JP2024001415A - プロスタグランジンe2産生抑制剤及び抗炎症剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性の高い天然物由来の物質の中からプロスタグランジンE2産生抑制作用を有するものを見出し、それを有効成分とするプロスタグランジンE2産生抑制剤及び抗炎症剤を提供する。【解決手段】プロスタグランジンE2産生抑制剤及び抗炎症剤は、オリーブ抽出物と、グリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとを有効成分として含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、プロスタグランジンE2産生抑制剤及び抗炎症剤に関する。
炎症性疾患、例えば、接触性皮膚炎(かぶれ)、乾癬、尋常性天疱瘡、アトピー性皮膚炎、その他肌荒れを伴う各種皮膚炎症性疾患などの原因及び発症機構は、多種多様である。その原因として、プロスタグランジンE2(PGE2)の産生量の増加によるものなどが知られている。
炎症は、発赤、浮腫、発熱、痛み、痒み、機能障害等の症状を示す複雑な反応である。例えば、皮膚においては、紫外線が曝露されたり、刺激性物質と接触したりすると、皮膚内で炎症性サイトカイン等が生成され、皮膚炎症が引き起こされる。その結果、皮膚組織がダメージを受け、肌荒れ、発赤、浮腫、色素沈着等の諸症状が生じるようになる。
炎症性サイトカインの一つとして、プロスタグランジンE2(PGE2)が挙げられる。PGE2は、皮膚においては例えば角化細胞(ケラチノサイト)等で産生され、皮膚炎症を誘発する原因となる。このため、皮膚炎症を予防、治療又は改善する方法として、角化細胞でのPGE2の産生を抑制することが考えられる。従来、角化細胞におけるPGE2産生抑制作用を有する成分として、例えば、ペンタエリスリトール等が知られている(特許文献1参照)。
特開2015-214533号公報
本発明は、安全性の高い天然物由来の物質の中からプロスタグランジンE2産生抑制作用を有するものを見出し、それを有効成分とするプロスタグランジンE2産生抑制剤及び抗炎症剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のプロスタグランジンE2産生抑制剤及び抗炎症剤は、オリーブ抽出物と、グリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとを有効成分として含有する。
本発明によれば、優れたプロスタグランジンE2産生抑制作用を有し、安全性の高いプロスタグランジンE2産生抑制剤及び抗炎症剤を提供することができる。
本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本実施形態に係るプロスタグランジンE2産生抑制剤及び抗炎症剤は、いずれも、オリーブ抽出物と、グリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとの混合物を有効成分として含有する。
グリチルリチン酸ジカリウムは、グリチルリチン酸と水酸化カリウム(KOH)等とを反応させることにより得ることができ、グリチルリチン酸は、グリチルリチン酸を含有する植物抽出物から単離・精製することにより得ることができる。
グリチルレチン酸ステアリルは、公知の化合物であって、公知の方法により合成することができる。例えば、グリチルレチン酸ステアリルは、グリチルリチン酸を含有する植物抽出物から単離・精製することにより得られるグリチルリチン酸を、酸(塩酸、硫酸等)の水溶液を用いた加水分解によりグリチルレチン酸を得て、当該グリチルレチン酸とステアリルアルコールとのエステル化反応により合成することができる。
本実施形態において「抽出物」には、上記植物を抽出原料として得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
本実施形態における有効成分としてのオリーブ抽出物を得るために使用される抽出原料であるオリーブ(学名:Olea europaea)は、モクセイ科に属する常緑高木植物である。果実から採取されたオリーブ油は、食用、薬用、化粧品用として利用されている。オリーブは、地中海沿岸や、中国などをはじめとしたアジアで栽培されており、これらの地域から容易に入手可能である。抽出原料としては、オリーブの葉部、枝部、樹皮部などを使用することができるが、葉部を使用するのが好ましい。
オリーブ抽出物及びグリチルリチン酸を含有する植物抽出物は、植物の抽出に一般に用いられている方法によって得ることができる。グリチルリチン酸を含有する植物としては、例えば、甘草等が挙げられる。
甘草は、マメ科カンゾウ属に属する多年生草本である。当該甘草としては、例えば、グリチルリーザ・グラブラ(Glychyrrhiza glabra)、グリチルリーザ・インフラータ(Glychyrrhiza inflata)、グリチルリーザ・ウラレンシス(Glychyrrhiza uralensis)、グリチルリーザ・アスペラ(Glychyrrhiza aspera)、グリチルリーザ・ユーリカルパ(Glychyrrhiza eurycarpa)、グリチルリーザ・パリディフロラ(Glychyrrhiza pallidiflora)、グリチルリーザ・ユンナネンシス(Glychyrrhiza yunnanensis)、グリチルリーザ・レピドタ(Glychyrrhiza lepidota)、グリチルリーザ・エキナタ(Glychyrrhiza echinata)、グリチルリーザ・アカンソカルパ(Glychyrrhiza acanthocarpa)等の種が存在する。これらのうち、いずれの種類の甘草を抽出原料として使用してもよいが、特にグリチルリーザ・グラブラ(Glychyrrhiza glabra)を抽出原料として使用することが好ましい。
抽出原料として使用し得る甘草の構成部位としては、例えば、葉部、枝部、樹皮部、幹部、茎部、果実部、花部等の地上部、根部又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは根部である。
上記抽出物は、抽出原料を乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、植物の極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
抽出溶媒としては、極性溶媒を使用するのが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用するのが好ましい。
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本実施形態において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2~5の多価アルコール等が挙げられる。
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して低級脂肪族アルコール1~90容量部を混合することが好ましく、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して低級脂肪族ケトン1~40容量部を混合することが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して多価アルコール10~90容量部を混合することが好ましい。
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に制限されず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5~15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液から溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥すると乾燥物が得られる。
以上のようにして得られた、グリチルリチン酸を含有する抽出液、当該抽出液の濃縮物又は当該抽出液の乾燥物からグリチルリチン酸を単離・精製する方法は、特に限定されるものではなく、常法により行うことができる。例えば、植物抽出物を、シリカゲルやアルミナ等の多孔質物質、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体やポリメタクリレート等の多孔性樹脂等を用いたカラムクロマトグラフィーに付して、水、アルコールの順で溶出させ、アルコールで溶出される画分としてグリチルリチン酸を得ることができる。
カラムクロマトグラフィーにて溶出液として使用し得るアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級脂肪族アルコール又はそれらの水溶液等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
さらに、カラムクロマトグラフィーにより得られたアルコール画分を、ODSを用いた逆相シリカゲルクロマトグラフィー、再結晶、液-液向流抽出、イオン交換樹脂を用いたカラムクロマトグラフィー等の任意の有機化合物精製手段を用いて精製してもよい。
このようにして得られるグリチルリチン酸を、常法により水酸化カリウム(KOH)等と反応させることで、グリチルリチン酸ジカリウムを得ることができる。また、当該グリチルリチン酸を、常法により酸(塩酸、硫酸等)の水溶液を用いて加水分解することでグリチルレチン酸を得て、当該グリチルレチン酸とステアリルアルコールとエステル化反応をさせることで、グリチルレチン酸ステアリルを得ることができる。
以上のようにして得られるオリーブ抽出物とグリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとの混合物は、プロスタグランジンE2産生抑制作用を有しているため、その作用を利用してプロスタグランジンE2産生抑制剤の有効成分として使用することができる。
また、オリーブ抽出物とグリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとの混合物は、上記作用を利用して抗炎症剤の有効成分として使用することができる。ここで、オリーブ抽出物とグリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとの混合物が有する抗炎症作用は、プロスタグランジンE2産生抑制作用に基づいて発揮されるのが好ましい。ただし、オリーブ抽出物とグリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとの混合物が有する抗炎症作用は、プロスタグランジンE2産生抑制作用に基づいて発揮される抗炎症作用に限定されるものではない。
本実施形態のプロスタグランジンE2産生抑制剤及び抗炎症剤は、オリーブ抽出物とグリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとの混合物のみからなるものであってもよいし、オリーブ抽出物とグリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとの混合物を製剤化したものであってもよい。
オリーブ抽出物とグリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとの混合物は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味・矯臭剤等を用いることができる。オリーブ抽出物とグリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとの混合物は、他の組成物(例えば、皮膚化粧料等)に配合して使用することができるほか、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として使用することができる。
なお、本実施形態のプロスタグランジンE2産生抑制剤及び抗炎症剤は、必要に応じて、プロスタグランジンE2産生抑制作用を有する他の天然抽出物を配合して有効成分として用いることができる。
本実施形態のプロスタグランジンE2産生抑制剤及び抗炎症剤において、オリーブ抽出物と、グリチルリチン酸ジカリウムとの混合物を有効成分として用いる場合、両者の配合比(質量基準)は、所望とするプロスタグランジンE2産生抑制作用や抗炎症作用が奏され得る限りにおいて特に制限されないが、例えば、0.1:1~10:1の範囲内であればよく、0.4:1~7.5:1の範囲内であるのが好ましい。また、オリーブ抽出物と、グリチルレチン酸ステアリルとの混合物を有効成分として用いる場合、両者の配合比(質量基準)は、所望とするプロスタグランジンE2産生抑制作用や抗炎症作用が奏され得る限りにおいて特に制限されないが、例えば、0.1:1~10:1の範囲内であればよく、0.4:1~7.5:1の範囲内であるのが好ましい。さらに、オリーブ抽出物と、グリチルレチン酸ステアリルと、グリチルリチン酸ジカリウムとの混合物を有効成分として用いる場合、オリーブ抽出物1質量部に対し、グリチルレチン酸ステアリル及びグリチルリチン酸ジカリウムの合計質量が0.1~5質量部であればよく、この場合において、グリチルレチン酸ステアリルと、グリチルリチン酸ジカリウムとの配合比(質量基準)は、例えば、0.01:99.99~99.99: 0.01の範囲内であればよい。
本実施形態のプロスタグランジンE2産生抑制剤及び抗炎症剤の投与方法としては、一般に経皮投与、経口投与等が挙げられるが、疾患の種類に応じて、その予防・治療等に好適な方法を適宜選択すればよい。また、本実施形態のプロスタグランジンE2産生抑制剤及び抗炎症剤の投与量も、疾患の種類、重症度、患者の個人差、投与方法、投与期間等によって適宜増減すればよい。
本実施形態のプロスタグランジンE2産生抑制剤は、オリーブ抽出物とグリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとの併用による顕著なプロスタグランジンE2産生抑制作用を通じて、刺激性物質の接触による接触性皮膚炎(かぶれ);乾癬、尋常性天疱瘡、その他肌荒れに伴う各種皮膚炎症性疾患;紫外線曝露による発赤、紅斑、色素沈着等の皮膚炎症等を予防、治療又は改善することができる。ただし、本実施形態のプロスタグランジンE2産生抑制剤は、これらの用途以外にもプロスタグランジンE2産生抑制作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
本実施形態の抗炎症剤は、オリーブ抽出物とグリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとの併用による顕著なプロスタグランジンE2産生抑制作用を通じて、刺激性物質の接触による接触性皮膚炎(かぶれ);乾癬、尋常性天疱瘡、その他肌荒れに伴う各種皮膚炎症性疾患;紫外線曝露による発赤、紅斑、色素沈着等の皮膚炎症等を予防、治療又は改善することができる。ただし、本実施形態の抗炎症剤は、これらの用途以外にもプロスタグランジンE2産生抑制作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
また、本実施形態のプロスタグランジンE2産生抑制剤又は抗炎症剤は、優れたプロスタグランジンE2産生抑制作用を有するため、例えば、皮膚外用剤又は経口組成物に配合するのに好適である。この場合に、オリーブ抽出物とグリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとの混合物をそのまま配合してもよいし、オリーブ抽出物とグリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとの混合物から製剤化したプロスタグランジンE2産生抑制剤又は抗炎症剤を配合してもよい。
ここで、皮膚外用剤としては、その区分に制限はなく、経皮的に使用される皮膚化粧料、医薬部外品、医薬品等を幅広く含むものであり、具体的には、例えば、軟膏、クリーム、乳液、美容液、ローション、パック、ファンデーション、リップクリーム、入浴剤、ヘアートニック、ヘアーローション、石鹸、ボディシャンプー等が挙げられる。
皮膚外用剤におけるオリーブ抽出物とグリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとの混合物の配合量は、皮膚外用剤の種類に応じて適宜調整することができるが、好適な配合率は、0.0001~10質量%であり、特に好適な配合率は、0.001~1質量%である。
経口組成物とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品等の区分に制限されるものではない。したがって、本実施形態における「経口組成物」は、経口的に摂取される一般食品、飼料、健康食品、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)、医薬部外品、医薬品等を幅広く含むものである。本実施形態における経口組成物は、当該経口組成物又はその包装に、オリーブ抽出物とグリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとの混合物が有する好ましい作用を表示することのできる経口組成物であることが好ましく、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)、医薬部外品又は医薬品であることが特に好ましい。
経口組成物におけるオリーブ抽出物とグリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとの混合物の配合量は、使用目的、症状、性別等を考慮して適宜変更することができるが、添加対象となる経口組成物の一般的な摂取量を考慮して、成人1日あたりの抽出物摂取量が約1~1000mgになるようにするのが好ましい。なお、添加対象経口組成物が顆粒状、錠剤状又はカプセル状の場合、オリーブ抽出物とグリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとの混合物の添加量は、添加対象経口組成物に対して通常0.0001~10質量%であり、好ましくは0.001~1質量% である。
また、本実施形態のプロスタグランジンE2産生抑制剤又は抗炎症剤は、優れたプロスタグランジンE2産生抑制作用を有するので、この作用機構に関する研究のための試薬としても好適に利用することができる。
なお、本実施形態のプロスタグランジンE2産生抑制剤及び抗炎症剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
以下、試験例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の試験例等に何ら限定されるものではない。なお、下記の試験例における試料として、グリチルレチン酸ステアリル及びグリチルリチン酸ジカリウム(いずれも丸善製薬社製)を使用した。
[製造例1]オリーブ抽出物の製造
オリーブの葉部の乾燥物100gに50容量%エタノール溶液1500mLを加え、還流抽出器を用いて80~90℃にて2時間抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥し、オリーブ抽出物(20g)を得た。
[試験例1]プロスタグランジンE2産生抑制作用試験
上記製造例1にて得られたオリーブ抽出物と、グリチルレチン酸ステアリル及びグリチルリチン酸ジカリウム(いずれも丸善製薬社製)とを試料として用い、以下のようにしてプロスタグランジンE2産生抑制作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理により回収した。回収した細胞を1.0×10cells/mLの細胞密度になるようにKGMで希釈した後、コラーゲンコートした48ウェルプレートに1ウェル当たり200μLずつ播種し、一晩培養した。細胞が定着したことを確認した後、基礎培地(KBM)200μLにて、24時間培養した。培養終了後、既に存在するCOX-1及び少量発現しているCOX-2をアセチル化し失活させるため、500μmol/Lアスピリン含有KBMを200μL加え、4時間培養した。4時間後に、細胞をPBS(-)で3回洗浄し、100μLのPBS(-)を加えUVB照射(60mJ/cm)を行い、その後KBMで必要濃度に溶解した試料(試料濃度は表1及び表2を参照)を各ウェルに400μLずつ添加し、37℃、5%CO下で24時間培養した。培養終了後、各ウェルの培養上清中のプロスタグランジンE2量(pg/mL)をPGE2 EIA Kit(Cayman Chemical社製)を用いて定量した。
上記試験の結果を表1及び表2に示す。
Figure 2024001415000001
Figure 2024001415000002
表1及び表2に示すように、オリーブ抽出物と、グリチルレチン酸ステアリル又はグリチルリチン酸ジカリウムとを混合し併用することで、優れたプロスタグランジンE2産生抑制作用を奏することが確認された。
本実施形態に係るプロスタグランジンE2産生抑制剤及び抗炎症剤は、特に皮膚炎症性疾患、例えば、刺激性物質の接触による接触性皮膚炎(かぶれ);乾癬、尋常性天疱瘡、その他肌荒れに伴う各種皮膚炎症性疾患;紫外線曝露による発赤、紅斑、色素沈着等の皮膚炎症等の予防、治療又は改善等に大きく貢献することができる。

Claims (2)

  1. オリーブ抽出物と、グリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとを有効成分として含有することを特徴とするプロスタグランジンE2産生抑制剤。
  2. オリーブ抽出物と、グリチルレチン酸ステアリル及び/又はグリチルリチン酸ジカリウムとを有効成分として含有することを特徴とする抗炎症剤。
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