JP2024020089A - 低誘電率絶縁性コーティング組成物、その硬化物および表示装置 - Google Patents

低誘電率絶縁性コーティング組成物、その硬化物および表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化して得られる硬化物が、高い機械的強度ならびに低い比誘電率および誘電正接を有する低誘電率絶縁性コーティング組成物を提供する。【解決手段】下記(A)、(B)及び(C)を含む低誘電率絶縁性コーティング組成物。(A)下記式(1)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(2)で表される有機ケイ素化合物との付加反応物であって、1分子中にSiH基を3個以上有する付加反応物H-Si(CH3)2-R1-Si-(CH3)2H・・(1)(式中、R1は独立に置換または非置換の炭素数1~12の2価炭化水素基である。)R2-Si-(R3-CH=CH2)3・・(2)(式中、R2は独立に置換または非置換の炭素数1~12の1価炭化水素基であり、R3は単結合または非置換の炭素数1~4の2価炭化水素基である。)、(B)アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物、(C)ヒドロシリル化反応触媒【選択図】なし

Description

本発明は、低誘電率絶縁性コーティング組成物、その硬化物および表示装置に関する。
近年、情報通信機器は急激に進歩しており、映像情報などの大容量通信に伴い、伝送信号のデジタル化、高周波化が進んでいる。このためギガヘルツ高周波領域で伝送損失の少ない材料としてこれまで用いられてきたフッ素樹脂やセラミックスよりも加工性及び作業性に優れた樹脂材料が求められている。
例えば、低誘電率、低誘電正接であり、耐熱性、強靭性に優れ、作業性も良好な硬化物を与えるビスマレイミド樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。しかしながら、更なる改善が望まれている。
一方、耐熱性が要求される白色LED用封止材として利用できる硬化性組成物として、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する化合物と、アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサンと、ヒドロシリル化触媒とを必須成分として含む硬化性組成物が提案されている(特許文献2)。この硬化性組成物は、硬度、機械的強度、および耐クラック性が高く、短波長領域の光透過性、ガスバリア性に優れた硬化物を与えることができるとされている。しかし、硬化物の誘電特性についてこの文献は全く言及していない。
特開2021-181532号公報 特開2020-026502号公報
従来技術では、低誘電特性(低誘電率及び低誘電正接)と、高い機械的強度とを両立できる硬化物を得られないといった問題がある。
従って、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、硬化して得られる硬化物が、高い機械的強度ならびに低い比誘電率および誘電正接を有する低誘電率絶縁性コーティング組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、下記(A)、(B)及び(C)を含む低誘電率絶縁性コーティング組成物を提供する。
(A)下記式(1)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(2)で表される有機ケイ素化合物との付加反応物であって、1分子中にSiH基を3個以上有する付加反応物、
Figure 2024020089000001
(式中、Rは独立に置換または非置換の炭素数1~12の2価炭化水素基である。)
Figure 2024020089000002
(式中、Rは独立に置換または非置換の炭素数1~12の1価炭化水素基であり、Rは単結合または非置換の炭素数1~4の2価炭化水素基である。)、
(B)アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物、
(C)ヒドロシリル化反応触媒
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物であれば、機械的強度が高く、低い比誘電率および誘電正接を有する硬化物を与える低誘電率絶縁性コーティング組成物を提供できる。なお、本発明では比誘電率(真空の誘電率に対する比の値)を単に「誘電率」ともいう。
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物は、上記Rがフェニレン基、上記Rがメチル基又はフェニル基であることができる。
このような上記式(1)で表される有機ケイ素化合物と、上記式(2)で表される有機ケイ素化合物は入手し易く、これらの付加反応物である(A)成分を効率良く得ることができる。
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物は、さらに前記(B)が下記式(3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2024020089000003
(式中、Rは独立に非置換または置換の1価炭化水素基であり、Rは独立にメチル基又はフェニル基であり、aは0~50の整数であり、bは0~100の整数である。ただし、aが0のときRはフェニル基であり、かつ、bは1~100である。括弧が付されたシロキサン単位の配列順は任意である。)
このような(B)成分は容易に得ることができる。
また本発明は、上記低誘電率絶縁性コーティング組成物を硬化してなることを特徴とする硬化物を提供する。
本発明の硬化物であれば、機械的強度に優れ、低い比誘電率および誘電正接を有する。
本発明の硬化物は、10GHzにおける誘電率が3.0以下、かつ、誘電正接が0.01以下のものであることが好ましい。
このような低誘電率絶縁性を有する硬化物であれば、高周波領域で伝送損失の少ない絶縁材料、コーティング材料、封止材として有用である。
さらに本発明は、上記硬化物からなる層を有するものであることを特徴とする表示装置を提供する。
本発明の表示装置であれば、使用する硬化物の機械的強度が高く、低い比誘電率および誘電正接を有することに加えて、透明性も有するため、高い信頼性を有する表示装置となる。
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物は、得られる硬化物の機械的強度が高く、低い比誘電率および低い誘電正接を有することから、高周波領域で伝送損失の少ない電子デバイス及び電気デバイス用のコーティング材料として有用である。
上述のように、高い機械的強度を有し、低い比誘電率および誘電正接を有する硬化物を与える低誘電率絶縁性コーティング組成物の開発が求められていた。
本発明者は、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、特定の成分を含む低誘電率絶縁性コーティング組成物であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記(A)、(B)及び(C)を含む低誘電率絶縁性コーティング組成物である。
(A)下記式(1)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(2)で表される有機ケイ素化合物との付加反応物であって、1分子中にSiH基を3個以上有する付加反応物、
Figure 2024020089000004
(式中、Rは独立に置換または非置換の炭素数1~12の2価炭化水素基である。)
Figure 2024020089000005
(式中、Rは独立に置換または非置換の炭素数1~12の1価炭化水素基であり、Rは単結合または非置換の炭素数1~4の2価炭化水素基である。)、
(B)アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物、
(C)ヒドロシリル化反応触媒
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[低誘電率絶縁性コーティング組成物]
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物は下記(A)~(C)成分を含有してなる付加硬化型シリコーン組成物である。本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物は、下記(A)~(C)成分及び、必要に応じてその他の成分を、従来公知の方法で混合して調製することができる。
以下、各成分について詳細に説明する。
[(A)成分]
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物における(A)成分は、後述の(B)成分とヒドロシリル化反応を起こすことにより、架橋剤として機能する。
(A)成分は、下記式(1)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(2)で表される有機ケイ素化合物との付加反応物であって、1分子中にSiH基(ヒドロシリル基)を3個以上有する付加反応物である。
Figure 2024020089000006
(式中、Rは独立に置換または非置換の炭素数1~12の2価炭化水素基である。)
Figure 2024020089000007
(式中、Rは独立に置換または非置換の炭素数1~12の1価炭化水素基であり、Rは単結合または非置換の炭素数1~4の2価炭化水素基である。)
なお、上記式(2)で表される有機ケイ素化合物は、アルケニル基を1分子中に3個有すがシロキサン結合を持たないので、アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物である(B)成分とは明確に区別される。
で表される炭素数1~12の2価炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、n-オクチレン基等のアルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基等や、これらの基の水素原子の一部又は全部がフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子等で置換されたものが挙げられ、Rとしては、フェニレン基が特に好ましい。
で表される炭素数1~12の1価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基等や、これらの基の水素原子の一部又は全部がフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子等で置換されたものが挙げられ、Rとしてはメチル又はフェニル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
で表される非置換の炭素数1~4の2価炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基等のアルキレン基が挙げられる。Rが単結合である場合は、ケイ素原子にビニル基が直接結合している有機ケイ素化合物を表す。Rとしては単結合、メチレン基又はエチレン基が特に好ましい。
上記式(1)で表される有機ケイ素化合物の好適な具体例を下記に示すが、これらに限定されるものではない。また、上記式(1)で表される有機ケイ素化合物は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
Figure 2024020089000008
上記式(2)で表される化合物の好適な具体例を下記に示すが、これらに限定されるものではない。また、上記式(2)で表される化合物は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
Figure 2024020089000009
上記式(1)で表される有機ケイ素化合物と、上記式(2)で表される有機ケイ素化合物との付加反応物である(A)成分の好ましい例としては下記単位式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2024020089000010
(式中、nは1~10の整数である。)
前記単位式で表される化合物の具体例としては、下記式で表される化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2024020089000011
Figure 2024020089000012
Figure 2024020089000013
Figure 2024020089000014
Figure 2024020089000015
また、(A)成分は上記単位式で表される化合物の1種単独でも2種以上の組み合わせでも使用することができる。
[(A)成分の調製]
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物における(A)成分は、上記式(2)で表される化合物1モルに対して、上記式(1)で表される化合物を、過剰量、好ましくは3モルを越え30モル以下、より好ましくは4.5モルを越え15モル以下で混合して、両者を触媒の存在下でヒドロシリル化反応させることにより得ることができる。
前記ヒドロシリル化反応に用いる触媒としては、公知のものを使用することができる。例えば、白金金属を担持したカーボン粉末、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応生成物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒;パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族金属系触媒が挙げられる。また、付加反応条件、精製条件、溶媒の使用等については特に限定されず、公知の方法を用いればよい。
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物における(A)成分は、1種の化合物からなるものでも、2種以上の化合物の組み合わせ(混合物)からなるものでもよい。
(A)成分を構成する化合物1分子中にSiH基を3個以上有することは適切な測定手段を選択することにより確認できる。(A)成分を構成する化合物が2種以上である場合には、適切な測定手段の組み合わせ(例えば、H-NMRとGPCなど)を選択することにより化合物ごとに1分子中にSiH基を3個以上有することを確認できる。
[(B)成分]
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物における(B)成分は、アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物である。(B)成分は、(A)成分と、後述の(C)ヒドロシリル化反応触媒の存在下で付加反応する。前記オルガノシロキサン化合物としては、直鎖状、分岐状、環状のオルガノポリシロキサンを用いることができる。
(B)成分の具体例としては、特に限定されないが、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体等が挙げられ、(B)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
(B)成分としては、下記式(3)で表される化合物、即ち、直鎖状のオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
Figure 2024020089000016
(式中、Rは独立に非置換または置換の1価炭化水素基であり、Rは独立にメチル基又はフェニル基であり、aは0~50の整数であり、bは0~100の整数である。ただし、aが0のときRはフェニル基であり、かつ、bは1~100である。括弧が付されたシロキサン単位の配列順は任意である。)
で表される非置換または置換の1価炭化水素基としては、脂肪族不飽和基、及び脂肪族不飽和基以外の1価炭化水素基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基等の炭素原子数1~6のアルキル基;クロロメチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等の炭素原子数1~4のハロアルキル基;フェニル基、トリル基等の炭素原子数6~10のアリール基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基が挙げられる。中でも、炭素原子数1~6のアルキル基、フェニル基、ビニル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
上記式(3)において、aは0~50の整数であり、1~10であることが好ましく、1~7であることがより好ましく、2~4であることが更に好ましい。bは0~100の整数であり、0~50であることが好ましく、1~10であることがより好ましく、2~4であることが更に好ましい。ただし、aが0のときRはフェニル基であり、かつ、bは1~100である。括弧が付されたシロキサン単位の配列順は任意である。
式(3)で表されるオルガノポリシロキサンは、例えば、ジクロロジフェニルシランやジアルコキシジフェニルシラン等の二官能性シランを加水分解・縮合させた後、または加水分解・縮合と同時に、脂肪族不飽和基を含有するシロキサン単位で末端を封鎖することにより得られる。
(B)成分の配合量は、組成物中の脂肪族不飽和基に対するSiH基のモル比(SiH基/脂肪族不飽和基)が0.5以上5以下であるようにすることができ、好ましくは0.8以上2以下となる量である。前記モル比(SiH基/脂肪族不飽和基)が0.5以上5以下であれば、本発明の組成物を十分に硬化させることができる。
[(C)成分]
本発明の(C)成分であるヒドロシリル化反応触媒は、上記(A)成分の調製に用いられるものと同様のものが使用できる。
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物への(C)成分の配合量は、反応促進および硬化物の着色防止の点から組成物全体の質量に対して、白金族金属原子として1~500ppmが好ましく、より好ましくは1~100ppm程度、さらに好ましくは2~12ppmとなる量である。
[その他の成分]
低誘電率絶縁性コーティング組成物には、上記(A)~(C)成分に加え、必要に応じて酸化防止剤、無機充填剤等の成分を配合してもよい。
[酸化防止剤]
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物の硬化物中には、上記(B)成分中の付加反応性炭素-炭素二重結合が未反応のまま残存している場合があり、それが大気中の酸素により酸化されることで硬化物が着色する原因となり得る。そこで、必要に応じ、本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物に酸化防止剤を配合することにより、このような着色を未然に防止することができる。
酸化防止剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,5-ジ-t-アミルヒドロキノン、2,5-ジ-t-ブチルヒドロキノン、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)等が挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
なお、この酸化防止剤を使用する場合、その配合量は特に制限されないが、上記(A)成分と(B)成分との合計質量に対して、通常、1~10,000ppm、特に、10~1,000ppm程度配合することが好ましい。前記範囲内の配合量とすることによって、酸化防止能力が十分発揮され、着色、白濁、酸化劣化等の発生がなく光学的特性に優れた硬化物が得られる。
[無機充填剤]
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物の粘度や、本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物から得られる硬化物の硬度等を調整したり、強度を向上させたり、蛍光体の分散を良くするために、ナノシリカや、溶融シリカ、結晶性シリカ、酸化チタン、ナノアルミナ、アルミナ等の無機充填剤を添加しても良い。
無機充填剤を使用する場合の配合量は、上記(A)成分と(B)の合計100質量部に対し、好ましくは5~500質量部であり、より好ましくは、10~200質量部である。このような配合量であると、本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物は取扱い易く、その硬化物の硬度や、強度は望ましいものとなる。
[接着性向上剤]
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物には、接着性向上剤を配合してもよい。接着性向上剤としては、シランカップリング剤やそのオリゴマー、シランカップリング剤と同様の反応性基を有するポリシロキサン等が例示される。
接着性向上剤は、下記式(4)で表される化合物や、有機官能基としてアリルイソシアヌレート構造を有するシランカップリング剤が好ましい。
Figure 2024020089000017
(式中、sは1~3の整数であり、tは0~3の整数であり、uは0~3の整数であり、但しs+t+uは4~5の整数である。括弧が付されたシロキサン単位の配列順は任意である。)
有機官能基としてアリルイソシアヌレート構造を有するシランカップリング剤としては以下の式(5)で表される化合物を挙げることができる。ただし、式中のR、R’は下記式においてのみ適用されるものとする。
Figure 2024020089000018
(式中、少なくとも1つのR’はアリル基であり、その他は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族複素環式環、(CHSi(OR)又はアリル基であり、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族複素環式環、又はアリル基である。)
上記式中のRは、C1~4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。R’は、(CHSi(OR)又はアリル基が好ましい。
アリルイソシアヌレート構造を有するシランカップリング剤の具体例としては、X-12-1290(信越化学工業株式会社製)や、下記式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2024020089000019
接着性向上剤の好適な具体例としては、下記式で表されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。接着性向上剤は市販品であってもよい。
Figure 2024020089000020
Figure 2024020089000021
接着性向上剤は、本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物及びその硬化物の基材に対する接着性を向上させるために組成物に配合される任意成分である。ここで、基材とは、金、銀、銅、ニッケルなどの金属材料、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタンなどのセラミック材料、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの高分子材料を指す。接着性向上剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
接着性向上剤を使用する場合の配合量は、上記(A)成分と(B)の合計100質量部に対し、好ましくは1~30質量部であり、より好ましくは、1~10質量部である。このような配合量であると、本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物及びその硬化物は、基材に対する接着性が効果的に向上し、また、着色が起こりにくい。
[その他]
また、ポットライフを確保するために、1-エチニルシクロヘキサノール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール等の付加反応制御剤を配合することができる。
更に、太陽光線、蛍光灯等の光エネルギーによる光劣化に抵抗性を付与するため光安定剤を用いることも可能である。この光安定剤としては、光酸化劣化で生成するラジカルを捕捉するヒンダードアミン系安定剤が適しており、酸化防止剤と併用することで、酸化防止効果はより向上する。光安定剤の具体例としては、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、4-ベンゾイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物中、(A)、(B)および(C)成分の合計量は50~100質量%であることが好ましく、80~100質量%であることがより好ましく、90~100質量%であることが更に好ましい。
また、本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物は、上述した各成分を均一になるよう混合することにより製造することができる。
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物は、上記成分を含むものであるが、これまでこのような組成物が後述するような優れた機械的強度と低い誘電特性値(誘電率と誘電正接)を合わせ持つ硬化物を与えるとは全く知られておらず、予測もされていなかった。
例えば、上述したように特許文献2にはケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する化合物と、アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサンと、ヒドロシリル化触媒とを含む硬化性組成物が記載されているが、その用途は、耐熱性が要求される白色LED用封止材として利用できる硬化性組成物である。上記文献では、この硬化性組成物は、硬度、機械的強度、および耐クラック性が高く、短波長領域の光透過性、ガスバリア性に優れた硬化物を与えることができるとされているが、硬化物の誘電特性については全く言及していない。
低誘電率のシリコーンコーティングに関しては、以下のような技術が知られている。
1)メチルおよびフェニル基を有するシリコーン樹脂と、α,ω-ヒドロキシル化末端を有するポリジメチルシロキサンとを溶媒中に溶解したシリコーン組成物を、コーティングし、加熱することにより、シリコーン樹脂の残留-OH基の縮合によって、フィルムが架橋すると共に、「犠牲」シリコーンオイルの熱分解により、細孔が層の内部に生じることを利用する。フィルムのバルク全体に分布する細孔によってエポキシ基を有するシルセスキオキサンがもたらされる(特表2009-505811号公報)。
2)エポキシ基を有するシルセスキオキサンと硬化剤を含む組成物を硬化することにより低誘電率の硬化物を得る(特開2007-332211号公報)。
3)シリコーン系ポリマーに固形添加剤が分散されてなる低誘電率材料(シリコーン系ポリマーと固形添加剤との界面に空間が形成された構造を有する)により、硬化物は従来の材料に比べて低い誘電率を実現する(特開2010-003761号公報)。
このように、従来は、低誘電率のシリコーンコーティングを得るために、コーティング内の細孔(空隙)を設けたり、かご型構造のシルセスキオキサンを用いたりするため、コーティングそのものの密度が低下し、高硬度のコーティングは得られていなかった。そして、その誘電率及び誘電正接は、ギガヘルツ高周波領域で伝送損失の少ない材料として要求される特性を満足するものではなかった。
一般に、GHz帯では分極による双極子が電場に応答し誘電が引き起こされることが知られている。このため、GHz帯における低誘電特性化には、構造中から分極を減らすことがポイントとなる。
誘電率は下記Clausius-Mossottiの式で示され、モル分極率、モル容積が因子となる。このことから、分極を小さくすること、モル容積を大きくすることが低誘電率化においてポイントとなっている。
誘電率=[1+2(ΣPm/ΣVm)]/[1-(ΣPm/ΣVm)]
(Pm:原子団のモル分極率,Vm:原子団のモル容積)
また、誘電正接(tanδ)は交流電場に対する誘電応答の遅れであり、GHz帯では双極子の配向緩和が主たる要因となる。このため、誘電正接を小さくするためには、双極子をなくす(無極性に近い構造とする)方法が考えられる。
従って、低誘電特性の観点からは、コーティングは、その構造中から分極を減らすと共に、双極子を可能な限り減らす(無極性に近い構造とする)ことが求められる。
この点、特許文献2に記載の付加硬化型硬化性組成物は、SiH基に由来するシラノール基(分極をもたらす)が残留して、誘電正接を小さくする恐れがあるため、低誘電率絶縁性コーティング組成物が得られることは全く予測できなかった。また、上記硬化性組成物は、硬度、機械的強度、および耐クラック性が高い硬化物を与えることから、コーティングの密度が高く、誘電率が低くなるとは全く予測できなかった。
本発明は、このような予測に反して、硬化して得られる硬化物が、高い機械的強度ならびに低い比誘電率および誘電正接を両立できることを本発明者らが見出したことによって初めて達成された。
[硬化物]
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物を硬化して本発明の硬化物とする。前記硬化物は、機械的強度に優れ、低い比誘電率および誘電正接を有する。なお、本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物の硬化条件については、特に制限されないが、60~180℃、5~180分の条件とすることが好ましい。
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物を硬化して得られる硬化物は、10GHzにおける誘電率が3.0以下、かつ、誘電正接が0.01以下であることが好ましい。このような範囲であれば、高周波誘電特性に優れる。なお、硬化物の10GHzにおける比誘電率および誘電正接はJIS C2565に準拠して空洞共振器法により測定できる。例えば、空洞共振器誘電率測定装置((株)AET社製)を用いて、0.3mm厚の硬化物の10GHzにおける比誘電率および誘電正接を測定すればよい。
硬化物の機械的強度(硬度、切断時伸び)については以下のように測定することができる。
(硬度)所定の厚さの硬化物を用いて、ASTM D 2240 に準じて硬度(ShoreD)を23℃で測定する。
(切断時伸び)所定の厚さの硬化物を用いて、JIS-K-6249に準じて23℃で測定する。
本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物を各種基材、部品等に直接または他の層を介して塗布して該組成物を硬化させることにより、絶縁性コーティング層を形成することができる。また、本発明の低誘電率絶縁性コーティング組成物を硬化して得られる硬化物は透明性を有するため、表示装置としての用途に好適である。
以下、実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、シロキサン単位を表す記号は以下のとおりである。
Vi:(CH=CH)(CHSiO1/2
ViΦ:(CH=CH)(C)(CH)SiO1/2
2Φ:(CSiO2/2
また、25℃における粘度は、JIS-K7117-1:1999に準拠しB型回転粘度計を用いて測定した。
[合成例1](A)成分の調製
攪拌装置、冷却管、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、1,4-ビス(ジメチルシリル)ベンゼン(信越化学工業株式会社製)262.8g(1.35モル)、5%Ptカーボン粉末(エヌ・イーケムキャット株式会社製)0.12gを加え、オイルバスを用いて85℃に加熱した。これにトリビニルフェニルシラン(信越化学工業株式会社製)を28.0g(0.15モル)滴下した。滴下終了後、90~100℃の間で5時間撹拌した。撹拌後終了後25℃に戻し、活性炭を2.9g加え1時間撹拌した。撹拌後ろ過、減圧濃縮し、付加反応生成物99.7g(無色透明、収率87%、25℃における粘度:30Pa・s)を得た。
反応生成物を、H-NMR、GPC等により分析した結果、このものは、下記式(a)~(c)、(f)で表される構造を有する化合物の混合物であり、各化合物の割合は(a):(b):(c):(f)=55:25:10:10(mol%)であった。また、前記化合物はそれぞれ1分子中にSiH基を3個以上有する化合物であり、前記混合物全体としてSiH基の含有割合は、0.0035モル/gであった。
Figure 2024020089000022
Figure 2024020089000023
Figure 2024020089000024
Figure 2024020089000025
[実施例1]
(A)合成例1で得られた反応生成物:75質量部、
(B-1)平均単位式MViΦ 2Φ で表される、100gあたりビニル基を0.22モル有する粘度2,000mPa・sのオルガノポリシロキサン:114質量部、
(B-2)平均単位式MVi 2Φで表される、100gあたりビニル基を0.50モル有する粘度10mPa・sのオルガノポリシロキサン:9質量部、
(C)白金-ビニルシロキサン錯体:白金金属原子として(A)、(B-1)および(B-2)の合計質量に対して3ppmとなる量、
接着性向上剤として、下記式(6)で表される化合物:2質量部、
ならびに
反応制御剤として、1-エチニルシクロヘキサノール:0.07質量部
を混合して組成物を得た。この組成物を2mmおよび0.3mm厚の金枠中に流し込み、150℃で4時間加熱して硬化物を得た。上記組成物におけるSiH/Vi比(SiH基/脂肪族不飽和基)は0.89であった。
Figure 2024020089000026
[実施例2]
(A)合成例1で得られた反応生成物:75質量部、
(B-1)平均単位式MViΦ 2Φ で表される、100gあたりビニル基を0.22モル有する粘度2,000mPa・sのオルガノポリシロキサン:123質量部、
(C)白金-ビニルシロキサン錯体:白金金属原子として(A)および(B-1)の合計質量に対して3ppmとなる量、
接着性向上剤として、上記式(6)で表される化合物:2質量部、
ならびに
反応制御剤として、1-エチニルシクロヘキサノール:0.07質量部
を混合して組成物を得た。この組成物を2mmおよび0.3mm厚の金枠中に流し込み、150℃で4時間加熱して硬化物を得た。上記組成物におけるSiH/Vi比は0.97であった。
[比較例1]
置換基がメチル基からなるシリコーン材料として、メチルシリコーンレジン系硬化性組成物(商品名:KER-2300、信越化学工業社製、粘度:5,000mPa・s)を、実施例1と同様に2mmおよび0.3mm厚の金枠中に流し込み、150℃で2時間加熱して硬化物を得た。
<性能評価手法>
上記各実施例および比較例で得られた硬化物について、下記手法に従い性能を評価した。評価結果を表1に示す。
(1)外観
2mm厚の硬化物の外観を目視により観察した。
(2)硬度
2mm厚の硬化物を3枚重ね6mmとし、ASTM D 2240 に準じて硬度(ShoreD)を23℃で測定した。
(3)伸び(切断時伸び)
2mm厚の硬化物を用いて、JIS-K-6249に準じて23℃で切断時伸びを測定した。
(4)比誘電率および(5)誘電正接
空洞共振器誘電率測定装置((株)AET社製)を用いて、0.3mm厚の硬化物の10GHzにおける比誘電率および誘電正接を測定した。
Figure 2024020089000027
以上の結果から、実施例1および2の組成物は、基板に塗布する際に適度な粘度を有する、作業性に優れるものであった。また、実施例1および2で得られた硬化物は、高硬度かつ高強度であり、10GHzにおける比誘電率が3.0以下、かつ、誘電正接が0.01以下であり高周波誘電特性に優れることが分かった。
一方、比較例1のメチル系シリコーンレジン系硬化物は、強度が不足し、さらに誘電正接が大きく高周波特性を満たしていないことが分かった。
本明細書は、以下の態様を包含する。
[1]:下記(A)、(B)及び(C)を含む低誘電率絶縁性コーティング組成物。
(A)下記式(1)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(2)で表される有機ケイ素化合物との付加反応物であって、1分子中にSiH基を3個以上有する付加反応物、
Figure 2024020089000028
(式中、Rは独立に置換または非置換の炭素数1~12の2価炭化水素基である。)
Figure 2024020089000029
(式中、Rは独立に置換または非置換の炭素数1~12の1価炭化水素基であり、Rは単結合または非置換の炭素数1~4の2価炭化水素基である。)、
(B)アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物、
(C)ヒドロシリル化反応触媒
[2]:前記Rがフェニレン基、前記Rがメチル基又はフェニル基であることを特徴とする[1]に記載の低誘電率絶縁性コーティング組成物。
[3]:前記(B)が下記式(3)で表される化合物であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の低誘電率絶縁性コーティング組成物。
Figure 2024020089000030
(式中、Rは独立に非置換または置換の1価炭化水素基であり、Rは独立にメチル基又はフェニル基であり、aは0~50の整数であり、bは0~100の整数である。ただし、aが0のときRはフェニル基であり、かつ、bは1~100である。括弧が付されたシロキサン単位の配列順は任意である。)
[4]:[1]から[3]のいずれか1つに記載の低誘電率絶縁性コーティング組成物を硬化してなることを特徴とする硬化物。
[5]:10GHzにおける誘電率が3.0以下、かつ、誘電正接が0.01以下のものであることを特徴とする[4]に記載の硬化物。
[6]:[4]又は[5]に記載の硬化物からなる層を有するものであることを特徴とする表示装置。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (10)

  1. 下記(A)、(B)及び(C)を含む低誘電率絶縁性コーティング組成物。
    (A)下記式(1)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(2)で表される有機ケイ素化合物との付加反応物であって、1分子中にSiH基を3個以上有する付加反応物、
    Figure 2024020089000031
    (式中、Rは独立に置換または非置換の炭素数1~12の2価炭化水素基である。)
    Figure 2024020089000032
    (式中、Rは独立に置換または非置換の炭素数1~12の1価炭化水素基であり、Rは単結合または非置換の炭素数1~4の2価炭化水素基である。)、
    (B)アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物、
    (C)ヒドロシリル化反応触媒
  2. 前記Rがフェニレン基、前記Rがメチル基又はフェニル基であることを特徴とする請求項1に記載の低誘電率絶縁性コーティング組成物。
  3. 前記(B)が下記式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の低誘電率絶縁性コーティング組成物。
    Figure 2024020089000033
    (式中、Rは独立に非置換または置換の1価炭化水素基であり、Rは独立にメチル基又はフェニル基であり、aは0~50の整数であり、bは0~100の整数である。ただし、aが0のときRはフェニル基であり、かつ、bは1~100である。括弧が付されたシロキサン単位の配列順は任意である。)
  4. 前記(B)が下記式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項2に記載の低誘電率絶縁性コーティング組成物。
    Figure 2024020089000034
    (式中、Rは独立に非置換または置換の1価炭化水素基であり、Rは独立にメチル基又はフェニル基であり、aは0~50の整数であり、bは0~100の整数である。ただし、aが0のときRはフェニル基であり、かつ、bは1~100である。括弧が付されたシロキサン単位の配列順は任意である。)
  5. 請求項1に記載の低誘電率絶縁性コーティング組成物を硬化してなることを特徴とする硬化物。
  6. 請求項2に記載の低誘電率絶縁性コーティング組成物を硬化してなることを特徴とする硬化物。
  7. 請求項3に記載の低誘電率絶縁性コーティング組成物を硬化してなることを特徴とする硬化物。
  8. 請求項4に記載の低誘電率絶縁性コーティング組成物を硬化してなることを特徴とする硬化物。
  9. 10GHzにおける誘電率が3.0以下、かつ、誘電正接が0.01以下のものであることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の硬化物。
  10. 請求項9に記載の硬化物からなる層を有するものであることを特徴とする表示装置。
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