以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1を参照すると、車両1における車室内3に第1実施形態にかかる支持ユニットが設置された状態の車両1の側面図が示されている。また、図2を参照すると、車両1における車室内3に第1実施形態にかかる支持ユニットが設置された状態の車両1の上面図が示されている。またさらに、図3を参照すると、車両1における車室内3に第1実施形態にかかる支持ユニットが設置された状態の車両1の斜視図が示されている。
車両1は、下部を床部5、左右を側壁(内壁面)7、上部を屋根部9によって車室内3が形成された所謂ミニバンである。この車室内3の床部5の上側には、1列目シート11、2列目シート12及び3列目シート13が備えられている。1列目シート11は、運転席21及び助手席23によって構成され、車室内3の車両前後方向前側に配設された座席である。
2列目シート12は、中央右側シート31、中央左側シート33及び中央シート35によって構成され、1列目シート11の車両前後方向後方に配設された座席である。中央右側シート31、中央左側シート33及び中央シート35は、それぞれシートクッション31a、33a、35a及びシートバック31b、33b、35bを備えている。以下、説明の便宜上、シートクッション31a、33a、35aをすべて示すときは2列目シートクッション12aといい、シートバック31b、33b、35bをすべて示すときは2列目シートバック12bという。
2列目シートクッション12aは、床部5の上部に位置するシートレール12cの上側に配設された座部である。このシートレール12cは、2列目シートクッション12aを床部5に対して車両前後方向に移動及び固定することが可能な支持装置である。
2列目シートバック12bは、2列目シートクッション12aの車両前後方向後部に回動軸12dを介して取り付けられた背もたれである。この2列目シートバック12bは、2列目シートクッション12aに対し、回動軸12dを軸にして回動及び固定させることが可能である。
3列目シート13は、後部右側シート41及び後部左側シート43によって構成され、2列目シート12の車両前後方向後方、換言すると車室内3の後側に配設された座席である。後部右側シート41及び後部左側シート43は、それぞれシートクッション41a、43a及びシートバック41b、43bを備えている。以下、説明の便宜上、シートクッション41a、43aの双方を示すときは3列目シートクッション13aといい、シートバック41b、43bの双方を示すときは3列目シートバック13bという。
3列目シートクッション13aは、床部5の上部に位置するシートレール13cの上側に配設された座部である。このシートレール13cは、3列目シートクッション13aを床部5に対して車両前後方向に移動及び固定することが可能な支持装置である。
3列目シートバック13bは、3列目シートクッション13aの車両前後方向後部に回動軸13dを介して取り付けられた背もたれである。この3列目シートバック13bは、3列目シートクッション13aに対し、回動軸13dを軸にして回動及び固定させることが可能である。
車室内3の側壁7は、第1ピラー51、第2ピラー52、第3ピラー53及び第4ピラー54を備えている。第1ピラー51、第2ピラー52、第3ピラー53及び第4ピラー54は、車両1の屋根部9を支持する柱である。これらピラーは、安全性の観点より、例えば屋根部9が重力方向下方に位置するように車両1が横転するような場合であっても、車両1を支持して車室内3が上下方向につぶれることを抑制することが可能な程度の強度である。
第1ピラー51は、車両1の前側に形成されており、フロントガラス56の車両左右方向の淵及び1列目シート11の左右方向それぞれに配設される第1窓61の前後方向前側の淵を形成している。第2ピラー52は、第1窓61の後側に形成されており、第1窓61の車両前後方向前側の淵及び2列目シート12の左右方向それぞれに配設される第2窓62の前後方向前側の淵を形成している。第3ピラー53は、第2窓62の後側に形成されており、第2窓62の車両前後方向前側の淵及び3列目シート13の左右方向それぞれに配設される第3窓(窓)63の前後方向前側の淵を形成している。第4ピラー54は、車両1の後側に形成されており、リアガラス58における側部の淵や3列目シート13の車両左右方向それぞれに配設される第3窓63の前後方向後側の端部を形成している。
ここで、第1窓61、第2窓62及び第3窓63は、意匠性や空気抵抗等の観点より、車両1の側壁7における車両外側の端面に沿って形成される。一方、第1ピラー51、第2ピラー52、第3ピラー53及び第4ピラー54は、安全性等の観点から強度を担保すべく、車室内3側に突出するように形成されている。これにより、側壁7は、第1ピラー51及び第2ピラー52から第1窓61に向けて延びて形成される第1凹部71、第2ピラー52及び第3ピラー53から第2窓62に向けて延びて形成される第2凹部72及び第3ピラー53及び第4ピラー54から第3窓63に向けて延びて形成される第3凹部(凹部)73を備えている。
第3凹部73の下方には、車室内3の車両前後方向内側に向かって突出して形成される肘置き75が形成されている。この肘置き75には、3列目シート13に搭乗する人の飲料容器を置くことが可能なドリンクホルダ(収容部)76が形成されている。
車室内3の後側であって、2列目シート12及び3列目シート13の上方には、本発明にかかる支持ユニット80が設置されている。支持ユニット80は、第1板部材81、第2板部材82、前部支持ベルト(シートベルト牽引部材)84、後部支持ベルト(シートベルト牽引部材)86及び支持脚(支持部材)88を備えたベッドフレームである。
第1板部材81は、支持ユニット80における車両前後方向後側に配設されており、第3凹部73の車両前後方向中央から後方に向けて延び、上下方向上側に第1平面81eが形成された例えば木製の板部材である。この第1板部材81は、車両上方から視て略長方形に形成されており、車両前後方向前側に前端部81a、後側に後端部81b及び左右両端に側端部81cが備えられている。側端部81cの車両前後方向前側には、第1凸部(凸部)81dが形成されている。
図4を参照すると、図2中の範囲Aの拡大図が示されている。第1凸部81dは、第3凹部73の車両前後方向中央から後側にかけて沿うように形成されている。換言すると、第1凸部81dは、車両前後方向における長さL1が第3凹部73の前後方向における長さLwの半分以下となる。この第1凸部81dにおける側端部81cから第3窓63側の端部までの距離W1は、第4ピラー54の車室内3側の端部から第3窓63までの距離W2よりも小さい。これにより、例えば車両1の振動によって第1板部材81が車両左右方向に移動するような場合であっても、第1凸部81dが第3窓63に接触することを抑制することができる。
ここで、図2によると、第1実施形態に係る第1板部材81では、第1板部材81を車両上方から視て、外周縁における最も離れた地点が前端部81aの例えば車両左右方向左側の角部及び後端部81bの右側の角部であり、その長さ(以下、第1対角寸法C1という)が車両右側に設けられた凹部73の上側の端部から車両左側に設けられた凹部73の下側の端部までの長さLc(以下、凹部最大長さLcという)以下となるように形成されている。これにより、後述する第1板部材81の設置及び取外しを行うことができる。
図3に戻り、第1板部材81は、後端部81bが後部支持ベルト86によって車両上下方向上方に支持されつつ、前後方向後方に向けて引張されている。また、第1板部材81は、第1凸部81dが支持脚88によって車両上下方向上方に支持されている。
後部支持ベルト86は、一端が第1板部材81における後端部81bより車両前後方向前方に位置する第3シートベルト装置(シートベルト装置)86aの例えばシートベルトアンカに取付けられ、他端が後端部81bの車両左右方向右側の端部に取付けられたウェビングとは別体のベルト部材である。この後部支持ベルト86には、例えば図示しない長さ調整具が備えられており、後部支持ベルト86の長さを調整して第1板部材81の姿勢を調整することができる。なお、後部支持ベルト86は、ワイヤやロープでもよく、第1板部材81の後端部81bを支持することができればよい。
ここで、第3シートベルト装置86aは、後部右側シート41に着座する人を保護する安全装置であり、第4ピラー54の第1板部材81より上方であって後端部81bより前後方向前方に固定されている。
これにより、後部支持ベルト86は、第3シートベルト装置86aに取付けられることで、第1板部材81における後端部81bの車両左右方向右側の端部を車両上下方向上方に向けて支持しつつ、前後方向後方、すなわち支持ユニット80の前後方向中央に向けて引張することができる。なお、第1板部材81における後端部81bの車両左右方向左側の端部については、図示しない左右方向左側の第3シートベルト装置に取付けられた後部支持ベルトによって支持されており、上記後部支持ベルト86と同様なため、ここでの説明は省略する。
支持脚88は、下端がドリンクホルダ76に挿入され、上端が第3凹部73の下端より上方に位置し、第1板部材81における第1凸部81dの下端を支持する支持部材である。ここで、ドリンクホルダ76は、通常、車両1の揺れによって飲料用の容器が車両前後方向及び左右方向に移動することを防止することが可能な窪みである。これにより、支持脚88は、下端がドリンクホルダ76によって車両前後方向及び左右方向に移動することを防止されることで、第1板部材81における第1凸部81dの下端が前後方向及び左右方向に揺れないように第1凸部81dの下端を支持することができる。
第2板部材82は、支持ユニット80における車両前後方向後側に配設されており、第3凹部73の車両前後方向中央から前方に向けて延び、上下方向上側に第2平面82eが形成された例えば木製の板部材である。この第2板部材82は、車両上方から視て略長方形に形成されており、車両前後方向前側に前端部82a、後側に後端部82b及び左右両端に側端部82cが備えられている。側端部82cの車両前後方向前側には、第2凸部(凸部)82dが形成されている。
第2凸部82dは、第3凹部73の車両前後方向中央から後側にかけて沿うように形成されている。換言すると、第2凸部82dは、車両前後方向における長さL2が第3凹部73の前後方向における長さLwの半分以下となる。この第2凸部82dにおける側端部82cから第3窓63側の端部までの距離W3は、第4ピラー54の車室内3側の端部から第3窓63までの距離W4よりも小さい。これにより、例えば車両1の振動によって第2板部材82が車両左右方向に移動するような場合であっても、第2凸部82dが第3窓63に接触することを抑制することができる。
ここで、図2によると、第1実施形態に係る第2板部材82は、車両上方から視て外周縁における最も離れた地点が、前端部82aの例えば車両左右方向左側であって、上下方向上側の角部及び後端部82bの右側であって、上下方向下側の角部であり、その長さ(以下、第2対角寸法C2という)が凹部最大長さLc以下となるように形成されている。これにより、後述する第2板部材82の設置及び取外しを行うことができる。
第2板部材82は、前端部82aがグリップベルト(グリップ牽引部材)83によって車両上下方向上方に支持されている。また、第2板部材82は、前端部82aが前部支持ベルト84によって車両上下方向上方に支持されつつ、前後方向後方に向けて引張されている。またさらに、第2板部材82は、第1凸部81dが支持脚88によって車両上下方向上方に支持されている。
グリップベルト83は、一端が第2板部材82における前端部82aより車両上下方向上方に位置するアシストグリップ83aに取付けられ、他端が第2板部材82における前端部82aの車両左右方向中央に例えば図示しないフックによって取付けられたベルト部材である。
ここで、アシストグリップ83aは、中央右側シート31に着座する人が例えば車両1の揺れに姿勢が崩れないよう把持するための把持部材であり、側壁7の第2窓62より上方に固定されている。これにより、グリップベルト83は、アシストグリップ83aに取付けられることで、第2板部材82における前端部82aの車両左右方向中央を上方に向けて的確に支持することができる。
前部支持ベルト84は、一端が第2板部材82における前端部82aより車両前後方向後方に位置する第2シートベルト装置(シートベルト装置)84aの例えばシートベルトアンカに取付けられ、他端が前端部82aの車両左右方向右側の端部に例えば図示しないフックによって取付けられたウェビングとは別体のベルト部材である。この前部支持ベルト84には、例えば後部支持ベルト86と同様に図示しない長さ調整具が備えられており、後部支持ベルト86の長さを調整して第1板部材81の姿勢を調整することができる。なお、後部支持ベルト86は、ワイヤやロープでもよく、第2板部材82の後端部82bを支持することができればよい。
ここで、第2シートベルト装置84aは、中央右側シート31に着座する人を保護する安全装置であり、第3ピラー53の第2板部材82より上方に固定されている。
これにより、前部支持ベルト84は、第2シートベルト装置84aに取付けられることで、第2板部材82における前端部82aの車両左右方向右側の端部を車両上下方向上方に向けて支持しつつ、前後方向後方、すなわち支持ユニット80の前後方向中央に向けて引張することができる。なお、第2板部材82における前端部82aの車両左右方向左側の端部については、図示しない左右方向左側の第2シートベルト装置に取付けられた前部支持ベルトによって支持されており、上記前部支持ベルト84と同様なため、ここでの説明は省略する。
支持脚88は、下端がドリンクホルダ76に挿入され、上端が第3凹部73の下端より上方に位置し、第2板部材82における第2凸部82dの下端を支持する支持部材である。なお、第1板部材81における第1凸部81dの下端を支持する支持脚88と同様の部材であるため、ここでの説明は省略する。
上記したように、支持脚88によって第1板部材81の第1凸部81dと第2板部材82の第2凸部82dとが支持されることで、支持ユニット80は、車両前後方向中央における車両上下方向の位置及び左右方向の姿勢が規制される。また、グリップベルト83、前部支持ベルト84及び後部支持ベルト86によって第1板部材81の後端部81b及び第2板部材82の前端部82aの車両左右方向中央がそれぞれ支持されることで、支持ユニット80は、車両前後方向前側及び後側における車両上下方向の位置が規制される。
またさらに、前部支持ベルト84及び後部支持ベルト86によって第1板部材81の後端部81b及び第2板部材82の前端部82aの車両左右方向両端部が支持ユニット80の前後方向中央に向けて引張されることで、支持ユニット80は、車両前後方向における位置及び前後方向前側及び後側における左右方向の姿勢が規制される。
これにより、支持ユニット80は、第1板部材81及び第2板部材82を車室内3に位置や姿勢を的確に保つように設置されるため、人が就寝するためのベッドフレームとして使用することができる。また、支持脚88の上端が第3凹部73の下端より上方に位置することで、例えば樹脂製の第3凹部73の下端に人の体重が加わるような強い力が加わり破損することを防止することができる。
図5〜12を参照すると、第1実施形態にかかる支持ユニット80の取付け及び取外し方法を説明する説明図が上面図及び斜視図によって示されている。以下、図5〜12に基づいて第1実施形態にかかる支持ユニット80を車両1から取り外す手順の一例について説明する。なお、取付け方法については、取外し方法とは反対の手順で行えばよいため、ここでの説明は省略する。
まず、グリップベルト83、前部支持ベルト84及び後部支持ベルト86を支持ユニット80から取り外し、第2板部材82を第1板部材81の上面より上方に移動させる。次に、第2板部材82を車両上方から視て例えば反時計回りに回動させながら後端部82bの車両左右方向左側の端部を左側の第3凹部73より後方に移動させるようにして後端部82bの車両左右方向右側の端部を右側の第3凹部73に位置させ、前端部82aの左側の端部を左側の第3凹部73に位置させる(図5、6)。このとき、第2対角寸法C2が第3窓63間の長さ以下であることで、第2板部材82を回動させるときに角部が第3窓63に接触しないようにすることができる。
このように第2板部材82を回動させることで、例えば第2ピラー52及び第3ピラー53の間に設けられるスライドドア7aに前端部82a及び後端部82bが延びる姿勢となる(図7、8)。これにより、第2板部材82は、スライドドア7aを開放して車室内3から車外に取り出すことができる。ここで、第2板部材82を車両前後方向を軸にして回動させて傾斜させることで、車両左右方向における長さを短くし、より簡単に取り外すことができる。
次に、第2板部材82と同様に第1板部材81を車両上方から視て例えば反時計回りに回動させながら前端部81aの車両左右方向右側の端部を右側の第3凹部73より前方に移動させるようにして後端部81bの車両左右方向右側の端部を右側の第3凹部73に位置させ、前端部81aの左側の端部を左側の第3凹部73に位置させる(図9、10)。
このとき、第1対角寸法C1が第3窓63間の長さ以下であることで、第1板部材81を回動させるときに角部が第3窓63に接触しないようにすることができる。
このように第1板部材81を回動させることで、第2板部材82と同様に、例えばスライドドア7aを開放して第1板部材81を車室内3から車外に取り出すことができる。ここで、第2板部材82と同様に第1板部材81を車両前後方向を軸にして回動させて傾斜させることで、車両左右方向における長さを短くし、より簡単に取り外すことができる。
図13を参照すると、2列目シート12に乗員が着座する場合における第1実施形態にかかる支持ユニット80の使用方法について説明する説明図が示されている。
例えば3列目シート13の上側や下方及び第1板部材81の上側に荷物を積載した状態のとき、2列目シート12に乗員が着座する場合、第2板部材82を取り外しても車室内3に積載できない場合がある。また、第2板部材82を取り外して車室内3に積載できるような場合であっても、再度ベッドフレームとして支持ユニット80を使用するときに第2板部材82を再度設置することが手間となる場合がある。
そこで、第2板部材82の後端部82bを第1板部材81の上側に位置させるようにしながら第2板部材82を車両後方に向けて摺動させるとき、第2凸部82dが第3凹部73に位置する範囲内であれば第2板部材82を後方に移動させることができる。
ここで、上記した通り、第2凸部82dの車両前後方向における長さL2は第3凹部73の前後方向における長さLwの半分以下である。また、後端部82bは第3凹部73の前後方向中央に位置している。このため、第2板部材82は、Lwを2で除算した距離だけ車両前後方向後方に移動することができる。
このように第2板部材82を車両前後方向後方に移動させると、2列目シート12における2列目シートバック12bの上方に、2列目シートバック12bを上下方向上方に向けて立てるように回動させることが可能な空間が生じる。これにより2列目シート12における2列目シートバック12bを、車両上下方向上方に立てて乗員が着座可能な態様にすることができる。
また、第2板部材82を車両前後方向後方に移動させるとき、側壁7の第2窓62より上方に固定されているアシストグリップ83aからグリップベルト83の一端を取り外し、側壁7の第3窓63より上方に固定されているアシストグリップ83aにグリップベルト83の一端を取付けることで、第2板部材82を的確に支持することができる。
以上説明したように、第1実施形態に係る車室内用支持ユニットでは、車両1の車室内3に配置され、上側に第1平面81eを有する第1板部材81と、第1板部材81の車両前後方向前側に配置され、第1平面81eに対して平行に形成される第2平面82eを有する第2板部材82とを備え、第1板部材81または第2板部材82の少なくともいずれか一方は、車室内3の側壁7である第3ピラー53及び第4ピラー54から、車両1の左右両側に設けられた第3窓63に向けて凹む第3凹部73に沿って突出する第1凸部81d及び第2凸部82dを有する。
従って、第1板部材81または第2板部材82の平面81e、82eを第3凹部73に延長させることができる。
このような支持ユニット80を就寝スペースとして利用することで、第1板部材81または第2板部材82の車両左右方向に係る長さを、凹部最大長さLcとする、換言すると、車室内3における左右方向の最大限の長さを就寝スペースとして確保できる。従って、支持ユニット80の上側に就寝する人(上段就寝者)は、身長が凹部最大長さLc以下であれば、頭部及び足部を車両左右方向に向けて就寝することが可能となる。
これにより、上段就寝者の身長に合わせて支持ユニット80を車両前後方向に長く形成することが不要となるので、2列目シート12及び3列目シート13に就寝する人(下段就寝者)がいる場合であっても、下段就寝者の上方に支持ユニット80が覆いかぶさることを最小限に留めることができる。故に、下段就寝者に対する圧迫感を軽減することが可能となり、多人数就寝での利用に対しての実用性を向上させることができた。
特に、凸部は、第1板部材81に形成される第1凸部81dと第2板部材82に形成される第2凸部82dとを備えており、第1板部材81は、第1凸部81dを前端部81aに形成し、第2板部材82は、第2凸部82dを後端部82bに形成する。
従って、第1板部材81の前端部81aと第2板部材82の後端部82bとがそれぞれ互いに接するように設置すると凸部を形成するようにして第1板部材81及び第2板部材82の平面81e、82eを第3凹部73に延長させるとともに、第1板部材81及び第2板部材82の取り外しを良好に行うことができる。
そして、第2凸部82dの車両1前後方向における長さL2は、第1凸部81dの車両前後方向における長さL1以下であるため、第2凸部82dを第1凸部81dの上側に位置させながら第2板部材82を車両前後方向後方に向けて移動させて広げることができる第2板部材82の前方の空間を良好に広げることができる。
特に、第2凸部82dの車両前後方向における長さは、第1凸部81dの車両前後方向における長さと同一なので、凸部における第2凸部82dの占める割合と第1凸部81dの占める割合とを同一にすることができる。
そして、凹部の下方から第1凸部81d及び第2凸部82dの下端に向かって延びる支持脚88を有し、支持脚88は、第1凸部81d及び第2凸部82dの下端を支持するので、第1板部材81及び第2板部材82の下方の空間における車両1左右方向中央の空間を有効に利用することができる。
そして、支持脚88は、下端が第3凹部73の下方に設けられたドリンクホルダ76に配置可能に形成されているので、支持脚88の下端における車両左右方向及び前後方向について的確に支持することができる。
特に、ドリンクホルダ76に配置されることで、例えば肘置き75の意匠面に支持脚88の下端が接する場合と比較して、支持脚88に加わる荷重(例えば第1板部材81及び第2板部材82に加わる荷重)によって生じる虞のある小傷を目立たなくさせることができる。なお、本実施形態では、収容部としてドリンクホルダ76を用いて説明したが、小物を置くことが可能なサイドポケットでもよい。
そして、第2板部材82は、該第2板部材82を車両上方から視た外周縁における最も離れた地点間の距離C2が車両1の左右両側に設けられた凹部最大長さLc以下となるように形成される。
従って、第2板部材82を回動させたときにとりうる直径の最大値である、第2板部材82を車両上方から視た外周縁における最も離れた地点間の距離C2が車両1の左右両側に設けられた凹部最大長さLc以下なので、第2板部材82を回動させながら車室内3から取り外すことができる。
そして、第1板部材81が車室内3に設置されたときにおける第1凸部81d及び第2凸部82dの車両1左右方向で最も外側の長さが第3窓63の内側の面より左右方向内側に位置するようにしたので、第1板部材81を回転させて取り外すことができる。
そして、第1板部材81及び第2板部材82の車両1左右方向の端部が車室内3の内壁に当接するとき、第1凸部81d及び第2凸部82dの車両左右方向で最も外側の端部は、第3窓63の内側の面より左右方向内側に位置するようにしたので、第1板部材81及び第2板部材82が例えば車両1の振動によって揺れることで第1板部材81及び第2板部材82が第3窓63に接触することを防止することができる。
そして、車室内3に設けられたアシストグリップ83aに取付けられるグリップベルト83を有し、グリップベルト83は、第1板部材81または第2板部材82を支持する。
また、車室内3に設けられたシートベルト装置84a、86aに取付けられる前部支持ベルト84及び後部支持ベルト86を有し、前部支持ベルト84及び後部支持ベルト86は、第1板部材81または第2板部材82を支持する。
これにより、第1板部材81または第2板部材82をアシストグリップ83aやシートベルト装置84a、86aに取付けられたグリップベルト83、前部支持ベルト84及び後部支持ベルト86によって支持することで、例えば第1板部材81または第2板部材82が第3凹部73に当接することで与える荷重を低減させることや第3凹部73に接触することを防止することができる。
特に、車両1における車室内3に予め設けられているアシストグリップ83aやシートベルト装置84a、86aを利用することで、車室内3に加工を施すことなく第1板部材81及び第2板部材82を簡単に支持することができる。
また、例えば第1板部材81及び第2板部材82を車室内3に設置するためにフック等を側壁7に取付けるような、側壁7の意匠性の低下を抑制することができる。
<第2実施形態>
以下、図14、15に基づき第2実施形態について説明する。
なお、上記第1実施形態と共通の構成、作用効果については説明を省略し、ここでは第1実施形態と異なる部分について説明する。
図14を参照すると、第2実施形態に係る支持ユニット180の斜視図が示されている。
第1実施形態に係る支持ユニット80と比較すると、第2実施形態に係る支持ユニット180には、ヒンジ(回動部材)183が例えば3つ取り付けられている。ヒンジ183は、第1板部材181の前端部181aと第2板部材182の後端部182bとの上側に取付けられており、回動軸183aを軸にして第1板部材181と第2板部材182とを相対的に回動させることが可能である。
図15を参照すると、第2実施形態に係る支持ユニット180の側面図が示されている。第2実施形態では、第2板部材182は、前端部182aから回動軸183aまでの距離が屋根部9から回動軸183aまでの距離より短くなるよう形成されている。これにより、第1板部材181を固定したまま第2板部材182を回動軸183a周りで回動させるとき、前端部182aを屋根部9に接触させることなく回動させることができる。
以上説明したように、第2実施形態に係る車室内用支持ユニットでは、第1板部材181と第2板部材182とを相対的に回動可能に支持するヒンジ183を有しており、ヒンジ183は、第1板部材181における前端部81aと第2板部材182における後端部82bに取付けられる。
従って、例えば第1板部材181を固定した状態で第2板部材182を回動させることで支持ユニット180の車両前後方向の長さを短くすることができる。
<第3実施形態>
以下、図16に基づき第3実施形態について説明する。
なお、上記第1実施形態と共通の構成、作用効果については説明を省略し、ここでは第1実施形態と異なる部分について説明する。
図16を参照すると、車両1における車室内3に第3実施形態にかかる支持ユニットが設置された状態の車両1の上面図が示されている。第3実施形態に係る車両201は、第1実施形態に係る車両1と比較して、第3ピラー53と第4ピラー54との距離が長い。
このような車両201に第1実施形態に係る支持ユニット80を設置すべく、第1凸部81d及び第2凸部82dの車両前後方向の長さを長くするように第1板部材81及び第2板部材82の車両前後方向の長さ(以下、凸部に係る長さという。)を長くすることが考えられる。
しかしながら、このように第1板部材81及び第2板部材82の凸部に係る車両前後方向の長さを長くすることは、第1実施形態において説明した第1対角長さC1や第2対角長さC2が凹部最大長さLcより長くなる場合がある。このように、第1対角長さC1や第2対角長さC2が凹部最大長さLcより長くなると、第1板部材81及び第2板部材82の各凸部が第3ピラー53や第4ピラー54、第2窓62及び第3窓63に引っかかり、第1板部材81及び第2板部材82を車室内3に設置及び取外しを行うことができなくなる虞がある。
そこで、第3実施形態に係る支持ユニット280では、第1実施形態に係る第1板部材81及び第2板部材82に加えて第3板部材283が備えられている。第3板部材283は、車両左右方向の長さが第1板部材81及び第2板部材82の第1凸部81d及び第2凸部82dの左右方向の長さと同一の長さ、すなわち左右端部が第3窓63より車室内3内側に形成された例えば長方形の板部材であり、第1板部材81及び第2板部材82に挟設されている。
また、第3板部材283は、車両上方から視て、外周縁における最も離れた地点が前端部283aの例えば車両左右方向左側の角部及び後端部283bの右側の角部であり、その長さ(以下、第3対角寸法C3という)が凹部最大長さLc以下となるように形成されている。
このような第3板部材283を備えることで、第1板部材81及び第2板部材82は、第1実施形態のように設置及び取外しを行うことができる。ここで、第3板部材283は、第3対角寸法C3が凹部最大長さLc以下であることで、第1板部材81及び第2板部材82と同様の方法で設置及び取外しを行うことができる。
以上説明したように、第3実施形態に係る車室内用支持ユニットでは、第1板部材81及び第2板部材82に挟設される第3板部材283を更に有する。
従って、第1板部材81及び第2板部材82の第1凸部81d及び第2凸部82dに対応する部分を車両前後方向に延ばすと第1板部材81及び第2板部材82が車室内3から取り外すことができないような場合に、第1板部材81及び第2板部材82とは別体として第3板部材283を備えることで、的確に第1板部材81及び第2板部材82の平面81e、82eを第3凹部73に延長させるように支持ユニット280を構成することができる。
そして、第3板部材283は、第3対角寸法C3が凹部最大長さLc以下となるように形成されたので、第3板部材283を回動させながら車室内3から取り外すことができる。
以上で本発明に係る車室内用支持ユニットの説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、本実施形態では、支持ユニット80をベッドフレームとして使用する方法について説明したが、荷物を配置するための棚として使用してもよい。
また、本実施形態では、第1対角長さC1及び第2対角長さC2を凹部最大長さLc以下としたが、第1板部材81及び第2板部材82を車両上方から視た外周縁における最も離れた地点間の距離が凹部最大長さLc以下であればよい。
また、本実施形態では、第1板部材81及び第2板部材82に第1凸部81d及び第2凸部82dを形成するようにしたが、第1板部材81及び第2板部材82の一方にのみ、第1凸部81d及び第2凸部82dの双方(総じて凸部という)を形成するようにしてもよい。この場合、凸部が形成された板部材は、車両前後方向を軸にして回動させることで凸部が第3ピラー53をかわすことができるように形成されることが望ましい。