JP6066042B2 - 水洗大便器 - Google Patents

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Description

本発明は、水洗大便器に係り、特に、リム部と胴部を接合して形成される水洗大便器に関する。
従来から、リム部と胴部を接合して形成される水洗大便器として、例えば、特許文献1に記載されているように、便器の胴部の外観面に凸部が生じて、見栄えが悪くなり、商品性が低下することを防止するため、胴部の連結部の外壁部側が、外壁部の外観面に対して傾斜して形成された水洗大便器が知られている。
また、このような水洗大便器の製造工程においては、まず、リム部素地と胴部素地を別々に形成し、これらのリム部素地と胴部素地とを接合し、その後、接合されたリム部素地と胴部素地とを乾燥させ、素地焼成させることにより、便器を完成させるようにしている。
つぎに、上述した特許文献1の水洗大便器の構造について、図8及び図9により具体的に説明する。
図8は、特許文献1に示された従来の水洗大便器の側面断面図であり、図9の(a)は、図8のA部の焼成時の状態を示す拡大図であり、図9の(b)は、図8のA部の焼成後の状態を示す拡大図である。
特許文献1に示された水洗大便器100は、図8に示すように、リム部102と胴部104を接合して形成されるようになっている。
まず、図8及び図9に示すように、リム部102は、着座面を形成する平坦部102aとボウル面106の一部を形成するリム内壁部102bを備えている。
一方、胴部104は、外観面s’を形成する外壁部104aと、ボウル面106の大部分を形成する胴部内壁部104bと、これらの外壁部104aと胴部内壁部104bとを連結する水平方向に延びる連結部104cとを備えている。
また、胴部104の前方側の外壁部104aの外観面s’は、使用者の立ち座り動作を考慮した使い易さや見栄えを向上させるために、便器100が設置される床面F’に対する垂直な面(便器100の鉛直面V’)に対して所定の傾斜角度α’で傾斜するように形成されている。
このリム部102の内周側に位置する下端部と胴部104の胴部内壁部104bの上端部とが接合部108にて接合され、さらに、リム部102の平坦部102aの外周端部と外壁部104aの上端部と接合部110にて接合され、水洗大便器100が形成されるようになっている。
このような水洗大便器100では、水平方向に延びる連結部104cと連結する胴部内壁部104bの平坦な上端部(接合部108)と、連結部104cよりも前方且つ上方に突出する外壁部104aの上端部(接合部110)によって、リム部102が内周側と外周側の2箇所で支持されている。
特開2010−174450号公報
しかしながら、従来の上述した構造の水洗大便器においては、胴部104の前方側の外壁部104aの外観面s’が床面F’に対する垂直な面(便器100の鉛直面V’)に対して傾斜しているため、図9の(a)に示すように、水洗大便器の製造工程の乾燥時及び焼成時には、外壁部104aが自重により外側方向(前方)へ倒れようとする力f1’が外壁部104aに作用し、この力f1’の水平方向成分f2’が連結部104cに伝わり、この連結部104cに連結する胴部内壁部104bの上端部には、前側に移動させようとする力が作用する。そして、この力f2’が、胴部内壁部104bの上端部とリム部102の内周側の下端部との接合部108に前後方向のせん断力として直接的に作用するため、図9の(b)に示すように、焼成後の状態では、リム部102と胴部104との間の接合部108に切れBが生じ、商品性が損なわれてしまうという問題がある。
また、乾燥時にリム部と胴部との間に切れが生じてしまった場合には、切れ目を埋めるためのさらなる作業が必要となり、相当な手間暇を要するため、製造性を向上させることができないという問題もある。
そこで、本発明者は、これらの問題を効果的に解消する便器の構造について鋭意研究を行うことにより、見出した。
すなわち、本発明は、従来構造の水洗便器が持つ問題点を解決したものであり、便器製造時のリム部と胴部との接合部における切れの発生を防ぐことができ、製造性を向上させることができる水洗大便器を提供することを目的としている。
上述した目的を達成するために、本発明は、リム部と胴部を接合して形成される水洗大便器であって、着座面を形成する平坦部とボウル面の一部を形成するリム内壁部を備えたリム部と、外観面を形成する外壁部と、ボウル面の大部分を形成する胴部内壁部と、これらの外壁部と胴部内壁部とを連結する連結部と、を備えた胴部と、を有し、上記リム部の平坦部が上記胴部の外壁部に接合されると共に、上記リム部のリム内壁部が上記胴部の胴部内壁部に接合され、さらに、上記胴部の前方側の外壁部が便器の鉛直面に対して傾斜する共に、上記胴部の連結部の外壁部側が上記胴部の外壁部の外観面に対して傾斜して形成され、上記胴部内壁部が、ボウル面の前後方向における中央部から前方側に形成されて上記胴部の連結部に結合する基端部と、上記胴部の前方側に設けられて上記基端部から上方へ所定長さ突出してその上端が上記リム内壁部に接合される脚部と、を備えていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、使い易さや見栄えを向上させるために、胴部の前方側の外壁部が便器の鉛直面に対して傾斜して形成され、胴部の連結部の外壁部側が胴部の外壁部の外観面に対して傾斜した構造の水洗大便器の製造工程において、リム部と胴部が接合されて焼成された際に、便器の鉛直面に対して傾斜している胴部の前方側の外壁部が自重により外側方向に倒れようとする力が胴部の連結部に伝わると、胴部内壁部の脚部の上端とリム内壁部との接合部の周辺部分が、この接合部に切れを生じさせないようにフレキシブルに変形し、これに追従して接合部の位置を移動させることができる。したがって、胴部内壁部の脚部の上端とリム内壁部との接合部における切れの発生を防ぐことができ、水洗大便器の製造工程において切れが発生した際の修復作業も不要となるため、製造性を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、上記胴部の前方側の外壁部は、その前端部で上記便器の鉛直面に対する傾斜が最も大きくなるように形成され、上記胴部内壁部の脚部は、上記基端部から上方へ突出する所定長さが上記ボウル面の前端部で最も長くなるように形成されている。
このように構成された本発明においては、胴部の前方側の外壁部の前端部で便器の鉛直面に対する傾斜が最も大きいため、外壁部が自重により外側方向に倒れようとする力が最も作用しやすく、リム部と胴部との接合部は切れが発生しやすい箇所となるが、胴部内壁部の脚部の基端部から上方へ突出する所定長さをボウル面の前端部において最も長くすることにより、リム部と胴部が接合されて焼成された際に、胴部内壁部の脚部の上端とリム内壁部との接合部の周辺部分がよりフレキシブルに変形することができる。したがって、胴部内壁部の脚部の上端とリム内壁部との接合部における切れの発生を防ぐことができ、水洗大便器の製造工程において切れが発生した際の修復作業も不要となるため、製造性を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、上記胴部内壁部の脚部は、上記基端部から上方へ突出する所定長さが上記ボウル面の前後方向における中央部から前端部まで徐々に長くなるように形成されている。
このように構成された本発明においては、胴部内壁部の脚部の基端部から上方へ突出する所定長さが、便器の鉛直面に対する胴部の外壁部の傾斜が大きくなり始めるボウル面の前後方向における中央部から前端部まで徐々に長くなっていることにより、脚部の上端の面のみがでリム内壁部と接合することができるため、脚部はフレキシブルに変形することができる。この結果、ボウル面の前後方向における中央部から前端部までの胴部内壁部の脚部とリム内壁部との接合部における切れの発生をより効果的に防ぐことができる。したがって、水洗大便器の製造工程において切れが発生した際の修復作業も不要となるため、製造性を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、上記胴部内壁部で形成されるボウル面は、平面視において、その前後方向における中央部よりも前方側の曲率半径が後方側の曲率半径とほぼ同一となるように形成されている。
このように構成された本発明においては、胴部内壁部の脚部が基端部から上方へ突出していることにより、胴部内壁部とリム部内壁部とが接合された状態の内壁面がほぼ垂直方向に立ち上がるような形状となるため、ボウル面の中央部よりも前方側の曲率半径をボウル面の全周の中で最も小さな曲率半径に設定した場合には、ボウル面を旋回する旋回流が遠心力によってボウル面の外部へ水飛びしてしまう可能性もあるが、ボウル面の中央部よりも前方側の曲率半径が後方側の曲率半径とほぼ同一の比較的大きな曲率半径になるように設定したことにより、水飛びが生じることを防ぐことができる。
本発明の水洗大便器によれば、便器製造時のリム部と胴部との接合部における切れの発生を防ぐことができ、製造性を向上させることができる。
本発明の実施形態による水洗大便器を示す平面図である。 図1のII−II線に沿って見た断面図である。 本発明の実施形態による水洗大便器の製造時の接着工程前の状態を示す側面図である。 図1のIV−IV線に沿って見た部分断面図である。 図1のV−V線に沿って見た部分断面図である。 図1のVI−VI線に沿って見た部分断面図である。 図7の(a)は、図2の要部の焼成時の状態を示す拡大断面図であり、図7の(b)は、図2の要部の焼成中から焼成終了後の状態を示す拡大断面図である。 従来の水洗大便器の側面断面図である。 図9の(a)は、図8のA部の焼成時の状態を示す拡大図であり、図9の(b)は、図8のA部の焼成後の状態を示す拡大図である。
以下、図1〜図7を参照して、本発明の実施形態による水洗大便器について説明する。
まず、図1は、本発明の実施形態による水洗大便器を示す平面図であり、図2は、図1のII−II線に沿って見た断面図であり、図3は、本発明の実施形態による水洗大便器の製造時の接着工程前の状態を示す側面図である。
なお、図2では、本発明の実施形態による水洗大便器の要部(前端部)が符号Pで示されている。
図1〜図3に示すように、本発明の実施形態による水洗大便器1は、ボウル部2を備えた陶器製の便器である。このボウル部2は、便器製造工程時に、下方側の胴部4と上方側のリム部6とが接合されることにより形成されるようになっている。
ここで、水洗大便器1の製造工程において簡単に説明すると、まず、陶器製の原料となる陶石や長石、粘土等から泥しょう(泥水)を作り、調製作業が行われる。
つぎに、ボウル部2を形成する胴部4及びリム部6のそれぞれを成形するための胴部成形用の型枠とリム部成形用の型枠のそれぞれを石膏又は樹脂で造る造型作業が行われ、造型されたボウル部成形用の型枠とリム部成形用の型枠のぞれぞれの中に泥しょうを流し込み、胴部4とリム部6のそれぞれの陶器成形体が成形される。
つぎに、胴部4の陶器成形体とリム部6の陶器成形体のそれぞれの内部に残されている泥しょうを外部へ排出する排泥作業が行われた後、ボウル部成形用の型枠とリム部成形用の型枠のぞれぞれから陶器成形体を取り外す脱型作業が行われる。そして、図3に示すように、脱型された胴部4の上端部とリム部6の下端部とが互いに接着される接着作業が行われる。
なお、図2では、互いに接着された胴部4とリム部6との接合部(詳細は後述する)を接着ラインL1で示している。
つぎに、接着工程で互いに接合された胴部4とリム部6を所定時間乾燥させた後、水洗大便器1の色付けと艶出しを行う施釉作業が行われる。
その後、焼成工程において、水洗大便器1がトンネル窯でゆっくりと焼き上げられ、製品検査工程において、胴部4とリム部6との接合部に切れ等が発生しているか否か、目視と機械による陶器検査が行われた後、水洗大便器1が完成する。
つぎに、図4は図1のIV−IV線に沿って見た部分断面図であり、図5は図1のV−V線に沿って見た部分断面図であり、図6は図1のVI−VI線に沿って見た部分断面図である。なお、図5及び図6に示す水洗大便器の胴部とリム部との接合部の周辺部分については、便器の正面側から見て左右対称であるため、片側のみに符号を付している。
図1、図2及び図4〜図6に示すように、ボウル部2には、ボウル部2のリム側から洗浄水の吐水(リム吐水)を行うリム吐水口8と、サイホン作用により汚物を排出する排水路10に向けてジェット吐水を行うジェット吐水口12とが形成されている。
ここで、本実施形態の水洗大便器1では、リム吐水に関しては、リム吐水口8よりも後方側に形成されたリム導水路14が、洗浄水を供給する洗浄水源である水道(図示せず)に直結されており、水道の給水圧力によりリム導水路14に供給された洗浄水は、リム吐水口8から前方へ吐出されるようになっている。なお、リム吐水口8へ洗浄水を供給する洗浄水源としては、水道水の給水圧を直接利用した水道直圧式のものに限定されず、重力給水式の貯水タンクのようなタンク式のものや、フラッシュバルブ式のものや、ポンプの補圧を利用して洗浄水を供給するものであってもよい。
さらに、ジェット吐水に関しては、ボウル部2の後方側に設けられた機能部(図示せず)に内蔵された貯水タンク(図示せず)に貯水された洗浄水が、加圧ポンプ(図示せず)によって加圧され、ジェット吐水口12から吐出されるようになっている。
つぎに、図2〜図7を参照して、本実施形態の水洗便器の胴部、リム部、及びこれら胴部とリム部との接合部について、より具体的に説明する。
図7の(a)は、図2の要部の焼成時の状態を示す拡大断面図であり、図7の(b)は、図2の要部の焼成中から焼成終了後の状態を示す拡大断面図である。
図2に示すように、胴部4は、外観面18aを形成する外壁部18と、ボウル面20の大部分を形成する胴部内壁部22と、この胴部内壁部22の上端部22aと外壁部18の上方の所定位置18bを連結する第1連結部24と、胴部内壁部22の下方の所定位置22bと外壁部18の下端部18cとを連結する第2連結部26を備えている。
また、図2に示すように、胴部4の前方側の外壁部18の外観面18aは、特に、使用者の立ち座り動作を考慮した使い易さや見栄えを向上させるために、胴部4の前方側の外壁部18の外観面18aが、水洗大便器1の設置面である床面Fに対する垂直な面(以下「水洗大便器1の鉛直面V」)に対して傾斜した角度α(0度<α<90度)で傾斜するように形成されている。言い換えれば、胴部4の前方側の外壁部18の外観面18aは、床面Fに対しては、傾斜角度β(=90°−α)で傾斜するように形成されている。
さらに、前方側の外壁部18の外観面18aの上端部18dは、水洗大便器1の最も前方側に位置し、上方から下方へ向かう程後方側に位置するようになっており、傾斜角度αが0度よりも大きく且つ90度未満の角度の範囲で大きく設定される程、外壁部18の外観面18aの上端部18dに対する下端部18cの後方側への相対距離(蹴り込み量)d1が大きくなるように設定されている(図2参照)。
なお、傾斜角度αについては、10度〜30度に設定されるのが好ましく、12度〜28度に設定されるのがより好ましい。
つぎに、リム部6は、着座面を形成する平坦部28とボウル面20の一部を形成するリム内壁部30を備えている。このリム部6の平坦部28の外周端部28aと胴部4の外壁部18の上端部18dが接合され、さらに、リム部6のリム内壁部30の下端部30aと胴部内壁部22の上端部22aが接合される。このように、リム部6は、胴部4の外壁部18の上端部18d及び胴部内壁部22の上端部22aの2箇所で支持されるようになっている。
ここで、図4〜図7に示されているように、胴部4の胴部内壁部22の上端部22aと外壁部18の上方の所定位置18bを連結する第1連結部24は、その外壁部側24aが、外壁部18の外観面18aに対して、角度θ1,θ2,θ3,θ4だけ傾斜して形成されている。
また、これらの角度θ1,θ2,θ3,θ4は、20度〜70度の範囲内の角度に設定されるのが好ましく、さらに、20度〜50度の範囲内の角度に設定されるのがより好ましい。また、これらの角度θ1,θ2,θ3,θ4の下限値である20度よりも小さな角度の場合には、便器の焼成収縮時に割れが発生し、また、上限値である70度(より好ましくは50度)以上の角度の場合には、胴部4の外観面18aに線状の凸状の段差が生じ、製品性が損なわれるからである。
さらに、図3及び図5〜図7に示すように、胴部内壁部22は、ボウル面20の前後方向におけるほぼ中央部20a(図1及び図2参照)から前方側に形成されて胴部4の第1連結部24の胴部内壁部側端部24bに結合する脚部基端部32と、この脚部基端部32から上方へ所定長さhだけ突出し、その上端が胴部内壁部22の上端部22aとしてリム内壁部30の下端部30aに接合される脚部34を備えている。この脚部34の上端部22aとリム内壁部30の下端部30aとが接合されることにより、胴部4とリム部6との接合部が形成される。
また、図1〜図3に示すように、胴部4の外壁部18は、ボウル面20の前後方向におけるほぼ中央部20aから前方側に形成される領域R1内の水洗大便器1の前端部Pにおいて、水洗大便器1の鉛直面Vに対する傾斜角度αが最も大きくなるように形成され、胴部内壁部22の脚部34は、その基端部32から上方へ突出する所定長さh(図3及び図7の(a)参照)がボウル面20の前端部で最も長くなるように形成されている。
さらに、図3、図5及び図6に示すように、胴部内壁部22の脚部34は、その基端部32から上方へ突出する所定長さhが、ボウル面20の前後方向における中央部20a付近に対応する胴部内壁部22の前後方向の中央部22c付近からその前方の前端部22dまで徐々に長くなるように形成されている。
なお、図7の(a)に示すように、胴部内壁部22の脚部基端部32から上端部22aまで突出した脚部34の上下方向の寸法hについては、リム内壁部30の下端部30aから胴部4の脚部34の上端部22aにリム部6の荷重が作用した際に、胴部4の脚部34が上方に突出した部分を確保しつつ、上下方向にある程度まで圧縮された変形を許容し得るように、13mm〜20mmの範囲内に設定されるのが好ましく、15mm〜20mmの範囲内に設定されるのがより好ましく、18mm〜20mmの範囲内に設定されるのが最も好ましい。
一方、図3及び図4に示すように、胴部内壁部22の前後方向の中央部22c付近から後方側に形成される後方側の胴部内壁部22においては、リム導水路14の一部を形成する部分を除くと、脚部34は形成されていない。
また、図7の(a)に示すように、胴部内壁部22の脚部34が基端部32から上方へ突出していることにより、胴部内壁部22とリム部内壁部30とが接合された状態の内壁面がほぼ垂直方向に立ち上がるような形状となるため、ボウル面20を旋回する旋回流が遠心力によってボウル面20の外部へ水飛びしてしまうことを防ぐために、図1に示すように、胴部内壁部22で形成されるボウル面20は、平面視において、その前後方向における中央部20aよりも前方側の領域R1における曲率半径ρ1が後方側の領域R2における曲率半径ρ2とほぼ同一となるように形成されている。
つぎに、図1〜図7を参照して、本発明の実施形態による水洗大便器の作用について説明する。
まず、図3に示すように水洗大便器1の製造工程の接着工程により胴部4とリム部6との接着が行われ、リム部6の平坦部28の外周端部28aの下面が胴部4の外壁部18の上端部18dの上面に接合されると共に、リム部6のリム内壁部30の下端部30aの下面が胴部内壁部22の上端部22aの上面に接合される。
この接合後、図7の(a)に示すように、水洗大便器1の製造工程の焼成工程においては、図2に示す胴部4の前方側の外壁部18の外観面18aが水洗大便器1の鉛直面Vに対して傾斜角度α(床面Fに対して傾斜角度β)で傾斜しているため、胴部4の外壁部18の上端部18dがリム部6の平坦部28の外周端部28aから受ける荷重と外壁部18aの自重により、外壁部18aには外側方向(前方)へ倒れようとする力f1が作用する。
つぎに、図7の(b)に示すように、水洗大便器1の製造工程の焼成中から焼成終了後に至るまでの状態では、外壁部18aの自重による力f1の水平方向成分f2が第1連結部24に伝わり、この連結部24の胴部内壁部側端部24bには、これに連結されている胴部内壁部22の脚部基端部32を前側に変位させようとする変形力T1が作用する。
そして、図7の(b)に示す胴部内壁部22の脚部34の基端部32とリム内壁部30の下端部30aの基端30bとの間の部分36が、この変形力T1によって、リム内壁部30の下端部30aの付け根である基端30bを起点として、鉛直方向のラインL2に対して反時計回りの方向(図7の(b)の矢印C参照)に傾斜するような変形を容易にとることができる。したがって、このような部分36の変形が、接合部Qにかかる負荷を軽減させる干渉機能を果たすことができる。
ここで、図7の(a)及び(b)では、第1連結部24と脚部34との間に形成される前後方向のそれぞれの間隔を符号d2,d3でそれぞれ示しているが、図7の(b)に示されている焼成中から焼成終了後における脚部34のフレキシブルな変形により、第1連結部24と脚部34との間隔d3が、図7の(a)に示されている焼成時の第1連結部24と脚部34との間隔d2よりも大きくなっているものの、焼成後の状態の水洗大便器1における接合部Qに亀裂や切れが生じて商品性が損なわれることはない。
本発明の実施形態による水洗大便器1によれば、使い易さや見栄えを向上させるために、胴部4の前方側の外壁部18が水洗大便器1の鉛直面Vに対して傾斜して形成され、胴部4の第1連結部24の外壁部側24aが胴部4の外壁部18の外観面18aに対して傾斜した構造の水洗大便器1の製造工程において、図7の(b)に示すように、胴部4とリム部6が接合されて焼成された際に、水洗大便器1の床面Fに対して傾斜している胴部4の前方側の外壁部18が自重により外側方向(前側方向)に倒れようとする力f1が胴部4の第1連結部24に伝わる。しかしながら、胴部内壁部22の脚部34における上端部22aとリム内壁部30の下端部30aとの接合部Qにおいては、脚部34と下端部30aとが潰れしろを有した状態で接着しているために接合部Qの接着力が向上している状態となる。その上、胴部内壁部22の脚部34における上端部22aとリム内壁部30の下端部30aとの接合部Qの周辺部分が、この接合部Qに切れを生じさせないようにフレキシブルに変形し、これに追従して接合部Qの位置を移動させることができる。したがって、胴部内壁部22の脚部34の上端部22aとリム内壁部30の下端部20aとの接合部Qにおける切れの発生を防ぐことができる。また、水洗大便器1の製造工程において切れが発生した際の修復作業も不要となるため、製造性を向上させることができる。
また、本発明の実施形態による水洗大便器1によれば、図2に示すように、胴部4の前方側の外壁部18の前端部Pで水洗大便器1の鉛直面Vに対する傾斜角度αが最も大きいため、外壁部18が自重により外側方向(前側方向)に倒れようとする力f1が最も作用しやすく、リム部6と胴部4との接合部は切れが発生しやすい箇所となるが、図3及び図7の(a)及び(b)に示すように、胴部内壁部22の脚部34の基端部32から上方へ突出する所定長さhをボウル面20の前端部において最も長くすることにより、リム部6と胴部4が接合されて焼成された際に、特に、胴部内壁部2の脚部34の上端部22aとリム内壁部30の下端部30aとの接合部Qの周辺部分が、よりフレキシブルに変形することができる。したがって、胴部内壁部2の脚部34の上端部22aとリム内壁部30の下端部30aとの接合部Qにおける切れの発生を防ぐことができ、水洗大便器1の製造工程において切れが発生した際の修復作業も不要となるため、製造性を向上させることができる。
さらに、本発明の実施形態による水洗大便器1によれば、図3、図5及び図6に示すように、胴部内壁部22の脚部34の基端部32から上方へ突出する所定長さhが、水洗大便器1の鉛直面Vに対する胴部4の外壁部18の傾斜が大きくなり始めるボウル面20の前後方向における中央部20a付近に対応する胴部内壁部22の前後方向の中央部22c付近からその前方の前端部22dまで徐々に長くなるように形成されていることにより、脚部34の上端の面のみがリム内壁部30の下端部30aと接合することができるため、脚部34はフレキシブルに変形することができる。この結果、胴部内壁部22の前後方向の中央部22c付近からその前方の前端部22dまでの胴部内壁部22の脚部34の上端部22aとリム内壁部30の下端部30aとの接合部Qにおける切れの発生をより効果的に防ぐことができる。したがって、水洗大便器1の製造工程において切れが発生した際の修復作業も不要となるため、製造性を向上させることができる。
また、本発明の実施形態による水洗大便器1によれば、胴部内壁部22の脚部34が基端部32から上方へ突出していることにより、胴部内壁部22とリム部内壁部30とが接合された状態の内壁面がほぼ垂直方向に立ち上がるような形状となっている。しかしながら、図1に示すように、胴部内壁部22で形成されるボウル面20が、平面視において、その前後方向における中央部20aよりも前方側の領域R1における曲率半径ρ1が後方側の領域R2における曲率半径ρ2とほぼ同一となるように形成され、曲率半径ρ1を比較的大きな曲率半径に設定したことにより、ボウル面20を旋回する旋回流が遠心力によってボウル面20の外部へ水飛びしてしまうことを防ぐことができる。
なお、上述した本発明の実施形態による水洗大便器においては、特に、便器製造工程のうちの焼成工程における胴部とリム部との接合部の形態について説明したが、乾燥工程における胴部とリム部との接合部についても、焼成工程に関するものと同様に説明することができる。
1 水洗大便器
2 ボウル部
4 胴部
6 リム部
8 リム吐水口
10 排水路
12 ジェット吐水口
14 リム導水路
16 ジェット導水路
18 外壁部
18a 外観面
18b 所定位置
18c 下端部
18d 上端部
20 ボウル面
20a ボウル面の中央部
22 胴部内壁部
22a 上端部
22b 所定位置
22c 前後方向の中央部
22d 前端部
24 第1連結部
24a 第1連結部の外壁部側
24b 第1連結部の胴部内壁部側端部
26 第2連結部
28 平坦部
28a 外周端部
30 リム内壁部
30a 下端部
30b リム内壁部の下端部の基端
32 胴部内壁部の脚部基端部
34 胴部内壁部の脚部
36 胴部内壁部の脚部の基端部とリム内壁部の下端部の基端との間の部分

Claims (4)

  1. リム部と胴部を接合して形成される水洗大便器であって、
    着座面を形成する平坦部とボウル面の一部を形成するリム内壁部を備えたリム部と、
    外観面を形成する外壁部と、ボウル面の大部分を形成する胴部内壁部と、これらの外壁部と胴部内壁部とを連結する連結部と、を備えた胴部と、を有し、
    上記リム部の平坦部が上記胴部の外壁部に接合されると共に、上記リム部のリム内壁部が上記胴部の胴部内壁部に接合され、さらに、上記胴部の前方側の外壁部が便器の鉛直面に対して傾斜する共に、上記胴部の連結部の外壁部側が上記胴部の外壁部の外観面に対して傾斜して形成され、上記胴部内壁部が、ボウル面の前後方向における中央部から前方側に形成されて上記胴部の連結部に結合する基端部と、上記胴部の前方側に設けられて上記基端部から上方へ所定長さ突出してその上端が上記リム内壁部に接合される脚部と、を備えていることを特徴とする水洗大便器。
  2. 上記胴部の前方側の外壁部は、その前端部で上記便器の鉛直面に対する傾斜が最も大きくなるように形成され、上記胴部内壁部の脚部は、上記基端部から上方へ突出する所定長さが上記ボウル面の前端部で最も長くなるように形成されている請求項1記載の水洗大便器。
  3. 上記胴部内壁部の脚部は、上記基端部から上方へ突出する所定長さが上記ボウル面の前後方向における中央部から前端部まで徐々に長くなるように形成されている請求項2記載の水洗大便器。
  4. 上記胴部内壁部で形成されるボウル面は、平面視において、その前後方向における中央部よりも前方側の曲率半径が後方側の曲率半径とほぼ同一となるように形成されている請求項2又は3に記載の水洗大便器。
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