JP2024003127A - 枕 - Google Patents

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Abstract

【課題】人が乗った場合に、人の外形に沿って又は人の所望に応じて、形状が多様に変化しうるクッション体を提供することを課題とする。【解決手段】少なくとも一部が伸縮性の袋体と、前記袋体中の充填材とを少なくとも備えた枕であって、前記枕の最長方向が重力方向に対して平行になるように前記枕を床に立て、前記床と前記枕との接触面積が変動しないように前記枕の頂部を上部に伸ばした場合、前記充填材の存在しない空間が、前記枕の最大長さの1/10~2/3の長さで前記枕の上部に形成され、前記枕に直径20cmの円盤を当て、前記円盤へ重力方向に沿って1~20kgの力を加えた場合、前記円盤が前記枕の底につくことを特徴とする枕により上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は枕に関する。更に詳しくは、本発明によれば、例えば、人が乗った場合に、人の外形に沿って又は人の所望に応じて、形状が多様に変化しうる枕に関する。
枕が含まれるクッション体として、種々の形状のものが知られている。
例えば、特開2004-223002号公報(特許文献1)では、「伸縮性を有する袋体の中に、袋体の内容積の1.1~3.5倍の体積の発泡樹脂粒子が充填材として封入されてなることを特徴とするクッション体。」が提案されている。
また、特開2005-20137号公報(特許文献2)では、褥瘡予防に使用できるクッション体が提案されている。
特開2004-223002号公報 特開2005-20137号公報
特許文献1に記載のクッション体は、袋体の内容積に対して、過剰の充填材が封入(過充填)されている。過剰に充填された充填材は、袋体中で移動し難いため、クッション体が硬い触感となる。
近年、スマートフォンのような携帯情報端末を、うつ伏せ又は仰向けで使用することがある。このような使用形態において、硬い触感のクッション体は、例えば、人が乗った場合に、人の外形に沿って、その形状が変化し難く、局所的な圧力を人に与えるため、長時間うつ伏せ又は仰向けの状態での使用に適切とは言い難かった。
特に、携帯情報端末をうつ伏せで使用する場合、背筋が反るため、腰に負担がかかる。この負担を軽減するには、胸から太ももの前側にかけて、局所的な圧力がかからないように、人の外形に沿って、その形状が変化する必要があるが、硬い触感のクッション体では、そのような変化は望むことができなかった。
また、特許文献2には、底付きするクッション体は、その部位において、褥瘡が発生すると記載されている。底付きを前提とするクッション体の示唆はない。
かくして本発明によれば、少なくとも一部が伸縮性の袋体と、前記袋体中の充填材とを少なくとも備えた人用の枕であって、
前記充填材が、発泡ビーズを含み、
前記枕の最長方向が重力方向に対して平行になるように前記枕を床に立て、前記床と前記枕との接触面積が変動しないように前記枕の頂部を上部に伸ばした場合、前記充填材の存在しない空間が、前記枕の最大長さの1/10~2/3の長さで前記枕の上部に形成され、
最長方向が平行となるように床に置いた前記クッション体に少なくともお尻が付くように大人が寝た場合、前記お尻が枕の底につき、
前記枕上で大人が寝返りを打った際、前記お尻の下部に存在する前記発泡ビーズが転動体の役割を果たすことで、寝返りを容易に行い得ることを特徴とする枕が提供される。
また、本発明によれば、少なくとも一部が伸縮性の袋体と、前記袋体中の充填材とを少なくとも備えた枕であって、
前記枕の最長方向が重力方向に対して平行になるように前記枕を床に立て、前記床と前記枕との接触面積が変動しないように前記枕の頂部を上部に伸ばした場合、前記充填材の存在しない空間が、前記枕の最大長さの1/10~2/3の長さで前記枕の上部に形成され、
前記枕に直径20cmの円盤を当て、前記円盤へ重力方向に沿って1~20kgの力を加えた場合、前記円盤が前記枕の底につくことを特徴とする枕が提供される。
本発明の枕は、適度な範囲の底付きにより、多様な形に変形可能である。
そのため、例えば、うつ伏せ又は仰向けで使用した場合、枕の形状は、人の外形に沿って変化する。従って、本発明の枕は、長時間うつ伏せ又は仰向けの状態での使用が可能となる。加えて、充填材を移動させることで、所望の形状に枕を変形させることができる。
また、枕に座った場合、体を包み込むように大きく変形するので、大きな癒し効果(雲の上に乗ったようなイメージの感触)を得ることができる。
更に、枕上で大人が寝返りを打った際、お尻の下部に存在する発泡ビーズが転動体の役割を果たすことで、寝返りを容易に行うことができる。
枕に力を加える状態を説明する概略図である。 枕に力を加える状態を説明する概略図である。 枕に力を加える状態を説明する概略図である。 実施の形態1の枕の概略図である。 実施の形態1の枕の概略図である。 実施の形態1の枕の概略図である。 実施の形態1の枕の概略図である。 実施の形態1の枕の概略図である。 実施の形態1の枕の概略図である。 実施の形態1の枕の概略図である。 実施の形態2の枕の概略図である。 実施の形態2の枕の概略図である。 実施の形態2の枕の概略図である。 実施の形態2の枕の概略図である。 実施の形態2の枕の概略図である。 実施の形態2の枕の概略図である。 実施の形態2の枕の概略図である。 実施の形態3の枕の概略図である。 実施の形態3の枕の概略図である。 実施の形態3の枕の概略図である。 実施の形態4の枕の概略図である。
以下では、本発明の枕(クッション体)を、主として人(大人、子供、女性、男性等)が使用することを想定して説明するが、人以外に、ペット(例えば、犬、猫等)が本発明の枕を使用してもよい。
本発明の枕は、以下の(i)~(iii)の性質を有している。
(i)枕の最長方向が重力方向に対して平行になるように枕を床に立て、床と枕との接触面積が変動しないように枕の頂部を上部に伸ばした場合、充填材の存在しない空間が、枕の最大長さの1/10~2/3の長さで枕の上部に形成される。
(ii)最長方向が平行となるように床に置いた枕に少なくともお尻が付くように大人が寝た(仰向けで使用した)場合、お尻が枕の底につく。
(iii)枕上で大人が寝返りを打った際、お尻の下部に存在する発泡ビーズが転動体の役割を果たすことで、寝返りを容易に行い得る。
そのため、枕は、多様な形に変形可能である。例えば、うつ伏せ又は仰向けで使用した場合、枕の形状は、人の外形に沿って変化する。その結果、本発明の枕は、長時間うつ伏せ又は仰向けの状態での使用が可能となる。加えて、手又は足で充填材を移動させることで、所望の形状に枕を変形させることができる。また、枕に座った場合、体を包み込むように大きく変形するので、大きな癒し効果を得ることができる。
更に、枕上で大人が寝返りを打った際、お尻の下部に存在する発泡ビーズが転動体の役割を果たすことで、寝返りを容易に行うことができる。
性質(i)
充填材の存在しない空間が、枕の最大長さの1/10~2/3の長さで枕の上部に形成されることで、うつ伏せで使用した場合、仰向けで使用した場合、及び座った場合のいずれでも、体を包み込むように枕を大きく変形させることができる。
空間の長さの測定法としては、例えば、図1(a)~(c)に示される方法が挙げられる。図1(a)及び(b)は、重力以外の外力を付与することなく床に枕を置いた状態を示している。図1(a)は側面図、図1(b)は上面図である。図1(a)及び(b)中、「a」は床と枕との接触部を意味する。図1(c)は、床と枕との接触面積が変動しないように枕の頂部を上部に伸ばした状態を示している。図1(c)中、Xは枕の最大長さ、X1は空間の最大長さを意味する。
空間の長さは、枕の最大長さの1/7~1/2であることがより好ましく、1/5~1/3であることが更に好ましい。
枕の最大長さは、例えば、10cm~3mの範囲で、枕の用途に応じて適宜設定できる。最大長さは、20cm、30cm、50cm、1m又は1.5m、2mとしてもよい。
枕は、最長方向が床面と平行になるように置いた場合、5~100cmの平均厚さを有しうる。平均厚さは、10cm、20cm、50cm、70cm又は90cmとしてもよい。平均厚さは、置かれた枕の厚さができるだけ一定となるように枕をならした場合の厚さを意味する。平均厚さは、最大長さの1/2~1/10としてもよい。
性質(ii)
最長方向が平行となるように床に置いた枕に少なくともお尻が付くように大人が寝た(仰向けで使用した)場合、お尻が枕の底につく(底付きする)ことで、うつ伏せで使用した場合、仰向けで使用した場合、及び座った場合のいずれでも、体を包み込むように枕を大きく変形させることができる。なお、ここでの大人は、例えば、40kg以上の体重を有する者を想定している。大人の場合、底付きする部位に加わる重さは、お尻周辺の重さとである体重の約44%であると想定している。
例えば、仰向けで使用する場合、体全体の重心(身体重心)が位置するお尻は枕で底づきする、一方、肩から頭にかけて及び太ももの下部には充填材が存在することで、上がった状態とすることができる。この状態では、腰が適度に曲がった姿勢となる。従来、寝具用マットでは、直立した姿勢(背中のS姿勢)が保持されるように、人の外形に沿って変形することが、癒し付与性の向上及び睡眠の質の向上に有効であるとされてきた。しかしながら、人が四足歩行の動物から進化してきたことを考慮すると、胎児姿勢(膝を軽く胸に引き寄せ、背中を少しだけ丸めた姿勢)に近い姿勢をとることが癒し付与性の向上及び睡眠の質の向上により有効であると考えられる。胎児姿勢をとることで赤ちゃんが泣き止むように、大人になっても体や心の緊張がほぐれ、安心させる効果を枕は有している。また、枕で得られる姿勢は、中立姿勢に相当するともいえる。中立姿勢とは、無重力状態での宇宙飛行士が最も負担のかからない姿勢を意味している。即ち、無重力状態では、背中がやや曲がり、太ももが上がった姿勢となり、筋肉の緊張や背骨にかかる負担が最小限になることが知られている。この中立姿勢を枕の上で横になることで取ることができる。
性質(iii)
枕上で大人が寝返りを打った際、お尻の下部に存在する発泡ビーズが転動体の役割を果たすことで、寝返りを容易に行うことができる。
寝返りの最中でも、袋体が伸縮しつつ充填材(発泡ビーズ)が流動する(転動体の役割を果たす)ことで、体の変化に合わせて枕1が容易に変形しうる。具体的には、枕と体(例えば、お尻)とが接触する部位では、体(お尻)が枕の底につき、接触している部位に隣接する部位では、充填材が流動することで枕が体の外形に沿って盛り上がる。そのため、どのような姿勢をとっても体圧が一点に集中しないように、体圧を適切に分散させることができる。そのため、うつ伏せで使用した場合、仰向けで使用した場合、及び座った場合のいずれでも、体を包み込むことが可能となる。
その他の性質
枕に少なくともお尻が付くように大人が寝た状態で、お尻が枕の底につき、上半身及び太ももが底につかないように、充填材が移動することによる凹みを備え得る。このような凹みを備えることで、上記胎児姿勢及び/又は中立姿勢を容易にとることができる。凹みの大きさは、充填材が移動することにより形作られるので、人の体格の各種変化に追随することが可能である。
枕は、枕に直径20cmの円盤を当て、前記円盤へ重力方向に沿って1~20kgの力を加えた場合、円盤が枕の底につく性質を有していてもよい。
枕へ円盤を当てる位置は、特に限定されない。また、円盤は、枕全体にわたって底についてもよく、一部のみついてもよい。
円盤の当てられる枕の位置は、枕の最長方向が重力方向に対して平行になるように枕を立て、立てた枕の上面の中央付近であってもよい。この位置であれば、うつ伏せで使用した場合、仰向けで使用した場合、及び座った場合のいずれでも、体を包み込むように枕を大きく変形させることができる。
円盤の直径を20cmとした理由を下記する。
直径20cmは、測定時に枕に腰を下ろすという観点から、おしりが床と接する領域を円と仮定した場合の円の直径を想定している。おしりが床に接した場合、骨盤の底部の2つの座骨結節において体圧が集中する。そして、円の直径は、底付きの状況を考慮して、座骨結節周辺の比較的高い体圧を示す領域も含めて規定することが必要となる。ここで、臀部にかかる力の研究に関する文献(日本義肢装具学会誌Vol.29 No.3 pp168-174 2013)によれば、2つの座骨結節の間隔は、成人(大人)で8~15cmであることが知られている。お尻が床と接する場合、2つの座骨結節の周辺も接することになるので、その周辺を考慮して、円盤の直径を20cmと規定している。
円盤の直径は20cm以外にも、30cm、40cm、50cm及び60cmのいずれかの直径を選択できる。直径の大きな円盤であれば、枕がより大きく変形可能となるため、うつ伏せ又は仰向けの状態でのより長時間の使用、座った場合で体を包み込むようにより大きく変形させることが可能である。
加えられる力は1~20kgの範囲で、枕の用途に応じて選択できる。例えば、上に座る枕の場合、比較的大きい力を選択でき、上に寝る枕の場合、比較的小さい力を選択できる。加えられる力は、2kg、4kg、5kg、10kg又は15kgとしてもよい。
加えられる力の上限を20kgとした理由を下記する。
力の上限20kgは、枕に腰を下ろすという観点から、おしり周りの重さを基準に決定されている。例えば、産業技術総合研究所から2007年に公表された文献によると16歳以上の女性の平均体重が約53kgであるとされており、平成31年に西川株式会社から公表された文献(寝具などの睡眠最適化に係る評価方法の基準策定に向けた課題分析に関する調査)によると腰尻部の体圧分散率が約44%であるとされている。つまり、枕のおしり底部には約23kg(53×0.44)の力が働くことになる。力の上限を20kgとすることで、成人女性でも確実に底付きを実現できる。
なお、成人男性については、成人女性より平均体重が重いので、力の上限が20kgであれば、確実に底付きを実現できる。
また、枕を積極的に利用するであろう小学生低学年(6~7歳)においては、枕に乗った場合、足も枕に乗ってしまうため、おしり底部にはほぼ全体重がかかることが想定される。ここで、厚生労働省の厚生統計要覧(令和元年度)の第2編 保健衛生 第1章 保健の第2-6表「身長・体重の平均値,性・年次×年齢別」によれば、これら年代の体重が約23kg前後であるとされている。この年代においても、底付きを実現するには、力の上限を20kgとすることが適切となる。
1~20kgの力を加える方法は、次の方法がある。まず、図2に示すように、枕1に円盤2を載せる。次に、図3に示すように、円盤2上に重り3を載せる。重り3は、円盤2の重さとの合計が所定の力となるように調整する。重り3を載せた後、円盤2を軽く押さえながら約1分間回す。円盤2が枕1の底についているとは、円盤2直下の袋体中に、充填材が実質的に存在していないことを意味する。なお、実質的に存在しないとは、完全に充填材が存在しない場合に加えて、袋体を構成する布が一部直接接し、それ以外の部分では充填材が存在している場合も含む概念である。
なお、図2(a)及び図3(a)は側面図、図2(b)及び図3(b)は上面図である。
また、円盤の底部の単位面積(cm)当たり3g以上の力を加えてもよい。
円盤が底についた状態の枕の重力方向の断面において、枕の左右の上部が、図3(a)の点線部に示されているように、下から上に向かうテーパー状の形状になっていてもよい。テーパー状の形状になっていることで、より適切な状態でクッション体を変形させることが可能である。テーパー状の形状において、テーパーの度合いは特に限定されず、枕の大きさ、充填材の体積、袋体の内容積等により変動しうる。なお、上部とは、枕の上から、重力方向の最大長さの1/3程度の部分を意味する。
円盤の当てられる枕の位置が、枕の最長方向が重力方向に対して平行になるように枕を立て、立てた枕の上面の中央付近である場合、円盤が、中央付近のみ底につき、円盤に力を加える前の枕の高さと、円盤が底についた状態の枕の高さとが、実質的に同じであることが好ましい。実質的に同じであることで、より適切な状態で枕を変形させることが可能である。
枕の大きさは、特に限定されない。例えば、最長方向を床面と平行になるように床面に枕を置き、その枕上に人(例えば、大人:身長150~170cmを想定)が仰向けに乗った場合、頭のみ、肩のみ、背中のみ、お尻のみ、太もものみ、頭から肩まで、頭から背中まで、頭からお尻まで、頭から太ももまで、肩から背中まで、肩からお尻まで、肩から太ももまで、背中からお尻まで、背中から太ももまで、又はお尻から太ももまで、枕上に載せることが可能な程度の大きさを枕は備えてもよい。
枕の形状は、特に限定されない。例えば、円柱状、卵状、球状、角錐状、直方体状、立方体状、ラグビーボール状、シート状、小判状、キャラクター状(例えば、動物、アニメや漫画の登場人物)等の種々の形状が挙げられる。
枕は、ベッド、布団、ソファー、ラグ、畳等の比較的柔らかい部材上で使用することが向いている。
(1)袋体及び充填材
枕は、少なくとも一部が伸縮性の袋体と、袋体中の充填材とを少なくとも備える。袋体及び充填材の構成材料は、円盤を介して力を加えることで、円盤が枕の底につく性質を枕に与えることができさえすれば、特に限定されない。
(1a)袋体
袋体は、伸縮性を少なくとも一部備えていればよい。言い換えると、非伸縮性の部分と伸縮性の部分を袋体は備えていてもよい。より多様な形に変形可能である観点から、袋体全体が伸縮性を有していることが好ましい。
袋体は、織布、編布、不織布、プラスチックシート等の布材からなっていてもよい。布材の厚さは、袋体に適度な伸縮性を付与できさえすれば、特に限定されない。袋体の構成材料は、綿、麻、絹、毛、合成繊維(例えば、スパンデックス;ポリウレタン弾性糸)等のいずれであってもよく、混紡されていてもよい。
袋体は、10~500%の伸縮性を有することが好ましい。伸縮性は、50~400%であることがより好ましく、100~300%であることが更に好ましい。ここで、伸縮性は、例えば、次のように測定した値を意味する。引張間隔10cm×幅2.5cmの試験片を、袋体から切り出す。一般的な引張試験機により試験片を30cm/分の速度で伸張し、下記式により9.8N荷重時の伸度を算出する。この測定を試験片の縦方向と横方向について行う。縦方向と横方向の伸度の平均値を伸縮性とする。
伸度(%)={9.8N荷重時の試験片長さ(cm)-10}÷10×100
(1b)充填材
充填材としては、例えば、発泡ビーズ、発泡ウレタン、綿、不織布、樹脂パイプ、樹脂繊維の三次元結合体、ゲル、ゴム、砂、空気等が挙げられる。これら充填材は、単独で使用してもよく、混合して使用してもよい。充填材は、発泡ビーズを含むこと好ましく(例えば50重量%以上、70重量%以上、90重量%以上)、全てが発泡ビーズであってもよい。
お尻の下部に存在する発泡ビーズは、枕上で寝返りを打った際、ボールベアリングのような転動体の役割を果たすことで、寝返りを容易に行い得るという効果を奏する。この効果は、最長方向が平行となるように床に置いた枕に少なくともお尻がつくように寝、かつお尻が枕の底についた場合、より大きく発揮される。発泡ビーズは、静電気を帯びやすいので、袋体に付着しやすいため、底づき部位で完全に除かれ難い。従って、一部が底づき部位に残るため、転動体の役割を果たしやすい。
発泡ビーズの中でも、表面に流動促進剤が付着し、200~2000μmの範囲内の平均粒子径のポリスチレン製発泡ビーズが好ましい。このポリスチレン製発泡ビーズは、流動性が高いため、より多様な形に変形可能な枕を提供できる。平均粒子径は、400~1500μmの範囲内であることがより好ましく、400~1000μmの範囲内であることが更に好ましい。
平均粒子径は、所定の目開きのふるいを重ね合わせ、ふるいに振動を与えて分級することで測定できる。例えば、次のように測定できる。ふるい目開き4.00mm(4000μm)、目開き3.35mm、目開き2.80mm、目開き2.36mm、目開き2.00mm、目開き1.70mm、目開き1.40mm、目開き1.18mm、目開き1.00mm、目開き0.85mm、目開き0.71mm、目開き0.60mm、目開き0.50mm、目開き0.425mm、目開き0.355mm、目開き0.300mm、目開き0.250mm、目開き0.212mm、目開き0.180mm(180μm)のJIS標準ふるいで分級する。その結果から得られた累積重量分布曲線を元にして累積重量が50%となる粒子径(メディアン径)を平均粒子径とする。
(2)その他
枕は、カバーで覆われていてもよい。カバーの大きさは、枕の大きさと同一であってもよく、大きくてもよい。一方、枕の大きさは、袋体の内容積で代用できる。カバーの大きさは、枕の大きさの1~3倍程度とすることができる(内容積比)。内容積は、非伸縮性のフィルムで同じ大きさの袋体とカバーを作成し、そのカバー内に満たした空気の量で代替えできる。
カバーは、袋体と同様の、布材及び構成材料を使用できる。カバーと袋体の布材及び構成材料は、同一でも、異なっていてもよい。カバーの伸縮性は、袋体の伸縮性と同程度又は袋体の伸縮性より高いことが好ましい。
(実施の形態1)
図4~10は、実施の形態1の枕を示す。この枕を構成する袋体は、スパンデックス製織布(ポリエステル85%、ポリウレタン15%)、伸縮性約250%から構成され、充填材は、約400~1500μmの範囲内の平均粒子径を有するポリスチレン製の発泡ビーズである。
図4(a)及び(b)は、袋体の最長方向が重力方向に平行になるように枕1を床面に置いた状態を示す写真である。図4(a)は側面写真、図4(b)は上面写真である。
図4に示されているように、枕1は充填材が過充填されていないため、頂部が枕1内部に落ち込んでいる。この状態では、例えば、図5(a)の写真に示すように、頂部に座るように枕1を使用することが可能である。頂部に座ることで、枕1は、充填材の移動及び袋体の伸縮により、体を包み込むように大きく変形するので、大きな癒し効果を得ることができる。図5(b)の写真に示すように、うつ伏せで枕1を使用することも可能である。この使用態様では、うつ伏せ状態での腰の反りを緩和できる。長時間、うつ伏せ姿勢をとると、腰の反りにより、腰を痛めることがある。図5(b)に示すように、枕1を変形させることで、腰の反りを低減できるので、長時間うつ伏せ姿勢をとっても、腰が痛くなりにくいという効果を枕1は備えている。
枕1の頂部を上部に伸ばすと、図4(c)に示すように、充填材の存在しない空間(余白)を、枕1の最大長さ(X)の1/3~1/5の長さ(X1)で枕1上部に形成できる。なお、枕1の最大長さは、約1mである。
この枕1に直径20cmの円盤を当て、円盤へ重力方向に沿って1~20kgの力を加えた場合、円盤が枕の底につくことを確認した。
図6(a)及び(b)は、袋体の最長方向が床面に平行になるように枕1を床面に置いた状態を示す写真である。図6(a)は側面写真、図6(b)は上面写真である。この状態での最大長さは約1.5mであり、平均厚さは約40cmである。
図6に示されているように、枕1は充填材が過充填されていないため、枕1が床面に平行に広がっている。この状態では、例えば、図7(a)及び(b)の写真に示すように、仰向け又はうつ伏せで枕1を使用することが可能である。この枕1は、頭からお尻まで載せることが可能な大きさを有している。仰向け又はうつ伏せで使用することで、枕1は、充填材の移動及び袋体の伸縮により、床面に対して前後左右に伸びて体を包み込むように大きく変形するので、大きな癒し効果を得ることができる。
仰向けで使用する場合、体全体の重心(身体重心)が位置するお尻は枕1で底づきする。一方、肩から頭にかけて及び太ももの下部には充填材が存在することで、上がった状態となる。この状態では、充填材が移動することによる凹みが形成され、腰が適度に曲がった姿勢となる。従来、寝具用マットでは、直立した姿勢(背中のS姿勢)が保持されるように、人の外形に沿って変形することが、癒し付与性の向上及び睡眠の質の向上に有効であるとされてきた。しかしながら、人が四足歩行の動物から進化してきたことを考慮すると、胎児姿勢(膝を軽く胸に引き寄せ、背中を少しだけ丸めた姿勢)に近い姿勢をとることが癒し付与性の向上及び睡眠の質の向上により有効であると考えられる。胎児姿勢をとることで赤ちゃんが泣き止むように、大人になっても体や心の緊張がほぐれ、安心させる効果を枕は有している。また、枕1で得られる姿勢は、中立姿勢に相当するともいえる。中立姿勢とは、無重力状態での宇宙飛行士が最も負担のかからない姿勢を意味している。即ち、無重力状態では、背中がやや曲がり、太ももが上がった姿勢となり、筋肉の緊張や背骨にかかる負担が最小限になることが知られている。この中立姿勢を枕1の上で横になることで取ることができる。
更に、上半身を浮かせることで、逆流性食道炎、循環器や呼吸器の病気(例えば、睡眠時無呼吸症候群)、糖尿病、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症(MS)、脊髄損傷、脳性小児まひ、静脈瘤、慢性静脈不全、下腿潰瘍、乾癬、不整脈、不眠症、偏頭痛、浮腫、頻尿等のさまざまな病気の症状を改善できる可能性がある。
うつ伏せで使用する場合、枕1が所望の形状になるように、充填材を移動させることが可能である。例えば、腰下から肩下にかけて、充填材を移動させることで、うつ伏せ状態での腰の反りを緩和できる。長時間、うつ伏せ姿勢をとると、腰の反りにより、腰を痛めることがある。枕1を変形させることで、腰の反りを低減できるので、長時間うつ伏せ姿勢をとっても、腰が痛くなりにくいという効果を枕1は備えている。
図8(a)~(c)に示すように、枕1上での寝返りを容易に行い得る。特に、体全体の重心(身体重心)が位置するお尻を支点にすると、寝返りが容易に行える。図8(a)は寝返り前の仰向けの、図8(b)は寝返り途中の横向けの、図8(c)は寝返り後のうつ伏せの写真をそれぞれ示す。
寝返りの最中でも、袋体が伸縮しつつ充填材(発泡ビーズ)が流動する(転動体の役割を果たす)ことで、体の変化に合わせて枕1が容易に変形しうる。具体的には、枕と体(例えば、お尻)とが接触する部位では、体(お尻)が枕の底につき、接触している部位に隣接する部位では、充填材が流動することで枕1が体の外形に沿って盛り上がる。そのため、どのような姿勢をとっても体圧が一点に集中しないように、体圧を適切に分散させることができる。
加えて、寝返りを打った際、左右の盛り上がりが維持され、かつ寝返りを打つ前と打った後の体(お尻)の平面位置をほぼ同一とすることができる。これは、袋体の伸縮性と発泡ビーズの転動体としての役割の両方の寄与による。ここで、左右の盛り上がりが維持されるとは、厳密な意味ではなく、左右の盛り上がりの、幅、高さ、平面視の面積、側面視の面積、体積等のいずれかの数値が枕1として実質的に同じ程度になることを意味する。例えば、これら数値が、±50%、±40%、±30%、±20%又は±10%の範囲で変動することが許容される。一方、平面位置をほぼ同一とすることができるには、平面視でのお尻の前後左右位置が、寝返りを打つ前後で、±30cm、±20cm、±15cm、±10cm又は±5cm変動することが許容される。
更に、図9(a)及び(b)に示すように、枕1上に、布(例えば、伸縮性の低い布)4を介して、仰向け又はうつ伏せで乗った後、介護者(他者)が布4を引っ張ることで、(例えば、枕なしで直接布上に乗った場合に比べて)少ない力で体位の変換が容易となる効果を枕1は有する。図9(a)は布4を介して仰向けに枕1に乗った場合の、図9(b)は布4を引っ張ることにより体位が横向けに変換された場合の写真をそれぞれ示す。体位変換が容易となる仕組みは、布の下に存在する充填材が、床と布4との間で転動体の役割を果たすためである。少ない力で体位の変換が容易となる枕1は、寝返りを打つことが困難な人が、同じ姿勢をとることで、枕1との接触面に生じる褥瘡を予防できるという効果を奏する。加えて、要介護者の体位変換に必要な介護者の力を低減できるため、介護者の腰痛の発生を抑制できるという効果も奏する。また、図9(a)及び(b)から、引っ張る前と引っ張った後のお尻の平面位置がほぼ同一であることが分かる。
枕1は、ソファー上での使用も適している。例えば、図10(a)及び(b)に示すように使用できる。
図10(a)は、ソファー5上に置いた枕1にお尻から座った状態である。この状態では、太ももから首にかけて、背側の形状に沿って枕1が大きく変形し、体のサイドにも充填材の移動により肘置きが形成される。そのため、体全体の包まれ感が得られることから、よりリラックスしてソファーに座ることができる。
図10(b)は、ソファー5の側面に沿わせて置いた枕1に背中を預けて座った状態である。ソファー5の側面に背中を押し付けることで、背側の形状に沿って枕1が大きく変形し、体のサイドへの充填材の移動により肘置きが形成される。お尻から座るより背側の枕1の量が多いため、背側における体の包まれ感を図10(a)の場合より大きくすることができる。
(実施の形態2)
図11~17は、実施の形態2の枕を示す。この枕には、実施の形態1と同様のスパンデックス製織布(袋体)及びポリスチレン製の発泡ビーズ(充填材)が使用されている。実施の形態2は、主として枕として使用することを想定している。
図11(a)及び(b)は、袋体の最長方向が重力方向に平行になるように枕1を床面に置いた状態を示す写真である。図11(a)は側面写真、図11(b)は上面写真である。
枕1の頂部を上部に伸ばすと、図11(c)に示すように、充填材の存在しない空間(余白)を、枕1の最大長さ(X)の1/3~1/5の長さ(X1)で枕1上部に形成できる。なお、枕1の最大長さは、約90cmである。
この枕1に直径20cmの円盤を当て、円盤へ重力方向に沿って1~20kgの力を加えた場合、円盤が枕の底につくことを確認した。
図12(a)及び(b)は、袋体の最長方向が床面に平行になるように枕1を床面に置いた状態を示す写真である。図12(a)は側面写真、図12(b)は上面写真である。この状態での最大長さは約1mであり、平均厚さは約20cmである。
図12に示されているように、枕1は充填材が過充填されていないため、枕1が床面に平行に広がっている。この状態では、例えば、図13(a)及び(b)の写真に示すように、仰向け又はうつ伏せで枕1を使用することが可能である。この枕1は、頭からお尻までを載せることが可能な大きさを有している。仰向け又はうつ伏せで使用することで、枕1は、充填材の移動及び袋体の伸縮により、床面に対して前後左右に伸びて頭からお尻までを包み込むように大きく変形するので、大きな癒し効果を得ることができる。
また、枕と頭からお尻までとが接触する部位では、お尻が枕の底につき、接触している部位に隣接する部位では、充填材が流動することで枕1が頭からお尻までの外形に沿って盛り上がる。そのため、どのような姿勢をとっても体圧が一点に集中しないように、体圧を適切に分散させることができる。
更に、寝返りの最中でも、袋体が伸縮しつつ充填材が流動する(転動体の役割を果たす)ことで、上半身の変化に合わせて枕1が容易に変形しうる。例えば、図13(c)の写真には、仰向けからうつ伏せに移行する間の横向きの状態が示されている。
なお、実施の形態2の枕でも、実施の形態1と同様、(i)お尻が枕の底につくこと、(ii)枕上で寝返りを打った際、お尻の下部に存在する発泡ビーズが転動体の役割を果たすことで、寝返りを容易に行い得ること、を確認している。
また、仰向けで使用する場合、お尻は枕1で底づきする。一方、肩から頭にかけては、その下部にお尻付近から移動した充填材が存在することで、上がった状態となる。この状態では、頭からお尻まで枕1で包まれ、かつ腰が適度に曲がった姿勢となる。この姿勢をとることで、癒し付与性の向上及び睡眠の質の向上が期待できる。
更に、枕1には、図14(a)の平面図、図14(b)の裏面図及び図14(c)の側面図に示すカバー1aをかけることも可能である。カバー1aは、枕1と同様に、伸縮性を有する生地でできている。カバー1aは、袋体以上の伸縮性を有していることが好ましい。カバー1aは、袋体と同じ織布から構成されていてもよく、異なる織布(例えば、ポリエステルとポリウレタンとからなる織布)から構成されていてもよい。
枕1は、実施の形態1と同様、例えば、図15(a)及び(b)に示すように、頂部に座る及びうつ伏せになる使用、図16(a)及び(b)に示すように、ソファー上での使用も適している。加えて、実施の形態1と同様、図17(a)及び(b)に示すように、伸縮性の低い布4を介して、少ない力で体位の変換が容易である。
(実施の形態3)
図18~20は、実施の形態3の枕を示す。この枕には、実施の形態1と同様のスパンデックス製織布(袋体)及びポリスチレン製の発泡ビーズ(充填材)が使用されている。実施の形態3は、頭部から肩にかけて使用することを想定した枕を示している。
図18(a)及び(b)は、袋体の最長方向が重力方向に平行になるように枕1を床面に置いた状態を示す写真である。図18(a)は側面写真、図18(b)は上面写真である。
枕1の頂部を上部に伸ばすと、図18(c)に示すように、充填材の存在しない空間(余白)を、枕1の最大長さ(X)の1/3~1/5の長さ(X1)で枕1上部に形成できる。なお、枕1の最大長さは、約55cmである。
この枕1に直径20cmの円盤を当て、円盤へ重力方向に沿って1~20kgの力を加えた場合、円盤が前記枕の底につくことを確認した。
図19(a)及び(b)は、袋体の最長方向が床面に平行になるように枕1を床面に置いた状態を示す写真である。図19(a)は側面写真、図19(b)は上面写真である。この状態での最大長さは約1mであり、平均厚さは約30cmである。
図19に示されているように、枕1は充填材が過充填されていないため、枕1が床面に平行に広がっている。この状態では、例えば、図20(a)及び(b)の写真に示すように、仰向け又はうつ伏せで枕1を使用することが可能である。この枕1は、頭から肩まで(上半身)を載せることが可能な大きさを有している。仰向け又はうつ伏せで使用することで、枕1は、充填材の移動及び袋体の伸縮により、床面に対して前後左右に伸びて上半身を包み込むように大きく変形するので、大きな癒し効果を得ることができる。
また、枕と上半身とが接触する部位では、上半身が枕の底につき、接触している部位に隣接する部位では、充填材が流動することで枕1が上半身の外形に沿って盛り上がる。そのため、どのような姿勢をとっても体圧が一点に集中しないように、体圧を適切に分散させることができる。
更に、寝返りの最中でも、袋体が伸縮しつつ充填材が流動する(転動体の役割を果たす)ことで、上半身の変化に合わせて枕1が容易に変形しうる。例えば、図20(c)の写真には、仰向けからうつ伏せに移行する間の横向きの状態が示されている。
なお、実施の形態3の枕でも、実施の形態1と同様、お尻がつくように寝た場合、(i)お尻が枕の底につくこと、(ii)枕上で寝返りを打った際、お尻の下部に存在する発泡ビーズが転動体の役割を果たすことで、寝返りを容易に行い得ること、を確認している。
(実施の形態4)
実施の形態1~3では、袋体が1気室の枕を例示している。本発明の枕は、袋体が2気室以上の複数気室に隔壁で区画された構造を有していてもよい。上記性質(i)及び(ii)は、複数気室の内、少なくとも1つの気室が備えていればよい。他の気室は、上記性質(i)及び(ii)を備えていても、備えなくてもよい。隔壁は、袋体内に別途の布を付けることで形成してもよく、袋体を直接付けることで形成してもよい。複数の気室を設ける場合、気室毎に充填材種を変えても、変えなくてもよい。更に、気室毎に充填率を変えてもよい。
図21に2気室の枕1を、その最長方向が床面に平行になるように床面に置いた状態の概略平面図を示す。図21の枕は、袋体を直接縫い付けることにより、2気室に分けられている。図中、6は縫付部、7aは小気室、7bは大気室を意味する。
例えば、小気室7aを過充填とし、大気室7bに上記性質(i)及び(ii)を備えさせることで、小気室7aを枕とし、大気室7bを敷布団として使用することも可能となる。このような枕一体型の敷布団は、寝返りを極めて容易に打つことができ、かつ適度な高さで頭を保持できるという利点を生じる。
1:枕、1a:カバー、2:円盤、3:重り、4:布、5:ソファー、6:縫付部、7a:小気室、7b:大気室

Claims (8)

  1. 少なくとも一部が伸縮性の袋体と、前記袋体中の充填材とを少なくとも備えた枕であって、
    前記枕の最長方向が重力方向に対して平行になるように前記枕を床に立て、前記床と前記枕との接触面積が変動しないように前記枕の頂部を上部に伸ばした場合、前記充填材の存在しない空間が、前記枕の最大長さの1/10~2/3の長さで前記枕の上部に形成され、
    前記枕に直径20cmの円盤を当て、前記円盤へ重力方向に沿って1~20kgの力を加えた場合、前記円盤が前記枕の底につくことを特徴とする枕。
  2. 少なくとも一部が伸縮性の袋体と、前記袋体中の充填材とを少なくとも備えた人用の枕であって、
    前記充填材が、発泡ビーズを含み、
    前記枕の最長方向が重力方向に対して平行になるように前記枕を床に立て、前記床と前記枕との接触面積が変動しないように前記枕の頂部を上部に伸ばした場合、前記充填材の存在しない空間が、前記枕の最大長さの1/10~2/3の長さで前記枕の上部に形成され、
    最長方向が平行となるように床に置いた前記に少なくともお尻が付くように大人が寝た場合、前記お尻が枕の底につき、
    前記枕上で大人が寝返りを打った際、前記お尻の下部に存在する前記発泡ビーズが転動体の役割を果たすことで、寝返りを容易に行い得る請求項1に記載の枕。
  3. 前記床に置いた枕が、前記お尻の左右で前記発泡ビーズの移動により盛り上がり、
    寝返りを打った際、前記袋体の伸縮性と前記発泡ビーズの転動体としての役割により、左右の盛り上がりが維持され、かつ寝返りを打つ前と打った後の前記お尻の平面位置がほぼ同一である請求項1又は2に記載の枕。
  4. 前記枕上に布を介して、仰向け又はうつ伏せで人が乗った後、他者が前記布を引っ張ると、前記布の下部に存在する前記発泡ビーズが転動体の役割を果たすことで、少ない力で体位の変換が容易であり、かつ引っ張る前と引っ張った後の前記お尻の平面位置がほぼ同一である請求項1又は2に記載の枕。
  5. 前記枕に少なくともお尻が付くように大人が寝た状態で、前記お尻が枕の底につき、上半身及び太ももが底につかないように、前記充填材が移動することによる凹みを備える請求項1又は2に記載の枕。
  6. 前記枕の最大長さが、20cm~3mである請求項1又は2に記載の枕。
  7. 最長方向を床面と平行になるように床面に前記枕を置き、前記枕上に大人が仰向けに乗った場合、頭からお尻までを載せ得る大きさを備える請求項1又は2に記載の枕。
  8. 前記袋体が、10~500%の伸縮性を有する請求項1又は2に記載の枕。
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