JP2024008419A - 洗濯乾燥機 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、送風機の上流側に配置した風路フィルタを洗浄する洗濯乾燥機に関する。
従来の洗濯乾燥機として、送風機の上流側の風路フィルタに付着した異物を、水流を利用して除去するものが知られている。例えば、特許文献1の請求項1には「水槽と、前記水槽内に回転可能に配される回転ドラムと、前記回転ドラム内より導かれる空気を除湿する除湿部と、前記除湿部にて除湿された空気を加熱する加熱部と、前記回転ドラム内の空気を前記除湿部へと導くとともに前記加熱部にて加熱された空気を前記回転ドラム内へと吹き込む送風部と、前記回転ドラムと前記送風部との間であって乾燥工程時に前記送風部によって発生する空気流の上流側である吸込口側の経路に設けられるとともに洗い工程またはすすぎ工程時に前記水槽内に供給される洗濯水に浸かるように配されるフィルタ手段とを備えた乾燥洗濯機において、前記回転ドラムの回転駆動に基づいて前記洗濯水に水流を発生させて前記フィルタ手段に付着した異物を除去するクリーニング手段と、洗い工程またはすすぎ工程において前記回転ドラムの回転速度を変化させる回転ドラム回転制御手段とを備えていることを特徴とする乾燥洗濯機。」の記載がある。
また、特許文献1では、同文献の図5に示されるように、洗い工程時やすすぎ工程時に洗濯水に浸かる水槽の背面下部にフィルタを配置することで、乾燥工程時の循環空気に含まれる、フィルタの網目の粗さ(同文献の段落0060では、1mm~3mm)よりも大きい綿埃や糸くずなどの異物(以下「リント」と称する)を捕集し、フィルタ下流の送風機やヒータへの異物侵入を防止している。
このように、特許文献1の洗濯乾燥機では、乾燥工程時にフィルタ表側に付着したリントを、以後の洗い工程やすすぎ工程中に回転ドラムを回転させた際の水流でフィルタ表側から除去した後、水槽の最下部に開口する排水口から排出するので、フィルタ表側の目詰まりを解消して乾燥工程時の循環空気の風量低下を抑制することができる。
しかしながら、一般的に、乾燥工程時の循環空気に含まれるリントは、フィルタの網目より小さい数十~数百μm程度のものが多いため、循環空気中のリントの多くはフィルタを通過し、フィルタから送風機に至る風路内に侵入する。風路内に侵入した微細なリントは、乾燥工程時に除湿のために風路内に供給される冷却水、或いは、洗い工程時やすすぎ工程時に水槽に供給される水を吸収して、周辺のリントと合体しリント塊となってフィルタ裏側に堆積する。フィルタ裏側に堆積した網目より大きいリント塊は、特許文献1のクリーニングでは、フィルタ表側に逆流することがないため、乾燥工程を繰り返すとフィルタ裏側へのリント付着が次第に増え、フィルタ裏側の目詰まりが徐々に進展する。
このように、特許文献1の洗濯乾燥機では、経時的にフィルタ裏側の目詰まりが進展するため、乾燥工程時の循環空気の風量が低下して衣類等の乾燥不足が発生したり、風路内の排水不良が発生したりする場合があった。
そこで、本発明では、風路フィルタの目詰まりに起因する、衣類等の乾燥不足や、風路内の排水不良を抑制できる洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本実施例の洗濯乾燥機は、洗濯物を収容可能であり、回転自在な内槽と、該内槽を囲い、水を溜める外槽と、該外槽内の水を排水する排水路と、前記内槽と前記外槽に風を供給する送風機と、前記外槽側から吸気し前記送風機側に排気する風路と、前記外槽と前記送風機の間に設けられ、乾燥工程時に発生したリントを捕集する複数の風路フィルタと、を有し、前記風路の吸気側に配置した吸気側風路フィルタは、前記風路の吸気口の上部を覆い、下部を覆わない洗濯乾燥機とした。
本発明の洗濯乾燥機によれば、風路フィルタの目詰まりに起因する、衣類等の乾燥不足や、風路内の排水不良を抑制することができる。
以下、図面を用いて、本発明の洗濯乾燥機の実施例を説明する。なお、以下では、洗濯乾燥機の具体的構成として、内槽の回転軸が略水平のドラム式洗濯乾燥機を例示するが、内槽の回転軸が略垂直の縦型洗濯乾燥機に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。
<比較例の洗濯乾燥機1の概略>
本発明の洗濯乾燥機を説明する前に、まず、図1と図2を用いて、比較例の洗濯乾燥機1を説明する。なお、特許文献1の洗濯乾燥機では、ドラム回転軸の下方に送風機やヒータを配置しているが、比較例の洗濯乾燥機1では、ドラム回転軸の上方に送風機やヒータを配置した。
本発明の洗濯乾燥機を説明する前に、まず、図1と図2を用いて、比較例の洗濯乾燥機1を説明する。なお、特許文献1の洗濯乾燥機では、ドラム回転軸の下方に送風機やヒータを配置しているが、比較例の洗濯乾燥機1では、ドラム回転軸の上方に送風機やヒータを配置した。
図1の断面図に示すように、比較例の洗濯乾燥機1は、箱体2、ドア2a、外槽3、内槽4、送風装置5(送風機5a、ヒータ5b、吹出口5c、循環風路5d、風路ホース5e)、風路フィルタ6、排水路7(内部排水路7a、水路フィルタ7b、排水弁7c、排水ホース7d)、循環ポンプ8、循環水路8aを備えている。
箱体2は、洗濯乾燥機1の外殻であり、箱体2の前面開口には開閉自在なドア2aが取り付けられる。外槽3は、箱体2の内部に配置されており、内部に水を貯めることができる。内槽4は、外槽3の内部に配置されており、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の各工程時に、衣類等の洗濯物を入れた状態で、回転軸4a周りを低速あるいは高速で回転する。
送風装置5は、乾燥工程時に図中の破線矢印で示す循環風を発生させ、洗濯物を乾燥する。図示するように、送風機5aから吹き出した風は、下流のヒータ5bで温められた後、吹出口5cを通って、内槽4に供給される。内槽4に供給された風は、内槽4に収容された湿った洗濯物を加熱して水分を奪った後、内槽4の外周孔を通って内槽4と外槽3の隙間の空間に流出し、さらに、メッシュフィルタである風路フィルタ6を通過して循環風路5dに至る。循環風路5dに流入した風は、洗濯物から水分を奪うことで湿度が高まっているため、循環風路5dの上部からは、図中の実線矢印で示す冷却水を供給し、高湿度の風を冷却することで水蒸気を結露させ、風を除湿する。そして、除湿後の乾燥した風は、風路ホース5eを通って、送風機5aに戻る。このようにして、送風装置5は、内槽4内の湿った洗濯物に高温の乾燥風を供給し、洗濯物の乾燥を促進する。
排水路7は、外槽3から排水するための経路であり、外槽3の底面開口と連通する内部排水路7aと、内部排水路7aを流れる排水中のリントを捕集する水路フィルタ7bと、主に洗い工程時とすすぎ工程時には閉鎖され、他工程時には開放される排水弁7cと、排水弁7cの開放時に排水が通過する排水ホース7dからなる。なお、水路フィルタ7bで捕集されたリントは、使用者が適宜清掃する。
循環ポンプ8は、水路フィルタ7bの下流側に設けられており、洗い工程時とすすぎ工程時に循環水路8aを介して排水を外槽3に循環させる。
図2は、内槽4の図示を省略した場合の、外槽3と風路フィルタ6の正面図である。比較例の洗濯乾燥機1では、送風機5aを外槽3の上方に配置したため、外槽3から送風機5aに至る循環風路5dは、両者を最短距離で繋ぐよう、送風機5aの下方、かつ、外槽3の後側に配置される。また、比較例の洗濯乾燥機1では、外槽3から送風機5aへの通風抵抗を小さくし循環風の風量を増やすため、外槽3の背面に循環風路5dの入口となる縦長の大きな吸気口3aを設け、この吸気口3aの全面を面積の広い風路フィルタ6で覆っている。
<循環風路のリント堆積>
上記構成の比較例の洗濯乾燥機1では、洗い工程時やすすぎ工程時に、内槽4内の洗濯物同士が擦れあう機械力や、乾燥工程時に、内槽4に供給される風による機械力等により、洗濯物の繊維が剥離しリントが発生する。発生したリントは、乾燥工程の初期には湿った状態で重いため浮遊しないが、乾燥が進展するにつれ軽くなり浮遊し始める。浮遊したリントのうち、風路フィルタ6の網目より大きいリントは、風路フィルタ6で捕集され、以後の洗い工程やすすぎ工程の終了後に内部排水路7aに排出される。
上記構成の比較例の洗濯乾燥機1では、洗い工程時やすすぎ工程時に、内槽4内の洗濯物同士が擦れあう機械力や、乾燥工程時に、内槽4に供給される風による機械力等により、洗濯物の繊維が剥離しリントが発生する。発生したリントは、乾燥工程の初期には湿った状態で重いため浮遊しないが、乾燥が進展するにつれ軽くなり浮遊し始める。浮遊したリントのうち、風路フィルタ6の網目より大きいリントは、風路フィルタ6で捕集され、以後の洗い工程やすすぎ工程の終了後に内部排水路7aに排出される。
一方、乾燥工程時に浮遊したリントのうち、風路フィルタ6の網目より小さいリントは、風路フィルタ6を通過し循環風路5dに侵入する。このため、洗濯乾燥機1の使用期間が長くなれば、「発明が解決しようとする課題」欄で説明したと同等の理由で、風路フィルタ6の裏側に、図1の拡大図に示すようなリント塊が堆積する。
<本実施例の洗濯乾燥機1Aの概略>
次に、図3から図9を用いて、本発明の実施例1に係る洗濯乾燥機1Aを説明する。なお、比較例の洗濯乾燥機1との共通点は重複説明を省略する。
次に、図3から図9を用いて、本発明の実施例1に係る洗濯乾燥機1Aを説明する。なお、比較例の洗濯乾燥機1との共通点は重複説明を省略する。
略直線状の吸気口3aの全面を風路フィルタ6で覆った比較例の洗濯乾燥機1の構成(図1,図2参照)に対し、本実施例の洗濯乾燥機1Aは、図3の断面図や図4の正面図に示すように、弧状の吸気口3aに配置した風路フィルタ6(吸気側風路フィルタ)の下方に風路フィルタ6で覆われない開放部9を設けた。これにより、本実施例の洗濯乾燥機1Aでは、外槽3内から風路フィルタ6を経て吸気口3aに至る流路と、外槽3内から風路フィルタ6を経ずに吸気口3aに直接至る流路の二つの流路を形成した。
また、風路ホース5eと送風機5aの間にフィルタを設けない比較例の洗濯乾燥機1の構成(図1参照)に対し、本実施例の洗濯乾燥機1Aは、図3に示すように、風路ホース5eと送風機5aの間(すなわち、循環風路5dの排気側)に副風路フィルタ10(排気側風路フィルタ)を配置した。以下、風路フィルタ6の下方の開放部9の意義と、副風路フィルタ10の意義をそれぞれ説明する。
<本実施例の開放部9の意義>
比較例の洗濯乾燥機1では、乾燥工程時に発生した大きなリントは風路フィルタ6で捕集され循環風路5dへの侵入が防止されるが、小さなリントは風路フィルタ6を通過し循環風路5dに侵入するため、使用期間が長くなれば、図1中の拡大図に示したように、循環風路5dの下部にリント塊が堆積するという問題があった。
比較例の洗濯乾燥機1では、乾燥工程時に発生した大きなリントは風路フィルタ6で捕集され循環風路5dへの侵入が防止されるが、小さなリントは風路フィルタ6を通過し循環風路5dに侵入するため、使用期間が長くなれば、図1中の拡大図に示したように、循環風路5dの下部にリント塊が堆積するという問題があった。
一方、本実施例の洗濯乾燥機1Aでは、乾燥工程時に発生した大きなリントの大部分は比較例と同様に風路フィルタ6で捕集され循環風路5dへの侵入が防止されるが、大きなリントの一部が開口部9を通って循環風路5dに直接侵入したり、小さなリントが風路フィルタ6を通過して循環風路5dに侵入したりするため、比較例よりも循環風路5d内でリント塊が形成されやすい環境にある。ただし、本実施例の洗濯乾燥機1Aでは、洗い工程やすすぎ工程時に、循環風路5d内のリント塊が開放部9を介して外槽3に排出されるため、循環風路5d内を常時清浄に保つことができる。なお、外槽3に排出されたリントは、最終的に排水路7に排出され、水路フィルタ7bで捕集される。
ここで、洗濯乾燥機1Aの使用期間が相当に長くなった場合の、開放部9の意義を説明する。図1では区別していないが、破線矢印で示す乾燥風は、送風機5aに近く負圧の大きい風路フィルタ6の上部側で強く流れ、送風機5aから遠く相対的に負圧の小さい風路フィルタ6の下部側で相対的に弱く流れるため、風路フィルタ6の表面の上部側でリントを多く捕集する傾向がある。また、風路フィルタ6の表面は、洗い工程やすすぎ工程時に内槽4を回転させる際に発生する攪拌水流によって洗浄されるが、風路フィルタ6の上部には攪拌水流が届きにくいため、風路フィルタ6の上部側で洗浄不足となる傾向がある。これらの作用の結果、使用期間が長くと、風路フィルタ6の上部から順にリントが目詰まりしていき、その目詰まりによって負圧の大きい領域が徐々に下方に移動する傾向がある。そして、負圧の大きい領域が風路フィルタ6の下端に到達した後には、風路フィルタ6の上端から下端までリントが目詰まりしてしまう状況も考えられる。
このような場合、開放部9を設けない比較例の洗濯乾燥機1では、乾燥風の流れが著しく阻害され、乾燥性能が大幅に劣化することになるが、開放部9を設けた本実施例の洗濯乾燥機1Aでは、開放部9によって必要最低限の乾燥風の流れを保つことができるため、必要最低限の乾燥性能を維持することができる。なお、最低限の乾燥性能を維持するために必要とされる開放部9の大きさは、例えば、風路フィルタ6以外の循環風路5dの最小断面積よりも大きい面積である。
<<洗濯乾燥機の運転>>
ここで、図5のフローチャートを用いて、洗濯乾燥機の一般的な運転例について説明する。使用者が、内槽4に洗濯物と洗剤を投入し、洗濯物の種類や量、乾燥工程の有無などを設定した後、スタートボタンを押すと、注水、排水、内槽4の回転、送風機5aの駆動、ヒータ5bの加熱、冷却水の供給などを制御する制御装置の制御により、洗濯乾燥機1Aの運転が開始される。
ここで、図5のフローチャートを用いて、洗濯乾燥機の一般的な運転例について説明する。使用者が、内槽4に洗濯物と洗剤を投入し、洗濯物の種類や量、乾燥工程の有無などを設定した後、スタートボタンを押すと、注水、排水、内槽4の回転、送風機5aの駆動、ヒータ5bの加熱、冷却水の供給などを制御する制御装置の制御により、洗濯乾燥機1Aの運転が開始される。
まず、ステップS1では、制御装置は、排水弁7cを閉鎖した状態で外槽3に所定量の水を貯めた後、内槽4を低速回転させることで、洗い工程を実行する。
次に、ステップS2では、制御装置は、排水弁7cを開放した状態で内槽4を高速回転させることで、第一脱水工程を実行する。
ステップS3では、制御装置は、排水弁7cを閉鎖した状態で外槽3に所定量の水を貯めた後、内槽4を低速回転させることで、第一すすぎ工程を実行する。
ステップS4では、制御装置は、排水弁7cを開放した状態で内槽4を高速回転させることで、第二脱水工程を実行する。
ステップS5では、制御装置は、排水弁7cを閉鎖した状態で外槽3に所定量の水を貯めた後、内槽4を低速回転させることで、最終すすぎ工程を実行する。
ステップS6では、制御装置は、排水弁7cを開放した状態で内槽4を高速回転させることで、最終脱水工程を実行する。
ステップS7では、制御装置は、乾燥工程の実行が設定されているかを判断する。そして、乾燥工程が設定されていればステップS8に進み、設定されていなければ運転を終了する。
ステップS8では、制御装置は、排水弁7cを開放した状態で、送風装置5を駆動し、内槽4内の洗濯物を乾燥する。そして、洗濯物の乾燥が終了すれば、運転を終了する。
<風路フィルタ6の洗浄方法>
次に、本実施例の洗濯乾燥機1Aにおける、風路フィルタ6の洗浄方法について説明する。なお、風路フィルタ6の洗浄は、ステップS1からステップS6の何れの工程で実施しても良いが、洗濯物へのリント付着を抑制する観点では、最終すすぎと最終脱水の間で行われるのが望ましいため、本実施例では最終すすぎ工程であるステップS5で風路フィルタ6の洗浄を実行するものとする。
次に、本実施例の洗濯乾燥機1Aにおける、風路フィルタ6の洗浄方法について説明する。なお、風路フィルタ6の洗浄は、ステップS1からステップS6の何れの工程で実施しても良いが、洗濯物へのリント付着を抑制する観点では、最終すすぎと最終脱水の間で行われるのが望ましいため、本実施例では最終すすぎ工程であるステップS5で風路フィルタ6の洗浄を実行するものとする。
図6Aは、最終すすぎ工程であるステップS5の一例である。図6Aでは、制御装置は、すすぎが終了(ステップS51)した後に、前回運転時に乾燥工程を実施したか(すなわち、微細なリントが循環風路5dに吸い込まれたか)を判定し(ステップS52)、乾燥工程を実施していた場合は、風路フィルタ6の洗浄工程を開始する。一方、乾燥工程を実施していない場合は、風路フィルタ6を洗浄することなく、ステップS5の最終すすぎ工程を終了し、次の最終脱水工程(ステップS6)を実行する。
図6Aの風路フィルタ6の洗浄工程では、制御装置は、まず、排水弁7cを開放し、すすぎで使用した残水を一定水位まで排水した後(ステップS53)、排水弁7cを閉鎖し、内槽4をすすぎ工程時の回転数よりも高い回転数で回転させる(ステップS54)。このとき、高速回転する内槽4によって、外槽3内の水が風路フィルタ6の上端まで巻き上げられるため、攪拌された水流により風路フィルタ6の両側全面のリントを洗い流すことができる(ステップS55)。その後、内槽4の高速回転を維持した状態で排水弁7cを開放し、風路フィルタ6の洗浄を継続しながら、外槽3内の残存水を完全に排水する(ステップS56)。このとき、風路フィルタ6の表側のリントは内部排水路7aに直接排出され、風路フィルタ6の裏側のリントはリント排出水路9を介して内部排水路7aに排出される。
なお、風路フィルタ6の上端は、ステップS55において、内槽4の高速回転により攪拌された水流の到達する最大高さよりも低くなるように設計されている。これは、仮に風路フィルタ6の上端が巻き上げられた水流の高さより高いと、風路フィルタ6の上端付近を洗浄できず、上端付近の目詰まりを解消できないからである。
また、図6Bは、最終すすぎ工程であるステップS5の他例である。図6Bでは、制御装置は、すすぎが終了(ステップS51)した後に、排水弁7cを開放し、外槽3内の残存水を完全に排水する(ステップS51a)。その後、前回運転時に乾燥工程を実施したか(すなわち、微細なリントが循環風路5dに吸い込まれたか)を判定し(ステップS52)、乾燥工程を実施していた場合は、風路フィルタ6の洗浄工程を開始する。一方、乾燥工程を実施していない場合は、風路フィルタ6を洗浄することなく、ステップS5の最終すすぎ工程を終了し、次の最終脱水工程(ステップS6)を実行する。
図6Bの風路フィルタ6の洗浄工程では、制御装置は、まず、内槽4をすすぎ工程時の回転数よりも高い回転数で回転させた後(ステップS54a)、排水弁7cを閉鎖し、外槽3内に一定水位まで給水する(ステップS53a)。このとき、高速回転する内槽4によって、外槽3内の水が風路フィルタ6の上端まで巻き上げられるため、攪拌された水流により風路フィルタ6の両側全面のリントを洗い流すことができる(ステップS55)。その後、内槽4の高速回転を維持した状態で排水弁7cを開放し、風路フィルタ6の洗浄を継続しながら、外槽3内の残存水を完全に排水する(ステップS56)。このとき、風路フィルタ6の表側のリントは内部排水路7aに直接排出され、風路フィルタ6の裏側のリントはリント排出水路9を介して内部排水路7aに排出される。
なお、本実施例では、すすぎ工程の最終すすぎにて、ステップS55の風路フィルタ6を洗浄することで記載したが、すすぎ工程と脱水工程の間、又は脱水工程の最初にステップS55の洗浄する工程を設けても良い。
このように、図6A、図6Bの何れかの洗浄方法により、風路フィルタ6から引き剥がしたリントが内槽内の衣類に付着するのを抑制した状態で、リントを外槽3の外部へ排出することができる。
風路フィルタ6の洗浄工程は、前回運転時に乾燥工程を実施したか否かを判定せずに、すすぎ工程の最終すすぎで必ず実施する形としてもよい。
なお、風路フィルタ6の洗浄工程は、前回運転時に乾燥工程を実施したか否かを判定せずに、使用者が任意で設定する外槽3の内壁を洗浄する槽内洗浄工程の一部として実施しても良い。
<本実施例の副風路フィルタ10の意義>
本実施例の洗濯乾燥機1Aでは、上記した作用によって、循環風路5d内がある程度清浄に維持されるが、循環風路5dの上流に開放部9を設けたため、開放部9のない比較例の洗濯乾燥機1に比べ、乾燥工程時に浮遊したリントが開放部9経由で送風機5aに吸い込まれたり、リントがヒータ5bに堆積したりしやすくなることが考えられる。
本実施例の洗濯乾燥機1Aでは、上記した作用によって、循環風路5d内がある程度清浄に維持されるが、循環風路5dの上流に開放部9を設けたため、開放部9のない比較例の洗濯乾燥機1に比べ、乾燥工程時に浮遊したリントが開放部9経由で送風機5aに吸い込まれたり、リントがヒータ5bに堆積したりしやすくなることが考えられる。
そこで、本実施例の洗濯乾燥機1Aでは、風路ホース5eと送風機5aの間に、乾燥風に乗って移動するリントを捕集するための副風路フィルタ10を設けることで、上記の問題を改善できるようにした。以下、図7から図9を用いて、本実施例の副風路フィルタ10とそれに関連する構成の詳細を説明する。なお、本実施例の副風路フィルタ10は、開放部9と組み合わせた場合に特に顕著な効果を発揮するものであるが、開放部9の作用効果から独立した作用効果を有するものであり、必ずしも開放部9と組み合わせて使用する必要はない。
図7は、送風装置5の一部を構成する、副風路フィルタ10の近傍構造の外観斜視図であり、図8は図7のAA断面の断面図である。両図から分かるように、本実施例では、洗浄水を供給するための給水口11を、副風路フィルタ10より送風機5a側(乾燥風の下流側)に設けた。また、図8に示すように、給水口11の下方には、給水口11から落下した洗浄水を副風路フィルタ10に向けてガイドする水ガイド板12を設けた。
給水口11に供給される洗浄水は、シャワー給水弁(図示せず)から分岐して供給される。洗い工程およびすすぎ工程でシャワー給水弁が開かれ、給水口11から洗浄水が副風路フィルタ10に注がれる。
図9は、水ガイド板12の斜視図である。ここに示すように、水ガイド板12は、上辺が狭く下辺が広い略台形状の傾斜面を有しており、傾斜面の下辺は副風路フィルタ10の全幅と略等しくなっている。給水口11から水ガイド板12の上面に落下した洗浄水は、傾斜面を下側に流れる間に放射状に広がった後、図8の断面図に示すように、風路の天面に沿って副風路フィルタ10の上部全幅に注がれる。
副風路フィルタ10の上部全幅に注がれた洗浄水は、副風路フィルタ10のメッシュを通って表面(循環風の上流側)に流出し、副風路フィルタ10の表面を流れ落ちながらメッシュの表面で捕集されたリントを洗い流す。副風路フィルタ10の表面から洗い流されたリントは、循環風路5dを流れ落ちた後、開放部9から排水路7に排出され、最終的に水路フィルタ7bで捕集されることになる。
<本実施例の効果>
以上で説明したように、本実施例の洗濯乾燥機によれば、洗濯乾燥機の内部の奥まった位置に配置される各風路フィルタに付着したリントを自動的に洗い流して、洗濯乾燥機の内部を清浄に保つことができることから、各風路フィルタの目詰まりに起因する、洗濯物の乾燥不足や、風路内の排水不良を抑制することができる。
以上で説明したように、本実施例の洗濯乾燥機によれば、洗濯乾燥機の内部の奥まった位置に配置される各風路フィルタに付着したリントを自動的に洗い流して、洗濯乾燥機の内部を清浄に保つことができることから、各風路フィルタの目詰まりに起因する、洗濯物の乾燥不足や、風路内の排水不良を抑制することができる。
1、1A 洗濯乾燥機、
2 箱体、
2a ドア、
3 外槽、
3a 吸気口、
4 内槽、
5 送風装置、
5a 送風機、
5b ヒータ、
5c 吹出口、
5d 循環風路、
5e 風路ホース、
6 風路フィルタ、
7 排水路、
7a 内部排水路、
7b 水路フィルタ、
7c 排水弁、
7d 排水ホース、
8 循環ポンプ、
8a 循環水路、
9 開放部、
10 副風路フィルタ、
11 給水口、
12 水ガイド板
2 箱体、
2a ドア、
3 外槽、
3a 吸気口、
4 内槽、
5 送風装置、
5a 送風機、
5b ヒータ、
5c 吹出口、
5d 循環風路、
5e 風路ホース、
6 風路フィルタ、
7 排水路、
7a 内部排水路、
7b 水路フィルタ、
7c 排水弁、
7d 排水ホース、
8 循環ポンプ、
8a 循環水路、
9 開放部、
10 副風路フィルタ、
11 給水口、
12 水ガイド板
Claims (6)
- 洗濯物を収容可能であり、回転自在な内槽と、
該内槽を囲い、水を溜める外槽と、
該外槽内の水を排水する排水路と、
前記内槽と前記外槽に風を供給する送風機と、
前記外槽側から吸気し前記送風機側に排気する風路と、
前記外槽と前記送風機の間に設けられ、乾燥工程時に発生したリントを捕集する複数の風路フィルタと、を有し、
前記風路の吸気側に配置した吸気側風路フィルタは、前記風路の吸気口の上部を覆い、下部を覆わないことを特徴とする洗濯乾燥機。 - 請求項1に記載の洗濯乾燥機において、
前記吸気側風路フィルタは、前記内槽を回転させたときに発生する、前記外槽内の水流で洗浄されることを特徴とする洗濯乾燥機。 - 請求項2に記載の洗濯乾燥機において、
前記風路に侵入したリントは、前記吸気側風路フィルタで覆われていない、前記風路の吸気口の下部から前記外槽内に排出されることを特徴とする洗濯乾燥機。 - 請求項1から3の何れか一項に記載の洗濯乾燥機において、
前記風路の排気側に配置した排気側風路フィルタは、該排気側風路フィルタより排気側に設けた給水口から供給され、水ガイド板の上面を流れる間に横方向に広がった水が注がれることで洗浄されることを特徴とする洗濯乾燥機。 - 洗濯物を収容可能であり、回転自在な内槽と、
該内槽を囲い、水を溜める外槽と、
該外槽内の水を排水する排水路と、
前記内槽と前記外槽に風を供給する送風機と、
前記外槽側から吸気し前記送風機側に排気する風路と、
前記外槽と前記送風機の間に設けられ、乾燥工程時に発生したリントを捕集する複数の風路フィルタと、を有し、
前記風路の排気側に配置した排気側風路フィルタは、該排気側風路フィルタより排気側に設けた給水口から供給され、水ガイド板の上面を流れる間に横方向に広がった水が注がれることで洗浄されることを特徴とする洗濯乾燥機。 - 請求項5に記載の洗濯乾燥機において、
前記水ガイド板は、略台形状の傾斜面を有することを特徴とする洗濯乾燥機。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022110280A JP2024008419A (ja) | 2022-07-08 | 2022-07-08 | 洗濯乾燥機 |
PCT/JP2023/003649 WO2023203833A1 (ja) | 2022-04-21 | 2023-02-03 | 洗濯乾燥機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022110280A JP2024008419A (ja) | 2022-07-08 | 2022-07-08 | 洗濯乾燥機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024008419A true JP2024008419A (ja) | 2024-01-19 |
Family
ID=89544815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022110280A Pending JP2024008419A (ja) | 2022-04-21 | 2022-07-08 | 洗濯乾燥機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024008419A (ja) |
-
2022
- 2022-07-08 JP JP2022110280A patent/JP2024008419A/ja active Pending
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