンク502(固定リンク501の一端に連結されるリンク)と、リアリンク31によるリンク503(固定リンク501の他端に連結されるリンク)とは略平行である。すなわち、ベース21およびサブリンク29によるリンク(固定リンク501)の長さと、ドアハンドル24によるリンク504(固定リンク501に直接に連結されないリンク)の長さとは、略同じである。また、フロントリンク28によるリンク502の長さと、リアリンク31によるリンク503の長さとは略同じである。このような4節リンク機構50においては、固定リンク501に直接に連結されるリンク502,503が回転(揺動)すると、固定リンク501に直接に連結されないリンク504は平行移動する。このため、フロントリンク28が初期位置から作動位置へ移動すると、ドアハンドル24は第一位置から第二位置へ略平行移動する。
ドアハンドル24が第二位置に位置すると、ハンドル本体部25は、ベース21の車外側の面(および車両ドア10のアウターパネル111の車外側の面)から離間する。この状態では、使用者等は、ハンドル本体部25のグリップ部251の車内側の面に設けられたタッチセンサに触れることができる。ECUは、ハンドル本体部25のタッチセンサへのタッチ操作を検出すると、ドアロック装置13のアクチュエータを駆動することにより、ラッチ機構をラッチ状態からアンラッチ状態に切り替える。したがって、使用者は、車両ドア10を開放することができる。
なお、ECUは、フロントリンク28が作動位置に位置する場合において、例えば格納信号を受け付けると、アクチュエータを駆動することにより、ドハンドルを第二位置から第一位置へ移動させることができる。
(手動ポップアップ動作)
フロントリンク28が初期位置に位置し、かつドアハンドル24が第一位置に位置するときに、手動操作によってハンドル本体部25のテコ部252が車内側に押し込まれると、ドアハンドル24は、第二連結軸42を中心として、テコ部252が車内側に移動し、グリップ部251が車外側に向かって移動する態様で回転する。このため、グリップ部251は、ベース21の車外側の面(車両ドア10のアウターパネル111の車外側の面)から車外側に離間する。この位置が第三位置である。そして、ドアハンドル24が第三位置に位置すると、使用者等はグリップ部251を把持できる(または、グリップ部251の車内側の面に手や指等を掛けることができる)。このため、使用者等は、グリップ部251を把持して(または手や指等を掛けて)グリップ部251を車外側にさらに引き出すことにより、第二連結軸42を中心としてドアハンドル24をさらに回転させることができる。このように、使用者は、ドアハンドル24のテコ部252を車内側に押し込むことにより、ドアハンドル24を第一位置から第三位置に移動させることができる。
ドアハンドル24が第一位置から第三位置に移動すると、リアリンク31の後端部が車外側に引っ張られるとともに、リアリンク31を介してサブリンク29が車外側に引っ張られる。このため、リアリンク31が初期位置から第二作動位置に移動するとともに、サブリンク29が初期位置から作動位置に移動する。そして、図10Aおよび図10Bに示すように、サブリンク29のケーブル支持部293は、サブリンク29が初期位置に位置する場合に第三連結軸43の車内側に離間した位置に位置するように構成される。このため、サブリンク29が初期位置から作動位置に移動すると、サブリンク29のケーブル支持部293は後方に移動し、ケーブル支持部293の移動によってケーブル14の端部が後方に引っ張られる。これにより、ドアロック装置13はラッチ状態からアンラッチ状態に切り替わる。なお、電動ポップアップ動作においては、サブリンク29は初期位置に保持されるため、ケーブル14は引っ張られない。このため、電動ポップアップ動作によりドアハンドル24が第一位置から第二位置に移動した場合には、ドアロック装置13はラッチ状態に維持される。
本実施形態では、フロントリンク28が初期位置に位置する場合のドアハンドル24のベース21に対する回転中心(第二連結軸42)とサブリンク29のベース21に対する回転中心(第三連結軸43)とは同軸である。このような構成であると、手動ポップアップ動作において、ドアハンドル24の回転可能な範囲が規制されない。すなわち、上下方向視においてドアハンドル24のベース21に対する回転中心(第二連結軸42)とサブリンク29のベース21に対する回転中心(第三連結軸43)とが互いにずれていると、フロントリンク28およびベース21と、ドアハンドル24と、サブリンク29と、リアリンク31とが、4節リンク機構(なお、この4節リンク機構は、前述の4節リンク機構と異なる)を構成する。この場合、フロントリンク28およびベース21が固定リンクに相当し、ドアハンドル24とサブリンク29とが固定リンクの端部に連結される2つのリンクに相当する。このような構成であると、ドアハンドル24の可動範囲が各リンクの長さに応じて制限されることがある。これに対して、本実施形態によれば、サブリンク29およびリアリンク31は、ドアハンドル24と一体的に第二連結軸42および第三連結軸43を中心として回転する。このため、ドアハンドル24の可動範囲は4節リンク機構の各リンクの長さの影響を受けいない。このため、手動ポップアップ動作におけるドアハンドル24の移動可能な範囲を大きくできる。
また、手動ポップアップ動作時においては、フロントリンク28は初期位置に保持される。フロントリンク28が初期位置に位置すると、フロントリンク28の前後方向の中間部は、第一連結軸41および第二連結軸42よりも車内側に入り込んだ位置に位置する。そして、ドアハンドル24のテコ部252は、フロントリンク28の車外側であって、前後方向に関しフロントリンク28の前端部と後端部の間に位置する。このような構成であると、ハンドル本体部25のテコ部252が車内側に入り込んでも、ハンドル本体部25のテコ部252がフロントリンク28に接触しない。換言すると、ハンドル本体部25は、初期位置に位置するフロントリンク28と干渉することなく、第一位置から第三位置に移動できる。
手動ポップアップ動作後、使用者等がドアハンドル24を離すと、サブリンク29はサブリンク付勢バネ30の付勢力によって作動位置から初期位置に移動する。この際、ハンドル本体部25がリアリンク31を介してサブリンク29に車内側に引っ張られて移動し、ドアハンドル24は初期位置に移動する。このように、ドアハンドル装置20は、ドアハンドル24が自動的に(使用者等の手動操作によらずに)第三位置から第一位置へ移動するように構成される。
本実施形態によれば、アクチュエータの駆動力によってフロントリンク28を初期位置から作動位置に移動させることにより、ドアハンドル24を第一位置から第二位置に移動させることができる。さらに、使用者等がドアハンドル24のハンドル本体部25のテコ部252を車内側に押し込むことによって、ドアハンドル24を第一位置から第三位置へ移動させることができる。このように、アクチュエータが動作可能な状態においてはアクチュエータの駆動力によってドアハンドル24を第二位置に移動させることができ、アクチュエータが動作不可能な状態においては手動によってドアハンドル24を第三位置に移動させることができる。したがって、使用者等は、アクチュエータの不調時や電源の喪失時などにおいても、手動操作によりドアハンドル24を第一位置から第三位置に移動させることにより、車両ドア10を開放すること(ドアロック装置13をラッチ状態からアンラッチ状態に切り替えること)ができる。
なお、リアリンク31の下面から突出する第四連結軸44の下端部は、ベース21の下板部23に設けられるガイド孔231に入り込んでいる。このため、リアリンク31が初期位置と第二動作位置とに移動する際には、ガイド孔231によってリアリンク31の前端部が第三連結軸43を中心とする円弧軌道を描くようにガイドされる。したがって、リアリンク31の初期位置から第二作動位置へのスムーズな移動、および第二位作動位置から初期位置へのスムーズな移動が確保される。
また、本実施形態によれば、ハンドル本体部25のテコ部252を車内側に押し込むことによりドアハンドル24を第一位置から第三位置に移動させることができるため、ドアハンドル24の本体部の車外側の面に、グリップ部251を車外側に引き出すための手掛かり部などを設けなくてもよい。このため、ドアハンドル装置20のデザインの自由度を高めることができる。
(ストッパーおよび溝)
次に、ベース21に設けられるストッパー232およびリアリンク31に設けられる溝313について説明する。図11は、ベース21に設けられるストッパー232とリアリンク31に設けられる溝313との関係を示す模式図である。ストッパー232および溝313は、電動ポップアップ動作時においてはリアリンク31の移動可能な範囲を規制するように構成され、手動ポップアップ動作時においてはリアリンク31の移動可能な範囲を規制しないように構成される。
リアリンク31の上面および下面には、リアリンク31の車内側の面から車外側の面にかけて延伸する溝313が設けられる。より具体的には、これらの溝313は、サブリンク29が初期位置に位置し、かつ、リアリンク31が初期位置に位置する状態において、第三連結軸43を中心とする円の周方向に延伸する。一方、ベース21の上板部22の下面および下板部23の上面のそれぞれには、突起状のストッパー232が設けられる。これらのストッパー232は、初期位置に位置するリアリンク31の車外側の面よりも車外側に離間した位置に設けられる。なお、図11においては、初期位置に位置するリアリンク31を破線で示す。これらのストッパー232は、図11に示すように、サブリンク29が初期位置に位置する状態でリアリンク31が初期位置から回転した場合の溝313の移動軌跡から外れた位置で、かつ、リアリンク31が第三連結軸43を中心としてサブリンク29と一体的に回転した場合の溝313の移動軌跡内に位置するように設けられる。図11においては、2本の円弧Lどうしの間の領域が溝313の移動軌跡である。
前記のとおり、フロントリンク28が初期位置から作動位置に向かって移動し、フロントリンク28の移動に伴ってドアハンドル24が第一位置から第二位置に向かって移動すると、リアリンク31は後端部側の部分が車外側に向かって移動する態様で回転する。この場合、ストッパー232は溝313の移動軌跡から外れた位置に位置するから、ストッパー232は溝313に入り込まない。したがって、この場合には、ストッパー232がリアリンク31の車外側の面に当接する。そして、リアリンク31は、ストッパー232に当接した位置からそれ以上車外側に移動できない。この状態でのフロントリンク28の位置がフロントリンク28の作動位置であり、この状態でのリアリンク31の位置がリアリンク31の第一作動位置であり、この状態でのドアハンドル24の位置がドアハンドル24の第二位置である。このため、「ストッパー232は、リアリンク31の第一作動位置およびドアハンドル24の第二位置を規定するように構成される」ということもできる。
ドアハンドル24が第二位置に位置する状態で、使用者等がアウトサイドドアハンドル24を車外側に引いた場合や、使用者等がテコ部252を車内側に押した場合であっても、リアリンク31はそれ以上車外側に移動できないから、ドアハンドル24は第二位置からさらに車外側に移動すること、および第二連結軸42を中心として回転することはできない。すなわち、ドアハンドル24が第二位置に位置する場合に、ドアハンドル24のグリップ部251に車外側に移動させるような力が掛かっても、ドアハンドル24は第二位置に保持される。したがって、例えば、使用者等がグリップ部251に設けられるタッチセンサに接触するためにグリップ部251を把持した場合やグリップ部251の車内側の面に接触した場合などに、ドアハンドル24の不測の動きを防止できるから、ドアハンドル24の使用感を向上させることができる。
一方、フロントリンク28が初期位置に位置するときにドアハンドル24が第一位置から第三位置に移動すると、サブリンク29およびリアリンク31は、第三連結軸43を中心としてドアハンドル24と一体的に回転する。前記のとおり、ストッパー232は、リアリンク31が第三連結軸43を中心として回転した場合の溝313の移動軌跡内に位置するから、ストッパー232が溝313を通過することによって(換言すると、溝313によってストッパー232を回避することによって)、リアリンク31はストッパー232よりも車外側に移動できる。このため、リアリンク31は、初期位置から第二作動位置に移動する場合には、ストッパー232によって移動範囲が制限されない。
手動操作によってドアハンドル24を第一位置から第三位置に移動させることによりドアロック装置13のラッチ機構をラッチ状態からアンラッチ状態に切り替えるためには、ケーブル14を所定のストローク量引っ張る必要があるため、ドアハンドル24の第一位置からの移動量(回転角度)を大きくできることが好ましい。上記構成によれば、ドアハンドル装置20は、ドアハンドル24が第一位置から第三位置に移動する場合には、リアリンク31の可動範囲がストッパー232により規制されないように構成されるから、ラッチ機構をラッチ状態からアンラッチ状態に切り替えるために必要な移動量を確保できる。
このような構成によれば、電動ポップアップ時にはドアハンドル24の第二位置からの移動を防止することにより使用感を向上できるとともに、手動ポップアップ動作時にはドアロック装置13のラッチ機構をラッチ状態からアンラッチ状態に切り替えるために必要なサブリンク29の移動量を確保できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において改変が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、前記実施形態では、ドアハンドル24と、フロントリンク28と、ベース21およびサブリンク29と、リアリンク31とが、上下方向に直角な平面内を運動する4節リンク機構を構成するが、本発明はこのような構成に限定されない。例えば、これらの部材が、上下方向に対して傾斜する面内を運動可能な4節リンク機構を構成してもよい。要は、第一関節、第二関節、第三関節、および第四関節における回転中心線が互いに平行であればよく、上下方向に平行でなくてもよい。
20…車両用のドアハンドル装置、21…ドアハンドル装置のベース、24…ドアハンドル、251…ドアハンドルのグリップ部、28…フロントリンク、29…サブリンク、31…リアリンク、

Claims (5)

  1. 使用者が把持可能なグリップ部が設けられたドアハンドルを備える車両用のドアハンドル装置であって、
    筐体と、
    前記筐体と第一関節にて相対的に回転可能に連結され、前記ドアハンドルと第二関節にて相対的に回転可能に連結され、前記第一関節にて前記筐体に対して回転することにより初期位置と作動位置とに移動可能に構成される第一リンク部材と、
    前記筐体と第三関節にて相対的に回転可能に連結され、前記第三関節にて前記筐体に対して回転することにより初期位置と作動位置とに移動可能に構成される第二リンク部材と、
    前記第二リンク部材と第四関節にて相対的に回転可能に連結され、前記ドアハンドルと第五関節にて相対的に回転可能に連結される第三リンク部材と、
    を備え、
    前記第一リンク部材が前記初期位置に位置し、かつ、前記第二リンク部材が前記初期位置に位置するときに、前記ドアハンドルが第一位置に位置し、
    前記第二リンク部材が前記初期位置に位置しているときに、前記第一リンク部材が前記初期位置から前記作動位置に移動すると、前記第二関節の前記第一関節を中心とする回転移動と、前記第二関節の回転移動による前記ドアハンドルの移動に連動した前記第五関節の前記第四関節を中心とする回転移動とにより、前記ドアハンドルが前記第一位置から略平行に第二位置に移動し、
    前記第一リンク部材が前記初期位置に位置しているときに、前記第二リンク部材が前記初期位置から前記作動位置へ移動するとともに、前記第三リンク部材が前記第二リンク部材の移動に連動して前記第三関節を中心として略回転移動することにより、前記ドアハンドルが前記第一位置から前記第二関節を中心として回転移動することにより第三位置に移動することが許容されるように構成される、
    車両用のドアハンドル装置。
  2. 請求項1に記載の車両用のドアアンドル装置であって、
    前記筐体は前記ドアハンドルを格納可能に構成されており、
    前記ドアハンドルの前記第一位置は前記グリップ部が前記筐体の内部に格納された位置であり、前記ドアハンドルの前記第二位置および前記第三位置は前記グリップ部が前記筐体の外部に位置する位置であり、前記第二位置および前記第三位置とは互いに異なる位置である、
    車両用のドアハンドル装置。
  3. 請求項1に記載の車両用のドアハンドル装置であって、
    前記第二リンク部材は、前記初期位置に向かって常時弾性付勢されている、
    車両用のドアハンドル装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用のドアハンドル装置であって、
    前記第三関節と、前記第一リンク部材が前記初期位置に位置するときの前記第二関節と、は同軸である、
    車両用のドアハンドル装置。
  5. 請求項4に記載の車両用のドアハンドル装置であって、
    前記第三リンク部材は、前記初期位置に位置している前記第二リンク部材に対して前記第四関節を中心として回転することにより、前記ドアハンドルが前記第一位置に位置するときの位置である初期位置と、前記ドアハンドルが前記第二位置に位置するときの位置である作動位置とに移動可能に構成され、
    前記筐体は、前記前記ドアハンドルが前記第二位置に位置するときに前記第三リンク部材に当接することにより、前記第三リンク部材が前記初期位置から前記作動位置を越えて移動することを規制する規制部を備える、
    車両用のドアハンドル装置。
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