JP2024012947A - 難燃性樹脂組成物ならびにそれを用いたケーブルおよび電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】難燃性と耐熱老化性を有するハロゲンフリー難燃性樹脂組成物ならびにこれを用いた電線およびケーブルを提供する。【解決手段】導体1と、導体1の周囲に被覆される絶縁層2と、絶縁層2の周囲に被覆されるシース3と、を備えるケーブルであって、シース3が、エチレン系ポリマ(A)と、金属水酸化物(B)と、ベンゼン環に一つのカルボキシ基、または、エステル化したカルボキシ基が結合し、二つ以上の水酸基が結合している芳香族化合物の、水酸基のうち少なくとも一つが置換された置換化合物(C)と、を含む、難燃性樹脂組成物で構成されている、ケーブル20。【選択図】図1

Description

本発明は、難燃性樹脂組成物ならびにそれを用いたケーブルおよび電線に関するものである。
絶縁電線は、導体と、導体の周囲に設けられる被覆材としての絶縁層とを有している。また、ケーブルは、例えば上述の絶縁電線を撚り合わせた撚り線と、その撚り線の周囲に設けられたシースとを備えて構成されている。絶縁電線の絶縁層およびケーブルのシースは、ゴムや樹脂を主原料とした電気絶縁性材料からなる。
このような絶縁電線およびケーブルは、用途に応じて必要な特性が異なる。例えば、電子機器用または鉄道車両用の絶縁電線には、燃焼時に毒性や腐食性ガスを発生しないハロゲンフリー樹脂組成物を用い、かつ、高い難燃性が要求される。具体的には難燃性規格UL1581やIEC60332-1-2に規定される垂直燃焼試験に合格することが要求される。
このような絶縁電線の例として、特許文献1には、導体と、導体の周りに被覆された絶縁層とを備える難燃性絶縁電線において、絶縁層がエチレン系ポリマを主体とする樹脂成分に水酸化マグネシウムを添加した樹脂組成物からなる難燃性絶縁電線が記載されている。
しかし上記垂直燃焼試験は水酸化マグネシウムをいかに高充填しても電線・ケーブルの構成やサイズによっては合格させることは困難な場合があった。
この課題に対しては、分子内に複数のフェノール性水酸基を有し、かつカルボキシル基を有しない化合物を添加することでその高いラジカルトラップ効果の働きにより大幅に難燃性が向上し、垂直燃焼試験の合格が困難であった電線やケーブルにおいても垂直燃焼試験に合格する樹脂組成物からなる絶縁電線を本発明者らは出願している(特許文献2)。
特開2015-2062号公報 特開2020-77634号公報
しかしながら、分子内に複数のフェノール性水酸基を有する化合物を含む樹脂組成物を絶縁体やシースの耐熱性を高めるために加熱により架橋処理を施すと、フェノール性水酸基は架橋処理時に生ずるポリマラジカルからラジカルを捕捉し、これをその後の熱老化試験時に放出する。
そのため、このラジカルにより、樹脂組成物の架橋反応が著しく促進されることとなり、加熱老化試験における引張強さが増大し、同時に伸びが低下し、それらの変化率がEN50264-3-1既定の電線に求められる熱老化試験(加熱条件:135℃、168h)の規格値±30%を超えてしまう場合がある。
これは、上記用途の樹脂組成物における、比較的短時間の加熱条件では、物性の変化は小さくあるべきであるという設計思想に反するもので、このような課題は本発明者らにより新たに明らかとなった。
そこで、本発明の目的は、電線・ケーブルに求められる難燃性と耐熱老化性を有するハロゲンフリー難燃性樹脂組成物ならびにこれを用いた電線およびケーブルを提供することにある。
その他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本明細書において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明の難燃性樹脂組成物は、エチレン系ポリマ(A)と、金属水酸化物(B)と、ベンゼン環に一つのカルボキシ基、または、エステル化したカルボキシ基が結合し、二つ以上の水酸基が結合している芳香族化合物の、前記水酸基のうち少なくとも一つが置換された置換化合物(C)と、を含む。
本発明のケーブルは、導体と、前記導体の周囲に被覆される絶縁層と、前記絶縁層の周囲に被覆されるシースと、を備えるケーブルであって、前記シースが、エチレン系ポリマ(A)と、金属水酸化物(B)と、ベンゼン環に一つのカルボキシ基、または、エステル化したカルボキシ基が結合し、二つ以上の水酸基が結合している芳香族化合物の、前記水酸基のうち少なくとも一つが置換された置換化合物(C)と、を含む、難燃性樹脂組成物で構成されている。
本発明の電線は、導体と、前記導体の周囲に被覆される絶縁層と、を備える電線であって、前記絶縁層がエチレン系ポリマ(A)と、金属水酸化物(B)と、ベンゼン環に一つのカルボキシ基、または、エステル化したカルボキシ基が結合し、二つ以上の水酸基が結合している芳香族化合物の、前記水酸基のうち少なくとも一つが置換された置換化合物(C)と、を含む、難燃性樹脂組成物で構成されている。
本実施の形態によれば、電線・ケーブルに求められる難燃性と耐熱老化性の両方を備えたハロゲンフリー難燃性樹脂組成物ならびにこれを用いた電線およびケーブルを提供することができる。
本発明の一実施の形態である、ケーブルの構造を示す横断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
<本発明者らの検討背景>
IEC60332-1-2に規定される垂直難燃性試験に合格し、かつEN50264-3-1に規定される熱老化試験に合格するためには、高度な難燃性とその難燃剤が招く物性低下の防止を両方満足する必要がある。
本発明者らは燃焼時のラジカル捕捉と加熱老化時のラジカル供与を防止するには、フェノール性水酸基の反応性を一時的に低下させ、燃焼時に元の水酸基に戻すことが有効であると考え、分子内に複数のフェノール性水酸基を有し、かつ水酸基がメトキシ基で置換された種々の化合物を検討した。
その結果、ベンゼン環に一つのカルボキシ基、または、エステル化したカルボキシ基が結合し、二つ以上の水酸基が結合している芳香族化合物であり、その芳香族化合物が有する水酸基のうち少なくとも一つが置換された置換化合物を添加することで、難燃性を維持したまま水酸基の反応性を抑制し、熱老化時の物性変化を要求される範囲内に抑えることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
水酸基の酸素を残したまま水素だけを別の構造で置き換えることにより、反応性を抑制することとし、燃焼時の高温環境では置き換えた基が脱離して元の水酸基に戻ることでラジカルトラップ効果が復活し、難燃性が発揮されると考えられる。
<難燃性樹脂組成物>
以下、本実施の形態の難燃性樹脂組成物について詳述する。
本実施の形態に係る難燃性樹脂組成物は、エチレン系ポリマ(A)と、金属水酸化物(B)と、ベンゼン環に一つのカルボキシ基、または、エステル化したカルボキシ基が結合し、二つ以上の水酸基が結合している芳香族化合物の、前記水酸基のうち少なくとも一つが置換された置換化合物(C)、を含んでいる。
以下、本実施の形態では、難燃性樹脂組成物を構成するエチレン系ポリマ(A)をベースポリマとして用いる場合を例に説明する。また、難燃性樹脂組成物を構成する金属水酸化物(B)と、ベンゼン環に一つのカルボキシ基、または、エステル化したカルボキシ基が結合し、二つ以上の水酸基が結合している芳香族化合物の前記水酸基のうち少なくとも一つが置換された置換化合物(C)を、まとめて難燃剤として説明する場合がある。
本実施の形態で用いるエチレン系ポリマ(A)としては、樹脂組成物のベースポリマとなるもので、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-α-オレフィン共重合体などが挙げられる。エチレン系ポリマ(A)としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体が好ましい。
エチレン系ポリマ(A)として、エチレン-酢酸ビニル共重合体を使用した場合、燃焼時に酢酸脱離により酸性環境となるため、後述する置換化合物(C)の置換基が速やかに脱離され、元へ戻るため、難燃性も確保されると考えられる。
本実施の形態で用いる金属水酸化物(B)としては、樹脂組成物に配合することで難燃剤として作用する金属水酸化物であり、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化カルシウム、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)等が挙げられ、水酸化マグネシウムが最も好適である。
水酸化マグネシウムとしては、例えば表面無処理のもの(ブルーサイト鉱石を粉砕した天然水酸化マグネシウムや合成水酸化マグネシウム)または、シランカップリング剤、リン酸エステル、もしくは、ステアリン酸やオレイン酸などの脂肪酸または脂肪酸塩によって表面処理されているものが挙げられる。特にシランカップリング剤によって表面処理された水酸化マグネシウムは、ポリマとの親和性が高いため、これを用いた難燃性樹脂組成物の引張特性が良好なものとなり好ましい。
なお、後述の実施例で示すように、金属水酸化物(B)の配合量は、ベースポリマ100質量部に対して、50質量部以上300質量部以下であることが好ましい。この配合量が、50質量部未満であると電線やケーブルの被覆材に必要な難燃性が得られないおそれがあり、300質量部を超えると金属水酸化物の粒子同士が密着・凝集して樹脂組成物の流動性が低下し、電線の絶縁層形成時の押出加工性が損なわれてしまう場合がある。
本実施の形態の置換化合物(C)は、ベンゼン環に一つのカルボキシ基、または、エステル化したカルボキシ基が結合し、二つ以上の水酸基が結合している芳香族化合物であり、この芳香族化合物が有する水酸基のうち少なくとも一つが置換された化合物である。
この水酸基の置換は、水酸基を置換することができる公知の置換基により置換されていれば特に限定されるものではないが、耐熱老化性を確保するために、酸による脱離を容易に行うことができる置換基が好ましい。この置換基としては、アルコキシ基が好ましい基として挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられ、中でもメトキシ基が好ましい。
この置換化合物(C)としては、置換基を有するベンゼン環が単環構造でもよいし、ビニフェル、ナフタレン、アントラセン等の多環構造でもよい。単環構造の芳香族化合物としては、例えば、3,4,5-トリメトキシ安息香酸メチル(別称:オイデスミン酸メチル)、3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシ安息香酸メチル(シリング酸メチル)等が挙げられる。
この置換化合物(C)としては二つ以上の水酸基のうち少なくとも一つが置換されていればよく、複数の水酸基が置換されていることが好ましく、すべての水酸基が置換されていることが最も好ましい。しかし、必ずしも全ての水酸基が置換されずに水酸基が残っていても効果が発揮される。詳細は不明であるが立体障害のためラジカル捕捉力が低下することによるものと推測される。
また、置換化合物(C)において、ベンゼン環に一つのカルボキシ基、または、エステル化したカルボキシ基が結合していることにより、水酸基のラジカルトラップ効果が高まり、エステル化によって置換化合物(C)の融点が変化し、材料混合時の取扱い性が良好となる。
なお、後述の実施例で示すように置換化合物(C)の配合量は、ベースポリマ100質量部に対して、2質量部以上30質量部以下であることが好ましい。この配合量が、2質量部未満であると十分な難燃性が得られないおそれがあり、30質量部を超えると樹脂組成物の引張強さが低下する傾向にある。
また、本実施の形態の難燃性樹脂組成物は、上記材料以外にも、必要に応じてその他の難燃剤、難燃助剤、架橋剤、架橋助剤、加工助剤、カップリング剤、表面処理剤、着色剤、滑剤、相溶化剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、金属キレーター、軟化剤、可塑剤などを特性に影響が出ない範囲で含有していてもよい。
本実施の形態の難燃性樹脂組成物は、後述の実施例で作製した絶縁電線の絶縁体に限らず、ケーブルを含むあらゆる用途およびサイズに適用可能であり、鉄道車両用、自動車用、盤内配線用、機器内配線用、ビル内配線用の各電力ケーブル、信号ケーブルの絶縁層およびシースに使用することができる。
(難燃性樹脂組成物の調製)
本実施の形態の難燃性樹脂組成物は、上記(A)~(C)成分および必要に応じてその他の添加剤を混合して溶融混練させることで調製することができる。混練は、例えばバンバリーミキサーや加圧ニーダなどのバッチ式混練機、二軸押出機などの連続式混練機などの公知の混練装置を用いて行うことができる。
<ケーブル>
続いて、本発明の一実施形態であるケーブルについて図1を用いて説明する。図1は、本実施形態にかかるケーブルの構造を示す横断面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るケーブル20は、絶縁電線10を3本撚り合わせた三芯撚り線と、この三芯撚り線の周囲に設けられた介在4とからなるコアと、このコアの周囲に設けられたシース3とを備えている。シース3は、上記説明した難燃性樹脂組成物から形成される。
本実施の形態の絶縁電線10は、導体1と、導体1の周囲に被覆される絶縁層2とを有している。絶縁層2の厚さは特に限定されるものではないが、0.15~2mmが好ましい。
導体1としては、通常用いられる金属線、例えば銅線、銅合金線のほか、アルミニウム線、金線、銀線などを用いることができる。また、導体1として、金属線の周囲に錫やニッケルなどの金属めっきを施したものを用いてもよい。さらに、導体1として、金属線を撚り合わせた撚り線導体を用いることもできる。撚り線導体としては同心撚り線、集合撚り線、これらをさらに同心撚りした複合撚り線を用いることができる。また、これらの撚り線を圧縮した軽圧縮導体が電線を細径化できるため好ましい。
本実施の形態の絶縁電線10は、例えば、以下のように製造される。まず、(A)エチレン系ポリマと、(B)水酸化マグネシウムとを含む材料を溶融混練し、本実施の形態の樹脂組成物を得る。
その後、導体1を準備する。そして、押出成形機により、導体1の周囲を被覆するように、本実施の形態の樹脂組成物を押出して、所定厚さの絶縁層2を形成する。こうすることで、絶縁電線10を製造することができる。
また、本実施の形態では、絶縁電線10を製造した後に、絶縁層2を構成する難燃性樹脂組成物を、例えば電子線架橋法または化学架橋法により架橋する。本実施の形態の絶縁電線10においては、このような架橋がされていることは必須ではないが、架橋により難燃性樹脂組成物から構成される絶縁層2の耐熱性が向上するため、このような架橋がされていることが好ましい。
電子架橋法を用いる場合には、樹脂組成物を絶縁電線10の絶縁層2として成形した後に、例えば1~30Mradの電子線を照射して架橋する。化学架橋法を用いる場合には、難燃性樹脂組成物にあらかじめ架橋剤を添加しておき、この難燃性樹脂組成物を絶縁電線10の絶縁層2として成形した後に、熱処理して架橋する。
本実施の形態のケーブル20は、例えば、以下のように製造される。まず、上述した方法により、絶縁電線10を3本製造する。その後、3本の絶縁電線10をスフ糸、紙テープ、ジュートなどの介在4と共に撚り合わせ、その後、これを被覆するように、エチレン系ポリマ(A)と、金属水酸化物(B)と、置換化合物(C)と、を含む材料を混練した難燃性樹脂組成物を押出す。その後、例えば電子線を難燃性樹脂組成物に照射し、難燃性樹脂組成物中のエチレン系ポリマ(A)を架橋させ、所定厚さのシース3を形成する。こうすることで、本実施の形態の難燃性ケーブル20を製造することができる。
本実施の形態のケーブル20は、芯線として絶縁電線10を3本撚り合わせた三芯撚り線を有する場合を例に説明したが、芯線は単芯(1本)でもよいし、三芯以外の多芯撚り線であってもよい。また、絶縁電線10とシース3との間に、介在4がないものであってもよいし、逆に絶縁電線10とシース3との間に、他の絶縁層(シース)6が形成された、多層シース構造を採用することもできる。また、絶縁電線10とシース3との間に、金属テープや銅線の編組構造からなるシールド編組5を設けてもよい。
本実施の形態の難燃性ケーブル20は、上述の絶縁電線10を使用した場合を例に説明したが、これに限定されず、汎用の材料を用いた電線を使用することもできる。
また、本発明の難燃性樹脂組成物は、ハロゲンフリー難燃性の電線・ケーブルだけではなく、ハロゲンフリー難燃性が必要なシート、フィルム、パネル、マット、パイプ、保護材、充填剤、繊維、樹脂成型品、樹脂基板、文具、建材、コネクタ、ブッシュ、グロメット、端子台、端子内部絶縁体などに使用可能である。
次に、本発明について実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<材料>
本実施例にて、難燃性樹脂組成物を調製するのに用いた材料は以下のとおりである。
〔エチレン-酢酸ビニル共重合体〕
(A1)エチレン-酢酸ビニル共重合体1:エバフレックスV5274(三井・デュポンポリエステル株式会社製、商品名;VA量 17質量%)
(A2)エチレン-酢酸ビニル共重合体2:レバプレン600(ランクセス株式会社製、商品名;VA量 60質量%)
〔酸変性ポリオレフィン〕
(CA1)酸変性ポリオレフィン1:タフマーMH7020(三井化学株式会社製、商品名)
〔難燃剤〕
(B1)水酸化マグネシウム:マグシーズS4(神島化学工業株式会社製、商品名;シラン処理)
(CC1)没食子酸プロピル(東京化成工業株式会社製)
(C1)3,4,5-トリメトキシ安息香酸メチル(東京化成工業株式会社製)
(C2)4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシ安息香酸メチル(東京化成工業株式会社製)
〔添加剤〕
(D1)複合型酸化防止剤:AO-18(株式会社アデカ製、商品名)
(D2)フェノール系酸化防止剤:ソンノックス1010PW(ソンウォン社製、商品名)
(D3)滑剤:EZ-101(日東化成工業株式会社製、商品名;ステアリン酸亜鉛)
(D4)シリコーンゴム:HT-KE76S(信越化学工業株式会社製、商品名)
(D5)架橋助剤:TMPT(新中村化学工業株式会社製、商品名;トリメチロールプロパントリアクリレート)
(D6)着色剤:FTカーボン(旭カーボン株式会社製、商品名)
表1に実施例および比較例の樹脂組成物の配合組成を示す。
電線製造用の押出被覆装置である東洋精機製ラボプラストミル20mm単軸押出機を用いて、0.5mm軽圧縮錫めっき銅撚り線の周囲に、被覆厚0.2mmで比較例2記載の難燃性樹脂組成物からなる絶縁層を形成することにより、電線を作製した(シリンダ温度160℃、電線引取速度4.0m/min)。この電線に電子線架橋処理(7.5Mrad)を行うことで、絶縁層を構成する樹脂組成物の架橋を行い、絶縁電線10を作成した。
次いで、絶縁電線10の3本を撚り合わせ、ポリエステルテープを巻装した後、その上にシールド編組を施した。
一方、表1に示す組成となるように、実施例1~2および比較例1~2の各材料を室温にてドライブレンドし、混合した材料を加圧ニーダにより取出温度190℃にて溶融混練し、ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物を調製した。
上記シールド編組上に60mm押出機を用いて、得られたハロゲンフリー難燃性樹脂組成物をそれぞれ被覆厚0.45mmでシースを押出被覆した。このシースを電子線架橋処理(7.5Mrad)することで外径4.5mmのハロゲンフリー難燃性ケーブルを作製した。
また、得られた実施例1~2および比較例1~2の各シースについて、引張試験、燃焼試験を実施し、その評価結果を表1にまとめて示した。
Figure 2024012947000002
<評価方法>
(1)シース引張試験
作製したケーブルからシースをはぎ取り、ダンベル型試験片を打ち抜いて試験材料とした。引張試験を行い、初期引張強さと初期伸びを測定した。その後、同型のダンベル型試験試料を135℃、168時間ギヤオーブンにて加熱老化を行った後、引張試験を行った。引張強さおよび伸びの加熱前の値に対する変化率を算出し、変化率が±30%以下のものを合格とし±30%を超えるものを不合格とした。
(2)ケーブル燃焼試験
作製したケーブルから600mmを取り、IEC60332-1に準拠した燃焼試験を行った。上部支持材から焼損部までの距離を測定した。上部支持材から焼損部までの距離が50mm以上のものが合格、50mm未満のものが不合格である。上部支持材からの距離が長い方が、延焼距離が短く、難燃性が高いといえる。全焼により上部支持材まで燃焼した場合は0mmとなる。
(3)総合判定
シース引張試験、燃焼試験の全てが合格したものを〇、いずれかが不合格だったのものを×とした。
<実施例および比較例のまとめ>
実施例1~2に示すように、本実施の形態の難燃性ケーブルは、シースをエチレン系ポリマ(A)と、金属水酸化物(B)と、所定の構造を有する置換化合物(C)と、を含む難燃性樹脂組成物により構成することで、耐熱老化性および難燃性を備えることができる。
具体的には、比較例に示すように、エチレン系ポリマ(A)と、金属水酸化物(B)とを含む樹脂組成物では、エチレン系ポリマ(A)100質量部に対して、三置換の水酸基を有する没食子酸プロピルとを含んではじめて燃焼試験が合格となる。しかし、三置換の水酸基を有する没食子酸プロピルでは引張試験が不合格である。
実施例1と比較例1とを比べると、没食子酸プロピルと、その水酸基がメトキシ基で置換された化合物の違いで、難燃性にはほぼ変化が無いといえる。これは置換基であるメトキシ基が燃焼時に水酸基に変化している可能性を示しており、没食子酸プロピルとオイデスミン酸メチルは(A)エチレン系ポリマと、(B)水酸化マグネシウムとを含む樹脂組成物中では同等の難燃効果を奏することがわかった。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1 導体
2 絶縁層
3 シース
4 介在
5 シールド編組
6 絶縁層
10 絶縁電線
20 ケーブル

Claims (6)

  1. エチレン系ポリマ(A)と、金属水酸化物(B)と、ベンゼン環に一つのカルボキシ基、または、エステル化したカルボキシ基が結合し、二つ以上の水酸基が結合している芳香族化合物の、前記水酸基のうち少なくとも一つが置換された置換化合物(C)と、を含む、難燃性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の難燃性樹脂組成物において、
    前記(C)成分において、前記水酸基の少なくとも一つがアルコキシ基で置換されている、難燃性樹脂組成物。
  3. 請求項2に記載の難燃性樹脂組成物において、
    前記(C)成分が、3,4,5-トリメトキシ安息香酸メチルまたは4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシ安息香酸メチルである、難燃性樹脂組成物。
  4. 請求項1に記載の難燃性樹脂組成物において、
    前記エチレン系ポリマ(A)が、エチレン酢酸ビニル共重合体である、難燃性樹脂組成物。
  5. 導体と、前記導体の周囲に被覆される絶縁層と、前記絶縁層の周囲に被覆されるシースと、を備えるケーブルであって、
    前記シースが、エチレン系ポリマ(A)と、金属水酸化物(B)と、ベンゼン環に一つのカルボキシ基、または、エステル化したカルボキシ基が結合し、二つ以上の水酸基が結合している芳香族化合物の、前記水酸基のうち少なくとも一つが置換された置換化合物(C)と、を含む、難燃性樹脂組成物で構成されている、ケーブル。
  6. 導体と、前記導体の周囲に被覆される絶縁層と、を備える電線であって、
    前記絶縁層がエチレン系ポリマ(A)と、金属水酸化物(B)と、ベンゼン環に一つのカルボキシ基、または、エステル化したカルボキシ基が結合し、二つ以上の水酸基が結合している芳香族化合物の、前記水酸基のうち少なくとも一つが置換された置換化合物(C)と、を含む、難燃性樹脂組成物で構成されている、電線。
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