JP2024021039A - 乗物用シート - Google Patents

乗物用シート Download PDF

Info

Publication number
JP2024021039A
JP2024021039A JP2023073703A JP2023073703A JP2024021039A JP 2024021039 A JP2024021039 A JP 2024021039A JP 2023073703 A JP2023073703 A JP 2023073703A JP 2023073703 A JP2023073703 A JP 2023073703A JP 2024021039 A JP2024021039 A JP 2024021039A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heater
pad
cushion
vehicle seat
frame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023073703A
Other languages
English (en)
Inventor
孝平 佐藤
Kohei Sato
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TS Tech Co Ltd
Original Assignee
TS Tech Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TS Tech Co Ltd filed Critical TS Tech Co Ltd
Priority to PCT/JP2023/018018 priority Critical patent/WO2023219174A1/ja
Publication of JP2024021039A publication Critical patent/JP2024021039A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】パッドに固定するための接着部材が削減されたヒータを備える乗物用シートを提供する。【解決手段】乗物用シートSは、フレームFと、フレームF上に配置されるパッド30と、パッド30上に配置されるヒータ50と、を備え、ヒータ50は、ヒータ基材51と、ヒータ基材51に設けられるヒータ線52とからなり、ヒータ基材51には、パッド30と係合する係合部53が設けられており、パッド30には、係合部53と係合する被係合部31が設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、乗物用シートに係り、特に、ヒータを備えた乗物用シートに関する。
特許文献1に開示されているように、パッド上にヒータが設けられている乗物用シートが知られている。従来は、図13に示すように、クッション用ヒータ150を、両面テープ(接着部材170)を用いて、クッションパッド130上に張り付けていた。
特開2014-36730号公報
しかしながら、従来の方法では、接着部材170をクッション用ヒータ150の複数の領域に適用して、クッション用ヒータ150をクッションパッド130上に固定しているためコストや作業工数が増加するという課題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、パッドに固定するための接着部材が削減されたヒータを備える乗物用シートを提供することにある。
前記課題は、本発明の乗物用シートによれば、フレームと、該フレーム上に配置されるパッドと、該パッド上に配置されるヒータと、を備え、前記ヒータは、ヒータ基材と、該ヒータ基材に設けられるヒータ線とから、構成されており、前記ヒータ基材には、前記パッドと係合する係合部が設けられており、前記パッドには、前記係合部と係合する被係合部が設けられていることにより解決される。
上記のように構成された本発明の乗物用シートによれば、ヒータ基材に設けられた係合部と、パッドに設けられた被係合部とを係合させることにより、ヒータをパッドに固定することができる。そのため、従来、ヒータの固定に用いられていた接着部材を削減することができる。すなわち、接着部材である両面テープ等の枚数の削減により部材コスト削減することができる。また、例えば乗物用シートの製造工程において、接着部材に係る作業工程、例えばヒータに両面テープを貼る、又は、両面テープの剥離紙を剥がす等の作業工程を削減することができる。
上記の構成において、前記係合部は、前記ヒータ基材に形成された開口部であり、前記被係合部は、前記開口部に係合するように前記パッドに形成された凸部であるとよい。
係合部として開口部を形成し、被係合部として凸部を形成することで、容易にヒータをパッドに固定させることができる。
上記の構成において、前記凸部は、前記パッドに入れられたスリットにより形成されるとよい。
パッドにスリットを入れることにより凸部を形成することで、被係合部をコンパクトにすることができ、また、追加の材料もなく部材費を安価にすることができる。
上記の構成において、前記凸部は、前記パッドの端部に設けられるとよい。
パッドの端部に凸部を設けることで、パッドにヒータを容易に取り付けることができる。
上記の構成において、前記フレームは、パンフレームを前方に有するクッションフレームであり、前記パッドは、乗員の臀部を支持するクッションパッドであり、前記凸部を形成する前記スリットの少なくとも一部は、正面視で前記パンフレームと重なる位置に配置されているとよい。
スリットの一部をパンフレームと重なるように配置することで、クッションパッドの剛性を維持することができる。また、スリットを介してクッションパッドの取付状態も確認することができる。
上記の構成において、前記被係合部は、前記パッドにおいて、シート幅方向中央に配置されるとよい。
被係合部を、パッドのシート幅方向中央に配置することで、ヒータを安定して係合させることができる。
上記の構成において、前記凸部のシート幅方向における長さは、前記開口部のシート幅方向における長さよりも大きいとよい。
凸部のシート幅方向における長さを、開口部のシート幅方向の長さよりも大きくすることで、係合させたとき、開口部周辺のヒータ基材が凸部に食い込み、開口部が凸部から外れ難くなる。
上記の構成において、前記凸部と係合する前の前記開口部は、前記凸部と係合したときより、前記ヒータの延びる方向において若干内側に配置されるとよい。
開口部が、凸部と係合したときよりも内側に配置されることで、凸部と係合したとき、ヒータの延びる方向において内側に向けてテンションがかかり、開口部周辺のヒータ基材が凸部に食い込み、それにより開口部が外れ難くなる。
上記の構成において、前記係合部は、前記ヒータが備える前記ヒータ線、ブレーカ及びサーミスタを避けた位置に設けられているとよい。
係合部を、ヒータ線、ブレーカ及びサーミスタを避けた位置に設けることで、ヒータの機能に影響を与えることなく、ヒータをパッドに取り付けることができる。
上記の構成において、前記被係合部は、前記パッドに形成される通気用の溝、又は、シートベルトリマインダ用の窪み部を避けた位置に設けられているとよい。
被係合部を、通気用の溝又はシートベルトリマインダ用の窪み部を避けた位置に配置することで、シートの機能に影響を与えることなく、ヒータをパッドに取り付けることができる。
本発明の乗物用シートによれば、ヒータ基材に設けられた係合部と、パッドに設けられた被係合部とを係合させることにより、ヒータをパッドに固定することができる。そのため、従来、ヒータの固定に用いられていた接着部材を削減することができる。すなわち、接着部材である両面テープ等の枚数の削減により部材コスト削減することができる。また、例えば乗物用シートの製造工程において、接着部材に係る作業工程、例えばヒータに両面テープを貼る、又は、両面テープの剥離紙を剥がす等の作業工程を削減することができる。
また、係合部として開口部を形成し、被係合部として凸部を形成することで、容易にヒータをパッドに固定させることができる。
パッドにスリットを入れることにより凸部を形成することで、被係合部をコンパクトにすることができ、また、追加の材料もなく部材費を安価にすることができる。
パッドの端部に凸部を設けることで、パッドにヒータを容易に取り付けることができる。
スリットの一部をパンフレームと重なるように配置することで、クッションパッドの剛性を維持することができる。また、スリットを介してクッションパッドの取付状態も確認することができる。
被係合部を、パッドのシート幅方向中央に配置することで、ヒータを安定して係合させることができる。
凸部のシート幅方向における長さを、開口部のシート幅方向の長さよりも大きくすることで、係合させたとき、開口部周辺のヒータ基材が凸部に食い込み、開口部が凸部から外れ難くなる。
開口部が、凸部と係合したときよりも内側に配置されることで、凸部と係合したとき、ヒータの延びる方向において内側に向けてテンションがかかり、開口部周辺のヒータ基材が凸部に食い込み、それにより開口部が外れ難くなる。
係合部を、ヒータ線、ブレーカ及びサーミスタを避けた位置に設けることで、ヒータの機能に影響を与えることなく、ヒータをパッドに取り付けることができる。
被係合部を、通気用の溝又はシートベルトリマインダ用の窪み部を避けた位置に配置することで、シートの機能に影響を与えることなく、ヒータをパッドに取り付けることができる。
本発明の一実施形態に係る乗物用シートの斜視図である。 乗物用シートのフレームを示す斜視図である。 図1のA-A線に沿った断面図で、パッドに設けられたヒータの位置を示す図である。 ヒータと前方から見たクッションパッドを示す図である。 ヒータが取り付けられたクッションパッドを示す上面図である。 ヒータが取り付けられたクッションパッドを示す下面図である。 ヒータが取り付けられたクッションパッドを示す正面図である。 凸部の別例が形成されたクッションパッドを示す正面図である。 凸部の別例が形成されたクッションパッドを示す正面図である。 突出部が形成されたクッションパッド示す正面図である。 凸部の別例が形成されたクッションパッドを示す正面図である。 凸部の別例が形成されたクッションパッドを示す正面図である。 通気用の溝及びシートベルトリマインダ用の窪み部が形成されたクッションパッドを示す上面図である。 係合部の別例を有するヒータを示す図である。 係合部の別例を有するヒータを示す図である。 ヒータが取り付けられたバックパッドを前方から見た正面図である。 ヒータが取り付けられたバックパッドを後方から見た背面図である。 乗物用シートの製造方法を示すフローチャートである。 従来のヒータが取り付けられたクッションパッドを示す上面図である。
以下、本発明の一実施形態(本実施形態)に係る乗物用シートの構成について図面を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例であり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
なお、以下では、乗物用シートの一例として車両に搭載される乗物用シートを挙げ、その構成例について説明することとする。ただし、本発明は、自動車・鉄道など車輪を有する地上走行用乗物に搭載される乗物用シートに限定されるものではなく、地上以外を移動する航空機や船舶などに搭載されるシートであってもよい。
また、以下の説明において、「前後方向」とは、乗物用シートの前後方向であり、車両走行時の進行方向と一致する方向である。また、「シート幅方向」とは、乗物用シートの幅方向であり、乗物用シートに着座した乗員から見た左右方向と一致する方向である。また、「上下方向」とは、乗物用シートの上下方向であり、車両が水平面を走行しているときには鉛直方向と一致する方向である。
また、以下の説明において、「シート幅方向」、「シート高さ方向」のように各種方向に「シート」を付して記載する場合には、乗物用シートに対する方向を示し、「車両内側」、「車両外側」のように「車両」を付して記載する場合には、車両に対する方向を示すものとする。
また、以下に説明する乗物用シート各部の形状、位置及び姿勢等については、特に断る場合を除き、乗物用シートが着座状態にあるケースを想定して説明することとする。
<乗物用シートSの基本構成>
本実施形態に係る乗物用シート(以下、乗物用シートS)の基本構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は乗物用シートSの斜視図である。図1中、乗物用シートSの一部については図示の都合上、表皮Tを外した構成で図示している。
乗物用シートSは、車体フロア上に載置され、車両の乗員が着座するシートである。本実施形態において、乗物用シートSは、車両の前部座席に相当するフロントシートとして利用される。ただし、これに限定されるものではなく、乗物用シートSは、車両のリアシートであってもよく、また、前後方向に三列のシートを備える車両において二列目のミドルシート又は三列目のリアシートとしても利用可能である。
乗物用シートSは、図1に示すように、着座者の臀部を支える着座部分となるシートクッション1、着座者の背部を支える背もたれ部分となるシートバック2、及び、シートバック2の上部に配され、着座者の頭部を支えるヘッドレスト3を主な構成要素とする。
シートクッション1とシートバック2とはリクライニング装置6(図2参照)を挟んで連結されている。また、シートクッション1の下部にはスライド装置7が設置されており、スライド装置7により、乗物用シートSは、前後方向にスライド移動可能な状態で車体フロアに載置される。
乗物用シートSの中には、図2に示すフレームFが設けられており、フレームFは、主にクッションフレーム10とバックフレーム20とにより構成される。クッションフレーム10はシートクッション1の骨格をなしており、バックフレーム20は、シートバック2の骨格をなしている。
シートクッション1は、その後端部がシートバック2の下端部に連結されている。また、シートクッション1は、クッションフレーム10に、クッションパッド30を配し、さらにクッションパッド30をクッション用の表皮Tにより覆うことで構成される。シートバック2は、バックフレーム20に、バックパッド40を配し、さらにバックパッド40をバック用の表皮Tにより覆うことで構成される。なお、クッションパッド30及びバックパッド40は、本発明のパッドに相当する。
本実施形態の乗物用シートSは、クッションパッド30上にクッション用ヒータ50を備える。より詳しく述べると、クッションパッド30と表皮Tとの間に、クッション用ヒータ50が設けられている。また、乗物用シートSは、バックパッド40の着座面上に、バック用ヒータ60を備えている。より詳しく述べると、バックパッド40と表皮Tとの間に、バック用ヒータ60が設けられている。クッション用ヒータ50及びバック用ヒータ60は、本発明のヒータに相当する。クッション用ヒータ50及びバック用ヒータ60の構成については後述する。
クッションパッド30及びバックパッド40は、例えばウレタン発泡剤を用いて、発泡成型により成型されたウレタン基材である。表皮Tは、布、フィルム、クロス、革やシート等により構成される。また、表皮Tは、所定のテンションが掛かるように張られた状態でクッションパッド30及びバックパッド40を覆うよう取り付けられる。
クッションパッド30には、表皮Tを吊り込むための吊り込み溝35が形成されている。また、バックパッド40には、表皮Tを吊り込むための吊り込み溝45が形成されている。
<クッションフレーム10>
フレームFのクッションフレーム10は、図2に示すように、略方形枠状の外形形状をなす。そして、クッションフレーム10は、シート幅方向左右の端部をそれぞれ構成する一対のクッションサイドフレーム11,11と、クッションフレーム10の前端部を構成するパンフレーム12と、受圧板15とを主たる構成要素としている。
一対のクッションサイドフレーム11,11は、クッションフレーム10の幅を規定するため、左右方向に離間して、車両の前後方向に延びるように配置されている。そして、一対のクッションサイドフレーム11,11を連結するフロントパイプ13が前端部に、リアパイプ14が後端部に取り付けられている。
パンフレーム12は、一対のクッションサイドフレーム11,11の前方側に固着接合されており、パンフレーム12により左右のクッションサイドフレーム11,11が前方側で連結される。より詳細には、パンフレーム12の左右方向の端部は、それぞれ、溶接などの固定手段によりクッションサイドフレーム11,11に設けられたフランジに固定される。
パンフレーム12は、主として着座者(乗員)の大腿部を支持するためのものであり、その上面がほぼ平坦な略矩形形状に形成された金属製の板材から形成されるフレームである。
<受圧板15について>
受圧板15は、シートクッション1の着座面からの自重を受け止める部材である。受圧板15は、その前端部がフロントパイプ13に、後端部がリアパイプ14に掛けられることにより支持されている。
<バックフレーム20>
バックフレーム20は、図2に示すように、方形枠状に加工されたパイプからなる。バックフレーム20は、シート幅方向左右の端部をなす一対のバックサイドフレーム21,21と、一対のバックサイドフレーム21,21の上端部を連結するアッパーフレーム22と、一対のバックサイドフレーム21,21の下端部を連結するロアフレーム23と、を備える。アッパーフレーム22は逆U字形に形成されている。
また、バックフレーム20には、バックフレーム20に懸架された受圧板25が設けられていて、受圧板25を懸架するための懸架フレーム24がアッパーフレーム22の下端に渡るよう設けられている。バックフレーム20の上端中央部には、筒型状のヘッドレストガイド26が取り付けられている。このヘッドレストガイド26に、ヘッドレスト3の下端から延びるヘッドレストピラー27が挿入されることで、ヘッドレスト3がシートバック2に取り付けられる。
クッションフレーム10及びバックフレーム20を構成する各部材の構成材料としては、荷重を受けたときに大きく変形しないよう十分な剛性をもつ材料、例えば、鋼材やアルミニウム合金等の金属材料が挙げられる。クッションフレーム10及びバックフレーム20及びを構成する各部材同士の接合手段は溶接であるが、接合手段としては、ボルト、接着剤による接合を併用してもよい。
<クッション用ヒータ50>
クッション用ヒータ50について、図4を用いて説明する。クッション用ヒータ50は、シートクッション1を暖める面状発熱体である。図4の上段は、クッションパッド30に取り付けられる前のクッション用ヒータ50を示している。また、図4の下段は、クッションパッド30を前方から見た図である。
クッション用ヒータ50は、ポリエステルの布材等からなる面状のヒータ基材51と、ヒータ基材51に接着固定されるヒータ線52とから主に構成されている。
ヒータ基材51は、略矩形状に形成された伸縮可能な布材からなり、図4に示すように、前方面状体51aと、後方面状体51bと、前方面状体51aと後方面状体51bとを連結する2つの略矩形状の連結面状体51cとから構成されている。連結面状体51cは、クッションパッド30の吊り込み溝35に差し込まれて載置される。
ヒータ線52は、前後方向に略並行に蛇行してヒータ基材51上に固定されている。ヒータ線52の配置は、これに限定されず、適宜変更されてよい。ヒータ線52は、接着剤によりヒータ基材51上に固定されている。ヒータ線52は、ヒータ基材51の内部に織り込まれてもよい。
ヒータ線52の後方には、クッション用ヒータ50の温度を検知するサーミスタ72及びブレーカ71が設けられている。また、クッション用ヒータ50の温度制御を行うための不図示のコントローラと、車体側のハーネスと接続されるコネクタが取り付けられている。
後方面状体51bの裏面には、シートクッションに接着するための接着部材70が設けられている。また、前方面状体51aの後端部にも接着部材70が設けられている。接着部材70は例えば両面テープである。吊り込み溝35の前後を接着部材70により固定することで、乗員の荷重がかかったときに、ヒータ基材51が引っ張られて、吊り込み溝35に溜まることを抑制している。
また、ヒータ基材51(より詳細には前方面状体51a)の前端部55には、クッションパッド30と係合する係合部53が設けられている。クッションパッド30には、その前端部(巻き込み部38)に被係合部31が形成されており、係合部53が、被係合部31と係合することにより、ヒータ基材51の前端部55を取り付けることが可能となっている。
本実施形態では、係合部53として、ヒータ基材51の前端部55に矩形状の開口部54が形成されている。また、クッションパッド30の前端部、より詳細述にはクッションパッド30の巻き込み部38に、開口部54と係合する被係合部31として凸部33が形成されている。クッションパッド30の凸部33は、図4の下段に示すように、クッションパッド30の前端部(巻き込み部38)に2つのスリット32を入れることにより形成されている。
図5に示すように、クッション用ヒータ50の後端部を接着部材70で固定する。その後、図6に示すように、ヒータ基材51の前端部55に設けられた開口部54を、クッションパッド30の凸部33に掛けることにより、クッション用ヒータ50がクッションパッド30に固定される。
従来は、図13に示すように、クッション用ヒータ150をクッションパッド130に固定するために、ヒータ基材151の前端部も接着部材70を用いて固定していた。クッション用ヒータ150の後端部は、吊り込み溝に引き込まれないよう、製造後も接着部材70を用いてクッションパッド130に固定する必要がある。一方、前端部の固定は、製造工程において、クッションパッド130からクッション用ヒータ150が脱落することを抑制したり、折れシワの発生を抑制したりできればよい。クッション用ヒータ150を固定した後、クッションパッド130は表皮Tで覆われるため、クッション用ヒータ150の前端部は接着部材で固定されなくてもよい。
本実施形態の乗物用シートSでは、クッション用ヒータ50の前端部55に開口部54を形成し、開口部54をクッションパッド30の凸部33に掛けることにより、クッション用ヒータ150を固定している。それにより、従来、前端部の固定に用いられていた接着部材70(両面テープ)が不要となり、接着部材70を使用する量の削減し、部材コストを減少させることができる。また、乗物用シートSの製造工程において、接着部材に係る作業工程、例えば、クッション用ヒータ50の裏面に両面テープを貼る、又は、両面テープの剥離紙を剥がす等の作業工程を削減することができる。
また、本実施形態では、凸部33を、クッションパッド30の前端部、より詳しくは、巻き込み部38に2つのスリット32を入れることにより形成している。
係合部53として開口部54を形成し、被係合部31として凸部33を形成することで、容易にヒータ基材51の前端部55をクッションパッド30に固定させることができる。
また、クッションパッド30にスリット32を入れることにより凸部33を形成していることから、被係合部31をコンパクトにすることができる。また、突出部を新たに設ける場合と比較して追加の材料もなく部材費を安価にすることができる。
また、図4の下段に示すクッションパッド30のように、本実施形態では、凸部33を形成するスリット32の少なくとも一部が、正面視でパンフレーム12と重なる位置に配置されている。スリット32がパンフレーム12と正面視で重なることで、より強固にクッション用ヒータ50を固定することができる。
また、被係合部31である凸部33は、クッションパッド30において、シート幅方向中央に配置されている。凸部33をシート幅方向中央に配置することで、左右にずれることなく、クッション用ヒータ50を安定して係合させることができる。また、凸部33は、左右対称の位置に配置するのがよく、それにより、例えばヒータ基材51に発生するシワを抑制できる。
なお、凸部33の位置や数は、車種ごとに設定されるクッションパッド30のデザインに応じて選択することが可能であるが、1つの凸部33をシート幅方向(左右方向)の中央に設けることが好ましい。凸部33を1つにすることで、クッション用ヒータ50の取付工数が少なくなり、またヒータ基材51の固定性も向上する。また、クッションパッド30に設けられる凸部33にはある程度の剛性が必要である。そのため、凸部33のシート幅方向の長さW2は広い方がよい。そのため、幅広の凸部33が1つだけ形成されているのが最もよい。
また、図4に示すように、凸部33のシート幅方向における長さW2は、開口部54のシート幅方向における長さW1よりも大きくなるように形成されている。凸部33のシート幅方向の長さW2を開口部54のシート幅方向における長さW1よりも大きくすることにより、係合させた際、ヒータ基材51がパッドの凸部33に食い込み、開口部54が外れ難くなる。
また、凸部33と係合する前の開口部54の位置は、凸部33と係合したときより、ヒータの延びる方向(図4の前後方向)において若干内側に配置されるとよい。言い換えれば、係合前の前方面状体51aの後端部から開口部54までの距離L1は、図3に示すように、前方面状体51aの後端部から凸部33までの距離L2よりも短くなるように配置されるとよい。このように配置することで、開口部54を凸部33に係合させたとき、ヒータ基材51が引っ張られて、元の長さより伸ばして掛けることとなるため、クッション用ヒータ50の延びる方向(前後方向)において内側に向けてテンションがかかる。そのため、ヒータ基材51のたるみを抑制することができる。また、開口部54周辺のヒータ基材51が凸部33に食い込むため、開口部54が凸部33から外れ難くなる。
また、係合部53である開口部54は、クッション用ヒータ50が備える、ヒータ線52、ブレーカ71及びサーミスタ72を避けた位置に設けられているとよい。すなわち、開口部54を、ヒータ基材51上において、ヒータ線52、ブレーカ71及びサーミスタ72が配置されてない場所に形成するとよい。開口部54を、ヒータ線52、ブレーカ71及びサーミスタ72を避けた位置に設けることで、クッション用ヒータ50の機能に影響を与えることなく、クッション用ヒータ50をクッションパッド30に取り付けることができる。
図8A~図8Fを用いて、クッションパッド30に形成される被係合部31の別例について説明する。
図8Aに示すクッションパッド30Aのように、クッションパッド30Aの前端部(巻き込み部38)に4つのスリット32Aを入れて、被係合部31Aとなる2つの凸部33Aを形成してもよい。この場合、図示しないがクッション用ヒータ50のヒータ基材51には、2つの開口部54が2つの凸部33Aと対応する位置に形成される。
また、図8Bに示すクッションパッド30Bのように、クッションパッド30Aの前端部に6つのスリット32Bを入れて、被係合部31Bとなる3つの凸部33Bを形成してもよい。この場合、図示しないがクッション用ヒータ50には、3つの開口部54が凸部33Bと対応する位置に形成される。
凸部33A、33Bを複数設けることで、より強固にクッション用ヒータ50を取り付けることができる。また、複数の凸部33A、33Bを設ける場合でも左右対称な位置に配置することで、ヒータ基材51に発生するシワを抑制することができる。
また、図8Cに示すクッションパッド30Cのように、クッションパッド30Cの前端部に、前端部から突出する突出部34を設けてもよい。前端部から突出する突出部34を設けることにより、容易に突出部34をクッション用ヒータ50の開口部54に通すことができる。
また、図8Dに示すクッションパッド30Dのように、凸部33Dを形成する2つのスリット32Dを、前方から見て逆V字状となるように形成してもよい。言い換えれば、隣り合う2つのスリット32Dは、その底部32aDが近づくように形成されるとよい。このように形成することで、図4に示すスリット32のようにストレート形状で形成する場合と比較して、凸部33Dと係合した開口部54が外れ難くなる。
また、図8Eに示すクッションパッド30Eのように、凸部33Eを形成する2つのスリット32Eを、前方から見てV字状となるように形成してもよい。言い換えれば、隣り合う2つのスリット32Eは、その底部32aEが遠ざかるように形成されるとよい。このように形成することで、図4に示すスリット32のようにストレート形状で形成する場合と比較して、開口部54を凸部33Eに掛けやすくなる。
また、図8Fに示すクッションパッド30Fのように、乗物用シートによっては、搭載されたブロア装置(不図示)から送風される空気を着座面から出するために、通気用の溝36が形成されている場合がある。また、クッションパッド30Fには、シートベルトリマインダ用の圧力センサ等を設けるために、窪み部37が形成されている場合がある。
クッションパッド30Fに形成されるスリット32F及び凸部33Fは、通気用の溝36又はシートベルトリマインダ用の窪み部37を避けた位置に設けるとよい。
すなわち、スリット32F及び凸部33Fは、溝36及び窪み部37が設けられていない場所に形成するとよい。このような位置に被係合部31Fを配置することにより、シートの機能に影響を与えることなくクッション用ヒータ50を取り付けることができる。
次に、クッション用ヒータ50の別例について、図9A及び図9Bを用いて説明する。図4に示すクッション用ヒータ50の開口部54は矩形状に形成されているが、開口部54の形状はこれに限定されない。
例えば図9Aに示す、クッション用ヒータ50Aのように、係合部53Aである開口部54Aを上面視で左右方向に長い楕円形となるように形成してもよい。このように形成することで凸部33に掛けやすくなる。
また図9Bに示すクッション用ヒータ50Bのように、係合部53Bである開口部54Bが上面視で台形状となるように形成してもよい。開口部54Bを台形状とすることにより、開口部54Bを凸部33に掛けやすくなる。
<バック用ヒータ60>
シートクッション1に設けられるクッション用ヒータ50について説明したが、同様の構成を、シートバック2に設けられるバック用ヒータ60に適用してもよい。図10は、バック用ヒータ60が取り付けられたバックパッド40を前方から見た正面図であり、図11は、バック用ヒータ60が取り付けられたバックパッド40を後方から見た背面図である。
バック用ヒータ60も、クッション用ヒータ50と同様に、ポリエステルの布材等からなる面状のヒータ基材61と、ヒータ基材61に接着固定されるヒータ線62とから主に構成されている。
ヒータ基材61は、略矩形状に形成された伸縮可能な布材からなり、図10に示すように、下方面状体61aと上方面状体61bと、下方面状体61aと上方面状体61bとを連結する2つの連結面状体61cとから構成される。連結面状体61cは、バックパッド40の吊り込み溝45に差し込まれて載置される。
図10に示すように、上方面状体61bと、下方面状体61aの上端部は、接着部材70を用いて固定されている。
ヒータ基材61の下端部には、バックパッド40の被係合部41と係合する係合部63として開口部64が形成されている。バックパッド40の下端(より詳細には、巻き込み部48)には被係合部41として凸部43が設けられている。凸部43は、バックパッド40の下端(巻き込み部48)に2つのスリット42を入れることで形成される。また、2つのスリット42は、バックパッド40の下端に配策されたハーネス73を避けて形成されている。
バック用ヒータ60は、上端部側を接着部材70で固定した後、図11に示すように、バック用ヒータ60の下端部を後方に回して、バックパッド40の凸部43にバック用ヒータ60の開口部64を掛けることにより固定される。
従来は、バック用ヒータ60の下端部を接着部材70で固定していたが、開口部64を凸部43に掛けることにより、バック用ヒータ60の下端部を固定することで、バック用ヒータ60の下端部の接着部材70が不要となる。そのため、接着部材70を使用する量を削減することができる。また、接着部材70に係る作業工程、例えば、バック用ヒータ60の裏面に両面テープを貼る、又は、両面テープの剥離紙を剥がす等の作業工程を削減することができる。
ヒータを有するの乗物用シートSの製造方法について図12に示すフローチャートを用いて説明する。
乗物用シートSを組み立てるために、ステップS101において、パッド(クッションパッド30、バックパッド40)とパッドに取り付けられるヒータ(クッション用ヒータ50、バック用ヒータ60)とを準備する。
ヒータの一方の端部には接着部材70として両面テープが設けられており、他方の端部には、パッドの被係合部31,41と係合する係合部53,63が形成されている(準備工程)。
ステップS102に移行し、ヒータの一方の端部を両面テープでパッドに固定する(接着工程)。ステップS103に移行し、ヒータの他方の端部に形成された係合部53、63を、パッドに形成された被係合部31、41に係合させる(係合工程)。
次に、ステップS104において、ヒータが取り付けられたパッドを、フレームFに配置する(パッド配置工程)。ヒータが取り付けられたパッドに表皮Tを被せ、表皮Tを固定することで、乗物用シートSが完成する(表皮被覆工程)。
以上、本実施形態に係る乗物用シートSについて図を用いて説明した。本実施形態では、ヒータ基材に係合部として開口部を形成し、クッションパッド側に凸部を形成していたが、ヒータ基材に凸部を形成し、パッド側に凸部が挿入される凹部を形成して、ヒータをパッドに固定してもよい。例えばヒータ基材にクリップを設け、パッド側にクリップ受け部を設けて、ヒータをパッドに固定する。また、本実施形態では、クッションパッドの前端部において、ヒータ基材の係合部と係合しているが、クッションパッドの左右端部又は後端部に被係合部を設け、ヒータ基材の係合部と係合させてもよい。ただし、クッションパッドの前端部(巻き込み部)に被係合部を設けるのが最も組付け性がよく好ましい。
また、本実施形態の乗物用シートは、車両に搭載されたものであるが、本発明は、自動車・鉄道など車輪を有する地上走行用乗物に搭載される乗物用シートSに限定されるものではなく、例えば、地上以外を移動する航空機や船舶などに搭載される乗物用シートSにも適用され得る。
S 乗物用シート
1 シートクッション
2 シートバック
3 ヘッドレスト
6 リクライニング装置
F フレーム
T 表皮
10 クッションフレーム(フレーム)
11 クッションサイドフレーム
12 パンフレーム
13 フロントパイプ
14 リアパイプ
15 受圧板
20 バックフレーム(フレーム)
21 バックサイドフレーム
22 アッパーフレーム
23 ロアフレーム
24 懸架フレーム
25 受圧板
26 ヘッドレストガイド
27 ヘッドレストピラー
30、30A~30F クッションパッド(パッド)
31、31A~31F 被係合部
32、32A~32F スリット
32aD、32aE 底部
33、33A~33F 凸部
34 突出部
35 吊り込み溝
36 通気用の溝
37 窪み部
38 巻き込み部
40 バックパッド(パッド)
41 被係合部
42 スリット
43 凸部
45 吊り込み溝
48 巻き込み部
50 クッション用ヒータ(ヒータ)
51 ヒータ基材
51a 前方面状体
51b 後方面状体
51c 連結面状体
52 ヒータ線
53、53A、53B 係合部
54、54A、54B 開口部
55 前端部
60 バック用ヒータ(ヒータ)
61 ヒータ基材
61a 下方面状体
61b 上方面状体
61c 連結面状体
62 ヒータ線
63 係合部
64 開口部
70 接着部材
71 ブレーカ
72 サーミスタ
73 ハーネス

Claims (10)

  1. フレームと、
    該フレーム上に配置されるパッドと、
    該パッド上に配置されるヒータと、を備え、
    前記ヒータは、ヒータ基材と、該ヒータ基材に設けられるヒータ線とから、構成されており、
    前記ヒータ基材には、前記パッドと係合する係合部が設けられており、
    前記パッドには、前記係合部と係合する被係合部が設けられていることを特徴とする乗物用シート。
  2. 前記係合部は、前記ヒータ基材に形成された開口部であり、
    前記被係合部は、前記開口部に係合するように前記パッドに形成された凸部であることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記凸部は、前記パッドに入れられたスリットにより形成されることを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート。
  4. 前記凸部は、前記パッドの端部に設けられることを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート。
  5. 前記フレームは、パンフレームを前方に有するクッションフレームであり、
    前記パッドは、乗員の臀部を支持するクッションパッドであり、
    前記凸部を形成する前記スリットの少なくとも一部は、正面視で前記パンフレームと重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の乗物用シート。
  6. 前記被係合部は、前記パッドにおいて、シート幅方向中央に配置されることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
  7. 前記凸部のシート幅方向における長さは、前記開口部のシート幅方向における長さよりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート。
  8. 前記凸部と係合する前の前記開口部は、前記凸部と係合したときより、前記ヒータの延びる方向において若干内側に配置されることを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート。
  9. 前記係合部は、前記ヒータが備える前記ヒータ線、ブレーカ及びサーミスタを避けた位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
  10. 前記被係合部は、前記パッドに形成される通気用の溝、又は、シートベルトリマインダ用の窪み部を避けた位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
JP2023073703A 2022-05-13 2023-04-27 乗物用シート Pending JP2024021039A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2023/018018 WO2023219174A1 (ja) 2022-05-13 2023-05-12 乗物用シート

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202263394407P 2022-08-02 2022-08-02
US63/394,407 2022-08-02

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024021039A true JP2024021039A (ja) 2024-02-15

Family

ID=89854285

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023073703A Pending JP2024021039A (ja) 2022-05-13 2023-04-27 乗物用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024021039A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5001166B2 (ja) 飛行機の乗客席用のヘッドレスト
US20100072804A1 (en) Vehicle seat assembly with polymeric cushion pan
WO2014077346A1 (ja) 乗物用シート
US6634710B1 (en) Vehicle seat assembly having child seat attachments
JPWO2018025796A1 (ja) シート
JP6339629B2 (ja) 乗物用シート
CN111469730A (zh) 用于模块化车辆座椅等的车辆座椅衬垫托架组件
WO2021117856A1 (ja) 乗物用シート及び製造方法
JP2024021039A (ja) 乗物用シート
US20220169160A1 (en) Cover for an upholstered part of a vehicle seat, upholstered part for a vehicle seat, and vehicle seat
JP2024012391A (ja) 乗物用シート
JP7448850B2 (ja) 乗物用シート
JP7397300B2 (ja) 乗物用シート及び製造方法
WO2023219174A1 (ja) 乗物用シート
JP2985749B2 (ja) 組立式車両用ベッドの構造
JP7274879B2 (ja) 乗物用シート
JP7415157B2 (ja) 乗物用シート
US10737600B1 (en) EPP seat back carrier
JP5809960B2 (ja) 乗物用シート
JP2022147821A (ja) 乗物用シート
JP7077041B2 (ja) 乗物用シート
JP2022147822A (ja) 乗物用シート
JP7328494B2 (ja) 乗物用シート
JP6569030B1 (ja) 車室内用支持ユニット
JP6951991B2 (ja) 乗物用シート

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230508