JP2024019952A - ノイズフィルタ及び冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)全体構成
図1には、冷凍サイクル装置の一例としての空気調和機10が示されている。空気調和機10は、室内機30と室外機20を備えている。空気調和機10では、室内機30と室外機20とが冷媒配管12,13で接続されて冷媒回路11が形成されている。冷媒回路11には、圧縮機21と四方弁22と室外熱交換ユニット23と膨張弁24とアキュムレータ25と室内機30の室内熱交換器31が接続されている。室外機20は、圧縮機21と四方弁22と室外熱交換ユニット23と膨張弁24とアキュムレータ25と室外ファン28を有している。室内機30は、室内熱交換器31と室内ファン32を有している。空気調和機10は、冷媒回路11で実施される蒸気圧縮式冷凍サイクルにより、冷房運転及び暖房運転を選択的に行うことができる。
空気調和機10は、交流電源200から二相交流電力の供給を受けて圧縮機モータ21mを駆動する。図2には、圧縮機モータ21mに電力を供給するためのπ型のノイズフィルタ50と電源モジュール90が示されている。交流電源200にノイズフィルタ50が接続され、ノイズフィルタ50に電源モジュール90が接続され、電源モジュール90に圧縮機モータ21mが接続されている。電源モジュール90は、コンバータ91とインバータ92を含んでいる。交流電源200から供給された交流電圧がコンバータ91で直流電圧に変換されて、コンバータ91が出力する直流電圧がコンバータ91で交流電圧に変換される。インバータ92は、圧縮機モータ21mに供給する電力の周波数を変化させて圧縮機モータ21mの回転数を変化させる。コンバータ91は、例えば、ダイオードブリッジを用いる整流回路である。
ノイズフィルタ50は、コモンモードチョークコイル51、第1前段コンデンサ52、第2前段コンデンサ53、抵抗器54、第1後段コンデンサ55、及び第2後段コンデンサ56を備えている。コモンモードチョークコイルは、以下の説明では,CMCCと省略して記載することがある。
抵抗器54は、例えば、厚膜チップ抵抗器、金属板チップ抵抗器またはセラミック抵抗器である。言い換えると、抵抗器54は、少なくとも薄膜チップ抵抗ではない。抵抗器54として、厚膜チップ抵抗器、金属板チップ抵抗器またはセラミック抵抗器を用いることで、サージ耐圧を高めることができる。
サージアブソーバ58は、第1前段コンデンサ52と並列に接続されている。第1電源端子PT1からサージアブソーバ58を経由して接地線ECに至る経路が、第1電源端子PT1から第1前段コンデンサを経由して接地線ECに至る経路よりも短い。このような構成により、第1電源端子PT1から入ってくるサージ電圧が、サージアブソーバ58で吸収されるので、第1前段コンデンサ52を通るサージ電流を減少させることができる。ノイズフィルタ50は、サージアブソーバ58を通してサージ電流を逃がすことができ、抵抗器54へ掛かるサージ電圧を減らすことができる。
(3-1)変形例1A
図4に示されているように、抵抗器54に直列にチップフェライトビーズFBを接続することもできる。チップフェライトビーズFBは、ノイズフィルタ50の部品の一部が実装されているプリント配線基板60の上に実装されている。図4では、第2入力端子51bと接続点CP2の間にチップフェライトビーズFBが設けられている例が示されている。図4のノイズフィルタ50は、チップフェライトビーズFBにより、第1前段コンデンサ52と第2前段コンデンサ53と第1後段コンデンサ55と第2後段コンデンサ56を経由して伝わる高周波ノイズの低減が見込める。
上記第1実施形態では、第1前段コンデンサ52と第2前段コンデンサ53に対して、1個の抵抗器54が設けられている。しかし、図5に示されているように、抵抗器54を第1前段コンデンサ52と第2前段コンデンサ53に対して、1個ずつ抵抗器54を設けることもできる。なお、この場合、第1入力端子51aと第1前段コンデンサ52の間に抵抗器54を配置し、第2入力端子51bと第2前段コンデンサ53の間に抵抗器54を配置することもできる。また、図5の場合、各抵抗器54に対してチップフェライトビーズFBを設けることができる。
上記第1実施形態、変形例1A及び変形例1Bでは、第1前段コンデンサ52と第2前段コンデンサ53に対して、1個または2個の抵抗器54が設けられている。しかし、抵抗器54は、図6に示されているように、第1後段コンデンサ55と第2後段コンデンサ56に対して設けることもできる。なお、この場合、第1出力端子51xと第1後段コンデンサ55の間に抵抗器54を配置し、第2出力端子51yと第2後段コンデンサ56の間に抵抗器54を配置することもできる。この場合、第1後段コンデンサ55と第2後段コンデンサ56に対してチップフェライトビーズFBを設けている。
上記第1実施形態、変形例1Cでは、第1後段コンデンサ55と第2後段コンデンサ56に対して、2個の抵抗器54が設けられる。しかし、抵抗器54は、図7に示されているように、第1後段コンデンサ55と第2後段コンデンサ56に対して1個設けることもできる。この場合、第1後段コンデンサ55及び第2後段コンデンサ56とアース配線ELとの間に抵抗器54が配置される。また、図7に示されている例では、抵抗器54に直列にチップフェライトビーズFBも設けている。
(4)全体構成
図8には、冷凍サイクル装置の他の例としての空気調和機10が示されている。第1実施形態の空気調和機10は、2相交流の交流電源200から電力の供給を受けている。それに対して、第2実施形態の空気調和機10は、3相交流の交流電源300から電力の供給を受けている。交流電源300は、接地されている。
図8のノイズフィルタ50は、コモンモードチョークコイル51、第1前段コンデンサ52、第2前段コンデンサ53、第3前段コンデンサ71、抵抗器54、第1後段コンデンサ55、第2後段コンデンサ56、及び第3後段コンデンサ72を備えている。三相交流の交流電源300に接続されている第1電源端子PT1、第2電源端子PT2及び第3電源端子PT3を備えている。これらノイズフィルタ50の第1電源端子PT1、第2電源端子PT2及び第3電源端子PT3に交流電源300から交流電圧が印加される。第1電源端子PT1、第2電源端子PT2及び第3電源端子PT3には、CMCC51の第1入力端子51a、第2入力端子51b及び第3入力端子51cが接続されている。CMCC51の第1出力端子51xと第2出力端子51yと第3出力端子51zは、コンバータ91及びインバータ92を含む電源モジュール90に接続されている。電源モジュール90に、三相交流で駆動される圧縮機モータ21mが接続されている。
(6-1)変形例2A
図9に示されているように、抵抗器54に直列にチップフェライトビーズFBを接続することもできる。チップフェライトビーズFBは、ノイズフィルタ50の部品の一部が実装されているプリント配線基板60の上に実装されている。図9では、第2入力端子51bと接続点CP2の間にチップフェライトビーズFBが設けられている例が示されている。図9のノイズフィルタ50は、チップフェライトビーズFBにより、第1前段コンデンサ52と第2前段コンデンサ53と第3前段コンデンサ71と第1後段コンデンサ55と第2後段コンデンサ56と第3後段コンデンサ72を経由して伝わる高周波ノイズの低減が見込める。
上記第2実施形態では、第1前段コンデンサ52と第2前段コンデンサ53と第3前段コンデンサ71に対して、1個の抵抗器54が設けられている。しかし、図10に示されているように、抵抗器54を第1前段コンデンサ52と第2前段コンデンサ53と第3前段コンデンサ71に対して、1個ずつ抵抗器54を設けることもできる。なお、この場合、第1入力端子51aと第1前段コンデンサ52の間に抵抗器54を配置し、第2入力端子51bと第2前段コンデンサ53の間に抵抗器54を配置し、第3入力端子51cと第3前段コンデンサ71の間に抵抗器54を配置することもできる。また、各抵抗器54に対してチップフェライトビーズFBを設けることもできる。
上記第2実施形態、変形例2A及び変形例2Bでは、第1前段コンデンサ52と第2前段コンデンサ53と第3前段コンデンサ71に対して、1個または2個の抵抗器54が設けられている。しかし、抵抗器54は、図11に示されているように、第1後段コンデンサ55と第2後段コンデンサ56と第3後段コンデンサ72に対して設けることもできる。なお、この場合、第1出力端子51xと第1後段コンデンサ55の間に抵抗器54を配置し、第2出力端子51yと第2後段コンデンサ56の間に抵抗器54を配置し、第3出力端子51zと第3後段コンデンサ72の間に抵抗器54を配置することもできる。この場合、第1後段コンデンサ55と第2後段コンデンサ56と第3後段コンデンサ72に対してチップフェライトビーズFBを設けることもできる。
上記第2実施形態、変形例2Cでは、第1後段コンデンサ55と第2後段コンデンサ56と第3後段コンデンサ72に対して、3個の抵抗器54が設けられている。しかし、抵抗器54は、図12に示されているように、第1後段コンデンサ55と第2後段コンデンサ56と第3後段コンデンサ72に対して、1個設けることもできる。この場合、第1後段コンデンサ55、第2後段コンデンサ56及び第3後段コンデンサ72とアース配線ELとの間に抵抗器54が配置される。また、図12に示されている例では、抵抗器54に直列にチップフェライトビーズFBも設けている。
(7-1)
上述のノイズフィルタ50では、第1前段コンデンサ52若しくは第2前段コンデンサ53を通って、第1入力端子51a及び第2入力端子51bと第1出力端子51x及び第2出力端子51yとの間に電流が流れる。または、上述のノイズフィルタ50では、第1前段コンデンサ52、第2前段コンデンサ53または第3前段コンデンサ71を通って、第1入力端子51a、第2入力端子51b及び第3入力端子51cと第1出力端子51x、第2出力端子51y及び第3出力端子51zとの間に電流が流れる。前述の電流が、抵抗器54を介して流れるように抵抗器54が設けられている。それにより、前述の電流を、抵抗器54によって低減することができる。その結果、CMCC51によるコモンモードノイズの高い低減効果が見込めなくなるのを防ぐことができる。従って、上述のノイズフィルタ50では、接地されるコンデンサによる電磁障害の悪化を簡単な構成で抑制することができる。
上述のノイズフィルタ50では、抵抗器54が第1入力端子51aと接地線ECの間及び第2入力端子51bと接地線ECの間に配置されることで、第1出力端子51xと接地線ECの間及び第2出力端子51yと接地線ECの間に抵抗器54が配置される場合に比べて、第1後段コンデンサ55と第2後段コンデンサ56によるノイズ低減の効果が、抵抗器54によって弱まるのを防げる。
上述のノイズフィルタ50の抵抗器54は、厚膜チップ抵抗器、金属板チップ抵抗器またはセラミック抵抗器である。このような抵抗器54は、抵抗器自体がサージ耐圧が高いため、サージ耐圧が高くない薄膜チップ抵抗などを用いる場合に比べて、故障が生じ難くなる。
上述のノイズフィルタ50は、第1電源端子PT1からサージアブソーバ58を経由して接地線ECに至る経路が、第1電源端子PT1から第1前段コンデンサ52を経由して接地線ECに至る経路よりも短い。そのため、第1前段コンデンサ52を経由する経路よりも、主にサージアブソーバ58を通して速くサージ電流をノイズフィルタ50から逃がすことができる。
上述のノイズフィルタ50は、サージアブソーバ58と接地の間の接地線ECの抵抗が、第1前段コンデンサ52と接地の間の接地線ECの抵抗よりも小さくなるように構成されている。このように構成された場合、第1前段コンデンサ52を経由する経路よりも、主にサージアブソーバ58を通して速くサージ電流をノイズフィルタ50から逃がすことができる。
上述のノイズフィルタ50は、抵抗器54に直列に接続されるチップフェライトビーズFBを備える場合、チップフェライトビーズFBにより、第1前段コンデンサ52と第2前段コンデンサ53と第3前段コンデンサ71と第1後段コンデンサ55と第2後段コンデンサ56と第3後段コンデンサ72を経由して伝わる高周波ノイズの低減が見込める。
冷凍サイクル装置の一例である空気調和機10は、上述のノイズフィルタ50と、ノイズフィルタ50の第1出力端子51x及び第2出力端子51yに接続されている電源モジュール90と、電源モジュール90から電力の供給を受けて動作するアクチュエータである圧縮機モータ21mまたはファンモータ28mとを備える。冷凍サイクル装置は、冷媒を用いて冷凍サイクルを実施する装置である。冷凍サイクル装置としては、空気調和機10以外に、例えば、冷蔵庫、冷凍庫、給湯器、床暖房装置、ヒートポンプ装置がある。また、アクチュエータは、モータ以外にソレノイドがある。
21m 圧縮機モータ(アクチュエータの例)
28m,32m ファンモータ(アクチュエータの例)
50 ノイズフィルタ
51 コモンモードチョークコイル
51a 第1入力端子
51b 第2入力端子
51x 第1出力端子
51y 第2出力端子
52 第1前段コンデンサ
53 第2前段コンデンサ
54 抵抗器
55 第1後段コンデンサ
56 第2後段コンデンサ
58 サージアブソーバ
90 電源モジュール
EC 接地線
FB チップフェライトビーズ
PT1 第1電源端子
PT2 第2電源端子
Claims (7)
- 接地線(EC)と、
電圧が印加される第1電源端子(PT1)と第2電源端子(PT2)に接続された第1入力端子(51a)と第2入力端子(51b)、及び第1出力端子(51x)と第2出力端子(51y)を有するコモンモードチョークコイル(51)と、
前記コモンモードチョークコイルの前記第1入力端子と前記接地線との間に接続された第1前段コンデンサ(52)と、
前記コモンモードチョークコイルの前記第2入力端子と前記接地線との間に接続された第2前段コンデンサ(53)と、
前記コモンモードチョークコイルの前記第1出力端子と前記接地線との間に接続された第1後段コンデンサ(55)と、
前記コモンモードチョークコイルの前記第2出力端子と前記接地線との間に接続された第2後段コンデンサ(56)と、
前記第1入力端子と前記接地線の間及び前記第2入力端子と前記接地線の間に配置され、または前記第1出力端子と前記接地線の間及び前記第2出力端子と前記接地線の間に配置されている抵抗器(54)と
を備え、
前記抵抗器は、前記第1前段コンデンサまたは前記第2前段コンデンサを通って、前記第1入力端子及び前記第2入力端子と前記第1出力端子及び前記第2出力端子との間に流れる電流が、前記抵抗器を介して流れるように設けられている、ノイズフィルタ(50)。 - 前記抵抗器は、前記第1入力端子と前記接地線の間及び前記第2入力端子と前記接地線の間に配置されている、
請求項1に記載のノイズフィルタ(50)。 - 前記抵抗器は、厚膜チップ抵抗器、金属板チップ抵抗器またはセラミック抵抗器である、
請求項1または請求項2に記載のノイズフィルタ(50)。 - 前記第1前段コンデンサと並列に接続されているサージアブソーバ(58)を備え、
前記第1電源端子から前記サージアブソーバを経由して前記接地線に至る経路が、前記第1電源端子から前記第1前段コンデンサを経由して前記接地線に至る経路よりも短い、
請求項1または請求項2に記載のノイズフィルタ(50)。 - 前記サージアブソーバと接地の間の前記接地線の抵抗が、前記第1前段コンデンサと接地の間の前記接地線の抵抗よりも小さい、
請求項4に記載のノイズフィルタ(50)。 - 前記抵抗器に直列に接続されるチップフェライトビーズ(FB)を備える、
請求項1または請求項2に記載のノイズフィルタ(50)。 - 請求項1または請求項2のノイズフィルタ(50)と、
前記ノイズフィルタの前記第1出力端子及び前記第2出力端子に接続されている電源モジュール(90)と、
前記電源モジュールから電力の供給を受けて動作するアクチュエータ(21m、28m)と、
を備える、冷凍サイクル装置(10)。
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