JP2024012866A - 映写機用キセノンランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】長時間使用された場合でも、始動時に立ち消えにくい映写機用キセノンランプを提供する。【解決手段】発光管と陽極及び陰極とを備える映写機用キセノンランプであって、陽極は、第一方向に直交する第一平面で切断したときの断面積が実質的に均一である胴部と、前記胴部の前記陰極側の端面から前記陰極に近づく方向に突出し前記胴部よりも前記第一平面で切断したときの断面積が小さい端部とを有し、前記端部は、前記胴部に連結され、前記第一方向に関して前記陰極に近づくに連れて前記第一平面で切断したときの断面積が縮小するテーパ形状を呈して前記陰極側に突出する第一部分と、前記第一部分に連結され、前記第一平面に平行且つ前記第一方向に直交する第二方向に見たときの外側面の傾斜角が前記第一部分とは異なる形状を呈して前記陰極側に突出する第二部分とを含む形状であることを特徴とする。【選択図】 図3
Description
本発明は、映写機用キセノンランプに関する。
従来から、映写機等の画像投影装置に使用される光源として、ショートアーク型放電ランプが知られている。ショートアーク型放電ランプは、発光管内に陽極及び陰極が互いに対向して配置され、発光ガスとしてキセノンガス等が封入されてなる。
キセノンガスが封入されたショートアーク型放電ランプ(以下、便宜上「キセノンランプ」又は単純に「ランプ」という)の点灯動作について図6Aを用いて説明する。図6Aは、キセノンランプの点灯に際して発生するアークの概念図である。図6Aではアークが発生する領域にハッチングが施されており、以下の図面でも同様である。
まず発光管81内の陰極82と陽極83の間に、始動のための高電圧(始動電圧)が印加される。この始動電圧によって両電極間で絶縁破壊が起こり、突入電流と呼ばれる電流が流れ、アークA1が形成される。アークA1は両電極間への電流の供給により維持され、アーク放電に移行する。キセノンランプ80はこのアーク放電を利用して所望の光を得るものである。
また、発光管81内のキセノンガスは熱によって対流しており、アークA1はこの対流によってZ方向に力を受けるという事情がある。Z方向は典型的には鉛直方向である。アーク放電に移行後は、陰極82から陽極83に向かうアークA1中の電子の流れが大きいため、前述したガスの対流による力が作用しても、アークA1に大きな影響はない。一方で、キセノンランプ80の始動からアーク放電に移行するまでは、アーク中の電子の流れが比較的小さいため、前述したガスの対流の影響を受けてアークA1の位置が変動する場合がある。
図6Bは、ガスの対流によって位置が変動したアークの概念図である。図6Bに示すように、アークA2がZ方向に力を受けて変動した場合、アークA2を維持するために必要な電圧が高くなる。そして、この電圧が電源から供給可能な電圧を上回ると、アークA2を維持できずキセノンランプ80が立ち消えに至る場合がある。特に、ある程度の時間(例えば1000時間以上)の点灯動作を経たランプにおいて、この問題は顕在化する。
一方で、下記特許文献1には、長時間の点灯動作を経ても、アークの形成領域が変動するのを抑制すべく、発光管の外部から磁場を印加する技術が提案されている。
上記特許文献1に記載された技術は、磁界を印加することでアークに対してローレンツ力を作用させるものであるため、上記したランプ始動時のアークの位置の変動を抑制できる可能性はある。しかし、アークの変動を抑制するために、磁界印加手段を発光管の外部に設けると、ランプの装置構造が複雑になるという事情がある。さらに、このランプが使用される画像投影装置等の設計に影響を与える懸念すらある。
本発明は、上記事情を考慮して、長時間にわたる点灯動作が行われた場合でも、始動時の立ち消えが生じにくい映写機用キセノンランプを提供することを目的とする。
本発明に係る映写機用キセノンランプは、
発光管と、前記発光管の内側において第一方向に相互に離間して対向配置された陽極及び陰極とを備えてなる、映写機用キセノンランプであって、
前記陽極は、前記第一方向に直交する第一平面で切断したときの断面積が実質的に均一である胴部と、前記胴部の前記陰極側の端面から前記陰極に近づく方向に突出し前記胴部よりも前記第一平面で切断したときの断面積が小さい端部とを有し、
前記端部は、
前記胴部に連結され、前記第一方向に関して前記陰極に近づくに連れて前記第一平面で切断したときの断面積が縮小するテーパ形状を呈して前記陰極側に突出する第一部分と、
前記第一部分に連結され、前記第一平面に平行且つ前記第一方向に直交する第二方向に見たときの外側面の傾斜角が前記第一部分とは異なる形状を呈して前記陰極側に突出する第二部分とを含み、
前記第二部分は、以下の(1)式及び(2)式を満たす形状であることを特徴とする。
0.5≦ D2/D1 ≦1.5 (1)
0.3≦ H1/D1 ≦1.0 (2)
発光管と、前記発光管の内側において第一方向に相互に離間して対向配置された陽極及び陰極とを備えてなる、映写機用キセノンランプであって、
前記陽極は、前記第一方向に直交する第一平面で切断したときの断面積が実質的に均一である胴部と、前記胴部の前記陰極側の端面から前記陰極に近づく方向に突出し前記胴部よりも前記第一平面で切断したときの断面積が小さい端部とを有し、
前記端部は、
前記胴部に連結され、前記第一方向に関して前記陰極に近づくに連れて前記第一平面で切断したときの断面積が縮小するテーパ形状を呈して前記陰極側に突出する第一部分と、
前記第一部分に連結され、前記第一平面に平行且つ前記第一方向に直交する第二方向に見たときの外側面の傾斜角が前記第一部分とは異なる形状を呈して前記陰極側に突出する第二部分とを含み、
前記第二部分は、以下の(1)式及び(2)式を満たす形状であることを特徴とする。
0.5≦ D2/D1 ≦1.5 (1)
0.3≦ H1/D1 ≦1.0 (2)
なお、上記(1)式及び(2)式において、H1は前記第二方向に見たときの前記第二部分の前記第一方向に係る長さであり、D1は前記第二部分の前記陰極側の先端位置における前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向に係る長さであり、D2は前記第一部分と前記第二部分との連結位置における前記第三方向に係る長さである。
前述した通り、長時間の点灯動作を経たキセノンランプでは、始動時にアークの位置が変動して、ランプが立ち消える現象が生じやすい。これは、長時間の点灯動作によって、ランプが備える陰極が消耗するという事情による。図6Cは、長時間の点灯動作を経たランプの陰極の形状変化を示す概念図である。
図6Cに示すように、長時間の点灯動作を経ることによって、陰極82の-X方向に係る端部が消耗して変形する。図6Cでは、陰極82が消耗した部分が点線で示されている。すなわち、長時間の点灯動作を経ると、陰極82の陽極83側に位置する端面の径82aは大きくなる。また、このように陰極82が消耗することにより、陰極82の-X方向に係る端面の位置82bは位置82cに移動し、陰極82と陽極83の距離が広がる。一例を示すと、点灯動作の前において、陰極82の端面の径82aが0.45mmであったランプにおいて、3000時間点灯後、端面の径82aは1.9mmに大きくなり、その結果、陰極陽極間の距離は4mmから5mmに広がる場合がある。
このように、陰極陽極間の距離が広がると、陰極陽極間に形成されるアークを維持するための電圧が上昇する。したがって、長時間使用された後のキセノンランプでは、始動時にアークの位置が変動してランプの立ち消えが生じやすい(図6B参照)。
この問題に対し、本発明者らは、始動時のランプの立ち消えは、陽極と陰極の間に電圧が印加された際に陽極近傍に形成される電界に大きく影響されるのではないかとの仮説を立て、当該等電位面を異ならせるべく、陽極の形状について鋭意研究を行った。その結果、上記の構成とすることで始動時に立ち消えにくいキセノンランプを実現できることが新規に見出された。詳細は後述する。
始動時にランプの立ち消えが生じにくくなることで、従来と比較して点灯状態に達するまでに必要な始動動作の回数が減り、始動に要する時間が短縮化される。更に、始動動作回数が減ることは、始動用の高電圧がランプに対して印加される回数を低下させることになるため、ランプの長寿命化が図られる。
また、上記のキセノンランプを映写機に搭載することにより、映写機の起動に要する操作を少なくすることができる。さらに、ランプの始動時の立ち消えが抑制されているので、急を要する起動要請に対しても迅速に対応が可能である。
前記映写機用キセノンランプの前記第二部分は、更に以下の(3)式及び(4)式を満たす形状であっても構わない。
1.2≦ D2/D1 ≦1.5 (3)
0.31≦ H1/D1 ≦0.36 (4)
1.2≦ D2/D1 ≦1.5 (3)
0.31≦ H1/D1 ≦0.36 (4)
上記の構成とすることで、キセノンランプの始動時の立ち消えを抑制しつつ、照度維持率についても良好なキセノンランプを実現できることが見出された。詳細は後述する。
本明細書において、「照度維持率」とは、キセノンランプの初期状態における照度に対する、任意時間点灯後の照度の割合をいう。なお、ここでいう初期状態とは、例えば、キセノンランプが納品された直後の状態である。
前記映写機用キセノンランプは、点灯時において、前記第一方向が水平方向と一致するように配置されても構わない。
前記第一方向が水平方向と一致するように配置される場合、陰極と陽極の間に形成されるアークは、発光管内のガスの対流による影響を受けやすくなる。しかし、このような場合でも、上記構成とすれば、ランプの始動時の立ち消えを抑制することができる。
本発明によれば、長時間の点灯動作を経た場合でも、始動時に立ち消えにくい映写機用キセノンランプを提供できる。
[ランプの概要]
本実施形態に係るショートアーク型のキセノンランプにつき、図面を参照しながら説明する。なお、図面はいずれも模式的に図示されたものであり、図面上の寸法比や個数は、実際の寸法比や個数と必ずしも一致していない。
本実施形態に係るショートアーク型のキセノンランプにつき、図面を参照しながら説明する。なお、図面はいずれも模式的に図示されたものであり、図面上の寸法比や個数は、実際の寸法比や個数と必ずしも一致していない。
図1はランプの概要を示す概念図である。以下の各図では、陰極2及び陽極3が対向する方向をX方向とし、X方向に直交し、かつ互いに直交する方向をそれぞれY方向及びZ方向とする、X-Y-Z座標系が必要に応じて適宜併記されている。この定義を用いて説明すると、図1はランプ10を-Y方向に見た時の模式図である。
図1におけるX方向が「第一方向」に対応し、Y方向が「第二方向」に対応し、Z方向が「第三方向」に対応する。
なお、以下の説明では、方向を表現する際に正負の向きを区別する場合には、「+X方向」、「-X方向」のように、正負の符号を付して記載される。また、正負の向きを区別せずに方向を表現する場合には、単に「X方向」と記載される。すなわち、本明細書において、単に「X方向」と記載されている場合には、「+X方向」と「-X方向」の双方が含まれる。Y方向及びZ方向についても同様である。
ランプ10は、ショートアーク型放電ランプである。より詳細には、図1に示すように、ランプ10は、発光管1の内側に配置された、陰極2と陽極3を備える。これらの陰極2及び陽極3は、それぞれ発光管1の内側においてリード棒(4a,4b)によって支持されている。陰極2及び陽極3の形状については後述する。
ショートアーク型放電ランプとは、陰極2と陽極3とが10mm以下の間隔(熱膨張をしていない消灯時における値)で互いに対向配置されるランプである。この電極間の間隔は例えば4mmである。ランプ10は、主に映写機に搭載されるものであり、点灯に際して、典型的にはZ方向が鉛直方向となるように配置される。
発光管1は、例えば石英ガラス管から形成され、球体又は楕円体の形状であっても構わない。発光管1の内部空間には、発光物質としてキセノンガスが所定の圧力で封入される。
また、発光管1のX方向に係る両端には、図示しない封止管が設けられる。さらに、この封止管には、リード棒(4a,4b)に電気的に接続される口金が取り付けられる。リード棒(4a,4b)には、高融点金属、例えばタングステンを含む材料が使用される。
[陰極の構造]
図2を参照しながら、陰極2の構造について説明する。図2はランプ10の陰極の拡大断面図である。陰極2は、中心軸R1を中心とする回転体形状を呈する。図2では、中心軸R1を含むX-Z平面における陰極2の断面が示されている。
図2を参照しながら、陰極2の構造について説明する。図2はランプ10の陰極の拡大断面図である。陰極2は、中心軸R1を中心とする回転体形状を呈する。図2では、中心軸R1を含むX-Z平面における陰極2の断面が示されている。
図2に示すように、陰極2は、例えば、X方向に関して陽極3に近づく程、Z方向に係る幅が小さくなるような円錐台形状部分と、当該円錐台形状部分より+X方向側に位置し、Z方向に係る幅が実質的に均一な円柱形状部分からなる。円柱形状部分は+X方向側においてリード棒4aに接続される。陰極2の最大外径は例えば6mmである。陰極2には、高融点金属、例えば、トリエーテッドタングステンを含む材料が使用される。
[陽極の構造]
図3を参照しながら、陽極3の構造について説明する。図3はランプ10の陽極の拡大断面図である。陽極3は、中心軸R1を中心とする回転体形状を呈する。図3では、中心軸R1を含むX-Z平面における陽極3の断面が示されている。
図3を参照しながら、陽極3の構造について説明する。図3はランプ10の陽極の拡大断面図である。陽極3は、中心軸R1を中心とする回転体形状を呈する。図3では、中心軸R1を含むX-Z平面における陽極3の断面が示されている。
図3に示すように、陽極3は、それぞれ後述する胴部21及び端部22を有する。胴部21は、X方向に関して端部22とは反対側の位置において、リード棒4bと接続される。胴部21は、Z方向に係る幅が実質的に均一な円柱形状部分を含む。胴部21の外径は例えば15mmである。
端部22は、胴部21よりもX方向に関して陰極2に近い側に位置し、第一部分22aと第二部分22bを含む。なお、端部22のZ方向に係る幅は胴部21よりも小さい。
第一部分22aは、X方向に関して陰極2に近づく程、Z方向に係る幅が小さくなるテーパ形状を呈する。すなわち、第一部分22aをY-Z平面で切断した時の断面積は+X方向に進むにつれて縮小する。
第二部分22bは、第一部分22aに連結されて+X方向に突出する。なお、-Y方向に見たときの端部22の外側面23は、第一部分の外側面23aと第二部分の外側面23bとでそれぞれ異なる形状を呈する。なお、図3においては、第二部分22bとして、X方向に関して陰極2に近づく程、Z方向に係る幅が小さくなるテーパ形状を呈する例が示されているが、X方向に関して陰極2側に近づく程、Z方向に係る幅が大きくなる形状を呈しても構わない。
陽極3の材料としては、高融点金属、例えばタングステンが挙げられ、陽極3はこれらの材料を旋盤加工等により切削して作製される。なお、胴部21と端部22の連結位置や、第一部分22aと第二部分22bの連結位置等、一部が面取り加工されていても構わない。
陽極3がこのような形状を呈する場合に、電圧が印加された際に陽極3の近傍に形成される電界の形状について説明する。図4Aは、従来の陽極の近傍に形成される等電位面の概念図であり、図4Bは本実施形態に係る陽極3の場合に対応する。なお、図4A及び図4Bでは、等電位面が模式的に実線で表記されている。図4Bに示すように、陽極3が前述した形状を呈することで、従来の陽極83の場合よりも、陽極3の近傍の等電位面30が陽極3に向かって湾曲している。このように、等電位面が陽極3に向かって湾曲することで、等電位面と直交する電界は陽極3の端部22に向けられる。このため、陰極陽極間に形成されるアークは端部22の近傍に引き付けられ、アークの変動が軽減されることにより、ランプの立ち消えを抑制することができる。
[実験1]
本発明者らは、上記構成の陽極形状について詳細に検討し、実際に作製したランプを用いて始動時に立ち消えが発生するか否かについて実験を行った。以下この実験1について説明する。
本発明者らは、上記構成の陽極形状について詳細に検討し、実際に作製したランプを用いて始動時に立ち消えが発生するか否かについて実験を行った。以下この実験1について説明する。
検討したランプの陽極形状に対して得られた、立ち消えの判定結果及び照度維持の判定結果について下記の表1に示す。なお、図5に示すように、H1は-Y方向に見たときの第二部分22bのX方向に係る長さであり、D1は第二部分22bの陰極2側の端面におけるZ方向に係る長さであり、D2は第一部分22aと第二部分22bとの連結位置におけるZ方向に係る長さである。なお、従来例は第二部分22bを有さないため、便宜上、+X方向に係る端面の径をD1の欄に記載した。
立ち消えの判定試験においては、長時間点灯されたランプを再現するために、陰極2の-X方向に係る端面の径を1.9mm、陰極陽極間の距離を5mmとした(図6C参照)。このランプの始動操作を10回行い、立ち消えが発生するか否かを確認した。立ち消えが発生しなかったものをA、発生したものをBと評価した。なお、点灯に際して、Z方向が鉛直方向、X方向及びY方向が水平方向となるようにランプを配置した(図1参照)。
また、照度維持率についての判定試験を行った。ここでの照度維持率は、ランプの製造直後の状態における照度に対する、3000時間点灯後の照度の割合とした。照度は、JIS C 7801「一般照明用光源の測光方法」に準じて測定を行った。この照度維持率が50%以上であるものをC、50%未満であるものをDと評価した。50%を基準としたのは、従来例の照度維持率が50%程度であったためである。なお、念のため説明すると、照度維持の判定試験の開始時点においては、立ち消えの判定試験と異なり、陰極形状は初期状態(製造直後の状態)とされている。
表1に示すように、D2/D1が1.5以下、且つH1/D1が0.3以上となる範囲では、ランプの立ち消えが発生しないことが確認された。さらに、D2/D1が1.2~1.5、且つH1/D1が0.31~0.36となる範囲では、立ち消えを防止しつつ、照度維持率についても良好な結果が得られた。このように、陽極形状を前述した構成とすることで、ランプの立ち消えを抑制できることが見出された。
なお、陽極3の第二部分22bの機械的な強度を担保する観点から、D2/D1は0.5以上であることが好ましく、より好ましくは0.6以上である。また、H1/D1が大きくなると、陽極先端部分の熱容量が小さくなり、温度が上昇しやすくなるため、点灯時に陽極が溶融又は変形しやすくなる。この観点から、H1/D1は1.0以下であることが好ましく、より好ましくは0.8以下である。
上記実験1は、定格電力が2kWのランプを用いて確認されたものである。一方で、ランプの定格電力が変わっても、陰極2及び陽極3等の寸法が大きくなるという変化に過ぎず、寸法比に大きな変化がないため、同様の議論によって本発明を適用することが可能である。
D1を例にすると、定格電力が2kWのランプにおいて、D1は3.5mm~5.8mmの範囲で設計される。定格電力が4kWの場合、D1は5.4mm~9.0mmの範囲であり、定格電力6.5kWの場合、D1は7.4mm~10.0mmの範囲である。D1は、定格電力(便宜上「P1」とする)との関係で近似することによって得られる下記の(5)式によって設計することが可能である。
D1 = -8×10-8P12 + 0.0017P1 + 1.0033 (5)
D1 = -8×10-8P12 + 0.0017P1 + 1.0033 (5)
表2は定格電力が4kW及び6.5kWのランプについて、上記の構成とすることで、同様にランプの立ち消えを抑制できるか確認した結果である。立ち消えの判定及び照度維持の判定方法は実験1に準じたものである。
表2に示すように、定格電力が大きいランプの場合でも、上記の構成とすれば立ち消えを抑制できることが確認された。
本発明は、上述した実施形態及び実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
1,81 : 発光管
2,82 : 陰極
3,83 : 陽極
4a,4b: リード棒
10,80 : キセノンランプ
21 : 胴部
22 : 端部
22a : 第一部分
22b : 第二部分
23,23a,23b : 外側面
30 : 等電位面
82a : 端面の径
82b,82c : 端面の位置
A1,A2 :アーク
R1 :中心軸
2,82 : 陰極
3,83 : 陽極
4a,4b: リード棒
10,80 : キセノンランプ
21 : 胴部
22 : 端部
22a : 第一部分
22b : 第二部分
23,23a,23b : 外側面
30 : 等電位面
82a : 端面の径
82b,82c : 端面の位置
A1,A2 :アーク
R1 :中心軸
Claims (3)
- 発光管と、前記発光管の内側において第一方向に相互に離間して対向配置された陽極及び陰極とを備えてなる、映写機用キセノンランプであって、
前記陽極は、前記第一方向に直交する第一平面で切断したときの断面積が実質的に均一である胴部と、前記胴部の前記陰極側の端面から前記陰極に近づく方向に突出し前記胴部よりも前記第一平面で切断したときの断面積が小さい端部とを有し、
前記端部は、
前記胴部に連結され、前記第一方向に関して前記陰極に近づくに連れて前記第一平面で切断したときの断面積が縮小するテーパ形状を呈して前記陰極側に突出する第一部分と、
前記第一部分に連結され、前記第一平面に平行且つ前記第一方向に直交する第二方向に見たときの外側面の傾斜角が前記第一部分とは異なる形状を呈して前記陰極側に突出する第二部分とを含み、
前記第二部分は、以下の(1)式及び(2)式を満たす形状であることを特徴とする、映写機用キセノンランプ。
0.5≦ D2/D1 ≦1.5 (1)
0.3≦ H1/D1 ≦1.0 (2)
(ただし、上記(1)式及び(2)式において、H1は前記第二方向に見たときの前記第二部分の前記第一方向に係る長さであり、D1は前記第二部分の前記陰極側の先端位置における前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向に係る長さであり、D2は前記第一部分と前記第二部分との連結位置における前記第三方向に係る長さである。) - 前記第二部分は、更に以下の(3)式及び(4)式を満たす形状であることを特徴とする、請求項1に記載の映写機用キセノンランプ。
1.2≦ D2/D1 ≦1.5 (3)
0.31≦ H1/D1 ≦0.36 (4)
(ただし、上記(3)式及び(4)式において、H1は前記第二方向に見たときの前記第二部分の前記第一方向に係る長さであり、D1は前記第二部分の前記陰極側の先端位置における前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向に係る長さであり、D2は前記第一部分と前記第二部分との連結位置における前記第三方向に係る長さである。) - 点灯時において、前記第一方向が水平方向と一致するように配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の映写機用キセノンランプ。
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