JP2024000322A - シミュレーション装置、およびプログラム - Google Patents

シミュレーション装置、およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2024000322A
JP2024000322A JP2022099046A JP2022099046A JP2024000322A JP 2024000322 A JP2024000322 A JP 2024000322A JP 2022099046 A JP2022099046 A JP 2022099046A JP 2022099046 A JP2022099046 A JP 2022099046A JP 2024000322 A JP2024000322 A JP 2024000322A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calculation
curable composition
behavior
calculation method
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022099046A
Other languages
English (en)
Inventor
健 勝田
Takeshi Katsuta
雄一郎 大口
Yuichiro Oguchi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2022099046A priority Critical patent/JP2024000322A/ja
Priority to US18/329,669 priority patent/US20230409779A1/en
Priority to TW112121441A priority patent/TW202403846A/zh
Priority to KR1020230076039A priority patent/KR20230174169A/ko
Publication of JP2024000322A publication Critical patent/JP2024000322A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F30/00Computer-aided design [CAD]
    • G06F30/20Design optimisation, verification or simulation
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/0002Lithographic processes using patterning methods other than those involving the exposure to radiation, e.g. by stamping
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F2111/00Details relating to CAD techniques
    • G06F2111/10Numerical modelling
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F2113/00Details relating to the application field
    • G06F2113/08Fluids
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F2113/00Details relating to the application field
    • G06F2113/18Chip packaging
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F2119/00Details relating to the type or aim of the analysis or the optimisation
    • G06F2119/18Manufacturability analysis or optimisation for manufacturability

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Evolutionary Computation (AREA)
  • Geometry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Complex Calculations (AREA)

Abstract

Figure 2024000322000001
【課題】膜形成処理のパラメータセットの決定時間を短縮するために有利なシミュレーション技術を提供する。
【解決手段】膜形成処理における硬化性組成物の挙動を予測するシミュレーション装置は、第1計算方法と、該第1計算方法に比べて計算時間が短縮される第2計算方法とのうちから選択された計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する処理部を有する。処理部は、膜形成処理の複数の仮パラメータセットのそれぞれを適用して第2計算方法により硬化性組成物の挙動計算を実行し、複数の仮パラメータセットのそれぞれのうち、挙動計算の結果が所定の評価基準を満たすパラメータセットを決定し、決定されたパラメータセットを適用して、第1計算方法により硬化性組成物の挙動計算を実行する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、シミュレーション装置、およびプログラムに関する。
基板上に硬化性組成物を配置し、硬化性組成物を型と接触させ、硬化性組成物を硬化させることによって基板上に硬化性組成物からなる膜を形成する膜形成技術がある。このような膜形成技術は、インプリント技術や平坦化技術に適用される。インプリント技術では、パターン領域を有する型を用いて、基板上の硬化性組成物と型のパターン領域とを接触させて硬化性組成物を硬化させることによって基板上の硬化性組成物に型のパターンが転写される。平坦化技術では、平坦面を有する型を用いて、基板上の硬化性組成物と平坦面とを接触させて硬化性組成物を硬化させることによって平坦な上面を有する膜が形成される。
基板上には、硬化性組成物が液滴の状態で配置され、その後、硬化性組成物の液滴に型が押し付けられる。これにより、基板上の硬化性組成物の液滴が広がって硬化性組成物の膜が形成される。この際、厚さが均一な硬化性組成物の膜を形成することや膜に気泡が残存しないことなどが重要であり、これを実現するために、硬化性組成物の液滴の配置や硬化性組成物への型の押し付けの方法及び条件等が調整される。このような調整を、装置を用いた試行錯誤によって実現する場合、膨大な時間と費用とを必要とする。そこで、このような調整を支援するシミュレータの利用が望まれている。
特許文献1には、硬化性組成物の膜を形成する処理における該硬化性組成物の挙動をより短時間で計算するために有利なシミュレーション方法が記載されている。硬化性組成物の複数の液滴が1つの計算要素に収まるように複数の計算要素からなる計算格子を定義し、各計算要素内における硬化性組成物の挙動を、各計算要素内における硬化性組成物の状態に応じたモデルに従って求めることで計算の高速化を実現している。
このように、計算の高速化により、調整にシミュレーションが積極的に利用されるようになり、実機による試行錯誤の手間が軽減される。
特開2020-123719号公報
インプリント装置等の膜形成装置では、量産工程の前に、基板に供給する硬化性組成物の液滴(ドロップ)の量および配置をドロップレシピとして決定する工程がある。ドロップレシピの良否を確認するためには、実際にインプリントを行って硬化性組成物の未充填や浸み出しを確認する作業を行う。ドロップレシピを決定するためには、通常、ドロップレシピのパラメータを変更しながらこの確認作業が複数回行われることになる。
この確認作業の回数を減らすために、シミュレーションを用いてドロップレシピを決定する方法がある。実際にインプリントを実行することなく計算によってドロップレシピの良否を予測できるため、インプリントの回数が削減され、インプリント条件の集合であるパラメータセットの決定時間が短縮される効果がある。
充填シミュレーションによりドロップレシピを決定する手順は、計算結果を参照して次の計算条件を作成し、再度計算を行うループを複数回行う。そのため、配置や量の探索範囲を広くすると、計算回数が増加し、決定に時間がかかる問題がある。
従来の充填シミュレーションでは、主に組成物流動と型変形との流体構造に関する連成解析が行われる。この解析では、計算精度を上げるために複数の物理現象を考慮して計算が行われる。複数の物理現象を考慮した連成計算は、1回あたりの計算時間が長くなる傾向がある。ドロップの配置や量の優劣を決める際には必ずしもすべての計算において高精度な計算を行う必要はないため、簡易的な計算手法により1回の計算時間を短縮することが望まれる。
本発明は、膜形成処理のパラメータセットの決定時間を短縮するために有利なシミュレーション技術を提供する。
本発明の一側面によれば、基板の上に配置された硬化性組成物の複数の液滴と型とを接触させ、前記基板の上に前記硬化性組成物の膜を形成する膜形成処理における前記硬化性組成物の挙動を予測するシミュレーション装置であって、第1計算方法と、該第1計算方法に比べて計算時間が短縮される第2計算方法とのうちから選択された計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する処理部を有し、前記処理部は、前記膜形成処理の複数の仮パラメータセットのそれぞれを適用して前記第2計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行し、前記複数の仮パラメータセットのそれぞれのうち、前記挙動計算の結果が所定の評価基準を満たすパラメータセットを決定し、前記決定されたパラメータセットを適用して、前記第1計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する、ことを特徴とするシミュレーション装置が提供される。
本発明によれば、膜形成処理のパラメータセットの決定時間を短縮するために有利なシミュレーション技術を提供することができる。
膜形成装置及び情報処理装置の構成を示す図。 シミュレーションプログラムが有する2つの計算モードを説明する図。 第1実施形態におけるシミュレーションの計算手順を説明するフローチャート。 第2実施形態におけるGUIの例を示す図。 第3実施形態におけるシミュレーションの計算手順を説明するフローチャート。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態における膜形成装置IMP及び情報処理装置1の構成を示す概略図である。膜形成装置IMPは、基板Sの上に配置された硬化性組成物IMの複数の液滴と型Mとを接触させ、基板Sと型Mとの間の空間に硬化性組成物IMの膜を形成する膜形成処理を実行する。膜形成装置IMPは、例えば、インプリント装置として構成されてもよいし、平坦化装置として構成されてもよい。ここで、基板Sと型Mとは相互に入れ替え可能であり、型Mの上に配置された硬化性組成物IMの複数の液滴と基板Sとを接触させることで、型Mと基板Sとの間の空間に硬化性組成物IMの膜を形成してもよい。
インプリント装置では、パターンを有する型Mを用いて、基板Sの上の硬化性組成物IMに型Mのパターンが転写される。インプリント装置では、パターンが設けられたパターン領域PRを有する型Mが用いられる。インプリント装置では、インプリント処理として、基板Sの上の硬化性組成物IMと型Mのパターン領域PRとを接触させ、基板Sのパターンを形成すべき領域と型Mとの間の空間に硬化性組成物IMを充填させ、その後、硬化性組成物IMを硬化させる。これにより、基板Sの上の硬化性組成物IMに型Mのパターン領域PRのパターンが転写される。インプリント装置では、例えば、基板Sの複数のショット領域のそれぞれに硬化性組成物IMの硬化物からなるパターンが形成される。
平坦化装置では、平坦化処理として、平坦面を有する型Mを用いて、基板Sの上の硬化性組成物IMと型Mの平坦面とを接触させ、硬化性組成物IMを硬化させることによって、平坦な上面を有する膜が形成される。平坦化装置では、基板Sの全域をカバーする寸法(大きさ)を有する型Mが用いられる場合、基板Sの全域に硬化性組成物IMの硬化物からなる膜が形成される。本実施形態では、具体例を提供するため、膜形成装置IMPがインプリント装置である場合について説明する。
硬化性組成物としては、硬化用のエネルギーが与えられることにより硬化する材料が使用される。硬化用のエネルギーとしては、電磁波や熱などが用いられる。電磁波は、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される光、具体的には、赤外線、可視光線、紫外線などを含む。このように、硬化性組成物は、光の照射、あるいは、加熱により硬化する組成物である。光の照射により硬化する光硬化性組成物は、少なくとも重合性化合物と光重合開始剤とを含有し、必要に応じて、非重合性化合物または溶剤を更に含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマー成分などの群から選択される少なくとも一種である。硬化性組成物の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下である。
基板の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、金属、半導体、樹脂などが用いられる。必要に応じて、基板の表面に、基板とは別の材料からなる部材が設けられてもよい。基板は、例えば、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、石英ガラスを含む。
本明細書および添付図面では、基板Sの表面に平行な方向をXY平面とするXYZ座標系で方向を示す。XYZ座標系におけるX軸、Y軸およびZ軸のそれぞれに平行な方向をX方向、Y方向およびZ方向とし、X軸周りの回転、Y軸周りの回転およびZ軸周りの回転のそれぞれをθX、θYおよびθZとする。X軸、Y軸およびZ軸に関する制御または駆動は、それぞれ、X軸に平行な方向、Y軸に平行な方向、Z軸に平行な方向に関する制御または駆動を意味する。また、θX軸、θY軸およびθZ軸に関する制御又は駆動は、それぞれ、X軸に平行な軸の周りの回転、Y軸に平行な軸の周りの回転、Z軸に平行な軸の周りの回転に関する制御又は駆動を意味する。また、位置は、X軸、Y軸およびZ軸の座標に基づいて特定される情報であり、姿勢は、θX軸、θY軸およびθZ軸の値で特定される情報である。位置決めは、位置および/または姿勢を制御することを意味する。
膜形成装置IMPは、基板Sを保持する基板保持部SH、基板保持部SHを駆動することで基板Sを移動させる基板駆動機構SD、および基板駆動機構SDを支持する支持ベースSBを有する。また、膜形成装置IMPは、型Mを保持する型保持部MHと、型保持部MHを駆動することで型Mを移動させる型駆動機構MDとを有する。
基板駆動機構SDおよび型駆動機構MDは、基板Sと型Mとの相対位置が調整されるように、基板Sおよび型Mの少なくとも一方を移動させる相対移動機構を構成する。かかる相対移動機構による基板Sと型Mとの相対位置の調整は、基板Sの上の硬化性組成物IMと型Mとの接触のための駆動、および、基板Sの上の硬化した硬化性組成物IMからの型Mの分離のための駆動を含む。また、相対移動機構による基板Sと型Mとの相対位置の調整は、基板Sと型Mとの位置合わせを含む。基板駆動機構SDは、基板Sを複数の軸(例えば、X軸、Y軸およびθZ軸の3軸、好ましくは、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸およびθZ軸の6軸)に関して駆動するように構成されている。型駆動機構MDは、型Mを複数の軸(例えば、Z軸、θX軸およびθY軸の3軸、好ましくは、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸およびθZ軸の6軸)に関して駆動するように構成されている。
膜形成装置IMPは、基板Sと型Mとの間の空間に充填された硬化性組成物IMを硬化させるための硬化部CUを有する。硬化部CUは、例えば、型Mを介して硬化性組成物IMに硬化用のエネルギーを与えることによって、基板Sの上の硬化性組成物IMを硬化させる。
膜形成装置IMPは、型Mの裏面側(基板Sに対面する面の反対側)に空間SPを形成するための透過部材TRを有する。透過部材TRは、硬化部CUからの硬化用のエネルギーを透過させる材料で構成され、基板Sの上の硬化性組成物IMに対して硬化用のエネルギーを与えることを可能にする。
膜形成装置IMPは、空間SPの圧力を制御することによって、型MのZ軸方向への変形を制御する圧力制御部PCを有する。例えば、圧力制御部PCが空間SPの圧力を大気圧よりも高くすることによって、型Mは、基板Sに向けて形状に変形する。
膜形成装置IMPは、基板Sの上に硬化性組成物IMを配置、供給又または分配するためのディスペンサDSPを有する。ただし、膜形成装置IMPには、他の装置によって硬化性組成物IMが配置された基板Sが供給(搬入)されてもよい。この場合、膜形成装置IMPは、ディスペンサDSPを有していなくてもよい。
膜形成装置IMPは、基板S(または基板Sのショット領域)と型Mとの位置ずれ(位置合わせ誤差)を計測するためのアライメントスコープASを有していてもよい。
シミュレーション装置として機能する情報処理装置1は、膜形成装置IMPにおいて実行させる処理における硬化性組成物IMの挙動を予測する計算を実行する。具体的には、情報処理装置1は、基板Sの上に配置された硬化性組成物IMの複数の液滴と型Mとを接触させ、基板Sと型Mとの間の空間に硬化性組成物IMの膜を形成する処理における硬化性組成物IMの挙動を予測する計算を実行する。
情報処理装置1は、例えば、汎用または専用のコンピュータにシミュレーションプログラム21を組み込むことによって構成される。また、情報処理装置1は、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、または、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)によって構成されてもよい。
本実施形態において、情報処理装置1は、プロセッサ10と、メモリ20と、ディスプレイ30と、入力デバイス40とを有するコンピュータによって構成されうる。メモリ20には、膜形成処理における硬化性組成物IMの挙動を予測するためのシミュレーションプログラム21が格納されている。プロセッサ10は、メモリ20に格納されたシミュレーションプログラム21を読み出して実行することにより、膜形成処理における硬化性組成物IMの挙動を予測するシミュレーションを行うことができる。なお、メモリ20は、半導体メモリであってもよいし、ハードディスクなどのディスクであってもよいし、他の形態のメモリであってもよい。シミュレーションプログラム21は、コンピュータによって読み取り可能なメモリ媒体に格納されてもよいし、電気通信回線などの通信設備を介して情報処理装置1に提供されてもよい。
プロセッサ10は、膜形成処理のパラメータセットを取得する取得部として機能しうる。また、プロセッサ10は、パラメータセットに基づいて、硬化性組成物の挙動をシミュレーション計算により求める処理部として機能しうる。プロセッサ10は、更に、シミュレーション計算により得られた硬化性組成物の挙動を模擬したシミュレーション画像を表示するよう表示部(ディスプレイ30)を制御する表示制御部としても機能しうる。
図2は、本実施形態におけるシミュレーションプログラム21が有する2つの計算モードを説明する図である。この2つの計算モードは、第1計算方法に従い計算するモードと、第2計算方法に従い計算するモードを含み、それぞれ特徴がある。第1計算方法は、充填プロセスを高精度に計算する方法であり、詳細計算モード201として実行される。第2計算方法は、充填プロセスを高速に計算する手法であり、高速計算モード202として実行される。第2計算方法によれば、第1計算方法に比べて計算時間が短縮される。図2(a)には、詳細計算モード201および高速計算モード202を含むシミュレーションプログラム21の概略構成図が示されている。
シミュレーションプログラム21を情報処理装置1に搭載する目的の一つは、膜形成処理に関する最適なパラメータセットを低コストかつ短時間に求めるためである。例えば、型Mと基板Sとの間に硬化性組成物IMが充填して膜が形成される過程において、膜内に気泡が残った状態で膜を硬化させてしまうと、欠陥となってしまう。したがって、最適なパラメータセットとは、このような膜内に気体がなるべく残らない、シミュレーションにおける膜形成処理のパラメータセットのことである。本実施形態では、膜形成装置IMPをベースに説明を行うため、パラメータセットをインプリント条件を定めるパラメータセットとして説明を行う。
パラメータセット203は、シミュレーションプログラム21で使用する計算に必要な膜形成処理のパラメータの集合である。パラメータとしては、例えば、型Mのモデル情報、基板Sのモデル情報、駆動機構MDの押印力、空間SPに発生させる圧力、硬化性組成物IMの液滴配置および液滴量がありうる。上記パラメータは代表的な例であり、その他のパラメータもありうる。なお、パラメータセット203は1つのファイルとして管理されうる。そのファイルは、情報処理装置1のメモリ20に保存されてもよいし、外部のサーバに保存されていてもよい。したがってこの場合、「複数のパラメータセット」は複数のファイルとして管理されうる。パラメータセット203に含まれる各パラメータは、入力画面を介して作業者によって手動で入力されてもよい。
パラメータセット203を決定する手法として、実際にインプリントを行って試行錯誤を経て決定するものがある。具体的には、仮のパラメータセットを複数用意し、それぞれの仮パラメータセットを適用して型Mおよび基板Sを用いて実際にインプリントを行う。その後、生成した硬化性組物IMの膜に発生する欠陥を計測することにより、最適なパラメータセットを求める。この手法は、実際に膜を作成して検査機で欠陥を調べるため、信頼性は高い。しかしながら、インプリントのための物品の手配や、情報処理装置1の外部にある検査装置で調べる工程など、コストや時間がかかる問題がある。
シミュレーションプログラム21を用いたシミュレーションでは、プロセッサ10は、仮パラメータセットを参照して計算に必要な情報を取得する。例えば、プロセッサ10は、仮パラメータセットに含まれる型Mのモデル情報や基板Sのモデル情報から、型Mや基板Sの寸法や材質などの情報を取得する。また、プロセッサ10は、仮パラメータセットに含まれる駆動機構MDの押印力や空間SPに発生させる圧力の情報から、型駆動機構MDの動作シーケンスに関する情報を取得する。また、プロセッサ10は、仮パラメータセットに含まれる硬化性組成物IMの複数の液滴の配置および量などの情報から、計算対象となる液滴の位置情報や量を取得する。プロセッサ10は、このように取得した情報からインプリント過程を計算し、シミュレートする。実際にインプリントを行わずに済むため、低いコストかつ短時間で最終的なパラメータセット203を決定することが可能となる。
次に、シミュレーションプログラム21が備える2つの計算モードについて詳しく説明する。各計算モードにおいて、プロセッサ10は、物理現象を計算するために計算格子204を作成する。計算格子204とは、計算対象とする現象を表す数学モデルを離散化するために使用するものである。計算対象とする物理現象によって、計算できる計算格子204は異なるため、複数の物理現象を計算する場合は複数の計算格子204を用意する必要がある。よって、計算モードによって用意する計算格子の種類は異なる。また、各計算モードによって同じ計算格子204を用いるにしても計算対象とする範囲も異なることがある。
詳細計算モード201では、プロセッサ10は、充填シミュレーションにおいて想定する物理現象の多くを計算対象とした物理計算を行う。それら複数の物理計算を行うために、プロセッサ10は、3つの計算格子204を使用する。計算格子A204aによって計算する物理現象の例は、硬化性組成物IMの液滴に関する挙動である。計算格子B204bによって計算する物理現象の例は、型Mの変形(たわみ)である。計算格子C204cによって計算する物理現象の例は、型Mの裏面の閉空間SPの圧力である。なお、各計算格子204で計算する物理現象は説明のために一例を示したものであり、実際の計算ではここで紹介した物理現象以外の計算も行われる。
詳細計算モード201では、複数の物理現象が連成して計算される。例えば、詳細計算モード201では、挙動計算は、硬化性組成物IMの液滴の挙動と、型Mの変形と、型Mの裏面の閉空間SPの圧力との関係性を求める連成計算を行うことを含む。具体的には、計算格子A204aと計算格子B204bでの連成計算と、計算格子B204bと計算格子C204cでの連成計算が行われる。これらの連成計算によって、計算格子204が異なる物理現象が互いに影響しあい、シミュレーションの予測精度が上がる。しかしながら、連成計算ではイタレーションによる複数回の線形計算の演算が行われるため、計算時間が長くなる傾向がある。
詳細計算モード201においては、図2(b)に例示される評価領域205がパターン領域PRの全面に設定される。ここで言う評価領域205とは、シミュレーションプログラム21の計算対象のうちX方向およびY方向における平面の結果を評価する範囲である。シミュレーションプログラム21による評価対象とする範囲を論じるときは、X方向およびY方向に限定した評価領域205によって計算対象とする範囲の大小を論じることにする。なお、評価領域205の範囲に応じて計算格子204の作成範囲が変わる。例えば、計算格子A204aにおいては、計算対象となる硬化性組成物IMの液滴に応じて計算する範囲が変わる。
図2(b)を参照して、詳細計算モード201における評価領域A205aの範囲を説明する。図2(b)は、型Mを-Z方向から見た図である。詳細計算モード201における評価領域205を、評価領域A205aとする。なお、図2(b)ではパターン領域PRと計算格子A204aの境界は重なって表示されている。評価領域A205aは、硬化性組成物IMの全ての液滴が含まれる範囲に設定される。具体的には、硬化性組成物IMの液滴をパターン領域PRの範囲に分布させるため、評価領域A205aをパターン領域PRの全面とする。例として挙げた計算格子A204aでは計算範囲が全ての硬化性組成物IMの液滴となるため、全ての液滴を含む計算格子A204aが作成される。このように全液滴を計算対象とすることで、型Mの変形形状を計算する際に全液滴が及ぼす影響を考慮することができる。これにより、型Mの変形を精度良く求めることができるため、計算精度が向上する。
以上の説明のように、詳細計算モード201では計算精度を上げるための施策がとられているが、計算精度を上げる弊害として、計算時間が増加する。
次に、もう一つの計算モードである高速計算モード202について説明する。高速計算モード202では、詳細計算モード201を基準として計算内容を限定することで計算速度を速める。具体的には、高速計算モード202では、硬化性組成物IMの配置や量を検討項目として、硬化性組成物IMの膜に発生する気泡の発生に着目した計算が行われる。この計算手法は、微調整のような工程で効力を発揮する。例えば、ある特定の位置における硬化性組成物IMの膜に発生する気泡に着目し、硬化性組成膜IMの液滴配置および液滴量を微調整し、硬化性組成物IMの膜内に発生する気体の増減を確認するような使い方に、高速計算モード202は有効である。硬化性組成物IMの液滴配置や液滴量が異なる複数のパラメータセット203を用意しておき、高速計算モード202で複数のパラメータセット203のそれぞれを使用した計算を行うことで、発生する気泡の情報を定量的に比較することができる。本実施形態においては説明を簡単にするために、液滴配置の変更に着目して以降の説明を行う。
高速計算モード202では、詳細計算モード201で採用される計算手法を簡単な計算手法に置き換えることで計算時間の短縮を図る。気泡の閉じ込めを見ることに限定すると、前述した計算格子A204aでの液滴の挙動に関する計算は必須であるため、計算格子A204aでの計算は必須となる。しかし、計算格子B204bおよび計算格子C204cのうち、気泡の発生に関わりが強い物理現象は、型Mの変形形状を計算するたわみ計算である。型Mのたわみ計算は計算格子B204bで計算されるのだが、精度良く計算するためには、計算格子A204aおよび計算格子C204cとの連成計算を行うことが求められ、他の計算と比較して多大な計算時間を要する。そこで、高速計算モード202では、これらの連成計算に替えて、型Mのたわみ分布を数式206を用いて計算することで計算時間を短縮(演算量を低減)することができる。例えば、型Mは基板Sに向かって凸型に変形するため、型Mの中央部から硬化性樹脂IMと接触が始まる。接触する面積は、駆動機構MDの基板Sに対する位置情報から決まる。接触部を変形しない固定部とし、非接触部を変形する計算対象として考える。また、型Mの計算対象部には空間SPに付与されている圧力が等分布でかかることにする。このように考えることで、円盤のたわみの公式を適用して、型Mのたわみ分布を数式206で表現することができる。このような所定モデル式である数式206に型Mのパラメータを適用することで簡易に型Mの変形を計算することができる。
なお、本実施形態では、数式206による置き換え例を示したが、予め得られた、過去に行った型Mのたわみ計算結果または計測による型Mのたわみの計測結果などを利用して型のたわみ(変形)を予測してもよい。具体的には、メモリ20に計算結果または計測結果をデータベースとして登録しておき、これを参照する。これにより、計算は簡単になるため、計算時間の短縮を図ることができる。
一例において、高速計算モード202では、計算対象とする物理計算を減らして計算を行い、計算時間の短縮を図ることができる。前述のように、円盤のたわみの公式を適用して、型Mのたわみ分布を数式206で計算することにより、計算格子B204bと計算格子C204cが省略される。これは、計算格子C204cで計算していた型Mの裏面の閉空間SPの圧力の計算を省略していることになり、その省略した計算にかかる時間が短縮される。このように高速計算モード202では、計算対象となる物理量が減ることにより、計算時間を短縮することができる。
一例において、高速計算モード202では、評価領域205を局所範囲にすることで計算時間の短縮を図ることができる。すなわち、第2計算方法による挙動計算の評価領域が、第1計算方法による挙動計算の評価領域の一部に限定されることにより、計算時間の短縮が図られる。高速計算モード202における評価領域205を、図2(b)に例示されるような評価領域B205bとする。詳細計算モード201では評価領域A205aをパターン領域PRの全面に設定して計算情報量を増やしていたが、高速計算モード202では評価する対象を限定させることで計算にかかる時間を短くする。具体的には、詳細計算モード201は硬化性組成物IMの液滴すべてを評価対象としていたのに対し、高速計算モード202では、図2(b)に示すように、着目するエリア近傍の液滴のみを評価対象とする評価領域B205bを指定する。例えば、液滴配置、型Mもしくは基板Sの形状、パターン領域PRの角部などの、気泡が発生しやすい箇所が、評価領域B205bとして指定されうる。また、欠陥検査装置による計測や、他の解析で問題となる気泡が発生した場所などが、評価領域B205bとして指定されうる。詳細計算モード201の説明時に例として挙げた計算格子A204aにおいては、評価する液滴の範囲がこの範囲内の硬化性組成物IMの液滴となるため、計算格子A204aが小さくなる。計算格子A204aが小さくなるということは、その分計算時間も短く済む。
以上の説明のように、高速計算モード202では、計算対象とする物理計算を減らし、かつ計算格子204での計算を簡単な計算手法に置き換え、かつ評価領域205を局所範囲にすることで、詳細計算モード201に比べて計算を大幅に高速化する。これにより、ドロップレシピ間で気泡欠陥に係る量の比較を短時間で行うことができる。
なお、本実施形態では、前述した通り、硬化性組成物IMの液滴配置の決定に着目しているため、前述のような時間の短縮方法をとっている。高速計算モード202は、パラメータセット203に合わせて、時間短縮の方法を変えて使用される。
なお、ここでいう「詳細」および「高速」とは、本実施形態で登場する2つの計算モードを相対比較して名付けた名称である。例えば、詳細計算モード201は、シミュレーションプログラム21が本来実行する標準の計算モードとしての位置づけられてもよい。その場合、その標準の計算モードに対して計算速度を向上させるような制限をかけ、それにより計算精度は落ちるものの計算速度を向上させたモードが、高速計算モードとして理解されてもよい。
パラメータの異なる複数のパラメータセット203を用意して、シミュレーションプログラム21により、複数のパラメータセット203のそれぞれに対して計算が実行される。
仮に計算モードが1つしかない場合、計算数に比例して総計算時間が増える。これに対し、高速計算モード202のような短時間で計算が完了する計算モードで全ての計算を実行することで、詳細計算モードのような時間がかかる計算モードで計算すべきインプリント条件であるパラメータセットを絞りこむことができる。例えば、詳細計算モードの計算時間が2時間程度であり、高速計算モードの計算時間が1分程度である場合、その短縮される時間は歴然となる。よって、本実施形態のように2つの計算モードを用意して使い分けることで総計算時間の短縮を図ることができる。
図3は、本実施形態におけるシミュレーションの計算手順を説明するフローチャートである。このフローでは、複数のパラメータセットのそれぞれが高速計算モード202に適用されて高速計算が行われ、その結果に基づき詳細計算モード201に適用されるパラメータセットが決定される。なお、パラメータセット203の内容は、上述の図2に関する説明の内容を準じるものとする。
なお、図3のフローはプログラム処理による自動実行との相性が良い。シーケンスファイルのように一連の設定情報や作業手順を記述できるようなファイルが用意できるならば、シーケンスファイルを使用した自動実行を行うと作業効率が良くなる。本実施形態では自動実行するものとして説明を行う。
S301で、プロセッサ10は、複数の仮パラメータセットの準備を行う。例えば、プロセッサ10は、液滴配置が異なる複数の仮パラメータセットを準備する。また、この準備において評価領域205を指定することになる。評価領域205は高速計算モード202の計算対象を決めるものである。なお、評価領域205は複数あっても構わない。評価領域205が複数ある場合はその数に応じて、高速計算モード202での計算回数が増えるが、パラメータセット203の選定をより厳密に行うことができる。本実施形態では、後述する説明をより簡略にするために、評価領域205は1つとして説明を続ける。本実施形態では、用意する仮パラメータセットを10セットとして説明を行う。この10セットの仮パラメータセットの違いは、ここでは液滴配置のX座標およびY座標の違いとなる。
これらの仮パラメータセットは、作業者の入力操作を介してメモリ20に登録されたものでもよい。あるいは、変更する液滴配置の条件を入力して、パラメータセットを自動生成するプログラムで作成してもよい。
S302で、プロセッサ10は、計算モードを高速計算モード202に設定する。本実施形態において、シミュレーションプログラム21は詳細計算モード201および高速計算モード202を備えているので、プロセッサ10は、使用する計算モードを高速計算モード202に設定する。具体的には、シーケンスファイルに切り替えのコマンドが記述されており、プロセッサ10が該コマンドを受け取って高速計算モード202に自動で切り替える。
S303で、プロセッサ10は、高速計算モード202での計算を実行する。本ステップではS301で準備した複数の仮パラメータセットのそれぞれを適用して、高速計算モード202での計算を実行する。本実施形態では10セットの仮パラメータセットを用意しているので、合計10回の計算を行うことになる。計算の実行は自動であり、10回の計算は連続で実行される。
S304で、プロセッサ10は、計算結果リストを作成する。プロセッサ10は、複数の仮パラメータセットのそれぞれに対する計算結果を、1つのファイルに計算結果リストとしてまとめてメモリ20に保存する。保存する計算結果の種類は少なくとも、次のステップで紹介する閾値判定の評価項目を含む必要がある。本実施形態では10セットの仮パラメータセットがあるため、10セットの計算結果が計算リストに記述されている。また、本実施形態では、気泡欠陥の数および最大欠陥サイズが含まれているものとしてこの後の説明を行う。なお、計算リストの作成は自動で行われる。
S305で、プロセッサ10は、パラメータセットの選定を行う。プロセッサ10は、複数の仮パラメータセットのそれぞれのうち、高速計算モード202による挙動計算の結果が所定の評価基準を満たすパラメータセットを決定する。アルゴリズムの異なる複数の判定プログラム(モジュール)が複数備えられていて、そのうちから選択された1つの判定プログラムによってパラメータセットの決定が行われてもよい。複数の判定プログラムをメモリ20にインストールしておき、そのうちのいずれか使用する方法をとってもよい。
計算結果はS304で既に計算結果リストとしてまとめられているため、S305では、計算結果リストを参照してパラメータセットの決定(選定)が行われる。複数の仮パラメータセットのそれぞれに対応した挙動計算の結果のうち、最大気泡欠陥サイズおよび気泡欠陥数の情報が参照される。
まず、判定プログラムによって計算結果を判定するための方針を立てる必要がある。上記所定の評価基準は、最大気泡欠陥サイズが許容値以下かつ気泡欠陥数が許容数以下であること、とすることができる。例えば、判定の第1優先を最大気泡欠陥サイズが許容値以下という条件とし、判定の第2優先を気泡欠陥数が許容数以下という条件とし、それらの条件に関して最良のものから1つ以上を選定するという方針とする。例えば、計算結果リストに登録されている仮パラメータセットが10セットある場合、プロセッサ10は、計算結果を1つずつ参照して上記条件を満たすパラメータセットを検索し、10セットの中から所定数(例えば、1)のパラメータセットを選定する。なお、これらの判定は判定プログラムに従い自動で行われる。なお、判定の方針はここで説明した内容に限定されるものではなく、作業者が任意で設定できるものである。ここでのパラメータセットの候補の絞り込みは、短縮される計算時間に直結する。ここで候補に挙がったパラメータセットの数だけ、この後、詳細計算モード201の計算を行うからである。よって、選定されるパラメータセットの数は、なるべく少ない数であることが時間の観点では望まれるが、計算結果の評価という観点ではなるべく数を増やしたくなるので、慎重に数字を選ぶ必要がある。
また、方針(所定の評価基準)に合致するパラメータセットが無い場合もありうる。そのような場合は、方針に近いパラメータセットを選ぶようにしてもよいし、ここでフローを抜けて、後述する詳細計算モード201による計算を行わないようにしてもよい。
S306で、プロセッサ10は、計算モードを詳細計算モード201に設定する。シミュレーションプログラム21はS302で高速計算モード202に設定されているため、このステップで計算モードを切り替えて、詳細計算モード201に設定する。具体的には、シーケンスファイルに切り替えのコマンドが記述されており、プロセッサ10がコマンドを受け取って詳細計算モード201に自動で切り替える。
S307では、プロセッサ10は、詳細計算モード302で計算を実行する。ここではS305で選択したパラメータセットを適用して詳細計算モード201を実行する。S305においてパラメータセットを1セットに絞り込んでいる場合には、詳細計算モード201の計算結果は1個得られることになる。
得られた計算結果は、高速計算モード201による計算結果よりも詳細な情報であるため、最終的な気泡発生の情報のチェックとして利用されうる。また、気泡消失計算を行っているので、充填完了時間の評価のようなより多くの物理計算の結果を評価することもできる。これらが問題なければ、絞り込まれたパラメータセットをそのまま最終的なパラメータセットとして設定してもよいし、他のパラメータを決定するために再度フローを実行してもよい。これらの評価を繰り返し行って膜形成装置IMPで使用する最終的なパラメータセットを決定していくのが代表的な使用方法となる。
ここまで述べてきたステップを実行することで、複数の仮パラメータセットの全てに詳細計算モード201を適用するのではなく、高速計算モード202を使ってパラメータセットの候補を絞ることで詳細計算モード201の計算回数を減らすことができる。これにより、パラメータセットを決めるための総計算時間の短縮を図ることができる。
以上の説明のように、本実施形態によれば、シミュレーションプログラムは詳細な計算を行う計算モードと高速に計算を行う計算モードを含み、それらの特性を生かした計算の運用を行うことでシミュレーションにかかる時間を小さくすることができる。例えば、複数の仮パラメータセットを高速計算モードで計算してパラメータセットを絞りこみ、絞り込んだパラメータセットのみを詳細計算モードで実行することで、計算にかかる総計算時間を抑えることができる。
以上のように、シミュレーションの総計算時間を短縮することで、パラメータセットの決定にかかる時間を短縮する方法を提供することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態では、膜形成処理のパラメータセットおよび計算方法についてのユーザ指示を受け付けるための選択肢を提示するとともに、挙動計算の実行開始のユーザ指示を受け付けるユーザインタフェースを利用して計算モードの切り替えが行われる。本実施形態において、そのようなユーザインタフェースは、情報処理装置1に設けられたディスプレイ30を利用して実現される。ディスプレイ30は、GUI(Graphical User Interface)を提供する。本実施形態では、作業者(ユーザ)がGUIを介して、計算結果を目視で確認し、作業者が計算モードをマニュアルで切り替える。なお、第2実施形態は第1実施形態と多くの部分が重複する。よって、第2実施形態の説明は第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
図4は、第2実施形態における情報処理装置1のディスプレイ30に提供されるGUIの例を示す図である。ディスプレイ30に提供されるGUIは、表示ウィンドウ401を含みうる。表示ウィンドウ401は様々な視覚情報を表示するための汎用的な表示ウィンドウである。また、GUIは、パラメータセット選択ウィンドウ402を含みうる。パラメータセット選択ウィンドウ402には、メモリ20に登録されている複数のパラメータセットが表示されている。ユーザは、表示されている複数のパラメータセットのうちからいずれか1つ以上を、入力デバイス30により選択可能である。なお、パラメータセットは複数選択が可能である。
GUIは更に、計算モード選択ウィンドウ403を含みうる。計算モード選択ウィンドウ403にはシミュレーションプログラム21が備えている計算モードが表示される。前述した計算モードの手動切り替えはこの選択ウィンドウ403を介して行われうる。本実施例では詳細計算モード201と高速計算モード202を使用するため、2つの計算モードが表示されている。これは入力デバイス30により選択可能である。ここで選択された計算モードで計算が実行される。
GUIは更に、計算結果表示ボタン404を含みうる。パラメータセット選択ウィンドウ403でパラメータセットが選択されている状態で計算結果表示ボタン404が押されると、表示ウィンドウ401に計算結果が表示される。
GUIは更に、計算実行ボタン405を含みうる。パラメータセット選択ウィンドウ403でパラメータセットが選択され、計算モード選択ウィンドウ405で計算モードがされた状態で計算実行ボタン405が押されたことに応答して、挙動計算が実行される。
複数の仮パラメータセットを用意し、それらを高速計算モード202で計算を行うところまでは第1実施形態と同様である。第2実施形態では、GUIを使用して詳細計算モード201の計算結果を取得することができる。パラメータセット選択ウィンドウ402で計算対象とするパラメータセット203が選択され、計算モード選択ウィンドウ403で高速計算モード202が選択した状態で、計算実行ボタン405が押されると、高速計算モード202による計算結果が得られる。
高速計算モード202の計算結果がある状態で、パラメータセット選択ウィンドウ402でパラメータセットが選択され、計算結果表示ボタン404が押されると、表示ウィンドウ401に計算結果が表示される。計算結果の表示方法は多数ありうるが、図4では、分布する気泡欠陥の大きさを示すカラーコンター、気泡の個数、気泡のXY平面の最大面積、気泡のXY平面の平均面積が表示されうる。これらの表示情報は設定により変更可能である。なお、ここで気泡の大きさを体積ではなく、XY平面で表示するのは、外部装置で硬化性組成物IMの膜に発生する気泡を計測する時にXY平面で計測を行うため、値を合わせる狙いがあるからである。
図4には1つのパラメータセットについての計算結果の情報が表示されているが、パラメータセット選択ウィンドウ402で複数のパラメータセットを選択することで、複数の計算結果を比較評価することも可能である。
これら計算結果の情報を作業者が確認して、詳細計算モード201で計算するパラメータセットを選択する。なお、計算結果を参照した知見から新たなパラメータセットを作成して、そのパラメータセットを使用して詳細計算モード201の計算候補としてもよい。
計算結果を参照した後、作業者がパラメータセット選択ウィンドウ402から詳細計算モードを実行するパラメータセット203を選択する。そして、計算モード選択ウィンドウ403の詳細計算モード201を選択する。その後、計算実行ボタン405を押すことで詳細計算モード201の計算が実行される。
以上の説明のように、本実施形態では、詳細計算モード201を行うパラメータセットを作業者の判断により手動で選択する方法を示した。第1実施形態は自動実行であるため、全体の計算速度を短くする効果は高い。これに対し本実施形態では、詳細計算モード201の計算前に作業者の確認が入るため、仮に自動化シーケンスの間違いがあった時に手戻りが少なくなることや、結果を見てからの柔軟な判断が可能になる。これらは使用する用途に応じて使い分けることが望まれる。
本実施形態においても、複数の仮パラメータセットを高速計算モードで計算してパラメータセットを絞りこみ、絞り込んだパラメータセットのみを詳細計算モードで実行することで、計算にかかる総計算時間を抑えることができる。
以上のように、シミュレーションの総計算時間を短縮することで、パラメータセットの決定にかかる時間を短縮する方法を提供することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態では、詳細計算モード201の計算結果から得られた情報から評価領域205を選定して高速計算モード202の計算を実施する。具体的には、第3実施形態では、詳細計算モード202の計算結果から、あらかじめ問題となる範囲を特定して、その特定した範囲の情報から評価領域205を選定する。その後に改善を目的としたパラメータセットを複数セット準備して、高速計算モード202により計算を行う。問題となる範囲とは、例えば大きな気泡や気泡が集中して発生する個所などが挙げられる。
なお、第3実施形態は第1実施形態と多くの部分が重複する。よって、第3実施形態の説明は第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
図5は、第3実施形態におけるシミュレーションの計算手順を説明するフローチャートである。
S501で、プロセッサ10は、パラメータセットの準備を行う。本実施形態では、気泡欠陥の発生箇所が既知であるものとする。したがって、S501では、例えば膜形成装置IMPにおいて気泡欠陥が問題となったパラメータセットが準備される。
S502で、プロセッサ10は、計算モードを詳細計算モード201に設定する。S503で、プロセッサ10は、詳細計算モード201での計算を実行する。本ステップでは、S501で用意されたパラメータセットに従い1回の詳細計算モード201の計算が実行されることになる。本実施形態においては気泡発生個所が既に分かっているので、実際の現象と差がないかをこの段階でチェックすることができる。もし、差があるようであれば一度フローを中断して、S501で準備すべきパラメータセットを見直してもよい。
S504で、プロセッサ10は、評価領域205の選定を行う。前述したように、評価領域205は、大きな気泡や、気泡が集中して発生する場所が候補となる。第1実施形態でも述べたが、評価領域205は1か所に限定する必要はなく、複数になっても構わない。しかし、評価する評価領域205の数が増えると計算時間が増えるため、注意が必要となる。
S505で、プロセッサ10は、複数の仮パラメータセットの準備を行う。例えば、評価領域205の範囲で気泡発生の原因となりそうな硬化性組成物IMの液滴のX座標あるいはY座標を変更したものを、複数用意する。なお、複数の仮パラメータセットを検討する必要があるため、S505では通常、複数のパラメータセットを用意することになる。
S506で、プロセッサ10は、計算モードを高速計算モード202に設定する。S507で、プロセッサ10は、高速計算モード202で計算を実行する。ここで、プロセッサ10は、S505で用意された複数のパラメータセットを適用して高速計算モード202を実行する。
得られた計算結果を参照することで、硬化性組成物IMの液滴の配置を変更した時の気泡の増減を予測することができる。最良のパラメータセットを用いて、詳細計算モード201で計算を実行して気泡の詳細なシミュレーション結果を得てもよいし、該パラメータセットを使用して実際に膜形成装置IMPでインプリントを行って気泡欠陥の減少効果を確認してもよい。
以上の説明のように本実施形態でも、高速計算モード202の計算を使用することで、詳細計算モード201の計算回数を抑えられるため、シミュレーションにかかる総計算時間を抑えることができる。
以上のように、シミュレーションの総計算時間を短縮することで、パラメータセットの決定にかかる時間を短縮する方法を提供することができる。
<第4実施形態>
今までの適用事例として膜形成装置IMPがインプリント装置である場合について説明してきた。しかし、本発明は、インプリント装置に類似した充填プロセスを持つ別の装置においても効果を発揮する。例えば上述した平坦化装置はその一つである。
適用先の具体例を挙げると、基板にデバイスプロセスで生じた0.5から1μm程度の凹凸をリソグラフィ技術の焦点深度に見合うところまで平坦にする(Planarization)際に適用できる。平坦化の方法の一つとして、平面の型と基板の間に樹脂の液滴をインクジェット技術によって塗布し、互いを押し付けることで基板上に平らな組成物の膜を形成して平坦化を実現する方法がある。このような平坦化を行う装置は平坦化処理のパラメータセットを決定する必要があり、この内容はインプリント装置と似ている。そのため、上述のプロセスに本発明を適用することができる。
(他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本明細書の開示は、少なくとも以下のシミュレーション装置およびプログラムを含む。
(項目1)
基板の上に配置された硬化性組成物の複数の液滴と型とを接触させ、前記基板の上に前記硬化性組成物の膜を形成する膜形成処理における前記硬化性組成物の挙動を予測するシミュレーション装置であって、
第1計算方法と、該第1計算方法に比べて計算時間が短縮される第2計算方法とのうちから選択された計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する処理部を有し、
前記処理部は、
前記膜形成処理の複数の仮パラメータセットのそれぞれを適用して前記第2計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行し、
前記複数の仮パラメータセットのそれぞれのうち、前記挙動計算の結果が所定の評価基準を満たすパラメータセットを決定し、
前記決定されたパラメータセットを適用して、前記第1計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する、
ことを特徴とするシミュレーション装置。
(項目2)
前記第1計算方法による挙動計算は、前記硬化性組成物の液滴の挙動と、前記型の変形と、前記型の裏面の空間の圧力との関係性を求める連成計算を行うことを含み、
前記第2計算方法による挙動計算は、前記連成計算に替えて、所定のモデル式に前記型のパラメータを適用することで前記型の変形を計算することを含む、
ことを特徴とする項目1に記載のシミュレーション装置。
(項目3)
前記第1計算方法による挙動計算は、前記硬化性組成物の液滴の挙動と、前記型の変形と、前記型の裏面の空間の圧力との関係性を求める連成計算を行うことを含み、
前記第2計算方法による挙動計算は、前記連成計算を行わずに、過去の前記型の変形の計算結果または前記型の変形の計測結果を用いて前記型の変形を予測することを含む、
ことを特徴とする項目1に記載のシミュレーション装置。
(項目4)
前記第2計算方法による挙動計算の評価領域が、前記第1計算方法による挙動計算の評価領域の一部に限定される、ことを特徴とする項目1から3のいずれか1項に記載のシミュレーション装置。
(項目5)
前記挙動計算の結果は、最大気泡欠陥サイズおよび気泡欠陥数の情報を含み、
前記所定の評価基準は、最大気泡欠陥サイズが許容値以下かつ気泡欠陥数が許容数以下であること、
を特徴とする項目1から4のいずれか1項に記載のシミュレーション装置。
(項目6)
基板の上に配置された硬化性組成物の複数の液滴と型とを接触させ、前記基板の上に前記硬化性組成物の膜を形成する膜形成処理における前記硬化性組成物の挙動を予測するシミュレーション装置であって、
第1計算方法と、該第1計算方法に比べて計算時間が短縮される第2計算方法とのうちから選択された計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する処理部と、
前記膜形成処理のパラメータセットおよび計算方法についてのユーザ指示を受け付けるための選択肢を提示するとともに、挙動計算の実行開始のユーザ指示を受け付けるユーザインタフェースと、を有し、
前記処理部は、前記ユーザインタフェースを介して前記実行開始のユーザ指示が入力されたことに応答して、パラメータセットの選択肢から選択されたパラメータセットを適用して、前記第1計算方法および前記第2計算方法のうち計算方法の選択肢から選択された計算方法により、前記硬化性組成物の挙動計算を実行する、
ことを特徴とするシミュレーション装置。
(項目7)
前記ユーザインタフェースは、前記パラメータセットの選択肢からユーザが複数のパラメータセットを選択することが可能なように構成されており、
前記パラメータセットの選択肢から複数のパラメータセットがユーザにより選択され、かつ、前記計算方法の選択肢から前記第2計算方法がユーザにより選択された場合、前記処理部は、前記選択された複数のパラメータセットのそれぞれを適用して前記第2計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する、
ことを特徴とする項目6に記載のシミュレーション装置。
(項目8)
前記ユーザインタフェースは、実行された挙動計算の結果を表示する表示ウィンドウを含み、
前記選択された複数のパラメータセットのそれぞれを適用して前記第2計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算が実行された後、前記選択肢から前記複数のパラメータセットのうちの1つのパラメータセットがユーザにより選択されたことに応答して、前記表示ウィンドウは、該選択されたパラメータセットを適用して実行された挙動計算の結果を表示する、
ことを特徴とする項目7に記載のシミュレーション装置。
(項目9)
前記選択された複数のパラメータセットのそれぞれを適用して前記第2計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算が実行された後、前記選択肢から前記複数のパラメータセットのうちの1つのパラメータセットがユーザにより選択され、かつ前記第1計算方法が選択された状態で、前記実行開始のユーザ指示が入力された場合、前記処理部は、前記選択されたパラメータセットを適用して前記第1計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する、ことを特徴とする項目8に記載のシミュレーション装置。
(項目10)
基板の上に配置された硬化性組成物の複数の液滴と型とを接触させ、前記基板の上に前記硬化性組成物の膜を形成する膜形成処理における前記硬化性組成物の挙動を予測するシミュレーション装置であって、
第1計算方法と、該第1計算方法に比べて計算時間が短縮される第2計算方法とのうちから選択された計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する処理部を有し、
前記処理部は、
前記膜形成処理の仮パラメータセットを適用して前記第1計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行し、
前記仮パラメータセットに対する前記挙動計算の結果に基づいて評価領域を決定し、
前記決定された評価領域に対して、複数の仮パラメータセットのそれぞれを適用して前記第2計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する、
ことを特徴とするシミュレーション装置。
(項目11)
基板の上に配置された硬化性組成物の複数の液滴と型とを接触させ、前記基板の上に前記硬化性組成物の膜を形成する膜形成処理における前記硬化性組成物の挙動を予測するシミュレーション装置であって、
第1計算方法と、該第1計算方法に比べて計算時間が短縮される第2計算方法とのうちから選択された計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する処理部を有する、
ことを特徴とするシミュレーション装置。
(項目12)
コンピュータを、項目1から11のいずれか1項に記載のシミュレーション装置における処理部として機能させるプログラム。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
IMP:膜形成装置、S:基板、IM:硬化性組成物、M:型、AS:アライメントスコープ、1:情報処理装置

Claims (12)

  1. 基板の上に配置された硬化性組成物の複数の液滴と型とを接触させ、前記基板の上に前記硬化性組成物の膜を形成する膜形成処理における前記硬化性組成物の挙動を予測するシミュレーション装置であって、
    第1計算方法と、該第1計算方法に比べて計算時間が短縮される第2計算方法とのうちから選択された計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する処理部を有し、
    前記処理部は、
    前記膜形成処理の複数の仮パラメータセットのそれぞれを適用して前記第2計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行し、
    前記複数の仮パラメータセットのそれぞれのうち、前記挙動計算の結果が所定の評価基準を満たすパラメータセットを決定し、
    前記決定されたパラメータセットを適用して、前記第1計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する、
    ことを特徴とするシミュレーション装置。
  2. 前記第1計算方法による挙動計算は、前記硬化性組成物の液滴の挙動と、前記型の変形と、前記型の裏面の空間の圧力との関係性を求める連成計算を行うことを含み、
    前記第2計算方法による挙動計算は、前記連成計算に替えて、所定のモデル式に前記型のパラメータを適用することで前記型の変形を計算することを含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション装置。
  3. 前記第1計算方法による挙動計算は、前記硬化性組成物の液滴の挙動と、前記型の変形と、前記型の裏面の空間の圧力との関係性を求める連成計算を行うことを含み、
    前記第2計算方法による挙動計算は、前記連成計算を行わずに、過去の前記型の変形の計算結果または前記型の変形の計測結果を用いて前記型の変形を予測することを含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション装置。
  4. 前記第2計算方法による挙動計算の評価領域が、前記第1計算方法による挙動計算の評価領域の一部に限定される、ことを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション装置。
  5. 前記挙動計算の結果は、最大気泡欠陥サイズおよび気泡欠陥数の情報を含み、
    前記所定の評価基準は、最大気泡欠陥サイズが許容値以下かつ気泡欠陥数が許容数以下であること、
    を特徴とする請求項1に記載のシミュレーション装置。
  6. 基板の上に配置された硬化性組成物の複数の液滴と型とを接触させ、前記基板の上に前記硬化性組成物の膜を形成する膜形成処理における前記硬化性組成物の挙動を予測するシミュレーション装置であって、
    第1計算方法と、該第1計算方法に比べて計算時間が短縮される第2計算方法とのうちから選択された計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する処理部と、
    前記膜形成処理のパラメータセットおよび計算方法についてのユーザ指示を受け付けるための選択肢を提示するとともに、挙動計算の実行開始のユーザ指示を受け付けるユーザインタフェースと、を有し、
    前記処理部は、前記ユーザインタフェースを介して前記実行開始のユーザ指示が入力されたことに応答して、パラメータセットの選択肢から選択されたパラメータセットを適用して、前記第1計算方法および前記第2計算方法のうち計算方法の選択肢から選択された計算方法により、前記硬化性組成物の挙動計算を実行する、
    ことを特徴とするシミュレーション装置。
  7. 前記ユーザインタフェースは、前記パラメータセットの選択肢からユーザが複数のパラメータセットを選択することが可能なように構成されており、
    前記パラメータセットの選択肢から複数のパラメータセットがユーザにより選択され、かつ、前記計算方法の選択肢から前記第2計算方法がユーザにより選択された場合、前記処理部は、前記選択された複数のパラメータセットのそれぞれを適用して前記第2計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する、
    ことを特徴とする請求項6に記載のシミュレーション装置。
  8. 前記ユーザインタフェースは、実行された挙動計算の結果を表示する表示ウィンドウを含み、
    前記選択された複数のパラメータセットのそれぞれを適用して前記第2計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算が実行された後、前記選択肢から前記複数のパラメータセットのうちの1つのパラメータセットがユーザにより選択されたことに応答して、前記表示ウィンドウは、該選択されたパラメータセットを適用して実行された挙動計算の結果を表示する、
    ことを特徴とする請求項7に記載のシミュレーション装置。
  9. 前記選択された複数のパラメータセットのそれぞれを適用して前記第2計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算が実行された後、前記選択肢から前記複数のパラメータセットのうちの1つのパラメータセットがユーザにより選択され、かつ前記第1計算方法が選択された状態で、前記実行開始のユーザ指示が入力された場合、前記処理部は、前記選択されたパラメータセットを適用して前記第1計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する、ことを特徴とする請求項8に記載のシミュレーション装置。
  10. 基板の上に配置された硬化性組成物の複数の液滴と型とを接触させ、前記基板の上に前記硬化性組成物の膜を形成する膜形成処理における前記硬化性組成物の挙動を予測するシミュレーション装置であって、
    第1計算方法と、該第1計算方法に比べて計算時間が短縮される第2計算方法とのうちから選択された計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する処理部を有し、
    前記処理部は、
    前記膜形成処理の仮パラメータセットを適用して前記第1計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行し、
    前記仮パラメータセットに対する前記挙動計算の結果に基づいて評価領域を決定し、
    前記決定された評価領域に対して、複数の仮パラメータセットのそれぞれを適用して前記第2計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する、
    ことを特徴とするシミュレーション装置。
  11. 基板の上に配置された硬化性組成物の複数の液滴と型とを接触させ、前記基板の上に前記硬化性組成物の膜を形成する膜形成処理における前記硬化性組成物の挙動を予測するシミュレーション装置であって、
    第1計算方法と、該第1計算方法に比べて計算時間が短縮される第2計算方法とのうちから選択された計算方法により前記硬化性組成物の挙動計算を実行する処理部を有する、
    ことを特徴とするシミュレーション装置。
  12. コンピュータを、請求項1から11のいずれか1項に記載のシミュレーション装置における処理部として機能させるプログラム。
JP2022099046A 2022-06-20 2022-06-20 シミュレーション装置、およびプログラム Pending JP2024000322A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022099046A JP2024000322A (ja) 2022-06-20 2022-06-20 シミュレーション装置、およびプログラム
US18/329,669 US20230409779A1 (en) 2022-06-20 2023-06-06 Simulation apparatus and storage medium
TW112121441A TW202403846A (zh) 2022-06-20 2023-06-08 模擬設備及程式
KR1020230076039A KR20230174169A (ko) 2022-06-20 2023-06-14 시뮬레이션 장치 및 프로그램

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022099046A JP2024000322A (ja) 2022-06-20 2022-06-20 シミュレーション装置、およびプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024000322A true JP2024000322A (ja) 2024-01-05

Family

ID=89169001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022099046A Pending JP2024000322A (ja) 2022-06-20 2022-06-20 シミュレーション装置、およびプログラム

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20230409779A1 (ja)
JP (1) JP2024000322A (ja)
KR (1) KR20230174169A (ja)
TW (1) TW202403846A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
TW202403846A (zh) 2024-01-16
KR20230174169A (ko) 2023-12-27
US20230409779A1 (en) 2023-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7507802B2 (ja) シミュレーション方法、シミュレーション装置、膜形成装置、物品の製造方法、およびプログラム
JP2012114157A (ja) ドロップレシピ作成方法およびデータベース作成方法
JP6584176B2 (ja) インプリント装置、インプリント方法および物品の製造方法
US11880638B2 (en) Method for forming a film or a curable composition, apparatus, and storage medium
JP7393304B2 (ja) シミュレーション方法、シミュレーション装置、プログラム及び膜形成方法
JP7465307B2 (ja) シミュレーション装置、シミュレーション装置の制御方法、およびプログラム
JP2024000322A (ja) シミュレーション装置、およびプログラム
JP7361615B2 (ja) シミュレーション方法、シミュレーション装置およびプログラム
JP7495838B2 (ja) シミュレーション方法、シミュレーション装置、膜形成装置、物品の製造方法及びプログラム
KR20220124105A (ko) 시뮬레이션 방법, 저장 매체, 시뮬레이션 장치, 막 형성 장치, 및 물품의 제조 방법
JP7507625B2 (ja) シミュレーション方法、シミュレーション装置、プログラム、膜形成装置および物品製造方法
WO2020158746A1 (ja) シミュレーション方法、シミュレーション装置およびプログラム
JP2021103702A (ja) シミュレーション方法、シミュレーション装置およびプログラム
US20230264412A1 (en) Information processing device, imprinting device, storage medium, and article manufacturing method
US20240005128A1 (en) Prediction method, information processing apparatus, film forming apparatus, article manufacturing method and non-transitory storage medium
US20220261521A1 (en) Simulation method, simulation apparatus, film forming apparatus, article manufacturing method and nontransitory storage medium
JP2022134089A (ja) シミュレーション方法、シミュレーション装置、膜形成装置、プログラム、および物品の製造方法
US20220035969A1 (en) Simulation method, simulation apparatus, film forming apparatus, article manufacturing method and non-transitory storage medium
JP2022013430A (ja) シミュレーション方法、プログラム、シミュレーション装置、データベース、膜形成装置および物品製造方法