JP2024002519A - フィルタ - Google Patents

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Abstract

【解決手段】フィルタ10は、ビア電極部20とキャパシタ電極18、19とをそれぞれ備える複数の共振器11と、第1遮蔽導体12Aと、複数の共振器11のいずれにも接続されておらず第1遮蔽導体12Aに対面している第1結合容量電極98とを備え、第1結合容量電極98は第1キャパシタ電極18Bが形成されている層に形成されており、第1結合容量電極98の一部は第2キャパシタ電極19Cと第1遮蔽導体12Aとの間に位置している。【選択図】図2

Description

本発明は、フィルタに関する。
誘電体基板の一方の主面側に形成された遮蔽導体に対面するストリップ線路と、一端が誘電体基板の他方の主面側に形成された遮蔽導体に接続され、他端がストリップ線路に接続されたビア電極とを有する共振器が提案されている(特許文献1)。
特開2020-198482号公報
より良好なフィルタ特性を実現する技術が待望されている。
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
本発明の一態様によるフィルタは、第1主面と、前記第1主面の反対側に位置する第2主面とを有する誘電体基板と、前記誘電体基板のうちの前記第1主面側に形成された第1遮蔽導体と、前記誘電体基板のうちの前記第2主面側に形成された第2遮蔽導体と、前記第1遮蔽導体と前記第2遮蔽導体との間に形成されたビア電極部と、前記ビア電極部の一端に接続されたキャパシタ電極とをそれぞれ備える複数の共振器と、複数の前記共振器のいずれにも接続されておらず、前記第1遮蔽導体に対面している第1結合容量電極と、を備え、前記第1結合容量電極は、複数の前記キャパシタ電極のうちの第1キャパシタ電極が形成されている層に形成されており、前記第1キャパシタ電極が形成されている層は、複数の前記キャパシタ電極のうちの第2キャパシタ電極が形成されている層と、前記第1遮蔽導体が形成されている層との間に位置しており、前記第1結合容量電極の一部は、前記第2キャパシタ電極と前記第1遮蔽導体との間に位置している。
本発明によれば、キャパシタ電極を形成する際に寸法誤差等が生じた場合であっても、フィルタ特性の悪化を抑制し得る。
図1は、第1実施形態によるフィルタを示す斜視図である。 図2は、第1実施形態によるフィルタを示す平面図である。 図3Aは、第1実施形態によるフィルタの一部を示す断面図である。 図3Bは、第1実施形態によるフィルタの一部を示す断面図である。 図4は、第1実施形態によるフィルタを示す斜視図である。 図5は、第1実施形態によるフィルタを示す斜視図である。 図6は、第1実施形態によるフィルタを示す平面図である。 図7は、第1実施形態によるフィルタを示す平面図である。 図8は、第1実施形態によるフィルタを示す斜視図である。 図9は、第1実施形態によるフィルタを示す平面図である。 図10は、第1実施形態によるフィルタを示す斜視図である。 図11は、第1実施形態によるフィルタを示す平面図である。 図12は、第1実施形態によるフィルタを示す斜視図である。 図13は、第1実施形態によるフィルタを示す平面図である。 図14は、第1実施形態によるフィルタを示す斜視図である。 図15は、第1実施形態によるフィルタを示す平面図である。 図16は、比較例によるフィルタの周波数特性を例示するグラフである。 図17は、第1実施形態によるフィルタの周波数特性を例示するグラフである。 図18は、第2実施形態によるフィルタを示す斜視図である。 図19は、第2実施形態によるフィルタを示す平面図である。 図20Aは、第2実施形態によるフィルタの一部を示す断面図である。 図20Bは、第2実施形態によるフィルタの一部を示す断面図である。 図21は、第2実施形態によるフィルタを示す斜視図である。 図22は、第2実施形態によるフィルタを示す斜視図である。 図23は、第2実施形態によるフィルタを示す平面図である。 図24は、第2実施形態によるフィルタを示す平面図である。 図25は、第2実施形態によるフィルタを示す斜視図である。 図26は、第2実施形態によるフィルタを示す平面図である。 図27は、第2実施形態によるフィルタを示す斜視図である。 図28は、第2実施形態によるフィルタを示す平面図である。 図29は、第2実施形態によるフィルタを示す斜視図である。 図30は、第2実施形態によるフィルタを示す平面図である。 図31は、第2実施形態によるフィルタを示す斜視図である。 図32は、第2実施形態によるフィルタを示す平面図である。 図33は、第2実施形態によるフィルタを示す平面図である。
[第1実施形態]
第1実施形態によるフィルタについて図面を用いて説明する。図1は、第1実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図2は、第1実施形態によるフィルタを示す平面図である。図3A及び図3Bは、第1実施形態によるフィルタの一部を示す断面図である。図4及び図5は、第1実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図6及び図7は、第1実施形態によるフィルタを示す平面図である。図8は、第1実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図9は、第1実施形態によるフィルタを示す平面図である。図10は、第1実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図11は、第1実施形態によるフィルタを示す平面図である。図12は、第1実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図13は、第1実施形態によるフィルタを示す平面図である。図14は、第1実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図15は、第1実施形態によるフィルタを示す平面図である。簡略化を図るべく、図1~図15においては、一部の構成要素が適宜省略されている。
図1に示すように、本実施形態によるフィルタ10には、誘電体基板14が備えられている。誘電体基板14は、例えば直方体状に形成されているが、これに限定されない。誘電体基板14は、複数のセラミックスシート(誘電体セラミックスシート)を積層することにより構成されている。
誘電体基板14は、2つの主面14a、14bと、4つの側面14c~14fとを有している。主面14aと主面14bとは、互いに反対側に位置している。側面14c及び側面14dの法線方向に沿う方向を、X方向とする。より具体的には、側面14c、14dの法線方向を、X方向とする。換言すれば、誘電体基板14の長手方向を、X方向とする。側面14e及び側面14fの法線方向に沿う方向を、Y方向とする。より具体的には、側面14e、14fの法線方向を、Y方向とする。主面14a、14bの法線方向に沿う方向を、Z方向とする。より具体的には、主面14a、14bの法線方向を、Z方向とする。
誘電体基板14のうちの主面14b側には、遮蔽導体12Aが形成されている。即ち、誘電体基板14の下側には、遮蔽導体12Aが形成されている。誘電体基板14のうちの主面14a側には、遮蔽導体12Bが形成されている。即ち、誘電体基板14の上側には、遮蔽導体12Bが形成されている。
誘電体基板14の側面14cには、入出力端子(第1入出力端子)22Aが形成されている。誘電体基板14の側面14dには、入出力端子(第2入出力端子)22Bが形成されている。
誘電体基板14の側面14eには、遮蔽導体12Caが形成されている。誘電体基板14の側面14fには、遮蔽導体12Cbが形成されている。遮蔽導体12Ca、12Cbは、板状に形成されている。遮蔽導体12Ca、12Cbは、誘電体基板14の長手方向に沿って形成されている。
誘電体基板14内には、遮蔽導体12Aに対面するキャパシタ電極(ストリップ線路)18B、18Dが形成されている。キャパシタ電極18B、18Dは、同じ層に形成されている。換言すれば、キャパシタ電極18B、18Dは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。以下において、キャパシタ電極18B、18Dの個々を区別せずに説明する際には、符号18を用いる。
誘電体基板14内には、キャパシタ電極(ストリップ線路)19A、19C、19Eが形成されている。キャパシタ電極19A、19C、19Eは、同じ層に形成されている。換言すれば、キャパシタ電極19A、19C、19Eは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。キャパシタ電極19A、19C、19Eが形成されている層は、キャパシタ電極18が形成されている層に対して上方に位置している。キャパシタ電極19A、19C、19Eとキャパシタ電極18との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。以下において、キャパシタ電極19A、19C、19Eの個々を区別せずに説明する際には、符号19を用いる。
図2に示すように、キャパシタ電極18は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。キャパシタ電極18Bとキャパシタ電極18Dとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、キャパシタ電極18を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
キャパシタ電極19は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。キャパシタ電極19Aとキャパシタ電極19Eとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。キャパシタ電極19Cは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、キャパシタ電極19を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
キャパシタ電極18Bは、部分パターン(電極パターン)18B1~18B3を含む。部分パターン18B1は、後述するビア電極部20Bに接続されている。部分パターン18B2の一端は、部分パターン18B1に接続されている。部分パターン18B2は、-X方向に突出している。部分パターン18B3の一端は、部分パターン18B1に接続されている。部分パターン18B3は、+X方向に突出している。
キャパシタ電極18Dは、部分パターン(電極パターン)18D1~18D3を含む。部分パターン18D1は、後述するビア電極部20Dに接続されている。部分パターン18D2の一端は、部分パターン18D1に接続されている。部分パターン18D2は、+X方向に突出している。部分パターン18D3の一端は、部分パターン18D1に接続されている。部分パターン18D3は、-X方向に突出している。
キャパシタ電極19Aは、部分パターン(電極パターン)19A1~19A3を含む。部分パターン19A1は、後述するビア電極部20Aに接続されている。部分パターン19A2の一端は、部分パターン19A1に接続されている。部分パターン19A2は、+X方向に突出している。部分パターン19A3の一端は、部分パターン19A1に接続されている。部分パターン19A3は、+Y方向に突出している。部分パターン19A3の一部は、部分パターン18B2の一部と対面している。部分パターン19A3の一部と、部分パターン18B2の一部とは、平面視において、互いに重なり合っている。
キャパシタ電極19Cは、部分パターン(電極パターン)19C1~19C3を含む。部分パターン19C1は、後述するビア電極部20C(図1参照)に接続されている。部分パターン19C2の一端は、部分パターン19C1に接続されている。部分パターン19C2は、+Y方向に突出している。部分パターン19C3の一端は、部分パターン19C1に接続されている。部分パターン19C3は、-Y方向に突出している。部分パターン19C2の一部は、部分パターン18B3の一部と対面している。部分パターン19C2の一部と、部分パターン18B3の一部とは、平面視において、互いに重なり合っている。部分パターン19C3の一部は、部分パターン18D3の一部と対面している。部分パターン19C3の一部と、部分パターン18D3の一部とは、平面視において、互いに重なり合っている。
キャパシタ電極19Eは、部分パターン(電極パターン)19E1~19E3を含む。部分パターン19E1は、後述するビア電極部20Eに接続されている。部分パターン19E2の一端は、部分パターン19E1に接続されている。部分パターン19E2は、-X方向に突出している。部分パターン19E3の一端は、部分パターン19E1に接続されている。部分パターン19E3は、-Y方向に突出している。部分パターン19E3の一部は、部分パターン18D2の一部と対面している。部分パターン19E3の一部と、部分パターン18D2の一部とは、平面視において、互いに重なり合っている。
誘電体基板14内には、遮蔽導体12Caに接続された電極パターン19a、19dと、遮蔽導体12Cbに接続された電極パターン19b、19cとが更に形成されている。電極パターン19aは、部分パターン19A1に対して-Y方向に位置している。電極パターン19bは、部分パターン19E1に対して+Y方向に位置している。電極パターン19cは、部分パターン18B1に対して+Y方向に位置している。電極パターン19dは、部分パターン18D1に対して-Y方向に位置している。
図1に示すように、誘電体基板14内には、ビア電極部20A~20Eが更に形成されている。なお、個々のビア電極部を区別せずに説明する際には、符号20を用い、個々のビア電極部を区別して説明する際には符号20A~20Eを用いる。
ビア電極部20は、複数のビア電極24によって構成されている。ビア電極24は、誘電体基板14に形成されたビアホールにそれぞれ埋め込まれている。
ビア電極部20B、20Dの一端(下端)は、キャパシタ電極18B、18Dに接続されている。ビア電極部20A、20C、20Eの一端(下端)は、キャパシタ電極19A、19C、19Eに接続されている。ビア電極部20の他端(上端)は、遮蔽導体12Bに接続されている。ビア電極部20の長手方向は、主面14a、14bの法線方向に沿っている。このように、ビア電極部20は、キャパシタ電極18、19から遮蔽導体12Bにかけて形成されている。
キャパシタ電極19Aとビア電極部20Aとにより、構造体16Aが構成されている。キャパシタ電極18Bとビア電極部20Bとにより、構造体16Bが構成されている。キャパシタ電極19Cとビア電極部20Cとにより、構造体16Cが構成されている。キャパシタ電極18Dとビア電極部20Dとにより、構造体16Dが構成されている。キャパシタ電極19Eとビア電極部20Eとにより、構造体16Eが構成されている。なお、個々の構造体を区別せずに説明する際には符号16を用い、個々の構造体を区別して説明する際には符号16A~16Eを用いる。
フィルタ10には、構造体16をそれぞれ含む複数の共振器11A~11Eが備えられている。なお、個々の共振器を区別せずに説明する際には、符号11を用い、個々の共振器を区別して説明する際には、符号11A~11Eを用いる。
共振器11Aと共振器11Bとは互いに隣接するように配列されている。共振器11Bと共振器11Cとは、互いに隣接するように配列されている。共振器11Cと共振器11Dとは、互いに隣接するように配列されている。共振器11Dと共振器11Eとは、互いに隣接するように配列されている。
図2に示すように、ビア電極部20Aとビア電極部20Bとビア電極部20Cとビア電極部20Dとビア電極部20Eは、X方向において互いにずらされている。ビア電極部20Cは、平面視における誘電体基板14の中心Cに位置している。平面視におけるビア電極部20Cの中心P3の位置は、平面視における誘電体基板14の中心Cの位置と合致している。
ビア電極部20Cの中心P3のX方向における位置は、ビア電極部20Aの中心P1のX方向における位置と、ビア電極部20Eの中心P5のX方向における位置との間である。好ましくは、ビア電極部20Cの中心P3のX方向における位置とビア電極部20Aの中心P1のX方向における位置との間の距離は、ビア電極部20Cの中心P3のX方向における位置とビア電極部20Eの中心P5のX方向における位置との間の距離と等しい。
同様に、ビア電極部20Cの中心P3のY方向における位置は、ビア電極部20Aの中心P1のY方向における位置と、ビア電極部20Eの中心P5のY方向における位置との間である。好ましくは、ビア電極部20Cの中心P3のY方向における位置とビア電極部20Aの中心P1のY方向における位置との間の距離は、ビア電極部20Cの中心P3のY方向における位置とビア電極部20Eの中心P5のY方向における位置との間の距離と等しい。
ビア電極部20Aの中心P1のY方向における位置と、ビア電極部20Dの中心P4のY方向における位置とは同等である。ビア電極部20Bの中心P2のY方向における位置と、ビア電極部20Eの中心P5のY方向における位置とは同等である。
ビア電極部20B及びビア電極部20Eは、ビア電極部20A及びビア電極部20Dに対して、Y方向においてずらされている。ビア電極部20A及びビア電極部20Dは、側面14e側に位置している。即ち、ビア電極部20A、20Dと遮蔽導体12Caとの間の距離は、ビア電極部20A、20Dと遮蔽導体12Cbとの間の距離より小さい。ビア電極部20B、20Eは、側面14f側に位置している。即ち、ビア電極部20B、20Eと遮蔽導体12Cbとの間の距離は、ビア電極部20B、20Eと遮蔽導体12Caとの間の距離より小さい。
ビア電極部20Bの中心P2のX方向における位置は、ビア電極部20Aの中心P1のX方向における位置と、ビア電極部20Cの中心P3のX方向における位置との間である。ビア電極部20Dの中心P4のX方向における位置は、ビア電極部20Cの中心P3のX方向における位置と、ビア電極部20Eの中心P5のX方向における位置との間である。
このように、本実施形態では、ビア電極部20Aの中心P1の位置とビア電極部20Bの中心P2の位置とが、X方向において互いにずらされている。また、本実施形態によれば、ビア電極部20Aの中心P1の位置とビア電極部20Bの中心P2の位置とが、Y方向においても互いにずらされている。このため、本実施形態によれば、ビア電極部20A、20B間のX方向における距離を大きくすることなく、ビア電極部20A、20B間の距離を大きくすることができる。
また、本実施形態によれば、ビア電極部20Bの中心P2の位置とビア電極部20Cの中心P3の位置とが、X方向において互いにずらされている。また、本実施形態によれば、ビア電極部20Bの中心P2の位置とビア電極部20Cの中心P3の位置とが、Y方向においても互いにずらされている。このため、本実施形態によれば、ビア電極部20B、20C間のX方向における距離を大きくすることなく、ビア電極部20B、20C間の距離を大きくすることができる。
また、本実施形態によれば、ビア電極部20Cの中心P3の位置とビア電極部20Dの中心P4の位置とが、X方向において互いにずらされている。また、本実施形態によれば、ビア電極部20Cの中心P3の位置とビア電極部20Dの中心P4の位置とが、Y方向においても互いにずらされている。このため、本実施形態によれば、ビア電極部20C、20D間のX方向における距離を大きくすることなく、ビア電極部20C、20D間の距離を大きくすることができる。
また、本実施形態によれば、ビア電極部20Dの中心P4の位置とビア電極部20Eの中心P5の位置とが、X方向において互いにずらされている。また、本実施形態によれば、ビア電極部20Dの中心P4の位置とビア電極部20Eの中心P5の位置とが、Y方向においても互いにずらされている。このため、本実施形態によれば、ビア電極部20D、20E間のX方向における距離を大きくすることなく、ビア電極部20D、20E間の距離を大きくすることができる。
このように、本実施形態によれば、隣接する共振器11A~11EのX方向における距離を大きくすることなく、隣接する共振器11A~11E間の結合度を小さくすることができる。従って、本実施形態によれば、フィルタ10のサイズを小さく保ちつつ、特性の良好なフィルタ10を得ることができる。
ビア電極部20Aの中心P1及びビア電極部20Dの中心P4のY方向における位置は、誘電体基板14の中心CのY方向における位置に対して、側面14e側に位置している。ビア電極部20Bの中心P2及びビア電極部20Eの中心P5のY方向における位置は、誘電体基板14の中心CのY方向における位置に対して、側面14f側に位置している。入出力端子22Aの中心及び入出力端子22Bの中心のY方向における位置は、誘電体基板14の中心CのY方向における位置と同等に設定されている。
5つのビア電極部20A~20Eのうち、入出力端子22Aに最も接近しているビア電極部20は、ビア電極部20Aである。ビア電極部20Aの中心P1の位置と入出力端子22Aの位置との間のX方向における距離は、ビア電極部20Bの中心P2の位置と入出力端子22Aの位置との間のX方向における距離よりも小さい。ビア電極部20Aの中心P1の位置と入出力端子22Aの位置との間のY方向における距離は、ビア電極部20Bの中心P2の位置と入出力端子22Aの位置との間のY方向における距離と同等である。
5つのビア電極部20A~20Eのうち、入出力端子22Bに最も接近しているビア電極部20は、ビア電極部20Eである。ビア電極部20Eの中心P5の位置と入出力端子22Bの位置との間のX方向における距離は、ビア電極部20Dの中心P4の位置と入出力端子22Bの位置との間のX方向における距離よりも小さい。ビア電極部20Eの中心P5の位置と入出力端子22Bの位置との間のY方向における距離は、ビア電極部20Dの中心P4の位置と入出力端子22Bの位置との間のY方向における距離と同等である。
共振器11A~11Eは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配されている。即ち、共振器11Aと共振器11Eとが、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配されている。また、共振器11Bと共振器11Dも、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配置されている。共振器11Cは、平面視における誘電体基板14の中心Cに位置している。本実施形態において、共振器11A~11Eを点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
図2に示すように、ビア電極部20A、20B、20D、20Eを構成する複数のビア電極24は、平面視において、仮想の円である仮想円26に沿って配列されている。複数のビア電極24を仮想円26に沿うように配列することによってビア電極部20が構成されているため、当該ビア電極部20は、当該仮想円26に対応する大径のビア電極のように振る舞い得る。ビア電極部20が比較的径の小さい複数のビア電極24によって構成されているため、製造プロセスの簡略化を図ることができる。また、径が比較的小さい複数のビア電極24によってビア電極部20が構成されているため、ビア電極部20の径のバラツキを小さくすることができる。また、径が比較的小さい複数のビア電極24によってビア電極部20が構成されているため、ビアに埋め込まれる銀等の材料が少なくて済み、コストダウンを実現することができる。
ビア電極部20Cは、部分電極部20Caと部分電極部20Cbとに分割されている。部分電極部20Caは、複数のビア電極24によって構成されている。部分電極部20Cbも、複数のビア電極24によって構成されている。部分電極部20Caと部分電極部20Cbとは、Y方向において互いに離間している。また、部分電極部20Caを構成する複数のビア電極24は、平面視において、仮想円26の一部を構成する仮想円弧27A(図13参照)に沿って配列されている。部分電極部20Cbを構成する複数のビア電極24は、平面視において、仮想円26の一部を構成する仮想円弧27B(図13参照)に沿って配列されている。
このように、本実施形態によれば、共振器11Cに備えられたビア電極部20Cが、部分電極部20Caと部分電極部20Cbとに分割されており、部分電極部20Caと部分電極部20Cbとが、Y方向において互いに離間している。このため、本実施形態によれば、部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の距離が短くなるとともに、部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の距離が短くなる。部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の距離が短くなると、部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の結合容量が増加する。部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の距離が短くなると、部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の結合容量が増加する。このため、フィルタ10の低背化に伴ってビア電極部20Cの長さが短くなった場合であっても、特性の劣化を抑制し得る。
図6に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)98A、98Bが形成されている。結合容量電極98Aと結合容量電極98Bとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合容量電極98を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。以下において、結合容量電極98A、98Bの個々を区別せずに説明する際には、符号98を用いる。
結合容量電極98とキャパシタ電極18B、18Dとは同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極98A、98Bとキャパシタ電極18B、18Dとは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。結合容量電極98が形成されている層は、キャパシタ電極19が形成されている層と遮蔽導体12Aが形成されている層との間に位置している。結合容量電極98は、遮蔽導体12Aと対面している。結合容量電極98は、例えば印刷法を用いて、キャパシタ電極18と同じ製造工程において形成される。結合容量電極98は、複数の共振器11のいずれにも接続されていない。
図6に示すように、結合容量電極98Aは、第1部分98A1と第2部分98A2とを含む。第1部分98A1の一部は、キャパシタ電極19Aに備えられた部分パターン19A1(図7参照)の一部と対面している。第1部分98A1の一部と、部分パターン19A1の一部とは、平面視において、互いに重なり合っている。第2部分98A2の一端は、第1部分98A1に接続されている。第2部分98A2は、+X方向に突出している。第2部分98A2の一部は、部分パターン19C1(図7参照)の一部と対面している。第2部分98A2の一部と、部分パターン19C1の一部とは、平面視において、互いに重なり合っている。図5に示すように、キャパシタ電極19Aと結合容量電極98Aとキャパシタ電極19Cとにより、容量結合構造99A1が構成される。
図6に示すように、結合容量電極98Bは、第1部分98B1と第2部分98B2とを含む。第1部分98B1の一部は、キャパシタ電極19Eに備えられた部分パターン19E1(図7参照)の一部と対面している。第1部分98B1の一部と、部分パターン19E1の一部とは、平面視において、互いに重なり合っている。第2部分98B2の一端は、第1部分98B1に接続されている。第2部分98B2は、-X方向に突出している。第2部分98B2の一部は、部分パターン19E2(図7参照)の一部と対面している。図5に示すように、キャパシタ電極19Eと結合容量電極98Bとキャパシタ電極19Cとにより、容量結合構造99B1が構成される。
キャパシタ電極18は、印刷法で形成される。このため、キャパシタ電極18が形成される際には、比較的大きな寸法誤差が生じ得る。キャパシタ電極18を形成する際に生じ得る寸法誤差は、フィルタ特性の悪化の要因となり得る。そこで、本実施形態では、キャパシタ電極18が形成される層と同じ層に結合容量電極98を形成するとともに、当該結合容量電極98をキャパシタ電極19と遮蔽導体12Aとの間に位置させることによって、フィルタ特性の悪化を抑制している。
結合容量電極98とキャパシタ電極18とは、印刷法によって一括して形成されるため、キャパシタ電極18に寸法誤差が生じる場合には、結合容量電極98にも同様の寸法誤差が生じる。例えば、X方向におけるキャパシタ電極18の寸法が、正規の寸法に対して0.03mm大きくなった場合には、X方向における結合容量電極98の寸法も、正規の寸法に対して0.03mm大きくなる。即ち、本実施形態では、キャパシタ電極18の寸法が増加した場合には、キャパシタ電極19と遮蔽導体12Aとの間に位置する結合容量電極98の寸法も同様に増加する。このため、キャパシタ電極18の寸法の増加に起因して、キャパシタ電極18と遮蔽導体12Aとの間の容量が増加した場合には、キャパシタ電極19と結合容量電極98との間の結合容量も、結合容量電極98の寸法の増加に起因して増加する。即ち、本実施形態では、キャパシタ電極18と遮蔽導体12Aとの間の容量が増加する場合には、キャパシタ電極18と遮蔽導体12Aとの間の容量のみならず、キャパシタ電極19と結合容量電極98との間の結合容量も増加する。このため、本実施形態によれば、キャパシタ電極18を形成する際に寸法誤差等が生じた場合であっても、フィルタ特性の悪化を抑制し得る。
図16は、比較例によるフィルタの周波数特性を例示するグラフである。比較例によるフィルタには、結合容量電極98が備えられていない。図16の横軸は、周波数を示している。図16の縦軸は、減衰量を示している。図16においては、キャパシタ電極18の寸法に誤差が生じていない場合のフィルタ特性が破線を用いて示されている。また、図16においては、キャパシタ電極18の寸法が設計値に対して5μm大きくなった場合のフィルタ特性が実線を用いて示されている。図16に示すように、比較例では、キャパシタ電極18を形成する際に寸法誤差が生じると、フィルタ特性が大きく悪化する。
図17は、本実施形態によるフィルタの周波数特性を例示するグラフである。図17の横軸は、周波数を示している。図17の縦軸は、減衰量を示している。図17においては、キャパシタ電極18の寸法に誤差が生じていない場合のフィルタ特性が破線を用いて示されている。また、図17においては、キャパシタ電極18の寸法が設計値に対して5μm大きくなった場合のフィルタ特性が実線を用いて示されている。図17に示すように、本実施形態では、キャパシタ電極18を形成する際に寸法誤差が生じた場合であっても、フィルタ特性の悪化を抑制し得る。
図8及び図9に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)72A~72Cが形成されている。結合容量電極72A~72Cは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極72A~72Cは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。結合容量電極72A~72Cが形成されている層は、キャパシタ電極19が形成されている層に対して上方に位置している。結合容量電極72A~72Cとキャパシタ電極19との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。結合容量電極72Aは、共振器11Bに備えられたビア電極部20Bに接続されている。結合容量電極72Bは、共振器11Dに備えられたビア電極部20Dに接続されている。結合容量電極72Cは、共振器11Cに備えられたビア電極部20Cに接続されている。個々の結合容量電極を区別せずに説明する際には、符号72を用い、個々の結合容量電極を区別して説明する際には、符号72A~72Cを用いる。
結合容量電極72は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極72Aと結合容量電極72Bとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極72Cは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合容量電極72を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
結合容量電極72Aは、部分パターン(電極パターン)72A1~72A3を含む。部分パターン72A1は、ビア電極部20Bに接続されている。部分パターン72A2の一端は、部分パターン72A1に接続されている。部分パターン72A2は、+X方向に突出している。部分パターン72A2の一部は、平面視において、部分パターン19C2(図7参照)の一部と重なり合っている。部分パターン72A3の一端は、部分パターン72A1に接続されている。部分パターン72A3は、-X方向に突出している。部分パターン72A3の一部は、平面視において、部分パターン19A3の一部と重なり合っている。
結合容量電極72Bは、部分パターン(電極パターン)72B1~72B3を含む。部分パターン72B1は、ビア電極部20Dに接続されている。部分パターン72B2の一端は、部分パターン72B1に接続されている。部分パターン72B2は、-X方向に突出している。部分パターン72B2の一部は、平面視において、部分パターン19C3の一部と重なり合っている。部分パターン72B3の一端は、部分パターン72B1に接続されている。部分パターン72B3は、+X方向に突出している。部分パターン72B3の一部は、平面視において、部分パターン19E3の一部と重なり合っている。
結合容量電極72Cは、部分パターン(電極パターン)72C1~72C4を含む。部分パターン72C1は、部分電極部20Caに接続されている。部分パターン72C4は、部分電極部20Cbに接続されている。即ち、部分パターン72C1と部分パターン72C4とは、ビア電極部20Cに接続されている。部分パターン72C1と部分パターン72C4とは、Y方向において互いに離間している。部分パターン72C2の一端は、部分パターン72C1に接続されている。部分パターン72C2は、-Y方向に突出している。部分パターン72C2の一部は、平面視において、部分パターン19A2の一部と重なり合っている。部分パターン72C3の一端は、部分パターン72C4に接続されている。部分パターン72C3は、+Y方向に突出している。部分パターン72C3の一部は、平面視において、部分パターン19E2の一部と重なり合っている。
上述したように、部分パターン19A3の一部と、部分パターン18B2の一部とが、対面している。換言すれば、キャパシタ電極19Aには、結合容量電極98と同じ層に形成されたキャパシタ電極18Bの一部に対面している部分パターン19A3が備えられている。こうして、部分パターン19A3と部分パターン18B2とを含む容量結合構造71AB(図8参照)が構成されている。
上述したように、部分パターン19E3の一部と、部分パターン18D2の一部とが、対面している。換言すれば、キャパシタ電極19Eには、結合容量電極98と同じ層に形成されたキャパシタ電極18Dの一部に対面している部分パターン19E3が備えられている。こうして、部分パターン19E3と部分パターン18D2とを含む容量結合構造71DE(図8参照)が構成されている。
上述したように、部分パターン18B3の一部と、部分パターン19C2の一部と、部分パターン72A2の一部とが、互いに重なり合っている。こうして、部分パターン18B3と部分パターン19C2と部分パターン72A2とを含む容量結合構造71BC(図8参照)が構成されている。
上述したように、部分パターン18D3の一部と、部分パターン19C3の一部と、部分パターン72B2の一部とが、互いに重なり合っている。こうして、部分パターン18D3と部分パターン19C3と部分パターン72B2とを含む容量結合構造71CD(図8参照)が構成されている。
上述したように、部分パターン19A2の一部と、部分パターン72C2の一部とが、互いに重なり合っている。こうして、部分パターン19A2と部分パターン72C2とを含む容量結合構造71AC(図8参照)が構成されている。
上述したように、部分パターン19E2の一部と、部分パターン72C3の一部とが、互いに重なり合っている。こうして、部分パターン19E2と部分パターン72C3とを含む容量結合構造71CE(図8参照)が構成されている。個々の容量結合構造を区別せずに説明する際には、符号71を用い、個々の容量結合構造を区別して説明する際には、符号71AB、71BC、71CD、71DE、71AC、71CEを用いる。
本実施形態において、キャパシタ電極18、19の一部を構成する部分パターン18B2、18B3、18D2、18D3、19A2、19E2によって容量結合構造71の一部を構成しているのは、以下のような理由による。即ち、フィルタ10を単に低背化すると、良好なQ値が得られない。即ち、キャパシタ電極18、19と容量結合構造71とのZ方向における距離を比較的大きく設定した状態でフィルタ10を単に低背化した場合には、良好なQ値が得られない。これに対し、キャパシタ電極18、19と容量結合構造71とのZ方向における距離を比較的小さくすると、良好なQ値が得られる。本実施形態によれは、キャパシタ電極18の一部を構成する部分パターン18B2、18B3、18D2、18D3、19A2、19E2によって容量結合構造71の一部が構成されている。即ち、本実施形態では、キャパシタ電極18、19と容量結合構造71とのZ方向における距離がゼロに設定されている。
図10及び図11に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)74A~74Eが形成されている。結合容量電極74A~74Eは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極74A~74Eは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。結合容量電極74A~74Eが形成されている層は、結合容量電極72A~72Cが形成されている層に対して上方に位置している。結合容量電極74A~74Eと結合容量電極72との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。結合容量電極74Aは、共振器11Aに備えられたビア電極部20Aに接続されている。結合容量電極74Bは、共振器11Eに備えられたビア電極部20Eに接続されている。結合容量電極74Cは、共振器11Bに備えられたビア電極部20Bに接続されている。結合容量電極74Dは、共振器11Dに備えられたビア電極部20Dに接続されている。結合容量電極74Eは、共振器11Cに備えられたビア電極部20Cに接続されている。以下において、結合容量電極74A~74Eの個々を区別せずに説明する際には、符号74を用いる。
結合容量電極74は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極74Aと結合容量電極74Bとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極74Cと結合容量電極74Dとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極74Eは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合容量電極74を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
図12及び図13に示すように、誘電体基板14内には、結合パターン78が形成されている。結合パターン78が形成されている層は、結合容量電極74A~74Eが形成されている層に対して上方に位置している。結合容量電極74と結合パターン78との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。結合パターン78は、部分パターン781~783を含む。部分パターン781~783は、同じ層に形成されている。換言すれば、部分パターン781~783は、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。部分パターン781は、X方向において部分パターン782と部分パターン783との間に位置している。部分パターン781の一部は、部分電極部20Caと部分電極部20Cbとの間に位置している。部分パターン782は、共振器11Aに備えられたビア電極部20Aに接続されている。部分パターン782は、部分パターン781に対して-X方向の位置に形成されている。部分パターン781と部分パターン782とは、X方向において互いに離間している。部分パターン783は、共振器11Eに備えられたビア電極部20Eに接続されている。部分パターン783は、部分パターン781に対して+X方向の位置に形成されている。部分パターン781と部分パターン783とは、X方向において互いに離間している。
部分パターン781は、平面視における誘電体基板14の中心Cを中心として、点対称に形成されている。部分パターン782と部分パターン783とは、平面視における誘電体基板14の中心Cを中心として、点対称に形成されている。即ち、結合パターン78は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合パターン78を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
図14及び図15に示すように、誘電体基板14内には、結合パターン76が形成されている。結合パターン76が形成されている層は、結合パターン78が形成されている層に対して上方に位置している。結合パターン78と結合パターン76との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。結合パターン76は、共振器11Bに備えられたビア電極部20Bと、共振器11Dに備えられたビア電極部20Dとに接続されている。結合パターン76には、開口76a、76bが形成されている。共振器11Cに備えられた部分電極部20Caは、開口76aを貫いている。共振器11Cに備えられた部分電極部20Cbは、開口76bを貫いている。なお、結合パターン76に形成される開口の数は、2つに限定されない。結合パターン76に開口が1つ形成されるとともに、当該開口を部分電極部20Caと部分電極部20Cbとが貫いてもよい。
結合パターン76は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合パターン76を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
図2に示すように、誘電体基板14内には、入出力パターン80A、80Bが更に形成されている。入出力パターン80A、80Bは、同じ層に形成されている。換言すれば、入出力パターン80A、80Bは、同一の不図示のセラミックスシート上に形成されている。入出力パターン80A、80Bが形成されている層は、結合パターン76が形成されている層に対して上方に位置している。結合パターン78と入出力パターン80A、80Bとの間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。以下において、入出力パターン80A、80Bの個々を区別せずに説明する際には、符号80を用いる。
入出力パターン80Aは、部分パターン80A1、80A2を含む。部分パターン80A1の一端は、入出力端子22Aに接続されている。部分パターン80A1の他端は、部分パターン80A2に接続されている。部分パターン80A2は、ビア電極部20Aに接続されている。このように、入出力端子22Aは、入出力パターン80Aを介してビア電極部20Aに接続されている。
入出力パターン80Bは、部分パターン80B1、80B2を含む。部分パターン80B1の一端は、入出力端子22Bに接続されている。部分パターン80B1の他端は、部分パターン80B2に接続されている。部分パターン80B2は、ビア電極部20Eに接続されている。このように、入出力端子22Bは、入出力パターン80Bを介してビア電極部20Eに接続されている。
このように、入出力端子22Aが入出力パターン80Aを介してビア電極部20Aに導通しており、入出力端子22Bが入出力パターン80Bを介してビア電極部20Eに導通している。本実施形態では、入出力パターン80A、80BのZ方向における位置を適宜設定することにより、外部Qが適宜調整され得る。即ち、本実施形態では、ビア電極部20A、20Dの長手方向における入出力パターン80A、80Bの位置を適宜設定することにより、外部Qが適宜調整され得る。
図7に示すように、誘電体基板14内には、遮蔽ビア電極部81A~81Dが形成されている。個々の遮蔽ビア電極部を区別せずに説明する際には符号81を用い、個々の遮蔽ビア電極部を区別して説明する際には符号81A、81B、81C、81Dを用いる。
遮蔽ビア電極部81Aには、遮蔽ビア電極82Aが備えられている。遮蔽ビア電極部81Bには、遮蔽ビア電極82Bが備えられている。遮蔽ビア電極部81Cには、遮蔽ビア電極82Cが備えられている。遮蔽ビア電極部81Dには、遮蔽ビア電極82Dが備えられている。個々の遮蔽ビア電極を区別せずに説明する際には、符号82を用い、個々の遮蔽ビア電極を区別して説明する際には、符号82A~82Dを用いる。図1に示す例においては、1つの遮蔽ビア電極部81に1つの遮蔽ビア電極82が備えられている。ただし、1つの遮蔽ビア電極部81に複数の遮蔽ビア電極82が備えられてもよい。また、複数の遮蔽ビア電極部81の少なくとも1つは、必要に応じて適宜省略されてもよい。
遮蔽ビア電極部81の一端は、遮蔽導体12Aに接続されている。遮蔽ビア電極部81の他端は、遮蔽導体12Bに接続されている。
図11に示すように、遮蔽ビア電極部81Aは、ビア電極部20Aが位置する領域を-Y方向に延長した延長領域84A内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。即ち、遮蔽ビア電極部81Aは、ビア電極部20Aが位置する領域を遮蔽導体12Caに向かって延長した延長領域84A内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。このように、遮蔽ビア電極部81Aは、延長領域84A内に選択的に形成されている。遮蔽ビア電極部81Aは、遮蔽導体12Caの近傍に位置している。なお、ビア電極部20が位置する領域は、仮想円26に対応する領域である。また、遮蔽ビア電極部81Aは、電極パターン19aと接続されている。
遮蔽ビア電極部81Bは、ビア電極部20Eが位置する領域を+Y方向に延長した延長領域84B内において、遮蔽導体12B、12Bに接続されている。即ち、遮蔽ビア電極部81Bは、ビア電極部20Eが位置する領域を遮蔽導体12Cbに向かって延長した延長領域84B内において、遮蔽導体12B、12Bに接続されている。このように、遮蔽ビア電極部81Bは、延長領域84B内に選択的に形成されている。遮蔽ビア電極部81Bは、遮蔽導体12Cbの近傍に位置している。また、遮蔽ビア電極部81Bは、電極パターン19bと接続されている。
遮蔽ビア電極部81Cは、ビア電極部20Bが位置する領域を+Y方向に延長した延長領域84C内において、遮蔽導体12B、12Bに接続されている。即ち、遮蔽ビア電極部81Cは、ビア電極部20Bが位置する領域を遮蔽導体12Cbに向かって延長した延長領域84C内において、遮蔽導体12B、12Bに接続されている。このように、遮蔽ビア電極部81Cは、延長領域84C内に選択的に形成されている。遮蔽ビア電極部81Cは、遮蔽導体12Cbの近傍に位置している。また、遮蔽ビア電極部81Cは、電極パターン19cと接続されている。
遮蔽ビア電極部81Dは、ビア電極部20Dが位置する領域を-Y方向に延長した延長領域84D内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。即ち、遮蔽ビア電極部81Dは、ビア電極部20Dが位置する領域を遮蔽導体12Caに向かって延長した延長領域84D内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。このように、遮蔽ビア電極部81Dは、延長領域84D内に選択的に形成されている。遮蔽ビア電極部81Dは、遮蔽導体12Caの近傍に位置している。また、遮蔽ビア電極部81Dは、電極パターン19dと接続されている。
以下の説明において、上述した延長領域の個々を区別せずに説明する際には符号84を用い、延長領域の個々を区別して説明する際には符号84A~84Dを用いる。本実施形態において、遮蔽ビア電極部81を形成しているのは、以下のような理由による。即ち、誘電体基板14を切断する際に位置ずれが生じると、ビア電極部20と側面14e、14fとの間の距離が変動する。ビア電極部20と側面14e、14fとの間の距離が変動すると、ビア電極部20と遮蔽導体12Ca、12Cbとの間の距離が変動する。ビア電極部20と遮蔽導体12Ca、12Cbとの間の距離の変動は、フィルタ特性等の変動を招く。一方、遮蔽ビア電極部81は、側面14e、14fに形成されるわけではないため、誘電体基板14を切断する際の位置ずれの影響を受けない。即ち、誘電体基板14を切断する際に位置ずれが生じた場合であっても、遮蔽ビア電極部81とビア電極部20との間の距離は変動しない。このような理由により、本実施形態では、遮蔽ビア電極部81が形成されている。
本実施形態において、遮蔽ビア電極部81を延長領域84内に選択的に形成しているのは、以下のような理由による。即ち、遮蔽ビア電極部81は、誘電体基板14にレーザビームを照射することによってビアホールを形成し、当該ビアホールに導電体を埋め込むことによって形成され得る。即ち、遮蔽ビア電極部81を形成するためには、ある程度の工数が必要とされる。このため、遮蔽ビア電極部81を側面14e、14fに沿って単に多数配列した場合には、良好な生産性が得られない。一方、延長領域84のみに遮蔽ビア電極部81を配置するだけでも、誘電体基板14を切断する際の位置ずれに起因するフィルタ特性等のばらつきは抑制され得る。このような理由により、本実施形態では、遮蔽ビア電極部81が延長領域84内に選択的に形成されている。
このように、本実施形態によれば、キャパシタ電極18と一緒に印刷される結合容量電極98が、キャパシタ電極19と遮蔽導体12Aとの間に備えられるため、キャパシタ電極18の寸法が増加した場合には、キャパシタ電極19と遮蔽導体12Aとの間に位置する結合容量電極98の寸法も同様に増加する。このため、キャパシタ電極18の寸法の増加に起因して、キャパシタ電極18と遮蔽導体12Aとの間の容量が増加した場合には、キャパシタ電極19と結合容量電極98との間の結合容量も、結合容量電極98の寸法の増加に起因して増加する。即ち、本実施形態では、キャパシタ電極18と遮蔽導体12Aとの間の容量が増加する場合には、キャパシタ電極18と遮蔽導体12Aとの間の容量のみならず、キャパシタ電極19と結合容量電極98との間の結合容量も増加する。このため、本実施形態によれば、キャパシタ電極18を形成する際に寸法誤差等が生じた場合であっても、フィルタ特性の悪化を抑制し得る。
[第2実施形態]
第2実施形態によるフィルタについて図18~図33を用いて説明する。図18は、第2実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図19は、第2実施形態によるフィルタを示す平面図である。図20A及び図20Bは、第2実施形態によるフィルタの一部を示す断面図である。図21及び図22は、第2実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図23及び図24は、第2実施形態によるフィルタを示す平面図である。図25は、第2実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図26は、第2実施形態によるフィルタを示す平面図である。図27は、第2実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図28は、第2実施形態によるフィルタを示す平面図である。図29は、第2実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図30は、第2実施形態によるフィルタを示す平面図である。図31は、第2実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図32及び図33は、第2実施形態によるフィルタを示す平面図である。簡略化を図るべく、図18~図33においては、一部の構成要素が適宜省略されている。図1~図15に示す第1実施形態によるフィルタと同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略又は簡潔にする。
図18及び図19に示すように、誘電体基板14内には、遮蔽導体12Aに対面するキャパシタ電極(ストリップ線路)18A、18B、18D、18Eが形成されている。キャパシタ電極18A、18B、18D、18Eは、同じ層に形成されている。換言すれば、キャパシタ電極18A、18B、18D、18Eは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。以下において、キャパシタ電極18A、18B、18D、18Eの個々を区別せずに説明する際には、符号18を用いる。
図23に示すように、キャパシタ電極18は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。キャパシタ電極18Aとキャパシタ電極18Eとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。キャパシタ電極18Bとキャパシタ電極18Dとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、キャパシタ電極18を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
キャパシタ電極18Aは、ビア電極部20Aに接続されている。キャパシタ電極18Bは、部分パターン(電極パターン)18B1~18B3を含む。部分パターン18B1は、ビア電極部20Bに接続されている。部分パターン18B2は、-X方向に突出している。部分パターン18B3は、+X方向に突出している。キャパシタ電極18Dは、部分パターン(電極パターン)18D1~18D3を含む。部分パターン18D1は、ビア電極部20Dに接続されている。部分パターン18D2は、+X方向に突出している。部分パターン18D3は、-X方向に突出している。キャパシタ電極18Eは、ビア電極部20Eに接続されている。
誘電体基板14内には、遮蔽導体12Caに接続された電極パターン18a、18dと、遮蔽導体12Cbに接続された電極パターン18b、18cとが更に形成されている。電極パターン18aは、キャパシタ電極18Aに対して-Y方向に位置している。電極パターン18bは、キャパシタ電極18Eに対して+Y方向に位置している。電極パターン18cは、キャパシタ電極18Bに対して+Y方向に位置している。電極パターン18dは、キャパシタ電極18Dに対して-Y方向に位置している。
ビア電極部20A、20B、20D、20Eを構成する複数のビア電極24は、第1実施形態と同様に、平面視において、仮想の円である仮想円26に沿って配列されている。
図22及び図24に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)86A~86Dが形成されている。結合容量電極86A~86Dは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極86A~86Dは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。結合容量電極86A~86Dが形成されている層は、キャパシタ電極18が形成されている層に対して上方に位置している。結合容量電極86とキャパシタ電極18との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。結合容量電極86Aは、共振器11Aに備えられたビア電極部20Aに接続されている。換言すれば、結合容量電極86Aは、キャパシタ電極18Aに接続されているビア電極部20Aに接続されている。結合容量電極86Bは、共振器11Eに備えられたビア電極部20Eに接続されている。換言すれば、結合容量電極86Bは、キャパシタ電極18Eに接続されているビア電極部20Eに接続されている。結合容量電極86Cは、共振器11Bに備えられたビア電極部20Bに接続されている。結合容量電極86Dは、共振器11Dに備えられたビア電極部20Dに接続されている。以下において、結合容量電極86A~86Dの個々を区別せずに説明する際には、符号86を用いる。
図24に示すように、結合容量電極86は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極86Aと結合容量電極86Bとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極86Cと結合容量電極86Dとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合容量電極86を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
結合容量電極86Aは、部分パターン(電極パターン)86A1~86A3を含む。部分パターン86A1は、ビア電極部20Aに接続されている。部分パターン86A2の一端は、部分パターン86A1に接続されている。部分パターン86A2は、+X方向に突出している。部分パターン86A3の一端は、部分パターン86A1に接続されている。部分パターン86A3は、+Y方向に突出している。部分パターン86A3の一部は、部分パターン18B2(図23参照)の一部と対面している。
結合容量電極86Bは、部分パターン(電極パターン)86B1~86B3を含む。部分パターン86B1は、ビア電極部20Eに接続されている。部分パターン86B2の一端は、部分パターン86B1に接続されている。部分パターン86B2は、-X方向に突出している。部分パターン86B3の一端は、部分パターン86B1に接続されている。部分パターン86B3は、-Y方向に突出している。部分パターン86B3の一部は、部分パターン18D2(図23参照)の一部と対面している。
図24に示すように、誘電体基板14内には、キャパシタ電極(ストリップ線路)19Cが形成されている。キャパシタ電極19Cは、結合容量電極86と同じ層に形成されている。換言すれば、キャパシタ電極19Cと結合容量電極86とは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。キャパシタ電極19Cが形成されている層は、キャパシタ電極18が形成されている層に対して上方に位置している。キャパシタ電極19Cは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、キャパシタ電極19Cを点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
キャパシタ電極19Cは、部分パターン(電極パターン)19C1~19C3を含む。部分パターン19C1は、平面視における誘電体基板14の中心Cに位置している。部分パターン19C1は、部分パターン19C1a~19C1cを含む。部分パターン19C1aは、部分パターン19C1cに対して-Y方向の位置に形成されている。部分パターン19C1aには、部分電極部20Caの一端(下端)が接続されている。部分パターン19C1bは、部分パターン19C1cに対して+Y方向の位置に形成されている。部分パターン19C1bには、部分電極部20Cbの一端(下端)が接続されている。第1実施形態と同様に、部分パターン19C1には、部分パターン19C2、19C3が接続される。部分パターン19C2は、部分パターン19C1bから+Y方向に突出している。部分パターン19C3は、部分パターン19C1aから-Y方向に突出している。
部分電極部20Caを構成する複数のビア電極24は、平面視において、仮想円26の一部を構成する仮想円弧27Aに沿って配列されている(図32、図33参照)。部分電極部20Cbを構成する複数のビア電極24は、平面視において、仮想円26の一部を構成する仮想円弧27Bに沿って配列されている(図32、図33参照)。
本実施形態では、部分電極部20Caと部分電極部20CbとがY方向において大きく離間している。このため、本実施形態では、部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の距離が充分に短くなるとともに、部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の距離が充分に短くなる。部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の距離が充分に短くなると、部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の結合容量が充分に増加する。部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の距離が充分に短くなると、部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の結合容量が充分に増加する。そうすると、例えば低背化に伴ってビア電極部20Cの長さが短くなった場合であっても、充分に良好な電気的特性が得られる。
誘電体基板14内には、遮蔽導体12Caに接続された電極パターン19a、19dと、遮蔽導体12Cbに接続された電極パターン19b、19cとが更に形成されている。
図23に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)98A、98Bが形成されている。結合容量電極98Aと結合容量電極98Bとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。以下の説明において、結合容量電極98A、98Bを区別せずに説明する際には符号98を用い、結合容量電極98A、98Bを個々に区別して説明する際には符号98A、98Bを用いる。
結合容量電極98とキャパシタ電極18A、18B、18D、18Eとは同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極98A、98Bとキャパシタ電極18A、18B、18D、18Eとは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。結合容量電極98が形成されている層は、結合容量電極86が形成されている層と遮蔽導体12Aが形成されている層との間に位置している。即ち、結合容量電極98が形成されている層は、キャパシタ電極19Cが形成されている層と遮蔽導体12Aが形成されている層との間に位置している。結合容量電極98は、遮蔽導体12Aと対面している。結合容量電極98は、複数の共振器11のいずれにも接続されていない。結合容量電極98は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。
結合容量電極98Aの長手方向は、X方向である。結合容量電極98Aは、キャパシタ電極18Aとキャパシタ電極18Bとの間に位置している。結合容量電極98Aの一部は、部分パターン86A1(図24参照)の一部と対面している。結合容量電極98Aの一部と、部分パターン86A1の一部とは、平面視において、互いに重なり合っている。結合容量電極98Aの他の一部は、部分パターン19C1(図24参照)の一部と対面している。結合容量電極98Aの他の一部と、部分パターン19C1の一部とは、平面視において、互いに重なり合っている。図22に示すように、結合容量電極98Aと結合容量電極86Aとキャパシタ電極19Cとにより、容量結合構造99A2が構成される。
図23に示すように、結合容量電極98Bの長手方向は、X方向である。結合容量電極98Bは、キャパシタ電極18Dとキャパシタ電極18Eとの間に位置している。結合容量電極98Bの一部は、部分パターン86B1(図24参照)の一部と対面している。結合容量電極98Bの一部と、部分パターン86B1の一部とは、平面視において、互いに重なり合っている。結合容量電極98Bの他の一部は、部分パターン19C1(図24参照)の一部と対面している。結合容量電極98Bの他の一部と、部分パターン19C1の一部とは、平面視において、互いに重なり合っている。図22に示すように、結合容量電極98Bと結合容量電極86Bとキャパシタ電極19Cとにより、容量結合構造99B2が構成される。
本実施形態においても、キャパシタ電極18の寸法が増加した場合には、結合容量電極98の寸法も同様に増加する。このため、キャパシタ電極18の寸法の増加に起因して、キャパシタ電極18と遮蔽導体12Aとの間の容量が増加した場合には、キャパシタ電極19Cと結合容量電極98との間の結合容量と、部分パターン86A1と結合容量電極98との間の結合容量も、結合容量電極98の寸法の増加に起因して増加する。即ち、本実施形態においても、キャパシタ電極18と遮蔽導体12Aとの間の容量が増加する場合には、キャパシタ電極18と遮蔽導体12Aとの間の容量のみならず、キャパシタ電極19と結合容量電極98との間の結合容量と、結合容量電極86と結合容量電極98との間の結合容量も増加する。このため、本実施形態においても、キャパシタ電極18を形成する際に寸法誤差等が生じた場合であっても、フィルタ特性の悪化を抑制し得る。
図25及び図26に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)88A~88Eが形成されている。結合容量電極88A~88Eは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極88A~88Eは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。結合容量電極88A~88Eが形成されている層は、キャパシタ電極19Cが形成されている層に対して上方に位置している。即ち、結合容量電極88A~88Eが形成されている層は、結合容量電極86が形成されている層に対して上方に位置している。結合容量電極88とキャパシタ電極19Cとの間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。即ち、結合容量電極88と結合容量電極86との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。結合容量電極88Aは、共振器11Aに備えられたビア電極部20Aに接続されている。結合容量電極88Bは、共振器11Eに備えられたビア電極部20Eに接続されている。結合容量電極88Cは、共振器11Bに備えられたビア電極部20Bに接続されている。結合容量電極88Dは、共振器11Dに備えられたビア電極部20Dに接続されている。結合容量電極88Eは、共振器11Cに備えられたビア電極部20Cに接続されている。以下において、結合容量電極88A~88Eの個々を区別せずに説明する際には、符号88を用いる。
結合容量電極88は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極88Aと結合容量電極88Bとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極88Cと結合容量電極88Dとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極88Eは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合容量電極88を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
結合容量電極88Cは、部分パターン(電極パターン)88C1~88C4を含む。部分パターン88C1は、ビア電極部20Bに接続されている。部分パターン88C2の一端は、部分パターン88C1に接続されている。部分パターン88C2は、-X方向に突出している。部分パターン88C3の一端は、部分パターン88C1に接続されている。部分パターン88C3は、+X方向に突出している。部分パターン88C4の一端は、部分パターン88C1に接続されている。部分パターン88C4は、-X方向に突出している。部分パターン88C4は、部分パターン88C2から+Y方向にずれた位置に形成されている。部分パターン88C4と部分パターン88C2とはY方向において互いに離間している。
結合容量電極88Dは、部分パターン(電極パターン)88D1~88D4を含む。部分パターン88D1は、ビア電極部20Dに接続されている。部分パターン88D2の一端は、部分パターン88D1に接続されている。部分パターン88D2は、+X方向に突出している。部分パターン88D3の一端は、部分パターン88D1に接続されている。部分パターン88D3は、-X方向に突出している。部分パターン88D4の一端は、部分パターン88D1に接続されている。部分パターン88D4は、+X方向に突出している。部分パターン88D4は、部分パターン88D2から-Y方向にずれた位置に形成されている。部分パターン88D4と部分パターン88D2とはY方向において互いに離間している。
結合容量電極88Eは、部分パターン(電極パターン)88E1~88E6を含む。部分パターン88E1は、部分電極部20Cbに接続されている。部分パターン88E1の一端には、部分パターン88E2が接続されている。部分パターン88E2は、+X方向に突出している。部分パターン88E2の一端には、部分パターン88E3が接続されている。部分パターン88E3は、+Y方向に突出している。部分パターン88E4は、部分電極部20Caに接続されている。部分パターン88E4の一端には、部分パターン88E5が接続されている。部分パターン88E5は、-X方向に突出している。部分パターン88E5の一端には、部分パターン88E6が接続されている。部分パターン88E6は、-Y方向に突出している。
図27及び図28に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)92A~92Eが形成されている。結合容量電極92A~92Eは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極92A~92Eは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。結合容量電極92A~92Eが形成されている層は、結合容量電極88が形成されている層に対して上方に位置している。結合容量電極92A~92Eと結合容量電極88との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。結合容量電極92Aは、共振器11Aに備えられたビア電極部20Aに接続されている。結合容量電極92Bは、共振器11Eに備えられたビア電極部20Eに接続されている。結合容量電極92Cは、共振器11Bに備えられたビア電極部20Bに接続されている。結合容量電極92Dは、共振器11Dに備えられたビア電極部20Dに接続されている。結合容量電極92Eは、共振器11Cに備えられたビア電極部20Cに接続されている。以下において、結合容量電極92A~92Eの個々を区別せずに説明する際には、符号92を用いる。
結合容量電極92は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極92Aと結合容量電極92Bとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極92Cと結合容量電極92Dとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極92Eは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合容量電極92を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
図29及び図30に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)94A~94Dが形成されている。結合容量電極94A~94Dは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極94A~94Dは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。結合容量電極94A~94Dが形成されている層は、結合容量電極92が形成されている層に対して上方に位置している。結合容量電極94A~94Dと結合容量電極92との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。結合容量電極94Aは、共振器11Aに備えられたビア電極部20Aに接続されている。結合容量電極94Bは、共振器11Eに備えられたビア電極部20Eに接続されている。結合容量電極94C、94Dは、いずれの共振器11のビア電極部20にも接続されていない。以下において、結合容量電極94A~94Dの個々を区別せずに説明する際には、符号94を用いる。
結合容量電極94は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極94Aと結合容量電極94Bとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極94Cと結合容量電極94Dとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合容量電極94を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
図32に示すように、誘電体基板14内には、第1実施形態と同様に、入出力パターン80A、80Bが形成されている。入出力パターン80A、80Bは、互いに同じ層に形成されている。換言すれば、入出力パターン80A、80Bは、同一の不図示のセラミックスシート上に形成されている。入出力パターン80A、80Bが形成されている層は、結合容量電極94が形成されている層に対して上方に位置している。入出力パターン80A、80Bと結合容量電極94との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。以下において、入出力パターン80A、80Bの個々を区別せずに説明する際には、符号80を用いる。
図31及び図33に示すように、誘電体基板14内には、結合パターン96が形成されている。結合パターン96が形成されている層は、入出力パターン80が形成されている層に対して上方に位置している。結合パターン96と入出力パターン80との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。結合パターン96は、共振器11Bに備えられたビア電極部20Bと、共振器11Dに備えられたビア電極部20Dとに接続されている。
結合パターン96は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合パターン96を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
図18に示すように、誘電体基板14内には、遮蔽ビア電極部81C、81Dが形成されている。個々の遮蔽ビア電極部を区別せずに説明する際には符号81を用い、個々の遮蔽ビア電極部を区別して説明する際には符号81C、81Dを用いる。
遮蔽ビア電極部81の一端は、遮蔽導体12Aに接続されている。遮蔽ビア電極部81の他端は、遮蔽導体12Bに接続されている。遮蔽ビア電極部81Cは、電極パターン18cにも接続されている。遮蔽ビア電極部81Cは、電極パターン19cにも接続されている。遮蔽ビア電極部81Dは、電極パターン18dにも接続されている。遮蔽ビア電極部81Dは、電極パターン19dにも接続されている。
遮蔽ビア電極部81には、1以上の遮蔽ビア電極82が備えられている。本実施形態では、1つの遮蔽ビア電極部81に2つの遮蔽ビア電極82が備えられている。即ち、遮蔽ビア電極部81Cには、遮蔽ビア電極82C、82Eが備えられている。遮蔽ビア電極部81Dには、遮蔽ビア電極82D、82Fが備えられている。
本実施形態によれば、キャパシタ電極18と一緒に印刷される結合容量電極98が、キャパシタ電極19と遮蔽導体12Aとの間に備えられるため、キャパシタ電極18の寸法が増加した場合には、キャパシタ電極19と遮蔽導体12Aとの間に位置する結合容量電極98の寸法も同様に増加する。このため、キャパシタ電極18の寸法の増加に起因して、キャパシタ電極18と遮蔽導体12Aとの間の容量が増加した場合には、キャパシタ電極19と結合容量電極98との間の結合容量も、結合容量電極98の寸法の増加に起因して増加する。即ち、本実施形態では、キャパシタ電極18と遮蔽導体12Aとの間の容量が増加する場合には、キャパシタ電極18と遮蔽導体12Aとの間の容量のみならず、キャパシタ電極19と結合容量電極98との間の結合容量も増加する。このため、本実施形態によれば、キャパシタ電極18を形成する際に寸法誤差等が生じた場合であっても、フィルタ特性の悪化を抑制し得る。
上記の実施形態から把握し得る発明について、以下に記載する。
フィルタ(10)は、第1主面(14b)と、前記第1主面の反対側に位置する第2主面(14a)とを有する誘電体基板(14)と、前記誘電体基板のうちの前記第1主面側に形成された第1遮蔽導体(12A)と、前記誘電体基板のうちの前記第2主面側に形成された第2遮蔽導体(12B)と、前記第1遮蔽導体と前記第2遮蔽導体との間に形成されたビア電極部(20)と、前記ビア電極部の一端に接続されたキャパシタ電極(18、19)とをそれぞれ備える複数の共振器(11)と、複数の前記共振器のいずれにも接続されておらず、前記第1遮蔽導体に対面している第1結合容量電極(98)と、を備え、前記第1結合容量電極は、複数の前記キャパシタ電極のうちの第1キャパシタ電極(18B)が形成されている層に形成されており、前記第1キャパシタ電極が形成されている層は、複数の前記キャパシタ電極のうちの第2キャパシタ電極(19C)が形成されている層と、前記第1遮蔽導体が形成されている層との間に位置しており、前記第1結合容量電極の一部は、前記第2キャパシタ電極と前記第1遮蔽導体との間に位置している。このような構成にすれば、キャパシタ電極を形成する際に寸法誤差等が生じた場合であっても、フィルタ特性の悪化を抑制し得る。
上記のフィルタであって、前記第1結合容量電極の他の一部は、前記第2キャパシタ電極と同じ層に形成された前記キャパシタ電極である第3キャパシタ電極(19A)と前記第1遮蔽導体との間に位置してもよい。
上記のフィルタであって、前記第1結合容量電極の他の一部は、前記第2キャパシタ電極と同じ層に形成された第2結合容量電極(86A)と前記第1遮蔽導体との間に位置しており、前記第2結合容量電極は、前記第1キャパシタ電極と同じ層に形成されている前記キャパシタ電極である第3キャパシタ電極(18A)に接続されている前記ビア電極部に接続されてもよい。
上記のフィルタであって、複数の前記ビア電極部の各々の他端は、前記第2遮蔽導体に接続されてもよい。
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
10:フィルタ 11A~11E:共振器
12A、12B、12Ca、12Cb:遮蔽導体
14:誘電体基板 14a、14b:主面
14c~14f:側面 16A~16E:構造体
18A~18E、19A、19C、19E:キャパシタ電極
18a~18d、19a~19d:電極パターン
18B1~18B3、18D1~18D3、19A1~19A3、19C1~19C3、19E1~19E3:部分パターン
20A~20E:ビア電極部 20Ca、20Cb:部分電極部
22A、22B:入出力端子 24:ビア電極
26:仮想円 27A、27B:仮想円弧
71、71AB、71AC、71BC、71CD、71CE、71DE、99A1、99A2、99B1、99B2:容量結合構造
72A~72C、74A~74E、86A~86E、88A~88E、92A~92E、94A、94B、98A、98B:結合容量電極
76、78、96:結合パターン 76a、76b:開口
80A、80B:入出力パターン 81A~81D:遮蔽ビア電極部
82A~82F:遮蔽ビア電極 84A~84D:延長領域
C、P1、P2、P3、P4、P5:中心

Claims (4)

  1. 第1主面と、前記第1主面の反対側に位置する第2主面とを有する誘電体基板と、
    前記誘電体基板のうちの前記第1主面側に形成された第1遮蔽導体と、
    前記誘電体基板のうちの前記第2主面側に形成された第2遮蔽導体と、
    前記第1遮蔽導体と前記第2遮蔽導体との間に形成されたビア電極部と、前記ビア電極部の一端に接続されたキャパシタ電極とをそれぞれ備える複数の共振器と、
    複数の前記共振器のいずれにも接続されておらず、前記第1遮蔽導体に対面している第1結合容量電極と、
    を備え、
    前記第1結合容量電極は、複数の前記キャパシタ電極のうちの第1キャパシタ電極が形成されている層に形成されており、
    前記第1キャパシタ電極が形成されている層は、複数の前記キャパシタ電極のうちの第2キャパシタ電極が形成されている層と、前記第1遮蔽導体が形成されている層との間に位置しており、
    前記第1結合容量電極の一部は、前記第2キャパシタ電極と前記第1遮蔽導体との間に位置している、フィルタ。
  2. 請求項1に記載のフィルタであって、
    前記第1結合容量電極の他の一部は、前記第2キャパシタ電極と同じ層に形成された前記キャパシタ電極である第3キャパシタ電極と前記第1遮蔽導体との間に位置している、フィルタ。
  3. 請求項1に記載のフィルタであって、
    前記第1結合容量電極の他の一部は、前記第2キャパシタ電極と同じ層に形成された第2結合容量電極と前記第1遮蔽導体との間に位置しており、
    前記第2結合容量電極は、前記第1キャパシタ電極と同じ層に形成されている前記キャパシタ電極である第3キャパシタ電極に接続されている前記ビア電極部に接続されている、フィルタ。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のフィルタであって、
    複数の前記ビア電極部の各々の他端は、前記第2遮蔽導体に接続されている、フィルタ。
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