JP2023549446A - 信頼性を向上させるための導電性ポリマー分散液 - Google Patents

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Abstract

本発明によるコンデンサは陽極箔と、陽極箔上の導電性ポリマー層とを含む。電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有する。第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。

Description

関連出願の相互参照
本願は、本書に援用されている、2017年10月18日に出願された米国特許出願第15/787,126号(現在2020年5月19日に登録済みの米国特許第10,658,121号)の分割出願に当たる、2018年10月19日に出願された米国特許出願第16/165,649号(現在、2020年5月12日に登録済みの米国特許第10,650,980号)の一部継続出願として2019年6月10日に出願された、係属中の米国特許出願第16/435,762号の一部継続である。
本発明は、導電性ポリマー陰極を含む改善された固体電解コンデンサに関する。より具体的には、本発明は、改善されたポリマー組成物が、特に端部や隅において被覆率を改善し、それによってESRや湿潤環境において漏れ安定性が向上されているコンデンサを提供する導電性ポリマーに関する。
固体電解コンデンサは、電子機器業界の全体で広く使用されている。高電圧用途では、導電性ポリマー分散液によって形成された固体電解質を含むコンデンサーは、現場で即形成された導電性ポリマー陰極に比べ、優れた高電圧性能を有する。これらの導電性ポリマー分散液は、重合、精製、濾過、均質化、蒸発などを含む多くのプロセスステップによって調製される。プロセスについては、米国特許第5,300,575号、第7,990,684号、第7,270,871号、第6,000,840号、第9,030,806号、米国公開特許第2011/0049433号、PCT公開特許第2010/089111号を参照し得る。各特許は本書に援用されている。
コンデンサやコンデンサの製造法については、米国特許第7,990,683号、第7,754,276号、第7,563,290号、第10,770,240号、第9,343,239号を参照し得る。各特許は本書に援用されている。
陰極として導電性ポリマーを含む固体電解コンデンサには、しかしながら欠点がある。まず、誘電体の端部と隅が被覆し辛い。陽極酸化陽極の端部や隅の導電性ポリマーの被覆率が低いと、高いDC漏れ電流が発生し、湿度の高い環境で信頼性の問題が発生してしまう。
コンデンサの等価直列抵抗(ESR)の安定性には、陰極層、陰極導電層、導電性接着剤、リードフレームの間の界面が、熱機械的応力に対して良好な機械的完全性を備えている必要がある。固体電解コンデンサは、組み立て、成形、基板実装のリフローなどの際に熱機械的応力を受ける。基板実装中の場合、コンデンサは250℃を超える温度にさらされる。界面間の熱膨張係数(CTE)が一致しない場合、上昇した温度は、界面に応力を発生させる。結果として生じる応力は、界面の機械的弱体化を引き起こす。場合によっては、機械的弱体化が剥離を引き起こすこともある。界面間の物理的分離により、界面間の電気抵抗が増加し、完成したコンデンサのESRが高まる。界面の脆弱性は、高湿度環境でのESRシフトの増加にもつながる。
欧州特許出願EP-A-1746613は、0.7~20μmの範囲の平均粒径を有する固体粒子を分散液に添加することにより、EP-A-1524678に開示されている固体電解コンデンサの形成プロセスを改善する。固体粒子は、炭酸塩、ケイ酸塩、シリカ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ガラス繊維、ガラス球、木粉、セルロース粉末、カーボンブラック、酸化ケイ素、二酸化ケイ素などの導電性ポリマー又は充填剤の粒子である。当該特許は、導電性ポリマーのポリアニオン分散液に前述の粒子を添加することにより、端部と隅の被覆率が改善されたと主張している。しかしながら、導電性ポリマーの固体粒子は、非分散性又は不水溶性になるため、ポリアニオンを含んでいない。よって、導電性ポリマー:ポリアニオン分散液に導電性ポリマーの固体粒子を添加すると、分散安定性に影響を及ぼし、分散液の粘度が非常に高くなる。分散液中に固体粒子が沈降し、性能の再現性が低下する可能性がある。更に、米国公開特許第2015/0140203号に記載されているように、固体粒子がポリマーの外側フィルムを脆くするため、外側層が局所的に剥離し、残留電流とESRが増加する可能性がある。
ポリマー外側層のフィルム強度に影響を与えることなく被覆率を改善するために、本書に援用されている国際公開特許第2010089111号では、架橋剤やプライマーと呼ばれ、ほとんどがマルチカチオン塩またはアミンである化合物群を適用している。架橋剤は、陽極酸化陽極の端部や隅で良好なポリマー被覆を達成するために、ポリマースラリーを塗布する前に陽極酸化陽極に塗布される。架橋剤を使用することで、被覆率を改善するために導電性ポリマー分散液に固体粒子を添加する必要がなくなった。架橋剤の有効性は、スラリー/分散粒子に対するマルチカチオン塩やアミンの架橋能力によるものである。架橋剤は、陽極酸化陽極の端部・隅の被覆率を改善し得るが、架橋剤の添加は、本質的にほとんどがイオン性であるため、高ESRシフトやDC漏れ電流の増加など、完成品の湿度下での性能を低下させるという別の問題が生じてしまう。
固体電解コンデンサにおいて端部・隅の被覆率を改善できる導電性ポリマーと、湿潤条件下でのESRや漏れ信頼性を低下させることのない、コンデンサの形成プロセスに対する需要が未だに存在する。
本発明の目的は、コンデンサーの端部・隅被覆率を更に向上することのできる導電性ポリマーを提供することである。
本発明の更なる目的は、湿潤な環境で使用し得る特性を有する改善されたコンデンサを提供することである。
本発明の利点は、固体電解コンデンサの形成プロセスにおいて実現される。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
次いで、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層を形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。
その他の実施形態は、固体電解コンデンサを提供する。当該コンデンサは、陽極酸化陽極と、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層と、を備える。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。
また別の実施形態は、分散液の形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
少なくとも3wt%~10wt%の固形分モノマー及びポリアニオンを含む溶液として、モノマー及びポリアニオを用意する。
次いで、高剪断重合によるモノマーの重合を行う。分散液は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。
また別の実施形態は、分散液を提供する。当該分散液は、
導電性ポリマー及びポリアニオンを含み、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有する第1粒子と、
導電性ポリマー及びポリアニオンを含み、少なくとも1nm~600nmンの平均粒径を有する第2粒子と、を有する。
当該導電性ポリマーは、式1の構造を有する共役基を含む。
Figure 2023549446000002
ここにおいて、
R1及びR2は独立して、直鎖状又は分枝状のC1-C16アルキル又はC2-C18アルコキシアルキルを表し、或いは、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロゲン又はOR3で置換されていてもよいC3-C8シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
若しくは、R1及びR2は、共に、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、C3-C8シクロアルキル、フェニル、ベンジル、C1-C4アルキルフェニル、C1-C4アルコキシフェニル、ハロフェニル、C1-C4アルキルベンジル、C1-C4アルコキシベンジル又はハロベンジル、2種の酸素元素を含む5員、6員、又は7員の複素環構造で置換されていてもよい直鎖状C1-C6アルキレンであり、
R3は、水素、直鎖状又は分枝状のC1-C16アルキル又はC2-C18アルコキシアルキルを表し、或いは、C1-C6アルキルで置換されていてもよいC3-C8シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
XはS、N又はOである。
ポリアニオンは式2によって表され、
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
次いで、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層を形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層とを含み、内部ポリマーは、予重合導電性ポリマーを含む。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
陽極酸化陽極上に有機金属化合物を含む層を塗布する。
次いで、予重合導電性ポリマー層を有機金属化合物層上に形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層とを含む。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
次いで、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層を形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電層の形成は、第1粒子及び第2の粒子を含む分散液を塗布することを含む。
更に、分散液の一部に、ローター・ステーター高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー、又は高剪断ホモジナイザーを施す。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
次いで、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層を形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。ポリアニオンは式2によって表される。
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。
第1粒子及び第2粒子は分散液である。
分散液の第1部分は、モノマー溶液の高剪断重合によって形成され、分散液の第2部分は、ローター・ステーター高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー、又は高剪断ホモジナイザーを施される。
その他の実施形態は、固体電解コンデンサを提供する。当該コンデンサは、
陽極酸化陽極と、
陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層と、を含む。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層を含み、更には、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含む。第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。
当該ポリアニオンは式2によって表され、
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。
x+y+zの合計において、yが10~30%、zが0~20%を表す。
外部ポリマー層はポリアニオンを含む。
また別の実施形態は、分散液を提供する。当該分散液は、
導電性ポリマー及びポリアニオンを含み、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有する第1粒子と、
導電性ポリマー及びポリアニオンを含み、少なくとも1nm~600nmンの平均粒径を有する第2粒子と、を有する。
当該導電性ポリマーは、式1の構造を有する共役基を含む。
Figure 2023549446000003
ここにおいて、
R1及びR2は独立して、直鎖状又は分枝状のC1-C16アルキル又はC2-C18アルコキシアルキルを表し、或いは、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロゲン又はOR3で置換されていてもよいC3-C8シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
若しくは、R1及びR2は、共に、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、C3-C8シクロアルキル、フェニル、ベンジル、C1-C4アルキルフェニル、C1-C4アルコキシフェニル、ハロフェニル、C1-C4アルキルベンジル、C1-C4アルコキシベンジル又はハロベンジル、2種の酸素元素を含む5員、6員、又は7員の複素環構造で置換されていてもよい直鎖状C1-C6アルキレンであり、
R3は、水素、直鎖状又は分枝状のC1-C16アルキル又はC2-C18アルコキシアルキルを表し、或いは、C1-C6アルキルで置換されていてもよいC3-C8シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
XはS、N又はOである。
ポリアニオンは式2によって表され、
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよく、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。更に、分散液の一部に、ローター・ステーター高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧均質化、又は高せん断均質化を施す。
またその他の実施形態は、電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスでは、有機金属化合物で被覆された誘電体を含む陽極を用意し、ポリアニオン及び導電性ポリマーを含む第1導電性ポリマー層を形成し、第2導電性ポリマーとPSSコポリマーであるポリアニオンとを含む第2ポリマースラリーを塗布する。
またその他の実施形態は、電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスでは、有機金属化合物で被覆された誘電体を含む陽極を用意し、ポリアニオン及び導電性ポリマーを含む第1導電性ポリマー層を形成し、ポリアニオンを含む第2ポリマースラリーを塗布する。第2スラリーは、PEDOT:ポリアニオンの多峰性粒子を含む。
またその他の実施形態は、電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスでは、有機金属化合物で被覆された誘電体を含む陽極を用意し、ポリアニオン及び導電性ポリマーを含む第1導電性ポリマー層を形成し、ポリアニオンを含む第2ポリマースラリーを塗布する。第2スラリーは、PEDOT:ポリアニオンの少なくとも二峰性の粒径を含み、ポリアニオンはPSSコポリマーである。
またその他の実施形態は、電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスでは、有機金属化合物で被覆された誘電体を含む陽極を用意し、予重合ポリマーである第1導電性ポリマー層を形成し、第2導電性ポリマー及びポリアニオンを含みポリアニオンがPSSコポリマーである第2ポリマースラリーを塗布する。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
次いで、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層を形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層とを含み、内部ポリマーは、予重合導電性ポリマーを含む。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
陽極酸化陽極上に有機金属化合物を含む層を塗布する。
次いで、予重合導電性ポリマー層を有機金属化合物層上に形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層とを含む。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
次いで、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層を形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電層の形成は、第1粒子及び第2の粒子を含む分散液を塗布することを含む。
更に、分散液の一部に、ローター・ステーター高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー、又は高剪断ホモジナイザーを施す。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
次いで、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層を形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。ポリアニオンは式2によって表される。
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。
第1粒子及び第2粒子は分散液である。
分散液の第1部分は、モノマー溶液の高剪断重合によって形成され、分散液の第2部分は、ローター・ステーター高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー、又は高剪断ホモジナイザーを施される。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
次いで、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層を形成する。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層を含み、更には、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含む。第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。
当該ポリアニオンが式2によって表され、
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。
x+y+zの合計において、yが10~30%、zが0~20%を表す。
外部ポリマー層はポリアニオンを含む。
また別の実施形態は、コンデンサを提供する。当該コンデンサは、
陽極酸化陽極と、
陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層と、を含む。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層とを含み、内部ポリマーは、予重合導電性ポリマーを含む。
また別の実施形態は、コンデンサを提供する。当該コンデンサは、
陽極酸化陽極と、
有機金属化合物を含む陽極酸化陽極上の層と、
有機金属化合物層上の導電性ポリマー層と、を含む。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層とを含む。
また別の実施形態は、コンデンサを提供する。当該コンデンサは、
陽極酸化陽極と、
陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層と、を含む。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層を含み、更には、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含む。第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。
当該ポリアニオンは式2によって表され、
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。
x+y+zの合計において、yが10~30%、zが0~20%を表す。
外部ポリマー層はポリアニオンを含む。
また別の実施形態は、分散液を提供する。当該分散液は、
導電性ポリマー及びポリアニオンを含み、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有する第1粒子と、
導電性ポリマー及びポリアニオンを含み、少なくとも1nm~600nmンの平均粒径を有する第2粒子と、を有する。
当該導電性ポリマーは、式1の構造を有する共役基を含む。
Figure 2023549446000004
ここにおいて、
R1及びR2は独立して、直鎖状又は分枝状のC1-C16アルキル又はC2-C18アルコキシアルキルを表し、或いは、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロゲン又はOR3で置換されていてもよいC3-C8シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
若しくは、R1及びR2は、共に、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、C3-C8シクロアルキル、フェニル、ベンジル、C1-C4アルキルフェニル、C1-C4アルコキシフェニル、ハロフェニル、C1-C4アルキルベンジル、C1-C4アルコキシベンジル又はハロベンジル、2種の酸素元素を含む5員、6員、又は7員の複素環構造で置換されていてもよい直鎖状C1-C6アルキレンであり、
R3は、水素、直鎖状又は分枝状のC1-C16アルキル又はC2-C18アルコキシアルキルを表し、或いは、C1-C6アルキルで置換されていてもよいC3-C8シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
XはS、N又はOである。
当該ポリアニオンは式2によって表され、
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよく、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。更に、分散液の一部に、ローター・ステーター高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧均質化、又は高せん断均質化を施す。
また別の実施形態は、陽極箔と、陽極箔上の導電性ポリマー層とを含む、コンデンサを提供する。電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有する。第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電性ポリマー層は内部ポリマー層と外部ポリマー層とを含み、内部ポリマーは予重合導電性ポリマーを含む。
更に別の実施形態は、陽極酸化陽極を含むコンデンサを提供する。陽極酸化陽極は、モノリス及び箔から選ばれる。導電性ポリマー層は、陽極酸化陽極上にあり、導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層を含み、導電性ポリマーとポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマーを含む第2粒子とを更に含む。ポリアニオンにおいて、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。当該ポリアニオンは式2によって表され、
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。
x+y+zの合計において、yが10~30%、zが0~20%を表す。
当該外部ポリマー層は当該ポリアニオンを含む。
図1は、固体電解コンデンサの概略断面図である。 図2は、本発明の一実施形態を示すフローチャートである。 図3は、本発明の一実施形態を部分的に巻き戻した概略斜視図である。 図4は、図3の4-4線に沿った断面図である 図5は、本発明の一実施形態を示す概略図である。 図6は、本発明の一実施形態を部分的に巻き戻した概略斜視図である。 図7は、図6の7-7線に沿った断面図である 図8は、本発明の非対称陽極の両側を概略的に示す図面である。 図9は、本発明の一実施形態の概略断面図である。 図10は、本発明の一実施形態の電気回路図である。 図11は、本発明の非対称陽極の両側を概略的に示す図面である。 図12は、本発明の一実施形態の概略図である。 図13は、本発明の一実施形態を示す概略図である。 図14は、本発明の一実施形態の概略断面図である。 図15は、本発明の実施形態の断面概略部分分解図である。
本発明は、固体電解コンデンサに使用するための改善された導電性ポリマー分散液、陰極として導電性ポリマーを含む改善された固体電解コンデンサ、導電性ポリマーを含むスラリー、改善された固体電解コンデンサの製作方法に関する。より具体的には、本発明は、改善された固体電解コンデンサに使用するのに適した導電性ポリマー分散液の改善された重合方法に関する。つまり、少なくとも部分的には、陽極酸化陽極の端部や隅の被覆率の改善、更には、陰極層の界面接着の改善をはかるものである。
固体電解コンデンサにおいて、端部及び隅を完全に被覆し、界面接着を改善するためには、溶媒中の導電性ポリマー:ポリアニオン錯体粒子の少なくとも二峰性粒径分布を有する導電性ポリマーの分散物を含む混合物を塗布する必要がある。第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンのメジアン粒径(D50)を有する。より好ましくは、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~5ミクロン、より好ましくは少なくとも2ミクロン~4ミクロンのD50を有する。第2粒子は、少なくとも1nm~600nm、より好ましくは少なくとも100nm~500nm、更により好ましくは少なくとも200nm~400nmのD50を有する。D50に当たる平均平均粒径は、質量メジアン平均粒径、又は質量平均粒子平均粒径を指す。本願では、2つ以上の粒径を有するということは、二峰性分散液を意味する。
ポリマー及びアニオンの粒子は、d50が少なくとも1ミクロン~10ミクロンの第1粒子、少なくとも5重量%~95重量%を有するのが好ましく、少なくとも25重量%~75重量%を有するのがより好ましく、少なくとも40重量%~60重量%を有するのが更により好ましい。ポリマー及びアニオンの粒子は、D50が少なくとも1nm~600nmの第2粒子、少なくとも5重量%~95重量%を有するのが好ましく、少なくとも25重量%~75重量%を有するのがより好ましく、少なくとも40重量%~60重量%を有するのが更により好ましい。
後処理によるポリマー分散を行う際の第一粒子と第二粒子の比率調整において、分散液の一部はポリマーフィルムの品質に影響を与える。後処理技術として、高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧均質化、又は高剪断均質化混合などが挙げられる。導電性ポリマー:ポリアニオン粒子の少なくとも二峰性の粒径分布によって、一峰性粒径分布を有する従来技術の分散液と比べ、端部・隅の被覆率が大幅に改善される。その結果、ESRが大幅に改善され、高湿環境での漏れ信頼性が改善された固体電解コンデンサを実現することができる。本発明は、ESRシフトが100%未満であり、85℃、相対湿度85%で1000時間負荷をかけた後の漏れが0.1CV未満である固体電解コンデンサを提供する。
特に好ましい実施形態では、内部ポリマー層はより小さい粒子を含み、外部ポリマー層は、導電性ポリマー:ポリアニオン粒子の粒径分布が少なくとも二峰性である。
図面を参照して本発明を説明するが、図面の要素に本発明が限定される訳ではない。
本発明のコンデンサを、固体電解コンデンサが断面概略図で示されている図1を以って説明する。図1において、固体電解コンデンサ1は、その上に誘電体3を有するモノリス陽極2を含む。モノリス陽極は、粉末をモノリスにプレスし、プレスされた粉末に焼結・酸化を施すことによって形成される。完成後、導電性ポリマー層4は、本質的に連続した、好ましくは筋のない層であり、複数のプロセスステップによって形成されるため、本願では、説明と明確化のために各層を個別的に説明する。リードを導電性ポリマー層に取り付けることは困難であることはよく知られており、したがって、当分野で周知の技術として、導電性ポリマー層上の導電性炭素を含む層と、炭素含有層上の銀含有層とを含む取付層5を塗布する方法が知られている。陰極リード7は、導電性接着剤によって取付層に取り付けられる。陽極リード6は、通常、溶接によってリード線8に取り付けられ、陰極リードと陽極リードの部分を除くアセンブリ全体が、樹脂などの非導電性材料9によりカプセル化される。
塗布される第1導電性ポリマー層41は、内部ポリマー層と呼ばれ、多孔性誘電体の間隙領域を適切に被覆できる方法で形成される。第1導電性ポリマー層は、通常、好ましくは共通の成分から、多孔質誘電体の隙間領域の被覆に適した共通の条件下で順次形成される副層を含む。第1導電性ポリマー層は、通常、それぞれが共役導電性ポリマーを含む1~5個の層を含む。
第1導電性ポリマー層は、後続の層と同じ導電性ポリマー及びポリアニオンを有することができるが、第1導電性ポリマー層は、好ましくは、モノマー、酸化剤、ドーパントの溶液から形成されたインサイチュー重合によって形成された導電性ポリマーの少なくとも1回の塗布によって、或いは、小さい平均粒径を有する導電性ポリマー溶液や分散液を少なくとも1回塗布して十分な浸透を可能にすることにより、形成される。一実施形態では、内部ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンの粒子を含む分散液から形成され、粒径のD50は10~50nmである。より好ましくは、内部ポリマーは、D50が10~30nm、より好ましくは10~20nmの粒径を有する。一実施形態では、内部ポリマー層は、即重合導電性ポリマーを含まない。
内部ポリマー層は、誘電性ポリマー層と導電性ポリマー層との間の接着を改善するために、接着促進層を更に被覆してもよい。有機金属化合物、有機官能性シラン、加水分解物、又は弱酸を含む有機官能性シラン、或いはそのリン酸塩などの接着促進剤の例として、3-グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシ-プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニル(β-メトキシシラン)、ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン等、或いは、酸、アルコール、フェノール、アミン、エポキシ、アクリレート等の反応性基を含む水溶性モノマー/オリゴマー/ポリマーが挙げられる。有機官能性シラン中の弱酸の例としては、酢酸、リン酸等が挙げられる。内部ポリマー層は、本明細書に記載されているポリアニオンを含む小分子又はポリマーの対イオンをさらに含んでもよい。一実施形態では、有機金属化合物が誘電体又は陽極酸化陽極の表面に塗布され、内部ポリマー層がその上に形成される。その他の実施形態では、有機金属化合物は、導電性ポリマーの層の間に塗布される。
後続の導電性ポリマー副層42~4n(nは約10まで)は、まとめて外部ポリマー層と呼ばれ、典型的には分散液又は溶液の形態で塗布される。各副層を形成するために使用される導電性ポリマー含有分散液又は溶液は、同じでも異なっていてもよく、それによって、製造の便宜のために共通性を優先して組成的に同一又は相違の層が得られる。少なくとも1つの外層が本発明のポリマー分散液を含み、好ましくは各外層が本発明のポリマー分散液を含む。一実施形態では、外層は、その場で重合された導電性ポリマーを含まない。
外層はそれぞれ独立的に界面活性物質、例えばイオン性及び/又は非イオン性界面活性剤、接着促進剤、例えば有機官能性シラン、又その加水分解物やリン酸塩を含んでいてもく、例としては、3-グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン又はオクチルトリエトキシシラン、ポリウレタン、ポリアクリレート又はポリオレフィン分散液、又はその他の添加が挙げられる。
外層は更に独立的に、導電性向上添加剤、例えばエーテル基を含む化合物を含む。その例としては、テトラヒドロフラン;γ-ブチロラクトン、バレロラクトンなどのラクトン基を含む化合物;カプロラクタム、N-メチルカプロラクタム、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルホルムアミド、N-メチルホルムアニリド、N-メチルピロリドンなどのアミド又はラクタム基を含む化合物(NMP)、N-オクチルピロリドン、ピロリドン;スルホン及びスルホキシド、例えばスルホラン(テトラメチレンスルホン)、ジメチルスルホキシド(DMSO);糖又は糖誘導体、例えばスクロース、グルコース、フルクトース、ラクトース、糖アルコール、例えばソルビトール、マンニトール;イミド、例えばスクシンイミド又はマレイミド;フラン誘導体、例えば2-フランカルボン酸、3-フランカルボン酸、及び/又は、ジ-又はポリアルコール、例えばエチレングリコール、グリセロール又はジ-又はトリエチレングリコール、などが挙げられる。導電率向上添加剤として、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド、グリセロール、ソルビトールを使用する方が好ましい。
外部ポリマー層は、層間接着を改善するために、隣接する導電性ポリマー副層の間にプライマーや架橋剤層を有してもよい。好ましい実施形態では、導電性ポリマー副層42~4nに、間にプライマーを介さずにプライマーや架橋剤を付着させる。プライマー化合物の例は、少なくともアミン基、一実施形態では、好ましくは少なくとも2種のアミン基を含むようなモノアミン又はジアミン化合物である。特に適切なアミンであるジアミンについては、本書に援用されている米国特許第8,882,856号を参照せよ。特に好ましいアミンには、少なくとも1つのジアミン、トリアミン、オリゴアミン又はポリマーアミン、或いは、脂肪族アミン、特に脂肪族α,ω-ジアミン、例えば1,4-ジアミノシクロヘキサン又は1,4-ビス(アミノ-メチル)シクロヘキサン;エチレンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1,7-ヘプタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン又は1,12-ドデカンジアミンなどの直鎖脂肪族α,ω-ジアミン;N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,4-ブタンジアミン、N,N,N,N’,N’,N’-ヘキサメチルヘキサメチレンジアンモニウムジブロミド、ピペラジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、又は1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジンなどの脂肪族α,ω-ジアミンの誘導体;N,N’-ジアセチル-1,6-ヘキサンジアミン、N,N,N’,N’-テトラアセチルエチレンジアミン、1,4-ジホルミルピペラジン又はN,N’-エチレンビス(ステアラミド)などのアミド;1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジン等のアミノ基を3個以上有する脂肪族アミン;N-(6-アミノヘキシル)-1,6-ジアミノヘキサン、N-(3-アミノプロピル)-1,4-ジアミノブタン等のアミノ基を3個以上有する直鎖脂肪族アミン;3-[2-(2-アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を3個以上有する直鎖状脂肪族アミンの誘導体;少なくとも2つのアミノ基を有する芳香族アミン、3-アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ基を含む有機官能性シランなどのアミンを含むそれらの誘導体を含む架橋剤が含まれる。主化合物は、対イオンとしてp-トルエンスルホン酸、酢酸、リン酸などの強酸又は弱酸を更に含んでもよい。
本発明の実施形態を図3を参照して説明する。図3は、容器に挿入され含浸電解質で含浸される前の巻回ハイブリッドコンデンサの作動要素が、部分的に巻き戻された概略図である。含浸電解質は、液体電解質又はゲル電解質であることが好ましい。図3において、作動要素10は、片側の少なくとも一部に導電性ポリマーを含む導電性被覆陽極12と、導電性被覆陰極14とを含み、それらの間にはセパレータ16を有する。セパレータは、導電性セパレータであることが好ましい。導電性セパレータは導電性ポリマー18を有し、セパレータ上に被覆されるてもよく、セパレータが導電性ポリマーで含浸(好ましくは飽和される)されてもよい。導電性被覆陽極12及び導電性被覆陰極14は、それぞれ、本明細書で説明されているように、その上に導電性ポリマー層を有する。陽極リード20及び陰極リード22は、巻回コンデンサから延在し、最終的に回路への電気接続を形成する。本明細書に記載されているように、陽極リードが陽極と電気的に接触し、陰極リードが陰極と電気的に接触し、陽極又は陽極リードから電気的に絶縁されている。タブ24及び26は、当技術分野で周知であるように、陽極リードを陽極に、陰極リードを陰極に電気的に接続するために一般的に使用される。接着テープなどのクロージャ28は、作動要素が取り扱いや組み立て中に緩むことを防止するが、完成したコンデンサでは、クロージャはその一部であってもほとんど役に立たない。
図3の4-4線に沿った断面図を、図4に概略的に示した。図4では、セパレータ16は、セパレータが含浸し、好ましくは飽和してもよいことを理解できるよう、例示として両側に導電性ポリマー18を配置している。また、セパレーターの寸法が導電性ポリマーを含めることによって著しく変化しないように、導電性ポリマーを使用する。導電性ポリマー層18は、好ましくは架橋されており、特に好ましい実施形態では、導電性ポリマー層18はセパレータ16に架橋されている。対称陽極として示される導電被覆陽極12は、好ましい導電層が導電性ポリマー層である場合、その両側に陽極導電層212を有する陽極箔112を含む。導電性ポリマー層212は、好ましくは架橋され、一実施形態では、導電性ポリマー層212は、隣接する導電性ポリマー層18に架橋される。導電性被覆陰極14は、少なくとも片面に導電層214を有する陰極箔114を含む。陰極上の導電層214は、好ましくは導電性ポリマー層であり、隣接する導電性ポリマー層18に架橋され得る。或いは、陰極上の導電層214は炭素層である。セパレータは、好ましくは多孔性であり、それによって含浸電解質が通過できる。作動要素が形成され、ハウジングに挿入されると、含浸電解質は、陽極の導電性ポリマー層212と陰極の導電性ポリマー層214との間にある空隙や空孔を満たす。
陰極は、本明細書では導電性被覆を有するものとして示されているが、これに限定される訳ではない。陰極層は、導電性炭素層又は金属層を含むことができ、一部の実施形態では、陰極が導電性ポリマー層を含まないことが好ましい。好ましい実施形態では、陰極層と陽極層は、製造の便宜を図るため、同じである。
本発明の実施形態を、図5を以って説明する。図5では、302で陽極層を含む一連の層を用意する。陽極箔112は、陽極箔の表面上に誘電体を形成するように処理され、その後、好ましくは導電性ポリマー層212が、導電性ポリマー塗布プロセス304によって、誘電体の片側の少なくとも一部上に形成される。導電性ポリマーの塗布プロセスは、陽極箔の片側の少なくとも一部の誘電体上で、陽極箔の両側の対称陽極に対して、同時又は逐次被覆工程で行われる。陽極上の導電性ポリマー層212は、塗布プロセス中に架橋されてもよいし、巻回後に導電性ポリマー層212又は隣接層と後に架橋する架橋剤が含まれてもよい。導電性ポリマー層を含む陰極が使用される場合、306で陰極層が形成され、導電性ポリマー層214が、導電性ポリマー塗布プロセス304によって陰極114上に形成さる。当該プロセスは、陽極導電性ポリマー層に使用されるプロセスと同じプロセスであってもよく、異なるプロセスであってもよい。陰極上の導電性ポリマー層214は、塗布プロセス中に架橋されてもよいし、巻回後に導電性ポリマー層214又は隣接層と後に架橋する架橋剤が含まれてもよい。導電性ポリマーを含まない陰極が使用される場合、適切な材料ロールが提供され、陰極層のためのポリマー形成プロセスは必要ない。306でセパレータ層が形成され、導電性ポリマー18の含浸領域が導電性ポリマー適用プロセス304によって形成される。当該プロセスは陽極及び陰極層の形成と同じプロセスであってもよく、異なるプロセスであってもよい。セパレータ上の導電性ポリマー層18は、塗布プロセス中に架橋されてもよいし、巻回後に導電性ポリマー層18又は隣接層と後に架橋する架橋剤が含まれてもよい。層状構造310は、図4を参照して説明したように、層をインターリーブすることによって形成される。層状構造にはスリットがあり、陽極タブ314は陽極に電気的に接続され、陰極タブ316は陰極に電気的に接続され、タブ付きの作動要素312になり、好ましくはクロージャ28を備え、作動要素を固定して巻き戻しを禁止する。図示されていないリードは、好ましくはタブに取り付けられか、タブがリードとして機能するか、或いはリードとして機能する導電性缶、好ましくは金属缶や導電性蓋、好ましくは金属の蓋などのハウジングの構成要素に電気的に接続し、それによってリード付き作動要素を提供する。本説明のために、軸方向の配置が示されているが、これに限定される訳ではない。リード付き作動要素は、ハウジング318内に配置され、収容されたリード付き作動要素を形成する。収容されたリード付き作動要素は、作動温度で好ましくは液体又はゲルである含浸電解質で随意に含浸される。収容された有鉛作動要素は、導電性ポリマー層を架橋するため、或いは、隣接する導電性ポリマー層を互いに架橋するために、任意に架橋剤で含浸される。ハウジングを密閉し、コンデンサをエージングして完成したコンデンサ320を提供する。
本発明の一実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。図6は、作動要素が部分的に巻き戻された概略図であり、図7は、図6の7-7線に沿う概略断面図である。一般に1010で表される作動要素は、非対称陽極層1012を含み、陽極層は、第1側に第1誘電体1011を、第2側に第2誘電体1013を含む。第1誘電体及び第2誘電体は、一部の実施形態においては、製造の都合上、同じであることが好ましいが、異なる特性を得るために異なっていてもよい。第1誘電体は、導電性ポリマー212で被覆され、少なくとも部分的に覆われ、任意に架橋され、隣接する導電性ポリマー層に任意に架橋される。導電性陰極層14及び導電性セパレータは、図3を参照して説明した通りであってもよい。非導電性セパレータ1017は、第2誘電体と隣接する陰極層との間にある。非導電性セパレータは、その上又は中に導電性ポリマーを有しなくてもよい。一実施形態では、本明細書の他の箇所で説明した導電性セパレータを第2の誘電体に隣接して利用することができ、それによって製造プロセスに必要な構成要素の数を最小限に抑えることができるが、コストを考慮すると、これは好ましい実施形態ではない。
非対称陽極層1012の実施形態が、図8の概略図に示され、好ましくは陽極リード20の取り付けと同じ側にある第2誘電体全体が、その上に導電性ポリマー層なしで露出される。一実施形態では、非対称陽極層は、一方の側で、陽極の誘電体と陰極層との間に導電性ポリマーを含む容量性結合を形成する。ポリマーを含まない第2の誘電体を含む反対側は、含浸電解質及び第2の誘電体と陰極との間の非導電性セパレータを有し、それによって含浸電解質を利用する従来の容量性結合を形成し、それによって並列機能を含むコンデンサを形成する。
本発明の目的のために、非対称陽極は、導電性ポリマーによって被覆れた反対側の表面積の量よりも、導電性ポリマーによって被覆された片側の表面積が小さい陽極として定義される。
非対称陽極を含む非対称コンデンサの実施形態を、図9に概略的に示めした。図9では、第1誘電体1011及び第2誘電体1013を含む陽極112が概略的に示されている。第1誘電体の上に導電性ポリマーの層212が被覆している。本願に詳述されているように、導電性ポリマー18を含む導電性セパレータ16は、導電性ポリマー層212に隣接している。導電性ポリマーの任意の第1層214を有する陰極層114は、導電性セパレータに隣接し、それによって第1回路S1を形成し、当該回路は第1の抵抗及び第1の静電容量を有する。陽極の第2誘電体、1013は、非導電性絶縁体1017によってカソードから分離され、それにより、第2耐性と第2静電容量を持つ第2回回路Sを形成する。図9に示されているコンデンサの電気図を図10に示します。Sとして示された導電性ポリマーを含む第1容量性カップルの抵抗と容量は、第1抵抗Rと第1容量Cを有する。Sと示されている導電性ポリマーがない第2容量性カップルは、第2抵抗R2および第2静電容量Cを有する。図9では、少なくとも1つの導電性ポリマー層を架橋することができ、好ましくは隣接する導電性ポリマー層と架橋することができる。図9の実施形態では、セパレータ16上の導電性ポリマー18がセパレータに架橋されている。
対称陽極を備えたハイブリッドコンデンサは、導電性ポリマーと液体誘電体をその間に組み合わせた陽極と陰極を有する各容量性結合で単一の静電容量を有する。非対称陽極では、図9に示すように、コンデンサの総静電容量は2つの並列容量結合によって表される。一方は対称陽極と同じ容量結合であり、もう一方は陽極、陰極、含浸電解質を含浸させた非導電性セパレータによって形成される容量性結合であり、それらの間に導電性ポリマーの全体層がなく、好ましくは導電性ポリマーの層がない。.非対称陽極を有する各容量性対は、2つのESRを有し、一方は陽極と陰極との間に導電性ポリマーを有する容量性対のESRであり、ポリマー容量性対とも呼ばれる。もう一方は、 陽極と陰極の間に導電性ポリマーの層が完全ではないか、またはまったくないものであり、電解容結合とも呼ばれる。
図11は、部分的に非対称な陽極層を概略的に表し、陽極リードの近くの第2の誘電体の少なくともその部分は、その上に導電性ポリマー層なしで露出されている。第2の誘電体の少なくとも一部は導電性ポリマーによって被覆されておらず、好ましくは第2の誘電体の面積の少なくとも25%から99%以下が覆われている。導電性ポリマーで覆われていない部分は、好ましくは、タブの取り付け領域に当てられる。図12では、第1の誘電体と第2の誘電体の両方が導電性ポリマーによって不完全に覆われている。各誘電体の面積の少なくとも25%から99%以下がカバーされる。導電性ポリマーで覆われていない部分は、好ましくは、タブの取り付け領域専用であり、この領域はタブの取り付けによって両側が劣化することが多い。
陰極フォイル、セパレーター、及び陽極フォイルは、典型的には幅の広いロール及びサイズに合わせてスリットとして提供され、アルミニウムフォイルなどの好ましい導電フォイルである。箔は、プラスチックなどの非導電性であり、その上に導電層が形成されている。陽極箔は好ましくはエッチングされ、その上に誘電体が形成される。誘電体は、スリッティングの前に形成することができ、その場合、導電性ポリマー被覆を塗布する前に、スリットの縁に誘電体を形成する次のステップが望ましい。表面と導電性ポリマー層との間の接着を改善するため、又は他の特定の表面挙動を付与するために、陰極、セパレータ及び陽極をカップリング剤で処理することができる。導電性ポリマー層の形成又は含浸の前又は後に、陰極、セパレータ及び陽極を洗浄及び乾燥することができ、必要に応じて、導電性ポリマー層の形成又は含浸工程を数回繰り返すことができる。電気リード、又はタブは、通常、好ましくは長さに切断する前に陽極と陰極に電気的に接続され、リードをマスキング材料で処理して、それ以上の変更から保護し、コンデンサ端子への溶接の準備を整えることができる。
導電性ポリマーは、浸漬、被覆、及び噴霧を含む任意の適切な方法によって、陰極、陽極、又はセパレーターに塗布することができる。浸漬では、陰極、陽極、又はセパレーターが、導電性ポリマー分散液を含む槽又は容器を通して引き出される。セパレータは浸漬が好ましい。被覆及び噴霧は、陰極箔、陽極箔、又はセパレータの表面上への導電性ポリマーの分散液のスクリーン印刷又は噴霧を含む任意の印刷技術で行うことができる。陰極及び陽極は、被覆又はスプレーが好ましい。導電性ポリマー被覆を、少なくとも0.1mg/cmの量で陽極、陰極、又はセパレーターに適用することが望ましい。約0.1mg/cm以下では、適切な伝導には被覆の重量が不十分であり、被覆が不完全な被覆が生じる可能性がある。導電性ポリマー被覆を、約10mg/cm以下の被覆重量を達成するのに十分な量で適用することが望ましい。上記について10mg/cmの追加された被覆の厚さは導電率を大幅に増加させない。
アキシャルコンデンサは、特に好ましい実施形態である。アキシャルコンデンサには、コンデンサの一方の面に陽極端子があり、反対面に陰極端子がある。導電性ポリマー電解質を組み込んだ巻線アキシャルコンデンサは、下部タブ又はリードが導電性ポリマー又は前駆体に必然的に浸漬され、その上に導電性ポリマーが有害に堆積するポリマー含浸に関連する問題により、利用できないと考えられてきた。アキシャルコンデンサの特定の利点は、本発明で現在利用できるように、特に陽極と陰極の長さが増加するにつれて、複数のタブとリードを利用できることである。フォイルの長さが長くなると、フォイル抵抗のパーセンテージが高くなり、ESRが高くなる。マルチタブ又はマルチリードは、フォイル抵抗効果を最小限に抑える。リードが1つの場合、電流はフォイルの最も遠い部分からタブとリードに流れなければならず、これはESRに有害である。複数の陽極リード及び複数の陰極リードを利用することにより、導電経路の長さを減少させることが好ましい。様々なコンデンサ構成が、図13を参照して説明され、ここでコンデンサは部分影図で概略的に示されており、それによって構成要素を視覚化することができる。図13では、単一タブのアキシャルコンデンサがAで示され、複数タブのアキシャルコンデンサがBで示され、ラジアルコンデンサがCで示されている。アキシャルコンデンサは、動作要素44の両側から延びる陽極リード40及び陰極リード42を有する。一方、ラジアルコンデンサは、共通の側から延びる陽極リードと陰極リードを有する。図13Bは、複数の陽極タブ40及び複数の陰極タブ42が作用要素から延びており、各タブが異なる位置で陽極と電気的に接触している様子を示している。例えば、図13Bは3つのタブで示されているが、これに限定されず、タブは好ましくは陽極の長さに沿って等間隔に配置され、それによって伝導経路の長さを最小化する。同様に、図13Bは、好ましくは陰極の長さに沿って等間隔に配置された3つの陰極リードと共に示されている。ラジアルコンデンサでは複数のリードが可能であるが、小型サイズの制限により共通面で複数のリードを使用することは製造が困難であったため、以前はハイブリッドコンデンサでの使用には適していない。サイズが大きい場合でも、ラジアルコンデンサにはシングルリードが適している。
アキシャルコンデンサは、図14の断面概略図に示されている。図14では、一般に400で表されるコンデンサは、ハウジング404内に、本明細書に記載の動作要素402を備える。当技術分野では缶と呼ぶことができるハウジングは、好ましくは導電性であり、リードとして機能するか、又は好ましくは陰極リードである下部リード405と電気的に接触することができる。好ましくは陰極タブである下部タブ406は、ハウジング又は下部リードと電気的に接触している。好ましくは陽極タブである上部タブ408は、好ましくは陽極リードである上部リード410と電気的に接触している。或いは、上部タブは、上部リードと電気的に接触している導電性蓋412と電気的に接触している。ガスケットなどのシール414がハウジングをシールして、ハウジングの内部と周囲大気との間の大気交換を阻止する。一実施形態では、シール及び蓋は気密シールを形成する。シールは、樹脂材料、特にエポキシ樹脂、又はエチレンプロピレンジエンターポリマー(EPT)又はブチルゴム(IIR)などのゴム材料であってもよい。
陽極は、好ましくは箔の形態の導電性金属である。導電性金属は、バルブ金属又はバルブ金属の導電性酸化物であることが好ましい。特に好ましい陽極は、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどのバルブ金属、これらの元素の合金、又はNbOなどの導電性酸化物を含む。アルミニウムは、特に好ましい陽極材料である。
誘電体である陽極上に酸化膜を形成することが好ましい。誘電体は、リン酸又はリン酸塩含有溶液などのフォーミング電解質と呼ばれる任意の適切な電解質溶液を使用して形成することができる。約9Vから約450Vの化成電圧が一般的に印加される。化成電圧は通常、コンデンサの定格電圧の2.0~3.5倍の範囲である。
液体電解質は、好ましくは支持塩を含む溶媒である。任意の従来の溶媒を、以下を含む例示的な溶媒と共に使用することができる。γ-ブチロラクトン、スルホラン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、水、シリコーン油、ポリエチレングリコール及びそれらの混合物。必須ではないが、支持塩が好ましい。例示的な支持塩には、無機酸アンモニウム塩、無機酸アミン塩、無機酸アルキル置換アミド塩、有機アンモニウム塩、有機酸アミド塩、有機酸アルキル置換アミド塩及びそれらの誘導体が含まれる。任意のガス吸収剤又は陰極電気化学減極剤を使用できる。担持添加剤の例としては、有機アルコールのニトロ誘導体、酸、エステル、芳香族誘導体、例えばo-、m-、p-ニトロアニソール、o-、m-、p-ニトロ安息香酸、o-、m-、p-ニトロベンゼンアルコールが挙げられる。特にハイブリッドコンデンサは、最大50重量%の液体電解質を含む。
セパレータは、本明細書では特に限定されず、導電性セパレータに使用される材料が導電性ポリマーで被覆又は含浸され得るという条件で、任意の市販のセパレータを使用して本発明を実証することができる。あるいは、又は導電性ポリマーに加えて、セパレータ自体が導電性材料であってもよい。導電性セパレータの例示的なセパレータは、導電性ポリマーの骨格層として機能する。セパレータは、ロール、リールなどに巻くことができる異なる寸法のシートの形で製造することができ、又はセパレータはペースト又はゲルの形にすることができる。陽極箔はセパレータの支持体として機能することができ、陽極箔はその表面上に形成された絶縁体層を有し、絶縁体上の導電性ポリマー被覆と、ポリマー被覆上に形成された導電性セパレータ層とを有する。陽極を支持体として使用することで、操作上の困難を最小限に抑えることができる。セパレータは、陽極導電性ポリマー層と陰極との間の直接電気接触を可能にする多孔性導電層である。好ましくは、セパレータは、通過する電解質を含浸させるための細孔の体積を有する。紙又はポリマーなどの他の非導電性材料を、導電性ポリマーの支持体として使用することができる。紙は、広く使用され入手可能であるため、典型的なセパレーターである。従来技術のコンデンサとは異なり、導電性セパレータとして使用するために紙を焦がす必要はない。先行技術のコンデンサの製造において、紙は、紙に吸収されるポリマーの量を最小限に抑えるために、作動要素の形成後に炭化されることが多い。本発明では、セパレータが導電性ポリマーで被覆されるか、又は導電性ポリマーで含浸されて導電性セパレータを形成するので、これは不要である。セパレータは、紙繊維などの連続繊維層を形成するために物理的に混合又は架橋された紙繊維などの繊維材料であってもよい。繊維間の空間は、部分的又は完全に高導電性成分で満たされている可能性がある。紙ベースのセパレータは、完成した紙層の改質、又は紙層を形成する前の高導電率成分繊維による紙の改質、液体又は固体状態の導電性繊維、断片、粒子、又はそれらの凝集体の分散、又は導電性繊維、断片、粒子の堆積によって製造できる。導電性繊維、断片、又は粒子は、導電性ポリマー、カーボンブラック、グラファイト、金属などの導電性材料を含むことができ、又は、導電性ポリマー、カーボンブラック、グラファイト、金属などの導電性材料により修飾された、紙、プラスチックなどの非導電性コアからなる複合材料である。
導電性セパレータと非導電性セパレータは同じ材料を含み、導電性セパレータは導電性被覆を有するか、非導電性セパレータには不要な導体を含浸している。
一実施形態では、セパレータは、特にセパレータの表面に反応基を含み、反応基は導電層の反応基との反応に適しており、それによってセパレータ上の導電性ポリマーをその上の導電性ポリマーに架橋させ、セパレーターへの導電性ポリマーの接着性を高める。特に好ましい反応基には、エポキシ、ヒドロキシル、アミノ、カルボン酸、ウレタン、ホスフェート、シラン、イソシアネート、シアネート、ニトロ、ペルオキシ、ホスフィオ、ホスホノ、スルホン酸、スルホン、ニトロ、アクリレート、イミド、アミド、カルボキシル、カルボン酸無水物、シラン、オキサゾリン、(メタ)アクリレート、ビニル、マレエート、マレイミドイタコン酸塩、アリルアルコールエステル、ジシクロペンタジエンベースの不飽和、不飽和C12-C22脂肪酸エステル又はアミド、カルボン酸塩又は第四級アンモニウム塩これは、含浸電解質の反応基と架橋することができる。
特に好ましいセパレータは、作業要素の長さ又は製造プロセスに適した幅を有し、幅は1.5cmから500cmであり、本発明を実証するための例である。長さは、キャパシタンスが陽極と陰極のオーバーラップの関数であり、したがって、陰極と陽極の長さと幅に直接関連するため、所望のキャパシタンスに基づいて選ばれる。長さが0.1mから400mで、厚さが10μmから300μmまでのセパレータは、本発明を実証するための例である。
本発明の実施形態が図15に示されており、コンデンサは一般に4110で表されている。一連の陽極箔4120が平行に配置される。各陽極箔は、その上に誘電体4116を有する。導電性ポリマー陰極4118は、各誘電体上にある。陽極ホイルは、陽極ホイルを4123で融着できるようにする導電性ポリマーで被覆されていない部分を持っている。陰極は一般的に終端されている。
導電性ポリマーは、それぞれ置換されていてもよいポリアニリン、ポリピロール及びポリチオフェンからなる群から選ばれる。特に好ましいポリマーは、式1の構造を有する共役基を含む。
Figure 2023549446000005
ここにおいて、
及びRは独立して、直鎖状又は分枝状のC-C16アルキル又はC-C18アルコキシアルキルを表し、或いは、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、ハロゲン又はORで置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
若しくは、R及びRは、共に、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、ハロゲン、C-Cシクロアルキル、フェニル、ベンジル、C-Cアルキルフェニル、C-Cアルコキシフェニル、ハロフェニル、C-Cアルキルベンジル、C-Cアルコキシベンジル又はハロベンジル、2種の酸素元素を含む5員、6員、又は7員の複素環構造で置換されていてもよい直鎖状C-Cアルキレンであり、Rは、好ましくは、水素、直鎖状又は分枝状のC-C16アルキル又はC-C18アルコキシアルキルを表し、或いは、C-Cアルキルで置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
XはS、N又はOである。最も好ましくは、XはSである。
式1のRとRは、リングのβサイトでの重合を禁止するために選ばれることが好ましいである。これは、αサイト重合のみが進行することが最も好ましいためである。RとRは水素ではなく、より好ましくは、RとRがアルキル結合よりもエーテル結合が好ましいα-ディレクターであることが推奨される。立体干渉を避けるために、R1とR2が小さいことが最も好まれている。
特に好ましい実施形態では、式1のR1とR2は、-O-(Chr4)n-o-を表すために一緒に取り込まれる。
nは1から5までの整数であり、最も好ましくは2である。
R4は、水素;直鎖又は分岐C-C18アルキルラジカルC-C12シクロアルキルラジカル、C-C14アリールラジカルC~C18アラルキルラジカル、又はC-Cヒドロキシアルキルラジカル(カルボン酸、ヒドロキシル、アミン、代替アミン、アルケン、アクリレート、チオール、アルキン、アジド、硫酸塩、スルホン酸、スルホン酸、イミド、アミド、エポキシ、抗水、シラン、およびフィン酸塩から選択された官能基で置換されてもよい)、ヒドロキシルラジカルから独立的に選ばれる。或いは、Rは-(CHr-R16、-o(CHr16;-CHO(CHr16;-CHO(CHCHRO)16から選ばれる。若しくは、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、無水物、ヒドロキシメチル、アルケン、チオール、アルキン、アジド、スルホン酸、ベンゼンスルホン酸硫酸塩、SOM、無水物、シラン、アクリル酸塩、リン酸塩からなる群から選ばれた官能基である。
R5は、カルボン酸、ヒドロキシル、アミン、アルケン、チオール、アルキン、アジド、エポキシ、アクリレート、無水物から選ばれた官能基で置換されてもよい炭素数1~5のH又はアルキル鎖である。
16はH又はSOM又は炭素数1~5のアルキル鎖であり、カルボン酸、ヒドロキシル、アミン、置換アミン、アルケン、チオール、アルキン、アジド、アミド、イミド、硫酸塩、SOM、アミド、エポキシ、無水物アクリル酸塩、リン酸塩から選ばれた置換基で置換されてもよい。
aは0~10の整数である。
Mは、アモニア、ナトリウム、又はカリウムから選ばれることが好ましいH又はカチオンである。
導電性ポリマーは、水溶性又は水分散型化合物のいずれかである。このようなπ共役系導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン等が挙げられる。特に好ましい導電性ポリマーは、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ)-1-ブタン-スルホン酸、塩)、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ)-1-プロパン-スルホン酸、塩)、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ)-1-メチル-1-プロパン-スルホン酸、塩)、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシアルコール、ポリ(N-メチルピロール)、ポリ(3-メチルピロール)、ポリ(3-オクチルピロール)、ポリ(3-デシルピロール)、ポリ(3-ドデシルピロール)、ポリ(3,4-ジメチルピロール)、ポリ(3,4-ジブチルピロール)、ポリ(3-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシエチルピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシブチルピロール)、ポリ(3-ヒドロキシピロール)、ポリ(3-メトキシピロール)、ポリチオフェン、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)、ポリ(3-ヘプチルチオフェン)、ポリ(3-オクチルチオフェン)、ポリ(3-デシルチオフェン)、ポリ(3-ドデシルチオフェン)、ポリ(3-オクタデシルチオフェン)、ポリ(3-ブロモチオフェン)、ポリ(3,4-ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4-ジブチルチオフェン)、ポリ(3-ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3-メトキシチオフェン)、ポリ(3-エトキシチオフェン)、ポリ(3-ブトキシチオフェン)、ポリ(3-ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3-ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3-オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3-デシルオキシチオフェン)、ポリ(3-ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3-オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4-プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3-カルボキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシブチルチオフェン)、ポリアニリン、ポリ(2-メチルアニリン)、ポリ(3-イソブチルアニリン)、ポリ(2-アニリンスルホネート)、ポリ(3-アニリンスルホネート)等である。
少なくとも2つの異なる共重合モノマーから構成されるコポリマーが考えられる。コポリマーは、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ)-1-ブタン-スルホン酸、塩)、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ)-1-メチル-1-プロパン-スルホン酸、塩)、ポリ(N-メチルピロール)、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ(3-メトキシチオフェン)、およびポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)。からなる群から選択される少なくとも1つの重合されたモノマーを含む。
特に好ましいポリマーは、ポリ-3,4-ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)である。
少なくとも二峰性導電性粒子中のポリアニオンは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩のホモポリマー、及び/又は式2の比率によって表される基A、B及びCを含むランダムコポリマーである。
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、好ましくは水素又はメチルであり、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
x、y及びzは一緒になって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、y/xは0から100、より好ましくは0.01から100である。zは0からz/xの比が100以下であり、より好ましくは、x+y+zの合計のxは50~99%を表し、yは1~50%を表し、zは0~49%を表す。更により好ましくは、x+y+zの合計のxは70~90%を表し、yは10~30%を表し、zは0~20%を表す。
本発明の特定の特徴は、表面積及びサイズの違いによる異なる粒径について、導電性ポリマー対ポリアニオンの比率を調整する能力である。より小さい粒径部分及びより大きいサイズ部分のそれぞれについての導電性ポリマー対ポリアニオンのモル比は、1:0.1~0.1:1、より好ましくは1:1~0.2:1、更には、0.8:1から0.25:1が望ましい。一実施形態では、ポリアニオンに対する導電性ポリマーのモル比は、より小さい平均平均粒径を有する第2の粒子よりも、より大きい平均平均粒径を有する第1の粒子の方が高い。より好ましくは、ポリアニオンに対する導電性ポリマーのモル比は、大きい粒径部分よりも小さい粒径部分で10%大きい。理論に拘束されるものではないが、粒径が小さいほどモル比が増加すると、被覆中の粒子間充填が改善され、それによって、特に端部及び角部での被覆の品質が改善される。
本発明の別の特定の特徴は、異なる粒径を有する分散液の2つの部分についてポリアニオンの分子量を調節する能力である。分散液のより小さい粒径部分及び分散液のより大きい粒径部分のそれぞれに対するポリアニオンの好ましい分子量は、少なくとも約600から約500,000以下である。一実施形態では、ポリアニオンは、小さい粒径部分とは異なる大きな粒径部分の分子量を有することができる。
複数の粒径を有する導電性ポリマー及びポリアニオンの粒子の分散液は、好ましくは、モノマー及びポリアニオンの混合物の約3重量%を超えるような高固形分で、ローター-ステーター系を用いた高剪断重合によって形成される。理論に限定されるわけではないが、モノマー濃度と高剪断動力学との組み合わせが、粒径の混合物を有する粒子の成長を促進すると仮定されている。高せん断ローターステーター重合については本書に援用されている米国特許第9,030,806号を参照せよ。一実施形態では、分散液の一部に、ローター・ステーター高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー、又は高剪断ホモジナイザーを更に施す。
しかしながら、サイズの混合物を有する導電性ポリマー及びポリアニオンの粒子による分散液の調製は、混合を含む他の方法によって調製されてもよく、高剪断回転子-固定子重合に限定されない。
本発明の分散液の特定の特徴は、分散液の所与の固形分装填率で単峰性分散液と比較して粘度が低下することである。粘度が低く、固形分が多いと、特に陽極酸化陽極の端部と隅で被覆の品質が向上する。複数の粒径を有する本発明の分散液は、重合中にモノマーとポリアニオンの混合物を3.56%固形分投入で重合した場合、6rpmで少なくとも2000cPから6rpmで5000cP以下の粘度を有する。モノモーダルサイズの粒子では、粘度は、モノマー及びポリアニオンの2.1%固形分投入量で重合した場合、6rpmで6000cPを超え、固形分投入量の増加とともに増加しる。低粘度でより高い固形分を含む分散液を塗布できることは、被覆品質の向上に有利である。
少なくとも二峰性の粒径分布を有する導電性ポリマーの分散液は、ポリマードーパントをさらに含んでもよい。好ましい高分子ドーパントは、ポリスチレンスルホン酸(PSS)である。ポリスチレンスルホン酸(PSSA)共重合体は、特にポリエチレングリコールモノアクリレートを含む共重合体として特に好ましいドーパントである。
導電性ポリマー溶液又は分散は、フィルムの乾燥時にポリマーフィルムの強度を改善できるフィルムフォーマーとしての反応性モノマーを含むことが好ましい。反応性モノマー又はオリゴマーは、水又は有機溶媒に溶解するか、イオン性/非イオン性界面活性剤を使用して水に分散することができる。反応性モノマーは、少なくとも2以上の平均官能基を有することができる。モノマーの硬化プロセスは、熱、放射線、又は化学触媒を使用して触媒することができる。例示的なモノマーには、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(PGDGE)、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDGE)、ペンチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、レゾルシノールグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル(GDGE)、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールジグリシジルエーテル(ソルビトール-DGE)、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ジ(2,3-エポキシプロピル)エーテル、1,3-ブタジエンジエポキシド、1,5-ヘキサジエンジエポキシド、1,2,7,8-ジエポキシオクタン、1,2,5,6-ジエポキシシクロオクタン、4-ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、マレイミドエポキシ化合物、ジグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、ビスフェノールAエポキシ、エポキシ化ビスフェノールAnovolac変性エポキシ、ウレタン変性ビスフェノールAエポキシ、エポキシ化o-クレゾールノボラックなどを含む、2つ以上のエポキシ基を有する化合物が含まれる。
追加のフィルム形成剤は、酸性基を含むモノマーである。酸性モノマーの例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、フタル酸、マレイン酸、ムコン酸、クエン酸、トリメシン酸、特に好ましい有機酸は、フタル酸などの芳香族酸、特にオルトフタル酸である。
アルコール/アクリレート基を含むフィルム形成モノマーを使用することができる。モノマーの例としては、ジエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリエチレングリコール、オリゴ/ポリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノクロロヒドリン、ジエチレングリコールモノクロロヒドリン、オリゴエチレングリコールモノクロロヒドリン、トリエチレングリコールモノブロモヒドリン、ジエチレングリコールモノブロモヒドリン、オリゴエチレングリコールモノブロモヒドリン、ポリエチレングリコール、ポリエーテル、ポリエチレンオキシド、トリエチレングリコール-ジメチルエーテル、テトラエチレングリコール-ジメチルエーテル、ジエチレングリコール-ジメチルエーテル、ジエチレングリコール-ジエチルエーテル-ジエチレングリコール-ジブチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、二酸化ポリプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、n-ブトキシエチルメタクリレート、n-ブトキシエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、n-ブトキシエチルアクリレート、n-ブトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート等;二官能(メタ)アクリレート化合物、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等。エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリシジルエーテル、トリプロピレングリシジルエーテル、ポリプロピレングリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル;グリシジルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。
外部ポリマー層はまた、エポキシ、アルコール、シラン、ホスフェート、アミン、アルケン、チオール、アルキン、アジドカルボン酸などの反応性基を含む膜形成ポリアニオンを独立して含んでもよい。
外部ポリマー層はまた、フィルム形成剤として、米国特許第9,378,898号に記載されている線状超分岐ポリマーを独立して含んでもよい。外部ポリマー層は、線状ブロックがヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ、アクリレート、酸などから選ばれる少なくとも2つの反応性末端官能基を有し、超分岐ブロックがポリエーテルエポキシ、ポリエステル-エポキシ、ポリエステル-シラノール、ポリエステル-酸、ポリエーテル-アルコール、ポリアミド-酸、ポリエーテル-アクリレート、ポリエーテル-シラノール、及びポリエステル-アミンペンダント基を含む線状超分岐ポリマーを含んでもよい。
外部ポリマー層は、さらに独立して、米国公開第20150348715号で説明されている作業機能修飾子を含む場合がある。例示的な作業機能修飾子は、ジアルコキシアシルチタン酸、トリコキシアシルチタン酸、アルコキシトリシルチタン酸、アルコキシ原性、チタン酸、チタン酸、チタニウムIV2,2(BIS2-プロフェン酸バダナ酸バダナ酸)からなる群から選ばれた有機炎誘導体を指定しる。neodecanoato-o;チタンIV2,2(ビス2-プロペノラトメチル)ブタノラート、虹彩(ドデシル)ベンゼンスルホント-O;チタンIV2,2(ビス2-プロペノラトメチル)ブタノラート、トリス(ジオクチル)ホスホトO;チタンIV2,2(ビス2-プロペノラトメチル)トリス(ジオクチル)ピロホスファトブタノラートO;チタンIV2,2(ビス2-プロペノラトメチル)ブタノラート、トリス(2-エチレンジアミノ)エチラート;チタンIV2,2(ビス2-プロペノラトメチル)ブタノラート、トリス(3-アミノ)フェニラートは、代表的なネオアルコキシチタネート及び誘導体である。さらに、作業機能修飾子は、脂環式エポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミンエポキシからなる群から選ばれる化合物であることができる。樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(PGDGE)、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDGE)、ペンチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、レゾルシノールグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル(GDGE)、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールジグリシジルエーテル(Sorbitol-DGE)、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ジ(2,3-エポキシプロピル)エーテル、1,3-ブタジエンジエポキシド、1,5-ヘキサジエンジエポキシド、1,2,7,8-ジエポキシオクタne、1,2,5,6-ジエポキシシクロオクタン、4-ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、マレイミド-エポキシ化合物、及びそれらの誘導体。
外部ポリマー層は、独立して、ヒドロキシ官能性非イオン性ポリマーなどの非イオン性ポリマーをさらに含んでもよい。「ヒドロキシ官能性」という用語は、一般に、化合物が少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含むことを意味する。ヒドロキシ官能性ポリマーの分子量は、1モル当たり約100から10,000グラム、いくつかの実施形態では約200から2,000、いくつかの実施形態では約300から約1,200、いくつかの実施形態では約400から約800であり得る。
一般に、様々なヒドロキシ官能性非イオン性ポリマーのいずれかを使用することができる。一実施形態では、例えば、ヒドロキシ官能性ポリマーはポリアルキレンエーテルである。ポリアルキレンエーテルには、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエピクロロヒドリンなどのポリアルキレングリコールが含まれる。ポリオキセタン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトンなど。ポリアルキレンエーテルは、典型的には末端ヒドロキシ基を有する主に線状の非イオン性ポリマーである。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコール(ポリテトラヒドロフラン)が特に適している。ジオール成分は、特に、飽和又は不飽和、分枝又は非分枝の、5~36個の炭素原子を含む脂肪族ジヒドロキシ化合物又は芳香族ジヒドロキシ化合物、例えば、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、ネオペンチルグリコール、ビス-(ヒドロキシメチル)-シクロヘキサン、ビスフェノールA、二量体ジオール、水素化二量体ジオール、又は言及したジオールの混合物でさえある。
上記のものに加えて、他のヒドロキシ官能性非イオン性ポリマーも使用することができる。そのようなポリマーのいくつかの例には、例えば、エトキシル化アルキルフェノールが含まれる。エトキシル化又はプロポキシル化C-C24脂肪アルコール;一般式:CH-(CH10-16-(O-C1-25-OH(例えば、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル及びペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル);一般式:CH-(CH10-16-(O-C1-25-おお;以下の一般式を有するポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル:C-H17-(C)-(O-C1-25-OH(例、Triton(商標)X-100);以下の一般式を有するポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル:C-H19-(C)-(O-C1-25-OH(例えば、ノノキシノール-9);Cのポリオキシエチレングリコールエステル-C24ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステルなどの脂肪酸(例えば、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、PEG-20メチルグルコースジステアレート、PEG-20メチルグルコースセスキステアレート、PEG-80ヒマシ油、及びPEG-20ヒマシ油、PEG-3ヒマシ油、PEG600ジオレエート、及びPEG400ジオレエート)及びポリオキシエチレングリセロールアルキルエステル(例えば、ポリオキシエチレン-23グリセロールラウレート及びポリオキシエチレン-20グリセロールステアレート);Cのポリオキシエチレングリコールエーテル-C24脂肪酸(例、ポリオキシエチレン-10セチルエーテル、ポリオキシエチレン-10ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン-20セチルエーテル、ポリオキシエチレン-10オレイルエーテル、ポリオキシエチレン-20オレイルエーテル、ポリオキシエチレン-20イソヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレン-15トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン-6トリデシルエーテル);ポリエチレングリコール等のブロック共重合体。
導電性ポリマー溶液又は分散は1~14のpHであり、1~10のpHを優先する場合がある。特に好みは1~8のpHで、pHは25℃で測定される。たとえば、pHを調整するには、塩基又は酸を溶液や分散液に追加できる。使用される塩基は、無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム又はアンモニア、又は有機塩基、例えばエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、イソブチルアミンであり得る。、ジイソブチルアミン、トリイソブチルアミン、1-メチルプロピルアミン、メチルエチルアミン、ビス(1-メチル)プロピルアミン、1,1-ジメチルエチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、2-ペンチルアミン、3-ペンチルアミン、2-メチル-ブチルアミン、3-メチルブチルアミン、ビス(3-メチル-ブチルアミン)、トリス(3-メチルブチルアミン)、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、デシルアミン、N-メチル-ブチルアミン、N-エチルブチルアミン、N,N-ジメチルエチルアミン、N,N-ジメチルプロピル、N-エチルジイソプロピルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N-ブチルエタノールアミン、N-ブチルジエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、シクロヘキシルエタノールアミン、シクロヘキシルジエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N-プロピルエタノールアミン、tert-ブチルエタノールアミン、tert-ブチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン又はベンジルアミン、二官能性、三官能性、又は四官能性アミン。使用される酸は、無機酸、例えば硫酸、リン酸又は硝酸、又は有機酸、例えばカルボン酸又はスルホン酸であり得る。
コンデンサを形成するプロセスについては、図2を参照して説明しる。ここでは、プロセスが概略的に表される。図2において、モノマーの液滴は、少なくとも3重量%のモノマー及びポリアニオンから10重量%以下のモノマー及びポリアニオンを含むモノマー溶液中で、好ましくはステーターローターによって100で形成される。次いで、液滴は、好ましくはポリアニオンの存在下で高剪断重合によって重合され、それにより102でポリマー分散液を形成し、ポリマー分散液は、導電性ポリマー/ポリアニオン粒子の少なくとも二峰性サイズ分布を含む。陽極は104で準備され、ここで陽極は導体であり、好ましくはバルブ金属である。106で陽極上に誘電体が形成され、好ましい誘電体は陽極の酸化物である。108において、ポリマーの導電性ポリマー層が誘電体上に形成され、それによってその間に誘電体を有する導電対が形成される。導電性ポリマー層の少なくとも1つの層は、少なくとも二峰性サイズ分布の導電性ポリマー/ポリアニオン粒子を含む分散液を塗布することによって形成される。分散液は、好ましくは浸漬により適用される。好ましい実施形態では、内部ポリマー層は、導電性ポリマー/ポリアニオン粒子を少なくとも二峰性サイズ分布で含む分散液を適用する前に形成される。コンデンサは110で仕上げられ、ここでの仕上げは、試験、外部終端の形成、カプセル化などを含むことができるが、これらに限定されない。
陽極材料は、これに限定されない。特に好ましい陽極材料は金属であり、特に好ましい金属はバルブ金属又はバルブ金属の導電性酸化物である。特に好ましい陽極としては、ニオブ、アルミニウム、タンタル、NbOが挙げられるが、これらに限定されない。
本願において、誘電体は特に限定されない。特に好ましい誘電体は、製造上の理由から陽極の酸化物である。
本願において、「アルキル」、「アリール」、「アルキルアリール」、「アリールアルキル」などの用語は、置換されていてもよい基を指し、すでに置換されたものとして列挙されている場合、「アルキルアルコール」などは、更に置換されていないか、更に置換されていてもよい基を指す。
試験方法
端部・隅の被覆率の測定
固体電解コンデンサの陽極酸化陽極上の導電性ポリマー分散液の端部及び隅の被覆率を顕微鏡で検査し、
端部・隅の被覆率:85%未満
端部・隅の被覆率:90%未満
端部・隅の被覆率:95%未満
端部・隅の被覆率:100%、などの基準に従ってスケーリングを行う。
粒径分析
導電性ポリマー:ポリアニオン複合体粒子の粒径は、CPSinstruments製のディスク遠心分離粒径分析器を使用して測定した。粒子の平均粒径分布は、粒子平均粒径の関数として分散物中の粒子の重量分布に関連する。これに関連して、平均粒径分布のD10値は、分散液中の導電性ポリアニオン複合体のすべての粒子の総重量の10%が、D10値以下の平均粒径を持つ粒子に割り当てることができると述べている。平均粒径分布のD50値は、分散液中の導電性ポリマーのすべての粒子の総重量の50%が、D50値以下の平均粒径を持つ粒子に割り当てることができると述べている。平均粒径分布のD90値は、分散液中の導電性ポリマーのすべての粒子の総重量の90%が、D90値以下の平均粒径を持つ粒子に割り当てることができると述べている。
実施例1
ポリ(4-スチレンスルホン酸-コ-ポリ(エチレングリコール)メタクリレート)ナトリウム塩を合成した。500mlのフラスコに、最初に溶媒として33mlの脱イオン水を入れた。8gのスチレンスルホン酸ナトリウム塩、2gのポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート(Mn480)及び1gの過硫酸アンモニウムを添加した後、混合物をガス導入管によって窒素で飽和させた。窒素を混合物に15分間通した。この間、混合物を80℃に加熱した。フラスコをゴム隔壁で密閉し、溶液を16時間重合させた。得られたポリアニオン共重合体を希硫酸で酸性化し、導電性ポリマー分散液の調製に直接使用した。
実施例2
導電性ポリマー分散液は、高せん断重合によって合成された。1740gの脱イオン水と166gのPSSA30%(AlfaAesar)を4Lのポリエチレンボトルに入れた。反応溶液を窒素で0.5~1時間パージした。内容物は、平均粒径1.5mmの丸い穴を有する有孔ステータースクリーンを備えたローター-ステーター混合システムを使用して混合された。続いて、57gの1%硫酸第二鉄溶液及び43gの過硫酸ナトリウムを反応混合物に添加し、続いて22.5gの3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)(HeraeusからのBaytronM)を滴加した。3.56%の固形分モノマー及びポリアニオンを含有する反応混合物を、4200rpmのせん断速度で24時間連続的にせん断した。600gのLewatitS108H及び600gのLewatitMP62WSイオン交換樹脂をスラリーに添加し、約60rpmで一晩回転させた。導電性ポリマー分散液を濾過により樹脂から分離した。得られたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸分散は、350nmのD50粒径とD50粒径が3.50ミクロンのD50粒径を有する第2粒子を持つ二峰性粒径分布を持っていた。
実施例2-1
実施例2の手順に従って調製した導電性ポリマー分散液を超音波装置でさらに均質化した。得られた分散液は、D50が25nmと75nmの二峰性の粒径分布も持っている。
実施例3
1740gの脱イオン水及び実施例1からの166gのポリアニオンコポリマー(30%)を4Lのポリエチレンボトルに入れた。反応溶液を窒素で0.5~1時間パージした。内容物は、平均粒径1.5mmの丸い穴を有する有孔ステータースクリーンを備えたローター-ステーター混合システムを使用して混合された。続いて、57gの1%硫酸第二鉄溶液及び43gの過硫酸ナトリウムを反応混合物に添加し、続いて22.5gの3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)(HeraeusからのBaytronM)を滴加した。3.56%の固形分モノマー及びポリアニオンを含有する反応混合物を、4200rpmのせん断速度で24時間連続的にせん断した。600gのLewatitS108H及び600gのLewatitMP62WSイオン交換樹脂をスラリーに添加し、約60rpmで一晩回転させた。導電性ポリマー分散液を濾過により樹脂から分離した。得られたポリ(3,4-エチレンジオキシチョフェン)/ポリ(4-スチレンスルホン酸-ポリ(エチレングリコール)メタクリレート)分散は二峰性粒径分布を持ち、第2粒子のD50粒径は250nmで、第1粒子はD50粒径が3.50ミクロンである。
実施例3-1
実施例3の手順に従って調製した導電性ポリマー分散液を超音波装置でさらに均質化した。得られた分散液は、D50が20nmと65nmの二峰性粒度分布も持っている。
実施例4
2805gの脱イオン水及び実施例1からの336gのポリアニオンコポリマー(40%)を4Lのポリエチレンボトルに入れた。反応溶液を窒素で0.5~1時間パージした。内容物は、平均粒径1.5mmの丸い穴を有する有孔ステータースクリーンを備えたローター-ステーター混合システムを使用して混合された。続いて、141.3gの1%硫酸第二鉄溶液及び106.65gの過硫酸ナトリウムを反応混合物に添加し、続いて22.5gの3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)(HeraeusからのBaytronM)を滴加した。5.20%固形分モノマー及びポリアニオンを含有する反応混合物を、4200rpmのせん断速度で24時間連続的にせん断した。1486gのLewatitS108H及び1486gのLewatitMP62WSイオン交換樹脂をスラリーに添加し、約60rpmで一晩回転させた。導電性ポリマー分散液を濾過により樹脂から分離した。得られたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホン酸-ポリ(エチレングリコール)メタクリレート)分散は、二峰性粒径分布を持っていた。陽極第1粒子はD50粒径が3.50陽極ミクロンで、第2粒子はD50粒径が300nmである。
実施例5
2531gの脱イオン水と125gのPSSA30%(AlfaAesar)を4Lのポリエチレンボトルに入れた。反応溶液を窒素で0.5~1時間パージした。内容物は、平均粒径1.5mmの丸い穴を有する有孔ステータースクリーンを備えたローター-ステーター混合システムを使用して混合された。続いて、28.5gの1%硫酸第二鉄溶液及び21.5gの過硫酸ナトリウムを反応混合物に添加し、続いて11.25gの3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)(HeraeusからのBaytronM)を滴加した。モノマー及びポリアニオンの固形分1.79%を含有する反応混合物を、剪断速度4200rpmで24時間連続的に剪断した。300gのLewatitS108H及び300gのLewatitMP62WSイオン交換樹脂をスラリーに添加し、約60rpmで一晩回転させた。導電性ポリマー分散液を濾過により樹脂から分離した。得られたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸分散液は、D50粒径が110nmである。
実施例6
2531gの脱イオン水及び実施例1からの125gのポリアニオンコポリマー(30%)を4Lのポリエチレンボトルに入れた。反応溶液を窒素で0.5~1時間パージした。内容物は、平均粒径1.5mmの丸い穴を有する有孔ステータースクリーンを備えたローター-ステーター混合システムを使用して混合された。続いて、28.5gの1%硫酸第二鉄溶液及び21.5gの過硫酸ナトリウムを反応混合物に添加し、続いて11.25gの3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)(HeraeusからのBaytronM)を滴加した。モノマー及びポリアニオンの固形分1.79%を含有する反応混合物を、剪断速度4200rpmで24時間連続的に剪断した。300gのLewatitS108H及び300gのLewatitMP62WSイオン交換樹脂をスラリーに添加し、約60rpmで一晩回転させた。導電性ポリマー分散液を濾過により樹脂から分離した。得られたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン/ポリ(4-スチレンスルホン酸)-コポリ(エチレングリコール)メタクリレート)分散液は、D50粒径が80nmである。
実施例7
実施例2からの導電性ポリマー分散液を、DMSO、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及び少なくとも3つのエポキシ基を含む反応性モノマー/オリゴマーと混合し、続いてローラーで一晩混合した。
実施例8
実施例3からの導電性ポリマー分散液を、DMSO、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及び少なくとも3つのエポキシ基を含む反応性モノマー/オリゴマーと混合し、続いてローラーで一晩混合した。
実施例8-1
実施例3及び実施例3-1からの導電性ポリマー分散液の2:8の比率での混合物を使用したことを除いて、実施例8と同じ方法で配合された導電性ポリマー分散液。
実施例9
比較例1からの導電性ポリマー分散液を、DMSO、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及び2つのエポキシ基及び2つのカルボキシル基を含む反応性モノマーと混合し、続いてローラー上で一晩混合した。
実施例10
比較例2からの導電性ポリマー分散液を、DMSO、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及び少なくとも3つのエポキシ基を含む反応性モノマー/オリゴマーと混合し、ローラー上で一晩混合した。
実施例11
固体電解コンデンサは、標準的な技術によって準備された。一連のタンタル陽極(33マイクロファラッド、35V)が用意された。タンタルは、タンタル陽極上に誘電体を形成するために陽極酸化された。このようにして形成された陽極を、鉄(III)トルエンスルホン酸オキシダントの溶液に1分間浸漬し、続いてエチルジオキシチオフェンモノマーに1分間浸漬して、陽極酸化陽極の誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成した。60分間の重合が完了した後、陽極酸化された陽極を洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さが達成されるまで、このプロセスが繰り返された。実施例5からの導電性ポリマー分散液を塗布し、続いて乾燥して外部ポリマー層を形成した。このプロセスを4回繰り返した。部品は顕微鏡下でコーナーとエッジの被覆率について検査された。グラファイト層と銀層の連続被覆を適用して、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて梱包した。
実施例12
一連のタンタル陽極(33マイクロファラッド、35V)が用意された。タンタルは、タンタル陽極上に誘電体を形成するために陽極酸化された。このようにして形成された陽極を、トルエンスルホン酸鉄(III)オキシダントの溶液に1分間浸漬し、続いてエチルジオキシチオフェンモノマーに1分間浸漬して、陽極酸化陽極の誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成した。60分間の重合が完了した後、陽極酸化された陽極を洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さが達成されるまで、このプロセスが繰り返された。実施例8からの導電性ポリマー分散液を塗布し、続いて乾燥して外部ポリマー層を形成した。このプロセスを4回繰り返した。部品は顕微鏡下でコーナーとエッジの被覆率について検査された。グラファイト層と銀層の連続被覆を適用して、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて梱包した。
実施例12-1
実施例6-1からの導電性ポリマー分散液を使用したことを除いて、本発明の実施例12に示したのと同じ方法で固体電解コンデンサを製造した。
実施例12-2
内部層を予備重合した導電性ポリマーで形成したことを除いて、実施例12-1と同様の方法で固体電解コンデンサを製造した。
実施例12-3
有機金属化合物を誘電体と予備重合した導電性ポリマーとの間に適用したことを除いて、本発明の実施例12-2に示したのと同じ方法で固体電解コンデンサを製造した。
実施例12-4
固体電解コンデンサは、架橋剤溶液が外部ポリマー層間に適用されたことを除いて、発明の実施例12-3に示されたのと同じ方法で製造された。
実施例12-5
内部ポリマー層と外部ポリマーとの間に架橋剤又はプライマー溶液を塗布したことを除いて、本発明の実施例12-3に示したのと同じ方法で、固体電解コンデンサを製造した。
実施例13
一連のタンタル陽極(33マイクロファラッド、35V)が用意された。タンタルは、タンタル陽極上に誘電体を形成するために陽極酸化された。このようにして形成された陽極を、トルエンスルホン酸鉄(III)酸化剤の溶液に1分間浸漬し、続いてエチルジオキシチオフェンモノマーに1分間浸漬して、陽極酸化陽極の誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成した。60分間の重合が完了した後、陽極酸化された陽極を洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さが達成されるまで、このプロセスが繰り返された。比較例3からの導電性ポリマー分散液を塗布し、続いて乾燥して外部ポリマー層を形成した。このプロセスを4回繰り返した。部品は顕微鏡下でコーナーとエッジの被覆率について検査された。グラファイト層と銀層の連続被覆を適用して、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて梱包した。
実施例14
一連のタンタル陽極(33マイクロファラッド、35V)が用意された。タンタルは、タンタル陽極上に誘電体を形成するために陽極酸化された。このようにして形成された陽極を、トルエンスルホン酸鉄(III)オキシダントの溶液に1分間浸漬し、続いてエチルジオキシチオフェンモノマーに1分間浸漬して、陽極酸化陽極の誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成した。60分間の重合が完了した後、陽極酸化された陽極を洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さが達成されるまで、このプロセスが繰り返された。比較例4からの導電性ポリマー分散液を塗布し、続いて乾燥して外部ポリマー層を形成した。このプロセスを4回繰り返した。部品は顕微鏡下でコーナーとエッジの被覆率について検査された。グラファイト層と銀層の連続被覆を適用して、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて梱包した。
実施例15
一連のタンタル陽極(33マイクロファラッド、35V)が用意された。タンタルは、タンタル陽極上に誘電体を形成するために陽極酸化された。このようにして形成された陽極を、トルエンスルホン酸鉄(III)オキシダントの溶液に1分間浸漬し、続いてエチルジオキシチオフェンモノマーに1分間浸漬して、陽極酸化陽極の誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成した。60分間の重合が完了した後、陽極酸化された陽極を洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さが達成されるまで、このプロセスが繰り返された。市販の導電性ポリマー分散液であるClevios(登録商標)KV2を塗布し、その後乾燥させて外部ポリマー層を形成した。このプロセスを4回繰り返した。部品は顕微鏡下でコーナーとエッジの被覆率について検査された。グラファイト層と銀層の連続被覆を適用して、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて梱包した。
実施例16
一連のタンタル陽極(33マイクロファラッド、35V)が用意された。タンタルは、タンタル陽極上に誘電体を形成するために陽極酸化された。このようにして形成された陽極を、トルエンスルホン酸鉄(III)オキシダントの溶液に1分間浸漬し、続いてエチルジオキシチオフェンモノマーに1分間浸漬して、陽極酸化された陽極の誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成した。60分間の重合が完了した後、陽極酸化された陽極を洗浄して、過剰なモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さが達成されるまで、このプロセスが繰り返された。実施例10からの導電性ポリマー分散液を塗布して外部ポリマー層を形成した。乾燥後、市販の架橋剤溶液、Clevios(登録商標)KPrimer、及び実施例6の導電性ポリマー分散液の交互層を適用し、4回繰り返した。部品を熱湯で洗浄して余分なClevios(登録商標)KPrimerを除去し、続いてオーブンで乾燥させた。部品は顕微鏡下でコーナーとエッジの被覆率について検査された。グラファイト層と銀層の連続被覆を適用して、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて梱包した。
実施例17
一連のタンタル陽極(33マイクロファラッド、35V)が用意された。タンタルは、タンタル陽極上に誘電体を形成するために陽極酸化された。このようにして形成された陽極を、鉄(III)トルエンスルホン酸オキシダントの溶液に1分間浸漬し、続いてエチルジオキシチオフェンモノマーに1分間浸漬して、陽極酸化陽極の誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成した。60分間の重合が完了した後、陽極酸化された陽極を洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さが達成されるまで、このプロセスが繰り返された。市販の導電性ポリマー分散液Clevios(登録商標)KV2を塗布して外部ポリマー層を形成した。乾燥後、市販の架橋剤溶液、Clevios(登録商標)KPrimer、及び実施例6の導電性ポリマー分散液の交互層を適用し、4回繰り返した。部品を温水で洗浄して余分なClevios(登録商標)KPrimerを除去し、続いてオーブンで乾燥させた。部品は顕微鏡下でコーナーとエッジの被覆率について検査された。グラファイト層と銀層の連続被覆を適用して、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて梱包した。
固体電解コンデンサにおける本発明の導電性ポリマー分散液の性能結果を表1及び表2に要約する。
Figure 2023549446000006
Figure 2023549446000007
少なくとも二峰性サイズ分布を有する分散液の利点は、固体電解コンデンサの被覆品質及び性能の改善において明らかである。好ましい実施形態を例示として本発明を説明しているが、それに限定される訳ではない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載と、追加の実施形態について理解できるはずである。
関連出願の相互参照
本願は、本書に援用されている、2017年10月18日に出願された米国特許出願第15/787,126号(現在2020年5月19日に登録済みの米国特許第10,658,121号)の分割出願に当たる、2018年10月19日に出願された米国特許出願第16/165,649号(現在、2020年5月12日に登録済みの米国特許第10,650,980号)の一部継続出願として2019年6月10日に出願された、係属中の米国特許出願第16/435,762号の一部継続である。
本発明は、導電性ポリマー陰極を含む改善された固体電解コンデンサに関する。より具体的には、本発明は、改善されたポリマー組成物が、特に端部や隅において被覆率を改善し、それによってESRや湿潤環境において漏れ安定性が向上されているコンデンサを提供する導電性ポリマーに関する。
固体電解コンデンサは、電子機器業界の全体で広く使用されている。高電圧用途では、導電性ポリマー分散液によって形成された固体電解質を含むコンデンサーは、現場で即形成された導電性ポリマー陰極に比べ、優れた高電圧性能を有する。これらの導電性ポリマー分散液は、重合、精製、濾過、均質化、蒸発などを含む多くのプロセスステップによって調製される。プロセスについては、米国特許第5,300,575号、第7,990,684号、第7,270,871号、第6,000,840号、第9,030,806号、米国公開特許第2011/0049433号、PCT公開特許第2010/089111号を参照し得る。各特許は本書に援用されている。
コンデンサやコンデンサの製造法については、米国特許第7,990,683号、第7,754,276号、第7,563,290号、第10,770,240号、第9,343,239号を参照し得る。各特許は本書に援用されている。
陰極として導電性ポリマーを含む固体電解コンデンサには、しかしながら欠点がある。まず、誘電体の端部と隅が被覆し辛い。陽極酸化陽極の端部や隅の導電性ポリマーの被覆率が低いと、高いDC漏れ電流が発生し、湿度の高い環境で信頼性の問題が発生してしまう。
コンデンサの等価直列抵抗(ESR)の安定性には、陰極層、陰極導電層、導電性接着剤、リードフレームの間の界面が、熱機械的応力に対して良好な機械的完全性を備えている必要がある。固体電解コンデンサは、組み立て、成形、基板実装のリフローなどの際に熱機械的応力を受ける。基板実装中の場合、コンデンサは250℃を超える温度にさらされる。界面間の熱膨張係数(CTE)が一致しない場合、上昇した温度は、界面に応力を発生させる。結果として生じる応力は、界面の機械的弱体化を引き起こす。場合によっては、機械的弱体化が剥離を引き起こすこともある。界面間の物理的分離により、界面間の電気抵抗が増加し、完成したコンデンサのESRが高まる。界面の脆弱性は、高湿度環境でのESRシフトの増加にもつながる。
欧州特許出願EP-A-1746613は、0.7~20μmの範囲の平均粒径を有する固体粒子を分散液に添加することにより、EP-A-1524678に開示されている固体電解コンデンサの形成プロセスを改善する。固体粒子は、炭酸塩、ケイ酸塩、シリカ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ガラス繊維、ガラス球、木粉、セルロース粉末、カーボンブラック、酸化ケイ素、二酸化ケイ素などの導電性ポリマー又は充填剤の粒子である。当該特許は、導電性ポリマーのポリアニオン分散液に前述の粒子を添加することにより、端部と隅の被覆率が改善されたと主張している。しかしながら、導電性ポリマーの固体粒子は、非分散性又は不水溶性になるため、ポリアニオンを含んでいない。よって、導電性ポリマー:ポリアニオン分散液に導電性ポリマーの固体粒子を添加すると、分散安定性に影響を及ぼし、分散液の粘度が非常に高くなる。分散液中に固体粒子が沈降し、性能の再現性が低下する可能性がある。更に、米国公開特許第2015/0140203号に記載されているように、固体粒子がポリマーの外側フィルムを脆くするため、外側層が局所的に剥離し、残留電流とESRが増加する可能性がある。
ポリマー外側層のフィルム強度に影響を与えることなく被覆率を改善するために、本書に援用されている国際公開特許第2010089111号では、架橋剤やプライマーと呼ばれ、ほとんどがマルチカチオン塩またはアミンである化合物群を適用している。架橋剤は、陽極酸化陽極の端部や隅で良好なポリマー被覆を達成するために、ポリマースラリーを塗布する前に陽極酸化陽極に塗布される。架橋剤を使用することで、被覆率を改善するために導電性ポリマー分散液に固体粒子を添加する必要がなくなった。架橋剤の有効性は、スラリー/分散粒子に対するマルチカチオン塩やアミンの架橋能力によるものである。架橋剤は、陽極酸化陽極の端部・隅の被覆率を改善し得るが、架橋剤の添加は、本質的にほとんどがイオン性であるため、高ESRシフトやDC漏れ電流の増加など、完成品の湿度下での性能を低下させるという別の問題が生じてしまう。
固体電解コンデンサにおいて端部・隅の被覆率を改善できる導電性ポリマーと、湿潤条件下でのESRや漏れ信頼性を低下させることのない、コンデンサの形成プロセスに対する需要が未だに存在する。
本発明の目的は、コンデンサーの端部・隅被覆率を更に向上することのできる導電性ポリマーを提供することである。
本発明の更なる目的は、湿潤な環境で使用し得る特性を有する改善されたコンデンサを提供することである。
本発明の利点は、固体電解コンデンサの形成プロセスにおいて実現される。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
次いで、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層を形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。
その他の実施形態は、固体電解コンデンサを提供する。当該コンデンサは、陽極酸化陽極と、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層と、を備える。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。
また別の実施形態は、分散液の形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
少なくとも3wt%~10wt%の固形分モノマー及びポリアニオンを含む溶液として、モノマー及びポリアニオを用意する。
次いで、高剪断重合によるモノマーの重合を行う。分散液は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。
また別の実施形態は、分散液を提供する。当該分散液は、
導電性ポリマー及びポリアニオンを含み、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有する第1粒子と、
導電性ポリマー及びポリアニオンを含み、少なくとも1nm~600nmンの平均粒径を有する第2粒子と、を有する。
当該導電性ポリマーは、式1の構造を有する共役基を含む。


ここにおいて、
R1及びR2は独立して、直鎖状又は分枝状のC1-C16アルキル又はC2-C18アルコキシアルキルを表し、或いは、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロゲン又はOR3で置換されていてもよいC3-C8シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
若しくは、R1及びR2は、共に、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、C3-C8シクロアルキル、フェニル、ベンジル、C1-C4アルキルフェニル、C1-C4アルコキシフェニル、ハロフェニル、C1-C4アルキルベンジル、C1-C4アルコキシベンジル又はハロベンジル、2種の酸素元素を含む5員、6員、又は7員の複素環構造で置換されていてもよい直鎖状C1-C6アルキレンであり、
R3は、水素、直鎖状又は分枝状のC1-C16アルキル又はC2-C18アルコキシアルキルを表し、或いは、C1-C6アルキルで置換されていてもよいC3-C8シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
XはS、N又はOである。
ポリアニオンは式2によって表され、
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
次いで、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層を形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層とを含み、内部ポリマーは、予重合導電性ポリマーを含む。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
陽極酸化陽極上に有機金属化合物を含む層を塗布する。
次いで、予重合導電性ポリマー層を有機金属化合物層上に形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層とを含む。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
次いで、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層を形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電層の形成は、第1粒子及び第2の粒子を含む分散液を塗布することを含む。
更に、分散液の一部に、ローター・ステーター高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー、又は高剪断ホモジナイザーを施す。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
次いで、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層を形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。ポリアニオンは式2によって表される。
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。
第1粒子及び第2粒子は分散液である。
分散液の第1部分は、モノマー溶液の高剪断重合によって形成され、分散液の第2部分は、ローター・ステーター高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー、又は高剪断ホモジナイザーを施される。
その他の実施形態は、固体電解コンデンサを提供する。当該コンデンサは、
陽極酸化陽極と、
陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層と、を含む。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層を含み、更には、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含む。第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。
当該ポリアニオンは式2によって表され、
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。
x+y+zの合計において、yが10~30%、zが0~20%を表す。
外部ポリマー層はポリアニオンを含む。
また別の実施形態は、分散液を提供する。当該分散液は、
導電性ポリマー及びポリアニオンを含み、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有する第1粒子と、
導電性ポリマー及びポリアニオンを含み、少なくとも1nm~600nmンの平均粒径を有する第2粒子と、を有する。
当該導電性ポリマーは、式1の構造を有する共役基を含む。
ここにおいて、
R1及びR2は独立して、直鎖状又は分枝状のC1-C16アルキル又はC2-C18アルコキシアルキルを表し、或いは、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロゲン又はOR3で置換されていてもよいC3-C8シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
若しくは、R1及びR2は、共に、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、C3-C8シクロアルキル、フェニル、ベンジル、C1-C4アルキルフェニル、C1-C4アルコキシフェニル、ハロフェニル、C1-C4アルキルベンジル、C1-C4アルコキシベンジル又はハロベンジル、2種の酸素元素を含む5員、6員、又は7員の複素環構造で置換されていてもよい直鎖状C1-C6アルキレンであり、
R3は、水素、直鎖状又は分枝状のC1-C16アルキル又はC2-C18アルコキシアルキルを表し、或いは、C1-C6アルキルで置換されていてもよいC3-C8シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
XはS、N又はOである。
ポリアニオンは式2によって表され、
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよく、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。更に、分散液の一部に、ローター・ステーター高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧均質化、又は高せん断均質化を施す。
またその他の実施形態は、電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスでは、有機金属化合物で被覆された誘電体を含む陽極を用意し、ポリアニオン及び導電性ポリマーを含む第1導電性ポリマー層を形成し、第2導電性ポリマーとPSSコポリマーであるポリアニオンとを含む第2ポリマースラリーを塗布する。
またその他の実施形態は、電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスでは、有機金属化合物で被覆された誘電体を含む陽極を用意し、ポリアニオン及び導電性ポリマーを含む第1導電性ポリマー層を形成し、ポリアニオンを含む第2ポリマースラリーを塗布する。第2スラリーは、PEDOT:ポリアニオンの多峰性粒子を含む。
またその他の実施形態は、電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスでは、有機金属化合物で被覆された誘電体を含む陽極を用意し、ポリアニオン及び導電性ポリマーを含む第1導電性ポリマー層を形成し、ポリアニオンを含む第2ポリマースラリーを塗布する。第2スラリーは、PEDOT:ポリアニオンの少なくとも二峰性の粒径を含み、ポリアニオンはPSSコポリマーである。
またその他の実施形態は、電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスでは、有機金属化合物で被覆された誘電体を含む陽極を用意し、予重合ポリマーである第1導電性ポリマー層を形成し、第2導電性ポリマー及びポリアニオンを含みポリアニオンがPSSコポリマーである第2ポリマースラリーを塗布する。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
次いで、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層を形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層とを含み、内部ポリマーは、予重合導電性ポリマーを含む。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
陽極酸化陽極上に有機金属化合物を含む層を塗布する。
次いで、予重合導電性ポリマー層を有機金属化合物層上に形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層とを含む。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
次いで、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層を形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電層の形成は、第1粒子及び第2の粒子を含む分散液を塗布することを含む。
更に、分散液の一部に、ローター・ステーター高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー、又は高剪断ホモジナイザーを施す。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
次いで、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層を形成する。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。ポリアニオンは式2によって表される。
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。
第1粒子及び第2粒子は分散液である。
分散液の第1部分は、モノマー溶液の高剪断重合によって形成され、分散液の第2部分は、ローター・ステーター高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー、又は高剪断ホモジナイザーを施される。
また別の実施形態は、固体電解コンデンサの形成プロセスを提供する。当該プロセスは、以下のステップからなる。
まずは、陽極酸化陽極を用意する。
次いで、陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層を形成する。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層を含み、更には、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含む。第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。
当該ポリアニオンが式2によって表され、
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。
x+y+zの合計において、yが10~30%、zが0~20%を表す。
外部ポリマー層はポリアニオンを含む。
また別の実施形態は、コンデンサを提供する。当該コンデンサは、
陽極酸化陽極と、
陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層と、を含む。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層とを含み、内部ポリマーは、予重合導電性ポリマーを含む。
また別の実施形態は、コンデンサを提供する。当該コンデンサは、
陽極酸化陽極と、
有機金属化合物を含む陽極酸化陽極上の層と、
有機金属化合物層上の導電性ポリマー層と、を含む。導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層とを含む。
また別の実施形態は、コンデンサを提供する。当該コンデンサは、
陽極酸化陽極と、
陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層と、を含む。導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層を含み、更には、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2粒子とを含む。第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。
当該ポリアニオンは式2によって表され、
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。
x+y+zの合計において、yが10~30%、zが0~20%を表す。
外部ポリマー層はポリアニオンを含む。
また別の実施形態は、分散液を提供する。当該分散液は、
導電性ポリマー及びポリアニオンを含み、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有する第1粒子と、
導電性ポリマー及びポリアニオンを含み、少なくとも1nm~600nmンの平均粒径を有する第2粒子と、を有する。
当該導電性ポリマーは、式1の構造を有する共役基を含む。
ここにおいて、
R1及びR2は独立して、直鎖状又は分枝状のC1-C16アルキル又はC2-C18アルコキシアルキルを表し、或いは、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロゲン又はOR3で置換されていてもよいC3-C8シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
若しくは、R1及びR2は、共に、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、C3-C8シクロアルキル、フェニル、ベンジル、C1-C4アルキルフェニル、C1-C4アルコキシフェニル、ハロフェニル、C1-C4アルキルベンジル、C1-C4アルコキシベンジル又はハロベンジル、2種の酸素元素を含む5員、6員、又は7員の複素環構造で置換されていてもよい直鎖状C1-C6アルキレンであり、
R3は、水素、直鎖状又は分枝状のC1-C16アルキル又はC2-C18アルコキシアルキルを表し、或いは、C1-C6アルキルで置換されていてもよいC3-C8シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
XはS、N又はOである。
当該ポリアニオンは式2によって表され、
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよく、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。更に、分散液の一部に、ローター・ステーター高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧均質化、又は高せん断均質化を施す。
また別の実施形態は、陽極箔と、陽極箔上の導電性ポリマー層とを含む、コンデンサを提供する。電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2粒子とを含み、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有する。第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。導電性ポリマー層は内部ポリマー層と外部ポリマー層とを含み、内部ポリマーは予重合導電性ポリマーを含む。
更に別の実施形態は、陽極酸化陽極を含むコンデンサを提供する。陽極酸化陽極は、モノリス及び箔から選ばれる。導電性ポリマー層は、陽極酸化陽極上にあり、導電性ポリマー層は、内部ポリマー層と外部ポリマー層を含み、導電性ポリマーとポリアニオンを含む第1粒子と、導電性ポリマーを含む第2粒子とを更に含む。ポリアニオンにおいて、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である。当該ポリアニオンは式2によって表され、
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
y/xは0~100であって、
zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある。
x+y+zの合計において、yが10~30%、zが0~20%を表す。
当該外部ポリマー層は当該ポリアニオンを含む。
図1は、固体電解コンデンサの概略断面図である。 図2は、本発明の一実施形態を示すフローチャートである。 図3は、本発明の一実施形態を部分的に巻き戻した概略斜視図である。 図4は、図3の4-4線に沿った断面図である 図5は、本発明の一実施形態を示す概略図である。 図6は、本発明の一実施形態を部分的に巻き戻した概略斜視図である。 図7は、図6の7-7線に沿った断面図である 図8は、本発明の非対称陽極の両側を概略的に示す図面である。 図9は、本発明の一実施形態の概略断面図である。 図10は、本発明の一実施形態の電気回路図である。 図11は、本発明の非対称陽極の両側を概略的に示す図面である。 図12は、本発明の一実施形態の概略図である。 図13は、本発明の一実施形態を示す概略図である。 図14は、本発明の一実施形態の概略断面図である。 図15は、本発明の実施形態の断面概略部分分解図である。
本発明は、固体電解コンデンサに使用するための改善された導電性ポリマー分散液、陰極として導電性ポリマーを含む改善された固体電解コンデンサ、導電性ポリマーを含むスラリー、改善された固体電解コンデンサの製作方法に関する。より具体的には、本発明は、改善された固体電解コンデンサに使用するのに適した導電性ポリマー分散液の改善された重合方法に関する。つまり、少なくとも部分的には、陽極酸化陽極の端部や隅の被覆率の改善、更には、陰極層の界面接着の改善をはかるものである。
固体電解コンデンサにおいて、端部及び隅を完全に被覆し、界面接着を改善するためには、溶媒中の導電性ポリマー:ポリアニオン錯体粒子の少なくとも二峰性粒径分布を有する導電性ポリマーの分散物を含む混合物を塗布する必要がある。第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンのメジアン粒径(D50)を有する。より好ましくは、第1粒子は、少なくとも1ミクロン~5ミクロン、より好ましくは少なくとも2ミクロン~4ミクロンのD50を有する。第2粒子は、少なくとも1nm~600nm、より好ましくは少なくとも100nm~500nm、更により好ましくは少なくとも200nm~400nmのD50を有する。D50に当たる平均平均粒径は、質量メジアン平均粒径、又は質量平均粒子平均粒径を指す。本願では、2つ以上の粒径を有するということは、二峰性分散液を意味する。
ポリマー及びアニオンの粒子は、d50が少なくとも1ミクロン~10ミクロンの第1粒子、少なくとも5重量%~95重量%を有するのが好ましく、少なくとも25重量%~75重量%を有するのがより好ましく、少なくとも40重量%~60重量%を有するのが更により好ましい。ポリマー及びアニオンの粒子は、D50が少なくとも1nm~600nmの第2粒子、少なくとも5重量%~95重量%を有するのが好ましく、少なくとも25重量%~75重量%を有するのがより好ましく、少なくとも40重量%~60重量%を有するのが更により好ましい。
後処理によるポリマー分散を行う際の第一粒子と第二粒子の比率調整において、分散液の一部はポリマーフィルムの品質に影響を与える。後処理技術として、高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧均質化、又は高剪断均質化混合などが挙げられる。導電性ポリマー:ポリアニオン粒子の少なくとも二峰性の粒径分布によって、一峰性粒径分布を有する従来技術の分散液と比べ、端部・隅の被覆率が大幅に改善される。その結果、ESRが大幅に改善され、高湿環境での漏れ信頼性が改善された固体電解コンデンサを実現することができる。本発明は、ESRシフトが100%未満であり、85℃、相対湿度85%で1000時間負荷をかけた後の漏れが0.1CV未満である固体電解コンデンサを提供する。
特に好ましい実施形態では、内部ポリマー層はより小さい粒子を含み、外部ポリマー層は、導電性ポリマー:ポリアニオン粒子の粒径分布が少なくとも二峰性である。
図面を参照して本発明を説明するが、図面の要素に本発明が限定される訳ではない。
本発明のコンデンサを、固体電解コンデンサが断面概略図で示されている図1を以って説明する。図1において、固体電解コンデンサ1は、その上に誘電体3を有するモノリス陽極2を含む。モノリス陽極は、粉末をモノリスにプレスし、プレスされた粉末に焼結・酸化を施すことによって形成される。完成後、導電性ポリマー層4は、本質的に連続した、好ましくは筋のない層であり、複数のプロセスステップによって形成されるため、本願では、説明と明確化のために各層を個別的に説明する。リードを導電性ポリマー層に取り付けることは困難であることはよく知られており、したがって、当分野で周知の技術として、導電性ポリマー層上の導電性炭素を含む層と、炭素含有層上の銀含有層とを含む取付層5を塗布する方法が知られている。陰極リード7は、導電性接着剤によって取付層に取り付けられる。陽極リード6は、通常、溶接によってリード線8に取り付けられ、陰極リードと陽極リードの部分を除くアセンブリ全体が、樹脂などの非導電性材料9によりカプセル化される。
塗布される第1導電性ポリマー層41は、内部ポリマー層と呼ばれ、多孔性誘電体の間隙領域を適切に被覆できる方法で形成される。第1導電性ポリマー層は、通常、好ましくは共通の成分から、多孔質誘電体の隙間領域の被覆に適した共通の条件下で順次形成される副層を含む。第1導電性ポリマー層は、通常、それぞれが共役導電性ポリマーを含む1~5個の層を含む。
第1導電性ポリマー層は、後続の層と同じ導電性ポリマー及びポリアニオンを有することができるが、第1導電性ポリマー層は、好ましくは、モノマー、酸化剤、ドーパントの溶液から形成されたインサイチュー重合によって形成された導電性ポリマーの少なくとも1回の塗布によって、或いは、小さい平均粒径を有する導電性ポリマー溶液や分散液を少なくとも1回塗布して十分な浸透を可能にすることにより、形成される。一実施形態では、内部ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンの粒子を含む分散液から形成され、粒径のD50は10~50nmである。より好ましくは、内部ポリマーは、D50が10~30nm、より好ましくは10~20nmの粒径を有する。一実施形態では、内部ポリマー層は、即重合導電性ポリマーを含まない。
内部ポリマー層は、誘電性ポリマー層と導電性ポリマー層との間の接着を改善するために、接着促進層を更に被覆してもよい。有機金属化合物、有機官能性シラン、加水分解物、又は弱酸を含む有機官能性シラン、或いはそのリン酸塩などの接着促進剤の例として、3-グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシ-プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニル(β-メトキシシラン)、ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン等、或いは、酸、アルコール、フェノール、アミン、エポキシ、アクリレート等の反応性基を含む水溶性モノマー/オリゴマー/ポリマーが挙げられる。有機官能性シラン中の弱酸の例としては、酢酸、リン酸等が挙げられる。内部ポリマー層は、本明細書に記載されているポリアニオンを含む小分子又はポリマーの対イオンをさらに含んでもよい。一実施形態では、有機金属化合物が誘電体又は陽極酸化陽極の表面に塗布され、内部ポリマー層がその上に形成される。その他の実施形態では、有機金属化合物は、導電性ポリマーの層の間に塗布される。
後続の導電性ポリマー副層42~4n(nは約10まで)は、まとめて外部ポリマー層と呼ばれ、典型的には分散液又は溶液の形態で塗布される。各副層を形成するために使用される導電性ポリマー含有分散液又は溶液は、同じでも異なっていてもよく、それによって、製造の便宜のために共通性を優先して組成的に同一又は相違の層が得られる。少なくとも1つの外層が本発明のポリマー分散液を含み、好ましくは各外層が本発明のポリマー分散液を含む。一実施形態では、外層は、その場で重合された導電性ポリマーを含まない。
外層はそれぞれ独立的に界面活性物質、例えばイオン性及び/又は非イオン性界面活性剤、接着促進剤、例えば有機官能性シラン、又その加水分解物やリン酸塩を含んでいてもく、例としては、3-グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン又はオクチルトリエトキシシラン、ポリウレタン、ポリアクリレート又はポリオレフィン分散液、又はその他の添加が挙げられる。
外層は更に独立的に、導電性向上添加剤、例えばエーテル基を含む化合物を含む。その例としては、テトラヒドロフラン;γ-ブチロラクトン、バレロラクトンなどのラクトン基を含む化合物;カプロラクタム、N-メチルカプロラクタム、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルホルムアミド、N-メチルホルムアニリド、N-メチルピロリドンなどのアミド又はラクタム基を含む化合物(NMP)、N-オクチルピロリドン、ピロリドン;スルホン及びスルホキシド、例えばスルホラン(テトラメチレンスルホン)、ジメチルスルホキシド(DMSO);糖又は糖誘導体、例えばスクロース、グルコース、フルクトース、ラクトース、糖アルコール、例えばソルビトール、マンニトール;イミド、例えばスクシンイミド又はマレイミド;フラン誘導体、例えば2-フランカルボン酸、3-フランカルボン酸、及び/又は、ジ-又はポリアルコール、例えばエチレングリコール、グリセロール又はジ-又はトリエチレングリコール、などが挙げられる。導電率向上添加剤として、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド、グリセロール、ソルビトールを使用する方が好ましい。
外部ポリマー層は、層間接着を改善するために、隣接する導電性ポリマー副層の間にプライマーや架橋剤層を有してもよい。好ましい実施形態では、導電性ポリマー副層42~4nに、間にプライマーを介さずにプライマーや架橋剤を付着させる。プライマー化合物の例は、少なくともアミン基、一実施形態では、好ましくは少なくとも2種のアミン基を含むようなモノアミン又はジアミン化合物である。特に適切なアミンであるジアミンについては、本書に援用されている米国特許第8,882,856号を参照せよ。特に好ましいアミンには、少なくとも1つのジアミン、トリアミン、オリゴアミン又はポリマーアミン、或いは、脂肪族アミン、特に脂肪族α,ω-ジアミン、例えば1,4-ジアミノシクロヘキサン又は1,4-ビス(アミノ-メチル)シクロヘキサン;エチレンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1,7-ヘプタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン又は1,12-ドデカンジアミンなどの直鎖脂肪族α,ω-ジアミン;N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,4-ブタンジアミン、N,N,N,N’,N’,N’-ヘキサメチルヘキサメチレンジアンモニウムジブロミド、ピペラジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、又は1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジンなどの脂肪族α,ω-ジアミンの誘導体;N,N’-ジアセチル-1,6-ヘキサンジアミン、N,N,N’,N’-テトラアセチルエチレンジアミン、1,4-ジホルミルピペラジン又はN,N’-エチレンビス(ステアラミド)などのアミド;1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジン等のアミノ基を3個以上有する脂肪族アミン;N-(6-アミノヘキシル)-1,6-ジアミノヘキサン、N-(3-アミノプロピル)-1,4-ジアミノブタン等のアミノ基を3個以上有する直鎖脂肪族アミン;3-[2-(2-アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を3個以上有する直鎖状脂肪族アミンの誘導体;少なくとも2つのアミノ基を有する芳香族アミン、3-アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ基を含む有機官能性シランなどのアミンを含むそれらの誘導体を含む架橋剤が含まれる。主化合物は、対イオンとしてp-トルエンスルホン酸、酢酸、リン酸などの強酸又は弱酸を更に含んでもよい。
本発明の実施形態を図3を参照して説明する。図3は、容器に挿入され含浸電解質で含浸される前の巻回ハイブリッドコンデンサの作動要素が、部分的に巻き戻された概略図である。含浸電解質は、液体電解質又はゲル電解質であることが好ましい。図3において、作動要素10は、片側の少なくとも一部に導電性ポリマーを含む導電性被覆陽極12と、導電性被覆陰極14とを含み、それらの間にはセパレータ16を有する。セパレータは、導電性セパレータであることが好ましい。導電性セパレータは導電性ポリマー18を有し、セパレータ上に被覆されるてもよく、セパレータが導電性ポリマーで含浸(好ましくは飽和される)されてもよい。導電性被覆陽極12及び導電性被覆陰極14は、それぞれ、本明細書で説明されているように、その上に導電性ポリマー層を有する。陽極リード20及び陰極リード22は、巻回コンデンサから延在し、最終的に回路への電気接続を形成する。本明細書に記載されているように、陽極リードが陽極と電気的に接触し、陰極リードが陰極と電気的に接触し、陽極又は陽極リードから電気的に絶縁されている。タブ24及び26は、当技術分野で周知であるように、陽極リードを陽極に、陰極リードを陰極に電気的に接続するために一般的に使用される。接着テープなどのクロージャ28は、作動要素が取り扱いや組み立て中に緩むことを防止するが、完成したコンデンサでは、クロージャはその一部であってもほとんど役に立たない。
図3の4-4線に沿った断面図を、図4に概略的に示した。図4では、セパレータ16は、セパレータが含浸し、好ましくは飽和してもよいことを理解できるよう、例示として両側に導電性ポリマー18を配置している。また、セパレーターの寸法が導電性ポリマーを含めることによって著しく変化しないように、導電性ポリマーを使用する。導電性ポリマー層18は、好ましくは架橋されており、特に好ましい実施形態では、導電性ポリマー層18はセパレータ16に架橋されている。対称陽極として示される導電被覆陽極12は、好ましい導電層が導電性ポリマー層である場合、その両側に陽極導電層212を有する陽極箔112を含む。導電性ポリマー層212は、好ましくは架橋され、一実施形態では、導電性ポリマー層212は、隣接する導電性ポリマー層18に架橋される。導電性被覆陰極14は、少なくとも片面に導電層214を有する陰極箔114を含む。陰極上の導電層214は、好ましくは導電性ポリマー層であり、隣接する導電性ポリマー層18に架橋され得る。或いは、陰極上の導電層214は炭素層である。セパレータは、好ましくは多孔性であり、それによって含浸電解質が通過できる。作動要素が形成され、ハウジングに挿入されると、含浸電解質は、陽極の導電性ポリマー層212と陰極の導電性ポリマー層214との間にある空隙や空孔を満たす。
陰極は、本明細書では導電性被覆を有するものとして示されているが、これに限定される訳ではない。陰極層は、導電性炭素層又は金属層を含むことができ、一部の実施形態では、陰極が導電性ポリマー層を含まないことが好ましい。好ましい実施形態では、陰極層と陽極層は、製造の便宜を図るため、同じである。
本発明の実施形態を、図5を以って説明する。図5では、302で陽極層を含む一連の層を用意する。陽極箔112は、陽極箔の表面上に誘電体を形成するように処理され、その後、好ましくは導電性ポリマー層212が、導電性ポリマー塗布プロセス304によって、誘電体の片側の少なくとも一部上に形成される。導電性ポリマーの塗布プロセスは、陽極箔の片側の少なくとも一部の誘電体上で、陽極箔の両側の対称陽極に対して、同時又は逐次被覆工程で行われる。陽極上の導電性ポリマー層212は、塗布プロセス中に架橋されてもよいし、巻回後に導電性ポリマー層212又は隣接層と後に架橋する架橋剤が含まれてもよい。導電性ポリマー層を含む陰極が使用される場合、306で陰極層が形成され、導電性ポリマー層214が、導電性ポリマー塗布プロセス304によって陰極114上に形成さる。当該プロセスは、陽極導電性ポリマー層に使用されるプロセスと同じプロセスであってもよく、異なるプロセスであってもよい。陰極上の導電性ポリマー層214は、塗布プロセス中に架橋されてもよいし、巻回後に導電性ポリマー層214又は隣接層と後に架橋する架橋剤が含まれてもよい。導電性ポリマーを含まない陰極が使用される場合、適切な材料ロールが提供され、陰極層のためのポリマー形成プロセスは必要ない。306でセパレータ層が形成され、導電性ポリマー18の含浸領域が導電性ポリマー適用プロセス304によって形成される。当該プロセスは陽極及び陰極層の形成と同じプロセスであってもよく、異なるプロセスであってもよい。セパレータ上の導電性ポリマー層18は、塗布プロセス中に架橋されてもよいし、巻回後に導電性ポリマー層18又は隣接層と後に架橋する架橋剤が含まれてもよい。層状構造310は、図4を参照して説明したように、層をインターリーブすることによって形成される。層状構造にはスリットがあり、陽極タブ314は陽極に電気的に接続され、陰極タブ316は陰極に電気的に接続され、タブ付きの作動要素312になり、好ましくはクロージャ28を備え、作動要素を固定して巻き戻しを禁止する。図示されていないリードは、好ましくはタブに取り付けられか、タブがリードとして機能するか、或いはリードとして機能する導電性缶、好ましくは金属缶や導電性蓋、好ましくは金属の蓋などのハウジングの構成要素に電気的に接続し、それによってリード付き作動要素を提供する。本説明のために、軸方向の配置が示されているが、これに限定される訳ではない。リード付き作動要素は、ハウジング318内に配置され、収容されたリード付き作動要素を形成する。収容されたリード付き作動要素は、作動温度で好ましくは液体又はゲルである含浸電解質で随意に含浸される。収容された有鉛作動要素は、導電性ポリマー層を架橋するため、或いは、隣接する導電性ポリマー層を互いに架橋するために、任意に架橋剤で含浸される。ハウジングを密閉し、コンデンサをエージングして完成したコンデンサ320を提供する。
本発明の一実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。図6は、作動要素が部分的に巻き戻された概略図であり、図7は、図6の7-7線に沿う概略断面図である。一般に1010で表される作動要素は、非対称陽極層1012を含み、陽極層は、第1側に第1誘電体1011を、第2側に第2誘電体1013を含む。第1誘電体及び第2誘電体は、一部の実施形態においては、製造の都合上、同じであることが好ましいが、異なる特性を得るために異なっていてもよい。第1誘電体は、導電性ポリマー212で被覆され、少なくとも部分的に覆われ、任意に架橋され、隣接する導電性ポリマー層に任意に架橋される。導電性陰極層14及び導電性セパレータは、図3を参照して説明した通りであってもよい。非導電性セパレータ1017は、第2誘電体と隣接する陰極層との間にある。非導電性セパレータは、その上又は中に導電性ポリマーを有しなくてもよい。一実施形態では、本明細書の他の箇所で説明した導電性セパレータを第2の誘電体に隣接して利用することができ、それによって製造プロセスに必要な構成要素の数を最小限に抑えることができるが、コストを考慮すると、これは好ましい実施形態ではない。
非対称陽極層1012の実施形態が、図8の概略図に示され、好ましくは陽極リード20の取り付けと同じ側にある第2誘電体全体が、その上に導電性ポリマー層なしで露出される。一実施形態では、非対称陽極層は、一方の側で、陽極の誘電体と陰極層との間に導電性ポリマーを含む容量性結合を形成する。ポリマーを含まない第2の誘電体を含む反対側は、含浸電解質及び第2の誘電体と陰極との間の非導電性セパレータを有し、それによって含浸電解質を利用する従来の容量性結合を形成し、それによって並列機能を含むコンデンサを形成する。
本発明の目的のために、非対称陽極は、導電性ポリマーによって被覆れた反対側の表面積の量よりも、導電性ポリマーによって被覆された片側の表面積が小さい陽極として定義される。
非対称陽極を含む非対称コンデンサの実施形態を、図9に概略的に示めした。図9では、第1誘電体1011及び第2誘電体1013を含む陽極112が概略的に示されている。第1誘電体の上に導電性ポリマーの層212が被覆している。本願に詳述されているように、導電性ポリマー18を含む導電性セパレータ16は、導電性ポリマー層212に隣接している。導電性ポリマーの任意の第1層214を有する陰極層114は、導電性セパレータに隣接し、それによって第1回路S1を形成し、当該回路は第1の抵抗及び第1の静電容量を有する。陽極の第2誘電体、1013は、非導電性絶縁体1017によってカソードから分離され、それにより、第2耐性と第2静電容量を持つ第2回回路Sを形成する。図9に示されているコンデンサの電気図を図10に示します。Sとして示された導電性ポリマーを含む第1容量性カップルの抵抗と容量は、第1抵抗Rと第1容量Cを有する。Sと示されている導電性ポリマーがない第2容量性カップルは、第2抵抗R2および第2静電容量Cを有する。図9では、少なくとも1つの導電性ポリマー層を架橋することができ、好ましくは隣接する導電性ポリマー層と架橋することができる。図9の実施形態では、セパレータ16上の導電性ポリマー18がセパレータに架橋されている。
対称陽極を備えたハイブリッドコンデンサは、導電性ポリマーと液体誘電体をその間に組み合わせた陽極と陰極を有する各容量性結合で単一の静電容量を有する。非対称陽極では、図9に示すように、コンデンサの総静電容量は2つの並列容量結合によって表される。一方は対称陽極と同じ容量結合であり、もう一方は陽極、陰極、含浸電解質を含浸させた非導電性セパレータによって形成される容量性結合であり、それらの間に導電性ポリマーの全体層がなく、好ましくは導電性ポリマーの層がない。.非対称陽極を有する各容量性対は、2つのESRを有し、一方は陽極と陰極との間に導電性ポリマーを有する容量性対のESRであり、ポリマー容量性対とも呼ばれる。もう一方は、 陽極と陰極の間に導電性ポリマーの層が完全ではないか、またはまったくないものであり、電解容結合とも呼ばれる。
図11は、部分的に非対称な陽極層を概略的に表し、陽極リードの近くの第2の誘電体の少なくともその部分は、その上に導電性ポリマー層なしで露出されている。第2の誘電体の少なくとも一部は導電性ポリマーによって被覆されておらず、好ましくは第2の誘電体の面積の少なくとも25%から99%以下が覆われている。導電性ポリマーで覆われていない部分は、好ましくは、タブの取り付け領域に当てられる。図12では、第1の誘電体と第2の誘電体の両方が導電性ポリマーによって不完全に覆われている。各誘電体の面積の少なくとも25%から99%以下がカバーされる。導電性ポリマーで覆われていない部分は、好ましくは、タブの取り付け領域専用であり、この領域はタブの取り付けによって両側が劣化することが多い。
陰極フォイル、セパレーター、及び陽極フォイルは、典型的には幅の広いロール及びサイズに合わせてスリットとして提供され、アルミニウムフォイルなどの好ましい導電フォイルである。箔は、プラスチックなどの非導電性であり、その上に導電層が形成されている。陽極箔は好ましくはエッチングされ、その上に誘電体が形成される。誘電体は、スリッティングの前に形成することができ、その場合、導電性ポリマー被覆を塗布する前に、スリットの縁に誘電体を形成する次のステップが望ましい。表面と導電性ポリマー層との間の接着を改善するため、又は他の特定の表面挙動を付与するために、陰極、セパレータ及び陽極をカップリング剤で処理することができる。導電性ポリマー層の形成又は含浸の前又は後に、陰極、セパレータ及び陽極を洗浄及び乾燥することができ、必要に応じて、導電性ポリマー層の形成又は含浸工程を数回繰り返すことができる。電気リード、又はタブは、通常、好ましくは長さに切断する前に陽極と陰極に電気的に接続され、リードをマスキング材料で処理して、それ以上の変更から保護し、コンデンサ端子への溶接の準備を整えることができる。
導電性ポリマーは、浸漬、被覆、及び噴霧を含む任意の適切な方法によって、陰極、陽極、又はセパレーターに塗布することができる。浸漬では、陰極、陽極、又はセパレーターが、導電性ポリマー分散液を含む槽又は容器を通して引き出される。セパレータは浸漬が好ましい。被覆及び噴霧は、陰極箔、陽極箔、又はセパレータの表面上への導電性ポリマーの分散液のスクリーン印刷又は噴霧を含む任意の印刷技術で行うことができる。陰極及び陽極は、被覆又はスプレーが好ましい。導電性ポリマー被覆を、少なくとも0.1mg/cmの量で陽極、陰極、又はセパレーターに適用することが望ましい。約0.1mg/cm以下では、適切な伝導には被覆の重量が不十分であり、被覆が不完全な被覆が生じる可能性がある。導電性ポリマー被覆を、約10mg/cm以下の被覆重量を達成するのに十分な量で適用することが望ましい。上記について10mg/cmの追加された被覆の厚さは導電率を大幅に増加させない。
アキシャルコンデンサは、特に好ましい実施形態である。アキシャルコンデンサには、コンデンサの一方の面に陽極端子があり、反対面に陰極端子がある。導電性ポリマー電解質を組み込んだ巻線アキシャルコンデンサは、下部タブ又はリードが導電性ポリマー又は前駆体に必然的に浸漬され、その上に導電性ポリマーが有害に堆積するポリマー含浸に関連する問題により、利用できないと考えられてきた。アキシャルコンデンサの特定の利点は、本発明で現在利用できるように、特に陽極と陰極の長さが増加するにつれて、複数のタブとリードを利用できることである。フォイルの長さが長くなると、フォイル抵抗のパーセンテージが高くなり、ESRが高くなる。マルチタブ又はマルチリードは、フォイル抵抗効果を最小限に抑える。リードが1つの場合、電流はフォイルの最も遠い部分からタブとリードに流れなければならず、これはESRに有害である。複数の陽極リード及び複数の陰極リードを利用することにより、導電経路の長さを減少させることが好ましい。様々なコンデンサ構成が、図13を参照して説明され、ここでコンデンサは部分影図で概略的に示されており、それによって構成要素を視覚化することができる。図13では、単一タブのアキシャルコンデンサがAで示され、複数タブのアキシャルコンデンサがBで示され、ラジアルコンデンサがCで示されている。アキシャルコンデンサは、動作要素44の両側から延びる陽極リード40及び陰極リード42を有する。一方、ラジアルコンデンサは、共通の側から延びる陽極リードと陰極リードを有する。図13Bは、複数の陽極タブ40及び複数の陰極タブ42が作用要素から延びており、各タブが異なる位置で陽極と電気的に接触している様子を示している。例えば、図13Bは3つのタブで示されているが、これに限定されず、タブは好ましくは陽極の長さに沿って等間隔に配置され、それによって伝導経路の長さを最小化する。同様に、図13Bは、好ましくは陰極の長さに沿って等間隔に配置された3つの陰極リードと共に示されている。ラジアルコンデンサでは複数のリードが可能であるが、小型サイズの制限により共通面で複数のリードを使用することは製造が困難であったため、以前はハイブリッドコンデンサでの使用には適していない。サイズが大きい場合でも、ラジアルコンデンサにはシングルリードが適している。
アキシャルコンデンサは、図14の断面概略図に示されている。図14では、一般に400で表されるコンデンサは、ハウジング404内に、本明細書に記載の動作要素402を備える。当技術分野では缶と呼ぶことができるハウジングは、好ましくは導電性であり、リードとして機能するか、又は好ましくは陰極リードである下部リード405と電気的に接触することができる。好ましくは陰極タブである下部タブ406は、ハウジング又は下部リードと電気的に接触している。好ましくは陽極タブである上部タブ408は、好ましくは陽極リードである上部リード410と電気的に接触している。或いは、上部タブは、上部リードと電気的に接触している導電性蓋412と電気的に接触している。ガスケットなどのシール414がハウジングをシールして、ハウジングの内部と周囲大気との間の大気交換を阻止する。一実施形態では、シール及び蓋は気密シールを形成する。シールは、樹脂材料、特にエポキシ樹脂、又はエチレンプロピレンジエンターポリマー(EPT)又はブチルゴム(IIR)などのゴム材料であってもよい。
陽極は、好ましくは箔の形態の導電性金属である。導電性金属は、バルブ金属又はバルブ金属の導電性酸化物であることが好ましい。特に好ましい陽極は、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどのバルブ金属、これらの元素の合金、又はNbOなどの導電性酸化物を含む。アルミニウムは、特に好ましい陽極材料である。
誘電体である陽極上に酸化膜を形成することが好ましい。誘電体は、リン酸又はリン酸塩含有溶液などのフォーミング電解質と呼ばれる任意の適切な電解質溶液を使用して形成することができる。約9Vから約450Vの化成電圧が一般的に印加される。化成電圧は通常、コンデンサの定格電圧の2.0~3.5倍の範囲である。
液体電解質は、好ましくは支持塩を含む溶媒である。任意の従来の溶媒を、以下を含む例示的な溶媒と共に使用することができる。γ-ブチロラクトン、スルホラン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、水、シリコーン油、ポリエチレングリコール及びそれらの混合物。必須ではないが、支持塩が好ましい。例示的な支持塩には、無機酸アンモニウム塩、無機酸アミン塩、無機酸アルキル置換アミド塩、有機アンモニウム塩、有機酸アミド塩、有機酸アルキル置換アミド塩及びそれらの誘導体が含まれる。任意のガス吸収剤又は陰極電気化学減極剤を使用できる。担持添加剤の例としては、有機アルコールのニトロ誘導体、酸、エステル、芳香族誘導体、例えばo-、m-、p-ニトロアニソール、o-、m-、p-ニトロ安息香酸、o-、m-、p-ニトロベンゼンアルコールが挙げられる。特にハイブリッドコンデンサは、最大50重量%の液体電解質を含む。
セパレータは、本明細書では特に限定されず、導電性セパレータに使用される材料が導電性ポリマーで被覆又は含浸され得るという条件で、任意の市販のセパレータを使用して本発明を実証することができる。あるいは、又は導電性ポリマーに加えて、セパレータ自体が導電性材料であってもよい。導電性セパレータの例示的なセパレータは、導電性ポリマーの骨格層として機能する。セパレータは、ロール、リールなどに巻くことができる異なる寸法のシートの形で製造することができ、又はセパレータはペースト又はゲルの形にすることができる。陽極箔はセパレータの支持体として機能することができ、陽極箔はその表面上に形成された絶縁体層を有し、絶縁体上の導電性ポリマー被覆と、ポリマー被覆上に形成された導電性セパレータ層とを有する。陽極を支持体として使用することで、操作上の困難を最小限に抑えることができる。セパレータは、陽極導電性ポリマー層と陰極との間の直接電気接触を可能にする多孔性導電層である。好ましくは、セパレータは、通過する電解質を含浸させるための細孔の体積を有する。紙又はポリマーなどの他の非導電性材料を、導電性ポリマーの支持体として使用することができる。紙は、広く使用され入手可能であるため、典型的なセパレーターである。従来技術のコンデンサとは異なり、導電性セパレータとして使用するために紙を焦がす必要はない。先行技術のコンデンサの製造において、紙は、紙に吸収されるポリマーの量を最小限に抑えるために、作動要素の形成後に炭化されることが多い。本発明では、セパレータが導電性ポリマーで被覆されるか、又は導電性ポリマーで含浸されて導電性セパレータを形成するので、これは不要である。セパレータは、紙繊維などの連続繊維層を形成するために物理的に混合又は架橋された紙繊維などの繊維材料であってもよい。繊維間の空間は、部分的又は完全に高導電性成分で満たされている可能性がある。紙ベースのセパレータは、完成した紙層の改質、又は紙層を形成する前の高導電率成分繊維による紙の改質、液体又は固体状態の導電性繊維、断片、粒子、又はそれらの凝集体の分散、又は導電性繊維、断片、粒子の堆積によって製造できる。導電性繊維、断片、又は粒子は、導電性ポリマー、カーボンブラック、グラファイト、金属などの導電性材料を含むことができ、又は、導電性ポリマー、カーボンブラック、グラファイト、金属などの導電性材料により修飾された、紙、プラスチックなどの非導電性コアからなる複合材料である。
導電性セパレータと非導電性セパレータは同じ材料を含み、導電性セパレータは導電性被覆を有するか、非導電性セパレータには不要な導体を含浸している。
一実施形態では、セパレータは、特にセパレータの表面に反応基を含み、反応基は導電層の反応基との反応に適しており、それによってセパレータ上の導電性ポリマーをその上の導電性ポリマーに架橋させ、セパレーターへの導電性ポリマーの接着性を高める。特に好ましい反応基には、エポキシ、ヒドロキシル、アミノ、カルボン酸、ウレタン、ホスフェート、シラン、イソシアネート、シアネート、ニトロ、ペルオキシ、ホスフィオ、ホスホノ、スルホン酸、スルホン、ニトロ、アクリレート、イミド、アミド、カルボキシル、カルボン酸無水物、シラン、オキサゾリン、(メタ)アクリレート、ビニル、マレエート、マレイミドイタコン酸塩、アリルアルコールエステル、ジシクロペンタジエンベースの不飽和、不飽和C12-C22脂肪酸エステル又はアミド、カルボン酸塩又は第四級アンモニウム塩これは、含浸電解質の反応基と架橋することができる。
特に好ましいセパレータは、作業要素の長さ又は製造プロセスに適した幅を有し、幅は1.5cmから500cmであり、本発明を実証するための例である。長さは、キャパシタンスが陽極と陰極のオーバーラップの関数であり、したがって、陰極と陽極の長さと幅に直接関連するため、所望のキャパシタンスに基づいて選ばれる。長さが0.1mから400mで、厚さが10μmから300μmまでのセパレータは、本発明を実証するための例である。
本発明の実施形態が図15に示されており、コンデンサは一般に4110で表されている。一連の陽極箔4120が平行に配置される。各陽極箔は、その上に誘電体4116を有する。導電性ポリマー陰極4118は、各誘電体上にある。陽極ホイルは、陽極ホイルを4123で融着できるようにする導電性ポリマーで被覆されていない部分を持っている。陰極は一般的に終端されている。
導電性ポリマーは、それぞれ置換されていてもよいポリアニリン、ポリピロール及びポリチオフェンからなる群から選ばれる。特に好ましいポリマーは、式1の構造を有する共役基を含む。
ここにおいて、
及びRは独立して、直鎖状又は分枝状のC-C16アルキル又はC-C18アルコキシアルキルを表し、或いは、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、ハロゲン又はORで置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
若しくは、R及びRは、共に、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、ハロゲン、C-Cシクロアルキル、フェニル、ベンジル、C-Cアルキルフェニル、C-Cアルコキシフェニル、ハロフェニル、C-Cアルキルベンジル、C-Cアルコキシベンジル又はハロベンジル、2種の酸素元素を含む5員、6員、又は7員の複素環構造で置換されていてもよい直鎖状C-Cアルキレンであり、Rは、好ましくは、水素、直鎖状又は分枝状のC-C16アルキル又はC-C18アルコキシアルキルを表し、或いは、C-Cアルキルで置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
XはS、N又はOである。最も好ましくは、XはSである。
式1のRとRは、リングのβサイトでの重合を禁止するために選ばれることが好ましいである。これは、αサイト重合のみが進行することが最も好ましいためである。RとRは水素ではなく、より好ましくは、RとRがアルキル結合よりもエーテル結合が好ましいα-ディレクターであることが推奨される。立体干渉を避けるために、R1とR2が小さいことが最も好まれている。
特に好ましい実施形態では、式1のR1とR2は、-O-(Chr4)n-o-を表すために一緒に取り込まれる。
nは1から5までの整数であり、最も好ましくは2である。
R4は、水素;直鎖又は分岐C-C18アルキルラジカルC-C12シクロアルキルラジカル、C-C14アリールラジカルC~C18アラルキルラジカル、又はC-Cヒドロキシアルキルラジカル(カルボン酸、ヒドロキシル、アミン、代替アミン、アルケン、アクリレート、チオール、アルキン、アジド、硫酸塩、スルホン酸、スルホン酸、イミド、アミド、エポキシ、抗水、シラン、およびフィン酸塩から選択された官能基で置換されてもよい)、ヒドロキシルラジカルから独立的に選ばれる。或いは、Rは-(CHr-R16、-o(CHr16;-CHO(CHr16;-CHO(CHCHRO)16から選ばれる。若しくは、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、無水物、ヒドロキシメチル、アルケン、チオール、アルキン、アジド、スルホン酸、ベンゼンスルホン酸硫酸塩、SOM、無水物、シラン、アクリル酸塩、リン酸塩からなる群から選ばれた官能基である。
R5は、カルボン酸、ヒドロキシル、アミン、アルケン、チオール、アルキン、アジド、エポキシ、アクリレート、無水物から選ばれた官能基で置換されてもよい炭素数1~5のH又はアルキル鎖である。
16はH又はSOM又は炭素数1~5のアルキル鎖であり、カルボン酸、ヒドロキシル、アミン、置換アミン、アルケン、チオール、アルキン、アジド、アミド、イミド、硫酸塩、SOM、アミド、エポキシ、無水物アクリル酸塩、リン酸塩から選ばれた置換基で置換されてもよい。
aは0~10の整数である。
Mは、アモニア、ナトリウム、又はカリウムから選ばれることが好ましいH又はカチオンである。
導電性ポリマーは、水溶性又は水分散型化合物のいずれかである。このようなπ共役系導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン等が挙げられる。特に好ましい導電性ポリマーは、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ)-1-ブタン-スルホン酸、塩)、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ)-1-プロパン-スルホン酸、塩)、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ)-1-メチル-1-プロパン-スルホン酸、塩)、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシアルコール、ポリ(N-メチルピロール)、ポリ(3-メチルピロール)、ポリ(3-オクチルピロール)、ポリ(3-デシルピロール)、ポリ(3-ドデシルピロール)、ポリ(3,4-ジメチルピロール)、ポリ(3,4-ジブチルピロール)、ポリ(3-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシエチルピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシブチルピロール)、ポリ(3-ヒドロキシピロール)、ポリ(3-メトキシピロール)、ポリチオフェン、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)、ポリ(3-ヘプチルチオフェン)、ポリ(3-オクチルチオフェン)、ポリ(3-デシルチオフェン)、ポリ(3-ドデシルチオフェン)、ポリ(3-オクタデシルチオフェン)、ポリ(3-ブロモチオフェン)、ポリ(3,4-ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4-ジブチルチオフェン)、ポリ(3-ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3-メトキシチオフェン)、ポリ(3-エトキシチオフェン)、ポリ(3-ブトキシチオフェン)、ポリ(3-ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3-ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3-オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3-デシルオキシチオフェン)、ポリ(3-ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3-オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4-プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3-カルボキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシブチルチオフェン)、ポリアニリン、ポリ(2-メチルアニリン)、ポリ(3-イソブチルアニリン)、ポリ(2-アニリンスルホネート)、ポリ(3-アニリンスルホネート)等である。
少なくとも2つの異なる共重合モノマーから構成されるコポリマーが考えられる。コポリマーは、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ)-1-ブタン-スルホン酸、塩)、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ)-1-メチル-1-プロパン-スルホン酸、塩)、ポリ(N-メチルピロール)、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ(3-メトキシチオフェン)、およびポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)。からなる群から選択される少なくとも1つの重合されたモノマーを含む。
特に好ましいポリマーは、ポリ-3,4-ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)である。
少なくとも二峰性導電性粒子中のポリアニオンは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩のホモポリマー、及び/又は式2の比率によって表される基A、B及びCを含むランダムコポリマーである。
式2
ここにおいて、
Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、それぞれ、
-カルボキシル基、
-C(O)OR(ここにおいて、Rは、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
-(CHRCHO)-R(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、好ましくは水素又はメチルであり、
bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C(O)-NHR(ここにおいて、
は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
-C-R10(ここにおいて、
10は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
-(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
-C-O-R13(ここにおいて、
13は、
水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
-(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
x、y及びzは一緒になって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、y/xは0から100、より好ましくは0.01から100である。zは0からz/xの比が100以下であり、より好ましくは、x+y+zの合計のxは50~99%を表し、yは1~50%を表し、zは0~49%を表す。更により好ましくは、x+y+zの合計のxは70~90%を表し、yは10~30%を表し、zは0~20%を表す。
本発明の特定の特徴は、表面積及びサイズの違いによる異なる粒径について、導電性ポリマー対ポリアニオンの比率を調整する能力である。より小さい粒径部分及びより大きいサイズ部分のそれぞれについての導電性ポリマー対ポリアニオンのモル比は、1:0.1~0.1:1、より好ましくは1:1~0.2:1、更には、0.8:1から0.25:1が望ましい。一実施形態では、ポリアニオンに対する導電性ポリマーのモル比は、より小さい平均平均粒径を有する第2の粒子よりも、より大きい平均平均粒径を有する第1の粒子の方が高い。より好ましくは、ポリアニオンに対する導電性ポリマーのモル比は、大きい粒径部分よりも小さい粒径部分で10%大きい。理論に拘束されるものではないが、粒径が小さいほどモル比が増加すると、被覆中の粒子間充填が改善され、それによって、特に端部及び角部での被覆の品質が改善される。
本発明の別の特定の特徴は、異なる粒径を有する分散液の2つの部分についてポリアニオンの分子量を調節する能力である。分散液のより小さい粒径部分及び分散液のより大きい粒径部分のそれぞれに対するポリアニオンの好ましい分子量は、少なくとも約600から約500,000以下である。一実施形態では、ポリアニオンは、小さい粒径部分とは異なる大きな粒径部分の分子量を有することができる。
複数の粒径を有する導電性ポリマー及びポリアニオンの粒子の分散液は、好ましくは、モノマー及びポリアニオンの混合物の約3重量%を超えるような高固形分で、ローター-ステーター系を用いた高剪断重合によって形成される。理論に限定されるわけではないが、モノマー濃度と高剪断動力学との組み合わせが、粒径の混合物を有する粒子の成長を促進すると仮定されている。高せん断ローターステーター重合については本書に援用されている米国特許第9,030,806号を参照せよ。一実施形態では、分散液の一部に、ローター・ステーター高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー、又は高剪断ホモジナイザーを更に施す。
しかしながら、サイズの混合物を有する導電性ポリマー及びポリアニオンの粒子による分散液の調製は、混合を含む他の方法によって調製されてもよく、高剪断回転子-固定子重合に限定されない。
本発明の分散液の特定の特徴は、分散液の所与の固形分装填率で単峰性分散液と比較して粘度が低下することである。粘度が低く、固形分が多いと、特に陽極酸化陽極の端部と隅で被覆の品質が向上する。複数の粒径を有する本発明の分散液は、重合中にモノマーとポリアニオンの混合物を3.56%固形分投入で重合した場合、6rpmで少なくとも2000cPから6rpmで5000cP以下の粘度を有する。モノモーダルサイズの粒子では、粘度は、モノマー及びポリアニオンの2.1%固形分投入量で重合した場合、6rpmで6000cPを超え、固形分投入量の増加とともに増加しる。低粘度でより高い固形分を含む分散液を塗布できることは、被覆品質の向上に有利である。
少なくとも二峰性の粒径分布を有する導電性ポリマーの分散液は、ポリマードーパントをさらに含んでもよい。好ましい高分子ドーパントは、ポリスチレンスルホン酸(PSS)である。ポリスチレンスルホン酸(PSSA)共重合体は、特にポリエチレングリコールモノアクリレートを含む共重合体として特に好ましいドーパントである。
導電性ポリマー溶液又は分散は、フィルムの乾燥時にポリマーフィルムの強度を改善できるフィルムフォーマーとしての反応性モノマーを含むことが好ましい。反応性モノマー又はオリゴマーは、水又は有機溶媒に溶解するか、イオン性/非イオン性界面活性剤を使用して水に分散することができる。反応性モノマーは、少なくとも2以上の平均官能基を有することができる。モノマーの硬化プロセスは、熱、放射線、又は化学触媒を使用して触媒することができる。例示的なモノマーには、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(PGDGE)、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDGE)、ペンチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、レゾルシノールグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル(GDGE)、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールジグリシジルエーテル(ソルビトール-DGE)、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ジ(2,3-エポキシプロピル)エーテル、1,3-ブタジエンジエポキシド、1,5-ヘキサジエンジエポキシド、1,2,7,8-ジエポキシオクタン、1,2,5,6-ジエポキシシクロオクタン、4-ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、マレイミドエポキシ化合物、ジグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、ビスフェノールAエポキシ、エポキシ化ビスフェノールAnovolac変性エポキシ、ウレタン変性ビスフェノールAエポキシ、エポキシ化o-クレゾールノボラックなどを含む、2つ以上のエポキシ基を有する化合物が含まれる。
追加のフィルム形成剤は、酸性基を含むモノマーである。酸性モノマーの例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、フタル酸、マレイン酸、ムコン酸、クエン酸、トリメシン酸、特に好ましい有機酸は、フタル酸などの芳香族酸、特にオルトフタル酸である。
アルコール/アクリレート基を含むフィルム形成モノマーを使用することができる。モノマーの例としては、ジエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリエチレングリコール、オリゴ/ポリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノクロロヒドリン、ジエチレングリコールモノクロロヒドリン、オリゴエチレングリコールモノクロロヒドリン、トリエチレングリコールモノブロモヒドリン、ジエチレングリコールモノブロモヒドリン、オリゴエチレングリコールモノブロモヒドリン、ポリエチレングリコール、ポリエーテル、ポリエチレンオキシド、トリエチレングリコール-ジメチルエーテル、テトラエチレングリコール-ジメチルエーテル、ジエチレングリコール-ジメチルエーテル、ジエチレングリコール-ジエチルエーテル-ジエチレングリコール-ジブチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、二酸化ポリプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、n-ブトキシエチルメタクリレート、n-ブトキシエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、n-ブトキシエチルアクリレート、n-ブトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート等;二官能(メタ)アクリレート化合物、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等。エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリシジルエーテル、トリプロピレングリシジルエーテル、ポリプロピレングリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル;グリシジルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。
外部ポリマー層はまた、エポキシ、アルコール、シラン、ホスフェート、アミン、アルケン、チオール、アルキン、アジドカルボン酸などの反応性基を含む膜形成ポリアニオンを独立して含んでもよい。
外部ポリマー層はまた、フィルム形成剤として、米国特許第9,378,898号に記載されている線状超分岐ポリマーを独立して含んでもよい。外部ポリマー層は、線状ブロックがヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ、アクリレート、酸などから選ばれる少なくとも2つの反応性末端官能基を有し、超分岐ブロックがポリエーテルエポキシ、ポリエステル-エポキシ、ポリエステル-シラノール、ポリエステル-酸、ポリエーテル-アルコール、ポリアミド-酸、ポリエーテル-アクリレート、ポリエーテル-シラノール、及びポリエステル-アミンペンダント基を含む線状超分岐ポリマーを含んでもよい。
外部ポリマー層は、さらに独立して、米国公開第20150348715号で説明されている作業機能修飾子を含む場合がある。例示的な作業機能修飾子は、ジアルコキシアシルチタン酸、トリコキシアシルチタン酸、アルコキシトリシルチタン酸、アルコキシ原性、チタン酸、チタン酸、チタニウムIV2,2(BIS2-プロフェン酸バダナ酸バダナ酸)からなる群から選ばれた有機炎誘導体を指定しる。neodecanoato-o;チタンIV2,2(ビス2-プロペノラトメチル)ブタノラート、虹彩(ドデシル)ベンゼンスルホント-O;チタンIV2,2(ビス2-プロペノラトメチル)ブタノラート、トリス(ジオクチル)ホスホトO;チタンIV2,2(ビス2-プロペノラトメチル)トリス(ジオクチル)ピロホスファトブタノラートO;チタンIV2,2(ビス2-プロペノラトメチル)ブタノラート、トリス(2-エチレンジアミノ)エチラート;チタンIV2,2(ビス2-プロペノラトメチル)ブタノラート、トリス(3-アミノ)フェニラートは、代表的なネオアルコキシチタネート及び誘導体である。さらに、作業機能修飾子は、脂環式エポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミンエポキシからなる群から選ばれる化合物であることができる。樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(PGDGE)、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDGE)、ペンチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、レゾルシノールグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル(GDGE)、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールジグリシジルエーテル(Sorbitol-DGE)、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ジ(2,3-エポキシプロピル)エーテル、1,3-ブタジエンジエポキシド、1,5-ヘキサジエンジエポキシド、1,2,7,8-ジエポキシオクタne、1,2,5,6-ジエポキシシクロオクタン、4-ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、マレイミド-エポキシ化合物、及びそれらの誘導体。
外部ポリマー層は、独立して、ヒドロキシ官能性非イオン性ポリマーなどの非イオン性ポリマーをさらに含んでもよい。「ヒドロキシ官能性」という用語は、一般に、化合物が少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含むことを意味する。ヒドロキシ官能性ポリマーの分子量は、1モル当たり約100から10,000グラム、いくつかの実施形態では約200から2,000、いくつかの実施形態では約300から約1,200、いくつかの実施形態では約400から約800であり得る。
一般に、様々なヒドロキシ官能性非イオン性ポリマーのいずれかを使用することができる。一実施形態では、例えば、ヒドロキシ官能性ポリマーはポリアルキレンエーテルである。ポリアルキレンエーテルには、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエピクロロヒドリンなどのポリアルキレングリコールが含まれる。ポリオキセタン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトンなど。ポリアルキレンエーテルは、典型的には末端ヒドロキシ基を有する主に線状の非イオン性ポリマーである。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコール(ポリテトラヒドロフラン)が特に適している。ジオール成分は、特に、飽和又は不飽和、分枝又は非分枝の、5~36個の炭素原子を含む脂肪族ジヒドロキシ化合物又は芳香族ジヒドロキシ化合物、例えば、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、ネオペンチルグリコール、ビス-(ヒドロキシメチル)-シクロヘキサン、ビスフェノールA、二量体ジオール、水素化二量体ジオール、又は言及したジオールの混合物でさえある。
上記のものに加えて、他のヒドロキシ官能性非イオン性ポリマーも使用することができる。そのようなポリマーのいくつかの例には、例えば、エトキシル化アルキルフェノールが含まれる。エトキシル化又はプロポキシル化C-C24脂肪アルコール;一般式:CH-(CH10-16-(O-C1-25-OH(例えば、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル及びペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル);一般式:CH-(CH10-16-(O-C1-25-おお;以下の一般式を有するポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル:C-H17-(C)-(O-C1-25-OH(例、Triton(商標)X-100);以下の一般式を有するポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル:C-H19-(C)-(O-C1-25-OH(例えば、ノノキシノール-9);Cのポリオキシエチレングリコールエステル-C24ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステルなどの脂肪酸(例えば、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、PEG-20メチルグルコースジステアレート、PEG-20メチルグルコースセスキステアレート、PEG-80ヒマシ油、及びPEG-20ヒマシ油、PEG-3ヒマシ油、PEG600ジオレエート、及びPEG400ジオレエート)及びポリオキシエチレングリセロールアルキルエステル(例えば、ポリオキシエチレン-23グリセロールラウレート及びポリオキシエチレン-20グリセロールステアレート);Cのポリオキシエチレングリコールエーテル-C24脂肪酸(例、ポリオキシエチレン-10セチルエーテル、ポリオキシエチレン-10ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン-20セチルエーテル、ポリオキシエチレン-10オレイルエーテル、ポリオキシエチレン-20オレイルエーテル、ポリオキシエチレン-20イソヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレン-15トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン-6トリデシルエーテル);ポリエチレングリコール等のブロック共重合体。
導電性ポリマー溶液又は分散は1~14のpHであり、1~10のpHを優先する場合がある。特に好みは1~8のpHで、pHは25℃で測定される。たとえば、pHを調整するには、塩基又は酸を溶液や分散液に追加できる。使用される塩基は、無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム又はアンモニア、又は有機塩基、例えばエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、イソブチルアミンであり得る。、ジイソブチルアミン、トリイソブチルアミン、1-メチルプロピルアミン、メチルエチルアミン、ビス(1-メチル)プロピルアミン、1,1-ジメチルエチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、2-ペンチルアミン、3-ペンチルアミン、2-メチル-ブチルアミン、3-メチルブチルアミン、ビス(3-メチル-ブチルアミン)、トリス(3-メチルブチルアミン)、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、デシルアミン、N-メチル-ブチルアミン、N-エチルブチルアミン、N,N-ジメチルエチルアミン、N,N-ジメチルプロピル、N-エチルジイソプロピルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N-ブチルエタノールアミン、N-ブチルジエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、シクロヘキシルエタノールアミン、シクロヘキシルジエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N-プロピルエタノールアミン、tert-ブチルエタノールアミン、tert-ブチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン又はベンジルアミン、二官能性、三官能性、又は四官能性アミン。使用される酸は、無機酸、例えば硫酸、リン酸又は硝酸、又は有機酸、例えばカルボン酸又はスルホン酸であり得る。
コンデンサを形成するプロセスについては、図2を参照して説明しる。ここでは、プロセスが概略的に表される。図2において、モノマーの液滴は、少なくとも3重量%のモノマー及びポリアニオンから10重量%以下のモノマー及びポリアニオンを含むモノマー溶液中で、好ましくはステーターローターによって100で形成される。次いで、液滴は、好ましくはポリアニオンの存在下で高剪断重合によって重合され、それにより102でポリマー分散液を形成し、ポリマー分散液は、導電性ポリマー/ポリアニオン粒子の少なくとも二峰性サイズ分布を含む。陽極は104で準備され、ここで陽極は導体であり、好ましくはバルブ金属である。106で陽極上に誘電体が形成され、好ましい誘電体は陽極の酸化物である。108において、ポリマーの導電性ポリマー層が誘電体上に形成され、それによってその間に誘電体を有する導電対が形成される。導電性ポリマー層の少なくとも1つの層は、少なくとも二峰性サイズ分布の導電性ポリマー/ポリアニオン粒子を含む分散液を塗布することによって形成される。分散液は、好ましくは浸漬により適用される。好ましい実施形態では、内部ポリマー層は、導電性ポリマー/ポリアニオン粒子を少なくとも二峰性サイズ分布で含む分散液を適用する前に形成される。コンデンサは110で仕上げられ、ここでの仕上げは、試験、外部終端の形成、カプセル化などを含むことができるが、これらに限定されない。
陽極材料は、これに限定されない。特に好ましい陽極材料は金属であり、特に好ましい金属はバルブ金属又はバルブ金属の導電性酸化物である。特に好ましい陽極としては、ニオブ、アルミニウム、タンタル、NbOが挙げられるが、これらに限定されない。
本願において、誘電体は特に限定されない。特に好ましい誘電体は、製造上の理由から陽極の酸化物である。
本願において、「アルキル」、「アリール」、「アルキルアリール」、「アリールアルキル」などの用語は、置換されていてもよい基を指し、すでに置換されたものとして列挙されている場合、「アルキルアルコール」などは、更に置換されていないか、更に置換されていてもよい基を指す。
試験方法
端部・隅の被覆率の測定
固体電解コンデンサの陽極酸化陽極上の導電性ポリマー分散液の端部及び隅の被覆率を顕微鏡で検査し、
端部・隅の被覆率:85%未満
端部・隅の被覆率:90%未満
端部・隅の被覆率:95%未満
端部・隅の被覆率:100%、などの基準に従ってスケーリングを行う。
粒径分析
導電性ポリマー:ポリアニオン複合体粒子の粒径は、CPSinstruments製のディスク遠心分離粒径分析器を使用して測定した。粒子の平均粒径分布は、粒子平均粒径の関数として分散物中の粒子の重量分布に関連する。これに関連して、平均粒径分布のD10値は、分散液中の導電性ポリアニオン複合体のすべての粒子の総重量の10%が、D10値以下の平均粒径を持つ粒子に割り当てることができると述べている。平均粒径分布のD50値は、分散液中の導電性ポリマーのすべての粒子の総重量の50%が、D50値以下の平均粒径を持つ粒子に割り当てることができると述べている。平均粒径分布のD90値は、分散液中の導電性ポリマーのすべての粒子の総重量の90%が、D90値以下の平均粒径を持つ粒子に割り当てることができると述べている。
実施例1
ポリ(4-スチレンスルホン酸-コ-ポリ(エチレングリコール)メタクリレート)ナトリウム塩を合成した。500mlのフラスコに、最初に溶媒として33mlの脱イオン水を入れた。8gのスチレンスルホン酸ナトリウム塩、2gのポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート(Mn480)及び1gの過硫酸アンモニウムを添加した後、混合物をガス導入管によって窒素で飽和させた。窒素を混合物に15分間通した。この間、混合物を80℃に加熱した。フラスコをゴム隔壁で密閉し、溶液を16時間重合させた。得られたポリアニオン共重合体を希硫酸で酸性化し、導電性ポリマー分散液の調製に直接使用した。
実施例2
導電性ポリマー分散液は、高せん断重合によって合成された。1740gの脱イオン水と166gのPSSA30%(AlfaAesar)を4Lのポリエチレンボトルに入れた。反応溶液を窒素で0.5~1時間パージした。内容物は、平均粒径1.5mmの丸い穴を有する有孔ステータースクリーンを備えたローター-ステーター混合システムを使用して混合された。続いて、57gの1%硫酸第二鉄溶液及び43gの過硫酸ナトリウムを反応混合物に添加し、続いて22.5gの3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)(HeraeusからのBaytronM)を滴加した。3.56%の固形分モノマー及びポリアニオンを含有する反応混合物を、4200rpmのせん断速度で24時間連続的にせん断した。600gのLewatitS108H及び600gのLewatitMP62WSイオン交換樹脂をスラリーに添加し、約60rpmで一晩回転させた。導電性ポリマー分散液を濾過により樹脂から分離した。得られたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸分散は、350nmのD50粒径とD50粒径が3.50ミクロンのD50粒径を有する第2粒子を持つ二峰性粒径分布を持っていた。
実施例2-1
実施例2の手順に従って調製した導電性ポリマー分散液を超音波装置でさらに均質化した。得られた分散液は、D50が25nmと75nmの二峰性の粒径分布も持っている。
実施例3
1740gの脱イオン水及び実施例1からの166gのポリアニオンコポリマー(30%)を4Lのポリエチレンボトルに入れた。反応溶液を窒素で0.5~1時間パージした。内容物は、平均粒径1.5mmの丸い穴を有する有孔ステータースクリーンを備えたローター-ステーター混合システムを使用して混合された。続いて、57gの1%硫酸第二鉄溶液及び43gの過硫酸ナトリウムを反応混合物に添加し、続いて22.5gの3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)(HeraeusからのBaytronM)を滴加した。3.56%の固形分モノマー及びポリアニオンを含有する反応混合物を、4200rpmのせん断速度で24時間連続的にせん断した。600gのLewatitS108H及び600gのLewatitMP62WSイオン交換樹脂をスラリーに添加し、約60rpmで一晩回転させた。導電性ポリマー分散液を濾過により樹脂から分離した。得られたポリ(3,4-エチレンジオキシチョフェン)/ポリ(4-スチレンスルホン酸-ポリ(エチレングリコール)メタクリレート)分散は二峰性粒径分布を持ち、第2粒子のD50粒径は250nmで、第1粒子はD50粒径が3.50ミクロンである。
実施例3-1
実施例3の手順に従って調製した導電性ポリマー分散液を超音波装置でさらに均質化した。得られた分散液は、D50が20nmと65nmの二峰性粒度分布も持っている。
実施例4
2805gの脱イオン水及び実施例1からの336gのポリアニオンコポリマー(40%)を4Lのポリエチレンボトルに入れた。反応溶液を窒素で0.5~1時間パージした。内容物は、平均粒径1.5mmの丸い穴を有する有孔ステータースクリーンを備えたローター-ステーター混合システムを使用して混合された。続いて、141.3gの1%硫酸第二鉄溶液及び106.65gの過硫酸ナトリウムを反応混合物に添加し、続いて22.5gの3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)(HeraeusからのBaytronM)を滴加した。5.20%固形分モノマー及びポリアニオンを含有する反応混合物を、4200rpmのせん断速度で24時間連続的にせん断した。1486gのLewatitS108H及び1486gのLewatitMP62WSイオン交換樹脂をスラリーに添加し、約60rpmで一晩回転させた。導電性ポリマー分散液を濾過により樹脂から分離した。得られたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホン酸-ポリ(エチレングリコール)メタクリレート)分散は、二峰性粒径分布を持っていた。陽極第1粒子はD50粒径が3.50陽極ミクロンで、第2粒子はD50粒径が300nmである。
実施例5
2531gの脱イオン水と125gのPSSA30%(AlfaAesar)を4Lのポリエチレンボトルに入れた。反応溶液を窒素で0.5~1時間パージした。内容物は、平均粒径1.5mmの丸い穴を有する有孔ステータースクリーンを備えたローター-ステーター混合システムを使用して混合された。続いて、28.5gの1%硫酸第二鉄溶液及び21.5gの過硫酸ナトリウムを反応混合物に添加し、続いて11.25gの3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)(HeraeusからのBaytronM)を滴加した。モノマー及びポリアニオンの固形分1.79%を含有する反応混合物を、剪断速度4200rpmで24時間連続的に剪断した。300gのLewatitS108H及び300gのLewatitMP62WSイオン交換樹脂をスラリーに添加し、約60rpmで一晩回転させた。導電性ポリマー分散液を濾過により樹脂から分離した。得られたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸分散液は、D50粒径が110nmである。
実施例6
2531gの脱イオン水及び実施例1からの125gのポリアニオンコポリマー(30%)を4Lのポリエチレンボトルに入れた。反応溶液を窒素で0.5~1時間パージした。内容物は、平均粒径1.5mmの丸い穴を有する有孔ステータースクリーンを備えたローター-ステーター混合システムを使用して混合された。続いて、28.5gの1%硫酸第二鉄溶液及び21.5gの過硫酸ナトリウムを反応混合物に添加し、続いて11.25gの3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)(HeraeusからのBaytronM)を滴加した。モノマー及びポリアニオンの固形分1.79%を含有する反応混合物を、剪断速度4200rpmで24時間連続的に剪断した。300gのLewatitS108H及び300gのLewatitMP62WSイオン交換樹脂をスラリーに添加し、約60rpmで一晩回転させた。導電性ポリマー分散液を濾過により樹脂から分離した。得られたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン/ポリ(4-スチレンスルホン酸)-コポリ(エチレングリコール)メタクリレート)分散液は、D50粒径が80nmである。
実施例7
実施例2からの導電性ポリマー分散液を、DMSO、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及び少なくとも3つのエポキシ基を含む反応性モノマー/オリゴマーと混合し、続いてローラーで一晩混合した。
実施例8
実施例3からの導電性ポリマー分散液を、DMSO、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及び少なくとも3つのエポキシ基を含む反応性モノマー/オリゴマーと混合し、続いてローラーで一晩混合した。
実施例8-1
実施例3及び実施例3-1からの導電性ポリマー分散液の2:8の比率での混合物を使用したことを除いて、実施例8と同じ方法で配合された導電性ポリマー分散液。
実施例9
比較例1からの導電性ポリマー分散液を、DMSO、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及び2つのエポキシ基及び2つのカルボキシル基を含む反応性モノマーと混合し、続いてローラー上で一晩混合した。
実施例10
比較例2からの導電性ポリマー分散液を、DMSO、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及び少なくとも3つのエポキシ基を含む反応性モノマー/オリゴマーと混合し、ローラー上で一晩混合した。
実施例11
固体電解コンデンサは、標準的な技術によって準備された。一連のタンタル陽極(33マイクロファラッド、35V)が用意された。タンタルは、タンタル陽極上に誘電体を形成するために陽極酸化された。このようにして形成された陽極を、鉄(III)トルエンスルホン酸オキシダントの溶液に1分間浸漬し、続いてエチルジオキシチオフェンモノマーに1分間浸漬して、陽極酸化陽極の誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成した。60分間の重合が完了した後、陽極酸化された陽極を洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さが達成されるまで、このプロセスが繰り返された。実施例5からの導電性ポリマー分散液を塗布し、続いて乾燥して外部ポリマー層を形成した。このプロセスを4回繰り返した。部品は顕微鏡下でコーナーとエッジの被覆率について検査された。グラファイト層と銀層の連続被覆を適用して、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて梱包した。
実施例12
一連のタンタル陽極(33マイクロファラッド、35V)が用意された。タンタルは、タンタル陽極上に誘電体を形成するために陽極酸化された。このようにして形成された陽極を、トルエンスルホン酸鉄(III)オキシダントの溶液に1分間浸漬し、続いてエチルジオキシチオフェンモノマーに1分間浸漬して、陽極酸化陽極の誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成した。60分間の重合が完了した後、陽極酸化された陽極を洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さが達成されるまで、このプロセスが繰り返された。実施例8からの導電性ポリマー分散液を塗布し、続いて乾燥して外部ポリマー層を形成した。このプロセスを4回繰り返した。部品は顕微鏡下でコーナーとエッジの被覆率について検査された。グラファイト層と銀層の連続被覆を適用して、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて梱包した。
実施例12-1
実施例6-1からの導電性ポリマー分散液を使用したことを除いて、本発明の実施例12に示したのと同じ方法で固体電解コンデンサを製造した。
実施例12-2
内部層を予備重合した導電性ポリマーで形成したことを除いて、実施例12-1と同様の方法で固体電解コンデンサを製造した。
実施例12-3
有機金属化合物を誘電体と予備重合した導電性ポリマーとの間に適用したことを除いて、本発明の実施例12-2に示したのと同じ方法で固体電解コンデンサを製造した。
実施例12-4
固体電解コンデンサは、架橋剤溶液が外部ポリマー層間に適用されたことを除いて、発明の実施例12-3に示されたのと同じ方法で製造された。
実施例12-5
内部ポリマー層と外部ポリマーとの間に架橋剤又はプライマー溶液を塗布したことを除いて、本発明の実施例12-3に示したのと同じ方法で、固体電解コンデンサを製造した。
実施例13
一連のタンタル陽極(33マイクロファラッド、35V)が用意された。タンタルは、タンタル陽極上に誘電体を形成するために陽極酸化された。このようにして形成された陽極を、トルエンスルホン酸鉄(III)酸化剤の溶液に1分間浸漬し、続いてエチルジオキシチオフェンモノマーに1分間浸漬して、陽極酸化陽極の誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成した。60分間の重合が完了した後、陽極酸化された陽極を洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さが達成されるまで、このプロセスが繰り返された。比較例3からの導電性ポリマー分散液を塗布し、続いて乾燥して外部ポリマー層を形成した。このプロセスを4回繰り返した。部品は顕微鏡下でコーナーとエッジの被覆率について検査された。グラファイト層と銀層の連続被覆を適用して、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて梱包した。
実施例14
一連のタンタル陽極(33マイクロファラッド、35V)が用意された。タンタルは、タンタル陽極上に誘電体を形成するために陽極酸化された。このようにして形成された陽極を、トルエンスルホン酸鉄(III)オキシダントの溶液に1分間浸漬し、続いてエチルジオキシチオフェンモノマーに1分間浸漬して、陽極酸化陽極の誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成した。60分間の重合が完了した後、陽極酸化された陽極を洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さが達成されるまで、このプロセスが繰り返された。比較例4からの導電性ポリマー分散液を塗布し、続いて乾燥して外部ポリマー層を形成した。このプロセスを4回繰り返した。部品は顕微鏡下でコーナーとエッジの被覆率について検査された。グラファイト層と銀層の連続被覆を適用して、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて梱包した。
実施例15
一連のタンタル陽極(33マイクロファラッド、35V)が用意された。タンタルは、タンタル陽極上に誘電体を形成するために陽極酸化された。このようにして形成された陽極を、トルエンスルホン酸鉄(III)オキシダントの溶液に1分間浸漬し、続いてエチルジオキシチオフェンモノマーに1分間浸漬して、陽極酸化陽極の誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成した。60分間の重合が完了した後、陽極酸化された陽極を洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さが達成されるまで、このプロセスが繰り返された。市販の導電性ポリマー分散液であるClevios(登録商標)KV2を塗布し、その後乾燥させて外部ポリマー層を形成した。このプロセスを4回繰り返した。部品は顕微鏡下でコーナーとエッジの被覆率について検査された。グラファイト層と銀層の連続被覆を適用して、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて梱包した。
実施例16
一連のタンタル陽極(33マイクロファラッド、35V)が用意された。タンタルは、タンタル陽極上に誘電体を形成するために陽極酸化された。このようにして形成された陽極を、トルエンスルホン酸鉄(III)オキシダントの溶液に1分間浸漬し、続いてエチルジオキシチオフェンモノマーに1分間浸漬して、陽極酸化された陽極の誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成した。60分間の重合が完了した後、陽極酸化された陽極を洗浄して、過剰なモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さが達成されるまで、このプロセスが繰り返された。実施例10からの導電性ポリマー分散液を塗布して外部ポリマー層を形成した。乾燥後、市販の架橋剤溶液、Clevios(登録商標)KPrimer、及び実施例6の導電性ポリマー分散液の交互層を適用し、4回繰り返した。部品を熱湯で洗浄して余分なClevios(登録商標)KPrimerを除去し、続いてオーブンで乾燥させた。部品は顕微鏡下でコーナーとエッジの被覆率について検査された。グラファイト層と銀層の連続被覆を適用して、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて梱包した。
実施例17
一連のタンタル陽極(33マイクロファラッド、35V)が用意された。タンタルは、タンタル陽極上に誘電体を形成するために陽極酸化された。このようにして形成された陽極を、鉄(III)トルエンスルホン酸オキシダントの溶液に1分間浸漬し、続いてエチルジオキシチオフェンモノマーに1分間浸漬して、陽極酸化陽極の誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成した。60分間の重合が完了した後、陽極酸化された陽極を洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さが達成されるまで、このプロセスが繰り返された。市販の導電性ポリマー分散液Clevios(登録商標)KV2を塗布して外部ポリマー層を形成した。乾燥後、市販の架橋剤溶液、Clevios(登録商標)KPrimer、及び実施例6の導電性ポリマー分散液の交互層を適用し、4回繰り返した。部品を温水で洗浄して余分なClevios(登録商標)KPrimerを除去し、続いてオーブンで乾燥させた。部品は顕微鏡下でコーナーとエッジの被覆率について検査された。グラファイト層と銀層の連続被覆を適用して、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて梱包した。
固体電解コンデンサにおける本発明の導電性ポリマー分散液の性能結果を表1及び表2に要約する。
少なくとも二峰性サイズ分布を有する分散液の利点は、固体電解コンデンサの被覆品質及び性能の改善において明らかである。好ましい実施形態を例示として本発明を説明しているが、それに限定される訳ではない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載と、追加の実施形態について理解できるはずである。

Claims (54)

  1. コンデンサであって、
    陽極箔と、
    前記陽極箔上の導電性ポリマー層とを備え、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2粒子とを含み、前記第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、前記第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下である、コンデンサ。
  2. 前記導電性ポリマー層は内部ポリマー層と外部ポリマー層とを含み、前記内部ポリマーが予重合導電性ポリマーを含む、請求項1に記載のコンデンサ。
  3. 前記外部ポリマー層が前記第1粒子を含む、請求項2に記載のコンデンサ。
  4. 前記外部ポリマー層が前記第2粒子を含む、請求項2に記載のコンデンサ。
  5. 前記内部ポリマー層が前記第2粒子を含む、請求項2に記載のコンデンサ。
  6. 前記外部ポリマー層が予重合導電性ポリマーを含む、請求項2に記載のコンデンサ。
  7. 前記内部ポリマー層及び前記外部ポリマー層が即重合導電性ポリマーを含まない、請求項2に記載のコンデンサ。
  8. 有機金属化合物を含む層を形成することを更に含む、請求項1に記載のコンデンサ。
  9. 有機金属化合物を含む前記層が、前記陽極酸化陽極上に形成される、請求項8に記載のコンデンサ。
  10. 有機金属化合物を含む前記層が、少なくとも1つの前記導電性ポリマー層上に形成される、請求項8に記載のコンデンサ。
  11. 前記陽極酸化陽極上に有機金属化合物を含む層を更に含み、前記導電性ポリマー層が前記有機金属化合物層上にある、請求項1に記載のコンデンサ。
  12. 前記有機金属化合物が、有機官能性シラン、加水分解物、又はリン酸塩から選ばれる、請求項11に記載のコンデンサ。
  13. 前記ポリアニオンが式2によって表され、
    式2
    ここにおいて、
    Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
    B及びCは、それぞれ、
    -カルボキシル基、
    -C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
    -(CHRCHO)-R(ここにおいて、
    は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
    bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
    は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
    -C(O)-NHR(ここにおいて、
    は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
    -C-R10(ここにおいて、
    10は、
    水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
    ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
    -(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
    11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
    dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
    12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
    -C-O-R13(ここにおいて、
    13は、
    水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
    エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
    -(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
    14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
    eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
    15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
    x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
    y/xは0~100であって、
    zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある、請求項1に記載のコンデンサ。
  14. 前記yが0であり、前記zが0である、請求項13に記載のコンデンサ。
  15. 前記陽極箔は、陰極と、前記陽極箔上の前記導電性ポリマー層と前記陰極との間にあるセパレータと共に巻かれる、請求項1に記載のコンデンサ。
  16. 前記セパレータは導電性セパレータである、請求項15に記載のコンデンサ。
  17. 前記セパレータは前記導電性ポリマー層によって含浸、或いは被覆されている、請求項15に記載のコンデンサ。
  18. 前記陰極は前記導電性ポリマー層によって被覆されている、請求項15に記載のコンデンサ。
  19. 含浸電解質を更に含む、請求項15に記載のコンデンサ。
  20. 前記含浸電解質は、液体電解質及びゲル電解質から選ばれる、請求項19に記載のコンデンサ。
  21. 前記コンデンサは、アキシャルコンデンサ及びラジアルコンデンサからなる群から選ばれる、請求項19に記載のコンデンサ。
  22. 前記コンデンサは、前記陽極箔と電気的に接触する少なくとも1つの陽極タブを更に含む、請求項15に記載のコンデンサ。
  23. 前記コンデンサは、前記陽極箔と電気的に接触する複数の陽極タブを備える、請求項22に記載のコンデンサ。
  24. 前記陽極箔は陽極酸化陽極箔であり、前記導電性ポリマー層は前記陽極酸化陽極箔上にある、請求項1に記載のコンデンサ。
  25. 前記陽極箔の一部が前記導電性ポリマーで被覆されず、前記陽極箔の非被覆部分がある、請求項24に記載のコンデンサ。
  26. 第2陽極箔を含み、前記第2陽極箔は一部が被覆されず、前記第2陽極箔の非被覆部分があり、前記陽極箔の前記非被覆部分と前記第2陽極箔の前記非被覆部分とが融着している、請求項25に記載のコンデンサ。
  27. 前記陽極箔は導電性箔である、請求項1に記載のコンデンサ。
  28. コンデンサであって、
    箔である、陽極酸化陽極と、
    前記陽極酸化陽極上の導電性ポリマー層とを備え、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2粒子とを含み、前記第1粒子は、少なくとも1ミクロン~10ミクロンの平均粒径を有し、前記第2粒子は、平均粒径1nm以上600nm以下であり、
    前記ポリアニオンが式2によって表され、
    式2
    ここにおいて、
    Aはポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
    B及びCは、それぞれ、
    -カルボキシル基、
    -C(O)OR(ここにおいて、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルからなる群から選ばれる)、
    -(CHRCHO)-R(ここにおいて、
    は、水素、又は炭素数1~7のアルキルから選ばれ、
    bは、1から-CHRCHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
    は、水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
    -C(O)-NHR(ここにおいて、
    は、水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよい炭素数1~20のアルキルである)、
    -C-R10(ここにおいて、
    10は、
    水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されていてもよいアルキル、又は、
    ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた反応基、から選ばれる)
    -(O(CHR11CHO)-R12(ここにおいて、
    11は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
    dは、1から-CHR11CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
    12は、水素、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)、
    -C-O-R13(ここにおいて、
    13は、
    水素、或いは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた反応器で置換されていてもよいアルキル、又は
    エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選ばれる反応基、から選ばれる)
    -(CHR14CHO)-R15(ここにおいて、
    14は、水素、又は炭素数1~7のアルキルであり、
    eは、1から-CHR14CHO-基の分子量を最大200,000にできる数までの整数であり、
    15は、水素、シラン、炭素数1~9のアルキルからなる群から選ばれ、前記アルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート、無水物からなる群から選ばれた官能基で置換されてもよい)から選ばれた基で置換された重合単位を表し、
    x、y、zは、共に分子量が少なくとも100~500,000のポリアニオンを形成し得て、
    y/xは0~100であって、
    zは0から、z/x比が100以下となる数までの範囲にある、コンデンサ。
  29. x+y+zの合計において、yが10~30%、zが0~20%を表す、請求項28に記載のコンデンサ。
  30. 内部ポリマー層及び外部ポリマー層を更に含む、請求項28に記載のコンデンサ。
  31. 前記外部ポリマー層が前記ポリアニオンを含む、請求項30に記載のコンデンサ。
  32. 前記外部ポリマー層が前記第1粒子を含む、請求項30に記載のコンデンサ。
  33. 前記外部ポリマー層が前記第2粒子を含まない、請求項30に記載のコンデンサ。
  34. 前記内部ポリマー層が前記第2粒子を含む、請求項30に記載のコンデンサ。
  35. 前記外部ポリマー層が前記内部ポリマー層上に被覆される、請求項30に記載のコンデンサ。
  36. 前記内部ポリマー層又は前記外部ポリマー層の少なくとも1つが、予重合導電性ポリマーを含む、請求項35に記載のコンデンサ。
  37. 前記内部ポリマー層及び前記外部ポリマー層が即重合導電性ポリマーを含まない、請求項36に記載のコンデンサ。
  38. 有機金属化合物を含む層を塗布することを更に含む、請求項28に記載のコンデンサ。
  39. 有機金属化合物を含む前記層が、前記陽極酸化陽極と予重合導電性ポリマー層との間に塗布されている、請求項38に記載のコンデンサ。
  40. 有機金属化合物を含む前記層が、予重合導電性ポリマー層上に塗布されている、請求項38に記載のコンデンサ。
  41. 前記有機金属化合物が、有機官能性シラン、加水分解物、又はリン酸塩から選ばれる、請求項38に記載のコンデンサ。
  42. 前記陽極箔は、陰極と、前記陽極箔上の前記導電性ポリマー層と前記陰極との間にあるセパレータと共に巻かれる、請求項28に記載のコンデンサ。
  43. 前記セパレータは導電性セパレータである、請求項42に記載のコンデンサ。
  44. 前記セパレータは前記導電性ポリマー層によって含浸、或いは被覆されている、請求項42に記載のコンデンサ。
  45. 前記陰極は前記導電性ポリマー層によって被覆されている、請求項42に記載のコンデンサ。
  46. 含浸電解質を更に含む、請求項42に記載のコンデンサ。
  47. 前記含浸電解質は、液体電解質及びゲル電解質からなる群から選ばれる、請求項46に記載のコンデンサ。
  48. 前記コンデンサは、アキシャルコンデンサ及びラジアルコンデンサからなる群から選ばれる、請求項46に記載のコンデンサ。
  49. 前記コンデンサは、前記陽極箔と電気的に接触する少なくとも1つの陽極タブを更に含む、請求項28に記載のコンデンサ。
  50. 前記コンデンサは、前記陽極箔と電気的に接触する複数の陽極タブを備える、請求項49に記載のコンデンサ。
  51. 前記陽極箔は陽極酸化陽極箔であり、前記導電性ポリマー層は前記陽極酸化陽極箔上にある、請求項28に記載のコンデンサ。
  52. 前記陽極箔の一部が前記導電性ポリマーで被覆されず、前記陽極箔の非被覆部分がある、請求項51に記載のコンデンサ。
  53. 第2陽極箔を含み、前記第2陽極箔は一部が被覆されず、前記第2陽極箔の非被覆部分があり、前記陽極箔の前記非被覆部分と前記第2陽極箔の前記非被覆部分とが融着している、請求項52に記載のコンデンサ。
  54. 前記陽極箔は導電性箔である、請求項28に記載のコンデンサ。
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