JP2024013418A - 排水装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】槽体と排水配管を有する排水装置において、排水配管内の空気が、排水口からの排水の流れを妨害することが無く、排水を支障なく排出することができる排水装置を提供する。【解決手段】排水装置を、槽体と、前記槽体に設けた排水口と、前記排水口からの排水を下水側に排出する排水配管と、前記排水配管に連通し、前記排水配管内の空気を排気する排気部と、を有し、前記排気部は、空気のみを通気する撥水体を有するように構成する。また、前記槽体は、前記排水口よりも高い位置に形成された第二の排水口を更に備え、前記第二の排水口からの排水を排水配管に排出する第二の排水配管を備えて構成する。【選択図】図15

Description

本発明は、排水装置に関するものである。
洗面台の洗面ボウルや流し台のシンクなど、使用により排水を生じる排水装置には排水を溜める槽体が備えられている。
これら槽体の底面には槽体内の排水を排出するための排水口が備えられ、更に排水口から下水側に排水を排出するため、排水口から連通する排水配管が設けられている。
通常、排水配管は槽体と樹脂製等の管体を利用している。
また、槽体の排水配管は下水側の配管に接続されているため、下水側の臭気を含んだ空気や害虫類が屋内側に侵入しないように、排水配管に排水トラップが接続されている。
特許文献1に記載の発明は、洗面台の洗面ボウルに備えられた、排水装置を構成する排水配管に関するものであって、以下に記載する洗面ボウルと、排水口本体、継手部材、オーバーフロー配管、トラップ部材等の配管部材から構成される。
洗面ボウルは、上方が開口した箱体形状で、底面に取付孔、側面にオーバーフロー取付孔を開口している。
排水口本体は、取付孔に取り付けられる円筒形状の部材であって、その内部に排水口を形成すると共に、上端の外側面に周縁に沿って突出したフランジ部を、フランジ部下方の側面にはオーバーフロー配管からの排水が排水口本体内に流入するための横穴流入口を、それぞれ設けている。
継手部材は、上端に排水口本体が、下端にトラップ部材が、それぞれ接続される円筒形状の部材であって、洗面ボウルの取付孔周縁及び後述するアダプター部を排水口本体のフランジ部と継手部材の上端とで挟持することで、洗面ボウルに接続固定される。
オーバーフロー配管は、オーバーフロー取付孔に取り付けられオーバーフロー排水口を形成するエルボ管と、排水口本体の横穴流入口の周囲を覆うように取り付けられるアダプター部と、エルボ管とアダプター部とを接続するホース管と、から構成され、オーバーフロー排水口からの排水は、ホース管を介してアダプター部内に流入し、更に横穴流入口から排水口本体内に流入する。尚、エルボ管とホース管、ホース管とアダプター部は予め工場などで接着もしくは水密に接続されて施工現場に持ち込まれる。
トラップ部材は、略S字形状に屈曲させた管体を90度回転させた形状の配管部材であって、トラップ部材内を排水が通過すると、排水の一部がトラップ部材の屈曲部分に溜まり、トラップ部材内の流路上に満水状態の部分、すなわち水封状態の部分を形成する。下流側から臭気を含む空気や害虫類が上流側に通過しようとしても、この水封部分を臭気を含む空気や害虫類が通過できないため、上流側に臭気を含む空気や害虫類が侵入することが防止される。この上流側への臭気を含む空気や害虫類への逆流を防止する機能をトラップ機能と呼ぶ。また、排水の流路上に溜まって、流路を満水状態にすることで流路を水封しトラップ機能を生じさせる溜まり水を封水と呼ぶ。
上記した特許文献1に記載の略S字形状に屈曲させた管体によるトラップ部材は、封水によってトラップ機能を生じる封水式排水トラップである。
上記構成の排水装置である洗面台には、以下のように排水配管が施工される。
まず、洗面ボウルの取付孔に上方から排水口本体を挿通し、取付孔の周縁に排水口本体のフランジ部を係止させる。
次に、洗面ボウルのオーバーフロー取付孔にオーバーフロー配管のエルボ管を取り付ける。
次に、アダプター部を排水口本体の下方から挿通し、排水口本体の外周であって、横穴流入口の位置に配置する。
次に、継手部材を排水口本体の下端に接続し、排水口本体のフランジ部と継手部材の上端とで、取付孔周縁とアダプター部を挟持するようにして接続固定する。
更に、トラップ部材の上流側端部を継手部材の下端に、下流側端部を床下配管等下水側に繋がる配管に、それぞれ接続して、特許文献1に記載の排水配管の施工が完了する。
上記特許文献1に記載の洗面台において、洗面ボウル内に湯水が生じると、以下のようにして湯水は排水として処理される。
洗面ボウル内に湯水が発生した場合、湯水は、排水として洗面ボウルの底面に設けられた排水口から、排水口本体、継手部材、トラップ部材の順に通過し、最終的に下水側に排出される。
また、栓蓋等によって排水口を閉口し、洗面ボウル内に湯水を溜めた場合、オーバーフロー排水口の下端位置まで湯水が溜まると、湯水は排水としてオーバーフロー排水口からエルボ管、ホース管、アダプター部の順に流れ、更に排水口本体の横穴流入口から排水口本体内部に流入して、排水口本体、継手部材、トラップ部材の順に通過し、最終的に下水側に排出される。
また、特許文献2に記載された排水装置である洗面台の排水配管のように、特許文献1に記載した排水配管から、オーバーフロー排水口及びオーバーフロー配管を省略したような排水配管がある。オーバーフロー配管を採用しない理由は様々で、槽体内に湯水を溜めることが無いためオーバーフロー配管が不要な場合、槽体の意匠性や清掃性の向上を目的としてオーバーフロー排水口を無くした場合、槽体の素材や製造過程においてオーバーフロー取付孔を設けることができず、オーバーフロー配管を施工することが不可能な場合などがある。
特開2013-245488号 特開2019-203271号 特開2002- 38560号
前記したように、排水装置においては、封水を利用した封水式排水トラップが取り付けられている場合が多い。封水は、臭気を含む空気が下流側から上流側へ通過することを防止するが、同様に空気が上流側から下流側へ通過することも防止する。このため、排水時に排水装置の排水配管内の空気を封水式排水トラップの上流側で処理する必要が生じる。
特許文献1に記載の排水装置である洗面台の排水配管では、洗面ボウルの底面に設けられた排水口から排水を行う場合に、排水配管内にあった空気は、横穴流入口からオーバーフロー配管を介しオーバーフロー排水口より排気される。洗面ボウルの底面の排水口を介することなく、排水配管内の空気が排気されるため、排水は支障なく行われる。
しかし、オーバーフロー配管を備えない排水装置の場合、排水配管内にあった空気は、オーバーフロー配管を介して排水配管外に排気することはできない。
このため、オーバーフロー配管を備えない排水装置の場合、排水配管内の空気は、排水口から下方に向かう排水の流れに逆流する気泡として排水の流れを妨害しながら槽体内に抜けるか、又は排水の流れに対し、完全に下流に流れきることも、排水口から浮き上がることも無く、流路内に気泡としてとどまり続けるか、のいずれかになる場合が多く、いずれの場合でも空気層や気泡が排水の流れを妨げるため、排水には支障を生じる。
また、オーバーフロー配管を備えた排水装置においても、オーバーフロー排水口から排水を行う場合、オーバーフロー配管内の空気をオーバーフロー排水口から排気せざるを得ず、この排気による空気の流れは、オーバーフロー排水口から下流に流れようとする排水の流れを妨げるため、排水には支障を生じる。
上記問題を解決するため、特許文献2に記載の発明においては、オーバーフロー配管を備えない排水装置の排水配管において、一端を排水口本体内部に、他端を槽体内に、それぞれ配置した通気管を排水口本体内から槽体内に配置することで、排水口から封水までの空気を排水口の外部に排気し、排水の流れが妨害されない排水配管としている。
しかしながら、特許文献2に記載の発明においても、次のような問題点があった。
・槽体内側の通気管の端部の位置が低いと、槽体内に湯水が溜まった時に、槽体内側の通気管の端部も湯水で覆われてしまい、通気ができなくなる。
・意匠性の向上を目的としてオーバーフロー配管を省略した場合、通気管が配置されたことで意匠性が悪化するため、オーバーフロー配管を省略した意味がなくなる。
・排水口に通気管を配置したことで、栓蓋等で排水口を閉口したい場合でも通気管が邪魔となり排水口を閉塞できなくなる。
他の方法として、特許文献3に記載した発明のように、オーバーフロー配管を備えない排水装置である浴槽の排水配管において、水平方向に延出した排水配管の屈曲部分から空気を排気する通気管を分岐させ、浴槽の外側且つ浴槽の上縁近傍で解放する構造も提案されているが、通常、排水配管と通気管との分岐部分に排水が流れるのは、浴槽に浴湯を溜めた状態から浴槽の排水口を開口した場合であり、浴槽の排水口の開口時には、排水配管を介して浴槽に連通している通気管内には少なくとも浴槽内に溜められた浴湯と同じ高さまで排水が上昇する。実際には、浴槽からの排水の強い勢いを受けて、浴槽内の浴湯の高さを超えた高さまで到達し、場合によっては通気管から浴槽の外側に排水が流出し、浴槽の外側を汚してしまう場合がある。
本発明は上記事情に鑑み発明されたものであって、排水装置において、排水装置の排水配管内の空気が、排水口からの排水の流れを妨害することが無く、排水を支障なく排出することができる排水装置を提供するものである。
第一の発明は、排水装置において、槽体と、前記槽体に設けた排水口と、前記排水口からの排水を下水側に排出する排水配管と、前記排水配管に連通し、前記排水配管内の空気を排気する排気部と、を有し、前記排気部は、空気のみを通気する撥水体を有することを特徴とする。
第二の発明は、前記排水装置において、前記槽体は、前記排水口よりも高い位置に形成された第二の排水口を更に備え、前記第二の排水口からの排水を排水配管に排出する第二の排水配管を備えたことを特徴とする。
第三の発明は、前記排水装置において、前記排水配管内の排水流路を閉塞する開閉弁を備え、前記排水配管の前記開閉弁の上流から分岐し、前記槽体の底面よりも高く、前記槽体の上縁よりも低い任意の高さまで延出する上昇部、前記上昇部から折り返して下方に向かう折り返し部、前記折り返し部から下方に向かい前記第一の排水配管の前記開閉弁の下流側に合流する降下部、を有するバイパス配管を備えたことを特徴とする。
第四の発明は、前記排水装置において、前記排水配管に封水式排水トラップを備えると共に、前記封水式排水トラップよりも上流側の前記排水配管に連通するように、前記排気部を備えたことを特徴とする。
第五の発明は、前記排水装置において、前記撥水体を、前記排水口と同じか、前記排水口より高い位置に備えたことを特徴とする。
本発明によれば、排水装置において、排水装置の排水配管内の空気は、排水口を介することなく、排気部を利用して排水の存在しない排水配管外に排出されるため、排水配管内から空気が速やかに消失し、且つその際に排水口からの排水の流れが妨害されることも無く、排水は常に支障なく排水配管より排出される。また、排気部に撥水体を配置したことで、撥水体を超えて排水が通過し、排水配管外に排水が流出することも無い。
第一実施例の排気部を示す断面図である。 図1の部材構成を示す断面図である。 撥水体の平面図である。 第一実施例の排気部の、防水状態を示す断面図である。 第二実施例及び第三実施例の排気部を示す断面図である。 図6の部材構成を示す断面図である。 第一実施例の洗面台を示す断面図である。 図7の洗面ボウルとキャビネット部を示す参考図である。 第一実施例の排水配管の主要部材の部材構成を示す断面図である。 第一実施例の洗面台の要部を示す断面図である。 第一実施例の洗面台の、作動状態を示す断面図である。 第二実施例の洗面台を示す断面図である。 図12の洗面ボウルとキャビネット部を示す参考図である。 第二実施例の排水配管の主要部材の部材構成を示す断面図である。 第二実施例の洗面台の、排水口が開口した状態での作動状態を示す断面図である。 第二実施例の洗面台の、排水口が閉口した状態での作動状態を示す断面図である。 第三実施例の洗面台を示す断面図である。 第三実施例の排水配管の主要部材の部材構成を示す断面図である。 第三実施例の洗面台の、通水口が開口した状態での作動状態を示す断面図である。 第三実施例の洗面台の、通水口が閉口した状態での作動状態を示す断面図である。
最初に、撥水体6を利用した排気部5について説明する。
排気部5は、以下に記載する排気配管5aと、撥水体6と、キャップ体5cと、から構成される。
排気配管5aは、排水配管に接続される管体であって、接続される排水配管のレイアウトに合わせて図1、図2に示したように略L字形状に屈曲させた管体や、図5、図6に示したように直線状の管体が採用される。排気配管5aの一端は排水配管に配管接続され、他端には撥水体6が配置される。
撥水体6は、図3に示したように小孔6aを複数規則的に設けた円形の板状体を成す金属板であって、その表面及び小孔6aに排水を弾くための撥水加工が施されている。
キャップ体5cは、略円筒形状を成し、円筒形状の一端に内向きの鍔部を備えた部材であって、撥水体6が配置された排気配管5aの端部に取り付けられ、鍔部によって撥水体6を排気配管5aの端部に固定することで、撥水体6の小孔6aから通気が行われることを可能な状態としつつ、排気配管5aの端部から撥水体6が脱落等することを防止する。
上記した排気部5は、排気配管5aの一端に撥水体6を配置し、更にキャップ体5cを撥水体6が小孔6aから通気可能且つ排気配管5aから脱落しないように取り付けて図1や図5に示したような状態に組み立てが完了する。
また、排気部5は施工現場に組み立てた状態にて搬入される。
上記のように構成した排気部5を排水装置の排水配管に接続し、排水配管に排気部5を連通させると、撥水体6の小孔6aを介して、排水配管内の空気を排水配管外に排気することができる。例えば排気部5が接続された排水配管において、排水口1aから排水が行われた際に、排水配管内の空気を、排水口1aを介さず、排気部5の撥水体6の小孔6aを介して槽体や排水配管等、排水装置の外部に排気でき、排水口1aからの排水の流れが気泡などによって妨害されることが無い。
また、排水が排水配管から排気部5の方向に流出した場合、撥水体6や小孔6aの表面に撥水加工が施されていることで、図4に示したように、排水は撥水体6を通過することができない。排水が撥水体6を通過するためには、撥水体6表面から小孔6aに向かって排水が流れるか、排水が小孔6aよりも小さな水滴となって小孔6aを通過する必要があるが、撥水体6表面には撥水加工がおこなわれているため、撥水体6表面から小孔6aに向かって排水が流れることはできず、また排水は水量が十分なため、小孔6aを通過できるほど小さな水滴となることができず、全て撥水体6の撥水加工によって弾かれて排水は撥水体6を通過することができない状態となる。排水が完了すると、排気部5内の排水も排水配管側に排出され、再び排気が可能な状態となる。
上記のようにして、以下の各実施例の説明にある排気部5は作動し、排水装置の排水配管内の排水が排水配管外に流出することを防止し、排水配管内の空気のみを排水配管外に通気することができる。
以下に、本発明の第一実施例について、図面を参照しつつ説明する。
図7乃至図11に示した、本発明の第一実施例の排水装置は、槽体としての洗面ボウルBと、洗面ボウルBに接続された排水配管とから構成される洗面台Sである。
排水装置である洗面台Sは、以下に記載する、洗面ボウルB、キャビネットC、排水口本体1、継手部材2、トラップ部材3、排気部5等の部材より構成される。
洗面ボウルBは上方が開口した略すり鉢形状のボウル部分B1と、ボウル部分B1の上端から下方に垂下したボウル側壁部分B2とから構成され、ボウル部分B1の下端部分に排水口本体1を取り付けるための取付孔Hを備えている。
キャビネットCは、前記洗面ボウルBを載置する箱体であって、前面部分は開閉可能な扉を、また上面部分の中央には開口部分を、それぞれ備えている。
上記のような構成のキャビネットCは、その上面部分にボウル側壁部分B2の下端を載置すると共に、上面中央の開口部分からボウル部分B1下端をキャビネットC内部に挿通し、キャビネットC内にて排水配管が施工される。尚、以下の実施例においては、キャビネットCの上面に洗面ボウルBが載置固定された状態で施工現場に搬入され、施工現場の適正な位置に配置固定されたものとする。
排水口本体1は略円筒形状を成す部材であって、上端の開口部分に排水口1aを、排水口1aから連続する円筒の内部には排水の流路を、それぞれ形成している。また、上端部分外周側には、側面方向に突出するフランジ部1bを設けていると共に、フランジ部1bより下方の側面部分には雄ネジが形成されている。
また、排水口本体1は、排水口本体1の雄ネジと螺合する雌ネジを設けた板ナット部材1cを備えている。
継手部材2は直管形状の直管部2aと、直管部2aの側面に分岐部分としての枝管部2bを備えた配管部材であって、直管部2aの上端は排水口本体1の下端に、直管部2aの下端はトラップ部材3に、それぞれ水密的に接続される。また、枝管部2bの端部には排気部5に接続される接続部4を備えている。
トラップ部材3は、略S字形状に屈曲させた管体を90度回転させた形状の配管部材であって、トラップ部材3内を排水が通過すると、排水の一部がトラップ部材3の屈曲部分に溜まり、トラップ部材3内の流路上に満水状態の部分、すなわち水封状態の部分を形成する。
下流側から臭気を含む空気や害虫類が上流側に通過しようとしても、この水封状態の部分を、臭気を含む空気や害虫類は通過できないため、上流側に臭気を含む空気や害虫類が侵入することが防止される。この上流側への臭気を含む空気や害虫類への逆流を防止する機能をトラップ機能、排水の流路上に溜まって流路を満水状態にすることで流路を水封しトラップ機能を生じさせる溜まり水を封水、トラップ部材3の封水を形成する部分を封水部3aと呼ぶ。
本実施例の略S字形状に屈曲させた管体によるトラップ部材3は、封水によってトラップ機能を生じる封水式排水トラップである。
排気部5は、段落0019に記載したように、排気配管5aと、撥水体6と、キャップ体5cと、から構成される。本実施例の排気配管5aは、図1、図2に示した略L字形状に屈曲させた管体からなり、撥水体6を備えない端部には継手部材2の接続部4に接続される被接続部5bが設けられている。
上記のように構成された各部材は、以下のようにして洗面台Sの洗面ボウルBに施工される。
尚、各部材の接続箇所においては、特に明記しない場合でも、必要に応じて適宜パッキンや接着などの方法によって水密的な接続が行われている。
まず、洗面ボウルBの取付孔Hに排水口本体1を挿通し、フランジ部1bの下面に取付孔Hの周縁を当接させる。
次に、板ナット部材1cを排水口本体1の雄ネジに螺合させ、フランジ部1bの下面と板ナット部材1c上面とで取付孔Hの周縁を挟持するようにして排水口本体1を洗面ボウルBに接続固定する。
次に、排水口本体1の下端に継手部材2の直管部2aの上端を接続し、継手部材2の直管部2aの下端にはトラップ部材3を接続する。また、トラップ部材3の下端は下水側の配管に接続されている床下配管に接続する。
更に、継手部材2の枝管部2b端部の接続部4に排気部5を接続して、排水装置である洗面台Sの排水配管に排気部5を連通させる。
以上のようにして、本実施例の、排水装置である洗面台Sの排水配管の施工が完了する。
以下に、第一実施例の排水装置である洗面台Sの排水配管の動作について説明する。尚、本実施例の動作の説明においては、事前に洗面台Sを使用し、封水部3a内に封水が形成されているものとする。また、図7及び図10等より明らかなように、排水口1aから封水の上流側水面Wまでは、排水配管は上下方向に直線状に配管されている。
上記第一実施例の洗面台Sにおいて、洗面台Sの使用により洗面ボウルB内に湯水が生じると、以下のようにして湯水は排水として処理される。
槽体である洗面ボウルB内に湯水が発生した場合、湯水は排水として洗面ボウルBの底面に設けられた排水口1aから、排水配管である排水口本体1、継手部材2、トラップ部材3の順に通過し、最終的に下水側に排出される。
また、洗面台Sを使用し、排水が行われる際、排水口1aから封水までの空気が排水口1aから抜ける前に排水口1aの上方に排水が溜まる場合等、排水配管内の空気が、排水口1aからの排水の流れを妨害する場合がある。
このような場合、排水口1aから封水までの空気は、図11中の矢印で示したように、継手部材2の枝管部2bから、排水配管に連通している排気部5の排気配管5aを通過し、撥水体6の小孔6aから排水配管外且つ槽体である洗面ボウルB外に支障なく排気される。
排水口1aから封水までの空気が、排水口1aを介さず排気されたことで、洗面ボウルB内の排水は支障なく排水口1a内から排水配管内を通過して、最終的に下水側に排出される。
排水が継手部材2の枝管部2bを介して排気部5の方向に流出した場合、前述の通り、撥水体6や小孔6aの表面に撥水加工が施されていることで、排水は撥水体6を通過することができず、槽体である洗面ボウルBや排水配管、即ち排水装置である洗面台Sの外に排水が漏れることは無い。
以上のように、本実施例の排気部5は、小孔6aを設けた円形の板状体に撥水加工を施した撥水体6によって、排水装置である洗面台S外へ空気のみ通過を許容し、排水の通過を防止する機能を有している。
以下に、本発明の第二実施例について、図面を参照しつつ説明する。
図12乃至図16に示した、本発明の第二実施例の排水装置は、槽体としての洗面ボウルBと、洗面ボウルBに接続された排水配管とから構成される洗面台Sである。
排水装置である洗面台Sは、以下に記載する、洗面ボウルB、キャビネットC、排水口本体1、第二の排水口本体7、継手部材2、第二の排水配管8、トラップ部材3、栓蓋9、排気部5等の部材より構成される。
内、トラップ部材3は、第一実施例の同名の部材と同一の構成のため説明を省略する。
洗面台Sは、以下に記載する洗面ボウルBとキャビネットCとから構成される。
洗面ボウルBは上方が開口した略箱形状の部材であって、その底面に設けられた、排水口本体1を取り付けるための取付孔Hと、洗面ボウルBの側面であって、上縁の近傍に設けられた、第二の排水口本体7を取り付けるための第二の取付孔H2を備えている。
キャビネットCは、前記洗面ボウルBを載置する箱体であって、前面部分は開閉可能な扉を、また上面部分の中央には開口部分を、それぞれ備えている。
上記のような構成のキャビネットC内部にて排水配管が施工される。尚、以下の実施例においては、キャビネットCの上面に洗面ボウルBが載置固定された状態で施工現場に搬入され、施工現場の適正な位置に配置固定される。
排水口本体1は、略円筒形状を成す部材であって、上端の開口部分に排水口1aを形成している。また、上端部分外周側には、側面方向に突出するフランジ部1bを設けていると共に、フランジ部1bより下方の側面部分には上方から順に排水口本体1の内外を貫通する横穴流入口1dと、その下方に雄ネジが形成されている。
また、排水口本体1は、排水口本体1の雄ネジと螺合する雌ネジを設けた板ナット部材1cを備えている。
第二の排水口本体7は、略円筒形状を成す部材であって、一方の端部の開口部分に第二の排水口7aを形成している。また、一方の端部の外周側には、側面方向に突出するフランジ部1bを設けていると共に、側面部分の全体に雄ネジが形成されている。
第二の排水口本体7は、施工時には円筒形状の中心軸が水平となるように配置して施工する。
継手部材2は直管形状の直管部2aからなる配管部材であって、直管部2aの上端は排水口本体1の下端に、直管部2aの下端はトラップ部材3に、それぞれ水密的に接続される。
第二の排水配管8は管体をL字形状に屈曲させたエルボ管8aと、排水口本体1の横穴流入口1dの周囲に配置される環状のアダプター部8bと、エルボ管8aとアダプター部8bとを接続する可撓性を有したホース管8cと、から構成される。エルボ管8aの、第二の排水口本体7を接続する端部には第二の排水口本体7の雄ネジと螺合する雌ネジが設けられている。また、エルボ管8aには、排気配管5aを接続する接続部4が設けられている。
尚、以下の実施例においては、第二の排水配管8は、エルボ管8aとアダプター部8bとをホース管8cにて接続した状態で施工現場に搬入されるものとする。
栓蓋9は、弾性を備えたゴム材より構成される部材であって、必要に応じ排水口1aに取り付けられて排水口1aを閉口する。
排気部5は、段落0019に記載したように、排気配管5aと、撥水体6と、キャップ体5cと、から構成される。本実施例の排気配管5aは、図5、図6に示した直線状の管体からなり、撥水体6を備えない端部にはエルボ管8aの接続部4に接続される被接続部5bが設けられている。
上記のように構成された各部材は、以下のようにして洗面台Sの洗面ボウルBに施工される。
尚、各部材の接続箇所においては、特に明記しない場合でも、必要に応じて適宜パッキンや接着などの方法によって水密的な接続が行われている。
まず、第二の排水配管8のエルボ管8aの接続部4と、排気部5の排気配管5aの被接続部5bを接続し、排水装置である洗面台Sの排水配管に排気部5を連通させる。
次に、洗面ボウルBの第二の取付孔H2に第二の排水口本体7を挿通し、第二の排水口本体7の雄ネジを、第二の排水配管8のエルボ管8aの雌ネジと螺合させる。これによって、第二の排水口本体7のフランジ部1bとエルボ管8aの端部とで第二の取付孔H2の周縁を挟持するようにして、第二の排水口本体7を洗面ボウルBに接続固定する。また、この作業によって、図12等に示したように、第二の排水口7aよりも上方となる位置に排気部5の撥水体6が配置される。
次に、洗面ボウルBの取付孔Hに排水口本体1を挿通し、排水口本体1のフランジ部1bの下面に取付孔Hの周縁を当接させる。
次に、排水口本体1の円筒形状の部分に、第二の排水配管8のアダプター部8bを挿通した上で、板ナット部材1cを排水口本体1の雄ネジに螺合させ、アダプター部8bを介してフランジ部1bの下面と板ナット部材1c上面とで取付孔Hの周縁を挟持するようにして排水口本体1を洗面ボウルBに接続固定する。
更に、排水口本体1の下端に継手部材2の直管部2aの上端を接続し、継手部材2の直管部2aの下端にはトラップ部材3を接続すると共に、トラップ部材3の下端は下水側の配管に接続されている床下配管に接続して、本実施例の、排水装置である洗面台Sの排水配管の施工が完了する。
上記のように構成された本発明の第二実施例の説明において、説明を容易にするため、排水口本体1、継手部材2、トラップ部材3からなる排水配管を以下第一の排水配管と記載する。
また、部材名の通り、第二の排水口7aからエルボ管8a、ホース管8c、アダプター部8bを経て、排水口本体1の横穴流入口1dまでの排水流路を形成する排水配管が、第二の排水配管8である。
また、図12、図15等より明らかなように、排水口1aから封水の上流側水面Wまでは、排水配管は上下方向に直線状に配管されている。
以下に、第二実施例の排水装置である洗面台Sの排水配管の動作について説明する。尚、本実施例の動作の説明においては、事前に洗面台Sを使用し、封水部3a内に封水が形成されているものとする。
本第二実施例の洗面台Sにおいて、洗面台Sの使用により洗面ボウルB内に湯水が生じると、以下の1.又は2.のようにして湯水は排水として処理される。
1.図15に示したように、排水口1aを閉塞していない状態で、槽体である洗面ボウルB内に湯水が発生した場合、湯水は排水として洗面ボウルBの底面に設けられた排水口1aから、第一の排水配管である排水口本体1、継手部材2、トラップ部材3の順に通過し、最終的に下水側に排出される。
この排水口1aからの排水の際に、排水口1aから封水までの空気が排水口1aから抜ける前に排水口1aの上方に排水が溜まる場合等、第一の排水配管内の空気が、排水口1aからの排水の流れを妨害する場合がある。
このような場合、排水口1aから封水までの空気は、図15中の矢印で示したように、排水口本体1の横穴流入口1dから、第二の排水配管8を介し、第二の排水口7a又は排水配管に連通している排気部5より排水配管外に支障なく排気される。
排水口1aから封水までの空気が、排水口1aを介さず排気されたことで、洗面ボウルB内の排水は支障なく排水口1a内から第一の排水配管内を通過して、最終的に下水側に排出される。
2.図16に示したように、排水口1aを栓蓋9で閉口した状態で洗面ボウルB内に湯水が吐水される場合、洗面ボウルB内に湯水が溜まってゆくが、湯水の水位が第二の排水口7aの位置に達すると、第二の排水口7aから湯水が排水として排出されるようになる。具体的に説明すると、第二の排水口7aから流入した排水は、第二の排水配管8内を通過し、更に排水口本体1の横穴流入口1dを通過して第一の排水配管に合流し、第一の排水配管内を通過して下水側に排出される。
また、第二の排水口7aからの排水の際、第二の排水口7aから封水までの空気が、第二の排水口7aからの排水の流れを妨害する場合がある。
このような場合、第二の排水口7aから封水までの空気は、図16中の矢印で示したように、エルボ管8aの接続部4から、排水配管に連通している排気部5の排気配管5aを通過し、撥水体6の小孔6aから排水配管外且つ槽体である洗面ボウルB外に支障なく排気される。特に本実施例では、図12等に示したように、第二の排水口7aよりも上方となる位置に排気部5の撥水体6が位置するように構成したことで、排気部5側に排水が向かわないため、排気部5の排気の為の流路が排水により閉塞される、という状態となることが起こりにくくなっている。
第二の排水口7aから封水までの空気が、第二の排水口7aを介さず排気されたことで、洗面ボウルB内の排水は支障なく第二の排水口7a内から第二の排水配管8、及び第一の排水配管内を通過して、最終的に下水側に排出される。
尚、排水が接続部4を介して排気部5の方向に流出した場合でも、前述の通り、撥水体6や小孔6aの表面に撥水加工が施されていることで、排水は撥水体6を通過することができず、槽体である洗面ボウルBや排水配管、即ち排水装置である洗面台Sの外に排水が漏れることは無い。
また、排水口1aを栓蓋9で閉口しなくとも、排水の量が多く排水口1aからの排水の処理が間に合わずに第二の排水口7aの下端位置まで排水が溜まる場合があるが、この場合でも、上記排水口1aを栓蓋9で閉口した場合と同様に、排水配管に連通している排気配管5aから排水配管内の空気が排気され、第二の排水口7aから支障なく排水が行われる。
以上のように、本実施例の排気部5は、第二の排水配管8の一部であるエルボ管8aに備えられてなり、槽体の底面よりも高い位置に設けられた第二の排水口7aから封水の上流側水面Wまでの間の排水配管内の空気を、槽体である洗面ボウルB外且つ排水配管外に排気する排気部5であって、小孔6aを設けた円形の板状体に撥水加工を施した撥水体6によって、排水装置である洗面台S外へ空気のみ通過を許容し、排水の通過を防止する機能を有している。
以下に、本発明の第三実施例について、図面を参照しつつ説明する。
図17乃至図20に示した、本発明の第三実施例の排水装置は、槽体としての洗面ボウルBと、洗面ボウルBに接続された排水配管とから構成される洗面台Sである。
排水装置である洗面台Sは、以下に記載する、洗面ボウルB、キャビネットC、排水口本体1、継手部材2、栓蓋9、T字管10、レリースワイヤ11、ワイヤ受け12、操作部13、トラップ部材3、排気部5、バイパス配管14、等の部材より構成される。
内、排水口本体1とトラップ部材3は、第一実施例の同名の部材と同一の構成のため説明を省略する。
洗面ボウルBは上方が開口した略すり鉢形状のボウル部分B1と、ボウル部分B1の上端から下方に垂下したボウル側壁部分B2とから構成され、ボウル部分B1の下端部分に排水口本体1を取り付けるための取付孔Hを備えている。
キャビネットCは、前記洗面ボウルBを載置する箱体であって、前面部分は開閉可能な扉を、また上面部分の中央には開口部分を、それぞれ備えている。
上記のような構成のキャビネットCは、その上面部分にボウル側壁部分B2の下端を載置すると共に、上面中央の開口部分からボウル部分B1下端をキャビネットC内部に挿通し、キャビネットC内にて排水配管が施工される。尚、以下の実施例においては、キャビネットCの上面に洗面ボウルBが載置固定された状態で施工現場に搬入され、施工現場の適正な位置に配置固定されたものとする。
継手部材2は直管形状の直管部2aと、直管部2aの側面にバイパス配管14との接続を行う枝管部2bを備えた配管部材であって、その内部を上下に区画する隔壁部2cを備えている。
隔壁部2cにより、継手部材2は、図18に示したように、直管部2aから枝管部2bまでの内部を上下に区画される。
また、隔壁部2c上であって施工完了時排水口1aの下方となる位置に、隔壁部2cの上方から下方に排水の通過を可能とする通水口2dを備える。
T字管10は、T字形状の管体を90度横に倒したような形状の管体であって、直線状の管体部分の側面に、後述するレリースワイヤ11が挿入された状態で水密的に閉塞される挿入部10aを備えている。
栓蓋9は、円盤状の蓋体9aと、蓋体9aの中心から垂下される軸部9bとから構成され、施工が完了した状態において、蓋体9aが通水口2dの周縁に当接することで通水口2dが閉口される。
レリースワイヤ11は、円筒形状にして側面方向に可撓性を、軸方向に剛性を、それぞれ有したアウターチューブと、アウターチューブ内を進退する側面方向に可撓性を、軸方向に剛性をそれぞれ有した金属の撚り線からなるインナーワイヤと、から構成される。
ワイヤ受け12は、レリースワイヤ11のアウターチューブ端部を接続固定した状態で、排水配管内に排水の通過を可能とした状態で配置される部材であって、中央部分に栓蓋9を押し上げる押し上げ軸12aを上下動自在に配置している。施工が完了した状態では、押し上げ軸12aの上端に栓蓋9の軸部9bが接続されると共に、インナーワイヤの進退に応じて押し上げ軸12aが上下動する。尚、図17乃至図20の図示において、ワイヤ受け12の図示は、図面の簡略化のため継手部材2やT字管10に挟持される部分のみ断面であり、押し上げ軸12aやレリースワイヤ11との接続部分等、その他の部分は断面ではない。
操作部13は、筒状にして洗面ボウルに対し固定される操作部本体13aと、操作部本体13a内に進退自在に配置されるツマミ部13bと、から構成される。
本実施例では、操作部本体13aはアウターチューブの端部に、ツマミ部13bはインナーワイヤ端部に、それぞれ固定され、ツマミ部13bの進退に合わせてインナーワイヤも進退する。
上記のように、操作部13にレリースワイヤ11が接続され、レリースワイヤ11がワイヤ受け12に接続され、ワイヤ受け12の押し上げ軸12aに栓蓋9が接続されることで、ツマミ部13bを進退させると、ツマミ部13bに固定されたインナーワイヤを介して、押し上げ軸12aと栓蓋9が上下動し、栓蓋9が通水口2dを開閉する。即ち、通水口2dと栓蓋9の組み合わせは、排水配管の流路を開閉する開閉弁であり、本実施例の開閉弁は開閉弁や排水口1aから離間した位置に配置した操作部13に操作を加えることで開閉する遠隔操作式の開閉弁である。
バイパス配管14は、図18に示したように、管体をL字形状に屈曲させた部材であって、水平方向から上方に延出する上昇部14aと、上昇部14aから折り返して下方に向かう折り返し部14bと、前記折り返し部14bから下方に向かい前記第一の排水配管の前記開閉弁の下流側に合流する降下部14cと、から構成される。施工完了時に、上昇部14aと折り返し部14bは、槽体である洗面ボウルBの上縁近傍で、且つ若干低い任意の高さまで延出するように構成されている。
バイパス配管14の上端にあたる折り返し部14bには、排気配管5aを接続する接続部4が設けられている。
排気部5は、段落0019に記載したように、排気配管5aと、撥水体6と、キャップ体5cと、から構成される。本実施例の排気配管5aは、図5、図6に示した、第二実施例の排気配管5aと同様の直線状の管体からなり、撥水体6を備えない端部にはエルボ管8aの接続部4に接続される被接続部5bが設けられている。
上記のように構成された各部材は、以下のようにして洗面台Sの洗面ボウルBに施工される。
尚、各部材の接続箇所においては、特に明記しない場合でも、必要に応じて適宜パッキンや接着などの方法によって水密的な接続が行われている。
まず、洗面ボウルBの取付孔Hに排水口本体1を挿通し、フランジ部1bの下面に取付孔Hの周縁を当接させる。
次に、板ナット部材1cを排水口本体1の雄ネジに螺合させ、フランジ部1bの下面と板ナット部材1c上面とで取付孔Hの周縁を挟持するようにして排水口本体1を洗面ボウルBに接続固定する。
次に、洗面ボウルの操作部13の取り付け個所にレリースワイヤ11を挿通した上で、操作部13を接続固定し、更にレリースワイヤ11の端部をT字管10の挿入部10aに挿入して直管部2aの端部から引き上げる。
次に、レリースワイヤ11のアウターチューブ端部をワイヤ受け12に接続した上で、ワイヤ受け12をT字管10の端部に配置する。また、挿入部10a端部を水密的に閉塞する。
次に、T字管10を継手部材2の下端に接続する。この際に、ワイヤ受け12は継手部材2とT字管10に挟持されて排水配管内に配置固定される。
次に、T字管10の下端にトラップ部材3を接続する。また、トラップ部材3の下端は下水側の配管に接続されている床下配管に接続する。
次に、継手部材2の枝管部2bにバイパス配管14を接続する。この接続の際は、隔壁部2cにより流路が上下に区画された枝管部2bにおいて、枝管部2bの上方側の配管がバイパス配管14の上昇部14aの端部に、枝管部2bの下方側の配管がバイパス配管14の降下部14cの端部に、それぞれ連通するように接続する。
次に、バイパス配管14の折り返し部14bの接続部4と、排気部5の排気配管5aの被接続部5bを接続して、排水装置である洗面台Sの排水配管に排気部5を連通させる。
更に、排水口1aから栓蓋9を挿入し、ワイヤ受け12の押し上げ軸12a上に軸部9bを配置して、本実施例の、排水装置を形成する排水配管の施工が完了する。
以下に、第三実施例の排水装置である洗面台Sの排水配管の動作について説明する。尚、本実施例の動作の説明においては、事前に洗面台Sを使用し、封水部3a内に封水が形成されているものとする。
本第三実施例の洗面台Sにおいて、洗面台Sの使用により洗面ボウルB内に排水が生じると、以下の3.又は4.のようにして排水は処理される。
3.図19に示したように、栓蓋9が上昇し、通水口2dが開口している状態において、槽体である洗面ボウルB内に湯水が発生した場合、湯水は排水として洗面ボウルBの底面に設けられた排水口1aから、排水口本体1内、継手部材2、T字管10、トラップ部材3の順に通過し、最終的に下水側に排出される。継手部材2内を排水が通過する際は、開口した通水口2dを通過し、枝管部2b側には排水は流れない。 この状態において操作部13のツマミ部13bに引き操作を加えると、レリースワイヤ11のインナーワイヤを介して、押し上げ軸12aが栓蓋9と共に降下し、通水口2dを閉口するため、排水は以下に記載する4.のような状態となる。
4.図20に示したように、栓蓋9が降下し、通水口2dを覆って閉口している状態において、槽体である洗面ボウルB内に湯水が発生した場合、湯水は排水として洗面ボウルBの底面に設けられた排水口1aから、排水口本体1、継手部材2内まで流入する。継手部材2内の通水口2dが閉口されているため、図20に示したように、排水は継手部材2内の隔壁部2cよりも上方に溜まってゆく。湯水の吐水が継続すると、継手部材2を超えて、上流側は槽体である洗面ボウルB内に、下流側はバイパス配管14の上昇部14a内に、それぞれ湯水又は排水が溜まってゆく。
バイパス配管14の折り返し部14bの位置まで排水が溜まると、排水は折り返し部14bを超えて降下部14cから流出し、枝管部2bの下方側の配管から継手部材2を通過し、トラップ部材3を通過して、最終的に下水側に排出される。
通水口2dを栓蓋9が閉口している間、槽体である洗面ボウルB内には排水配管を介して連通しているバイパス配管14の折り返し部14bの高さまで排水が溜まるが、それ以上の湯水が洗面ボウルB内に流れ込んでも、折り返し部14bから下流側に排出されるため、折り返し部14bの高さを超える位置まで排水が溜まることは無い。この状態においては、洗面ボウルB内に継続的に排水が流入しても、洗面ボウルB内の水位は折り返し部14bの高さより上昇することは無い状態である。
この状態において操作部13のツマミ部13bに押し操作を加えると、レリースワイヤ11のインナーワイヤを介して、押し上げ軸12aが栓蓋9と共に上昇し、通水口2dを開口するため、排水は上記した3.のような状態となる。
以降操作部13のツマミ部13bに操作を行うことで、3.の槽体内の排水を完全に行う状態と、4.の槽体内に排水を溜める状態の、二つの状態を切り替えることができる。
上記段落0036に記載した、通水口2dを開口した状態において、槽体である洗面ボウルB内から排水が行われた際、排水口1aから封水までの空気が排水口1aから抜ける前に排水口1aの上方に排水が溜まる場合等、排水配管内の空気が、排水口1aからの排水の流れを妨害する場合がある。
このような場合、排水口1aから封水までの空気は、図19中の矢印で示したように、継手部材2の枝管部2bから、バイパス配管14を介し、排水配管に連通している排気部5より排水配管外に支障なく排気される。
排水口1aから封水までの空気が、排水口1aを介さず排気されたことで、洗面ボウルB内の排水は支障なく排水口1a内から排水配管内を通過して、最終的に下水側に排出される。
また、上記段落0037に記載した、通水口2dを閉口した状態において、洗面ボウルB内に排水が行われ、バイパス配管14の上昇部14aの排水流路の一部が満水の状態となると、バイパス配管14内の、満水部分から封水までの空気を排水配管外に排出しない限り、排水口1aからの排水を、バイパス配管14を介して下水側に排出できない、という問題が生じる。
これは、上流側の排水口1aへの排気は排水配管の満水状態によって、下流側への排気は封水によって、いずれも不可能となっており、しかも上昇部14aの垂直方向の配管内に空気があることで、この垂直部分の空気が障害となって排水が通過できないためである。
しかし、本実施例においては、バイパス配管14の折り返し部14bに連通している排気部5を備えており、排気部5から上昇部14aの垂直方向の配管内の空気を排水配管外に排気することができるため、バイパス配管14内を、空気の影響を受けることなく容易に排水が通過することができる。
尚、排水が排気部5の方向に流出した場合でも、前述の通り、撥水体6や小孔6aの表面に撥水加工が施されていることで、排水は撥水体6を通過することができず、槽体である洗面ボウルBや排水配管、即ち排水装置である洗面台Sの外に排水が漏れることは無い。
即ち、本実施例の排気部5は、バイパス配管14に備えられてなり、排水口1aから封水の上流側水面Wまでの間の排水配管内の空気を、排水装置である洗面台S外に排気する排気部5であって、更に小孔6aを設けた円形の板状体に撥水加工を施した撥水体6によって、排水装置である洗面台S外へ空気のみ通過を許容し、排水の通過を防止する機能を有している。
本発明の実施例は以上であるが、本発明の配管構造は発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の設計変更を加えても良い。
例えば、上記各実施例では、排水装置を洗面台S、槽体を洗面台Sの洗面ボウルBとしているが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、排水装置を流し台、槽体を流し台のシンクとする場合や、排水装置を浴室、槽体を浴室の浴槽としても良い。
また、上記各実施例では、撥水体6を、図3に示したような円形の板状体から構成しているが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、パンチング加工を施した金属板や可撓性を備えたメッシュ体またはスポンジ状体等に撥水加工を施して撥水体6としても良い。これらの構成の撥水体6でも、小孔6aから空気を排水配管外に排気しつつ、撥水体6の撥水の作用により排水配管外に排水の逆流が生じない構成とすることができる。
また、第一実施例では、図面において撥水体6を配置した高さを、排水口1aに比べて低い位置としているが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、排気配管5aを垂直方向に伸ばし、第二実施例や第三実施例同様に、排水口1aより高い位置に撥水体6を配置しても良い。第一実施例では、配管レイアウトを容易にするため排水口1aより低い位置に撥水体6を配置しているが、排水口1aより高い位置に撥水体6を配置して排水が撥水体6の位置に達し難い構成としても好適である。
1 排水口本体 1a 排水口
1b フランジ部 1c 板ナット部材
1d 横穴流入口 2 継手部材
2a 直管部 2b 枝管部
2c 隔壁部 2d 通水口
3 トラップ部材 3a 封水部
4 接続部 5 排気部
5a 排気配管 5b 被接続部
5c キャップ体 6 撥水体
6a 小孔 7 第二の排水口本体
7a 第二の排水口 8 第二の排水配管
8a エルボ管 8b アダプター部
8c ホース管 9 栓蓋
9a 蓋体 9b 軸部
10 T字管 10a 挿入部
11 レリースワイヤ 12 ワイヤ受け
12a 押し上げ軸 13 操作部
13a 操作部本体 13b ツマミ部
14 バイパス配管 14a 上昇部
14b 折り返し部 14c 降下部
B 洗面ボウル B1 ボウル部分
B2 ボウル側壁部分 C キャビネット
H 取付孔 H2 第二の取付孔
S 洗面台 W 封水の上流側水面

Claims (5)

  1. 槽体と、
    前記槽体に設けた排水口と、
    前記排水口からの排水を下水側に排出する排水配管と、
    前記排水配管に連通し、前記排水配管内の空気を排気する排気部と、を有し、
    前記排気部は、空気のみを通気する撥水体を有することを特徴とする排水装置。
  2. 前記槽体は、
    前記排水口よりも高い位置に形成された第二の排水口を更に備え、
    前記第二の排水口からの排水を前記排水配管に排出する第二の排水配管を備えたことを特徴とする請求項1に記載の排水装置。
  3. 前記排水装置は、
    前記排水配管内の排水流路を閉塞する開閉弁を備え、
    前記排水配管の前記開閉弁の上流から分岐し、前記槽体の底面よりも高く、前記槽体の上縁よりも低い任意の高さまで延出する上昇部、前記上昇部から折り返して下方に向かう折り返し部、前記折り返し部から下方に向かい前記排水配管の前記開閉弁の下流側に合流する降下部、を有するバイパス配管を備えたことを特徴とする請求項1に記載の排水装置。
  4. 前記排水配管に封水式排水トラップを備えると共に、
    前記封水式排水トラップよりも上流側の前記排水配管に連通するように、前記排気部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の排水装置。
  5. 前記撥水体を、前記排水口と同じか、前記排水口より高い位置に備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の排水装置。
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