JP2009227872A - 絶縁樹脂組成物および絶縁電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁電線に要求される高度の難燃性と機械特性、なかでも押出成形時の成形機器に対する負荷が小さく優れ、かつ廃棄時の埋立による重金属化合物やリン化合物の溶出や、焼却による多量の煙、腐食性ガスの発生などの問題のない絶縁樹脂組成物およびこの組成物をもちいてなる絶縁電線、ケーブル、光ファイバコード又は光ケーブルを提供する。
【解決手段】エチレン系共重合体を含有する樹脂成分100質量部に対し金属水和物50〜250質量部、及びホスファゼン化合物2〜50質量部を含有させてなる絶縁樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、埋立、焼却などの廃棄時において、重金属化合物の溶出や、多量の煙、腐食性ガスの発生がない絶縁電線組成物および電気・電子機器の内部および外部配線に使用される絶縁電線、ケーブル、光ファイバコード及び光ケーブルに関する。
電気・電子機器の内部および外部配線に使用される絶縁電線には、難燃性、引張特性、耐熱性などの種々の特性が要求される。このため、これら絶縁電線の被覆材料として、ポリ塩化ビニル(PVC)コンパウンドや分子中に塩素原子や臭素原子を含有するハロゲン系難燃剤を配合したエチレン系共重合体を主成分とする樹脂組成物を使用することがよく知られている。
近年、このような被覆材料を用いた絶縁電線を適切な処理をせずに廃棄した場合の種々の問題が提起されている。例えば、埋立により廃棄した場合には、被覆材料に配合されている可塑剤や重金属安定剤の溶出、また焼却した場合には、多量の腐食性ガスの発生、ダイオキシンの発生などという問題が起こる。
このため、有害な重金属の溶出や燃焼時のハロゲン系ガスなどの発生がないノンハロゲン難燃材料で電線を被覆する技術の検討が盛んに行われている。
従来のノンハロゲン難燃材料は、ハロゲンを含有しない難燃剤を樹脂に配合することで難燃性を発現させたものであり、このような被覆材料の難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水和物が、また、樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体などが知られている。
電子機器内に使用される電子ワイヤハーネスには、安全性の面から高い難燃性が要求されており、例えば非常に厳しい難燃性規格であるUL1581(Reference Standard for Electrical Wires, Cables, and Flexible Cords)などに規定される垂直燃焼試験(Vertical Flame Test)に合格する程度の難燃性を付与するためにはノンハロゲン材料系においては大量の金属水和物の添加が必要となる。一方こういった金属水和物を添加することで、押出成形時の機器等に加わる負荷が増加する問題が起こる。さらにホウ酸亜鉛、メラミンシアヌレートなどを第2、第3の難燃剤として併用する場合、電線被覆などの成形をする際のモーター、シリンダー、スクリューに対する負荷が著しく増加してしまい、成形機に大きな負担をかける問題があった。
本発明はこれらの問題を解決し、絶縁電線に要求される高度の難燃性と機械特性、なかでも押出成形時の成形機器に対する負荷が小さく優れ、かつ廃棄時の埋立による重金属化合物やリン化合物の溶出や、焼却による多量の煙、腐食性ガスの発生などの問題のない絶縁樹脂組成物およびこの組成物を用いてなる絶縁電線、ケーブル、光ファイバコード又は光ケーブルを提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ホスファゼン化合物を樹脂組成物に所定の量比で含有させ、前記樹脂組成物中に分散させることにより、前記ホスファゼン化合物が難燃剤、さらには可塑剤として機能することを見出した。本発明はこれらの知見に基づきなされるに至ったものである。すなわち本発明は、
(1) エチレン系共重合体を含有する樹脂成分100質量部に対し金属水和物50〜250質量部、及びホスファゼン化合物2〜50質量部を含有してなる絶縁樹脂組成物、
(2) 前記金属水和物が水酸化マグネシウムであって、前記樹脂成分100質量部に対し、前記ホスファゼン化合物の含有量が5〜50質量部であり、さらにメラミンシアヌレート化合物2〜80質量部を含有してなることを特徴とする(1)に記載の絶縁樹脂組成物、
(3) 前記エチレン系共重合体を含有する前記樹脂成分が、前記エチレン系共重合体98〜80質量%、及び不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン2〜20質量%を含有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の絶縁樹脂組成物、
(4) 前記エチレン系共重合体を含有する前記樹脂成分が、前記エチレン系共重合体93〜30質量%、アクリルゴム5〜60質量%、及び不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン2〜15質量%を含有することを特徴とする(1)又(2)に記載の絶縁樹脂組成物、
(5) 前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の絶縁樹脂組成物で導体を被覆したことを特徴とする絶縁電線またはケーブル、及び
(6) 前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の絶縁樹脂組成物で光ファイバを被覆したことを特徴とする光ファイバコードまたは光ケーブル
を提供することにある。
本発明の絶縁樹脂組成物は、押出成形時の成形機器に対する負荷が小さく、成形加工性と機械特性とに優れ、電線や光ファイバ等の難燃被覆材として好適である。
本発明の絶縁電線もしくはケーブルまたは光ファイバコードもしくは光ケーブルは、前記絶縁樹脂組成物を導体の周りに被覆してなるので、押出成形時の成形機器に対する負荷が小さく、機械特性、難燃性、ブリードがなく外観に優れる。
本発明の難燃性絶縁樹脂組成物は、エチレン系共重合体を含有する樹脂成分100質量部に対し、金属水和物50〜250質量部、ホスファゼン化合物2〜50質量部含有してなることを特徴とする。
本発明において用いられるホスファゼン化合物としては、下記一般式1で表されることが好ましい。
Figure 2009227872
式中、Rは、炭素原子数1〜30の、アルキル基、アルコキシ基、置換ないしは非置換のフェノキシ基、アミノ基又はハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)を表す置換基である。各Rはたがいに同一であっても異なっていてもよい。
前記置換基Rの具体例としては、プロピオキシ基、パラ‐メチルフェノキシ基、パラ‐(ヒドロキシメチル)フェノキシ基、アミノ基等が挙げられる。
本発明におけるホスファゼン化合物の含有量としては、前記エチレン系共重合体を含有する前記樹脂成分100質量部に対し、2〜50質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましく、5〜30質量部であることがさらに好ましい。少なすぎると、成形時の負荷低減の効果は得られず、50質量部以上含有させてもさらなる効果は得られず、むしろ分散不良などが発生し、材料特性を低下させる。
本発明で使用するホスファゼン化合物としては、例えばSPS−100(商品名、大塚化学社製)が挙げられる。
本発明において、前記エチレン系共重合体を含有する前記樹脂成分が、エチレン系共重合体の他に不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィンを含有することが好ましく、エチレン系共重合体の他に不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン及びアクリルゴムを含有することがより好ましい。
本発明に用いるエチレン系共重合体としては、具体的には、エチレン−酢酸ビニル(VA)共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート(EA)共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
難燃性および機械特性向上の観点から、本発明で用いるエチレン系重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体であることが好ましい。
また、難燃性を向上させる観点から、エチレンに対し共重合させた共重合成分の含有量(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体では酢酸ビニル(VA)含有量、エチレン−エチルアクリレート共重合体ではエチルアクリレート(EA)含有量)が、20〜80質量%が好ましく、23〜45質量%であることがさらに好ましい。
また、前記エチレン系共重合体のMFR(メルトフローレイト)は、強度の面、樹脂組成物の混練り加工性の面から0.2〜20であることが好ましく、0.5〜10であることがさらに好ましい。
前述のように、前記エチレン系共重合体は不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン、アクリルゴムと混合して用いることができるが、このとき前記エチレン系共重合体の含有量は前記樹脂成分中98〜30質量%であることが好ましく、93〜30質量%であることがより好ましく、80〜60質量%で使用されることがさらに好ましい。
本発明において、前記不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィンとは、直鎖状ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンやエチレン−酢酸ビニル(VA)共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メタクリレート共重合体等のエチレン系共重合体が、不飽和カルボン酸ないしはその誘導体により変性された樹脂をいう。
前記変性に用いられる不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられ、不飽和カルボン酸の誘導体としては、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、無水マレイン酸、イタコン酸モノエステル、イタコン酸ジエステル、無水イタコン酸、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステル、無水フマル酸などが挙げられる。ポリオレフィンの変性は、例えば、ポリオレフィンと不飽和カルボン酸等を有機パーオキサイドの存在下に溶融、混練することにより行うことができる。
前記変性されたポリオレフィンにおける前記不飽和カルボン酸ないしはその誘導体による変性量としては、0.5〜7質量%であることが好ましい。
本発明において、前記不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィンは、前記樹脂成分とフィラーとの接着としての効果があり、電気特性の向上や浸水させたときの絶縁抵抗の低下を抑える効果やコンパウンドの強度を高める効果がある。
本発明において、前記不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィンの含有量としては、前記樹脂成分中、2〜20質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることがより好ましく、5〜10質量%で使用することがさらに好ましい。この成分が少なすぎると実質的に効果がなく、また多すぎると端末加工性が低下する。
本発明の絶縁樹脂組成物における前記樹脂成分には、前述のように、前記アクリルゴムを含有させることでさらに難燃性を向上させることができる点で好ましい。さらに前記エチレン系共重合体と前記アクリルゴムとを併用することにより難燃性を保つだけでなく、絶縁特性と機械的強度とを高いレベルに維持することができる。
本発明において、アクリルゴムとは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルと各種官能基を有する単量体とを少量共重合させて得られるゴム弾性体をいう。
前記アクリル酸アルキルに共重合させる各種官能基を有する単量体としては、2−クロルエチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、アクリル酸、アクリロニトリル、ブタジエン等を適宜使用することができる。具体的には、Nipol AR(商品名、日本ゼオン社製)、JSR AR(商品名、JSR社製)等を使用することができる。
特に前記アクリル酸アルキルとしてはアクリル酸メチルを使用するのが好ましく、エチレンとの二元共重合体やこれにさらに単量体成分としてカルボキシル基を有するモノマーを共重合させた三元共重合体を特に好適に使用することができる。具体的には、二元共重合体の場合にはベイマックDやベイマックDLSを、三元共重合体の場合にはベイマックG、ベイマックHG、ベイマックLS、ベイマックGLS(商品名、いずれも三井・デュポンポリケミカル社製)を使用することができる。
本発明において、前記アクリルゴムの含有量としては、前記樹脂成分中、5〜60質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。この成分が少なすぎると実質的に効果がなく、また多すぎると力学特性および難燃性が低下する。
本発明において用いられる金属水和物の種類は特に制限はないが、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、オルト珪酸アルミニウム、ハイドロタルサイドなどの水酸基あるいは結晶水を有する金属化合物があげられ、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの金属水和物のうち、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムが好ましい。
上記金属水和物には表面処理を施したものを用いても無処理のものを用いてもかまわない。
表面処理には各種脂肪酸、シランカップリング剤、燐酸エステル類が使われる。用いられる脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。前記シランカップリング剤としては、例えば、末端がアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ビニル基、エポキシ基を有するものが挙げられる。これらのシランカップリング剤は単独でも2種以上併用してもよい。シランカップリング剤表面処理水酸化アルミニウムとしては、表面未処理の水酸化アルミニウム(ハイジライトH42M(商品名、昭和電工社製)など)を上記のビニル基又はエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤により表面処理したものなどがあげられる。
また、本発明で用いられるシランカップリング剤で表面処理された水酸化マグネシウムとしては、表面無処理のもの(市販品としては、キスマ5(商品名、協和化学社製)など)、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸で表面処理されたもの(キスマ5A(商品名、協和化学社製)など)、リン酸エステル処理されたものなどを上記のビニル基又はエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤により表面処理したもの、またはビニル基又はエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤によりすでに表面処理された水酸化マグネシウムの市販品(キスマ5LH、キスマ5PH(いずれも商品名、協和化学社製)など)が挙げられる。
前記金属水和物の使用量としては、前記樹脂成分100質量部に対し50〜250質量部であることが好ましく、100〜250質量部であることがさらに好ましい。この成分が50質量部より少ないと実質的に効果がなく、また250質量部を越えると物性の低下が著しく必要とされる機械特性を満足することができない。
本発明の絶縁樹脂組成物において、さらに難燃性を向上させる観点から、メラミンシアヌレート化合物を含有させることが特に好ましい。
これは燃焼したときに金属水和物が水を発生しつつ表面に殻を形成したうえで、メラミンシアヌレート化合物が内部からガスを発生することにより完全に消火できるため、非常に高い難燃性を付与することができる。
本発明で用いるメラミンシアヌレート化合物は、粒径が細かい物が好ましい。メラミンシアヌレート化合物の平均粒径は好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。また、分散性の面から表面処理されたメラミンシアヌレート化合物が好ましく用いられる。
本発明において、メラミンシアヌレート化合物としては、例えばMCA−0、MCA−1(いずれも商品名、三菱化学社製)や、Chemie Linz GmbH社より上市されているものが好ましく用いることができる。また、本発明において、脂肪酸で表面処理したメラミンシアヌレート化合物、シラン表面処理したメラミンシアヌレート化合物としては、MC610、MC640、MC6000(いずれも商品名、日産化学社製)などを好ましく用いることができる。
本発明におけるメラミンシアヌレート化合物の含有量としては、前記エチレン系共重合体を含有する前記樹脂成分100質量部に対し0〜80質量部であることが好ましく、2〜80質量部であることがより好ましく、5〜70質量部であることがさらに好ましい。この成分が多すぎると、難燃性の向上効果よりも機械特性の低下に及ぼす影響が大きく有効でない。
本発明の絶縁樹脂組成物には、一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不活性剤、難燃(助)剤、充填剤、滑剤などを本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合することが出来る。
次に本発明の絶縁電線、ケーブル、光ファイバコードおよび光ファイバケーブルについて説明する。
本発明の絶縁電線または光ファイバコードは、本発明の樹脂組成物からなる被覆層を押出被覆等により導体(例えば軟銅製などの単線または撚線導体)または光ファイバ素線上に有してなり、この被覆層が樹脂組成物で構成されたものである。
また、本発明のケーブルまたは光ファイバケーブルは、本発明の樹脂組成物を複数本の絶縁電線または光ファイバ心線、導体の外側に形成させることによって構成されたものである。
さらに上記押出被覆後、被覆層を架橋していても良い。前記被覆層を架橋する場合の方法は特に制限はなく、電子線架橋法、化学架橋法等で行うことができる。
電子線架橋法で行う場合、電子線の線量は1〜30Mradが適当であり、効率よく架橋をおこなうために、トリメチロールプロパントリアクリレートなどのメタクリレート系化合物、トリアリルシアヌレートなどのアリル系化合物、マレイミド系化合物、ジビニル系化合物などの多官能性化合物を架橋助剤として含有させもよい。
化学架橋法の場合は樹脂組成物に、ヒドロペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル、ケトンペルオキシエステル、ケトンペルオキシドなどの有機過酸化物を架橋剤として含有させ、押出成形被覆後に加熱処理により架橋を行うことができる。
本発明の絶縁電線の導体径や導体の材質などは特に制限はなく、用途に応じて適宜定められる。導体の周りに形成される絶縁樹脂組成物の被覆層の肉厚も特に制限はないが、0.15〜1mmが好ましい。また、絶縁層が多層構造であってもよく、本発明の絶縁樹脂組成物で形成した被覆層のほかに中間層などを有するものでもよい。
なお、本発明の光ファイバコードもしくは光ケーブルは本発明の樹脂組成物を被覆層として、光ファイバ心線またはコードの外周に被覆されたものすべてを包含し、特にその構造を制限するものではない。光ケーブルの被覆層の厚さ、光ファイバコードに縦添えまたは撚り合わせる抗張力繊維の種類、量などは、光ケーブルの種類、用途などによって異なり、適宜に設定することが出来る。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
表1、2に各実施例および比較例の樹脂組成物の各成分の含有量を示す。含有量を示す「数値」は特に記載が無い限り、質量部を示す。
なお表1、2に示す各成分は下記のものを使用した。
(01)エチレン−酢酸ビニル共重合体
V9000(商品名、三井・デュポンポリケミカル社製)
VA含有量 41質量%
(02)二元共重合アクリルゴム
ベイマックDP(商品名、三井・デュポンポリケミカル社製)
(03)マレイン酸変性LLDPE
L6100M(商品名、JPO社製)
(04)アクリル酸変性ホモPP
P1002(商品名、クロンプトン社製)
(05)シランカップリング剤表面処理水酸化マグネシウム
キスマ5L(商品名、協和化学社製)
(06)メラミンシアヌレート
MC6000(商品名、昭和電工社製)
(07)ホスファゼン
SPS100(商品名、大塚化学社製)
(08)ヒンダートフェノール系老化防止剤
イルガノックス1076(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製)
(09)滑剤
CF9150(商品名、東レ・ダウコーニング社製)
まず、下記表1、2に示す各成分を室温(25℃)にてドライブレンドし、バンバリーミキサーを用いて溶融混練して、各実施例、比較例の絶縁樹脂組成物を製造した。
次に電線製造用の押出被覆装置を用いて、導体(導体径0.38mmの錫メッキ軟銅撚線 構成:7本/直径0.127mm)上に、絶縁樹脂組成物を押出法にて被覆して、各実施例、比較例に対応する絶縁電線を製造した。外径は2.06mm(被覆層の厚さ0.84mm)とした。
得られた各絶縁樹脂組成物、各絶縁電線に対して、下記試験を行った。得られた各実施例、比較例の結果を表1、2に示した。
試験1 成形時の負荷
材料の成形時の負荷の指標としては、ラボプラストミルミキサー(商品名、東洋精機社製)を用いて、ローターを220℃、30rpmで回転させて3分後、220℃、60rpmで回転させて3分後のそれぞれのトルクを測定した。
ミキサー負荷が30rpm、60rpm時両方共に、100N・m以下で合格、
試験2 難燃試験
各絶縁電線について、UL1581規格の垂直難燃試験VW−1を行った。
VW−1試験は5本中全数合格した絶縁電線を○、不合格の絶縁電線を×として表1、2に示した。
試験3 ブリード性試験
各絶縁電線について、下記(1)〜(2)のヒートサイクルを150回行った後、目視にてブリードアウトの有無を評価した。
(1)40℃8時間、1時間で5℃まで降温した。
(2)5℃8時間、1時間で40℃まで昇温した。
表1、2のブリード性は、前記ヒートサイクル後、ブリードアウトによる表面のベタツキおよび斑点の発生がない絶縁電線を○(合格)とし、ブリードアウトによるベタツキはないが、一部に斑点がみられる絶縁電線を△(不合格)、ブリードアウトによるベタツキおよび斑点の発生が著しい絶縁電線を×(不合格)とした。
Figure 2009227872
Figure 2009227872
表2から明らかなように、ホスファゼンを含有させていない比較例1の絶縁電線、ホスファゼン2質量部未満の比較例3の絶縁電線においては、ミキサー負荷が100N・mを超えてしまい、成形時の機器に大きな負担がかってしまうことがわかる。また、比較例2のように水酸化マグネシウムのみでは難燃性が得られないことがわかる。また、ホスファゼンが50質量部を超えること以外実施例4、5と各々同様な組成の比較例4、5の絶縁電線はいずれも、ミキサー負荷の軽減効果の向上が増大せず、むしろホスファゼンが多いことによりブリード性に劣っていた。
一方、表1から明らかなように、実施例1〜6の各々の絶縁電線は、ミキサー負荷、難燃性、ブリード性のいずれにも優れていることがわかる。

Claims (6)

  1. エチレン系共重合体を含有する樹脂成分100質量部に対し、金属水和物50〜250質量部、及びホスファゼン化合物2〜50質量部を含有してなる絶縁樹脂組成物。
  2. 前記金属水和物が水酸化マグネシウムであって、前記樹脂成分100質量部に対し、前記ホスファゼン化合物の含有量が5〜50質量部であり、さらにメラミンシアヌレート化合物2〜80質量部を含有してなることを特徴とする請求項1に記載の絶縁樹脂組成物。
  3. 前記エチレン系共重合体を含有する前記樹脂成分が、前記エチレン系共重合体98〜80質量%、及び不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン2〜20質量%を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁樹脂組成物。
  4. 前記エチレン系共重合体を含有する前記樹脂成分が、前記エチレン系共重合体93〜30質量%、アクリルゴム5〜60質量%、及び不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン2〜15質量%を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の絶縁樹脂組成物で導体を被覆したことを特徴とする絶縁電線またはケーブル。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の絶縁樹脂組成物で光ファイバを被覆したことを特徴とする光ファイバコードまたは光ケーブル。
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