JP2024020101A - ホットメルト接着不織布 - Google Patents
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Abstract
【課題】 通気性、伸縮性、オレフィンに対する接着性、解舒性を高度に兼ね備えたホットメルト接着不織布を提供する。【解決手段】ベース樹脂と、ベース樹脂に相溶な樹脂からなるホットメルト接着不織布であって、ベース樹脂が、230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが50~200g/10分であるスチレン‐エチレン・ブチレン‐スチレンブロック共重合体であり、ベース樹脂に相溶な樹脂が、230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが10~200g/10分である低結晶性ホモポリプロピレンであって、ベース樹脂と相溶な樹脂との混合比率が質量比で60:40~90:10である樹脂混合物からなるホットメルト接着不織布である。【選択図】 なし
Description
本発明は、取扱い性に優れオレフィンとの接着性良好なホットメルト接着不織布に関する。
ホットメルト接着剤は、無溶剤であり、瞬間接着、高速接着が可能であるという接着工程および経済面での利点を備えており、ホットメルト接着剤のベース樹脂としては、エチレン‐酢酸ビニル共重合体などのエチレン系共重合体や熱可塑性ポリウレタン樹脂が好まれて使用されている。
上記ホットメルト接着剤は高温で塗布する必要があるため、塗布時にはホットメルトアプリケーターと言われる専用の塗布装置が用いられる。ホットメルトアプリケーターは、通常、ホットメルト接着剤を120~190℃程度まで加熱して、圧縮空気やギヤポンプを用いることにより、ノズルの先端から間欠的に吐出(ショット)して、被着体に対する塗布を行うため、ホットメルト接着剤を吐出するノズルの先端から被着体の間で吐出毎にホットメルト接着剤が有する曳糸性に起因する糸状物が発生して、様々な使用過程において、周辺装置や被着体を汚染してしまう問題点が発生する。
上記糸曳きを抑制するために、ホットメルト接着性を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂をあらかじめフィルムや不織布等のシート状に成型しておくことで、被着体とホットメルトシートを積層、加熱圧着させる方法が(特許文献1参照)既に提案されている。
また、ホットメルト接着性を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂以外の樹脂を用いた接着性シートとして、スチレン系エラストマーなどの粘着性物質を用いて粘着性シートを得る方法が(特許文献2参照)既に提案されている。
しかしながら、特許文献1は熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる不織布を用いており、柔軟性、伸縮性及び通気性が優れているが、熱可塑性ポリウレタン樹脂はオレフィンとの接着相性が悪く、オレフィン不織布を被着体として加熱接着を行うと、アンカー効果により接着はするものの、十分な接着強度が得られず、容易に剥離してしまうという問題があった。また、フィルムの場合、不織布と比べて接着強度が高くなるが、被着体に通気性が要求されるものである場合はその通気性を阻害してしまうため好ましくない。また、特許文献2は、スチレン系エラストマーの不織布を用いており、スチレン系エラストマーなどの粘着性物質は室温で粘着性を持つため、セパレータなどを用いず単独で捲き取ると自己接着によって解舒することができないという問題があった。
したがって、本発明の目的は、通気性、伸縮性、オレフィンに対する接着性、解舒性を高度に兼ね備えたホットメルト接着不織布を提供することにある。
したがって、本発明の目的は、通気性、伸縮性、オレフィンに対する接着性、解舒性を高度に兼ね備えたホットメルト接着不織布を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、スチレン‐エチレン・ブチレン‐スチレンブロック共重合体と低結晶性ホモポリプロピレンの樹脂混合物を用い、樹脂のメルトフローレート及び混合比率を一定の範囲に制御することにより、通気性、伸縮性、オレフィンに対する接着性、解舒性が全て実用上問題のない範囲に収まる優れたホットメルト接着不織布を得られることを見いだし、本発明を完成した。すなわち、上記目的を達成するため、本発明は、以下の構成を採用する。
(1)ベース樹脂と、ベース樹脂に相溶な樹脂からなるホットメルト接着不織布であって、ベース樹脂が、230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが50~200g/10分であるスチレン‐エチレン・ブチレン‐スチレンブロック共重合体であり、ベース樹脂に相溶な樹脂が、230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート10~200g/10分である低結晶性ホモポリプロピレンであって、ベース樹脂と相溶な樹脂との混合比率が質量比で60:40~90:10ある樹脂混合物からなるホットメルト接着不織布。
(1)ベース樹脂と、ベース樹脂に相溶な樹脂からなるホットメルト接着不織布であって、ベース樹脂が、230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが50~200g/10分であるスチレン‐エチレン・ブチレン‐スチレンブロック共重合体であり、ベース樹脂に相溶な樹脂が、230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート10~200g/10分である低結晶性ホモポリプロピレンであって、ベース樹脂と相溶な樹脂との混合比率が質量比で60:40~90:10ある樹脂混合物からなるホットメルト接着不織布。
(2)下記接着強度が2kg/50mm以上であることを特徴とする(1)記載のホットメルト接着不織布。
(接着強度)
JIS L 1086「接着芯地及び接着布試験方法」に準拠して測定する。
まずホットメルト接着不織布を、目付が50g/m2の結晶性ポリプロピレン不織布2枚で挟み、片面より平型オートプレス HP‐54A(株式会社ハシマ製)を用いて140℃で60秒間、圧力500g/cm2で加熱接着することで接着積層体を作製する。得られた接着積層体を温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境に30分静置した後、幅50mm、長さ10cmに打ち抜き測定サンプルとし、つかみ間隔50mm、引張速度100mm/分で接着面に対して180°方向に引っ張った際の積分平均荷重を接着強度とする。
(接着強度)
JIS L 1086「接着芯地及び接着布試験方法」に準拠して測定する。
まずホットメルト接着不織布を、目付が50g/m2の結晶性ポリプロピレン不織布2枚で挟み、片面より平型オートプレス HP‐54A(株式会社ハシマ製)を用いて140℃で60秒間、圧力500g/cm2で加熱接着することで接着積層体を作製する。得られた接着積層体を温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境に30分静置した後、幅50mm、長さ10cmに打ち抜き測定サンプルとし、つかみ間隔50mm、引張速度100mm/分で接着面に対して180°方向に引っ張った際の積分平均荷重を接着強度とする。
(3)目付が25~80g/m2であることを特徴とする(1)又は(2)記載のホットメルト接着不織布。
(4)通気度が500cc/cm2/s以上であることを特徴とする(1)又は(2)記載のホットメルト接着不織布。
(5)通気度が500cc/cm2/s以上であることを特徴とする(3)記載のホットメルト接着不織布。
(6)破断伸度が200%以上であることを特徴とする(1)又は(2)記載のホットメルト接着不織布。
(7)破断伸度が200%以上であることを特徴とする(3)記載のホットメルト接着不織布。
(8)破断伸度が200%以上であることを特徴とする(4)記載のホットメルト接着不織布。
(9)破断伸度が200%以上であることを特徴とする(5)記載のホットメルト接着不織布。
本発明により、通気性、伸縮性、オレフィンに対する接着性、解舒性を高度に兼ね備えたホットメルト接着不織布を得ることができる。また、得られる不織布は通気性、伸縮性に優れるため、接着対象の形状に沿って柔軟に形状を合せて接着することができる。
本発明のホットメルト接着不織布は、ベース樹脂のスチレン‐エチレン・ブチレン‐スチレンブロック共重合体(SEBS)とベース樹脂に相溶である低結晶性ホモポリプロピレンを混合した樹脂混合物を不織布化することで得られる。
本発明におけるSEBSは、230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが、50~200g/10分であることが必要である。また、60~190g/10分であることが好ましい。50g/10分以上であれば、繊維を十分に細化でき、不織布を得ることができる。また、200g/10分以下であれば、繊維が固化しやすく、不織布をロール状に巻いたときに解舒しやすい。また、糸切れが少なく連続した繊維の不織布を得ることができる。糸切れが発生すると繊維状ではなく粒状に堆積する箇所ができてしまい、接着強度の低下の原因となるが、糸切れが少ないと、繊維が不織布として均一に堆積するため、接着強度が高い。
本発明における低結晶性ホモポリプロピレンは、示差走査熱量測定において、結晶融解熱量及び結晶化熱量が30J/g未満となる低結晶性ホモポリプロピレンを用いる事が最も望ましい。
結晶融解熱量及び結晶化熱量は、示差走査熱量測定(DSC)により、ASTM-E-794-95手順を用いて測定することができる。
本発明における低結晶性ホモポリプロピレンは、230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが10~200g/10分であることが必要である。また、30~170g/10分であることが好ましい。10g/10分以上であれば、繊維を十分に細化でき、不織布を得ることができる。また、200g/10分以下であれば、繊維が固化しやすく、不織布をロール状に巻いたときに解舒しやすい。また、糸切れが少なく連続した繊維の不織布を得ることができ、繊維が不織布として均一に堆積するため、接着強度が高い。また、低結晶性ホモポリプロピレンは、結晶性ポリプロピレンと比べて糸切れが少なく、繊維が不織布として均一に堆積するため、接着強度が高い。
結晶融解熱量及び結晶化熱量は、示差走査熱量測定(DSC)により、ASTM-E-794-95手順を用いて測定することができる。
本発明における低結晶性ホモポリプロピレンは、230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが10~200g/10分であることが必要である。また、30~170g/10分であることが好ましい。10g/10分以上であれば、繊維を十分に細化でき、不織布を得ることができる。また、200g/10分以下であれば、繊維が固化しやすく、不織布をロール状に巻いたときに解舒しやすい。また、糸切れが少なく連続した繊維の不織布を得ることができ、繊維が不織布として均一に堆積するため、接着強度が高い。また、低結晶性ホモポリプロピレンは、結晶性ポリプロピレンと比べて糸切れが少なく、繊維が不織布として均一に堆積するため、接着強度が高い。
本発明におけるSEBSと低結晶性ホモポリプロピレンの樹脂混合物は、混合比率が質量比で60:40~90:10であることが必要である。また、70:30~80:20であることが好ましい。SEBSが60%以上であれば、ホットメルト接着性及び伸縮性に優れ、90%以下であれば、室温での粘着性が抑えられ、ロール状に巻いた時に解舒しやすい。
本発明のホットメルト接着不織布は、目付が25~80g/m2であることが好ましく、40~60g/m2であることがより好ましい。25g/m2以上であれば、接着する面積が多く接着斑もなく接着強度に優れる。また、ロール状に巻いた後に解舒するときに十分なコシがあり、静電気によってまとわりつくようなことがなく、扱いやすい80g/m2以下であれば、通気性に優れる。
本発明のホットメルト接着不織布は、通気度が500cc/cm2/s以上であることが好ましい。500cc/cm2/s以上であれば、被着体に通気性が要求されるものである場合にもその通気性を阻害することなく接着することができる。
本発明のホットメルト接着不織布は、破断伸度が200%以上であることが好ましい。200%以上であれば、接着する対象が屈曲したり伸縮したりするものにも使用することができる。
本発明のホットメルト接着不織布は、後述する接着強度が2kg/50mm以上であることが好ましい。2kg/50mm以上であれば、オレフィンを接着させるホットメルト接着不織布としてホットメルト接着性に優れる。
本発明のホットメルト接着不織布は、メルトブロー法、スパンボンド法等により、製造することができ、中でも、メルトブロー法が好ましい。メルトブロー法で得られる不織布は、伸縮性、柔軟性が良好である。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定するものではない。また、実施例中の各評価は以下のようにして行った。
(樹脂のMFR)
JIS K 7210「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の求め方」に準拠し、公称長さ4.000mmで、公称孔径が1.050mmのハーフサイズダイを用い、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定した。
JIS K 7210「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の求め方」に準拠し、公称長さ4.000mmで、公称孔径が1.050mmのハーフサイズダイを用い、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定した。
(不織布の各種試験雰囲気)
不織布の各種試験は、温度23±2℃、相対湿度50±5%で測定した。試料は、予め同雰囲気中で24時間コンディショニングし、下記試験を行った。
不織布の各種試験は、温度23±2℃、相対湿度50±5%で測定した。試料は、予め同雰囲気中で24時間コンディショニングし、下記試験を行った。
(目付量)
JIS L 1913「一般不織布 試験方法」に準拠し、250×250mmの試験片の重量を測定して1m2あたりに換算した。
JIS L 1913「一般不織布 試験方法」に準拠し、250×250mmの試験片の重量を測定して1m2あたりに換算した。
(破断伸度)
JIS L 1913「一般不織布 試験方法」に準拠し、MD方向又はCD方向を長辺として幅20mm、長さ10cm不織布原反切断片の両端をまっすぐに、引張試験機にてつかみ間隔50mm、引張速度200mm/分で引っ張り、不織布の破断したときの伸度を読み取った。
JIS L 1913「一般不織布 試験方法」に準拠し、MD方向又はCD方向を長辺として幅20mm、長さ10cm不織布原反切断片の両端をまっすぐに、引張試験機にてつかみ間隔50mm、引張速度200mm/分で引っ張り、不織布の破断したときの伸度を読み取った。
(接着強度)
JIS L 1086「接着芯地及び接着布試験方法」に準拠して測定した。
具体的には、まずホットメルト接着不織布を、目付が50g/m2の結晶性ポリプロピレン不織布2枚で挟み、片面より平型オートプレス HP‐54A(株式会社ハシマ製)を用いて140℃で60秒間、圧力500g/cm2で加熱接着することで接着積層体を作製する。得られた接着積層体を温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境に30分静置した後、幅50mm、長さ10cmに打ち抜き測定サンプルとし、つかみ間隔50mm、引張速度100mm/分で接着面に対して180°方向に引っ張った際の積分平均荷重を接着強度とした。
JIS L 1086「接着芯地及び接着布試験方法」に準拠して測定した。
具体的には、まずホットメルト接着不織布を、目付が50g/m2の結晶性ポリプロピレン不織布2枚で挟み、片面より平型オートプレス HP‐54A(株式会社ハシマ製)を用いて140℃で60秒間、圧力500g/cm2で加熱接着することで接着積層体を作製する。得られた接着積層体を温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境に30分静置した後、幅50mm、長さ10cmに打ち抜き測定サンプルとし、つかみ間隔50mm、引張速度100mm/分で接着面に対して180°方向に引っ張った際の積分平均荷重を接着強度とした。
(実施例1)
メルトフローレートが180g/10分のSEBSとメルトフローレートが50g/10分の低結晶性ホモポリプロピレンを、重量比率80:20となるよう計量混合した混合物をメルトブロー紡糸し、得られた溶融繊維群をネットコンベヤ上に落として、目付50g/m2のホットメルト接着不織布を得た。得られた不織布をロール状に紙管に捲取り、不織布ロールを得た。得られた不織布の目付、破断伸度を測定した。また得られた不織布を用いて接着強度試験を行った。
メルトフローレートが180g/10分のSEBSとメルトフローレートが50g/10分の低結晶性ホモポリプロピレンを、重量比率80:20となるよう計量混合した混合物をメルトブロー紡糸し、得られた溶融繊維群をネットコンベヤ上に落として、目付50g/m2のホットメルト接着不織布を得た。得られた不織布をロール状に紙管に捲取り、不織布ロールを得た。得られた不織布の目付、破断伸度を測定した。また得られた不織布を用いて接着強度試験を行った。
(実施例2)
SEBSのメルトフローレートが70g/10分であること以外は実施例1と同様にしてホットメルト接着不織布を得た。
SEBSのメルトフローレートが70g/10分であること以外は実施例1と同様にしてホットメルト接着不織布を得た。
(実施例3)
SEBSと低結晶性ホモポリプロピレンの混合比率を、60:40としたこと以外は実施例1と同様にしてホットメルト接着不織布を得た。
SEBSと低結晶性ホモポリプロピレンの混合比率を、60:40としたこと以外は実施例1と同様にしてホットメルト接着不織布を得た。
(実施例4)
目付を75g/m2としたこと以外は実施例1と同様にしてホットメルト接着不織布を得た。
目付を75g/m2としたこと以外は実施例1と同様にしてホットメルト接着不織布を得た。
(実施例5)
目付を25g/m2としたこと以外は実施例1と同様にしてホットメルト接着不織布を得た。
目付を25g/m2としたこと以外は実施例1と同様にしてホットメルト接着不織布を得た。
(比較例1)
低結晶性ホモポリプロピレンのメルトフローレートが390g/10分であること以外は実施例1と同様にして不織布を得た。得られた不織布を紙管に捲取ったところ、不織布同士の融着により、解舒することができずホットメルト接着不織布として利用することができなかった。
低結晶性ホモポリプロピレンのメルトフローレートが390g/10分であること以外は実施例1と同様にして不織布を得た。得られた不織布を紙管に捲取ったところ、不織布同士の融着により、解舒することができずホットメルト接着不織布として利用することができなかった。
(比較例2)
ベース樹脂に相溶な樹脂として、メルトフローレートが60g/10分の結晶性ポリプロピレンを用いたこと以外は実施例1と同様にして混合物をメルトブロー紡糸したところ、ブローにより繊維が寸断されるため不織布を得ることができなかった。
ベース樹脂に相溶な樹脂として、メルトフローレートが60g/10分の結晶性ポリプロピレンを用いたこと以外は実施例1と同様にして混合物をメルトブロー紡糸したところ、ブローにより繊維が寸断されるため不織布を得ることができなかった。
(比較例3)
SEBSと低結晶性ホモポリプロピレンの混合比を、95:5としたこと以外は実施例1と同様にしてメルトブロー紡糸し、不織布を得た。得られた不織布を紙管に捲取ったところ、不織布同士の融着により、解舒することができずホットメルト接着不織布として利用することができなかった。
SEBSと低結晶性ホモポリプロピレンの混合比を、95:5としたこと以外は実施例1と同様にしてメルトブロー紡糸し、不織布を得た。得られた不織布を紙管に捲取ったところ、不織布同士の融着により、解舒することができずホットメルト接着不織布として利用することができなかった。
(比較例4)
メルトフローレートが70g/10分のSEBSとメルトフローレートが60g/10分の結晶性ポリプロピレンを、重量比率50:50となるよう計量混合した混合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして不織布を得た。得られた不織布を紙管に捲取り、ホットメルト接着不織布ロールを得た。
メルトフローレートが70g/10分のSEBSとメルトフローレートが60g/10分の結晶性ポリプロピレンを、重量比率50:50となるよう計量混合した混合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして不織布を得た。得られた不織布を紙管に捲取り、ホットメルト接着不織布ロールを得た。
(比較例5)
流動開始温度105℃、メルトフローレートが90g/10分の熱可塑性ポリウレタン樹脂をメルトブロー紡糸し、得られた溶融繊維群をネットコンベヤ上に落として、目付50g/m2のメルトブロー不織布を得た。得られた不織布を紙管に捲取り、ホットメルト接着不織布ロールを得た。
流動開始温度105℃、メルトフローレートが90g/10分の熱可塑性ポリウレタン樹脂をメルトブロー紡糸し、得られた溶融繊維群をネットコンベヤ上に落として、目付50g/m2のメルトブロー不織布を得た。得られた不織布を紙管に捲取り、ホットメルト接着不織布ロールを得た。
実施例1~5はいずれも通気性、伸縮性、オレフィンに対する接着性、解舒性が優れていた。これらの不織布は通気性、伸縮性に優れるため、接着対象の形状に沿って柔軟に形状を合せて接着することができる。
比較例1、3は、いずれも不織布同士が融着し、解舒できなかった。比較例2は、繊維が寸断されて粒状に堆積され、不織布として採取できなかった。比較例4、5はいずれも接着強度が不足しており、ホットメルト接着不織布として適していなかった。
本発明のホットメルト接着不織布は、オレフィンを接着させるホットメルト接着不織布として好適に使用できる。また、伸縮性、通気性が要求される用途に好適に使用される。
Claims (9)
- ベース樹脂と、ベース樹脂に相溶な樹脂からなるホットメルト接着不織布であって、ベース樹脂が、230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが50~200g/10分であるスチレン‐エチレン・ブチレン‐スチレンブロック共重合体であり、ベース樹脂に相溶な樹脂が、230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが10~200g/10分である低結晶性ホモポリプロピレンであって、ベース樹脂と相溶な樹脂との混合比率が質量比で60:40~90:10である樹脂混合物からなるホットメルト接着不織布。
- 下記接着強度が2kg/50mm以上であることを特徴とする請求項1記載のホットメルト接着不織布。
(接着強度)
JIS L 1086「接着芯地及び接着布試験方法」に準拠して測定する。
まずホットメルト接着不織布を、目付が50g/m2の結晶性ポリプロピレン不織布2枚で挟み、片面より平型オートプレス HP‐54A(株式会社ハシマ製)を用いて140℃で60秒間、圧力500g/cm2で加熱接着することで接着積層体を作製する。得られた接着積層体を温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境に30分静置した後、幅50mm、長さ10cmに打ち抜き測定サンプルとし、つかみ間隔50mm、引張速度100mm/分で接着面に対して180°方向に引っ張った際の積分平均荷重を接着強度とする。 - 目付が25~80g/m2であることを特徴とする請求項1又は2記載のホットメルト接着不織布。
- 通気度が500cc/cm2/s以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のホットメルト接着不織布。
- 通気度が500cc/cm2/s以上であることを特徴とする請求項3記載のホットメルト接着不織布。
- 破断伸度が200%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のホットメルト接着不織布。
- 破断伸度が200%以上であることを特徴とする請求項3記載のホットメルト接着不織布。
- 破断伸度が200%以上であることを特徴とする請求項4記載のホットメルト接着不織布。
- 破断伸度が200%以上であることを特徴とする請求項5記載のホットメルト接着不織布。
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