JP2023547460A - ペニシリウム属(penicillum)からの熱安定性amg多様体を有する焼成品及び下焼き品 - Google Patents

ペニシリウム属(penicillum)からの熱安定性amg多様体を有する焼成品及び下焼き品 Download PDF

Info

Publication number
JP2023547460A
JP2023547460A JP2023526061A JP2023526061A JP2023547460A JP 2023547460 A JP2023547460 A JP 2023547460A JP 2023526061 A JP2023526061 A JP 2023526061A JP 2023526061 A JP2023526061 A JP 2023526061A JP 2023547460 A JP2023547460 A JP 2023547460A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bread
baked
dough
flour
seq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023526061A
Other languages
English (en)
Inventor
ルンドクビスト ヘンレク
バーミング カミラ
アナスン カーステン
シニク ハシーム
エツケムレクチ エスラ
Original Assignee
ノボザイムス アクティーゼルスカブ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ノボザイムス アクティーゼルスカブ filed Critical ノボザイムス アクティーゼルスカブ
Publication of JP2023547460A publication Critical patent/JP2023547460A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A21BAKING; EDIBLE DOUGHS
    • A21DTREATMENT, e.g. PRESERVATION, OF FLOUR OR DOUGH, e.g. BY ADDITION OF MATERIALS; BAKING; BAKERY PRODUCTS; PRESERVATION THEREOF
    • A21D8/00Methods for preparing or baking dough
    • A21D8/02Methods for preparing dough; Treating dough prior to baking
    • A21D8/04Methods for preparing dough; Treating dough prior to baking treating dough with microorganisms or enzymes
    • A21D8/042Methods for preparing dough; Treating dough prior to baking treating dough with microorganisms or enzymes with enzymes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A21BAKING; EDIBLE DOUGHS
    • A21DTREATMENT, e.g. PRESERVATION, OF FLOUR OR DOUGH, e.g. BY ADDITION OF MATERIALS; BAKING; BAKERY PRODUCTS; PRESERVATION THEREOF
    • A21D13/00Finished or partly finished bakery products
    • A21D13/04Products made from materials other than rye or wheat flour
    • A21D13/043Products made from materials other than rye or wheat flour from tubers, e.g. manioc or potato
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A21BAKING; EDIBLE DOUGHS
    • A21DTREATMENT, e.g. PRESERVATION, OF FLOUR OR DOUGH, e.g. BY ADDITION OF MATERIALS; BAKING; BAKERY PRODUCTS; PRESERVATION THEREOF
    • A21D13/00Finished or partly finished bakery products
    • A21D13/06Products with modified nutritive value, e.g. with modified starch content
    • A21D13/062Products with modified nutritive value, e.g. with modified starch content with modified sugar content; Sugar-free products
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A21BAKING; EDIBLE DOUGHS
    • A21DTREATMENT, e.g. PRESERVATION, OF FLOUR OR DOUGH, e.g. BY ADDITION OF MATERIALS; BAKING; BAKERY PRODUCTS; PRESERVATION THEREOF
    • A21D8/00Methods for preparing or baking dough
    • A21D8/02Methods for preparing dough; Treating dough prior to baking
    • A21D8/04Methods for preparing dough; Treating dough prior to baking treating dough with microorganisms or enzymes
    • A21D8/047Methods for preparing dough; Treating dough prior to baking treating dough with microorganisms or enzymes with yeasts
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/24Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2)
    • C12N9/2402Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2) hydrolysing O- and S- glycosyl compounds (3.2.1)
    • C12N9/2405Glucanases
    • C12N9/2408Glucanases acting on alpha -1,4-glucosidic bonds
    • C12N9/2411Amylases
    • C12N9/2428Glucan 1,4-alpha-glucosidase (3.2.1.3), i.e. glucoamylase
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y302/00Hydrolases acting on glycosyl compounds, i.e. glycosylases (3.2)
    • C12Y302/01Glycosidases, i.e. enzymes hydrolysing O- and S-glycosyl compounds (3.2.1)
    • C12Y302/01001Alpha-amylase (3.2.1.1)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y302/00Hydrolases acting on glycosyl compounds, i.e. glycosylases (3.2)
    • C12Y302/01Glycosidases, i.e. enzymes hydrolysing O- and S-glycosyl compounds (3.2.1)
    • C12Y302/01003Glucan 1,4-alpha-glucosidase (3.2.1.3), i.e. glucoamylase

Abstract

本発明は、焼成品若しくは下焼き品を製造する方法であって、当該方法が、配列番号1、配列番号6、配列番号7又は5配列番号8に対して、少なくとも70%同一の親グルコアミラーゼの成熟熱安定性多様体を含む生地を提供する第1の工程と、生地を焼成又は下焼きして焼成品若しくは下焼き品を製造する第2の工程と、を含む方法、並びに当該多様体を含むベーキング組成物及び当該多様体の使用に関する。

Description

配列表の参照
本出願は、コンピュータ読み取り可能な形態の配列表を含み、これは、本明細書において参照により援用される。
本発明は、焼成品若しくは下焼き(par-baked)品の製造方法であって、当該方法が、配列番号1、配列番号6、配列番号7又は配列番号8に対して少なくとも70%同一の親グルコアミラーゼの成熟熱安定性多様体を含む生地を提供する第1の工程と、生地を焼成若しくは下焼きして、焼成品若しくは下焼き品を製造する第2の工程と、を含む方法、並びに当該多様体を含む焼成組成物及び当該多様体の使用に関する。
世界中で、糖を含有する焼成品(パン、ビスケットなど)は、最も人気のある製品区分のうちの1つである。レシピにおける糖の量は、典型的には、穀粉の全重量の1~25%であろう。
しかしながら、糖の市場価格の高騰、世界の一部の地域での糖の入手の困難性、並びに健康上の懸念のために、焼成品の品質を犠牲にすることなく、恐らくそれを更に改善して、添加される糖の量が低減された焼成品を製造する方法が必要とされている。
国際公開第2019/238423号パンフレット(Novozymes A/S,Denmark)は、生デンプン分解アルファ-アミラーゼ及びグルコアミラーゼを生地成分に添加することを含む、添加される糖の量が低減された生地を製造する方法を開示している。
本発明者らは、ある特定のグルコアミラーゼの熱安定化多様体が、焼成品若しくは下焼き品の鮮度保持若しくは抗劣化における非常に改善された性能を示すことを見出した。熱安定化多様体の別の改善された性能は、それらが製品の甘味(sweetness)又は甘い味(sweet taste)を増大させ、それが伝統的なレシピにおいて、添加される糖の量の低減を可能にする。
したがって、第1の態様では、本発明は焼成品若しくは下焼き品を製造する方法に関し、当該方法は:
a)配列番号1、配列番号6、配列番号7又は配列番号8に対して、少なくとも70%同一の親グルコアミラーゼの成熟熱安定性多様体を含む生地を提供することと、
b)その生地を焼成又は下焼きして、焼成品若しくは下焼き品を製造することと、を含む。
本発明の第2の態様は、第1の態様で定義されたような親グルコアミラーゼの成熟熱安定性多様体を含む焼成組成物に関する。
本発明の他の態様は、焼成品若しくは下焼き品を製造する方法における糖代替品のための第2の態様の焼成組成物の、焼成品若しくは下焼き品の甘味を増大させるための、焼成品若しくは下焼き品を製造する方法における生地中の糖の量を低減するための、及び/又は焼成品若しくは下焼き品を製造する方法における、並びに第1の態様で定義されるような方法における焼成品若しくは下焼き品の貯蔵寿命を延ばすための使用に関し、これによって焼成品若しくは下焼き品が、最終的なベイクオフ後に低減した初期硬さ及び/若しくは増加した初期弾力性を有し、並びに/又は室温まで冷却され、密閉容器に詰められ、分析まで室温で保管された場合、いかなる添加されたグルコアミラーゼも含まずに作製された対照と比較して、1、7、又は14日後に硬さの増加の低下及び/若しくはり高い弾力性を有する。
好ましくは、本発明の親グルコアミラーゼの成熟熱安定性多様体は、配列番号1、配列番号6、配列番号7又は配列番号8に対して、少なくとも71%同一であり、例えば、配列番号1、配列番号6、配列番号7又は配列番号8に対して少なくとも72%、例えば、少なくとも73%、例えば、少なくとも74%、例えば、少なくとも75%、例えば、少なくとも76%、例えば、少なくとも77%、例えば、少なくとも78%、例えば、少なくとも79%、例えば、少なくとも80%、例えば、少なくとも81%、例えば、少なくとも82%、例えば、少なくとも83%、例えば、少なくとも84%、例えば、少なくとも85%、例えば、少なくとも86%、例えば、少なくとも87%、例えば、少なくとも88%、例えば、少なくとも89%、例えば、少なくとも90%、例えば、少なくとも91%、例えば、少なくとも92%、例えば、少なくとも93%、例えば、少なくとも94%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも96%、例えば、少なくとも97%、例えば、少なくとも98%、例えば、少なくとも99%同一である。
下記の成熟タンパク質のアミノ酸配列の多重アライメントを示す:配列番号1のペニシリウム・オキサリカム(Penicillium oxalicum)からの野生型AMG(PoAMG)、配列番号2の「AMG NL」と表示されるPoAMG多様体、配列番号3の「AMG anPAV498」と表示されるPoAMG多様体、配列番号4の「AMG JPO001」と表示されるPoAMG多様体、配列番号5の「AMG JPO124」と表示されるPoAMG多様体、配列番号6の「AMG JPO172」と表示されるPoAMG多様体、配列番号7のペニシリウム・ミクジンスキイ(Penicillium miczynskii)からの野生型AMG(PoAMG)、配列番号8のペニシリウム・ルッセリイ(Penicillium russellii)からの野生型AMG(PoAMG)、配列番号9のペニシリウム・グラブラム(Penicillium glabrum)からの野生型AMG(PoAMG)。 下記の成熟タンパク質のアミノ酸配列の多重アライメントを示す:配列番号1のペニシリウム・オキサリカム(Penicillium oxalicum)からの野生型AMG(PoAMG)、配列番号2の「AMG NL」と表示されるPoAMG多様体、配列番号3の「AMG anPAV498」と表示されるPoAMG多様体、配列番号4の「AMG JPO001」と表示されるPoAMG多様体、配列番号5の「AMG JPO124」と表示されるPoAMG多様体、配列番号6の「AMG JPO172」と表示されるPoAMG多様体、配列番号7のペニシリウム・ミクジンスキイ(Penicillium miczynskii)からの野生型AMG(PoAMG)、配列番号8のペニシリウム・ルッセリイ(Penicillium russellii)からの野生型AMG(PoAMG)、配列番号9のペニシリウム・グラブラム(Penicillium glabrum)からの野生型AMG(PoAMG)。
定義
配列同一性:2つのアミノ酸配列間又は2つのヌクレオチド配列間の関連性は、パラメータ「配列同一性」によって説明される。
本発明の目的のために、2つのアミノ酸配列間の配列同一性は、好ましくはバージョン5.0.0以降のEMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000,Trends Genet.16:276-277)のNeedleプログラムにおいて実装されている、Needleman-Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443-453)を使用して決定される。用いられるパラメータは、10のギャップオープンペナルティ、0.5のギャップエクステンションペナルティ及びEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。「最長同一性(longest identity)」(-no briefオプションを使用して得られる)と表示されるNeedleの出力値を、一致率(percent identity)として使用し、以下のようにして求められる:
(同一残基×100)/(アライメントの長さ-アライメント中のギャップの合計数)
多様体:「多様体」という語は、改変、即ち、1つ以上(例えば、いくつか)の位置に置換、挿入、及び/又は欠失を含むポリペプチドを意味する。置換とは、ある位置に位置するアミノ酸が別のアミノ酸に置き換わっていることを意味し;欠失とは、ある位置に位置するアミノ酸が除かれていることを意味し;挿入とは、ある位置に位置するアミノ酸に隣接するように、その直後に1つ以上のアミノ酸が追加されていることを意味する。アミノ酸の変化は、軽度のもの、即ち、タンパク質のフォールディング及び/又は活性に有意に影響しない保管的アミノ酸置換若しくは挿入;典型的に1~30アミノ酸の小さな欠失;例えば、アミノ末端メチオニン残基などの小アミノ-若しくはカルボキシル末端伸長;最大20~25残基の小さなリンカーペプチド;或いは正味電荷、又はポリヒスチジントラクト、抗原エピトープ若しくは結合ドメインの変更により精製、又はその他の機能を促進する小さな伸長であってもよい。保管的置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リシン及びヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸及びアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミン酸及びアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシン及びバリン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシン)、並びに低分子アミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、トレオニン及びメチオニン)からなる群に含まれる。概して比活性を変えないアミノ酸置換は、当該技術分野で知られており、例えば、H.Neurath and R.L.Hill,1979,In,The Proteins,Academic Press,New Yorkに記載されている。一般的な置換としては、Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/Glu、及びAsp/Glyである。
増加された強度:「生地の増加された強度」という用語は、一般的により弾力的な性質を有し、及び/又は対照と比較して、成形及び形作りにより多くの作業入力を必要とする生地の特性として本明細書で定義される。
増加された弾力性:「生地の増加された弾力性」という用語は、対照と比較してある特定の物理的歪みに供された後に、その元の形状を取り戻す傾向性が高い生地の特性として、本明細書で定義される。
生地の増加された安定性:「生地の増加された安定性」という用語は、機械的虐待の影響を受けにくく、形状及び体積をより良く維持し、対照と比較して、標準発酵(proof)及び/又は延長された発酵後のひとかたまりの断面の高さ:幅の比によって評価される生地の特性として、本明細書で定義される。
生地の低減された粘り:「生地の低減された粘り」という用語は、例えば、生地製造機において対照と比較して、表面に粘着する傾向性が低い生地の特性として本明細書で定義され、それは熟練した試験パン職人によって経験的に評価されるか、又は当該技術分野において既知であるようなテクスチャーアナライザー(例えば、TAXT2)によって測定される。
改善された伸長性:「生地の改善された伸長性」という用語は、対照と比較して、破裂することなく増加した歪み又は伸長を受けることができる生地の特性として、本明細書で定義される。
改善された機械加工性:「生地の改善された機械加工性」という用語は、対照と比較して、一般的に粘りが低く、及び/又はより硬く、及び/又はより弾力性である生地の特性として、本明細書で定義される。
焼成品の増加された体積:「焼成品の増加された体積」という用語は、対照と比較した所与のひとかたまりのパンの体積として測定される。体積は、当該技術分野において既知であるように決定され得る。
焼成品の改善されたクラム構造:「焼成品の改善されたクラム構造」という用語は、対照と比較して、クラム内のより微細な気泡(cell)且つ/又はより薄い気泡壁及び/又はクラム内の気泡のより均一な/均質な分布を有する焼成品の特性として本明細書で定義され、通常、熟練したパン職人によって、又は当該技術分野において既知のデジタル画像分析(例えば、C-cell、Calibre Control International Ltd,Appleton,Warrington,UK)によって視覚的に評価される。
焼成品の改善された柔らかさ:「焼成品の改善された柔らかさ」という用語は、「硬さ」の反対語であり、本明細書では、対照と比較して容易に圧縮される焼成品の特性として定義され、熟練した試験パン職人によって経験的に評価されるか、又は、当該技術分野において既知のように、例えば、テクスチャーアナライザー(例えば、Stable Micro Systems Ltd,surrey,UK製のTAXT2又はTA-XT Plus)によって測定される。
焼成品の官能特性:官能特性は、焼成産業において十分に確立された方法を用いて評価することができ、例えば、訓練を受けた味覚テスターのパネルの使用が挙げられる。
熱安定性改善:℃での熱安定性改善(Td)は、本明細書に例示されるように決定される、多様体が同じ条件下でそれらの親グルコアミラーゼを超えて熱安定性をどれほど改善したかの尺度である。
本発明の第1の態様は、焼成品若しくは下焼き品を製造する方法に関し、当該方法は:
a)配列番号1、配列番号6、配列番号7又は配列番号8に対して、少なくとも70%同一の親グルコアミラーゼの成熟熱安定性多様体を含む生地を提供することと、
b)その生地を焼成又は下焼きして、焼成品若しくは下焼き品を製造することと、を含む。
本発明の第2の態様は、第1の態様で定義されたような親グルコアミラーゼの成熟熱安定性多様体を含む焼成組成物に関する。
本発明の他の態様は、焼成品若しくは下焼き品を製造する方法における糖代替品のための第2の態様の焼成組成物の、焼成品若しくは下焼き品の甘味を増大させるための、焼成品若しくは下焼き品を製造する方法における生地中の糖の量を低減するための、及び/又は焼成品若しくは下焼き品を製造する方法における、並びに第1の態様で定義されるような方法における焼成品若しくは下焼き品の貯蔵寿命を延ばすための使用に関し、これによって焼成品若しくは下焼き品が、最終的なベイクオフ後に低減した初期硬さ及び/若しくは増加した初期弾力性を有し、並びに/又は室温まで冷却され、密閉容器に詰められ、分析まで室温で保管された場合、いかなる添加されたグルコアミラーゼも含まずに作製された対照と比較して、1、7、又は14日後に硬さの増加の低下及び/若しくはり高い弾力性を有する。
好ましくは、本発明の親グルコアミラーゼの成熟熱安定性多様体は、配列番号1、配列番号6、配列番号7又は配列番号8に対して、少なくとも71%同一であり、例えば、配列番号1、配列番号6、配列番号7又は配列番号8に対して少なくとも72%、例えば、少なくとも73%、例えば、少なくとも74%、例えば、少なくとも75%、例えば、少なくとも76%、例えば、少なくとも77%、例えば、少なくとも78%、例えば、少なくとも79%、例えば、少なくとも80%、例えば、少なくとも81%、例えば、少なくとも82%、例えば、少なくとも83%、例えば、少なくとも84%、例えば、少なくとも85%、例えば、少なくとも86%、例えば、少なくとも87%、例えば、少なくとも88%、例えば、少なくとも89%、例えば、少なくとも90%、例えば、少なくとも91%、例えば、少なくとも92%、例えば、少なくとも93%、例えば、少なくとも94%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも96%、例えば、少なくとも97%、例えば、少なくとも98%、例えば、少なくとも99%同一である。
生地
本明細書で使用される場合、「生地」は焼成品、特にパンを調製するために使用される任意の生地を意味する。
本発明によれば、焼成品を調製するために使用される生地は、穀粉を含む任意の好適な生地成分から作製され得る。
穀粉は、当該技術分野において既知の任意のベーキング用穀物に由来し、例えば、小麦粉、トウモロコシ粉、ライ麦粉、大麦粉、エンバク粉、米粉、ソルガム粉、ジャガイモ粉、大豆粉、及びそれらの任意の組み合わせ(例えば、他の穀粉供給源のうちの1つと組み合わされた小麦粉、又は他の穀粉供給源のうちの1つと組み合わされた米粉)である。
好ましい実施形態では、穀粉は小麦粉である。
好ましい実施形態では、全穀粉含有量の少なくとも10%(w/w)以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉含有量の少なくとも15%以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉含有量の少なくとも20%以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉含有量の少なくとも25%以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉含有量の少なくとも30%以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉含有量の少なくとも35%以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉含有量の少なくとも40%以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉含有量の少なくとも45%以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉含有量の少なくとも50%以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉含有量の少なくとも55%以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉含有量の少なくとも60%以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉含有量の少なくとも65%以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉含有量の少なくとも70%以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉含有量の少なくとも75%以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉含有量の少なくとも80%以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉含有量の少なくとも85%以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉含有量の少なくとも90%以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉含有量の少なくとも95%以上が小麦粉であり、例えば、全穀粉の100%が小麦粉である。
本発明の生地は、通常は膨化された生地であるか、又は膨化に付す生地である。生地は、化学的膨化剤、例えば、重炭酸ナトリウムなどの生地成分を添加することによるか、又は(生地を発酵させる)膨剤を添加することによるなど様々な方法で膨化させてもよく、しかし、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の培養物(パン酵母)、例えば、市販のS.セレビシエ(S.cerevisiae)株など、好適な酵母培養物を添加することにより生地を膨化させることが好ましい。
本発明の生地は、典型的には、本発明による方法が添加された糖の量を減らすことができるので、いくらかの添加された糖を含むことができるが、通常は糖が部分的に低減されたものが得られる。
一実施形態では、添加される糖の量は、元のレシピにおいて生地に添加された糖の量と比較して、少なくとも10%(w/w)だけ低減され、例えば、元のレシピにおいて生地に添加された糖の量と比較して、少なくとも20%(w/w)だけ低減され、例えば、元のレシピにおいて生地に添加された糖の量と比較して、少なくとも30%(w/w)だけ低減され、例えば、元のレシピにおいて生地に添加された糖の量と比較して、少なくとも40%(w/w)だけ低減され、例えば、元のレシピにおいて生地に添加された糖の量と比較して、少なくとも50%(w/w)だけ低減され、例えば、元のレシピにおいて生地に添加された糖の量と比較して、少なくとも60%(w/w)だけ低減され、例えば、元のレシピにおいて生地に添加された糖の量と比較して、少なくとも70%(w/w)だけ低減され、例えば、元のレシピにおいて生地に添加された糖の量と比較して、少なくとも80%(w/w)だけ低減され、例えば、元のレシピにおいて生地に添加された糖の量と比較して、少なくとも90%(w/w)だけ低減され、例えば、元のレシピにおいて生地に添加された糖の量と比較して、少なくとも100%(w/w)だけ低減される。
生地はまた、他の一般的な生地材料、例えば、粉乳、グルテン、及びダイズなどのタンパク質;卵(全卵、卵黄、若しくは卵白のいずれか);アスコルビン酸、臭素酸カリウム、ヨウ化カリウム、アゾジカーボンアミド(ADA)又は過硫酸アンモニウムなどの酸化剤;L-システインなどのアミノ酸;塩化ナトリウム、酢酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウムなどの塩、二酸化ケイ素などの希釈剤、及び異なる起源のデンプンも含み得る。更に他の一般的な成分としては、例えば、CMC、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガムなどのヒドロコロイドが挙げられる。
生地成分が、典型的には、脂肪(トリグリセリド)及び/又は油及び/又はショートニング、特にヒマワリ油又は菜種油などを含み得る。
生地は、連続混合プロセス、ストレート(straight-dough)プロセス、又は加糖中種(sponge and dough)法などの任意の従来の混合プロセスを適用して調製され得る。
本発明は、生地が焼成品を調製するために使用される生地が、自動化若しくは半自動化装置を使用して機械的に調製される産業プロセスにおいて生地及び焼成品を調製するために特に有用である。
パンを調製するプロセスは、一般に、生地の製造、シーティング若しくは分割、成形若しくは圧延、及び生地の発酵の連続的な工程を伴い、これらの工程は、当該技術分野において周知である。
本明細書で使用される場合、「焼成品」は焼きパン、トーストパン、オープンブレッド、リッドを含むか又は含まない焼きパン、バンズ、フィノパン、ハマムパン、サモリパン、バゲッド、ブリオッシュハンバーガーバンズ、ロールパン、ブラウンブレッド、全粒粉パン、リッチブレッド、ブランブレッド、フラットブレッド、トルティーヤ、ビスケット、及びそれらの任意の品種のあらゆる種類を意味する。本発明によれば、焼成品はまた、当該技術分野において既知であるようなケーキ又は任意のパティセリー製品であり得る。
生デンプン分解アルファ-アミラーゼ
本明細書で使用される場合、「生デンプン分解アルファ-アミラーゼ」は、デンプンの糊化温度未満で生デンプン粒を直接分解することができる酵素を指す。
生デンプン分解アルファ-アミラーゼの例としては、国際公開第2005/003311号パンフレット、米国特許出願公開第2005/0054071号明細書、及び米国特許第7,326,548号明細書に開示されるものが挙げられる。例としてはまた、米国特許第7,326,548号明細書中の実施例の表1~5、米国特許出願公開第2005/0054071号明細書(ページ15の表3)に開示される酵素、並びに国際公開第2004/020499号パンフレット、及び国際公開第2006/06929号パンフレット、及び国際公開第2006/066579号パンフレットに開示される酵素も挙げられる。
一実施形態では、生デンプン分解アルファ-アミラーゼは、GH13_1アミラーゼである。
一実施形態では、生デンプン分解アルファ-アミラーゼ酵素は、欧州特許第2981170号明細書(Novozymes A/S)に示される生デンプン分解アルファ-アミラーゼに対して、少なくとも70%、例えば、少なくとも71%、例えば、少なくとも72%、例えば、少なくとも73%、例えば、少なくとも74%、例えば、少なくとも75%、例えば、少なくとも76%、例えば、少なくとも77%、例えば、少なくとも78%、例えば、少なくとも79%、例えば、少なくとも80%、例えば、少なくとも81%、例えば、少なくとも82%、例えば、少なくとも83%、例えば、少なくとも84%、例えば、少なくとも85%、例えば、少なくとも86%、例えば、少なくとも87%、例えば、少なくとも88%、例えば、少なくとも89%、例えば、少なくとも90%、例えば、少なくとも91%、例えば、少なくとも92%、例えば、少なくとも93%、例えば、少なくとも94%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも96%、例えば、少なくとも97%、例えば、少なくとも98%、例えば、少なくとも99%の同一性を有する。
一実施形態では、本発明による生デンプン分解アルファ-アミラーゼは、穀粉1kg当たり0.01~10mgの酵素タンパク質の量で、例えば、穀粉1kg当たり0.1~5mgの酵素タンパク質の量で穀粉又は生地に添加され得る。
グルコアミラーゼ
グルコアミラーゼはまた、アミログルコシダーゼ、及びグルカン1,4-アルファ-グルコシダーゼ(EC3.2.1.3)とも呼ばれ、より一般的には、それらはAMGと称される。
本発明によれば、異なるタイプのアミログルコシダーゼが熱安定性アミログルコシダーゼ多様体の生成のための親として使用されてもよく、例えば、アミログルコシダーゼはアスペルギルス属(Aspergillus)、リゾプス属(Rhizopusor)、又はタラロミセス属(Talaromyces)、又はペニシリウム属(Penicillium)の真菌株で見出されるDNA配列、好ましくはペニシリウム属(Penicillium)の真菌株で見出されるDNA配列、更により好ましくは、ペニシリウム・オキシスポラム(Penicillium oxysporum)、ペニシリウム・オキサリカム(Penicillium oxalicum)、ペニシリウム・ミクジンスキイ(Penicillium miczynskii)、ペニシリウム・ルッセリイ(Penicillium russellii)、又はペニシリウム・グラブラム(Penicillium glabrum)の真菌株で見出されるDNA配列によってコードされるポリペプチドであり得る。好ましくは、親グルコアミラーゼは、ペニシリウム属(Penicillium)の種に由来し、好ましくは、ペニシリウム・オキシカルム(Penicillium oxicalum)、ペニシリウム・ミクジンスキイ(Penicillium miczynskii)、ペニシリウム・ルッセリイ(Penicillium russellii)、又はペニシリウム・グラブラム(Penicillium glabrum)に由来する。
他の好適な真菌の例としては、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、リゾプス・デルマ(Rhizopus delemar)、リゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus)、リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)、及びタラロミセス・エメルソニィ(Talaromyces emersonii)が挙げられる。
以下は図1に整列され、配列表にも提供されているAMGアミノ酸配列間の同一性%を示す:
P_オキサリカム(P_oxalicum)100.00 99.83 98.99 98.82 96.64 95.97 77.07 77.12 74.32
AMG_NL 99.83 100.00 99.16 98.99 96.81 96.13 77.07 77.12 74.32
AMG_anPAV498 98.99 99.16 100.00 99.83 97.65 96.97 76.73 76.95 73.82
AMG_JPO001 98.82 98.99 99.83 100.00 97.82 97.14 76.73 76.95 73.82
AMG_JPO124 96.64 96.81 97.65 97.82 100.00 99.33 77.07 77.12 74.32
AMG_JPO172 95.97 96.13 96.97 97.14 99.33 100.00 76.73 76.78 73.99
P_ミクジンスキイ(P_miczynskii) 77.07 77.07 76.73 76.73 77.07 76.73 100.00 94.75 80.51
P_ルッセリイ(P_russellii) 77.12 77.12 76.95 76.95 77.12 76.78 94.75 100.00 79.66
P_グラブラム(P_glabrum) 74.32 74.32 73.82 73.82 74.32 73.99 80.51 79.66 100.00
一実施形態では、本発明よるグルコアミラーゼは、穀粉1kg当たり0.01~1,000mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で、好ましくは、穀粉1kg当たり0.01~500mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で、更により好ましくは、穀粉1kg当たり0.1~100mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で穀粉又は生地に添加され得る。
PoAMGの熱安定性多様体が生成されている(以下の表2を参照されたい)。好ましい実施形態では、本発明の成熟熱安定性グルコアミラーゼ多様体は、以下の表2に列挙されるアミノ酸置換の組み合わせのうちの1つ以上又は全てを含む。
好ましい実施形態では、本発明の成熟多様体は、配列番号1中の1、2、4、6、7、11、31、34、65、79、103、132、327、445、447、481、566、568、594及び595位に相当する位置の1つ以上又は全てにおいて、少なくとも1つのアミノ酸修飾を含み、好ましくは、少なくとも1つのアミノ酸修飾は、配列番号1中の1、2、4、11、65、79及び327位に相当する位置の1つ以上又は全てにおいて置換を含み、好ましくは、少なくとも1つのアミノ酸修飾は、配列番号1中のR1A、P2N、P4S、P11F、T65A、K79V及びQ327Fに相当する位置の1つ以上又は全てにおいて置換を含むか;又は好ましくは、少なくとも1つのアミノ酸修飾は、配列番号1中の1、6、7、31、34、79、103、132、445、447、481、566、568、594及び595位に相当する位置の1つ以上の又は全てにおいて置換を含み、好ましくは、少なくとも1つのアミノ酸修飾は、配列番号1中のR1A、G6S、G7T、R31F、K34Y、K79V、S103N、A132P、D445N、V447S、S481P、D566T、T568V、Q594R及びF595Sに相当する位置の1つ以上又は全てにおいて置換を含むか;又は好ましくは、少なくとも1つのアミノ酸修飾は、配列番号1中の1、6、7、31、34、50、79、103、132、445、447、481、484、501、539、566、568、594及び595位に相当する位置の1つ以上又は全てにおいて置換を含み、好ましくは、少なくとも1つのアミノ酸修飾は、配列番号1中のR1A、G6S、G7T、R31F、K34Y、E50R、K79V、S103N、A132P、D445N、V447S、S481P、T484P、E501A、N539P、D566T、T568V、Q594R及びF595Sに相当する位置の1つ以上又は全てにおいて置換を含む。
表2の多様体の熱安定性改善(Td)が表3に列挙されており、ここでは「anPAV498」(親)と表示されるPoAMG多様体のTdをゼロに設定した。好ましい実施形態では、本発明の成熟熱安定性多様体は、好ましくは本明細書に例示されるように決定された、少なくとも3℃の、好ましくは少なくとも4℃、5℃、6℃、7℃又は8℃のその親を超える熱安定性改善(Td)を有する。
別の好ましい実施形態では、本発明の成熟熱安定性多様体は、その親と比較して、少なくとも150、好ましくは少なくとも200、より好ましくは少なくとも250、最も好ましくは少なくとも300の91℃における相対活性化を有する。
好ましくは、成熟熱安定性多様体グルコアミラーゼ酵素は、穀粉1kg当たり0.01~1,000mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で、好ましくは1kgの穀粉当たり0.01~500mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で、更により好ましくは1kgの穀粉当たり0.1~100mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で生地中に含まれる。
アミラーゼ
アルファ-アミラーゼ(アルファ-1,4-グルカン-4-グルカノヒドロラーゼ、EC.3.2.1.1)は、デンプン並びに他の直鎖及び分枝鎖1,4-グルコシドオリゴ糖-及び多糖体の加水分解を触媒する酵素のグループから構成される。
多数のアルファ-アミラーゼは、Termamyl(商標)及び「Termamyl(商標)様アルファ-アミラーゼ」と称され、例えば、国際公開第90/11352号パンフレット、国際公開第95/10603号パンフレット、国際公開第95/26397号パンフレット、国際公開第96/23873号パンフレット及び国際公開第96/23874号パンフレットから既知である。
アルファ-アミラーゼの別のグループは、Fungamyl(商標)及び「Fungamyl(商標)様アルファ-アミラーゼ」と称され、これらは国際公開第01/34784号パンフレットに開示されるアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)に由来するアルファ-アミラーゼに関連するアルファ-アミラーゼである。
本発明による好適な市販のアルファ-アミラーゼ組成物としては、例えば、BAKEZYME P 300(DSMから入手可能)並びにFUNGAMYL 2500 SG、FUNGAMYL 4000 BG、FUNGAMYL 4000 SG、FUNGAMYL 800 L、FUNGAMYL ULTRA BG及びFUNGAMYL ULTRA SG(Novozymes A/Sから入手可能)が挙げられる。
一実施形態では、本発明によるアルファ-アミラーゼは、穀粉1kg当たり0.01~1,000mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で、好ましくは穀粉1kg当たり0.01~500mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で、更により好ましくは穀粉1kg当たり0.1~100mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で穀粉又は生地に添加され得る。
追加の酵素
任意選択で、アルファ-アミラーゼ、マルトース生成アミラーゼ、ベータアミラーゼ、アミノペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルロース分解酵素、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、グルカン1,4-アルファ-マルトテトラヒドロラーゼ、グルカナーゼ、ガラクタナーゼ、アルファ-ガラクトシダーゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、アルファ-グルコシダーゼ、ベータ-グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、ヘミセルロース分解酵素、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンナーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペプチドグルタミナーゼ、ペルオキシダーゼ、ホスホリパーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ、及びキシラナーゼなどの1つ以上の追加の酵素が、本発明の酵素組成物と一緒に使用されてもよい。
追加の酵素は、哺乳動物、植物、及び微生物(細菌、酵母又は真菌)の起源を含む、任意の起源のものであってもよい。
マルトース生成アルファ-アミラーゼ(EC 3.2.1.133)は、バチルス属(Bacillus)に由来し得る。B.ステアロサーモフィルス(B.stearothermophilus)株NCIB 11837に由来するマルトース生成アルファ-アミラーゼは、商品名Novamyl(登録商標)でNovozymes A/Sから市販されている。
マルトース生成アルファ-アミラーゼはまた、例えば、国際公開第1999/043794号パンフレット、国際公開第2006/032281号パンフレット、又は国際公開第2008/148845号パンフレットに開示されるような、B.ステアロサーモフィルス(B.stearothermophilus)に由来するマルトース生成アルファ-アミラーゼの多様体、例えば、Novamyl(登録商標)3Dであってもよい。
本発明で使用するための抗劣化アミラーゼはまた、国際公開第1999/050399号パンフレット、国際公開第2004/111217号パンフレット又は国際公開第2005/003339号パンフレットに開示されるアミラーゼのいずれかなど、シュードモナス・サッカロフィリア(Pseudomonas saccharophilia)由来のアミラーゼ(グルカン1,4-アルファ-マルトテトラヒドロラーゼ(EC3.2.1.60))又はその多様体であってもよい。
グルコースオキシダーゼは、真菌性グルコースオキシダーゼ、特に、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)グルコースオキシダーゼ(例えば、GLUZYME(登録商標)、Novozymes A/Sから入手可能)であってもよい。
キシラナーゼは微生物起源、例えば、細菌又は真菌由来、例えば、アスペルギルス属(Aspergillus)、特に、A.アキュレアツス(A.aculeatus)、A.ニガー(A.niger)、A.アワモリ(A.awamori)、又はA.ツビンゲンシス(A.tubigensis)由来、トリコデルマ属(Trichoderma)、例えば、T.レエセイ(T.reesei)の株由来、又はフミコラ属(Humicola)、例えば、H.インソレンス(H.insolens)の株由来であり得る。
本発明で使用するための好適な市販のキシラナーゼ調製物は、PANZEA BG、PENTOPAN MONO BG及びPENTOPAN 500 BG(Novozymes A/Sから入手可能)、GRINDAMYL POWERBAKE(Daniscoから入手可能)、並びにBAKEZYME BXP 5000及びBAKEZYME BXP 5001(DSMから入手可能)が挙げられる。
プロテアーゼは、バチルス属(Bacillus)、例えばバチルス・アミロリクエファシエンス(B.amyloliquefaciens)由来のものでもよい。好適なプロテアーゼは、Novozymes A/Sから入手可能なNeutrase(登録商標)であってもよい。
ホスホリパーゼは、ホスホリパーゼA1、A2、B、C、D又はリゾホスホリパーゼ活性を有してもよく、それはリパーゼ活性を有しても又は有さなくてもよい。それは動物起源、例えば膵臓、ヘビの毒液若しくはミツバチの毒液由来のものであってよく、又はそれは、微生物起源、例えば、アスペルギルス属(Aspergillus)又はフサリウム属(Fusarium)など、例えば、アスペルギルス・ニガー(A.niger)、アスペルギルス・オリゼ(A.oryzae)又はフサリウム・オキシスポラム(F.oxysporum)などの、糸状菌、酵母又は細菌由来のものであってよい。フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)由来の好ましいリパーゼ/ホスホリパーゼは、国際公開第98/26057号パンフレットに開示されている。また、国際公開第00/32758号パンフレットに記載されている多様体を使用してもよい。
好適なホスホリパーゼ組成物は、LIPOPAN F、LIPOPAN XTRA、及びLIPOPAN MAX(Novozymes A/Sから入手可能)又はPANAMORE GOLDEN及びPANAMORE SPRING(DSMから入手可能)である。
好ましくは、1つ以上の追加の酵素は、穀粉1kg当たり0.01~1,000mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で、好ましくは穀粉1kg当たり0.01~500mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で、更により好ましくは穀粉1kg当たり0.1~100mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で添加される。
酵素組成物
本発明の成熟熱安定性多様体グルコアミラーゼ並びに任意の追加の酵素は、例えば、液体の形態で、特に安定化された液体などの任意の好適な形態で穀粉又は生地に添加されてもよく、又はそれは実質的に乾燥粉末若しくは粒状物として穀粉又は生地に添加されてもよい。
粒状物は、例えば、米国特許第4,106,991号明細書及び米国特許第4,661,452号明細書に開示されるように製造され得る。液体酵素調製物は、例えば、確立された方法に従って、糖、若しくは糖アルコール、又は乳酸を添加することによって安定化され得る。他の酵素安定剤は、当該技術分野において周知である。
酵素は、パン生地成分に任意の好適な方法で添加されてもよく、例えば、個々の成分として(酵素の別個の添加若しくは連続的な添加)又は酵素を一緒に一段階で若しくは1つの組成物で添加するなどである。
ベーキング組成物
本発明は、本発明の第1の態様で定義されたような親グルコアミラーゼの成熟熱安定性多様体を含むベーキング組成物に更に関する。
ベーキング組成物は、他の生地改善及び/又はパン改善添加剤、例えば、上述した酵素を含む添加剤のいずれかを含有してもよい。
ベーキング組成物は、例えば、生地組成物、穀粉組成物、穀粉プレミックス、又はパン改良剤であってもよい。
好ましくは、本発明のベーキング組成物はまた、アルファ-アミラーゼ、マルトース生成アミラーゼ、ベータアミラーゼ、アミノペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルロース分解酵素、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、グルカン1,4-アルファ-マルトテトラヒドロラーゼ、グルカナーゼ、ガラクタナーゼ、アルファ-ガラクトシダーゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、アルファ-グルコシダーゼ、ベータ-グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、ヘミセルロース分解酵素、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンナーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペプチドグルタミナーゼ、ペルオキシダーゼ、ホスホリパーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ、及びキシラナーゼからなる群から選択される1つ以上の追加の酵素を含む。
好ましくは、本発明のベーキング組成物はまた、穀粉、糖、酵母、塩及び/又は脂肪を含む。
焼成品の特性を改善するために、本発明の処理品で使用される酵素を、他の成分と混和させて提供することが有利であることが多い。これらのベーキング組成物は、「プレミックス」として一般に当該技術分野において知られており、これは通常穀粉を含む。
したがって、更なる態様では、本発明は、添加される糖の量を低減させることによって生地の品質を改善するためのパンプレミックスに関し、このプレミックスは本発明の酵素組み合わせを含む。
一実施形態では、本発明は、本発明の酵素組み合わせ及び穀粉、例えば、小麦粉、トウモロコシ粉、ライ麦粉、大麦粉、エンバク粉、米粉、又はソルガム粉、及びそれらの組み合わせなどの穀物からの粉を含むパンプレミックスに更に関する。
別の実施形態では、本発明は、本発明の酵素組み合わせ及び穀粉、例えば、小麦粉、トウモロコシ粉、ライ麦粉、大麦粉、エンバク粉、米粉、ソルガム粉、大豆粉、及びそれらの組み合わせなどの穀物からの粉、並びに前述したような1つ以上の追加の酵素を含むパンプレミックスに関する。
プレミックスは、粒状物又は凝集粉末の形態であってもよく、例えば、典型的には、粒状物又は凝集粉末の95%(重量)は、25~500μmの粒径を有する。
粒状物及び凝集粉末は、通常の方法により、例えば、流動層造粒装置でキャリアに酵素を噴霧することによって調製してもよい。キャリアは、好適な粒径を有する粒子コアから構成され得る。キャリアは、可溶性又は不溶性、例えば、塩(NaCl若しくは硫酸ナトリウムなど)、糖(スクロース若しくはラクトースなど)、糖アルコール(ソルビトールなど)、デンプン、コメ、コーングリッツ、若しくはダイズであってよい。
パン特性
パンの感覚刺激特性又は官能特性は、当該技術分野において知られているように測定することができる。パンの特性は、本明細書では官能特性と称することができ、これは抗劣化性(パンクラムの硬さ/硬度)、クラム特性及び口当たりを含み、又はより正確には、食べている間の口内で検出されるようなパンの属性(例えば、パンの柔らかさ/最初に食べたときの抵抗性、クラムのしっとり感、クラムの噛み性(chewiness)及びガム性(gumminess)、並びにクラムの滑らかさ及び溶融特性)を含む。
一実施形態では、焼成品の官能特性は、本発明による酵素溶液を使用することによる増加した甘味である。
一実施形態では、焼成品の官能特性は、本発明による酵素溶液を使用することによる増加したクラムの甘味である。
本発明の好ましい実施形態では、最終的なベイクオフ後の焼成品若しくは下焼き品は、低減した初期硬さ及び/又は増加した初期弾力性を有し、室温まで冷却し、密閉容器に詰め、分析するまで室温で保管した場合、いかなるグルコアミラーゼも添加されずに作製された対照と比較して、1、7又は14日後に硬さの増加がより低減し、且つ/又はより高い弾力性を有する。
別の好ましい実施形態では、最終的なベイクオフ後の焼成品若しくは下焼き品は、好ましくは本明細書に例示されるように決定される、そのアミノ酸配列が、配列番号10で示される成熟グルコアミラーゼの二倍量を用いて作製された対照製品と少なくとも同じ甘味又は甘い味を有し;好ましくは最終的なベイクオフ後の焼成品若しくは下焼き品は、好ましくは本明細書に例示されるように決定される、そのアミノ酸配列が、配列番号10に示される成熟グルコアミラーゼの二倍量を用いて作製された対象製品よりも高い甘味又はより多い甘い味を有する。
本明細書に記載され、主張される本発明は、開示される本明細書中の具体的実施形態による範囲内に限定されるべきではない。というのは、これらの実施形態は、本発明のいくつかの態様の例示として意図されるからである。いかなる同等の実施形態も本発明の範囲内であること、並びに実施形態の1つ以上の組み合わせであることを意図している。
様々な参考文献が本明細書に引用されており、それらの開示はその全体が参照により組み込まれるものとする。本発明を以下の実施例によって更に説明するが、これらは本発明の範囲を制限するものと解釈すべきではない。
実施例1:PoAMGライブラリーの構築
PoAMGライブラリーを以下のように構築した:
15bpの重なり合いを有する標的部位でのNNK又は所望の突然変異を有するフォワードプライマー又はリバースプライマーを設計した。逆方向のプライマーによるプラスミドDNA配列全体の増幅を意味するインバースPCRを、適切なテンプレートプラスミドDNA(例えば、JPO-0001遺伝子を含有するプラスミドDNA)を用いて、以下の条件によって実行した。得られたPCR断片をQIAquick Gel extractionキット[QIAGEN]によって精製し、次いで、大腸菌(Escherichia coli)ECOS Competent E.coli DH5α[NIPPON GENE CO.,LTD.]に導入した。プラスミドDNAを、MagExtractorプラスミド抽出キット[TOYOBO]によって大腸菌(E.coli)形質転換体から抽出し、次いで、A.ニガー(A.niger)コンピテントセル中に導入した。
PCR反応ミックス:
PrimeSTAR Max DNAポリメラーゼ[TaKaRa]
全体で25μl
1.0μl テンプレートDNA(1ng/μl)
9.5μl H
12.5μl 2×PrimeSTAR Maxプレミックス
1.0μl フォワードプライマー(5μM)
1.0μl リバースプライマー(5μM)
PCRプログラム:
98℃/2分
25×(98℃/10秒、60℃/15秒、72℃/2分)
10℃/保持
実施例2:より良い熱安定性のためのスクリーニング
実施例1のように構成されたB.スブチリス(B.subtilis)ライブラリーを、COVE液体培地(2.0g/Lのスクロース、2.0g/Lのイソ-マルトース、2.0g/Lのマルトース、4.9mg/L、0.2ml/Lの5N NaOH、10ml/LのCOVE塩、10ml/Lの1Mアセトアミド)を含有する96ウェル又は24ウェルMTPのいずれかで、32℃にて3日間発酵した。次いで、培養上清中のAMG活性を、以下の通りに記載されるpNPGアッセイによっていくつかの温度で測定した。
pNPG熱安定性アッセイ:
所望の酵素を含有する培養上清を、同じ用量のpH5.0 200mMのNaOAc緩衝液と混合した。この混合物20マイクロリットルを、96ウェルプレート又は8ストリップPCRチューブのいずれかに分注し、次いで、様々な温度でのサーマルサイクラーによって30分間加熱した。これらのサンプルを、pH5.0 200mMのNaOAc緩衝液中0.1%(w/v)pNPG[wako]を含有する基質溶液10μlと混合し、酵素反応のために70℃で20分間インキュベートした。反応後、60μlの0.1M Borax緩衝液を添加して、反応を停止させた。反応上清の80マイクロリットルを採取し、そのOD405値を光度計によって読み取り、酵素活性を評価した。
実施例3:アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)の発酵
アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)株を、100mlのMU1と4mlの50%尿素を含有する500mlのバッフルフラスコ中で回転式振盪テーブル上で220rpm、30℃で発酵させた。培養ブロスを遠心分離(10,000×g、20分)して、上清を沈殿物から慎重にデカントした。
実施例4:PoAMG(JPO-001)多様体の精製
PoAMG多様体を、陽イオン交換クロマトグラフィーにより精製した。各々のピーク分画を個々にプールし、20mMの酢酸ナトリウム緩衝液pH5.0に対して透析し、次いで、サンプルを遠心分離フィルターユニット(Vivaspin Turbo 15、Sartorius)を使用して濃縮した。酵素濃度をA280値によって決定した。
実施例5:熱安定性の決定(TSA)
精製した酵素を50mMの酢酸ナトリウム緩衝液pH5.0で0.5mg/mlまで希釈し、等量のMilli-Q水で希釈したSYPRO Orange(Invitrogen)と混合した。18ulの混合物溶液をLightCycler 480 Multiwell Plate 384(Roche Diagnostics)に移し、プレートを密封した。
TSAの機器パラメータ:
装置:LightCycler 480 リアルタイムPCRシステム(Roche Applied Science)
走査速度:0.02℃/秒
走査範囲:37~96℃
積分時間:1.0秒
励起波長 465nm
発光波長 580nm
得られた蛍光信号を0及び1の範囲に正規化した。Tdは信号強度が0.5である温度として定義された。熱安定性改善が表3にリストされており、PoAMG多様体のTdはanPAV498を0として表示している。
実施例6:PoAMG活性アッセイ
GOD-POD法によるマルトデキストリン(DE11)アッセイ
基質溶液
30gのマルトデキストリン(MATSUTANI chemical industry Co.,Ltd.からのpindex#2)
100mlの120mM酢酸ナトリウム緩衝液、pH5.0
グルコースCII試験キット(Wako Pure Chemical Industries,Ltd.)
20ulの酵素サンプルを、100ulの基質溶液と混合し、設定温度で2時間インキュベートした。サンプルをアルミニウムブロック上で3分間冷却し、次いで、10ulの反応溶液を590ulの1M トリス-HCl pH8.0と混合して反応を停止させた。10ulの溶液を200ulの試験キットの希釈標準溶液と混合し、次いで、室温で15分間放置した。A505での吸光度を読み取った。活性をanPAV498と表示されるPoAMG多様体の相対活性として表3にリストする。
実施例7:パン中のAMGの新鮮さ効果(パート1)
パンを、表4によるレシピを用いてストレート(straight dough)プロセスで焼成した。パンは、全てのパンを同じ体積にさせるために蓋つきの焼き型で焼成した。成分をスパイラルミキサー内で、それぞれ35rpmで17にて3+7分間混合して生地にした。生地を450gの部分に分け、丸めて、シート状に伸ばし、ベーキング型に置いた。生地を詰めた焼き型を、32℃及び86%の相対湿度で55分間発酵させた。発酵させた生地を、デッキオーブン内で230℃にて35分間焼成した。
生地を焼成し、得られたパンをベーキング後2時間、密閉したプラスチックバッグ内に詰めて分析まで室温で保管した。
各パンのテクスチャーを、テクスチャーアナライザー(TA-XT plus、Stable microsystems,Godalmine,UK)で評価した。パンのクラムテクスチャー特性を、焼成品の硬さ(「硬度」と同じで、「柔らかさ」と反対語である)及び弾力性によって特徴付けた。硬さ及び弾力性を測定するための標準的方法は、焼成品の力-変形に基づいている。焼成品の力-変形は、40mmの直径の円筒状プローブを用いて実施され得る。円筒状プローブにかかる力が、1mm/秒の変形速度で25mmの厚さのパンスライスを40%の歪みまで押し下げたときに記録される。次いで、力が記録されている間、プローブはこの位置で30秒間保持され、次いでプローブはその元の位置に戻る。
硬さ(グラム単位)は、プローブを25%の歪み(25mmの厚さのパンクラムスライスへの6.25mmの圧縮に相当する)まで圧縮させるのに必要な力として定義される。
弾力性(%単位)は、40%の歪み(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=40秒での力に相当する)での30秒の圧縮後に記録される力を、プローブをクラム中に10mmプレスするのに必要な力(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=10秒での力に相当する)で割ったものに100を掛けたものとして定義される。
テクスチャー分析からの結果を、表6(硬さ)及び表7(弾力性)に見出すことができる。
酵素を含まない焼き立てパン(対照)は、低い硬さ及び高い弾力性を有しており、これはパンが保管される間に硬さが経時的に増加し、弾力性が減少したためである。製パン用途に使用される伝統的なAMG(例えば、Goldcrust)は、硬さ又は弾力性に影響を及ぼさない。
25又は50mgEP/kgで投入されたAMG anPAV498並びに50mgEP/kg穀粉で投入されたAMG NLは、初期硬さを改善し(減少させ)、且つ経時的な硬さの増加を低減させる。25又は50mgEP/kgで投入されたAMG anPAV498並びに50mgEP/kg穀粉で投入されたAMG NLは、初期弾力性を改善し(増加させ)、且つ経時的な弾力性の喪失を防止する。
70%のEtOH中の0.1Mのリン酸塩緩衝液pH8.0を使用して、パンのクラムから糖を抽出させた。パンのクラム(180mg)を抽出緩衝液(1.8ml)に添加し、混合しながら70℃で20分間インキュベートした。パンのクラムを、遠心分離機内で12,000rpmにて5分間遠心分離し、500μlの上清を採取し、20mMのリン酸塩緩衝液pH8.0+内部標準としての10mg/Lのセロビオースを使用して200倍に希釈した。抽出された糖(グルコース、フルクトース、マルトース及びマルトトリオース)を、CarboPac PA1カラムを用いてICS-5000 HPLCシステムで定量化した。理論上の甘味を、グルコース、フルクトース及びマルトースのレベルに基づいて理論上の甘味を計算し、甘味強度因子を用いて計算した。表8の甘味因子は、Portmann MO,Birch G.J Sci Food Agric 69(3):275-81,1995の判定に基づいていた。
単糖類(グルコース、フルクトース、マルトース及びマルトトリオース)の量を、個々の糖の量に対して計算された理論上の甘味と共に表9に見ることができる。全ての3つのAMGは単糖類の量を増加させる。両方のAMG NL及びAMG anPAV498は、Goldcrust(登録商標)と比べてグルコース生成によって効率が高く、より高い理論上の甘味をもたらす。
実施例8.パン中のAMGの新鮮さ効果(パート2)
パンを表10によるレシピを用いて、ストレート法で焼成した。パンは、全てのパンを同じ体積にさせるために蓋つきの焼き型で焼成した。成分をスパイラルミキサー内で、それぞれ35rpmで17にて3+7分間混合して生地にした。生地を450gの部分に分け、丸めて、シート状に伸ばし、ベーキング型に置いた。生地を詰めた焼き型を、32℃及び86%の相対湿度で55分間発酵させた。発酵させた生地を、デッキオーブン内で230℃にて35分間焼成した。
生地を焼成し、得られたパンをベーキング後2時間、密閉したプラスチックバッグ内に詰めて分析まで室温で保管した。
各パンのテクスチャーを、テクスチャーアナライザー(TA-XT plus、Stable microsystems,Godalmine,UK)で評価した。パンのクラムテクスチャー特性を、焼成品の硬さ(「硬度」と同じで、「柔らかさ」と反対語である)及び弾力性によって特徴付けた。
硬さ及び弾力性を測定するための標準的方法は、焼成品の力-変形に基づいている。焼成品の力-変形は、40mmの直径の円筒状プローブを用いて実施され得る。円筒状プローブ上の力が、1mm/秒の変形速度で25mmの厚さのパンスライスを40%の歪みまで押し下げたときに記録される。次いで、力が記録されている間、プローブはこの位置で30秒間保持され、次いでプローブはその元の位置に戻る。
硬さ(グラム単位)は、プローブを25%の歪み(25mmの厚さのパンクラムスライスへの6.25mmの圧縮に相当する)まで圧縮させるのに必要な力として定義される。
弾力性(%単位)は、40%の歪み(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=40秒での力に相当する)での30秒の圧縮後に記録される力を、プローブをクラム中に10mmプレスするのに必要な力(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=10秒での力に相当する)で割ったものに100を掛けたものとして定義される。
テクスチャー分析からの結果を表12(硬さ)及び表13(弾力性)に見ることができる。
酵素を含まない焼き立てパン(対照)は、低い硬さ及び高い弾力性を有しており、これはパンが保管される間に硬さが経時的に増加し、弾力性が減少したためである。ベーキング用途に使用される伝統的なAMG(例えば、Goldcrust)は、硬さ又は弾力性に影響を及ぼさない(実施例7)。
25又は50mgEP/kgで投入された全ての3つのAMG(AMG anPAV498、JPO124及びJPO172)は、初期硬さを改善し(減少させ)、経時的な硬さの増加を低減した。25又は50mgEP/kgで投入された全ての3つのAMG(AMG anPAV498、JPO124及びJPO172)は、初期弾力性を改善し(増加させ)、経時的な弾力性の喪失を防止した。
70%のEtOH中の0.1Mのリン酸塩緩衝液pH8.0を使用して、パンのクラムから糖を抽出させた。パンのクラム(180mg)を抽出緩衝液(1.8ml)に添加し、混合しながら70℃で20分間インキュベートした。パンのクラムを、遠心分離機内で12,000rpmにて5分間遠心分離し、500μlの上清を採取し、20mMのリン酸塩緩衝液pH8.0+内部標準としての10mg/Lのセロビオースを使用して200倍に希釈した。抽出された糖(グルコース、フルクトース、マルトース及びマルトトリオース)を、CarboPac PA1カラムを用いてICS-5000 HPLCシステムで定量化した。理論上の甘味を、グルコース、フルクトース及びマルトースのレベルに基づいて理論上の甘味を計算し、甘味強度因子を用いて計算した。表13の甘味因子は、Portmann MO,Birch G.J Sci Food Agric 69(3):275-81,1995における判定に基づいていた。
単糖類(グルコース、フルクトース、マルトース及びマルトトリオース)の量を、個々の糖の量に対して計算された理論上の甘味と共に表1に見ることができる。全ての3つのAMGは単糖類の量を増加させ、計算された甘味を増大させた。AMGの投入量が高いほどより多くのグルコースが生成され、且つ理論上の甘味が高くなった。JPO0172及びJPO124は、グルコース及び理論上の甘味の増加において、AMG anPAV498よりも効率的であった。
周囲温度でのパン貯蔵時間の関数としてのパンクラムにおける糖レベルの変化を、表16~20に見ることができる。AMGの産物である表16のグルコースレベルは、パン貯蔵時間にわたって安定である。同じ構図がパンから抽出された他の糖、フルクトース(表17)、マルトース(表18)、マルトトリオース(表19)及びマルトテトラオース(表20)についても見られる。
実施例9.Novamylとの組み合わせにおけるAMGの新鮮さ効果
パンを表21によるレシピを用いてストレートプロセスで焼成した。パンは、全てのパンを同じ体積にさせるために蓋つきの焼き型で焼成した。成分をスパイラルミキサー内で、それぞれ17rpm、35rpmで3+7分間混合して生地にした。生地を450gの部分に分け、丸めて、シート状に伸ばし、ベーキング型に置いた。生地を詰めた焼き型を、32℃及び86%の相対湿度で55分間発酵させた。発酵させた生地を、デッキオーブン内で230℃にて35分間焼成した。
パンをベーキング後2時間、密閉したプラスチックバッグ内に詰めて分析まで室温で保管した。
各パンのテクスチャーを、テクスチャーアナライザー(TA-XT plus、Stable microsystems,Godalmine,UK)で評価した。パンのクラムテクスチャー特性を、焼成品の硬さ(「硬度」と同じで、「柔らかさ」と反対語である)及び弾力性によって特徴付けた。硬さ及び弾力性を測定するための標準的方法は、焼成品の力-変形に基づいている。焼成品の力-変形は、40mmの直径の円筒状プローブを用いて実施され得る。円筒状プローブ上の力が、1mm/秒の変形速度で25mmの厚さのパンスライスを40%の歪みまで押し下げたときに記録される。次いで、力が記録されている間、プローブはこの位置で30秒間保持され、次いでプローブはその元の位置に戻る。
硬さ(グラム単位)は、プローブを25%の歪み(25mmの厚さのパンクラムスライスへの6.25mmの圧縮に相当する)まで圧縮させるのに必要な力として定義される。弾力性(%単位)は、40%の歪み(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=40秒での力に相当する)での30秒の圧縮後に記録される力を、プローブをクラム中に10mmプレスするのに必要な力(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=10秒での力に相当する)で割ったものに100を掛けたものとして定義される。
テクスチャー分析からの結果を、表23(硬さ)及び表24(弾力性)に見ることができる。酵素を含まない焼き立てパン(対照)は、低い硬さ及び高い弾力性を有し、パンが保管されると硬さが経時的に増加し、弾力性が減少する。
AMG anPAV498は、初期硬さ及び弾力性を改善し、並びに硬さ及び弾力性の経時的な変化を低減する。
Novamyl(登録商標)3Dは、初期硬さ又は弾力性に影響を及ぼさない。しかしながら、Novamyl(登録商標)3Dは、硬さ及び弾力性の経時的な変化を低減する。
AMG anPAV498とNovamyl(登録商標)3Dの組み合わせは、両方とも、酵素又はNovamyl(登録商標)3D単独と比較して、初期硬さ及び弾力性を改善し、並びに硬さ及び弾力性の経時的な変化を改善する。組み合わせは、7日の貯蔵後に、最良の硬さ及び弾力性を有するパンをもたらす。
糖を70%のEtOH中の0.1Mリン酸塩緩衝液pH8.0を使用して、パンクラムから抽出した。パンのクラム(180mg)を抽出緩衝液(1.8ml)に添加し、混合しながら70℃で20分間インキュベートした。パンのクラムを、遠心分離機内で12,000rpmにて5分間遠心分離し、500μlの上清を採取し、20mMのリン酸塩緩衝液pH8.0+内部標準としての10mg/Lのセロビオースを使用して200倍に希釈した。抽出された糖(グルコース、フルクトース、マルトース及びマルトトリオース)を、CarboPac PA1カラムを用いてICS-5000 HPLCシステムで定量化した。理論上の甘味を、グルコース、フルクトース及びマルトースのレベルに基づいて理論上の甘味を計算し、甘味強度因子を用いて計算した。表25における甘味因子は、Portmann MO,Birch G.J Sci Food Agric 69(3):275-81,1995における判定に基づいていた。
パンから抽出された異なる糖の量及び糖の量に基づいて、理論的に計算された甘味を、表26に見ることができる。AMG anPAV498の投入量が高くなると、パン中のグルコースがより多くなる。Novamyl(登録商標)3Dの投入量が高くなると、生地中のマルトース及びマルトトリオースがより多くなる。AMG anPAV498とNovamyl(登録商標)3Dとの組み合わせは、両方ともグルコース、マルトース及びマルトトリオースを増加させる。計算された甘味の主要因はAMG anPAV498の投入量であり、なぜならグルコースがマルトース及びマルトトリオースよりも多く甘味に影響を及ぼすためである。
実施例10.AMG NL(部分的糖代替品)の投入量応答
パンを、表27によるレシピを用いてストレート(straight dough)プロセスで焼成した。成分をスパイラルミキサー内で、それぞれ35rpmで17にて3+7分間混合して生地にした。生地を450gの部分に分け、丸めて、シート状に伸ばし、ベーキング型に置いた。生地を詰めた焼き型を、32℃及び86%の相対湿度で55分間発酵させた。発酵させた生地を、デッキオーブン内で230℃にて25分間焼成した。
生地特性が訓練されたパン職人によって評価され、パンの体積がVolscan profiler(Stable microsystems,Godalming,UK)を使用して決定した。評価からの結果を表29に見ることができる。44.6及び53.6mgEP/kg穀粉のAMG NLを含む生地(生地5及び6)は、112.5mgEP/kg穀粉のAMG Goldcrust(登録商標)を含む生地と類似の体積、同じ伸長性及び弾力性を有していたが、この生地はわずかに粘りが少なく、柔らかかった。
70%のEtOH中の0.1Mのリン酸塩緩衝液pH8.0を使用して、パンのクラムから糖を抽出させた。パンのクラム(180mg)を抽出緩衝液(1.8ml)に添加し、混合しながら70℃で20分間インキュベートした。パンのクラムを、遠心分離機内で12,000rpmにて5分間遠心分離し、500μlの上清を採取し、20mMのリン酸塩緩衝液pH8.0+内部標準としての10mg/Lのセロビオースを使用して200倍に希釈した。抽出された糖(グルコース、フルクトース、マルトース及びマルトトリオース)を、CarboPac PA1カラムを用いてICS-5000 HPLCシステムで定量化した。理論上の甘味を、グルコース、フルクトース及びマルトースのレベルに基づいて理論上の甘味を計算し、甘味強度因子を用いて計算した。表30における甘味因子は、Portmann MO,Birch G.J Sci Food Agric 69(3):275-81,1995における判定に基づいていた。
糖の量(g/kgパンクラム)及び理論上の甘味を、表31に見ることができる。これらの糖レベルに基づいて、穀粉1kg当たり44.6mgの酵素タンパク質(mgEP)のAMG NLを含む生地が、112.5mgEP/kg穀粉のAMG Goldcrust(登録商標)を含む生地よりもより高い理論上の甘味を有し、53.6mgEP/kg穀粉のAMG NLを含む生地が、112.5mgEP/kg穀粉のAMG Goldcrust(登録商標)を含む生地よりも多くのグルコースを生成することを計算することができる。
実施例11.AMG anPAV498(部分的糖代替品)の投入量応答
パンを表32によるレシピを用いて、ストレートプロセスで焼成した。成分をスパイラルミキサー内で、それぞれ35rpmで17にて3+7分間混合して生地にした。生地を450gの部分に分け、丸めて、シート状に伸ばし、ベーキング型に置いた。生地を詰めた焼き型を、32℃及び86%の相対湿度で55分間発酵させた。発酵させた生地を、デッキオーブン内で230℃にて25分間焼成した。
生地特性が訓練されたパン職人によって評価され、パンの体積がVolscan profiler(Stable microsystems,Godalming,UK)を使用して決定した。評価からの結果を表34に見ることができ、全ての生地は同様な生地特性を有し、同様な体積のパンを製造した。
70%のEtOH中の0.1Mのリン酸塩緩衝液pH8.0を使用して、パンのクラムから糖を抽出させた。パンのクラム(180mg)を抽出緩衝液(1.8ml)に添加し、混合しながら70℃で20分間インキュベートした。パンのクラムを、遠心分離機内で12,000rpmにて5分間遠心分離し、500μlの上清を採取し、20mMのリン酸塩緩衝液pH8.0+内部標準としての10mg/Lのセロビオースを使用して200倍に希釈した。抽出された糖(グルコース、フルクトース、マルトース及びマルトトリオース)を、CarboPac PA1カラムを用いてICS-5000 HPLCシステムで定量化した。理論上の甘味を、グルコース、フルクトース及びマルトースのレベルに基づいて理論上の甘味を計算し、甘味強度因子を用いて計算した。表35における甘味因子は、Portmann MO,Birch G.J Sci Food Agric 69(3):275-81,1995における判定に基づいていた。
糖の量(g/kgパンクラム)及び理論上の甘味を、表36に見ることができる。これらの糖レベルに基づいて、24.1mgEP/kg穀粉のAMG anPAV498を含む生地が112.5mgEP/kg穀粉のGoldcrust(登録商標)を含む生地よりも高い理論上の甘味を生成し、27.1mgEP/kg穀粉のAMG anPAV498を含む生地が112.5mgEP/kg穀粉のGoldcrust(登録商標)を含む生地よりも多くのグルコースを生成することを計算することができる。
実施例12.Goldcrust(登録商標)のAMG NL及びAMG anPAV498(部分的糖代替品)に対する甘味の官能比較
パンを、表37によるレシピを用いてストレート(straight dough)プロセスで焼成した。成分をスパイラルミキサー内で、それぞれ35rpmで17にて3+8分間混合して生地にした。生地を350gの部分に分け、丸めて、シート状に伸ばし、ベーキング型に置いた。生地を詰めた焼き型を35℃及び85%の相対湿度で85分及び115分間発酵させた。発酵させた生地を、デッキオーブン内で230℃にて25分間焼成した。
70%のEtOH中の0.1Mのリン酸塩緩衝液pH8.0を使用して、パンのクラムから糖を抽出させた。パンのクラム(180mg)を抽出緩衝液(1.8ml)に添加し、混合しながら70℃で20分間インキュベートした。パンのクラムを、遠心分離機内で12,000rpmにて5分間遠心分離し、500μlの上清を採取し、20mMのリン酸塩緩衝液pH8.0+内部標準としての10mg/Lのセロビオースを使用して200倍に希釈した。抽出された糖(グルコース、フルクトース、マルトース及びマルトトリオース)を、CarboPac PA1カラムを用いてICS-5000 HPLCシステムで定量化した。理論上の甘味を、グルコース、フルクトース及びマルトースのレベルに基づいて理論上の甘味を計算し、甘味強度因子を用いて計算した。表40における甘味因子は、Portmann MO,Birch G.J Sci Food Agric 69(3):275-81,1995における判定に基づいていた。
糖の量(mg/gパンクラム)及びその理論上の甘味を表41表316に見ることができる。AMG Goldcrust(登録商標)はより多くのグルコースを生成し、一方、マルトースのレベルはAMG NL及びAMG anPAV498でより高い。しかしながら、52.2mgEP/kg穀粉でのAMG NLの計算された甘味及び23.6mgEP/kg穀粉でのAMG anPAV498の計算された甘味は、124.3mgEP/kg穀粉の非常に高い投入量でのGoldcrust(登録商標)のものと実際には同様である(表32)。
官能評価法
各官能試験員に各パンのタイプの二切れが提供された(1日目)。サンプルは盲検で3桁のコードで、且つ無作為の順番で提供された。7人の試験員が評価に参加した。パンクラムの甘い味の強度を、ほとんどなしから非常に強いまでの範囲の1~9点の強度スケールで評価した。
甘味はサンプル間で有意な差はなく、他の有意差はサンプル間で認められなかった。
実施例13.官能評価、完全糖代替品
トーストパン(パンドブレッド、オープントップ)-生地へのスクロースの添加なし
官能評価法
各試験員に各パンタイプの二切れが供給された(1日目)。サンプルは盲検で3桁のコードで、且つ無作為の順番で提供された。しっとり感及び柔らかさは手で評価され、甘さはパンクラムを試食することによって評価された。官能特性を、ほとんどなしから非常に強いまでの範囲の1~9点の強度スケールで評価した。4人の訓練された試験員が評価に参加した。2つの官能が反復して実施された。
結果:
生地は同じ粘り及び柔らかさを有していた。AMG-NLは、より伸長性且つ弾力性がない生地を提供した(表45)。
表45に示されるデータは、溶液Cが最もしっとりとして柔らかいパンを提供するが、甘い味については有意差がなかったことを実証している。他の差は、サンプル間では認められなかった。パンの比体積では、有意差はなかった(表46)。
70%のEtOH中の0.1Mのリン酸塩緩衝液pH8.0を使用して、パンのクラムから糖を抽出させた。パンのクラム(180mg)を抽出緩衝液(1.8ml)に添加し、混合しながら70℃で20分間インキュベートした。パンのクラムを、遠心分離機内で12,000rpmにて5分間遠心分離し、500μlの上清を採取し、20mMのリン酸塩緩衝液pH8.0+内部標準としての10mg/Lのセロビオースを使用して200倍に希釈した。抽出された糖(グルコース、フルクトース、マルトース及びマルトトリオース)を、CarboPac PA1カラムを用いてICS-5000 HPLCシステムで定量化した。
パンのグルコースレベルは、AよりもB及びCでわずかに高く(表48)、これは対照のAと比較して、B及びCでの改善された甘味を意味する。マルトースはAよりもB及びCで高かった。
実施例14.USスポンジ及び生地レシピにおけるAMGの新鮮さ効果
パンを表49によるレシピを用いて、加糖中種(sponge and dough)プロセスで焼成した。パンは、全てのパンを同じ体積にさせるために蓋つきの焼き型で焼成した。スポンジの成分をピンミキサー内で、それぞれ50rpm及び150rpmで2+1分間混合して生地にした。スポンジを27℃及び75%rHで発酵させた。スポンジをピンミキサー内に生地の残りの成分と一緒に置いて、それぞれ50rpm及び150rpmで1+3分間混合して生地にした。
生地を400グラムの部分に分け、丸めて、シート状に伸ばし、蓋を備えたベーキング焼き型内においた。生地を詰めた焼き型を43℃及び80%の相対湿度で60分間発酵させた。発酵させた生地を回転式オーブン内で215℃にて20分間焼成した。
パンをベーキング後2時間、密閉したプラスチックバッグ内に詰めて分析まで室温で保管した。パンのテクスチャーをテクスチャーアナライザー(TA-XT plus,Stable microsystems,Godalmine,UK)で評価した。パンのクラムテクスチャー特性を、焼成品の硬さ(「硬度」と同じで、「柔らかさ」と反対語である)及び弾力性によって特徴付けた。硬さ及び弾力性を測定するための標準的方法は、焼成品の力-変形に基づいている。焼成品の力-変形は、40mmの直径の円筒状プローブを用いて実施され得る。円筒状プローブ上の力が、1mm/秒の変形速度で25mmの厚さのパンスライスを40%の歪みまで押し下げたときに記録される。次いで、力が記録されている間、プローブはこの位置で30秒間保持され、次いでプローブはその元の位置に戻る。
硬さ(グラム単位)は、プローブを25%の歪み(25mmの厚さのパンクラムスライスへの6.25mmの圧縮に相当する)まで圧縮させるのに必要な力として定義される。
弾力性(%単位)は、40%の歪み(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=40秒での力に相当する)での30秒の圧縮後に記録される力を、プローブをクラム中に10mmプレスするのに必要な力(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=10秒での力に相当する)で割ったものに100を掛けたものとして定義される。テクスチャー評価からの結果を、それぞれ表46及び47に見ることができる。
対照のパンは硬さを増加させ(表51)、貯蔵時間の経過にわたって弾力性を喪失し(表52)、これはパンの劣化として知られる。
驚くべきことに、この研究で試験した全ての3つのAMGは、貯蔵時間の経過にわたる硬さの増加が少ないこととして見られる抗劣化効果を有していた-表46。AMGはまた、より高いレベルで貯蔵の14日後に開始する弾力性に対するプラスの効果も有しており、AMGのパンは対照よりも高い弾力性を有した-表47。
実施例15.ケーキ用途における熱安定性AMGの使用
マフィンをバッグに表示されたレシピを用いて、市販のケーキミックス(Tegral Satin Creame Cake Neutral SG,Puratos,UK)を使用して焼成した。
表54.9個のマフィン処理品を異なる酵素添加で調製した:
1.ブランク
2.JPO124 100 mgEP/kgケーキミックス
3.JPO124 900 mgEP/kgケーキミックス
4.JPO172 100 mgEP/kgケーキミックス
5.JPO172 900 mgEP/kgケーキミックス
6.OC50 1250 MANU/kgケーキミックス(6.25mgEP/kgケーキミックス)
7.OC50 2500 MANU/kgケーキミックス(12.5mgEP/kgケーキミックス)
8.OC50 3750 MANU/kgケーキミックス(18.75mgEP/kgケーキミックス)
9.OC50 5000 MANU/kgケーキミックス(25mgEP/kgケーキミックス)
表55.マフィン作製プロセス:
1.表48による卵、油及び水を混合用ボウルに添加した。
2.表49による個々の処理品を各生地に添加した。
3.ケーキミックスを混合用ボウルに添加し、スピード1でハンドミキサーを用いて1分間混合してケーキバターにした。
4.ケーキバターを、パイピングバッグを用いてマフィン焼き型内に置いた(各焼き型に対して50gのバター)。
5.マフィンを200℃の上部ヒート及び180℃の底部ヒートを備えたデッキ式オーブン内で、オーブンの底でトレーを逆さまにした状態で28分間焼成した。
6.マフィンを1時間冷却し、改変された雰囲気の密閉プラスチックバッグ内に置き、分析まで室温で保管した。
マフィンのテクスチャー特性を、テクスチャープロファイル分析(TPA)を実施するテクスチャーアナライザーを使用して分析した。マフィンの分析では、マフィンの上部をマフィン焼き型と同じ高さで切断し、3cmのマフィンを残した。マフィンをテクスチャーアナライザー上に置き、25mmの直径の円筒状プローブを2回、7mmの深さまで押し下げ、2回の圧縮の間に、1mm/秒の一定の上下運動の速度で5秒間行った。力(グラム)を、時間(秒)及び距離(mm)の関数として記録した。
・ 最初の圧縮のピーク力は、マフィンの硬度(グラム)に相当する。
・ 最初の圧縮の力-距離曲線下面積で割った二番目の圧縮の力-距離曲線下面積は一貫性に相当し、%で表された。
・ 最初の下方向移動の力-距離曲線下面積で割った最初の上方向移動の力-距離曲線下面積は回復力に相当し、%で表された。
以下の表56は、マフィンでJPO172及びJPO124を使用する利点を例示する。JPO124及びJPO172で処理されたマフィンは、驚くほどの改善された(より高い)回復力及び一貫性を有し;ケーキの新鮮さを改善するための他の既知の解決策よりも更に高い回復力及び一貫性を有する。
実施例16.AMG Goldcrust(登録商標)、AMG NL、AMG AnPAV498、JP172及びNovamyl 3D(登録商標)の新鮮さの官能比較
パンを、表57によるレシピを用いてストレート(straight dough)プロセスで焼成した。成分をスパイラルミキサー内で、それぞれ35rpmで17にて3+6分間混合して生地にした。生地を450gの部分に分け、丸めて、シート状にし、ベーキング焼き型内に置いた。生地を詰めた焼き型を32℃及び86%の相対湿度で55分間発酵させた。発酵させた生地を、デッキオーブン内で230℃にて35分間焼成した。
官能評価法
官能評価を1日目及び8日目に実施した。評価前に訓練期間を設け、関連する特性及び手順を特定した(表59)。テクスチャーを手で評価した。4~5人の訓練された試験管が評価に参加した。各試験官には、各パンタイプのクラストを含まない二切れが提供された。サンプルは盲検で3桁のコードで、且つ無作為の順番で提供された。官能特性の強度を、ほとんどないから非常に強いまでの範囲の1~9点の強度スケールで評価した。2つの官能が反復して、各評価日に実施された。
官能結果
JPO172及びAMG AnPAV498は、1日目の評価された全ての新鮮さ特性、並びに8日目のしっとり感、柔らかさ、及び折り畳み性で最高点をとった。AMG Goldcrust(登録商標)は、対照と差はなかった。
実施例17.最初の24時間のAMGの新鮮さ効果
パンを、表62によるレシピを用いて、ストレート生地ミニベーキング(straight dough mini baking)プロセスで焼成した。パンは、全てのパンを同じ体積にさせるために蓋つきの焼き型で焼成した。成分をスパイラルミキサー内で90rpmにて4分間混合して生地にした。生地を20gの部分に分け、丸くして、ベーキング焼き型内においた。生地を詰めた焼き型を、コンベアベルト上で36℃及び80%の相対湿度にて55分間発酵させた。発酵させた生地を、ミニトンネルオーブン内で210℃にて12分間焼成した。
表63.10個の生地処理品を、異なる酵素添加で調製した。
1.対照(ブランク)
2.Datem 0.5%
3.JPO172 50 mgEP/kg穀粉
4.Opticake 50 BG 200 MANU/kg
5.JPO124 50 mgEP/kg穀粉
6.Novmayl 3D 440 MANU/kg穀粉
7.SSL 0.5%
8.蒸留モノグリセリド 0.5%
9.Novamyl 10 000 BG 750 MANU/kg
10.Lipopan Extra 200 LU/kg
生地を焼成し、得られたパンをベーキング後0.5時間、密閉したプラスチックバッグ内に詰めて分析まで室温で保管した。
各パンのテクスチャーを、テクスチャーアナライザー(TA-XT plus、Stable microsystems,Godalmine,UK)で評価した。パンのクラムテクスチャー特性を、焼成品の硬さ(「硬度」と同じで、「柔らかさ」と反対語である)及び弾力性によって特徴付けた。
硬さ及び弾力性を測定するための標準的方法は、焼成品の力-変形に基づいている。焼成品の力-変形は、20mmの直径の球状プローブを用いて実施され得る。プローブ上の力が、1mm/秒の変形速度で25mmの厚さのパンスライスを40%の歪みまで押し下げたときに記録される。次いで、力が記録されている間、プローブはこの位置で30秒間保持され、次いでプローブはその元の位置に戻る。
硬さ(グラム単位)は、プローブを25%の歪み(25mmの厚さのパンクラムスライスへの6.25mmの圧縮に相当する)まで圧縮させるのに必要な力として定義される。
弾力性(%単位)は、40%の歪み(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=40秒での力に相当する)での30秒の圧縮後に記録される力を、プローブをクラム中に10mmプレスするのに必要な力(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=10秒での力に相当する)で割ったものに100を掛けたものとして定義される。
テクスチャー分析からの結果を表64(硬さ)及び表65(弾力性)に見ることができる。
酵素を含まない焼き立てパン(対照)は、低い硬さ及び高い弾力性を有しており、これはパンが保管される間に硬さが経時的に増加し、弾力性が減少したためである。ベーキング用途に使用される伝統的なAMG(例えば、AMG Goldcrust(登録商標))は、硬さ又は弾力性に影響を及ぼさない(実施例7を参照されたい)。
50mgEP/kgで投入された本明細書のAMGのうちの2つ(JPO124及びJPO172)は、硬さの経時的な増加を改善した(低減した)。50mgEP/kgで投入された両方のAMG(JPO124及びJPO172)は、初期弾力性を改善し(増加させ)、経時的な弾力性の喪失を防止した。
実施例18.高投入量でのAMGの新鮮さ効果
パンを、表66によるレシピを用いて、ストレート生地ミニベーキング(straight dough mini baking)プロセスで焼成した。パンは、全てのパンを同じ体積にさせるために蓋つきの焼き型で焼成した。成分をスパイラルミキサー内で90rpmにて4分間混合して生地にした。生地を20gの部分に分け、丸くして、ベーキング焼き型内においた。生地を詰めた焼き型を、コンベアベルト上で36℃及び80%の相対湿度にて55分間発酵させた。発酵させた生地を、ミニトンネルオーブン内で210℃にて12分間焼成した。
表67.10個の処理品を異なる酵素添加で調製した。
1.対照
2.Opticake 50BG 200 MANU/kg
3.JPO124 50 mgEP/kg穀粉
4.JPO124 100 mgEP/kg穀粉
5.JPO124 300 mgEP/kg穀粉
6.JPO124 500 mgEP/kg穀粉
7.JPO172 50 mgEP/kg穀粉
8.JPO172 100 mgEP/kg穀粉
9.JPO172 300 mgEP/kg穀粉
10.JPO172 500mgEP/kg穀粉
生地を焼成し、得られたパンをベーキング後0.5時間、密閉したプラスチックバッグ内に詰めて分析まで室温で保管した。
各パンのテクスチャーを、テクスチャーアナライザー(TA-XT plus、Stable microsystems,Godalmine,UK)で評価した。パンのクラムテクスチャー特性を、焼成品の硬さ(「硬度」と同じで、「柔らかさ」と反対語である)及び弾力性によって特徴付けた。
硬さ及び弾力性を測定するための標準的方法は、焼成品の力-変形に基づいている。焼成品の力-変形は、20mmの直径の球状プローブを用いて実施され得る。プローブ上の力が、1mm/秒の変形速度で25mmの厚さのパンスライスを40%の歪みまで押し下げたときに記録される。次いで、力が記録されている間、プローブはこの位置で30秒間保持され、次いでプローブはその元の位置に戻る。
硬さ(グラム単位)は、プローブを25%の歪み(25mmの厚さのパンクラムスライスへの6.25mmの圧縮に相当する)まで圧縮させるのに必要な力として定義される。
弾力性(%単位)は、40%の歪み(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=40秒での力に相当する)での30秒の圧縮後に記録される力を、プローブをクラム中に10mmプレスするのに必要な力(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=10秒での力に相当する)で割ったものに100を掛けたものとして定義される。
テクスチャー分析からの結果を表68(硬さ)及び表69(弾力性)に見ることができる。
酵素を含まない焼き立てパン(対照)は、低い硬さ及び高い弾力性を有しており、これはパンが保管される間に硬さが経時的に増加し、弾力性が減少したためである。ベーキング用途に使用される伝統的なAMG(例えば、AMG Goldcrust(登録商標))は、硬さ又は弾力性に影響を及ぼさない(実施例7を参照されたい)。
2つの新しいAMG(JPO124及びJPO172)は、初期硬さ及び経時的な硬さの増加を改善した(低減した)。投与量が高くなると、経時的な硬さの増加をより低下させる。両方のAMG(JPO124及びJPO172)は、初期弾力性を改善し(増加させ)、経時的な弾力性の喪失を防止した。AMGの投入量が高くなると、初期弾力性がより高くなり、且つ経時的な弾力性の喪失をより低下させる。
実施例19.Lip182と組み合わせたAMGの新鮮さ効果
パンを、表10によるレシピを用いて、ストレート生地ミニベーキング(straight dough mini baking)プロセスで焼成した。パンは、全てのパンを同じ体積にさせるために蓋つきの焼き型で焼成した。成分をスパイラルミキサー内で90rpmにて4分間混合して生地にした。生地を20gの部分に分け、丸くして、ベーキング焼き型内においた。生地を詰めた焼き型を、コンベアベルト上で36℃及び80%の相対湿度にて55分間発酵させた。発酵させた生地を、ミニトンネルオーブン内で210℃にて12分間焼成した。
生地を焼成し、得られたパンをベーキング後0.5時間、密閉したプラスチックバッグ内に詰めて分析まで室温で保管した。
各パンのテクスチャーを、テクスチャーアナライザー(TA-XT plus、Stable microsystems,Godalmine,UK)で評価した。パンのクラムテクスチャー特性を、焼成品の硬さ(「硬度」と同じで、「柔らかさ」と反対語である)及び弾力性によって特徴付けた。
硬さ及び弾力性を測定するための標準的方法は、焼成品の力-変形に基づいている。焼成品の力-変形は、20mmの直径の球状プローブを用いて実施され得る。プローブ上の力が、1mm/秒の変形速度で25mmの厚さのパンスライスを40%の歪みまで押し下げたときに記録される。次いで、力が記録されている間、プローブはこの位置で30秒間保持され、次いでプローブはその元の位置に戻る。
硬さ(グラム単位)は、プローブを25%の歪み(25mmの厚さのパンクラムスライスへの6.25mmの圧縮に相当する)まで圧縮させるのに必要な力として定義される。
弾力性(%単位)は、40%の歪み(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=40秒での力に相当する)での30秒の圧縮後に記録される力を、プローブをクラム中に10mmプレスするのに必要な力(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=10秒での力に相当する)で割ったものに100を掛けたものとして定義される。
テクスチャー分析からの結果を表72(硬さ)及び表73(弾力性)に見ることができる。
酵素を含まない焼き立てパン(対照)は、低い硬さ及び高い弾力性を有しており、これはパンが保管される間に硬さが経時的に増加し、弾力性が減少したためである。ベーキング用途に使用される伝統的なAMG(例えば、AMG Goldcrust(登録商標))は、硬さ又は弾力性に影響を及ぼさない(実施例7を参照されたい)。
AMG JPO172は、初期硬さ及び経時的な硬さの増加を改善した(低減した)。リパーゼLip182は、対照のパンと比較して単独で硬さに対して効果を有さなかった。Lip182とJPO172との組み合わせは、1日目及び7日目の両日で最低の硬さのパンをもたらした。
AMG JPO172は初期弾力性を改善し(増加させ)、経時的な弾力性の喪失を防止した。リパーゼLip182は対照と同様の弾力性を有しており、JPO172とLip182との組み合わせは、JPO172単独と同様であった。
実施例20.Gluzyme Fortisと組み合わせたAMGの新鮮さ効果
パンを、表74によるレシピを用いて、ストレート生地ミニベーキング(straight dough mini baking)プロセスで焼成した。パンは、全てのパンを同じ体積にさせるために蓋つきの焼き型で焼成した。成分をスパイラルミキサー内で90rpmにて4分間混合して生地にした。生地を20gの部分に分け、丸くして、ベーキング焼き型内においた。生地を詰めた焼き型を、コンベアベルト上で36℃及び80%の相対湿度にて55分間発酵させた。発酵させた生地を、ミニトンネルオーブン内で210℃にて12分間焼成した。
生地を焼成し、得られたパンをベーキング後0.5時間、密閉したプラスチックバッグ内に詰めて分析まで室温で保管した。
各パンのテクスチャーを、テクスチャーアナライザー(TA-XT plus、Stable microsystems,Godalmine,UK)で評価した。パンのクラムテクスチャー特性を、焼成品の硬さ(「硬度」と同じで、「柔らかさ」と反対語である)及び弾力性によって特徴付けた。
硬さ及び弾力性を測定するための標準的方法は、焼成品の力-変形に基づいている。焼成品の力-変形は、20mmの直径の球状プローブを用いて実施され得る。プローブ上の力が、1mm/秒の変形速度で25mmの厚さのパンスライスを40%の歪みまで押し下げたときに記録される。次いで、力が記録されている間、プローブはこの位置で30秒間保持され、次いでプローブはその元の位置に戻る。
硬さ(グラム単位)は、プローブを25%の歪み(25mmの厚さのパンクラムスライスへの6.25mmの圧縮に相当する)まで圧縮させるのに必要な力として定義される。
弾力性(%単位)は、40%の歪み(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=40秒での力に相当する)での30秒の圧縮後に記録される力を、プローブをクラム中に10mmプレスするのに必要な力(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=10秒での力に相当する)で割ったものに100を掛けたものとして定義される。
テクスチャー分析からの結果を表76(硬さ)及び表77(弾力性)に見ることができる。
酵素を含まない焼き立てパン(対照)は、低い硬さ及び高い弾力性を有しており、これはパンが保管される間に硬さが経時的に増加し、弾力性が減少したためである。ベーキング用途に使用される伝統的なAMG(例えば、Goldcrust)は、硬さ又は弾力性に影響を及ぼさない(実施例7)。
AMG JPO172は、初期硬さ及び経時的な硬さの増加を改善した(低減した)。グルコースオキシダーゼ(Gluzyme Fortis)単独は、対照のパンと比較して、硬さをある程度まで低減させた。グルコースオキシダーゼとJPO172との組み合わせは、1日目及び7日目の両日で最低の硬さを有するパンをもたらした。
AMG JPO172は初期弾力性を改善し(増加させ)、経時的な弾力性の喪失を防止した。グルコースオキシダーゼ(Gluzyme Fortis)単独は、対照と同様な弾力性を有しており、JPO172とグルコースオキシダーゼとの組み合わせは、JPO172単独と同様であった。
実施例21.スポンジ及び生地レシピにおけるAMG Goldcrust(登録商標)、AMG NL、AMG AnPAV498及びJPO124の新鮮さ効果の官能比較
表78によるレシピを用いて、パンをスポンジ及び生地プロセスで焼成した。パンは、全てのパンを同じ体積にさせるために蓋つきの焼き型で焼成した。スポンジの成分をピンミキサー内で、それぞれ50rpm及び150rpmで2+1分間混合して生地にした。スポンジを27℃及び75%rHで2時間発酵させた。スポンジをピンミキサー内に生地の残りの成分と一緒に置いて、それぞれ50rpm及び150rpmで1+3分間混合して生地にした。
生地を400グラムの部分に分け、丸めて、シート状に伸ばし、蓋を備えたベーキング焼き型内においた。生地を詰めた焼き型を43℃及び80%の相対湿度で60分間発酵させた。発酵させた生地を回転式オーブン内で215℃にて20分間焼成した。
官能評価法
官能評価を1日目及び7日目に実施した。評価前に訓練期間を設け、関連する特性及び手順を特定した(表80)。テクスチャーを手で評価した。5人の訓練された試験員が評価に参加した。各試験員には、各パンのタイプの二切れが提供された。サンプルは盲検で3桁のコードで、且つ無作為の順番で提供された。官能特性の強度を、ほとんどないから非常に強いまでの範囲の1~9点の強度スケールで評価した。2つの官能が反復して、各評価日に実施された。
官能結果
JPO124は、7日目にしっとり感、柔らかさ及び折り畳み性で最高点をとり、続いて、AMG AnPAV498であった。
実施例22.低pHの混合ライ麦/小麦サワードウブレッドにおけるJPO172の新鮮さ効果
パンを、表83によるレシピを用いてストレート(straight dough)プロセスで焼成した。9つの異なる処理を、表84に従って行った。成分をスパイラルミキサー内で、それぞれ35rpmで17にて6+4分間混合して生地にした。生地を650gの部分に分け、丸めて、シート状に伸ばし、ベーキング型に置いた。最終生地のpHは、4.3のpHであった。パンは、全てのパンを同じ体積にさせるために蓋つきの焼き型で焼成した。生地を詰めた焼き型を、32℃及び85%の相対湿度で60分間発酵させた。発酵させた生地を、デッキオーブン内で225℃にて20分間焼成した。
ベーキング後に、パンを2時間冷却させ、密閉プラスチックバッグ内に置いた。パンを分析まで室温で保管した。
各パンのテクスチャーを、テクスチャーアナライザー(TA-XT plus、Stable microsystems,Godalmine,UK)で評価した。パンのクラムテクスチャー特性を、焼成品の硬さ(「硬度」と同じで、「柔らかさ」と反対語である)及び弾力性によって特徴付けた。硬さ及び弾力性を測定するための標準的方法は、焼成品の力-変形に基づいている。焼成品の力-変形は、40mmの直径の円筒状プローブを用いて実施され得る。円筒状プローブ上の力が、1mm/秒の変形速度で押し下げられたときに記録される。次いで、力が記録されている間、プローブはこの位置で30秒間保持され、次いでプローブはその元の位置に戻る。
硬さ(グラム単位)は、プローブを25%の歪み(25mmの厚さのパンクラムスライスへの6.25mmの圧縮に相当する)まで圧縮させるのに必要な力として定義される。
弾力性(%単位)は、40%の歪み(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=40秒での力に相当する)での30秒の圧縮後に記録される力を、プローブをクラム中に10mmプレスするのに必要な力(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=10秒での力に相当する)で割ったものに100を掛けたものとして定義される。
テクスチャー分析からの結果を、表85(硬さ)及び表86(弾力性)に見出すことができる。
いかなる処理も含まない焼き立てパン(対照)は、低い硬さ及び高い弾力性を有しており、これはパンが保管される間により硬くなり、弾力性を失うためである。JPO172を有するパンは、ベーキング後に硬さが劣り、より高い弾力性を有していた。硬さ及び弾力性の経時的な変化もまた、対照のパンと比較して低減され、JPO172を含むパンを1日目の対照のパンと比較して、7日目に硬さが少なくより弾力性のあるものにする。
実施例23.トルティーヤにおけるJPO172の新鮮さ効果
表87のレシピを使用してトルティーヤを作製し、表88による異なる酵素溶液を添加した。成分をピンミキサー内にそれぞれ低速及び高速で1+6分間混合した。生地を2分間休ませた。生地を30gの部分に分け、ロール型に成形した。トルティーヤを二段階プロセスで焼成し、ここでは生地片を最初に160℃のホットプレスに6秒間通過させ、次にトルティーヤを20秒間焼成し、ひっくり返して更に20秒間焼成した。
トルティーヤをベーキング後30分間冷却させ、密閉プラスチックバッグ内に置き、それを分析まで室温で保管した。
トルティーヤのテクスチャー特性を、トルティーヤ/ペストリーBurst Rig(HDP/TPB)を使用して、テクスチャーアナライザー(Stable Microsystems,Godalming,UK)で評価した。試験手順では、サンプルを2つのプレートの間に保持し、1’’球状プローブにその中心部分を通過させる。試料を伸長させるための力及び距離を測定し、それぞれ「変形抵抗」及び「伸長性」の指標として使用する。
トルティーヤは通常、トルティーヤが様々なタイプの詰め物の周りに巻かれるラップとして使用される。重要なパラメータは、破壊に対する抵抗性を説明する伸長性である。焼き立ての新鮮なトルティーヤは伸長性である。しかしながら、表90に見ることができるようにそれは保管時にこの伸長性を非常に急激に喪失する。JPO172の添加は、28日後に焼き立てのトルティーヤと同様の伸長性を有するトルティーヤをもたらす。
実施例24.ブリオッシュにおけるJPO172の新鮮さ効果
パンを、表91によるレシピを用いてストレート(straight dough)プロセスで焼成した。8つの異なる処理を、表92に従って行った。成分をスパイラルミキサー内で、それぞれ17rpm、35rpmで4+8分間混合して生地にした。生地を420gの部分に分け、丸めて、シート状に伸ばし、ベーキング型に置いた。生地を30℃及び75%のrHで2.5時間発酵させた。パンを175℃で34分間焼成した。
ベーキング後、パンを2時間冷却させ、密閉プラスチックバッグ内に置いた。パンを分析まで室温で保管した。
各パンのテクスチャーを、テクスチャーアナライザー(TA-XT plus,Stable microsystems,Godalmine,UK)で評価した。パンのクラムテクスチャー特性を、焼成品の硬さ(「硬度」と同じで、「柔らかさ」と反対語である)及び弾力性によって特徴付けた。硬さ及び弾力性を測定するための標準的方法は、焼成品の力-変形に基づいている。焼成品の力-変形が、34mmの直径の円筒状プローブで実施され得る。円筒状プローブにかかる力が、1mm/秒の変形速度で25mmの厚さのパンスライスを28%の歪みまで押し下げたときに記録される。次いで、力が記録されている間、プローブはこの位置で30秒間保持され、次いでプローブはその元の位置に戻る。
硬さ(グラム単位)は、プローブを25%の歪み(25mmの厚さのパンクラムスライスへの6.25mmの圧縮に相当する)まで圧縮させるのに必要な力として定義される。
弾力性(%単位)は、28%の歪み(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=40秒での力に相当する)での30秒の圧縮後に記録される力を、プローブをクラム中に10mmプレスするのに必要な力(25mmの厚さのパンスライスに対して、時間=10秒での力に相当する)で割ったものに100を掛けたものとして定義される。
テクスチャー分析からの結果を、表93(硬さ)及び表94(弾力性)に見出すことができる。
いかなる処置も含まない焼き立てパン(対照)は、ベーキング後低い硬さ及び高い弾力性を有するが、パンが保管されるとパンはより硬くなり、弾力性を失う。JPO172を含むパンは、対照と比較して、ベーキング後により硬さが少なく、より高い弾力性を有していた。JPO172を含むパンを保管すると、硬さ及び弾力性はわずかに変化するだけで、1日目の対照と同様の硬さ及び良好な弾力性を有する60日目のJPO172を含むブリオッシュをもたらした。
実施例25.レバニーズダブルレイヤーフラットブレッド(Lebanese double layer flat bread)におけるJPO124及びJPO172
レバニーズダブルレイヤーフラットブレッドを、表95による成分を用いてストレートプロセスで焼成した。7つの異なる処理を、表96に従って行った。成分をスパイラルミキサー内で、35rpmにて2.5分間混合して生地にした。生地を32℃及び82%のrHで40分間発酵させた。生地を2mmの厚さに延ばし、20cmの円形生地片をシートから切り取った。円形生地片を室温で20分間発酵させた。生地を750℃のオーブン内に置き、9秒間焼成した。
フラットブレッドをベーキング後30分間冷却させ、次いで、密閉プラスチックバッグ内に置き、これを分析まで室温で保管した。
レバニーズフラットブレッドのテクスチャー特性を、トルティーヤ/ペストリーBurst Rig(HDP/TPB)を使用して、3日目にテクスチャーアナライザー(Stable Microsystems,Godalming,UK)で評価した。試験手順では、サンプルを2つのプレートの間に保持し、4mmの球状プローブにその中心部分を通過させる。試料を伸長させるための力及び距離を測定し、それぞれ「変形抵抗」及び「伸長性」の指標として使用する。
官能評価を3日目に実施した。評価前に訓練期間を設け、関連する特性及び手順を特定した(表ZZ)。テクスチャーを手で評価した。4~5人の訓練された試験管が評価に参加した。各試験官には、各パンタイプのクラストを含まない二切れが提供された。サンプルは盲検で3桁のコードで、且つ無作為の順番で提供された。官能特性の強度を、ほとんどないから非常に強いまでの範囲の1~9点の強度スケールで評価した。2つの官能が反復して、各評価日に実施された。
官能評価についての結果を表98に見ることができ、テクスチャー評価からの結果を表99に見ることができる。いかなる酵素も添加されていないパン(対照)は、全ての官能パラメータで低い得点であった(2~3)。JPO172及びJPO124を含むフラットブレッドは、全てのパラメータでより高い得点であり、投入量が高くなればなるほどスコアは高くなった。官能評価で検出された改善もまたテクスチャー分析で見られ、ここではJPO124又はJPO172を含むパンは、いかなる酵素も含まないフラットブレッド(対照)と比較して、より高い伸長性を有していた。

Claims (18)

  1. 焼成品若しくは下焼き品を製造する方法であって、
    a)配列番号1、配列番号6、配列番号7又は配列番号8に対して、少なくとも70%同一の親グルコアミラーゼの成熟熱安定性多様体を含む生地を提供することと、
    b)前記生地を焼成又は下焼きして、焼成品若しくは下焼き品を製造することと、を含む、方法。
  2. 前記焼成品若しくは下焼き品があるタイプのパンであって、好ましくは焼きパン、トーストパン、オープンブレッド、バンズ、フィノパン、ハマムパン、サモリパン、バゲッド、ブリオッシュ、ハンバーガーバンズ、ロールパン、ブラウンブレッド、全粒粉パン、リッチブレッド、ブランブレッド、フラットブレッド、トルティーヤ若しくはビスケット、ケーキ又はパティセリーである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記親グルコアミラーゼが、ペニシリウム属(Penicillium)の種に由来し、好ましくはペニシリウム・オキシカルム(Penicillium oxicalum)、ペニシリウム・ミクジンスキイ(Penicillium miczynskii)、ペニシリウム・ルッセリイ(Penicillium russellii)、又はペニシリウム・グラブラム(Penicillium glabrum)に由来する、請求項1~2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記成熟多様体が、配列番号1中の1、2、4、6、7、11、31、34、65、79、103、132、327、445、447、481、566、568、594及び595位に相当する位置のうちの少なくとも1つ以上又は全てにおいて、少なくとも1つのアミノ酸修飾を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1つのアミノ酸修飾が、配列番号1中の1、2、4、11、65、79及び327位に相当する位置のうちの1つ以上又は全てにおいて置換を含み、好ましくは前記少なくとも1つのアミノ酸修飾が、配列番号1中のR1A、P2N、P4S、P11F、T65A、K79V及びQ327Fに相当する位置のうちの1つ以上又は全てにおいて置換を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つのアミノ酸修飾が、配列番号1中の1、6、7、31、34、79、103、132、445、447、481、566、568、594及び595位に相当する位置のうちの1つ以上又は全てにおいて置換を含み、好ましくは前記少なくとも1つのアミノ酸修飾が、配列番号1中のR1A、G6S、G7T、R31F、K34Y、K79V、S103N、A132P、D445N、V447S、S481P、D566T、T568V、Q594R及びF595Sに相当する位置のうちの1つ以上又は全てにおいて置換を含む、請求項4に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つのアミノ酸修飾が、配列番号1中の1、6、7、31、34、50、79、103、132、445、447、481、484、501、539、566、568、594及び595位に相当する位置のうちの1つ以上又は全てにおいて置換を含み、好ましくは前記少なくとも1つのアミノ酸修飾が、配列番号1中のR1A、G6S、G7T、R31F、K34Y、E50R、K79V、S103N、A132P、D445N、V447S、S481P、T484P、E501A、N539P、D566T、T568V、Q594R及びF595Sに相当する位置のうちの1つ以上又は全てにおいて置換を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記成熟熱安定性多様体が、少なくとも3℃、好ましくは少なくとも4℃、5℃、6℃、7℃又は8℃のその親を超える熱安定性改善(Td)を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記成熟熱安定性多様体が、その親と比較して少なくとも150、好ましくは少なくとも200、より好ましくは少なくとも250、最も好ましくは少なくとも300の91℃における相対活性を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記焼成品若しくは下焼き品が、最終的ベイクオフ後に、低減した初期硬さ及び/若しくは増加した初期弾力性を有し、並びに/又はいかなるグルコアミラーゼも添加されずに作製された対照と比較して、室温まで冷却され、密閉容器中に詰められ、分析まで室温で保管される場合、1、7又は14日後に低減した硬さの増加及び/若しくはより高い弾力性を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記焼成品若しくは下焼き品が、最終的ベイクオフ後に、そのアミノ酸配列が配列番号10で示される前記成熟グルコアミラーゼの二倍量で作製された対照品と少なくとも同じ甘味を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記成熟熱安定性多様体グルコアミラーゼ酵素が、穀粉1kg当たり0.01~1,000mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で、好ましくは穀粉1kg当たり0.01~500mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で、更により好ましくは穀粉1kg当たり0.1~100mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で前記生地中に含まれる、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記生地がまた、アルファ-アミラーゼ、マルトース生成アミラーゼ、生デンプン分解アルファ-アミラーゼ、ベータアミラーゼ、アミノペプチダーゼ、カルボキシぺプチダーゼ、カタラーゼ、セルロース分解酵素、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、グルカン1,4-アルファ-マルトテトラヒドロラーゼ、グルカナーゼ、ガラクタナーゼ、アルファ-ガラクトシダーゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、アルファ-グルコシダーゼ、ベータ-グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、ヘミセルロース分解酵素、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンナーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペプチドグルタミナーゼ、ペルオキシダーゼ、ホスホリパーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ、及びキシラナーゼからなる群から選択される1つ以上の追加の酵素を含み、好ましくは前記1つ以上の追加の酵素が、穀粉1kg当たり01~1,000mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で、好ましくは穀粉1kg当たり0.01~500mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で、更により好ましくは穀粉1kg当たり0.1~100mgの酵素タンパク質(mgEP)の量で含まれる、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 請求項1~9のいずれか一項で定義されたような親グルコアミラーゼの成熟熱安定性多様体を含む、ベーキング組成物。
  15. アルファ-アミラーゼ、マルトース生成アミラーゼ、ベータアミラーゼ、アミノペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルロース分解酵素、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、グルカン1,4-アルファ-マルトテトラヒドロラーゼ、グルカナーゼ、ガラクタナーゼ、アルファ-ガラクトシダーゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、アルファ-グルコシダーゼ、ベータ-グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、ヘミセルロース分解酵素、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンナーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペプチドグルタミナーゼ、ペルオキシダーゼ、ホスホリパーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ、及びキシラナーゼからなる群から選択される1つ以上の追加の酵素も含む、請求項14に記載のべーキング組成物。
  16. 穀粉、糖、酵母、塩及び/又は脂肪も含む、請求項14又は15に記載のベーキング組成物。
  17. 焼成品若しくは下焼き品の製造方法において糖代替品のための、焼成品若しくは下焼き品の甘味を増大させるための、焼成品若しくは下焼き品の製造方法において生地中の糖の量を低減させるための、及び/又は焼成品若しくは下焼き品の製造方法において焼成品若しくは下焼き品の貯蔵寿命を延ばすための、請求項14~16のいずれか一項で定義されたベーキング組成物の使用。
  18. 請求項14~16のいずれか一項に定義されるようなベーキング組成物の、請求項1~13のいずれか一項に定義されるような方法における使用であって、それによって、前記焼成品若しくは下焼き品が、最終的ベイクオフ後に低減された初期硬さ及び/若しくは増加した初期弾力性を有し、並びに/又はいかなるグルコアミラーゼも添加されずに作製された対照と比較して、室温まで冷却され、密閉容器に詰められ、分析まで室温で保管された場合、1、7又は14日後に低減された硬さの増加及び/若しくはより高い弾力性を有する、使用。
JP2023526061A 2020-11-02 2021-11-02 ペニシリウム属(penicillum)からの熱安定性amg多様体を有する焼成品及び下焼き品 Pending JP2023547460A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DKPA202001238 2020-11-02
DKPA202001238 2020-11-02
DKPA202100367 2021-04-12
DKPA202100367 2021-04-12
PCT/EP2021/080317 WO2022090562A1 (en) 2020-11-02 2021-11-02 Baked and par-baked products with thermostable amg variants from penicillium

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023547460A true JP2023547460A (ja) 2023-11-10

Family

ID=81383641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023526061A Pending JP2023547460A (ja) 2020-11-02 2021-11-02 ペニシリウム属(penicillum)からの熱安定性amg多様体を有する焼成品及び下焼き品

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP4236693A1 (ja)
JP (1) JP2023547460A (ja)
AU (1) AU2021372822A1 (ja)
CA (1) CA3199313A1 (ja)
MX (1) MX2023004789A (ja)
WO (1) WO2022090562A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024046594A1 (en) 2022-09-01 2024-03-07 Novozymes A/S Baking with thermostable amg glucosidase variants (ec 3.2.1.3) and low or no added emulsifier
WO2024046595A1 (en) * 2022-09-01 2024-03-07 Novozymes A/S Baking with thermostable amyloglucosidase (amg) variants (ec 3.2.1.3) and low added sugar
WO2024088549A1 (en) 2022-10-24 2024-05-02 Novozymes A/S Baking method with thermostable amg variant and alpha-amylase
WO2024088550A1 (en) * 2022-10-24 2024-05-02 Novozymes A/S Baking method for pulse protein fortified bread employing thermostable amyloglucosidase variante (ec 3.2.1.3)

Family Cites Families (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1590432A (en) 1976-07-07 1981-06-03 Novo Industri As Process for the production of an enzyme granulate and the enzyme granuate thus produced
DK263584D0 (da) 1984-05-29 1984-05-29 Novo Industri As Enzymholdige granulater anvendt som detergentadditiver
DE3909096A1 (de) 1989-03-20 1990-09-27 Garabed Antranikian Alpha-amylase
CN1189558C (zh) 1993-10-08 2005-02-16 诺沃奇梅兹有限公司 淀粉酶变体
CN1326994C (zh) 1994-03-29 2007-07-18 诺沃奇梅兹有限公司 碱性芽孢杆菌淀粉酶
CN100419076C (zh) 1995-02-03 2008-09-17 诺沃奇梅兹有限公司 设计具有预定特性的α-淀粉酶突变体的方法
AR000862A1 (es) 1995-02-03 1997-08-06 Novozymes As Variantes de una ó-amilasa madre, un metodo para producir la misma, una estructura de adn y un vector de expresion, una celula transformada por dichaestructura de adn y vector, un aditivo para detergente, composicion detergente, una composicion para lavado de ropa y una composicion para la eliminacion del
DK0869167T4 (da) 1996-12-09 2010-03-08 Novozymes As Reduktion af phosphor-indeholdende bestanddele i spiseolier; som omfatter en stor mængde ikke-hydrerbart phosphor, ved anvendelse af en phospholipase, en phospholipase fra en trådsvamp, der har en phospholipase A og/eller B aktivitet
ATE490312T1 (de) 1998-02-27 2010-12-15 Novozymes As Maltogene alpha-amylase varianten
BR9909280A (pt) 1998-04-01 2000-11-21 Danisco Exoamilases não maltogênicas e sua utilização no retardo de retrogradação de amido
NZ511340A (en) 1998-11-27 2003-07-25 Novozymes As Lipolytic enzyme variants
CN1390252A (zh) 1999-11-10 2003-01-08 诺维信公司 Fungamyl样α-淀粉酶变体
DE10239947A1 (de) 2002-08-30 2004-03-11 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Tetrahydrofuran-Copolymeren
DK1654355T3 (da) 2003-06-13 2010-08-09 Danisco Pseudomonas polypeptidvarianter med ikke-maltogen exoamylaseaktivitet og deres anvendelse til fremstilling af fødevarer
EP1648996B1 (en) 2003-06-25 2012-03-14 Novozymes A/S Enzymes for starch processing
US7306935B2 (en) 2003-06-25 2007-12-11 Novozymes North America, Inc Polypeptides having alpha-amylase activity and polypeptides encoding same
CN102796717A (zh) 2003-07-07 2012-11-28 金克克国际有限公司 外切特异性的淀粉酶多肽、编码那些多肽的核酸及其应用
SE0401842D0 (sv) 2004-07-12 2004-07-12 Dizlin Medical Design Ab Infusion and injection solution of levodopa
DK1794291T3 (da) 2004-09-24 2013-03-04 Novozymes As Fremgangsmåde til fremstilling af et dejbaseret produkt
WO2006066579A1 (en) 2004-12-22 2006-06-29 Novozymes A/S Starch process
ES2543131T3 (es) 2004-12-22 2015-08-14 Novozymes North America, Inc. Enzimas para tratamiento de almidón
EP2164958B1 (en) 2007-06-07 2014-08-13 Novozymes A/S Method of preparing a dough-based product
ES2565060T3 (es) * 2010-04-14 2016-03-31 Novozymes A/S Polipéptidos que tienen actividad de glucoamilasa y polinucleótidos que codifican los mismos
ES2935920T3 (es) * 2012-03-30 2023-03-13 Novozymes North America Inc Procesos de elaboración de productos de fermentación
DK2981170T3 (da) 2013-04-05 2020-02-17 Novozymes As Fremgangsmåde til fremstilling af et bagt produkt med alfa-amylase, lipase og phospholipase
US20160007618A1 (en) * 2014-07-08 2016-01-14 Caravan Ingredients Inc. Sugar-producing and texture-improving bakery methods and products formed therefrom
WO2019231944A2 (en) * 2018-05-31 2019-12-05 Novozymes A/S Processes for enhancing yeast growth and productivity
MX2020013319A (es) 2018-06-12 2021-02-22 Novozymes As Menos azúcar añadido en productos horneados.

Also Published As

Publication number Publication date
AU2021372822A1 (en) 2023-06-01
CA3199313A1 (en) 2022-05-05
EP4236693A1 (en) 2023-09-06
MX2023004789A (es) 2023-05-09
WO2022090562A1 (en) 2022-05-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11252968B2 (en) Method of producing a baked product with alpha-amylase, lipase and phospholipase
JP2023547460A (ja) ペニシリウム属(penicillum)からの熱安定性amg多様体を有する焼成品及び下焼き品
US10548328B2 (en) Antistaling process for flat bread
Collar et al. Significance of microbial transglutaminase on the sensory, mechanical and crumb grain pattern of enzyme supplemented fresh pan breads
US10327449B2 (en) Alpha-amylase variants
CN112351685A (zh) 烘焙产品的减量添加糖
US9808018B2 (en) Alpha-amylase variants
WO2015162087A1 (en) Methods and compositions for preparing a baked product
WO2000027215A1 (en) Methods for using a glucose isomerase in baking
KR20220160562A (ko) 당 첨가 없는 베이킹 제품의 제조 방법
WO2016050905A1 (en) Method for preparing a dough comprising addition of penicillium glucose oxidase
CN116471938A (zh) 具有来自青霉属的热稳定amg变体的烘焙和部分烘焙产品
WO2024046595A1 (en) Baking with thermostable amyloglucosidase (amg) variants (ec 3.2.1.3) and low added sugar
WO2024088549A1 (en) Baking method with thermostable amg variant and alpha-amylase
WO2024046594A1 (en) Baking with thermostable amg glucosidase variants (ec 3.2.1.3) and low or no added emulsifier
JP2023128735A (ja) パン改良剤
US20220240521A1 (en) Method of dough relaxation involving endopeptidases
CA2662369C (en) Enzymatic dough conditioner and flavor improver for bakery products
CN115867141A (zh) 一种酶法减少烘焙产品中油脂使用量的方法
Waters Microbial enzyme technology in baked cereal foods
US20170265483A1 (en) Use of penicillium glucose oxidase in the baking industry for replacing bromate or azodicarbonamide