JP2023552310A - フレクスプライン、及びそれを備えるハーモニック減速機 - Google Patents
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Abstract
フレクスプライン(1)、及びそれを備えるハーモニック減速機であって、フレクスプライン(1)は、円筒形構造として構成されるフレクスプライン本体(11)を備え、フレクスプライン本体(11)の第1端が歯部(12)となり、歯部(12)の外壁においてその周方向に沿って複数の外歯(121)が形成されており、隣接する2つの外歯(121)の間に補強構造が設けられており、補強構造は、2つの外歯(121)の間の部分の厚さを大きくするために複数の円弧セグメントを含む。【選択図】図1
Description
本願は、2021年02月22日に出願された、出願番号が202110202751.1、名称が「フレクスプライン、及びそれを備えるハーモニック減速機」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全文はここに参照として組み込まれている。
本願は、ハーモニック減速機の技術分野に関し、特にフレクスプライン、及びそれを備えるハーモニック減速機に関する。
インテリジェント製造のモデルチェンジとアップグレードに伴い、産業用ロボットのハーモニック減速機の高精密伝動に対して、より高い精度と信頼性の要求が求められており、ロボット伝動のコア部品の1つであるハーモニック減速機は、他の減速機と比べて、体積が小さく、減速比が大きく、また、噛み合う歯の数が多く、伝動がスムーズで、負荷力が高く、伝動精度が高いなどの特徴があるため、宇宙、軍事、産業用ロボットなどに広く応用されている。現在、ハーモニック減速機業界の発展を制約する主な問題は寿命の問題であり、フレクスプラインの歯根元の破断やフランジの引き裂きはハーモニック減速機の故障の主な原因である。また、フレクスプラインの歯形とフランジ構造の寸法を変更すると、この両方の損傷が常に発生する。
業界では、歯形構造、円筒及びフランジのR角接続などに対して特化した構造設計を行ったが、フレクスプラインは依然としてハーモニック減速機の最も弱い部分である。一部のハーモニック減速機は、曲げ部の曲率半径Rに対して特化した構造設計を行っているが、フレクスプラインの歯根元の破断を解決することはできない。
以上に鑑み、本願は、フレクスプライン、及びそれを備えるハーモニック減速機を提供し、少なくとも、従来技術に存在するフレクスプラインの歯根元部が破断しやすいという技術的課題を解決するために用いられる。具体的には、以下のとおりである。
第1態様では、本願は、
円筒形構造として構成されるフレクスプライン本体を備え、
前記フレクスプライン本体の一端が歯部となり、前記歯部の外壁においてその周方向に沿って複数の外歯が形成されており、隣接する2つの前記外歯の間に補強構造が設けられており、
前記補強構造が、2つの前記外歯の間の部分の厚さを大きくするために複数の円弧セグメントを含む、フレクスプラインを提供する。
円筒形構造として構成されるフレクスプライン本体を備え、
前記フレクスプライン本体の一端が歯部となり、前記歯部の外壁においてその周方向に沿って複数の外歯が形成されており、隣接する2つの前記外歯の間に補強構造が設けられており、
前記補強構造が、2つの前記外歯の間の部分の厚さを大きくするために複数の円弧セグメントを含む、フレクスプラインを提供する。
さらに好ましくは、前記補強構造は凸円弧と外側遷移円弧を含み、
前記凸円弧は、2つずつの前記外歯の間に設けられ、前記フレクスプライン本体の外周面から突出しており、
前記外側遷移円弧は、前記凸円弧の両側に設けられ、前記凸円弧と2つの前記外歯との間に滑らかな曲面を形成する。
前記凸円弧は、2つずつの前記外歯の間に設けられ、前記フレクスプライン本体の外周面から突出しており、
前記外側遷移円弧は、前記凸円弧の両側に設けられ、前記凸円弧と2つの前記外歯との間に滑らかな曲面を形成する。
さらに好ましくは、前記フレクスプライン本体には第1端と第2端が設けられており、前記歯部は前記フレクスプライン本体の第1端に設けられ、前記フレクスプライン本体の第2端にはフランジ部が設けられ、
前記フランジ部は環状構造であり、環状フランジ壁を介して前記フレクスプライン本体の第2端に接続される。
前記フランジ部は環状構造であり、環状フランジ壁を介して前記フレクスプライン本体の第2端に接続される。
さらに好ましくは、前記外側遷移円弧の所在位置の厚さはL1であり、前記フランジ壁の厚さはL2であり、
L1の値はL2の値の1.5~1.8倍である。
L1の値はL2の値の1.5~1.8倍である。
さらに好ましくは、前記外側遷移円弧の半径はR1であり、前記外歯の噛合部位の末端の円弧半径はR2であり、
R1<R2である。
R1<R2である。
さらに好ましくは、前記凸円弧の円心、前記外歯の歯根元円及び前記フレクスプライン本体の円心が同一の直線上にある。
さらに好ましくは、前記凸円弧の半径はR0であり、R1<R2<R0である。
第2態様では、本願は、
リング構造として構成され、内壁において周方向に沿って複数の内歯が形成されているサーキュラスプラインと、
前記サーキュラスプラインが嵌め込まれ、前記内歯が前記外歯と噛み合い、前記内歯の数が前記外歯の数よりも多い上記フレクスプラインと、を含むハーモニック減速機を提供する。
リング構造として構成され、内壁において周方向に沿って複数の内歯が形成されているサーキュラスプラインと、
前記サーキュラスプラインが嵌め込まれ、前記内歯が前記外歯と噛み合い、前記内歯の数が前記外歯の数よりも多い上記フレクスプラインと、を含むハーモニック減速機を提供する。
さらに好ましくは、前記内歯の歯先に内円弧と内側遷移円弧が設けられ、
前記内側遷移円弧は2つ設けられ、2つの前記内側遷移円弧はそれぞれ前記内円弧の両側に設けられ、
前記内円弧は前記凸円弧と位置が対応しており、前記内側遷移円弧は前記外側遷移円弧と位置が対応している。
前記内側遷移円弧は2つ設けられ、2つの前記内側遷移円弧はそれぞれ前記内円弧の両側に設けられ、
前記内円弧は前記凸円弧と位置が対応しており、前記内側遷移円弧は前記外側遷移円弧と位置が対応している。
さらに好ましくは、前記内円弧の半径が前記凸円弧の半径以上であり、及び/又は、
前記内側遷移円弧の半径が前記外側遷移円弧の半径以上である。
前記内側遷移円弧の半径が前記外側遷移円弧の半径以上である。
本願では、フレクスプラインの2つの外歯の間、すなわち、厚さが最も小さい位置に補強構造が設けられることにより、当該位置の厚さを大きくし、具体的には、3つの円弧が凸起してスムーズに遷移するような構造を設計して、歯部のうち最も薄い位置を最適化させ、歯根元部の厚さを大きくし、ハーモニックフレクスプラインの歯部の負荷強度を向上させ、これによって、ハーモニック減速機の寿命を延ばす。本願では、フレクスプラインの歯部の強度を向上させ、フレクスプラインの寿命を延ばすことができ、これによって、ハーモニック減速機の寿命を延ばし、その信頼性を向上させる。
本開示の上記及び他の目的、特徴、及び利点は、図面を参照してその例示的な実施例を詳細に説明することによって、より明らかになる。以下に説明する図面は、本開示のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとっては、創造的な労力を払うことなく、これらの図面から他の図面を得ることもできる。
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例における技術的解決手段について、本願の実施例の図面を参照して明確かつ完全に説明するが、説明される実施例が本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではないことは明らかである。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を行わないことを前提として取得した他のすべての実施例は、本願の保護範囲に属する。
本願の実施例において使用される用語は、単に特定の実施例を説明する目的のためにのみ使用されるものであって、本願を限定することを意図するものではない。本願の実施例及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形の「1つ」、「前記」及び「該」は、文脈上ほかの意味を明確に示す場合を除き、複数形を含むことも意図されており、「複数」は、一般に少なくとも2つを含むが、少なくとも1つを含む場合を排除しない。
本明細書で使用される用語「及び/又は」は、関連オブジェクトの関連関係を説明するものにすぎず、3つの関係が存在し得ることを意味し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在し、A及びBが同時に存在し、Bが単独で存在するという3つの状況を表すことができることを理解されるべきである。また、本明細書における符号「/」は、一般に前後の関連関係が「又は」の関係であることを表す。
なお、用語「包含」、「含む」、又はその他の任意の変形は、非排他的包含をカバーすることを意図しており、それにより、一連の要素を含む商品又はシステムは、それらの要素だけでなく、明示的に列挙されていない他の要素も含むか、又はそのような商品又はシステムに固有の要素も含む。これ以上の制限がない場合には、「1つの…を含む」という文言で限定される要素は、前記要素を含む商品又はシステムに別の同一の要素がさらに存在することを排除するものではない。
本願では、フレクスプラインの2つの外歯の間、すなわち、厚さが最も小さい位置に補強構造が設けられることにより、当該位置の厚さを大きくし、具体的には、3つの円弧が凸起してスムーズに遷移するような構造を設計して、歯部のうち最も薄い位置を最適化させ、歯根元部の厚さを大きくし、ハーモニックフレクスプラインの歯部の負荷強度を向上させ、これによって、ハーモニック減速機の寿命を延ばす。サーキュラスプラインには、フレクスプラインに対向する、3つの凹円弧がスムーズに遷移するような構造設計が採用され、サーキュラスプラインが上記のフレクスプラインと噛み合うときに干渉が生じないことが確保される。また、凹形歯槽が貯油部位となり、サーキュラスプラインとフレクスプラインとの噛合部位でのより十分な潤滑が確保される。以下では、具体的な実施例を参照して本願について詳細に説明する。
図1、図2に示すように、本願は、
円筒形構造として構成されるフレクスプライン本体11を含み、
フレクスプライン本体11の第1端が歯部12となり、歯部12の外壁においてその周方向に沿って複数の外歯が形成されており、隣接する2つの外歯の間に補強構造が設けられており、
図3、図4に示すように、補強構造が、2つの外歯の間の部分の厚さを大きくするために複数の円弧セグメントを含む、フレクスプライン1を提供する。
円筒形構造として構成されるフレクスプライン本体11を含み、
フレクスプライン本体11の第1端が歯部12となり、歯部12の外壁においてその周方向に沿って複数の外歯が形成されており、隣接する2つの外歯の間に補強構造が設けられており、
図3、図4に示すように、補強構造が、2つの外歯の間の部分の厚さを大きくするために複数の円弧セグメントを含む、フレクスプライン1を提供する。
具体的には、補強構造は、凸円弧122と外側遷移円弧123を含み、凸円弧122は、2つの外歯の中央位置に設けられ、フレクスプライン本体11の径方向に沿って凸起しており、2つの外歯の間の部分の厚さが大きくなり、外側遷移円弧123は2つ設けられ、2つの外側遷移円弧123は凸円弧122の両側に設けられ、このように、3円弧構造が形成され、凸円弧122と2つの外歯との間に滑らかな曲面が形成され、応力集中が回避される。
フレクスプライン本体11の第2端にフランジ部13が設けられており、フランジ部13は環状構造であり、環状フランジ壁131を介してフレクスプライン本体11の第2端に接続される。フランジ壁131のフレクスプライン本体11の軸方向に沿った厚さはL2であり、外側遷移円弧123の所在位置の厚さはL1であり、すなわち、歯部12のうち最も薄い部位の厚さはL1であり、ここで、1つの具体的な実施例では、L1の値はL2の値の1.5~1.8倍であり、フレクスプライン1の歯根元は噛合部位に近接しており、上端が開放式構造であり、一方、フランジ壁131は軸方向の回転力から変化した径方向の回転力を付加し、受力が複雑である。フランジ部13がフレクスプライン本体11とフランジ部13を接続してトルクを伝達する役割を果たすので、通常、まず、フランジ壁131の厚さL2を決定し、次に、上記の制限関係に従ってハーモニック減速機の性能を確保しながら歯根元の厚さL1をできるだけ増大することによって、フレクスプライン1の寿命を延ばす。上記の構造上の制限によれば、外歯が可撓性をもって合理的に変形することを確保しながら、歯根元部とフランジでの寿命を延ばすことができる。
凸円弧122は、半径がR0であり、円心が外歯の歯根元円とフレクスプライン1の中心円の円心との結び線にあり、外側遷移円弧123の両端が外歯噛合部位に接続され、凸円弧122の使用により歯根元の厚さが大幅に大きくなる。しかし、このような設計により、歯根元のうち最も薄い部位が中央から両側の接続部位に変わり、接続のスムーズさが不十分であると、応力集中が生じる。外側遷移円弧123の半径はR1であり、外歯噛合部位の末端の円弧半径はR2であり、R1<R2<R0である。本実施例では、外側遷移円弧123により凸円弧122と外歯噛合部位とが接続される。外側遷移円弧123の構造上の特徴により、その半径R1と外歯噛合部位の末端の円弧半径R2とはR1<R2の関係になり、また、遷移円弧に異なるR1値が選択されると、両側の最も薄い位置もそれに応じて変化し、R1値が大きくなるほど、両側の最も薄い位置もそれに応じて厚くなり、このため、本願の歯根元部の厚さをできるだけ大きくするために、R1値が大きいのが好ましい。
本願は、図5に示すように、リング構造として構成され、内壁においてその周方向に複数の内歯21が形成されたサーキュラスプライン2と、サーキュラスプライン2が嵌め込まれ、内歯21が外歯と噛み合い、内歯21の数が外歯の数よりも多い上記のフレクスプライン1と、を含む、ハーモニック減速機をさらに提供する。
図6、図7に示すように、好ましくは、内歯21の歯先に内円弧22と内側遷移円弧23が設けられ、内側遷移円弧23は2つ設けられており、2つの内側遷移円弧23は、それぞれ内円弧22の両側に設けられ、内円弧22は凸円弧122と位置が対応しており、内側遷移円弧23は外側遷移円弧123と位置が対応しており、これにより、サーキュラスプライン2がフレクスプライン1と噛み合うときに干渉が生じないことが確保され、また、内円弧22に所定量の潤滑油を収容できる貯油部位が形成され、サーキュラスプライン2とフレクスプライン1との噛合部位での十分な潤滑が確保される。
図7に示すように、内歯21の歯先部は、剛性に優れ、直接噛合部位ではなく、内歯21の歯先の凹形円弧の直径をフレクスプライン1の凸円弧122の半径の値以上にすると、逃し部位が大きくなり、両側の遷移円弧の半径もフレクスプライン1の遷移円弧R1よりも大きくなり、これにより、逃し空間や潤滑油貯蔵空間が十分に確保される。
フレクスプライン1が中空軸の長軸と接触するときに、フレクスプライン1の歯部12はサーキュラスプライン2の内歯21と噛み合い、ここでは、外歯の歯根元と内歯21の歯先は十分な逃し部位を持ち、貯油空間が形成される。
ハーモニック減速機及びフレクスプライン自体の構造上の特徴によれば、本願では、新規なフレクスプラインの歯底構造が設計され、サーキュラスプライン2の歯先構造も最適化され、これにより、従来技術におけるフレクスプラインの歯根元の破断を効果的に改善することができ、ハーモニック減速機の作動安定性を向上させ、その寿命を延ばす。
以上は、本開示の例示的な実施例を具体的に示して説明している。なお、本開示は、ここでの詳細な構造、配置方式や実現方法に限定されるものではなく、むしろ、本開示は、添付の特許請求の範囲の主旨及び範囲に含まれる様々な修正や等価形態を含むことを意図している。
1、フレクスプライン
11、フレクスプライン本体
12、歯部
121、外歯
122、凸円弧
123、外側遷移円弧
13、フランジ部
131、フランジ壁
2、サーキュラスプライン
21、内歯
22、内円弧
23、内側遷移円弧
11、フレクスプライン本体
12、歯部
121、外歯
122、凸円弧
123、外側遷移円弧
13、フランジ部
131、フランジ壁
2、サーキュラスプライン
21、内歯
22、内円弧
23、内側遷移円弧
図1、図2に示すように、本願は、
円筒形構造として構成されるフレクスプライン本体11を含み、
フレクスプライン本体11の第1端が歯部12となり、歯部12の外壁においてその周方向に沿って複数の外歯121が形成されており、隣接する2つの外歯121の間に補強構造が設けられており、
図3、図4に示すように、補強構造が、2つの外歯121の間の部分の厚さを大きくするために複数の円弧セグメントを含む、フレクスプライン1を提供する。
円筒形構造として構成されるフレクスプライン本体11を含み、
フレクスプライン本体11の第1端が歯部12となり、歯部12の外壁においてその周方向に沿って複数の外歯121が形成されており、隣接する2つの外歯121の間に補強構造が設けられており、
図3、図4に示すように、補強構造が、2つの外歯121の間の部分の厚さを大きくするために複数の円弧セグメントを含む、フレクスプライン1を提供する。
具体的には、補強構造は、凸円弧122と外側遷移円弧123を含み、凸円弧122は、2つの外歯121の中央位置に設けられ、フレクスプライン本体11の径方向に沿って凸起しており、2つの外歯121の間の部分の厚さが大きくなり、外側遷移円弧123は2つ設けられ、2つの外側遷移円弧123は凸円弧122の両側に設けられ、このように、3円弧構造が形成され、凸円弧122と2つの外歯121との間に滑らかな曲面が形成され、応力集中が回避される。
凸円弧122は、半径がR0であり、円心が外歯121の歯根元円とフレクスプライン1の中心円の円心との結び線にあり、外側遷移円弧123の両端が外歯噛合部位に接続され、凸円弧122の使用により歯根元の厚さが大幅に大きくなる。しかし、このような設計により、歯根元のうち最も薄い部位が中央から両側の接続部位に変わり、接続のスムーズさが不十分であると、応力集中が生じる。外側遷移円弧123の半径はR1であり、外歯噛合部位の末端の円弧半径はR2であり、R1<R2<R0である。本実施例では、外側遷移円弧123により凸円弧122と外歯噛合部位とが接続される。外側遷移円弧123の構造上の特徴により、その半径R1と外歯噛合部位の末端の円弧半径R2とはR1<R2の関係になり、また、遷移円弧に異なるR1値が選択されると、両側の最も薄い位置もそれに応じて変化し、R1値が大きくなるほど、両側の最も薄い位置もそれに応じて厚くなり、このため、本願の歯根元部の厚さをできるだけ大きくするために、R1値が大きいのが好ましい。
本願は、図5に示すように、リング構造として構成され、内壁においてその周方向に複数の内歯21が形成されたサーキュラスプライン2と、サーキュラスプライン2が嵌め込まれ、内歯21が外歯121と噛み合い、内歯21の数が外歯121の数よりも多い上記のフレクスプライン1と、を含む、ハーモニック減速機をさらに提供する。
図7に示すように、内歯21の歯先部は、剛性に優れ、直接噛合部位ではなく、内歯21の歯先の凹形円弧の半径をフレクスプライン1の凸円弧122の半径の値以上にすると、逃し部位が大きくなり、両側の遷移円弧の半径もフレクスプライン1の遷移円弧R1よりも大きくなり、これにより、逃し空間や潤滑油貯蔵空間が十分に確保される。
フレクスプライン1が中空軸の長軸と接触するときに、フレクスプライン1の歯部12はサーキュラスプライン2の内歯21と噛み合い、ここでは、外歯121の歯根元と内歯21の歯先は十分な逃し部位を持ち、貯油空間が形成される。
Claims (10)
- フレクスプラインであって、
円筒形構造として構成されるフレクスプライン本体を備え、
前記フレクスプライン本体の一端が歯部となり、前記歯部の外壁においてその周方向に沿って複数の外歯が形成されており、隣接する2つの前記外歯の間に補強構造が設けられており、
前記補強構造は、2つの前記外歯の間の部分の厚さを大きくするために複数の円弧セグメントを含む、ことを特徴とするフレクスプライン。 - 前記補強構造は凸円弧と外側遷移円弧を含み、
前記凸円弧は、2つずつの前記外歯の間に設けられ、前記フレクスプライン本体の外周面から突出しており、
前記外側遷移円弧は、前記凸円弧の両側に設けられ、前記凸円弧と2つの前記外歯との間に滑らかな曲面を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載のフレクスプライン。 - 前記フレクスプライン本体には第1端と第2端が設けられており、前記歯部は前記フレクスプライン本体の第1端に設けられ、前記フレクスプライン本体の第2端にはフランジ部が設けられ、
前記フランジ部は環状構造であり、環状フランジ壁を介して前記フレクスプライン本体の第2端に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載のフレクスプライン。 - 前記外側遷移円弧の所在位置の厚さはL1であり、前記フランジ壁の厚さはL2であり、
L1の値はL2の値の1.5~1.8倍である、ことを特徴とする請求項3に記載のフレクスプライン。 - 前記外側遷移円弧の半径はR1であり、前記外歯の噛合部位の末端の円弧半径はR2であり、
R1<R2である、ことを特徴とする請求項4に記載のフレクスプライン。 - 前記凸円弧の円心、前記外歯の歯根元円及び前記フレクスプライン本体の円心が同一の直線上にある、ことを特徴とする請求項5に記載のフレクスプライン。
- 前記凸円弧の半径はR0であり、R1<R2<R0である、ことを特徴とする請求項6に記載のフレクスプライン。
- ハーモニック減速機であって、
リング構造として構成され、内壁において周方向に沿って複数の内歯が形成されているサーキュラスプラインと、
前記サーキュラスプラインが嵌め込まれ、前記内歯が前記外歯と噛み合い、前記内歯の数が前記外歯の数よりも多い請求項1~7のいずれか1項に記載のフレクスプラインと、を含む、ことを特徴とするハーモニック減速機。 - 前記フレクスプラインは請求項2~7のいずれか1項に記載のフレクスプラインであり、
前記内歯の歯先に内円弧と内側遷移円弧が設けられ、
前記内側遷移円弧は2つ設けられ、2つの前記内側遷移円弧はそれぞれ前記内円弧の両側に設けられ、
前記内円弧は前記凸円弧と位置が対応しており、前記内側遷移円弧は前記外側遷移円弧と位置が対応している、ことを特徴とする請求項8に記載のハーモニック減速機。 - 前記内円弧の半径が前記凸円弧の半径以上であり、及び/又は、
前記内側遷移円弧の半径が前記外側遷移円弧の半径以上である、ことを特徴とする請求項9に記載のハーモニック減速機。
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