JP2024013523A - 検査装置及び検査画像の生成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】検査画像の輪郭線の抽出精度を向上する。【解決手段】実施形態によれば、検査装置1は、撮像機構10と、画素毎に複数の2次元方向フィルタFiを用いてフィルタ処理を実行する2次元方向フィルタ処理回路302と、フィルタ処理によって算出されたフィルタ角度毎の強度In_iのうち少なくとも1つがフィルタ角度毎に設定された閾値Th1よりも大きい画素を輪郭点候補画素として抽出する輪郭抽出回路214と、輪郭点候補画素において、フィルタ角度毎の強度を極座標に変換し、極座標に変換した結果に基づいて、第1方向の角度を算出する法線方向算出回路303と、第1方向の1次元プロファイルに基づいて、輪郭点候補画素における輪郭点の座標を算出する輪郭点座標算出回路306と、参照画像生成回路212と、比較回路215とを含む。【選択図】図10
Description
本発明は、試料上に形成されたパターンの欠陥検査をするための検査装置及び検査画像の生成方法に関する。
半導体デバイスの製造工程では、露光装置(「ステッパ―」または「スキャナー」とも呼ばれる)を用いた縮小露光により、回路パターンが半導体基板上に転写される。露光装置では、回路パターンを半導体基板(以下、「ウェハ」とも表記する)上に転写するために、原画パターンが形成されたマスク(「レチクル」とも呼ばれる)が用いられる。
例えば、最先端のデバイスでは、数nmの線幅の回路パターンの形成が要求される。回路パターンの微細化に伴い、マスクにおける原画パターンも微細化している。このため、マスクの欠陥検査装置には、微細な原画パターンに対応した高い欠陥検出性能が求められる。
欠陥検査方式には、試料(マスク等)を撮影した画像(撮影画像)に基づく検査画像と、設計データに基づく参照画像とを比較するD-DB(Die to Database)方式と、試料上に形成された同一パターンからなる複数の領域同士を比較するD-D(Die to Die)方式とがある。
欠陥検査装置は、撮影画像からパターンの輪郭線を抽出して、検査画像を生成する。欠陥検査装置は、検査画像のパターンの輪郭線と、参照画像のパターンの輪郭線とを比較することにより欠陥を検出している。
例えば、引用文献1では、異なる方向性を持った複数の2次元空間フィルタ関数を用いて撮影画像から輪郭線の抽出を行う方法が開示されている。この場合、各フレーム画像(画素)において、方向毎にフィルタ処理が行われる。そして、方向毎に得られた値(フィルタ後強度)のうち少なくとも1つが閾値よりも大きい場合、当該画素が、輪郭線を含む画素の候補(輪郭画素候補)として抽出される。
例えば、撮影画像において、画像プロファイルに非対称性がある場合、すなわち、撮影画像に方向依存性がある場合、フィルタ後強度に方向依存性が生じる。このため、全ての方向のフィルタ後強度を同じ強度閾値で判定する場合、フィルタ後強度の判定に用いられる強度閾値は強度の低い方向に合わせて比較的低い値に設定する必要が生じる。しかし、強度閾値を低くすると、ノイズが検出されて、擬似輪郭が生成される可能性が高くなる。また、フィルタ後強度の大きさに基づいて輪郭線の法線方向を決定すると、フィルタ後強度に方向依存性があるため、法線方向が誤って算出される可能性が高くなる。
本発明はこうした点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、検査装置において、方向毎に異なる強度閾値を設定できる。そして、検査装置において、フィルタ後強度とフィルタ角度との関係を極座標に変換した結果に基づいて、等価楕円の主軸方向の角度を法線方向の角度として算出することができる。これにより、輪郭線の検出と法線方向決定が独立に処理されるため、検査画像の輪郭線の抽出精度を向上できる検査装置及び検査画像の生成方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、検査装置は、試料の画像を撮像する撮像機構と、画像の画素毎に、異なるフィルタ角度に対応する複数の2次元方向フィルタを用いてフィルタ処理を実行する2次元方向フィルタ処理回路と、フィルタ処理によって算出されたフィルタ角度毎の強度のうち少なくとも1つがフィルタ角度毎に設定された閾値よりも大きい画素を輪郭点候補画素として抽出する輪郭抽出回路と、輪郭点候補画素において、フィルタ角度毎の強度を極座標に変換し、極座標に変換した結果に基づいて、第1方向の角度を算出する法線方向算出回路と、第1方向の1次元プロファイルに基づいて、輪郭点候補画素における輪郭点の座標を算出する輪郭点座標算出回路と、参照画像を生成する参照画像生成回路と、輪郭点に基づく検査画像と参照画像とを比較する比較回路とを含む。
本発明の第2の態様によれば、検査画像の生成方法は、試料を撮像した画像の画素毎に、異なるフィルタ角度に対応する複数の2次元方向フィルタを用いてフィルタ処理を実行する工程と、フィルタ処理によって算出されたフィルタ角度毎の強度のうち少なくとも1つがフィルタ角度毎に設定された閾値よりも大きい画素を輪郭点候補画素として抽出する工程と、輪郭点候補画素において、フィルタ角度毎の強度を極座標に変換する工程と、極座標に変換した結果に基づいて、第1方向の角度を算出する工程と、第1方向の1次元プロファイルに基づいて、輪郭点候補画素における輪郭点の座標を算出する工程とを含む。
本発明の検査装置及び検査画像の生成方法によれば、検査画像の輪郭線の抽出精度を向上できる。
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。実施形態は、発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示している。図面は模式的または概念的なものであり、各図面の寸法及び比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。本発明の技術的思想は、構成要素の形状、構造、配置等によって特定されるものではない。
以下では、検査装置として、走査型電子顕微鏡(以下、「SEM(Scanning Electron Microscope)」と表記する)を用いて測定対象パターンの電子線画像(以下、「SEM画像」とも表記する)を撮像する欠陥検査装置について説明する。なお、欠陥検査装置は、光学顕微鏡を用いてパターンの光学画像を撮像してもよいし、受光素子を用いて、試料を反射または透過した光の光学画像を撮像してもよい。また、本実施形態では、検査対象となる試料がマスクである場合について説明するが、試料は、半導体装置の製造に用いられるウェハ、または液晶表示装置などに使用される基板等、表面にパターンが設けられている試料であればよい。
1 検査装置の全体構成
まず、図1を参照して、検査装置の全体構成の一例について説明する。図1は、検査装置1の全体構成を示す図である。
まず、図1を参照して、検査装置の全体構成の一例について説明する。図1は、検査装置1の全体構成を示す図である。
図1に示すように、検査装置1は、撮像機構10と制御機構20とを含む。
撮像機構10は、試料室11及び鏡筒12を含む。鏡筒12は、試料室11の上に設置されている。例えば、鏡筒12は、試料室11に対し垂直に延伸する円筒形状を有している。試料室11及び鏡筒12は、互いに接する面が開口している。試料室11と鏡筒12とにより形成される空間は、ターボ分子ポンプ等を用いて真空(減圧)状態に保持される。
試料室11内には、ステージ13、ステージ駆動機構14、及び検出器15が設けられている。
ステージ13の上には、試料(マスク)30が載置される。ステージ13は、ステージ13の表面に平行なX方向、及びステージ13の表面に平行であり且つX方向と交差するY方向に移動可能である。また、ステージ13は、ステージ13の表面に垂直なZ方向に移動可能であってもよいし、Z方向を回転軸として、XY平面上で回転軸周りに回転可能であってもよい。
ステージ駆動機構14は、ステージ13を、X方向及びY方向に移動させるための駆動機構を有する。なお、ステージ駆動機構14は、例えば、ステージ13をZ方向に移動させる機構を有していてもよいし、Z方向を回転軸として、ステージ13をXY平面上で回転軸周りに回転させる機構を有していてもよい。
検出器15は、試料から放出された二次電子または反射電子等を検出する。検出器15は、検出した二次電子または反射電子等の信号、すなわちSEM画像のデータを、画像取得回路213に送信する。
鏡筒12内には、SEMの構成要素である電子銃16及び電子光学系17が設けられている。図1の例では、試料30にシングルビームを照射する電子光学系の構成が示されている。なお、SEMは、試料30にマルチビームを照射する構成であってもよい。
電子銃16は、試料室11に向かって電子線を射出するように設置されている。
電子光学系17は、電子銃16から射出された電子線を、試料30の所定の位置に収束させて照射する。例えば、電子光学系17は、複数の集束レンズ101及び102と、複数の走査コイル103及び104と、対物レンズ105を含む。電子銃16から射出された電子線は、加速された後に集束レンズ101及び102、並びに対物レンズ105によって、ステージ13上に載置された試料30の表面に電子スポットとして集束する。走査コイル103及び104は、試料30上における電子スポットの位置を制御する。
制御機構20は、制御回路21、記憶装置22、表示装置23、入力装置24、及び通信装置25を含む。
制御回路21は、検査装置1の全体を制御する。より具体的には、制御回路21は、撮像機構10を制御してSEM画像(撮影画像)を取得する。また、制御回路21は、制御機構20を制御して、参照画像と検査画像とを比較し、欠陥を検出する。すなわち、制御回路21は、欠陥検査を実行するためのプロセッサである。例えば、制御回路21は、図示せぬCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)を含む。例えば、CPUは、非一時的な記憶媒体としてのROMあるいは記憶装置22に格納されたプログラムをRAMに展開する。そして、制御回路21は、RAMに展開されたプログラムをCPUにより解釈及び実行して、検査装置1を制御する。なお、制御回路21は、例えば、マイクロプロセッサなどのCPUデバイスであってもよいし、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置であってもよい。また、制御回路21は、少なくとも一部の機能が、特定用途集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Alley)、または、グラフィック処理ユニット(GPU:Graphics Processing Unit)等の他の集積回路によって担われる専用回路(専用プロセッサ)を含んでいてもよい。
制御回路21は、展開回路211、参照画像生成回路212、画像取得回路213、輪郭抽出回路214、及び比較回路215を含む。なお、これらは、CPU、ASIC、FPGA、または、GPUなどの集積回路が実行するプログラムによって構成されてもよいし、それらの集積回路が備えるハードウェアまたはファームウェアによって構成されてもよいし、それらの集積回路によって制御される個別の回路によって構成されてもよい。以下では、制御回路21が、実行するプログラムによって、展開回路211、参照画像生成回路212、画像取得回路213、輪郭抽出回路214、及び比較回路215の機能を実現する場合について説明する。
展開回路211は、例えば、記憶装置22に保持されている設計データ221をパターン(図形)毎のデータに展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、展開回路211は、設計データを、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして、2値または多値(例えば8bit)の画像(以下、「展開画像」とも表記する)に展開する。展開回路211は、展開画像の画素毎に図形が占める占有率を演算する。このようにして、演算された各画素内の図形占有率が画素値である。以下では、展開画像の画素値が8ビットの階調データで表される場合について説明する。この場合、各画素の画素値は、0~255の階調値で表される。画素値が0の場合、図形占有率は、0%であり、画素値が255の場合、図形占有率は、100%である。
参照画像生成回路212は、展開画像のリサイズ処理及びコーナー丸め処理を行う。リサイズ処理は、展開画像の図形パターンをリサイズする処理である。コーナー丸め処理は、リサイズ処理後の図形パターンのコーナー部分を丸める処理である。そして、参照画像生成回路212は、リサイズ処理及びコーナー丸め処理後の展開画像から輪郭を抽出して参照画像(輪郭画像)を生成する。参照画像生成回路212は、生成した参照画像を比較回路215及び記憶装置22に送信する。
画像取得回路213は、撮像機構10の検出器15からSEM画像のデータを取得する。画像取得回路213は、SEM画像のデータを、輪郭抽出回路214及び記憶装置22に送信する。
輪郭抽出回路214は、SEM画像から輪郭データを抽出して検査画像(輪郭画像)を生成する。輪郭データは、パターンの輪郭点及び輪郭点を結ぶ輪郭線に関する情報を含む。換言すると、輪郭データは、画素毎に輪郭線が通る座標の代表値、すなわち輪郭点と、輪郭点における輪郭ベクトルの法線方向の情報とを含む。輪郭抽出回路214の詳細については後述する。
比較回路215は、検査画像と参照画像とを比較して欠陥を検出する。より具体的には、比較回路215は、検査画像と参照画像とのアライメントを行い、参照画像に対する検査画像のシフト量を算出する。比較回路215は、例えば、試料30面内におけるシフト量のばらつき等から検査画像の歪み量を測定し、歪み係数を算出する。例えば、歪み量を画像内の座標(X,Y)の多項式モデルで表し、歪み係数をその多項式の係数とすると好適である。比較回路215は、シフト量及び歪み係数を考慮した適切なアルゴリズムを用いて、検査画像と参照画像とを比較する。比較回路215は、検査画像と参照画像の誤差が予め設定された値を超えた場合には、対応する試料30の座標位置に欠陥があると判定する。
記憶装置22は、欠陥検査に関するデータ及びプログラムを記憶する。例えば、記憶装置22は、設計データ221、検査条件のパラメータ情報222、検査データ223、及び閾値データ等を記憶する。例えば、検査条件のパラメータ情報222には、撮像機構10の撮像条件、参照画像生成条件、SEM画像の輪郭抽出条件、及び欠陥検出条件等が含まれる。検査データ223には、画像データ(展開画像、参照画像、SEM画像、及び検査画像)、並びに検出された欠陥に関するデータ(座標及びサイズ等)が含まれる。強度閾値データ224は、SEM画像の輪郭抽出に用いられる強度閾値のデータである。また、記憶装置22は、非一時的な記憶媒体として、欠陥検査プログラム225を記憶する。欠陥検査プログラム225は、制御回路21に欠陥検査を実行させるためのプログラムである。
なお、記憶装置22は、外部ストレージとして、磁気ディスク記憶装置(HDD:Hard Disk Drive)またはソリッドステートドライブ(SSD)等の各種記憶装置を含んでいてもよい。更に、記憶装置22は、例えば、非一時的な記憶媒体としてCD(Compact Disc)またはDVD(Digital Versatile Disc)等に記憶されたプログラムを読み込むためのドライブを含んでいてもよい。
表示装置23は、例えば、表示画面(例えば、LCD(Liquid Crystal Display)またはEL(Electroluminescence)ディスプレイ等)等を含む。表示装置23は、制御回路21の制御により、例えば、欠陥検出結果を表示する。
入力装置24は、キーボード、マウス、タッチパネル、またはボタンスイッチなどの入力装置である。
通信装置25は、外部装置との間でデータの送受信を行うために、ネットワークに接続するための装置である。通信には、各種の通信規格が用いられ得る。例えば、通信装置25は、外部装置から設計データを受信し、欠陥検査の結果等を外部装置に送信する。
2 輪郭抽出回路の構成
次に、図2を参照して、輪郭抽出回路214の構成の一例について説明する。図2は、輪郭抽出回路214のブロック図である。なお、輪郭抽出回路214の各ブロックは、制御回路21がファームウェア等を実行することによりその機能が実現されてもよいし、専用回路によりその機能が実現されてもよい。
次に、図2を参照して、輪郭抽出回路214の構成の一例について説明する。図2は、輪郭抽出回路214のブロック図である。なお、輪郭抽出回路214の各ブロックは、制御回路21がファームウェア等を実行することによりその機能が実現されてもよいし、専用回路によりその機能が実現されてもよい。
図2に示すように、輪郭抽出回路214は、ノイズフィルタ処理回路301、2次元方向フィルタ処理回路302、法線方向算出回路303、1次元プロファイル算出回路304、エッジフィルタ処理回路305、輪郭点座標算出回路306、孤立輪郭点除去回路307、及び近接輪郭点除去回路308を含む。なお、各部により生成されたデータは、その都度、記憶装置22に記憶され得る。
ノイズフィルタ処理回路301は、SEM画像データのノイズを除去(減少)する。ノイズフィルタ処理回路301は、画像取得回路213からSEM画像データを取得する。そして、ノイズフィルタ処理回路301は、SEM画像の図形パターンの端部のノイズを除去(低減)して、パターン端部の形状を滑らかにする。ノイズフィルタ処理には、ガウシアンフィルタ(Gaussian Filter)やバイラテラルフィルタ(Bilateral Filter)などの一般的なフィルタを用いることができる。
2次元方向フィルタ処理回路302は、ノイズフィルタ処理後の画像データの各画素において、2次元方向フィルタ処理を実行する。2次元方向フィルタ処理回路302は、異なる方向性(以下、方向を「フィルタ角度」とも表記する)を持った複数の2次元方向フィルタを有する。2次元方向フィルタには、ラプラシアンフィルタ(Laplacian Filter)などの一般的なフィルタを用いることができる。2次元方向フィルタの詳細については後述する。2次元方向フィルタ処理回路302は、方向(フィルタ角度)毎に2次元方向フィルタ処理を実行し、フィルタ角度毎に強度値(以下、フィルタ処理後の強度値を「フィルタ後強度」と表記する)を算出する。2次元方向フィルタ処理回路302は、記憶装置22から強度閾値データ224を読み出して、フィルタ角度毎にフィルタ後強度と強度閾値とを比較する。なお、強度閾値は、フィルタ角度毎に異なる値が設定され得る。例えば、強度閾値は、検査実行前にキャリブレーションパターンを撮像した結果に基づいて、フィルタ角度毎に設定される。2次元方向フィルタ処理回路302は、強度閾値以上のフィルタ後強度を有する画素を、輪郭点を含む候補の画素(以下、「輪郭点候補画素」と表記する)として抽出する。
法線方向算出回路303は、輪郭点候補画素における輪郭線の法線方向を算出する回路である。法線方向算出回路303は、各フィルタ角度のフィルタ後強度分布を極座標に変換する。法線方向算出回路303は、極座標に変換した結果からその2次モーメントが等しい楕円(以下、「等価楕円」と表記する)の主軸方向を、法線方向として算出する。
1次元プロファイル算出回路304は、輪郭点候補画素における法線方向の1次元プロファイルを算出する。
エッジフィルタ処理回路305は、法線方向の1次元プロファイルに対して、エッジフィルタ処理を実行する。
輪郭点座標算出回路306は、輪郭点候補画素における輪郭点の座標(位置)を算出する。輪郭点座標算出回路306は、エッジフィルタ処理後のフィルタ後強度の補間処理を実行する。輪郭点座標算出回路306は、補間処理後のフィルタ後強度の最大値を、輪郭点の座標として算出する。
孤立輪郭点除去回路307は、孤立輪郭点を除去する。孤立輪郭点とは、対象輪郭点を含む輪郭点候補画素及びその周辺画素を含む領域(例えば、3(行)×3(列)画素)における輪郭点の個数が予め設定された個数(例えば、1個あるいは2個)以下の状態にある輪郭点である。
近接輪郭点除去回路308は、近接輪郭点を除去する。近接輪郭点とは、隣接する輪郭点との距離が予め設定された距離以下の輪郭点である。
3.2次元方向フィルタ処理
次に、2次元方向フィルタ処理について説明する。
次に、2次元方向フィルタ処理について説明する。
3.1 2次元方向フィルタ処理のフィルタ角度
まず、図3を参照して、2次元方向フィルタのフィルタ角度の一例を説明する。図3は、2次元方向フィルタのフィルタ角度の一例を示す図である。
まず、図3を参照して、2次元方向フィルタのフィルタ角度の一例を説明する。図3は、2次元方向フィルタのフィルタ角度の一例を示す図である。
図3に示すように、例えば、0~180°の範囲で、8つのフィルタ角度(方向)に対応した8つの2次元方向フィルタが用いられる。各フィルタ角度の番号をi(iは1~8の整数)とすると、i=1の場合、フィルタ角度0°に対応した2次元方向フィルタが用いられる。i=2の場合、フィルタ角度22.5°に対応した2次元方向フィルタが用いられる。i=3の場合、フィルタ角度45°に対応した2次元方向フィルタが用いられる。i=5の場合、フィルタ角度90°に対応した2次元方向フィルタが用いられる。i=6の場合、フィルタ角度112.5°に対応した2次元方向フィルタが用いられる。i=7の場合、フィルタ角度135°に対応した2次元方向フィルタが用いられる。i=8の場合、フィルタ角度157.5°に対応した2次元方向フィルタが用いられる。
3.2 2次元方向フィルタ処理に用いられる各画素の画素値の表示例
次に、図4を参照して、2次元方向フィルタ処理に用いられる各画素の画素値の表示例について説明する。図4は、注目画素を中心とした5×5画素の画素値の表示例を示す図である。
次に、図4を参照して、2次元方向フィルタ処理に用いられる各画素の画素値の表示例について説明する。図4は、注目画素を中心とした5×5画素の画素値の表示例を示す図である。
図4に示すように、例えば、2次元方向フィルタ処理には、注目画素を中心とした5(行)×5(列)画素の階調値が用いられる。例えば、注目画素の座標を(X,Y)=(I,J)とする(ここでI及びJは整数)。すると、5×5画素の各座標は、紙面左上から紙面右下に向かって、(X,Y)=(I-2,J-2)~(I+2,J+2)で表される。この場合、各画素の階調値Dは、D(I-2,J-2)~D(I+2,J+2)で定義される。
3.3 2次元方向フィルタの行列ベクトルの座標
次に、図5を参照して、2次元方向フィルタの行列ベクトルの座標表示の一例について説明する。図5は、2次元方向フィルタの行列ベクトルの表示例を示す図である。
次に、図5を参照して、2次元方向フィルタの行列ベクトルの座標表示の一例について説明する。図5は、2次元方向フィルタの行列ベクトルの表示例を示す図である。
図5に示すように、例えば、2次元方向フィルタには、5×5のフィルタが用いられる。例えば、中心座標を(0,0)とすると、各座標位置は、紙面左下から紙面右上に向かって、(X,Y)=(-2,-2)~(2,2)で表される。例えば、i番目のフィルタ角度に対応した2次元方向フィルタをFiとすると、2次元方向フィルタFiの各値は、Fi(-2,-2)~Fi(2,2)で定義される。
3.4 2次元方向フィルタの具体例
次に、図6及び図7を参照して、2次元方向フィルタの具体例について説明する。図6は、2次元方向フィルタF1~F4の具体例を示す図である。図7は、2次元方向フィルタF5~F8の具体例を示す図である。
次に、図6及び図7を参照して、2次元方向フィルタの具体例について説明する。図6は、2次元方向フィルタF1~F4の具体例を示す図である。図7は、2次元方向フィルタF5~F8の具体例を示す図である。
図6に示すように、例えば、2次元方向フィルタF1において、F1(-2,-2)、F1(-1,-2)、F1(0,-2)、F1(1,-2)、F1(2,-2)、F1(-2,-1)、F1(-1,-1)、F1(0,-1)、F1(1,-1)、F1(2,-1)、F1(-1,0)、F1(1,0)、F1(-2,1)、F1(-1,1)、F1(0,1)、F1(1,1)、F1(2,1)、F1(-2,2)、F1(-1,2)、F1(0,2)、F1(1,2)、及びF1(2,2)の値を0とする。F1(-2,0)及びF1(2,0)の値を-1とする。F1(0,0)の値を2とする。
例えば、2次元方向フィルタF2において、F2(-2,-2)、F2(-1,-2)、F2(0,-2)、F2(1,-2)、F2(2,-2)、F2(-2,-1)、F2(-1,-1)、F2(0,-1)、F2(0,1)、F2(1,1)、F2(2,1)、F2(-2,2)、F2(-1,2)、F2(0,2)、F2(1,2)、及びF2(2,2)の値を0とする。F2(1,-1)及びF2(-1,1)の値を-0.1165とする。F2(2,-1)及びF2(-2,1)の値を-0.6488とする。F2(-2,0)及びF2(2,0)の値を-0.1989とする。F2(-1,0)及びF2(1,0)の値を-0.0357とする。F2(0,0)の値を2とする。
例えば、2次元方向フィルタF3において、F3(-2,-2)、F3(-1,-2)、F3(0,-2)、F3(-2,-1)、F3(-1,-1)、F3(0,-1)、F3(-2,0)、F3(-1,0)、F3(1,0)、F3(2,0)、F3(0,1)、F3(1,1)、F3(2,1)、F3(0,2)、F3(1,2)、及びF3(2,2)の値を0とする。F3(1,-2)、F3(2,-1)、F3(-2,1)、及びF3(-1,2)の値を-0.2426とする。F3(2,-2)及びF3(-2,2)の値を-0.1716とする。F3(1,-1)及びF3(-1,1)の値を-0.3431とする。F3(0,0)の値を2とする。
例えば、2次元方向フィルタF4において、F4(-2,-2)、F4(-1,-2)、F4(2,-2)、F4(-2,-1)、F4(-1,-1)、F4(2,-1)、F4(-2,0)、F4(-1,0)、F4(1,0)、F4(2,0)、F4(-2,1)、F4(1,1)、F4(2,1)、F4(-2,2)、F4(1,2)、及びF4(2,2)の値を0とする。F4(0,-2)及びF4(0,2)の値を-0.19896とする。F4(1,-2)及びF4(-1,2)の値を-0.6488とする。F4(0,-1)及びF4(0,1)の値を-0.0357とする。F4(1,-1)及びF4(-1,1)の値を-0.1165とする。F4(0,0)の値を2とする。
図7に示すように、例えば、2次元方向フィルタF5において、F5(-2,-2)、F5(-1,-2)、F5(1,-2)、F5(2,-2)、F5(-2,-1)、F5(-1,-1)、F5(0,-1)、F5(1,-1)、F5(2,-1)、F5(-2,0)、F5(-1,0)、F5(1,0)、F5(2,0)、F5(-2,1)、F5(-1,1)、F5(0,1)、F5(1,1)、F5(2,1)、F5(-2,2)、F5(-1,2)、F5(1,2)、及びF5(2,2)の値を0とする。F5(0,-2)及びF5(0,2)の値を-1とする。F5(0,0)の値を2とする。
例えば、2次元方向フィルタF2において、F6(-2,-2)、F6(1,-2)、F6(2,-2)、F6(-2,-1)、F6(1,-1)、F6(2,-1)、F6(-2,0)、F6(-1,0)、F6(1,0)、F6(2,0)、F6(-2,1)、F6(-1,1)、F6(2,1)、F6(-2,2)、F6(-1,2)、及びF6(2,2)の値を0とする。F6(-1,-2)及びF6(1,2)の値を-0.6488とする。F6(0,-2)及びF6(0,2)の値を-0.1989とする。F6(-1,-1)及びF6(1,1)の値を-0.1165とする。F6(0,-1)及びF6(0,1)の値を-0.0357とする。F6(0,0)の値を2とする。
例えば、2次元方向フィルタF7において、F7(0,-2)、F7(1,-2)、F7(2,-2)、F7(0,-1)、F7(1,-1)、F7(2,-1)、F7(-2,0)、F7(-1,0)、F7(1,0)、F7(2,0)、F7(-2,1)、F7(-1,1)、F7(0,1)、F7(-2,2)、F7(-1,2)、及びF7(0,2)の値を0とする。F7(-2,-2)及びF7(2,2)の値を-0.1716とする。F7(-1,-2)、F7(-2,-1)、F7(2,1)、及びF7(1,2)の値を-0.2426とする。F7(-1,-1)及びF7(1,1)の値を-0.3431とする。F7(0,0)の値を2とする。
例えば、2次元方向フィルタF8において、F8(-2,-2)、F8(-1,-2)、F8(0,-2)、F8(1,-2)、F8(2,-2)、F8(0,-1)、F8(1,-1)、F8(2,-1)、F8(-2,1)、F8(-1,1)、F8(0,1)、F8(-2,2)、F8(-1,2)、F8(0,2)、F8(1,2)、及びF8(2,2)の値を0とする。F8(-2,-1)及びF8(2,1)の値を-0.6488とする。F8(-1,-1)及びF8(1,1)の値を-0.1165とする。F8(-2,0)及びF8(2,0)の値を-0.19896とする。F8(-1,0)及びF8(1,0)の値を-0.0357とする。F8(0,0)の値を2とする。
3.5 2次元方向フィルタ処理の演算式
次に、2次元方向フィルタF1~F8の各々におけるフィルタ処理の演算式について説明する。2次元方向フィルタ処理回路302は、式(1)の演算を行い、2次元方向フィルタFiと注目画素との畳み込み演算を行う。
次に、2次元方向フィルタF1~F8の各々におけるフィルタ処理の演算式について説明する。2次元方向フィルタ処理回路302は、式(1)の演算を行い、2次元方向フィルタFiと注目画素との畳み込み演算を行う。
ここで、In_iは、2次元方向フィルタFiによるフィルタ後強度を示す。Dは、画素の階調値を示す。アスタリスク(*)は、畳み込み演算を示す。注目画素の座標を図4において説明した(X,Y)=(I,J)とすると、式(1)の演算は式(2)のように表せる。
ここで、kは、座標Iからのシフト量を示す-2~2の整数である。lは、座標Jからのシフト量を示す-2~2の整数である。
より具体的には、式(2)は、下記の式により表される。
In_i=D(I-2,J-2)Fi(-2,-2)+D(I-1,J-2)Fi(-1,-2)+D(I,J-2)Fi(0,-2)+D(I+1,J-2)Fi(1,-2)+D(I+2,J-2)Fi(2,-2)+D(I-2,J-1)Fi(-2,-1)+D(I-1,J-1)Fi(-1,-1)+D(I,J-1)Fi(0,-1)+D(I+1,J-1)Fi(1,-1)+D(I+2,J-1)Fi(2,-1)+D(I-2,J)Fi(-2,0)+D(I-1,J)Fi(-1,0)+D(I,J)Fi(0,0)+D(I+1,J)Fi(1,0)+D(I+2,J)Fi(2,0)+D(I-2,J+1)Fi(-2,1)+D(I-1,J+1)Fi(-1,1)+D(I,J+1)Fi(0,1)+D(I+1,J+1)Fi(1,1)+D(I+2,J+1)Fi(2,1)+D(I-2,J+2)Fi(-2,2)+D(I-1,J+2)Fi(-1,2)+D(I,J+2)Fi(0,2)+D(I+1,J+2)Fi(1,2)+D(I+2,J+2)Fi(2,2)
In_i=D(I-2,J-2)Fi(-2,-2)+D(I-1,J-2)Fi(-1,-2)+D(I,J-2)Fi(0,-2)+D(I+1,J-2)Fi(1,-2)+D(I+2,J-2)Fi(2,-2)+D(I-2,J-1)Fi(-2,-1)+D(I-1,J-1)Fi(-1,-1)+D(I,J-1)Fi(0,-1)+D(I+1,J-1)Fi(1,-1)+D(I+2,J-1)Fi(2,-1)+D(I-2,J)Fi(-2,0)+D(I-1,J)Fi(-1,0)+D(I,J)Fi(0,0)+D(I+1,J)Fi(1,0)+D(I+2,J)Fi(2,0)+D(I-2,J+1)Fi(-2,1)+D(I-1,J+1)Fi(-1,1)+D(I,J+1)Fi(0,1)+D(I+1,J+1)Fi(1,1)+D(I+2,J+1)Fi(2,1)+D(I-2,J+2)Fi(-2,2)+D(I-1,J+2)Fi(-1,2)+D(I,J+2)Fi(0,2)+D(I+1,J+2)Fi(1,2)+D(I+2,J+2)Fi(2,2)
4 検査工程の全体の流れ
次に、検査工程の全体の流れの一例について、図8を用いて説明する。図8は、検査工程のフローチャートである。
次に、検査工程の全体の流れの一例について、図8を用いて説明する。図8は、検査工程のフローチャートである。
図8に示すように、検査工程は、大まかに、検査画像取得工程(ステップS1)と、参照画像生成工程(ステップS2)と、比較工程(ステップS3)とを含む。
4.1 検査画像取得工程
まず、ステップS1の検査画像取得工程の一例について説明する。画像取得回路213は、撮像機構10から、試料30のSEM画像を取得する(ステップS11)。画像取得回路213は、SEM画像を輪郭抽出回路214に送信する。
まず、ステップS1の検査画像取得工程の一例について説明する。画像取得回路213は、撮像機構10から、試料30のSEM画像を取得する(ステップS11)。画像取得回路213は、SEM画像を輪郭抽出回路214に送信する。
次に、輪郭抽出回路214は、SEM画像のノイズを除去するため、ノイズフィルタ処理を実行する(ステップS12)。
次に、輪郭抽出回路214は、ノイズフィルタ処理後のSEM画像からパターンの輪郭を抽出し(ステップS13)、検査画像(輪郭画像)を生成する。すなわち、輪郭抽出回路214は、図形パターン毎に輪郭線及び複数の輪郭点を抽出する。
輪郭抽出回路214は、生成した検査画像を比較回路215及び記憶装置22に送信する。
4.2 参照画像取得工程
次に、参照画像取得工程の一例について説明する。例えば、検査装置1は、通信装置25を介して、設計データ221を取得する(ステップS21)。取得された設計データ221は、例えば、記憶装置22に記憶される。
次に、参照画像取得工程の一例について説明する。例えば、検査装置1は、通信装置25を介して、設計データ221を取得する(ステップS21)。取得された設計データ221は、例えば、記憶装置22に記憶される。
展開回路211は、記憶装置22に記憶された設計データ221を読み出す。そして、展開回路211は、展開処理を実行し、設計データ221を、例えば8bitの画像データ(展開画像)に展開(変換)する(ステップS22)。展開画像の各画素は、画素値として、設計データの図形が当該画素を占める占有率に相当する値を持つ。例えば8bitの画像データの場合、設計図形の占有率が0%の場合の画素値は0であり、占有率が100%の場合の画素値は255である。展開回路211は、展開画像を参照画像生成回路212及び記憶装置22に送信する。
次に、参照画像生成回路212は、展開画像のリサイズ処理及びコーナー丸め処理を実行する(ステップS23)。
次に、参照画像生成回路212は、リサイズ処理及びコーナー丸め処理が施された展開画像からパターンの輪郭を抽出し(ステップS24)、参照画像(輪郭画像)を生成する。参照画像生成回路212は、生成した参照画像を比較回路215及び記憶装置22に送信する。
4.3 比較工程
次に、比較工程の一例について説明する。まず、比較回路215は、検査画像と参照画像とを用いてアライメントを実行し(ステップS31)、検査画像内のパターンと、参照画像内のパターンとの位置合わせを行う。例えば、比較回路215は、検査画像の各輪郭線位置と参照画像の対応する輪郭線位置との相対ベクトルを求め、その平均値をアライメントシフト量とする。すなわち、比較回路215は、参照画像に対する検査画像のアライメントシフト量を算出する。
次に、比較工程の一例について説明する。まず、比較回路215は、検査画像と参照画像とを用いてアライメントを実行し(ステップS31)、検査画像内のパターンと、参照画像内のパターンとの位置合わせを行う。例えば、比較回路215は、検査画像の各輪郭線位置と参照画像の対応する輪郭線位置との相対ベクトルを求め、その平均値をアライメントシフト量とする。すなわち、比較回路215は、参照画像に対する検査画像のアライメントシフト量を算出する。
次に、比較回路215は、検査画像の歪み量を測定し(ステップS32)、歪み係数を算出する。例えば、ステージ移動精度あるいは試料30の歪み等により、設計データ221に基づくパターンの座標情報と、撮影画像から算出されたパターンの座標との間に位置ずれが生じる場合がある。比較回路215は、例えば、試料30面内における局所的なアライメントシフト量の分布等から検査画像の歪み量を測定し、歪み係数を算出する。
次に、比較回路215は、検査画像と参照画像とを比較する(ステップS33)。比較回路215は、比較した結果に基づいて、欠陥を検出する。換言すれば、比較回路215は、相対ベクトルと歪み係数とに基づいて、画素毎に検査画像の輪郭線と参照画像の輪郭線との間の位置ずれ量を算出する。そして、比較回路215は、位置ずれ量に基づいて、欠陥を検出する。比較結果は、記憶装置22または表示装置(モニタ)23に出力される。
検査画像と参照画像とを比較した具体例を図9に示す。図9は、検査画像の輪郭線と参照画像の輪郭線を含む4×4画素の具体例を示す図である。
図9に示すように、比較回路215は、検査画像の輪郭点毎に、参照画像の輪郭線までの距離(位置ずれ量)を算出する。そして、比較回路215は、位置ずれ量が予め設定された閾値を超えた場合に、欠陥と判定する。
制御回路21は、欠陥検査の結果を、記憶装置22に保存した後、例えば、表示装置23に表示してもよく、通信装置25を介して外部装置(例えば、レビュー装置等)に出力してもよい。
5 輪郭抽出工程の詳細
次に、図10を参照して、ステップS13の輪郭抽出工程の詳細について説明する。図10は、輪郭抽出工程のフローチャートである。
次に、図10を参照して、ステップS13の輪郭抽出工程の詳細について説明する。図10は、輪郭抽出工程のフローチャートである。
図10に示すように、輪郭抽出工程としてステップS101~S109の処理が、ノイズフィルタ処理後のSEM画像(撮影画像)の画素毎に実行される。各ステップの詳細について説明する。
[ステップS101]
2次元方向フィルタ処理回路302は、ノイズフィルタ処理後のSEM画像の各画素において、複数の方向(フィルタ角度)にそれぞれ対応した2次元方向フィルタ処理を実行する。そして、2次元方向フィルタ処理回路302は、フィルタ角度毎に、フィルタ後強度と強度閾値とを比較する。
2次元方向フィルタ処理回路302は、ノイズフィルタ処理後のSEM画像の各画素において、複数の方向(フィルタ角度)にそれぞれ対応した2次元方向フィルタ処理を実行する。そして、2次元方向フィルタ処理回路302は、フィルタ角度毎に、フィルタ後強度と強度閾値とを比較する。
図11を参照して、8方向の2次元方向フィルタF1~F8を用いた2次元方向フィルタ処理の具体例について説明する。図11は、フィルタ角度とフィルタ後強度との関係を示すグラフである。
図11に示すように、2次元方向フィルタ処理回路302は、8つのフィルタ角度の各々にいて、フィルタ処理を実行し、フィルタ後強度を算出する。図11の例では、2次元方向フィルタF5を用いたフィルタ角度90°のときに、フィルタ後強度の値が最大となっている。
フィルタ角度毎に異なる強度閾値Th1が設定されている。図11の例では、フィルタ角度22.5°(i=2)における強度閾値Th1が最も低く、フィルタ角度67.5°(i=4)における強度閾値Th1が最も高く設定されている。
2次元方向フィルタ処理回路302は、各フィルタ角度において、フィルタ後強度と強度閾値Th1とを比較する。図11の例では、フィルタ角度67.5°(i=4)、90°(i=5)、及び112.5°(i=6)において、フィルタ後強度が強度閾値Th1よりも高くなっている。
[ステップS102]
輪郭抽出回路214は、強度閾値Th1よりも大きいフィルタ後強度の有無を確認する。フィルタ後強度が強度閾値Th1よりも高いフィルタ角度がない場合(ステップS102_No)、輪郭抽出回路214は、当該画素は輪郭点候補画素に該当しないと判断し、当該画素における輪郭抽出を終了させる。
輪郭抽出回路214は、強度閾値Th1よりも大きいフィルタ後強度の有無を確認する。フィルタ後強度が強度閾値Th1よりも高いフィルタ角度がない場合(ステップS102_No)、輪郭抽出回路214は、当該画素は輪郭点候補画素に該当しないと判断し、当該画素における輪郭抽出を終了させる。
他方で、フィルタ後強度が強度閾値Th1よりも高いフィルタ角度がある場合(ステップS102_Yes)、輪郭抽出回路214は、当該画素を輪郭点候補画素として、抽出する。
[ステップS103]
法線方向算出回路303は、フィルタ後強度とフィルタ角度とを極座標と見なして強度分布を表示する。例えば、i番目のフィルタ後強度をIn_iとし、フィルタ角度をSiとする。極座標(In_I,Si)は、XY座標に変換されると、(X,Y)=(In_i・cos(Si),In_i・sin(Si))で表される。このとき、フィルタ角度は、0°~180°の範囲なので、180°~360°については、0°~180°のフィルタ角度を原点対称としたフィルタ角度とする。そして、フィルタ後強度は、原点対称のフィルタ角度と等しい値に設定する。より具体的には、図3を用いて説明した0°~180°の範囲にある8つのフィルタ角度の番号i=1~8に対して、原点対称のフィルタ角度の番号をi=9~16とする。i=9は、i=1の原点対称である。i=9のフィルタ角度は、S9=0°(S1)+180°=180°であり、フィルタ後強度は、In_9=In_1の関係にある。i=10は、i=2の原点対称である。i=10のフィルタ角度は、S10=22.5°(S2)+180°=202.5°であり、フィルタ後強度は、In_10=In_2の関係にある。i=11は、i=3の原点対称である。i=11のフィルタ角度は、S11=45°(S3)+180°=225°であり、フィルタ後強度は、In_11=In_3の関係にある。i=12は、i=4の原点対称である。i=12のフィルタ角度は、S12=67.5°(S4)+180°=247.5°であり、フィルタ後強度は、In_12=In_4の関係にある。i=13は、i=5の原点対称である。i=13のフィルタ角度は、S13=90°(S5)+180°=270°であり、フィルタ後強度は、In_13=In_5の関係にある。i=14は、i=6の原点対称である。i=14のフィルタ角度は、S14=112.5°(S6)+180°=292.5°であり、フィルタ後強度は、In_14=In_6の関係にある。i=15は、i=7の原点対称である。i=15のフィルタ角度は、S15=135°(S7)+180°=315°であり、フィルタ後強度は、In_15=In_7の関係にある。i=16は、i=8の原点対称である。i=16のフィルタ角度は、S16=157.5°(S8)+180°=337.5°であり、フィルタ後強度は、In_16=In_8の関係にある。
法線方向算出回路303は、フィルタ後強度とフィルタ角度とを極座標と見なして強度分布を表示する。例えば、i番目のフィルタ後強度をIn_iとし、フィルタ角度をSiとする。極座標(In_I,Si)は、XY座標に変換されると、(X,Y)=(In_i・cos(Si),In_i・sin(Si))で表される。このとき、フィルタ角度は、0°~180°の範囲なので、180°~360°については、0°~180°のフィルタ角度を原点対称としたフィルタ角度とする。そして、フィルタ後強度は、原点対称のフィルタ角度と等しい値に設定する。より具体的には、図3を用いて説明した0°~180°の範囲にある8つのフィルタ角度の番号i=1~8に対して、原点対称のフィルタ角度の番号をi=9~16とする。i=9は、i=1の原点対称である。i=9のフィルタ角度は、S9=0°(S1)+180°=180°であり、フィルタ後強度は、In_9=In_1の関係にある。i=10は、i=2の原点対称である。i=10のフィルタ角度は、S10=22.5°(S2)+180°=202.5°であり、フィルタ後強度は、In_10=In_2の関係にある。i=11は、i=3の原点対称である。i=11のフィルタ角度は、S11=45°(S3)+180°=225°であり、フィルタ後強度は、In_11=In_3の関係にある。i=12は、i=4の原点対称である。i=12のフィルタ角度は、S12=67.5°(S4)+180°=247.5°であり、フィルタ後強度は、In_12=In_4の関係にある。i=13は、i=5の原点対称である。i=13のフィルタ角度は、S13=90°(S5)+180°=270°であり、フィルタ後強度は、In_13=In_5の関係にある。i=14は、i=6の原点対称である。i=14のフィルタ角度は、S14=112.5°(S6)+180°=292.5°であり、フィルタ後強度は、In_14=In_6の関係にある。i=15は、i=7の原点対称である。i=15のフィルタ角度は、S15=135°(S7)+180°=315°であり、フィルタ後強度は、In_15=In_7の関係にある。i=16は、i=8の原点対称である。i=16のフィルタ角度は、S16=157.5°(S8)+180°=337.5°であり、フィルタ後強度は、In_16=In_8の関係にある。
図12に極座標に変換した表示の具体例を示す。図12は、図11に示すフィルタ後強度とフィルタ角度との関係を極座標に変換し、その結果を表示したグラフである。
図12に示すように、極座標に変換することにより、強度分布が双極形となる。破線で示す楕円は、双極形となる強度分布に対する等価楕円である。
[ステップS104]
法線方向算出回路303は、極座標に変換されたフィルタ後強度の2次モーメントから等価楕円の主軸方向の角度を、輪郭線に対する法線方向の角度として算出する。
法線方向算出回路303は、極座標に変換されたフィルタ後強度の2次モーメントから等価楕円の主軸方向の角度を、輪郭線に対する法線方向の角度として算出する。
より具体的には、法線方向算出回路303は、式(3)の演算を行い、X方向の2次モーメントM20、すなわち、Xの分散を算出する。
法線方向算出回路303は、式(4)の演算を行い、Y方向の2次モーメントM02、すなわち、Yの分散を算出する。
法線方向算出回路303は、式(5)の演算を行い、XY交差モーメントM11、すなわち、XYの共分散を算出する。
次に、法線方向算出回路303は、式(6)の演算を行い、主軸方向、すなわち法線方向の角度θを算出する。
ここで、modは、剰余演算の関数を示す。mod(a,b)とする場合、答えは、aをbで割った余りである。a及びbが整数でない場合の一般式は、mod(a,b)=a-floor(a/b)×bと表される。ここで、floor(c)はcより小さく最も近い整数を表し、ここでの「×」は乗算を、「/」は除算を表す。atan2は、アークタンジェントの関数を示す。atan2の関数の答えは、弧度法で-πからπの範囲で示される。なお、式(6)におけるatan2の括弧内の引数の順序は、C、C++、またFortran等のプログラム言語に対応する。piは、円周率πを示す。式(6)で得られる値を、度数法(°)に変換すると、図12の例では、法線角度θ≒88°となる。
[ステップS105]
1次元プロファイル算出回路304は、輪郭点候補画素の中心を原点とした法線方向の1次元プロファイルを算出する。より具体的には、まず、1次元プロファイル算出回路304は、輪郭点候補画素の中心を原点として、法線方向に1画素間隔でサンプリング点を抽出する。
1次元プロファイル算出回路304は、輪郭点候補画素の中心を原点とした法線方向の1次元プロファイルを算出する。より具体的には、まず、1次元プロファイル算出回路304は、輪郭点候補画素の中心を原点として、法線方向に1画素間隔でサンプリング点を抽出する。
図13に、サンプリング点の抽出の具体例を示す。図13は、サンプリング点の抽出の具体例を示す図である。図13の例では、輪郭点候補画素を中心とした5×5画素が示されている。
図13に示すように、1次元プロファイル算出回路304は、輪郭点候補画素の中心を原点(0)とした法線方向を1次元の座標とする。そして、1次元プロファイル算出回路304は、+方向及び-方向に、1画素間隔で複数のサンプリング点を抽出する。1画素の間隔をL1とすると、2つのサンプリング点の間の距離は。L1である。図13の例では、原点から紙面右側を+方向として、座標(1)、(2)、及び(3)のサンプリング点が抽出されている。同様に、紙面左側を-方向として、座標(-1)、(-2)、及び(-3)のサンプリング点が抽出されている。なお、サンプリング点の点数は、後述の処理を考慮して、輪郭点候補画素を含めて11点以上抽出されると好適である。
次に、1次元プロファイル算出回路304は、各サンプリング点において階調値(輝度値)を算出し、法線方向の1次元プロファイルを作成する。より具体的には、サンプリング点の位置は、1画素を複数のサブ画素に分割したサブ画素単位で設定される。例えば、1次元プロファイル算出回路304は、周辺の4×4画素(16画素)を用いたバイキュービック補間法などを用いて、サンプリング点における階調値を算出する。
図14に、サンプリング点における階調値の具体例を示す。図14は、サンプリング点における階調値の具体例を示すグラフである。
図14の例では、輪郭点候補画素のサンプリング点を座標(0)として、(-5)~(5)までの11点のサンプリング点が抽出されている。座標(-1)のサンプリング点の階調値が最も高く、座標(4)のサンプリング点の階調値が最も低い。
[ステップS106]
エッジフィルタ処理回路305は、サンプリング点の階調値のエッジフィルタ処理を実行する。
エッジフィルタ処理回路305は、サンプリング点の階調値のエッジフィルタ処理を実行する。
図15に、エッジフィルタ処理の具体例を示す。図15は、図14に示す1次元プロファイルのエッジフィルタ処理後のフィルタ後強度の具体例を示すグラフである。
図15の例は、エッジフィルタ処理として、1×5の1次元フィルタ(-1,0,2,0,1)を用いて畳み込み演算を実施した結果を示している。
[ステップS107]
輪郭点座標算出回路306は、エッジフィルタ処理後のフィルタ後強度の補間処理を実行して、輪郭点の座標を算出する。より具体的には、まず、各サンプリング点のフィルタ後強度の補間処理を実行する。例えば、補間処理としてスプライン補間が用いられる。輪郭点座標算出回路306は、補間処理の結果からフィルタ後強度が最大値となる座標を輪郭点の座標として算出する。
輪郭点座標算出回路306は、エッジフィルタ処理後のフィルタ後強度の補間処理を実行して、輪郭点の座標を算出する。より具体的には、まず、各サンプリング点のフィルタ後強度の補間処理を実行する。例えば、補間処理としてスプライン補間が用いられる。輪郭点座標算出回路306は、補間処理の結果からフィルタ後強度が最大値となる座標を輪郭点の座標として算出する。
図16に、スプライン補間の具体例を示す。図16は、図15に示すフィルタ後強度にスプライン補間を適用した具体例を示すグラフである。
図16に示すように、例えば、輪郭点座標算出回路306は、スプライン補間後にフィルタ後強度が最大となる座標を(A)とする。そして、原点(0)から座標(A)までの距離をL2とする。図16の例では、-方向に距離L2の位置にある座標(A)において、フィルタ後強度が最大値をとる。
輪郭点座標算出回路306は、法線方向における距離L2の座標(A)を極座標(L2,θ)からXY座標に変換して、輪郭点の座標を算出する。
図17に、輪郭点の座標の具体例を示す。図17は、図16に示すスプライン補間によるフィルタ後強度の最大値を輪郭点とした具体例を示す図である。図17の例では、輪郭点候補画素を中心とした5×5画素が示されている。
図17に示すように、-方向の法線方向において距離L2となる位置に輪郭点が算出される。
[ステップS108]
孤立輪郭点除去回路307は、孤立輪郭点を除去する。
孤立輪郭点除去回路307は、孤立輪郭点を除去する。
図18に、孤立輪郭点の具体例を示す。図18は、孤立輪郭点の具体例を示す図である。図18の例では、孤立輪郭点を中心とした5×5画素が示されている。
図18に示すように、例えば、孤立輪郭点除去回路307は、孤立輪郭点の確認対象となる輪郭点CP1に対して、周辺3×3画素を対象画素とする。そして、孤立輪郭点除去回路307は、対象画素に含まれる輪郭点の個数と、予め設定された閾値とを比較する。例えば、閾値を2とする。図18の例では、対象画素内の輪郭点は1つであり、閾値よりも低い。このため、孤立輪郭点除去回路307は、輪郭点CP1を孤立輪郭点として除去する。
[ステップS109]
近接輪郭点除去回路308は、近接輪郭点を除去する。近接輪郭点除去回路308は、対象の輪郭点と隣り合う輪郭点間の距離が、予め設定された閾値未満である場合、対象の輪郭点を近接輪郭点として除去する。
近接輪郭点除去回路308は、近接輪郭点を除去する。近接輪郭点除去回路308は、対象の輪郭点と隣り合う輪郭点間の距離が、予め設定された閾値未満である場合、対象の輪郭点を近接輪郭点として除去する。
図19に、近接輪郭点の具体例を示す。図19は、近接輪郭点の具体例を示す図である。図19の例では、近接輪郭点を中心とした5×5画素が示されている。
図19に示すように、例えば、近接輪郭点除去回路308は、近接輪郭点の確認対象となる輪郭点CPn(nは任意の整数)に対して、隣り合う輪郭点CPn-1及びCPn+1との距離を算出する。図19の例では、輪郭点CPnと輪郭点CPn+1との距離Lcpが、閾値未満であるため、輪郭点CPnは除去される。
輪郭抽出回路214は、残った輪郭点を含む画素を輪郭画素とする。そして、輪郭抽出回路214は、輪郭画素の輪郭点から、輪郭線を生成する。
6.本実施形態に係る効果
検査装置において、撮影画像からパターンの輪郭線及び輪郭点を抽出する際、例えば、電子線の走査方向あるいはパターン形状の影響等により、画像プロファイルに非対称性が生じる場合がある。このような場合、2次元方向フィルタ処理後のフィルタ後強度に、フィルタ角度依存性が生じる。例えば、真円のホール画像からフィルタ後強度を算出した場合、理想的にはフィルタ角度によらずフィルタ後強度は一定となる。しかし、画像プロファイルに非対称性があると、フィルタ角度によりフィルタ後強度にばらつきが生じる。強度閾値がフィルタ角度によらず一定である場合、フィルタ後強度の感度が低いフィルタ角度に合わせて強度閾値を設定する必要が生じる。このため、強度閾値が比較的低い値に設定され、輪郭点候補画素が誤抽出される可能性が高くなる。すなわち、擬似輪郭が生成される可能が高くなる。また、フィルタ後強度値が最大となるフィルタ角度を法線方向の角度とする方法は、法線方向の角度分解能が低い。更に、画像プロファイルの非対称性により、誤ったフィルタ角度が法線方向の角度として算出される可能性が高くなる。
検査装置において、撮影画像からパターンの輪郭線及び輪郭点を抽出する際、例えば、電子線の走査方向あるいはパターン形状の影響等により、画像プロファイルに非対称性が生じる場合がある。このような場合、2次元方向フィルタ処理後のフィルタ後強度に、フィルタ角度依存性が生じる。例えば、真円のホール画像からフィルタ後強度を算出した場合、理想的にはフィルタ角度によらずフィルタ後強度は一定となる。しかし、画像プロファイルに非対称性があると、フィルタ角度によりフィルタ後強度にばらつきが生じる。強度閾値がフィルタ角度によらず一定である場合、フィルタ後強度の感度が低いフィルタ角度に合わせて強度閾値を設定する必要が生じる。このため、強度閾値が比較的低い値に設定され、輪郭点候補画素が誤抽出される可能性が高くなる。すなわち、擬似輪郭が生成される可能が高くなる。また、フィルタ後強度値が最大となるフィルタ角度を法線方向の角度とする方法は、法線方向の角度分解能が低い。更に、画像プロファイルの非対称性により、誤ったフィルタ角度が法線方向の角度として算出される可能性が高くなる。
これに対し、本実施形態に係る構成であれば、検査装置は、フィルタ角度毎に異なる強度閾値を設定できる。これにより、画像プロファイルに非対称性があっても、輪郭点候補画素の抽出ミスを抑制できる。更に、検査装置は、フィルタ後強度とフィルタ角度との関係を極座標に変換した結果に基づいて、等価楕円の主軸方向の角度を法線方向の角度として算出することができる。これにより、法線方向の角度分解能を向上でき、法線方向の角度の算出ミスを抑制できる。よって、検査画像の輪郭線の抽出精度が向上できる。
7.変形例等
上述の実施形態では、検査装置において検査画像を生成する場合について説明したが、検査画像の生成方法は、検査装置に限定されない。画像データに基づいて検査画像を生成する装置、例えば、測定装置等、他の装置に適用されてもよい。
上述の実施形態では、検査装置において検査画像を生成する場合について説明したが、検査画像の生成方法は、検査装置に限定されない。画像データに基づいて検査画像を生成する装置、例えば、測定装置等、他の装置に適用されてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…検査装置、10…撮像機構、11…試料室、12…鏡筒、13…ステージ、14…ステージ駆動機構、15…検出器、16…電子銃、17…電子光学系、20…制御機構、21…制御回路、22…記憶装置、23…表示装置、24…入力装置、25…通信装置、30…試料、101…集束レンズ、103…走査コイル、105…対物レンズ、211…展開回路、212…参照画像生成回路、213…画像取得回路、214…輪郭抽出回路、215…比較回路、221…設計データ、222…パラメータ情報、223…検査データ、224…強度閾値データ、225…欠陥検査プログラム、301…ノイズフィルタ処理回路、302…2次元方向フィルタ処理回路、303…法線方向算出回路、304…1次元プロファイル算出回路、305…エッジフィルタ処理回路、306…輪郭点座標算出回路、307…孤立輪郭点除去回路、308…近接輪郭点除去回路
Claims (10)
- 試料の画像を撮像する撮像機構と、
前記画像の画素毎に、異なるフィルタ角度に対応する複数の2次元方向フィルタを用いてフィルタ処理を実行する2次元方向フィルタ処理回路と、
前記フィルタ処理によって算出された前記フィルタ角度毎の強度のうち少なくとも1つが前記フィルタ角度毎に設定された閾値よりも大きい画素を輪郭点候補画素として抽出する輪郭抽出回路と、
前記輪郭点候補画素において、前記フィルタ角度毎の前記強度を極座標に変換し、前記極座標に変換した結果に基づいて、第1方向の角度を算出する法線方向算出回路と、
前記第1方向の1次元プロファイルに基づいて、前記輪郭点候補画素における輪郭点の座標を算出する輪郭点座標算出回路と、
参照画像を生成する参照画像生成回路と、
前記輪郭点に基づく検査画像と前記参照画像とを比較する比較回路と
を備える、検査装置。 - 前記法線方向算出回路は、前記極座標の等価楕円の主軸方向の角度を、前記第1方向の前記角度として算出する、
請求項1に記載の検査装置。 - 前記検査装置は、前記輪郭点候補画素の中心位置を原点として、前記第1方向に沿って、前記画素のサイズ間隔で複数のサンプリング点を設定し、前記サンプリング点毎に画素値を算出する1次元プロファイル算出回路を更に備える、
請求項1に記載の検査装置。 - 前記輪郭点座標算出回路は、前記1次元プロファイルのエッジフィルタ処理を実行した後、前記エッジフィルタ処理によって算出された値のスプライン補間を実行する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の検査装置。 - 前記輪郭点座標算出回路は、前記スプライン補間の結果、最大値となる位置を、前記輪郭点の前記座標とする、
請求項4に記載の検査装置。 - 試料を撮像した画像の画素毎に、異なるフィルタ角度に対応する複数の2次元方向フィルタを用いてフィルタ処理を実行する工程と、
前記フィルタ処理によって算出された前記フィルタ角度毎の強度のうち少なくとも1つが前記フィルタ角度毎に設定された閾値よりも大きい画素を輪郭点候補画素として抽出する工程と、
前記輪郭点候補画素において、前記フィルタ角度毎の前記強度を極座標に変換する工程と、
前記極座標に変換した結果に基づいて、第1方向の角度を算出する工程と、
前記第1方向の1次元プロファイルに基づいて、前記輪郭点候補画素における輪郭点の座標を算出する工程と
を備える、検査画像の生成方法。 - 前記第1方向の前記角度を算出する工程において、前記極座標の等価楕円の主軸方向の角度が、前記第1方向の前記角度として算出される、
請求項6に記載の検査画像の生成方法。 - 前記1次元プロファイルを算出する工程において、前記輪郭点候補画素の中心位置を原点として、前記第1方向に沿って、前記画素のサイズ間隔で複数のサンプリング点が設定され、前記サンプリング点毎に画素値が算出される、
請求項6に記載の検査画像の生成方法。 - 前記1次元プロファイルのエッジフィルタ処理を実行する工程と、
前記エッジフィルタ処理によって算出された値のスプライン補間を実行する工程と
を更に備える、請求項6に記載の検査画像の生成方法。 - 前記輪郭点の前記座標を算出する工程において、前記スプライン補間の結果、最大値となる位置が、前記輪郭点の前記座標として算出される、
請求項9に記載の検査画像の生成方法。
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