JP2024007808A - フィルムロールおよびフィルムロールにおける接着テープの剥離方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルムロールの搬送時における接着テープによるロール体の固定を維持しつつ、接着テープの剥離時にフィルムの皺または破れの発生を抑制する。【解決手段】ロール体10は、終端101に隣接している第1面部110および第1面部110から1周して第1面部110に終端101を挟んで隣接している第2面部120を含みつつ最外周に位置している外周面100を有する。接着テープ20は、終端101を挟んで第1面部110および第2面部120に亘って貼り付けられている。接着テープ20は、ロール体10と接する接触面21を有し、かつ、接触面21の構成が互いに異なる第1領域130および第2領域140を有する。第2領域140の単位面積当たりの接着力は、第1領域130の単位面積当たりの接着力より低い。第1領域130は、第1面部110に接している。第2領域140の少なくとも一部は、第2面部120に接している。【選択図】図3
Description
本発明は、フィルムロールおよびフィルムロールにおける接着テープの剥離方法に関する。
フィルムロール粘着テープの剥離装置の構成を開示した先行技術文献として、特開2021-42076号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載されたフィルムロール粘着テープの剥離装置は、フィルムロールの外周面に貼り付けられた粘着テープを剥離させる。粘着テープは、フィルムロールに巻き回された帯状フィルムの繰り出し端部となる始端部をフィルムロールの外周面に留めている。
フィルムロールを搬送する場合、フィルムが巻き回されたロール体が解けないように接着テープによってロール体の固定を維持することが必要になる。一方、ロール体を固定するために接着テープの接着力を高くした場合、接着テープをロール体から剥離させる際、フィルムに皺または破れが生ずる可能性がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、搬送時における接着テープによるロール体の固定を維持しつつ、接着テープの剥離時にフィルムの皺または破れの発生を抑制することができる、フィルムロールおよびフィルムロールにおける接着テープの剥離方法を提供することを目的とする。
本発明に基づくフィルムロールは、ロール体と、接着テープとを備える。ロール体は、帯状のフィルムがロール状に巻かれており、終端に隣接している第1面部および第1面部から1周して第1面部に終端を挟んで隣接している第2面部を含みつつ最外周に位置している外周面を有する。接着テープは、終端を挟んで第1面部および第2面部に亘って貼り付けられている。接着テープは、ロール体と接する接触面を有し、かつ、接触面の構成が互いに異なる第1領域および第2領域を有する。第2領域の単位面積当たりの接着力は、第1領域の単位面積当たりの接着力より低い。第1領域は、第1面部に接している。第2領域の少なくとも一部は、第2面部に接している。
本発明の一形態においては、第2領域は、接触面を構成する接着材層および接着材層上に部分的に形成された非接着材層を有している。
本発明の一形態においては、接着テープには、第1領域と第2領域との境界から第2領域に入り込むように一定の範囲に、ロール体に貼り付けられる際に終端と重ね合わされるべき視認可能な目印が設けられている。
本発明に基づくフィルムロールにおける接着テープの剥離方法で準備されるフィルムロールは、ロール体と、接着テープとを備える。ロール体は、帯状のフィルムがロール状に巻かれており、終端に隣接している第1面部および第1面部から1周して第1面部に終端を挟んで隣接している第2面部を含みつつ最外周に位置している外周面を有する。接着テープは、終端を挟んで第1面部および第2面部に亘って貼り付けられている。接着テープは、第1領域および第2領域を有する。第1領域および第2領域は、ロール体と接する接触面を有し、かつ、接触面の構成が互いに異なる。第2領域の単位面積当たりの接着力は、第1領域の単位面積当たりの接着力より低い。第1領域は、第1面部に接している。第2領域の少なくとも一部は、第2面部に接している。本発明に基づくフィルムロールにおける接着テープの剥離方法は、上記フィルムロールを準備するステップと、フィルムロールのうちの最外層に位置する最外層フィルムと最外層フィルムの1層内側に位置する内層フィルムとの間において、第1面部にフィルムロールの軸方向に沿ってスクレーパを挿入するステップと、スクレーパを最外層フィルムと内層フィルムとの間に沿って終端を超えて第2面部に向かって移動させることにより第2領域を第2面部から剥離させるステップとを備える。
本発明によれば、搬送時における接着テープによるロール体の固定を維持しつつ、接着テープの剥離時にフィルムの皺または破れの発生を抑制することができる。
以下、本発明の各実施の形態に係るフィルムロールおよびフィルムロールにおける接着テープの剥離方法について図面を参照して説明する。以下の実施の形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るフィルムロールの構成を示す斜視図である。図1に示すように、本実施の形態に係るフィルムロール1は、ロール体10と、接着テープ20とを備える。
図1は、本発明の実施の形態1に係るフィルムロールの構成を示す斜視図である。図1に示すように、本実施の形態に係るフィルムロール1は、ロール体10と、接着テープ20とを備える。
ロール体10は、フィルム11が原反の状態でロール状に巻かれることにより構成されている。具体的には、フィルム11は長尺帯状であり、長手方向に始端および終端101を有する。ロール体10は、フィルム11の始端を内周側とし、終端101を外周側としてフィルム11が巻かれることにより構成されている。
ロール体10のフィルム11には、図示しない製品情報が外表面に印刷されている。フィルム11は、たとえば1種類の製品情報がロール体10の周方向に沿って複数連続している。
本実施の形態におけるロール体10のフィルム11は、複数層から構成されている。フィルム11は、本体層および印刷層を含んでいる。
フィルム11の本体層は、透明である。印刷層は、製品情報が印刷される層であり、本体層の裏面側に配置される。印刷層における製品情報は、透明である本体層越しに表面側から視認することができる。なお、フィルム11は、表面側において本体層が露出していてもよいし、本体層の表面側に透明な保護印刷層が設けられていてもよい。
フィルム11を適切な長さで切断することによって、1種類の製品情報が表示された複数の製品ラベルが形成される。フィルム11が切断されることにより形成された複数のラベルの各々は、たとえば、ペットボトルなどの外周に熱収縮されて取り付けられる。
フィルム11の種類は、筒状ラベルの軸方向がロール体10の円周方向に沿うように連続して巻き回されている、いわゆるスリーブ型フィルムでもよいし、1枚の枚葉型ラベルが連続してロール状に巻き回されている、いわゆる平板状フィルムでもよい。
フィルム11の材質は、たとえば、ポリスチレン系樹脂である。なお、フィルム11は、ポリスチレン系樹脂に限られず、ポリエチレンテレフタレート系樹脂もしくはポリ乳酸系樹脂などのポリエステル系樹脂またはオレフィン系樹脂などであってもよい。また、フィルム11は、必ずしも熱収縮性を有していなくてもよい。
ロール体10は、フィルムロール1の最外周に位置する外周面100を含んでいる。外周面100は、第1面部110と、第2面部120とを有している。
第1面部110は、終端101に隣接している。第2面部120は、第1面部110から1周して第1面部110に終端101を挟んで隣接している。
接着テープ20は、ロール体10の外周面100に貼り付けられている。具体的には、接着テープ20は、終端101を挟んで第1面部110および第2面部120に亘ってロール体10に貼り付けられている。これにより、接着テープ20は、ロール体10の終端101を外周面100上に固定している。接着テープ20は、フィルム11を使用するために、ロール体10のロール状態を解除する際に剥離される。
図2は、本発明の実施の形態1に係るフィルムロールが備える接着テープの構成を示す正面図である。図3は、本発明の実施の形態1に係るフィルムロールが備える接着テープの構成を示す背面図である。図2および図3においては、発明の理解を容易にするため、接着テープ20が貼り付けられるロール体10を透視して示している。
図1~図3に示すように、接着テープ20は、基材層と、基材層の表面に位置してロール体10と接する接触面21とを有している。接触面21に接着材層が配置されることによって、接着テープ20がロール体10に接着可能である。
基材層は、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート若しくはポリ乳酸などのポリエステル系、ポリスチレン若しくはスチレン-ブタジエン共重合体などのポリスチレン系、ポリエチレン若しくはポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ナイロンなどのポリアミド系、アラミド系、ポリイミド系、ポリフェニレンスルフィド系、またはアクリル系などの熱可塑性樹脂である。なお、基材層は、これらの樹脂の1種類から構成されていてもよく、2種類以上を含んで構成されていてもよい。
接着テープ20は、接触面21の構成が互いに異なる第1領域130および第2領域140を有している。
図3に示すように、第1領域130は、全面に接着材層131が設けられている。接着材層131には、たとえば、シリコーン系、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、またはゴム系などの接着材を用いることができる。
本実施の形態における第1領域130の接着力は、たとえば、25mm幅の剥離接着強さで測定した場合、平均で3.8N/25mmである。この剥離接着強さは、JIS規格(JIS K 6854:1999)の180°剥離法による評価によって得られる。180°剥離法は、接着部の幅を25mmとして、接着部を2kgのローラによって1往復させて押圧し、24時間常温で放置した後に接着部を剥離させることによって、剥離接着強さが測定される。本実施の形態における剥離接着強さは、3.3N/25mm以上8N/25mm以下であることが好ましい。
第2領域140は、接着材層141と、非接着材層142とを有している。接着材層141および非接着材層142は、接触面21の一部を構成している。本実施の形態における接着材層141は、第1領域130における接着材層131と同じ接着材にて構成されている。
非接着材層142は、接着材層141上に部分的に形成されている。本実施の形態における非接着材層142は、接着材層141の一部にインキ(粘着性のないまたは低い塗膜を形成することができる)を印刷し、接着材層141の一部を当該インキの塗膜で覆うことによって形成される。なお、非接着材層142は、ロール体10に対して接着力を有していなくてもよいし、接着材層141と比較して接着力が低い、微小な接着力を有していてもよい。非接着材層142の接着力は、たとえば、粘着性のないインキをベタ状に印刷して得られるインキ塗膜により接着材層141の全体を覆うことで接着力を有さないものとなり、他方、粘着性のないインキを網点で印刷し形成されたインキ塗膜の隙間から、部分的に接着材層141の表面を露出させることで接着力が低いまたは微小な接着力を有するものとすることができる。
本実施の形態における非接着材層142は、複数の矩形部分142aと、端部142bとを有する。
複数の矩形部分142aは、互いに間隔を開けて接着材層141がマトリクス状に形成されるように設けられている。この構成によって、接着材層141および複数の矩形部分142aは、第2領域140において、接着テープ20の長手方向および短手方向に交互に配置される。
端部142bは、第2領域140のうちの第1領域130とは反対側に設けられている。端部142bは、接着テープ20の短手方向の全長に亘って配置されている。これにより、人の手で接着テープ20を剥がす場合に、非接着性を有する端部142bを把持しやすいため、接着テープ20を剥離させやすい。
第2領域140の単位面積当たりの接着力は、第1領域130の単位面積当たりの接着力より低い。第2領域140の単位面積当たりの接着力は、第1領域130の単位面積当たりの接着力の0.2倍以上0.9倍以下であることが好ましく、0.3倍以上0.8倍以下であることがより好ましい。
本実施の形態における第2領域140の接着力を25mm幅の接着力にする場合、第2領域140の25mm幅の接着力は、1.0N/25mm以上3.0N/25mm以下であることが好ましく、1.2N/25mm以上2.5N/25mm以下であることがより好ましい。第2領域140の接着力は、たとえば、25mm幅の剥離接着強さで測定した場合、平均で1.6N/25mmである。この剥離接着強さは、第1領域130の場合と同様に、JIS規格(JIS K 6854:1999)の180°剥離法による評価によって得られる。
なお、本実施の形態における第1領域130は、その全面に接着材層131が設けられているが、この構成に限定されない。第1領域130は、単位面積当たりの接着力が第2領域140より高ければ、第1領域130には必ずしもその全面に接着材層131が設けられていなくてもよい。
また、本実施の形態における第2領域140は、接着材層141と非接着材層142のうちの矩形部分142aとがマトリクス状に交互に配置されているが、第1領域130に対して第2領域140の単位面積当たりの接着力が低ければ、この構成に限定されない。さらに、第1領域130と第2領域140とは全面に異なる種類の接着材が塗布されることによって、第2領域140の単位面積当たりの接着力が第1領域130より低い構成であってもよい。
図2に示すように、接着テープ20には、ロール体10に貼り付けられる際に終端101と重ね合わされるべき視認可能な目印150が設けられている。目印150は、第1領域130と第2領域140との境界Bに隣接して、接着テープ20の短手方向の両端に1箇所ずつ設けられている。
接着テープ20は、目印150を目安としてロール体10に貼り付けられる。本実施の形態における接着テープ20は、たとえば、目印150の接着テープ20の長手方向の中央付近にロール体10の終端101が位置するように貼り付けられている。
図2および図3に示すように、上述した接着テープ20がロール体10に貼り付けられることによって、第1領域130は、第1面部110に接している。本実施の形態においては、第1領域130は、第1面部110にその全面が接着されている。第2領域140より単位面積当たりの接着力が高い第1領域130が第1面部110に接着されるため、フィルムロール1の輸送時などにおいて接着テープ20がロール体10から剥離することが抑制されている。
また、第2領域140の少なくとも一部は、第2面部120に接している。本実施の形態においては、ロール体10の終端101が目印150の接着テープ20の長手方向の中央付近に貼り付けられていることによって、第2領域140の一部が第2面部120に接しており、第2領域140の残部が第1面部110に接している。
目印150は、第1領域130と第2領域140との境界Bから第2領域140に入り込むように一定の範囲に設けられている。これにより、目印150の範囲内に終端101が位置するように接着テープ20がロール体10に貼り付けられた場合、第1領域130は第2面部120に貼り付けられることがない。その結果、第1領域130と比較して単位面積当たりの接着力が低い第2領域140を第2面部120に貼り付けることができるため、第2面部120に貼り付けられた第2領域140を剥離させやすくすることができる。
接着テープ20には、識別点151が設けられている。接着テープ20を後述する自動剥離装置によって剥離する際に、自動剥離装置に取り付けられたセンサにより識別点151の位置を認識させることによって、目印150と識別点151との間に後述するスクレーパを挿入することができる。
第2領域140の接触面21とは反対側の面において、剥離位置指示部152が設けられている。剥離位置指示部152は、その裏面に非接着材層142の端部142bが位置している。これにより、手動で接着テープ20を剥離させる際に、接着テープ20の手で把持する位置を識別することができる。本実施の形態における剥離位置指示部152の形状は台形形状を有しているが、この形状を変更することによって、種々の接着テープを識別することができる。
以下、本発明の実施の形態1に係るフィルムロール1における接着テープ20の剥離方法について説明する。
図4は、本発明の実施の形態1に係るフィルムロールにおける接着テープの剥離方法を示すフローチャートである。図5は、本発明の実施の形態1に係るロール体のうちの最外層フィルムを吸引装置により吸引している状態を示す斜視図である。図6は、本発明の実施の形態1に係るロール体のうちの最外層フィルムと内側フィルムとの間にスクレーパおよび支持部材を挿入している状態を示す斜視図である。図7は、本発明の実施の形態1に係るロール体のうちの最外層フィルムを押さえ部材と支持部材とにより挟持している状態を示す斜視図である。図8は、本発明の実施の形態1に係るフィルムロールが備える接着テープがスクレーパによって剥離される状態を示す斜視図である。
図4~図8に示すように、本実施の形態に係るフィルムロール1における接着テープ20は、自動剥離装置によって剥離されることが好ましい。自動剥離装置は、吸引装置2と、スクレーパ3と、支持部材4と、押さえ部材5とを備えている。
フィルムロール1における接着テープ20の剥離方法としては、まず、図4に示すように、本実施の形態に係る接着テープ20がロール体10の外周面100に貼り付けられた状態のフィルムロール1を準備する(S1工程)。自動剥離装置における図示しないマンドレルにロール体10の内周部を挿通させて、ロール体10が円周方向に回転可能に固定される。
次に、図4および図5に示すように、吸引装置2によってフィルムロール1のうちの最外層に位置する最外層フィルム102をフィルムロール1の径方向の外側に吸引する(S2工程)。これにより、最外層フィルム102と最外層フィルム102の1層内側に位置する内層フィルム103との間に隙間が生ずる。吸引装置は、たとえば、吸盤である。
次に、図4および図6に示すように、最外層フィルム102と内層フィルム103との間において、第1面部110にフィルムロール1の軸方向に沿ってスクレーパ3を挿入する(S3工程)。スクレーパ3は、支持部材4とともに挿入される。スクレーパ3は、支持部材4よりフィルムロール1の径方向の内側に位置する。スクレーパ3は、たとえば、図2において示す目印150と識別点151との間に挿入される。
次に、図4および図7に示すように、押さえ部材5によって、最外層フィルム102がフィルムロール1の径方向の外側から内側に向かって押圧される。これにより、最外層フィルム102が支持部材4と押さえ部材5とによって挟持される(S4工程)。最外層フィルム102が挟持された後、吸引装置2による最外層フィルム102の吸引は解除される。
次に、図4および図8に示すように、スクレーパ3を最外層フィルム102と内層フィルム103との間に沿って終端101を超えて第2面部120に向かって移動させることにより、第2領域140を第2面部120から剥離させる(S5工程)。フィルムロール1の円周方向に沿ってスクレーパ3を移動させることによって、径方向の外側に向かって接着テープ20を剥離させる場合と比較して、ロール体10に剥離力を加わりにくくさせることができるため、フィルム11に皺または破れの発生を抑制することができる。
第2領域140では、接着材層141と非接着材層142とがマトリクス状に形成されているため、スクレーパ3のブレード状の先端が、接着材層141および非接着材層142の両方に当接しながら剥離される。第2領域140は、第1領域130より単位面積当たりの接着力が低く、接着材層141と非接着材層142とがマトリクス状に形成されているため、仮に第1領域130が第2面部120に接着され、第1領域130を第2面部120から剥離させる場合と比較して、第2面部120から剥離させやすい。第2領域140が第2面部120から剥離された状態のフィルムロール1から吸引装置2、スクレーパ3、支持部材4および押さえ部材5の各々をフィルム11が破れないように戻して、接着テープ20の剥離が完了する。
なお、本実施の形態においては、自動剥離装置によってロール体10から接着テープ20を剥離させているが、この構成に限定されず、接着テープ20は手動で剥離されてもよい。この場合には、第2領域140における端部142bを把持することによって、接着テープ20をロール体10から剥離させることが好ましい。
本発明の実施の形態1に係るフィルムロール1においては、接触面21における第1領域130がロール体10の第1面部110に強力に接着されることによって、搬送時などにおいて接着テープ20がロール体10から剥離することが抑制される。また、接着テープ20をロール体10から剥離させる際に、接触面21における第2領域140の単位面積当たりの接着力が第1領域130と比較して低いため、第2面部120から第2領域140を剥離させやすくすることができる。これにより、搬送時における接着テープ20によるロール体10の固定を維持しつつ、接着テープ20の剥離時にフィルム11の皺または破れの発生を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係るフィルムロール1においては、接着材層141と非接着材層142とが部分的に交互に形成されていることによって、第2面部120と第2領域140との接着を第2領域140において分散させることができるため、第2面部120から第2領域140を剥離させやすくすることができる。
本発明の実施の形態1に係るフィルムロール1においては、接着テープ20に目印150を設けることによって、接着テープ20をロール体10に貼り付ける際に、第1領域130を第1面部110に貼り付け、第2領域140の少なくとも一部を第2面部120に貼り付ける位置を容易に識別することができる。
本発明の実施の形態1に係るフィルムロール1においては、目印150が第1領域130と第2領域140との境界Bから第2領域140に入り込むように一定の範囲に設けられていることによって、目印150の範囲内に終端101が位置するように接着テープ20がロール体10に貼り付けられる。この場合、第1領域130は第2面部120に貼り付けられることがないため、第1領域130と比較して単位面積当たりの接着力が低い第2領域140を第2面部120に貼り付けることができる。その結果、ロール体10から接着テープ20を剥離させやすくすることができる。
本発明の実施の形態1に係るフィルムロール1における接着テープ20の剥離方法は、第1領域130および第1領域130と比較して単位面積当たりの接着力が低い第2領域140が形成された接着テープ20を使って、自動剥離装置におけるスクレーパ3によって第2領域140をフィルムロール1の円周方向に沿って第2面部120から剥離させることができる。これにより、搬送時における接着テープ20によるロール体10の固定を維持しつつ、接着テープ20の剥離時にフィルム11の皺または破れの発生を抑制することができる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2に係るフィルムロールおよびフィルムロールにおける接着テープの剥離方法について説明する。本発明の実施の形態2に係るフィルムロールおよびフィルムロールにおける接着テープの剥離方法は、第2領域の構成が本発明の実施の形態1に係るフィルムロール1およびフィルムロール1における接着テープ20の剥離方法と異なるため、本発明の実施の形態1に係るフィルムロール1およびフィルムロール1における接着テープ20の剥離方法と同様である構成については説明を繰り返さない。
以下、本発明の実施の形態2に係るフィルムロールおよびフィルムロールにおける接着テープの剥離方法について説明する。本発明の実施の形態2に係るフィルムロールおよびフィルムロールにおける接着テープの剥離方法は、第2領域の構成が本発明の実施の形態1に係るフィルムロール1およびフィルムロール1における接着テープ20の剥離方法と異なるため、本発明の実施の形態1に係るフィルムロール1およびフィルムロール1における接着テープ20の剥離方法と同様である構成については説明を繰り返さない。
図9は、本発明の実施の形態2に係るフィルムロールが備える接着テープの構成を示す背面図である。図9においては、接着テープが貼り付けられるフィルムを透視して示している。図9に示すように、本実施の形態に係るフィルムロールは、ロール体10と、接着テープ20Aとを備える。
接着テープ20Aは、ロール体10と接する接触面21Aを有している。接着テープ20Aは、接触面21Aの構成が互いに異なる第1領域130および第2領域240を有している。
第2領域240は、接着材層241と、非接着材層242とを有している。接着材層241および非接着材層242は、接触面21Aの一部を構成している。非接着材層242は、接着材層241上に部分的に形成されている。本実施の形態における非接着材層242は、複数の長方形部分242aと、端部242bとを有する。
複数の長方形部分242aは、接着テープ20Aの短手方向において、接着材層241と長方形部分242aとが交互に配置されるように設けられている。端部242bは、第2領域240のうちの第1領域130とは反対側に設けられている。端部242bは、長方形部分242aの各々とこれらの端において接続されている。第2領域240の単位面積当たりの接着力は、第1領域130の単位面積当たりの接着力より低い。
本実施の形態における接着テープ20Aを自動剥離装置によって剥離させる場合、スクレーパをフィルムロールにおける最外層フィルムと内層フィルムとの間に沿って終端101を超えて第2面部120に向かって移動させることにより、第2領域240が第2面部120から剥離される。
第2領域240は、第1領域130より単位面積当たりの接着力が低く、接着材層241と非接着材層242とが交互に配置されているため、スクレーパがせん断方向に第2領域240に接触する際に、第2面部120から剥離させやすい。
本発明の実施の形態2に係るフィルムロールおよびフィルムロールにおける接着テープ20Aの剥離方法においても、実施の形態1と同様に、接触面21Aにおける第1領域130がロール体10の第1面部110に強力に接着されることによって、搬送時などにおいて接着テープ20Aがロール体10から剥離することが抑制される。また、接着テープ20Aをロール体10から剥離させる際に、接触面21Aにおける第2領域240の単位面積当たりの接着力が第1領域130と比較して低いため、第2面部120から第2領域240を剥離させやすくすることができる。これにより、搬送時における接着テープ20Aによるロール体10の固定を維持しつつ、接着テープ20Aの剥離時にフィルムの皺または破れの発生を抑制することができる。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本開示の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではない。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。上述した実施の形態の説明において、組み合わせ可能な構成を相互に組み合わせてもよい。
1 フィルムロール、2 吸引装置、3 スクレーパ、4 支持部材、5 押さえ部材、10 ロール体、11 フィルム、20,20A 接着テープ、21,21A 接触面、100 外周面、101 終端、102 最外層フィルム、103 内層フィルム、110 第1面部、120 第2面部、130 第1領域、131,141,241 接着材層、140,240 第2領域、142,242 非接着材層、142a 矩形部分、142b,242b 端部、150 目印、151 識別点、152 剥離位置指示部、242a 長方形部分、B 境界。
Claims (4)
- 帯状のフィルムがロール状に巻かれており、終端に隣接している第1面部および該第1面部から1周して前記第1面部に前記終端を挟んで隣接している第2面部を含みつつ最外周に位置している外周面を有するロール体と、
前記終端を挟んで前記第1面部および前記第2面部に亘って貼り付けられた接着テープとを備え、
前記接着テープは、前記ロール体と接する接触面を有し、かつ、前記接触面の構成が互いに異なる第1領域および第2領域を有し、
前記第2領域の単位面積当たりの接着力は、前記第1領域の単位面積当たりの接着力より低く、
前記第1領域は、前記第1面部に接しており、
前記第2領域の少なくとも一部は、前記第2面部に接している、フィルムロール。 - 前記第2領域は、前記接触面を構成する接着材層および該接着材層上に部分的に形成された非接着材層を有している、請求項1に記載のフィルムロール。
- 前記接着テープにおいて、前記第1領域と前記第2領域との境界から前記第2領域に入り込むように一定の範囲に、前記ロール体に貼り付けられる際に前記終端と重ね合わされるべき視認可能な目印が設けられている、請求項1または請求項2に記載のフィルムロール。
- 帯状のフィルムがロール状に巻かれており、終端に隣接している第1面部および該第1面部から1周して前記第1面部に前記終端を挟んで隣接している第2面部を含みつつ最外周に位置している外周面を有するロール体と、
前記終端を挟んで前記第1面部および前記第2面部に亘って貼り付けられた接着テープとを備え、
前記接着テープは、前記ロール体と接する接触面を有し、かつ、前記接触面の構成が互いに異なる第1領域および第2領域を有し、
前記第2領域の単位面積当たりの接着力は、前記第1領域の単位面積当たりの接着力より低く、
前記第1領域は、前記第1面部に接着しており、
前記第2領域の少なくとも一部は、前記第2面部に接している、フィルムロールを準備するステップと、
前記フィルムロールのうちの最外層に位置する最外層フィルムと前記最外層フィルムの1層内側に位置する内層フィルムとの間において、前記第1面部に前記フィルムロールの軸方向に沿ってスクレーパを挿入するステップと、
前記スクレーパを前記最外層フィルムと前記内層フィルムとの間に沿って前記終端を超えて前記第2面部に向かって移動させることにより前記第2領域を前記第2面部から剥離させるステップとを備える、フィルムロールにおける接着テープの剥離方法。
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JP2022109143A JP2024007808A (ja) | 2022-07-06 | 2022-07-06 | フィルムロールおよびフィルムロールにおける接着テープの剥離方法 |
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