JP2024016659A - 大便器用成形体、大便器および大便器の製造方法 - Google Patents

大便器用成形体、大便器および大便器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】設置状態においてがたつきや傾きが生じにくい大便器の製造が可能となり、大便器のがたつきや傾きを抑えることができる大便器用成形体、大便器および大便器の製造方法を提供すること。【解決手段】実施形態に係る大便器用成形体は、汚物を受けるボウル部と、ボウル部の外側に設けられるスカート部とを有する陶器製の大便器を形成するための大便器用成形体であって、スカート部は、大便器の外装を形成する外壁と、外壁の内側に設けられる内壁と、外壁および内壁の間に形成される中空部とを有し、外壁および内壁は、いずれか一方が他方よりも大便器用成形体が載置面に載置される場合に荷重を受ける方向に長く、長い方が載置面に接する。【選択図】図6

Description

開示の実施形態は、大便器用成形体、大便器および大便器の製造方法に関する。
陶器製の大便器は、原料(泥漿)を調製する泥漿調製工程、型に泥漿を注入する注入工程、泥漿の水分を取り除いて着肉させる着肉工程、着肉していない泥漿を排出する排泥工程、型から成形体を取り出す離型工程、各部位を接着し、所望の形状を形成する接合工程、成形体を乾燥させる乾燥工程、成形体に釉薬を塗布する施釉工程、成形体を焼成する焼成工程を経て製造される。
大便器の製造工程のうち、たとえば、焼成工程において発生する反りの発生を抑制するために、大便器の下部を形成する台座部の一部または全部に中空部を有し、台座部を、外壁、内壁、外壁および内壁の間の中空部を有する二重構造とする技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2000-104320号公報
しかしながら、上記したような従来技術では、乾燥工程および焼成工程において自重を受けやすいスカート部の変形を抑制することが困難であり、意匠性の低下が目立った。また、二重構造によって外壁および内壁の変形の度合いが異なるため、形成された大便器を設置した場合にがたつきや傾きが生じることがあった。
実施形態の一態様は、設置状態においてがたつきや傾きが生じにくい大便器の製造が可能となり、大便器のがたつきや傾きを抑えることができる大便器用成形体、大便器および大便器の製造方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る大便器用成形体は、汚物を受けるボウル部と、前記ボウル部の外側に設けられるスカート部とを有する陶器製の大便器を形成するための大便器用成形体であって、前記スカート部は、前記大便器の外装を形成する外壁と、前記外壁の内側に設けられる内壁と、前記外壁および前記内壁の間に形成される中空部とを有し、前記外壁および前記内壁は、いずれか一方が他方よりも前記大便器用成形体が載置面に載置される場合に荷重を受ける方向に長く、長い方が前記載置面に接する。
このような構成によれば、大便器の製造工程のうち乾燥工程および焼成工程でスカート部が変形したとしても、たとえば、自重により垂れ下がった変形をしたとしても、焼成工程後の大便器においては外壁および内壁の長さが同一となるため、すなわち、外壁および内壁の接地端面が面一となるため、設置状態においてがたつきや傾きが生じにくい大便器の製造が可能となる。これにより、形成された大便器を設置した場合のがたつきや傾きを抑えることができる。また、スカート部の変形による意匠性の低下を抑えることができる。
また、上記した大便器用成形体において、前記外壁は、前記大便器の左右いずれか一方の側部から前部を経て他方の側部へかけて全部に設けられ、前記内壁は、前記大便器の左右いずれか一方の側部から前部を経て他方の側部へかけて一部に設けられる。
このような構成によれば、乾燥工程および焼成工程において内壁が受ける荷重を小さくすることができるため、内壁の収縮(変形)を抑制することができる。
また、上記した大便器用成形体において、前記外壁は、前記大便器の左右いずれか一方の側部から前部を経て他方の側部へかけて全部に設けられ、前記内壁は、前記大便器の左右いずれか一方の側部から前部を経て他方の側部へかけて全部に設けられる。
このような構成によれば、乾燥工程および焼成工程において内壁が受ける荷重を大きくすることができるため、内壁の収縮(変形)を抑制することができる。
実施形態の一態様に係る大便器は、上記した大便器用成形体を焼成することで形成される。
このような大便器によれば、乾燥工程および焼成工程後において外壁および内壁の長さが同一となるため、すなわち、外壁および内壁の接地端面が面一となるため、大便器を設置した場合のがたつきや傾きを抑えることができる。また、スカート部の変形による意匠性の低下を抑えることができる。
実施形態の一態様に係る大便器の製造方法は、上記した大便器用成形体を準備する工程と、前記大便器用成形体を焼成する工程とを含む。
このような製造方法によれば、乾燥工程および焼成工程後において外壁および内壁の長さが同一となるため、すなわち、外壁および内壁の接地端面が面一となるため、大便器を設置した場合のがたつきや傾きを抑えることができる。また、スカート部の変形による意匠性の低下を抑えることができる。
実施形態の一態様に係る大便器用成形体、大便器および大便器の製造方法によれば、設置状態においてがたつきや傾きが生じにくい大便器の製造が可能となり、大便器のがたつきや傾きを抑えることができる。
図1は、大便器の製造工程の手順を示すフローチャートである。 図2は、実施形態に係る大便器の一例を示す概略側面図である。 図3は、図2におけるII-II線断面図である。 図4は、外壁および内壁の一例を示す概略底面図である。 図5は、外壁および内壁の他の例を示す概略底面図である。 図6は、実施形態に係る大便器用成形体の外壁および内壁の説明図である。 図7は、実施形態に係る大便器の製造工程の説明図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する大便器用成形体、大便器および大便器の製造方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<大便器の製造工程(その1)>
まず、図1を参照して陶器製の大便器の製造工程(その1)について説明する。図1は、大便器の製造工程の手順を示すフローチャートである。
陶器製の大便器は、陶器素地の原料を含む泥漿を調製し、泥漿を用いて鋳込み成形することで大便器用成形体を形成し、大便器用成形体を乾燥させ、乾燥させた大便器用成形体に釉薬を塗布し、釉薬を塗布した大便器用成形体を焼成することによって製造される。
具体的には、図1に示すように、陶器製の大便器の製造工程では、まず、泥漿調製工程において、陶器素地の原料を含む泥漿を調製する(ステップS101)。この場合、泥漿は、水分を多量に含む粘性の低いものである。また、泥漿として、衛生陶器を製造するために使用可能な公知の泥漿を使用することが可能である。次いで、注入工程において、型に泥漿を注入する(ステップS102)。この場合、型には、たとえば、樹脂型または石膏型が用いられる。
次いで、着肉工程において、泥漿の水分を取り除いて、型の成形面に泥漿を着肉させる(ステップS103)。なお、石膏型の場合には、石膏型自体に水分を吸収する力があるため、石膏が含んだ水分を乾燥させる。一方、樹脂型の場合には、加圧して水分を押し出す必要があり、着肉の様子を見ながら着肉時間で調整する。なお、着肉厚さが異なるように作製したい場合は、部位(パーツ)ごとに作製する。
次いで、排泥工程において、着肉していない液状の泥漿を排出する(ステップS104)。次いで、離型工程において、型から大便器用成形体を取り出す、すなわち、型から大便器用成形体を離脱させる(ステップS105)。ここで、注入工程であるステップS102から排泥工程であるステップS104までを所望の形状の成形体を成形するための成形工程とする(ステップS110)。次いで、接合工程において、各部位(パーツ)の成形体を接着し、所望の形状を形成する(ステップS106)。この場合、たとえば、水洗大便器であれば、胴部とリム部とを接着して大便器の便器本体を形成する。
次いで、乾燥工程において、大便器用成形体を乾燥させる(ステップS107)。乾燥工程では、大便器用成形体は、乾燥することで、3%程度収縮する。次いで、施釉工程において、乾燥させた大便器用成形体に釉薬を塗布する(ステップS108)。
次いで、焼成工程において、釉薬を塗布した大便器用成形体を、1000~1300℃の温度で焼成する(ステップS109)。焼成工程では、大便器用成形体は、焼成することで、10%程度収縮する。また、乾燥工程および焼成工程においては、大便器用成形体は、自重によって、乾燥工程および焼成工程における静止状態で重力を受ける方向(上下方向)に大きく収縮する。
このように、乾燥工程および焼成工程において大便器用成形体に収縮や曲がりが発生し、乾燥工程および焼成工程後には大便器用成形体が変形して、形成された大便器1を設置した場合にがたつきや傾きが生じることがある。このため、以下で説明する実施形態は、設置状態においてがたつきや傾きが生じにくい大便器1の製造が可能となり、大便器1のがたつきや傾きを抑制可能な構成を有する。
<大便器の概略構成>
次に、図2~5を参照して実施形態に係る大便器1の概略構成について説明する。図2は、実施形態に係る大便器1の一例を示す概略側面図である。図3は、図2におけるII-II線断面図である。図4は、外壁131および内壁132の一例を示す概略底面図である。図5は、外壁131および内壁132の他の例を示す概略底面図である。なお、図4および5においては、大便器1の内部構造を省略している。
なお、各図には、鉛直上向き(上方)を正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を示している場合がある。以下では、説明の便宜上、X軸の正方向を左方、X軸の負方向を右方、Y軸の正方向を前方、Y軸の負方向を後方と規定し、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向という。
図2および3に示すように、大便器1は、上記したように、陶器製である。また、大便器1は、後述するボウル部11へ洗浄水を供給することで洗浄する水洗式であり、また、トイレ室などの床面(設置面)S1に設置される床置き式である。なお、大便器1が水洗式の場合、洗浄方式は、たとえば、サイホン式でもよいし、洗い落とし(ウォッシュダウン)式でもよいし、他の方式でもよい。
図2および3に示すように、大便器1は、ボウル部11と、リム部(図示せず)と、導水路(図示せず)と、トラップ部12と、スカート部13とを備える。
ボウル部11は、汚物を受ける部位であり、ボウル状に形成される。なお、ボウル部11の底部は、所定量の溜水を溜める溜水部(図示せず)となる。ボウル部11の底部には、後述するトラップ部12が接続される。
リム部は、ボウル部11の上縁部に設けられ、ボウル部11の上縁部において環状に形成される。導水路は、たとえば、大便器1の洗浄水の供給口(図示せず)から前方へと延びており、リム部のリム通水路(図示せず)に接続される。
トラップ部12は、ボウル部11が受けた汚物を排出可能なように、ボウル部11から後方へと延設された管路である。トラップ部12は、たとえば、上昇管121と、下降管122とを備える。上昇管121は、上流側の端部(前端部)がボウル部11の底部に接続される。上昇管121は、ボウル部11の底部と連通するとともに、後方へ向かうにつれて上昇するように傾斜した管路である。
下降管122は、上流側の端部(前端部)が上昇管121の下流側の端部(後端部)に接続される。下降管122は、上昇管121の後端部と連通するとともに、下方へ向かう管路である。また、下降管122は、たとえば、排水ソケット(図示せず)を介して、大便器1の外部の設備配管(図示せず)に接続される。
スカート部13は、ボウル部11の外側に設けられ、大便器1の外装(側周面)を形成する。すなわち、スカート部13は、大便器1の略全周にわたって形成される部位である。図3に示すように、スカート部13は、外壁131と、内壁132と、中空部133とを備える。
外壁131は、スカート部13のうち、大便器1の外装を形成する部位(壁)である。外壁131は、スカート部13が荷重を受ける方向、すなわち、上下方向へ立ち上がるように設けられる。内壁132は、外壁131の内側に設けられる。内壁132は、外壁131と同様、スカート部13が荷重を受ける方向、すなわち、上下方向へ立ち上がるように設けられる。
中空部133は、外壁131および内壁132の間に形成される空間である。このため、スカート部13は、中空形状であるとともに、外壁131、内壁132および中空部133による二重構造を有する。
スカート部13の一例として、図4に示すように、外壁131は、大便器1の左右いずれか一方の側部(たとえば、左側部)から、大便器1の前部を経て、大便器1のいずれか他方の側部(たとえば、右側部)へかけて全部に設けられる。このように、外壁131は、大便器1の左側部から(前部を経て)右側部までの略全周に延びている。なお、外壁131は、左右方向の中心線Lに対して線対称である。この「線対称」とは、厳密な線対称ではなく、たとえば、製造上の誤差やずれを許容可能な幅を有する。以下、「線対称」は、同様の意味である。
内壁132は、大便器1の左右いずれか一方の側部(たとえば、左側部)から、大便器1の前部を経て、大便器1のいずれか他方の側部(たとえば、右側部)へかけて一部に設けられる。内壁132は、たとえば、大便器1の左側部から前部の左方付近まで延びており、また、大便器1の前部の右方付近から右側部まで延びている。なお、内壁132は、左右方向の中心線Lに対して線対称である。
また、スカート部13の他の例として、図5に示すように、外壁131は、大便器1の左右いずれか一方の側部(たとえば、左側部)から、大便器1の前部を経て、大便器1のいずれか他方の側部(たとえば、右側部)へかけて全部に設けられる。このように、外壁131は、大便器1の左側部から(前部を経て)右側部までの略全周に延びている。なお、外壁131は、左右方向の中心線Lに対して線対称である。
内壁132は、外壁131と同様、大便器1の左右いずれか一方の側部(たとえば、左側部)から、大便器1の前部を経て、大便器1のいずれか他方の側部(たとえば、右側部)へかけて全部に設けられる。このように、内壁132は、大便器1の左側部から(前部を経て)右側部までの略全周に延びている。なお、内壁132は、左右方向の中心線Lに対して線対称である。
<大便器用成形体>
次に、図6を参照して実施形態に係る大便器用成形体10について説明する。図6は、実施形態に係る大便器用成形体10の外壁1310および内壁1320の説明図である。なお、図6には、大便器用成形体10の外壁1310および内壁1320の模式的な断面を示している。また、大便器用成形体10の外壁1310および内壁1320は、焼成工程を経て形成された大便器1の外壁131および内壁132と区別するために異なる符号を付している。
大便器用成形体10は、大便器1の製造工程において大便器1を形成するための成形体であり、焼成工程よりも前(焼成する前)の成形体である。すなわち、大便器用成形体10は、外壁1310、内壁1320および中空部1330を有するスカート部130を備える。なお、このスカート部130は、焼成工程を経て、スカート部13(外壁131、内壁132、中空部133)となる。
大便器用成形体10においても、大便器1と同様、外壁1310は、スカート部130のうち、大便器用成形体10(大便器1)の外装を形成する部位(壁)である。外壁1310は、スカート部130が乾燥工程および焼成工程において荷重を受ける方向、すなわち、上下方向へ立ち上がるように設けられる。
内壁1320は、外壁1310の内側に設けられる。内壁1320は、外壁1310と同様、スカート部130が乾燥工程および焼成工程において荷重を受ける方向、すなわち、上下方向へ立ち上がるように設けられる。
中空部1330は、外壁1310および内壁1320の間に形成される空間である。このため、スカート部130は、中空形状であるとともに、外壁1310、内壁1320および中空部1330による二重構造を有する。
図6に示すように、外壁1310および内壁1320は、いずれか一方がいずれか他方よりも、大便器用成形体10が載置面S2(図7参照)に載置される場合に荷重を受ける方向に所定差D分だけ長い。なお、この場合の載置面S2とは、乾燥工程および焼成工程において大便器用成形体10が載置される面である。また、図6に示す例では、外壁1310が内壁1320よりも長いが、外壁1310、内壁1320のいずれを長くするかは、大便器1やスカート部13の重量や形成によって決定する事項であるため、内壁1320が長い場合もある。
また、図4および5に示すように、内壁1320を設ける位置は、大便器1やスカート部13の重量や形状、または他部材を設ける必要性などによって決定する事項である。
また、大便器用成形体10は、載置面S2に載置される場合には、大便器1が床面などの設置面S1(図2および3参照)に設置される姿勢と略合致する。このため大便器用成形体10は、載置面S2に載置される場合には、長い方となる外壁1310および内壁1320のいずれかが載置面S2に接する。
<大便器の製造工程(その2)>
次に、図7を参照して実施形態に係る大便器1の製造工程(その2)について説明する。図7は、実施形態に係る大便器1の製造工程の説明図である。
大便器1の製造工程では、焼成工程よりも前の工程において大便器用成形体10を準備する工程を含む。大便器1の製造工程では、接合工程(ステップS106)(図1参照)において大便器用成形体10を形成する。
図7に示すように、大便器用成形体10は、乾燥工程および焼成工程において、載置面S2に載置される。この場合、乾燥工程および焼成工程前は、図中のA部のように、載置面S2には、外壁1310の下端面(接地端面)のみが接している。そして、乾燥工程および焼成工程後には、スカート部13(130)が収縮して、外壁131および内壁132の長さが同一となる。
このように、大便器用成形体10において外壁1310および内壁1320の長さに所定差Dがあることで、乾燥工程および焼成工程における荷重のかけ方を変える(荷重を分散する)ことが可能となる。そして、外壁1310および内壁1320のうちいずれか長い方(たとえば、外壁1310)が自重によって収縮しやすいため、焼成工程後の外壁131および内壁132の長さが略同一となる。
以上説明した実施形態に係る大便器用成形体10によれば、大便器1の製造工程のうち乾燥工程および焼成工程でスカート部130が変形したとしても、たとえば、自重により垂れ下がった変形をしたとしても、焼成工程後の大便器1においては外壁131および内壁132の長さが同一となるため、すなわち、外壁131および内壁132の接地端面が面一となるため、設置状態においてがたつきや傾きが生じにくい大便器1の製造が可能となる。これにより、形成された大便器1を設置した場合のがたつきや傾きを抑えることができる。また、スカート部130の変形による意匠性の低下を抑えることができる。
また、大便器1の左右いずれか一方の側部から前部を経て他方の側部へかけて全部に設けられる外壁131(1310)に対して内壁132(1320)が一部に設けられることで、乾燥工程および焼成工程において内壁1320が受ける荷重を小さくすることができるため、内壁1320の収縮(変形)を抑制して、外壁1310および内壁1320の長さを調整することができる。
また、大便器1の左右いずれか一方の側部から前部を経て他方の側部へかけて全部に設けられる外壁131(1310)と同様に内壁132(1320)が全部に設けられることで、乾燥工程および焼成工程において内壁1320が受ける荷重を大きくすることができるため、外壁1310の収縮(変形)を抑制して、外壁1310および内壁1320の長さを調整することができる。
また、実施形態に係る大便器1によれば、乾燥工程および焼成工程後において外壁131および内壁132の長さが同一となるため、すなわち、外壁131および内壁132の接地端面が面一となるため、大便器1を設置した場合のがたつきや傾きを抑えることができる。また、スカート部130の変形による意匠性の低下も抑えることができる。
また、実施形態に係る大便器1の製造方法によれば、乾燥工程および焼成工程後において大便器1の外壁131および内壁132の長さが同一となるため、すなわち、外壁131および内壁132の接地端面が面一となるため、大便器1を設置した場合のがたつきや傾きを抑えることができる。また、スカート部130の変形による意匠性の低下も抑えることができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 大便器
10 大便器用成形体
11 ボウル部
13 スカート部
131 外壁
132 内壁
133 中空部

Claims (5)

  1. 汚物を受けるボウル部と、前記ボウル部の外側に設けられるスカート部とを有する陶器製の大便器を形成するための大便器用成形体であって、
    前記スカート部は、前記大便器の外装を形成する外壁と、前記外壁の内側に設けられる内壁と、前記外壁および前記内壁の間に形成される中空部とを有し、
    前記外壁および前記内壁は、いずれか一方が他方よりも前記大便器用成形体が載置面に載置される場合に荷重を受ける方向に長く、長い方が前記載置面に接する
    ことを特徴とする大便器用成形体。
  2. 前記外壁は、前記大便器の左右いずれか一方の側部から前部を経て他方の側部へかけて全部に設けられ、
    前記内壁は、前記大便器の左右いずれか一方の側部から前部を経て他方の側部へかけて一部に設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の大便器用成形体。
  3. 前記外壁は、前記大便器の左右いずれか一方の側部から前部を経て他方の側部へかけて全部に設けられ、
    前記内壁は、前記大便器の左右いずれか一方の側部から前部を経て他方の側部へかけて全部に設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の大便器用成形体。
  4. 請求項1~3のいずれか一つに記載の大便器用成形体を焼成することで形成される
    ことを特徴とする大便器。
  5. 請求項1~3のいずれか一つに記載の大便器用成形体を準備する工程と、
    前記大便器用成形体を焼成する工程と
    を含む
    ことを特徴とする大便器の製造方法。
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