JP2024004735A - 電子部品包装用カバーテープおよび包装体 - Google Patents

電子部品包装用カバーテープおよび包装体 Download PDF

Info

Publication number
JP2024004735A
JP2024004735A JP2022104516A JP2022104516A JP2024004735A JP 2024004735 A JP2024004735 A JP 2024004735A JP 2022104516 A JP2022104516 A JP 2022104516A JP 2022104516 A JP2022104516 A JP 2022104516A JP 2024004735 A JP2024004735 A JP 2024004735A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cover tape
layer
heat seal
electronic components
packaging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022104516A
Other languages
English (en)
Inventor
瑠 安藤
Ryu Ando
保則 長塚
Yasunori Nagatsuka
俊幸 山岸
Toshiyuki Yamagishi
浩幸 大滝
Hiroyuki Otaki
真代 今泉
Masayo Imaizumi
有貴 添田
Yuki Soeda
純子 小谷
Junko Kotani
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2022104516A priority Critical patent/JP2024004735A/ja
Publication of JP2024004735A publication Critical patent/JP2024004735A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Packages (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】電子部品の視認性に優れ、かつ、電子部品の付着を抑制することができる電子部品包装用カバーテープを提供する。【解決手段】基材層2と、上記基材層2の一方の面側に配置されたヒートシール層3と、上記基材層2と上記ヒートシール層3との間に配置された中間層4と、を有する電子部品包装用カバーテープであって、上記電子部品包装用カバーテープの上記ヒートシール層3側の表面は、ISO25178に準拠して測定される山の頂点密度Spdが200,000mm-1以上であり、上記電子部品包装用カバーテープのヘーズ値が45%以下である、電子部品包装用カバーテープとする。【選択図】図1

Description

本開示は、電子部品包装用カバーテープおよびそれを用いた包装体に関する。
近年、IC、抵抗、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、圧電素子レジスタ等の電子部品は、テーピング包装され、表面実装に供せられる。テーピング包装においては、電子部品を収納する収納部を複数有するキャリアテープに電子部品を収納した後に、キャリアテープをカバーテープでヒートシールし、電子部品を保管および搬送するための包装体を得る。電子部品の実装時には、カバーテープをキャリアテープから剥離し、電子部品を自動的に取り出して基板に表面実装する。なお、カバーテープはトップテープとも称される。
テーピング包装体は未開封の状態で、カバーテープの上から、収納物である電子部品を目視又は機械で確認することが行われている。そのため、カバーテープには優れた電子部品の視認性が必要とされている。
また、テーピング包装体において、収納された電子部品がカバーテープのヒートシール層側の表面に付着すると、電子部品を安定的に取り出すことができない。そのため、電子部品の付着性が抑制されたカバーテープ、すなわち、電子部品の耐付着性に優れるカバーテープが求められている。
例えば、特許文献1には、カバーテープの電子部品の耐付着性および透明性を改善することを目的として、基材層および基材層の一方の面側に設けられたシーラント層を備えており、シーラント層側のシール面における三次元平均表面粗さSa1と、シール面とは反対に位置する基材層側の表面における三次元平均表面粗さSa2とが所定の関係式を満たす、カバーテープが開示されている。
特開2020-055627号公報
しかしながら、カバーテープにおける電子部品の耐付着性を向上させる、すなわち電子部品をヒートシール層のシール面に付着しにくくするためには、シール面における表面粗さ(表面積)を大きくする必要があるが、シール面における表面粗さ(表面積)を大きくするとヘイズ値が高くなり、透明性が損なわれてしまうという相反関係が存在するという課題は解決されていない。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電子部品の視認性に優れ、かつ、電子部品の付着を抑制することができる電子部品包装用カバーテープを提供することを目的とする。
本開示の一実施形態は、基材層と、上記基材層の一方の面側に配置されたヒートシール層と、上記基材層と上記ヒートシール層との間に配置された中間層と、を有する電子部品包装用カバーテープであって、上記電子部品包装用カバーテープの上記ヒートシール層側の表面は、ISO25178に準拠して測定される山の頂点密度Spdが200,000mm-1以上であり、上記電子部品包装用カバーテープのヘーズ値が45%以下である、電子部品包装用カバーテープである。
本開示の一実施形態は、電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、上記収納部に収納された電子部品と、上記収納部を覆うように配置された、上述の電子部品包装用カバーテープと、を備える、包装体である。
本開示の電子部品包装用カバーテープによれば、電子部品の視認性に優れ、かつ、電子部品の付着を抑制することができる。
本開示の電子部品包装用カバーテープを例示する概略断面図である。 本開示の包装体を例示する概略平面図および断面図である。 本開示の電子部品包装用カバーテープを例示する概略断面図である。 実施例および比較例のカバーテープのヘーズ値の測定結果である。
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」、あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面側に」または「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
以下、本開示の電子部品包装用カバーテープおよび包装体について、詳細に説明する。なお、本明細書において、「電子部品包装用カバーテープ」を単に「カバーテープ」と称する場合がある。
A.電子部品包装用カバーテープ
本開示の電子部品包装用カバーテープは、基材層と、上記基材層の一方の面側に配置されたヒートシール層と、上記基材層と上記ヒートシール層との間に配置された中間層と、有する電子部品包装用カバーテープであって、上記電子部品包装用カバーテープの上記ヒートシール層側の表面は、ISO25178に準拠して測定される山の頂点密度Spdが200,000mm-1以上であり、上記電子部品包装用カバーテープのヘーズ値が45%以下である。
本開示のカバーテープについて、図面を参照して説明する。図1は本開示のカバーテープの一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本開示のカバーテープ1は、基材層2と、基材層2の一方の面側に配置されたヒートシール層3と、基材層2とヒートシール層3との間に配置された中間層4とを有する。また、図3に示すように、基材層2のヒートシール層3側の面とは反対の面側に、帯電防止層5が配置されていてもよい。本開示のカバーテープ1は、ヒートシール層3側の表面1Aが、ISO25178に準拠して測定される山の頂点密度Spdが200,000mm-1以上である。また、カバーテープ1のヘーズ値が45%以下である。なお、図1および図3のカバーテープ1では、カバーテープ1のヒートシール層3側の表面1Aはヒートシール層3の面であるが、ヒートシール層3の中間層4側の面とは反対の面側に密着防止層等のその他の層が設けられている場合には、ヒートシール層3側の表面1Aはその他の層の面になる。
図2(a)、(b)は本開示の電子部品包装用カバーテープを用いた包装体の一例を示す概略平面図および断面図であり、図2(b)は図2(a)のA-A線断面図である。図2(a)、(b)に示すように、包装体10は、電子部品13を収納する複数の収納部12を有するキャリアテープ11と、収納部12に収納された電子部品13と、収納部12を覆うように配置されたカバーテープ1と、を備える。キャリアテープ11にはカバーテープ1がヒートシールされており、カバーテープ1のヒートシール層3の両端に所定の幅でライン状にヒートシール部3hが設けられている。また、包装体10において、キャリアテープ11は、送り穴14を有することができる。
上述のように、カバーテープには、優れた電子部品の視認性、および、優れた電子部品の耐付着性が求められている。一般的に、視認性の指標として、ヘーズ値が用いられる。カバーテープに侵入した光が拡散しヘーズ値を高くするのは、空気との界面であるヒートシール層側の表面の粗さが大きな影響を及ぼしていると思われる。そのため、カバーテープのヘーズ値を低くするためには、ヒートシール層側の表面の粗さを低減する方法が有効と考えられる。
しかしながら、ヒートシール層側の表面の粗さの指標として、従来用いられているSa、Sz等のパラメータを用いる場合、ヒートシール層側の表面の粗さが小さいほどヘーズ値は低くなるものの、電子部品の耐付着性が低下する傾向がある。一方、ヒートシール層側の表面の粗さが大きいほど、電子部品の耐付着性が向上するが、ヘーズ値が悪化する傾向がある。このように、従来、ヒートシール層側の表面の粗さの調整することによって、優れた視認性と電子部品の耐付着性を両立することが困難であった。
本開示の発明者らは、カバーテープのヒートシール層側の表面性状を示すパラメータとして、山の頂点密度Spdに着目したところ、Spdが所定の以上であれば、カバーテープに対する電子部品の付着を抑制することができ、かつ、カバーテープのヘーズ値が低くすることができることを見出し、本発明を完成させた。
1.パラメータ
(1)カバーテープのヒートシール層側の表面の山の頂点密度Spd
本開示におけるカバーテープのヒートシール層側の表面は、ISO25178に準拠して測定される山の頂点密度Spdが200,000mm-1以上である。山の頂点密度Spdは、単位面積当たりの山頂点の数を意味し、数値が大きいほど、他の物体との接触点の数が多いことを示唆する。
カバーテープのヒートシール層側の表面の山の頂点密度Spdが上記値以上であることにより、頂点となる山が多数あることを意味するため、電子部品の付着が抑制される。また、山の頂点密度Spdが所定の値以上であることは、幅が細かく、高低差が小さな凹凸が多数存在し得ることを意味する。凹凸の幅が細かく、高低差が小さいと、傾斜が緩やかであり、カバーテープに侵入した光の乱反射が生じにくいと推察される。そのため、ヘーズ値を下げることができると推察される。
本開示において、カバーテープのヒートシール層側の表面の山の頂点密度Spdは、好ましくは230,000mm-1以上である。また、上記山の頂点密度Spdの上限は特に限定されないが、例えば、250,000mm-1以下である。
本開示において、上記山の頂点密度Spdは、形状解析レーザー顕微鏡(VK-X150、キーエンス社製)を用いて、下記の測定条件で測定した値である。
(測定条件)
対物レンズ:×50倍
ズーム:×1.0倍
連結画像:3×3
測定モード:透明体(最表面)
測定サイズ:標準(画像サイズ約540μm×約740μm)
ピッチ:0.13μm
測定品質:高精度
解析条件:基準面設定(傾き補正)および面形状補正(うねり除去、補正強度5)
本開示におけるカバーテープのヒートシール層側の表面の山の頂点密度Spdを上記値以上とする方法としては、ヒートシール層表面にロールを当てる等の直接ヒートシール層表面を加工する方法であってもよいが、工程上好ましい点から中間層のヒートシール層側の面の粗さを調整する方法が挙げられる。中間層のヒートシール層側の面の粗さを調整する方法は、後述する。
(2)ヘーズ値
本開示におけるカバーテープは、ヒートシール層側の表面の山の頂点密度Spdを上記値以上とすることにより、視認性が良好なカバーテープとなる。本開示におけるカバーテープは、後述の各層を積層してなるカバーテープのヘーズ値が、通常、45%以下であり、好ましくは35%以下であり、より好ましくは30%以下である。
本開示において、ヘーズ値は、直読ヘーズメーター(B-121601201(東洋精機製作所社製))を用いて、下記の測定条件および測定手順で測定した値である。
(測定条件)
光源ランプ:12V50W ハロゲンランプ
積分球:内径100mm
受光器:セレン光電池
測定環境:25±10℃、55±25%RH環境
(測定手順)
カバーテープを50mm×50mmにカットしサンプルを得る。ヘーズメーターの試料挿入箱を引き出し、サンプルをサンプルホルダーに取り付け、試料挿入箱を元に戻す。測定ボタンを押して、上記の測定条件で得られる数値をヘーズ値として取得する。
また、カバーテープの上記ヘーズ値は、上述したカバーテープのヒートシール層側の表面のSpdを上記値以上に大きくすることによって得ることができるが、ヘーズ値を更に低減する方法としては、中間層に含まれる樹脂の結晶化度を下げる方法が挙げられる。例えば、中間層を形成する際のラミロール(冷却用ロール)の表面の温度を低くして溶融樹脂を急冷することにより、中間層に含まれる樹脂の結晶化度を下げることができる。
(3)高さ閾値0.2μm以上である領域の表面積
従来、電子部品の物理付着を抑制するために、算術平均粗さSa等を指標としてヒートシール層側の表面の粗さを粗くする、即ち、ヒートシール層側の表面の表面積を大きくすると、電子部品の視認性が低下するため、優れた視認性と電子部品の耐付着性とを両方達成することが困難であった。本開示の発明者らは、カバーテープのヒートシール層側の表面のSpdが大きい程、表面積が小さく、すなわち凹凸の高低差が小さい傾向があることを知見した。凹凸の高低差が小さいことにより、傾斜が緩やかであり、カバーテープに侵入した光の乱反射が生じにくいと推察される。
本開示におけるカバーテープは、ヒートシール層側の表面の測定領域0.3996mm当たり(Spd測定時の画像サイズ)の、高さ閾値0.2μm以上である領域の表面積が、80,000mm以下であることが好ましく、75,000mm以下であることがより好ましく、70,000mm以下であることが特に好ましい。なお、高さとは、凹部の底部から平均面の距離若しくは、凸部の頂部から平均面までの距離をいい、本測定においては、この値が0.2μm以上である領域の表面積が、上記範囲であることが望ましい。
上記高さ閾値0.2μm以上である領域の表面積は、上述したカバーテープのヒートシール層側の表面のSpdの測定と同時に測定することができる。
(4)最大高さ粗さSz
また、本開示におけるカバーテープのヒートシール層側の表面の最大高さ粗さSzは、例えば、10.0μm以下であり、8.0μm以下であってもよい。一方、例えば、2.5μm以上であり、3.0μm以上であってもよい。
2.中間層
本開示における中間層は、基材層とヒートシール層との間に配置される。中間層により、基材層およびヒートシール層の密着性を向上させることができる。また、中間層により、本開示のカバーテープをキャリアテープにヒートシールする際に、クッション性を向上させることができるために、より均一にヒートシール層に熱を与えることができる。
中間層のヒートシール層側の面の表面粗さは、カバーテープのヒートシール層側の表面の表面粗さに反映される傾向がある。すなわち、中間層のヒートシール層側の面の山の頂点密度Spdが大きくなると、カバーテープのヒートシール層側の表面の山の頂点密度Spdが大きくなる傾向がある。そのため、本開示においては、中間層の表面粗さを調整することで、カバーテープのヒートシール層側の表面の山の頂点密度Spdを上記所定の値以上に調整することができる。
中間層のヒートシール層側の面の山の頂点密度Spdは、例えば、100,000mm-1以上であり、120,000mm-1以上であってもよく、140,000mm-1以上であってもよい。
また、中間層のヒートシール層側の面の算術平均粗さSaは、例えば、0.1μm以上、0.5μm以下であり、0.2μm以上、0.4μm以下であってもよい。中間層のヒートシール層側の面の最大高さSzは、例えば、3.0μm以上、12.0μm以下であり、4.0μm以上、10.0μm以下であってもよい。
本開示におけるカバーテープの、ヒートシール層が積層された状態での中間層のヒートシール層側の面の算術平均粗さSaや最大高さ粗さSzは、非接触式白色干渉計を用いた測定方法、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた断面観察による測定方法により求めることができる。
非接触式白色干渉計による測定方法としては、非接触式白色干渉計(Canon社製、Zygo NewView 6200)を用いて、測定範囲50μm×50μmで測定し、得られた中間層/ヒートシール層の断面形状プロファイルから任意に粗さ曲線を抽出し、JIS B 0601-2001に準拠してSa、Szを算出する。合計5点を測定し、これらの平均値を算出する。
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた断面観察による測定方法としては、JIS B0601 2001の規定に準じて、23℃下でSEMにより中間層/ヒートシール層の断面を観察し、得られた画像より界面輪郭線(粗さ曲線)を抽出し、JIS B 0601-2001に準拠してSa、Szを算出する。合計5点を測定し、平均値を算出する。
中間層の表面粗さを調整するための手段としては、カバーテープのヒートシール層側の表面の山の頂点密度Spdが上記値以上となるように、中間層の表面粗さの調整が可能な方法であれば特に限定されないが、所定の版形状を有するラミロール(冷却用ロール)を使用して押出ラミネートする方法が挙げられる。
所定の版形状を有するラミロールを作製するための、金型の表面処理方法としては、ウェットブラスト、ドライブラスト等のサンドブラスト処理、サンドペーパー、ベルトサンダー、ワイヤブラシ等による表面処理、型押し処理、レーザー処理、研磨処理、エッチング処理等が挙げられる。
中間層の形成に使用するラミロールの表面粗さとしては、算術平均粗さSaが、例えば0.1μm以上、0.5μm以下であり、0.2μm以上、0.4μm以下であってもよい。また、最大高さSzが、例えば1.0μm以上、4.0μm以下であり、1.5μm以上、3.5μm以下であってもよい。
中間層の形成に使用するラミロールの表面粗さが上記範囲内であれば、カバーテープのヒートシール層側の表面の山の頂点密度Spdを上記値以上としやすい。
また、中間層の表面粗さを調整するための手段としては、中間層を構成する樹脂を選択する方法が挙げられる。中間層を構成する樹脂は、具体的には、基材層およびヒートシール層の材料等に応じて適宜選択することができるが、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレンビニルアセテート共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン・メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、ポリプロピレン、アイオノマー、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体のいずれかもしくは混合体が挙げられる。
中でも、分子量が小さい樹脂であれば、溶融時の流動性が高いため、ラミロールの凹凸に入り込みやすい。そのため、ラミロールの凹凸形状を反映しやすく、ひいてはカバーテープのヒートシール層側の表面の山の頂点密度Spdを上記値以上とすることができる。
中間層を構成する樹脂としては、メルトマスフローレート(MFR)が、8g/10分以上であることが好ましく、10g/10分以上であることがより好ましい。
なお、本明細書におけるMFRは、JIS K7210により測定した、190℃、荷重2.16kgにおける値をいう。MFRが上記の範囲の樹脂であれば、溶融時にラミロールの凹凸に樹脂が流れ込みやすくなるため、ラミロールの凹凸形状が反映されやすく、カバーテープのヒートシール層側の表面の山の頂点密度Spdを上記値以上とすることができる。
中でも、ポリエチレンが好ましく、具体的には低密度ポリエチレン(LDPE)および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましい。高密度ポリエチレン(HDPE)等に比べ分子量が小さく、流動性が高いためである。
また、中間層の表面粗さを調整するための手段としては、中間層の形成に使用するラミロール(冷却ロール)の表面温度を調整する方法が挙げられる。冷却ロールの表面温度が低いほど、カバーテープのヒートシール層側の表面の山の頂点密度Spdを上記値以上としやすい。これは、溶融樹脂をより低い温度で急冷することで、幅のより細かい凹凸が形成されるためである。
中間層の表面粗さを調整するための他の手段としては、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、UVオゾン処理等の表面処理により、中間層のヒートシール層側の面を粗す方法が挙げられる。
中間層の厚さは、例えば、5μm以上50μm以下とすることができる。
中間層としては、フィルムを用いることができる。この場合、基材層および中間層の積層方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、熱溶融させたフィルムの原材料を基材層にTダイ等で押出して、上記ラミロール(冷却用ロール)で急冷固化し、基材層と圧着する方法(押出ラミネート法)が挙げられる。これにより、基材層の一方の面側に中間層が形成される。なお、基材層の中間層が配置される側の面には、予め、アンカーコート層が形成されることが好ましい。また、予め製造したフィルムを接着剤で基材層に貼り合せる方法も挙げられる。本開示においては、前者の方法が好ましい。冷却ロールの表面粗さを調整することにより、中間層のヒートシール層側の面の粗さを調整することが容易となるからである。
3.ヒートシール層
本開示におけるヒートシール層は、基材層の一方の面側に配置される層である。ヒートシール層は、本開示のカバーテープを用いて包装体を製造する際に、キャリアテープに対してヒートシールすることにより、カバーテープとキャリアテープとが接着される。
(1)材料
ヒートシール層は熱可塑性樹脂を有するものであり、熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エチレン-酢酸ビニル系共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体のいずれか、あるいは、これらを主成分とする樹脂が好ましい。
スチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレンや、スチレンモノマーに対して少量のゴム分や他のビニル系単量体が共重合されているスチレン系共重合体等が挙げられる。具体的には、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン(SEBS)ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)ブロック共重合体等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂としては、メルトマスフローレート(MFR)が、2g/10分以上であることが好ましく、4g/10分以上であることがより好ましい。MFRが上記の範囲の熱可塑性樹脂であれば、中間層表面の凹凸に流れ込みやすくなるため、ヒートシール層を中間層表面の凹凸に追従させるように積層することができ、カバーテープのヒートシール層側の表面の山の頂点密度Spdを調整しやすい。また、良好なヒートシール性を得ることができる。一方、メルトマスフローレート(MFR)は、40g/10分以下であってもよく、30g/10分以下であってもよい。
なお、本明細書におけるMFRは、JIS K7210により測定した、190℃、荷重2.16kgにおける値をいう。
ヒートシール層における熱可塑性樹脂の含有量は、例えば、50質量%以上100質量%以下にあり、60質量%以上80質量%以下であってもよい。
本開示においては、熱可塑性樹脂として、エチレン-酢酸ビニル系共重合体を含んでもよい。ヒートシール層がエチレン-酢酸ビニル系共重合体を含むことにより、キャリアテープに対するヒートシール性が良好になる。そのため、搬送、保管中等において意図しない剥がれの発生を抑制することができる。
本開示においてエチレン-酢酸ビニル系共重合体とは、少なくとも、エチレンモノマー単位と酢酸ビニルモノマー単位とを含む共重合体である。エチレンモノマー単位とは、エチレンモノマー由来の構成単位をいい、酢酸ビニルモノマー単位とは、酢酸ビニルモノマー由来の構成単位をいう。エチレン-酢酸ビニル系共重合体中のエチレンの含有量は、特に限定されないが、60質量%以上97質量%以下にでき、80質量%以上95質量%以下にできる。エチレン-酢酸ビニル系共重合体中の酢酸ビニルの含有量は、特に限定されないが、3質量%以上40質量%以下にでき、5質量%以上20質量%以下にできる。エチレン-酢酸ビニル系共重合体は、エチレンモノマー単位と酢酸ビニルモノマー単位の他に、第三のモノマー単位を含んでもよい。第三のモノマー単位は帯電防止性能を有する官能基を含んでいてもよい。
ヒートシール層におけるエチレン-酢酸ビニル系共重合体の含有量は、特に限定されないが50質量%以上90質量%以下にでき、60質量%以上80質量%以下にできる。エチレン-酢酸ビニル系共重合体の含有量を増やすとヒートシール性能が向上するが、表面タック力が高くなる傾向がある。
本開示におけるヒートシール層がエチレン-酢酸ビニル系共重合体を含む場合、更にポリエチレン樹脂を含んでいることが好ましい。ポリエチレン樹脂を配合することで、良好なヒートシール性を保ちつつ、表面タック性を低くし、高湿熱環境下に置いた後の劣化を抑制することができる。
ポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等の種々のポリエチレンが挙げられるが、分散性の観点から優位であることから、低密度ポリエチレン(LDPE、密度0.910~0.930未満)及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、密度0.910~0.925)が好適に用いられる。
また、本開示において、各種ポリエチレンの分類は、旧JIS K6748:1995やJIS K6899-1:2000において定義されたものを指す。ヒートシール層におけるポリエチレン樹脂の含有量は、好ましくは10質量%以上50質量%以下とすることが好ましく、更に好ましくは、20質量%以上40質量%以下であることが好ましい。ポリエチレンの含有量を増やすとヒートシール性能が低下するが、表面タック力が低くなる傾向がある。
ヒートシール層には、必要に応じて、例えば、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、分散剤、充填剤、可塑剤、着色剤、粘着付与剤等の添加剤が含まれていてもよい。
(2)厚さ
ヒートシール層の厚さは、特に限定されず、17μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。ヒートシール層の厚さが上記値以下であれば、ヒートシール層を中間層表面の凹凸に追従させるように積層することができ、カバーテープのヒートシール層側の表面の山の頂点密度Spdを上記値以上に調整しやすいために好ましい。また、カバーテープの透明性の悪化を抑制することができる。一方、ヒートシール層の厚さは、0.5μm以上が好ましく、0.8μm以上がより好ましい。ヒートシール層の厚さが上記値以上であれば、ヒートシール層としての十分なシール性が得られ、また、均一な膜を得ることができる。
(3)形成方法
ヒートシール層の形成方法としては、例えば、熱可塑性樹脂、帯電防止剤及びその他に添加剤等を溶媒に分散または溶解したヒートシール層用組成物を用い、後述する中間層の基材層とは反対側に上記ヒートシール層用組成物を塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。ヒートシール層用組成物の塗布方法としては、例えば、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ロッドコ-ト、キスコート、ナイフコート、ダイコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の塗布法が挙げられる。
また、ヒートシール層として、フィルムを用いることができる。この場合、中間層およびヒートシール層の積層方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、熱溶融させたフィルムの原材料を中間層にTダイ等で押出して、ラミロール(冷却用ロール)で急冷固化し、中間層と圧着する方法(押出ラミネート法)が挙げられる。この場合、押出ラミネートに使用するラミロールの表面粗さを調整することによっても、カバーテープのヒートシール層側の表面の粗さを調整することができる。また、中間層およびヒートシール層の積層方法としては、予め製造したフィルムを接着剤で中間層に貼り合せる方法が挙げられる。上記接着剤としては、例えば、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤等を用いることができる。
4.基材層
本開示における基材層は、中間層、ヒートシール層や後述する帯電防止層を支持する層である。基材層としては、保存および搬送時の外力に耐える機械的強度や、製造およびテーピング包装に耐える耐熱性等を有していれば、種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート-イソフタレート共重合体、テレフタル酸-シクロヘキサンジメタノール-エチレングリコール共重合体等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルが、コスト面および機械的強度が良いため、好ましく用いられる。
また、基材層には、必要に応じて、例えば充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤等の添加剤が含まれていてもよい。基材層は、単層であってもよく、同種または異種の複数層の積層体であってもよい。また、基材層は、延伸フィルムであってもよく、未延伸フィルムであってもよい。中でも、基材層は、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであってもよい。
基材層の厚さは、例えば、2.5μm以上300μm以下とすることができ、6μm以上100μm以下であってもよく、12μm以上50μm以下であってもよい。基材層の厚さが厚すぎると、テーピング包装時の剛性が強くなりハンドリング性とコスト面でも不利である。また、基材層の厚さが薄すぎると、機械的強度が不足する場合がある。
5.カバーテープ
本開示におけるカバーテープは、上述の各層を積層してなるカバーテープにおける全光線透過率が80%以上であることが好ましく、特には85%以上であることが好ましい。本開示において、全光線透過率は、JIS-K-7361に準拠して、ヘーズメーターNDH 7000(日本電色工業製)で測定した値である。このような光学的特性を有するものであれば、より視認性の良いカバーテープとなる。
6.その他構成
(1)帯電防止層
本開示では、基材層のヒートシール層側の面とは反対の面側に、帯電防止層が配置されていることが好ましい。帯電防止層は、基材層のヒートシール層側の面とは反対の面側に配置され、カバーテープが帯電することを防止するための層である。帯電防止層を有することによって、他の面との接触による静電気の発生を防止することや、静電気が帯電してカバーテープの表面へのゴミやチリ等の付着を防止することができる。
帯電防止層は、基材層に帯電防止剤をコーティングすることにより形成することができる。帯電防止剤としては、導電性高分子が挙げられ、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。中でも、導電性高分子は、ポリチオフェン、ポリアニリンおよびポリピロールからなる群から選択される1種以上であることが好ましい。湿度に依存しない十分な帯電防止性および透明性が得られるからである。ポリチオフェンとしては、例えば、PEDOT/PSS(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸)が好ましく用いられる。ポリアニリンとしては、例えば、スルホン化ポリアニリンが好ましく用いられる。上記導電性高分子を含む帯電防止層であれば厚みが薄くとも、低い表面抵抗率を得ることができるために好ましい。帯電防止層の厚みが薄いことで、カバーテープの光の透過率を向上させることができる。また、帯電防止層の厚みが薄いことで、カバーテープの光の吸収率を低くすることができる。そのため、カバーテープの視認性を向上させることができる。
また、本開示における帯電防止層は、導電性高分子以外の帯電防止剤を含むことにより帯電防止性を発現するものであっても良い。導電性高分子以外の帯電防止剤としては、例えば、高分子型界面活性剤、低分子型界面活性剤等が挙げられる。それぞれ、ノニオン、カチオン、アニオン型があり、この界面活性剤としては、帯電防止性能、塗工性の観点からカチオン型高分子界面活性剤が好ましい。カチオン型高分子界面活性剤としては、高分子型4級アンモニウム塩が好ましい。4級アンモニウム塩のカウンターアニオンは特に限定されず、例えば、ハロゲンイオン、硫化物イオン等が用いられ、アンモニウムの1~3位まではアリール基、アルキル基が入り、特に限定されないが、溶解性の観点から炭素数が6個以下が好ましい。高分子型4級アンモニウム塩の主鎖にはアクリル主鎖が透明性、基材密着性の観点から好ましい。また、帯電防止層は、樹脂を含んでいてもよい。
帯電防止層の形成方法としては、例えば、帯電防止剤等を溶媒に分散または溶解した帯電防止層用組成物を用い、基材層の他方の面側に上記帯電防止層用組成物を塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。上記帯電防止層用組成物の塗布方法としては、例えば、エアドクター、ブレードコート、ナイフコート、ロッドコート、バーコート、ダイレクトロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、スライドコート等の公知の塗布法が挙げられる。
帯電防止層の厚さは、例えば、0.02μm以上3μm以下とすることができる。この
程度の厚さの帯電防止層とすることにより、カバーテープに帯電防止性を付与することが
できる。
(2)接着剤層
更に、基材層と中間層との間、又は中間層とヒートシール層との間に、接着剤層を有していてもよい。接着剤層を形成することで、基材層、中間層又はヒートシール層が接着力に乏しい場合であっても、基材層と中間層との間、又は中間層とヒートシール層との間の密着性を向上させることができる。接着剤層としては、基材層、中間層、ヒートシール層に用いられる材料に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。接着剤層は、例えば、オレフィン系、アクリル系、イソシアネート系、ウレタン系、エステル系の接着剤等のような接着性の良好な樹脂で形成することができる。
また、接着剤の塗布は、特に限定されないが、グラビアコーティング、ロールコーティング等で行うことができる。
接着剤層の厚さは、適宜調整することができるが、例えば、カバーテープに適度な剛性
を与えるように、1~10g/mであり、好ましくは、2~5g/mである。1g/m以上であれば、接着強度を均一にすることができる。
B.包装体
本開示の包装体は、電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、上記収納部に収納された電子部品と、上記収納部を覆うように配置された、上述のカバーテープと、を備える。
本開示のカバーテープを用いた包装体は、カバーテープ越しに電子部品を目視又は機械(特には目視)で確認する場合において、従来のカバーテープよりも電子部品の視認性が向上したものとなる。また、収納されている電子部品がカバーテープのヒートシール層側の表面に付着することを抑制することができる。
図2(a)、(b)は本開示の包装体の一例を示す概略平面図および断面図である。なお、図2(a)、(b)については、上記「A.電子部品包装用カバーテープ」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
以下、本開示の包装体の各構成について説明する。
1.カバーテープ
本開示におけるカバーテープについては、上記「A.電子部品包装用カバーテープ」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
本開示の包装体においては、カバーテープのヒートシール層とキャリアテープとはヒートシール部で接着されている。ヒートシール部は、例えば、カバーテープのヒートシール層がキャリアテープと接する部分の一部に配置することができる。すなわち、ヒートシール層は、ヒートシール部と非ヒートシール部とを有していてもよい。これにより、キャリアテープに対するカバーテープの剥離性を良くすることができる。
2.キャリアテープ
本開示におけるキャリアテープは、電子部品を収納する複数の収納部を有する部材である。
キャリアテープとしては、複数の収納部を有するものであればよく、例えば、エンボスキャリアテープ(エンボステープとも称される。)、パンチキャリアテープ(パンチテープとも称される。)、プレスキャリアテープ(プレステープとも称される。)のいずれも用いることができる。中でも、コスト、成形性、寸法精度等の観点から、エンボスキャリアテープが好ましく用いられる。
キャリアテープの材質としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ABS樹脂等のプラスチックや、紙等が挙げられる。本開示において紙とは、セルロースを主成分とするものをいい、更に樹脂成分が含まれていてもよい。
キャリアテープの厚さは、キャリアテープの材質や、電子部品の厚さ等に応じて適宜選択される。例えば、キャリアテープの厚さは、30μm以上1500μm以下とすることができる。キャリアテープの厚さが厚すぎると、成形性が悪くなり、キャリアテープの厚さが薄すぎると、強度が不足する場合がある。
キャリアテープは、複数の収納部を有する。収納部は、通常、キャリアテープの長手方向に所定の間隔をおいて配置される。収納部の大きさ、深さ、ピッチ等としては、電子部品の大きさ、厚さ等に応じて適宜調整される。
収納部を有するキャリアテープの形成方法としては、一般的なキャリアテープの成形方法を適用することができ、キャリアテープの種類や材質等に応じて適宜選択される。例えば、プレス成形、真空成形、圧空成形、打抜加工、圧縮加工等が挙げられる。
3.電子部品
本開示の包装体に用いられる電子部品としては、特に限定されず、例えば、IC、抵抗、コンデンサ、インダクタ、トランジスタ、ダイオード、LED(発光ダイオード)、液晶、圧電素子レジスタ、フィルター、水晶発振子、水晶振動子、コネクタ、スイッチ、ボリュウム、リレー等が挙げられる。ICの形式についても、特に限定されない。
4.包装体
本開示の包装体は、電子部品の保管および搬送のために用いられる。電子部品は、包装体の状態で保管および搬送され、実装に供される。実装時には、カバーテープを剥離し、キャリアテープの収納部に収納されている電子部品を取り出し、基板等へ実装される。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本開示をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
基材層として、片面にコロナ処理を施した厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(三房港社製 PT10、以下PETフィルム)を準備した。PETフィルムのコロナ非処理面側に帯電防止コート剤(CT-PLD 大日本印刷社製)を塗布することによって、帯電防止層を形成した。PETフィルムの帯電防止層が形成された面とは反対の面側に、エステル系アンカーコート剤(RAC-420/H-80(質量比)=3/1 酢酸エチルで88%希釈)を塗布し、接着剤層を形成した。次いで、ポリエチレン樹脂(製品名:SP1070C プライムポリマー社製、MFR:10g/10分)を溶融させて、接着剤層の形成されたPETフィルム表面に押出し、表面の算術平均粗さSaが0.4μm、最大高さSzが3.5μm、表面温度45℃の冷却ロールを用いた押出ラミネート法により、厚さ35μmの中間層を形成した。次いで、下記ヒートシール層用組成物を溶融させて中間層表面に塗布し、乾燥することにより、厚さ1μmのヒートシール層を形成した。これによって、帯電防止層/基材層/接着剤層/中間層/ヒートシール層からなる構成のカバーテープを作製した。
・ヒートシール層用組成物
導電性金属酸化物粒子分散体:微細針状アンチモンドープ酸化スズのMEK分散体(石原産業(株)社製FSS15M。累計個数50%メジアン径0.11~0.16μm。微細針状アンチモンドープ酸化スズ分30質量%)
導電性化合物:AS100(日本乳化剤(株)社製。イオン液体。)
バインダー樹脂用液:G1657(クレイトンポリマージャパン(株)社製、SEBS系熱可塑性エラストマー。ガラス転移温度-42℃、23℃引張強度23MPa、23℃引張弾性率2.4MPa、MFR22g/10分)のトルエン溶液。固形分20%。
(実施例2)
中間層の形成に、表面の算術平均粗さSaが0.4μm、Szが3.2μmの冷却ロールを用いた以外は、実施例1と同様の方法でカバーテープを作製した。
(実施例3)
中間層の形成に、表面の算術平均粗さSaが0.4μm、Szが3.0μmの冷却ロールを用いた以外は、実施例1と同様の方法でカバーテープを作製した。
(実施例4)
中間層の形成に、表面の算術平均粗さSaが0.4μm、Szが3.0μmの冷却ロールを用い、冷却ロールの表面温度を42℃に設定した以外は、実施例1と同様の方法でカバーテープを作製した。
(実施例5)
中間層の形成に、表面の算術平均粗さSaが0.4μm、Szが3.0μmの冷却ロールを用い、冷却ロールの表面温度を40℃に設定した以外は、実施例1と同様の方法でカバーテープを作製した。
(実施例6)
中間層の形成に、表面の算術平均粗さSaが0.4μm、Szが3.0μmの冷却ロールを用い、冷却ロールの表面温度を38℃に設定した以外は、実施例1と同様の方法でカバーテープを作製した。
(比較例1)
中間層の形成に、ポリエチレン樹脂(製品名:022GS 宇部丸善ポリエチレン社製、MFR:8g/10分)を溶融させて、接着剤層の形成されたPETフィルム表面に押出し、表面の算術平均粗さSaが0.6μm、最大高さSzが4.2μm、表面温度45℃の冷却用ロールを用いた押出ラミネート法により、厚さ35μmの中間層を形成した以外は、実施例1と同様の方法でカバーテープを作製した。
(比較例2)
基材層として、片面にコロナ処理を施した厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(三房港社製 PT10、以下PETフィルム)を準備した。PETフィルムのコロナ非処理面側に帯電防止コート剤(CT-PLD DNPファインケミカル社製)を塗布することによって、帯電防止層を形成した。PETフィルムの帯電防止層が形成された面とは反対の面側に、ウレタン系アンカーコート剤(タケネートA-3075/タケラックA-3210(質量比)=3/1 酢酸エチルで5%希釈)を塗布し(ウェット厚さ1μm)、接着剤層を形成した。次いで、ポリエチレン樹脂(製品名:ノバテックLC600A 日本ポリエチレン社製、MFR:7g/10分)を溶融させて、接着剤層の形成されたPETフィルム表面に押出し、表面の算術平均粗さSaが0.8μm、最大高さSzが5.2μm、表面温度45℃の冷却用ロールを用いた押出ラミネート法により、厚さ15μmの中間層を形成した。その上にCMPS V8021(三井ダウポリケミカル株式会社製、MFR:31g/10分))、エレマスターHE-510(花王株式会社製)を150:3の配合比率(重量比)で含むヒートシール材料を用い、表面の算術平均粗さSaが0.8μm、最大高さSzが5.2μmの冷却用ロールを用いた押出ラミネート法により、厚さ20μmのヒートシール層を製膜し、製膜後に40℃、48時間の条件でエージングを行うことにより、ヒートシール層を形成した。これによって、帯電防止層/基材層/接着剤層/中間層/ヒートシール層からなる構成のカバーテープを作製した。
[ヒートシール層側の表面の山の頂点密度Spdの測定]
実施例1~6、比較例1および比較例2で製造したカバーテープのヒートシール層の山の頂点密度Spdを、上記「A.電子部品包装用カバーテープ」で記載した方法により測定した。結果を表1に示す。また、高さ閾値0.2μm以上の領域の表面積についても、同時に測定した。
[ヘーズ値の測定]
実施例1~6、比較例1および比較例2で製造したカバーテープのヘーズを、上記「A.電子部品包装用カバーテープ」で記載した方法により測定した。結果を表1に示す。また、カバーテープのヒートシール層側の表面の山の頂点密度Spdと、ヘーズ値との関係を図4(a)に示す。カバーテープのヒートシール層側の表面における高さ閾値0.2μm以上の領域の表面積と、ヘーズ値との関係を図4(b)に示す。
[チップ付着試験]
カバーテープのヒートシール層側の表面における、電子部品の耐付着性を以下のように評価した。
(測定条件)
カバーテープを60mm×140mmにカットしサンプルを得た。サンプルのヒートシール層側の面を上に向け、スライドガラス(70mm×150mm)上に平坦になるように3MTM 耐熱ポリイミドテープ 7414を用い、サンプル4隅、または4辺にポリイミドテープがスライドガラスからはみ出さないように貼りつけた。一方、もう一枚のスライドガラス上に電子部品(1.6mm×0.8mm)を50個配置した。電子部品を配置したスライドガラスの上に、サンプルを貼りつけたスライドガラスを設置した。このとき、電子部品とサンプルは密着している状態である。この状態のサンプルを下記測定条件の恒温恒湿槽に入れた。60秒経過後、サンプルを恒温恒湿槽から取り出し、平坦な机の上に置いた。サンプルを貼りつけたスライドガラスのみ垂直に持ち上げ、このときに付着している電子部品の数を物理付着個数として取得した。この試験を、各カバーテープからカットした3つのサンプルに対して行い、その平均値を求めた。また、下記評価基準により評価した。結果を表1に示す。
(測定条件)
・加圧加重:50gf
・加圧時間:60s
・測定前サンプル保管:25℃40%RH環境下で24時間以上保管
・測定環境:40±2℃、90±5%RH環境(低湿度型恒温恒湿機、エスペック社製)
(評価基準)
A:物理付着数が7個以下である
B:物理付着数が7個より多い
なお、実際の電子部品の実装工程においては、99.999%以上実装成功率が必要とされている。99.999%以上の実装成功率を得るためには、上記付着試験による結果が7個以下であることが必要であるという知見を得たため、評価基準を7個とした。
表1および図4(a)に示されるように、ヒートシール層側の表面の山の頂点密度Spdが200,000mm-1以上であることにより、ヘーズ値を45%以下に低減することができ、かつ、電子部品の付着を抑制することができることが確認された。また、図4(b)に示されるように、山の頂点密度Spdが高いほど、ヒートシール層側の表面における高さ閾値0.2μm以上の領域の表面積が小さいことが確認された。
すなわち、本開示においては、以下の発明を提供できる。
[1] 基材層と、前記基材層の一方の面側に配置されたヒートシール層と、前記基材層と前記ヒートシール層との間に配置された中間層と、を有する電子部品包装用カバーテープであって、前記電子部品包装用カバーテープの前記ヒートシール層側の表面は、ISO25178に準拠して測定される山の頂点密度Spdが200,000mm-1以上であり、前記電子部品包装用カバーテープのヘーズ値が45%以下である、電子部品包装用カバーテープ。
[2] 前記電子部品包装用カバーテープの前記ヒートシール層側の表面は、前記山の頂点密度Spdが230,000mm-1以上である、[1]に記載の電子部品包装用カバーテープ。
[3]前記電子部品包装用カバーテープの前記ヒートシール層側の表面の測定領域0.3996mm当たりの、高さ閾値0.2μm以上である領域の表面積が、80,000mm以下である、[1]または[2]に記載の電子部品包装用カバーテープ。
[4] 前記中間層を構成する樹脂のMFRが8g/10分以上である、[1]から[3]までのいずれかに記載の電子部品包装用カバーテープ。
[5] 前記ヒートシール層の厚さが、0.5μm以上、17μm以下である、[1]から[4]までのいずれかに記載の電子部品包装用カバーテープ。
[6] 電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、前記収納部に収納された電子部品と、前記収納部を覆うように配置された、[1]から[5]までのいずれかに記載の電子部品包装用カバーテープと、を備える、包装体。
1 … カバーテープ
2 … 基材層
3 … ヒートシール層
4 … 中間層
5 … 帯電防止層
10 … 包装体
11 … キャリアテープ
12 … 収納部
13 … 電子部品

Claims (6)

  1. 基材層と、
    前記基材層の一方の面側に配置されたヒートシール層と、
    前記基材層と前記ヒートシール層との間に配置された中間層と、
    を有する電子部品包装用カバーテープであって、
    前記電子部品包装用カバーテープの前記ヒートシール層側の表面は、ISO25178に準拠して測定される山の頂点密度Spdが200,000mm-1以上であり、
    前記電子部品包装用カバーテープのヘーズ値が45%以下である、電子部品包装用カバーテープ。
  2. 前記電子部品包装用カバーテープの前記ヒートシール層側の表面は、前記山の頂点密度Spdが230,000mm-1以上である、請求項1に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  3. 前記電子部品包装用カバーテープの前記ヒートシール層側の表面の測定領域0.3996mm当たりの、高さ閾値0.2μm以上である領域の表面積が、80,000mm以下である、請求項1に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  4. 前記中間層を構成する樹脂のMFRが8g/10分以上である、請求項1に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  5. 前記ヒートシール層の厚さが、0.5μm以上、17μm以下である、請求項1に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  6. 電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、
    前記収納部に収納された電子部品と、
    前記収納部を覆うように配置された、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の電子部品包装用カバーテープと、
    を備える、包装体。
JP2022104516A 2022-06-29 2022-06-29 電子部品包装用カバーテープおよび包装体 Pending JP2024004735A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022104516A JP2024004735A (ja) 2022-06-29 2022-06-29 電子部品包装用カバーテープおよび包装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022104516A JP2024004735A (ja) 2022-06-29 2022-06-29 電子部品包装用カバーテープおよび包装体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024004735A true JP2024004735A (ja) 2024-01-17

Family

ID=89539743

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022104516A Pending JP2024004735A (ja) 2022-06-29 2022-06-29 電子部品包装用カバーテープおよび包装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024004735A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101954467B1 (ko) 커버 필름
JP6685993B2 (ja) 熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造方法、インモールド成形用ラベルならびにラベル付きプラスチック容器およびその製造方法
JPWO2012169387A1 (ja) カバーフィルム
TW201300296A (zh) 液晶模組用抗靜電包裝袋及液晶模組之包裝方法
JP7308807B2 (ja) 電子部品包装用カバーテープ、電子部品包装体およびその製造方法
TW201906774A (zh) 蓋帶及電子零件包裝體
JP2024004735A (ja) 電子部品包装用カバーテープおよび包装体
JP2021178470A (ja) 電子部品包装用カバーテープおよび包装体
JP7152583B2 (ja) 電子部品包装用カバーテープ、包装体、および包装体用セット
WO2022255338A1 (ja) 電子部品包装用カバーテープおよび包装体
KR102657425B1 (ko) 전자 부품 포장용 커버 테이프 및 포장체
JP2022183740A (ja) 電子部品包装用カバーテープおよび包装体
JP2022183778A (ja) 電子部品包装用カバーテープおよび包装体
JP2021001028A (ja) 電子部品包装用カバーテープおよび包装体
KR102646543B1 (ko) 전자 부품 포장용 커버 테이프 및 포장체
JP2024049799A (ja) 電子部品包装用カバーテープおよび包装体
JP7201125B2 (ja) 電子部品包装用カバーテープおよび包装体
JP2023037999A (ja) 電子部品包装用カバーテープおよび包装体
JP2004237996A (ja) カバーテープ及びこれを用いた包装体
TWI836456B (zh) 電子零件包裝用覆蓋帶及包裝體
JP7197052B2 (ja) 電子部品包装用カバーテープおよび包装体
US20080053608A1 (en) Two-ply pre-printed rigid thermoformable material
JP2023070266A (ja) 電子部品包装用カバーテープ、包装体用セットおよび包装体
JPH0955402A (ja) 半導体素子用キャリアテープ
JPH0955403A (ja) 半導体素子用キャリアテープ