JP2024006597A - 実装可否判定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、実装可否判定装置に関する。
従来、部品に設けられた複数のリードを、基板に設けられた複数の穴に挿入する部品挿入装置が知られている。例えば、特許文献1には、カメラの画像から得られた部品におけるリードの位置と、メモリに蓄えられた挿入穴位置情報とを比較し、両者が一致すれば部品を基板に挿入し、両者にずれがあれば、該当するリードを矯正して(変形させて)部品を基板に挿入するものが開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されている部品挿入装置では、リードの曲がり量の許容範囲については検討されていない。
本開示は、断面円形または楕円形のピンを有する部品を円形または楕円形の複数のピン孔を有する基板に実装するにあたり、簡易な処理により良好な精度で実装可否を判定することを主目的とする。
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本開示の実装可否判定装置は、
断面円形または楕円形の複数のピンを有する部品を円形または楕円形の複数のピン孔を有する基板に実装するにあたり、前記複数のピンがそれぞれ対応するピン孔に挿入可能か否かを判定する実装可否判定装置であって、
前記部品の画像を取得し、取得した画像を処理して前記複数のピンの先端部の中心位置を求め、
前記ピンの径と前記ピン孔の径との径差を取得し、
前記ピン毎に、前記ピンの先端部の中心位置が前記ピンの理想位置を中心として前記径差に応じた径の円形または楕円形の領域内に含まれるか否かを判定することにより実装可否を判定する、
ことを要旨とする。
断面円形または楕円形の複数のピンを有する部品を円形または楕円形の複数のピン孔を有する基板に実装するにあたり、前記複数のピンがそれぞれ対応するピン孔に挿入可能か否かを判定する実装可否判定装置であって、
前記部品の画像を取得し、取得した画像を処理して前記複数のピンの先端部の中心位置を求め、
前記ピンの径と前記ピン孔の径との径差を取得し、
前記ピン毎に、前記ピンの先端部の中心位置が前記ピンの理想位置を中心として前記径差に応じた径の円形または楕円形の領域内に含まれるか否かを判定することにより実装可否を判定する、
ことを要旨とする。
この実装可否判定装置では、ピン毎に、ピンの理想位置を中心としてピンとピン孔との径差に応じた径の円形または楕円形の領域を許容領域に定め、当該許容領域にピンの先端部の中心位置が含まれるか否かを判定する。こうすれば、簡易な処理により良好な精度で実装可否を判定することができる。
次に、本開示を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、部品実装システム1の概略構成図である。図2は、部品実装機10の概略構成図である。図3は、パーツカメラ24およびピン光源26の斜視図である。図4は、部品実装機10の電気的な接続関係を示すブロック図である。なお、左右方向(X軸方向)、前後方向(Y軸方向)および上下方向(Z軸方向)は、図1~3に示した通りである。
部品実装システム1は、図1に示すように、部品実装ライン2と、管理装置70(図4参照)とを備える。部品実装ライン2は、複数の部品実装機10をX方向に沿って並べて構成されている。基板Sは、最も左に配置された部品実装機10へ搬入されたあと、各部品実装機10で部品Cが実装される。そして、基板Sは、右方向へ搬送されていき最も右に配置された部品実装機10から搬出される。
部品実装機10は、部品供給装置21から供給された部品Cを取り出して基板Sに実装するものである。本実施形態では、所定の間隔をおいて配列された複数のピンP(例えば断面形状が円形状や楕円形状のピン)を裏面に有する部品C(例えばコネクタ)の各ピンPを、所定の間隔をおいて配列された複数のピン孔Hを有する基板Sの対応するピン孔Hに挿入するものに適用される。この部品実装機10は、図2に示すように、部品供給装置21と搬送装置22とヘッド移動装置30とヘッド40とパーツカメラ24とマークカメラ25とピン光源26(図3参照)と表示装置27と廃棄ボックス28と制御装置60(本開示の実装可否判定装置に相当、図4参照)とを備える。
部品供給装置21としては、例えば、部品Cを収容する収容ポケットを多数有するトレイを供給するトレイ供給装置などを挙げることができる。
搬送装置22は、一対のコンベアベルトを駆動することにより、被挿入物としての基板Sを左から右へと搬送するものである。搬送装置22は、例えば、前後(Y軸方向)に所定の間隔をおいて設置され、左右(X軸方向)に架け渡された一対のコンベアベルトを有する。
ヘッド移動装置30は、ヘッド40を前後左右(XY軸方向)に移動させるものであり、図2に示すように、X軸スライダ32とY軸スライダ34とを備える。X軸スライダ32は、Y軸スライダ34の前面に左右方向(X軸方向)に延在するように設置された上下一対のX軸ガイドレール33に支持されている。X軸スライダ32は、X軸アクチュエータ36(図4参照)の駆動によってX軸ガイドレール33に沿ってX軸方向に移動する。Y軸スライダ34は、筐体12の上段部に前後方向(Y軸方向)に延在するように設置された左右一対のY軸ガイドレール35に支持されている。Y軸スライダ34は、Y軸アクチュエータ38(図4参照)の駆動によってY軸ガイドレール35に沿ってY軸方向に移動する。なお、X軸スライダ32は、X軸位置センサ37(図4参照)によりX軸方向における位置が検知される。また、Y軸スライダ34は、Y軸位置センサ39(図4参照)によりY軸方向における位置が検知される。X軸スライダ32にはヘッド40が取り付けられている。このため、ヘッド40は、ヘッド移動装置30(X軸アクチュエータ36およびY軸アクチュエータ38)を駆動制御することにより、XY平面(水平面)に沿って移動する。
ヘッド40は、部品Cをピックアップ(吸着)して保持する吸着ノズル41を備える。吸着ノズル41には、図示しないが、電磁弁(開閉弁)を介して負圧源が接続され、吸着ノズル41は、負圧源からの負圧の供給を受けて部品Cを吸着する。また、吸着ノズル41は、Z軸アクチュエータ42(図4参照)の駆動によって上下方向(Z軸方向)に移動する。Z軸位置センサ43(図4参照)によりZ軸方向における位置が検知される。
パーツカメラ24は、部品供給装置21により供給された部品Cをピックアップして搬送装置22により搬送された基板Sに装着(挿入)するに際して、パーツカメラ24の上方を部品Cが通過するときに当該部品Cを下方から撮像するものである。パーツカメラ24は、図2に示すように、部品供給装置21と搬送装置22との間に設置されている。パーツカメラ24で撮像された画像は、吸着ノズル41に保持されている部品Cの吸着ノズル41に対する位置ずれ量を判定したり、部品Cの各ピンPを基板Sの対応するピン孔Hに挿入可能か否かを判定する際のピンPの曲がり量を算出したりするのに用いられる。
マークカメラ25は、搬送装置22により搬入された基板Sや部品供給装置21により供給された部品Cを上方から撮像するものである。マークカメラ25は、図2に示すように、X軸スライダ32に取り付けられ、ヘッド移動装置30によりヘッド40と共にXY軸方向に移動する。マークカメラ25で撮像された画像は、制御装置60に出力される。
ピン光源26は、パーツカメラ24で部品Cの画像を撮像する際に、部品C(ピンPの先端部)に対して側方から光を照射するものである。ピン光源26は、パーツカメラ24の光軸に対して直交する方向にレーザー光を照射する。ピン光源26は、パーツカメラ24の上面に、90°間隔で4つ取り付けられている。
表示装置27は、部品実装機10の状態に関するステータス情報や、段取り替えや部品切れに伴う部品Cの補充に関する作業情報などを表示する装置である。表示装置27は、例えば液晶ディスプレイである。表示装置27は、図1,2に示すように、筐体12の上部前方に取り付けられている。表示装置27は、本実施形態では、オペレータによる操作が可能に画面にタッチパネルが取り付けられている。
廃棄ボックス28は、異常が発生している部品Cを廃棄するためのボックスである。廃棄ボックス28は、部品供給装置21と搬送装置22との間に、パーツカメラ24に隣接して設置されている。
制御装置60は、図4に示すように、CPU61を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPU61の他に、ROM62と、ストレージ(例えば、HDDやSSD)63と、RAM64と、入出力インタフェース65とを備える。これらは、バス66を介して電気的に接続されている。制御装置60には、X軸位置センサ37やY軸位置センサ39、Z軸位置センサ43からの位置信号が入力される。また、制御装置60には、パーツカメラ24やマークカメラ25からの画像信号なども入力される。また、制御装置60には、表示装置27(タッチパネル)からの操作信号が入力される。一方、制御装置60からは、部品供給装置21や、搬送装置22、X軸アクチュエータ36、Y軸アクチュエータ38、Z軸アクチュエータ42への駆動信号が出力される。また、制御装置60からは、パーツカメラ24やマークカメラ25、ピン光源26、表示装置27への制御信号も出力される。
管理装置70は、図4に示すように、CPU71を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPU71の他に、ROM72と、ストレージ73と、RAM64とを備える。管理装置70は、制御装置60と通信可能に接続されている。ストレージ73には、基板Sに実装する部品C毎に、シェイプデータが記憶されている。また、ストレージ73には、生産スケジュールが記憶されている。生産スケジュールは、部品実装機10において、基板Sにどの部品Cをどの順番で実装するか、また、そのように実装した基板S(製品)を何枚作製するかなどを記憶したものである。なお、シェイプデータについては、後述する。
次に、こうして構成された部品実装機10の動作について説明する。部品実装機10では、吸着ノズル41で吸着した部品Cを基板Sに実装するにあたり、パーツカメラ24で部品Cを下面側から撮像し、パーツカメラ24で撮像された画像に基づいてピンPの曲がり量が許容範囲T内に収まっているか否かを判定する。これにより、当該部品Cの各ピンPが基板Sの対応するピン孔Hに挿入可能か否か、即ち、部品Cを基板Sに実装可能か否かを判定する。そこで、まず、許容範囲Tの形状を決定するための検査モード決定処理について、図5および図6を用いて説明する。図5は、検査モード決定ルーチンの一例を示すフローチャートである。図6は、検査モード選択画像Im1の一例を示す説明図である。この処理は、後述する部品実装ルーチンが実行される前に、オペレータからの開始指示を受け付けて制御装置60のCPU61によって実行される。なお、本実施形態では、ピンPの断面形状と、ピン孔Hの形状とは共に円形状であるものとする。
本ルーチンを開始すると、制御装置60のCPU61は、図6に示すような検査モード選択画像Im1を、表示装置27に表示させる(S100)。表示装置27に検査モード選択画像Im1が表示されたならば、オペレータは、検査モードを選択する。オペレータが検査モードを選択すると、CPU61は、オペレータから検査モードの選択を受け付ける(S110)。そして、CPU61は、オペレータから受け付けた許容範囲Tの形状(検査モード)をストレージ63に記憶する(S120)。S120の後、CPU61は、本ルーチンを終了する。
次に、部品実装機10によって行なわれる部品実装処理について、図7~13を用いて説明する。図7は、部品実装ルーチンの一例を示すフローチャートである。図8は、ピン曲がり検査サブルーチンの一例を示すフローチャートである。図9は、2値化画像Im2の一例を示す説明図である。図10は、許容範囲Tの一例を示す説明図である。図11は、ピンPの曲がり量が許容範囲T内にある状態を示す説明図である。図12は、ピンPの曲がり量が許容範囲T内にない状態を示す説明図である。図13は、部品Cの実装可否を判定する際の説明図である。部品実装ルーチンは、図示しない管理装置70から生産スケジュールにしたがって生産開始の指示を受信したときに、制御装置60のCPU61によって実行される。
本ルーチンを開始すると、制御装置60のCPU61は、まず、基板Sが所定位置まで搬入されるように搬送装置22を制御すると共に、基板Sが所定位置で固定されるように図示しない基板固定装置を制御する(S200)。次に、CPU61は、部品供給装置21から供給される部品Cを吸着ノズル41に吸着させる(S210)。具体的には、CPU61は、部品供給装置21による部品Cの供給位置の上方へ吸着ノズル41が移動するようヘッド移動装置30(X軸アクチュエータ36およびY軸アクチュエータ38)を制御した後、吸着ノズル41が下降するようZ軸アクチュエータ42を制御すると共に当該吸着ノズル41に負圧が供給されるよう電磁弁を制御する。
続いて、CPU61は、ピン光源26を点灯させると共に(S220)、吸着ノズル41に吸着された部品Cの下面をパーツカメラ24で撮像する(S230)。具体的には、CPU61は、部品Cを吸着した吸着ノズル41がパーツカメラ24の上方へ移動するようヘッド移動装置30を制御する。次に、CPU61は、部品CのピンPの先端部がピン光源26から照射されている光のあたる位置まで下降するように、Z軸アクチュエータ42を制御する。そして、CPU61は、部品Cが下面側から撮像されるようにパーツカメラ24を制御する。S230の後、CPU61は、ピン光源26が消灯するように制御する。S230の後、CPU61は、ピン曲がり検査サブルーチン(図8参照)を実行する(S240)。
ピン曲がり検査サブルーチンを開始すると、CPU61は、まず、S230で撮像した部品Cの画像を2値化する(S400)。具体的には、CPU61は、画素の輝度値が所定値未満の画素を黒色にし、画素の輝度値が所定値以上の画素を白色にする。これにより、ピンPの先端部は白色となり、それ以外の部分が黒色となる。本実施形態では、このようにして得られた画像を2値化画像Im2と称する。
次に、CPU61は、図9(a)に示すように、2値化画像Im2から白色の画素が集まった領域をピンPの候補として検出する(S410)。続いて、CPU61は、シェイプデータにおいて規定されたピンPの領域と、S410でピンPの候補として検出した領域とを照らし合わせて、全てのピンPを検出したか否かを判定する(S420)。ここで、シェイプデータは、部品Cの外形や、基板Sに対して実装する部品Cの種類、部品CにおけるピンPの断面形状、ピンPの直径、部品Cの中心位置に対する各ピンPの中心位置(以下、相対ピン位置と称する)などを記憶したデータであり、生産開始の指示と共に管理装置70から受信するものである。S420で否定判定を行なったならば、CPU61は、部品Cに異常があると判断する(S540)。
一方、S420で肯定判定を行なったならば、CPU61は、2値化画像Im2におけるピン候補の中心位置O1を算出する(S430)。具体的には、CPU61は、図9(b)に示すように、所定点(例えば、2値化画像Im2を左前の角)を原点としたXY平面とした場合における各ピン候補(白色の領域)の重心のX座標とY座標とを、2値化画像Im2における各ピン候補の中心位置O1(x1,y1)として算出する。
次に、CPU61は、図9(c)に示すように、S430で算出したピン候補の中心位置O1と、相対ピン位置とに基づき、上記XY平面における、部品Cの中心位置O2を算出する(S440)。この処理は、例えば以下のようにして行なわれる。以下では、2値化画像Im2の所定位置に対して相対ピン位置に各ピンPがあるとした場合における各ピンPの位置を、仮想ピン位置と称する。まず、CPU61は、各ピンP毎に、S430で算出したピン候補の中心位置O1と、仮想ピン位置との距離の二乗値を算出する。次に、CPU61は、各ピンPの中心位置O1と、仮想ピン位置との距離の二乗値の総和を算出する。そして、CPU61は、距離の二乗値の総和が最小となる所定位置を、2値化画像Im2における部品Cの中心位置O2(x2,y2)として算出する。
そして、CPU61は、図9(d)に示すように、相対ピン位置と、2値化画像Im2における部品Cの中心位置O2とに基づいて、2値化画像Im2における各ピンP(中心位置)の理想位置I(x3,y3)を算出する(S460)。ここで、理想位置Iは、シェイプデータに規定された相対ピン位置通りに各ピンPが配置されていたとする場合に、2値化画像Im2における各ピンPの中心位置である。具体的には、CPU61は、S440で算出した2値化画像Im2における部品Cの中心位置O2(x2,y2)に相対ピン位置を加え、理想位置I(x3,y3)を算出する。
次に、CPU61は、ピン孔Hの直径L1とピンPの直径L2とを取得する(S460)。ここで、ピン孔Hの直径L1は、基板Sの種類や、実装する部品Cの種類などに応じて定められているものである。また、ピンPの直径L2は、シェイプデータに記憶されているものである。次に、CPU61は、ピン孔Hの直径L1とピンPの直径L2との差(以下、直径差と称する)を算出する(S470)。
続いて、CPU61は、図9(e)に示すように、S430で算出した各中心位置O1(x1,y1)と、S460で算出した各ピンPの理想位置I(x3,y3)とに基づいて、各ピンPの理想位置Iに対する各ピンPのXY方向のピンずれ量δ(dx,dy)を算出する(S480)。この処理は、以下のようにして実行される。すなわち、CPU61は、中心位置O1のX座標値から理想位置IのX座標値を減じてX軸方向のピンずれ量dx(x1-x3)を算出すると共に、中心位置O1のY座標値から理想位置IのY座標値を減じてY軸方向のピンずれ量dy(y1-y3)を算出する。
そして、CPU61は、検査モード決定ルーチンにおいて決定した検査モードが、円形であったか、矩形であったかを判定する(S490)。
検査モードが円形であったならば、CPU61は、図10(a)に示すように、理想位置Iを中心とし、直径が長さ2rの円形の領域を許容範囲Tに設定する(S500)。ここで、長さrは円の半径であり、長さ2rは上記直径差以下の長さである。一方、検査モードが矩形であったならば、CPU61は、図10(b)に示すように、理想位置Iを中心とし、一辺が長さ2rの正方形の領域を許容範囲Tに設定する(S510)。なお、図10(a)(b)では、説明の便宜上、ピン孔Hを一点鎖線で示した。
S500またはS510の後、CPU61は、ピン毎にピンPの中心位置が許容範囲T内にあるか否かを判定する(S520)。S490で検査モードが円形であると判定したならば、CPU61は、ピンP毎にピンPの中心位置O1理想位置Iを中心とする半径が長さrの円(許容範囲T)の中にあるか否かを判定する。本実施形態では、CPU61は、ピンP毎にピンPの中心位置O1と理想位置Iとの距離が長さr未満であるか否かを判定するものとした。具体的には、全てのピンPのずれ量δの、X軸方向のずれ量dxとY軸方向のずれ量dyとが、式(1)を満たすならば、CPU61は、肯定判定を行ない、満たさないならば否定判定を行なう。
ピンPの中心位置O1が円形の許容範囲T内にある状態の一例を図11(a)に示し、ピンPの中心位置O1が円形の許容範囲T内にない状態の一例を図12(a)に示した。また、全てのピンPが、円形の許容範囲T内にある状態の一例を図13(a)に示した。なお、図11(a)、図12(a)および図13(a)では、説明の便宜上、ピン孔Hを一点鎖線で示した。
また、S490で検査モードが矩形であると判定したならば、CPU61は、ピンP毎に中心位置O1が、矩形の許容範囲T内に含まれるか否か、即ち、X軸方向のピンずれ量dxが長さr未満且つY軸方向のピンずれ量dxが長さr未満であるか否かを判定する。具体的には、全てのピンPのずれ量δのX軸方向のずれ量dxとY軸方向のずれ量dyとが、式(2)および式(3)を満たすならば、CPU61は、肯定判定を行ない、満たさないならば否定判定を行なう。
ピンPの中心位置O1が矩形の許容範囲T内にある状態の一例を図11(b)に示し、ピンPの中心位置O1が矩形の許容範囲T内にない状態の一例を図12(b)に示した。また、全てのピンPが、円形の許容範囲T内にある状態の一例を図13(b)に示した。なお、図11(b)、図12(b)および図13(b)では、説明の便宜上、ピン孔Hを一点鎖線で示した。
S520で肯定判定を行なったならば、CPU61は、部品Cが正常だと判断する(S530)。一方、S520で否定判定を行なったならば、CPU61は部品Cが異常だと判断する(S540)。S530またはS540の後、CPU61は、部品実装ルーチン(図7参照)のS250に進む。
ピン曲がり検査サブルーチンのS530またはS540の後、CPU61は、部品Cが正常であるか否かを判定する(S250)。S250で否定判定を行なったならば、CPU61は、吸着ノズル41で吸着した部品Cを廃棄する(S260)。具体的には、CPU61は、吸着ノズル41が、廃棄ボックス28の上方に移動するようにヘッド移動装置30を制御する。そして、CPU61は、部品Cの吸着が解除されるように電磁弁を制御する。S260の後、CPU61は、再びS210に戻る。
一方、S250で肯定判定を行なったならば、CPU61は、基板Sに対して部品Cを実装する(S270)。具体的には、CPU61は、吸着ノズル41に吸着された部品Cが、基板Sの実装位置の上方に移動するようにヘッド移動装置30を制御する。そして、CPU61は、部品Cが基板Sに押し当てられるようにZ軸アクチュエータ42を制御すると共に部品Cの吸着が解除されるように電磁弁を制御する。
次に、CPU61は、自機で実装する全ての部品Cを実装したか否かを判定する(S280)。S280で否定判定を行なったならば、CPU61は、再びS210に戻る。一方、S280で肯定判定を行なったならば、CPU61は、基板Sの固定が解除されるように基板固定装置を制御し、基板Sが下流側に搬出されるように搬送装置22を制御する(S290)。
そして、CPU61は、予定数の基板Sを生産したか否かを判定する(S300)。S300で否定判定を行なったならば、CPU61は、再びS200に戻る。一方、S300で否定判定を行なったならば、CPU61は、本ルーチンを終了する。
以上詳説した制御装置60では、ピンP毎に、ピンPの先端部の中心位置O1がピンPの理想位置Iを中心としてピンPとピン孔Hとの径差に応じた径の円形領域を許容範囲Tに定め、許容範囲TにピンPの先端部の中心位置O1が含まれるか否かを判定する。これにより、簡易な処理により良好な精度で実装可否を判定することができる。
また、制御装置60では、断面円形の複数のピンPが円形のピン孔Hに挿入可能か否かを判定するものであり、ピンP毎に、ピンPの先端部の中心位置O1がピンPの理想位置Iを中心として挿入穴L1の直径とピンPの直径L2との直径差を直径とする円よりも小さい円形の領域内に含まれるか否かを判定することにより実装可否を判定する。これにより、断面円形のピンPを円形のピン孔Hに挿入する際の実装可否を簡易且つ正確に判定することができる。
また、制御装置60では、ピンP毎に、ピンPの先端部の中心位置がピンPの理想位置Iを中心として径差に応じた径の円形の領域内に含まれるか否かを判定することにより前記実装可否を判定する第1判定処理と、ピンP毎に、ピンPの先端部の中心位置O1がピンPの理想位置Iを中心として径差に応じた矩形の領域内に含まれるか否かを判定する第2判定処理とを切り替えて実行可能である。これにより、必要に応じて、実装可否の判定基準を変更することができる。
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
上述した実施形態では、CPU61は、断面円形のピンPを基板Sの円形のピン孔Hに挿入可能か否かを判定した。しかし、CPU61は、断面楕円形のピンPを基板Sの楕円形のピン孔Hに挿入可能かを否か判定してもよい。この場合、検査モード決定ルーチンにおいて、楕円形および矩形のいずれか一方を検査モードとして選択できればよい。また、この場合、部品実装ルーチンのS240では、図14に示すようなピン曲がり検査サブルーチンを実行してもよい。
図14に示すピン曲がり検査サブルーチンでは、S450の後、CPU61は、ピン孔Hの長径A1と、ピン孔Hの短径B1と、ピンPの長径A2と、ピンPの短径B2とを取得する(S600)。ここで、ピン孔Hの長径A1と短径B1とは、基板Sの種類や、実装する部品Cの種類などに応じて定められているものである。また、ピンPの長径A2と短径B2とは、シェイプデータに記憶されているものである。そして、CPU61は、ピン孔Hの長径A1とピンPの長径A2との差(以下、長径差と称する)を算出すると共にピン孔Hの短径B1とピンPの短径B2との差(以下、短径差と称する)を算出する(S610)。次に、CPU61は、各ピンPの理想位置Iに対する各ピンPのずれ量δ(dx,dy)を算出する(S480)。具体的には、CPU61は、X軸(長軸)方向のずれ量dxと、Y軸(短軸)方向のずれ量dyとを、上述した実施形態と同様の方法で算出する。
そして、CPU61は、検査モード決定ルーチンにおいて決定した検査モードが、楕円形であったか、矩形であったかを判定する(S620)。S620で検査モードが楕円形であると判定したならば、CPU61は、図15(a)に示すように、ピン中心の理想位置Iを中心とし、長径が長さ2aであり、短径が長さ2bの楕円形の領域を許容範囲Tに設定する(S630)。ここで、長さaは長半径であり、長さ2aは長径差以下の長さであり、長さbは短半径であり、長さ2bは短径差以下の長さである。一方、S620で検査モードが矩形であったならば、CPU61は、図15(b)に示すように、ピン中心の理想位置Iを中心とし、長辺が長さ2aで、短辺が長さ2bの長方形の領域を許容範囲Tに設定する(S640)。
S630またはS640の後、CPU61は、全てのピンPの中心位置O1が許容範囲T内にあるか否かを判定する(S650)。S620で検査モードが楕円形であると判定したならば、CPU61は、ピンP毎にピンPの中心位置O1が理想位置Iを中心とし、長径を長さ2aとし、短径を長さ2bとする楕円(許容範囲T)の中にあるか否かを判定する。具体的には、全てのピンPのX軸方向のずれ量dxとY軸方向のずれ量dyとが、式(4)を満たすならば、CPU61は、肯定判定を行ない、満たさないならば否定判定を行なう。
ピンPの中心位置O1が楕円形の許容範囲T内にある状態の一例を図16(a)に示した。
S620で検査モードが矩形であると判定したならば、CPU61は、ピンP毎に中心位置O1が、矩形の許容範囲T内に含まれるか否かを判定する。本実施形態では、CPU61は、X軸方向のピンずれ量dxが長さa未満且つY軸方向のピンずれ量dyが長さb未満であるか否かを判定するものとした。具体的には、全てのピンPのずれ量δの、X軸方向のずれ量dxとY軸方向のずれ量dyとが、式(5)および式(6)を満たすならば、CPU61は、肯定判定を行ない、満たさないならば否定判定を行なう。
ピンPの中心位置O1が楕円形の許容範囲T内にある状態の一例を図16(b)に示した。なお、図15,16では、説明の便宜上、ピン孔Hを一点鎖線で示した。また、図14では、図8と同様の処理については同じステップ番号を付して詳細な説明を省略した。
上述した実施形態では、許容範囲Tは、ピン孔HとピンPとの径差に基づいて設定された。しかし、許容範囲Tは、オペレータの入力に応じて設定可能なものとしてもよい。すなわち、円形の許容範囲Tを設定する場合には、長さrを超えない範囲で半径を入力できるようにすればよい。また、正方形の許容範囲Tを設定する場合には、長さ2rを超えない範囲で一辺の長さを入力できるようにすればよい。また、楕円形の許容範囲Tを設定する場合には、長さaを超えない範囲で長半径を入力できるようにすると共に長さbを超えない範囲で短半径を入力できるようにすればよい。また、長方形の許容範囲Tを設定する際には、長さ2aを超えない範囲で長辺の長さを入力できるようにすると共に長さ2bを超えない範囲で短辺の長さを入力できるようにすればよい。
上述した実施形態において、直径差に基づいて直径の長さ2rを算出する際のマージンをオペレータの入力によって設定できるものとしてもよい。この点は、ピン曲り検査サブルーチンの変形例(図14参照)において、長径の長さ2aまたは短径の長さ2bを設定する場合においても同様である。
上述した実施形態では、円形および矩形のいずれか一方の検査モードを選択可能なのもとした。しかし、検査モードは円形のみとしてもよい。あるいは、検査モードは楕円のみとしてもよい。
本開示は、部品実装機の製造産業などに利用可能である。
1 部品実装システム、2 部品実装ライン、10 部品実装機、12 筐体、21 部品供給装置、22 搬送装置、24 パーツカメラ、25 マークカメラ、26 ピン光源、27 表示装置、28 廃棄ボックス、30 ヘッド移動装置、32 X軸スライダ、33 X軸ガイドレール、34 Y軸スライダ、35 Y軸ガイドレール、36 X軸アクチュエータ、37 X軸位置センサ、38 Y軸アクチュエータ、39 Y軸位置センサ、40 ヘッド、41 吸着ノズル、42 Z軸アクチュエータ、43 Z軸位置センサ、60 制御装置、61 CPU、62 ROM、63 ストレージ、64 RAM、65 入出力インタフェース、66 バス、70 管理装置、71 CPU、72 ROM、73 ストレージ、74 RAM、A1 長径、A2 長径、B1 短径、B2 短径、C 部品、H ピン孔、I 理想位置、Im1 検査モード選択画像、Im2 2値化画像、L1 直径、L2 直径、O1 中心位置、O2 中心位置、P ピン、r 長さ、a 長さ、b 長さ、S 基板、T 許容範囲、dx X軸方向のずれ量、dy Y軸方向のずれ量、δ ずれ量。
Claims (4)
- 断面円形または楕円形の複数のピンを有する部品を円形または楕円形の複数のピン孔を有する基板に実装するにあたり、前記複数のピンがそれぞれ対応するピン孔に挿入可能か否かを判定する実装可否判定装置であって、
前記部品の画像を取得し、取得した画像を処理して前記複数のピンの先端部の中心位置を求め、
前記ピンの径と前記ピン孔の径との径差を取得し、
前記ピン毎に、前記ピンの先端部の中心位置が前記ピンの理想位置を中心として前記径差に応じた径の円形または楕円形の領域内に含まれるか否かを判定することにより実装可否を判定する、
実装可否判定装置。 - 請求項1に記載の実装可否判定装置であって、
断面円形の複数のピンが円形のピン孔に挿入可能か否かを判定するものであり、前記ピン毎に、前記ピンの先端部の中心位置が前記ピンの理想位置を中心として前記ピン孔の直径と前記ピンの直径との直径差を直径とする円よりも小さい円形の領域内に含まれるか否かを判定することにより前記実装可否を判定する、
実装可否判定装置。 - 請求項1に記載の実装可否判定装置であって、
断面楕円形の複数のピンが楕円形のピン孔に挿入可能か否かを判定するものであり、前記ピン毎に、前記ピンの先端部の中心位置が前記ピンの理想位置を中心として前記ピン孔の長径と前記ピンの長径との長径差を長径とし、前記ピン孔の短径と前記ピンの短径との短径差を短径とする楕円よりも小さい楕円形の領域内に含まれるか否かを判定することにより前記実装可否を判定する、
実装可否判定装置。 - 請求項1に記載の実装可否判定装置であって、
前記ピン毎に、前記ピンの先端部の中心位置が前記ピンの理想位置を中心として前記径差に応じた径の円形または楕円形の領域内に含まれるか否かを判定することにより前記実装可否を判定する第1判定処理と、前記ピン毎に、前記ピンの先端部の中心位置が前記ピンの理想位置を中心として前記径差に応じた矩形の領域内に含まれるか否かを判定する第2判定処理とを切り替えて実行可能である、
実装可否判定装置。
Priority Applications (1)
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JP2022107650A JP2024006597A (ja) | 2022-07-04 | 2022-07-04 | 実装可否判定装置 |
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2022
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