JP3166228U - 背あて用弾褥体 - Google Patents
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Abstract
Description
先行技術では、自分にフィットする枕選びとして、立位状態で後頭部の高さ、首の高さ、顔の横幅、肩幅、また、後頭部から首までの長さなどを計測し自分にあった枕や敷き寝具を選定しているが、自分にフィットした寝具を選ぶことはなかなか難しい。この中で、枕に関しては、後頭部を支えるだけでなく、頭部から頚椎部、肩部まで支える枕(特許文献1、特許文献2、特許文献3)が提案され、或は、頭部から肩、肩甲骨、及び僧帽筋から広背筋など背中から腰部までの筋肉に言及したもの(特許文献4、特許文献5)もある。
本考案者らは、枕と敷き寝具の関係を寝姿勢保持と体圧分散という観点より調べることにより、自分の使用している枕と敷き寝具に加え、さらに背面形状を考慮した胸椎部をサポートする弾褥体を加えることで、寝姿勢をより立位状態に近付け、さらには腰部に掛かる負担も軽減でき、自分にジャストフィットする寝姿勢が得られることを見出し本考案に到達した。
請求項2記載の考案にあっては、請求項1記載の背あて用弾褥体にあって、袋体内の詰物は発泡弾性体よりなるシート状体を複数枚重ねたものとした。
請求項3記載の考案にあっては、請求項1記載の背あて用弾褥体にあって、連繋手段を、枕及び袋体の身長方向に位置させた帯状体よりなるものとした。
請求項4記載の考案にあっては、請求項1記載の背あて用弾褥体にあって、連繋手段を枕と袋体との間にシート状体を設けたものとした。
本考案の背あて用弾褥体1は、人が仰臥した時、敷き寝具2と就寝者3の間に置き胸部3aを上に押し上げ、頚椎4から脊椎5(胸椎5a、腰椎5b、仙椎5c、尾骨5d)にいたる背筋ラインとその周辺の筋肉とのバランスしている背面形状が敷き寝具2に接することで得られる寝姿勢曲線を限りなく立位姿勢に近づけ、違和感のない寝姿勢を得るための弾褥体である。
連繋手段13を帯状体13aとしたときは、連繋手段13端部の面ファスナー14と枕及び袋体9の面ファスナー15との係合により、枕8と袋体9との位置関係は、就寝中の身体の動きにつれて広くなるように動くような乱れはない。
また、袋体9を背中の下に挿入するが如き形で使用せず抱き枕の如き形で使用した場合であっても帯状体よりなる連繋手段13によって袋体9は常にその位置は確保されており、容易に通常の抱き枕ではない使用状態に戻すことが出来る。
連繋手段13をシート状体13bとしたときは、帯状体13aより幅広く枕8及び袋体9の両側縁近くで面ファスナー14と15とが係合し、枕8と袋体9とを幅広いスパンで支えるので、就寝者3の動きに伴う枕8或は袋体9の動きは少なく、上記第1の例より、就寝時の枕の位置の乱れは生じない。
本考案の背あて用弾褥体1は、体幹部の胸椎5を含む骨格部を仰臥位、側臥位に拘らず支え続けるために、寝返りしても体から外れない程度に、ヨコ方向に長く延び、両腋下を結ぶ線から第一腰椎5b-1までの間に置くことが有効であり、必要以上に長くすると、両腕を下ろした時、該弾褥体が当たることになる。したがって、該弾褥体の横方向の長さは、仰臥位で軽く腕を拡げた時、腕が該弾褥体端に当たらない程度がよく、体巾の1.2〜2.0倍、好ましくは1.2〜1.6程度が好ましい。体巾より狭いと寝返りするとき体からはずれるし、長すぎると上肢部の動きが抑えられることになる。
22〜25才のオフィス女性25名について、背面形状をプレスシェイパー(西川産業(株)製の背面形状計測器)を用いて、立位状態で背面の後正中線に沿った背面形状を計測し、ついで、ボンネルコイルマットレスの上に寝かせ、仰臥姿勢状態で、独ABW社製エルゴチェック機で体圧分散を計測すると共に、繊維わたを詰めた背あて用弾褥体(タテ20cm、ヨコ70cm、高さ16cm)を背中にあて、仰臥姿勢と側臥姿勢にて、該背あて用弾褥体が体と敷き寝具との間にあることによる違和感の有無から、背当て用弾褥体を使用できるかどうかを質問した。
実験例1より、仰臥位でも側臥位でも気持ちよく使用できると回答した6名のうちの3名と、それ以外の中から6名を選んで、後頭部のでっぱり、頚椎部(首の高さ)、脊椎の湾曲カーブ、腰部の凹み、臀部の最大凸部までの数値より、背面形状を計測した。
図は、頭頂部の高さを基準(0)として、後頭部のでっぱり、頚椎部(首の高さ)、脊椎の湾曲カーブ、腰部の凹み、臀部の最大凸部までを、プレスシェイパーで計測したデータであり、図7は仰臥位でも側臥位でも違和感がないと回答したグループの背面形状であり、図8は、背面に違和感を感じるグループの背面形状である。
違和感を感じないグループの背面形状高さは低く、S字カーブも滑らかで、所謂、平背に相当することがわかる。
一方、違和感を感じるグループの背面形状は、高さが高く、脊椎の湾曲カーブは大きく、身長の違いもあるが、最大凸部の位置も頭頂部から30〜50cmの部位に分布しており、背面に当てる弾褥体の位置、高さに工夫を要することがわかる。
上記A〜CとD〜Fの体型について、後頭部高さ、頚椎部高さ、背中の最大凸部をプロットして比較した。図7(A,B,C)の体型は後頭部高さが背中凸部同じか低いグループであり、図8(D,E,F)は背中部が後頭部より高く、背中のS字ラインがはっきりと出ている。
最近は、背中のラインがフラットな所謂「平背」姿勢の体型が増加しており、とくに若い女性に多い体型であり、枕と敷き寝具の両面から体にフィットする寝具選びが必要になる。
一見、枕は不要かとも思われるが、仰臥位では不要でも、側臥位では肩幅の高さが必要である。枕高さだけ合わせても敷き寝具との関係から、自分に適した寝具を見つけることが難しく、従来の枕と敷き寝具だけでは、自分の体型に合わせることが難しい。
敷き寝具は、ほっそりとした体型(軽量体型)には、柔らかめの敷き寝具でよいが、がっちりとした体型(重量体型)には固めの敷き寝具で、先ず、一番体重のかかる臀部の沈み込みを抑えることが必要である。
今、同じ身長・体重の人でも、背面形状が異なれば、敷き寝具とのバランス状態は異なり、立位時の脊椎がストレートな“平背”体型の人は、適度に湾曲したS字カーブを有する人に比べて脊椎は沈み込みすぎ、立位姿勢とは異なることになる。
本考案の背当て弾褥体は、かかる状態の違いをサポートするためのものであり、頭頂部から第6頚椎までの間で頭部・首部をサポートする枕において、胸椎部を上方に押し上げ、且つ、寝返りしやすくし、寝姿勢を限りなく立位時の姿勢に近づけることを特徴とする高さ調節可能な背当て弾褥体を提供できる。
ヨコ64cm巾×タテ20cm長さの袋にサイコロ状ウレタンフォーム703個詰めた時、高さ16.0cmの弾褥体を得た。また、高さ調節のため40個抜き取り663個抜き取ると15.1cm高になった。
該弾褥体は、側地袋の中にサイコロ形状に充填されており、サイコロとサイコロに間には空隙があり、弾褥体の見かけ密度はウレタンフォームの見かけ密度の半分程度の9.8kg/m3となり、非常にソフトで通気性があり、背中の下においてもソフトで違和感なく使用でき、高さを感じさせず、さらにウレタンフォームであり弾性回復もよく、「繊維わた」などよりもへたりは少ないので背当て弾褥体として最適である。
かくして得たサイコロ状ウレタンを充填した弾褥体の圧縮特性はソフトで、潰れ難く、本考案の弾褥体として繰り返し用いても、嵩に減少は小さく耐久性がある。
実験例2の本考案の弾褥体を用いた時の寝姿勢曲線を示す。被験者はA〜Fの6名で、各図共に本考案の弾褥体を使用し、弾褥体の高さと頭部枕の高さを調節して、自分に合わせたときの寝姿勢曲線である。
弾褥体の使用により背面部分が押し上げられていることがわかる。
図9〜図11(A,B,C)は、実験例1の背面形状計測で平らな群(図7)の3名であり、人体背面の最大凸部が後頭部高さより低い体型である。図12〜図14は背面形状の最大凸部が後頭部高さより高い体型のグループ(図7)である。
調節後は、体圧は頭部、背部、臀部に分散されていることがわかる。
Dの背面形状は、本考案の弾褥体を胸椎部に当てる位置に背筋カーブの凸部になっており、弾褥体を当てる必要がないことがわかる。したがって、Dは理想的な体圧分布を有する背面形状ということになる。
Dも含めて、A〜Fの背面形状は、本考案の背当て弾褥体を介在させることにより、すべて頭部(頚部)、胸椎部、臀部の3箇所に体圧が分散されており、且つ、臀部への体圧も軽減されることを示している。また、頭圧も低くなる傾向が見られ体全体に体圧が分散される。
2 敷き寝具
3 就寝者
3a 胸部
3b 背中部分
3d 腰部
4 頚椎
5 脊椎
5a 胸椎
5b 腰椎
5c 仙骨
5d 尾骨
6 頭部
7 頸部
8 枕
9 袋体
10 腰部
12 詰物
13 連繋手段
13a 帯状体
13b シート状体
14 面ファスナー
15 面ファスナー
16 開口部
17 隔壁
Claims (4)
- 横方向には就寝者の体幅よりも長く延び、身長方向には就寝者の両脇下を結ぶ線から第12胸椎までの長さの、内部に詰物を封入してなる袋体と、枕とを、それぞれ身長方向に位置する連繋手段によって一体化し、敷き寝具上に配したことを特徴とする背あて用弾褥体。
- 袋体内の詰物は発泡弾性体よりなるシート状体を複数枚重ねてなるものであることを特徴とする請求項1記載の背あて用弾褥体。
- 連繋手段を、枕及び袋体の身長方向に位置させた帯状体としたことを特徴とする請求項1記載の背あて用弾褥体。
- 連繋手段を枕と袋体との間にシート状体を設けたものとしたことを特徴とする請求項1記載の背あて用弾褥体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010008100U JP3166228U (ja) | 2010-12-13 | 2010-12-13 | 背あて用弾褥体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010008100U JP3166228U (ja) | 2010-12-13 | 2010-12-13 | 背あて用弾褥体 |
Publications (1)
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JP3166228U true JP3166228U (ja) | 2011-02-24 |
Family
ID=54877427
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010008100U Expired - Lifetime JP3166228U (ja) | 2010-12-13 | 2010-12-13 | 背あて用弾褥体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3166228U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016112364A (ja) * | 2014-12-11 | 2016-06-23 | 龍野コルク工業株式会社 | 姿勢保持用衣服 |
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2010
- 2010-12-13 JP JP2010008100U patent/JP3166228U/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016112364A (ja) * | 2014-12-11 | 2016-06-23 | 龍野コルク工業株式会社 | 姿勢保持用衣服 |
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