JP2023546615A - 大腸菌組成物およびその方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;大腸菌(E.coli)リポ多糖に由来する改変O多糖分子およびそのコンジュゲートを含む組成物、ならびにその使用方法に関する。

Description

関連出願との相互参照
本出願は、2021年10月11日に出願された米国仮特許出願第63/254,195号、2021年2月1日に出願された米国仮特許出願第63/144,058号、および2020年10月27日に出願された米国仮特許出願第63/106,077号の利益を主張する。前記出願の各々の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
配列表の参照
本出願は、EFS-Webを介して電子的に出願され、.txt形式の電子的に提出された配列表を含む。.txtファイルは2020年10月26日に作成され、160KBのサイズを有する、「PC72671_ST25.txt」の表題の配列表を含有する。この.txtファイルに含まれる配列表は、本明細書の一部であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本発明は、対象において大腸菌(E.coli)およびクレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)血清型に対する免疫応答を惹起するためのワクチンにおける使用のための新規免疫原性組成物に関する。
大腸菌(Escherichia coli)は、血流感染、尿路感染(カテーテルおよび非カテーテル関連;手術部位感染、肺炎、および重篤な食中毒関連下痢を含む、臨床所見を伴う最も一般的なヒト細菌病原体の1つである。それらは、リポ多糖関連O抗原(180を超える既知の血清型)、莢膜多糖K抗原(100を超える血清型)、および鞭毛H抗原(50を超える血清型)の構造の差異によって血清学的に分類される。
尿路感染(UTI)は、一部の個体においては、消散後も繰り返し再発し得る膀胱炎として現れることが最も多い。未処置のまま放置すると、それらは腎盂腎炎および血流感染に進行し得る。大腸菌(E.coli)感染は、高レベルの抗生物質耐性と関連し[Al-Hasan MNら、The Journal of antimicrobial chemotherapy 2009;64:169~74]、多くの株が、カルバペネムおよびポリミキシンなどの最後の手段の抗生物質を含む複数の抗生物質に対して耐性である[Zowawi HMら、Nature reviews Urology 2015;12:570~84]。特に、O25b血清型多遺伝子座配列型(MLST)131が、主に市中発生感染を引き起こし、基質特異性拡張型セファロスポリン(ESBL)およびフルオロキノロンに対して高率の耐性を示す、世界規模のパンデミッククローンとして出現した[Rogers BAら、The Journal of antimicrobial chemotherapy 2011;66:1~14;Nicolas-Chanoine M-Hら、Clinical Microbiology Reviews 2014;27:543~74]。大腸菌(E.coli)のBSIおよびUTI感染株は、侵襲性腸管外病原性大腸菌(E.coli)(ExPEC)または尿路病原性大腸菌(E.coli)(UPEC)としても知られる。
大腸菌(E.coli)に次いで、クレブシエラ種(Klebsiella spp.)(クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)およびクレブシエラ・オキシトカ(K.oxytoca)は、UTI、肺炎、腹部内感染、および血流感染(BSI)を含む侵襲性感染と関連する次の最も一般的なグラム陰性病原体である[Nicolas-Chanoine M-Hら、Clinical Microbiology Reviews 2014;27:543~74;Podschun Rら、Clin Microbiol Rev 1998;11:589~603;Yinnon AMら、QJM:monthly journal of the Association of Physicians 1996;89:933~41;Anderson DJら、PLoS One 2014;9:e91713]。クレブシエラ(Klebsiella)は、水平伝播性のESBLおよびカルバペネム耐性付与遺伝子を介して抗生物質耐性を獲得する高い能力を維持する[Chen Lら、Trends Microbiol 2014;22:686~96;Iredell Jら、Bmj 2016;352:h6420]。したがって、この10年間に、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)を産生するESBL耐性クレブシエラ(Klebsiella)の有病率は、世界レベルで劇的に増大してきた。クレブシエラ種(Klebsiella spp.)は、最大で8つの異なるO型および80を超えるK型を発現することができる。ビルレントなクレブシエラ(Klebsiella)株と関連する多数のK抗原が存在するが、試料採取部位(血液、尿、唾液)、感染状態(侵襲性対非侵襲性)または獲得の性質(市中対院内)に関係なく、わずか4つのO抗原血清型が、80%以上のクレブシエラ(Klebsiella)臨床単離物を占める[Follador Rら、Microbial Genomics 2016;2:e000073]。
脆弱な新生児集団および高齢者における侵襲性多剤耐性(MDE)大腸菌(E.coli)およびクレブシエラ(Klebsiella)感染の割合の増加は、あまり有効ではなくなっている標準治療である抗生物質の代替手段としてのワクチンに基づく手法の必要性を強調する。
これらの必要性およびその他の必要性を満たすために、本発明は、対象において大腸菌(E.coli)およびクレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)血清型に対する免疫応答を惹起するためのワクチンにおける使用のための新規免疫原性組成物を生産するための組成物およびその使用方法に関する。
本明細書に提供される方法の一部の実施形態では、対象は、哺乳動物、好ましくは、ヒトである。一部の特定の実施形態では、ヒトは、小児、例えば、幼児である。一部の他の特定の実施形態では、ヒトは、女性、特に、妊娠女性である。
アジュバントを投与して、またはアジュバントを投与せずに、組成物を対象に投与することができる。対象に投与される有効量は、対象において大腸菌(E.coli)またはクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)抗原に対する免疫応答を惹起するのに十分な量である。処置のために選択することができる対象としては、大腸菌(E.coli)またはクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)への曝露または曝露の可能性のため、大腸菌(E.coli)またはクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)感染を発症するリスクがあるものが挙げられる。ヒトは2歳までに大腸菌(E.coli)またはクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に感染し得るため、出生コホート全体が免疫化のための適切な母集団として含まれる。これは、例えば、出生から6カ月齢まで、6カ月齢から5歳までのいつでも、抗体の受動的移行により、まだ子宮内にいる幼児を保護するために妊娠女性(または妊娠可能年齢の女性)において、および50歳を超える対象において免疫化レジメンを開始することによって行うことができる。
一態様では、本発明は、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号27、配列番号110、配列番号111、配列番号112、および配列番号113、またはそのいずれかの組合せからなる群から選択される配列を有するアミノ酸を含むFimHポリペプチドを含む組成物に関する。一部の実施形態では、組成物は、表1中の式、好ましくは、式O1A、式O1B、式O2、式O6、および式O25B(ここで、nは、1~100の整数、好ましくは、31~100である)を有する任意の糖から選択される糖をさらに含む。
一態様では、本発明は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号28、および配列番号29、またはその任意の組合せに対する少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む組成物に関する。
別の態様では、本発明は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号28、および配列番号29のいずれか1つに由来する少なくともn個の連続するアミノ酸(ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20以上)である)を有するポリペプチドを含む組成物に関する。一部の実施形態では、組成物は、表1中の式のいずれか1つ、好ましくは、式O1A、式O1B、式O2、式O6、および式O25B(ここで、nは、1~100の整数、好ましくは、31~100である)から選択される糖をさらに含む。
図1A~Hは、大腸菌(E.coli)に由来する例示的なポリペプチドまたはその断片のアミノ酸配列;および例示的なwzzB配列のアミノ酸配列を含む、アミノ酸配列を描写する。 図2A~Tは、例示的な発現ベクターのマップを描写する。 図3は、発現および精製の結果を描写する。 図4は、発現および精製の結果を描写する。 図5は、発現の結果を描写する。 図6A~Cは、収量を含めて、pSB02083およびpSB02158 SECプールおよび親和性を描写する。 図7は、pSB2198 FimH dscG Lock変異体構築物の発現の結果を描写する。 図8は、pSB2307 FimH dscG野生型の発現の結果を描写する。 図9A~Cは、バックボーン中に4個以下の残基を含む、ポリメラーゼ依存的経路により合成されるO抗原の構造を描写する。 図10Aは、バックボーン中に5個または6個の残基を含む、ポリメラーゼ依存的経路によって合成されるO抗原の構造を描写する;図10Bは、ABCトランスポーター依存的経路によって合成されると考えられるO抗原を描写する。 図11は、FimHタンパク質を安定化して、マンノース結合を順応させ得る脂肪族疎水性側鎖を有する他のアミノ酸、例えば、Ile、LeuおよびValでのPhe1のコンピュータによる突然変異誘発スキャニングを描写する。 図12A~12Bは、プラスミド:pUCレプリコンプラスミド、細胞あたり500~700コピー、鎖長調節因子(図12A);およびP15aレプリコンプラスミド、細胞あたり10~12コピー、O抗原オペロン(図12B)を描写する。 図13A~13Bは、異種wzzBおよびfepE鎖長調節因子のプラスミドに基づく発現による、血清型O25aおよびO25b株におけるO抗原鎖長のモジュレーションを描写する。wzzBノックアウト株O25K5H1(O25a)およびGAR2401(O25b)のプラスミド形質転換体中でのLPS発現の遺伝的相補が示される。図13Aの左側に、O25a O25K5HΔwzzBのプラスミド形質転換体のLPSプロファイルを示す;右側には、O25b GAR 2401ΔwzzB形質転換体の同様のプロファイルを示す。O25特異的血清(Statens Serum Institut)を用いて探査した複製ゲルのイムノブロットを、図13Bに示す。レーン1~7と関連するO25aΔwxxB(ノックアウト)バックグラウンド;レーン8~15と関連するO25b 2401ΔwzzB(ノックアウト)バックグラウンド。 図14は、宿主O25K5H1ΔwzzB中での大腸菌(E.coli)およびサルモネラ菌(Salmonella)fepEプラスミドによりもたらされた長鎖O抗原発現を描写する。 図15は、サルモネラ菌(Salmonella)fepE発現は、様々な臨床単離物中で長鎖O抗原LPSを生成することを描写する。 図16A~16Bは、O25b O抗原ノックアウト宿主株中でのO25b長鎖O抗原LPSのプラスミド媒介性アラビノース誘導性発現を描写する。SPS PAGEからの結果を図16Aに示し、O25イムノブロットからの結果を図16Bに示し、その際、図16Aと図16Bの両方において、レーン1は、クローン1、アラビノースなしに由来する;レーン2は、クローン1、0.2%アラビノースに由来する;レーン3は、クローン9、アラビノースなしに由来する;レーン4は、クローン9、0.2%アラビノースに由来する;レーン5は、O55大腸菌(E.coli)LPS標準に由来する;およびレーン6は、O111大腸菌(E.coli)LPS標準に由来する。 図17は、共通の宿主株中での長鎖O抗原LPSのプラスミド媒介性アラビノース誘導性発現を示す。 図18は、探索的生体プロセス株中でのO25 O抗原LPSの発現を描写する。 図19A~19Bは、GAR2831および’2401ΔwzzB/fepE株から精製された短鎖(図19A、株1、O25b wt2831)および長鎖O25b O抗原(図19B、株2、O25b 2401ΔwzzB/LT2 FepE)のSECプロファイルおよび特性を描写する。 図20A~20Bは、ウサギにおけるワクチン接種スケジュールを描写する:(図20A)ウサギ試験1 VAC-2017-PRL-EC-0723のワクチン接種スケジュールに関する情報;(図20B)ウサギ試験2 VAC-2018-PRL-EC-077のワクチン接種スケジュール。 図21A~21Cは、O25b糖コンジュゲートIgG応答を描写する。-●-は、出血前の結果を表す;-■-出血1(第6週);-▲-出血2(第8週);-◆-出血3(第12週)。図21Aは、ウサギ1-3の結果を描写する(中活性化);図21Bは、ウサギ2-3の結果を描写する(低活性化);図21Cは、ウサギ3-1の結果を描写する(高活性化)。 図22A~22Fは、O25b長鎖O抗原糖コンジュゲート、すなわち、低活性化O25b-CRM197コンジュゲート(図22D~Fにおいて、-●-は、ウサギ2-1に由来する出血前の結果を表し、-■-は、ウサギ2-1に由来する第12週の抗血清の結果を表す)と、非コンジュゲート化多糖、すなわち、遊離O25b多糖(図22A~Cにおいて、-●-は、ウサギA-1に由来する出血前の結果を表し、-■-は、ウサギA-1に由来する第6週の抗血清の結果を表し、-▲-は、ウサギA-1に由来する第8週の抗血清の結果を表す)とに対するIgG応答を描写する。MFIは対数尺度でプロットされ、1000未満のMFI範囲で免疫前抗体と免疫抗体との差異を強調することに留意されたい。図22Aは、ウサギA-1の結果を描写する(非コンジュゲート化ポリ);図22Bは、ウサギA-3の結果を描写する(非コンジュゲート化ポリ);図22Cは、ウサギA-4の結果を描写する(非コンジュゲート化ポリ);図22Dは、ウサギ2-1の結果を描写する(低活性化);図22Eは、ウサギ2-2の結果を描写する(低活性化);および図22Fは、ウサギ2-3の結果を描写する(低活性化)。 図23A~23Cは、O25b抗血清を用いて検出された、天然のO25b O抗原と長鎖O25b O抗原の表面発現を描写する。図23Aは、-●-がO25b 2831対PD3抗血清の結果を描写し、-■-がO25b 2831 wt対出血前の結果を表し、-▲-がO25b 2831/fepE対PD3抗血清の結果を表し、-▼-がO25b 2831/fepE対出血前の結果を表す、結果を描写する。図23Bは、-●-がO25b 2401対PD3抗血清の結果を描写し、-■-がO25b 2401対出血前の結果を表し、-▲-がO25b 2401/fepE対PD3抗血清の結果を表し、-▼-がO25b 2401/fepE対出血前の結果を表す、結果を描写する。図23Cは、-●-が大腸菌(E.coli)K12対PD3抗血清の結果を表し、-■-が大腸菌(E.coli)K12対出血前の結果を表す、結果を描写する。 図24は、5つの公知のケモタイプの外側コアオリゴ糖の炭水化物骨格の一般化された構造を描写する。全てのグリコースは、別途指摘しない限り、α-アノマー配置にある。生成物がそれぞれの結合の形成を触媒する遺伝子を、破線の矢印で示す。星印は、O抗原の結合が生じるコアオリゴ糖の残基を示す。 図25は、非コンジュゲート化遊離O25b多糖が免疫原性ではないことを描写し(dLIA)、-●-は4-1に由来する第18週(1週=PD4)の抗血清の結果を表す;-■-は、4-2に由来する第18週(1週=PD4)の抗血清の結果を表す;-▲-は、5-1に由来する第18週(1週=PD4)の抗血清の結果を表す;-▼-は、5-2に由来する第18週(1週=PD4)の抗血清の結果を表す;-*-は、6-1に由来する第18週(1週=PD4)の抗血清の結果を表す;-^-は、6-2に由来する第18週(1週=PD4)の抗血清の結果を表す。 図26A~26C-は、BRCウサギO25b RACコンジュゲート免疫血清OPA力価の特異性を示すグラフを描写する。図26Aは、免疫前血清-●-および免疫後血清第13週-■-のウサギ2-3のOPA力価を示す。図26Bは、免疫前血清-●-および免疫後血清第19週-■-のウサギ1-2のOPA力価を示す。図26Cは、ウサギ1-2の第19週のOPA力価特異性を示し、ここで、ウサギ1-2の免疫血清のOPA活性は、100μg/mLの精製非コンジュゲート化O25b長鎖O抗原多糖と共に予備インキュベートすることによって遮断される。-■-は、ウサギ1-2の免疫血清第19週の結果を表し、-▼-は、ウサギ1-2の第19週のw/R1長鎖OAgの結果を表す。 図27Aは、例示的な投与スケジュールのイラストを示す。図27Bおよび図27Cは、非コンジュゲート化O25b長鎖O抗原多糖(図27B、O25b遊離ポリ(2μg))および誘導されたO25b RAC/DMSO長鎖O抗原糖コンジュゲート(図27C、O25b-CRM197 RAC長鎖(2μg))により惹起されたO抗原O25b IgGレベルを描写するグラフを示し、この際、-...-(点線)は、ナイーブなCD1 O25bIgGレベルを表す。 図28A~28Bは、用量2後(図28A)および用量3後(図28B)の、RAC、eTEC O25b長鎖糖コンジュゲート、および単一末端糖コンジュゲートのOPA免疫原性を描写するグラフを描写し、その際、-○-は、単一末端の短い2μgの結果を表し、-●-は単一末端の長い2μgの結果を表し、-▲-は、RAC/DMSOの長い2μgの結果を表し、-▼-は、eTECの長い2μgの結果を表し、*はバックグラウンド対照(n=20)を表す。†応答率は、ワクチン接種していないベースラインの2倍を超える力価を有するマウスの%である。 図29は、eTEC化学のOPA免疫原性および改変されたレベルの多糖活性化を示すグラフを描写する。†応答率は、ワクチン接種していないベースラインの2倍を超える力価を有するマウスの%である。 図30A~30Bは、例示的な投与スケジュールのイラストを示し(図30A);O25b単離物による致死性チャレンジに由来する大腸菌(E.coli)eTECコンジュゲートの用量で免疫されたマウスの保護を描写するグラフを示し(図30B)、この際、-◇-は、eTEC長鎖の17%の活性化を表し、-△-は、eTEC長鎖の10%の活性化を表し、-▽-は、eTEC長鎖の4%の活性化を表し、-□-は、O25b多糖を表し、-○-はワクチン接種していない対照を表す。 図31は、単一末端コンジュゲートの例示的調製を示す略図を描写し、コンジュゲーションプロセスは、チオール官能基の脱マスキング時の、ジスルフィドアミンリンカーによる2-ケト-3-デオキシオクタン酸(KDO)の選択的活性化を含む。次いで、KDOを、図31に描写されるようにブロモ活性化CRM197タンパク質にコンジュゲートする(単一末端コンジュゲートの調製)。 図32A~32Bは、CRM197への大腸菌(E.coli)糖コンジュゲートの調製において使用される活性化(図32A)およびコンジュゲーション(図32B)プロセスに関する例示的なプロセスフローダイアグラムを描写する。 図33は、大腸菌(E.coli)およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)ポリマンナンO抗原の反復単位(RU)の構造を描写する。凡例:三量体大腸菌(E.coli)O8およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O5は同一であり、四量体大腸菌(E.coli)O9A/クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O3aおよび五量体大腸菌(E.coli)O9/クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O3も同様である。生合成酵素配列のレベルでのクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O3サブタイプの差異は、Guachalla LMら(Scientific Reports 2017;7:6635)に記載されている。 図34A~34Bは、大腸菌(E.coli)血清型O8免疫血清が侵襲性クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O5株に対して殺菌性であることを描写する。凡例:大腸菌(E.coli)血清型O8 O抗原 CRM197コンジュゲートにより惹起されたウサギ免疫血清を、大腸菌(E.coli)O8株(図34A)およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O5株(図34B)を用いる殺菌アッセイにおいて評価した。大腸菌(E.coli)O8株に対する強力なオプソニン貪食作用アッセイ(OPA)活性が、2回のワクチン用量(15週)後に観察されたが、これは、非コンジュゲート化O8多糖(O8-OAg)での、またはマッチさせた免疫前血清(週0)での予備吸着後には存在しなかった。同じウサギ免疫血清は、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O5株に対して抗原特異的血清殺菌活性(SBA)を示した。BRC-幼若ウサギ補体、hC - IgG/IgMは、ヒト血清を補体源として枯渇させた。 図35A~35Bは、大腸菌(E.coli)血清型O9 O抗原免疫血清が侵襲性クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O3単離物に対して殺菌性であることを描写する。凡例:大腸菌(E.coli)血清型O9a O抗原CRM197コンジュゲートにより惹起されたウサギ免疫血清を、大腸菌(E.coli)O9a株(図35A)およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O3b株(図35B)を用いるオプソニン貪食作用アッセイ(OPA)において評価した。大腸菌(E.coli)O9株に対するOPA活性が、2回のワクチン用量(15週)後に観察されたが、これは、非コンジュゲート化O9多糖(O9-OAg)での、またはマッチさせた免疫前血清(週0)での予備吸着後には存在しなかった。同じウサギ免疫血清は、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O3b株に対して強力な抗原特異的血清殺菌活性(SBA)も示した。BRC-幼若ウサギ補体、hC - IgG/IgMは、ヒト血清を補体源として枯渇させた。 図36A~36Bは、大腸菌(E.coli)FimHLD抗原が中和抗体を惹起するために強力なアジュバントを必要とすることを描写する。図36Aは、試験VAC-2019-PRL-EC-1369の投薬スケジュールを描写する:1群あたり12~20匹のCD-1マウスに、3μgまたは30μg用量の大腸菌(E.coli)FimHLD抗原を、20μgのQS21/PS80または50μgのAlPOアジュバントと共に、またはアジュバントなしでワクチン接種した。図36Bは、それぞれ、閉じた記号または開いた記号として示される、野生型FimHLDまたはFimHLD lock変異体抗原をワクチン接種した個々のマウスの用量3後の力価を描写する。対数変換された中和力価データのt検定(対応のないWelchの補正)に由来するp値が示される。 図37A~37Bは、FimH-DSGバリアントがFimHLD構築物よりも免疫原性が高いことを示す。図37Aは、試験VAC-2019-PRL-EC-1438の投薬スケジュールを描写する:1群あたり20匹のCD-1マウスに、10μgまたは30μgの大腸菌(E.coli)FimHLDまたはFimH-DSG抗原バリアントを、20μgのQS21/PS80と共にワクチン接種した。図37Bは、それぞれ、閉じた記号または開いた記号として示される、野生型FimHLDまたはFimHLD lock変異体抗原をワクチン接種した個々のマウスの用量3後の力価を描写する。対数変換された中和力価データのt検定(対応のないWelchの補正)に由来するp値が示される。 図38は、FimH-DSGおよびO抗原組合せおよびアジュバント製剤試験(試験VAC-2020-PRL-EC-1679)に関するスケジュールおよび投薬を描写する。 図39A~39Bは、FimH中和に対する、アジュバントおよびFimH-DSGおよび4価O抗原組合せの影響を証明する試験VAC-2020-PRL-EC-1679を描写する。PD2(図39A)およびPD3(図39B)の時点での酵母マンナンアッセイ結合中和力価。閉じた記号は、O抗原またはFimH-DSG抗原のみをワクチン接種したマウスを反映する;開いた記号は、x軸上で標識された、FimH-DSG O抗原組合せをワクチン接種した群のマウスである。 図40A~40Bは、マウス血清プールを用いた膀胱アッセイの結果が個々のマウス血清に関する酵母マンナンアッセイデータを補強することを描写する。プールされたマウス血清(n=10)からの膀胱細胞結合阻害曲線。詳細は、図39A~39Bの凡例と同じである。不変アッセイ参照標準として、ウサギ抗FimH陽性対照血清滴定も示される。 図41は、O抗原特異的血清IgGレベルに対する、アジュバントおよびFimH-DSGの影響を描写する。閉じた記号および開いた記号は、それぞれ、PD2およびPD3の時点での値を表す。1群あたり10匹の予めワクチン接種したCD-1マウスをプールして、それぞれの抗原に関するベースラインIgGレベルを決定した。それぞれの予めワクチン接種したプールのGMTは、標準曲線バイアス分析から決定された、定量下限(0.15μg/mL、点線)未満であった。応答動物率は、ベースラインに対して力価における5倍を超える増加を示す、1群あたりのマウスのパーセンテージとして示される。群間の抗体力価の差異を、Welchの補正を用いる対応のないt検定によって分析した。**P<0.05。 図42は、O抗原特異的血清OPA力価に対する、アジュバントおよびFimH-DSGの影響を描写する。詳細は、図41と同じである。点線は、マウス予備ワクチン接種血清プールからのベースライン力価(1/2xLODまたは50、n=10)を反映する。閉じた記号および開いた記号は、それぞれ、PD2およびPD3の時点での値を表す。
配列識別子
配列番号1は、野生型1型フィムブリエD-マンノース特異的アドヘシン[大腸菌(E.coli)FimH J96]のアミノ酸配列を記載する。
配列番号2は、配列番号1のaa残基22~300(成熟FimHタンパク質)に対応するFimHの断片のアミノ酸配列を記載する。
配列番号3は、FimHレクチンドメインのアミノ酸配列を記載する。
配列番号4は、FimHピリンドメインのアミノ酸配列を記載する。
配列番号5は、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドのアミノ酸配列(pSB02198 - FimH mIgK signal pept / F22..Q300 J96 FimH N28S V48C L55C N91S N249Q / 7 AA linker / FimG A1..K14 / GGHis8 in pcDNA3.1(+))を記載する。
配列番号6は、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドのアミノ酸配列(pSB02307 - FimH mIgK signal pept / F22..Q300 J96 FimH N28S N91S N249Q / His8 in pcDNA3.1(+))を記載する。
配列番号7は、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドの断片(pSB02083 FimHレクチンドメイン野生型構築物)のアミノ酸配列を記載する。
配列番号8は、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドの断片(pSB02158 FimHレクチンドメインLock変異体)のアミノ酸配列を記載する。
配列番号9は、大腸菌(E.coli)FimGに由来するポリペプチドの断片(FimG A1..K14)のアミノ酸配列を記載する。
配列番号10は、大腸菌(E.coli)FimCに由来するポリペプチドの断片のアミノ酸配列を記載する。
配列番号11は、4aaリンカーのアミノ酸配列を記載する。
配列番号12は、5aaリンカーのアミノ酸配列を記載する。
配列番号13は、6aaリンカーのアミノ酸配列を記載する。
配列番号14は、7aaリンカーのアミノ酸配列を記載する。
配列番号15は、8aaリンカーのアミノ酸配列を記載する。
配列番号16は、9aaリンカーのアミノ酸配列を記載する。
配列番号17は、10aaリンカーのアミノ酸配列を記載する。
配列番号18は、FimH J96シグナル配列のアミノ酸配列を記載する。
配列番号19は、配列番号5のシグナルペプチドのアミノ酸配列(pcDNA3.1(+)中のpSB02198 - FimH mIgK signal pept / F22..Q300 J96 FimH N28S V48C L55C N91S N249Q / 7 AA linker / FimG A1..K14 / GGHis8)を記載する。
配列番号20は、配列番号5による大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドのアミノ酸配列(pcDNA3.1(+)中のpSB02198の成熟タンパク質 - FimH mIgK signal pept / F22..Q300 J96 FimH N28S V48C L55C N91S N249Q / 7 AA linker / FimG A1..K14 / GGHis8)を記載する。
配列番号21は、大腸菌(E.coli)FimGに由来するポリペプチドのアミノ酸配列を記載する。
配列番号22は、配列番号6のシグナルペプチドのアミノ酸配列(pcDNA3.1(+)中のpSB02307 - FimH mIgK signal pept / F22..Q300 J96 FimH N28S N91S N249Q / His8)を記載する。
配列番号23は、配列番号6による大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドのアミノ酸配列(pcDNA3.1(+)中のFimH mIgK signal pept / F22..Q300 J96 FimH N28S N91S N249Q / His8の成熟タンパク質)を記載する。
配列番号24は、配列番号7による大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドのアミノ酸配列(pSB02083 FimHレクチンドメイン野生型構築物の成熟タンパク質)を記載する。
配列番号25は、Hisタグのアミノ酸配列を記載する。
配列番号26は、配列番号8による大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドのアミノ酸配列(pSB02158 FimHレクチンドメインLock変異体の成熟タンパク質)を記載する。
配列番号27は、大腸菌(E.coli)FimH(pSB01878)に由来するポリペプチドのアミノ酸配列を記載する。
配列番号28は、大腸菌(E.coli)FimH(K12)に由来するポリペプチドのアミノ酸配列を記載する。
配列番号29は、大腸菌(E.coli)FimH(UTI89)に由来するポリペプチドのアミノ酸配列を記載する。
配列番号30は、O25b 2401 WzzBアミノ酸配列を記載する。
配列番号31は、O25a:K5:H1 WzzBアミノ酸配列を記載する。
配列番号32は、O25a ETEC ATCC WzzBアミノ酸配列を記載する。
配列番号33は、K12 W3110 WzzBアミノ酸配列を記載する。
配列番号34は、サルモネラLT2 WzzBアミノ酸配列を記載する。
配列番号35は、O25b 2401 FepEアミノ酸配列を記載する。
配列番号36は、O25a:K5:H1 FepEアミノ酸配列を記載する。
配列番号37は、O25a ETEC ATCC FepEアミノ酸配列を記載する。
配列番号38は、O157 FepEアミノ酸配列を記載する。
配列番号39は、サルモネラLT2 FepEアミノ酸配列を記載する。
配列番号40は、LT2wzzB_Sのプライマー配列を記載する。
配列番号41は、LT2wzzB_ASのプライマー配列を記載する。
配列番号42は、O25bFepE_Sのプライマー配列を記載する。
配列番号43は、O25bFepE_Aのプライマー配列を記載する。
配列番号44は、wzzB P1_Sのプライマー配列を記載する。
配列番号45は、wzzB P2_ASのプライマー配列を記載する。
配列番号46は、wzzB P3_Sのプライマー配列を記載する。
配列番号47は、wzzB P4_ASのプライマー配列を記載する。
配列番号48は、O157 FepE_Sのプライマー配列を記載する。
配列番号49は、O157 FepE_ASのプライマー配列を記載する。
配列番号50は、pBAD33_adaptor_Sのプライマー配列を記載する。
配列番号51は、pBAD33_adaptor_ASのプライマー配列を記載する。
配列番号52は、JUMPSTART_rのプライマー配列を記載する。
配列番号53は、gnd_fのプライマー配列を記載する。
配列番号54は、マウスIgKシグナル配列のアミノ酸配列を記載する。
配列番号55は、ヒトIgG受容体FcRn 大サブユニットp51シグナルペプチドのアミノ酸配列を記載する。
配列番号56は、ヒトIL10タンパク質シグナルペプチドのアミノ酸配列を記載する。
配列番号57は、ヒト呼吸器合胞体ウイルスA(A2株)融合糖タンパク質F0シグナルペプチドのアミノ酸配列を記載する。
配列番号58は、インフルエンザA血球凝集素シグナルペプチドのアミノ酸配列を記載する。
配列番号59~101は、ナノ構造関連ポリペプチドまたはその断片のアミノ酸および核酸配列を記載する。
配列番号102~109は、シグナルペプチド予測のために使用される様々な種からのシグナルP 4.1(DTU Bioinformatics)配列を記載する。
配列番号110は、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドのアミノ酸配列(pSB02083 - FimHLD(mIgK signal pept、N28S、N91S))を記載する。
配列番号111は、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドのアミノ酸配列(pSB02158 - FimHLD-LM(mIgK signal pept、N28S N91S V48C L55C))を記載する。
配列番号112は、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドのアミノ酸配列(pSB02307 - FimH-DSG(mIgK signal pept、N28S N91S N249Q 7aaリンカーFimG A1..K14))を記載する。
配列番号113は、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドのアミノ酸配列(pSB02198 - FimH-DSG-LM(mIgK signal pept、N28S N91S 249Q V48C L55C 7aaリンカーFimG A1..K14))を記載する。
発明の詳細な説明
本開示は、大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドおよびO抗原糖コンジュゲートを含む組成物、前記組成物を生産および精製するための方法、ならびに前記組成物を使用する方法に関する。
一態様では、本発明は、本明細書に記載のFimHポリペプチドまたはその断片を含む組成物を含む。組成物は、in vivoでの投与にとって好適であるポリペプチドまたはその断片を含んでもよい。例えば、そのような組成物中のポリペプチドまたはその断片は、質量で、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の純度を有してもよい。ある実施形態では、そのような組成物中のポリペプチドは、質量で、少なくとも95%の純度を有してもよい。ある実施形態では、そのような組成物中のポリペプチドは、質量で、少なくとも97%の純度を有してもよい。ある実施形態では、そのような組成物中のポリペプチドは、質量で、少なくとも98%の純度を有してもよい。ある実施形態では、そのような組成物中のポリペプチドは、質量で、少なくとも99%の純度を有してもよい。組成物は、アジュバントをさらに含んでもよい。
さらなる態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)または大腸菌(E.coli)感染に対する免疫応答を誘導するのに使用するための組成物を含む。大腸菌(E.coli)または大腸菌(E.coli)感染に対する免疫応答を誘導するための本明細書に記載の組成物の使用および大腸菌(E.coli)または大腸菌(E.coli)感染に対する免疫応答を誘導するための薬剤の製造における本明細書に記載の組成物の使用も開示される。
本明細書における値の範囲の記載は、その範囲内にあるそれぞれ別々の値を個別的に参照する省略的方法として働くことを単に意図するものである。本明細書で別途指摘しない限り、それぞれ個々の値は、あたかもそれが本明細書において個別的に記載されたかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書で別途指摘しない限り、または文脈によって別途明確に否定されない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書で提供される任意かつ全ての例、または例を表す言語(例えば、「など」)の使用は、単に本開示をより良く例示することを意図するものであり、特許請求の範囲に対して制限を課すものではない。本明細書における言語は、本開示の実施にとって必須の特許請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
いくつかの文献が、本開示の本文を通して引用される。本明細書に引用される文献(全ての特許、特許出願、科学的刊行物、製造業者の明細書、使用説明書などを含む)はそれぞれ、上記であろうと、下記であろうと、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書は、本開示がそのような開示に先行する資格がなかったことの承認と解釈されるべきではない。
定義
本明細書で使用される場合、用語「約」は、およそ、またはほぼを意味し、本明細書に記載の数値または範囲の文脈において、一実施形態では、記載または特許請求される数値または範囲の±20%、±10%、±5%、または±3%を意味する。
本開示を説明する文脈(特に、特許請求の範囲の文脈)で使用される用語「a」および「an」および「the」および同様の参照は、本明細書で別途指摘しない限り、または文脈によって明確に否定されない限り、単数形と複数形との両方を包含すると解釈されるべきである。
アミノ酸配列(ペプチドまたはタンパク質)を参照する「断片」は、アミノ酸配列の一部、すなわち、N末端および/またはC末端で短縮されたアミノ酸配列を表す配列に関する。C末端で短縮された断片(N末端断片)は、例えば、オープンリーディングフレームの3’末端を欠くトランケートされたオープンリーディングフレームの翻訳によって得られる。N末端で短縮された断片(C末端断片)は、例えば、トランケートされたオープンリーディングフレームが翻訳を開始するように働く開始コドンを含む限り、オープンリーディングフレームの5’末端を欠くトランケートされたオープンリーディングフレームの翻訳によって得られる。アミノ酸配列の断片は、例えば、アミノ酸配列に由来するアミノ酸残基の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%を含む。アミノ酸配列の断片は、好ましくは、アミノ酸配列に由来する少なくとも6個、特に、少なくとも8個、少なくとも12個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも50個、または少なくとも100個の連続するアミノ酸を含む。
本明細書で使用される場合、用語「野生型」または「WT」または「天然」とは、対立遺伝子変異を含む、天然に見出されるアミノ酸配列を指す。野生型アミノ酸配列、ペプチドまたはタンパク質は、意図的に改変されていないアミノ酸配列を有する。
本明細書で使用される場合、アミノ酸配列(ペプチド、タンパク質もしくはポリペプチド)の「バリアント」、または「変異体」または「突然変異した」ポリペプチドに対する参照は、アミノ酸挿入バリアント/変異体、アミノ酸付加バリアント/変異体、アミノ酸欠失バリアント/変異体および/またはアミノ酸置換バリアント/変異体を含む。用語「バリアント」または「変異体」は、全ての変異体、スプライスバリアント、翻訳後改変バリアント、コンフォメーション、アイソフォーム、対立遺伝子バリアント、種バリアント、および種ホモログ、特に、天然に存在するものを含む。用語「バリアント」または「変異体」は、特に、アミノ酸配列の断片を含む。
アミノ酸挿入バリアントは、特定のアミノ酸配列における単一の、または2個以上のアミノ酸の挿入を含む。挿入を有するアミノ酸配列バリアントの場合、1つまたは複数のアミノ酸残基がアミノ酸配列中の特定の部位に挿入されるが、得られる生成物の適切なスクリーニングを用いた無作為の挿入も可能である。アミノ酸付加バリアントは、1、2、3、5、10、20、30、50個以上のアミノ酸などの、1つまたは複数のアミノ酸のアミノおよび/またはカルボキシ末端融合物を含む。アミノ酸欠失バリアントは、1、2、3、5、10、20、30、50個以上のアミノ酸の除去などの、配列からの1つまたは複数のアミノ酸の除去を特徴とする。欠失は、タンパク質の任意の位置にあってもよい。タンパク質のN末端および/またはC末端に欠失を含むアミノ酸欠失バリアントは、N末端および/またはC末端トランケーションバリアントとも呼ばれる。アミノ酸置換バリアントは、配列中の少なくとも1個の残基が除去され、別の残基がその場所に挿入されることを特徴とする。好ましくは、改変は、相同タンパク質もしくはペプチド間で保存されていないアミノ酸配列中の位置にある、および/またはアミノ酸を、類似する特性を有する他のアミノ酸で置き換えることである。好ましくは、ペプチドおよびタンパク質バリアント中のアミノ酸変化は、保存的アミノ酸変化、すなわち、同様に荷電した、または非荷電のアミノ酸の置換である。保存的アミノ酸変化は、その側鎖において関連するアミノ酸のファミリーのものの置換を含む。天然に存在するアミノ酸は、一般に、4つのファミリー:酸性(アスパラギン酸、グルタミン酸)、塩基性(リシン、アルギニン、ヒスチジン)、非極性(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、および非荷電極性(グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシン)アミノ酸に分けられる。フェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシンは、芳香族アミノ酸として一緒に分類されることもある。一実施形態では、保存的アミノ酸置換は、以下の群:
グリシン、アラニン;
バリン、イソロイシン、ロイシン;
アスパラギン酸、グルタミン酸;
アスパラギン、グルタミン;
セリン、トレオニン;
リシン、アルギニン;および
フェニルアラニン、チロシン
内の置換を含む。
好ましくは、所与のアミノ酸配列と、前記所与のアミノ酸配列のバリアントであるアミノ酸配列との間の類似性、好ましくは、同一性の程度は、少なくとも約60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%であろう。類似性または同一性の程度は、好ましくは、参照アミノ酸配列の全長の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%または約100%であるアミノ酸領域について与えられる。例えば、参照アミノ酸配列が、200アミノ酸からなる場合、類似性または同一性の程度は、好ましくは、少なくとも約20、少なくとも約40、少なくとも約60、少なくとも約80、少なくとも約100、少なくとも約120、少なくとも約140、少なくとも約160、少なくとも約180、または約200アミノ酸、一部の実施形態では、連続するアミノ酸について与えられる。一部の実施形態では、類似性または同一性の程度は、参照アミノ酸配列の全長について与えられる。配列類似性、好ましくは、配列同一性を決定するためのアラインメントを、当業界で公知の手段を用いて、好ましくは、最良の配列アラインメントを使用して、例えば、Alignを使用して、標準設定、好ましくは、EMBOSS:needle、Matrix:Blosum62、Gap Open 10.0、Gap Extend 0.5を使用して行うことができる。
本明細書で使用される場合、「配列類似性」は、同一であるか、または保存的アミノ酸置換であるアミノ酸のパーセンテージを示す。2つのアミノ酸配列間の「配列同一性」は、配列間で同一であるアミノ酸のパーセンテージを示す。2つの核酸配列間の「配列同一性」は、配列間で同一であるヌクレオチドのパーセンテージを示す。
用語「%同一」、「%同一性」または同様の用語は、特に、比較しようとする配列間の最適なアラインメントにおいて同一であるヌクレオチドまたはアミノ酸のパーセンテージを指すことが意図される。前記パーセンテージは純粋に統計的なものであり、2つの配列間の差異は、比較しようとする配列の全長にわたって必須ではないが、無作為に分布していてもよい。2つの配列の比較は通常、対応する配列の部分領域を同定するために、セグメントまたは「比較ウィンドウ」に関して、最適なアラインメント後に、配列を比較することによって実行される。比較のための最適なアラインメントを、手動で、またはSmithおよびWaterman、1981、Ads App.Math.2、482による部分相同性アルゴリズムを援用して、NeddlemanおよびWunsch、1970、J.Mol.Biol.48、443による部分相同性アルゴリズムを援用して、PearsonおよびLipman、1988、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88、2444による類似性検索アルゴリズムを援用して、もしくは前記アルゴリズムを使用するコンピュータープログラム(Wisconsin Genetics Software PackageにおけるGAP、BESTFIT、FASTA、BLAST P、BLAST NおよびTFASTA、Genetics Computer Group,575 Science Drive、Madison、Wis.)を援用して実行することができる。一部の実施形態では、2つの配列のパーセント同一性は、United States National Center for Biotechnology Information(NCBI)のウェブサイト(例えば、blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi?PAGE_TYPE=BlastSearch&BLAST_SPEC=blast2seq&LINK_LOC=align2seq)上で利用可能な、BLASTNまたはBLASTPアルゴリズムを使用して決定される。一部の実施形態では、NCBIのウェブサイト上でBLASTNアルゴリズムのために使用されるアルゴリズムパラメーターは、(i)10に設定されたExpect Threshold;(ii)28に設定されたWord Size;(iii)0に設定されたクエリー範囲におけるMax match;(iv)1、-2に設定されたMatch/Mismatch Score;(v)Linearに設定されたGap Cost;および(vi)低複雑性領域のためのフィルターの使用を含む。一部の実施形態では、NCBIウェブサイト上でBLASTPアルゴリズムのために使用されるアルゴリズムパラメーターは、(i)10に設定されたExpect Threshold;(ii)3に設定されたWord Size;(iii)0に設定されたクエリー範囲におけるMax match;(iv)BLOSUM62に設定されたMatrix;(v)Existence:11 Extension:1に設定されたGap Cost;および(vi)条件的コンポジショナルスコアマトリックス調整を含む。
パーセンテージ同一性は、比較しようとする配列が一致する同一の位置の数を決定すること、この数を、比較される位置の数(例えば、参照配列中の位置の数)で除算すること、およびこの結果に100を乗算することによって得られる。
一部の実施形態では、類似性または同一性の程度は、参照配列の全長の少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%または約100%である領域について与えられる。例えば、参照核酸配列が200ヌクレオチドからなる場合、同一性の程度は、少なくとも約100、少なくとも約120、少なくとも約140、少なくとも約160、少なくとも約180、または約200ヌクレオチド、一部の実施形態では、連続するヌクレオチドについて与えられる。一部の実施形態では、類似性または同一性の程度は、参照配列の全長について与えられる。
相同アミノ酸配列は、本開示に従って、アミノ酸残基の少なくとも40%、特に、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、好ましくは、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%の同一性を示す。当業者であれば、例えば、組換えDNA操作によって、本明細書に記載のアミノ酸配列バリアント/変異体を容易に調製することができる。置換、付加、挿入または欠失を有するペプチドまたはタンパク質を調製するためのDNA配列の操作は、例えば、Sambrookら(1989)に詳細に記載されている。さらに、本明細書に記載のペプチドおよびアミノ酸バリアントを、例えば、固相合成および類似の方法などによって、公知のペプチド合成技術を援用して容易に調製することができる。
一態様では、アミノ酸配列(ペプチドまたはタンパク質)の断片またはバリアント/変異体は、好ましくは、「機能的断片」または「機能的バリアント」である。アミノ酸配列の用語「機能的断片」または「機能的バリアント/変異体」は、それが由来するアミノ酸配列のものと同一の、または類似する1つまたは複数の機能的特性を示す、すなわち、それが機能的に等価である、任意の断片またはバリアント/変異体に関する。抗原または抗原配列に関して、1つの特定の機能は、断片またはバリアントが由来するアミノ酸配列によって示される1つまたは複数の免疫原性活性である。本明細書で使用される場合、用語「機能的断片」または「機能的バリアント/変異体」は特に、親分子または配列のアミノ酸配列と比較して1つまたは複数のアミノ酸によって変更されており、親分子または配列の1つまたは複数の機能を依然として満たす、例えば、免疫応答を誘導することができるアミノ酸配列を含むバリアント/変異体分子または配列を指す。一態様では、親分子または配列のアミノ酸配列中の改変は、分子または配列の特徴に有意に影響しない、またはそれを変更しない。異なる実施形態では、機能的断片または機能的バリアントの機能は減少してもよいが、依然として有意に存在してもよい、例えば、機能的バリアントの免疫原性は、親分子または配列の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、機能的断片または機能的バリアントの免疫原性を、親分子または配列と比較して増強することができる。
本明細書で使用される場合、「単離された」は、天然状態から変更されている、または除去されていることを意味する。例えば、生きている動物中に天然に存在する核酸またはペプチドは「単離」されていないが、その天然状態の同時に存在する材料から部分的または完全に分離された同じ核酸またはペプチドは「単離」されている。単離された核酸またはタンパク質は、実質的に精製された形態で存在してもよいか、または例えば、宿主細胞などの非天然環境中に存在してもよい。
I.大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドおよびその断片
一態様では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片をコードするポリヌクレオチドを含む哺乳動物細胞を本明細書に開示する。用語「に由来する」は、本明細書で使用される場合、アミノ酸残基の置換、欠失または付加の導入により変更されている、本明細書に記載のとおりのFimHポリペプチドもしくはFimCHポリペプチド複合体またはその断片のアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。好ましくは、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、対応する野生型大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドまたは断片の配列に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、対応する野生型大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドまたは断片の配列に対して少なくとも85%の同一性を有する。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、対応する野生型大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドまたは断片の配列に対して少なくとも90%の同一性を有する。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、対応する野生型大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドまたは断片の配列に対して少なくとも95%の同一性を有する。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、対応する野生型大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドまたは断片の配列に対して少なくとも98%の同一性を有する。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、対応する野生型大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドまたは断片の配列に対して少なくとも99%の同一性を有する。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、対応する野生型FimHポリペプチドまたはFimCHポリペプチド複合体またはその断片と同一のアミノ酸の全長を有する。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドは、対応する野生型FimHポリペプチドまたはFimCHポリペプチド複合体と同一のアミノ酸の全長を有する。
断片は、前記配列から少なくともn個の連続したアミノ酸を含むべきであり、特定の配列に応じて、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20またはそれ以上)である。好ましくは、断片は、配列からのエピトープを含む。一部の実施形態では、断片は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドのアミノ酸配列のうちの少なくとも50個の連続したアミノ酸残基、少なくとも100個の連続したアミノ酸残基、少なくとも125個の連続したアミノ酸残基、少なくとも150個の連続したアミノ酸残基、少なくとも175個の連続したアミノ酸残基、少なくとも200個の連続したアミノ酸残基、または少なくとも250個の連続したアミノ酸残基のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、断片は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドのアミノ酸配列の少なくとも50個の連続したアミノ酸残基のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、断片は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドのアミノ酸配列の少なくとも100個の連続したアミノ酸残基のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、断片は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドのアミノ酸配列の少なくとも150個の連続したアミノ酸残基のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、断片は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドのアミノ酸配列の少なくとも200個の連続したアミノ酸残基のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、断片は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドのアミノ酸配列の少なくとも250個の連続したアミノ酸残基のアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、対応する野生型大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドまたは断片と比較した場合に、1個または複数の非古典的アミノ酸を含む。
本明細書で使用される場合、用語「FimHポリペプチド」とは、アミノ酸置換、欠失もしくは付加の導入によって変更された本明細書に記載の任意のFimHポリペプチドもしくはその断片、完全長野生型大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドの任意のFimHドメイン、完全長野生型大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドのドメインの任意の組合せ、または完全長大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドを指す。例えば、一実施形態では、本開示は、FimHLDポリペプチド、またはFimH-DSGポリペプチドであるFimHポリペプチドを提供する。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、対応する野生型FimHポリペプチドまたはその断片と同様か、または同一の機能を持つ。
好ましい一実施形態では、本発明のポリペプチドもしくはポリペプチド複合体またはその断片を単離するか、または精製する。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片をコードするポリヌクレオチドを哺乳動物細胞のゲノムDNAに組み込むと、好適な状態で培養する場合に、大腸菌(E.coli)に由来する前記ポリペプチドまたはその断片が哺乳動物細胞によって発現される。
好ましい一実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は可溶性である。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、哺乳動物宿主細胞から分泌される。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、N末端またはC末端伸長部などの追加のアミノ酸残基を含んでよい。そのような伸長部は、1つまたは複数のタグを含んでよく、それらは、ポリペプチドまたはその断片の検出(例えば、モノクローナル抗体により検出するためのエピトープタグ)および/または精製(例えば、ニッケルキレート化樹脂での精製を可能にするポリヒスチジンタグ)を促進し得る。一部の実施形態では、タグは、配列番号21および配列番号25のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む。そのようなアフィニティー精製タグは、当業界で公知である。アフィニティー精製タグの例には、例えば、Hisタグ(例えば、金属イオンに結合し得るヘキサヒスチジン)、例えば、アミロースに結合し得るマルトース結合タンパク質(MBP)、例えば、グルタチオンに結合し得るグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、例えば、抗flag抗体に結合し得るFLAGタグ、例えば、ストレプトアビジンまたはその誘導体に結合し得るStrepタグが含まれる。好ましい実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、N末端またはC末端伸長部などの追加のアミノ酸残基を含まない。一部の実施形態では、本明細書に記載の大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、外因性タグ配列を含まない。
大腸菌(E.coli)の具体的な株が本明細書において言及されることがあるが、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、指定がない限り、具体的な株に限定されないことは理解されるべきである。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドまたはその断片は、ポリペプチドのN末端にフェニルアラニン残基を含む。一部の実施形態では、FimHに由来するポリペプチドまたはその断片は、N末端の最初の20残基位置内にフェニルアラニン残基を含む。好ましくは、フェニルアラニン残基は、ポリペプチドの1位に位置する。例えば、一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドまたはその断片は、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドまたはその断片のN末端に、追加のグリシン残基を含まない。
一部の実施形態では、野生型成熟大腸菌(E.coli)FimHの1位のフェニルアラニン残基は、例えば、Ile、LeuおよびVal残基のいずれか1個などの脂肪族疎水性アミノ酸により置き換えられる。
一部の実施形態では、シグナルペプチドを、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片を発現するために使用することができる。タンパク質を生産するためのシグナル配列および発現カセットは当業界で公知である。一般に、リーダーペプチドは、5~30アミノ酸長であり、典型的には、新たに合成されるポリペプチドのN末端に存在する。シグナルペプチドは一般に、単一のアルファ-ヘリックスを形成する傾向を有する疎水性アミノ酸の長いストレッチ部を含む。加えて、多くのシグナルペプチドは、アミノ酸の短い正の電荷を持つストレッチ部で始まり、これは、転座中に、ポリペプチドの適正なトポロジーを強制するために役立ち得る。シグナルペプチドの末端には、典型的に、シグナルペプチダーゼによって認識され、切断される、アミノ酸のストレッチ部が存在する。シグナルペプチダーゼは、転座の間またはその完了後のいずれかに、遊離シグナルペプチドおよび成熟タンパク質を生成するように切断することができる。一部の実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号9、配列番号18、配列番号19、および配列番号22のいずれか1つに対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%,または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号9、配列番号18、配列番号19、および配列番号22のいずれか1つに対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号9、配列番号18、配列番号19、および配列番号22のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、切断可能なリンカーを含み得る。そのようなリンカーは、例えば、リンカーを切断することができる作用物質の添加によって、タグを、精製された複合体から分離することを可能にする。切断可能なリンカーは、当業界で公知である。そのようなリンカーは、例えば、感光性結合の照射または酸により触媒される加水分解によって切断され得る。切断可能なリンカーの別の例には、プロテアーゼ認識部位を含み、かつ好適なプロテアーゼ酵素の添加によって切断され得るポリペプチドリンカーが含まれる。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、対応する野生型大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドまたは断片と比較して改変を含む。改変は、ポリペプチドへの分子の共有結合を含み得る。例えば、そのような改変には、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、公知の保護/遮断基による誘導体化、タンパク質分解切断、細胞リガンドまたは他のタンパク質への連結などが含まれ得る。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、対応する野生型大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドまたは断片と比較して、限定されるものではないが、特異的化学的切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成などを含む、当業者に公知の技法を用いる化学的改変などによる改変を含み得る。別の実施形態では、改変は、ポリペプチドへの脂質分子の共有結合を含み得る。一部の実施形態では、ポリペプチドは、対応する野生型大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドまたはその断片と比較して、ポリペプチドへの分子の共有結合を含まない。
例えば、細胞培養で生産されるタンパク質およびポリペプチドは、オリゴ糖鎖を含む共有結合した炭水化物構造を含む糖タンパク質であってよい。これらのオリゴ糖鎖は、N結合またはO結合のいずれかを介してタンパク質に結合している。オリゴ糖鎖は、糖タンパク質の質量のかなりの部分を占め得る。一般に、N結合オリゴ糖は、Asn-X-Ser/Thrの標的コンセンサス配列(ここで、Xは、プロリンを除く任意のアミノ酸であってよい)内のアスパラギン残基の側鎖上のアミノ基に付加されている。一部の実施形態では、グリコシル化部位は、次のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む:アスパラギン-グリシン-トレオニン(NGT)、アスパラギン-イソロイシン-トレオニン(NIT)、アスパラギン-グリシン-セリン(NGS)、アスパラギン-セリン-トレオニン(NST)、およびアスパラギン-トレオニン-セリン(NTS)。哺乳動物細胞において生産される大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、グリコシル化されていてよい。グリコシル化は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の配列中のN結合グリコシル化シグナルAsn-Xaa-Ser/Thrで生じていてよい。「N結合グリコシル化」は、ポリペプチド鎖中のアスパラギン残基へのGIcNAcを介しての炭水化物部分の結合を指す。N結合炭水化物は、共通のMan 1-6(Man1-3)Manβ1-4GlcNAcβ1-4GlcNAcβ-Rコア構造を含む(ここで、Rは、大腸菌(E.coli)に由来する生産されたポリペプチドまたはその断片のアスパラギン残基を表す)。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片中のグリコシル化部位は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の配列内の突然変異によって除去されている。例えば、一部の実施形態では、グリコシル化モチーフ(Asn-Xaa-Ser/Thr)のAsn残基は、好ましくは置換によって突然変異していてよい。一部の実施形態では、残基の置換は、Ser、Asp、Thr、およびGlnのいずれか1つから選択される。
一部の実施形態では、グリコシル化モチーフのSer残基は、好ましくは置換によって突然変異していてよい。一部の実施形態では、残基の置換は、Asp、Thr、およびGlnのいずれか1つから選択される。
一部の実施形態では、グリコシル化モチーフのThr残基は、好ましくは置換によって突然変異していてよい。一部の実施形態では、残基の置換は、Ser、Asp、およびGlnのいずれか1つから選択される。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片中のグリコシル化部位(Asn-Xaa-Ser/Thrなど)は、除去または改変されていない。一部の実施形態では、グリコシル化を減少させる、または阻害する化合物を細胞培養培地に添加してよい。このような実施形態では、ポリペプチドまたはタンパク質は、少なくとももう1つの非グリコシル化(すなわち、アグリコシル化)部位、すなわち、結合している炭水化物部分を含まない、まったく占有されていないグリカン部位を含むか、またはグリコシル化阻害化合物の非存在下である点以外は同一の条件下の細胞により産生される、それ以外は同一のポリペプチドまたはタンパク質よりも、同じ潜在的なグリコシル化部位において少なくとも1つ少ない炭水化物部分を含む。そのような化合物は当業界で公知であり、それには、限定されるものではないが、ツニカマイシン、ツニカマイシンホモログ、ストレプトビルジン(streptovirudin)、マイコスポシジン(mycospocidin)、アンホマイシン(amphomycin)、ツシマイシン(tsushimycin)、抗生物質24010、抗生物質MM19290、バシトラシン、コリネトキシン、ショウドマイシン、ジュイマイシン(duimycin)、1-デオキシマンノノジリマイシン(deoxymannonojirimycin)、デオキシノジリマイシン(deoxynojirimycin)、N-メチル-1-デオキシマンノジリマイシン(dexoymannojirimycin)、ブレフェルジンA、グルコースおよびマンノースアナログ、2-デオキシ-D-グルコース、2-デオキシグルコース、D-(+)-マンノース、D-(+)ガラクトース、2-デオキシ-2-フルオロ-D-グルコース、1,4-ジデオキシ-1,4-イミノ-D-マンニトール(DIM)、フルオログルコース、フルオロマンノース、UDP-2-デオキシグルコース、GDP-2-デオキシグルコース、ヒドロキシメチルグルタリル-CoAリダクターゼ阻害剤、25-ヒドロキシコレステロール、ヒドロキシコレステロール、スワインソニン、シクロヘキシミド、ピューロマイシン、アクチノマイシンD、モネンシン、m-クロロカルボニル-シアニドフェニルヒドラゾン(CCCP)、コンパクチン、ドリシル-ホスホリル-デオキシグルコース(dolichyl-phosphoryl^-deoxyglucose)、N-アセチル-D-グルコサミン、ヒゴキサンチン(hygoxanthine)、チミジン、コレステロール、グルコサミン、マンノサミン、カスタノスペルミン、グルタミン、ブロモコンデュリトール(bromoconduritol)、コンデュリトールエポキシド(conduritol
epoxide)およびコンデュリトール誘導体、グリコシルメチル-p-ニトロフェニルトリアゼン、β-ヒドロキシノルバリン、スレオ-β-フルオロアスパラギン、D-(+)-グルコン酸δ-ラクトン、リン酸ジ(2-エチルヘキシル)、リン酸トリブチル、リン酸ドデシル、(ジフェニルメチル)-リン酸の2-ジメチルアミノエチルエステル、[2-(ジフェニルホスフィニルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムヨージド、ヨードアセテート、2-デオキシ-D-グルコース、およびフルオロアセテートが含まれ得る。当業者は、過度の実験を伴わずに、本発明の方法および組成物に従って使用することができるグリコシル化阻害物質を容易に認識するか、または決定することができるであろう。そのような実施形態では、ポリペプチドまたはその断片のグリコシル化は、ポリペプチドまたはその断片にアミノ酸突然変異を導入せずに制御することができる。
一部の実施形態では、哺乳動物細胞によって産生されるポリペプチドまたはその断片のグリコシル化のレベル(例えば、ポリペプチドまたはその断片上で占有されているグリカン部位の数、その部位でのグリコ型のサイズおよび/または複雑性など)は、解糖作用阻害化合物および/または突然変異などを含まない点以外は同一の培地中で、それ以外は同一の条件下で、生産されるポリペプチドまたはその断片のグリコシル化のレベルよりも低い。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の配列は、N結合タンパク質グリコシル化の部位を含まない。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の配列は、N結合タンパク質グリコシル化の少なくとも1つの部位を含まない。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の配列は、N結合タンパク質グリコシル化のいずれの部位も含まない。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の配列は、N結合タンパク質グリコシル化のための部位を含む。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の配列は、N結合タンパク質グリコシル化の多くても1つの部位を含む。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の配列は、N結合タンパク質グリコシル化の多くても2つの部位を含む。
異なる細胞系により、またはトランスジェニック動物において発現される大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、相互に比較して、異なるグリカン部位占有率、グリコ型および/またはグリコシル化パターンを有し得る。一部の実施形態では、本発明は、哺乳動物細胞において産生される大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片のグリコシル化、グリカン占有率またはグリコ型にかかわらず、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片を包含する。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドに由来してよく、その際、ポリペプチドの1位のアミノ酸残基は、メチオニンではなく、フェニルアラニンであり、例えば、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドである。好ましくは、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドは、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドのアミノ酸配列の1位にフェニルアラニンを含む。別の好ましい実施形態では、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列を含み、好ましくは、その際、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドのアミノ酸配列の1位の残基はフェニルアラニンである。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドに由来し得る配列番号4のアミノ酸配列を含み得る。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号110、配列番号111、配列番号112、および配列番号113のいずれか1つに対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号110、配列番号111、配列番号112、および配列番号113のいずれか1つに対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号110、配列番号111、配列番号112、および配列番号113のいずれか1つに対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、例えば、配列番号9のアミノ酸配列を有する、大腸菌(E.coli)FimGポリペプチドに由来し得る。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、例えば、配列番号10のアミノ酸配列を有する、大腸菌(E.coli)FimCポリペプチドに由来し得る。
A.大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドおよびその断片
好ましい一実施形態では、ポリペプチドまたはその断片は、大腸菌(E.coli)FimHに由来する。一部の実施形態では、ポリペプチドまたはその断片は、全長大腸菌(E.coli)FimHを含む。全長FimHは、2つのドメイン:N末端のレクチンドメインおよびC末端ピリンドメインを含み、これらは、短いリンカーによって接続されている。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)FimHの全長は、大腸菌(E.coli)FimHの成熟タンパク質の全長を含む279のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)FimHの全長は、大腸菌(E.coli)FimHの成熟タンパク質の全長と、21のアミノ酸長を有するシグナルペプチド配列とを含む300のアミノ酸を含む。300のアミノ酸長の野生型FimHの一次構造は、大腸菌(E.coli)株全体で高度保存されている。
全長大腸菌(E.coli)FimHの例示的な配列は配列番号1である。全長FimH配列は、レクチンドメインのための配列およびピリンドメインのための配列を含む。FimHのレクチンドメインは、尿路上皮細胞表面上のマンノシル化ウロプラキン1aへの結合を担う炭水化物認識ドメインを含む。ピリンドメインは、後続のFimGサブユニットのドナーストランドを介して線毛のコアに固定され、これは、ドナー鎖相補性と称されるプロセスである。
N末端から始めて、全長FimHのそれぞれのドメインの名称と、括弧内の例示的なアミノ酸配列とは次のとおりである:FimHレクチン(配列番号2)およびFimHピリン(配列番号3)。
大腸菌(E.coli)FimHに由来する他の好適なポリペプチドおよびその断片には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号110、配列番号111、配列番号112および配列番号113のいずれか1つに対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性など、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号110、配列番号111、配列番号112および配列番号113のいずれか1つに対して様々な程度の同一性を有するバリアントが含まれる。他の好適なポリペプチドは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号110、配列番号111、配列番号112および配列番号113のいずれか1つに対して少なくとも95%の同一性を有する。他の好適なポリペプチドは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号110、配列番号111、配列番号112および配列番号113のいずれか1つに対して少なくとも99%の同一性を有する。ある特定の実施形態では、FimHバリアントタンパク質は、(i)FimH-FimCの一部を形成する;(ii)配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号110、配列番号111、配列番号112、および配列番号113から少なくとも1つのエピトープを含む;および/または(iii)in vivoで、大腸菌(E.coli)FimHと免疫学的に交差反応する抗体を惹起し得る。
一部の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号110、配列番号111、配列番号112、および配列番号113のいずれか1つから少なくともn個の連続したアミノ酸を有するポリペプチドを含み、ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20以上)である。好ましくは、断片は、それらの配列からエピトープを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号110、配列番号111、配列番号112、および配列番号113のいずれか1つのアミノ酸配列のうちの少なくとも50個の連続したアミノ酸残基、少なくとも100個の連続したアミノ酸残基、少なくとも125個の連続したアミノ酸残基、少なくとも150個の連続したアミノ酸残基、少なくとも175個の連続したアミノ酸残基、少なくとも200個の連続したアミノ酸残基、または少なくとも250個の連続したアミノ酸残基を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号110、配列番号111、配列番号112および配列番号113のいずれか1つの少なくとも50個の連続したアミノ酸残基を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号110、配列番号111、配列番号112および配列番号113のいずれか1つの少なくとも100個の連続したアミノ酸残基を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号110、配列番号111、配列番号112および配列番号113のいずれか1つの少なくとも200個の連続したアミノ酸残基を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号110、配列番号111、配列番号112および配列番号113のいずれか1つのアミノ酸配列の少なくとも250個の連続したアミノ酸残基を有するポリペプチドを含む。
一部の実施形態では、組成物は、配列番号1に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号1に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号1に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号1に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号1に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号2に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号2に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号2に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号2に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号3に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号3に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号3に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号3に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号4に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号4に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号4に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号4に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号4に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号5に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号5に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号5に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号5に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号5に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号6に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号6に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号6に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号6に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号6に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号20に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号20に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号20に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号20に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号20に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号23に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号23に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号23に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号23に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号23に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号24に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号24に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号24に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号24に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号24に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号26に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号26に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号26に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号26に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号26に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号27に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号27に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号27に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号27に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号27に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号28に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号28に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号28に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号28に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号28に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号29に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号29に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号29に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号29に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号29に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号110に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号110に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号110に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号110に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号110に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号111に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、
78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号111に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号111に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号111に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号111に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号112に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号112に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号112に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号112に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号112に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号113に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号113に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号113に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号113に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号113に記載のポリペプチドを含む。
本明細書に記載の大腸菌(E.coli)FimHに由来する好適なポリペプチドおよびその断片の別の例は、野生型N末端シグナル配列を欠き、かつ配列番号1のアミノ酸残基22~300に対応する配列番号2として示される。FimH断片の別の例は、配列番号1に記載のものなど、N末端シグナル配列全体および成熟タンパク質を含む。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片中のグリコシル化部位は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の配列内の突然変異によって除去されている。例えば、一部の実施形態では、成熟大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドの7位のAsn残基(例えば、配列番号2のナンバリングによる)は、好ましくは置換によって突然変異していてよい。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドのレクチンドメインの7位のAsn残基(例えば、配列番号3のナンバリングによる)は、好ましくは置換によって突然変異していてよい。一部の実施形態では、残基の置換は、Ser、Asp、Thr、およびGlnのいずれか1つから選択される。
一部の実施形態では、成熟大腸菌(E.coli)FimHポリペプチド(例えば、配列番号2のナンバリングによる)の10位のThr残基は、好ましくは置換によって突然変異していてよい。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドのレクチンドメインの7位のThr残基(例えば、配列番号3のナンバリングによる)は、好ましくは置換によって突然変異していてよい。一部の実施形態では、残基の置換は、Ser、Asp、およびGlnのいずれか1つから選択される。
一部の実施形態では、成熟大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドのN235位のAsn残基(例えば、配列番号2のナンバリングによる)は、好ましくは置換によって突然変異していてよい。一部の実施形態では、成熟大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドのN228位のAsn残基(例えば、配列番号2のナンバリングによる)は、好ましくは置換によって突然変異していてよい。一部の実施形態では、残基の置換は、Ser、Asp、Thr、およびGlnのいずれか1つから選択される。
一部の実施形態では、成熟大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドの70位のAsn残基(例えば、配列番号2のナンバリングによる)は、好ましくは置換によって突然変異していてよい。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドのレクチンドメインの70位のAsn残基(例えば、配列番号3のナンバリングによる)は、好ましくは置換によって突然変異していてよい。一部の実施形態では、残基の置換は、Ser、Asp、Thr、およびGlnのいずれか1つから選択される。
一部の実施形態では、成熟大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドの72位のSer残基(例えば、配列番号2のナンバリングによる)は、好ましくは置換によって突然変異していてよい。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドのレクチンドメインの72位のSer残基(例えば、配列番号3のナンバリングによる)は、好ましくは置換によって突然変異していてよい。一部の実施形態では、残基の置換は、Asp、Thr、およびGlnのいずれか1つから選択される。
用語「断片」は、本明細書で使用される場合、ポリペプチドを指し、そのポリペプチドに固有であるか、または特徴的である所与のポリペプチドの任意の別個の部分と定義される。この用語は、本明細書で使用される場合、全長ポリペプチドの活性の少なくとも画分を保持している所与のポリペプチドの任意の別個の部分も指す。ある特定の実施形態では、保持される活性の画分は、全長ポリペプチドの活性の少なくとも10%である。ある特定の実施形態では、保持される活性の画分は、全長ポリペプチドの活性の少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%である。ある特定の実施形態では、保持される活性の画分は、全長ポリペプチドの活性の少なくとも95%、96%、97%、98%または99%である。ある特定の実施形態では、保持される活性の画分は、全長ポリペプチドの活性の100%以上である。一部の実施形態では、断片は、全長ポリペプチドのうちの少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100以上の連続したアミノ酸を含む。
B.FimH、FimC、およびその断片の複合体
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドまたはその断片は、大腸菌(E.coli)FimCに由来するポリペプチドまたはその断片との複合体として存在する。好ましい一実施形態では、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドまたはその断片および大腸菌(E.coli)FimCに由来するポリペプチドまたはその断片は、複合体で、好ましくは、複合体において1:1の比で存在する。理論またはメカニズムによって束縛されるものではないが、全長FimHは、ペリプラズムシャペロンFimCにより活性なコンフォメーションで安定化され得、それによって、全長FimHタンパク質を精製することが可能となる。したがって、一部の実施形態では、ポリペプチドまたはその断片は、全長FimHおよび全長FimCを含む。
一部の実施形態では、ポリペプチドまたはその断片は、FimHの断片およびFimCの断片を含む。一部の実施形態では、ポリペプチドまたはその断片は、全長FimHおよびFimCの断片を含む。大腸菌(E.coli)FimCの例示的な配列は、配列番号10に記載されている。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、FimHの複合体形成断片を含む。
FimHの複合体形成断片は、FimCまたはその断片と共に複合体を形成する能力を保持しているFimHタンパク質の任意の部分またはポーションであり得る。FimHの好適な複合体形成断片は、同時免疫沈降アッセイ、架橋、または蛍光染色による共局在などの当業界で公知の標準的なアッセイによって得る、または決定することもできる。SDS-PAGEまたはウェスタンブロットを使用することもできる(例えば、FimH断片およびFimCまたはその断片が、ゲル電気泳動によって証明されるとおり複合体であることを示すことによって)。ある特定の実施形態では、FimHの複合体形成断片は、(i)FimH-FimC複合体の一部を形成する;(ii)配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号10、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号110、および配列番号111から少なくとも1つのエピトープを含む;および/または(iii)in vivoで大腸菌(E.coli)FimHと免疫学的に交差反応する抗体を惹起し得る。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、FimCと複合体形成しない全長FimHを含む。さらなる実施形態では、ポリペプチドまたはその断片は、FimCと複合体形成しないFimHの断片を含む。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片FimCは、配列番号10を含む。一部の実施形態では、複合体は、同じプラスミドから、好ましくはそれぞれのポリペプチドまたはその断片について別々のプロモーターの制御下で発現され得る。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドまたはその断片は、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドまたはその断片の構造に操作により組み込まれていてよい大腸菌(E.coli)FimCに由来するポリペプチドまたはその断片に結合する。複合体においてFimHに結合しているFimC分子の部分は、「ドナー鎖」と呼ばれ、FimCH複合体においてFimHに結合しているFimCからの鎖を使用する天然FimH構造の形成の機構は、「ドナー鎖相補」として公知である。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドまたはその断片は、FimHの適切なドナー鎖相補バージョンによって発現され得、その際、FimCH複合体においてFimHと相互作用するFimCのアミノ酸配列は、それ自体が、FimHのC末端において操作により作製されて、FimC分子の残りの部分が存在することを必要としない天然コンフォメーションを提供する。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドまたはその断片は、レクチン結合ドメインおよびピリン(piling)ドメインなど、その単離ドメインを含む複合体の形態で発現されてもよく、そのようなドメインは、共有結合または非共有結合で互いに結合していてよい。例えば、一部の実施形態では、結合セグメントは、単一のポリマー構造を含めて、アミノ酸配列または他のオリゴマー構造を含み得る。
本発明の方法および組成物は、大腸菌(E.coli)に由来する前記ポリペプチドまたはその断片が組み合わされた状態で同時発現または形成される本明細書に記載の複合体を含み得る。
C.レクチンドメイン、ピリンドメイン、およびそのバリアント
FimHのレクチンドメインのコンフォメーションおよびリガンド結合特性は、FimHのピリンドメインのアロステリック制御下にあり得る。静的条件下では、全長FimHの2つのドメインの相互作用は、レクチンドメインを、浅い結合ポケットによって特徴付けられるモノマンノースへの低親和性(例えば、K≒300μM)状態で安定化させる。マンノシドリガンドへの結合は、中程度の親和性状態をもたらすコンフォメーション変化を誘導し得、その際、レクチンおよびピリンドメインは緊密に接触したままである。しかしながら、せん断応力で、レクチンおよびピリンドメインは分離し、それによって、高親和性状態(例えば、K<1.2μM)を誘導し得る。
ピリンドメインがもたらす負のアロステリック制御の不在により、FimHの単離されたレクチンドメインは高親和性状態(例えば、K<1.2μM)でロックされる。高親和性状態でロックされている単離された組換えレクチンドメイン。しかしながら、アドヘシンを低親和性コンフォメーション(例えば、K≒300μM)でロックすることで、アドヘシン阻害抗体の産生が誘導される。したがって、レクチンドメインを低親和性状態で安定化することに関心が持たれる。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、大腸菌(E.coli)FimHのレクチンドメインを含む。レクチンドメインの例示的な配列は、配列番号3、配列番号7、配列番号8、配列番号24、配列番号26、配列番号110、および配列番号111のいずれか1つを含む。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)FimHのレクチンドメインはシステイン置換を含む。好ましい一実施形態では、大腸菌(E.coli)FimHのレクチンドメインは、レクチンドメインの最初の50個のアミノ酸残基内にシステイン置換を含む。一部の実施形態では、レクチンドメインは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10のシステイン置換を含み得る。好ましくは、レクチンドメインは2つのシステイン置換を含む。例えば、pSB02158およびpSB02198を参照されたい。
大腸菌(E.coli)FimHに由来する他の好適なポリペプチドおよびその断片は、配列番号3において挙げられた配列に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性など、配列番号3に対して様々な程度の同一性を有するFimHレクチンドメインバリアントを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号3に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号3に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号3に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号3に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、大腸菌(E.coli)FimHのピリンドメインを含む。大腸菌(E.coli)FimHに由来する他の好適なポリペプチドおよびその断片は、配列番号7に挙げられた配列に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性など、配列番号7に対して様々な程度の同一性を有するFimHピリンドメインバリアントを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号7に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号7に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号7に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号7に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号7に記載のポリペプチドを含む。大腸菌(E.coli)FimHに由来する他の好適なポリペプチドおよびその断片は、配列番号8に記載の配列に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性などの、配列番号8に対して様々な程度の同一性を有するFimHレクチンドメインバリアントを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号8に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号8に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号8に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号8に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号8に記載のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、大腸菌(E.coli)FimHのピリンドメインを含む。大腸菌(E.coli)FimHに由来する他の好適なポリペプチドおよびその断片は、配列番号24に挙げられた配列に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性など、配列番号24に対して様々な程度の同一性を有するFimHピリンドメインバリアントを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号24に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号24に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号24に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号24に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号24に記載のポリペプチドを含む。大腸菌(E.coli)FimHに由来する他の好適なポリペプチドおよびその断片は、配列番号26に記載の配列に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性などの、配列番号26に対して様々な程度の同一性を有するFimHレクチンドメインバリアントを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号26に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号26に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号26に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号26に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号26に記載のポリペプチドを含む。大腸菌(E.coli)FimHに由来する他の好適なポリペプチドおよびその断片は、配列番号110に記載の配列に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性などの、配列番号110に対して様々な程度の同一性を有するFimHレクチンドメインバリアントを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号110に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号110に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号110に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号110に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号110に記載のポリペプチドを含む。大腸菌(E.coli)FimHに由来する他の好適なポリペプチドおよびその断片は、配列番号111に記載の配列に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性などの、配列番号111に対して様々な程度の同一性を有するFimHレクチンドメインバリアントを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号111に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号111に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号111に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号111に対して少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号111に記載のポリペプチドを含む。
一部の実施形態では、組成物は、配列番号3、配列番号7、配列番号8、配列番号24、配列番号26、配列番号110、および配列番号111のいずれか1つから少なくともn個の連続したアミノ酸を有するポリペプチドを含み、その際、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20以上)である。好ましくは、断片は、配列からのエピトープを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号3、配列番号7、配列番号8、配列番号24、配列番号26、配列番号110、および配列番号111のいずれか1つのアミノ酸配列のうちの少なくとも50個の連続したアミノ酸残基、少なくとも100個の連続したアミノ酸残基、少なくとも125個の連続したアミノ酸残基、少なくとも150個の連続したアミノ酸残基、少なくとも175個の連続したアミノ酸残基、少なくとも200個の連続したアミノ酸残基、または少なくとも250個の連続したアミノ酸残基を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号3、配列番号7、配列番号8、配列番号24、配列番号26、配列番号110、および配列番号111のいずれか1つの少なくとも50個の連続したアミノ酸残基を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号3、配列番号7、配列番号8、配列番号24、配列番号26、配列番号110、および配列番号111のいずれか1つの少なくとも100個の連続したアミノ酸残基を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号3、配列番号7、配列番号8、配列番号24、配列番号26、配列番号110、および配列番号111のいずれか1つの少なくとも150個の連続したアミノ酸残基を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号3、配列番号7、配列番号8、配列番号24、配列番号26、配列番号110、および配列番号111のいずれか1つのアミノ酸配列の少なくとも250個の連続したアミノ酸残基を有するポリペプチドを含む。
大腸菌(E.coli)FimHまたはそのホモログもしくはバリアントのレクチンドメインの位置および長さは、その配列と配列番号3、配列番号7、配列番号8、配列番号24、配列番号26、配列番号110、および配列番号111のいずれか1つとのペアワイズアラインメントに基づき、例えば、FimHのアミノ酸配列を配列番号1とアラインさせ、かつ配列番号1の残基22~179とアラインする配列を同定することによって予測することができる。
D.野生型N末端シグナル配列
一部の実施形態では、全長FimHのN末端野生型シグナル配列は宿主細胞において切断されて、成熟FimHポリペプチドが生じる。したがって、宿主細胞により発現されるFimHは、N末端シグナル配列を含有しなくてよい。好ましい実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、野生型N末端シグナル配列のためのコード配列を含有しないヌクレオチド配列によってコードされ得る。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、FimHのFimH-FimC複合体形成断片、N末端シグナル配列(配列番号1の残基1~21など)、またはその組合せを含む。FimHの複合体形成断片は、FimCと共に複合体を形成する能力を保持しているFimHタンパク質の任意の一部または部分であってよい。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、シグナル配列、レクチンドメイン、およびピリンドメインを含み得る、全長FimHポリペプチドのN末端および/またはC末端の1から21個の間のアミノ酸残基を欠いていてよい(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21個のアミノ酸残基、または1~21個の残基、1~20個の残基、1~15個の残基、1~10個の残基、2~20個の残基、2~15個の残基、2~10個の残基、5~20個の残基、5~15個の残基、または5~10個の残基を欠いてよい)。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、完全長FimHポリペプチドのN末端の1~21個の残基を欠く。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、完全長FimHポリペプチドのN末端の1~10個の残基を欠く。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、完全長FimHポリペプチドのN末端の5~15個の残基を欠く。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、完全長FimHポリペプチドのN末端の5~10個の残基を欠く。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、完全長FimHポリペプチドのC末端の1~21個の残基を欠く。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、完全長FimHポリペプチドのC末端の1~10個の残基を欠く。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、完全長FimHポリペプチドのC末端の5~15個の残基を欠く。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、完全長FimHポリペプチドのC末端の5~10個の残基を欠く。
II.核酸
一態様では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片をコードする核酸を開示する。大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片をコードする1つまたは複数の核酸構築物を、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片のゲノム組込みおよび後続の発現のために使用することができる。例えば、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片をコードする単一の核酸構築物を宿主細胞に導入することができる。あるいは、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片のためのコード配列は、2つ以上の核酸構築物によって担持されていてよく、それらが次いで、宿主細胞に同時に、または連続的に導入される。
例えば、例示的な一実施形態では、単一の核酸構築物は、大腸菌(E.coli)FimHのレクチンドメインおよびピリンドメインをコードする。別の例示的な実施形態では、1つの核酸構築物が大腸菌(E.coli)FimHのレクチンドメインをコードし、第2の核酸構築物がピリンドメインをコードする。一部の実施形態では、ゲノム組込みが達成されている。
核酸構築物は、1つまたは複数のイントロンを含むゲノムDNA、またはcDNAを含んでよい。一部の遺伝子は、イントロンが存在する場合に、より効率的に発現される。一部の実施形態では、核酸配列は、前記哺乳動物細胞における外因性ポリペプチドの発現に好適である。
一部の実施形態では、ポリペプチドまたはその断片をコードする核酸は、任意の特定の細胞において発現のレベルを上昇させるように最適化されているコドンである。
一部の実施形態では、核酸構築物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の分泌を指示するペプチドをコードするシグナル配列を含む。一部の実施形態では、核酸は、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドの天然シグナル配列を含む。大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片が内因性シグナル配列を含む一部の実施形態では、シグナル配列をコードする核酸配列は、宿主細胞においてタンパク質の発現のレベルを上昇させるように最適化されているコドンであり得る。
一部の実施形態では、シグナル配列は、次の長さ:15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30アミノ酸長のいずれか1つである。一部の実施形態では、シグナル配列は、20アミノ酸長である。一部の実施形態では、シグナル配列は21アミノ酸長である。
一部の実施形態では、ポリペプチドまたはその断片がシグナル配列を含む場合、培養細胞においてポリペプチドまたはその断片の発現のレベルを向上させるために、ポリペプチドと天然に会合している内因性シグナル配列を、野生型ポリペプチドと会合していないシグナル配列と置き換えることができる。したがって、一部の実施形態では、核酸は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の天然シグナル配列を含まない。一部の実施形態では、核酸は、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドの天然シグナル配列を含まない。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、好ましくは、シグナル配列である異種ペプチド、または大腸菌(E.coli)またはその断片に由来する成熟タンパク質もしくはポリペプチドのN末端に特異的切断部位を有する他のペプチドと共に発現され得る。例えば、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドまたはその断片は、好ましくはシグナル配列である異種ペプチド(例えば、IgKシグナル配列)、または成熟大腸菌(E.coli)FimHタンパク質のN末端に特異的切断部位を有する他のペプチドと共に発現され得る。好ましい実施形態では、成熟タンパク質大腸菌(E.coli)FimHのN末端での特異的切断は、成熟大腸菌(E.coli)FimHタンパク質の最初のフェニルアラニン残基の直前で生じる。選択される異種配列は好ましくは、宿主細胞により認識され、プロセシングされる(すなわち、シグナルぺプチダーゼにより切断される)ものである。
好ましい実施形態では、シグナル配列は、IgKシグナル配列である。一部の実施形態では、核酸は、配列番号18のアミノ酸配列をコードする。一部の実施形態では、核酸は、配列番号19のアミノ酸配列をコードする。一部の実施形態では、核酸は、配列番号22のアミノ酸配列をコードする。好ましい実施形態では、シグナル配列は、マウスIgKシグナル配列である。
大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片を生産するための好適な哺乳動物発現ベクターは当業界で公知であり、Invitrogen(商標)製のpSecTag2発現ベクターなど、市販されていることがある。例示的なマウスIgカッパシグナルペプチド配列は、配列ETDTLLLWVLLLWVPGSTG(配列番号54)を含む。一部の実施形態では、ベクターは、Thermo Fisher製のpBudCE4.1哺乳動物発現ベクターを含む。追加の例示的で好適なベクターには、pcDNA(商標)3.1哺乳動物発現ベクター(Thermo Fisher)が含まれる。
一部の実施形態では、シグナル配列は、血球凝集素シグナル配列を含まない。
一部の実施形態では、核酸は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の天然シグナル配列を含む。一部の実施形態では、シグナル配列は、IgKシグナル配列ではない。一部の実施形態では、シグナル配列は、血球凝集素シグナル配列を含む。
一態様では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片のコード配列を含むベクターを本明細書において開示する。例示的なベクターは、自律複製し得るか、または哺乳動物細胞において複製し得るプラスミドを含む。典型的な発現ベクターは、発現構築物においてコード配列の発現を調節するために有用である好適なプロモーター、エンハンサー、およびターミネーターを含む。ベクターは、形質転換宿主細胞を選択するための表現型形質(アンピシリンまたはネオマイシンなどの抗生物質に対する耐性の付与など)を得るための選択マーカーを含んでもよい。
好適なプロモーターは当業界で公知である。例示的なプロモーターには、例えば、CMVプロモーター、アデノウイルス、EF1 a、GAPDHメタロチオニン(metallothionine)プロモーター、SV40初期プロモーター、SV40後期プロモーター、マウス乳癌ウイルスプロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ポリヘドリンプロモーターなどが含まれる。プロモーターは、構成的でも、または誘導性プロモーターでもよい。1つまたは複数のベクターを用いることができる(例えば、全てのサブユニットもしくはドメインもしくはその断片をコードする1つのベクター、またはサブユニットもしくはドメインもしくはその断片を総合してコードする複数のベクター)。
配列内リボソーム侵入部位(IRES)および2Aペプチド配列も用いることができる。IRESおよび2Aペプチドは、複数の配列の共発現に関して代替のアプローチを提供する。IRESは、タンパク質合成のさらに大きなプロセスのうちの一部分として、メッセンジャーRNA(mRNA)配列の途中での翻訳開始を可能にするヌクレオチド配列である。通常は、真核生物では、翻訳はmRNA分子の5’末端のみで開始することができる。IRESエレメントは、1つの転写物での複数の遺伝子の発現を可能にする。1つの転写物から複数のタンパク質を発現する、IRESに基づくポリシストロン性ベクターは、選択から非発現クローンが漏れることを減少させることができる。2Aペプチドは、1個のオープンリーディングフレーム中の複数のタンパク質をポリタンパク質へと翻訳することを可能にし、このポリタンパク質は続いて、リボソームをスキップする機構を介して個別のタンパク質へと切断される。2Aペプチドは、複数のタンパク質生成物のよりバランスの取れた発現を提供することができる。例示的なIRES配列には、例えば、EV71 IRES、EMCV IRES、HCV IRESが含まれる。ゲノム組込みに関して、組込みは、部位特異的であるかまたはランダムであり得る。部位特異的組換えは、本明細書に記載の核酸構築物へと相同性配列を導入することにより実現することができる。そのような相同性配列は、宿主ゲノム中の特異的標的部位での内在性配列と実質的にマッチする。あるいは、ランダムな組込みを用いることができる。ときには、タンパク質の発現レベルは組込み部位に応じて変化することがある。したがって、所望の発現レベルを達成するクローンを特定するために、組換えタンパク質の発現レベルに従って、多数のクローンを選択することが望ましいことがある。
例示的な核酸構築物は、図2A~2Tのいずれか1つなど、図面にさらに記載されている。
一態様では、核酸配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号110、配列番号111、配列番号112、および配列番号113のいずれか1つに対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%または100%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。
III.宿主細胞
一態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片をコードする配列が哺乳動物宿主細胞で発現される細胞に関する。一実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、宿主細胞で一過性に発現される。別の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、宿主細胞のゲノムに安定に組み込まれて、好適な条件下で培養されるとき、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片を発現する。好ましい一実施形態では、ポリヌクレオチド配列は、高い効率およびゲノム安定性で発現される。
好適な哺乳動物宿主細胞は当業界で公知である。好ましくは、宿主細胞は、工業的製造スケールでタンパク質を生産するために好適である。例示的な哺乳動物宿主細胞には、次のものおよびその誘導体のいずれか1つが含まれる:チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、COS細胞(サル腎臓(アフリカミドリザル)に由来する細胞系、Vero細胞、Hela細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、ヒト胎児由来腎臓(HEK)細胞、NSO細胞(マウス骨髄腫細胞系)、およびC127細胞(非腫瘍発生性マウス細胞系)。さらなる例示的な哺乳動物宿主細胞には、マウスセルトリ(TM4)、バッファローラット肝臓(BRL 3A)、マウス乳房腫瘍(MMT)、ラット肝細胞癌(HTC)、マウス骨髄腫(NSO)、マウスハイブリドーマ(Sp2/0)、マウス胸腺腫(EL4)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)およびCHO細胞誘導体、マウス胚性(NIH/3T3、3T3 Li)、ラット心筋(H9c2)、マウス筋原細胞(C2C12)、およびマウス腎臓(miMCD-3)が含まれる。哺乳動物細胞系のさらなる例には、NS0/1、Sp2/0、Hep G2、PER.C6、COS-7、TM4、CV1、VERO-76、MDCK、BRL 3A、W138、MMT 060562、TR1、MRC5、およびFS4が含まれる。
細胞培養が可能ないずれの細胞も、本発明に従って用いることができる。一部の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞である。本発明に従って使用することができる哺乳動物細胞の非限定的例には、BALB/cマウス骨髄腫系(NSO/l、ECACC No:85110503);ヒト網膜芽細胞(PER.C6、Cru細胞、Leiden、The Netherlands);SV40により形質転換されたサル腎臓CV1系(COS-7、ATCC CRL 1651);ヒト胎児由来腎臓系(293細胞または懸濁培養で増殖させるためにサブクローニングさせた293細胞、Grahamら、J.Gen Virol.、36:59、1977);ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞+/-DHFR(CHO、Urlaub and Chasin、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77:4216、1980);マウスセルトリ細胞(TM4、Mather、Biol.Reprod.、23:243~251、1980);サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76、ATCC CRL-1 587);ヒト子宮頸癌細胞(HeLa、ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34);バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75);ヒト肝臓細胞(Hep G2、HB 8065);マウス乳房腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51);TRI細胞(Matherら、Annals N.Y.Acad.Sci.、383:44~68、1982);MRC 5細胞;FS4細胞;およびヒト肝細胞癌系(Hep G2)が含まれる。一部の好ましい実施形態では、細胞は、CHO細胞である。一部の好ましい実施形態では、細胞は、GS細胞である。
加えて、任意の数の市販および非市販のハイブリドーマ細胞系を本発明に従って用いることができる。用語「ハイブリドーマ」は、本明細書で使用される場合、不死化細胞および抗体産生細胞の融合から生じる細胞または後代の細胞を指す。そのように得られたハイブリドーマは、抗体を産生する不死化細胞である。ハイブリドーマを作製するために使用される個々の細胞は、限定されるものではないが、ラット、ブタ、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、およびヒトを含む、任意の哺乳動物源由来であってよい。一部の実施形態では、ハイブリドーマは、ヒト細胞とマウス骨髄腫細胞系との間の融合の産物であるヘテロハイブリッド骨髄腫融合の後代がその後、形質細胞と融合するときに生じるトリオーマ細胞系である。一部の実施形態では、ハイブリドーマは、例えば、クアドローマなど、抗体を産生する任意の不死化ハイブリッド細胞系である(例えば、Milstein et al.、Nature、537:3053、1983を参照されたい)。当業者は、ハイブリドーマ細胞系が異なる栄養要件を有し得、かつ/または最適な増殖のために異なる培養条件を要求し得ることが分かるであろうし、必要に応じて、条件を改変することができるであろう。
一部の実施形態では、細胞は、第1の目的遺伝子を含み、その際、第1の目的遺伝子は、染色体組込みされている。一部の実施形態では、第1の目的遺伝子は、レポーター遺伝子、選択遺伝子、目的の遺伝子(例えば、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片をコード)、従属遺伝子、またはそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、治療目的の遺伝子は、難発現(DtE)タンパク質をコードする遺伝子を含む。
一部の実施形態では、第1の目的遺伝子は、部位特異的組込み(SSI)哺乳動物細胞における2つの別個の組換え標的部位(RTS)の間に位置し、その際、2つのRTSは、NL1遺伝子座またはNL2遺伝子座内で染色体組込みされている。例えば、NL1遺伝子座、NL2遺伝子座、NL3遺伝子座、NL4遺伝子座、NL5遺伝子座、およびNL6遺伝子座の記載については、米国特許出願第20200002727号を参照されたい。一部の実施形態では、第1の目的遺伝子は、NL1遺伝子座内に位置する。一部の実施形態では、細胞は、第2の目的遺伝子を含み、その際、第2の目的遺伝子は染色体組込みされている。一部の実施形態では、第2の目的遺伝子は、レポーター遺伝子、選択遺伝子、治療目的の遺伝子(大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片など)、従属遺伝子、またはそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、治療目的の遺伝子は、DtEタンパク質をコードする遺伝子を含む。一部の実施形態では、第2の目的遺伝子は、2つのRTSの間に位置する。一部の実施形態では、第2の目的遺伝子は、NL1遺伝子座またはNL2遺伝子座内に位置する。一部の実施形態では、第1の目的遺伝子はNL1遺伝子座内に位置し、第2の目的遺伝子はNL2遺伝子座内に位置する。一部の実施形態では、細胞は、第3の目的遺伝子を含み、その際、第3の目的遺伝子は染色体組込みされている。一部の実施形態では、第3の目的遺伝子は、レポーター遺伝子、選択遺伝子、治療目的の遺伝子(大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片など)、従属遺伝子、またはそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、治療目的の遺伝子は、DtEタンパク質をコードする遺伝子を含む。一部の実施形態では、第3の目的遺伝子は、2つのRTSの間に位置する。一部の実施形態では、第3の目的遺伝子は、NL1遺伝子座またはNL2遺伝子座内に位置する。一部の実施形態では、第3の目的遺伝子は、NL1遺伝子座およびNL2遺伝子座とは別個の遺伝子座内に位置する。一部の実施形態では、第1の目的遺伝子、第2の目的遺伝子、および第3の目的遺伝子は、3つの別々の遺伝子座内にある。一部の実施形態では、第1の目的遺伝子、第2の目的遺伝子、および第3の目的遺伝子のうちの少なくとも1つは、NL1遺伝子座内にあり、第1の目的遺伝子、第2の目的遺伝子、および第3の目的遺伝子のうちの少なくとも1つは、NL2遺伝子座内にある。一部の実施形態では、細胞は、部位特異的リコンビナーゼ遺伝子を含む。一部の実施形態では、部位特異的リコンビナーゼ遺伝子は染色体組込みされている。
一部の実施形態では、本開示は、少なくとも4つの別個のRTSを含む哺乳動物細胞を提供し、その際、細胞は、(a)NL1遺伝子座またはNL2遺伝子座内で染色体組込みされている少なくとも2つの別個のRTS;(b)レポーター遺伝子、DtEタンパク質をコードする遺伝子、従属遺伝子、またはそれらの組合せを含む、(a)の少なくとも2つのRTSの間に組み込まれている第1の目的遺伝子;(c)およびレポーター遺伝子、DtEタンパク質(大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片など)をコードする遺伝子、従属遺伝子、またはそれらの組合せを含む、(a)の遺伝子座とは別個の第2の染色体遺伝子座内に組み込まれた第2の目的遺伝子を含む。一部の実施形態では、本開示は、少なくとも4つの別個のRTSを含む哺乳動物細胞を提供し、その際、細胞は、(a)Fer1L4遺伝子座内で染色体組込みされている少なくとも2つの別個のRTS;(b)NL1遺伝子座またはNL2遺伝子座内で染色体組込みされている少なくとも2つの別個のRTS;(c)レポーター遺伝子、DtEタンパク質をコードする遺伝子、従属遺伝子、またはそれらの組合せを含む、Fer1L4遺伝子座内で染色体組込みされている第1の目的遺伝子;および(d)レポーター遺伝子、DtEタンパク質(大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片など)をコードする遺伝子、従属遺伝子、またはそれらの組合せを含む、(b)のNL1遺伝子座またはNL2遺伝子座内で染色体組込みされている第2の目的の遺伝子を含む。
一部の実施形態では、本開示は、少なくとも6つの別個のRTSを含む哺乳動物細胞を提供し、その際、細胞は、(a)Fer1L4遺伝子座内で染色体組込みされている少なくとも2つの別個のRTSおよび第1の目的遺伝子;(b)NL1遺伝子座内で染色体組込みされている少なくとも2つの別個のRTSおよび第2の目的遺伝子;および(c)NL2遺伝子座内で染色体組込みされている少なくとも2つの別個のRTSおよび第3の目的遺伝子を含む。
本明細書において言及される場合、用語「作動可能な組み合わせで」、「作動可能な順序で」、および「作動可能に連結された」は、所与の遺伝子の転写および/または所望のタンパク質分子の合成を指示し得る核酸分子が産生されるような手法での核酸配列の連結を指す。この用語はまた、機能性タンパク質が産生されるような手法でのアミノ酸配列の連結を指す。一部の実施形態では、目的遺伝子はプロモーターに作動可能に連結されていて、その際、目的遺伝子は、宿主細胞に染色体組込みされている。一部の実施形態では、目的遺伝子は、異種プロモーターに作動可能に連結されており;その際、目的遺伝子は、宿主細胞に染色体組込みされている。一部の実施形態では、従属遺伝子は、プロモーターに作動可能に連結されており、その際、従属遺伝子は、宿主細胞ゲノムに染色体組込みされている。一部の実施形態では、従属遺伝子は、異種プロモーターに作動可能に連結されており;その際、従属遺伝子は、宿主細胞ゲノムに染色体組込みされている。一部の実施形態では、DtEタンパク質をコードする遺伝子は、プロモーターに作動可能に連結されており、その際、DtEタンパク質をコードする遺伝子は、宿主細胞ゲノムに染色体組込みされている。一部の実施形態では、DtEタンパク質をコードする遺伝子は、異種プロモーターに作動可能に連結されており、その際、DtEタンパク質をコードする遺伝子は、宿主細胞ゲノムに染色体組込みされている。一部の実施形態では、リコンビナーゼ遺伝子は、プロモーターに作動可能に連結されており、その際、リコンビナーゼ遺伝子は、宿主細胞に染色体組込みされている。一部の実施形態では、リコンビナーゼ遺伝子は、プロモーターに作動可能に連結されており、その際、リコンビナーゼ遺伝子は、宿主細胞ゲノムに染色体組込みされている。一部の実施形態では、リコンビナーゼ遺伝子は、異種プロモーターに作動可能に連結されており、その際、リコンビナーゼ遺伝子は、宿主細胞ゲノムに染色体組込みされていない。一部の実施形態では、リコンビナーゼ遺伝子は、異種プロモーターに作動可能に連結されており、その際、リコンビナーゼ遺伝子は、宿主細胞ゲノムに染色体組込みされていない。
本明細書において言及される場合、用語「染色体組込みされている」または「染色体組込み」は、宿主細胞、例えば、哺乳動物細胞の染色体への核酸配列の安定な組込み、すなわち、宿主細胞、例えば、哺乳動物細胞のゲノムDNA(gDNA)に染色体組込みされた核酸配列を指す。一部の実施形態では、染色体組込みされている核酸配列は安定している。一部の実施形態では、染色体組込みされている核酸配列は、プラスミドまたはベクター上に位置しない。一部の実施形態では、染色体組込みされている核酸配列は切除されない。一部の実施形態では、染色体組込みは、クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート(clustered regularly interspaced short palindromic repeats;CRISPR)およびCRISPR関連タンパク質(Cas)遺伝子編集システム(CRISPR/CAS)により媒介される。
一部の実施形態では、宿主細胞は、懸濁培養での増殖に好適である。懸濁適合性(suspension-competent)宿主細胞は、一般的に単分散であるか、または実質的な凝集をせずに緩やかな凝集体で増殖する。懸濁適合性宿主細胞には、適合化または操作なしで懸濁培養に好適である細胞(例えば、造血細胞、リンパ系細胞)および接着依存性細胞(例えば、上皮細胞、線維芽細胞)の改変または適合化により懸濁適合性となっている細胞が含まれる。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の発現レベルまたは活性は、例えば、大腸菌(E.coli)宿主細胞などの細菌細胞における大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の発現と比較して少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも75倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、少なくとも100倍上昇する。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の発現レベルは、大腸菌(E.coli)宿主細胞における大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の発現と比較して少なくとも2倍上昇する。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の発現レベルは、大腸菌(E.coli)宿主細胞における大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の発現と比較して少なくとも50倍上昇する。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の発現レベルは、大腸菌(E.coli)宿主細胞における大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の発現と比較して少なくとも100倍上昇する。
本明細書に記載の宿主細胞は、大規模培養に好適である。例えば、細胞培養は、10L、30L、50L、100L、150L、200L、300L、500L、1000L、2000L、3000L、4000L、5000L、10,000L以上であってよい。一部の実施形態では、細胞培養サイズは、10L~5000L、10L~10,000L、10L~20,000L、10L~50,000L、40L~50,000L、100L~50,000L、500L~50,000L、1000L~50,000L、2000L~50,000L、3000L~50,000L、4000L~50,000L、4500L~50,000L、1000L~10,000L、1000L~20,000L、1000L~25,000L、1000L~30,000L、15L~2000L、40L~1000L、100L~500L、200L~400L、またはこれらの間の任意の整数の範囲であってよい。細胞培養のための培地成分は当業界で公知であり、例えば、緩衝剤、アミノ酸含分、ビタミン含分、塩含分、無機塩含分、血清含分、炭素源含分、脂質含分、核酸含分、ホルモン含分、微量元素含分、アンモニア含分、補因子含分、指示薬含分、低分子含分、加水分解物含分および酵素調節剤含分を含んでよい。
用語「培地」、「細胞培養培地」および「培養培地」は、本明細書で使用される場合、哺乳動物細胞の増殖を助成する栄養素を含有する溶液を指す。典型的には、そのような溶液は、最小限の増殖および/または生存のために細胞が必要とする必須および非必須アミノ酸、ビタミン、エネルギー源、脂質、および微量元素を提供する。そのような溶液は、限定されるものではないが、ホルモンおよび/または他の増殖因子、特定のイオン(ナトリウム、クロリド、カルシウム、マグネシウム、およびホスフェートなど)、緩衝剤、ビタミン、ヌクレオシドまたはヌクレオチド、微量元素(通常は非常に低い最終濃度で存在する無機化合物)、高い最終濃度で存在する無機化合物(例えば、鉄)、アミノ酸、脂質、および/またはグルコースまたは他のエネルギー源を含む、最小限の割合を超えて増殖および/または生存を増強する補充成分を含有してもよい。一部の実施形態では、培地を有利には、細胞生存および増殖に最適なpHおよび塩濃度に配合する。一部の実施形態では、培地は、細胞培養の開始後に添加される供給培地である。
一部の実施形態では、細胞を、培地の成分が分かっており、制御もされている様々な化学的に規定された培地の1つで増殖させることができる。一部の実施形態では、細胞を、培地の成分の全てが分かっているわけではなく、および/または制御されてるわけではない複雑な培地で増殖させることができる。哺乳動物細胞を培養するための化学的に規定された増殖培地は、広く開発されており、直近数十年にわたって公開されている。規定された培地の全ての成分が十分に特徴付けられており、そのように規定された培地は、血清または加水分解物などの複雑な添加剤を含有しない。初期の培地配合物は、タンパク質生産に関する懸念をほとんど、またはまったく伴わずに細胞増殖および生存維持を可能にするように開発された。最近では、培地配合物は、高増殖性組換えタンパク質産生細胞の培養を支持することを明白な目的として開発されている。そのような培地が、本発明の方法において使用するために好ましい。そのような培地は一般に、高密度での細胞の増殖および/または維持を支持する多量の栄養素、特にアミノ酸を含む。必要な場合には、本発明の方法で使用するために、これらの培地を当業者は改変することができる。例えば、当業者は、本明細書に開示のとおりの方法で基礎培地または供給培地として使用するために、これらの培地中のフェニルアラニン、チロシン、トリプトファンおよび/またはメチオニンの量を減少させることができる。
複雑な培地の全ての成分が十分に特徴付けられているわけではなく、そのような複雑な培地は、単純および/または複雑な炭素源、単純および/または複雑な窒素源、および血清などの添加剤を特に含有し得る。一部の実施形態では、本発明に好適な複雑な培地は、本明細書に記載のとおりの規定培地の他の成分に加えて、加水分解物などの添加剤を含有する。一部の実施形態では、既定の培地は典型的には、およそ50種の化学的実体を水中に既知の濃度で含む。それらの多くが、インスリン、IGF-1、トランスフェリンまたはBSAなどの1種または複数の十分に特徴付けられているタンパク質も含有するが、他のものは、タンパク質成分を必要とせず、したがって、タンパク質非含有規定培地と称される。培地の典型的な化学的成分は、5つの広いカテゴリーに該当する:アミノ酸、ビタミン、無機塩、微量元素、および簡潔に分類することができない種々雑多なカテゴリー。
細胞培養培地は任意選択で、補充成分を補充されていてよい。用語「補充成分」は、本明細書で使用される場合、限定されるものではないが、ホルモンおよび/または他の増殖因子、特定のイオン(ナトリウム、クロリド、カルシウム、マグネシウム、およびホスフェートなど)、緩衝剤、ビタミン、ヌクレオシドまたはヌクレオチド、微量元素(非常に低い最終濃度で存在する無機化合物)、アミノ酸、脂質、および/またはグルコースまたは他のエネルギー源を含む、最小限の割合を超えて増殖および/または生存を増強する成分を指す。一部の実施形態では、補充成分を、当初の細胞培養物に添加することができる。一部の実施形態では、補充成分を、細胞培養を開始した後に添加することができる。典型的には、微量元素は、マイクロモルまたはそれより低いレベルで含まれる様々な無機塩を指す。例えば、一般的に含まれる微量元素は、亜鉛、セレン、銅などである。一部の実施形態では、鉄(第一鉄または第二塩)が微量元素として、当初細胞培養培地中にマイクロモル濃度で含まれてよい。微量元素のうち、マンガンも多くの場合に、二価カチオン(MnClまたはMnSO)としてナノモルからマイクロモル濃度の範囲で含まれる。多数の、あまり一般的ではない微量元素が通常、ナノモル濃度で添加される。
一部の実施形態では、本発明の方法で使用される培地は、細胞培養において、例えば、1×10細胞/mL、5×10細胞/mL、1×10細胞/mL、5×10細胞/mL、1×10細胞/mLまたは5×10細胞/mLなどの高い細胞密度を支持するために好適な培地である。一部の実施形態では、細胞培養は、哺乳動物細胞流加培養、好ましくは、CHO細胞流加培養である。
一部の実施形態では、細胞培養培地は、フェニルアラニンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間、または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、チロシンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間、または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、トリプトファンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間、または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、メチオニンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間、または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、ロイシンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間、または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、セリンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、トレオニンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、グリシンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、ロイシン、セリン、トレオニンおよびグリシンのうちの2つを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、フェニルアラニンおよびチロシンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、フェニルアラニンおよびトリプトファンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、フェニルアラニンおよびメチオニンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、チロシンおよびトリプトファンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、チロシンおよびメチオニンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、トリプトファンおよびメチオニンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、ロイシン、セリン、トレオニンおよびグリシンのうちの3つを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、フェニルアラニン、チロシンおよびメチオニンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、フェニルアラニン、トリプトファンおよびメチオニンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、チロシン、トリプトファンおよびメチオニンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、ロイシン、セリン、トレオニンおよびグリシンのうちの4つを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンおよびメチオニンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、ロイシン、セリン、トレオニンおよびグリシンのうちの5つを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、ロイシン、セリン、トレオニンおよびグリシンのうちの6つを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、ロイシン、セリン、トレオニンおよびグリシンのうちの7つを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、ロイシン、セリン、トレオニンおよびグリシンを、2mM未満、1mM未満、0.1から2mMの間、0.1から1mMの間、0.5から1.5mMの間または0.5から1mMの間の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、セリン、トレオニン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパルテート、グルタメートおよびアスパラギンのうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13種を、2mM、3mM、4mM、5mM、10mM、15mM、好ましくは2mM超の濃度でさらに含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、セリン、トレオニン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパルテート、グルタメートおよびアスパラギンのうちの少なくとも5種を、2mM、3mM、4mM、5mM、10mM、15mM、好ましくは2mM超の濃度でさらに含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、セリン、トレオニン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパルテート、グルタメートおよびアスパラギンを、2mM、3mM、4mM、5mM、10mM、15mM、好ましくは2mM超の濃度でさらに含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、バリン、イソロイシン、プロリン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパルテート、グルタメートおよびアスパラギンのうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種を、2mM、3mM、4mM、5mM、10mM、15mM、好ましくは2mM超の濃度でさらに含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、バリン、イソロイシン、プロリン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパルテート、グルタメートおよびアスパラギンのうちの少なくとも5種を、2mM、3mM、4mM、5mM、10mM、15mM、好ましくは2mM超の濃度でさらに含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、バリン、イソロイシン、プロリン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパルテート、グルタメートおよびアスパラギンを、2mM、3mM、4mM、5mM、10mM、15mM、好ましくは2mMの濃度でさらに含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、セリンを、3mM、5mM、7mM、10mM、15mMまたは20mM、好ましくは10mM超の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、バリンを、3mM、5mM、7mM、10mM、15mMまたは20mM、好ましくは10mM超の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、システインを、3mM、5mM、7mM、10mM、15mMまたは20mM、好ましくは10mM超の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、イソロイシンを、3mM、5mM、7mM、10mM、15mMまたは20mM、好ましくは10mM超の濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、ロイシンを、3mM、5mM、7mM、10mM、15mMまたは20mM、好ましくは10mM超の濃度で含む。一部の実施形態では、上の細胞培養培地は、本明細書に開示のとおりの方法において使用するためのものである。一部の実施形態では、上の細胞培養培地を、本明細書に開示のとおりの方法において、基礎培地として使用する。一部の実施形態では、上の細胞培養培地を、本明細書に開示のとおりの方法において、供給培地として使用する。
IV.生産方法
一態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片を生産する方法を含む。前記方法は、好適な条件下で哺乳動物細胞を培養し、それによって、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片を発現させることを含む。前記方法は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片を培養物から収集することをさらに含み得る。そのプロセスは、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片を精製することをさらに含んでよい。
一部の実施形態では、前記方法は、ポリペプチドまたはその断片を0.1g/L~0.5g/Lとの収率で生産する。
一部の実施形態では、細胞を、バッチまたは加流培養で増殖させることができるが、その際、培養を、ポリペプチドの十分な発現の後に停止し、その後、発現したポリペプチドを収集し、かつ任意選択で精製する。一部の実施形態では、細胞を、潅流培養で増殖させることができ、その際、培養は停止させず、新たな栄養素および他の成分を定期的に、または連続的に、培養物に添加し、その間に、発現したポリペプチドを定期的または連続的に収集する。
一部の実施形態では、細胞を、体積が数ミリリットルから数リットルの範囲の小規模反応容器内で増殖させることができる。一部の実施形態では、細胞を、体積がおよそ少なくとも1リットルから10、100、250、500、1,000、2,500、5,000、8,000、10,000、12,000リットル以上の範囲であるか、またはそれらの間の任意の体積の大規模商業用バイオリアクター内で増殖させることができる。
細胞培養の温度は主に、細胞培養が依然として実行可能であり、高レベルのポリペプチドが産生される温度の範囲、代謝廃棄産物の産生または蓄積が最小化される温度、および/または実行者によって重要と考えられるこれらまたは他の因子の任意の組合せに基づき選択されることとなる。1つの非限定的例として、CHO細胞は、およそ37℃で良好に増殖して、高レベルのタンパク質またはポリペプチドを産生する。一般に、大部分の哺乳動物細胞は、約25℃~42℃の範囲内で良好に増殖し、および/または高レベルのタンパク質またはポリペプチドを産生し得るが、本開示が教示する方法は、これらの温度に限定されない。ある特定の哺乳動物細胞は、約35℃から40℃の範囲内で良好に増殖し、および/または高レベルのタンパク質またはポリペプチドを産生し得る。ある特定の実施形態では、細胞培養物は、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、または45℃の温度で、細胞培養プロセス中に1倍または複数倍に増殖する。
用語「培養物」および「細胞培養物」は、本明細書で使用される場合、細胞集団の生存および/または増殖に好適な条件下で培地中に懸濁されている細胞集団を指す。当業界において通常の技能を有する者には明らかであろうとおり、一部の実施形態では、これらの用語は、本明細書で使用される場合、細胞集団と、その集団が懸濁される培地とを含む組合せを指す。一部の実施形態では、細胞培養の細胞は、哺乳動物細胞を含む。
本発明は、所望のプロセス(例えば、組換えタンパク質(例えば、抗体)の生産に適用可能である任意の細胞培養方法で使用することができる。非限定的例として、細胞を、バッチまたは加流培養で増殖させることができるが、その際、培養を、組換えタンパク質(例えば、抗体)の十分な発現の後に停止し、その後、発現したタンパク質(例えば、抗体)を収集する。あるいは、別の非限定的例として、細胞を、バッチ再供給(batch-refeed)で増殖させることができ、その際、培養を停止させず、新たな栄養素および他の成分を培養物に定期的または連続的に添加し、その間に、発現された組換えタンパク質(例えば、抗体)を、定期的または連続的に収集する。他の好適な方法(例えば、スピンチューブ培養)が、当業界で公知であり、本発明を実施するために使用することができる。
一部の実施形態では、本発明に好適な細胞培養は、加流培養である。用語「加流培養」は、本明細書で使用される場合、培養プロセスの開始後に、追加の成分が1回または複数回供給される、細胞を培養する方法を指す。そのような供給成分は典型的には、培養プロセス中に枯渇する細胞のための栄養成分を含む。加流培養は典型的には、複数の時点で停止させて、培地中の細胞および/または成分を収集して、任意選択で精製する。一部の実施形態では、加流培養は、供給培地を補充された基礎培地を含む。
細胞を、実行者によって選択される任意の便利な体積で増殖させることができる。例えば、細胞を、体積が数ミリリットルから数リットルの範囲の小規模反応容器内で増殖させることができる。あるいは、細胞を、体積がおよそ少なくとも1リットルから10、50、100、250、500、1000、2500、5000、8000、10,000、12,000、15000、20000または25000リットル以上の範囲であるか、またはそれらの間の任意の体積の大規模商業用バイオリアクター内で増殖させることができる。
細胞培養の温度は主に、細胞培養が依然として実行可能である温度範囲、および高レベルの所望の産物(例えば、組換えタンパク質)が産生される温度の範囲に基づき選択されることとなる。一般に、大部分の哺乳動物細胞は、約25℃~42℃の範囲内で良好に増殖し、および/または所望の産物(例えば、組換えタンパク質)を産生し得るが、本開示が教示する方法は、これらの温度に限定されない。ある特定の哺乳動物細胞は、約35℃から40℃の範囲内で良好に増殖し、および/または所望の産物(例えば、組換えタンパク質または抗体)を産生し得る。ある特定の実施形態では、細胞培養物は、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、または45℃の温度で、細胞培養プロセス中に1倍または複数倍に増殖する。当業界において通常の技能を有する者は、好適な温度、または細胞の特定の必要性および実行者の特定の生産要求に応じて、細胞を増殖させるために温度を選択することができるであろう。細胞は、実行者の必要性および細胞自体の要求に応じて、任意の時間量にわたって増殖させることができる。一部の実施形態では、細胞を、37℃で増殖させる。一部の実施形態では、細胞を36.5℃で増殖させる。
一部の実施形態では、細胞を、初期増殖相(または増殖相)中に、実行者の必要性および細胞自体の要求に応じて、より多い、または少ない時間量にわたって増殖させることができる。一部の実施形態では、細胞を、予め規定された細胞密度を達成するために十分な期間にわたって増殖させる。一部の実施形態では、妨害せずに増殖させたら細胞が最終的に達するであろう最大細胞密度に対する所与のパーセンテージである細胞密度を達成するために十分な期間にわたって、細胞を増殖させる。例えば、最大細胞密度の1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または99パーセントの所望の生細胞密度を達成するために十分な期間にわたって、細胞を増殖させることができる。一部の実施形態では、細胞密度が培養1日あたり15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%を超えて上昇しなくなるまで、細胞を増殖させる。一部の実施形態では、細胞密度が培養1日あたり5%を超えて上昇しなくなるまで、細胞を増殖させる。
一部の実施形態では、細胞を規定の期間にわたって増殖させる。例えば、細胞培養の出発濃度、細胞を増殖させる温度、および細胞の固有の増殖速度に応じて、細胞を0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20日以上、好ましくは4~10日増殖させる。場合によっては、細胞を1カ月以上増殖させることができる。本発明の実行者は、タンパク質生産要求および細胞自体の要求に応じて、初期増殖相の期間を選択することができるであろう。
酸素化および細胞への栄養素の分散を増加させるために、細胞培養物を初期培養相の間に撹拌または振盪することができる。本発明では、当業者は、限定されるものではないが、pH、温度、酸素化などを含めて、初期増殖相中のバイオリアクターのある特定の内部条件を制御または調節することが有利であり得ることを理解するであろう。
初期増殖相の終了時に、第2セットの培養条件を適用して、その培養物で代謝シフトが生じるように、培養条件の少なくとも1つをシフトさせることができる。代謝シフトは、例えば、細胞培養物の温度、pH、重量モル浸透圧濃度または化学的誘導レベルの変化によって達成することができる。1つの非限定的実施形態では、培養物の温度をシフトさせることによって、培養条件をシフトさせる。しかしながら、当業界で公知であるとおり、温度のシフトは、好適な代謝シフトが達成され得る唯一の機構ではない。例えば、そのような代謝シフトは、限定されるものではないが、pH、重量モル浸透圧濃度、および酪酸ナトリウムレベルを含む他の培養条件をシフトさせることによっても達成することもできる。培養シフトのタイミングは、タンパク質生産要求および細胞自体の要求に基づき、本発明の実行者によって決定されるであろう。
培養物の温度をシフトさせる場合、温度シフトは、比較的段階的であってよい。例えば、温度変化を完了するには、数時間または数日かかってよい。あるいは、温度シフトは比較的突然であってよい。例えば、温度変化を、数時間未満で完了してよい。ポリペプチドまたはタンパク質の商業的大規模生産において標準であるような好適な生産および制御装置を考慮すると、温度変化は1時間未満内でも完了し得る。
一部の実施形態では、細胞培養の条件が上に論述したとおりにシフトしたら、細胞培養物をその後の増殖相にわたって、細胞培養物の存続および生存の助けとなり、商業的に適切なレベルでの所望のポリペプチドまたはタンパク質の発現に好適な第2セットの培養条件下で維持する。
上に論述したとおり、限定されるものではないが、温度、pH、重量モル浸透圧濃度、および酪酸ナトリウムレベルを含むいくつかの培養条件のうちの1つまたは複数をシフトさせることによって、培養物をシフトさせることができる。一部の実施形態では、培養物の温度をシフトさせる。この実施形態では、後続の増殖相中に、培養物を初期増殖相の温度または温度範囲よりも低い温度または温度範囲で維持する。上に論述したとおり、細胞密度または生存度を上昇させるために、または組換えタンパク質の発現を増大させるために、複数の別個の温度シフトを使用することができる。
一部の実施形態では、所望の細胞密度または生産力価が達成されるまで、細胞を後続の産生相で維持することができる。別の本発明の実施形態では、細胞を後続の産生相中に、既定の期間にわたって増殖させる。例えば、後続の増殖相の出発時での細胞培養物の濃度、細胞を増殖させる温度、および細胞の固有の増殖速度に応じて、細胞を1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20日以上増殖させることができる。場合によっては、細胞を1か月以上増殖させることができる。本発明の実行者は、後続の産生相の期間を、ポリペプチドまたはタンパク質生産要求および細胞自体の必要性に応じて選択することができるであろう。
酸素化および細胞への栄養素の分散を増加させるために、細胞培養物を後続の産生相の間に撹拌または振盪することができる。本発明では、当業者は、限定されるものではないが、pH、温度、酸素化などを含めて、後続の増殖相中のバイオリアクターのある特定の内部条件を制御または調節することが有利であり得ることを理解するであろう。
一部の実施形態では、細胞は、組換えタンパク質を発現し、本発明の細胞培養方法は、増殖相および産生相を含む。
一部の実施形態では、本明細書に開示の方法のいずれかのステップ(ii)を細胞培養方法全体で適用する。一部の実施形態では、本明細書に開示の方法のいずれかのステップ(ii)を細胞培養方法の一部で適用する。一部の実施形態では、ステップ(ii)を、所定の生細胞密度が得られるまで適用する。
一部の実施形態では、本発明の細胞培養方法は増殖相および産生相を含み、ステップ(ii)は増殖相の間に適用される。一部の実施形態では、本発明の細胞培養方法は増殖相および産生相を含み、ステップ(ii)は増殖相の部分の間に適用される。一部の実施形態では、本発明の細胞培養方法は増殖相および産生相を含み、ステップ(ii)は増殖相および産生相の間に適用される。
本明細書に開示の方法のいずれかのステップ(ii)では、用語「維持すること」は、全培養プロセス(収集まで)で、または例えば、増殖相、増殖相の一部などの培養プロセスの一部で、または所定の細胞密度が得られるまで、アミノ酸またはC1もしくはC2未満の代謝産物の濃度を維持することを指し得る。
上述の方法のいずれかの一部の実施形態では、細胞増殖および/または生産性が対照培養と比較して上昇しており、その際、前記対照培養は、ステップ(ii)を含まないことを除いて、同一である。
上述の方法のいずれかの一部の実施形態では、本発明の方法は、細胞増殖を向上させるための方法である。一部の実施形態では、本発明の方法は、高密度細胞培養において高い細胞密度で、細胞増殖を向上させるための方法である。
高い細胞密度は、本明細書で使用される場合、1×10細胞/mL、5×10細胞/mL、1×10細胞/mL、5×10細胞/mL、1×10細胞/mLまたは5×10細胞/mLを超える、好ましくは、1×10細胞/mLを超える、より好ましくは、5×10細胞/mLを超える細胞密度を指す。
一部の実施形態では、本発明の方法は、細胞培養において細胞増殖を向上させるための方法であり、その際、細胞密度は、1×10細胞/mL、5×10細胞/mL、1×10細胞/mL、5×10細胞/mL、1×10細胞/mLまたは5×10細胞/mLを超える。一部の実施形態では、本発明の方法は、細胞培養において細胞増殖を向上させるための方法であり、その際、最大細胞密度は、1×10細胞/mL、5×10細胞/mL、1×10細胞/mL、5×10細胞/mL、1×10細胞/mLまたは5×10細胞/mLを超える。
一部の実施形態では、細胞増殖を、生細胞密度(VCD)、最大生細胞密度、または積算生細胞密度(IVCC)によって決定する。一部の実施形態では、細胞増殖を最大生細胞密度によって決定する。
用語「生細胞密度」は、本明細書で使用される場合、培地の所与の体積中に存在する細胞の数を指す。生細胞密度は、当業者に公知の任意の方法によって測定することができる。好ましくは、生細胞密度を、Bioprofile Flex(登録商標)などの自動細胞カウンターを使用して測定する。最大細胞密度という用語は、本明細書で使用される場合、細胞培養中に達成される最大細胞密度を指す。用語「細胞生存率」は、本明細書で使用される場合、培養中の細胞が培養条件または実験変動の所与のセットの下で生存する可能性を指す。当業界において通常の技能を有する者は、細胞生存率を決定するための多くの方法のいずれかが本発明に包含されることを認めるであろう。例えば、細胞生存率を決定するために、生細胞の膜は通過しないが、死細胞または死にかけの細胞の破壊された膜は通過し得る色素(例えば、トリパンブルー)を使用することができる。
用語「積算生細胞数(IVCC)」は、本明細書で使用される場合、生細胞密度(VCD)曲線下の面積を指す。IVCCは、次の式:IVCCt+1=IVCC+(VCD+VCDt+1)×(Δt)/2を使用して計算することができ、式中、Δtは、tとt+1時点との間の時間差である。IVCCt=0は、無視可能と仮定することができる。VCDおよびVCDt+1は、tおよびt+1時点での生細胞密度である。
用語「力価」は、本明細書で使用される場合、例えば、所与の量の培地体積において細胞培養によって産生される組換えで発現されたタンパク質の全量を指す。力価は典型的には、培地1リットルあたりのタンパク質のグラム単位で表される。
一部の実施形態では、細胞増殖は、対照培養と比較して、少なくとも5%、10%、15%、20%または25%上昇する。一部の実施形態では、細胞増殖は、対照培養と比較して、少なくとも10%上昇する。一部の実施形態では、細胞増殖は、対照培養と比較して、少なくとも20%上昇する。
一部の実施形態では、生産率は、力価および/または体積生産率によって決定される。
用語「力価」は、本明細書で使用される場合、例えば、所与の量の培地体積で細胞培養によって生産される組換えで発現されたタンパク質の全量を指す。力価は典型的には、培地1リットルあたりのタンパク質のグラム単位で表される。
一部の実施形態では、生産率は力価によって決定される。一部の実施形態では、生産率は、対照培養と比較して、少なくとも5%、10%、15%、20%または25%上昇する。一部の実施形態では、生産率は、対照培養と比較して、少なくとも10%上昇する。一部の実施形態では、生産率は、対照培養と比較して、少なくとも20%上昇する。
一部の実施形態では、細胞培養の最大細胞密度は、1×10細胞/mL、5×10細胞/mL、1×10細胞/mL、5×10細胞/mL、1×10細胞/mLまたは5×10細胞/mLよりも高い。一部の実施形態では、細胞培養の最大細胞密度は、5×10細胞/mLよりも高い。一部の実施形態では、細胞培養の最大細胞密度は、1×10細胞/mLよりも高い。
V.精製
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片を精製するための方法は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片を単離すること、および/または精製することを含む。一部の実施形態では、発現された大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は培地に分泌され、したがって、細胞および他の固体を遠心分離および/または濾過によって除去することができる。
本明細書に記載の方法に従って生産される大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片を宿主細胞から収集し、当業者には公知の任意の好適な方法を使用して精製することができる。ポリペプチドまたはその断片を精製するための好適な方法には、沈殿、ならびに疎水性相互作用、イオン交換、アフィニティー、キレート化、およびサイズ排除などの様々な種類のクロマトグラフィーが含まれ、それらは全て、当業界で公知である。好適な精製スキームは、これらの、または他の好適な方法の2つ以上を含んでもよい。一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の1つまたは複数は、エピトープタグまたはHISタグ、Strepタグなどの精製を容易にする「タグ」を含んでよい。そのようなタグ付きポリペプチドは好都合には、キレート化クロマトグラフィーまたはアフィニティークロマトグラフィーによって、例えば、馴化培地から精製することができる。任意選択で、タグ配列を精製後に切断することができる。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、アフィニティー精製のためのタグを含んでよい。アフィニティー精製タグは当業界で公知である。例には、例えば、Hisタグ(金属イオンに結合)、抗体、マルトース結合タンパク質(MBP)(アミロースに結合)、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)(グルタチオンに結合)、FLAGタグ、Strepタグ(ストレプトアビジンまたはその誘導体に結合)が含まれる。
好ましい一実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片は、精製タグを含まない。
一部の実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の収量は、少なくとも約1mg/L、少なくとも約2mg/L、少なくとも約3mg/L、少なくとも約4mg/L、少なくとも約5mg/L、少なくとも約6mg/L、少なくとも約7mg/L、少なくとも約8mg/L、少なくとも約9mg/L、少なくとも約10mg/L、少なくとも約11mg/L、少なくとも約12mg/L、少なくとも約13mg/L、少なくとも約14mg/L、少なくとも約15mg/L、少なくとも約16mg/L、少なくとも約17mg/L、少なくとも約18mg/L、少なくとも約19mg/L、少なくとも約20mg/L、少なくとも約25mg/L、少なくとも約30mg/L、少なくとも約35mg/L、少なくとも約40mg/L、少なくとも約45mg/L、少なくとも約50mg/L、少なくとも約55mg/L、少なくとも約60mg/L、少なくとも約65mg/L、少なくとも約70mg/L、少なくとも約75mg/L、少なくとも約80mg/L、少なくとも約85mg/L、少なくとも約90mg/L、少なくとも約95mg/L、または少なくとも約100mg/Lである。
一部の実施形態では、培養は、サイズが少なくとも約10リットル、例えば、少なくとも約10L、少なくとも約20L、少なくとも約30L、少なくとも約40L、少なくとも約50L、少なくとも約60L、少なくとも約70L、少なくとも約80L、少なくとも約90L、少なくとも約100L、少なくとも約150L、少なくとも約200L、少なくとも約250L、少なくとも約300L、少なくとも約400L、少なくとも約500L、少なくとも約600L、少なくとも約700L、少なくとも約800L、少なくとも約900L、少なくとも約1000L、少なくとも約2000L、少なくとも約3000L、少なくとも約4000L、少なくとも約5000L、少なくとも約6000L、少なくとも約10,000L、少なくとも約15,000L、少なくとも約20,000L、少なくとも約25,000L、少なくとも約30,000L、少なくとも約35,000L、少なくとも約40,000L、少なくとも約45,000L、少なくとも約50,000L、少なくとも約55,000L、少なくとも約60,000L、少なくとも約65,000L、少なくとも約70,000L、少なくとも約75,000L、少なくとも約80,000L、少なくとも約85,000L、少なくとも約90,000L、少なくとも約95,000L、少なくとも約100,000Lなどの体積である。
VI.組成物および製剤
一態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片を含む組成物を含む。一部の実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)の病原種に対する免疫を付与し得る、抗体を含む免疫応答を惹起する。
一部の実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片を唯一の抗原として含む。一部の実施形態では、組成物はコンジュゲートを含まない。
一部の実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片および追加の抗原を含む。一部の実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片および追加の大腸菌(E.coli)抗原を含む。一部の実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片および大腸菌(E.coli)からの糖コンジュゲートを含む。
一部の実施形態では、ポリペプチドまたはその断片は、大腸菌(E.coli)FimHに由来する。
一部の実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)FimCに由来するポリペプチドまたはその断片を含む。
一部の実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および大腸菌(E.coli)FimCに由来するポリペプチドまたはその断片を含む。
一態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および糖を含む組成物を含み、糖は、式O1(例えば、式O1A、式O1B、および式O1C)、式O2、式O3、式O4(例えば、式O4:K52および式O4:K6)、式O5(例えば、式O5abおよび式O5ac(株180/C3))、式O6(例えば、式O6:K2;K13;K15および式O6:K54)、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18(例えば、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、および式O18B1)、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23(例えば、式O23A)、式O24、式O25(例えば、式O25aおよび式O25b)、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45(例えば、式O45および式O45rel)、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73(例えば、式O73(株73-1))、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、および式O187(式中で、nは、1~100の整数である)のいずれかから選択される構造を含む。
一部の実施形態では、組成物は、本明細書に開示の糖のいずれか1つを含む。好ましい実施形態では、組成物は、本明細書に開示のコンジュゲートのいずれか1つを含む。
一部の実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)血清型O25、好ましくは血清型O25bからの少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)血清型O1、好ましくは血清型O1aからの少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)血清型O2からの少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)血清型O6からの少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む。
一実施形態では、組成物は、次の大腸菌(E.coli)血清型O25、O1、O2、およびO6、好ましくは、O25b、O1a、O2、およびO6のいずれか1つから選択される少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む。一実施形態では、組成物は、次の大腸菌(E.coli)血清型O25、O1、O2、およびO6、好ましくは、O25b、O1a、O2、およびO6のいずれか1つから選択される少なくとも2つの糖コンジュゲートを含む。一実施形態では、組成物は、次の大腸菌(E.coli)血清型O25、O1、O2、およびO6、好ましくは、O25b、O1a、O2、およびO6のいずれか1つから選択される少なくとも3つの糖コンジュゲートを含む。一実施形態では、組成物は、次の大腸菌(E.coli)血清型O25、O1、O2、およびO6、好ましくは、O25b、O1a、O2、およびO6のそれぞれからの糖コンジュゲートを含む。
好ましい一実施形態では、上の組成物のいずれかの糖コンジュゲートは個別に、CRM197にコンジュゲートされている。別の好ましい実施形態では、上記組成物のいずれかの糖コンジュゲートを、個別にSCPにコンジュゲートする。
したがって、一部の実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および少なくとも1つの大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。好ましい一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および1つよりも多いより大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。例えば、前記組成物は、2つの異なる大腸菌(E.coli)血清型(または「v」、価数)から12の異なる血清型(12v)からのO抗原を含み得る。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および3つの異なる血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および4つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、5つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および6つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および7つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および8つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および9つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および10の異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および11の異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および12の異なる血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および13の異なる血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および14の異なる血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および15の異なる血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および16の異なる血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および17の異なる血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および18の異なる血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および19の異なる血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および20の異なる血清型に由来するO抗原を含む。
好ましくは、大腸菌(E.coli)糖の数は、1種の血清型(または「v」、価数)から26種の異なる血清型(26v)までの範囲であってよい。一実施形態では、1種の血清型が存在する。一実施形態では、2種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、3種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、4種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、5種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、6種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、7種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、8種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、9種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、10種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、11種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、12種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、13種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、14種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、15種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、16種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、17種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、18種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、19種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、20種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、21種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、22種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、23種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、24種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、25種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、26種の異なる血清型が存在する。糖を担体タンパク質にコンジュゲートして、本明細書に記載の糖コンジュゲートを形成させる。
一態様では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、少なくとも1つの大腸菌(E.coli)血清群からのO抗原を含む糖コンジュゲートを含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、1つよりも多い大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、2つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、3つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、4つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、5つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、6つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、7つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、8つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、9つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、10の異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片からのO抗原;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、11の異なる大腸菌(E.coli)血清型を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、12の異なる血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、13の異なる血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、14の異なる血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、15の異なる血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、16の異なる血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、17の異なる血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、18の異なる血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、19の異なる血清型に由来するO抗原を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO抗原が担体タンパク質にコンジュゲートされた、20の異なる血清型に由来するO抗原を含む。
別の態様では、組成物は、少なくとも1つの大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。好ましい一実施形態では、組成物は、1つよりも多い大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。例えば、前記組成物は、2つの異なる大腸菌(E.coli)血清型から12の異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含み得る。一実施形態では、組成物は、3つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、4つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、5つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、6つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、7つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、8つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、9つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、10の異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、11の異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、12の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、13の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、14の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、15の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、16の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、17の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、18の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、19の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、20の異なる血清型に由来するO多糖を含む。
好ましい一実施形態では、組成物は、O多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、少なくとも1つの大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。好ましい一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、1つよりも多い大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。例えば、前記組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、2つの異なる大腸菌(E.coli)血清型から12の異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含んでよい。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、3つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、4つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、5つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、6つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、7つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、8つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、9つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、10の異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、11の異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、12の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、13の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、14の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、15の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、16の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、17の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、18の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、19の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされた、20の異なる血清型に由来するO多糖を含む。
最も好ましい実施形態では、組成物は、少なくとも1つの大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含み、その際、O多糖は、担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖は、O抗原およびコア糖を含む。好ましい実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原とコア糖とを含む、1種より多い大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。例えば、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、2つの異なる大腸菌(E.coli)血清型から12の異なる大腸菌(E.coli)血清型のO多糖を含み得る。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、3つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原とコア糖とを含む、4種の異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、5つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、6つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、7つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原とコア糖とを含む、8種の異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原とコア糖とを含む、9種の異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、10の異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原とコア糖とを含む、11種の異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原とコア糖とを含む、12種の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原とコア糖とを含む、13種の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原とコア糖とを含む、14種の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原とコア糖とを含む、15種の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原とコア糖とを含む、16種の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原とコア糖とを含む、17種の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原とコア糖とを含む、18種の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原とコア糖とを含む、19種の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのO多糖が担体タンパク質にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原とコア糖とを含む、20種の異なる血清型に由来するO多糖を含む。好ましい一実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
別の好ましい実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびO多糖が式O25a(式中、nは、少なくとも40である)およびコア糖を含む、CRM197にコンジュゲートされているO多糖を含む。好ましい実施形態では、組成物は、CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O25b(式中、nは少なくとも40である)と、コア糖とを含むO多糖をさらに含む。別の実施形態では、組成物は、CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O1a(式中、nは少なくとも40である)と、コア糖とを含むO多糖をさらに含む。別の実施形態では、組成物は、CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O2(式中、nは少なくとも40である)と、コア糖とを含むO多糖をさらに含む。別の実施形態では、組成物は、CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O6(式中、nは少なくとも40である)と、コア糖とを含むO多糖をさらに含む。
別の実施形態では、組成物は、CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O17(式中、nは少なくとも40である)と、コア糖とを含むO多糖をさらに含む。別の実施形態では、組成物は、CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O15(式中、nは少なくとも40である)と、コア糖とを含むO多糖をさらに含む。別の実施形態では、組成物は、CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O18A(式中、nは少なくとも40である)と、コア糖とを含むO多糖をさらに含む。別の実施形態では、組成物は、CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O75(式中、nは少なくとも40である)と、コア糖とを含むO多糖をさらに含む。別の実施形態では、組成物は、CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O4(式中、nは少なくとも40である)と、コア糖とを含むO多糖をさらに含む。別の実施形態では、組成物は、CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O16(式中、nは少なくとも40である)と、コア糖とを含むO多糖をさらに含む。別の実施形態では、組成物は、CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O13(式中、nは少なくとも40である)と、コア糖とを含むO多糖をさらに含む。別の実施形態では、組成物は、CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O7(式中、nは少なくとも40である)と、コア糖とを含むO多糖をさらに含む。
別の実施形態では、組成物は、CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O8(式中、nは少なくとも40である)と、コア糖とを含むO多糖をさらに含む。別の実施形態では、O多糖は、式O8(式中、nは、1~20、好ましくは2~5、より好ましくは3である)を含む。式O8は、例えば、図10Bにおいて示されている。別の実施形態では、組成物は、CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O9(式中、nは少なくとも40である)と、コア糖とを含むO多糖をさらに含む。別の実施形態では、O多糖は、式O9(式中、nは、1~20、好ましくは4~8、より好ましくは5である)を含む。式O9は、例えば、図10Bにおいて示されている。別の実施形態では、O多糖は、式O9a(式中、nは、1~20、好ましくは4~8、より好ましくは5である)を含む。式O9aは、例えば、図10Bにおいて示されている。
一部の実施形態では、O多糖は、式O20ab、式O20ac、式O52、式O97、および式O101(式中、nは1~20、好ましくは4~8、より好ましくは5である)のいずれか1つから選択される。例えば、図10Bを参照されたい。
前記のとおり、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびコンジュゲートされているO多糖(抗原)の任意の組合せを含み得る。1つの例示的な実施形態では、組成物は、式O25bを含む多糖、式O1Aを含む多糖、式O2を含む多糖、および式O6を含む多糖を含む。より具体的には、そのような組成物は、(i)CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O25b(式中、nは少なくとも40である)とコア糖とを含むO多糖;(ii)CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O1a(式中、nは少なくとも40である)とコア糖とを含むO多糖;(iii)CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O2(式中、nは少なくとも40である)とコア糖とを含むO多糖;および(iv)CRM197にコンジュゲートされたO多糖であって、式O6(式中、nは少なくとも40である)とコア糖とを含むO多糖を含む。
一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびO25aではない、いずれかの大腸菌(E.coli)血清型に由来する少なくとも1つのO多糖を含む。例えば、一実施形態では、組成物は、式O25aを含む糖を含まない。そのような組成物は、例えば、式O25bを含むO多糖、式O1Aを含むO多糖、式O2を含むO多糖、および式O6を含むO多糖を含み得る。
一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、2つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、3つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、4つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、5つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、6つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、7つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、8つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、9つの異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、10の異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、11の異なる大腸菌(E.coli)血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、12の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、13の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、14の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、15の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、16の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、17の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、18の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、19の異なる血清型に由来するO多糖を含む。一実施形態では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;およびそれぞれのO多糖がCRM197にコンジュゲートされ、O多糖がO抗原およびコア糖を含む、20の異なる血清型に由来するO多糖を含む。
一態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および糖が、nが15±2である式O25bを含む、担体タンパク質に共有結合されている糖を含むコンジュゲートを含む組成物に関する。一態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および糖が、nが17±2である式O25bを含む、担体タンパク質に共有結合されている糖を含むコンジュゲートを含む組成物に関する。一態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および糖が、nが55±2である式O25bを含む、担体タンパク質に共有結合されている糖を含むコンジュゲートを含む組成物に関する。別の態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および糖が、nが51±2である式O25bを含む、担体タンパク質に共有結合されている糖を含むコンジュゲートを含む組成物に関する。一実施形態では、糖は、大腸菌(E.coli)R1コア糖部分をさらに含む。別の実施形態では、糖は、大腸菌(E.coli)K12コア糖部分をさらに含む。別の実施形態では、糖は、KDO部分をさらに含む。好ましくは、担体タンパク質は、CRM197である。一実施形態では、コンジュゲートは、単一末端結合コンジュゲーションによって調製される。一実施形態では、コンジュゲートは、好ましくはDMSO緩衝剤中での還元的アミノ化化学によって調製される。一実施形態では、糖は、(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)スペーサーを介して担体タンパク質にコンジュゲートされる。好ましくは、組成物は、薬学的に許容できる希釈剤をさらに含む。
一実施形態では、免疫原性組成物は、ヒトにおいてIgG抗体を惹起し、前記抗体は、ELISAアッセイによって決定される場合、少なくとも0.2pg/ml、0.3pg/ml、0.35pg/ml、0.4pg/mlまたは0.5pg/mlの濃度で大腸菌(E.coli)血清型O25B多糖に結合することができる。したがって、本発明の免疫原性組成物を用いた免疫前および免疫後の血清のOPA活性の比較を行い、血清型O25Bに対するそれらの応答について比較して、応答者の増加の可能性を評価することができる。一実施形態では、免疫原性組成物は、ヒトにおいてIgG抗体を惹起し、前記抗体は、in vitroオプソニン貪食作用アッセイによって決定される場合、大腸菌(E.coli)血清型O25Bを殺傷することができる。一実施形態では、免疫原性組成物は、ヒトにおいて機能的抗体を惹起し、前記抗体は、in vitroオプソニン貪食作用アッセイによって決定される場合、大腸菌(E.coli)血清型O25Bを殺傷することができる。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、免疫前の集団と比較して、大腸菌(E.coli)血清型O25Bに対する応答者(すなわち、in vitro
OPAによって決定された場合、少なくとも1:8の力価を有する血清を有する個体)の割合を増大させる。一実施形態では、免疫原性組成物は、in vitroオプソニン貪食作用性殺傷アッセイによって決定される場合、少なくとも50%の対象において、大腸菌(E.coli)血清型O25Bに対する少なくとも1:8の力価を惹起する。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、in vitroオプソニン貪食作用性殺傷アッセイによって決定される場合、少なくとも60%、70%、80%、または少なくとも90%の対象において、大腸菌(E.coli)血清型O25Bに対する少なくとも1:8の力価を惹起する。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、免疫前の集団と比較して、大腸菌(E.coli)血清型O25Bに対する応答者(すなわち、in vitro
OPAによって決定された場合、少なくとも1:8の力価を有する血清を有する個体)の割合を有意に増大させる。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、免疫前の集団と比較して、大腸菌(E.coli)血清型O25Bに対するヒト対象のOPA力価を有意に増大させる。
一態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および糖が、nが39±2である式O1aを含む、担体タンパク質に共有結合されている糖を含むコンジュゲートを含む組成物に関する。別の態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および糖が、nが13±2である式O1aを含む、担体タンパク質に共有結合されている糖を含むコンジュゲートを含む組成物に関する。一実施形態では、糖は、大腸菌(E.coli)R1コア糖部分をさらに含む。一実施形態では、糖は、KDO部分をさらに含む。好ましくは、担体タンパク質はCRM197である。一実施形態では、コンジュゲートは、単一末端結合コンジュゲーションによって調製される。一実施形態では、コンジュゲートは、好ましくはDMSO緩衝剤中での還元的アミノ化化学反応によって調製される。一実施形態では、糖は、(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)スペーサーを介して担体タンパク質にコンジュゲートされる。好ましくは、組成物は、薬学的に許容できる希釈剤をさらに含む。
一実施形態では、免疫原性組成物は、ヒトにおいてIgG抗体を惹起し、前記抗体は、ELISAアッセイによって決定される場合、少なくとも0.2pg/ml、0.3pg/ml、0.35pg/ml、0.4pg/mlまたは0.5pg/mlの濃度で大腸菌(E.coli)血清型O1A多糖に結合することができる。したがって、本発明の免疫原性組成物を用いた免疫前および免疫後の血清のOPA活性の比較を行い、血清型O1Aに対するそれらの応答について比較して、応答者の増加の可能性を評価することができる。一実施形態では、免疫原性組成物は、ヒトにおいてIgG抗体を惹起し、前記抗体は、in vitroオプソニン貪食作用アッセイによって決定される場合、大腸菌(E.coli)血清型O1Aを殺傷することができる。一実施形態では、免疫原性組成物は、ヒトにおいて機能的抗体を惹起し、前記抗体は、in vitroオプソニン貪食作用アッセイによって決定される場合、大腸菌(E.coli)血清型O1Aを殺傷することができる。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、免疫前の集団と比較して、大腸菌(E.coli)血清型O1Aに対する応答者(すなわち、in vitro
OPAによって決定された場合、少なくとも1:8の力価を有する血清を有する個体)の割合を増大させる。一実施形態では、免疫原性組成物は、in vitroオプソニン貪食作用性殺傷アッセイによって決定される場合、少なくとも50%の対象において、大腸菌(E.coli)血清型O1Aに対する少なくとも1:8の力価を惹起する。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、in vitroオプソニン貪食作用性殺傷アッセイによって決定される場合、少なくとも60%、70%、80%、または少なくとも90%の対象において、大腸菌(E.coli)血清型O1Aに対する少なくとも1:8の力価を惹起する。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、免疫前の集団と比較して、大腸菌(E.coli)血清型O1Aに対する応答者(すなわち、in vitro
OPAによって決定された場合、少なくとも1:8の力価を有する血清を有する個体)の割合を有意に増大させる。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、免疫前の集団と比較して、大腸菌(E.coli)血清型O1Aに対するヒト対象のOPA力価を有意に増大させる。
一態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および糖が、nが43±2である式O2を含む、担体タンパク質に共有結合されている糖を含むコンジュゲートを含む組成物に関する。別の態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および糖が、nが47±2である式O2を含む、担体タンパク質に共有結合されている糖を含むコンジュゲートを含む組成物に関する。別の態様では、本発明は、糖が、nが17±2である式O2を含む、担体タンパク質に共有結合されている糖を含むコンジュゲートを含む組成物に関する。別の態様では、本発明は、糖が、nが18±2である式O2を含む、担体タンパク質に共有結合されている糖を含むコンジュゲートを含む組成物に関する。一実施形態では、糖は、大腸菌(E.coli)R1コア糖部分をさらに含む。別の実施形態では、糖は、大腸菌(E.coli)R4コア糖部分をさらに含む。別の実施形態では、糖は、KDO部分をさらに含む。好ましくは、担体タンパク質はCRM197である。一実施形態では、コンジュゲートは、単一末端結合コンジュゲーションによって調製される。一実施形態では、コンジュゲートは、好ましくはDMSO緩衝剤中での還元的アミノ化化学反応によって調製される。一実施形態では、糖は、(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)スペーサーを介して担体タンパク質にコンジュゲートされている。好ましくは、組成物は、薬学的に許容できる希釈剤をさらに含む。
一実施形態では、免疫原性組成物は、ヒトにおいてIgG抗体を惹起し、前記抗体は、ELISAアッセイによって決定される場合、少なくとも0.2pg/ml、0.3pg/ml、0.35pg/ml、0.4pg/mlまたは0.5pg/mlの濃度で大腸菌(E.coli)血清型O2多糖に結合することができる。したがって、本発明の免疫原性組成物を用いた免疫前および免疫後の血清のOPA活性の比較を行い、血清型O2に対するそれらの応答について比較して、応答者の増加の可能性を評価することができる。一実施形態では、免疫原性組成物は、ヒトにおいてIgG抗体を惹起し、前記抗体は、in vitroオプソニン貪食作用アッセイによって決定される場合、大腸菌(E.coli)血清型O2を殺傷することができる。一実施形態では、免疫原性組成物は、ヒトにおいて機能的抗体を惹起し、前記抗体は、in vitroオプソニン貪食作用アッセイによって決定される場合、大腸菌(E.coli)血清型O2を殺傷することができる。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、免疫前の集団と比較して、大腸菌(E.coli)血清型O2に対する応答者(すなわち、in vitro
OPAによって決定された場合、少なくとも1:8の力価を有する血清を有する個体)の割合を増大させる。一実施形態では、免疫原性組成物は、in vitroオプソニン貪食作用性殺傷アッセイによって決定される場合、少なくとも50%の対象において、大腸菌(E.coli)血清型O2に対する少なくとも1:8の力価を惹起する。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、in vitroオプソニン貪食作用性殺傷アッセイによって決定される場合、少なくとも60%、70%、80%、または少なくとも90%の対象において、大腸菌(E.coli)血清型O2に対する少なくとも1:8の力価を惹起する。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、免疫前の集団と比較して、大腸菌(E.coli)血清型O2に対する応答者(すなわち、in vitro
OPAによって決定された場合、少なくとも1:8の力価を有する血清を有する個体)の割合を有意に増大させる。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、免疫前の集団と比較して、大腸菌(E.coli)血清型O2に対するヒト対象のOPA力価を有意に増大させる。
一態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および糖が、nが42±2である式O6を含む、担体タンパク質に共有結合されている糖を含むコンジュゲートを含む組成物に関する。別の態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および糖が、nが50±2である式O6を含む、担体タンパク質に共有結合されている糖を含むコンジュゲートを含む組成物に関する。別の態様では、本発明は、糖が、nが17±2である式O6を含む、担体タンパク質に共有結合されている糖を含むコンジュゲートを含む組成物に関する。別の態様では、本発明は、糖が、nが18±2である式O6を含む、担体タンパク質に共有結合されている糖を含むコンジュゲートを含む組成物に関する。一実施形態では、糖は、大腸菌(E.coli)R1コア糖部分をさらに含む。一実施形態では、糖は、KDO部分をさらに含む。好ましくは、担体タンパク質はCRM197である。一実施形態では、コンジュゲートは、単一末端結合コンジュゲーションによって調製される。一実施形態では、コンジュゲートは、好ましくはDMSO緩衝剤中での還元的アミノ化化学反応によって調製される。一実施形態では、糖は、(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)スペーサーを介して担体タンパク質にコンジュゲートされる。好ましくは、組成物は、薬学的に許容できる希釈剤をさらに含む。
一実施形態では、免疫原性組成物は、ヒトにおいてIgG抗体を惹起し、前記抗体は、ELISAアッセイによって決定される場合、少なくとも0.2pg/ml、0.3pg/ml、0.35pg/ml、0.4pg/mlまたは0.5pg/mlの濃度で大腸菌(E.coli)血清型O6多糖に結合することができる。したがって、本発明の免疫原性組成物を用いた免疫前および免疫後の血清のOPA活性の比較を行い、血清型O6に対するそれらの応答について比較して、応答者の増加の可能性を評価することができる。一実施形態では、免疫原性組成物は、ヒトにおいてIgG抗体を惹起し、前記抗体は、in vitroオプソニン貪食作用アッセイによって決定される場合、大腸菌(E.coli)血清型O6を殺傷することができる。一実施形態では、免疫原性組成物は、ヒトにおいて機能的抗体を惹起し、前記抗体は、in vitroオプソニン貪食作用アッセイによって決定される場合、大腸菌(E.coli)血清型O6を殺傷することができる。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、免疫前の集団と比較して、大腸菌(E.coli)血清型O6に対する応答者(すなわち、in vitro
OPAによって決定された場合、少なくとも1:8の力価を有する血清を有する個体)の割合を増大させる。一実施形態では、免疫原性組成物は、in vitroオプソニン貪食作用性殺傷アッセイによって決定される場合、少なくとも50%の対象において、大腸菌(E.coli)血清型O6に対する少なくとも1:8の力価を惹起する。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、in vitroオプソニン貪食作用性殺傷アッセイによって決定される場合、少なくとも60%、70%、80%、または少なくとも90%の対象において、大腸菌(E.coli)血清型O6に対する少なくとも1:8の力価を惹起する。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、免疫前の集団と比較して、大腸菌(E.coli)血清型O6に対する応答者(すなわち、in vitro
OPAによって決定された場合、少なくとも1:8の力価を有する血清を有する個体)の割合を有意に増大させる。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、免疫前の集団と比較して、大腸菌(E.coli)血清型O6に対するヒト対象のOPA力価を有意に増大させる。
一態様では、組成物は、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片;および担体タンパク質に共有結合されている糖を含むコンジュゲートを含み、糖は、式O1(例えば、式O1A、式O1B、および式O1C)、式O2、式O3、式O4(例えば、式O4:K52および式O4:K6)、式O5(例えば、式O5abおよび式O5ac(株180/C3))、式O6(例えば、式O6:K2;K13;K15および式O6:K54)、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18(例えば、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、および式O18B1)、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23(例えば、式O23A)、式O24、式O25(例えば、式O25aおよび式O25b)、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45(例えば、式O45および式O45rel)、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73(例えば、式O73(株73-1))、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、および式O187(式中、nは、1~100、好ましくは31~90の整数である)のいずれか1つから選択される構造を含む。一実施形態では、糖は、大腸菌(E.coli)R1コア糖部分をさらに含む。一実施形態では、糖は、大腸菌(E.coli)R2コア糖部分をさらに含む。一実施形態では、糖は、大腸菌(E.coli)R3コア糖部分をさらに含む。別の実施形態では、糖は、大腸菌(E.coli)R4コア糖部分をさらに含む。一実施形態では、糖は、大腸菌(E.coli)K12コア糖部分をさらに含む。別の実施形態では、糖は、KDO部分をさらに含む。好ましくは、担体タンパク質は、CRM197である。一実施形態では、コンジュゲートは、単一末端結合コンジュゲーションによって調製される。一実施形態では、コンジュゲートは、好ましくはDMSO緩衝剤中での還元的アミノ化化学反応によって調製される。一実施形態では、糖は、(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)スペーサーを介して担体タンパク質にコンジュゲートされる。好ましくは、組成物は、薬学的に許容できる希釈剤をさらに含む。一実施形態では、組成物は、それぞれのコンジュゲートが担体タンパク質に共有結合した糖を含み、糖が前記式のいずれか1つから選択される構造を含む、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29のさらなるコンジュゲートから、最大でも30のさらなるコンジュゲートをさらに含む。
A.糖
一実施形態では、糖は、糖のサイズを制御するために、異なるWzzタンパク質(例えば、WzzB)の発現(必ずしも過剰発現ではない)によって産生される。
本明細書で使用される場合、用語「糖」は、単一の糖部分または単糖単位ならびに二糖、オリゴ糖、および多糖を形成するように共有結合した2つ以上の単一の糖部分または単糖単位の組合せを指す。糖は、線状または分枝状であってもよい。
一実施形態では、糖は、組換えグラム陰性細菌中で産生される。一実施形態では、糖は、組換え大腸菌(E.coli)細胞中で産生される。一実施形態では、糖は、組換えサルモネラ菌(Salmonella)細胞中で産生される。例示的な細菌としては、大腸菌(E.coli)O25K5H1、大腸菌(E.coli)BD559、大腸菌(E.coli)GAR2831、大腸菌(E.coli)GAR865、大腸菌(E.coli)GAR868、大腸菌(E.coli)GAR869、大腸菌(E.coli)GAR872、大腸菌(E.coli)GAR878、大腸菌(E.coli)GAR896、大腸菌(E.coli)GAR1902、大腸菌(E.coli)O25a ETC NR-5、大腸菌(E.coli)O157:H7:K-、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)血清型ティフィムリウム(Typhimurium)株LT2、大腸菌(E.coli)GAR2401、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)血清型エンテリティディス(Enteritidis)CVD1943、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)血清型ティフィムリウム(Typhimurium)株CVD1925、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)血清型パラティフィ(Paratyphi)A CVD1902、およびシゲラ・フレクスネリ(Shigella flexneri)CVD1208Sが挙げられる。一実施形態では、細菌は、大腸菌(E.coli)GAR2401ではない。糖産生に対するこの遺伝的手法は、ワクチン成分としてのO多糖およびO抗原分子の効率的な産生を可能にする。
本明細書で使用される用語「wzzタンパク質」とは、例えば、wzzB、wzz、wzzSF、wzzST、fepE、wzzfepE、wzz1およびwzz2などの、鎖長決定因子ポリペプチドを指す。例示的なwzz遺伝子配列に関するGenBank受託番号は、E4991/76についてはAF011910、F186についてはAF011911、M70/1-1についてはAF011912、79/311についてはAF011913、Bi7509-41についてはAF011914、C664-1992についてはAF011915、C258-94についてはAF011916、C722-89についてはAF011917、およびEDL933についてはAF011919である。G7およびBi316-41 wzz遺伝子配列に関するGenBank受託番号は、それぞれ、U39305およびU39306である。例示的なwzz遺伝子配列に関するさらなるGenBank受託番号は、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)亜種エンテリカ血清型ティフィムリウム(Typhimurium)株LT2 FepEについてはNP_459581;大腸菌(E.coli)O157:H7株EDL933 FepEについてはAIG66859;サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)亜種エンテリカ血清型ティフィムリウム(Typhimurium)株LT2 WzzBについてはNP_461024、大腸菌(E.coli)K-12亜株MG1655 WzzBについてはNP_416531、大腸菌(E.coli)K-12亜株MG1655 FepEについてはNP_415119である。好ましい実施形態では、wzzファミリータンパク質は、wzzB、wzz、wzzSF、wzzST、fepE、wzzfepE、wzz1およびwzz2のいずれか1つ、最も好ましくは、wzzB、より好ましくは、fepEである。
例示的なwzzB配列は、配列番号30~34に記載の配列を含む。例示的なFepE配列は、配列番号35~39に記載の配列を含む。
一部の実施形態では、改変された糖(対応する野生型糖と比較して改変されている)を、グラム陰性細菌中でグラム陰性細菌からwzzファミリータンパク質(例えば、fepE)を発現させる(必ずしも過剰発現させない)ことによって、および/または第2のwzz遺伝子(例えば、wzzB)のスイッチを切って(すなわち、抑制して、欠失させて、除去して)、中間の、もしくは長いO抗原鎖を含有する、リポ多糖などの高分子量糖を生成することによって産生させることができる。例えば、改変された糖を、wzz2を発現させ(必ずしも過剰発現させない)、wzz1のスイッチを切ることによって産生させることができる。または、別の方法では、改変された糖を、wzzfepEを発現させ(必ずしも過剰発現させない)、wzzBのスイッチを切ることによって産生させることができる。別の実施形態では、改変された糖を、wzzBを発現させる(必ず祖も過剰発現させない)が、wzzfepEのスイッチを切ることによって産生させることができる。別の実施形態では、改変された糖を、fepEを発現させることによって産生させることができる。好ましくは、wzzファミリータンパク質は、宿主細胞にとって異種である株に由来する。
一部の実施形態では、糖は、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、および配列番号39のいずれか1つに対して少なくとも30%、50%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するwzzファミリータンパク質を発現させることによって産生される。一実施形態においては、wzzファミリータンパク質は、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、および配列番号39のいずれか1つから選択される配列を含む。好ましくは、wzzファミリータンパク質は、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、および配列番号34に対して少なくとも30%、50%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%または100%の配列同一性を有する。一部の実施形態では、糖は、fepEタンパク質に対して少なくとも30%、50%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質を発現させることによって産生される。
一態様では、本発明は、グラム陰性細菌中で、wzzファミリータンパク質、好ましくは、fepEを発現させて、対応する野生型O多糖と比較して、少なくとも1、2、3、4、または5個の反復単位の増加を有する、中間の、または長いO抗原鎖を含有する高分子量糖を生成させることによって産生される糖に関する。一態様では、本発明は、グラム陰性細菌から、対応する野生型O抗原と比較して、少なくとも1、2、3、4、または5個の反復単位の増加を有する、中間の、または長いO抗原鎖を含有する高分子量糖を生成させるように、培養物中でwzzファミリータンパク質(例えば、wzzB)を発現する(必ずしも過剰発現するものではない)グラム陰性細菌によって産生される糖に関する。対応する野生型糖と比較して、反復単位の数が増加したさらなる例示的な糖については、以下のO多糖およびO抗原の記載を参照されたい。望ましい鎖長は、所与のワクチン構築物との関連で改善された、または最大の免疫原性をもたらすものである。
別の実施形態では、糖は、表1から選択されるいずれか1つの式を含み、糖中の反復単位数nは、対応する野生型O多糖中の反復単位数よりも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個以上の反復単位で多い。好ましくは、糖は、対応する野生型O多糖と比較して、少なくとも20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50反復単位の増加を含む。例えば、表24を参照されたい。糖の長さを決定する方法は、当業界で公知である。そのような方法としては、実施例13に記載されるような、核磁気共鳴、質量分析、およびサイズ排除クロマトグラフィーが挙げられる。
好ましい実施形態では、本発明は、内因性wzz O抗原長調節因子の遺伝子(例えば、wzzB)が欠失し、組換え大腸菌(E.coli)宿主細胞にとって異種のグラム陰性細菌に由来する(第2の)wzz遺伝子(例えば、サルモネラ菌(Salmonella)fepE)で置き換えられ、中間の、または長いO抗原鎖を含有する、リポ多糖などの高分子量糖を生成する、組換え大腸菌(E.coli)宿主細胞中で産生される糖に関する。一部の実施形態では、組換え大腸菌(E.coli)宿主細胞は、サルモネラ菌(Salmonella)、好ましくは、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)に由来するwzz遺伝子を含む。
一実施形態では、宿主細胞は、安定に維持されるプラスミドベクターとして、wzzファミリータンパク質の異種遺伝子を含む。別の実施形態では、宿主細胞は、宿主細胞の染色体DNA中の組み込まれた遺伝子として、wzzファミリータンパク質の異種遺伝子を含む。大腸菌(E.coli)宿主細胞中でプラスミドベクターを安定に発現させる方法および大腸菌(E.coli)宿主細胞の染色体中に異種遺伝子を組み込む方法は、当業界で公知である。一実施形態では、宿主細胞は、安定に維持されるプラスミドベクターとして、O抗原の異種遺伝子を含む。別の実施形態では、宿主細胞は、宿主細胞の染色体DNA中の組み込まれた遺伝子として、O抗原の異種遺伝子を含む。大腸菌(E.coli)宿主細胞およびサルモネラ菌(Salmonella)宿主細胞中でプラスミドベクターを安定に発現させる方法は、当業界で公知である。大腸菌(E.coli)宿主細胞およびサルモネラ菌(Salmonella)宿主細胞の染色体中に異種遺伝子を組み込む方法は、当業界で公知である。
一態様では、組換え宿主細胞は、炭素源を含む培地中で培養される。大腸菌(E.coli)を培養するための炭素源は、当業界で公知である。例示的な炭素源としては、限定されるものではないが、アラビノース、セロビオース、フルクトース、グルコース、グリセロール、イノシトール、ラクトース、マルトース、マンニトール、マンノース、ラムノース、ラフィノース、ソルビトール、ソルボース、スクロース、トレハロース、ピルベート、スクシネートおよびメチルアミンなどの、糖アルコール、ポリオール、アルドール糖またはケト糖が挙げられる。好ましい実施形態では、培地は、グルコースを含む。一部の実施形態では、培地は、炭素源として、ポリオールまたはアルドール糖、例えば、マンニトール、イノシトール、ソルボース、グリセロール、ソルビトール、ラクトースおよびアラビノースを含む。培養を開始する前に、全ての炭素源を培地に添加するか、または培養中に少しずつ、もしくは連続的に添加してもよい。
組換え宿主細胞のための例示的な培養培地は、KHPO、KHPO、(NHSO、クエン酸ナトリウム、NaSO、アスパラギン酸、グルコース、MgSO、FeSO-7HO、NaMoO-2HO、HBO、CoCl-6HO、CuCl-2HO、MnCl-4HO、ZnClおよびCaCl-2HOのいずれか1つから選択される要素を含む。好ましくは、培地は、KHPO、KHPO、(NHSO、クエン酸ナトリウム、NaSO、アスパラギン酸、グルコース、MgSO、FeSO-7HO、Na2MoO-2HO、HBO、CoCl-6HO、CuCl-2HO、MnCl-4HO、ZnClおよびCaCl-2HOを含む。
本明細書で使用される培地は、固体または液体、合成(すなわち、人工)または天然であってよく、組換え宿主細胞の培養のための十分な栄養素を含んでもよい。好ましくは、培地は、液体培地である。
一部の実施形態では、培地は、好適な無機塩をさらに含んでもよい。一部の実施形態では、培地は、微量栄養素をさらに含んでもよい。一部の実施形態では、培地は、増殖因子をさらに含んでもよい。一部の実施形態では、培地は、さらなる炭素源をさらに含んでもよい。一部の実施形態では、培地は、好適な無機塩、微量栄養素、増殖因子、および追加炭素源をさらに含んでもよい。大腸菌(E.coli)を培養するのに好適な無機塩、微量栄養素、増殖因子、および補助炭素源は、当業界で公知である。
一部の実施形態では、培地は、必要に応じて、ペプトン、N-Zアミン、大豆酵素加水分解物、さらなる酵母抽出物、モルト抽出物、補助炭素源および種々のビタミンなどの、さらなる成分を含んでもよい。一部の実施形態では、培地は、必要に応じて、ペプトン、N-Zアミン、大豆酵素加水分解物、さらなる酵母抽出物、モルト抽出物、補助炭素源および種々のビタミンなどの、そのようなさらなる成分を含まない。
好適な補助炭素源の実例としては、限定されるものではないが、グルコース、フルクトース、マンニトール、デンプンまたはデンプン加水分解物、セルロース加水分解物および糖蜜などの他の炭水化物;酢酸、プロピオン酸、乳酸、ギ酸、リンゴ酸、クエン酸、およびフマル酸などの有機酸;ならびにグリセロール、イノシトール、マンニトールおよびソルビトールなどのアルコールが挙げられる。
一部の実施形態では、培地は、窒素源をさらに含む。大腸菌(E.coli)を培養するための好適な窒素源は、当業界で公知である。好適な窒素源の実例としては、限定されるものではないが、アンモニアガスおよび水性アンモニアを含むアンモニア;塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウムおよび酢酸アンモニウムなどの無機または有機酸のアンモニウム塩;尿素;硝酸または亜硝酸塩、および純粋な、または未精製の調製物としてのアミノ酸、肉抽出物、ペプトン、魚粉、魚加水分解物、コーン浸出液、カゼイン加水分解物、大豆かす加水分解物、酵母抽出物、ドライイースト、エタノール-酵母蒸留物、大豆粉、綿実粉などを含む、他の窒素含有材料が挙げられる。
一部の実施形態では、培地は、無機塩を含む。好適な無機塩の実例としては、限定されるものではないが、カリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、銅、モリブデン、タングステンおよび他の微量元素、ならびにリン酸の塩が挙げられる。
一部の実施形態では、培地は、好適な増殖因子を含む。好適な微量栄養素、増殖因子などの実例としては、限定されるものではないが、純粋な、もしくは部分的に精製された化合物として、または天然材料中に存在するものとしての、コエンザイムA、パントテン酸、ピリドキシン-HCl、ビオチン、チアミン、リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、DL-6,8-チオクト酸、葉酸、ビタミンB12、他のビタミン、システインおよびヒドロキシプロリンなどのアミノ酸、アデニン、ウラシル、グアニン、チミンおよびシトシンなどの塩基、チオ硫酸ナトリウム、p-またはr-アミノ安息香酸、ナイアシンアミド、ニトリロアセテートなどが挙げられる。当業者であれば、当業界で公知の方法および技術に従って、経験的にその量を決定することができる。
別の実施形態では、本明細書に記載の改変された糖(対応する野生型糖と比較した場合)は、例えば、in vitroで合成的に生産される。糖の合成的生産または合成は、費用および時間集約的な生産プロセスの回避を容易にし得る。一実施形態では、糖は、例えば、逐次的グリコシル化戦略または逐次的グリコシル化戦略と、好適に保護された単糖中間体からの[3+2]ブロック合成戦略との組合せを使用するなどによって合成される。例えば、チオールグリコシドおよびグリコシルトリクロロアセトイミデート誘導体を、グリコシル化におけるグリコシルドナーとして使用することができる。一実施形態では、in vitroで合成される糖は、上記のwzzファミリータンパク質の操作などの組換え手段によって産生される糖と同一の構造を有する。
産生される糖(組換えまたは合成手段による)は、例えば、以下の大腸菌(E.coli)血清型:O1(例えば、O1A、O1B、およびO1C)、O2、O3、O4(例えば、O4:K52およびO4:K6)、O5(例えば、O5abおよびO5ac(180/C3株))、O6(例えば、O6:K2;K13;K15およびO6:K54)、O7、O8、O9、O10、O11、O12、O13、O14、O15、O16、O17、O18(例えば、O18A、O18ac、O18A1、O18B、およびO18B1)、O19、O20、O21、O22、O23(例えば、O23A)、O24、O25(例えば、O25aおよびO25b)、O26、O27、O28、O29、O30、O32、O33、O34、O35、O36、O37、O38、O39、O40、O41、O42、O43、O44、O45(例えば、O45およびO45rel)、O46、O48、O49、O50、O51、O52、O53、O54、O55、O56、O57、O58、O59、O60、O61、O62、62D、O63、O64、O65、O66、O68、O69、O70、O71、O73(例えば、O73(73-1株))、O74、O75、O76、O77、O78、O79、O80、O81、O82、O83、O84、O85、O86、O87、O88、O89、O90、O91、O92、O93、O95、O96、O97、O98、O99、O100、O101、O102、O103、O104、O105、O106、O107、O108、O109、O110、0111、O112、O113、O114、O115、O116、O117、O118、O119、O120、O121、O123、O124、O125、O126、O127、O128、O129、O130、O131、O132、O133、O134、O135、O136、O137、O138、O139、O140、O141、O142、O143、O144、O145、O146、O147、O148、O149、O150、O151、O152、O153、O154、O155、O156、O157、O158、O159、O160、O161、O162、O163、O164、O165、O166、O167、O168、O169、O170、O171、O172、O173、O174、O175、O176、O177、O178、O179、O180、O181、O182、O183、O184、O185、O186、およびO187のうちのいずれか1つを含む、任意の大腸菌(E.coli)血清型に由来する構造を含む。
個々の多糖は、典型的には、例えば、透析、濃縮操作、透析濾過操作、接線流濾過、沈降、溶出、遠心分離、沈降、限外濾過、深層濾過、および/またはカラムクロマトグラフィー(イオン交換クロマトグラフィー、マルチモードイオン交換クロマトグラフィー、DEAE、および疎水性相互作用クロマトグラフィー)などの当業界で公知の方法によって精製される(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化される)。好ましくは、多糖は、接線流濾過を含む方法によって精製される。
精製された多糖を活性化(例えば、化学的に活性化)して、それらが反応することができるようにし(例えば、担体タンパク質に直接的に、またはeTECスペーサーなどのリンカーを介して)、次いで、本明細書にさらに記載されるように、本発明の糖コンジュゲートに組み入れることができる。
1つの好ましい実施形態では、本発明の糖は、血清型がO25aである、大腸菌(E.coli)血清型に由来する。別の好ましい実施形態では、血清型は、O25bである。別の好ましい実施形態では、血清型は、O1Aである。別の好ましい実施形態では、血清型は、O2である。別の好ましい実施形態では、血清型は、O6である。別の好ましい実施形態では、血清型は、O17である。別の好ましい実施形態では、血清型は、O15である。別の好ましい実施形態では、血清型は、O18Aである。別の好ましい実施形態では、血清型は、O75である。別の好ましい実施形態では、血清型は、O4である。別の好ましい実施形態では、血清型は、O16である。別の好ましい実施形態では、血清型は、O13である。別の好ましい実施形態では、血清型は、O7である。別の好ましい実施形態では、血清型は、O8である。別の好ましい実施形態では、血清型は、O9である。
本明細書で使用される場合、上記の血清型のいずれかに対する参照は、当業界で公知であり、対応する血清型にとって独特である、反復単位構造(以下に記載されるようなO単位)を包含する血清型を指す。例えば、用語「O25a」血清型(当業界では血清型「O25」としても公知である)は、表1に示される式O25を包含する血清型を指す。別の例として、用語「O25b」血清型とは、表1に示される式O25bを包含する血清型を指す。
本明細書で使用される場合、血清型は、別途特定されない限り、例えば、式「O18」という用語が、式O18A、式O18ac、式18A1、式O18B、および式O18B1を包含すると一般的に指すように、本明細書で一般的に称される。
本明細書で使用される場合、用語「O1」とは、それぞれ、表1に示される式O1A、式O1A1、式O1B、および式O1Cのいずれか1つなどの、表1に記載の式名に総称「O1」を含む式の種を包含することを一般的に指す。したがって、「O1血清型」とは、式O1A、式O1A1、式O1B、および式O1Cのいずれか1つを包含する血清型を一般的に指す。
本明細書で使用される場合、用語「O6」とは、それぞれ、表1に示される式O6:K2;K13;K15;およびO6:K54のいずれか1つなどの、表1に記載の式名に総称「O6」を含む式の種を一般的に指す。したがって、「O6血清型」とは、式O6:K2;K13;K15;およびO6:K54のいずれか1つを包含する血清型を一般的に指す。
表1に記載の式名中に総称を含む式の種を一般的に指す用語の他の例としては、「O4」、「O5」、「O18」、および「O45」を含む。
本明細書で使用される場合、用語「O2」とは、表1に示される式O2を指す。用語「O2 O抗原」とは、表1に示される式O2を包含する糖を指す。
本明細書で使用される場合、上記の血清型に由来するO抗原に対する参照は、対応する血清型名と共に標識された式を包含する糖を指す。例えば、用語「O25B O抗原」とは、表1に示される式O25Bを包含する糖を指す。
別の例として、用語「O1 O抗原」は、それぞれ表1に示される式O1A、式O1A1、式O1B、および式O1Cなどの、用語「O1」を含む式を包含する糖を一般的に指す。
別の例として、用語「O6 O抗原」は、それぞれ表1に示される式O6:K2;式O6:K13;式O6:K15および式O6:K54などの、用語「O6」を含む式を包含する糖を一般的に指す。
B.O多糖
本明細書で使用される場合、用語「O多糖」とは、その構造が全細胞またはリピドAを含まないという条件で、O抗原を含む任意の構造を指す。例えば、一実施形態では、O多糖は、リピドAが結合していないリポ多糖を含む。リピドAを除去するステップは当業界で公知であり、例として、酸を添加する熱処理を含む。例示的なプロセスは、100℃で90分間の1%酢酸による処理を含む。このプロセスは、除去されるリピドAを単離するプロセスと組み合わされる。リピドAを単離するための例示的プロセスとしては、超遠心分離が挙げられる。
一実施形態では、O多糖とは、O抗原からなる構造を指し、その場合、O多糖は、O抗原という用語と同義である。1つの好ましい実施形態では、O多糖とは、コア糖を含まない、O抗原の反復単位を含む構造を指す。したがって、一実施形態では、O多糖は、大腸菌(E.coli)R1コア部分を含まない。別の実施形態では、O多糖は、大腸菌(E.coli)R2コア部分を含まない。別の実施形態では、O多糖は、大腸菌(E.coli)R3コア部分を含まない。別の実施形態では、O多糖は、大腸菌(E.coli)R4コア部分を含まない。別の実施形態では、O多糖は、大腸菌(E.coli)K12コア部分を含まない。別の好ましい実施形態では、O多糖は、O抗原と、コア糖とを含む構造を指す。別の実施形態では、O多糖は、O抗原、コア糖、およびKDO部分を含む構造を指す。
LPSから、コアオリゴ糖を含むO多糖を精製する方法は、当業界で公知である。例えば、LPSの精製後、精製されたLPSを、100℃で90分間にわたって1%(v/v)酢酸中で加熱することによって加水分解した後、4℃で5時間にわたって142,000xgで超遠心分離することができる。O多糖を含有する上清を凍結乾燥し、4℃で保存する。ある特定の実施形態では、O多糖の単純な精製を可能にするための莢膜合成遺伝子の欠失が記載される。
O多糖を、限定されるものではないが、LPSからリピドAを除去するための弱酸加水分解を含む方法によって単離することができる。他の実施形態は、O多糖調製のための薬剤としてヒドラジンの使用を含んでもよい。LPSの調製を、当業界で公知の方法によって達成することができる。
ある特定の実施形態では、Wzzタンパク質(例えば、wzzB)を発現する(必ずしも過剰発現しない)野生型、改変された、または弱毒化されたグラム陰性細菌株から精製されたO多糖が、コンジュゲートワクチンにおける使用のために提供される。好ましい実施形態では、O多糖鎖は、コンジュゲートまたは複合体化ワクチンとしてのワクチン抗原としての使用のためにwzzタンパク質を発現する(必ずしも過剰発現しない)グラム陰性細菌株から精製される。
一実施形態では、O多糖は、対応する野生型O多糖と比較して、約1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、17倍、18倍、19倍、20倍、21倍、22倍、23倍、24倍、25倍、26倍、27倍、28倍、29倍、30倍、31倍、32倍、33倍、34倍、35倍、36倍、37倍、38倍、39倍、40倍、41倍、42倍、43倍、44倍、45倍、46倍、47倍、48倍、49倍、50倍、51倍、52倍、53倍、54倍、55倍、56倍、57倍、58倍、59倍、60倍、61倍、62倍、63倍、64倍、65倍、66倍、67倍、68倍、69倍、70倍、71倍、72倍、73倍、74倍、75倍、76倍、77倍、78倍、79倍、80倍、81倍、82倍、83倍、84倍、85倍、86倍、87倍、88倍、89倍、90倍、91倍、92倍、93倍、94倍、95倍、96倍、97倍、98倍、99倍、100倍以上増加した分子量を有する。好ましい実施形態では、O多糖は、対応する野生型O多糖と比較して、少なくとも1倍かつ最大でも5倍増加した分子量を有する。別の実施形態では、O多糖は、対応する野生型O多糖と比較して、少なくとも2倍かつ最大でも4倍増加した分子量を有する。対応する野生型O多糖と比較した、O多糖の分子量の増加は、好ましくは、O抗原反復単位数の増加と関連する。一実施形態では、O多糖の分子量の増加は、wzzファミリータンパク質に起因する。
一実施形態では、O多糖は、対応する野生型O多糖と比較して、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100kDa以上増加した分子量を有する。一実施形態では、本発明のO多糖は、対応する野生型O多糖と比較して、少なくとも1kDaかつ最大でも200kDa増加した分子量を有する。一実施形態では、分子量は、少なくとも5kDaかつ最大でも200kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも10kDaかつ最大でも200kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも12kDaかつ最大でも200kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも15kDaかつ最大でも200kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも18kDaかつ最大でも200kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも20kDaかつ最大でも200kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも21kDaかつ最大でも200kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも22kDaかつ最大でも200kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも30kDaかつ最大でも200kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも1kDaかつ最大でも100kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも5kDaかつ最大でも100kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも10kDaかつ最大でも100kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも12kDaかつ最大でも100kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも15kDaかつ最大でも100kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも20kDaかつ最大でも100kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも1kDaかつ最大でも75kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも5kDaかつ最大でも75kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも10kDaかつ最大でも75kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも12kDaかつ最大でも75kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも15kDaかつ最大でも75kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも18kDaかつ最大でも75kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも20kDaかつ最大でも75kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも30kDaかつ最大でも75kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも10kDaかつ最大でも90kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも12kDaかつ最大でも85kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも10kDaかつ最大でも75kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも10kDaかつ最大でも70kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも10kDaかつ最大でも60kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも10kDaかつ最大でも50kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも10kDaかつ最大でも49kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも10kDaかつ最大でも48kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも10kDaかつ最大でも47kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも10kDaかつ最大でも46kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも20kDaかつ最大でも45kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも20kDaかつ最大でも44kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも20kDaかつ最大でも43kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも20kDaかつ最大でも42kDa増加している。一実施形態では、分子量は、少なくとも20kDaかつ最大でも41kDa増加している。対応する野生型O多糖と比較した、O多糖の分子量のそのような増加は、好ましくは、O抗原反復単位数の増加と関連する。一実施形態では、O多糖の分子量の増加は、wzzファミリータンパク質に起因する。例えば、表21を参照されたい。
別の実施形態では、O多糖は、表1から選択されるいずれか1つの式を含み、O多糖中の反復単位数nは、対応する野生型O多糖中の反復単位数よりも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個以上の反復単位で多い。好ましくは、糖は、対応する野生型O多糖と比較して、少なくとも20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50反復単位の増加を含む。例えば、表21を参照されたい。
C.O抗原
O抗原は、グラム陰性細菌の外膜中のリポ多糖(LPS)の一部である。O抗原は、細胞表面上にあり、可変性細胞構成要素である。O抗原の可変性は、グラム陰性細菌の血清型決定のための基礎を提供する。現在の大腸菌(E.coli)血清型決定スキームは、O多糖1~181を含む。
O抗原は、オリゴ糖反復単位(O単位)を含み、その野生型構造は、通常、広範囲の糖に由来する2~8個の残基を含有する。例示的な大腸菌(E.coli)O抗原のO単位は、表1に示され、図9A~9Cおよび図10A~10Bも参照されたい。
一実施形態では、本発明の糖は、1個のオリゴ糖単位であってもよい。一実施形態では、本発明の糖は、関連する血清型の1つの反復オリゴ糖単位である。そのような実施形態では、糖は、式O1a、式O2、式O6、式O8、式O9a、式O9、式O20ab、式O20ac、式O25b、式O52、式O97、および式O101のいずれか1つから選択される構造を含んでもよい。さらなる実施形態では、糖は、式O1a、式O2、式O6、および式O25bのいずれか1つから選択される構造を含んでもよい。
一実施形態では、本発明の糖は、オリゴ糖であってもよい。オリゴ糖は、少数の反復単位(典型的には、5~15の反復単位)を有し、典型的には、合成的に、または多糖の加水分解によって誘導される。そのような実施形態では、糖は、式O1a、式O2、式O6、式O8、式O9a、式O9、式O20ab、式O20ac、式O25b、式O52、式O97、および式O101のいずれか1つから選択される構造を含んでもよい。さらなる実施形態では、糖は、式O1a、式O2、式O6、および式O25bのいずれか1つから選択される構造を含んでもよい。
好ましくは、本発明の、および本発明の免疫原性組成物中の全ての糖は、多糖である。高分子量の多糖は、抗原性表面上に存在するエピトープのため、ある特定の抗体免疫応答を誘導することができる。高分子量の多糖の単離および精製は、好ましくは、本発明のコンジュゲート、組成物および方法における使用のために企図される。
一部の実施形態では、それぞれ個々のO抗原ポリマー中の反復O単位の数(したがって、ポリマー鎖の長さおよび分子量)は、wzz鎖長調節因子、内膜タンパク質に依存する。異なるwzzタンパク質は、異なる範囲のモード長(4~100超の反復単位)をもたらす。用語「モード長」とは、反復O単位の数を指す。グラム陰性細菌は、一方は長く、一方は短い、2つの異なるOAgモード鎖長をもたらす2つの異なるWzzタンパク質を有することが多い。グラム陰性細菌中でのwzzファミリータンパク質(例えば、wzzB)の発現(必ずしも過剰発現ではない)は、ある特定の長さ範囲のO抗原の細菌産生にシフトさせる、もしくは偏らせる、および高収率の高分子量リポ多糖の産生を増強させる、O抗原長の操作を可能にし得る。一実施形態では、本明細書で使用される場合の「短い」モード長とは、少数、例えば、1~20の反復O単位を指す。一実施形態では、本明細書で使用される場合の「長い」モード長とは、20より大きく、最大で40までの反復O単位の数を指す。一実施形態では、本明細書で使用される場合の「非常に長い」モード長とは、40より大きい反復O単位を指す。
一実施形態では、産生される糖は、対応する野生型O多糖と比較して、少なくとも10反復単位、15反復単位、20反復単位、25反復単位、30反復単位、35反復単位、40反復単位、45反復単位、50反復単位、55反復単位、60反復単位、65反復単位、70反復単位、75反復単位、80反復単位、85反復単位、90反復単位、95反復単位、または100反復単位の増加を有する。
別の実施形態では、本発明の糖は、対応する野生型O多糖と比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100以上の反復単位の増加を有する。好ましくは、糖は、対応する野生型O多糖と比較して、少なくとも20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50反復単位の増加を含む。例えば、表21を参照されたい。糖の長さを決定する方法は、当業界で公知である。そのような方法としては、実施例13に記載されるような、核磁気共鳴、質量分析、およびサイズ排除クロマトグラフィーが挙げられる。
糖中の反復単位の数を決定する方法も、当業界で公知である。例えば、多糖の分子量(コア糖またはKDO残基の分子量を含まない)を、反復単位の分子量(すなわち、式内のそれぞれの単糖の分子量の和として理論的に算出することができる、例えば、表1に示される対応する式中の構造の分子量)で除算することによって、反復単位の数(または式中の「n」)を算出することができる。式内のそれぞれの単糖の分子量は、当業界で公知である。例えば、式O25bの反復単位の分子量は、約862Daである。例えば、式O1aの反復単位の分子量は、約845Daである。例えば、式O2の反復単位の分子量は、約829Daである。例えば、式O6の反復単位の分子量は、約893Daである。コンジュゲート中の反復単位の数を決定する場合、担体タンパク質の分子量およびタンパク質:多糖比を考慮に入れる。本明細書で定義される場合、「n」とは、多糖分子中の反復単位の数(表1中で括弧内に示される)を指す。当業界で公知のように、生体高分子中で、反復構造は、例えば、失われる分枝などの、不完全な反復の領域が組み入れられていてもよい。さらに、細菌などの天然供給源から単離および精製された多糖は、サイズおよび分枝において不均一であり得ることが当業界で公知である。そのような場合、nは、集団中の分子のnに関する平均値または中央値を表してもよい。
一実施形態では、O多糖は、対応する野生型O多糖と比較して、O抗原の少なくとも1の反復単位の増加を有する。O抗原の反復単位は、表1に示される。一実施形態では、O多糖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100以上の合計反復単位を含む。好ましくは、糖は、合計で少なくとも3から、最大でも80の反復単位を有する。別の実施形態では、O多糖は、対応する野生型O多糖と比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100以上の反復単位の増加を有する。
一実施形態では、糖は、O抗原式(例えば、表1に示される式など(図9A~9Cおよび図10A~10Bも参照されたい))のいずれかにおけるnが、少なくとも1、2、3、4、5、10、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、および最大でも200、100、99、98、97、96、95、94、93、92、91、90、89、88、87、86、81、80、79、78、77、76、75、74、73、72、71、70、69、68、67、66、65、60、59、58、57、56、55、54、53、52、51、または50の整数である、O抗原を含む。任意の最小値と任意の最大値とを組み合わせて、範囲を定義することができる。例示的な範囲としては、例えば、少なくとも1~最大でも1000;少なくとも10~最大でも500;および少なくとも20~最大でも80、好ましくは、最大でも90が挙げられる。1つの好ましい実施形態では、nは、少なくとも31~最大でも90である。好ましい実施形態では、nは、40~90、より好ましくは、60~85である。
一実施形態では、糖は、O抗原式のいずれか1つにおけるnが少なくとも1であり、最大でも200である、O抗原を含む。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも5であり、最大でも200である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも10であり、最大でも200である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも25であり、最大でも200である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも50であり、最大でも200である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも75であり、最大でも200である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも100であり、最大でも200である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも125であり、最大でも200である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも150であり、最大でも200である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも175であり、最大でも200である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも1であり、最大でも100である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも5であり、最大でも100である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも10であり、最大でも100である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも25であり、最大でも100である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも50であり、最大でも100である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも75であり、最大でも100である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも1であり、最大でも75である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも5であり、最大でも75である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも10であり、最大でも75である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも20であり、最大でも75である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも25であり、最大でも75である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも30であり、最大でも75である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも40であり、最大でも75である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも50であり、最大でも75である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも30であり、最大でも90である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも35であり、最大でも85である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも35であり、最大でも75である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも35であり、最大でも70である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも35であり、最大でも60である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも35であり、最大でも50である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも35であり、最大でも49である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも35であり、最大でも48である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも35であり、最大でも47である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも35であり、最大でも46である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも36であり、最大でも45である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも37であり、最大でも44である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも38であり、最大でも43である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも39であり、最大でも42である。一実施形態では、O抗原式のいずれか1つにおけるnは、少なくとも39であり、最大でも41である。
例えば、一実施形態では、糖におけるnは、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、または90、最も好ましくは40である。別の実施形態では、nは、少なくとも35~最大でも60である。例えば、一実施形態では、nは、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、および60のいずれか1つ、好ましくは50である。別の好ましい実施形態では、nは、少なくとも55~最大でも75である。例えば、一実施形態では、nは、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、または69、最も好ましくは60である。
糖構造を、例えば、1D、1H、および/もしくは13Cを含むNMR、2D TOCSY、DQF-COSY、NOESY、ならびに/またはHMQCなどの、当業界で公知の方法および手段によって決定することができる。
一部の実施形態では、コンジュゲーション前の精製された多糖は、5kDa~400kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、10kDa~400kDa;5kDa~400kDa;5kDa~300kDa;5kDa~200kDa;5kDa~150kDa;10kDa~100kDa;10kDa~75kDa;10kDa~60kDa;10kDa~40kDa;10kDa~100kDa;10kDa~200kDa;15kDa~150kDa;12kDa~120kDa;12kDa~75kDa;12kDa~50kDa;12~60kDa;35kDa~75kDa;40kDa~60kDa;35kDa~60kDa;20kDa~60kDa;12kDa~20kDa;または20kDa~50kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、多糖は、7kDa~15kDa;8kDa~16kDa;9kDa~25kDa;10kDa~100kDa;10kDa~60kDa;10kDa~70kDa;10kDa~160kDa;15kDa~600kDa;20kDa~1000kDa;20kDa~600kDa;20kDa~400kDa;30kDa~1,000kDa;30kDa~60kDa;30kDa~50kDaまたは5kDa~60kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
本明細書で使用される場合、多糖または担体タンパク質-多糖コンジュゲートの用語「分子量」とは、多角度レーザー光散乱検出器(MALLS)と組み合わせた、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって算出される分子量を指す。
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけることができる。機械的または化学的サイジングを用いることができる。化学的加水分解を、酢酸を使用して行うことができる。機械的サイジングを、高圧ホモジェナイゼーション剪断を使用して行うことができる。上記の分子量範囲は、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
Figure 2023546615000002
Figure 2023546615000003
Figure 2023546615000004
Figure 2023546615000005
Figure 2023546615000006
Figure 2023546615000007
Figure 2023546615000008
Figure 2023546615000009
D.コアオリゴ糖
コアオリゴ糖は、野生型大腸菌(E.coli)LPS中のリピドAとO抗原外側領域との間に位置する。より具体的には、コアオリゴ糖は、野生型大腸菌(E.coli)中のO抗原とリピドAとの間に結合を含む多糖の部分である。この結合は、最深部の3-デオキシ-d-マンノ-オクタ-2-ウロソン酸(KDO)残基のヘミケタール機能と、リピドAのGlcNAc残基のヒドロキシル基との間のケトシド結合を含む。コアオリゴ糖領域は、野生型大腸菌(E.coli)株間で高い類似度を示す。それは通常、限られた数の糖を含む。コアオリゴ糖は、内側コア領域と、外側コア領域とを含む。
より具体的には、内側コアは、主にL-グリセロ-D-マンノ-ヘプトース(ヘプトース)およびKDO残基から構成される。内側コアは、高度に保存されている。KDO残基は、以下の式KDO:
Figure 2023546615000010
を含む。
コアオリゴ糖の外側領域は、内側コア領域よりも大きな変化を示し、この領域の差異は、大腸菌(E.coli)における5つのケモタイプ:R1、R2、R3、R4、およびK-12を区別する。5つの既知のケモタイプの外側コアオリゴ糖の炭水化物骨格の一般構造を例示する図24を参照されたい。HepIIは、内側コアオリゴ糖の最後の残基である。外側コアオリゴ糖は全て、(ヘキソース)炭水化物骨格および2つの側鎖残基と共に、構造テーマを共有するが、骨格中のヘキソースの順序ならびに側鎖残基の性質、位置、および結合は全て変化し得る。R1およびR4外側コアオリゴ糖の構造は、非常に類似しており、単一のβ結合残基においてのみ異なっている。
野生型大腸菌(E.coli)のコアオリゴ糖は、遠位オリゴ糖の構造に基づいて、当業界では5つの異なるケモタイプ:大腸菌(E.coli)R1、大腸菌(E.coli)R2、大腸菌(E.coli)R3、大腸菌(E.coli)R4、および大腸菌(E.coli)K12に分類される。
好ましい実施形態では、本明細書に記載の組成物は、O多糖がO抗原に結合したコアオリゴ糖を含む糖コンジュゲートを含む。一実施形態では、組成物は、コア大腸菌(E.coli)ケモタイプ:大腸菌(E.coli)R1、大腸菌(E.coli)R2、大腸菌(E.coli)R3、大腸菌(E.coli)R4、および大腸菌(E.coli)K12の少なくともいずれか1つに対する免疫応答を誘導する。別の実施形態では、組成物は、少なくとも2つのコア大腸菌(E.coli)ケモタイプに対する免疫応答を誘導する。別の実施形態では、組成物は、少なくとも3つのコア大腸菌(E.coli)ケモタイプに対する免疫応答を誘導する。別の実施形態では、組成物は、少なくとも4つのコア大腸菌(E.coli)ケモタイプに対する免疫応答を誘導する。別の実施形態では、組成物は、5つ全部のコア大腸菌(E.coli)ケモタイプに対する免疫応答を誘導する。
別の好ましい実施形態では、本明細書に記載の組成物は、O多糖がO抗原に結合したコアオリゴ糖を含まない糖コンジュゲートを含む。一実施形態では、そのような組成物は、O多糖を有する糖コンジュゲートがコアオリゴ糖を含まないにも拘わらず、コア大腸菌(E.coli)ケモタイプ:大腸菌(E.coli)R1、大腸菌(E.coli)R2、大腸菌(E.coli)R3、大腸菌(E.coli)R4、および大腸菌(E.coli)K12の少なくともいずれか1つに対する免疫応答を誘導する。
大腸菌(E.coli)血清型は、5つのケモタイプの1つに従って特徴付けることができる。表2は、ケモタイプに従って特徴付けられる例示的な血清型を列挙する。太字の血清型は、示されたコアケモタイプと最も一般的に関連する血清型を表す。したがって、好ましい実施形態では、組成物は、それぞれの対応する大腸菌(E.coli)血清型のいずれか1つに対する免疫応答を含む、コア大腸菌(E.coli)ケモタイプ:大腸菌(E.coli)R1、大腸菌(E.coli)R2、大腸菌(E.coli)R3、大腸菌(E.coli)R4、および大腸菌(E.coli)K12の少なくともいずれか1つに対する免疫応答を誘導する。
Figure 2023546615000011
一部の実施形態では、組成物は、例えば、式O25a、式O6、式O2、式O1、式O75、式O4、式O16、式O8、式O18、式O9、式O13、式O20、式O21、式O91、および式O163(式中、nは1~100である)を有する糖から選択される、R1ケモタイプを有する血清型に由来する構造を含む糖を含む。一部の実施形態では、前記組成物中の糖は、例えば、図24に示される、大腸菌(E.coli)R1コア部分をさらに含む。
一部の実施形態では、組成物は、例えば、式O25a、式O6、式O2、式O1、式O75、式O4、式O16、式O18、式O13、式O20、式O21、式O91、および式O163(式中、nは1~100、好ましくは31~100、好ましくは31~90、より好ましくは35~90、最も好ましくは35~65である)を有する糖から選択される、R1ケモタイプを有する血清型に由来する構造を含む糖を含む。一部の実施形態では、前記組成物中の糖は、糖中に大腸菌(E.coli)R1コア部分をさらに含む。
一部の実施形態では、組成物は、例えば、式O21、式O44、式O11、式O89、式O162、および式O9(式中、nは1~100、好ましくは31~100、好ましくは31~90、より好ましくは35~90、最も好ましくは35~65である)を有する糖から選択される、R2ケモタイプを有する血清型に由来する構造を含む糖を含む。一部の実施形態では、前記組成物中の糖は、例えば、図24に示される、大腸菌(E.coli)R2コア部分をさらに含む。
一部の実施形態では、組成物は、例えば、式O25b、式O15、式O153、式O21、式O17、式O11、式O159、式O22、式O86、および式O93(式中、nは1~100、好ましくは31~100、好ましくは31~90、より好ましくは35~90、最も好ましくは35~65である)を有する糖から選択される、R3ケモタイプを有する血清型に由来する構造を含む糖を含む。一部の実施形態では、前記組成物中の糖は、例えば、図24に示される、大腸菌(E.coli)R3コア部分をさらに含む。
一部の実施形態では、組成物は、例えば、式O2、式O1、式O86、式O7、式O102、式O160、および式O166(式中、nは1~100、好ましくは31~100、好ましくは31~90、より好ましくは35~90、最も好ましくは35~65である)を有する糖から選択される、R4ケモタイプを有する血清型に由来する構造を含む糖を含む。一部の実施形態では、前記組成物中の糖は、例えば、図24に示される、大腸菌(E.coli)R4コア部分をさらに含む。
一部の実施形態では、組成物は、K-12ケモタイプ(例えば、式O25bを有する糖および式O16(式中、nは1~100、好ましくは31~100、好ましくは31~90、より好ましくは35~90、最も好ましくは35~65である)を有する糖から選択される)を有する血清型に由来する構造を含む糖を含む。一部の実施形態では、前記組成物中の糖は、例えば、図24に示される、大腸菌(E.coli)K-12コア部分をさらに含む。
一部の実施形態では、糖は、コア糖を含む。したがって、一実施形態では、O多糖は、大腸菌(E.coli)R1コア部分をさらに含む。別の実施形態では、O多糖は、大腸菌(E.coli)R2コア部分をさらに含む。別の実施形態では、O多糖は、大腸菌(E.coli)R3コア部分をさらに含む。別の実施形態では、O多糖は、大腸菌(E.coli)R4コア部分をさらに含む。別の実施形態では、O多糖は、大腸菌(E.coli)K12コア部分をさらに含む。
一部の実施形態では、糖は、コア糖を含まない。したがって、一実施形態では、O多糖は、大腸菌(E.coli)R1コア部分を含まない。別の実施形態では、O多糖は、大腸菌(E.coli)R2コア部分を含まない。別の実施形態では、O多糖は、大腸菌(E.coli)R3コア部分を含まない。別の実施形態では、O多糖は、大腸菌(E.coli)R4コア部分を含まない。別の実施形態では、O多糖は、大腸菌(E.coli)K12コア部分を含まない。
E.コンジュゲート化O抗原
O抗原、または好ましくはO多糖の、タンパク質担体への化学的結合は、O抗原またはO多糖の免疫原性を改善し得る。しかしながら、ポリマーサイズの可変性が、生産に関する現実的課題である。商業的使用では、糖のサイズは、様々なコンジュゲーション合成戦略、製品の均一性、およびコンジュゲートの免疫原性との適合性に影響し得る。O抗原合成経路の操作によるWzzファミリータンパク質鎖長調節因子の発現の制御は、大腸菌(E.coli)を含む種々のグラム陰性細菌株における所望の長さのO抗原鎖の産生を可能にする。
一実施形態では、精製された糖は、担体タンパク質と反応することができる活性化された糖を産生するように化学的に活性化される。活性化されたら、それぞれの糖は、担体タンパク質に別々にコンジュゲートされて、コンジュゲート、すなわち、糖コンジュゲートを形成する。本明細書で使用される場合、用語「糖コンジュゲート」とは、担体タンパク質に共有結合した糖を指す。一実施形態では、糖は、担体タンパク質に直接結合する。別の実施形態では、糖は、スペーサー/リンカーを介して担体タンパク質に結合する。
O抗原に沿った1つもしくは複数の部位で担体をO抗原に結合させるスキームによって、またはコアオリゴ糖の少なくとも1つの残基を活性化するスキームによって、コンジュゲートを調製することができる。
一実施形態では、それぞれの糖は、同じ担体タンパク質にコンジュゲートされる。
タンパク質担体が組成物中の2個以上の糖について同じである場合、糖を、担体タンパク質の同じ分子(例えば、2個以上の異なる糖がコンジュゲートされた担体分子)にコンジュゲートすることができる。
好ましい実施形態では、糖は、タンパク質担体の異なる分子にそれぞれ個別にコンジュゲートされる(タンパク質担体の各分子は、それにコンジュゲートされた1つの型の糖だけを有する)。前記実施形態では、糖は、担体タンパク質に個別にコンジュゲートされると言われる。
糖の化学的活性化およびその後の担体タンパク質へのコンジュゲーションを、本明細書に開示される活性化およびコンジュゲーション方法によって達成することができる。多糖の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、糖コンジュゲートは、様々な技術によって精製される(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化される)。これらの技術としては、濃縮/透析濾過操作、沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー、および深層濾過が挙げられる。個々の糖コンジュゲートを精製した後、それらを混合して、本発明の免疫原性組成物を製剤化する。
活性化。本発明はさらに、多糖がリンカーまたは担体タンパク質へのコンジュゲーションのための反応基を産生する化学試薬で活性化される、本明細書に記載の実施形態のいずれかから産生される活性化された多糖に関する。一部の実施形態では、本発明の糖は、担体タンパク質へのコンジュゲーションの前に活性化される。一部の実施形態では、活性化度は、多糖の分子量を実質的に減少させない。例えば、一部の実施形態では、活性化度は、多糖骨格を切断しない。一部の実施形態では、活性化度は、CRM197などの担体タンパク質中で改変されたリシン残基の数(アミノ酸分析によって決定される)によって測定された場合、コンジュゲーション度に有意に影響しない。例えば、一部の実施形態では、活性化度は、同じ活性化度で参照多糖を有するコンジュゲートの担体タンパク質中で改変されたリシン残基の数と比較して、担体タンパク質中で改変されたリシン残基の数(アミノ酸分析によって決定される)を3倍有意に増加させない。一部の実施形態では、活性化度は、非コンジュゲート化遊離糖のレベルを増加させない。一部の実施形態では、活性化度は、最適な糖/タンパク質比を低下させない。
一部の実施形態では、活性化された糖は、活性化された糖の糖反復単位あたりのチオールのモル数が、1~100%、例えば、2~80%、2~50%、3~30%、および4~25%などである、活性化のパーセンテージを有する。活性化度は、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、もしくは90%以上、または約100%である。好ましくは、活性化度は、最大でも50%、より好ましくは最大でも25%である。一実施形態では、活性化度は、最大でも20%である。任意の最小値と任意の最大値とを組み合わせて、範囲を定義することができる。
一実施形態では、多糖を、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて活性化して、シアン酸エステルを形成させる。次いで、活性化された多糖を、担体タンパク質(好ましくは、CRM197または破傷風トキソイド)上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングさせる。
例えば、スペーサーは、マレイミド活性化された担体タンパク質(例えば、N-[γ-マレイミドブチリロキシ]スクシンイミドエステル(GMBS)を使用する)またはハロアセチル化された担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、N-スクシンイミジルブロモ酢酸(SBA;SIB)、N-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノ安息香酸(SIAB)、スルホスクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノ安息香酸(スルホ-SIAB)、N-スクシンイミジルヨード酢酸(SIA)、もしくはスクシンイミジル3-[ブロモアセトアミド]プロピオン酸(SBAP)を使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合によって担体にカップリングすることができるチオール化された多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってよい。一実施形態では、シアン酸エステル(CDAP化学反応によって作製してもよい)を、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングし、アミノ誘導体化された糖を、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学反応を使用して担体タンパク質(例えば、CRM197)にコンジュゲートする。
コンジュゲーションのための他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基の、CDIとの反応、次いで、カルバメート結合を形成するタンパク質との反応によって形成することができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、第一ヒドロキシル基へのアノマー末端の還元、第一ヒドロキシル基の任意選択の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成する第一ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリング(CDI化学反応)を含んでもよい。
分子量。一部の実施形態では、糖コンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖を含む。他の実施形態では、糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。他の実施形態では、糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。他の実施形態では、糖は、200kDa~600kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、糖は、100kDa~1000kDa;100kDa~900kDa;100kDa~800kDa;100kDa~700kDa;100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;150kDa~1,000kDa;150kDa~900kDa;150kDa~800kDa;150kDa~700kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~900kDa;200kDa~800kDa;200kDa~700kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;200kDa~300kDa;250kDa~1,000kDa;250kDa~900kDa;250kDa~800kDa;250kDa~700kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~1,000kDa;300kDa~900kDa;300kDa~800kDa;300kDa~700kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~1,000kDa;400kDa~900kDa;400kDa~800kDa;400kDa~700kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量を有する。一実施形態では、そのような分子量を有する糖コンジュゲートは、単一末端コンジュゲーションによって生産される。別の実施形態では、そのような分子量を有する糖コンジュゲートは、水性緩衝剤中で調製される還元的アミノ化化学反応(RAC)によって生産される。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
一部の実施形態では、本発明の糖コンジュゲートは、400kDa~15,000kDa;500kDa~10,000kDa;2,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~8,000kDa;または3,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、糖コンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、糖コンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態では、糖コンジュゲートは、2,000kDa~8,000kDaまたは3,000kDa~7,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、本発明の糖コンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。一実施形態では、そのような分子量を有する糖コンジュゲートは、本明細書に記載のeTECコンジュゲーションによって生産される。別の実施形態では、そのような分子量を有する糖コンジュゲートは、還元的アミノ化化学反応(RAC)によって生産される。別の実施形態では、そのような分子量を有する糖コンジュゲートは、DMSO中で調製される還元的アミノ化化学反応(RAC)によって生産される。
さらなる実施形態では、本発明の糖コンジュゲートは、1,000kDa~20,000kDa;1,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~10,000kDa;2000kDa~7,500kDa;2,000kDa~5,000kDa;3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または5,000kDa~7,000kDaの分子量を有する。一実施形態では、そのような分子量を有する糖コンジュゲートは、還元的アミノ化化学反応(RAC)によって生産される。別の実施形態では、そのような分子量を有する糖コンジュゲートは、DMSO中で調製される還元的アミノ化化学反応(RAC)によって生産される。別の実施形態では、そのような分子量を有する糖コンジュゲートは、本明細書に記載のeTECコンジュゲーションによって生産される。
さらなる実施形態では、本発明の糖コンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
糖コンジュゲートの分子量を、SEC-MALLSによって測定することができる。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。本発明の糖コンジュゲートを、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~3(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。他の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.8~1.2、0.5~1.0、1.0~1.5または1.0~2.0である。さらなる実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.2である。好ましい実施形態では、コンジュゲート中の多糖の担体タンパク質に対する比は、0.9~1.1である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
また、糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、コンジュゲートの分子サイズ分布をプロファイリングするために重力送りのカラム中で使用される。媒体中の小孔から排除される大きい分子は、低分子よりも迅速に溶出する。画分収集装置を使用して、カラム溶出液を収集する。画分を、糖アッセイによる比色分析で試験する。Kの決定のために、分子が完全に排除される画分(V)、(K=0)、および最大保持を示す画分(V)、(K=1)を確立するために、カラムを較正する。特定の試料特性に達する画分(V)を、式K=(V-V)/(V-V)によってKと関連させる。
遊離糖。本発明の糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートしていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含んでもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に結合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。好ましい実施形態では、糖コンジュゲートは、多糖の総量と比較して、最大でも50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%の遊離多糖を含む。好ましい一実施形態では、糖コンジュゲートは、多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離多糖を含む。好ましい実施形態では、糖コンジュゲートは、多糖の総量と比較して、最大でも約20%の遊離多糖を含む。好ましい一実施形態では、糖コンジュゲートは、多糖の総量と比較して、最大でも約15%の遊離多糖を含む。別の好ましい実施形態では、糖コンジュゲートは、多糖の総量と比較して、最大でも約20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%の遊離多糖を含む。好ましい一実施形態では、糖コンジュゲートは、多糖の総量と比較して、約8%未満の遊離多糖を含む。好ましい一実施形態では、糖コンジュゲートは、多糖の総量と比較して、最大でも約6%の遊離多糖を含む。好ましい実施形態では、糖コンジュゲートは、多糖の総量と比較して、最大でも約5%の遊離多糖を含む。例えば、表19、表20、表21、表22、表23、表24、および表25を参照されたい。
共有結合。他の実施形態では、コンジュゲートは、5~10糖反復単位毎に;2~7糖反復単位毎に;3~8糖反復単位毎に;4~9糖反復単位毎に;6~11糖反復単位毎に;7~12糖反復単位毎に;8~13糖反復単位毎に;9~14糖反復単位毎に;10~15糖反復単位毎に;2~6糖反復単位毎に;3~7糖反復単位毎に;4~8糖反復単位毎に;6~10糖反復単位毎に;7~11糖反復単位毎に;8~12糖反復単位毎に;9~13糖反復単位毎に;10~14糖反復単位毎に;10~20糖反復単位毎に;4~25糖反復単位毎に、または2~25糖反復単位毎に、担体タンパク質と糖との間に少なくとも1個の共有結合を含む。よくある実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。別の実施形態では、担体タンパク質と糖との間の少なくとも1個の結合は、多糖の2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25糖反復単位毎に存在する。一実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
リシン残基。本発明の糖コンジュゲートを特徴付ける別の方法は、コンジュゲート化リシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数による。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン改変に関する証拠を、当業者には公知の日常的な方法を使用するアミノ酸分析によって取得することができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために使用される担体タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基数の減少をもたらす。好ましい実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。一実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。好ましい実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~7である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
糖鎖の担体タンパク質上のリシンへの結合の頻度は、本発明の糖コンジュゲートを特徴付けるための別のパラメーターである。例えば、一部の実施形態では、担体タンパク質と、多糖との間の少なくとも1つの共有結合は、多糖の4糖反復単位毎に存在する。別の実施形態では、担体タンパク質と多糖との間の共有結合は、多糖の10糖反復単位毎に少なくとも1回存在する。別の実施形態では、担体タンパク質と多糖との間の共有結合は、多糖の15糖反復単位毎に少なくとも1回存在する。別の実施形態では、担体タンパク質と多糖との間の共有結合は、多糖の25糖反復単位毎に少なくとも1回存在する。Oアセチル化。一部の実施形態では、本発明の糖は、Oアセチル化されている。一部の実施形態では、糖コンジュゲートは、10~100%、20~100%、30~100%、40~100%、50~100%、60~100%、70~100%、75~100%、80~100%、90~100%、50~90%、60~90%、70~90%または80~90%のOアセチル化度を有する糖を含む。他の実施形態では、Oアセチル化度は、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、もしくは90%以上、または約100%である。Oアセチル化の%とは、100%に対する所与の糖のパーセンテージを意味する(それぞれの反復単位はそのアセチル化された構造と比較して完全にアセチル化されている)。
一部の実施形態では、糖コンジュゲートを、還元的アミノ化によって調製する。一部の実施形態では、糖コンジュゲートは、糖が担体タンパク質に直接的に共有結合された、単一末端結合コンジュゲート化糖である。一部の実施形態では、糖コンジュゲートは、(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)スペーサーを介して担体タンパク質に共有結合されている。
還元的アミノ化。一実施形態では、糖は、還元的アミノ化(米国特許出願公開第2006/0228380号、第2007/0231340号、第2007/0184071号および第2007/0184072号、WO2006/110381、WO2008/079653、およびWO2008/143709などに記載されている)によって担体タンパク質にコンジュゲートされる。
還元的アミノ化は、(1)糖の酸化、(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された糖および担体タンパク質の還元を含む。酸化の前に、糖を加水分解してもよい。機械的または化学的加水分解を用いることができる。化学的加水分解を、酢酸を使用して行うことができる。
酸化ステップは、過ヨウ素酸塩との反応を含んでもよい。本明細書で使用される用語「過ヨウ素酸塩」とは、過ヨウ素酸塩と、過ヨウ素酸との両方を指す。この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。一実施形態では、多糖は、メタ過ヨウ素酸塩の存在下、好ましくは、過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)の存在下で酸化される。別の実施形態では、多糖は、オルト過ヨウ素酸塩の存在下、好ましくは、過ヨウ素酸の存在下で酸化される。
一実施形態では、酸化剤は、第一ヒドロキシルを選択的に酸化するための酸化剤の存在下の、ピペリジン-N-オキシまたはピロリジン-N-オキシ化合物などの安定なニトロキシルまたはニトロキシドラジカル化合物である。前記反応において、実際の酸化剤は、触媒サイクルにおける、N-オキソアンモニウム塩である。ある態様では、前記安定なニトロキシルまたはニトロキシドラジカル化合物は、ピペリジン-N-オキシまたはピロリジン-N-オキシ化合物である。ある態様では、前記安定なニトロキシルまたはニトロキシドラジカル化合物は、TEMPO(2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ)またはPROXYL(2,2,5,5-テトラメチル-1-ピロリジニルオキシ)部分を担持する。ある態様では、前記安定なニトロキシルラジカル化合物は、TEMPOまたはその誘導体である。ある態様では、前記酸化剤は、N-ハロ部分を担持する分子である。ある態様では、前記酸化剤は、N-クロロスクシンイミド、N-ブロモスクシンイミド、N-ヨードスクシンイミド、ジクロロイソシアヌル酸、1,3,5-トリクロロ-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン、ジブロモイソシアヌル酸、1,3,5-トリブロモ-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン、ジヨードイソシアヌル酸および1,3,5-トリヨード-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオンのいずれか1つから選択される。好ましくは、前記酸化剤は、N-クロロスクシンイミドである。
糖の酸化ステップの後、糖は活性化されると言われ、本明細書の以下で「活性化された」と称される。活性化された糖および担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。一実施形態では、活性化された糖および担体タンパク質は、同時凍結乾燥される。別の実施形態では、活性化された多糖および担体タンパク質は、独立に凍結乾燥される。
一実施形態では、凍結乾燥は、非還元糖の存在下で行い、あり得る非還元糖としては、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットが挙げられる。
コンジュゲーションプロセスの次のステップは、還元剤を使用した、コンジュゲートを形成させるための活性化された糖および担体タンパク質の還元(いわゆる還元的アミノ化)である。好適な還元剤としては、BronstedまたはLewis酸の存在下のシアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素ナトリウムもしくは水素化ホウ素亜鉛などのシアノ水素化ホウ素、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMe’PrN-BH3、ベンジルアミン-BH3または5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)、ボラン-ピリジン、またはホウ化水素交換樹脂などのアミンボランが挙げられる。一実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
ある実施形態では、還元反応は、水性溶媒(例えば、pH6.0~8.5、7.0~8.0または7.0~7.5の、PBS、MES、HEPES、Bis-トリス、ADA、PIPES、MOPSO、BES、MOPS、DIPSO、MOBS、HEPPSO、POPSO、TEA、EPPS、ビシンまたはHEPBから選択される)中で実行され、別の実施形態では、反応は非プロトン性溶媒中で実行される。ある実施形態では、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を使用して、凍結乾燥された活性化された糖および担体タンパク質を復元することができる。
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基があってもよく、これらのものを、好適なキャッピング剤を使用してキャップすることができる。一実施形態では、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)である。コンジュゲーション(還元反応および必要に応じて、キャッピング)の後、糖コンジュゲートを、当業者には公知の様々な技術によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。糖コンジュゲートを、透析濾過および/またはイオン交換クロマトグラフィーおよび/またはサイズ排除クロマトグラフィーによって精製することができる。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、透析濾過またはイオン交換クロマトグラフィーまたはサイズ排除クロマトグラフィーによって精製される。一実施形態では、糖コンジュゲートは、滅菌濾過される。
好ましい実施形態では、O25B、O1、O2、およびO6のいずれか1つから選択される大腸菌(E.coli)血清型に由来する糖コンジュゲートが、還元的アミノ化によって調製される。好ましい実施形態では、大腸菌(E.coli)血清型O25B、O1、O2、およびO6に由来する糖コンジュゲートが、還元的アミノ化によって調製される。
一態様では、本発明は、担体タンパク質、例えば、
Figure 2023546615000012
[式中、nは、1以上の任意の整数である]
によって表される、式O25Bの糖に連結されているCRM197を含むコンジュゲートに関する。好ましい実施形態では、nは、少なくとも31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、および最大でも200、100、99、98、97、96、95、94、93、92、91、90、89、88、87、86、81、80、79、78、77、76、75、74、73、72、71、70、69、68、67、66、65、60、59、58、57、56、55、54、53、52、51、または50の整数である。任意の最小値と任意の最大値とを組み合わせて、範囲を定義することができる。例示的な範囲としては、例えば、少なくとも1~最大でも1000;少なくとも10~最大でも500;および少なくとも20~最大でも80が挙げられる。1つの好ましい実施形態では、nは少なくとも31~最大でも90、より好ましくは40~90、最も好ましくは60~85である。
別の態様では、本発明は、表1(図9A~9Cおよび図10A~10Bも参照されたい)に示される以下の構造のいずれか1つ(式中、nは1より大きい整数であるか、または1に等しい)を有する糖に結合した、担体タンパク質、例えば、CRM197を含むコンジュゲートに関する。
理論またはメカニズムによって束縛されるものではないが、一部の実施形態では、安定なコンジュゲートは、抗原の重要な免疫原性エピトープの構造的完全性の保持とのバランスを保つレベルの抗原改変を必要とすると考えられる。
アルデヒドの活性化および形成。一部の実施形態では、本発明の糖は、活性化され、アルデヒドの形成をもたらす。糖が活性化されるそのような実施形態では、活性化のパーセンテージ(%)(または酸化度(DO))(例えば、実施例31を参照されたい)とは、活性化された多糖のアルデヒドのモルあたりの糖反復単位のモルを指す。例えば、一部の実施形態では、糖は、多糖の反復単位上の隣接ジオールの過ヨウ素酸塩酸化によって活性化され、アルデヒドの形成をもたらす。糖反復単位に対する過ヨウ素酸ナトリウムのモル当量(meq)および酸化中の温度を変化させることにより、酸化度(DO)のレベルの変化が得られる。
糖およびアルデヒド濃度は、典型的には、比色アッセイによって決定される。代替試薬は、TEMPO(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシルラジカル)-N-クロロスクシンイミド(NCS)混合物であり、第一アルコール基からのアルデヒドの形成をもたらす。
一部の実施形態では、活性化された糖は、活性化された糖のアルデヒドのモルあたりの糖反復単位のモルが、例えば、2~80、2~50、3~30、および4~25などの、1~100である酸化度を有する。活性化度は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20以上、30以上、40以上、50以上、60以上、70以上、80以上、もしくは90以上、または約100である。好ましくは、酸化度(DO)は、少なくとも5、かつ最大でも50、より好ましくは、少なくとも10、かつ最大でも25である。一実施形態では、活性化度は、少なくとも10、かつ最大でも25である。任意の最小値と任意の最大値とを組み合わせて、範囲を定義することができる。酸化度の値は、活性化のパーセンテージ(%)として表すことができる。例えば、一実施形態では、10のDO値は、活性化された糖中の合計10の糖反復単位のうち、1の活性化された糖反復単位を指し、その場合、10のDO値は、10%の活性化と表すことができる。
一部の実施形態では、還元的アミノ化化学反応によって調製されたコンジュゲートは、担体タンパク質と糖とを含み、糖は、式O1(例えば、式O1A、式O1B、および式O1C)、式O2、式O3、式O4(例えば、式O4:K52および式O4:K6)、式O5(例えば、式O5abおよび式O5ac(株180/C3))、式O6(例えば、式O6:K2;K13;K15および式O6:K54)、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18(例えば、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、および式O18B1)、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23(例えば、式O23A)、式O24、式O25(例えば、式O25aおよび式O25b)、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45(例えば、式O45および式O45rel)、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式O62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73(例えば、式O73(株73-1))、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、および式O187のいずれか1つから選択される構造を含む。一部の実施形態では、コンジュゲート中の糖は、nが1~1000、5~1000、好ましくは31~100、より好ましくは35~90、最も好ましくは35~65の整数である式を含む。
単一末端結合コンジュゲート。一部の実施形態では、コンジュゲートは、糖が、糖の一方の末端で担体タンパク質に共有結合した、単一末端結合コンジュゲート化糖である。一部の実施形態では、単一末端結合コンジュゲート化多糖は、末端糖を有する。例えば、コンジュゲートは、多糖の一方の末端(末端糖残基)が担体タンパク質に共有結合する場合、単一末端結合している。一部の実施形態では、コンジュゲートは、多糖の末端糖残基がリンカーを介して担体タンパク質に共有結合する場合、単一末端結合している。そのようなリンカーは、例えば、シスタミンリンカー(A1)、3,3’-ジチオビス(プロパン酸ジヒドラジド)リンカー(A4)、および2,2’-ジチオ-N,N’-ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-(アミノオキシ)アセタミド)リンカー(A6)を含んでもよい。
一部の実施形態では、糖は、3-デオキシ-d-マンノ-オクタ-2-ウロソン酸(KDO)残基を介して担体タンパク質にコンジュゲートして、単一末端結合コンジュゲートを形成している。例えば、実施例26、実施例27、実施例28、および図17を参照されたい。
一部の実施形態では、コンジュゲートは好ましくは、バイオコンジュゲートではない。用語「バイオコンジュゲート」とは、宿主細胞バックグラウンドで調製された、タンパク質(例えば、担体タンパク質)と、抗原、例えば、O抗原(例えば、O25B)とのコンジュゲートを指し、ここで、宿主細胞機構が、抗原をタンパク質に結合する(例えば、N結合)。糖コンジュゲートは、宿主細胞中でのコンジュゲートの調製を必要としない手段、例えば、タンパク質と糖との化学的結合によるコンジュゲーションによって調製されたバイオコンジュゲート、ならびに糖抗原(例えば、オリゴ糖および多糖)-タンパク質コンジュゲートを含む。
チオール活性化された糖。一部の実施形態では、本発明の糖は、チオール活性化されている。糖がチオール活性化されているそのような実施形態では、活性化のパーセンテージ(%)は、活性化された多糖の糖反復単位あたりのチオールのモルを指す。糖およびチオール濃度は、典型的には、スルフヒドリルの定量化のためのエルマンアッセイによって決定される。例えば、一部の実施形態では、糖は、ジスルフィドアミンリンカーを用いた2-ケト-3-デオキシオクタン酸(KDO)の活性化を含む。例えば、実施例10および図31を参照されたい。一部の実施形態では、糖は、二価ヘテロ二官能性リンカー(本明細書では「スペーサー」とも称される)を介して担体タンパク質に共有結合している。リンカーは、好ましくは、糖と担体タンパク質との間のチオエーテル結合を提供し、本明細書では「チオエーテル糖コンジュゲート」と称される糖コンジュゲートをもたらす。一部の実施形態では、リンカーは、例えば、(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)などの、カルバメートおよびアミド結合をさらに提供する。例えば、実施例21を参照されたい。
一部の実施形態では、単一末端結合コンジュゲートは、担体タンパク質および糖を含み、糖は、式O1(例えば、式O1A、式O1B、および式O1C)、式O2、式O3、式O4(例えば、式O4:K52および式O4:K6)、式O5(例えば、式O5abおよび式O5ac(株180/C3))、式O6(例えば、式O6:K2;K13;K15および式O6:K54)、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18(例えば、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、および式O18B1)、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23(例えば、式O23A)、式O24、式O25(例えば、式O25aおよび式O25b)、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45(例えば、式O45および式O45rel)、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73(例えば、式O73(株73-1))、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、および式O187のいずれか1つから選択される構造を含む。一部の実施形態では、コンジュゲート内の糖は、nが1~1000、5~1000、好ましくは、31~100、より好ましくは、35~90、最も好ましくは、35~65の整数である式を含む。
例えば、一実施形態では、単一末端結合コンジュゲートは、担体タンパク質と、式O8、式O9a、式O9、式O20ab、式O20ac、式O52、式O97、および式O101(式中、nは1~10の整数である)から選択される構造を有する糖とを含む。
F.eTECコンジュゲート
一態様では、本発明は一般に、(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)スペーサー(例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9517274号および国際特許出願公開WO2014027302に記載されている)を介して担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされた上記の大腸菌(E.coli)に由来する糖を含む糖コンジュゲート、そのような糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物、ならびにそのような糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物の調製および使用のための方法に関する。前記糖コンジュゲートは、1つまたは複数のeTECスペーサーを介して担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされた糖であって、糖が、カルバメート結合によってeTECスペーサーに共有的にコンジュゲートされ、担体タンパク質が、アミド結合によってeTECスペーサーに共有的にコンジュゲートされている、糖を含む。eTECスペーサーは、7個の線状原子(すなわち、-C(O)NH(CHSCHC(O)-)を含み、糖と担体タンパク質との間に安定なチオエーテルおよびアミド結合を提供する。
本発明のeTEC結合糖コンジュゲートを、一般式(I):
Figure 2023546615000013
(式中、eTECスペーサーを含む原子は中央の囲みに含まれる)
によって表すことができる。
本発明の前記糖コンジュゲートにおいて、糖は、多糖またはオリゴ糖であってもよい。
本発明の糖コンジュゲート中に組み入れられる担体タンパク質は、本明細書にさらに記載されるように、または当業者には公知のように、そのような目的にとって一般的に好適な担体タンパク質群から選択される。特定の実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
別の態様では、本発明は、eTECスペーサーを介して担体タンパク質にコンジュゲートされた本明細書に記載の糖を含む糖コンジュゲートを作製する方法であって、a)有機溶媒中で糖と炭酸誘導体とを反応させて、活性化された糖を生産するステップ;b)活性化された糖と、シスタミンもしくはシステアミンまたはその塩とを反応させて、チオール化された糖を生産するステップ;c)チオール化された糖と、還元剤とを反応させて、1つまたは複数の遊離スルフヒドリル残基を含む、活性化されたチオール化された糖を生産するステップ;d)活性化されたチオール化された糖と、1つまたは複数のα-ハロアセタミド基を含む活性化された担体タンパク質とを反応させて、チオール化された糖-担体タンパク質コンジュゲートを生産するステップ;ならびにe)チオール化された糖-担体タンパク質コンジュゲートと、(i)活性化された担体タンパク質の非コンジュゲート化α-ハロアセタミド基をキャッピングすることができる第1のキャッピング試薬;および/または(ii)活性化されたチオール化された糖の非コンジュゲート化遊離スルフヒドリル残基をキャッピングすることができる第2のキャッピング試薬とを反応させるステップを含み、それによって、eTEC結合糖コンジュゲートが生産される、方法を提供する。
よくある実施形態では、炭酸誘導体は、1,1’-カルボニル-ジ-(1,2,4-トリアゾール)(CDT)または1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)である。好ましくは、炭酸誘導体はCDTであり、有機溶媒はジメチルスルホキシド(DMSO)などの極性非プロトン性溶媒である。好ましい実施形態では、チオール化された糖は、活性化された糖と、二官能性対称性チオアルキルアミン試薬、シスタミンまたはその塩との反応によって生産される。あるいは、チオール化された糖を、活性化された糖と、システアミンまたはその塩との反応によって形成させることもできる。本発明の方法によって生産されるeTEC結合糖コンジュゲートを、一般式(I)によって表すことができる。
よくある実施形態では、第1のキャッピング試薬は、担体タンパク質のリシン残基上の非コンジュゲート化α-ハロアセタミド基と反応して、チオエーテル結合によって活性化されたリシン残基に共有結合するS-カルボキシメチルシステイン(CMC)残基を形成する、N-アセチル-L-システインである。
他の実施形態では、第2のキャッピング試薬は、活性化されたチオール化された糖の非コンジュゲート化遊離スルフヒドリル基と反応して、キャッピングされたチオアセタミドを提供するヨードアセタミド(IAA)である。ステップe)は、第1のキャッピング試薬と第2のキャッピング試薬との両方を用いてキャッピングすることを含むことが多い。ある特定の実施形態では、ステップe)は、第1のキャッピング試薬としてのN-アセチル-L-システインおよび第2のキャッピング試薬としてのIAAを用いてキャッピングすることを含む。
一部の実施形態では、キャッピングステップe)は、第1および/または第2のキャッピング試薬との反応後に、還元剤、例えば、DTT、TCEP、またはメルカプトエタノールとの反応をさらに含む。
本発明のeTEC結合糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、遊離スルフヒドリル残基を含んでもよい。一部の例では、本明細書に提供される方法によって形成される活性化されたチオール化された糖は、複数の遊離スルフヒドリル残基を含み、その一部は、コンジュゲーションステップ中に担体タンパク質への共有的コンジュゲーションを受けない場合がある。そのような残留する遊離スルフヒドリル残基は、アチオール反応キャッピング試薬、例えば、ヨードアセタミド(IAA)との反応によってキャッピングされ、潜在的に反応性の官能基をキャッピングする。他のチオール反応性キャッピング試薬、例えば、マレイミド含有試薬なども企図される。
さらに、本発明のeTEC結合糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、残留する非コンジュゲート化担体タンパク質を含んでもよく、キャッピングプロセスステップ中に改変を受けた活性化された担体タンパク質を含んでもよい。
一部の実施形態では、ステップd)は、活性化されたチオール化された糖と、活性化された担体タンパク質とを反応させる前に、1つまたは複数のα-ハロアセタミド基を含む活性化された担体タンパク質を提供することをさらに含む。よくある実施形態では、活性化された担体タンパク質は、1つまたは複数のα-ブロモアセタミド基を含む。
別の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法のいずれかに従って生産されたeTECスペーサーを介して担体タンパク質にコンジュゲートされた本明細書に記載の糖を含むeTEC結合糖コンジュゲートを提供する。
一部の実施形態では、担体タンパク質は、CRM197であり、CRM197と多糖との間のeTECスペーサーを介する共有結合は、多糖の4、10、15または25糖反復単位あたり少なくとも1回存在する。
本発明の態様のそれぞれ、特に、本明細書に記載の方法および組成物の特定の実施形態について、eTEC結合糖コンジュゲートは、大腸菌(E.coli)に由来する糖などの、本明細書に記載の糖を含む。
別の態様では、本発明は、対象における細菌感染、疾患または状態を防止する、処置する、または改善する方法であって、対象に、免疫学的に有効な量の本発明の免疫原性組成物を投与することを含み、前記免疫原性組成物が、本明細書に記載の糖を含むeTEC結合糖コンジュゲートを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、糖は、大腸菌(E.coli)に由来する。
一部の実施形態では、eTEC結合糖コンジュゲートは、担体タンパク質と、式O1(例えば、式O1A、式O1B、および式O1C)、式O2、式O3、式O4(例えば、式O4:K52および式O4:K6)、式O5(例えば、式O5abおよび式O5ac(株180/C3))、式O6(例えば、式O6:K2;K13;K15および式O6:K54)、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18(例えば、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、および式O18B1)、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23(例えば、式O23A)、式O24、式O25(例えば、式O25aおよび式O25b)、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45(例えば、式O45および式O45rel)、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式O62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73(例えば、式O73(株73-1))、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、および式O187のいずれか1つから選択される構造を含む糖とを含む。一部の実施形態では、コンジュゲート中の糖は、nが1~1000、5~1000、好ましくは31~100、より好ましくは35~90、最も好ましくは35~65の整数である式を含む。
糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質中のリシン残基の数を、コンジュゲートされるリシンの範囲として特徴付けることができる。例えば、免疫原性組成物の一部の実施形態では、CRM197は、糖に共有結合した39のうちの4~16個のリシン残基を含んでもよい。このパラメーターを表現するための別の方法は、CRM197リシンの約10%~約41%が糖に共有結合しているというものである。他の実施形態では、CRM197は、糖に共有結合した39のうちの2~20個のリシン残基を含んでもよい。このパラメーターを表現するための別の方法は、CRM197リシンの約5%~約50%が糖に共有結合しているというものである。
よくある実施形態では、担体タンパク質は、CRM197であり、CRM197と多糖との間のeTECスペーサーを介する共有結合は、多糖の4、10、15または25糖反復単位あたり少なくとも1回存在する。
他の実施形態では、コンジュゲートは、5~10糖反復単位毎に;2~7糖反復単位毎に;3~8糖反復単位毎に;4~9糖反復単位毎に;6~11糖反復単位毎に;7~12糖反復単位毎に;8~13糖反復単位毎に;9~14糖反復単位毎に;10~15糖反復単位毎に;2~6糖反復単位毎に;3~7糖反復単位毎に;4~8糖反復単位毎に;6~10糖反復単位毎に;7~11糖反復単位毎に;8~12糖反復単位毎に;9~13糖反復単位毎に;10~14糖反復単位毎に;10~20糖反復単位毎に;または4~25糖反復単位毎に、担体タンパク質と糖との間に少なくとも1個の共有結合を含む。
別の実施形態では、担体タンパク質と糖との間の少なくとも1個の結合は、多糖の2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25糖反復単位毎に存在する。
G.担体タンパク質
本発明の糖コンジュゲートの成分は、糖がコンジュゲートされている担体タンパク質である。用語「タンパク質担体」または「担体タンパク質」または「担体」は、本明細書では互換的に使用することができる。担体タンパク質は、標準的なコンジュゲーション手順に適しているべきである。
コンジュゲートの1つの成分は、O多糖がコンジュゲートされている担体タンパク質である。一実施形態では、コンジュゲートは、O多糖のコアオリゴ糖にコンジュゲートされた担体タンパク質を含む(図24を参照されたい)。一実施形態では、コンジュゲートは、O多糖のO抗原にコンジュゲートされた担体タンパク質を含む。
用語「タンパク質担体」または「担体タンパク質」または「担体」は、本明細書では互換的に使用することができる。担体タンパク質は、標準的なコンジュゲーション手順に適しているべきである。
好ましい実施形態では、コンジュゲートの担体タンパク質は、TT、DT、DT変異体(CRM197など)、ヘモフィルス・インフルエンザ(H.influenzae)タンパク質D、PhtX、PhtD、PhtDE融合物(特に、WO01/98334およびWO03/54007に記載のもの)、解毒されたニューモリシン、PorB、N19タンパク質、PspA、OMPC、クロストリジウム・ディフィシレ(C.difficile)の毒素AまたはBおよびPsaAのいずれか1つから独立に選択される。ある実施形態では、本発明のコンジュゲートの担体タンパク質は、DT(ジフテリアトキソイド)である。別の実施形態では、本発明のコンジュゲートの担体タンパク質は、TT(破傷風トキソイド)である。別の実施形態では、本発明のコンジュゲートの担体タンパク質は、PD(ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)タンパク質D-例えば、EP0594610Bを参照されたい)である。一部の実施形態では、担体タンパク質は、ポリ(L-リシン)(PLL)を含む。
好ましい実施形態では、糖は、CRM197タンパク質にコンジュゲートされる。CRM197タンパク質は、ジフテリア毒素の非毒性形態であるが、ジフテリア毒素と免疫学的に識別不可能である。CRM197は、毒素産生コリネファージベータのニトロソグアニジン突然変異誘発によって作出された非毒素産生ファージβ197toxによって感染したクロストリジウム・ディフィシレ(C.difficile)によって産生される。CRM197タンパク質は、ジフテリア毒素と同じ分子量を有するが、構造遺伝子中の単一の塩基変化(グアニンからアデニンへの)によってそれと異なる。この単一の塩基変化は、成熟タンパク質中のアミノ酸置換(グルタミン酸からグリシンへの)を引き起こし、ジフテリア毒素の有毒性を除去する。CRM197タンパク質は、糖のための安全かつ有効なT細胞依存的担体である。
したがって、一部の実施形態では、本発明のコンジュゲートは、糖がCRM197に共有結合している、担体タンパク質としてCRM197を含む。
好ましい実施形態では、糖コンジュゲートの担体タンパク質は、DT(ジフテリア毒素)、TT(破傷風トキソイド)またはTTの断片C、CRM197(ジフテリア毒素の非毒性的であるが、抗原的に同一のバリアント)、他のDT変異体(CRM176、CRM228、CRM45(Uchidaら、J.Biol.Chem.218:3838~3844、1973)、CRM9、CRM45、CRM102、CRM103またはCRM107;ならびにNichollsおよびYoule in Genetically Engineered Toxins、Ed:Frankel、Maecel Dekker Inc.1992により記載された他の突然変異;Glu-148からAsp、GlnもしくはSerおよび/またはAla158からGlyへの欠失または突然変異ならびに米国特許第4,709,017号および第4,950,740号に開示された他の突然変異;Lys516、Lys526、Phe530および/またはLys534の少なくとも1つまたは複数の残基の突然変異ならびに米国特許第5,917,017号もしくは第6,455,673号に開示された他の突然変異;または米国特許第5,843,711号に開示された断片)、一部の様式で解毒されたply、例えば、dPLY-GMBS(WO04081515、PCT/EP2005/010258)またはdPLY-ホルモル、PhtA、PhtB、PhtD、PhtEを含むPhtX(PhtA、PhtB、PhtDまたはPhtEの配列は、WO00/37105もしくはWO00/39299に開示されている)およびPhtタンパク質の融合物、例えば、PhtDE融合物、PhtBE融合物、PhtA-E(WO01/98334、WO03/54007、WO2009/000826)を含む、肺炎球菌ニューモリシン(Kuoら(1995)Infect lmmun 63:2706~13)、OMPC(通常、髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群Bから抽出される髄膜炎菌外膜タンパク質-EP0372501)、PorB(髄膜炎菌(N.meningitidis)由来)、PD(ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)タンパク質D;例えば、EP0594610Bを参照されたい)、またはその免疫学的機能等価物、合成ペプチド(EP0378881、EP0427347)、熱ショックタンパク質(WO93/17712、WO94/03208)、百日咳タンパク質(WO98/58668、EP0471177)、サイトカイン、リンホカイン、増殖因子またはホルモン(WO91/01146)、様々な病原体由来抗原に由来する複数のヒトCD4+T細胞エピトープを含む人工タンパク質(Falugiら(2001)Eur J Immunol 31:3816~3824)、例えば、N19タンパク質(Baraldoiら(2004)Infect lmmun 72:4884~7)、肺炎球菌表面タンパク質PspA(WO02/091998)、鉄取込みタンパク質(WO01/72337)、クロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium difficile)の毒素AまたはB(WO00/61761)、トランスフェリン結合タンパク質、肺炎球菌接着タンパク質(PsaA)、組換え緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)外毒素A(特に、その非毒性変異体(グルタミン酸553に置換を担持する外毒素Aなど(Uchida Cameron DM、RJ Collier.1987、J.Bacteriol.169:4967~4971))からなる群から選択される。オブアルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)またはツベルクリンの精製されたタンパク質誘導体(PPD)などの他のタンパク質も、担体タンパク質として使用することができる。他の好適な担体タンパク質としては、コレラトキソイド(例えば、国際特許出願WO2004/083251に記載されている)、大腸菌(E.coli)LT、大腸菌(E.coli)ST、および緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に由来する外毒素Aなどの不活化細菌毒素が挙げられる。
一部の実施形態では、担体タンパク質は、例えば、CRM197、ジフテリア毒素断片B(DTFB)、DTFB C8、ジフテリアトキソイド(DT)、破傷風トキソイド(TT)、TTの断片C、百日咳トキソイド、コレラトキソイド、または緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に由来する外毒素A;緑膿菌(P.aeruginosa)の解毒された外毒素A(EPA)、マルトース結合タンパク質(MBP)、フラゲリン、黄色ブドウ球菌(S.aureus)の解毒された溶血素A、クランピング因子A、クランピング因子B、コレラ毒素Bサブユニット(CTB)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)ニューモリシンおよびその解毒されたバリアント、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)AcrA、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)天然糖タンパク質ならびに連鎖球菌C5aペプチダーゼ(SCP)のいずれか1つから選択される。一実施形態では、担体タンパク質は、解毒されたシュードモナス(Pseudomonas)外毒素(EPA)である。別の実施形態では、担体タンパク質は、解毒されたシュードモナス(Pseudomonas)外毒素(EPA)ではない。一実施形態では、担体タンパク質は、フラゲリンである。別の実施形態では、担体タンパク質は、フラゲリンではない。
好ましい実施形態では、糖コンジュゲートの担体タンパク質は、TT、DT、DT変異体(CRM197など)、ヘモフィルス・インフルエンザ(H.influenzae)タンパク質D、PhtX、PhtD、PhtDE融合物(特に、WO01/98334およびWO03/54007に記載のもの)、解毒されたニューモリシン、PorB、N19タンパク質、PspA、OMPC、クロストリジウム・ディフィシレ(C.difficile)の毒素AまたはBおよびPsaAからなる群から独立に選択される。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートの担体タンパク質は、DT(ジフテリアトキソイド)である。別の実施形態では、本発明の糖コンジュゲートの担体タンパク質は、TT(破傷風トキソイド)である。別の実施形態では、本発明の糖コンジュゲートの担体タンパク質は、PD(ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)タンパク質D-例えば、EP0594610Bを参照されたい)である。
好ましい実施形態では、本発明の莢膜糖は、CRM197タンパク質にコンジュゲートされる。CRM197タンパク質は、ジフテリア毒素の非毒性形態であるが、ジフテリア毒素と免疫学的に識別不可能である。CRM197は、毒素産生コリネファージベータ(Uchida、T.ら、1971、Nature New Biology 233:8~11)のニトロソグアニジン突然変異誘発によって創出された非毒素産生ファージβ197tox-により感染したコリネバクテリウム・ジフテリア(C.diphtheriae)によって産生される。CRM197タンパク質は、ジフテリア毒素と同じ分子量を有するが、構造遺伝子中の単一の塩基変化(グアニンからアデニンへの)によってそれと異なる。この単一の塩基変化は、成熟タンパク質中のアミノ酸置換(グルタミン酸からグリシンへの)を引き起こし、ジフテリア毒素の有毒性を除去する。CRM197タンパク質は、糖のための安全かつ有効なT細胞依存的担体である。CRM197およびその産生に関するさらなる詳細は、例えば、米国特許第5,614,382号に見出すことができる。
したがって、よくある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートは、莢膜多糖がCRM197に共有結合している、担体タンパク質としてCRM197を含む。
さらなる実施形態では、糖コンジュゲートの担体タンパク質は、SCP(連鎖球菌C5aペプチダーゼ)である。β-溶血性連鎖球菌の全てのヒト単離物は、C5aを特異的に不活化する高度に保存された細胞壁タンパク質SCP(連鎖球菌C5aペプチダーゼ)を産生する。scp遺伝子は、1,134~1,181アミノ酸を含有するポリペプチドをコードする(Brownら、PNAS、2005、vol.102、no.51、18391~18396頁)。最初の31残基は、搬出シグナルプレ配列であり、細胞膜を通過する際に除去される。次の68残基は、プロ配列として働き、活性SCPを産生するために除去される必要がある。次の10残基は、プロテアーゼ活性を失うことなく除去することができる。他方の末端には、Lys-1034から開始し、4つの連続した17残基のモチーフ、次いで、細胞選別および細胞壁結合シグナルがある。このシグナルの組合せは、LPTTND配列を含有する20残基の親水性配列、17残基の疎水性配列、および短い塩基性のカルボキシル末端から構成される。
SCPを、ドメインにおいて分割することができる(Brownら、PNAS、2005、vol.102、no.51、18391~18396頁の図1Bを参照されたい)。これらのドメインは、プレ/プロドメイン(搬出シグナルプレ配列(一般的には最初の31残基)およびプロ配列(一般的には次の68残基)を含む)、プロテアーゼドメイン(2つの部分に分割される(プロテアーゼ部分1は、一般的には残基89~333/334であり、プロテアーゼドメイン部分2は一般的には残基467/468~583/584である)、プロテアーゼ関連ドメイン(PAドメイン)(一般的には残基333/334~467/468)、3つのフィブロネクチンIII型(Fn)ドメイン(Fn1、一般的には残基583/584~712/713;Fn2、一般的には残基712/713~928/929/930;一般的に、Fn3、残基929/930~1029/1030/1031)および細胞壁アンカードメイン(一般的には残基1029/1030/1031からC末端まで)である。
ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートの担体タンパク質は、GBS由来SCP(SCPB)である。SCPBの例は、WO97/26008の配列番号3で提供されている。WO00/34487の配列番号3も参照されたい。
別の実施形態では、本発明の糖コンジュゲートの担体タンパク質は、GAS由来SCP(SCPA)である。SCPAの例は、WO97/26008の配列番号1および配列番号2に見出すことができる。WO00/34487の配列番号1、2および23も参照されたい。
さらなる実施形態では、本発明の糖コンジュゲートの担体タンパク質は、WO2014/136064の配列番号150または151に記載されたSCPである。
H.組成物の投薬量
投薬レジメンを調節して、最適な所望の応答を得ることができる。例えば、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の単回用量を投与することもできるし、複数の分割された用量を経時的に投与することもできるし、または用量を、状況の危急によって指定されるとおりに相応して減少もしくは増加させてもよい。投薬量の値は、緩和される状態の種類および重症度で変化し得て、単回または複数回の用量を含み得ることに注意すべきである。さらに、任意の特定の対象について、個体の必要性および組成物を投与するか、または投与を管理する人の専門的判断に従って、具体的な投与レジメンを経時的に調節すべきこと、ならびに本明細書に記載の投薬量範囲は例示に過ぎず、特許請求の範囲に記載の組成物の範囲または実行を限定することを意図したものではないことを理解すべきである。治療用タンパク質の好適な投薬および投与のためのレジメンの決定は、関連分野で周知であり、本明細書に開示の教示を提供されたら、当業者には含まれていることが理解されるであろう。
一部の実施形態では、組成物中の大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の量は、それぞれのタンパク質抗原約10μg~約300μgの範囲であってよい。一部の実施形態では、組成物中の大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の量は、それぞれのタンパク質抗原約20μg~約200μgの範囲であってよい。
各用量中の糖コンジュゲートの量は、典型的なワクチンにおいて有意で有害な副作用なしに免疫保護応答を誘導する量として選択される。そのような量は、どの特定の免疫原が用いられ、およびそれがどのように提供されるかに応じて変化するであろう。
免疫原性組成物中の特定の糖コンジュゲートの量を、そのコンジュゲート(コンジュゲート化および非コンジュゲート化)に関する全多糖に基づいて算出することができる。例えば、20%遊離多糖を含む糖コンジュゲートは、100μgの多糖用量中に約80μgのコンジュゲート化多糖と、約20μgの非コンジュゲート化多糖を有するであろう。糖コンジュゲートの量は、大腸菌(E.coli)血清型に応じて変化し得る。糖濃度は、ウロン酸アッセイによって決定することができる。
免疫原性組成物中の異なる多糖成分の「免疫原性量」は異なっていてもよく、それぞれ、約1.0μg、約2.0μg、約3.0μg、約4.0μg、約5.0μg、約6.0μg、約7.0μg、約8.0μg、約9.0μg、約10.0μg、約15.0μg、約20.0μg、約30.0μg、約40.0μg、約50.0μg、約60.0μg、約70.0μg、約80.0μg、約90.0μg、または約100.0μgの任意の特定の多糖抗原を含んでもよい。一般に、それぞれの用量は、所与の血清型について、0.1μg~100μg、特に、0.5μg~20μg、より特には、1μg~10μg、さらにより特には、2μg~5μgの多糖を含むであろう。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。一実施形態では、それぞれの用量は、所与の血清型について、1μg、2μg、3μg、4μg、5μg、6μg、7μg、8μg、9μg、10μg、15μgまたは20μgの多糖を含むであろう。
担体タンパク質量。一般に、それぞれの用量は、5μg~150μgの担体タンパク質、特に、10μg~100μgの担体タンパク質、より特には、15μg~100μgの担体タンパク質、より特には、25μg~75μgの担体タンパク質、より特には、30μg~70μgの担体タンパク質、より特には、30μg~60μgの担体タンパク質、より特には、30μg~50μgの担体タンパク質、さらにより特には、40μg~60μgの担体タンパク質を含むであろう。一実施形態では、前記担体タンパク質は、CRM197である。一実施形態では、それぞれの用量は、約25μg、約26μg、約27μg、約28μg、約29μg、約30μg、約31μg、約32μg、約33μg、約34μg、約35μg、約36μg、約37μg、約38μg、約39μg、約40μg、約41μg、約42μg、約43μg、約44μg、約45μg、約46μg、約47μg、約48μg、約49μg、約50μg、約51μg、約52μg、約53μg、約54μg、約55μg、約56μg、約57μg、約58μg、約59μg、約60μg、約61μg、約62μg、約63μg、約64μg、約65μg、約66μg、約67μg、68μg、約69μg、約70μg、約71μg、約72μg、約73μg、約74μgまたは約75μgの担体タンパク質を含むであろう。一実施形態では、前記担体タンパク質は、CRM197である。別の実施形態では、前記担体タンパク質はSCPである。
I.アジュバント
一部の実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、少なくとも1、2または3つのアジュバントをさらに含んでもよい。一部の実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、少なくとも1つのアジュバントをさらに含んでもよい。一部の実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、1つのアジュバントをさらに含んでもよい。一部の実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、2つのアジュバントをさらに含んでもよい。用語「アジュバント」とは、抗原に対する免疫応答を増強する化合物または混合物を指す。抗原は、主に送達系として、主に免疫モジュレーターとして作用するか、または両方の強力な特徴を有してもよい。好適なアジュバントとしては、ヒトを含む哺乳動物中での使用にとって好適なものが挙げられる。
ヒトにおいて使用することができる公知の好適な送達系型アジュバントの例としては、限定されるものではないが、ミョウバン(例えば、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム)、リン酸カルシウム、リポソーム、MF59(4.3%w/vスクアレン、0.5%w/vポリソルベート80(Tween80)、0.5%w/vソルビタントリオレエート(Span85))などの水中油エマルジョン、モンタニドなどの油中水エマルジョン、およびポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)(PLG)マイクロ粒子またはナノ粒子が挙げられる。
ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、アジュバントとしてアルミニウム塩(ミョウバン)(例えば、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム)を含む。好ましい実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、アジュバントとしてリン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウムを含む。ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、リン酸アルミニウムの形態で、0.1mg/mL~1mg/mLまたは0.2mg/mL~0.3mg/mLのアルミニウム元素を含む。ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、リン酸アルミニウムの形態で約0.25mg/mLのアルミニウム元素を含む。
ヒトにおいて使用することができる公知の好適な免疫調節型アジュバントの例としては、限定されるものではないが、アクイラ(Aquilla)樹皮からのサポニン抽出物(QS21、QuilA)、MPLA(モノホスホリルリピドA)、3DMPL(3-O-脱アシル化MPL)またはGLA-AQなどのTLR4アゴニスト、LT/CT変異体、種々のインターロイキン(例えば、IL-2、IL-12)またはGM-CSFなどのサイトカイン、AS01などが挙げられる。
ヒトにおいて使用することができる送達特性と免疫調節特性との両方を示す公知の好適な免疫調節型アジュバントの例としては、限定されるものではないが、ISCOMS(例えば、Sjolanderら(1998)J.Leukocyte Biol.64:713;WO90/03184、WO96/11711、WO00/48630、WO98/36772、WO00/41720、WO2006/134423およびWO2007/026190を参照されたい)またはTLR4アゴニストと水中油エマルジョンとの組合せであるGLA-EMが挙げられる。
限定されるものではないが、動物実験などの獣医学的適用のために、当業者であれば、Freundの完全アジュバント(CFA)、Freundの不完全アジュバント(IFA)、Emulsigen、N-アセチル-ムラミル-L-トレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)、N-アセチル-ノル-ムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン(CGP 11637、ノル-MDPと称される)、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミニル-L-アラニン-2-(1’-2’-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミン(CGP19835A、MTP-PEと称される)、および2%スクアレン/Tween80エマルジョン中に細菌から抽出される3つの成分、モノホスホリルリピドA、トレハロースジミコレートおよび細胞壁骨格(MPL+TDM+CWS)を含有する、RIBIを使用することができる。
本明細書に開示される免疫原性組成物の有効性を増強するためのさらなる例示的なアジュバントとしては、限定されるものではないが、(1)例えば、(a)10%スクアラン、0.4%Tween80、5%プルロニック(登録商標)遮断ポリマーL121、およびマイクロメートル以下のエマルジョンにマイクロ流体化された、またはより大きい粒径のエマルジョンを生成するためにボルテックスされたthr-MDPを含有するSAF、ならびに(b)2%スクアレン、0.2%Tween80、およびモノホスホリルリピドA(MPL)、トレハロースジミコレート(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)、好ましくは、MPL+CWS(DETOX(商標))などの1つまたは複数の細菌細胞壁成分を含有するRIBI(商標)アジュバント系(RAS)(Ribi Immunochem、Hamilton、Mont.)などの、水中油エマルジョン製剤(ムラミルペプチド(以下を参照されたい)または細菌細胞壁成分などの他の特定の免疫刺激剤を含む、または含まない);(2)QS21、STIMULON(商標)(Cambridge Bioscience、Worcester、Mass.)、ABISCO(登録商標)(Isconova、Sweden)、または使用することができるISCOMATRIX(登録商標)(Commonwealth Serum Laboratories、Australia)もしくはISCOM(免疫刺激複合体)などの、それから生成される粒子(ISCOMはさらなる洗剤を含まなくてもよい(例えば、WO00/07621))などのサポニンアジュバント;(3)完全Freundアジュバント(CFA)および不完全Freundアジュバント(IFA);(4)インターロイキン(例えば、IL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-12(例えば、WO99/44636))、インターフェロン(例えば、ガンマインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)などのサイトカイン;(5)モノホスホリルリピドA(MPL)または3-O-脱アシル化MPL(3dMPL)(例えば、GB2220211、EP0689454を参照されたい)(例えば、WO00/56358を参照されたい);(6)3dMPLと、例えば、QS21および/または水中油エマルジョンとの組合せ(例えば、EP0835318、EP0735898、EP0761231を参照されたい);(7)ポリオキシエチレンエーテルまたはポリオキシエチレンエステル(例えば、WO99/52549を参照されたい);(8)オクトキシノールと組み合わせたポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(例えば、WO01/21207)またはオクトキシノールなどの少なくとも1つのさらなる非イオン性界面活性剤と組み合わせたポリオキシエチレンアルキルエーテルもしくはエステル界面活性剤(例えば、WO01/21152);(9)サポニンおよび免疫刺激オリゴヌクレオチド(例えば、CpGオリゴヌクレオチド)(例えば、WO00/62800);(10)免疫刺激剤および金属塩の粒子(例えば、WO00/23105を参照されたい);(11)サポニンおよび水中油エマルジョン(例えば、WO99/11241);(12)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IM2(場合により、+ステロール)(例えば、WO98/57659);(13)組成物の効能を増強するための免疫刺激剤として作用する他の物質が挙げられる。ムラミルペプチドとしては、N-アセチル-ムラミル-L-トレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)、N-25アセチル-ノルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン(ノル-MDP)、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミニル-L-アラニン-2-(1’-2’-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミン(MTP-PE)などが挙げられる。
別の実施形態では、アジュバントは、実施例35に記載されるリポソームQS21製剤である。別の実施形態では、アジュバントは、実施例35に記載されるリポソームMPLA製剤である。さらなる実施形態では、アジュバントは、実施例35に記載されるリポソームMPLA/QS21製剤である。
本発明の実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、アジュバントとしてCpGオリゴヌクレオチドを含む。本明細書で使用される場合、CpGオリゴヌクレオチドとは、免疫刺激CpGオリゴデオキシヌクレオチド(CpG ODN)を指し、したがって、これらの用語は、別途指摘しない限り、互換的に使用される。免疫刺激CpGオリゴデオキシヌクレオチドは、場合により、ある特定の好ましい塩基の文脈内で、非メチル化シトシン-グアニンジヌクレオチドである、1つまたは複数の免疫刺激CpGモチーフを含有する。CpG免疫刺激モチーフのメチル化状態は一般に、ジヌクレオチド中のシトシン残基を指す。少なくとも1つの非メチル化CpGジヌクレオチドを含有する免疫刺激オリゴヌクレオチドは、3’グアニンにリン酸結合によって連結された5’非メチル化シトシンを含有し、Toll様受容体9(TLR-9)への結合によって免疫系を活性化するオリゴヌクレオチドである。別の実施形態では、免疫刺激オリゴヌクレオチドは、TLR9を介して免疫系を活性化するが、あたかもCpGモチーフが非メチル化されたかのように強力ではない、1つまたは複数のメチル化CpGジヌクレオチドを含有してもよい。CpG免疫刺激オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数のパリンドロームを含んでもよく、次いで、CpGジヌクレオチドを包含してもよい。CpGオリゴヌクレオチドは、米国特許第6,194,388号;第6,207,646号;第6,214,806号;第6,218,371号;第6,239,116号;および第6,339,068号を含む、いくつかの発行された特許、公開特許出願、および他の刊行物に記載されている。
本発明のある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、WO2010/125480の3頁、22行目~12頁、36行目に記載されたCpGオリゴヌクレオチドのいずれかを含む。
様々なクラスのCpG免疫刺激オリゴヌクレオチドが同定されている。これらのものは、A、B、CおよびPクラスと呼ばれ、WO2010/125480の3頁、22行目~12頁、36行目により詳細に記載されている。本発明の方法は、これらの様々なクラスのCpG免疫刺激オリゴヌクレオチドの使用を包含する。
VII.ナノ粒子
別の態様では、1)ナノ構造;および2)少なくとも1つの線毛ポリペプチド抗原またはその断片を含む免疫原性複合体を本明細書において開示する。好ましくは、線毛ポリペプチドまたはその断片は、大腸菌(E.coli)線毛H(fimH)に由来する。好ましい一実施形態では、線毛ポリペプチドは、前記の線毛ポリペプチドのいずれか1つから選択される。例えば、線毛ポリペプチドは、配列番号1~10、18、20、21、23、24、26~29、および110~113から選択されるいずれか1つのアミノ酸配列を含んでよい。
一部の実施形態では、抗原は、提示エピトープに対する適応免疫応答の発生を刺激するために、ナノ構造外部に融合またはコンジュゲートされている。一部の実施形態では、それぞれの病原体で生成される免疫応答の種類を適合させるために役立つように、免疫原性複合体は、外部に付着している、および/またはケージ内部に封入されているアジュバントまたは他の免疫調節化合物をさらに含む。
一部の実施形態では、ナノ構造は、複数の同一の第1のナノ構造関連ポリペプチドを含む単一のアセンブリを含む。
代替の実施形態では、ナノ構造は、複数の同一の第1のナノ構造関連ポリペプチドを含む複数のアセンブリ、および複数の第2のアセンブリを含み、それぞれの第2のアセンブリは、複数の同一の第2のナノ構造関連ポリペプチドを含む。
様々なナノ構造プラットフォームを、本明細書に記載の免疫原性組成物の生成において使用することができる。一部の実施形態では、使用されるナノ構造は、単一のサブユニットの複数のコピーによって形成される。一部の実施形態では、使用されるナノ構造は、複数の異なるサブユニットの複数のコピーによって形成される。
ナノ構造は典型的には、ボール様形状であり、および/または例えば、本明細書において例示される正二十面体構造を伴う、回転対称(例えば、3倍および5倍軸)を有する。
一部の実施形態では、抗原は、フェリチン(FR)、E2p、Qβ、およびI3-01に由来する自己集合性ナノ構造などの自己集合性ナノ粒子上で提示される。E2pは、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)からのジヒドロリポイルアシルトランスフェラーゼの再設計バリアントである。I3-01は、超安定ナノ粒子に自己集合し得る操作タンパク質である。これらのタンパク質のサブユニットの配列は、当業界で公知である。第1の態様では、配列番号59~92からなる群から選択されるナノ構造関連ポリペプチドのアミノ酸配列に対して、その長さにわたって少なくとも75%同一であり、かつ少なくとも1つの同定されている界面位置において同一であるアミノ酸配列を含むナノ構造関連ポリペプチドを本明細書において開示する。ナノ構造関連ポリペプチドを、例えば、ナノ構造を調製するために使用することができる。ナノ構造関連ポリペプチドは、それらが対で自己集合して正二十面体ナノ構造などのナノ構造を形成し得るように設計された。
一部の実施形態では、ナノ構造は、(a)それぞれの第1のアセンブリが複数の同一の第1のナノ構造関連ポリペプチドを含み、第1のナノ構造関連ポリペプチドが配列番号59~92からなる群から選択されるナノ構造関連ポリペプチドのアミノ酸配列を含む、複数の第1のアセンブリ;および(b)それぞれの第2のアセンブリが複数の同一の第2のナノ構造関連ポリペプチドを含み、第2のナノ構造関連ポリペプチドが配列番号59~92からなる群から選択されるナノ構造関連ポリペプチドのアミノ酸配列を含み、かつ第2のナノ構造関連ポリペプチドが第1のナノ構造関連ポリペプチドとは異なる、複数の第2のアセンブリを含み、その際、複数の第1のアセンブリは、複数の第2のアセンブリと非共有結合的に相互作用してナノ構造を形成する。
ナノ構造は、第1のアセンブリおよび第2のアセンブリを正二十面体対称を伴うものなどのナノ構造に配向する、対称的に繰り返される非天然の非共有結合性ポリペプチド-ポリペプチド界面を含む。
配列番号59~92は、例示的なナノ構造関連ポリペプチドのアミノ酸配列を提示する。配列番号59~92の例示的なナノ構造関連ポリペプチドでの界面残基の数は、4~13残基の範囲である。様々な実施形態では、ナノ構造関連ポリペプチドは、配列番号59~92からなる群から選択されるナノ構造関連ポリペプチドのアミノ酸配列に対して、その長さにわたって少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であり、かつ少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13の同定された界面位置で(所与のナノ構造関連ポリペプチドでの界面残基の数に応じて)同一であるアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、ナノ構造関連ポリペプチドは、配列番号59~92からなる群から選択されるナノ構造関連ポリペプチドのアミノ酸配列に対して、その長さにわたって少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であり、かつ少なくとも20%、25%、33%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、または100%の同定された界面位置で同一であるアミノ酸配列を含む。さらなる実施形態では、ナノ構造関連ポリペプチドは、配列番号59~98からなる群から選択されるナノ構造関連ポリペプチドのアミノ酸配列を有するナノ構造関連ポリペプチドを含む。
1つの非限定的実施形態では、ナノ構造関連ポリペプチドを改変して、目的の「カーゴ」との共有結合を促進することができる。1つの非限定的例では、ナノ構造関連ポリペプチドを、様々なシステイン残基を規定の位置に導入することなどによって改変して、1種または複数の目的の抗原との結合を促進することができ、そうして、ナノ構造関連ポリペプチドのナノ構造が、ワクチンとして送達するための多数の抗原を提供する骨格を提供して、改善された免疫応答が生じるようにする。
一部の実施形態では、ナノ構造関連ポリペプチド中に存在するが、コンジュゲーションに使用されることは意図されていない一部または全ての天然システイン残基を他のアミノ酸に突然変異させて、既定の位置でのコンジュゲーションを促進することができる。別の非限定的実施形態では、ナノ構造関連ポリペプチドを、「エンドソームエスケープ」の促進に役立つ部分との結合(共有結合または非共有結合)によって改変することができる。標的化送達など、目的の分子を標的細胞に送達することを伴う用途では、重要なステップは、細胞への送達ビヒクルの入り口であるエンドソーム(膜結合オルガネラ)からのエスケープであり得る。エンドソームはリソソームに成熟して、それらの内容物を分解する。したがって、エンドソームがリソソームになる前に、送達ビヒクルがエンドソームからどうにかして「エスケープ」しなければ、送達ビヒクルは分解されて、その機能を実行することはないであろう。エンドソームを破壊して、サイトゾルへのエスケープを可能にする様々な脂質または有機ポリマーが存在する。したがって、この実施形態では、例えば、そのような脂質または有機ポリマーのモノマーまたは生じたアセンブリ表面への化学的コンジュゲーションを可能にするシステイン残基を導入することにより、ナノ構造関連ポリペプチドを改変することができる。別の非限定的例では、例えば、in vitroまたはin vivoでナノ構造の可視化を可能にするフルオロフォアまたは他のイメージング剤の化学的コンジュゲーションを可能にするシステイン残基を導入することにより、ナノ構造関連ポリペプチドを改変することができる。
タンパク質サブユニットまたは集合したナノ構造の安定性または溶解性を改善するために、ナノ構造関連ポリペプチド上の表面アミノ酸残基を突然変異させることができる。当業者には分かるであろうとおり、ナノ構造関連ポリペプチドが、既存のタンパク質ファミリーに対して有意な配列相同性を有するならば、そのファミリーに由来する他のタンパク質の複数の配列アラインメントを使用して、コンセンサスタンパク質設計と称されるプロセス(9)である、タンパク質安定性および/または溶解性を増大させ得る非保存位置でのアミノ酸突然変異の選択をガイドすることができる。
タンパク質表面に全陽電荷または全負電荷を付与するために、ナノ構造関連ポリペプチド上の表面アミノ酸残基を、正の電荷を持つ(Arg、Lys)または負の電荷を持つ(Asp、Glu)アミノ酸に突然変異させることができる。1つの非限定的実施形態では、自己集合性ナノ構造の内部表面に高い実効電荷を付与するために、ナノ構造関連ポリペプチド上の表面アミノ酸残基を突然変異させることができる。次いで、そのようなナノ構造を使用して、ナノ構造内部表面とカーゴ分子との間の静電相互作用により、逆の実効電荷を有するカーゴ分子をパッケージングまたは封入することができる。1つの非限定的実施形態では、自己集合性ナノ構造の内部表面に実効正電荷を付与するために、ナノ構造関連ポリペプチド上の表面アミノ酸残基を主に、アルギニンまたはリシン残基に突然変異させることができる。次いで、核酸を自己集合性ナノ構造内部に封入するために、ナノ構造関連ポリペプチドを含有する溶液を、dsDNA、ssDNA、dsRNA、ssRNA、cDNA、miRNA.、siRNA、shRNA、piRNA、または他の核酸などの核酸カーゴ分子の存在下で混合することができる。そのようなナノ構造を使用して、例えば、核酸を保護する、送達する、または濃縮することができるであろう。
一実施形態では、ナノ構造は正二十面体対称を有する。この実施形態では、ナノ構造は、60コピーの第1のナノ構造関連ポリペプチドおよび60コピーの第2のナノ構造関連ポリペプチドを含み得る。そのような実施形態の1つでは、それぞれの第1のアセンブリ中の同一の第1のナノ構造関連ポリペプチドの数は、それぞれの第2のアセンブリ中の同一の第2のナノ構造関連ポリペプチドの数とは異なる。例えば、一実施形態では、ナノ構造は、12の第1のアセンブリおよび20の第2のアセンブリを含み;この実施形態では、それぞれの第1のアセンブリは、例えば、5コピーの同一の第1のナノ構造関連ポリペプチドを含んでよく、それぞれの第2のアセンブリは、例えば、3コピーの同一の第2のナノ構造関連ポリペプチドを含んでよい。別の実施形態では、ナノ構造は、12の第1のアセンブリおよび30の第2のアセンブリを含み;この実施形態では、それぞれの第1のアセンブリは、例えば、5コピーの同一の第1のナノ構造関連ポリペプチドを含んでよく、それぞれの第2のアセンブリは、例えば、2コピーの同一の第2のナノ構造関連ポリペプチドを含んでよい。さらなる実施形態では、ナノ構造は、20の第1のアセンブリおよび30の第2のアセンブリを含み;この実施形態では、それぞれの第1のアセンブリは、例えば、3コピーの同一の第1のナノ構造関連ポリペプチドを含んでよく、それぞれの第2のアセンブリは、例えば、2コピーの同一の第2のナノ構造関連ポリペプチドを含んでよい。これらの実施形態は全て、正二十面体対称を有する合成ナノ材料を形成し得る。
VIII.クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)に由来する糖および/またはポリペプチドまたはその断片との組合せ
クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)は、尿路感染、菌血症、および敗血症を引き起こすことが知られるグラム陰性病原体である。多剤耐性クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)感染は、リスクがある脆弱な集団における増加する死因である。O抗原血清型は、地球規模で侵襲性疾患を引き起こす株の中でも高度に蔓延しており、誘導されるO抗原糖コンジュゲートはワクチン抗原として魅力的である。
一態様では、本明細書に開示される組成物のいずれかは、O1(およびd-Gal-IIIバリアント)、O2(およびd-Gal-IIIバリアント)、O2ac、O3、O4、O5、O7、O8、およびO12から選択される少なくとも1つのクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型である、またはそれに由来する少なくとも1つの糖をさらに含んでもよい。好ましい実施形態では、本明細書に開示される組成物のいずれかは、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)I型線毛タンパク質に由来するポリペプチドまたはその免疫原性断片;またはクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)III型線毛タンパク質に由来するポリペプチドまたはその免疫原性断片;またはそれらの組合せから選択されるクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に由来するポリペプチドをさらに含んでもよい。
当業界で公知のように、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O1およびO2のO抗原ならびにその対応するv1およびv2サブタイプは、その反復単位の構造が異なるポリマー性ガラクタンである。クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O1およびO2抗原は、ホモポリマーガラクトース単位(またはガラクタン)を含有する。クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O1およびO2抗原はそれぞれ、D-ガラクタンI単位(O2a反復単位と称されることもある)を含有するが、O1抗原は、O1抗原がD-ガラクタンIIキャップ構造を有する点で異なる。D-ガラクタンIII(d-Gal-III)は、D-ガラクタンIのバリアントである。2つの異なる血清型O2サブタイプ、O2v1およびO2v2を定義するベースガラクタンIおよびIIIの構造;およびサブタイプO1v1およびO1v2をもたらすガラクタンIIによるキャッピングから得られる誘導キメラの構造は、Kelly SDら、J Biol Chem 2019;294:10863~76;およびClarke BRら、J Biol Chem 2018;293:4666~79に示される。
一部の実施形態では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O1に由来する糖は、[→3)-β-D-Galf-(1→3)-α-D-Galp-(1→]の反復単位を含む。一部の実施形態では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O1に由来する糖は、[→3)-α-D-Galp-(1→3)-β-D-Galp-(1→]の反復単位を含む。一部の実施形態では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O1に由来する糖は、[→3)-β-D-Galf-(1→3)-α-D-Galp-(1→]の反復単位、および[→3)-α-D-Galp-(1→3)-β-D-Galp-(1→]の反復単位を含む。一部の実施形態では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O1に由来する糖は、→3)-β-D-Galf-(1→3)-[α-D-Galp-(1→4)]-α-D-Galp-(1→]の反復単位(D-Gal-III反復単位と称される)を含む。(Kol O.ら(1992)Carbohydr.Res.236、339~344;Whitfield C.ら(1991)J.Bacteriol.173、1420~1431)。
一部の実施形態では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O2に由来する糖は、[→3)-α--Galp-(1→3)-β--Galf-(1→](これはクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O2a抗原の要素であり得る)の反復単位を含む。一部の実施形態では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O2に由来する糖は、[→3)-β--GlcpNAc-(1→5)-β--Galf-(1→](クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O2c抗原の要素であり得る)の反復単位を含む。一部の実施形態では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O2に由来する糖は、(1→4)-連結Galp残基の側鎖付加によるO2a反復単位の改変を含む(クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O2afg抗原の要素であり得る)。一部の実施形態では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O2に由来する糖は、(1→2)結合Galp残基の側鎖付加によるO2a反復単位の改変を含む(クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O2aeh抗原のエレメントであってもよい)。(Whitfield C.ら(1992)J.Bacteriol.174、4913~4919)。
メカニズムまたは理論によって束縛されるものではないが、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O3およびO5のO抗原多糖構造は、それぞれ大腸菌(E.coli)血清型O9a(式O9a)およびO8(式O8)のものと同一であることが当業界で開示されている。
一部の実施形態では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O4に由来する糖は、[→4)-α-D-Galp-(1→2)-β-D-Ribf-(1→)]の反復単位を含む。一部の実施形態では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O7に由来する糖は、[→2-a-L-Rhap-(1→2)-β-D-Ribf-(1→3)-α-L-Rhap-(1→3)-α-L-Rhap-(1→]の反復単位を含む。一部の実施形態では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O8血清型に由来する糖は、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O2aと同じ繰返し単位構造を含むが、非化学量論的にO-アセチル化されている。一部の実施形態では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O12血清型に由来する糖は、[α-Rhap-(1→3)-β-GlcpNAc]二糖反復単位の反復単位を含む。
一態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;およびO1(およびd-Gal-IIIバリアント)、O2(およびd-Gal-IIIバリアント)、O2ac、O3、O4、O5、O7、O8、およびO12から選択される少なくとも1つのクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型であるか、またはそれに由来する少なくとも1つの糖を含む組成物を含む。一部の実施形態では、組成物は、血清型O1、O2、O3、およびO5のうちの1つまた複数、またはそれらの組合せからの、またはそれに由来する糖を含む。一部の実施形態では、組成物は、血清型O1、O2、O3、およびO5のそれぞれからの、またはそれに由来する糖を含む。
別の態様では、本発明は、O1(およびd-Gal-IIIバリアント)、O2(およびd-Gal-IIIバリアント)、O2ac、O3、O4、O5、O7、O8、およびO12から選択される少なくとも1つのクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型であるか、またはそれに由来する少なくとも1つの糖;および式O1(例えば、式O1A、式O1B、および式O1C)、式O2、式O3、式O4(例えば、式O4:K52および式O4:K6)、式O5(例えば、式O5abおよび式O5ac(株180/C3))、式O6(例えば、式O6:K2;K13;K15および式O6:K54)、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18(例えば、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、および式O18B1)、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23(例えば、式O23A)、式O24、式O25(例えば、式O25aおよび式O25b)、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45(例えば、式O45および式O45rel)、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73(例えば、式O73(株73-1))、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、および式O187(式中、nは、1~100の整数である)のいずれか1つから選択される構造を有する大腸菌(E.coli)O抗原に由来する糖を含む組成物を含む。一部の実施形態では、組成物は、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O1、O2、O3、およびO5のうちの1つまたは複数、またはそれらの組合せからの、またはそれに由来する糖を含む。一部の実施形態では、組成物は、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O1、O2、O3、およびO5のそれぞれからの、またはそれに由来する糖を含む。一部の実施形態では、組成物は、式O9を有する大腸菌(E.coli)O抗原に由来する糖を含み、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O3に由来する糖を含まない。一部の実施形態では、組成物は、式O8を有する大腸菌(E.coli)O抗原に由来する糖を含み、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O5に由来する糖を含まない。
別の態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;およびO1(およびd-Gal-IIIバリアント)、O2(およびd-Gal-IIIバリアント)、O2ac、O3、O4、O5、O7、O8、およびO12から選択される少なくとも1つのクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型であるか、またはそれに由来する少なくとも1つの糖;および式O1(例えば、式O1A、式O1B、および式O1C)、式O2、式O3、式O4(例えば、式O4:K52および式O4:K6)、式O5(例えば、式O5abおよび式O5ac(株180/C3))、式O6(例えば、式O6:K2;K13;K15および式O6:K54)、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18(例えば、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、および式O18B1)、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23(例えば、式O23A)、式O24、式O25(例えば、式O25aおよび式O25b)、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45(例えば、式O45および式O45rel)、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73(例えば、式O73(株73-1))、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、および式O187(式中、nは、1~100、好ましくは31~90の整数である)のいずれか1つから選択される構造を有する糖を含む組成物に関する。一部の実施形態では、組成物は、式O9を有する大腸菌(E.coli)O抗原に由来する糖を含み、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O3に由来する糖を含まない。一部の実施形態では、組成物は、式O8を有する大腸菌(E.coli)O抗原に由来する糖を含み、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O5に由来する糖を含まない。
一部の実施形態では、組成物は、O1、O2、O3、およびO5からなる群から選択されるいずれか1つのクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型に由来する少なくとも1つの糖を含む。
一部の実施形態では、組成物は、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O1型に由来する少なくとも1つの糖を含む。この実施形態の一態様では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原は、サブタイプv1(O1v1)またはサブタイプv2(O1v2)から選択される。この実施形態の一態様では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原は、サブタイプv1(O1v1)およびサブタイプv2(O1v2)から選択される。一部の実施形態では、組成物は、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型O2に由来する少なくとも1つの糖を含む。この実施形態の一態様では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原は、サブタイプv1(O2v1)またはサブタイプv2(O2v2)から選択される。この実施形態の一態様では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原は、サブタイプv1(O2v1)およびサブタイプv2(O2v2)から選択される。別の態様では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原は、a)血清型O1サブタイプv1(O1v1)、b)血清型O1サブタイプv2(O1v2)、c)血清型O2サブタイプv1(O2v1)、およびd)血清型O2サブタイプv2(O2v2)からなる群から選択される。この実施形態の一態様では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原は、サブタイプv1(O1v1)である。この実施形態の一態様では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原は、サブタイプv2(O1v2)である。この実施形態の一態様では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原は、サブタイプv1(O2v1)である。この実施形態の一態様では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原は、サブタイプv2(O2v2)である。この実施形態の別の態様では、組成物は、a)血清型O1サブタイプv1(O1v1)、b)血清型O1サブタイプv2(O1v2)、c)血清型O2サブタイプv1(O2v1)、およびd)血清型O2サブタイプv2(O2v2)からなる群から選択される1、2、3または4つのクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原を含む。一部の実施形態では、組成物は、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に由来する糖の組合せを含み、ここで、第1の糖は、O1、O2、O3、およびO5からなる群から選択されるクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型のいずれか1つに由来し、第2の糖は、O1(およびd-Gal-IIIバリアント)、O2(およびd-Gal-IIIバリアント)、O2ac、O3、O4、O5、O7、O8、およびO12からなる群から選択されるクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型のいずれか1つに由来する。例えば、一部の実施形態では、組成物は、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型O1に由来する少なくとも1つの糖およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型O2に由来する少なくとも1つの糖を含む。好ましい一実施形態では、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に由来する糖は、担体タンパク質にコンジュゲートしており;大腸菌(E.coli)に由来する糖は、担体タンパク質にコンジュゲートされている。
別の態様では、本発明は、大腸菌(E.coli)FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;およびO1、O2、O3、およびO5からなる群から選択されるいずれか1つのクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型に由来する少なくとも1つの糖を含む組成物を含む。
別の態様では、本発明は、O1、O2、O3、およびO5からなる群から選択されるいずれか1つのクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型に由来する少なくとも1つの糖;および式O1(例えば、式O1A、式O1B、および式O1C)、式O2、式O3、式O4(例えば、式O4:K52および式O4:K6)、式O5(例えば、式O5abおよび式O5ac(株180/C3))、式O6(例えば、式O6:K2;K13;K15および式O6:K54)、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18(例えば、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、および式O18B1)、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23(例えば、式O23A)、式O24、式O25(例えば、式O25aおよび式O25b)、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45(例えば、式O45および式O45rel)、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73(例えば、式O73(株73-1))、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、および式O187のいずれか1つから選択される構造を有する大腸菌(E.coli)に由来する少なくとも1つの糖を含む。一部の実施形態では、組成物は、式O9を有する大腸菌(E.coli)O抗原に由来する糖を含み、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O3に由来する糖を含まない。一部の実施形態では、組成物は、式O8を有する大腸菌(E.coli)O抗原に由来する糖を含み、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O5に由来する糖を含まない。
一部の実施形態では、組成物は、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型O1に由来する少なくとも1つの糖、ならびに式O8および式O9からなる群から選択される構造を有する大腸菌(E.coli)に由来する少なくとも1つの糖を含む。別の実施形態では、組成物は、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型O2に由来する少なくとも1つの糖、ならびに式O8および式O9からなる群から選択される構造を有する大腸菌(E.coli)に由来する少なくとも1つの糖を含む。別の実施形態では、組成物は、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型O1に由来する少なくとも1つの糖;クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型O2に由来する少なくとも1つの糖;ならびに式O8および式O9からなる群から選択される構造を有する大腸菌(E.coli)に由来する少なくとも1つの糖を含む。
一実施形態では、本発明は、対象においてクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に対する免疫応答を誘導する方法であって、対象に、免疫学的に有効量の、大腸菌(E.coli)血清型O8またはO9に由来する少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物を投与することを含み、前記免疫原性組成物がクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O5またはO3に由来する糖コンジュゲートを含まない、方法を提供する。一態様では、組成物は、式O8を有する大腸菌(E.coli)O抗原に由来する糖を含み、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O5に由来する糖を含まない。別の態様では、組成物は、式O9を有する大腸菌(E.coli)O抗原に由来する糖を含み、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O3に由来する糖を含まない。
別の実施形態では、本発明は、対象において大腸菌(E.coli)に対する免疫応答を誘導する方法であって、対象に、免疫学的に有効量の、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O5もしくはO3に由来する少なくとも1つの糖コンジュゲート、またはそのバリアントを含む免疫原性組成物を投与することを含み、前記免疫原性組成物が大腸菌(E.coli)血清型O8またはO9に由来する糖コンジュゲートを含まない、方法を提供する。一態様では、組成物は、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O5に由来する糖を含み、式O8を有する大腸菌(E.coli)O抗原に由来する糖を含まない。別の態様では、組成物は、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O3に由来する糖を含み、式O9を有する大腸菌(E.coli)O抗原に由来する糖を含まない。
一部の実施形態では、組成物は、O1(およびd-Gal-IIIバリアント)、O2(およびd-Gal-IIIバリアント)、O2ac、O3、O4、O5、O7、O8、およびO12から選択される少なくとも1つのクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型であるか、またはそれに由来する少なくとも1つの糖;式O8および式O9からなる群から選択される構造を有する大腸菌(E.coli)に由来する少なくとも1つの糖を含む。一部の実施形態では、組成物は、O1(およびd-Gal-IIIバリアント)、O2(およびd-Gal-IIIバリアント)、O2ac、O3、O4、O5、O7、O8、およびO12から選択される少なくとも1つのクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型であるか、またはそれに由来する少なくとも1つの糖;式O1A、式O1B、式O2、式O6、および式O25Bからなる群から選択される構造を有する大腸菌(E.coli)に由来する少なくとも1つの糖を含む。
一部の実施形態では、組成物は、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)I型線毛タンパク質に由来するポリペプチドまたはその免疫原性断片;またはクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)III型線毛タンパク質に由来するポリペプチドまたはその免疫原性断片、またはその組合せから選択されるクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に由来するポリペプチドをさらに含む。前記ポリペプチドの配列は、当業界で公知である。
IX.組成物の使用
一態様では、本開示は、対象において大腸菌(E.coli)もしくはクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に対する免疫応答を惹起するため、または大腸菌(E.coli)もしくはクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)感染を防止するための、本明細書に記載の組成物、大腸菌(E.coli)FimHポリペプチドをコードする核酸もしくはそれらを発現させるためのベクター、または薬剤としての、もしくは薬剤の製造における、ポリペプチドもしくは核酸を含む組成物の使用を提供する。
他の態様では、本開示は、ヒトなどの対象において大腸菌(E.coli)またはクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に対する免疫応答を惹起する方法であって、対象に、有効量の、本明細書に記載の組成物または大腸菌(E.coli)もしくはクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)ポリペプチドをコードする核酸分子を投与することを含む方法を提供する。本開示はまた、対象における大腸菌(E.coli)またはクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)感染を防止する方法であって、対象に、有効量の、本明細書に記載の大腸菌(E.coli)またはクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)組成物を含む医薬組成物、例えば、ワクチンを投与することを含む方法も提供する。
本明細書で使用される場合、「対象」は、哺乳動物、好ましくは、ヒトを意味する。一部の特定の実施形態では、ヒトは、小児、例えば、幼児である。一部の他の特定の実施形態では、ヒトは、女性、特に、妊娠女性である。アジュバントを投与して、またはアジュバントを投与せずに、本発明の組成物を対象に投与することができる。対象に投与される有効量は、対象において大腸菌(E.coli)またはクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)抗原に対する免疫応答を惹起するのに十分な量である。処置のために選択することができる対象としては、大腸菌(E.coli)またはクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)への曝露または曝露の可能性のため、大腸菌(E.coli)またはクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)感染を発症するリスクがあるものが挙げられる。ヒトは2歳までに大腸菌(E.coli)またはクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に感染し得るため、出生コホート全体が免疫化のための適切な母集団として含まれる。これは、例えば、出生から6カ月齢まで、6カ月齢から5歳までのいつでも、抗体の受動的移行により、まだ子宮内にいる幼児を保護するために妊娠女性(または妊娠可能年齢の女性)において、および50歳を超える対象において免疫化レジメンを開始することによって行うことができる。
医薬組成物などの本開示によって提供される組成物の投与を、標準的な投与経路を使用して実行することができる。非限定的な実施形態は、皮内、筋肉内、皮下、経皮、粘膜などの非経口投与、または経口投与を含む。
1回の投与の間に対象に提供される組成物の総用量は、当業者には公知であるように、変化してもよい。
また、1または複数のワクチン組成物の1回または複数回の追加投与を提供することも可能である。追加ワクチン接種が実施される場合、典型的には、そのような追加ワクチン接種は、組成物を対象に初めて投与した後(そのような場合、「初回ワクチン接種」と称される)、1週間~10年、好ましくは、2週間~6カ月の時点で同じ対象に投与されるであろう。代替的な追加接種レジメンでは、初回ワクチン接種後、異なるベクター、例えば、1つもしくは複数のアデノウイルス、または他のベクター、例えば、改変ワクシニアウイルスAnkara(MVA)、またはDNA、またはタンパク質を、対象に投与することも可能である。例えば、対象に、初回接種としてこの組換えウイルスベクターを投与し、本明細書に記載の組成物を追加接種することが可能である。
ある特定の実施形態では、投与は、初回投与と、少なくとも1回の追加投与とを含む。ある特定の他の実施形態では、投与は、毎年提供される。さらに他の実施形態では、投与は、インフルエンザワクチンと一緒に毎年提供される。
本開示によって提供されるワクチンを、1つまたは複数の他のワクチンと一緒に使用することができる。例えば、成人においては、それらをインフルエンザワクチン、Prevnar、破傷風ワクチン、ジフテリアワクチン、および百日咳ワクチンと一緒に使用することができる。小児への使用のために、本開示によって提供されるワクチンを、小児患者に適応される任意の他のワクチンと共に使用することができる。
本発明をより良く理解するために、以下の実施例を記載する。これらの実施例は、例示に過ぎず、いかなる様式でも本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。以下の実施例は、本発明の一部の実施形態を例示するものである。
(実施例1)
細菌線毛アドヘシンFimHおよびFmlHは、大腸菌(Escherichia coli)が特異的な宿主細胞糖タンパク質の認識により別個の尿路微小環境を利用することを可能にする。FimHは、尿路上皮細胞におけるマンノシル化ウロプラキン受容体に結合する一方で、FmlHは、腎臓および炎症性膀胱において上皮表面タンパク質上のガラクトースまたはN-アセチルガラクトサミンO-グリカンに結合する。FimHフィムブリエは、腸管上皮上の高度マンノシル化タンパク質への結合を介して、腸管での腸管毒素産生大腸菌(E.coli)(ETEC)および多剤耐性侵襲性大腸菌(E.coli)の定着においても役割を果たす。
全長FimHは、2つのドメイン:N末端レクチンドメインおよびC末端ピリンドメインから構成され、それらは、短いリンカーによって接続されている。FimHのレクチンドメインは、尿路上皮細胞表面上のマンノシル化ウロプラキン1aへの結合を担う炭水化物認識ドメインを含む。ピリンドメインは、後続のFimGサブユニットのドナーストランドを介して線毛のコアに固定され、これは、ドナー鎖相補性(donor strand complementation)と称されるプロセスである。
FimHのレクチンドメインのコンフォメーションおよびリガンド結合特性は、FimHのピリンドメインのアロステリック制御下にある。静的条件下では、全長FimHの2つのドメインの相互作用はレクチンドメインを、浅い結合ポケットによって特徴付けられるモノマンノースへの低親和性(例えば、K≒300μM)状態で安定化させる。マンノシドリガンドへの結合は、中程度の親和性状態をもたらすコンフォメーション変化を誘導し、その際、レクチンおよびピリンドメインは緊密に接触したままである。しかしながら、せん断応力で、レクチンおよびピリンドメインは分離し、それによって、高親和性状態(例えば、K<1.2μM)を誘導する。
ピリンドメインがもたらす負のアロステリック制御の不在により、FimHの単離されたレクチンドメインは高親和性状態でロックされる。高親和性状態でロックされている単離された組換えレクチンドメインは、高い安定性を示す。しかしながら、アドヘシンを低結合コンフォメーションでロックすることで、アドヘシン阻害抗体の産生が誘導される。したがって、レクチンドメインを低親和性状態で安定化することに関心が持たれる。
表3は、これらの必要性に対処するための種々の構築物を作製するのに使用されるFimH構築物を記載する。
Figure 2023546615000014
Figure 2023546615000015
Figure 2023546615000016
Figure 2023546615000017
Figure 2023546615000018
試験されたFimH構築物は全て、予想された分子量の単量体タンパク質であった。
Figure 2023546615000019
FimC-FimH複合体の予想分子量は、53.1kDaである;
FimCの予想分子量は、24kDaである。
(実施例2)
FimHレクチン結合ドメインの哺乳動物発現
この非限定的実施例は、HEK細胞系において、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片を生産することに関する。収量は、大腸菌(E.coli)宿主細胞における、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片の発現と比較して、相対的に高かった。
哺乳動物細胞からのFimHバリアントの生産を達成するために、シグナルP予測アルゴリズムを使用して、異なる非相同シグナル配列をタンパク質および断片の分泌について分析した。野生型FimHリーダー配列も分析した。予測は、野生型FimHリーダー配列は、哺乳動物細胞におけるFimHバリアントの分泌について機能し得るが、しかしながら、分泌されるバリアントは、全長野生型FimHのF22残基(配列番号1を参照されたい)ではなく、全長野生型FimHのW20残基(配列番号1を参照されたい)で切断されると予測されることを示した。血球凝集素シグナル配列は、機能しないと予測された。マウスIgKシグナル配列は、配列番号1のF22のN末端、または成熟タンパク質のF1残基を生産すると予測された。
これらの分析に基づき、DNAを合成して、野生型FimHリーダーを含むFimHレクチン結合ドメインを発現する構築物を組換え生産した。構築物を、mIgKシグナル配列を含むFimHレクチン結合ドメインを発現するようにも調製した。精製を促進するために、Hisタグなどのアフィニティー精製タグを、大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片のC末端に導入した。
発現プラスミドをHEK宿主細胞、すなわち、EXPI293哺乳動物細胞にトランスフェクトした。
大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片が成功裏に発現した。例えば、F22でFimHの成熟開始に融合しているmIgKシグナル配列を使用する好ましいN末端プロセシングが、pSB01892 FimHdscG構築物についてMSにより実証された。プロセシングは、レクチンドメイン構築物pSB01878について正確であると考えられ、このことを質量分析データが裏付ける。
好ましいN末端プロセシング(すなわち、配列番号1のF22でのプロセシング)は、天然FimHリーダーペプチドでは示されなかった。
pSB01877およびpSB01878構築物は、pcDNA3.1(+)哺乳動物発現ベクター内に存在する。細胞を希釈し、続いて、20mlトランスフェクションで使用した。それぞれの構築物について1ug/mlのDNAを使用し、125mlフラスコ内でExpifectamineプロトコルを使用して、細胞をトランスフェクトした。72時間後に、細胞生存率はまだ良好であったので、発現を96時間まで継続することが可能であった。試料を72時間目に採取し、それぞれ10ulをSDS PAGEゲルに流して、発現についてチェックした。
96時間後に、馴化培地を採取し、Nickel Excel樹脂0.25mlをバッチ結合で、一晩、4℃で、回転させながら添加した。TrisCl pH8.0、NaCl、イミダゾール中で溶離した。図4を参照されたい。
pSB01878は、N末端F22と一致する質量を予測している。グリコシル化が1または2つの部位に存在(N-Dのそれぞれの脱アミドから+1質量)。
グリコシル化変異体を構築した。例えば、pSB02081、pSB02082、pSB02083、pSB02088、およびpSB02089を参照されたい。グリコシル化変異体は、目的のポリペプチドを発現した。結果については図5を参照されたい。
FimHレクチンドメインlock変異体も構築した。例えば、pSB02158を参照されたい。pSB02158構築物の発現の結果は、図6Bに示されている。
フルオレセイン-コンジュゲート化アミノフェニル-マンノピラノシド(APMP)0.5ピコモルを使用する蛍光偏光アッセイ。アッセイを室温、300RPMで、64時間実行した。結果は図6Cに示されている。
(実施例3)
FimH/C複合体、pSB01879およびpSB01880の哺乳動物発現
FimH/C複合体を生産するために、EF1アルファプロモーター下のFimCと、野生型またはmIgKシグナルペプチドのいずれかを含むFimHとの二重発現構築物を調製した。これらをpBudCE4.1哺乳動物発現ベクター(ThermoFisher)にクローニングし、C末端HisタグをFimCに添加した。FimCバリアントを、分泌のためにmIgKシグナルペプチドを用いて設計したが、それというのも、これは、SignalP分析に基づき、成熟タンパク質の第1の残基としてG37 FimCを得るためにプラスの予測をもたらしたためであった。
より具体的には、これらの構築物を、ベクターpBudCE4.1内にEF1アルファプロモーター下のFimC断片および同じベクター内にCMVプロモーター下のFimH断片インサートを有するように設計した。ベクターpBudCE4.1は、哺乳動物細胞での発現のために2つのプロモーターを有するThermo Fisher製の発現ベクターである。NotIおよびXhoIで消化し、かつ同じ部位でpBudCE4.1ベクターにサブクローニングすることにより、FimC断片インサート(pSB01881インサート)をサブクローニングした。これらを、2xYTゼオシン50ug/mlプレート上に播種した。コロニーを2xYTに、ゼオシン50ug/mlと共に接種し、終夜、37℃で増殖させ、プラスミドを準備した。これらをNotIおよびXhoIで消化して、インサートについてチェックすると、全てのコロニーが約722bpのインサートサイズを有した。
pSB01881をHindIIIおよびBamHIで消化し、pSB01879インサートおよびpSB01880インサートDNAをHindIIIおよびBamHIで消化した。これらの断片をゲル単離し、pSB01881ベクターにサブクローニングし、2xYTzeo50ug/mlプレート上に播種した。それぞれからのコロニーを2xYT zeo50ug/mlに接種し、終夜、37℃で増殖させ、プラスミドを調製し、かつFimCインサートについて試験するためにはNotIおよびXhoIで、かつFimHインサートについて試験するためにはHindIIIおよびBamHIで消化した。全てのクローンが、両方のクローニング部位で、予測されたサイズのインサートを有した。続いて、pSB01879-1およびpSB01880-1クローンを発現のために使用した。
FimH/FimC複合体は、EXPI293細胞においても発現することが実証されている。発現は、EF1α、CAG、Ub、Tub、または他のプロモーターなどのプロモーターをスイッチングすることによって最適化され得る。
好ましいN末端プロセシング(すなわち、配列番号1のF22でプロセシング)は、天然FimHリーダーペプチドでは示されなかった。
シグナルペプチド予測のために使用されるシグナルP4.1(DTU Bioinformatics)からの例示的な結果を下に示す。追加のシグナルペプチドは、成熟FimHポリペプチドまたはその断片の1位にPheの好ましいN末端を生産すると予測される。以下は、4つの共通のシグナル配列の代表的な試料セットに過ぎない。
次のシグナルペプチド配列は、成熟FimHポリペプチドまたはその断片の1位にPheの好ましいN末端をもたらすと予測された:
Figure 2023546615000020
以下のシグナルペプチド配列は、成熟FimHポリペプチドまたはその断片の1位にPheの好ましいN末端をもたらすとは予測されない。
Figure 2023546615000021
Figure 2023546615000022
Figure 2023546615000023
Figure 2023546615000024
(実施例4)
FimHとFimGペプチドとのドナーストランド相補融合の哺乳動物発現
いくつかのリンカー長さを試験した。野生型FimHおよびFimHのF22に融合しているmIgKシグナルペプチドの両方において、FimHをN末端FimGペプチドに融合するこれらのリンカーを用いる組換え発現を準備した。
FimHドナーストランド相補FimG構築物は、EXPI293細胞においてロバストな発現を有することも示されている。
好ましいN末端プロセシング(すなわち、配列番号1のF22でのプロセシング)は、天然FimHリーダーペプチドでは示されなかった。
ドナーストランド相補構築物のために、pcDNA3.1(+)において様々なリンカーおよびFimGペプチドを含む基本構築物を生産するように、オリゴヌクレオチドを設計した。固有のBstEII部位を、FimHの配列番号1のナンバリングによるG294 V295 T296残基に組み入れた。同じBstEII部位をリンカーに組み込んで、基本構築物を生産した。
pSB01882-01895のための基本構築物を構築した。プライマーを使用して、ACCUPRIME PFX DNAポリメラーゼ(Thermo Fisher)でpcDNA3.1(+)をPCR増幅し、PCR産物をNdeI(CMVプロモーターにおいて)およびBamHIで消化し、NdeIおよびBamHIで消化されるpcDNA3.1(+)にクローニングし、ゲル単離して断片を除去した。
別の一過性トランスフェクションを、対照としてEXPI293細胞を一緒に用いて、pSB01877、01878、01879、01880、01885、および01892で実行した。
pSB01882からpSB01895の構築物を、Thermo Fisher製のEXPI293細胞における一過性トランスフェクション発現試験で製造者プロトコルに従って使用した。EXPI293細胞20mLにおける72時間、10ulの馴化培地負荷での発現後の結果を示す図3を参照されたい;高レベルの発現が観察された;pSB01879およびpSB01880構築物からの発現後にFimH/FimC複合体が存在した;馴化培地20mlをNickel Excelにバッチ結合させ、40CVで洗浄、イミダゾール中で溶離。
追加のFimHドナーストランド相補構築物を調製した。例えば、pSB02198、pSB02199、pSB02200、pSB02304、pSB02305、pSB02306、pSB02307、pSB02308構築物を参照されたい。pSB2198 FimH dscG lock変異体構築物の発現は図7において示されている。pSB2198 FimH dscG Lock変異体は、一過性発現から12mg/Lをもたらした。
Vi-CELL XR 2.04(Beckman Coulter、Inc.)により、次が観察された(発現に使用された実際の細胞型はHEK細胞であった):
Figure 2023546615000025
(実施例5)
分子量断片はプロセシングされるシグナルペプチドを有する
Figure 2023546615000026
Figure 2023546615000027
Figure 2023546615000028
Figure 2023546615000029
Figure 2023546615000030
(実施例6)
FimH成熟タンパク質中のPhe1(配列番号2のナンバリングによる)のN末端α-アミノ基は、D-マンノースのための重要な極性認識を提供する
理論またはメカニズムによって束縛されるものではないが、FimH成熟タンパク質のPhe1(配列番号2のナンバリングによる)の直前での正確なシグナルペプチド切断が機能性FimHタンパク質を発現するために重要であることが示唆されている。FimHタンパク質のPhe1の前のN末端でアミノ酸を付加することなどによるN末端α-アミノ基の変化は、D-マンノースのO2-、O5-およびO6-原子との水素結合相互作用を破壊して、D-マンノースとの立体反発を導入し、それによって、マンノース結合をブロックし得る。このことは、配列番号2のPhe1の前に余分のGly残基を付加することで、マンノース結合が検出されなくなるという本発明者らの実験観察で確認される。
D-マンノースに結合したFimHの結晶構造の分析後に、次のことが観察された:配列番号2のナンバリングによるFimHのAsp54および配列番号2のナンバリングによるFimHのGln133の側鎖と共に、Phe1のN末端α-アミノ基は、D-マンノースのための重要な極性認識モチーフを提供し、突然変異およびこれらの極性相互作用の変化により、マンノース結合がなくなる。
(実施例7)
FimH中のPhe1の側鎖は、D-マンノースと直接的に相互作用せず、むしろ、FimHの内部に埋没しており、Phe1が他の残基、例えば、脂肪族疎水性残基(Ile、Leu、またはVal)によって置き換えられ得ることを示唆している。
D-マンノースおよびその類似体との複合体におけるFimHの結晶構造の分析(例えば、PDB ID:1QUN)は、Phe1(配列番号2のナンバリングによる)の側鎖がD-マンノースと直接的に相互作用せず、むしろ、その芳香族環とVal56、Tyr95、Gln133およびPhe144(配列番号2のナンバリングによる)の側鎖とのスタッキングによって結合ポケットを安定化することを示している。
Pheの代わりの代替のN末端の残基は、FimHタンパク質を安定させ、マンノース結合を調節し、正確なシグナルペプチド切断を可能にし得る。そのような残基は、FimHの結晶構造の外観検査、またはBioLuminate(商標)[BioLuminate、Schrodinger LLC、New York、2017]、Discovery Studio(商標)[Discovery Studio Modeling Environment、Dassault Systemes、San Diego、2017]、MOE(商標)[Molecular Operating Environment、Chemical Computing Group Inc.,Montreal、2017]、およびRosetta(商標)[Rosetta、University of Washington、Seattle、2017]などのコンピュータによるタンパク質設計ソフトウェアを使用する、より定量的選択などによる、当業界で公知の好適な方法によって同定することができる。実例が図9A~9Cに示されている。置換えのアミノ酸は、脂肪族疎水性アミノ酸であってよい(例えば、Ile、LeuおよびVal)。図11は、FimHタンパク質を安定化し、かつマンノース結合を調節し得る脂肪族疎水性側鎖を有する他のアミノ酸、例えば、Ile、LeuおよびValでの、Phe1のコンピュータによる突然変異誘発スキャニングを描写する。
(実施例8)
FimHタンパク質中の、配列番号2のナンバリングによるAsn7の突然変異は、マンノース、mAb21、またはmAb475結合に影響を及ぼすことなく、推定上のN-グリコシル化部位を除去して、脱アミドを防止し得る。
哺乳動物細胞系からの分泌大腸菌(E.coli)FimHの過剰発現は、配列番号2のナンバリングによる残基Asn7でのN結合グリコシル化をもたらし得る。加えて、残基Asn7は、溶媒に暴露され、その後にGly残基が続いているので、非常に脱アミドされやすい。
D-マンノースおよびその類似体(例えば、PDB ID:1QUN)との複合体におけるFimHの結晶構造の分析は、Asn7がマンノース結合部位から20Å超離れていて、その部位での突然変異はマンノース結合に影響を及ぼさないはずであることを示している。したがって、他のアミノ酸(例えば、Ser、AspおよびGln)へのAsn7の突然変異は効果的に、推定上のN-グリコシル化部位を除去し、かつ脱アミドを防止し得る。
(実施例9)
大腸菌(E.coli)およびサルモネラ・エンテリカ(S.enterica)株
臨床株および派生株を、表10に列挙する。さらなる参照株は、O25K5H1、臨床O25a血清型株;およびサルモネラ・エンテリカ(S.enterica)血清型ティフィムリウム(Typhimurium)株LT2を含んでいた。
標的オープンリーディングフレームを除去するが、短いscar配列を残す大腸菌(E.coli)株の遺伝子ノックアウトを構築した。
簡単にするために、加水分解されたO抗原鎖およびコア糖を、O多糖(OPS)の次に示す。
Figure 2023546615000031
(実施例10)
wzzB、fepEおよびO抗原遺伝子クラスタークローニングのためのオリゴヌクレオチドプライマー
Figure 2023546615000032
(実施例11)
プラスミド
プラスミドベクターおよびサブクローンを、表12に列挙する。種々の大腸菌(E.coli)およびサルモネラ菌(Salmonella)wzzBおよびfepE遺伝子を担持するPCR断片を、精製ゲノムDNAから増幅し、Invitrogen PCR(登録商標)Blunt cloning kitに提供される高コピー数プラスミド中にサブクローニングした(図12A~12B)。このプラスミドは、pUCレプリコンに基づく。プライマーP3およびP4を使用して、その天然プロモーターと共に大腸菌(E.coli)wzzB遺伝子を増幅したが、それらは、それぞれ、UDP-グルコース-6-デヒドロゲナーゼおよびホスホリボシルアデニンヌクレオチドヒドロラーゼをコードする近位および遠位遺伝子中の領域に結合するように設計される(Genbank MG1655 NC_000913.3に注釈されている)。サルモネラ菌(Salmonella)fepE遺伝子およびプロモーターを含有するPCR断片を、以前に記載されたプライマーを使用して増幅した。同様の大腸菌(E.coli)fepEプライマーを、利用可能なGenbankゲノム配列または内部で生成された全ゲノムデータ(GAR2401およびO25K5H1の場合)に基づいて設計した。低コピー数プラスミドpBAD33を使用して、アラビノースプロモーターの制御下でO抗原生合成遺伝子を発現させた。プラスミドを最初に改変して、5’プロモーターおよび3’6-ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ(gnd)遺伝子と相同なユニバーサルプライマーを使用して増幅された長いPCR断片のクローニング(Gibson法による)を容易にした(表12)。O25b生合成オペロンを含有するpBAD33サブクローンが図12A~12Bに図示されている。
Figure 2023546615000033
(実施例12)
O抗原精製
発酵ブロスを、酢酸で処理して、1~2%の最終濃度(4.1の最終pH)にした。OAgの抽出および脱脂を、酸処理したブロスを100℃に2時間加熱することによって達成した。酸加水分解の終わりに、バッチを周囲温度に冷却し、14%NHOHを添加して、6.1の最終pHにした。中和されたブロスを遠心分離し、遠心分離液を収集した。遠心分離液に、リン酸ナトリウム中のCaClを添加し、得られたスラリーを室温で30minインキュベートした。遠心分離によって固体を除去し、10kDa膜を使用して遠心分離液を12倍に濃縮した後、水に対して2回透析濾過した。次いで、OAgを保持する保持液を、カーボンフィルターを使用して精製した。カーボン濾液を、4.0M硫酸アンモニウムを用いて1:1(v/v)に希釈した。最終硫酸アンモニウム濃度は2Mであった。硫酸アンモニウム処理したカーボン濾液を、泳動緩衝剤として2M硫酸アンモニウムを含む膜を使用してさらに精製した。OAgは流出液中に収集された。長いOAgについては、HIC濾液を濃縮した後、5kDa膜を使用して水(20倍透析容量)に対して緩衝剤交換した。短い(天然)OAg多糖については、MWCOをさらに低減させて、収率を増強した。
(実施例13)
O25b長鎖O抗原のCRM197へのコンジュゲーション
第1のセットの長鎖O25b多糖-CRM197コンジュゲートを、過ヨウ素酸塩酸化、次いで、還元的アミノ化化学反応(RAC)を使用するコンジュゲーションを使用して生産した(表14)。コンジュゲートは、酸化レベルを変化させることによって3つの活性化レベル(低、中および高)で変化する。還元剤としてシアノ水素化ホウ素ナトリウムを使用して、凍結乾燥された活性化された多糖と、DMSO媒体中で復元された凍結乾燥されたCRM197とを反応させることによって、コンジュゲートを生産した。コンジュゲーション反応を23℃で24hにわたって実行した後、水素化ホウ素ナトリウムを使用して3hにわたってキャッピングした。コンジュゲーションクエンチングステップの後、5mMコハク酸塩/0.9%NaCl、pH6.0を使用して、100K MWCOの再生セルロース膜を用いる限外濾過/透析濾過によって、コンジュゲートを精製した。コンジュゲートの最終濾過を、0.22μm膜を使用して実施した。
別途明示的に指摘されない限り、以下の実施例を通して開示されるコンジュゲートは、コア糖部分を含む。
異種ポリメラーゼ鎖長調節因子によって提供される長鎖O抗原発現
初期の大腸菌(E.coli)株構築は、O25血清型に焦点を当てた。目標は、異種wzzBまたはfepE遺伝子がO25 wzzBノックアウト株においてより長い鎖長を提供するかどうかを見るためにそれらを過剰発現させることであった。最初に、血液単離物をPCRによってスクリーニングして、O25aおよびO25bサブタイプの株を同定した。次に、株を、アンピシリンに対する感受性についてスクリーニングした。wzzB欠失が導入された1つのアンピシリン感受性O25b単離物GAR2401が同定された。同様に、wzzB欠失を、O25a株O25K5H1中で行った。これらの突然変異の遺伝的相補性について、GAR2401およびO25K5H1に由来するwzzB遺伝子を、高コピーPCR-BluntIIクローニングベクター中にサブクローニングし、エレクトロポレーションによって両株に導入した。大腸菌(E.coli)K-12およびサルモネラ・エンテリカ(S.enterica)血清型ティフィムリウム(Typhimurium)LT2に由来するさらなるwzzB遺伝子;同様に、大腸菌(E.coli)O25K5H1、GAR2401、O25a ETEC、NR-5、O157:H7:K-およびサルモネラ・エンテリカ(S.enterica)血清型ティフィムリウム(Typhimurium)LT2に由来するfepE遺伝子をクローニングし、導入した。
細菌を、LB培地中で一晩増殖させ、LPSをフェノールで抽出し、SDS PAGE(4~12%アクリルアミド)により分解し、染色した。ゲルの各ウェルに、同数の細菌細胞(約2OD600単位)から抽出されたLPSを載せた。LPSのサイズを、内部天然大腸菌(E.coli)LPS標準から、および広い鎖長分布を示す(1つの反復単位によって異なる)試料のサブセットから認識できるラダーを計測することによって見積もった。図13Aの左側に、O25a O25K5HΔwzzBのプラスミド形質転換体のLPSプロファイルを示す;右側には、O25b GAR2401ΔwzzB形質転換体の同様のプロファイルを示す。O25特異的血清を用いて精査した複製ゲルのイムノブロットを、図13Bに示す。
この実験の結果は、相同なwzzB遺伝子の大腸菌(E.coli)O25aΔwzzB宿主への導入が、サルモネラ菌(Salmonella)LT2 wzzBと同様、短いO25 LPS(10~20x)の発現を回復させることを示す。GAR2401に由来するO25b wzzB遺伝子の導入は回復させないが、これは、この株に由来するWzzB酵素が欠損していることを示唆している。大腸菌(E.coli)WzzBアミノ酸配列の比較は、A210EおよびP253S置換が原因であり得ることを示唆する。重要なことには、O25a O25K5H1に由来するサルモネラ菌(Salmonella)LT2 fepEおよび大腸菌(E.coli)fepEは、非常に長い(VL)OAg LPSを発現する能力をもたらし、サルモネラ菌(Salmonella)LT2 fepEでは、大腸菌(E.coli)fepEによってもたらされるものをサイズにおいて超えるOAgが生じる。
同様のパターンの発現が、GAR2401ΔwzzB形質転換体について観察された:大腸菌(E.coli)O25aまたはK12株wzzBは、短いLPSを産生する能力を回復させた。サルモネラ菌(Salmonella)LT2 fepEは最も長いLPSを生成し、大腸菌(E.coli)fepEはそれよりわずかに短いLPSを生成したが、サルモネラ菌(Salmonella)LT2 wzzBは中間サイズの長いLPS(L)をもたらした。非常に長いLPSを産生する他の大腸菌(E.coli)fepE遺伝子の能力を、大腸菌(E.coli)O25aΔwzzBの形質転換体を用いる別の実験において評価した。GAR2401、O25a ETEC株およびO157シゲラ(Shigella)毒素産生株に由来するfepE遺伝子も、サルモネラ菌(Salmonella)LT2 fepEについて生成されたLPSの長さほどではないが、非常に長いLPSを産生する能力をもたらした(図14)。
サルモネラ菌(Salmonella)LT2 fepEが、評価されたポリメラーゼ調節因子の最も長いLPSを生成する血清型O25aおよびO25b株において確立されたら、本発明者らは次に、それが他の大腸菌(E.coli)血清型においても非常に長いLPSを産生するかどうかを決定しようとした。血清型O1、O2、O6、O15およびO75の野生型菌血症単離物に、サルモネラ菌(Salmonella)fepEプラスミドおよび抽出されたLPSを形質転換した。図15に示される結果は、サルモネラ菌(Salmonella)fepEが血液感染と関連する他の一般的な血清型において非常に長いLPSを作る能力をもたらすことができることを確認するものである。結果はまた、サルモネラ菌(Salmonella)fepEのプラスミドに基づく発現が、これらの株において内因性wzzBによって通常示される鎖長の制御を無効化するようであることも示す。
一般的な大腸菌(E.coli)宿主株におけるO抗原のプラスミドに基づく発現
生体プロセス発達の観点から、複数の株の代わりに一般的な大腸菌(E.coli)宿主において異なる血清型のO抗原を産生する能力は、個々の抗原の製造を大きく単純化するであろう。この目的のために、異なる血清型に由来するO抗原遺伝子クラスターをPCRによって増幅し、アラビノース調節性プロモーターの制御下で低コピー数プラスミド(pBAD33)中にクローニングした。このプラスミドは、異なる(p15a)レプリコンおよび異なる選択マーカー(クロラムフェニコール対カナマイシン)を担持するため、大腸菌(E.coli)中のサルモネラ菌(Salmonella)LT2 fepEプラスミドと適合する(同時に存在し得る)。最初の実験において、pBAD33 O25bオペロンプラスミドサブクローンを、サルモネラ菌(Salmonella)LT2 fepEプラスミドと共に、GAR2401ΔwzzB中に同時トランスフェクトし、形質転換体を、0.2%アラビノースの存在下または非存在下で増殖させた。図16A~16Bに示される結果は、非常に長いO抗原LPSがアラビノース依存的様式で産生されることを示した。
他の血清型からクローニングされたO抗原遺伝子クラスターも同様に評価し、その結果を図17に示した。サルモネラ菌(Salmonella)LT2 fepEとpBAD33-OAgプラスミドとの同時発現により、O1、O2(4つのクローンのうちの2つについて)、O16、O21およびO75血清型に対応する検出可能な長鎖LPSが得られた。未知の理由から、pBAD33-O6プラスミドは、試験した4つ全部の単離物において検出可能なLPSをもたらすことができなかった。発現レベルは可変性であったが、結果は、一般的な宿主中での長鎖O抗原の発現が実現可能であることを示している。しかしながら、一部の場合、例えば、プラスミドプロモーター配列の改変による、発現を改善するためのさらなる最適化が必要であり得る。
サルモネラ菌(Salmonella)LT2 fepEプラスミドを含む、または含まない異なる血清型O25大腸菌(E.coli)株に由来するLPSのプロファイルを、図18に示す。2つの株を、O抗原の発酵、抽出および精製について試験した:天然の短いO25b OAgの産生については、GAR2831;および長いO25b OAgの産生については、GAR2401ΔwzzB/fepE。図18のSDS-PAGEゲルに示される対応する短い、および長い形態のLPSは赤色で強調される。多糖を、酢酸を用いて発酵した細菌から直接抽出し、精製した。精製された短い、および長い、または非常に長いO25b多糖のサイズ排除クロマトグラフィープロファイルを、図19A~19Bに示す。2つのロットの短い多糖(GAR2831由来)の特性を、単一の非常に長い多糖調製物(GAR2401ΔwzzB/fepE株由来)と比較する。長いO抗原の分子量は、短いO抗原のそれよりも3.3倍大きく、反復単位数は約65(非常に長い)と約20であると見積もられた。表13を参照されたい。
Figure 2023546615000034
非常に長いO25b O抗原多糖を、従来の還元的アミノ化プロセスを使用して、ジフテリアトキソイドCRM197にコンジュゲートさせた。3つの異なるロットの糖コンジュゲートを、変化する過ヨウ素酸塩活性化度で調製した:中(5.5%)、低(4.4%)および高(8.3%)。得られる調製物および非コンジュゲート化多糖は、内毒素夾雑物を含まないことが示された(表14)。
4匹のウサギの群(New Zealand Whiteのメス)に、図20Aに示されるスケジュールに従って、10mcgの糖コンジュゲートおよび20mcgのQS21アジュバントをそれぞれワクチン接種し、血清を採取した(VAC-2017-PRL-EC-0723)。10mcg用量は、細菌糖コンジュゲートの評価においてウサギに慣用的に投与される範囲の下端であることは注目に値する(20~50mcgがより典型的である)。また、1群のウサギには、別の試験(VAC-2017-PRL-GB-0698)において、同じ用量(10mcgの多糖+20mcgのQS21アジュバント)および同一の投与スケジュールを使用して、非コンジュゲート化多糖をワクチン接種した。
カルボキシビーズを、非コンジュゲート化O25bの長い多糖を予め結合させたメチル化ヒト血清アルブミンで被覆したLUMINEXアッセイにおいて、3つのO25b糖コンジュゲート調製物に対するウサギ抗体応答を評価した。血清試料中のO25b特異的IgG抗体の存在を、フィコエリトリン(PE)標識抗IgG二次抗体を用いて検出した。最良に応答するウサギ(4匹の各群に由来する1匹)において第0週(免疫前)、第6週(用量2後、PD2)、第8週(用量3後、PD3)および第12週(用量4後、PD4)で採取した血清中で観察された免疫応答のプロファイルを、図21A~21Cに示す。12匹のウサギのいずれにおいても、有意な免疫前血清IgG力価は検出されなかった。対照的に、O25b抗原特異的抗体応答が、3つ全部の群におけるウサギに由来するワクチン接種後血清において検出され、低活性化糖コンジュゲート群の応答は、中または高活性化糖コンジュゲート群よりもわずかに高い傾向があった。最大応答は、用量3後の時点までに観察された。低活性化群の1匹のウサギおよび高活性化群の1匹のウサギは、ワクチン接種に応答することができなった(非応答動物)。
長いO25b OAg多糖の免疫原性に対するCRM197担体タンパク質コンジュゲーションの影響を評価するために、非コンジュゲート化多糖をワクチン接種したウサギに由来する血清中の抗体の存在を、低活性化CRM197糖コンジュゲートをワクチン接種したウサギに由来する血清と比較した(図22A~22F)。意外なことに、遊離多糖は免疫原性ではなく、免疫血清および免疫前血清においてIgG応答を実質的に惹起しなかった(図22A)。対照的に、ある血清希釈率範囲(1:100~1:6400)にわたって、O25b OAg-CRM197をワクチン接種した4匹のウサギのうちの3匹に由来するPD4血清中で、免疫前血清レベルより約10倍高いO25b OAg特異的IgG平均蛍光強度値(MFI)が観察された。これらの結果は、10mcgの用量レベルでO25b OAg多糖に対するIgG抗体を生成するための担体タンパク質コンジュゲーションの必要性を示している。
TSAプレート上で増殖させた細菌を、PBS中に懸濁し、2.0のOD600に調整し、PBS中の4%パラホルムアルデヒド中で固定した。4%BSA/PBS中で1hブロックした後、細菌を、2%BSA/PBS中の免疫前およびPD3免疫血清の連続希釈液と共にインキュベートし、結合したIgGを、PE標識二次F(ab)抗体を用いて検出した。
O25b OAg-CRM197によって惹起されたO25b抗体の特異性を、インタクトな細菌を用いるフローサイトメトリー実験において示した。IgGの全細胞への結合を、Accuriフローサイトメーター中でPEコンジュゲート化F(ab’)断片ヤギ抗ウサギIgGを用いて検出した。
図23A~23Cに示されるように、免疫前のウサギ抗体は、野生型血清型O25b単離物GAR2831およびGAR2401またはK-12大腸菌(E.coli)株に結合することができなかったが、マッチさせたPD3抗体は濃度依存的様式でO25b細菌を染色した。OAgを発現する能力を欠く陰性対照K-12株は、その表面上の露出した内側コアオリゴ糖エピトープの存在に十中八九起因して、PD3抗体の非常に弱い結合しか示さなかった。サルモネラ菌(Salmonella)fepEプラスミドの、野生型O25b単離物への導入により、より長いOAg多糖によって提供されるより高い密度の免疫原性エピトープと一致して、有意に増強された染色が得られた。
結論:記載された結果は、サルモネラ菌(Salmonella)fepEがサルモネラ菌(Salmonella)種における非常に長いO抗原多糖の決定因子であるだけでなく、異なるO抗原血清型の大腸菌(E.coli)株に対して、非常に長いOAgを作る能力をもたらすことができることを示している。精製および適切な担体タンパク質への化学的コンジュゲーションを容易にすることによって、ならびにより高い分子量の複合体の形成を介して免疫原性を潜在的に増強することによって、生体プロセス発達に関する特性が改善されたO抗原ワクチン多糖を生産するために、この特性を活用することができる。
(実施例14)
初期ウサギ試験は第1のポリクローナル抗体試薬およびRAC O25b OAg-CRM197に対するIgG応答を生成した
長鎖O25b多糖-CRM197コンジュゲートを、過ヨウ素酸塩酸化、次いで、還元的アミノ化化学反応(RAC)を使用するコンジュゲーションを使用して生産した(表14)。表24も参照されたい。
Figure 2023546615000035
ウサギ試験1(VAC-2017-PRL-EC-0723)(実施例13にも上記されている)では、10μgのL-、M-またはH-活性化RAC(+QS21)を用いる5匹のウサギ/群が、図20Aに示されるスケジュールに従って組成物を受けた。非コンジュゲート化遊離O25b多糖は、追跡ウサギ試験(VAC-2017-PRL-GB-0698)において免疫原性ではないことが観察された(図25を参照されたい)。
ウサギ試験2(VAC-2018-PRL-EC-077)では、L-RAC(AlOH、QS21、またはアジュバントなし)を用いる2匹のウサギ/群が、図20Bに示されるスケジュールに従って組成物を受けた。
ウサギ4-1、4-2、5-1、5-2、6-1、および6-2は、実施例13に記載された非常に長い非コンジュゲート化O25b多糖を受け、第18週の血清を試験した。
より具体的には、50μgの非コンジュゲート化O25b、100μgのAlOHアジュバントを含む組成物を、ウサギ4-1に投与した。50μgの非コンジュゲート化O25b、100μgのAlOHアジュバントを含む組成物を、ウサギ4-2に投与した。50μgの非コンジュゲート化O25b、50μgのQS-21アジュバントを含む組成物を、ウサギ5-1に投与した。50μgの非コンジュゲート化O25b、50μgのQS-21アジュバントを含む組成物を、ウサギ5-2に投与した。50μgの非コンジュゲート化O25bを含み、アジュバントを含まない組成物を、ウサギ6-1に投与した。50μgの非コンジュゲート化O25bを含み、アジュバントを含まない組成物を、ウサギ6-2に投与した。
(実施例15)
O25b RACコンジュゲートを用いたウサギ試験:dLIA血清希釈力価
試験1(VAC-2017-PRL-EC-0723)に由来する最良に応答するウサギに対する、ウサギ試験2(VAC-2018-PRL-EC-077)のO25b dLIA血清希釈力価。これらの実験のために、O25b長鎖O抗原のポリリシンコンジュゲートを、以前に記載されたメチル化血清アルブミン長鎖O抗原混合物の代わりにLuminexカルボキシビーズ上に受動的に吸着させる、改変された直接結合Luminexアッセイを実行した。ポリリシン-O25bコンジュゲートの使用は、アッセイの感度およびIgG濃度依存的応答の質を改善し、曲線適合の使用(4パラメーター非線形式)によって血清希釈率の決定を可能にした。第1の試験に由来する最も高い力価のウサギに由来する血清中のO25bIgG力価を、表15中の第2の試験のウサギに由来する血清と比較する。
Figure 2023546615000036
第2のウサギ試験におけるより高用量(50/20μg対10μg)は、IgG力価を改善しなかった。
2カ月の休止は、IgG応答を促進する(より短い間隔については観察されなかった)。
ミョウバンは、QS21またはアジュバントなしと比較して、ウサギにおけるIgG応答を増強するようである。
子ウサギ補体(BRC)および好中球の供給源としてのHL60細胞を用いるオプソニン貪食作用アッセイ(OPA)を確立して、O抗原糖コンジュゲートの機能的免疫原性を測定した。大腸菌(E.coli)GAR2831の予め凍結された細菌ストックを、37℃でLuriaブロス(LB)培地中で増殖させた。細胞をペレット化し、20%グリセロールを添加したPBS中、1mlあたり1OD600単位の濃度で懸濁し、凍結した。予め滴定し解凍した細菌を、1%ゼラチンを含むHBSS(ハンクス平衡塩溶液)中で0.5x10CFU/mlに希釈し、10μL(10CFU)を、U底組織培養マイクロプレート中、20μLの連続希釈した血清と混合し、混合物を、5%COインキュベーター中、37℃で30min、700rpm(BELLCO Shaker)で振とうした。10μlの2.5%補体(子ウサギ血清、PEL-FREEZ 31061-3、HBG中で予め希釈)および20μLのHL-60細胞(0.75x10/ml)および40μLのHBGをU底組織培養マイクロプレートに添加し、混合物を5%COインキュベーター中、37℃で45min、700rpm(BELLCO Shaker)で振とうした。続いて、それぞれ100μLの反応液のうちの10μLを、100μLの水を加え、減圧濾過し、150μLの50%LBを加えることによって調製された、予め湿らせたMILLIPORE MULTISCREENHTS HVフィルタープレートの対応するウェルに移した。フィルタープレートを減圧濾過し、5%COインキュベーター中、37℃で一晩インキュベートした。次の日、IMMUNOSPOT(登録商標)分析装置およびIMMUNOCAPTUREソフトウェアを使用して、COOMASSIE色素および脱染溶液を用いて固定、染色、および脱染した後、コロニーを数えた。OPA活性の特異性を確立するために、免疫血清を、100μg/mLの精製された長鎖O25b O抗原と共に予備インキュベートした後、OPA反応における他のアッセイ成分と混合した。OPAアッセイは、HL60細胞または補体に対する観察される殺傷の依存性を証明するために、これらの成分を含まない対照反応を含む。
両方のウサギ試験に由来する代表的なウサギに由来するマッチさせた免疫前およびワクチン接種後の血清試料を、アッセイにおいて評価し、血清希釈力価を決定した(表16、図26A~26B)。非コンジュゲート化O25b長鎖O抗原多糖と共に予備インキュベートすることにより、OPAの特異性を示す殺菌活性が遮断された(図19C)。表16はOPA力価を示す。
ウサギ2-3に、以下のように投薬した:ウサギ2-3の投薬:10/10/10/10μgのRACコンジュゲート+QS21、用量4後(PD)に出血させた。ウサギ1-2に、以下のように投薬した:50/20/20/20μgのRACコンジュゲート+Al(OH)、PD4に出血させた。
Figure 2023546615000037
(実施例16)
非コンジュゲート化O25b長鎖O抗原多糖および誘導されたO25b RAC/DMSO長鎖O抗原糖コンジュゲートにより惹起されるO抗原O25b IgGレベル
10匹のCD-1マウスの群に、皮下注射により、0.2または2.0μg/動物のO25b RAC/DMSO長鎖O抗原糖コンジュゲートを、第0、5および13週で投与し、免疫原性試験のために第3週(用量1後、PD1)、第6週(用量2後、PD2)および第13週(用量3後、PD3)の時点で採血した。抗原特異的IgGのレベルを、内部標準としてのO25b特異的マウスmAbを用いる定量的Luminexアッセイ(実施例15の詳細を参照されたい)によって決定した。ベースラインIgGレベル(点線)を、20匹の無作為に選択されたワクチン非接種マウスからプールされた血清中で決定した。遊離非コンジュゲート化O25b長鎖O抗原多糖免疫原は、任意の時点でベースラインレベルを超えるIgGを誘導しなかった。対照的に、IgG応答は、O25b-CRM197 RAC長鎖コンジュゲート糖コンジュゲートの2回投与後に観察された:ロバストで均一なIgG応答が、PD3までに観察され、PD2で中間レベルおよびより変動性のIgGレベルが観察された。GMT IgG値(ng/ml)は95%CIエラーバーと共に示される。図27A~27Cを参照されたい。
(実施例17)
O25b子ウサギ補体(BRC)OPAの特異性
A~B)ウサギ2~3および1~2に由来するO25b RAC/DMSO長鎖O抗原免疫後血清(マッチさせた免疫前対照血清ではなく)は、殺菌性OPA活性を示す。C)ウサギ1~2に由来する免疫血清のOPA活性を、100μg/mLの長鎖O抗原O25b多糖と共に予備インキュベートすることによって遮断した。GAR2831細菌株を、37℃で1h、HL60、2.5%BRCおよび血清の連続希釈液と共にインキュベートし、フィルタープレート上のマイクロコロニーを計測することにより(CFU)、生存する細菌を数えた。図26A~26Cを参照されたい。
(実施例18)
RACおよびeTEC O25b長鎖糖コンジュゲートは、単一末端糖コンジュゲートよりも免疫原性が高い
カルバペネム耐性フルオロキノロン耐性MDR株Atlas187913を用いたBRC OPAアッセイ。20匹のCD-1マウスの群に、図28A~28Bに示されるのと同じスケジュールに従って2μgの糖コンジュゲートをワクチン接種し、用量2後(PD2)(図28A)および用量3後(PD3)(図28B)の時点でOPA応答を決定した。バーは、95%CIを含むGMTを示す。ワクチン非接種ベースラインを超える応答動物率が示される。異なる群に由来する対数変換データを評価して、Welchの補正を行った対応のないt検定(Graphpad Prism)を使用して、差異が統計的に有意であるかどうかを評価した。結果を、表17にまとめる。図28A~28Bを参照されたい。2μgのeTEC O1a長鎖糖コンジュゲートをワクチン接種したマウスにおいては、PD2およびPD3でのO1aに対するOPA力価(データは示さない)は、表17に示される、それぞれ、PD2およびPD3でのO25bに対するOPA力価よりも高いことが観察された。
Figure 2023546615000038
(実施例19)
多糖活性化のレベルを改変することによってeTEC化学のOPA免疫原性を改善することができる
カルバペネム耐性フルオロキノロン耐性MDR株Atlas187913を用いたBRC OPAアッセイ。20匹のCD-1マウスの群に、0.2μgまたは2μgの示された長鎖O25b eTEC糖コンジュゲートをワクチン接種し、OPA応答をPD2の時点で決定した。4%活性化と17%活性化の群に由来する集約された対数変換データを評価して、Welchの補正を行った対応のないt検定(Graphpad Prism)を使用して、OPA応答の差異が統計的に有意であることを確認した。個々の群に関するGMTおよび応答動物率を、表18にまとめる。図29を参照されたい。
Figure 2023546615000039
(実施例20)
負荷試験は、長鎖大腸菌(E.coli)O25b eTECコンジュゲートが3つの用量後に保護を惹起することを示す
示されたスケジュールに従って2μgの用量で免疫された20匹のCD-1マウスの群に、1x10個のGAR2831株の細菌をIPによりチャレンジした。その後の生存を、6日間にわたってモニタリングした。4%、10%または17%のレベルで活性化されたeTEC糖コンジュゲートをワクチン接種したマウスの群は、致死的感染から保護されたが、ワクチン非接種対照マウスまたは2μgの非コンジュゲート化O25b長鎖多糖をワクチン接種したマウスは保護されなかった。図30A~30Bを参照されたい。
(実施例21)
eTEC結合糖コンジュゲートの調製のためのプロセス
糖の活性化およびシスタミン二塩酸塩を用いたチオール化。糖を、無水ジメチルスルホキシド(DMSO)中で復元する。溶液の水分含量を、Karl Fischer(KF)分析によって決定し、0.1~1.0%、典型的には0.5%の水分含量に達するように調整する。
活性化を開始させるために、1,1’-カルボニル-ジ-1,2,4-トリアゾール(CDT)または1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)の溶液を、DMSO中、100mg/mLの濃度で新鮮に調製する。様々な量のCDT/CDI(1~10モル当量)を用いて糖を活性化し、rtまたは35℃で1~5時間、反応を進行させる。活性化反応溶液中の残留CDI/CDTをクエンチするために、水を添加した。添加される水の量を決定し、最終水分含量が総水分量の2~3%となるように計算を実施する。反応をrtで0.5時間進行させた。50mg/mLの濃度の無水DMSO中でシスタミン二塩酸塩を新鮮に調製する。活性化された糖を、1~2モル当量のシスタミン二塩酸塩と反応させる。あるいは、活性化された糖を、1~2モル当量のシスタミン塩酸塩と反応させる。チオール化反応をrtで5~20時間進行させて、チオール化された糖を生産する。チオール化レベルは、添加されるCDT/CDIの量によって決定される。
活性化されたチオール化された糖の還元および精製。チオール化された糖の反応混合物に、3~6モル当量のトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の溶液を添加し、rtで3~5時間進行させる。次いで、反応混合物を、予め冷やした10mMリン酸二水素ナトリウムに添加することによって5~10倍に希釈し、5μmフィルターを通して濾過する。チオール化された糖の透析濾過を、30~40倍透析容量の予め冷やした10mMリン酸二水素ナトリウムに対して実施する。活性化されたチオール化された糖の保持液のアリコートを取り出し、糖濃度およびチオール含量を決定する(Ellmanアッセイ)。
ブロモアセチル化された担体タンパク質の活性化および精製。担体タンパク質の遊離アミノ基を、ブロモ酢酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(BAANS)、ブロモアセチルブロミド、または別の好適な試薬などのブロモアセチル化剤との反応によってブロモアセチル化する。
担体タンパク質(0.1Mリン酸ナトリウム中、pH8.0±0.2)を、最初に活性化の前にpH約7で、8±3℃で保持する。タンパク質溶液に、ジメチルスルホキシド(DMSO)ストック溶液(20mg/mL)としてブロモ酢酸のN-ヒドロキシスクシンイミドエステル(BAANS)を、0.25~0.5のBAANS:タンパク質(w/w)の比で添加する。反応物を、30~60分間にわたって5±3℃で穏やかに混合する。得られるブロモアセチル化(活性化)されたタンパク質を、例えば、10mMリン酸(pH7.0)緩衝剤を使用して、10kDaのMWCOの膜を使用する限外濾過/透析濾過によって精製する。精製後、ブロモアセチル化された担体タンパク質のタンパク質濃度を、Lowryのタンパク質アッセイによって見積もる。
活性化の程度を、伝導率検出が抑制されたイオン交換液体クロマトグラフィー(イオンクロマトグラフィー)によるトータルブロミドアッセイによって決定する。活性化されたブロモアセチル化されたタンパク質上の結合した臭化物を、アッセイ試料調製物中のタンパク質から切断し、存在し得る遊離臭化物と共に定量する。タンパク質上の残存する共有結合した臭化物を、試料をアルカリ性2-メルカプトエタノール中で加熱することによってイオン性臭化物に変換することによって遊離させる。
ブロモアセチル化されたCRM197の活性化および精製。10mMリン酸緩衝化0.9%NaCl pH7(PBS)を用いてCRM197を5mg/mLに希釈した後、1Mストック溶液を使用して0.1M NaHCO pH7.0にした。20mg/mLのDMSOのBAANSストック溶液を使用して、BAANSを、CRM197:BAANS比1:0.35(w:w)で添加した。反応混合物を3℃~11℃で30min~1時間にわたってインキュベートした後、10K MWCO膜および10mMリン酸ナトリウム/0.9%NaCl、pH7.0を使用する限外濾過/透析濾過によって精製した。精製された活性化されたCRM197を、Lowryアッセイによってアッセイして、タンパク質濃度を決定した後、PBSで5mg/mLに希釈した。凍結保護剤としてスクロースを5%wt/volとなるように添加し、活性化されたタンパク質を凍結し、コンジュゲーションに必要となるまで-25℃で保存した。
CRM197のリシン残基のブロモアセチル化は非常に一貫しており、利用可能な39個のリシンから15~25個のリシンの活性化が得られた。この反応は、高収率の活性化されたタンパク質を生産した。
活性化されたチオール化された糖の、ブロモアセチル化された担体タンパク質へのコンジュゲーション。続いて、ブロモアセチル化された担体タンパク質および活性化されたチオール化された糖を添加する。糖/タンパク質インプット比は0.8±0.2である。反応pHを、1M NaOH溶液を用いて9.0±0.1に調整する。コンジュゲーション反応を、5℃で20±4時間にわたって進行させる。
残存する反応性官能基のキャッピング。担体タンパク質上の未反応のブロモアセチル化された残基を、5℃で3~5時間、キャッピング試薬としての2モル当量のN-アセチル-L-システインと反応させることによってクエンチする。残存する遊離スルフヒドリル基を、5℃で20~24時間、4モル当量のヨードアセトアミド(IAA)でキャッピングする。
eTEC結合糖コンジュゲートの精製。コンジュゲーション反応(IAAキャッピング後)混合物を、0.45μmフィルターを通して濾過する。糖コンジュゲートの限外濾過/透析濾過を、5mMコハク酸塩-0.9%塩水、pH6.0に対して実施する。次いで、糖コンジュゲート保持液を、0.2μmフィルターを通して濾過する。糖コンジュゲートのアリコートを、アッセイのために取り出す。残りの糖コンジュゲートを、5℃で保存する。表21、表22、表23、表24、および表25を参照されたい。
(実施例22)
大腸菌(E.coli)-O25B ETECコンジュゲートの調製
活性化プロセス-大腸菌(E.coli)-O25bリポ多糖の活性化。凍結乾燥された大腸菌(E.coli)-O25b多糖を、無水ジメチルスルホキシド(DMSO)中で復元した。凍結乾燥されたO25b/DMSO溶液の水分含量を、Karl Fischer(KF)分析によって決定した。O25b/DMSO溶液にWFIを添加することによって水分含量を調整して、0.5%の水分含量を達成した。
活性化を開始させるために、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)を、DMSO溶液中、100mg/mLとして新鮮に調製した。チオール化ステップの前に、大腸菌(E.coli)-O25b多糖を、様々な量のCDIで活性化した。CDI活性化を、rtまたは35℃で1~3時間にわたって実行した。活性化反応溶液中の残留CDIをクエンチするために、水を添加した。添加される水の量を決定し、最終水分含量が総水分量の2~3%となるように計算を実施する。反応をrtで0.5時間進行させた。
活性化された大腸菌(E.coli)-O25b多糖のチオール化。シスタミン二塩酸塩を、無水DMSO中で新鮮に調製し、1~2モル当量のシスタミン二塩酸塩を、活性化された多糖の反応溶液に添加した。反応をrtで20±4時間進行させた。
活性化されたチオール化された大腸菌(E.coli)-O25b多糖の還元および精製。チオール化された糖の反応混合物に、3~6モル当量のトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の溶液を添加し、rtで3~5時間進行させた。次いで、反応混合物を、予め冷やした10mMリン酸二水素ナトリウムに添加することによって5~10倍に希釈し、5μmフィルターを通して濾過した。チオール化された糖の透析濾過を、5K MWCOの限外濾過膜カセットを用いて40倍透析容量の予め冷やした10mMリン酸二水素ナトリウムに対して実施した。チオール化されたO25b多糖保持液を、糖濃度アッセイとチオール(Ellman)アッセイとの両方のために取り出した。活性化プロセスのフローダイアグラムを、図32Aに提供する。
コンジュゲーションプロセス-チオール化された大腸菌(E.coli)-O25b多糖の、ブロモアセチル化されたCRM197へのコンジュゲーション。実施例21に記載されたように、ブロモアセチル化によってCRM197担体タンパク質を別々に活性化した後、コンジュゲーション反応のために活性化された大腸菌(E.coli)-O25b多糖と反応させた。ブロモアセチル化されたCRM197と、チオール化されたO25b多糖とを、反応容器中で一緒に混合した。糖/タンパク質インプット比は0.8±0.2であった。反応pHを、8.0~10.0に調整した。コンジュゲーション反応を、5℃で20±4時間にわたって進行させた。
ブロモアセチル化されたCRM197およびチオール化された大腸菌(E.coli)-O25b多糖上の反応基のキャッピング。CRM197タンパク質上の未反応のブロモアセチル化された残基を、5℃で3~5時間、2モル当量のN-アセチル-L-システインと反応させることによってキャッピングした後、5℃で20~24時間、4モル当量のヨードアセトアミド(IAA)を用いて、チオール化されたO25b-多糖の残存する遊離スルフヒドリル基をキャッピングした。
eTEC結合大腸菌(E.coli)-O25b糖コンジュゲートの精製。コンジュゲーション溶液を、0.45μmまたは5μmのフィルターを通して濾過した。O25b糖コンジュゲートの透析濾過を、100K MWCOの限外濾過膜カセットを用いて実行した。5mMコハク酸塩-0.9%塩水、pH6.0に対して透析濾過を実施した。次いで、大腸菌(E.coli)-O25b糖コンジュゲート100K保持液を、0.22μmフィルターを通して濾過し、5℃で保存した。
コンジュゲーションプロセスのフローダイアグラムを、図32Bに提供する。
結果
いくつかのバッチの大腸菌(E.coli)-O25b eTEC糖コンジュゲートに関する反応パラメーターおよび特性評価データを、表19に示す。シスタミン二塩酸塩を用いるCDI活性化-チオール化は、41~92%の糖収率および5%未満から14%の遊離糖を有する糖コンジュゲートを生成した。表21、表22、表23、表24、および表25も参照されたい。
Figure 2023546615000040
(実施例23)
大腸菌(E.coli)O抗原多糖-CRM197 eTECコンジュゲートの調製のための手順(大腸菌(E.coli)血清型O25b、O1a、O2、およびO6に由来するO抗原に適用される)
多糖の活性化。大腸菌(E.coli)O抗原多糖を、無水ジメチルスルホキシド(DMSO)中で復元する。活性化を開始させるために、様々な量の1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)(1~10モル当量)を多糖溶液に添加し、rtまたは35℃で1~5時間、反応を進行させる。次いで、水(2~3%、v/v)を添加して、活性化反応溶液中の残留CDIをクエンチした。反応をrtで0.5時間進行させた後、1~2モル当量のシスタミン二塩酸塩を添加する。反応をrtで5~20時間進行させた後、3~6モル当量のトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)で処理して、チオール化された糖を生産する。チオール化レベルは、添加されるCDIの量によって決定される。
次いで、反応混合物を、予め冷やした10mMリン酸二水素ナトリウムに添加することによって5~10倍に希釈し、5μmフィルターを通して濾過する。チオール化された糖の透析濾過を、30~40倍透析容量の予め冷やした10mMリン酸二水素ナトリウムに対して実施する。活性化されたチオール化された糖の保持液のアリコートを取り出し、糖濃度およびチオール含量を決定する(Ellmanアッセイ)。
担体タンパク質(CRM197)の活性化。CRM197(0.1Mリン酸ナトリウム中、pH8.0±0.2)を、最初に活性化の前にpH約8で、8±3℃で保持する。タンパク質溶液に、ジメチルスルホキシド(DMSO)ストック溶液(20mg/mL)としてブロモ酢酸のN-ヒドロキシスクシンイミドエステル(BAANS)を、0.25~0.5のBAANS:タンパク質(w/w)の比で添加する。反応物を、30~60分間にわたって5±3℃で穏やかに混合する。得られるブロモアセチル化(活性化)されたタンパク質を、例えば、10mMリン酸(pH7.0)緩衝剤を使用して、10kDaのMWCOの膜を使用する限外濾過/透析濾過によって精製する。精製後、ブロモアセチル化された担体タンパク質のタンパク質濃度を、Lowryのタンパク質アッセイによって見積もる。
コンジュゲーション。続いて、活性化されたCRM197および活性化された大腸菌(E.coli)O抗原多糖を、リアクターに添加し、混合する。糖/タンパク質インプット比は1±0.2である。反応pHを、1M NaOH溶液を用いて9.0±0.1に調整する。コンジュゲーション反応を、5℃で20±4時間にわたって進行させる。担体タンパク質上の未反応のブロモアセチル化された残基を、5℃で3~5時間、キャッピング試薬としての2モル当量のN-アセチル-L-システインと反応させることによってクエンチする。残存する遊離スルフヒドリル基を、5℃で20~24時間、4モル当量のヨードアセトアミド(IAA)でキャッピングする。次いで、反応混合物を、5mMコハク酸塩-0.9%塩水、pH6.0に対して実施される限外濾過/透析濾過を使用して精製する。次いで、精製されたコンジュゲートを、0.2μmフィルターを通して濾過する。表21、表22、表23、表24、および表25を参照されたい。
(実施例24)
一般的手順-還元的アミノ化化学反応(RAC)によるO抗原(大腸菌(E.coli)血清型O1、O2、O6、25b由来)多糖のコンジュゲーション
ジメチルスルホキシド中でのコンジュゲーション(RAC/DMSO)
多糖の活性化。計算された量の500mMリン酸ナトリウム緩衝剤(pH6.0)および注射用水(WFI)の連続添加によって100mMリン酸ナトリウム緩衝剤(pH6.0±0.2)中で多糖酸化を実行して、2.0g/Lの最終多糖濃度を得た。必要に応じて、反応pHを、近似的に、pH6.0に調整した。pH調整後、反応温度を4℃に冷却した。酸化を、約0.09~0.13モル当量の過ヨウ素酸ナトリウムの添加によって開始させた。酸化反応を、近似的に、20±4hにわたって5±3℃で実施した。
活性化された多糖の濃度および透析濾過を、5K MWCO限外濾過カセットを使用して実行した。透析濾過を、20倍透析容量のWFIに対して実施した。次いで、精製された活性化された多糖を5±3℃で保存した。精製された活性化された糖を、特に、(i)比色アッセイによる糖濃度;(ii)比色アッセイによるアルデヒド濃度;(iii)酸化度;および(iv)SEC-MALLSによる分子量によって特性評価する。
活性化された多糖と、スクロース賦形剤との混合、および凍結乾燥。活性化された多糖を、スクロースと、活性化された多糖1グラムあたり25グラムのスクロースの比で混合した。次いで、混ぜ合わせた混合物のボトルを凍結乾燥した。凍結乾燥の後、凍結乾燥された活性化された多糖を含有するボトルを、-20±5℃で保存した。計算された量のCRM197タンパク質をシェル凍結し、別々に凍結乾燥した。凍結乾燥されたCRM197を、-20±5℃で保存した。
凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質の復元。凍結乾燥された活性化された多糖を、無水ジメチルスルホキシド(DMSO)中で復元した。多糖の完全な溶解時に、復元のために等量の無水DMSOを、凍結乾燥されたCRM197に添加した。
コンジュゲーションおよびキャッピング。復元された活性化された多糖を、反応容器中で復元されたCRM197と混ぜ合わせた後、完全に混合して、シアノ水素化ホウ素ナトリウムとのコンジュゲーションを開始する前に透明な溶液を得た。反応溶液中の最終多糖濃度は、約1g/Lであった。反応混合物に0.5~2.0モル当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加し、23±2℃で20~48hインキュベートすることによって、コンジュゲーションを開始させた。2モル当量の水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)を添加することによってコンジュゲーション反応を終結させて、未反応のアルデヒドをキャッピングした。このキャッピング反応は、23±2℃で3±1hにわたって継続した。
コンジュゲートの精製。100~300KのMWCOの膜を使用する接線流濾過による精製に備えて、コンジュゲート溶液を、冷やした5mMコハク酸塩-0.9%塩水(pH6.0)で1:10に希釈した。
希釈されたコンジュゲート溶液を、5μmフィルターに通過させ、媒体として5mMコハク酸塩/0.9%塩水(pH6.0)を使用して透析濾過を実施した。透析濾過が完了した後、コンジュゲート保持液を、0.22μmフィルターを通して移した。コンジュゲートを、5mMコハク酸塩/0.9%塩水(pH6)を用いて、約0.5mg/mLの標的糖濃度までさらに希釈した。あるいは、100~300KのMWCOの膜を使用する接線流濾過によって20mMヒスチジン-0.9%塩水(pH6.5)を使用して、コンジュゲートを精製する。最後の0.22μm濾過ステップを完了させて、免疫原性コンジュゲートを取得した。表21、表22、表23、表24、および表25を参照されたい。
(実施例25)
大腸菌(E.coli)血清型O25B、O1A、O2、およびO6から適用される、水性緩衝剤(RAC/水性)中でのコンジュゲーション
多糖の活性化および透析濾過を、DMSOに基づくコンジュゲーションについてのものと同じ様式で実施した。
濾過した活性化された糖を、血清型に応じて、0.4~2w/wの範囲の多糖のタンパク質に対する質量比でCRM197と混合した。このインプット比を選択して、得られるコンジュゲート中の多糖のCRM197に対する比を制御した。
次いで、混ぜ合わせた混合物を凍結乾燥した。コンジュゲーション時に、多糖とタンパク質との混合物を、血清型に応じて5~25g/Lの範囲の多糖濃度で0.1Mリン酸ナトリウム緩衝剤中に溶解し、血清型に応じてpHを6.0~8.0に調整した。0.5~2.0モル当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加し、23±2℃で20~48hにわたってインキュベートすることにより、コンジュゲーションを開始させた。1~2モル当量の水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)を添加することによってコンジュゲーション反応を終結させて、未反応のアルデヒドをキャッピングした。
あるいは、濾過した活性化された糖および計算された量のCRM197タンパク質をシェル凍結し、別々に凍結乾燥した後、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝剤中への溶解時に混合した後、上記のようにコンジュゲーションを進行させることができる。
Figure 2023546615000041
(実施例26)
大腸菌(E.coli)O抗原多糖-CRM197単一末端コンジュゲートの調製のための手順
グラム陰性細菌の外膜の一般的な成分であるリポ多糖(LPS)は、リピドA、コア領域、およびO抗原(O特異的多糖またはO多糖とも呼ばれる)を含む。異なる血清型のO抗原反復単位は、その組成、構造および血清学的特徴において異なる。本発明で使用されるO抗原は、その鎖末端に2-ケト-3-デオキシオクタン酸(KDO)と呼ばれる糖単位を含有するコアドメインに結合される。多糖鎖の無作為活性化(例えば、過ヨウ素酸ナトリウム、またはカルボジイミドを用いる活性化)に基づく一部のコンジュゲーション法とは異なる。本発明は、チオール官能基のアンマスク時に、ジスルフィドアミンリンカーを用いたKDOの選択的活性化を含むコンジュゲーションプロセスを開示し、次いで、それは図31(単一末端コンジュゲートの調製)に描写されるようにブロモ活性化されたCRM197タンパク質にコンジュゲートされる。
シスタミンリンカー(A1)に基づくコンジュゲーション。O抗原多糖およびシスタミン(50~250モル当量のKDO)を、リン酸緩衝剤中で混合し、pHを6.0~7.0に調整した。混合物に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaCNBH3)(5~30モル当量のKDO)を添加し、混合物を37℃で48~72hにわたって撹拌した。室温に冷却し、等量のリン酸緩衝剤で希釈する際に、混合物をトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)で処理した(1.2モル当量のシスタミンを添加した)。次いで、10mMリン酸二水素ナトリウム溶液に対して5KDa MWCO膜を使用する透析濾過によって混合物を精製して、O抗原多糖を含有するチオールを提供した。チオール含量を、Ellmanアッセイによって決定することができる。
次いで、上記のチオール活性化されたO抗原多糖と、ブロモ活性化されたCRM197タンパク質とを、0.5~2.0の比で混合することによって、コンジュゲーションを進行させた。反応混合物のpHを、1M NaOH溶液を用いて8.0~10.0に調整する。コンジュゲーション反応を、5℃で24±4時間にわたって進行させた。担体タンパク質上の未反応のブロモ残基を、5℃で3~5時間、2モル当量のN-アセチル-L-システインと反応させることによってクエンチした。次いで、3モル当量のヨードアセトアミドを添加した後(N-アセチル-L-システインの添加と関連する)、残存する遊離スルフヒドリル基をキャッピングした。このキャッピング反応を5℃でさらに3~5時間進行させ、両方のキャッピングステップのpHを、1M NaOHの添加によって8.0~10.0に維持した。得られるコンジュゲートを、5mMコハク酸塩-0.9%塩水、pH6.0に対して30KDa MWCO膜を使用する限外濾過/透析濾過後に取得した。表21、表22、表23、表24、および表25を参照されたい。
(実施例27)
3,3’-ジチオビス(プロパン酸ジヒドラジド)リンカー(A4)に基づくコンジュゲーション
O抗原多糖と、3,3’-ジチオビス(プロパン酸ジヒドラジド)(5~50モル当量のKDO)とを、酢酸緩衝剤中で混合し、pHを4.5~5.5に調整した。混合物に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaCNBH)(5~30モル当量のKDO)を添加し、混合物を23~37℃で24~72h撹拌した。次いで、混合物を、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)で処理した(1.2モル当量の3,3’-ジチオビス(プロパン酸ジヒドラジド)リンカーを添加した)。次いで、10mMリン酸二水素ナトリウム溶液に対して5KDa MWCO膜を使用する透析濾過によって混合物を精製して、O抗原多糖を含有するチオールを提供した。チオール含量を、Ellmanアッセイによって決定することができる。
次いで、上記のチオール活性化されたO抗原多糖と、ブロモ活性化されたCRM197タンパク質とを、0.5~2.0の比で混合することによって、コンジュゲーションを進行させた。反応混合物のpHを、1M NaOH溶液を用いて8.0~10.0に調整する。コンジュゲーション反応を、5℃で24±4時間にわたって進行させた。担体タンパク質上の未反応のブロモ残基を、5℃で3~5時間、2モル当量のN-アセチル-L-システインと反応させることによってクエンチした。次いで、3モル当量のヨードアセトアミドを添加した後(N-アセチル-L-システインの添加と関連する)、残存する遊離スルフヒドリル基をキャッピングした。このキャッピング反応を5℃でさらに3~5時間進行させ、両方のキャッピングステップのpHを、1M NaOHの添加によって8.0~10.0に維持した。得られるコンジュゲートを、5mMコハク酸塩-0.9%塩水、pH6.0に対して30KDa MWCO膜を使用する限外濾過/透析濾過後に取得した。
(実施例28)
2,2’-ジチオ-N,N’-ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-(アミノオキシ)アセトアミド)リンカー(A6)に基づくコンジュゲーション
O抗原多糖と、2,2’-ジチオ-N,N’-ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-(アミノオキシ)アセトアミド)(5~50モル当量のKDO)とを酢酸緩衝剤中で混合し、pHを4.5~5.5に調整した。次いで、混合物を23~37℃で24~72h撹拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaCNBH)(5~30モル当量のKDO)を添加し、混合物をさらに3~24h撹拌した。次いで、混合物を、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)(1.2モル当量のリンカーを添加した)で処理した。次いで、10mMリン酸二水素ナトリウム溶液に対して5KDa MWCO膜を使用する透析濾過によって混合物を精製して、O抗原多糖を含有するチオールを提供した。チオール含量を、Ellmanアッセイによって決定することができる。
次いで、上記のチオール活性化されたO抗原多糖と、ブロモ活性化されたCRM197タンパク質とを、0.5~2.0の比で混合することによって、コンジュゲーションを進行させた。反応混合物のpHを、1M NaOH溶液を用いて8.0~10.0に調整する。コンジュゲーション反応を、5℃で24±4時間にわたって進行させた。5℃で3~5時間、2モル当量のN-アセチル-L-システインと反応させることによって、担体タンパク質上の未反応のブロモ残基をクエンチした。次いで、3モル当量のヨードアセトアミドを添加した後(N-アセチル-L-システインの添加と関連する)、残存する遊離スルフヒドリル基をキャッピングした。このキャッピング反応を5℃でさらに3~5時間進行させ、両方のキャッピングステップのpHを、1M NaOHの添加によって8.0~10.0に維持した。得られるコンジュゲートを、5mMコハク酸塩-0.9%塩水、pH6.0に対して30KDa MWCO膜を使用する限外濾過/透析濾過後に取得した。
(実施例29A)
ブロモ活性化されたCRM197の調製
CRM197を、0.1Mリン酸ナトリウム溶液、pH8.0±0.2中で調製し、5±3℃に冷却した。タンパク質溶液に、ジメチルスルホキシド(DMSO)ストック溶液(20mg/mL)としてブロモ酢酸のN-ヒドロキシスクシンイミドエステル(BAANS)を、0.25~0.5のBAANS:タンパク質(w/w)の比で添加する。反応物を、30~60分間にわたって5±3℃で穏やかに混合する。得られるブロモアセチル化(活性化)されたタンパク質を、例えば、10mMリン酸(pH7.0)緩衝剤を使用して、10kDaのMWCOの膜を使用する限外濾過/透析濾過によって精製する。精製後、ブロモアセチル化された担体タンパク質のタンパク質濃度を、Lowryのタンパク質アッセイによって見積もる。
Figure 2023546615000042
Figure 2023546615000043
Figure 2023546615000044
Figure 2023546615000045
Figure 2023546615000046
(実施例29B)
大腸菌(E.coli)O-Ag-TTコンジュゲートの調製
凍結乾燥した大腸菌(E.coli)血清型O25b長鎖多糖、ロット番号709766-30(約6.92mg/mL、MW:約39kDa)、50mgを、破傷風トキソイド(TT)コンジュゲーションのために使用した。
大腸菌(E.coli)血清型O1a長鎖多糖710958-142-3(約6.3mg/mL、MW:約44.3kDa)(50mg、7.94mL)を凍結乾燥した。
大腸菌(E.coli)血清型O6長鎖多糖710758-121-1(約16.8mg/mL、MW:約44kDa)(50mg、2.98mL)を凍結乾燥した。
上記の凍結乾燥した多糖のそれぞれをWFI中に溶解して、約5~10mg/mLにし、0.5mL(1mLアセトニトリル中の100mgの1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)溶液)を添加し、RTで撹拌した。トリエチルアミン(TEA)0.2M(2mL)を添加し、RTで撹拌した。
破傷風トキソイド(TT)の調製:TT(100mg、47ml)を約20mLに濃縮し、濾過チューブを使用して塩水で2回洗浄した(2x50mL)。その後、それをHEPESおよび塩水で希釈して、最終HEPES濃度を約0.25Mにした。
TTを上記のように調製し、反応液のpHを約9.1~9.2に調整した。反応混合物をRTで撹拌した。
20~24h後、反応をグリシン(0.5mL)でクエンチした。その後、それを、MWCO再生セルロース膜を使用して濃縮し、塩水に対して透析濾過を実施した。濾過し、分析した。表26を参照されたい。
Figure 2023546615000047
(実施例30)
O抗原の発酵、精製、およびコンジュゲーションのさらなる結果
以下に記載される例示的なプロセスは一般に、全ての大腸菌(E.coli)血清型に適用可能である。それぞれの多糖の生産は、バッチ式生産発酵、次いで、下流の精製前の化学的不活化を含んでいた。
株および保存。短鎖O抗原の生合成のために用いられた株は、大腸菌(E.coli)の臨床野生型株であった。長鎖O抗原を、天然wzzb遺伝子の欠失を有するようにWanner-Datsenko法によって操作された短鎖生産株の派生株を用いて生産し、サルモネラ菌(Salmonella)に由来する「長鎖」伸長機能fepEによって補完した。T7プロモーター領域が欠失された、高コピーcolE1ベース「トポ」ベクターまたはcolE1ベースベクターpET30aの低コピー派生株上のその天然プロモーターから、fepE機能を発現させた。
無動物LBまたは最少培地中で細胞を少なくとも3.0のOD600まで増殖させることによって、細胞バンクを調製した。次いで、ブロスを新鮮な媒体中に希釈し、80%グリセロールと混合して、2.0OD600/mLを有する20%グリセロール最終濃度を得た。
種培養および発酵のために使用される培地。用いられる種および発酵培地は、以下の製剤を共有する:KHPO、KHPO、(NHSO、クエン酸ナトリウム、NaSO、アスパラギン酸、グルコース、MgSO、FeSO-7HO、NaMoO-2HO、HBO、CoCl-6HO、CuCl-2HO、MnCl-4HO、ZnClおよびCaCl-2HO。
種および発酵条件。種を、単一の種バイアルから0.1%で接種した。種フラスコを37℃で16~18時間インキュベートし、典型的には10~20OD600/mLを達成した。
発酵を、10Lステンレススチール製定置蒸気滅菌発酵器中で実施した。
発酵培地の接種は、典型的には、10OD600の種から1:1000であった。10g/Lのバッチ式グルコース上で増殖が進行する期間であるバッチ期は、典型的には8時間続く。グルコース消耗時に、溶解酸素の突然の上昇があり、その時点でグルコースを発酵液に供給した。次いで、発酵は典型的には16~18時間進行し、120を超えるOD600/mLの収穫を得る。
血清型O1a、O2、O6およびO25bに関する短鎖/長鎖O抗原生産の初期評価。O1a、O2、O6およびO25bのための野生型株を、バッチ様式で補給最小培地中でOD600=15~20まで発酵させた。酸素消費の突然の減少をもたらすグルコース消耗時に、増殖制限グルコース供給を、グルコース溶液から16~18時間にわたって適用した。124~145OD600単位/mLの細胞密度に達した。続いて、収穫ブロスのpHを約3.8に調整し、2時間にわたって95℃に加熱した。次いで、加水分解されたブロスを25℃に冷却し、pH6.0にし、遠心分離して固体を除去した。次いで、得られた上清を、O抗原の定量化のためにSEC-HPLCカラムに印加した。2240~4180mg/Lの範囲の生産性が得られた。これらのバッチに由来する精製された短鎖O抗原の分子量は、10~15kDaの範囲であることがわかった。また、O2およびO6加水分解物のSECクロマトグラフィーが、O1aおよびO25b加水分解物中では明らかでない異なる別々の夾雑多糖を示すこともわかった。
長鎖型のO1a、O2、O6およびO25b O抗原に、高コピーのカナマイシン選択性トポプラスミド上に異種性の相補的fepE遺伝子を担持する、wzzb欠失型のそれぞれの株の発酵によってアクセスした。発酵を、カナマイシン選択ではあるが、短鎖に関して実施した。124~177のOD600/mLで観察された最終細胞密度は、3500~9850mg/LのO抗原生産性と関連していた。長鎖O抗原の相補性に基づく合成は、親短鎖株におけるものと少なくとも同程度の生産性があり、場合によっては、より高い生産性があった。精製されたO抗原多糖の分子量は、33~49kDaであったか、または対応する短鎖のサイズの約3倍であった。
O2およびO6に関する長鎖加水分解物は、長鎖抗原の場合、主要なO抗原ピーク上で肩として観察される、夾雑多糖ピークの証拠を示す;O1およびO25bは、短鎖親に関してより容易に認められるように、夾雑多糖の生産の証拠を示さないことがわかった。
増殖速度抑制は、fepEがないトポレプリコンの存在と関連することがわかった。さらに、Δwzzb突然変異自体は増殖速度に対して有害な効果を有しなかったが、これは、増殖速度の乱れがプラスミドベクターによって伝達されたことを示している。
O11、O13、O16、O21およびO75 O抗原の生産のための株の評価。血清型O11、O13、O16、O21およびO75の複数の野生型株を、SEC-HPLCによって、発酵において望ましくない多糖を産生するそれらの傾向について評価した。O11、O13、O16、O21およびO75に関する株を、存在しない夾雑多糖として、ならびに1000mg/Lを超えるO抗原を産生するその能力について、およびΔwzzb形質の導入のためのWanner-Datsenko組換えを可能にする抗生物質感受性プロファイルのディスプレイについて選択した。
一般に、カナマイシン耐性であることがわかっているO11、O13、O16、O21およびO75 wzzb株へのfepEの導入を可能にする、クロラムフェニコール選択型のトポ-fepEおよびpET-fepEを構築した。得られるトポ-fepEおよびpET-fepE担持株を、クロラムフェニコール選択を用いて発酵させ、酸加水分解されたブロスに由来する上清をSEC-HPLCによって評価した。高コピー(トポ)と低コピー(pET)の両方のfepE構築物は、それぞれに関して、親野生型と同等である生産性でO抗原の合成を指示した。潜在的に干渉する多糖の発現は観察されなかった。
wzzbプラスミド担持株に関する増殖速度の評価により、O11、O13およびO21が、pET-fepEによってではなく、トポ-fepEの存在によって遅延されることを示された;O16およびO75株は、レプリコンの選択とは無関係に許容し得る増殖速度を示した。
Figure 2023546615000048
多糖のための精製プロセスは、O抗原を遊離させるための酸加水分解を含んでいた。発酵リアクター中の血清型特異的大腸菌(E.coli)培養物の粗懸濁液を酢酸で直接処理して、3.5±0.5の最終pHにし、酸性化されたブロスを少なくとも1時間にわたって95±5℃の温度に加熱した。この処理は、オリゴ糖およびリピドAの近位末端で、KDO間の不安定な結合を切断し、かくして、O-Ag鎖を遊離させる。遊離したO-Agを含有する酸性化されたブロスを20±10℃に冷却した後、NHOHを使用してpH7±1.0に中和した。このプロセスは、いくつかの遠心分離、濾過、および濃縮/透析濾過操作ステップをさらに含んでいた。
Figure 2023546615000049
Figure 2023546615000050
(実施例31)
試験したO抗原(O4、O11、O21、O75)に対するコンジュゲーション(RAC/DMSO)
Figure 2023546615000051
Figure 2023546615000052
Figure 2023546615000053
Figure 2023546615000054
(実施例32)
調製されたPLLコンジュゲート
Figure 2023546615000055
(実施例33)
大腸菌(E.coli)ポリペプチドの安定な哺乳動物細胞発現
SSI(部位特異的組込み)安定な発現系を使用して、FimH GSDまたはFimH LDを発現する安定なCHOクローンを生成した。
宿主CHO細胞は、CHOK1SV GS-KOバックグラウンドから操作された細胞系である(例えば、CHOK1SV GS-KO宿主細胞系の説明については、米国特許出願20200002727号を参照されたい)。簡単に述べると、2つのFRT部位に囲まれた緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を含むランディングパッドを、宿主細胞のゲノム内の転写ホットスポットに標的化した。GFP遺伝子は、フリッパーゼリコンビナーゼ(FLPe)と共に同時発現されるLVECベクターからのFRT部位に同じく囲まれているGS遺伝子および目的遺伝子と交換することができる。この系は、有利には無作為の組込みと匹敵する増殖および生産性プロファイルを有するだけではなく、少なくとも100世代までの遺伝子型および表現型安定性も示す。
本明細書において言及される場合、単語「FRT部位」は、酵母2μmプラスミドのフリッパーゼ(FLP)遺伝子の産物、FLPリコンビナーゼが部位特異的組換えを触媒し得るヌクレオチド配列を指す。様々な非同一FRT部位が当業界において公知である。様々なFRT部位の配列は、それらが全て、組換えが生じる8塩基対非対称コア領域に隣接して同一の13塩基対逆方向反復を含有することにおいて類似している。これは、部位の方向性および種々のFRT部位の中での変化を担う非対称コア領域である。これらの例示的な(非限定的)例には、天然に存在するFRT(F)、ならびにFRT F1およびFRT F2などのいくつかの変異体またはバリアントFRT部位が含まれる。
本明細書において言及される場合、用語「ランディングパッド」は、宿主細胞に染色体組込みされた第1の組換え標的部位を含む核酸配列を指す。一部の実施形態では、ランディング部位は、宿主細胞に染色体組込みされた2つ以上の組換え標的部位を含む。一部の実施形態では、細胞は、1、2、3、4、5、6、7、または8つのランディングパッドを含む。一部の実施形態では、細胞は、1、2、または3つのランディングパッドを含む。一部の実施形態では、細胞は、4つのランディングパッドを含む。一部の実施形態では、ランディングパッドは、1、2、3、4、5、6、7、または8つまでの別個の染色体座に組み込まれる。一部の実施形態では、ランディングパッドは、1、2、または3つまでの別個の染色体座に組み込まれる。一部の実施形態では、ランディングパッドは、4つまでの別個の染色体座に組み込まれる。
FimH GSDまたはFimH LDのためのLVEC発現ベクターおよびFLPe発現ベクターを、BioRad Gene Pulser XcellまたはAmaxa 4D-Nucleofectorのいずれかを用いる電気穿孔法によってSSI宿主細胞に同時トランスフェクトした。次いで、細胞をグルタミンを含まない培地中で培養して、ランディングパッド部位に組み込まれたGS遺伝子を有する細胞を選択した。通常、細胞は2~3週間で回復する。次いで、単一細胞クローニングを96ウェルプレート内で、FACSまたは限界希釈のいずれかによって実施した。細胞を含むウェルからの力価をランキングして、トップ48のクローンに絞った。24深型ウェルプレート内でフェッドバッチスクリーニングの第2ラウンドを行って、クローンをトップ12に絞った。Ambr15内でフェッドバッチスクリーニングの第3のラウンドを実行して、クローンをトップ3に絞った。Ambr250実験を使用して、ベストクローンを同定した。トップクローンのために、その同定後に、マスター細胞バンクおよびワーキング細胞バンクを生成した。
(実施例34)
FimH-DSG WTおよびFimHLD WTタンパク質の細胞系発生および生産リアクター発現
ここに記載される実施例は、それぞれのタンパク質のためのコード配列は、CHOゲノムに安定的に組み込まれている安定なCHO細胞系からのFimH-DSG WTおよびFimHLD WTタンパク質の両方の例示的な生産を記載する。
生産バイオリアクター環境において、選択された安定なCHO細胞系は、標的タンパク質を、FimH-DSG WTでは培養物1リットルあたりおよそ1グラム、およびFimHLD WTでは培養物1リットルあたり250ミリグラムで生産することができた。生産リアクターでのシードトレインをワーキング細胞バンクのバイアル解凍から連続的にスケールアップし、振盪フラスコ内で0.3×10^6細胞/mlの接種生細胞密度を使用して振盪フラスコ内での3継代サイクルによって拡張して、生産リアクターのための十分な細胞を得た。細胞を36.5℃、5%COで、3~4日間増殖させた。
1×10^6細胞/mlの接種細胞密度を標的として、生産リアクターを最終振盪フラスコから播種した。7.05(+/-0.15)のpHを使用し、5~10%のCO飽和を標的として、生産リアクターを36.5℃で7日間増殖させた。塩基制御のためには炭酸水素ナトリウム/カリウム、および酸制御のためにはCO散布によって、pHを制御する。純酸素を使用し、散布を介して、溶解酸素を40%の設定値で制御する。温度を7日目に31℃に調節した。リアクターに1日目に、生細胞密度に相関して供給物を添加する供給戦略を使用して供給したが、これは、供給成分が操作中に流出しないことを保証するために、0.75の供給係数を使用することによって達成される。次いで、供給物を1日かけて連続的に添加して、所望の体積の供給物を得る。
生産リアクターを13日目に収集し、下流のプロセシングの前に、収集培養物を遠心し、0.22μm濾過した。
(実施例35)
マウスにおけるFimH抗原とO抗原との組合せの免疫原性
惹起された抗体が、線毛化した大腸菌(E.coli)のマンノシル化リガンドへの結合を中和する能力を評価するマウス免疫原性試験において、大腸菌(E.coli)FimHレクチン結合ドメイン(FimHLD)および完全長(FimH-DSGまたはFimCH)バリアントを評価した。哺乳動物細胞から高収率で分泌および精製された野生型FimH抗原は、マウスにおいて、大腸菌(E.coli)ペリプラズムから低収率で精製された類似の天然抗原と同様に免疫原性であった。比較により、レクチンドメインとピリンドメインとの両方を含有する完全長FimH抗原は、FimHLDよりも有意に高く免疫原性であった。QS21を含有するアジュバント製剤の使用は、これらの線毛抗原に対するロバストで機能的な免疫応答を生成させるのに必要であった。追跡試験は、4価O抗原糖コンジュゲート混合物および異なるアジュバントと組み合わせたFimHの免疫原性を調査した。第2の用量後、リポソームQS21製剤をワクチン接種したマウスは、アジュバントまたはリポソームモノホスホリルリピドA(MPLA)を投与しなかった群と比較して、FimH中和アッセイとO抗原特異的OPAアッセイとの両方において組み合わせた抗原に対して一貫してより高い機能的応答を誘導した。
動物の免疫原性。6~8週齢のCD-1マウスを、Charles Riverから入手し、10または20匹の動物の群に、0.1mLの試験抗原または緩衝剤対照を皮下(SC)投与した。ポリクローナル抗FimHウサギ対照血清を、100μgの完全Freundアジュバントと共に3用量の大腸菌(E.coli)FimHLD抗原を用いて(wk0で)、次いで、100μgの不完全Freundアジュバント中の抗原を用いて(wk4および8で)ウサギを免疫することによって調製した(Covance)。それぞれのワクチン接種は、2つの部位(皮下-背部)で50μgの抗原を含有する0.5mLを投与した。
アジュバント製剤。アジュバント化されていない抗原のための希釈剤は、10mMリン酸緩衝剤、pH6.1であった。AlPOについては、マウス用量あたり50μg(100μLの0.5mg/ml懸濁液)を与えた。前臨床試験において使用されたキラヤ・サポナリア(Quillaja Saponaria)-21(QS21)のデフォルト用量は、5.1mg/mLのQS-21、5mMのスクシネート、60mMのNaCl、0.1%のPS80、pH5.6を含有するストックから、マウス1匹あたり20μgであった。モノホスホリルリピドA(MPLA、Synthetic、PHAD(登録商標)、Avanti)およびQS21のリポソーム製剤を、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)およびコレステロール(Avanti極性脂質)を用いて調製した。動的光散乱によって決定された71nmのリポソーム粒径を有する、リポソームMPLAを、15mMのリン酸緩衝剤、pH6.1、4mg/mLのDOPC、1mg/mLのコレステロール、0.2mg/mLのMPLA(Lot 00714551-0018-2XLipoMPL)を含むストックから、用量あたり5μgで使用した。動的光散乱によって決定されたMPLA-QS21リポソームに関する75nmの粒径を有する、リポソームMPLA/QS21製剤を、15mMのリン酸緩衝剤、pH6.1、4mg/mLのDOPC、1mg/mLのコレステロール、0.2mg/mLのMPLA、および0.2mg/mLのQS-21(Lot 00714551-0018-2XLipoMQ)を含むストックから、用量あたりそれぞれ5μgで使用した。
免疫原性試験において使用された発現プラスミドおよび誘導FimH線毛抗原。以下の発現プラスミドを使用して、マウス実験のための組換えタンパク質を生成した:
>pSB02083 - FimHLD(mIgK signal pept、N28S、N91S)、プロセシングされたタンパク質配列:
FACKTASGTAIPIGGGSANVYVNLAPCVNVGQNCVVDLSTQIFCHNDYPETITDYVTLQRGSAYGGVLSSFSGTVKYSGSSYPFPTTSETPRVVYNSRTDKPWPVALYLTPVSSAGGVAIKAGSLIAVLILRQTNNYNSDDFQFVWNIYANNDVVVPTGGCDVSARDVTVTLPDYPGSVPIPLTVYCAKSQNLGYYLSGTTADAGNSIFTNTASFSPAQGVGVQLTRQGTIIPANNTVSLGAVGTSAVSLGLTANYARTGGQVTAGNVQSIIGVTFVYQGGSSGGGADVTITVNGKVVAKGGHHHHHHHH(配列番号110);
>pSB02158 - FimHLD-LM(mIgK signal pept、N28S N91S V48C L55C)、プロセシングされたタンパク質配列:
FACKTASGTAIPIGGGSANVYVNLAPCVNVGQNCVVDLSTQIFCHNDYPETITDYVTLQRGSAYGGVLSSFSGTVKYSGSSYPFPTTSETPRVVYNSRTDKPWPVALYLTPVSSAGGVAIKAGSLIAVLILRQTNNYNSDDFQFVWNIYANNDVVVPTGGHHHHHHHH(配列番号111);
>pSB02307 - FimH-DSG(mIgK signal pept、N28S N91S N249Q 7aaリンカーFimG A1..K14)、プロセシングされたタンパク質配列:
FACKTASGTAIPIGGGSANVYVNLAPVVNVGQNLVVDLSTQIFCHNDYPETITDYVTLQRGSAYGGVLSSFSGTVKYSGSSYPFPTTSETPRVVYNSRTDKPWPVALYLTPVSSAGGVAIKAGSLIAVLILRQTNNYNSDDFQFVWNIYANNDVVVPTGGCDVSARDVTVTLPDYPGSVPIPLTVYCAKSQNLGYYLSGTTADAGNSIFTNTASFSPAQGVGVQLTRQGTIIPANNTVSLGAVGTSAVSLGLTANYARTGGQVTAGNVQSIIGVTFVYQGGSSGGGADVTITVNGKVVAKGGHHHHHHHH(配列番号112);
>pSB02198 - FimH-DSG-LM(mIgK signal pept、N28S N91S 249Q V48C L55C 7aaリンカーFimG A1..K14)、プロセシングされたタンパク質配列:
FACKTASGTAIPIGGGSANVYVNLAPVVNVGQNLVVDLSTQIFCHNDYPETITDYVTLQRGSAYGGVLSSFSGTVKYSGSSYPFPTTSETPRVVYNSRTDKPWPVALYLTPVSSAGGVAIKAGSLIAVLILRQTNNYNSDDFQFVWNIYANNDVVVPTGGHHHHHHHH(配列番号113)
アミノ酸の番号付けは、J96株のFimHの完全長アミノ酸配列に基づくものであるが、学術刊行物はシグナルペプチドプロセシング後に露出するN末端フェニルアラニン(21位)に基づく番号付けを使用する。他の突然変異は、完全長FimH-DSG構築物のレクチンドメイン中(N28SおよびN91S)、ピリンドメイン中(N249Q)のグリコシル化部位アスパラギン残基を除去する。C末端に付加されるドナー鎖Gペプチドは、FimHを安定化する。7アミノ酸のリンガーの長さを、上記実施例に記載された哺乳動物発現のために最適化した。
FimH全細胞中和アッセイ。FimH中和アッセイを開発して、線毛化大腸菌(E.coli)のマンノシドリガンドへの結合の血清抗体による阻害を測定した。リガンドは、マイクロプレートに固定化された酵母マンナンまたはマンノシル化ウロプラキン受容体UPIaを発現する膀胱5637細胞であった。
酵母マンナンアッセイのために、黒色マイクロタイター96ウェルプレート(Maxisorb、Nunc)を、PBS緩衝剤中の20μg/mlの酵母マンナン(Sigma-Aldrich)でコーティングした。ウェルを、20minにわたってPBS中の1%ウシ血清アルブミン(BSA、Sigma-Aldrich)でブロックした。ヒト膀胱上皮細胞系5637を、ATCCから取得した(ATCC HTB-9)。細胞を、10%のウシ胎児血清(FBS、Sigma)、2.0g/lの重炭酸ナトリウム(Sigma)および0.3g/lのl-グルタミンを添加したRPMI1640(Sigma、St Louis、MO)中、黒色組織培養マイクロプレート(Greiner)上で増殖させ、5%COと共に37℃で増殖させ、継代10と24との間で使用した。ウロプラキン1a受容体の表面発現を、ポリクローナル抗体(Novus #NBP214694)を用いる免疫蛍光染色によって確認した。大腸菌(E.coli)血清型O25bUTI株PFEEC0547を、10mLの静的LB培養物中、37℃で連続継代して、FimH発現を誘導した。細菌表面上でのFimHの発現を、FimHLD抗原に対するウサギ免疫血清を用いるフローサイトメトリーによって確認した。マンナンまたは膀胱細胞への細菌結合の特異性を、50mMレベルで結合を95%を超えて減少させる陰性対照化合物メチルα-D-マンノピラノシド(Sigma)の含有によって確立した。1:100で出発する試験血清の8段階2倍連続希釈液(PBS、0.1%BSA中)を、1x10個の大腸菌(E.coli)と共に37℃で1h同時インキュベートした後、固定された酵母マンナンまたは5637細胞単層に添加した。連続希釈した抗FimHLDウサギ血清を、それぞれのプレート上で内部標準として使用した。プレートを37℃で1hインキュベートした後、未結合の細菌を洗浄除去した。Alexafluor 488にコンジュゲートした3μg/mlのO25b特異的mAbを用いて、RTで45minにわたって、結合した大腸菌(E.coli)を染色した。O25b抗体3E9-11の可変軽鎖および重鎖配列から、mAbを再構築させた(Nagy E、Nagy G、Szijarto Vら、Antibodies to multi-drug resistant Escherichia coli:Arsanis Biosciences GmbH、Austria.2014:76pp)。ヒトpTT5 IgG発現プラスミドを、クローニングベクターとして使用した。個々のウェルの蛍光強度を、ClarioStar Plus機器上で読み取った。S字状用量応答可変勾配曲線適合(Graphpad Prism)を使用して、IC50阻害値を内挿した。力価は、半数最大阻害が観察される血清希釈率の逆数である。ワクチン抗原応答動物を、1:100の出発血清希釈率で80%の阻害を超える中和力価と定義した。さらに、結合活性の血清希釈滴定は、可変勾配S字状曲線適合パラメーターを満たす必要がある(R>0.95、Log IC50値を内挿、または溶解するまでより広い希釈率での実験反復を誘発する)。群間の応答の差異の統計的有意性(p値)を、対数変換されたデータに適用されるWelchの補正を用いる対応のないt検定を使用して決定した。
異なる血清型の多価O抗原コンジュゲートをワクチン接種したマウスを含む実験については、酵母マンナンアッセイを、Bactiter Glo検出試薬(Promega)と共に使用するために適合させて、惹起された抗O-Ag IgGによる細菌検出との潜在的な干渉を回避した。この場合、検出は、透過処理された目に見える細菌からのATPの放出後のホタルルシフェラーゼによって触媒される光子放出に基づく。この試薬の使用は、洗浄工程を排除することによって検出を単純化し、液体の取り扱いを自動化すると共に、より高効率の384ウェルアッセイ形式の実行を容易にした(Bravo、Agilent)。小型アッセイは、反応容量を100μLから30μLまで減少させ、必要とされる細菌数をウェルあたり1x10個から1x10まで減少させた。PBS中で1:1に希釈した後、Bactiter Gloを全てのウェルに添加し、混合後、ルミノメーターモードでClarioStarリーダー上で読み取った。血清型O6:K2の大腸菌(E.coli)UTI株CFT073(ATCC(登録商標)700928(商標))を、O25bUTI株PFEEC0547と比較してその感度が高いため、半自動化384ウェルアッセイにおける使用のために選択した。両方の株は、マウスワクチン接種群のサブセットにおいて個々の血清力価を比較するブリッジング試験において類似する結果をもたらした(データは示さない)。
大腸菌(E.coli)O-AgマウスIgG直接Luminexイムノアッセイ(dLIA)。eBPD(Pfizer)によって社内で生産された血清型O25b、O1a、O2およびO6の長鎖大腸菌(E.coli)O-Ag多糖を、ポリ-L-リシンにコンジュゲートさせた後、EDC/NHSを用いてLuminexビーズミクロスフェアにコンジュゲートさせた。それぞれのO抗原に関して異なるスペクトルアドレスを有するビーズの使用により、4倍の多重化が可能となった。4℃で18h、振とうしながら、ビーズを連続希釈した個々のマウス血清または対照mAbと共にインキュベートした。洗浄後、結合した血清型特異的IgGを、PEコンジュゲート化ヤギ抗マウスIgGマウス二次抗体を用いて検出した(90min、RTでのインキュベーション)。マイクロプレートを、FlexMap 3D機器(Biorad)上で読み取った。類似する結合特性を有する血清型特異的マウスIgG mAb(社内で生成)を、IgGレベルを定量するための内部標準として使用した。それぞれのmAbに関する標準曲線のプロットにより、10の血清希釈率にわたる重複線形勾配プロファイルが得られた(対数発光対対数血清希釈率)。0.15259μg/mLの4-plex IgG dLIAに関する定量下限(LLOQ)が、標準曲線バイアスから算出され、これは4つの抗原のそれぞれについて同じであった。
大腸菌(E.coli)オプソニン貪食作用アッセイ(OPA)。臨床大腸菌(E.coli)侵襲性血液単離物を、International Health Management Associates(IHMA)臨床研究室によって維持されているPfizerにより支援されたAntimicrobial Testing Leadership and Surveillance(ATLAS)データベースから取得した。O抗原およびK莢膜型の予測のためのin silicoセロタイピングを含む、Illumina Miseqプラットフォームを使用するWGSによって、株を遺伝子型的に特性評価した。細胞バンキング条件下でDulbeccoの改変Eagle培地(DMEM)中で増殖させた場合にO抗原とK抗原との両方を発現する血清型O1a、O2、O6およびO25b株、ならびにO6およびO25b血清型である多剤耐性無莢膜株を試験株として使用した。O抗原発現を、社内で生成された抗原特異的モノクローナルまたはポリクローナル抗体を用いるフローサイトメトリーによって確認した。K1抗原発現を、K1莢膜mAb mAb13D9-151(NRC、Canadaから取得)を使用して確認した。K2抗原発現を、K2タイピング血清(Statens Serum Institute)を用いて検出した。K5ヘパロサン莢膜の発現を、ヘパリナーゼによる処理の際に内在するO抗原の表面露出の増加によって確認した。以下の大腸菌(E.coli)臨床株を、OPAアッセイのために開発した:
O1a:K1(PFEEC0435、ST-95)、
O2:K1-(PFEEC0146、ST-95、チカルシリン/クラブラン酸(登録商標))、
O6:K-(PFEEC0412、ST-127、チカルシリン/クラブラン酸(登録商標)、ESBL)、
O6:K2(PFEEC0150、ST-127)、
O25b:K-(PFEEC0068、ST-131、イミペネム(登録商標)、フルオロキノロン(登録商標))、
O25b:K5(PFEEC0066、ST-131、フルオロキノロン(登録商標))。
凍結前の細菌ストックを、DMEM中で0.5~1.0のOD600まで増殖させ、凍結前に最終濃度20%でグリセロールを添加した。滴定前の解凍した細菌を、OPA緩衝剤(ハンクス平衡塩溶液(Life Technologies)、0.1%ゼラチン、1mM MgCl、2.5mM CaCl)中、1x10CFU/mlに希釈し、20μL(10CFU)の細菌懸濁液を、384ウェルの組織培養マイクロプレート中、RTで30minにわたって10μLの連続希釈した血清を用いてオプソニン化した。オプソニン化工程の必要性、子ウサギ補体のレベル、アッセイインキュベーションの長さ、およびHL60の細菌に対する比などの条件はわずかに変化し、使用されるアッセイ株に従って最適化した。続いて、10μlの2~6%補体(子ウサギ血清、Pel-Freez)および10μLのHL-60細胞(100~200:1の比)を、各ウェルに添加し、混合物を、5%COインキュベーター中、37℃で45~60minにわたって2000rpmで振とうした。10μLのそれぞれ50μLの反応液を、50μLの水を含有する、予め湿らせた384ウェルのMillipore MultiScreen HTS HVフィルタープレートの対応するウェルに移した。液体を減圧濾過した後、50μLの50%DMEMを適用し、濾過し、プレートを密封したジップロック(登録商標)袋中、37℃で一晩インキュベートした。次の日、ImmunoSpot(登録商標)分析装置およびImmunoCaptureソフトウェアを使用して、クマシー色素で染色した後、コロニーを数えた。OPA活性の特異性を確立するために、免疫血清を、20μg/mLの相同な血清型精製されたO抗原と共に予備インキュベートした後、オプソニン化工程を行った。OPAアッセイは、HL60細胞または補体に対する観察される殺傷の依存性を証明するために、これらの成分を含まない対照反応を含む。個々の血清OPA力価を、可変勾配曲線適合(Excel)を使用して算出した。合わせたデータを、GraphPad Prismを使用してプロットして、GMTおよび有意性に関する関連するp値を生成した(対数変換されたデータからのWelchの補正を用いる対応のないt検定)。
結果
マウス免疫原性試験。異なる用量レベルで、および異なるアジュバントと共に、大腸菌(E.coli)ペリプラズムから発現および精製された組換えFimHLD抗原の免疫原性を評価するために、第1の試験を設計した。FimHLDの精製は、以前に記載された方法に基づくものであった(Schembri MA、Hasman H、Klemm P.Expression and purification of the mannose recognition domain of the FimH adhesin.FEMS microbiology letters 2000;188:147~51)。第2の試験は、大腸菌(E.coli)FimHLDの活性と、FimHLDおよび完全長FimH-DsGの哺乳動物で発現されるバリアントの活性とを比較した。最後に、第3の試験は、FimH-Dsgと4価長鎖O抗原糖コンジュゲート混合物との組合せおよび異なるアジュバント製剤の免疫原性を調査した。
FimH抗原の免疫原性。種々のFimH構築物によって誘導される機能的抗FimH抗体の誘導を、表面固定された酵母マンナン(Kisiela DI、Avagyan H、Friend Dら、Inhibition and Reversal of Microbial Attachment by an Antibody with Parasteric Activity against the FimH Adhesin of Uropathogenic E.coli.PLOS Pathogens 2015;11:e1004857)または膀胱上皮細胞(Langermann S、Palaszynski S、Barnhart Mら、Prevention of mucosal Escherichia coli infection by FimH-adhesin-based systemic vaccination.Science 1997;276:607-11;Starks CM、Miller MM、Broglie PMら、Optimization and Qualification of an Assay that Demonstrates that a FimH Vaccine Induces Functional Antibody Responses in Women with Histories of Urinary Tract Infections.Human Vaccines & Immunotherapeutics 2020:1~10)に対する大腸菌(E.coli)による結合の阻害に基づいて以前に記載されたものと類似する中和アッセイを使用して評価した。抗原バリアントの機能的効力を、線毛化細菌の酵母マンノシドリガンドへの結合を防止する血清中和力価を決定することによって定量した。力価は、50%の細菌が、ワクチン接種した動物血清の8点2倍滴定においてアッセイマイクロプレートに結合する血清希釈率の逆数と定義される。大腸菌(E.coli)から精製されたFimHLD抗原に関する初期試験の結果を、図36Aおよび図36Bおよび表34に示す。ワクチン接種スケジュールを、図36Aに示し、個々のマウスの応答を図36Bにプロットする。
マウス免疫原性実験1-異なる大腸菌(E.coli)ペリプラズム産生されたFimH構築物の比較。3つの3μg用量のFimHLD抗原を用いるワクチン接種後、非アジュバント群または50μgのAlPOでアジュバント化された群におけるマウスのわずか25%が、酵母マンナンアッセイにおいて中和抗体力価をもたらした。対照的に、20μgのQS21/PS80でアジュバント化された群におけるマウスの61%が、中和力価をもたらした。この場合、幾何平均力価(GMT)は、他の群よりも5倍高かった(0.05未満のp値)。QS21/PS80を用いた30μgのFimHLD用量レベルで、GMTのさらなる閾値増加および78%の血清応答動物率が観察された。このアジュバント状況で、FimHLD抗原を開いたコンフォメーションでロックすることによって機能的免疫原性を増強するように設計および予測された、ジスルフィド突然変異の存在(Rodriguez VB、Kidd BA、Interlandi Gら、Allosteric coupling in the bacterial adhesive protein FimH.J Biol Chem 2013;288:24128~39;Kisiela DI、Rodriguez VB、Tchesnokova Vら、Conformational inactivation induces immunogenicity of the receptor-binding pocket of a bacterial adhesin.Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 2013;110:19089~94)は、野生型FimHLD構築物と比較して免疫原性を改善しなかった。統計的有意性に近い野生型と比較してlock変異体についておよそ3倍低いGMTが観察された(p=0.09)。この試験からの重要な観察は、大腸菌(E.coli)FimHLD抗原が、マウスにおいてロバストなレベルの中和抗体を惹起するために強力なQS21アジュバント製剤を必要とすることである。
Figure 2023546615000056
哺乳動物により産生されたFimH構築物と比較したペリプラズムの免疫原性。第2の試験では、大腸菌(E.coli)中で発現されるFimHLDおよび完全長FimHタンパク質の免疫原性を、Expi293哺乳動物細胞中で発現される同様のバリアントと比較した。そのペリプラズムシャペロンFimCと複合体化した大腸菌(E.coli)で発現される完全長FimHを、ベンチマークとして使用した。3回のワクチン接種後のlock突然変異を有する、または有しない哺乳動物により発現される抗原に対する、大腸菌(E.coli)による機能的抗体誘導の相対レベルを比較する中和データを、図37Aおよび図37Bおよび表35に示す。図37Bに示されるスケジュールに従って、20μgのQS21/PS80と共に、それぞれ10μgで抗原を投与した。大腸菌(E.coli)により発現されるFimHLD群のマウスは、300の中和アッセイGMTおよび55%の応答動物率をもたらし、これは同様の哺乳動物により発現されるFimHLD群(194のGMTおよび45%の応答動物率を示す)と統計的に異ならなかった。哺乳動物完全長FimH-DSGは、そのFimHLD対応物よりも有意に免疫原性が高く、2倍高いGMT(529対194)および改善された血清応答動物率(75%対45%)を示した。第1の試験と同様、lock突然変異の存在は、FimHLD(大腸菌(E.coli)もしくは哺乳動物により発現される)または完全長FimH-DSGの文脈において、機能的中和応答の生成に関して利益をもたらさなかった。哺乳動物により発現されるFimH-DSG(lock突然変異を有する、または有しない)も、大腸菌(E.coli)FimCH抗原よりも高い免疫原性として提示したが、差異は統計的に有意ではなかった。総合すると、これらの結果は、その後の調査のために選択された抗原として、完全長FimH-DSGを同定した。本発明者らは、C末端FimGドナー鎖ペプチドと複合体化した、この構築物中のFimHピリンドメインの存在が、追加の機能的エピトープおよび/または増強された安定性を提供し得ると推測している。
Figure 2023546615000057
マウスにおける同時製剤化された哺乳動物により生成されるFimH-DSGおよび4価O抗原糖コンジュゲートの免疫原性。第3のマウス試験は、FimH-DSG免疫原性に対するO抗原とアジュバント製剤との組合せの影響に対処するように設計された。4つの最も一般的な血清型O25b、O1a、O2およびO6であるCRM197の長鎖O抗原糖コンジュゲートを混合し、ベースライン対照群としてそれぞれ2μgの用量で投与した(図38)。他のワクチン群は、個別に、または4価O抗原と組み合わせた、10μgのFimH-DSGを含む3つのアジュバントの免疫原性に対する影響を評価した。アジュバントは、デフォルトの用量製剤あたり20μgのQS21/PS80(FimH試験1および2で使用);リポソーム合成MPLA製剤(用量あたり5μg);およびリポソーム合成MPLA/QS21製剤(用量あたりそれぞれ5μg)であった。用量2後(PD2)および用量3後(PD3)の時点で、機能的FimH中和およびO抗原特異的オプソニン貪食作用(OPA)アッセイにおいて血清を試験した。
PD2およびPD3の時点での酵母マンナンFimH結合中和アッセイの結果を、表36にまとめられるGMTおよび応答動物率と共に、図39Aおよび図39Bに示す。
Figure 2023546615000058
個々のFimHおよび一価血清型O25b抗原に対する抗体応答は、以前の実験において2用量後に最大未満であったため、PD2時点が、ワクチン抗原およびアジュバント組成物の効果を最良に区別するであろうと予想された。実際、PD3までに、応答動物率およびFimH中和GMTは、いずれの群間でも有意に異ならなかった(p>0.05)。PD2で、リポソームアジュバント製剤は、FimH-DSGのみを含む群に対する有意な効果を有しなかった。対照的に、FimH-DSG/O抗原の組合せをワクチン接種した群については、リポソームMPLA/QS21またはFimH-DSGのみの群のいずれかをワクチン接種したマウスの群と比較して、アジュバントなし群、またはリポソームMPLA群に関して有意に低いFimH中和GMTが観察された。PD1血清も試験したが、いずれのマウスも中和力価を示さなかった。
膀胱細胞結合中和アッセイを使用して、PD2およびPD3時点でそれぞれのワクチン群からプールされた血清を試験した。膀胱5637細胞は、FimHに対する天然リガンドであるマンノシル化ウロプラキン受容体UPIaを構成的に発現する(Thumbikat P、Berry RE、Zhou Gら、Bacteria-induced uroplakin signaling mediates bladder response to infection.PLos pathogens 2009;5:e1000415-e;Katnik-Prastowska I、Lis J、Matejuk A.Glycosylation of uroplakins.Implications for bladder physiopathology.Glycoconjugate journal 2014;31:623~36)。図40Aおよび図40Bおよび表37に示される結果は、個々の血清を用いる酵母マンナン中和アッセイの知見と一致していた。再度、リポソームMPLAと共に製剤化した、またはアジュバントなしのFimH-DSG/O抗原の組合せは、QS21/PS80またはリポソームMPLA/QS21およびO抗原を含まないFimH-DSGをワクチン接種したマウスの群と同様に応答した、リポソームMPLA/QS21群よりも有意に弱い中和応答を生成した。マンナンおよび膀胱中和アッセイデータ間のわずかな差異は、FimH-DSGのみ、またはFimH-DSG/O抗原の組合せのいずれかをワクチン接種した群について、リポソームMPLA製剤に関して終わりにおいてより弱い応答に向かう傾向であった。
Figure 2023546615000059
4価O抗原のみ、またはFimH-DSGおよびリポソームアジュバントと組み合わせた4価O抗原を用いたマウスの4つの群のワクチン接種後の4-plex dLIAに関して生成されたO抗原特異的総IgGのレベルを、図41および表38に示す。2用量後の血清型O25b特異的IgG応答は、血清型O1a、O2およびO6のO抗原によって惹起されたものよりも顕著に低かったが、これは、一価O抗原に関する以前のコンジュゲート化学試験(示さない)および四価バイオコンジュゲートO抗原に関する報告された前臨床試験(van den Dobbelsteen G、Fae KC、Serroyen Jら、Immunogenicity and safety of a tetravalent E.coli O-antigen bioconjugate vaccine in animal models.Vaccine 2016;34:4152~60)の結果と一致している。PD2でのO25b群にわたる最も低いレベルの抗O Ag IgGが、アジュバント化されていないFimH-DSGおよびO抗原の組合せに関して観察され、ベースラインIgG応答動物閾値の5倍を超える単一の力価のみが得られた;比較して、アジュバント化されていないO抗原のみの群は、56%(5/9)のより高い応答動物率を生成したが、2群間のGMTの差異(0.79対0.24μg/mL IgG)は統計的に有意ではなかった(p>0.5)。PD2で、リポソームMPLA/QS21アジュバントは、GMTの16倍の増加(3.84対0.24)および改善された応答動物率(70%対10%)を誘導することによって、FimH-DSGおよびO抗原の組合せの免疫原性を有意に増強させた;GMTの有意な増加はPD3でも観察された(40.78対3.75)。応答動物は、可変勾配曲線適合基準を満たす完全な希釈率依存的殺傷応答をもたらす血清を有するマウスと定義される。血清型O25bに関するよりも群間での高い応答動物率および力価にも拘わらず、FimH-DSGおよびO抗原の組合せに関する血清型O1aのIgG力価も、リポソームMPLA/QS21によってPD2およびPD3で、それぞれ5.9倍および4.6倍、有意に改善された。O2およびO6のO抗原に対するMPLA/QS21の影響は、ワクチン接種群間のGMTの全体的な差異がより小さいため、O1aおよびO25bの場合ほど顕著ではなかった。
Figure 2023546615000060
4価組成物の個々のO抗原によって誘導される機能的殺菌抗体を、侵襲性臨床株を用いるOPAアッセイにおいて評価した。OPA株の選択は、以下の因子の組合せに基づくものであった:in vitroでの増殖条件および/または多剤耐性下でのO抗原とK莢膜との両方の発現;ならびに好中球様HL60細胞およびO抗原特異的抗体の存在下での殺菌的殺傷を容易にすることができる比較可能な子ウサギ血清補体を同定する能力。大腸菌(E.coli)O抗原は血清補体による非特異的殺傷を防止するための主要な決定因子であると考えられるが、K1、K2およびK5莢膜抗原も、全血中で食作用に抵抗する役割を果たすことが示されている(Sarkar S、Ulett GC、Totsika Mら、Role of Capsule and O Antigen in the Virulence of Uropathogenic Escherichia coli. PLoS ONE 2014;9:e94786;Burns SM、Hull SI、Loss of resistance to ingestion and phagocytic killing by O(-) and K(-) mutants of a uropathogenic Escherichia coli O75:K5 strain. Infection and immunity 1999;67:3757~62;Buckles EL、Wang X、Lane MCら、Role of the K2 Capsule in Escherichia coli Urinary Tract Infection and Serum Resistance. The Journal of infectious diseases 2009;199:10.1086/598524)。
4つの有莢膜O1a、O2、O6およびO25b株ならびに2つの多剤耐性無莢膜O6およびO25b株に関するOPAアッセイの結果を、図42および表39に示す。ワクチン接種前の血清について174の比較的高いベースライン力価を示したO6:K-株アッセイを除いて、全ての他の株に関するワクチン接種されていないマウスに由来する血清が、アッセイ検出限界(LOD)または出発血清希釈率である100であった力価を生成した。4価O抗原に対する個々のOPA応答は、IgG結合抗体力価とほぼ同等である(図41、表38)。例えば、FimH-DSG 4価O抗原組合せの免疫原性に対するリポソームMPLA/QS21製剤の有意な正の影響が、有莢膜血清型O1a、O2、およびO6株に関するOPAにおいて確認され、2つのワクチン用量後に70%以上の応答動物率を報告した。対照的に、第3の用量後にのみ、O25b:K5 OPA株は、MPLA/QS21製剤に関してこのレベルの機能的活性に達する力価を報告する。その有莢膜O6:K1およびO25b:K5対応物と比較して、無莢膜O6およびO25b株は、特に、O抗原のみ、またはFimH-DSG/4価O抗原の組合せをワクチン接種したマウスの非アジュバント化群間で、より高いOPA力価および応答動物率を生成した。このより高い感度は、食作用に対する耐性を付与することが以前に示された対応するK2またはK5莢膜の非存在と一致している(Burns SM、Hull SI、Loss of resistance to ingestion and phagocytic killing by O(-) and K(-) mutants of a uropathogenic Escherichia coli O75:K5 strain. Infection and immunity 1999;67:3757~62;Buckles EL、Wang X、Lane MCら、Role of the K2 Capsule in Escherichia coli Urinary Tract Infection and Serum Resistance. The Journal of infectious diseases 2009;199:10.1086/598524)。
Figure 2023546615000061
結論
総合すると、これらの試験の結果は、侵襲性大腸菌(E.coli)感染を防止するためのワクチン組成物としての、O抗原糖コンジュゲートおよびQS21アジュバントと組み合わせた、哺乳動物により産生されるFimH-DSG(または由来する突然変異バリアント)の使用を支持する。そのような製剤は、高齢患者における再発性UTI感染および敗血症の防止にとって有利であり得る。結果は、マウスにおける類似する血清型O1a、O2、およびO6 O抗原糖コンジュゲートよりも個々に免疫原性が低い、FimH-DSGおよび長鎖O25b O抗原に対する機能的免疫応答を増強するためのQS21アジュバントの利益を確認する。
(実施例36)
大腸菌(E.coli)血清型O8およびO9O抗原のCRM197コンジュゲートによって惹起された抗体は、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O5およびO3侵襲性単離物に対して交差防御殺菌活性を示す。
この実施例は、大腸菌(E.coli)血清型O8およびO9 O抗原の短鎖単一末端天然CRM197ポリマンナンコンジュゲートによって惹起された抗体が、同等または関連O抗原を発現するクレブシエラO5およびO3株に対して殺菌性および交差防御性であることを実証する。
大腸菌(E.coli)およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)は、高度に相同性の生合成遺伝子クラスターによってコードされる酵素によって合成される共通のポリマンナンO抗原を共有する。大腸菌(E.coli)O8およびO9 O抗原多糖は、それらの反復単位が単糖結合および残基の数において異なる直鎖状マンノースホモポリマーである。クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)におけるそれらのカウンターパートは、血清型O5およびO3 O抗原である。大腸菌(E.coli)およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)ポリマンナンO抗原の生合成は、他の大腸菌(E.coli)O抗原とは異なる機構のO単位転座および鎖合成を含む。この場合、鎖伸長は、鎖長がWzzBまたはFepE酵素によって制御されるWzx/Wzy依存性経路とは別の生合成WbdA-WbdD複合体(King JD、Berry Sら、Proceedings of the National Academy of Sciences 2014;111:6407~12)によって調節される。結果として、天然ポリマンナンO抗原は、それらの短鎖形態で産生され得るに過ぎず、これは、精製および担体タンパク質コンジュゲーションのために、操作された長鎖大腸菌(E.coli)O抗原とは異なるバイオプロセス法を必要とする。同じ機構および限界が、ガラクトース残基から構成されるポリガラクタンである優勢なクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O1およびO2 O抗原に当てはまる。
これらのO抗原とそれらのサブタイプとの間の構造関連性が図33に示されている。大腸菌(E.coli)O8およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O5 O抗原は、同一である(Vinogradov Eら、J Biol Chem 2002;277:25070~81)。大腸菌(E.coli)O9およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O3 O抗原は、共通の四量体O9a/O3aおよび五量体O9/O3反復単位サブタイプを共有しているが、三量体O3bサブタイプは、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)においてのみ見出される。これらのサブタイプは、血清学的に、かつ遺伝子型で同定され得る(Guachalla LM、et al.Scientific Reports 2017;7:6635)。血清型O3a遺伝子座は、wbdA(C80R)における単一の点突然変異によって識別される。大腸菌(E.coli)O9 wbdA酵素(C55R)における類似の点突然変異は、O9多糖をO9aに変換する(Kido N、Kobayashi H.Journal of bacteriology 2000;182:2567~73)。O3bサブタイプは、WbdD酵素の配列において、別の参照配列を必要とするような十分なヌクレオチド変異を有する。PfizerのBigSdb全ゲノム配列決定(whole genome sequencing;WGS)パイプラインに実装されたKaptiveウェブアルゴリズム(Wick RRら、J Clin Microbiol 2018;56)は、O3遺伝子座を、O3/O3a(同じ参照配列によってカバーされる)またはO3bのいずれかと指定する。
材料および方法
a.ウサギでの大腸菌(E.coli)血清型O8およびO9 CRM197免疫血清の生産
Covanceでの研究の実行のために、それぞれ4匹の雌のニュージーランド白ウサギからなる2つの群を使用した。動物に、1用量あたり10μg/動物の血清型O8またはO9 CRM197コンジュゲートをアジュバントとしてのCFA/IFAと共に投与した。天然O8およびO9 O抗原を、シングルエンド化学作用を使用してコンジュゲートした。それぞれ1mL用量の10μgの抗原を2つの皮下ワクチン接種部位で分けた。ワクチン接種を0、6および14週目に与え、7および15週目に採血したが、これは、用量2後(PD2)および用量3後(PD3)時点に対応する。
b.菌株
大腸菌(E.coli)およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)臨床単離物を、International Health Management Associates(IHMA)clinical labによって維持されているPfizer後援のAntimicrobial Testing Leadership and Surveillance(ATLAS)コレクションから得た。Miseq platform(Illumina)を使用して、株を全ゲノム配列決定(WGS)によって遺伝子型で特徴付けた。WGSデータを使用して、多座配列タイプ(MLST)情報を生成し、その際、BigDdbプラットフォームに組み込まれた樹立された大腸菌(E.coli)およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)スキーム(Wirth Tら、Molecular microbiology 2006;60:1136~51;Jolley KAら、Wellcome Open Res 2018;3:124;Diancourt Lら、Journal of clinical microbiology 2005;43:4178~82)を使用した。大腸菌(E.coli)およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)のための埋め込みインシリコセロタイプアルゴリズム(embedded in silico serotyping algorithm)を使用して、O抗原血清型を予測した(Wick RRら、J Clin Microbiol 2018;56;Joensen KGら、J Clin Microbiol 2015;53:2410~26)。
Figure 2023546615000062
c.大腸菌(E.coli)O8およびO9 CRM197コンジュゲート
それぞれEC0130およびEC0423株から、血清型O8およびO9aO抗原多糖を抽出し、精製した(表40)。コンジュゲーションプロセスは、ジスルフィドアミンリンカーでの、短鎖天然大腸菌(E.coli)O8およびO9 O抗原の還元末端上に存在するKdo単糖の選択的活性化を含む。チオール官能基を暴露したら、次いで、本明細書において記載の実施例26において記載されているとおり、ブロモ活性化CRM197タンパク質にコンジュゲートする。
d.殺菌アッセイ
事前凍結された大腸菌(E.coli)およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)ストックを、DMEMまたはLB培地中で、0.5から1.0の間のOD600まで株を増殖させることによって調製し、グリセロールを、凍結する前に20%の最終濃度まで添加した。具体的なアッセイ条件は、それぞれの菌株について最適化された条件に従って変化した。予め滴定された解凍細菌をOPA緩衝剤(ハンクス平衡塩溶液(Life Technologies)および0.1%ゼラチン)中で1×10CFU/mlまで希釈し、20μL(10CFU)の細菌懸濁液を20μLの連続希釈血清で30分間、室温で、組織培養マイクロプレート内でオプソニン化した。続いて、10μlの補体(Baby Rabbit SerumまたはIgG/IgM枯渇ヒト血清、Pel-Freez)および20μLのHL-60細胞(100~200:1の比で)をそれぞれのウェルに、OPA緩衝剤と共に、100μLの最終体積まで添加した。反応混合物を60分間、37℃で、5%COインキュベーター内で振盪した。場合によっては、細菌を、事前オプソニン化ステップなしで補体およびHL60とそのまま合わせ、60分間、37℃で、5%CO下で振盪した。インキュベーション後に、10μLのそれぞれの反応物を、水100μLを含有する予め湿らせておいたMillipore MultiScreen HTS HVフィルタープレートの対応するウェルに移した。液体を真空濾過した後に、100μLの50%細菌増殖培地を施与し、濾過し、プレートを終夜、37℃で、密閉されたジップロック(登録商標)バッグ内でインキュベートした。翌日、Coomassie色素で染色した後に、ImmunoSpot(登録商標)分析器およびImmunoCaptureソフトウェアを使用してマイクロコロニーを数えた。大腸菌(E.coli)血清型O9アッセイの場合には、OPAを、50μL反応反応体積のために384ウェル形式で小型化した。OPA活性の特異性を立証するために、オプソニン化ステップの前に、免疫血清を精製O抗原多糖と共にプレインキュベートした。いずれの観察される殺傷も、これらの成分に依存していることを実証するために、OPAアッセイは、HL60細胞または補体を含まない対照反応を含んだ。HL60の存在が影響を有さないクレブシエラ(Klebsiella)血清型O5アッセイでは、血清殺菌反応をエフェクター細胞の非存在下で実行した。
結果
a.殺菌アッセイのための大腸菌(E.coli)およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)株の選択
LPSプロファイリングにより(SDS-PAGEにより)O抗原発現を、かつO抗原特異的ウサギ抗血清を用いるフローサイトメトリーによりO抗原表面アクセシビリティを確認した後に、細菌臨床株を初めに選択した。次に、血清補体の経験的スクリーニングを行って、免疫血清の存在下での高度な感染性と組み合わされた低レベルの非特異的殺傷の好適なバランスをもたらす濃度範囲全体で、個々の適合性ロットを同定した。追加のアッセイ最適化パラメーターには、細菌に対するHL60エフェクター細胞の比の調節、振盪機速度、プレートシーラーの有無およびオプソニン化プレインキュベーションステップの包含が含まれた。
b.大腸菌(E.coli)O8およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O5 O抗原免疫血清交差防御および特異性
大腸菌(E.coli)O8株EC0305およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O5株KP0121をアッセイ開発のために選択した。両方とも、血液単離物である。EC0305は、セファロスポリンおよびテトラサイクリンに対して耐性があり、KP0121はアンピシリンに対して耐性がある。OPAアッセイを大腸菌(E.coli)O8株EC0305のために、3.0%BRC、1:100の細菌のHL60に対する比、および単一ステップ60分OPAインキュベーション反応を含む条件で開発した。免疫血清の存在下でのクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O5株KP0121の殺菌活性は、HL60エフェクター細胞とは独立していることが見出されたので、SBAを開発した。この場合には、SBA反応は、補体の源として10%枯渇ヒト血清の使用を必要とした。これらの大腸菌(E.coli)O8およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O5株を用いる殺菌アッセイの結果は、図34A~34Bにおいて示される。大腸菌(E.coli)血清型O8 OPAでは、2用量のO8-CRM197コンジュゲートの投与後に生成されるウサギ免疫血清は、遊離O8 O抗原多糖での免疫血清の予備吸着によってブロックされる有効なO抗原特異的殺傷を示した。1:1000未満の血清希釈で、完全殺傷が観察された。同じウサギからのマッチした免疫前血清は不活性であった。同じウサギ血清をクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O5 SBAにおいて評価したところ、1:2000血清希釈で同様の殺菌性であることが見い出された。殺傷は、遊離O8 O抗原によってブロックされ、免疫前の血清では存在しなかった。この場合、血清マトリックスプロゾーンは、1:1000未満の血清希釈で、SBA活性を遮断した。
c.大腸菌(E.coli)O9およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O3 OPA O抗原免疫血清交差防御および特異性
大腸菌(E.coli)O9a株EC0611およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O3b株KP0009をアッセイ開発のために選択した。EC0611は、アンピシリンに対して耐性がある一方で、KP0009は、セファロスポリン、フルオロキノロン、およびテトラサイクリンに対して耐性がある。両方とも、それぞれ腎臓および膀胱感染からのUTI単離物である。CRM197コンジュゲートおよび得られた免疫血清を生成するために使用されたO9a O抗原は、四量体ポリマンナン反復単位構造を有し、かつO9a EC0611アッセイ株O抗原と同一であるが;しかしながら、これは、そのwbdD遺伝子の配列に基づき、より短い三量体反復単位を発現すると予測されるクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O3b O抗原KP0009アッセイ株とは構造的に非相同である(図33を参照されたい)。大腸菌(E.coli)O9aおよびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O3b株でのOPAの結果は、抗大腸菌(E.coli)O9a免疫血清が両方に対して有効であることを示している(図35A~35B)。大腸菌(E.coli)O9a株では1:8,000未満の血清希釈で、かつクレブシエラO3b株では1:1,600未満で、OPAにおける完全な殺傷が観察された。遊離O9a O抗原での、およびマッチした免疫前血清での血清の予備吸着での活性の欠如により、特異性が実証された。
結論
大腸菌(E.coli)血清型O8およびO9ポリマンナンCRM197コンジュゲートは、殺菌アッセイにおいて相同な大腸菌(E.coli)臨床株だけではなく、クレブシエラ血清型O5およびO3株も殺傷することができる機能性抗体を惹起する。結果により、これらのコンジュゲートが、構造的に関連するポリマンナンO抗原を発現する両方の種の単離物に対して交差防御性である抗体を惹起することが確認される。
以下の項目は、本発明のさらなる実施形態を説明する。
C1.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および式O1(例えば、式O1A、式O1B、式O1C)、式O2、式O3、式O4(例えば、式O4:K52および式O4:K6)、式O5(例えば、式O5abおよび式O5ac(株180/C3))、式O6(例えば、式O6:K2;K13;K15および式O6:K54)、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18(例えば、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18Bおよび式O18B1)、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23(例えば、式O23A)、式O24、式O25(例えば、式O25aおよび式O25b)、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45、式O45(例えば、式O45および式O45rel)、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73(例えば、式O73(株73-1))、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、および式O187(式中、nは、1~100の整数である)のいずれか1つから選択される構造を含む糖を含む組成物。
C2.糖が、式O1(例えば、式O1A、式O1B、および式O1C)、式O2、式O3、式O4(例えば、式O4:K52および式O4:K6)、式O5(例えば、式O5abおよび式O5ac(株180/C3))、式O6(例えば、式O6:K2;K13;K15および式O6:K54)、式O7、式O10、式O16、式O17、式O18(例えば、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、および式O18B1)、式O21、式O23(例えば、式O23A)、式O24、式O25(例えば、式O25aおよび式O25b)、式O26、式O28、式O44、式O45(例えば、式O45および式O45rel)、式O55、式O56、式O58、式O64、式O69、式O73(例えば、式O73(株73-1))、式O75、式O77、式O78、式O86、式O88、式O90、式O98、式O104、式O111、式O113、式O114、式O119、式O121、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O136、式O138、式O141、式O142、式O143、式O147、式O149、式O152、式O157、式O158、式O159、式O164、式O173、式O62D、式O22、式O35、式O65、式O66、式O83、式O91、式O105、式O116、式O117、式O139、式O153、式O167、および式O172(式中、nは20~100の整数である)から選択される構造を含む、項目C1に記載の組成物。
C3.糖が、式O1(例えば、式O1A、式O1B、および式O1C)、式O2、式O3、式O4(例えば、式O4:K52および式O4:K6)、式O5(例えば、式O5abおよび式O5ac(株180/C3))、式O6(例えば、式O6:K2;K13;K15および式O6:K54)、式O7、式O10、式O16、式O17、式O18(例えば、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、および式O18B1)、式O21、式O23(例えば、式O23A)、式O24、式O25(例えば、式O25aおよび式O25b)、式O26、式O28、式O44、式O45(例えば、式O45および式O45rel)、式O55、式O56、式O58、式O64、式O69、式O73(例えば、式O73(株73-1))、式O75、式O77、式O78、式O86、式O88、式O90、式O98、式O104、式O111、式O113、式O114、式O119、式O121、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O136、式O138、式O141、式O142、式O143、式O147、式O149、式O152、式O157、式O158、式O159、式O164、式O173、および式62D(式中、nは20~100の整数である)から選択される構造を含む、項目C2に記載の組成物。
C4.式O1(例えば、式O1A、式O1B、および式O1C)、式O2、式O6(例えば、式O6:K2;K13;K15および式O6:K54)、式O15、式O16、式O21、式O25(例えば、式O25aおよび式O25b)、および式O75から選択される構造を含む、項目C2に記載の組成物。
C5.式O4、式O11、式O21、および式O75から選択される構造を含む、項目C2に記載の組成物。
C6.式O8、式O9a、式O9、式20ab、式O20ac、式O52、式O97、および式O101から選択される構造を含まない、項目C1に記載の組成物。
C7.式O12から選択される構造を含まない、項目C1に記載の組成物。
C8.前記糖を生成するグラム陰性細菌中でwzzファミリータンパク質を発現させることによって生産される、項目C4に記載の組成物。
C9.wzzファミリータンパク質が、wzzB、wzz、wzzSF、wzzST、fepE、wzzfepE、wzz1およびwzz2からなる群から選択される、項目C8に記載の組成物。
C10.wzzファミリータンパク質がwzzBである、項目C8に記載の組成物。
C11.wzzファミリータンパク質がfepEである、項目C8に記載の組成物。
C12.wzzファミリータンパク質がwzzBおよびfepEである、項目C8に記載の組成物。
C13.wzzファミリータンパク質がサルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)に由来する、項目C8に記載の組成物。
C14.wzzファミリータンパク質が、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、および配列番号39のいずれか1つから選択される配列を含む、項目C8に記載の組成物。
C15.wzzファミリータンパク質が、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34のいずれか1つに対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む、項目C8に記載の組成物。
C16.wzzファミリータンパク質が、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、および配列番号39のいずれか1つから選択される配列を含む、項目C8に記載の組成物。
C17.糖が合成的に合成される、項目C1に記載の組成物。
C18.大腸菌(E.coli)R1部分をさらに含む、項目C1からC17のいずれか一項に記載の組成物。
C19.大腸菌(E.coli)R2部分をさらに含む、項目C1からC17のいずれか一項に記載の組成物。
C20.大腸菌(E.coli)R3部分をさらに含む、項目C1からC17のいずれか一項に記載の組成物。
C21.大腸菌(E.coli)R4部分をさらに含む、項目C1からC17のいずれか一項に記載の組成物。
C22.大腸菌(E.coli)K-12部分をさらに含む、項目C1からC17のいずれか一項に記載の組成物。
C23.3-デオキシ-d-マンノ-オクタ-2-ウロソン酸(KDO)部分をさらに含む、項目C1からC22のいずれか一項に記載の組成物。
C24.大腸菌(E.coli)R1部分をさらに含まない、項目C1からC17のいずれか一項に記載の組成物。
C25.大腸菌(E.coli)R2部分をさらに含まない、項目C1からC17のいずれか一項に記載の組成物。
C26.大腸菌(E.coli)R3部分をさらに含まない、項目C1からC17のいずれか一項に記載の組成物。
C27.大腸菌(E.coli)R4部分をさらに含まない、項目C1からC17のいずれか一項に記載の組成物。
C28.大腸菌(E.coli)K-12部分をさらに含まない、項目C1からC17のいずれか一項に記載の組成物。
C29.3-デオキシ-d-マンノ-オクタ-2-ウロソン酸(KDO)部分をさらに含まない、項目C1からC22のいずれか一項に記載の組成物。
C30.リピドAを含まない、項目C1からC23のいずれか一項に記載の組成物。
C31.多糖が10kDa~2,000kDa、または50kDa~2,000kDaの分子量を有する、項目C1からC30のいずれか一項に記載の組成物。
C32.20~40kDaの平均分子量を有する、項目C1からC31のいずれか一項に記載の組成物。
C33.糖が、40,000~60,000kDaの平均分子量を有する、項目C1からC32のいずれか一項に記載の組成物。
C34.nが31~90の整数である、項目C1からC33のいずれか一項に記載の組成物。
C35.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および担体タンパク質に共有結合した糖を含むコンジュゲートを含む組成物であって、糖が大腸菌(E.coli)に由来する、組成物。
C36.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および担体タンパク質に共有結合した、項目C1から項目C34のいずれか一項に記載の糖を含むコンジュゲートを含む組成物。
C37.担体タンパク質が、ポリ(L-リシン)、CRM197、ジフテリア毒素断片B(DTFB)、DTFB C8、ジフテリアトキソイド(DT)、破傷風トキソイド(TT)、TTの断片C、百日咳トキソイド、コレラトキソイド、または緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に由来する外毒素A;緑膿菌(P.aeruginosa)の解毒された外毒素A(EPA)、マルトース結合タンパク質(MBP)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)の解毒された溶血素A、クランピング因子A、クランピング因子B、コレラ毒素Bサブユニット(CTB)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)ニューモリシンおよびその解毒されたバリアント、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)AcrA、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)天然糖タンパク質ならびに連鎖球菌(Streptococcal)C5aペプチダーゼ(SCP)のいずれか1つから選択される、FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および項目C35から項目C36のいずれか一項に記載のコンジュゲートを含む組成物。
C38.担体タンパク質がCRM197である、項目C35から項目C37のいずれか一項に記載の組成物。
C39.担体タンパク質が破傷風トキソイド(TT)である、項目C35から項目C37のいずれか一項に記載の組成物。
C40.担体タンパク質が、ポリ(L-リシン)である、項目C35から項目C37のいずれか一項に記載の組成物。
C41.コンジュゲートが還元的アミノ化によって調製される、項目C35から項目C39のいずれか一項に記載の組成物。
C42.CDAP化学反応によって調製されている、項目C35から項目C39のいずれか一項に記載の組成物。
C43.単一末端結合コンジュゲート化糖である、項目C35から項目C39のいずれか一項に記載の組成物。
C44.(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)スペーサーを介して担体タンパク質にコンジュゲートされている、項目C35から項目C39のいずれか一項に記載の組成物。
C45.糖が(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)スペーサーを介して担体タンパク質にコンジュゲートされ、糖がカルバメート結合を介してeTECスペーサーに共有結合され、担体タンパク質がアミド結合を介してeTECスペーサーに共有結合されている、項目C44に記載の組成物。
C46.CRM197が、eTECスペーサーを介して多糖に共有結合した2~20個、または4~16個のリシン残基を含む、項目C44から項目C45のいずれか一項に記載の組成物。
C47.糖:担体タンパク質比(w/w)が0.2~4である、項目C35から項目C46のいずれか一項に記載の組成物。
C48.糖のタンパク質に対する比が少なくとも0.5であり、最大でも2である、項目C35から項目C46のいずれか一項に記載の組成物。
C49.糖のタンパク質に対する比が0.4~1.7である、項目C35から項目C46のいずれか一項に記載の組成物。
C50.糖が、3-デオキシ-d-マンノ-オクタ-2-ウロソン酸(KDO)残基を介して担体タンパク質にコンジュゲートされている、項目C43から項目C49のいずれか一項に記載の組成物。
C51.糖が、式O8、式O9a、式O9、式O20ab、式O20ac、式O52、式O97、および式O101(式中、nは1~10の整数である)から選択される構造を含む、FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および担体タンパク質に共有結合した糖を含むコンジュゲートを含む組成物。
C52.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;ならびに項目C1から項目C34のいずれか一項に記載の糖、および薬学的に許容できる希釈剤を含む組成物。
C53.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;ならびに項目C35から項目C51のいずれか一項に記載のコンジュゲート、および薬学的に許容できる希釈剤を含む組成物。
C54.組成物中の糖の総量と比較して最大でも約25%の遊離糖を含む、項目C53に記載の組成物。
C55.アジュバントをさらに含む、項目C52から項目C53のいずれか一項に記載の組成物。
C56.アルミニウムをさらに含む、項目C52からC53のいずれか一項に記載の組成物。
C57.QS-21をさらに含む、項目C52から項目C53のいずれか一項に記載の組成物。
C58.CpGオリゴヌクレオチドをさらに含む、項目C52から項目C53のいずれか一項に記載の組成物。
C59.アジュバントを含まない、項目C52から項目C53のいずれか一項に記載の組成物。
C60.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および多糖がカルバメート結合を介してeTECスペーサーに共有結合され、担体タンパク質がアミド結合を介してeTECスペーサーに共有結合されている、(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)スペーサーを介して担体タンパク質にコンジュゲートされた、大腸菌(E.coli)に由来する糖を含む組成物。
C61.糖が大腸菌(E.coli)に由来するO抗原である、項目C60に記載の組成物。
C62.薬学的に許容できる賦形剤、担体または希釈剤をさらに含む、項目C60に記載の組成物。
C63.糖が大腸菌(E.coli)に由来するO抗原である、項目C60に記載の組成物。
C64.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および多糖がカルバメート結合を介してeTECスペーサーに共有結合され、担体タンパク質がアミド結合を介してeTECスペーサーに共有結合されている、(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)スペーサーを介して担体タンパク質にコンジュゲートされた、項目C1から項目C17のいずれか一項に記載の糖を含む組成物。
C65.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および(i)担体タンパク質に共有的にカップリングした大腸菌(E.coli)O25B抗原のコンジュゲート、(ii)担体タンパク質に共有的にカップリングした大腸菌(E.coli)O1A抗原のコンジュゲート、(iii)担体タンパク質に共有的にカップリングした大腸菌(E.coli)O2抗原のコンジュゲート、および(iv)担体タンパク質に共有的にカップリングしたO6抗原のコンジュゲートを含む組成物であって、大腸菌(E.coli)O25B抗原が式O25B(式中、nは30より大きい整数である)の構造を含む、組成物。
C66.担体タンパク質が、ポリ(L-リシン)、CRM197、ジフテリア毒素断片B(DTFB)、DTFB C8、ジフテリアトキソイド(DT)、破傷風トキソイド(TT)、TTの断片C、百日咳トキソイド、コレラトキソイド、または緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に由来する外毒素A;緑膿菌(P.aeruginosa)の解毒された外毒素A(EPA)、マルトース結合タンパク質(MBP)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)の解毒された溶血素A、クランピング因子A、クランピング因子B、コレラ毒素Bサブユニット(CTB)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)ニューモリシンおよびその解毒されたバリアント、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)AcrA、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)天然糖タンパク質ならびに連鎖球菌(Streptococcal)C5aペプチダーゼ(SCP)のいずれか1つから選択される、項目C65に記載の組成物。
C67.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および(i)担体タンパク質に共有的にカップリングした大腸菌(E.coli)O25B抗原のコンジュゲート、(ii)担体タンパク質に共有的にカップリングした大腸菌(E.coli)O4抗原のコンジュゲート、(iii)担体タンパク質に共有的にカップリングした大腸菌(E.coli)O11抗原のコンジュゲート、および(iv)担体タンパク質に共有的にカップリングしたO21抗原のコンジュゲートを含む組成物であって、大腸菌(E.coli)O25B抗原が式O75(式中、nは30より大きい整数である)の構造を含む、組成物。
C68.担体タンパク質が、ポリ(L-リシン)、CRM197、ジフテリア毒素断片B(DTFB)、DTFB C8、ジフテリアトキソイド(DT)、破傷風トキソイド(TT)、TTの断片C、百日咳トキソイド、コレラトキソイド、または緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に由来する外毒素A;緑膿菌(P.aeruginosa)の解毒された外毒素A(EPA)、マルトース結合タンパク質(MBP)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)の解毒された溶血素A、クランピング因子A、クランピング因子B、コレラ毒素Bサブユニット(CTB)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)ニューモリシンおよびその解毒されたバリアント、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)AcrA、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)天然糖タンパク質ならびに連鎖球菌(Streptococcal)C5aペプチダーゼ(SCP)のいずれか1つから選択される、項目C67に記載の組成物。
C69.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)スペーサーを介して担体タンパク質にコンジュゲートされた糖を含むコンジュゲートを含む組成物を作製する方法であって、a)有機溶媒中で、糖と、1,1’-カルボニル-ジ-(1,2,4-トリアゾール)(CDT)または1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)とを反応させて、活性化された糖を生産するステップ;b)活性化された糖と、シスタミンもしくはシステアミンまたはその塩とを反応させて、チオール化された糖を生産するステップ;c)チオール化された糖と、還元剤とを反応させて、1つまたは複数の遊離スルフヒドリル残基を含む活性化されたチオール化された糖を生産するステップ;d)活性化されたチオール化された糖と、1つまたは複数のα-ハロアセトアミド基を含む活性化された担体タンパク質とを反応させて、チオール化された糖-担体タンパク質コンジュゲートを生産するステップ;ならびにe)チオール化された糖-担体タンパク質コンジュゲートと、(i)活性化された担体タンパク質の非コンジュゲート化α-ハロアセトアミド基をキャッピングすることができる第1のキャッピング試薬;および/または(ii)非コンジュゲート化遊離スルフヒドリル残基をキャッピングすることができる第2のキャッピング試薬とを反応させるステップであって、それによって、eTEC結合糖コンジュゲートが生産され、糖が大腸菌(E.coli)に由来する、ステップを含み;組換え哺乳動物細胞中で、FimHに由来するポリペプチドまたはその断片をコードするポリヌクレオチドを発現させるステップ、および前記ポリペプチドまたはその断片を単離するステップをさらに含む方法。
C70.項目C1から項目C34のいずれか一項に記載の組成物を作製することを含む、項目C69に記載の方法。
C71.キャッピングステップe)が、チオール化された糖-担体タンパク質コンジュゲートと、(i)第1のキャッピング試薬としてのN-アセチル-L-システイン、および/または(ii)第2のキャッピング試薬としてのヨードアセトアミドとを反応させることを含む、項目C69から項目C70のいずれか一項に記載の方法。
C72.トリアゾールまたはイミダゾールとの反応によって糖を混合して、混合された糖を提供するステップをさらに含み、ステップa)の前に、混合された糖がシェル凍結され、凍結乾燥され、有機溶媒中で復元される、項目C69から項目C71のいずれか一項に記載の方法。
C73.ステップc)で生産されたチオール化された多糖の精製をさらに含み、精製ステップが透析濾過を含む、項目C69から項目C72のいずれか一項に記載の方法。
C74.透析濾過によるeTEC結合糖コンジュゲートの精製をさらに含む、項目C69から項目C73のいずれか一項に記載の方法。
C75.ステップa)における有機溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、アセトニトリル、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(DMPU)およびヘキサメチルホスホラミド(HMPA)のいずれか1つ、またはその混合物から選択される極性非プロトン性溶媒である、項目C69から項目C74のいずれか一項に記載の方法。
C76.KHPO、KHPO、(NHSO、クエン酸ナトリウム、NaSO、アスパラギン酸、グルコース、MgSO、FeSO-7HO、NaMoO-2HO、HBO、CoCl-6HO、CuCl-2HO、MnCl-4HO、ZnClおよびCaCl-2HOを含む培地。
C77.大腸菌(E.coli)を培養するために使用される、項目C76に記載の培地。
C78.培地中で組換え大腸菌(E.coli)を培養すること;前記培地中で前記細胞を培養することによって前記糖を生産することを含み、それによって、前記細胞が前記糖を産生する、項目C1からC34のいずれか一項に記載の糖を生産するための方法。
C79.培地が、KHPO、KHPO、(NHSO、クエン酸ナトリウム、NaSO、アスパラギン酸、グルコース、MgSO、FeSO-7HO、NaMoO-2HO、HBO、CoCl-6HO、CuCl-2HO、MnCl-4HO、ZnClおよびCaCl-2HOのいずれか1つから選択される要素を含む、項目C78に記載の方法。
C80.培地が大豆加水分解物を含む、項目C78に記載の方法。
C81.培地が酵母抽出物を含む、項目C78に記載の方法。
C82.培地が大豆加水分解物および酵母抽出物をさらに含まない、項目C78に記載の方法。
C83.大腸菌(E.coli)細胞が、wzzB、wzz、wzzSF、wzzST、fepE、wzzfepE、wzz1およびwzz2のいずれか1つから選択される異種wzzファミリータンパク質を含む、項目C78に記載の方法。
C84.大腸菌(E.coli)細胞が、wzzB、wzz、wzzSF、wzzST、fepE、wzzfepE、wzz1およびwzz2のいずれか1つから選択されるサルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)wzzファミリータンパク質を含む、項目C78に記載の方法。
C85.wzzファミリータンパク質が、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、および配列番号19のいずれか1つから選択される配列を含む、項目C84に記載の方法。
C86.培養が、120OD600/mLを超える収率をもたらす、項目C78に記載の方法。
C87.糖を精製することをさらに含む、項目C78に記載の方法。
C88.精製ステップが、以下のいずれか1つ:透析、濃縮操作、透析濾過操作、接線流濾過、沈降、溶出、遠心分離、沈降、限外濾過、深層濾過、およびカラムクロマトグラフィー(イオン交換クロマトグラフィー、マルチモードイオン交換クロマトグラフィー、DEAE、および疎水性相互作用クロマトグラフィー)を含む、項目C78に記載の方法。
C89.対象に項目C1から項目C68のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、哺乳動物において免疫応答を誘導するための方法。
C90.免疫応答が抗大腸菌(E.coli)O特異的多糖血清抗体の誘導を含む、項目C89に記載の方法。
C91.免疫応答が抗大腸菌(E.coli)IgG抗体の誘導を含む、項目C89に記載の方法。
C92.免疫応答が大腸菌(E.coli)に対する殺菌活性の誘導を含む、項目C89に記載の方法。
C93.免疫応答が大腸菌(E.coli)に対するオプソニン貪食作用抗体の誘導を含む、項目C89に記載の方法。
C94.免疫応答が、初回投与後に少なくとも1,000~200,000の幾何平均力価(GMT)レベルを含む、項目C89に記載の方法。
C95.組成物が、式O25(式中、nは40~100の整数である)を含む糖を含み、免疫応答が、初回投与後に少なくとも1,000~200,000の幾何平均力価(GMT)レベルを含む、項目C89に記載の方法。
C96.哺乳動物が、尿路感染、胆嚢炎、胆管炎、下痢、溶血性尿毒症症候群、新生児髄膜炎、尿性敗血症、腹腔内感染、髄膜炎、合併肺炎、創傷感染、前立腺生検後関連感染、新生児/幼児敗血症、好中球減少性発熱、および他の血流感染;肺炎、菌血症、および敗血症から選択される状態のいずれか1つのリスクがある、項目C89に記載の方法。
C97.哺乳動物が、尿路感染、胆嚢炎、胆管炎、下痢、溶血性尿毒症症候群、新生児髄膜炎、尿性敗血症、腹腔内感染、髄膜炎、合併肺炎、創傷感染、前立腺生検後関連感染、新生児/幼児敗血症、好中球減少性発熱、および他の血流感染;肺炎、菌血症、および敗血症から選択される状態のいずれか1つを有する、項目C89に記載の方法。
C98.(i)腸外病原性大腸菌(Escherichia coli)に対する、対象における免疫応答を誘導するため、(ii)腸外病原性大腸菌(Escherichia coli)に対する、対象における免疫応答を誘導するため、または(iii)腸外病原性大腸菌(Escherichia coli)に特異的である、対象におけるオプソニン貪食作用抗体の産生を誘導するための方法であって、対象に、有効量の項目C1から項目C68のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む方法。
C99.対象が尿路感染を発症するリスクがある、項目C98に記載の方法。
C100.対象が菌血症を発症するリスクがある、項目C98に記載の方法。
C101.対象が敗血症を発症するリスクがある、項目C98に記載の方法。
C102.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;ならびに(i)担体タンパク質に共有的にカップリングした大腸菌(E.coli)O25B抗原のコンジュゲート、(ii)担体タンパク質に共有的にカップリングした大腸菌(E.coli)O1A抗原のコンジュゲート、(iii)担体タンパク質に共有的にカップリングした大腸菌(E.coli)O2抗原のコンジュゲート、および(iv)担体タンパク質に共有的にカップリングしたO6抗原のコンジュゲートを含む組成物であって、大腸菌(E.coli)O25B抗原が式O25B(式中、nは30より大きい整数である)の構造を含む、組成物。
C103.担体タンパク質が、ポリ(L-リシン)、緑膿菌(P.aeruginosa)の解毒された外毒素A(EPA)、CRM197、マルトース結合タンパク質(MBP)、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、黄色ブドウ球菌(S.aureus)の解毒された溶血素A、クランピング因子A、クランピング因子B、コレラ毒素Bサブユニット(CTB)、コレラ毒素、コレラ毒素の解毒されたバリアント、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)ニューモリシンおよびその解毒されたバリアント、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)AcrA、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)天然糖タンパク質ならびに連鎖球菌(Streptococcal)C5aペプチダーゼ(SCP)からなる群から選択される、項目C102に記載の組成物。
C104.(i)腸外病原性大腸菌(Escherichia coli)に対する、対象における免疫応答を誘導するため、(ii)腸外病原性大腸菌(Escherichia coli)に対する、対象における免疫応答を誘導するため、または(iii)腸外病原性大腸菌(Escherichia coli)に特異的である、対象におけるオプソニン貪食作用抗体の産生を誘導するための方法であって、対象に、有効量の項目C51に記載の組成物を投与することを含む方法。
C105.対象が尿路感染を発症するリスクがある、項目C104に記載の方法。
C106.対象が菌血症を発症するリスクがある、項目C104に記載の方法。
C107.対象が敗血症を発症するリスクがある、項目C104に記載の方法。
C108.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および大腸菌(E.coli)の対応する野生型O多糖と比較して、少なくとも5個の反復単位の増加を含む糖を含む組成物。
C109.糖が式O25aを含み、大腸菌(E.coli)が大腸菌(E.coli)血清型O25aである、項目C108に記載の組成物。
C110.糖が式O25bを含み、大腸菌(E.coli)が大腸菌(E.coli)血清型O25bである、項目C108に記載の組成物。
C111.糖が式O2を含み、大腸菌(E.coli)が大腸菌(E.coli)血清型O2である、項目C108に記載の組成物。
C112.糖が式O6を含み、大腸菌(E.coli)が大腸菌(E.coli)血清型O6である、項目C108に記載の組成物。
C113.糖が式O1を含み、大腸菌(E.coli)が大腸菌(E.coli)血清型O1である、項目C108に記載の組成物。
C114.糖が式O17を含み、大腸菌(E.coli)が大腸菌(E.coli)血清型O17である、項目C108に記載の組成物。
C115.糖が、式O1、式O2、式O3、式O4、式O5、式O6、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23、式O24、式O25、式O25b、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、および式O187(式中、nは5~1000の整数である)から選択される構造を含む、項目C108に記載の組成物。
C116.大腸菌(E.coli)が、O1、O2、O3、O4、O5、O6、O7、O8、O9、O10、O11、O12、O13、O14、O15、O16、O17、O18、O19、O20、O21、O22、O23、O24、O25、O25b、O26、O27、O28、O29、O30、O32、O33、O34、O35、O36、O37、O38、O39、O40、O41、O42、O43、O44、O45、O46、O48、O49、O50、O51、O52、O53、O54、O55、O56、O57、O58、O59、O60、O61、O62、O63、O64、O65、O66、O68、O69、O70、O71、O73、O74、O75、O76、O77、O78、O79、O80、O81、O82、O83、O84、O85、O86、O87、O88、O89、O90、O91、O92、O93、O95、O96、O97、O98、O99、O100、O101、O102、O103、O104、O105、O106、O107、O108、O109、O110、0111、O112、O113、O114、O115、O116、O117、O118、O119、O120、O121、O123、O124、O125、O126、O127、O128、O129、O130、O131、O132、O133、O134、O135、O136、O137、O138、O139、O140、O141、O142、O143、O144、O145、O146、O147、O148、O149、O150、O151、O152、O153、O154、O155、O156、O157、O158、O159、O160、O161、O162、O163、O164、O165、O166、O167、O168、O169、O170、O171、O172、O173、O174、O175、O176、O177、O178、O179、O180、O181、O182、O183、O184、O185、O186、およびO187からなる群から選択される大腸菌(E.coli)血清型である、項目C108に記載の組成物。
C117.糖が、前記糖を生成するグラム陰性細菌中でwzzファミリータンパク質を過剰発現させることを含む、培養物中のグラム陰性細菌によって産生されるO多糖の反復単位を増加させることによって生産される、項目C108に記載の組成物。
C118.過剰発現されるwzzファミリータンパク質が、wzzB、wzz、wzzSF、wzzST、fepE、wzzfepE、wzz1およびwzz2からなる群から選択される、項目C117に記載の組成物。
C119.過剰発現されるwzzファミリータンパク質がwzzBである、項目C117に記載の組成物。
C120.過剰発現されるwzzファミリータンパク質がfepEである、項目C117に記載の組成物。
C121.過剰発現されるwzzファミリータンパク質がwzzBおよびfepEである、項目C117に記載の組成物。
C122.糖が合成的に合成される、項目C108に記載の組成物。
C123.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および担体タンパク質に共有結合した、項目C108に記載の糖を含むコンジュゲートを含む組成物。
C124.担体タンパク質がCRM197である、項目C123に記載の組成物。
C125.糖が、式O1、式O2、式O3、式O4、式O5、式O6、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23、式O24、式O25、式O25b、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、および式O187(式中、nは5~1000の整数である)から選択される構造を含む、項目C123に記載の組成物。
C126.前記糖が、対応する野生型O多糖と比較して、少なくとも5個の反復単位の増加を含む、項目C123に記載の組成物。
C127.薬学的に許容できる希釈剤をさらに含む、項目C1に記載の組成物。
C128.アジュバントをさらに含む、項目C127に記載の組成物。
C129.アルミニウムをさらに含む、項目C127に記載の組成物。
C130.QS-21をさらに含む、項目C127に記載の組成物。
C131.アジュバントを含まない、項目C127に記載の組成物。
C132.対象に、項目C127に記載の組成物を投与することを含む、対象における免疫応答を誘導するための方法。
C133.薬学的に許容できる希釈剤をさらに含む、項目C123に記載の組成物。
C134.対象に、項目C133に記載の組成物を投与することを含む、対象における免疫応答を誘導するための方法。
C135.免疫応答が抗大腸菌(E.coli)O特異的多糖血清抗体の誘導を含む、項目C132またはC134に記載の方法。
C136.抗大腸菌(E.coli)O特異的多糖血清抗体がIgG抗体である、項目C135に記載の方法。
C137.抗大腸菌(E.coli)O特異的多糖血清抗体が、大腸菌(E.coli)に対する殺菌活性を有するIgG抗体である、項目C135に記載の方法。
C138.多糖がカルバメート結合を介してeTECスペーサーに共有結合され、担体タンパク質がアミド結合を介してeTECスペーサーに共有結合されている、FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)スペーサーを介して担体タンパク質にコンジュゲートされた、大腸菌(E.coli)に由来する糖を含む免疫原性組成物。
C139.薬学的に許容できる賦形剤、担体または希釈剤をさらに含む、項目C138に記載の免疫原性組成物。
C140.糖が大腸菌(E.coli)に由来するO抗原である、項目C138に記載の免疫原性組成物。
C141.糖が、式O1、式O2、式O3、式O4、式O5、式O6、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23、式O24、式O25、式O25b、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、および式O187(式中、nは5~1000の整数である)から選択される構造を含む、項目C138に記載の免疫原性組成物。
C142.糖が75~100%のOアセチル化度を有する、項目C138に記載の免疫原性組成物。
C143.担体タンパク質がCRM197である、項目C138に記載の免疫原性組成物。
C144.CRM197が、eTECスペーサーを介して多糖に共有結合された2~20個のリシン残基を含む、項目C143に記載の免疫原性組成物。
C145.CRM197が、eTECスペーサーを介して多糖に共有結合された4~16個のリシン残基を含む、項目C143に記載の免疫原性組成物。
C146.さらなる抗原をさらに含む、項目C138に記載の免疫原性組成物。
C147.アジュバントをさらに含む、項目C138に記載の免疫原性組成物。
C148.アジュバントが、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムおよび水酸化アルミニウムからなる群から選択されるアルミニウムに基づくアジュバントである、項目C147に記載の免疫原性組成物。
C149.アジュバントを含まない、項目C138に記載の免疫原性組成物。
C150.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および担体タンパク質にコンジュゲートされた、大腸菌(E.coli)に由来する糖を含む糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物であって、糖コンジュゲートが還元的アミノ化を使用して調製されている、免疫原性組成物。
C151.薬学的に許容できる賦形剤、担体または希釈剤をさらに含む、項目C150に記載の免疫原性組成物。
C152.糖が大腸菌(E.coli)に由来するO抗原である、項目C150に記載の免疫原性組成物。
C153.糖が、式O1、式O2、式O3、式O4、式O5、式O6、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23、式O24、式O25、式O25b、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、および式O187(式中、nは5~1000の整数である)から選択される構造を含む、項目C150に記載の免疫原性組成物。
C154.糖が75~100%のOアセチル化度を有する、項目C150に記載の免疫原性組成物。
C155.担体タンパク質がCRM197である、項目C150に記載の免疫原性組成物。
C156.さらなる抗原をさらに含む、項目C150に記載の免疫原性組成物。
C157.アジュバントをさらに含む、項目C150に記載の免疫原性組成物。
C158.アジュバントが、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムおよび水酸化アルミニウムからなる群から選択されるアルミニウムに基づくアジュバントである、項目C157に記載の免疫原性組成物。
C159.アジュバントを含まない、項目C150に記載の免疫原性組成物。
C160.対象に、項目C138からC159のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、対象における免疫応答を誘導するための方法。
C161.免疫応答が抗大腸菌(E.coli)O特異的多糖血清抗体の誘導を含む、項目C160に記載の方法。
C162.抗大腸菌(E.coli)O特異的多糖血清抗体がIgG抗体である、項目C135に記載の方法。
C163.抗大腸菌(E.coli)O特異的多糖血清抗体が、大腸菌(E.coli)に対する殺菌活性を有するIgG抗体である、項目C135に記載の方法。
C164.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および式O1、式O1A、式O1B、式O1C、式O2、式O3、式O4、式O4:K52、式O4:K6、式O5、式O5ab、式O5ac、式O6、式O6:K2;K13;K15、式O6:K54、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、式O18B1、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23、式O23A、式O24、式O25、式O25a、式O25b、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45、式O45、式O45rel、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73、式O73、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、式O187(式中、nは、対応する野生型大腸菌(E.coli)多糖中の反復単位数よりも大きい)のいずれか1つから選択される構造を含む糖を含む組成物。
C165.nが31~100の整数である、項目C164に記載の組成物。
C166.糖が、式O1A、式O1B、および式O1C、式O2、式O6、ならびに式O25Bのいずれか1つに記載の構造を含む、項目C164に記載の組成物。
C167.糖が、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、および配列番号39のいずれか1つに対して少なくとも90%の配列同一性を有するwzzファミリータンパク質を発現する組換え宿主細胞中で産生される、項目C164に記載の組成物。
C168.タンパク質が、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34のいずれか1つを含む、項目C167に記載の組成物。
C169.合成的に合成される、項目C164に記載の糖。
C170.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲートを含む組成物であって、前記糖が、式O1、式O1A、式O1B、式O1C、式O2、式O3、式O4、式O4:K52、式O4:K6、式O5、式O5ab、式O5ac、式O6、式O6:K2;K13;K15、式O6:K54、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、式O18B1、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23、式O23A、式O24、式O25、式O25a、式O25b、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45、式O45、式O45rel、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式O62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73、式O73、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、または式O187(式中、nは1~100の整数である)のいずれか1つから選択される構造を含む、組成物。
C171.糖が、式O25b、式O1A、式O2、および式O6のいずれか1つを含む、項目C170に記載の組成物。
C172.糖が、大腸菌(E.coli)R1部分、大腸菌(E.coli)R2部分、大腸菌(E.coli)R3部分、大腸菌(E.coli)R4部分、および大腸菌(E.coli)K-12部分のいずれか1つをさらに含む、項目C170に記載の組成物。
C173.糖が、大腸菌(E.coli)R1部分、大腸菌(E.coli)R2部分、大腸菌(E.coli)R3部分、大腸菌(E.coli)R4部分、および大腸菌(E.coli)K-12部分のいずれか1つをさらに含まない、項目C170に記載の組成物。糖が大腸菌(E.coli)R2部分をさらに含まない、項目C170に記載の組成物。
C174.糖が、3-デオキシ-d-マンノ-オクタ-2-ウロソン酸(KDO)部分をさらに含む、項目C170に記載の組成物。
C175.担体タンパク質が、CRM197、ジフテリア毒素断片B(DTFB)、DTFB C8、ジフテリアトキソイド(DT)、破傷風トキソイド(TT)、TTの断片C、百日咳トキソイド、コレラトキソイド、または緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に由来する外毒素A;緑膿菌(P.aeruginosa)の解毒された外毒素A(EPA)、マルトース結合タンパク質(MBP)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)の解毒された溶血素A、クランピング因子A、クランピング因子B、コレラ毒素Bサブユニット(CTB)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)ニューモリシンおよびその解毒されたバリアント、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)AcrA、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)天然糖タンパク質ならびに連鎖球菌(Streptococcal)C5aペプチダーゼ(SCP)のいずれか1つから選択される、項目C170に記載の組成物。
C176.担体タンパク質がCRM197である、項目C170に記載の組成物。
C177.担体タンパク質が破傷風トキソイドである、項目C170に記載の組成物。
C178.糖のタンパク質に対する比が少なくとも0.5から、最大でも2である、項目C170に記載の組成物。
C179.還元的アミノ化によって調製されている、項目C170に記載の組成物。
C180.糖が(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)スペーサーを介して担体タンパク質にコンジュゲートされている、項目C170に記載の組成物。
C181.糖が単一末端結合コンジュゲート化糖である、項目C170に記載の組成物。
C182.糖が、3-デオキシ-d-マンノ-オクタ-2-ウロソン酸(KDO)残基を介して担体タンパク質にコンジュゲートされている、項目C174に記載の組成物。
C183.CDAP化学反応によって調製されている、項目C170に記載の組成物。
C184.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;ならびに(a)式O25b(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、(b)式O1A(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、(c)式O2(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、および(d)式O6(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲートを含む組成物。
C185.式O15、式O16、式O17、式O18および式O75(式中、nは31~90の整数である)のうちのいずれか1つから選択される構造を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲートをさらに含む、項目C184に記載の組成物。
C186.組成物中の糖の総量と比較して最大でも約25%の遊離糖を含む、項目C184に記載の組成物。
C187.哺乳動物に、有効量の項目C184からC186のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、哺乳動物において大腸菌(Escherichia coli)に対する免疫応答を惹起する方法。
C188.免疫応答が大腸菌(E.coli)に対するオプソニン貪食作用抗体を含む、項目C187に記載の方法。
C189.免疫応答が大腸菌(E.coli)感染から哺乳動物を保護する、項目C187に記載の方法。
C190.(a)大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片をコードする第1の目的の遺伝子を含む哺乳動物細胞であって、遺伝子が少なくとも2つの組換え標的部位(RTS)の間に組み込まれている、哺乳動物細胞。
C191.2つのRTSが、NL1遺伝子座またはNL2遺伝子座内に染色体的に組み込まれている、項目C190に記載の実施形態。
C192.第1の目的の遺伝子が、リポーター遺伝子、発現させるのが困難なタンパク質をコードする遺伝子、補助遺伝子またはその組合せをさらに含む、項目C190に記載の実施形態。
C193.(a)の遺伝子座とは異なる第2の染色体遺伝子座内に組み込まれている第2の目的の遺伝子をさらに含み、第2の目的の遺伝子が、リポーター遺伝子、発現させるのが困難なタンパク質をコードする遺伝子、補助遺伝子またはその組合せを含む、項目C190に記載の実施形態。
C194.大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片をコードするポリヌクレオチドを含む組換え哺乳動物細胞。
C195.ポリペプチドが大腸菌(E.coli)線毛H(FimH)に由来する、C194に記載の組換え細胞。
C196.ポリペプチドが、ポリペプチドのN末端にフェニルアラニン残基を含む、C195に記載の組換え細胞。
C197.ポリペプチドが、N末端の最初の20残基以内の位置にフェニルアラニン残基を含む、C195に記載の組換え細胞。
C198.ポリペプチドが、ポリペプチドの1位にフェニルアラニン残基を含む、C195に記載の組換え細胞。
C199.ポリペプチドが、ポリペプチドの1位のフェニルアラニン残基の直前にグリシン残基を含まない、C198に記載の組換え細胞。
C200.ポリペプチドが、ポリペプチドの7位にNグリコシル化部位を含まない、C195に記載の組換え細胞。
C201.ポリペプチドが、ポリペプチドの7位にAsn残基を含まない、C199に記載の組換え細胞。
C202.ポリペプチドが、7位にSer、Asp、Thr、およびGlnからなる群から選択される残基を含む、C201に記載の組換え細胞。
C203.ポリペプチドが、ポリペプチドの70位にNグリコシル化部位を含まない、C198に記載の組換え細胞。
C204.ポリペプチドが、ポリペプチドの70位にAsn残基を含まない、C203に記載の組換え細胞。
C205.ポリペプチドが、ポリペプチドの70位にSer残基を含まない、C203に記載の組換え細胞。
C206.ポリペプチドが、ポリペプチドのNグリコシル化部位にSer、Asp、Thr、およびGlnからなる群から選択される残基置換を含む、C194に記載の組換え細胞。
C207.Nグリコシル化部位が、ポリペプチドのN235位を含む、C206に記載の組換え細胞。
C208.Nグリコシル化部位が、ポリペプチドのN228位を含む、C206に記載の組換え細胞。
C209.Nグリコシル化部位が、ポリペプチドのN235位およびN228位を含む、C206に記載の組換え細胞。
C210.ポリペプチドが、配列番号3を含む、C195に記載の組換え細胞。
C211.ポリペプチドが、配列番号2を含む、C195に記載の組換え細胞。
C212.ポリペプチドが、ポリペプチドの1位に脂肪族疎水性アミノ酸残基を含む、C194に記載の組換え細胞。
C213.脂肪族疎水性アミノ酸残基が、Ile、Leu、およびValからなる群から選択される、C212に記載の組換え細胞。
C214.ポリペプチドが、FimHの断片を含む、C194に記載の組換え細胞。
C215.ポリペプチドが、FimHのレクチンドメインを含む、C214に記載の組換え細胞。
C216.レクチンドメインが、約17022ダルトンの質量を含む、C215に記載の組換え細胞。
C217.ポリペプチドが、FimCポリペプチドまたはその断片と複合体化されている、C194に記載の組換え細胞。
C218.FimCポリペプチドまたはその断片が、FimCポリペプチドまたはその断片の37位にグリシン残基を含む、C217に記載の組換え細胞。
C219.ポリペプチドが、低親和性コンフォメーションである、C195に記載の組換え細胞。
C220.ポリペプチドが、FimGによって安定化されている、C195に記載の組換え細胞。
C221.ポリペプチドが、FimG(DsG)のドナー鎖ペプチドによって安定化されている、C195に記載の組換え細胞。
C222.ポリヌクレオチド配列が、リンカー配列をさらにコードする、C221に記載の組換え細胞。
C223.リンカーが、少なくとも4個のアミノ酸残基および多くても15個のアミノ酸残基を含む、C222に記載の組換え細胞。
C224.リンカーが、少なくとも5個のアミノ酸残基および多くても10個のアミノ酸残基を含む、C222に記載の組換え細胞。
C225.リンカーが、7個のアミノ酸残基を含む、C222に記載の組換え細胞。
C226.ポリペプチドが、天然FimHリーダーペプチド、インフルエンザヘマグルチニンシグナルペプチド、およびヒト呼吸器合胞体ウイルスA(A2株)融合糖タンパク質F0シグナルペプチドからなる群から選択されるシグナルペプチドを含まない、C194に記載の組換え細胞。
C227.ポリペプチドが、マウスIgKシグナルペプチド配列を含む、C194に記載の組換え細胞。
C228.ポリペプチドが、ヒトIgG受容体FcRn大サブユニットp51シグナルペプチドおよびヒトIL10タンパク質シグナルペプチドから選択されるいずれか1つのシグナルペプチド配列を含む、C194に記載の組換え細胞。
C229.ポリペプチドが、配列番号3の番号付けによる、アミノ酸60位でのアルギニンからプロリンへの突然変異(R60P)を含む、C195に記載の組換え細胞。
C230.ポリペプチドの発現レベルが、野生型大腸菌(E.coli)細胞のペリプラズム中で発現される対応する野生型ポリペプチドの発現レベルよりも高い、C194に記載の組換え細胞。
C231.ポリペプチドの発現レベルが、10mg/Lよりも高い、C194に記載の組換え細胞。
C232.ポリヌクレオチド配列が、前記哺乳動物細胞のゲノムDNA中に組み込まれる、C194に記載の組換え細胞。
C233.ポリヌクレオチド配列が、細胞中での発現のためにコドン最適化される、C194に記載の組換え細胞。
C234.ヒト胚性腎細胞である、C194に記載の組換え細胞。
C235.ヒト胚性腎細胞が、HEK293細胞を含む、C234に記載の組換え細胞。
C236.HEK293細胞が、HEK293T細胞、HEK293TS細胞、およびHEK293E細胞のいずれか1つから選択される、C235に記載の組換え細胞。
C237.CHO細胞である、C195に記載の組換え細胞。
C238.前記CHO細胞が、CHO-K1細胞、CHO-DUXB11、CHO-DG44細胞、またはCHO-S細胞である、C237に記載の組換え細胞。
C239.ポリペプチドが可溶性である、C194に記載の組換え細胞。
C240.ポリペプチドが細胞から分泌される、C194に記載の組換え細胞。
C241.ポリペプチドが、配列番号1の番号付けによる、N28Q置換を含む、C195に記載の組換え細胞。
C242.ポリペプチドが、配列番号1の番号付けによる、N28D置換を含む、C195に記載の組換え細胞。
C243.ポリペプチドが、配列番号1の番号付けによる、N28S置換を含む、C195に記載の組換え細胞。
C244.ポリペプチドが、配列番号1の番号付けによる、N28Q、V48C、およびL55Cのいずれか1つから選択される置換を含む、C195に記載の組換え細胞。
C245.ポリペプチドが、配列番号1の番号付けによる、置換N92Sを含む、C195に記載の組換え細胞。
C246.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片が、配列番号1の番号付けによる、V48CおよびL55Cのいずれか1つから選択される置換を含む、C194に記載の組換え細胞。
C247.少なくとも5リットルのサイズである、C194に記載の組換え細胞を含む培養物。
C248.ポリペプチドまたはその断片の収率が、少なくとも0.05g/Lである、C242に記載の培養物。
C249.ポリペプチドまたはその断片の収率が、少なくとも0.10g/Lである、C248に記載の培養物。
C250.大腸菌(E.coli)に由来するポリペプチドまたはその断片を生産するための方法であって、好適な条件下でC194に記載の組換え哺乳動物細胞を培養することによって、ポリペプチドまたはその断片を発現させること;およびポリペプチドまたはその断片を収集することを含む方法。
C251.ポリペプチドまたはその断片を精製することをさらに含む、C250に記載の方法。
C252.細胞が、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、および配列番号27のいずれか1つをコードする核酸を含む、C250に記載の方法。
C253.ポリペプチドまたはその断片の収率が、少なくとも0.05g/Lである、C250に記載の方法。
C254.ポリペプチドまたはその断片の収率が、少なくとも0.10g/Lである、C250に記載の方法。
C255.配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号28、および配列番号29のいずれか1つに対して少なくとも70%の同一性を有するポリペプチドを含む組成物。
C256.表1中のいずれか1つの式から選択される構造を含む糖をさらに含む、C255に記載の組成物。
C257.糖が担体タンパク質に共有結合している、C256に記載の組成物。
C258.担体タンパク質が、ポリ(L-リシン)、CRM197、ジフテリア毒素断片B(DTFB)、DTFB C8、ジフテリアトキソイド(DT)、破傷風トキソイド(TT)、TTの断片C、百日咳トキソイド、コレラトキソイド、または緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に由来する外毒素A;緑膿菌(P.aeruginosa)の解毒された外毒素A(EPA)、マルトース結合タンパク質(MBP)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)の解毒された溶血素A、クランピング因子A、クランピング因子B、コレラ毒素Bサブユニット(CTB)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)ニューモリシンおよびその解毒されたバリアント、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)AcrA、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)天然糖タンパク質ならびに連鎖球菌(Streptococcal)C5aペプチダーゼ(SCP)のいずれか1つから選択される、C257に記載の組成物。
C259.担体タンパク質がCRM197である、C257に記載の組成物。
C260.担体タンパク質が破傷風トキソイド(TT)である、C257に記載の組成物。
C261.担体タンパク質がポリ(L-リシン)である、C257に記載の組成物。
C262.糖が還元的アミノ化によって担体タンパク質に共有結合している、C257に記載の組成物。
C263.糖がCDAP化学によって担体タンパク質に共有結合している、C257に記載の組成物。
C264.糖が単一末端結合コンジュゲーションによって担体タンパク質に共有結合している、C257に記載の組成物。
C265.糖が(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)スペーサーを介して担体タンパク質に共有結合している、C257に記載の組成物。
C266.配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、および配列番号27からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。
C267.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;および式O1、式O1A、式O1B、式O1C、式O2、式O3、式O4、式O4:K52、式O4:K6、式O5、式O5ab、式O5ac、式O6、式O6:K2;K13;K15、式O6:K54、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、式O18B1、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23、式O23A、式O24、式O25、式O25a、式O25b、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45、式O45、式O45rel、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73、式O73、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、式O187のいずれか1つから選択される構造を含む糖を含む組成物。
C268.O1、O2、O3、およびO5からなる群から選択されるいずれか1つのクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型に由来する少なくとも1つの糖をさらに含む、項目C267に記載の組成物。
C269.クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)型O1に由来する糖をさらに含む、項目C267に記載の組成物。
C270.クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型O2に由来する糖をさらに含む、項目C267に記載の組成物。
C271.クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型O3に由来する糖をさらに含む、項目C267に記載の組成物。
C272.クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型O5に由来する糖をさらに含む、項目C267に記載の組成物。
C273.クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型O1に由来する糖およびクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型O2に由来する糖をさらに含む、項目C267に記載の組成物。
C274.クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に由来する糖が、担体タンパク質にコンジュゲートされている;および大腸菌(E.coli)に由来する糖が、担体タンパク質にコンジュゲートされている、項目C268に記載の組成物。
C275.クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に由来するポリペプチドをさらに含む、項目C267に記載の組成物。
C276.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片;ならびにO1、O2、O3、およびO5からなる群から選択されるいずれか1つのクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型に由来する少なくとも1つの糖を含む組成物。
C277.式O1、式O1A、式O1B、式O1C、式O2、式O3、式O4、式O4:K52、式O4:K6、式O5、式O5ab、式O5ac、式O6、式O6:K2;K13;K15、式O6:K54、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、式O18B1、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23、式O23A、式O24、式O25、式O25a、式O25b、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45、式O45、式O45rel、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73、式O73、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、式O187のいずれかつから選択される構造を含む少なくとも1つの糖をさらに含む、項目C276に記載の組成物。
C278.クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に由来する糖が、担体タンパク質にコンジュゲートされている;および大腸菌(E.coli)に由来する糖が、担体タンパク質にコンジュゲートされている、項目C277に記載の組成物。
C279.クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に由来するポリペプチドをさらに含む、項目C277に記載の組成物。
C280.O1、O2、O3、およびO5からなる群から選択されるいずれか1つのクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型に由来する少なくとも1つの糖;ならびに式O1、式O1A、式O1B、式O1C、式O2、式O3、式O4、式O4:K52、式O4:K6、式O5、式O5ab、式O5ac、式O6、式O6:K2;K13;K15、式O6:K54、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、式O18B1、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23、式O23A、式O24、式O25、式O25a、式O25b、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45、式O45、式O45rel、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73、式O73、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、式O187のいずれか1つから選択される構造を含む少なくとも1つの糖を含む組成物。
C281.FimHに由来するポリペプチドまたはその断片をさらに含む、項目C280に記載の組成物。
C282.大腸菌(E.coli)糖が式O8を含む、項目C280に記載の組成物。
C283.大腸菌(E.coli)糖が式O9を含む、項目C280に記載の組成物。
C284.クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に由来するポリペプチドをさらに含む、項目C280に記載の組成物。
C285.糖が担体タンパク質に共有結合している、項目C267からC284のいずれかに記載の組成物。
C286.糖が、3-デオキシ-d-マンノ-オクタ-2-ウロソン酸(KDO)部分をさらに含む、項目C285に記載の組成物。
C287.糖が、リピドAを含む、項目C285に記載の組成物。
C288.糖が合成的に合成される、項目C285からC287のいずれか一項に記載の組成物。
C289.担体タンパク質が、CRM197、ジフテリア毒素断片B(DTFB)、DTFB C8、ジフテリアトキソイド(DT)、破傷風トキソイド(TT)、TTの断片C、百日咳トキソイド、コレラトキソイド、または緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に由来する外毒素A;緑膿菌(P.aeruginosa)の解毒された外毒素A(EPA)、マルトース結合タンパク質(MBP)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)の解毒された溶血素A、クランピング因子A、クランピング因子B、コレラ毒素Bサブユニット(CTB)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)ニューモリシンおよびその解毒されたバリアント、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)AcrA、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)天然糖タンパク質ならびに連鎖球菌(Streptococcal)C5aペプチダーゼ(SCP)のいずれか1つから選択される、項目C285に記載の組成物。
C290.哺乳動物に、有効量の項目C267からC289のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、哺乳動物において大腸菌(Escherichia coli)に対する免疫応答を惹起する方法。
C291.免疫応答が大腸菌(E.coli)に対するオプソニン貪食作用抗体を含む、項目C290に記載の方法。
C292.免疫応答が大腸菌(E.coli)感染から哺乳動物を保護する、項目C290に記載の方法。
C293.哺乳動物に、有効量の項目C267からC289のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、哺乳動物においてクレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)に対する免疫応答を惹起する方法。
C294.免疫応答がクレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)に対するオプソニン貪食作用抗体を含む、項目C293に記載の方法。
C295.免疫応答がクレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)感染から哺乳動物を保護する、項目C293に記載の方法。
C296.O1、O2、O3、およびO5からなる群から選択されるクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)型のいずれか1つに由来する少なくとも1つの糖をさらに含む、項目C1からC266のいずれか一項に記載の組成物および方法。
C297.クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O1が、バリアントO1V1またはO1V2を含む、項目C296に記載の組成物および方法。
C298.クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)血清型O2が、バリアントO2V1またはO2V2を含む、項目C296に記載の組成物および方法。
C299.本明細書に記載の項目C1からC298のいずれか一項に記載の組成物の使用。
C300.(i)線毛H(FimH)に由来するポリペプチドまたはその断片;ならびに
(ii)糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲートであって、前記糖が、式O1、式O1A、式O1B、式O1C、式O2、式O3、式O4、式O4:K52、式O4:K6、式O5、式O5ab、式O5ac、式O6、式O6:K2;K13;K15、式O6:K54、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、式O18B1、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23、式O23A、式O24、式O25、式O25a、式O25b、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45、式O45、式O45rel、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73、式O73、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、および式O187
(式中、nは1~100の整数である)
からなる群から選択される構造を含む、1つまたは複数のコンジュゲート
を含む組成物。
C301.糖が、式O25b、式O1A、式O2、式O6、式O8および式O9からなる群から選択される、項目C300に記載の組成物。
C302.糖が、式O25b、式O1A、式O2、および式O6からなる群から選択される、項目C301に記載の組成物。
C303.線毛抗原H(FimH)に由来するポリペプチドまたはその断片;ならびに
(a)式O25b(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
(b)式O1A(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
(c)式O2(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
(d)式O6(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
(e)式O8(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、および
(f)式O9(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート
を含む組成物。
C304.線毛抗原H(FimH)に由来するポリペプチドまたはその断片;ならびに
(a)式O25b(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
(b)式O1A(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
(c)式O2(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、および
(d)式O6(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート
を含む、項目C303に記載の組成物。
C305.式O15、式O16、式O17、式O18および式O75(式中、nは31~90の整数である)からなる群から選択される糖を有する1つまたは複数のコンジュゲートをさらに含む、項目C303またはC304に記載の組成物。7.糖が、大腸菌(E.coli)R1部分、大腸菌(E.coli)R2部分、大腸菌(E.coli)R3部分、大腸菌(E.coli)R4部分、および大腸菌(E.coli)K-12部分のいずれか1つをさらに含む、項目1から6のいずれか一項に記載の組成物。
C306.糖が、大腸菌(E.coli)R1部分、大腸菌(E.coli)R2部分、大腸菌(E.coli)R3部分、大腸菌(E.coli)R4部分、および大腸菌(E.coli)K-12部分のいずれか1つをさらに含まない、項目C300からC304のいずれか一項に記載の組成物。
C307.糖が、大腸菌(E.coli)R2部分をさらに含まない、項目C306に記載の組成物。
C308.糖が、3-デオキシ-d-マンノ-オクタ-2-ウロソン酸(KDO)部分をさらに含む、項目C300からC307のいずれか一項に記載の組成物。
C309.担体タンパク質が、CRM197、ジフテリア毒素断片B(DTFB)、DTFB C8、ジフテリアトキソイド(DT)、破傷風トキソイド(TT)、TTの断片C、百日咳トキソイド、コレラトキソイド、または緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に由来する外毒素A;緑膿菌(P.aeruginosa)の解毒された外毒素A(EPA)、マルトース結合タンパク質(MBP)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)の解毒された溶血素A、クランピング因子A、クランピング因子B、コレラ毒素Bサブユニット(CTB)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)ニューモリシンおよびその解毒されたバリアント、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)AcrA、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)天然糖タンパク質、ならびに連鎖球菌(Streptococcal)C5aペプチダーゼ(SCP)またはそのバリアントからなる群から選択される、項目C300からC308のいずれか一項に記載の組成物。
C310.担体タンパク質がCRM197である、項目C309に記載の組成物。
C311.担体タンパク質が破傷風トキソイドである、項目C309に記載の組成物。
C312.糖のタンパク質に対する比が、少なくとも0.5から最大でも2である、項目C300からC311のいずれか一項に記載の組成物。
C313.コンジュゲートが還元的アミノ化によって調製される、項目C300からC312のいずれか一項に記載の組成物。
C314.糖が、(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)スペーサーを介して担体タンパク質にコンジュゲートされている、項目C300からC312のいずれか一項に記載の組成物。
C315.糖が、単一末端結合コンジュゲート化糖である、項目C300からC314のいずれか一項に記載の組成物。
C316.糖が、3-デオキシ-d-マンノ-オクタ-2-ウロソン酸(KDO)残基を介して担体タンパク質にコンジュゲートされている、項目C308に記載の組成物。
C317.コンジュゲートがCDAP化学によって調製される、項目C300からC313のいずれか一項に記載の組成物。
C318.ポリペプチドが大腸菌(E.coli)線毛H(FimH)に由来する、項目C300からC317のいずれか一項に記載の組成物。
C319.ポリペプチドが、ポリペプチドのN末端にフェニルアラニン残基を含む、項目C318に記載の組成物。
C320.ポリペプチドが、N末端の最初の20残基以内の位置にフェニルアラニン残基を含む、項目C318に記載の組成物。
C321.ポリペプチドが、ポリペプチドの1位にフェニルアラニン残基を含む、項目C314に記載の組成物。
C322.ポリペプチドが、ポリペプチドの1位のフェニルアラニン残基の直前にグリシン残基を含まない、項目C317に記載の組成物。
C323.ポリペプチドが、ポリペプチドの7位にNグリコシル化部位を含まない、項目C314に記載の組成物。
C324.ポリペプチドが、ポリペプチドの7位にAsn残基を含まない、C318に記載の組成物。
C325.ポリペプチドが、7位にSer、Asp、Thr、およびGlnからなる群から選択される残基を含む、項目C320に記載の組成物。
C326.ポリペプチドが、ポリペプチドの70位にNグリコシル化部位を含まない、項目C317に記載の組成物。
C327.ポリペプチドが、ポリペプチドの70位にAsn残基を含まない、項目C322に記載の組成物。
C328.ポリペプチドが、ポリペプチドの70位にSer残基を含まない、項目C322に記載の組成物。
C329.ポリペプチドが、ポリペプチドのNグリコシル化部位にSer、Asp、Thr、およびGlnからなる群から選択される残基置換を含む、項目C314に記載の組成物。
C330.Nグリコシル化部位が、ポリペプチドのN235位を含む、項目C325に記載の組成物。
C331.Nグリコシル化部位が、ポリペプチドのN228位を含む、項目C325に記載の組成物。
C332.Nグリコシル化部位が、ポリペプチドのN235位およびN228位を含む、項目C325に記載の組成物。
C333.ポリペプチドが配列番号2を含む、項目C314に記載の組成物。
C334.ポリペプチドが配列番号3を含む、項目C314に記載の組成物。
C335.ポリペプチドが、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号27、配列番号110、配列番号111、配列番号112および配列番号113からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するアミノ酸を含む、項目C314に記載の組成物。
C336.ポリペプチドが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号110、配列番号111、配列番号112および配列番号113からなる群に対して少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するアミノ酸を含む、項目C314に記載の組成物。
C337.ポリペプチドが、ポリペプチドの1位に脂肪族疎水性アミノ酸残基を含む、項目C314に記載の組成物。
C338.脂肪族疎水性アミノ酸残基が、Ile、Leu、およびValからなる群から選択される、項目C333に記載の組成物。
C339.ポリペプチドがFimHの断片を含む、項目C314に記載の組成物。
C340.ポリペプチドがFimHのレクチンドメインを含む、項目C335に記載の組成物。
C341.レクチンドメインが、約17022ダルトンの質量を含む、項目C336に記載の組成物。
C342.ポリペプチドが、FimCポリペプチドまたはその断片と複合体化されている、項目C314に記載の組成物。
C343.FimCポリペプチドまたはその断片が、FimCポリペプチドまたはその断片の37位にグリシン残基を含む、項目C338に記載の組成物。
C344.ポリペプチドが、低親和性コンフォメーションである、項目C314に記載の組成物。
C345.ポリペプチドが、FimGによって安定化されている、項目C314に記載の組成物。
C346.ポリペプチドが、FimG(DsG)のドナー鎖ペプチドによって安定化されている、項目C314に記載の組成物。
C347.ポリペプチドがリンカーをさらに含む、項目C346に記載の組成物。
C348.リンカーが、少なくとも4個のアミノ酸残基および多くても15個のアミノ酸残基を含む、項目C343に記載の組成物。
C349.リンカーが、少なくとも5個のアミノ酸残基および多くても10個のアミノ酸残基を含む、項目C343に記載の組成物。
C350.リンカーが、7個のアミノ酸残基を含む、項目C343に記載の組成物。
C351.ポリペプチドが、天然FimHリーダーペプチド、インフルエンザ血球凝集素シグナルペプチド、およびヒト呼吸器合胞体ウイルスA(A2株)融合糖タンパク質F0シグナルペプチドからなる群から選択されるシグナルペプチドを含まない、項目C314に記載の組成物。
C352.ポリペプチドが、マウスIgKシグナルペプチド配列を含む、項目C314に記載の組成物。
C353.ポリペプチドが、ヒトIgG受容体FcRn大サブユニットp51シグナルペプチドおよびヒトIL10タンパク質シグナルペプチドから選択されるいずれか1つのシグナルペプチド配列を含む、項目C314に記載の組成物。
C354.ポリペプチドが、配列番号3の番号付けによる、アミノ酸60位でのアルギニンからプロリンへの突然変異(R60P)を含む、項目C314に記載の組成物。
C355.組成物中の糖の総量と比較して最大でも約25%の遊離糖を含む、項目C300からC354に記載の組成物。
C356.1つまたは複数のコンジュゲートをさらに含み、コンジュゲートが、O1およびO2から選択されるクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原に共有結合した担体タンパク質を含む、項目C300からC354のいずれか一項に記載の組成物。
C357.クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原が、a)血清型O1サブタイプv1(O1v1)、b)血清型O1サブタイプv2(O1v2)、c)血清型O2サブタイプv1(O2v1)、およびd)血清型O2サブタイプv2(O2v2)からなる群から選択される、項目C356に記載の組成物。
C358.(i)血清型O1サブタイプv1(O1v1)、血清型O1サブタイプv2(O1v2)、血清型O2サブタイプv1(O2v1)、および血清型O2サブタイプv2(O2v2)からなる群から選択されるクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原に共有結合した担体タンパク質を含む1つまたは複数のコンジュゲート;ならびに
(ii)糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲートであって、前記糖が、式O1、式O1A、式O1B、式O1C、式O2、式O3、式O4、式O4:K52、式O4:K6、式O5、式O5ab、式O5ac、式O6、式O6:K2;K13;K15、式O6:K54、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、式O18B1、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23、式O23A、式O24、式O25、式O25a、式O25b、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45、式O45、式O45rel、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73、式O73、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、および式O187
(式中、nは1~100の整数である)
からなる群から選択される構造を含む、1つまたは複数のコンジュゲート
を含む組成物。
C359.糖が、式O25b、式O1A、式O2、式O6、式O8、および式O9からなる群から選択される、項目C358に記載の組成物。
C360.糖が、式O25b、式O1A、式O2、および式O6からなる群から選択される、項目C359に記載の組成物。
C361.血清型O1サブタイプv1(O1v1)、血清型O1サブタイプv2(O1v2)、血清型O2サブタイプv1(O2v1)、および血清型O2サブタイプv2(O2v2)からなる群から選択されるクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原に共有結合した担体タンパク質を含む1つまたは複数のコンジュゲート;ならびに
(a)式O25b(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
(b)式O1A(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
(c)式O2(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
(d)式O6(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
(e)式O8(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、および
(f)式O9(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート
を含む組成物。
C362.(i)血清型O1サブタイプv1(O1v1)、血清型O1サブタイプv2(O1v2)、血清型O2サブタイプv1(O2v1)、および血清型O2サブタイプv2(O2v2)からなる群から選択されるクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原に共有結合した担体タンパク質を含む1つまたは複数のコンジュゲート;ならびに
(a)式O25b(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
(b)式O1A(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
(c)式O2(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、および
(d)式O6(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート
を含む、項目C361に記載の組成物。
C363.式O15、式O16、式O17、式O18および式O75(式中、nは31~90の整数である)からなる群から選択される糖を有する1つまたは複数のコンジュゲートをさらに含む、項目C361またはC362に記載の組成物。
C364.糖が、大腸菌(E.coli)R1部分、大腸菌(E.coli)R2部分、大腸菌(E.coli)R3部分、大腸菌(E.coli)R4部分、および大腸菌(E.coli)K-12部分のいずれか1つをさらに含む、項目C358からC363のいずれか一項に記載の組成物。
C365.糖が、大腸菌(E.coli)R1部分、大腸菌(E.coli)R2部分、大腸菌(E.coli)R3部分、大腸菌(E.coli)R4部分、および大腸菌(E.coli)K-12部分のいずれか1つをさらに含まない、項目C358からC363のいずれか一項に記載の組成物。
C366.糖が、大腸菌(E.coli)R2部分をさらに含まない、項目67に記載の組成物。
C367.糖が、3-デオキシ-d-マンノ-オクタ-2-ウロソン酸(KDO)部分をさらに含む、項目C358からC366のいずれか一項に記載の組成物。
C368.担体タンパク質が、CRM197、ジフテリア毒素断片B(DTFB)、DTFB C8、ジフテリアトキソイド(DT)、破傷風トキソイド(TT)、TTの断片C、百日咳トキソイド、コレラトキソイド、または緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に由来する外毒素A;緑膿菌(P.aeruginosa)の解毒された外毒素A(EPA)、マルトース結合タンパク質(MBP)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)の解毒された溶血素A、クランピング因子A、クランピング因子B、コレラ毒素Bサブユニット(CTB)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)ニューモリシンおよびその解毒されたバリアント、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)AcrA、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)天然糖タンパク質、ならびに連鎖球菌(Streptococcal)C5aペプチダーゼ(SCP)またはそのバリアントからなる群から選択される、項目C358からC367のいずれか一項に記載の組成物。
C369.担体タンパク質がCRM197である、項目C368に記載の組成物。
C370.担体タンパク質が破傷風トキソイドである、項目C368に記載の組成物。
C371.糖のタンパク質に対する比が、少なくとも0.5から最大でも2である、項目C358からC370のいずれか一項に記載の組成物。
C372.コンジュゲートが還元的アミノ化によって調製される、項目C358からC371のいずれか一項に記載の組成物。
C373.糖が、(2-((2-オキソエチル)チオ)エチル)カルバメート(eTEC)スペーサーを介して担体タンパク質にコンジュゲートされている、項目C358からC371のいずれか一項に記載の組成物。
C374.糖が、単一末端結合コンジュゲート化糖である、項目C358からC373のいずれか一項に記載の組成物。
C375.糖が、3-デオキシ-d-マンノ-オクタ-2-ウロソン酸(KDO)残基を介して担体タンパク質にコンジュゲートされている、項目C367に記載の組成物。
C376.コンジュゲートがCDAP化学によって調製される、項目C358からC372のいずれか一項に記載の組成物。
C377.組成物中の糖の総量と比較して最大でも約25%の遊離糖を含む、項目C358からC376に記載の組成物。
C378.アジュバントをさらに含む、項目C300からC377のいずれか一項に記載の組成物。
C379.アジュバントがアルミニウムを含む、項目C378に記載の組成物。
C380.アジュバントがQS21を含む、項目C378に記載の組成物。
C381.アジュバントがMPLAを含む、項目C378に記載の組成物。
C382.アジュバントがリポソームアジュバントである、項目C380またはC381に記載の組成物。
C383.哺乳動物に、有効量の項目C300からC382のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、哺乳動物において大腸菌(Escherichia coli)に対する免疫応答を惹起する方法。
C384.免疫応答が大腸菌(E.coli)に対するオプソニン貪食作用抗体を含む、項目C383に記載の方法。
C385.免疫応答が大腸菌(E.coli)感染から哺乳動物を保護する、項目C383に記載の方法。
C386.大腸菌(E.coli)に対する免疫応答を誘導するための、項目C300からC382のいずれか一項に記載の組成物の使用。
C387.大腸菌(E.coli)に対する免疫応答を誘導するための薬剤の製造における、項目C300からC382のいずれか一項に記載の組成物の使用。
C388.免疫応答が大腸菌(E.coli)に対するオプソニン貪食作用抗体を含む、項目C386またはC387に記載の使用。
C389.免疫応答が大腸菌(E.coli)感染から哺乳動物を保護する、項目C386またはC387に記載の使用。
C390.哺乳動物に、有効量の項目C300からC382のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、哺乳動物においてクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に対する免疫応答を惹起する方法。
C391.免疫応答がクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に対するオプソニン貪食作用抗体を含む、項目C390に記載の方法。
C392.免疫応答がクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)感染から哺乳動物を保護する、項目C390に記載の方法。
C393.クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に対する免疫応答を誘導するための、項目C300からC382のいずれか一項に記載の組成物の使用。
C394.クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に対する免疫応答を誘導するための薬剤の製造における、項目C300からC382のいずれか一項に記載の組成物の使用。
C395.免疫応答がクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に対するオプソニン貪食作用抗体を含む、項目C386またはC387に記載の使用。
C396.免疫応答がクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)感染から哺乳動物を保護する、項目C386またはC387に記載の使用。
C397.項目C1からC382のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチドを含む核酸。
C398.核酸がRNAである、項目C397に記載の核酸。
C399.項目C397またはC398に記載の核酸を含むナノ粒子。
C400.式O4、式O11、式O13、式O21および式O86(式中、nは1~100、好ましくは、31~90の整数である)からなる群から選択される糖を有する1つまたは複数のコンジュゲートをさらに含む、項目303、304、305、359、360、361、362または363のいずれか一項に記載の組成物。

Claims (28)

  1. (i)線毛H(FimH)に由来するポリペプチドまたはその断片;ならびに
    (ii)糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲートであって、前記糖が、式O1、式O1A、式O1B、式O1C、式O2、式O3、式O4、式O4:K52、式O4:K6、式O5、式O5ab、式O5ac、式O6、式O6:K2;K13;K15、式O6:K54、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、式O18B1、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23、式O23A、式O24、式O25、式O25a、式O25b、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45、式O45、式O45rel、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73、式O73、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、および式O187
    (式中、nは1~100の整数である)
    からなる群から選択される構造を含む、1つまたは複数のコンジュゲート
    を含む組成物。
  2. 線毛抗原H(FimH)に由来するポリペプチドまたはその断片;ならびに
    (a)式O25b(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
    (b)式O1A(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
    (c)式O2(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
    (d)式O6(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
    (e)式O8(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、および
    (f)式O9(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート
    を含む組成物。
  3. 線毛抗原H(FimH)に由来するポリペプチドまたはその断片;ならびに
    (a)式O25b(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
    (b)式O1A(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
    (c)式O2(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、および
    (d)式O6(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート
    を含む、請求項2に記載の組成物。
  4. 式O15、式O16、式O17、式O18および式O75(式中、nは31~90の整数である)からなる群から選択される糖を有する1つまたは複数のコンジュゲートをさらに含む、請求項2または3に記載の組成物。
  5. 担体タンパク質が、CRM197、ジフテリア毒素断片B(DTFB)、DTFB C8、ジフテリアトキソイド(DT)、破傷風トキソイド(TT)、TTの断片C、百日咳トキソイド、コレラトキソイド、または緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に由来する外毒素A;緑膿菌(P.aeruginosa)の解毒された外毒素A(EPA)、マルトース結合タンパク質(MBP)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)の解毒された溶血素A、クランピング因子A、クランピング因子B、コレラ毒素Bサブユニット(CTB)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)ニューモリシンおよびその解毒されたバリアント、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)AcrA、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)天然糖タンパク質、ならびに連鎖球菌(Streptococcal)C5aペプチダーゼ(SCP)またはそのバリアントからなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. ポリペプチドが大腸菌(E.coli)線毛H(FimH)に由来する、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. ポリペプチドが配列番号2を含む、請求項6に記載の組成物。
  8. ポリペプチドが配列番号3を含む、請求項6に記載の組成物。
  9. ポリペプチドが、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号27、配列番号110、配列番号111、配列番号112および配列番号113からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するアミノ酸を含む、請求項6に記載の組成物。
  10. ポリペプチドが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号20、配列番号23、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号110、配列番号111、配列番号112および配列番号113からなる群に対して少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するアミノ酸を含む、請求項6に記載の組成物。
  11. ポリペプチドがFimHの断片を含む、請求項6に記載の組成物。
  12. ポリペプチドがFimHのレクチンドメインを含む、請求項11に記載の組成物。
  13. ポリペプチドが、FimCポリペプチドまたはその断片と複合体化されている、請求項6に記載の組成物。
  14. ポリペプチドが、FimG(DsG)のドナー鎖ペプチドによって安定化されている、請求項6に記載の組成物。
  15. ポリペプチドがリンカーをさらに含む、請求項14に記載の組成物。
  16. 1つまたは複数のコンジュゲートをさらに含み、コンジュゲートが、O1およびO2から選択されるクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原に共有結合した担体タンパク質を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. (i)血清型O1サブタイプv1(O1v1)、血清型O1サブタイプv2(O1v2)、血清型O2サブタイプv1(O2v1)、および血清型O2サブタイプv2(O2v2)からなる群から選択されるクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原に共有結合した担体タンパク質を含む1つまたは複数のコンジュゲート;ならびに
    (ii)糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲートであって、前記糖が、式O1、式O1A、式O1B、式O1C、式O2、式O3、式O4、式O4:K52、式O4:K6、式O5、式O5ab、式O5ac、式O6、式O6:K2;K13;K15、式O6:K54、式O7、式O8、式O9、式O10、式O11、式O12、式O13、式O14、式O15、式O16、式O17、式O18、式O18A、式O18ac、式O18A1、式O18B、式O18B1、式O19、式O20、式O21、式O22、式O23、式O23A、式O24、式O25、式O25a、式O25b、式O26、式O27、式O28、式O29、式O30、式O32、式O33、式O34、式O35、式O36、式O37、式O38、式O39、式O40、式O41、式O42、式O43、式O44、式O45、式O45、式O45rel、式O46、式O48、式O49、式O50、式O51、式O52、式O53、式O54、式O55、式O56、式O57、式O58、式O59、式O60、式O61、式O62、式62D、式O63、式O64、式O65、式O66、式O68、式O69、式O70、式O71、式O73、式O73、式O74、式O75、式O76、式O77、式O78、式O79、式O80、式O81、式O82、式O83、式O84、式O85、式O86、式O87、式O88、式O89、式O90、式O91、式O92、式O93、式O95、式O96、式O97、式O98、式O99、式O100、式O101、式O102、式O103、式O104、式O105、式O106、式O107、式O108、式O109、式O110、式O111、式O112、式O113、式O114、式O115、式O116、式O117、式O118、式O119、式O120、式O121、式O123、式O124、式O125、式O126、式O127、式O128、式O129、式O130、式O131、式O132、式O133、式O134、式O135、式O136、式O137、式O138、式O139、式O140、式O141、式O142、式O143、式O144、式O145、式O146、式O147、式O148、式O149、式O150、式O151、式O152、式O153、式O154、式O155、式O156、式O157、式O158、式O159、式O160、式O161、式O162、式O163、式O164、式O165、式O166、式O167、式O168、式O169、式O170、式O171、式O172、式O173、式O174、式O175、式O176、式O177、式O178、式O179、式O180、式O181、式O182、式O183、式O184、式O185、式O186、および式O187
    (式中、nは1~100の整数である)
    からなる群から選択される構造を含む、1つまたは複数のコンジュゲート
    を含む組成物。
  18. 糖が、式O25b、式O1A、式O2、式O6、式O8、および式O9からなる群から選択される、請求項17に記載の組成物。
  19. 糖が、式O25b、式O1A、式O2、および式O6からなる群から選択される、請求項18に記載の組成物。
  20. 血清型O1サブタイプv1(O1v1)、血清型O1サブタイプv2(O1v2)、血清型O2サブタイプv1(O2v1)、および血清型O2サブタイプv2(O2v2)からなる群から選択されるクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原に共有結合した担体タンパク質を含む1つまたは複数のコンジュゲート;ならびに
    (a)式O25b(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
    (b)式O1A(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
    (c)式O2(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
    (d)式O6(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
    (e)式O8(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、および
    (f)式O9(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート
    を含む組成物。
  21. (i)血清型O1サブタイプv1(O1v1)、血清型O1サブタイプv2(O1v2)、血清型O2サブタイプv1(O2v1)、および血清型O2サブタイプv2(O2v2)からなる群から選択されるクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)O抗原に共有結合した担体タンパク質を含む1つまたは複数のコンジュゲート;ならびに
    (a)式O25b(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
    (b)式O1A(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、
    (c)式O2(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート、および
    (d)式O6(式中、nは31~90の整数である)を含む糖に共有結合した担体タンパク質を含むコンジュゲート
    を含む、請求項20に記載の組成物。
  22. 式O15、式O16、式O17、式O18および式O75(式中、nは31~90の整数である)からなる群から選択される糖を有する1つまたは複数のコンジュゲートをさらに含む、請求項20または21に記載の組成物。
  23. 担体タンパク質が、CRM197、ジフテリア毒素断片B(DTFB)、DTFB C8、ジフテリアトキソイド(DT)、破傷風トキソイド(TT)、TTの断片C、百日咳トキソイド、コレラトキソイド、または緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に由来する外毒素A;緑膿菌(P.aeruginosa)の解毒された外毒素A(EPA)、マルトース結合タンパク質(MBP)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)の解毒された溶血素A、クランピング因子A、クランピング因子B、コレラ毒素Bサブユニット(CTB)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)ニューモリシンおよびその解毒されたバリアント、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)AcrA、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)天然糖タンパク質、ならびに連鎖球菌(Streptococcal)C5aペプチダーゼ(SCP)またはそのバリアントからなる群から選択される、請求項17から22のいずれか一項に記載の組成物。
  24. 担体タンパク質がCRM197である、請求項23に記載の組成物。
  25. アジュバントをさらに含む、請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物。
  26. 哺乳動物に、有効量の請求項1から25のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、哺乳動物において大腸菌(Escherichia coli)に対する免疫応答を惹起する方法。
  27. 哺乳動物に、有効量の請求項1から25のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、哺乳動物においてクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)に対する免疫応答を惹起する方法。
  28. 請求項1から23のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチドを含む核酸。
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