JP2024017392A - クラッチペダル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可動部の回転位置に応じた荷重を設定できるクラッチペダル装置を提供する。【解決手段】スプリングブラケット(固定部)44と、回転軸線S1を中心に回転するペダル(可動部)50と、ターンオーバースプリング60と、を備えるクラッチペダル装置40であって、(a)ペダル50は、回転軸線S1を中心とする回転方向における一方側及び他方側にそれぞれ設けられた溝部52a及び溝部52bを有し、(b)スプリングブラケット44は、前記回転方向における一方側及び他方側にそれぞれ設けられた溝部44a及び溝部44bを有し、(c)踏込開始位置では、アシストスプリング70の一端部70aが溝部52aに係止され且つアシストスプリング70の他端部70bが溝部44bに係止され、踏込終了位置では、アシストスプリング70の一端部70aが溝部44aに係止され且つアシストスプリング70の他端部70bが溝部44bに係止される。【選択図】図2

Description

本発明は、固定部と、運転者の操作により回転軸線を中心に回転する可動部と、その可動部の回転位置に応じて可動部に対する付勢方向が反転するターンオーバースプリングと、を備えるクラッチペダル装置に関する。
固定部であるブラケットと、運転者の操作により回転軸線を中心に回転する可動部であるペダルと、そのペダルの回転位置に応じて可動部に対する付勢方向が反転するターンオーバースプリングと、を備えるクラッチペダル装置が知られている。例えば、特許文献1に記載されたクラッチペダル装置がそれである。特許文献1に記載されたクラッチペダル装置では、ペダルを操作する荷重を低減する目的でターンオーバースプリングが設けられている。
特開2010-90949号公報
ところで、例えば車両に搭載されたエンジンが高出力、高トルク化されると、エンジンから出力された駆動力を駆動輪に伝達するクラッチの伝達トルク容量も高く設定され、クラッチペダル装置におけるペダルの操作力の増加につながってしまう。特許文献1に記載されたクラッチペダル装置では、ペダルを操作する荷重を低減してペダル操作性を向上するには、ターンオーバースプリングのばね定数を大きくして復元力を大きくすることが考えられる。しかし、ターンオーバースプリングの復元力が大きいと、ペダルの踏み込みが開始される場合においてその踏み込み操作を妨げる方向の荷重が大きくなりすぎたり、ペダルが踏み込まれた場合においてペダルが戻りにくくなったりするおそれがある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、可動部の回転位置に応じた荷重を設定できるクラッチペダル装置を提供することにある。
本発明の要旨とするところは、固定部と、運転者の操作により回転軸線を中心に回転する可動部と、前記可動部の回転位置に応じて前記可動部に対する付勢方向が反転するターンオーバースプリングと、を備えるクラッチペダル装置であって、(a)前記可動部は、前記回転軸線を中心とする回転方向における一方側に設けられた第1係止部と、前記回転方向における他方側に設けられた第2係止部と、を有し、(b)前記固定部は、前記回転方向における一方側に設けられた第3係止部と、前記回転方向における他方側に設けられた第4係止部と、を有し、(c)前記固定部及び前記可動部のいずれかに両端部が係止されるアシストスプリングにおいて、前記可動部の踏込開始位置では前記アシストスプリングにおける一端部が前記第1係止部に係止され且つ前記アシストスプリングにおける他端部が前記第4係止部に係止された状態となること、及び、前記可動部の踏込終了位置では前記アシストスプリングにおける一端部が前記第3係止部に係止され且つ前記アシストスプリングにおける他端部が前記第2係止部に係止された状態となること、の少なくとも一方が成立することにある。
本発明のクラッチペダル装置によれば、可動部の踏込開始位置ではアシストスプリングにおける一端部が第1係止部に係止され且つアシストスプリングにおける他端部が第4係止部に係止された状態となること、及び、可動部の踏込終了位置ではアシストスプリングにおける一端部が第3係止部に係止され且つアシストスプリングにおける他端部が第2係止部に係止された状態となること、の少なくとも一方が成立する。このようなアシストスプリングがクラッチペダル装置に設けられた場合には、設けられていない場合に比較して、可動部の踏込開始位置において可動部の踏み込み操作の荷重が低くなるように設定されたり、可動部の踏込終了位置において可動部が戻りやすくなるように設定されたりすることが可能となる。このように、クラッチペダル装置は、可動部の回転位置に応じた荷重を設定することができる。
本発明の実施例に係るクラッチペダル装置が搭載された車両の概略構成図である。 図1に示すクラッチペダル装置の概略構成図であって、(a)はペダルが踏込開始位置にある状態を表し、(b)はペダルが踏込終了位置にある状態を表している。 図2に示すクラッチペダル装置における、アシストスプリングの係止状態を説明する図であって、(a)はペダルが踏込開始位置にある状態を表し、(b)はペダルが踏込途中位置にある状態を表し、(c)はペダルが踏込終了位置にある状態を表している。 図2に示すクラッチペダル装置における、ターンオーバースプリング及びアシストスプリングの両方によりペダルに加わる合成荷重と、ペダルストロークと、の関係の一例を説明する図である。 図2に示すクラッチペダル装置における、ターンオーバースプリング及びアシストスプリングの両方によりペダルに加わる付勢力及びペダル操作力と、ペダルストロークと、の関係の一例を説明する図である。
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比及び形状等は必ずしも正確に描かれていない。本明細書において「係止」とは、繋ぎとめられることである。
図1は、本発明の実施例に係るクラッチペダル装置40が搭載された車両10の概略構成図である。
車両10は、動力源であるエンジン12と不図示の駆動輪との間の動力伝達経路を断接するクラッチ14を備える。本実施例では、クラッチ14は、動力伝達経路のうちエンジン12と変速機16との間の動力伝達を断接する。エンジン12及び変速機16は、それぞれ周知のエンジン及び変速機である。
クラッチ14は、周知のクラッチであって、例えば乾式単板の摩擦クラッチである。クラッチ14は、フライホイール22、クラッチカバー28、クラッチディスク26、プレッシャプレート30、ダイヤフラムスプリング32、及びレリーズスリーブ88を備える。フライホイール22は、エンジン12のクランク軸20に連結された円板状である。クラッチカバー28は、フライホイール22に固設されている。クラッチディスク26は、クランク軸20及び変速機16の入力軸24の共通した回転軸線C方向に移動可能に入力軸24にスプライン嵌合された状態でクラッチカバー28内に収容され、外周部においてフライホイール22側及びそのフライホイール22とは反対側にそれぞれ一対の円環板状の摩擦板が固定されている。プレッシャプレート30は、回転軸線C方向においてフライホイール22とは反対側のクラッチディスク26の摩擦板に対して、回転軸線C方向に接近及び離間可能な状態でクラッチカバー28内に収容された円環板状体である。ダイヤフラムスプリング32は、皿バネ状であって、その外周部がプレッシャプレート30をクラッチディスク26に押し付ける状態でクラッチカバー28内に収容されている。
マスターシリンダ80は、クラッチペダル装置40において、そのクラッチペダル装置40に対するペダル操作力FP[N]を油圧に変える装置である。ペダル操作力FPとは、後述するペダル50の踏み込み操作に要する踏力のことである。マスターシリンダ80は、詳細を図示しないが、ペダルブラケット42(図2参照)に支持された有底筒状のシリンダ内にピストン(ロッド部のみ図示)を収納し、クラッチペダル装置40に対するペダル操作力FPに応じてそのピストンに変位が生じるように構成されている。
例えば、クラッチペダル装置40のペダル50(図2参照)が踏み込み操作されることによりマスターシリンダ80におけるシリンダとピストンとで区画された油室内で作動油が加圧された場合には、クラッチチューブ82を介してレリーズシリンダ84におけるシリンダとピストンとで区画された油室内に加圧された作動油が供給される。
レリーズシリンダ84内の油室内に加圧された作動油が供給される場合には、レリーズフォーク86が図1中で反時計回りに回転してレリーズスリーブ88がダイヤフラムスプリング32の中央部をフライホイール22側に押圧するようになっている。これにより、ダイヤフラムスプリング32の内周端がフライホイール22側に近づくように変位させられてクラッチディスク26がフライホイール22側に押当てられて、クラッチ14が係合状態となる。
例えば、クラッチペダル装置40のペダル50が踏み戻し操作されることによりマスターシリンダ80の油室内で作動油が加圧されない場合には、クラッチチューブ82を介してレリーズシリンダ84内の油室内に加圧された作動油が供給されない。レリーズシリンダ84内の油室内に加圧された作動油が供給されない場合には、ダイヤフラムスプリング32の外周部は、フライホイール22から離隔する側に変位し、これによってプレッシャプレート30によるクラッチディスク26のフライホイール22側への押当て状態が解除されて、クラッチ14が解放状態となる。
ダイヤフラムスプリング32の初期形状(=クラッチペダル装置40のペダル50が踏み込み操作されていない状態での形状)への弾性回復によって、レリーズフォーク86が図1中で時計方向に回転することで、レリーズシリンダ84のピストンが所定の復帰位置まで押し戻されるようになっている。レリーズシリンダ84のピストンを所定の復帰位置に押し戻させるダイヤフラムスプリング32からの力は、クラッチ14側からの反力に応じた液圧としてマスターシリンダ80内の油室側にも負荷され、ペダル50の操作に対する反力の一部となる。
図2は、図1に示すクラッチペダル装置40の概略構成図であって、(a)はペダル50が踏込開始位置にある状態を表し、(b)はペダル50が踏込終了位置にある状態を表している。踏込開始位置とは、運転者による踏み込み操作が開始されるペダル50の回転位置である。踏込終了位置とは、運転者による踏み込み操作が終了となるペダル50の回転位置である。図2は、ペダル50の回転軸線S1方向から見た図である。なお、回転軸線S1は、本発明における「回転軸線」に相当する。
クラッチペダル装置40は、クラッチ14の断接状態を操作するためのペダル装置である。クラッチペダル装置40は、ペダルブラケット42、ペダル50、ターンオーバースプリング60、スプリングブラケット44、アシストスプリング70、及びマスターシリンダ80を備える。
ペダルブラケット42は、非回転部材である車体から突出していて、ペダル50を支持する部品である。ペダルブラケット42は、例えば互いに対向する一対の板状体であって、それぞれの板状体は、回転軸線S1の位置に支持穴を有する。図2では、ペダルブラケット42の一方のみが図示されている。ペダルブラケット42は、後述するようにターンオーバースプリング60の一端部62が取り付けられる取付部42aを有する。
ペダル50は、長手方向に延びるアーム部52と、そのアーム部52の長手方向の中間部に設けられ且つペダルブラケット42の支持穴により両端部が支持された軸部54と、を備える。アーム部52は、軸部54の軸線である回転軸線S1を中心に車両10の前後方向(図2では左右方向)に回転可能に支持されたレバーとなっている。アーム部52の下端部(図2では下方の端部)には、運転者によって踏み込み操作される踏部56が設けられている。アーム部52の長手方向における軸部54と踏部56との間に位置する連結部52rにおいて、アーム部52はマスターシリンダ80のピストンに連結されている。アーム部52の上端部(図2では上方の端部)には、回転軸線S1方向視の断面がU字状の溝である取付部52cが設けられている。アーム部52は、回転軸線S1を中心とする回転方向(以下、単に「回転方向」と記す。)における一方側に設けられた溝部52aと、回転方向における他方側に設けられた溝部52bと、を有する。溝部52a及び溝部52bは、回転方向におけるペダル50のそれぞれの端縁に回転軸線S1方向視の断面が波形形状であって1つの谷を含む部分である。なお、ペダル50は、本発明における「可動部」に相当する。溝部52a及び溝部52bは、本発明における「第1係止部」及び「第2係止部」にそれぞれ相当する。
ターンオーバースプリング60は、ペダル50が踏込開始位置からある操作位置(以下、「ターンオーバー位置Po」と記す。)に達するまではペダル50を踏込開始位置に復帰させる方向(図2(a)に示す方向R1)すなわち踏戻方向に付勢し、ペダル50がターンオーバー位置Poを越えるとペダル50の踏み込みを助勢する方向(図2(b)に示す方向R2)すなわち踏込方向に付勢する。このように、ターンオーバースプリング60は、ペダル50の操作位置に応じて付勢方向が反転するばねであって、例えばねじりコイルばねで構成されている。ターンオーバースプリング60の一端部62及び他端部64は、そのコイルの中心線S2からそれぞれ外方に延びている。ターンオーバースプリング60の一端部62及び他端部64は、ペダルブラケット42の取付部42a及びペダル50の取付部52cにそれぞれ係合している。ターンオーバースプリング60は、一端部62及び他端部64が相互に接近させられた状態で組み付けられており、その組付け状態において一端部62及び他端部64が互いに離隔する方向にアーム部52を常時付勢している。
ターンオーバースプリング60は、踏部56を回転方向に付勢する付勢力α[N]を発生させる。踏込開始位置(図2(a)参照)では、ターンオーバースプリング60は、踏部56を踏戻方向に付勢する(図2に示す「α1」参照)。踏込終了位置(図2(b)参照)では、ターンオーバースプリング60は、踏部56を踏込方向に付勢する(図2に示す「α2」参照)。
スプリングブラケット44は、車体から突出していて、アシストスプリング70の両端部の少なくとも一方を係止する部品である。スプリングブラケット44は、例えばペダルブラケット42と並行に配置された板状体である。スプリングブラケット44は、回転方向における一方側に設けられ且つ回転軸線S1方向視の断面がU字状である溝部44aと、回転方向における他方側に設けられ且つ回転軸線S1方向視の断面がU字状である溝部44bと、を有する。なお、スプリングブラケット44は、本発明における「固定部」に相当する。溝部44a及び溝部44bは、本発明における「第3係止部」及び「第4係止部」にそれぞれ相当する。
アシストスプリング70は、その両端部がスプリングブラケット44及びペダル50のいずれかに係止される。アシストスプリング70は、踏込開始位置及び踏込終了位置の少なくとも一方においてその両端部が引張荷重を受ける、例えば引張コイルばねである。回転方向において、アシストスプリング70は、一方側の端部が一端部70aであり、他方側の端部が他端部70bである。アシストスプリング70による付勢力β[N]の絶対値は、ターンオーバースプリング60による付勢力αの絶対値よりも小さくなるように、ターンオーバースプリング60及びアシストスプリング70のばね定数が設定されている。なお、端部70a及び端部70bは、本発明における「一端部」及び「他端部」にそれぞれ相当する。
図3は、図2に示すクラッチペダル装置40における、アシストスプリング70の係止状態を説明する模式的な図であって、(a)はペダル50が踏込開始位置にある状態を表し、(b)はペダル50が踏込途中位置(以下、単に「踏込途中位置」と記す。)にある状態を表し、(c)はペダル50が踏込終了位置にある状態を表している。なお、図3の上段は、それぞれアシストスプリング70のコイルの中心線S3に垂直な方向であって図2における上方から下方を見た模式図である。図3の下段は、それぞれ中心線S3に垂直な方向であって図2と同じ方向から見た模式図である。図3(b)に示す踏込途中位置は、アーム部52の溝部52a及び溝部52bがいずれもスプリングブラケット44の溝部44aと溝部44bとの間の領域に位置する場合である。
ここで、アシストスプリング70の自由長を長さL0[mm]とし、本実施例では溝部44aと溝部44bとの間の幅(最短距離)W2[mm]と同じとする。また、アシストスプリング70の変形量を、たわみδ[mm]ということとする。図3に示すように、本実施例では、溝部52aと溝部52bとの間の幅(最短距離)幅W1[mm]は、幅W2よりも短い。
アシストスプリング70は、引っ張られてたわみδが正の値となると、たわみδに応じて踏部56を回転方向に付勢する付勢力βを発生させる。
踏込開始位置では、アシストスプリング70の一端部70aが溝部52aに係止され且つアシストスプリング70の他端部70bが溝部44bに係止される。踏込開始位置では、たわみδがたわみ量δ1(>0)となっており、アシストスプリング70の長さL[mm]は、長さL1(=L0+δ1>L0)となっている。これにより、ペダル50には、図3中の左方向に向かう引張力が溝部52aに加えられる。この場合、踏部56には、この引張力により踏込方向に付勢する付勢力β(図2に示す「β1」参照)が加えられる。付勢力βの絶対値β1は付勢力αの絶対値α1よりも小さいため、踏込開始位置では、アシストスプリング70による付勢力βは、ターンオーバースプリング60による付勢力αを減殺する(図4参照)。
踏込途中位置では、アシストスプリング70の一端部70aが溝部44aに係止され且つアシストスプリング70の他端部70bが溝部44bに係止される。踏込途中位置では、たわみδが零値となっており、アシストスプリング70の長さLは、長さL0(=自由長)となっている。これにより、ペダル50には、図3中の左右いずれの方向にも引張力が加えられないので、踏部56には、アシストスプリング70による付勢力βは加えられない。
踏込終了位置では、アシストスプリング70の一端部70aが溝部44aに係止され且つアシストスプリング70の他端部70bが溝部52bに係止される。踏込終了位置では、たわみδがたわみ量δ2(>0)となっており、アシストスプリング70の長さLは、長さL2(=L0+δ2>L0)となっている。これにより、ペダル50には、図3中の右方向に向かう引張力が溝部52bに加えられる。この場合、踏部56には、この引張力により踏戻方向に付勢する付勢力β(図2に示す「β2」参照)が加えられる。付勢力βの絶対値β2は付勢力αの絶対値α2よりも小さいため、踏込終了位置では、アシストスプリング70による付勢力βは、ターンオーバースプリング60による付勢力αを減殺する(図4参照)。
図4は、図2に示すクラッチペダル装置40における、ターンオーバースプリング60及びアシストスプリング70の両方によりペダル50に加わる合成荷重と、ペダルストロークPS[mm]と、の関係すなわち荷重特性の一例を説明する図である。ペダルストロークPSは、ペダル50の踏込操作量である。ターンオーバースプリング60及びアシストスプリング70の両方によりペダル50に加わる合成荷重は、ターンオーバースプリング60及びアシストスプリング70の両方によりペダル50に加えられる付勢力γ[N]と同意である。
ここで、踏込開始位置では、ペダルストロークPSは零値であるとする。踏込開始位置からペダル50の踏部56が踏み込み操作されるに従い、ペダルストロークPSは増加する。また、ペダル50を踏戻方向側に回転させる付勢力を正とし、その反対方向である踏込方向に回転させる付勢力を負とする。
前述したターンオーバー位置Poは、ターンオーバースプリング60のペダル50に対する付勢方向が反転するときのペダル50の回転位置である。具体的には、回転軸線S1方向視において、回転軸線S1が、ターンオーバースプリング60の一端部62と他端部64とを結ぶ直線上となったときのペダル50の回転位置である。回転位置Paは、アシストスプリング70の一端部70aの係止がアーム部52の溝部52a及びスプリングブラケット44の溝部44aのいずれか一方から他方に切り替わるときのペダル50の回転位置である。回転位置Pbは、アシストスプリング70の他端部70bの係止がアーム部52の溝部52b及びスプリングブラケット44の溝部44bのいずれか一方から他方に切り替わるときのペダル50の回転位置である。ここで、ターンオーバー位置Po、回転位置Pa、及び回転位置Pbとなる時点でのペダル50のペダルストロークPSの値を、それぞれストローク値PSo、ストローク値PSa、及びストローク値PSbとする。
ターンオーバースプリング60の荷重特性(図4に示す太い破線)は、ペダルストロークPSが零値(すなわち踏込開始位置)からストローク値PSoまでの範囲内では、正の付勢力となっており、ペダルストロークPSがストローク値PSoを超えると、負の付勢力となっている。
アシストスプリング70の荷重特性(図4に示す太い二点鎖線)は、ペダルストロークPSが零値からストローク値PSaまでの範囲内では、負の付勢力となっており、ペダルストロークPSがストローク値PSbを超えると、正の付勢力となっている。ペダルストロークPSがストローク値PSaからストローク値PSbまでの範囲内では、付勢力は零値となっている。
ターンオーバースプリング60及びアシストスプリング70の合成荷重特性は、図4に示す太い実線のようになる。ペダルストロークPSが零値からストローク値PSaまでの踏込開始位置側では、前記合成荷重(正の付勢力)は、ターンオーバースプリング60のみの荷重に比較して零値に近づけられる。ペダルストロークPSがストローク値PSbから踏込終了位置までの踏込終了位置側では、前記合成荷重(負の付勢力)は、ターンオーバースプリング60のみの荷重に比較して零値に近づけられる。
図5は、図2に示すクラッチペダル装置40における、ターンオーバースプリング60及びアシストスプリング70の両方によりペダル50に加わる付勢力γ及びペダル操作力FPと、ペダルストロークPSと、の関係の一例を説明する図である。
図5の上段は、クラッチ14側からの反力のみがペダル50に加えられた場合における、ペダル操作力FP0[N]とペダルストロークPSとの関係を示す図である。
図5の中段には、図4を用いて説明した、ターンオーバースプリング60及びアシストスプリング70の合成荷重(=付勢力γ)が実線で示されている。また、比較例に係る、ターンオーバースプリング60のみの荷重(=付勢力α)が二点鎖線で示されている。
図5の下段には、本実施例に係る、ターンオーバースプリング60及びアシストスプリング70の付勢力γがペダル50に加えられた場合におけるペダル操作力FP2と、ペダルストロークPSと、の関係が実線で示されている。また、比較例に係る、ターンオーバースプリング60のみの付勢力αがペダル50に加えられた場合におけるペダル操作力FP1と、ペダルストロークPSと、の関係が二点鎖線で示されている。なお、ペダル操作力FP1は、ペダル操作力FP0+付勢力αであり、ペダル操作力FP2は、ペダル操作力FP0+付勢力γである。
ペダル操作力FP2は、ペダル操作力FP1に比較して、踏込開始位置側で減少させられているとともに、踏込終了位置側で増加させられている。すなわち、踏込開始位置においてペダル50の踏み込み操作のペダル操作力FPが軽減され、踏込終了位置においてペダル50の踏み込みを助勢する付勢力γが軽減されている。つまり、ペダル操作力FP2は、ペダル操作力FP1に比較して、踏込開始位置側でペダル50の踏み込み操作が開始される場合にその踏み込み操作を妨げる方向の荷重が大きくなりすぎるのが抑制され、踏込終了位置側でペダル50の踏み戻し操作が行われた場合にペダル50が戻りにくくなることが抑制されている。
本実施例によれば、(a)踏込開始位置では、アシストスプリング70の一端部70aがアーム部52の溝部52aに係止され且つアシストスプリング70の他端部70bがスプリングブラケット44の溝部44bに係止された状態が成立して、アシストスプリング70はペダル50を踏込方向に付勢し、(b)踏込終了位置では、アシストスプリング70の一端部70aがスプリングブラケット44の溝部44aに係止され且つアシストスプリング70の他端部70bがアーム部52の溝部52bに係止された状態が成立して、アシストスプリング70はペダル50を踏戻方向に付勢する。このようなアシストスプリング70がクラッチペダル装置40に設けられた場合には、設けられていない場合に比較して、踏込開始位置においてペダル50の踏み込み操作の荷重が低くなるように設定され、踏込終了位置においてペダル50が戻りやすくなるように設定される。このように、クラッチペダル装置40は、ペダル50の回転位置に応じた荷重を設定することができる。
本実施例によれば、アーム部52の溝部52a及び溝部52bは、いずれも回転軸線S1方向視において、回転方向におけるペダル50の端縁にそれぞれ設けられた波形形状の1つの谷を含む部分である。これにより、アシストスプリング70による荷重がペダル50に加わり始める場合及び加わり終わる場合(すなわち、ペダルストロークPSがストローク値PSaの近傍値であってストローク値PSaよりも小さい場合、及び、ペダルストロークPSがストローク値PSbの近傍値であってストローク値PSbよりも大きい場合)、その荷重が徐々に加わり始めたり加わり終わったりするように設定することができる。例えば、回転位置Pbにおいて、アシストスプリング70の他端部70bの係止がスプリングブラケット44の溝部44bからアーム部52の溝部52bに切り替わる場合、他端部70bが溝部52bにおける頂点と谷との間の傾斜面に最初に接触し、次第に谷底に接触位置が変化するような構成にできる。このような構成では、溝部52bの波形形状特に最初に接触する位置から谷底までの傾斜面の傾斜角度を適宜調整することで、荷重の加わり方を変更することが可能である。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
前述の実施例では、ターンオーバースプリング60は、ねじりコイルばねであったが、例えば圧縮コイルばね、引張コイルばね、板ばねなどであっても良い。また、前述の実施例では、アシストスプリング70は、引張コイルばねであったが、例えば板ばねなどであっても良い。
前述の実施例では、アシストスプリング70による付勢力βは、踏込開始位置及び踏込終了位置の両方においてターンオーバースプリング60による付勢力αを減殺する態様であったが、例えば踏込開始位置及び踏込終了位置のいずれか一方のみにおいてターンオーバースプリング60による付勢力αを減殺する態様であっても良い。例えば、前述の実施例において、ペダル50が踏込開始位置から踏込途中位置までしか回転しない構成やペダル50が踏込途中位置から踏込終了位置までしか回転しない構成である場合に、このような態様が実現される。
前述の実施例では、アーム部52の溝部52a及び溝部52bは、いずれも回転軸線S1方向視において、回転方向におけるペダル50の端縁に設けられた波形形状のうちの1つの谷を含む部分である態様であったが、少なくとも一方が波形形状のうちの1つの谷を含む部分である態様であっても良い。また、溝部52a及び溝部52bは、回転軸線S1方向視において、波形形状のうちの1つの谷を含む部分でなくても良い。例えば、溝部52a及び溝部52bは、回転軸線S1方向視において、回転方向におけるペダル50の端縁に設けられ且つ回転軸線S1方向視の断面がU字状、V字状、或いは四角形である溝部であっても良い。また、「第1係止部」及び「第2係止部」は、必ずしも回転軸線S1方向に延びて貫通した溝部である必要はなく、アシストスプリング70の端部70a及び端部70bを係止できるのであれば、例えば回転軸線S1方向に貫通していない凹部であっても良い。
前述の実施例では、スプリングブラケット44における溝部44a及び溝部44bの幅W2がアシストスプリング70の自由長である長さL0と同じである態様であったが、これに限らない。例えば、前述の実施例において、長さL0が幅W2よりも短い態様であっても良い。前述の実施例では、アーム部52における溝部52a及び溝部52bの幅W1が幅W2よりも短い態様であったが、これに限らない。例えば、幅W1が幅W2よりも長く、且つ、長さL0が幅W1から幅W2までの間の長さとなる態様であっても良い。
なお、上述したのはあくまでも本発明の実施例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
40:クラッチペダル装置、50:ペダル(可動部)、52a:溝部(第1係止部)、52b:溝部(第2係止部)、44:スプリングブラケット(固定部)、44a:溝部(第3係止部)、44b:溝部(第4係止部)、60:ターンオーバースプリング、70:アシストスプリング、70a:端部(一端部)、70b:端部(他端部)、S1:回転軸線(回転軸線)

Claims (3)

  1. 固定部と、運転者の操作により回転軸線を中心に回転する可動部と、前記可動部の回転位置に応じて前記可動部に対する付勢方向が反転するターンオーバースプリングと、を備えるクラッチペダル装置であって、
    前記可動部は、前記回転軸線を中心とする回転方向における一方側に設けられた第1係止部と、前記回転方向における他方側に設けられた第2係止部と、を有し、
    前記固定部は、前記回転方向における一方側に設けられた第3係止部と、前記回転方向における他方側に設けられた第4係止部と、を有し、
    前記固定部及び前記可動部のいずれかに両端部が係止されるアシストスプリングにおいて、前記可動部の踏込開始位置では前記アシストスプリングにおける一端部が前記第1係止部に係止され且つ前記アシストスプリングにおける他端部が前記第4係止部に係止された状態となること、及び、前記可動部の踏込終了位置では前記アシストスプリングにおける一端部が前記第3係止部に係止され且つ前記アシストスプリングにおける他端部が前記第2係止部に係止された状態となること、の少なくとも一方が成立する
    ことを特徴とするクラッチペダル装置。
  2. 前記踏込開始位置及び前記踏込終了位置の少なくとも一方では、前記アシストスプリングによる付勢力は、前記ターンオーバースプリングによる付勢力を減殺する
    ことを特徴とする請求項1に記載のクラッチペダル装置。
  3. 前記第1係止部及び前記第2係止部の少なくとも一方は、前記回転軸線方向視において、前記回転方向における前記可動部の端縁に設けられた波形形状の凹部である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のクラッチペダル装置。
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