[第1実施形態]
第1実施形態によるフィルタについて図面を用いて説明する。図1は、本実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図2は、本実施形態によるフィルタを示す平面図である。図3A及び図3Bは、本実施形態によるフィルタの一部を示す断面図である。図4及び図5は、本実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図6及び図7は、本実施形態によるフィルタを示す平面図である。図8は、本実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図9は、本実施形態によるフィルタを示す平面図である。図10は、本実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図11は、本実施形態によるフィルタを示す平面図である。図12は、本実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図13は、本実施形態によるフィルタを示す平面図である。図14は、本実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図15及び図16は、本実施形態によるフィルタを示す平面図である。簡略化を図るべく、図1~図16においては、一部の構成要素が適宜省略されている。
図1に示すように、本実施形態によるフィルタ10には、誘電体基板14が備えられている。誘電体基板14は、例えば直方体状に形成されているが、これに限定されない。誘電体基板14は、複数のセラミックスシート(誘電体セラミックスシート)を積層することにより構成されている。
誘電体基板14は、2つの主面14a、14bと、4つの側面14c~14fとを有している。主面14aと主面14bとは、互いに反対側に位置している。側面14c及び側面14dの法線方向に沿う方向を、X方向とする。より具体的には、側面14c、14dの法線方向を、X方向とする。換言すれば、誘電体基板14の長手方向を、X方向とする。側面14e及び側面14fの法線方向に沿う方向を、Y方向とする。より具体的には、側面14e、14fの法線方向を、Y方向とする。主面14a、14bの法線方向に沿う方向を、Z方向とする。より具体的には、主面14a、14bの法線方向を、Z方向とする。
誘電体基板14のうちの主面14b側には、遮蔽導体(下部遮蔽導体)12Aが形成されている。即ち、誘電体基板14の下側には、遮蔽導体12Aが形成されている。誘電体基板14のうちの主面14a側には、遮蔽導体(上部遮蔽導体)12Bが形成されている。即ち、誘電体基板14の上側には、遮蔽導体(上部遮蔽導体)12Bが形成されている。
誘電体基板14の側面14cには、入出力端子(第1入出力端子)22Aが形成されている。誘電体基板14の側面14dには、入出力端子(第2入出力端子)22Bが形成されている。入出力端子22Aは、入出力パターン80Aを介して遮蔽導体12Bに結合されている。また、入出力端子22Bは、入出力パターン80Bを介して遮蔽導体12Bに結合されている。
誘電体基板14の側面14eには、遮蔽導体12Caが形成されている。誘電体基板14の側面14fには、遮蔽導体12Cbが形成されている。遮蔽導体12Ca、12Cbは、板状に形成されている。遮蔽導体12Ca、12Cbは、誘電体基板14の長手方向に沿って形成されている。
誘電体基板14内には、遮蔽導体12Aに対面するキャパシタ電極(ストリップ線路)18B、18Dが形成されている。キャパシタ電極18B、18Dは、同じ層に形成されている。換言すれば、キャパシタ電極18B、18Dは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。なお、個々のキャパシタ電極を区別せずに説明する際には、符号18を用い、個々のキャパシタ電極を区別して説明する際には、符号18B、18Dを用いる。
誘電体基板14内には、遮蔽導体12Aに対面するキャパシタ電極(ストリップ線路)19A、19C、19Eが形成されている。個々のキャパシタ電極を区別せずに説明する際には、符号19を用い、個々のキャパシタ電極を区別して説明する際には、符号19A、19C、19Eを用いる。キャパシタ電極19A、19C、19Eは、同じ層に形成されている。換言すれば、キャパシタ電極19A、19C、19Eは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。キャパシタ電極18とキャパシタ電極19とは、互いに異なる層に形成されている。キャパシタ電極18とキャパシタ電極19との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。キャパシタ電極19が位置している層は、キャパシタ電極18が位置している層に対して上方に位置している。
キャパシタ電極18は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。キャパシタ電極18Bとキャパシタ電極18Dとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、キャパシタ電極18を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
キャパシタ電極19は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。キャパシタ電極19Aとキャパシタ電極19Eとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。キャパシタ電極19Cは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、キャパシタ電極19を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
図2に示すように、キャパシタ電極18Bは、部分パターン(電極パターン)18B1~18B3を含む。部分パターン18B1は、後述するビア電極部20Bに接続されている。部分パターン18B2の一端は、部分パターン18B1に接続されている。部分パターン18B2は、-X方向に突出している。部分パターン18B3の一端は、部分パターン18B1に接続されている。部分パターン18B3は、+X方向に突出している。
キャパシタ電極18Dは、部分パターン(電極パターン)18D1~18D3を含む。部分パターン18D1は、後述するビア電極部20Dに接続されている。部分パターン18D2の一端は、部分パターン18D1に接続されている。部分パターン18D2は、+X方向に突出している。部分パターン18D3の一端は、部分パターン18D1に接続されている。部分パターン18D3は、-X方向に突出している。
キャパシタ電極19Aは、部分パターン(電極パターン)19A1~19A3を含む。部分パターン19A1は、後述するビア電極部20Aに接続されている。部分パターン19A2の一端は、部分パターン19A1に接続されている。部分パターン19A2は、+X方向に突出している。部分パターン19A3の一端は、部分パターン19A1に接続されている。部分パターン19A3は、+Y方向に突出している。部分パターン19A3の一部は、平面視において、部分パターン18B2の一部と重なり合っている。
キャパシタ電極19Cは、部分パターン(電極パターン)19C1~19C3を含む。部分パターン19C1は、後述するビア電極部20C(図2参照)に接続されている。部分パターン19C2の一端は、部分パターン19C1に接続されている。部分パターン19C2は、+Y方向に突出している。部分パターン19C3の一端は、部分パターン19C1に接続されている。部分パターン19C3は、-Y方向に突出している。部分パターン19C2の一部は、平面視において、部分パターン18B3の一部と重なり合っている。部分パターン19C3の一部は、平面視において、部分パターン18D3の一部と重なり合っている。
キャパシタ電極19Eは、部分パターン(電極パターン)19E1~19E3を含む。部分パターン19E1は、後述するビア電極部20Eに接続されている。部分パターン19E2の一端は、部分パターン19E1に接続されている。部分パターン19E2は、-X方向に突出している。部分パターン19E3の一端は、部分パターン19E1に接続されている。部分パターン19E3は、-Y方向に突出している。部分パターン19E3の一部は、平面視において、部分パターン18D2の一部と重なり合っている。
誘電体基板14内には、遮蔽導体12Caに接続された電極パターン19a、19dと、遮蔽導体12Cbに接続された電極パターン19b、19cとが更に形成されている。電極パターン19aは、部分パターン19A1に対して-Y方向に位置している。電極パターン19bは、部分パターン19E1に対して+Y方向に位置している。電極パターン19cは、部分パターン18B1に対して+Y方向に位置している。電極パターン19dは、部分パターン18D1に対して-Y方向に位置している。
図1に示すように、誘電体基板14内には、ビア電極部20A~20Eが更に形成されている。なお、個々のビア電極部を区別せずに説明する際には、符号20を用い、個々のビア電極部を区別して説明する際には符号20A~20Eを用いる。
ビア電極部20は、複数のビア電極24によって構成されている。ビア電極24は、誘電体基板14に形成されたビアホールにそれぞれ埋め込まれている。
ビア電極部20B、20Dの一端(下端)は、キャパシタ電極18B、18Dに接続されている。ビア電極部20A、20C、20Eの一端(下端)は、キャパシタ電極19A、19C、19Eに接続されている。ビア電極部20の他端(上端)は、遮蔽導体12Bに接続されている。ビア電極部20の長手方向は、主面14a、14bの法線方向に沿っている。このように、ビア電極部20は、キャパシタ電極18、19から遮蔽導体12Bにかけて形成されている。
キャパシタ電極19Aとビア電極部20Aとにより、構造体16Aが構成されている。キャパシタ電極18Bとビア電極部20Bとにより、構造体16Bが構成されている。キャパシタ電極19Cとビア電極部20Cとにより、構造体16Cが構成されている。キャパシタ電極18Dとビア電極部20Dとにより、構造体16Dが構成されている。キャパシタ電極19Eとビア電極部20Eとにより、構造体16Eが構成されている。なお、個々の構造体を区別せずに説明する際には符号16を用い、個々の構造体を区別して説明する際には符号16A~16Eを用いる。
フィルタ10には、構造体16をそれぞれ含む複数の共振器11A~11Eが備えられている。なお、個々の共振器を区別せずに説明する際には、符号11を用い、個々の共振器を区別して説明する際には、符号11A~11Eを用いる。
共振器11Aと共振器11Bとは互いに隣接するように配列されている。共振器11Bと共振器11Cとは、互いに隣接するように配列されている。共振器11Cと共振器11Dとは、互いに隣接するように配列されている。共振器11Dと共振器11Eとは、互いに隣接するように配列されている。
図2に示すように、ビア電極部20Aとビア電極部20Bとビア電極部20Cとビア電極部20Dとビア電極部20Eは、X方向において互いにずらされている。ビア電極部20Cは、平面視における誘電体基板14の中心Cに位置している。平面視におけるビア電極部20Cの中心P3の位置は、平面視における誘電体基板14の中心Cの位置と合致している。
ビア電極部20Cの中心P3のX方向における位置は、ビア電極部20Aの中心P1のX方向における位置と、ビア電極部20Eの中心P5のX方向における位置との間である。好ましくは、ビア電極部20Cの中心P3のX方向における位置と、ビア電極部20Aの中心P1のX方向における位置との間の距離は、ビア電極部20Cの中心P3のX方向における位置と、ビア電極部20Eの中心P5のX方向における位置との間の距離と等しい。
同様に、ビア電極部20Cの中心P3のY方向における位置は、ビア電極部20Aの中心P1のY方向における位置と、ビア電極部20Eの中心P5のY方向における位置との間である。好ましくは、ビア電極部20Cの中心P3のY方向における位置と、ビア電極部20Aの中心P1のY方向における位置との間の距離は、ビア電極部20Cの中心P3のY方向における位置と、ビア電極部20Eの中心P5のY方向における位置との間の距離と等しい。
ビア電極部20Aの中心P1のY方向における位置と、ビア電極部20Dの中心P4のY方向における位置とは同等である。ビア電極部20Bの中心P2のY方向における位置と、ビア電極部20Eの中心P5のY方向における位置とは同等である。
ビア電極部20B及びビア電極部20Eは、ビア電極部20A及びビア電極部20Dに対して、Y方向においてずらされている。ビア電極部20A及びビア電極部20Dは、側面14e側に位置している。即ち、ビア電極部20A、20Dと遮蔽導体12Caとの間の距離は、ビア電極部20A、20Dと遮蔽導体12Cbとの間の距離より小さい。ビア電極部20B、20Eは、側面14f側に位置している。即ち、ビア電極部20B、20Eと遮蔽導体12Cbとの間の距離は、ビア電極部20B、20Eと遮蔽導体12Caとの間の距離より小さい。
ビア電極部20Bの中心P2のX方向における位置は、ビア電極部20Aの中心P1のX方向における位置と、ビア電極部20Cの中心P3のX方向における位置との間である。ビア電極部20Dの中心P4のX方向における位置は、ビア電極部20Cの中心P3のX方向における位置と、ビア電極部20Eの中心P5のX方向における位置との間である。
このように、本実施形態では、ビア電極部20Aの中心P1の位置とビア電極部20Bの中心P2の位置とが、X方向において互いにずらされているのみならず、Y方向においても互いにずらされている。このため、本実施形態によれば、ビア電極部20A、20B間のX方向における距離を大きくすることなく、ビア電極部20A、20B間の距離を大きくすることができる。
また、本実施形態によれば、ビア電極部20Bの中心P2の位置とビア電極部20Cの中心P3の位置とが、X方向において互いにずらされているのみならず、Y方向においても互いにずらされている。このため、本実施形態によれば、ビア電極部20B、20C間のX方向における距離を大きくすることなく、ビア電極部20B、20C間の距離を大きくすることができる。
また、本実施形態によれば、ビア電極部20Cの中心P3の位置とビア電極部20Dの中心P4の位置とが、X方向において互いにずらされているのみならず、Y方向においても互いにずらされている。このため、本実施形態によれば、ビア電極部20C、20D間のX方向における距離を大きくすることなく、ビア電極部20C、20D間の距離を大きくすることができる。
また、本実施形態によれば、ビア電極部20Dの中心P4の位置とビア電極部20Eの中心P5の位置とが、X方向において互いにずらされているのみならず、Y方向においても互いにずらされている。このため、本実施形態によれば、ビア電極部20D、20E間のX方向における距離を大きくすることなく、ビア電極部20D、20E間の距離を大きくすることができる。
このように、本実施形態によれば、隣接する共振器11A~11EのX方向における距離を大きくすることなく、隣接する共振器11A~11E間の結合度を小さくすることができる。従って、本実施形態によれば、フィルタ10のサイズを小さく保ちつつ、特性の良好なフィルタ10を得ることができる。
ビア電極部20Aの中心P1及びビア電極部20Dの中心P4のY方向における位置は、誘電体基板14の中心CのY方向における位置に対して、側面14e側に位置している。ビア電極部20Bの中心P2及びビア電極部20Eの中心P5のY方向における位置は、誘電体基板14の中心CのY方向における位置に対して、側面14f側に位置している。入出力端子22Aの中心及び入出力端子22Bの中心のY方向における位置は、誘電体基板14の中心CのY方向における位置と同等に設定されている。
5つのビア電極部20A~20Eのうち、入出力端子22Aに最も接近しているビア電極部20は、ビア電極部20Aである。ビア電極部20Aの中心P1の位置と入出力端子22Aの位置との間のX方向における距離は、ビア電極部20Bの中心P2の位置と入出力端子22Aの位置との間のX方向における距離よりも小さい。ビア電極部20Aの中心P1の位置と入出力端子22Aの位置との間のY方向における距離は、ビア電極部20Bの中心P2の位置と入出力端子22Aの位置との間のY方向における距離と同等である。
5つのビア電極部20A~20Eのうち、入出力端子22Bに最も接近しているビア電極部20は、ビア電極部20Eである。ビア電極部20Eの中心P5の位置と入出力端子22Bの位置との間のX方向における距離は、ビア電極部20Dの中心P4の位置と入出力端子22Bの位置との間のX方向における距離よりも小さい。ビア電極部20Eの中心P5の位置と入出力端子22Bの位置との間のY方向における距離は、ビア電極部20Dの中心P4の位置と入出力端子22Bの位置との間のY方向における距離と同等である。
共振器11A~11Eは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配されている。即ち、共振器11Aと共振器11Eとが、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配されている。また、共振器11Bと共振器11Dも、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配置されている。共振器11Cは、平面視における誘電体基板14の中心Cに位置している。本実施形態において、共振器11A~11Eを点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
図2に示すように、ビア電極部20A、20B、20D、20Eを構成する複数のビア電極24は、平面視において、仮想の円である仮想円26に沿って配列されている。複数のビア電極24を仮想円26に沿うように配列することによってビア電極部20が構成されているため、当該ビア電極部20は、当該仮想円26に対応する大径のビア電極のように振る舞い得る。ビア電極部20が比較的径の小さい複数のビア電極24によって構成されているため、製造プロセスの簡略化を図ることができる。また、径が比較的小さい複数のビア電極24によってビア電極部20が構成されているため、ビア電極部20の径のバラツキを小さくすることができる。また、径が比較的小さい複数のビア電極24によってビア電極部20が構成されているため、ビアに埋め込まれる銀等の材料が少なくて済み、コストダウンを実現することができる。
ビア電極部20Cは、部分電極部20Caと部分電極部20Cbとに分割されている。部分電極部20Caは、複数のビア電極24によって構成されている。部分電極部20Cbも、複数のビア電極24によって構成されている。部分電極部20Caと部分電極部20Cbとは、Y方向において互いに離間している。部分電極部20Caを構成する複数のビア電極24は、平面視において、仮想円26A(図16参照)の一部を構成する仮想円弧27Aに沿って配列されている。部分電極部20Cbを構成する複数のビア電極24は、平面視において、仮想円26B(図16参照)の一部を構成する仮想円弧27Bに沿って配列されている。個々の仮想円を区別せずに説明する際には、符号26を用い、個々の仮想円を区別して説明する際には、符号26A、26Bを用いる。個々の仮想円弧を区別せずに説明する際には、符号27を用い、個々の仮想円弧を区別して説明する際には、符号27A、27Bを用いる。
仮想円26Aの中心P3aと仮想円26Bの中心P3bとの間の距離s1(図16参照)は、例えば、0.2565mmに設定され得るが、これに限定されない。仮想円26の半径r1は、例えば0.29mmに設定され得るが、これに限定されない。換言すれば、仮想円26の直径は、0.58mmに設定され得るが、これに限定されない。ビア電極部20Bに対応する仮想円26と、ビア電極部20Cに対応する仮想円26とのX方向における間隙s2は、例えば0.595mmに設定され得るが、これに限定されない。仮想円26Aの中心P3aと仮想円26Bの中心P3bとの間の距離s1は、仮想円26A、26Bの半径r1の0.7倍以上であることが好ましい。本実施形態では、仮想円26Aの中心P3aと仮想円26Bの中心P3bとの間の距離s1は、仮想円26A、26Bの半径r1の0.884倍に設定されている。
本実施形態において、ビア電極部20Cを部分電極部20Caと部分電極部20Cbとに分割し、部分電極部20Caと部分電極部20CbとをY方向において互いに離間させているのは、以下のような理由による。即ち、ビア電極部20Cは、遮蔽導体12Ca、12Cbからの距離が比較的大きい。このため、フィルタ10を単に低背化した場合には、所望のフィルタ特性を得るために要するキャパシタ電極19Cのサイズが著しく小さくなる。キャパシタ電極19Cのサイズが著しく小さくなると、フィルタ10の製造が困難となる。これに対し、ビア電極部20Cを部分電極部20Caと部分電極部20Cbとに分割し、部分電極部20Caと部分電極部20CbとをY方向において互いに離間させると、以下のようになる。即ち、部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の距離が小さくなるとともに、部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の距離が小さくなる。部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の距離が小さくなるとともに、部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の距離が小さくなると、所望のフィルタ特性を得るために要するキャパシタ電極19Cのサイズが増加する。即ち、部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の距離が小さくなるとともに、部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の距離が小さくなると、所望のフィルタ特性を得るために要するキャパシタ電極19Cのサイズが適度なサイズとなり得る。このような理由により、本実施形態では、ビア電極部20Cを部分電極部20Caと部分電極部20Cbとに分割し、部分電極部20Caと部分電極部20CbとをY方向において互いに離間させている。
このように、本実施形態では、共振器11Cにおいては、ビア電極部20Cが部分電極部20Caと部分電極部20Cbとに分割され、部分電極部20Caと部分電極部20CbとがY方向において互いに離間されている。一方、共振器11Cを除く共振器11A、11B、11D、11Eにおいては、分割されていないビア電極部20A、20B、20D、20Eが1つずつ備えられている。
図8及び図9に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)72A~72Cが形成されている。結合容量電極72Aは、共振器11Bに備えられたビア電極部20Bに接続されている。結合容量電極72Bは、共振器11Dに備えられたビア電極部20Dに接続されている。結合容量電極72Cは、共振器11Cに備えられたビア電極部20Cに接続されている。結合容量電極72A~72Cは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極72A~72Cは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。個々の結合容量電極を区別せずに説明する際には、符号72を用い、個々の結合容量電極を区別して説明する際には、符号72A~72Cを用いる。結合容量電極72とキャパシタ電極19との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。
結合容量電極72は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極72Aと結合容量電極72Bとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極72Cは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合容量電極72を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
結合容量電極72Aは、部分パターン(電極パターン)72A1、72A2を含む。部分パターン72A1は、ビア電極部20Bに接続されている。部分パターン72A2の一端は、部分パターン72A1に接続されている。部分パターン72A2は、+X方向に突出している。部分パターン72A2の一部は、平面視において、部分パターン19C2の一部と重なり合っている。
結合容量電極72Bは、部分パターン(電極パターン)72B1、72B2を含む。部分パターン72B1は、ビア電極部20Dに接続されている。部分パターン72B2の一端は、部分パターン72B1に接続されている。部分パターン72B2は、-X方向に突出している。部分パターン72B2の一部は、平面視において、部分パターン19C3の一部と重なり合っている。
結合容量電極72Cは、部分パターン(電極パターン)72C1、72C2、72C3を含む。部分パターン72C1は、ビア電極部20Cに接続されている。部分パターン72C2の一端は、部分パターン72C1に接続されている。部分パターン72C2は、-Y方向に突出している。部分パターン72C2の一部は、平面視において、部分パターン19A2の一部と重なり合っている。部分パターン72C3の一端は、部分パターン72C1に接続されている。部分パターン72C3は、+Y方向に突出している。部分パターン72C3の一部は、平面視において、部分パターン19E2の一部と重なり合っている。
上述したように、部分パターン19A3の一部と、部分パターン18B2の一部とが、互いに重なり合っている。こうして、部分パターン19A3と部分パターン18B2とを含む容量結合構造71AB(図8参照)が構成されている。
上述したように、部分パターン19E3の一部と、部分パターン18D2の一部とが、互いに重なり合っている。こうして、部分パターン19E3と部分パターン18D2とを含む容量結合構造71DE(図8参照)が構成されている。
上述したように、部分パターン18B3の一部と、部分パターン19C2の一部と、部分パターン72A2の一部とが、互いに重なり合っている。こうして、部分パターン18B3と部分パターン19C2と部分パターン72A2とを含む容量結合構造71BC(図8参照)が構成されている。
上述したように、部分パターン18D3の一部と、部分パターン19C3の一部と、部分パターン72B2の一部とが、互いに重なり合っている。こうして、部分パターン18D3と部分パターン19C3と部分パターン72B2とを含む容量結合構造71CD(図8参照)が構成されている。
上述したように、部分パターン19A2の一部と、部分パターン72C2の一部とが、互いに重なり合っている。こうして、部分パターン19A2と部分パターン72C2とを含む容量結合構造71AC(図8参照)が構成されている。
上述したように、部分パターン19E2の一部と、部分パターン72C3の一部とが、互いに重なり合っている。こうして、部分パターン19E2と部分パターン72C3とを含む容量結合構造71CE(図8参照)が構成されている。個々の容量結合構造を区別せずに説明する際には、符号71を用い、個々の容量結合構造を区別して説明する際には、符号71AB、71BC、71CD、71DE、71AC、71CEを用いる。
本実施形態において、キャパシタ電極18、19の一部を構成する部分パターン18B2、18B3、18D2、18D3、19A2、19E2によって容量結合構造71の一部を構成しているのは、以下のような理由による。即ち、フィルタ10を単に低背化すると、良好なQ値が得られない。即ち、キャパシタ電極18、19と容量結合構造71とのZ方向における距離を比較的大きく設定した状態でフィルタ10を単に低背化した場合には、良好なQ値が得られない。これに対し、キャパシタ電極18、19と容量結合構造71とのZ方向における距離を比較的小さくすると、良好なQ値が得られる。そこで、本実施形態では、キャパシタ電極18の一部を構成する部分パターン18B2、18B3、18D2、18D3、19A2、19E2によって容量結合構造71の一部を構成している。即ち、本実施形態では、キャパシタ電極18、19と容量結合構造71とのZ方向における距離がゼロに設定されている。
図10及び図11に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)74A~74Eが形成されている。結合容量電極74Aは、共振器11Aに備えられたビア電極部20Aに接続されている。結合容量電極74Bは、共振器11Eに備えられたビア電極部20Eに接続されている。結合容量電極74Cは、共振器11Bに備えられたビア電極部20Bに接続されている。結合容量電極74Dは、共振器11Dに備えられたビア電極部20Dに接続されている。結合容量電極74Eは、共振器11Cに備えられたビア電極部20Cに接続されている。結合容量電極74A~74Eは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極74A~74Eは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。個々の結合容量電極を区別せずに説明する際には、符号74を用い、個々の結合容量電極を区別して説明する際には、符号74A~74Eを用いる。結合容量電極74と結合容量電極72との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。
結合容量電極74は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極74Aと結合容量電極74Bとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極74Cと結合容量電極74Dとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極74Eは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合容量電極74を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
図12及び図13に示すように、誘電体基板14内には、結合パターン76が形成されている。結合パターン76は、共振器11Bに備えられたビア電極部20Bと、共振器11Dに備えられたビア電極部20Dとに接続されている。結合パターン76には、開口76aが形成されている。共振器11Cに備えられたビア電極部20Cは、開口76aを貫いている。結合パターン76と結合容量電極74との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。
結合パターン76は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合パターン76を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
図14及び図15に示すように、誘電体基板14内には、結合パターン78が形成されている。結合パターン78は、共振器11Aに備えられたビア電極部20Aと、共振器11Eに備えられたビア電極部20Eとに接続されている。結合パターン78の一部は、部分電極部20Caと部分電極部20Cbとの間に位置している。結合パターン78と結合パターン76との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。
結合パターン78は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合パターン78を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
図2に示すように、誘電体基板14内には、入出力パターン80A、80Bが更に形成されている。入出力パターン80A、80Bは、同じ層に形成されている。換言すれば、入出力パターン80A、80Bは、同一の不図示のセラミックスシート上に形成されている。個々の入出力パターンを区別せずに説明する際には、符号80を用い、個々の入出力パターンを区別して説明する際には、符号80A、80Bを用いる。結合パターン78と入出力パターン80との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。
入出力パターン80Aは、部分パターン80A1、80A2を含む。部分パターン80A1の一端は、入出力端子22Aに接続されている。部分パターン80A1の他端は、部分パターン80A2に接続されている。部分パターン80A2は、ビア電極部20Aに接続されている。このように、入出力端子22Aは、入出力パターン80Aを介してビア電極部20Aに接続されている。
入出力パターン80Bは、部分パターン80B1、80B2を含む。部分パターン80B1の一端は、入出力端子22Bに接続されている。部分パターン80B1の他端は、部分パターン80B2に接続されている。部分パターン80B2は、ビア電極部20Eに接続されている。このように、入出力端子22Bは、入出力パターン80Bを介してビア電極部20Eに接続されている。
このように、入出力端子22Aが入出力パターン80Aを介してビア電極部20Aに導通しており、入出力端子22Bが入出力パターン80Bを介してビア電極部20Eに導通している。本実施形態では、入出力パターン80A、80BのZ方向における位置を適宜設定することにより、外部Qが適宜調整され得る。即ち、本実施形態では、ビア電極部20A、20Dの長手方向における入出力パターン80A、80Bの位置を適宜設定することにより、外部Qが適宜調整され得る。
図9に示すように、誘電体基板14内には、遮蔽ビア電極部81A、81Bが形成されている。個々の遮蔽ビア電極部を区別せずに説明する際には、符号81を用い、個々の遮蔽ビア電極部を区別して説明する際には、符号81A、81Bを用いる。
遮蔽ビア電極部81Aには、遮蔽ビア電極82Aと遮蔽ビア電極82Bとが備えられている。遮蔽ビア電極部81Bには、遮蔽ビア電極82Cと遮蔽ビア電極82Dとが備えられている。個々の遮蔽ビア電極を区別せずに説明する際には、符号82を用い、個々の遮蔽ビア電極を区別して説明する際には、符号82A~82Hを用いる。図1に示す例においては、1つの遮蔽ビア電極部81に2つの遮蔽ビア電極82が備えられているが、1つの遮蔽ビア電極部81が1つの遮蔽ビア電極82によって構成されてもよい。
遮蔽ビア電極部81の一端は、遮蔽導体12Aに接続されている。遮蔽ビア電極部81の他端は、遮蔽導体12Bに接続されている。
図11に示すように、遮蔽ビア電極部81Aは、ビア電極部20Bが位置する領域を+Y方向に延長した延長領域84A内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。即ち、遮蔽ビア電極部81Aは、ビア電極部20Bが位置する領域を遮蔽導体12Cbに向かって延長した延長領域84A内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。このように、遮蔽ビア電極部81Aは、延長領域84A内に選択的に形成されている。遮蔽ビア電極部81Aは、遮蔽導体12Cbの近傍に位置している。なお、ビア電極部20が位置する領域は、仮想円26に対応する領域である。
遮蔽ビア電極部81Bは、ビア電極部20Dが位置する領域を-Y方向に延長した延長領域84B内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。即ち、遮蔽ビア電極部81Bは、ビア電極部20Dが位置する領域を遮蔽導体12Caに向かって延長した延長領域84B内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。遮蔽ビア電極部81Bは、延長領域84B内に選択的に形成されている。遮蔽ビア電極部81Bは、遮蔽導体12Caの近傍に位置している。個々の延長領域を区別せずに説明する際には、符号84を用い、個々の延長領域を区別して説明する際には、符号84A、84Bを用いる。
本実施形態において、遮蔽ビア電極部81を形成しているのは、以下のような理由による。即ち、誘電体基板14を切断する際に位置ずれが生じると、ビア電極部20と側面14e、14fとの間の距離が変動する。ビア電極部20と側面14e、14fとの間の距離が変動すると、ビア電極部20と遮蔽導体12Ca、12Cbとの間の距離が変動する。ビア電極部20と遮蔽導体12Ca、12Cbとの間の距離の変動は、フィルタ特性等の変動を招く。一方、遮蔽ビア電極部81は、側面14e、14fに形成されるわけではないため、誘電体基板14を切断する際の位置ずれの影響を受けない。即ち、誘電体基板14を切断する際に位置ずれが生じた場合であっても、遮蔽ビア電極部81とビア電極部20との間の距離は変動しない。このような理由により、本実施形態では、遮蔽ビア電極部81を形成している。
本実施形態において、遮蔽ビア電極部81を延長領域84内に選択的に形成しているのは、以下のような理由による。即ち、遮蔽ビア電極部81は、誘電体基板14にレーザビームを照射することによってビアホールを形成し、当該ビアホールに導電体を埋め込むことによって形成され得る。即ち、遮蔽ビア電極部81を形成するためには、ある程度の工数を要する。このため、遮蔽ビア電極部81を側面14e、14fに沿って単に多数配列した場合には、良好な生産性が得られない。一方、延長領域84のみに遮蔽ビア電極部81を配置するだけでも、誘電体基板14を切断する際の位置ずれに起因するフィルタ特性等のばらつきを抑制し得る。このような理由により、本実施形態では、遮蔽ビア電極部81を延長領域84内に選択的に形成している。
このように、本実施形態によれば、共振器11Cに備えられたビア電極部20Cが、部分電極部20Caと部分電極部20Cbとに分割されており、部分電極部20Caと部分電極部20Cbとが、Y方向において互いに離間している。このため、本実施形態によれば、部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の距離が短くなるとともに、部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の距離が短くなる。部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の距離が短くなると、部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の結合容量が増加する。部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の距離が短くなると、部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の結合容量が増加する。このため、低背化に伴ってビア電極部20Cの長さが短くなった場合であっても、特性の劣化を抑制し得る。このように、本実施形態によれば、特性の劣化を抑制しつつ低背化を実現し得るフィルタ10を提供することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態によるフィルタについて図17~図33を用いて説明する。図17は、本実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図18は、本実施形態によるフィルタを示す平面図である。図19A及び図19Bは、本実施形態によるフィルタの一部を示す断面図である。図20及び図21は、本実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図22は、本実施形態によるフィルタを示す平面図である。図23は、本実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図24~図26は、本実施形態によるフィルタを示す平面図である。図27は、本実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図28は、本実施形態によるフィルタを示す平面図である。図29は、本実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図30は、本実施形態によるフィルタを示す平面図である。図31は、本実施形態によるフィルタを示す斜視図である。図32及び図33は、本実施形態によるフィルタを示す平面図である。簡略化を図るべく、図17~図33においては、一部の構成要素が適宜省略されている。図1~図16に示す第1実施形態によるフィルタと同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略又は簡潔にする。
図17に示すように、誘電体基板14内には、遮蔽導体12Aに対面するキャパシタ電極(ストリップ線路)18A~18Eが形成されている。キャパシタ電極18A~18Eは、同じ層に形成されている。換言すれば、キャパシタ電極18A~18Eは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。なお、個々のキャパシタ電極を区別せずに説明する際には、符号18を用い、個々のキャパシタ電極を区別して説明する際には、符号18A~18Eを用いる。
キャパシタ電極18は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。キャパシタ電極18Aとキャパシタ電極18Eとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。キャパシタ電極18Bとキャパシタ電極18Dとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。キャパシタ電極18Cは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、キャパシタ電極18を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
キャパシタ電極18Aは、ビア電極部20Aに接続されている。キャパシタ電極18Bは、ビア電極部20Bに接続されている。キャパシタ電極18Cは、ビア電極部20Cに接続されている。キャパシタ電極18Dは、ビア電極部20Dに接続されている。キャパシタ電極18Eは、ビア電極部20Eに接続されている。
誘電体基板14内には、遮蔽導体12Caに接続された電極パターン18aと、遮蔽導体12Cbに接続された電極パターン18bとが更に形成されている。
図18に示すように、ビア電極部20A、20B、20D、20Eを構成する複数のビア電極24は、第1実施形態と同様に、平面視において、仮想の円である仮想円26に沿って配列されている。
ビア電極部20Cは、第1実施形態と同様に、部分電極部20Caと部分電極部20Cbとに分割されている。本実施形態では、部分電極部20Caと部分電極部20CbとがY方向において大きく離間されている。本実施形態では、仮想円26Aの中心P3aと仮想円26Bの中心P3bとの間の距離s1(図33参照)は、例えば、1.2mmに設定され得るが、これに限定されない。仮想円26の半径r1は、例えば0.29mmに設定され得るが、これに限定されない。換言すれば、仮想円26の直径は、0.58mmに設定され得るが、これに限定されない。ビア電極部20Bに対応する仮想円26と、ビア電極部20Cに対応する仮想円26とのX方向における間隙s2は、例えば0.62mmに設定され得るが、これに限定されない。仮想円26Aの中心P3aと仮想円26Bの中心P3bとの間の距離s1は、仮想円26A、26Bの半径r1の0.7倍以上であることが好ましい。本実施形態では、仮想円26Aの中心P3aと仮想円26Bの中心P3bとの間の距離s1は、仮想円26A、26Bの半径r1の4.138倍に設定されている。
本実施形態では、部分電極部20Caと部分電極部20CbとがY方向において大きく離間している。このため、本実施形態では、部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の距離が充分に短くなるとともに、部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の距離が充分に短くなる。部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の距離が充分に短くなると、部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の結合容量が充分に増加する。部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の距離が充分に短くなると、部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の結合容量が充分に増加する。そうすると、ビア電極部20Cの長さが短くなった場合であっても、充分に良好な電気的特性が得られる。
このように、本実施形態では、共振器11Cにおいては、ビア電極部20Cが部分電極部20Caと部分電極部20Cbとに分割され、部分電極部20Caと部分電極部20CbとがY方向において互いに大きく離間されている。一方、共振器11Cを除く共振器11A、11B、11D、11Eにおいては、分割されていないビア電極部20A、20B、20D、20Eが1つずつ備えられている。
図23及び図24に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)86A~86Eが形成されている。結合容量電極86Aは、共振器11Aに備えられたビア電極部20Aに接続されている。結合容量電極86Bは、共振器11Eに備えられたビア電極部20Eに接続されている。結合容量電極86Cは、共振器11Bに備えられたビア電極部20Bに接続されている。結合容量電極86Dは、共振器11Dに備えられたビア電極部20Dに接続されている。結合容量電極86Eは、共振器11Cに備えられたビア電極部20Cに接続されている。結合容量電極86A~86Eは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極86A~86Eは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。個々の結合容量電極を区別せずに説明する際には、符号86を用い、個々の結合容量電極を区別して説明する際には、符号86A~86Eを用いる。結合容量電極86とキャパシタ電極18との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。
結合容量電極86は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極86Aと結合容量電極86Bとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極86Cと結合容量電極86Dとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極86Eは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合容量電極86を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
図24に示すように、結合容量電極86Aは、部分パターン(電極パターン)86A1~86A3を含む。部分パターン86A1は、ビア電極部20Aに接続されている。部分パターン86A2の一端は、部分パターン86A1に接続されている。部分パターン86A2は、+X方向に突出している。部分パターン86A3の一端は、部分パターン86A1に接続されている。部分パターン86A3は、+Y方向に突出している。
結合容量電極86Bは、部分パターン(電極パターン)86B1~86B3を含む。部分パターン86B1は、ビア電極部20Eに接続されている。部分パターン86B2の一端は、部分パターン86B1に接続されている。部分パターン86B2は、-X方向に突出している。部分パターン86B3の一端は、部分パターン86B1に接続されている。部分パターン86B3は、-Y方向に突出している。
結合容量電極86Cは、部分パターン(電極パターン)86C1~86C3を含む。部分パターン86C1は、ビア電極部20Bに接続されている。部分パターン86C2の一端は、部分パターン86C1に接続されている。部分パターン86C2は、-Y方向に突出している。部分パターン86C3の一端は、部分パターン86C1に接続されている。部分パターン86C3は、+X方向に突出している。
結合容量電極86Dは、部分パターン(電極パターン)86D1~86D3を含む。部分パターン86D1は、ビア電極部20Dに接続されている。部分パターン86D2の一端は、部分パターン86D1に接続されている。部分パターン86D2は、+Y方向に突出している。部分パターン86D3の一端は、部分パターン86D1に接続されている。部分パターン86D3は、-X方向に突出している。
結合容量電極86Eは、部分パターン(電極パターン)86E1~86E7を含む。部分パターン86E1は、平面視における誘電体基板14の中心Cに位置している。部分パターン86E1には、部分パターン86E2、86E3が接続されている。部分パターン86E2は、-X方向に突出している。部分パターン86E3は、+X方向に突出している。部分パターン86E2、86E3には、部分パターン86E4が接続されている。部分パターン86E4は、-Y方向に突出している。部分パターン86E4は、部分電極部20Caに接続されている。部分パターン86E1には、部分パターン86E5、86E6が接続されている。部分パターン86E5は、+X方向に突出している。部分パターン86E6は、-X方向に突出している。部分パターン86E5、86E6には、部分パターン86E7が接続されている。部分パターン86E7は、+Y方向に突出している。部分パターン86E7は、部分電極部20Cbに接続されている。
図23及び図25に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)88A~88Eが形成されている。結合容量電極88Aは、共振器11Aに備えられたビア電極部20Aに接続されている。結合容量電極88Bは、共振器11Eに備えられたビア電極部20Eに接続されている。結合容量電極88Cは、共振器11Bに備えられたビア電極部20Bに接続されている。結合容量電極88Dは、共振器11Dに備えられたビア電極部20Dに接続されている。結合容量電極88Eは、共振器11Cに備えられたビア電極部20Cに接続されている。結合容量電極88A~88Eは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極88A~88Eは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。個々の結合容量電極を区別せずに説明する際には、符号88を用い、個々の結合容量電極を区別して説明する際には、符号88A~88Eを用いる。結合容量電極88と結合容量電極86との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。
結合容量電極88は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極88Aと結合容量電極88Bとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極88Cと結合容量電極88Dとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極88Eは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合容量電極88を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
図25に示すように、結合容量電極88Aは、部分パターン(電極パターン)88A1~88A3を含む。部分パターン88A1は、ビア電極部20Aに接続されている。部分パターン88A2の一端は、部分パターン88A1に接続されている。部分パターン88A2は、+X方向に突出している。部分パターン88A3の一端は、部分パターン88A1に接続されている。部分パターン88A3は、+Y方向に突出している。
結合容量電極88Bは、部分パターン(電極パターン)88B1~88B3を含む。部分パターン88B1は、ビア電極部20Eに接続されている。部分パターン88B2の一端は、部分パターン88B1に接続されている。部分パターン88B2は、-X方向に突出している。部分パターン88B3の一端は、部分パターン88B1に接続されている。部分パターン88B3は、-Y方向に突出している。
結合容量電極88Cは、部分パターン(電極パターン)88C1~88C3を含む。部分パターン88C1は、ビア電極部20Bに接続されている。部分パターン88C2の一端は、部分パターン88C1に接続されている。部分パターン88C2は、-Y方向に突出している。部分パターン88C3の一端は、部分パターン88C1に接続されている。部分パターン88C3は、+X方向に突出している。
結合容量電極88Dは、部分パターン(電極パターン)88D1~88D3を含む。部分パターン88D1は、ビア電極部20Dに接続されている。部分パターン88D2の一端は、部分パターン88D1に接続されている。部分パターン88D2は、+Y方向に突出している。部分パターン88D3の一端は、部分パターン88D1に接続されている。部分パターン88D3は、-X方向に突出している。
結合容量電極88Eは、部分パターン(電極パターン)88E1~88E7を含む。部分パターン88E1は、平面視における誘電体基板14の中心Cに位置している。部分パターン88E1の一端には、部分パターン88E2が接続されている。部分パターン88E2は、部分電極部20Caに接続されている。部分パターン88E2には、部分パターン88E3、88E4が接続されている。部分パターン88E3は、-X方向に突出している。部分パターン88E4は、+X方向に突出している。部分パターン88E1の他端には、部分パターン88E5が接続されている。部分パターン88E5は、部分電極部20Cbに接続されている。部分パターン88E5には、部分パターン88E6、88E7が接続されている。部分パターン88E6は、+X方向に突出している。部分パターン88E7は、-X方向に突出している。
図23及び図26に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)90A~90Eが形成されている。結合容量電極90Aは、共振器11Aに備えられたビア電極部20Aに接続されている。結合容量電極90Bは、共振器11Eに備えられたビア電極部20Eに接続されている。結合容量電極90Cは、共振器11Bに備えられたビア電極部20Bに接続されている。結合容量電極90Dは、共振器11Dに備えられたビア電極部20Dに接続されている。結合容量電極90Eは、共振器11Cに備えられたビア電極部20Cに接続されている。結合容量電極90A~90Eは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極90A~90Eは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。個々の結合容量電極を区別せずに説明する際には、符号90を用い、個々の結合容量電極を区別して説明する際には、符号90A~90Eを用いる。結合容量電極90と結合容量電極88との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。
結合容量電極90は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極90Aと結合容量電極90Bとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極90Cと結合容量電極90Dとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極90Eは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合容量電極90を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
図26に示すように、結合容量電極90Aは、部分パターン(電極パターン)90A1~90A3を含む。部分パターン90A1は、ビア電極部20Aに接続されている。部分パターン90A2の一端は、部分パターン90A1に接続されている。部分パターン90A2は、+X方向に突出している。部分パターン90A3の一端は、部分パターン90A1に接続されている。部分パターン90A3は、+Y方向に突出している。
結合容量電極90Bは、部分パターン(電極パターン)90B1~90B3を含む。部分パターン90B1は、ビア電極部20Eに接続されている。部分パターン90B2の一端は、部分パターン90B1に接続されている。部分パターン90B2は、-X方向に突出している。部分パターン90B3の一端は、部分パターン90B1に接続されている。部分パターン90B3は、-Y方向に突出している。
結合容量電極90Cは、部分パターン(電極パターン)90C1~90C3を含む。部分パターン90C1は、ビア電極部20Bに接続されている。部分パターン90C2の一端は、部分パターン90C1に接続されている。部分パターン90C2は、-Y方向に突出している。部分パターン90C3の一端は、部分パターン90C1に接続されている。部分パターン90C3は、+X方向に突出している。
結合容量電極90Dは、部分パターン(電極パターン)90D1~90D3を含む。部分パターン90D1は、ビア電極部20Dに接続されている。部分パターン90D2の一端は、部分パターン90D1に接続されている。部分パターン90D2は、+Y方向に突出している。部分パターン90D3の一端は、部分パターン90D1に接続されている。部分パターン90D3は、-X方向に突出している。
結合容量電極90Eは、部分パターン(電極パターン)90E1~90E7を含む。部分パターン90E1は、平面視における誘電体基板14の中心Cに位置している。部分パターン90E1には、部分パターン90E2、90E3が接続されている。部分パターン90E2は、-X方向に突出している。部分パターン90E3は、+X方向に突出している。部分パターン90E2、90E3には、部分パターン90E4が接続されている。部分パターン90E4は、-Y方向に突出している。部分パターン90E4は、部分電極部20Caに接続されている。部分パターン90E1には、部分パターン90E5、90E6が接続されている。部分パターン90E5は、+X方向に突出している。部分パターン90E6は、-X方向に突出している。部分パターン90E5、90E6には、部分パターン90E7が接続されている。部分パターン90E7は、+Y方向に突出している。部分パターン90E7は、部分電極部20Cbに接続されている。
結合容量電極86の一部と結合容量電極88の一部と結合容量電極90の一部とが、平面視において互いに重なり合っている。これにより、複数の容量結合構造71(図23参照)が形成されている。
キャパシタ電極18と容量結合構造71との間のZ方向における距離d1(図19A参照)は、遮蔽導体12Aとキャパシタ電極18との間のZ方向における距離d2(図19A参照)の2倍以下に設定され得る。より好ましくは、距離d1は、距離d2の1.5倍以下に設定され得る。本実施形態では、距離d1は、例えば0.12mmに設定されている。また、本実施形態では、距離d2は、例えば0.12mmに設定されている。本実施形態では、距離d1は、距離d2の1倍に設定されている。
図27及び図28に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)92A~92Eが形成されている。結合容量電極92Aは、共振器11Aに備えられたビア電極部20Aに接続されている。結合容量電極92Bは、共振器11Eに備えられたビア電極部20Eに接続されている。結合容量電極92Cは、共振器11Bに備えられたビア電極部20Bに接続されている。結合容量電極92Dは、共振器11Dに備えられたビア電極部20Dに接続されている。結合容量電極92Eは、共振器11Cに備えられたビア電極部20Cに接続されている。結合容量電極92A~92Eは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極92A~92Eは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。個々の結合容量電極を区別せずに説明する際には、符号92を用い、個々の結合容量電極を区別して説明する際には、符号92A~92Eを用いる。結合容量電極92と結合容量電極90との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。
結合容量電極92は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極92Aと結合容量電極92Bとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極92Cと結合容量電極92Dとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極92Eは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合容量電極92を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
図29及び図30に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)94A、94Bが形成されている。結合容量電極94Aは、共振器11Aに備えられたビア電極部20Aに接続されている。結合容量電極94Bは、共振器11Eに備えられたビア電極部20Eに接続されている。結合容量電極94A、94Bは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極94A、94Bは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。個々の結合容量電極を区別せずに説明する際には、符号94を用い、個々の結合容量電極を区別して説明する際には、符号94A、94Bを用いる。結合容量電極94と結合容量電極92との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。
結合容量電極94は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。結合容量電極94Aと結合容量電極94Bとは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合容量電極94を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
図31及び図32に示すように、誘電体基板14内には、結合パターン96が形成されている。結合パターン96は、共振器11Bに備えられたビア電極部20Bと、共振器11Dに備えられたビア電極部20Dとに接続されている。結合パターン96と結合容量電極94との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。
結合パターン96は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合パターン96を点対称に形成しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
結合パターン96は、入出力パターン80A、80Bと同じ層に形成されている。換言すれば、結合パターン96と入出力パターン80A、80Bとは、同一の不図示のセラミックスシート上に形成されている。結合パターン96と結合容量電極94との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。
このように、部分電極部20Caと部分電極部20CbとがY方向において大きく離間していてもよい。本実施形態では、部分電極部20Caと部分電極部20CbとがY方向において大きく離間しているため、部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の距離が充分に短くなるとともに、部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の距離が充分に短くなる。部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の距離が充分に短くなると、部分電極部20Caと遮蔽導体12Caとの間の結合容量が充分に増加する。部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の距離が充分に短くなると、部分電極部20Cbと遮蔽導体12Cbとの間の結合容量が充分に増加する。このため、低背化に伴ってビア電極部20Cの長さが短くなった場合であっても、特性の劣化を充分に抑制し得る。このように、本実施形態によれば、特性の劣化を抑制しつつ低背化を実現し得るフィルタ10を提供することができる。
本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を取り得る。
上記の実施形態から把握し得る発明について、以下に記載する。
フィルタ(10)は、第1主面(14b)と、前記第1主面の反対側に位置する第2主面(14a)と、複数の側面(14c~14f)とを有する誘電体基板(14)と、前記誘電体基板の前記第1主面側に形成された第1遮蔽導体(12A)と、前記誘電体基板の前記第2主面側に形成された第2遮蔽導体(12B)と、複数の前記側面のうちの第1側面に形成された第3遮蔽導体(12Ca)と、複数の前記側面のうちの第2側面に形成された第4遮蔽導体(12Cb)と、前記誘電体基板内に形成されているとともに複数のビア電極(24)から構成されたビア電極部(20A~20E)と、前記第1遮蔽導体に対面するとともに前記ビア電極部の一端に接続されたキャパシタ電極(18A~18E、19A、19C、19E)とをそれぞれ備える複数の共振器(11A~11E)とを備え、前記第1側面及び前記第2側面は、前記誘電体基板の長手方向である第1方向(X)に沿う側面であり、平面視における前記誘電体基板の中心(C)には、複数の前記共振器のうちの第1共振器(11C)が位置しており、前記第1共振器に備えられた前記ビア電極部である第1ビア電極部(20C)は、第1部分電極部(20Ca)と第2部分電極部(20Cb)とに分割されており、前記第1部分電極部と前記第2部分電極部とは、前記第1側面の法線方向に沿う方向である第2方向(Y)において互いに離間しており、前記第1共振器を除く複数の前記共振器(11A、11B、11D、11E)の各々には、分割されていない前記ビア電極部(20A、20B、20D、20E)が1つずつ備えられている。このような構成によれば、特性の劣化を抑制しつつ低背化を実現し得るフィルタを提供することができる。
上記のフィルタにおいて、前記第1部分電極部を構成する複数の前記ビア電極は、平面視において、第1仮想円(26A)の一部である第1仮想円弧(27A)に沿って配列されており、前記第2部分電極部を構成する複数の前記ビア電極は、平面視において、第2仮想円(26B)の一部である第2仮想円弧(27B)に沿って配列されていてもよい。
上記のフィルタにおいて、前記第1仮想円の中心と第2仮想円の中心との間の距離(s1)は、前記第1仮想円の半径(r1)の0.7倍以上であってもよい。