JP2023543654A - 高分子カルボン酸のオキソブタノールエステルの製造方法 - Google Patents

高分子カルボン酸のオキソブタノールエステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、3-ヒドロキシ酪酸(すなわち、β-ヒドロキシ酪酸又はBHB又は3-BHB)又はその塩の生理学的に好適又は生理学的に適合する前駆体及び/又は代謝物を製造するための効率的方法の提供である。【解決手段】 一般式(I)の少なくとも1つのオキソブタノールが、少なくとも3つのカルボキシ基を有する少なくとも1つの高分子の、特に重縮合の又は重合したカルボン酸(II)と、特にエステル化反応中及び/又はエステル化条件下で反応し、これによって、反応生成物(III)として、高分子カルボン酸(II)の1つ以上のオキソブタノールエステルが取得できる。【選択図】 なし

Description

本発明は、ケト体及び関連する代謝の分野及び関連する疾患の治療に関する。
特に、本発明は、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステルの製造方法、ならびに、これによって得られる又はこれによって調製される反応生成物(すなわち高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル)及びそれらの使用、特に薬剤又は医薬品などの医薬組成物、又は食品及び/もしくは食品生成物における使用、ならびにそれらのさらなる応用又は使用に関する。
さらに、本発明は、本発明方法に従って得られる、又は製造される反応生成物(すなわち、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル)を含む医薬組成物、特に薬剤又は医薬品、及びそれらの用途又は使用に関する。
最後に、本発明は、食品及び/又は食品生成物、特に食品サプリメント、機能性食品、新規食品、食品添加物、食品サプリメント、ダイエット食品、パワースナック、食欲抑制剤、並びに筋力及び/又は持久力スポーツサプリメントであって、本発明の方法に従って得られる又は製造した反応物(すなわち高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル)からなるもの、並びにそれらの用途又は使用に関するものである。
人間のエネルギー代謝において、グルコースは短期的に利用可能なエネルギーキャリアであり、ミトコンドリア内で水と二酸化炭素を放出することでエネルギーに代謝される。肝臓のグリコーゲン貯蔵量は、夜間の睡眠時間中にすでに空っぽになっている。しかし、特に人間の中枢神経系(CNS)と心臓は永続的なエネルギー供給を必要とする。
ブドウ糖に代わる生理的な物質で、主に中枢神経系で利用されるのが、いわゆるケト体(同義語でケトン体とも呼ばれる)である。
ケト体という用語は、特に、主に異化代謝状態(例えば空腹時、減量食、低炭水化物食)において形成され、ケトーシスに至る可能性のある3つの化合物の総称である。ケト体という用語は、特に、アセト酢酸(同義語的にアセトアセテートともいう)及びアセトン並びに3-ヒドロキシ酪酸(以下、同義語的にβ-ヒドロキシ酪酸又はBHB又は3-BHBとして参照される)又はその塩(すなわち3-ヒドロキシ酪酸塩又はβ-ヒドロキシ酪酸塩)が含まれるものであり、後者は前述の3つの化合物の中で最も重要なものである。3-ヒドロキシ酪酸又はその塩は、生理的には(R)-エナンチオマー、すなわち(R)3-ヒドロキシ酪酸(同義語的に、3位のキラリティー中心を強調するために(3R)-3-ヒドロキシ酪酸とも呼ばれる)又はその塩として存在する。
このケト体は、生理的にも、空腹時や飢餓時に脂肪分解によって体内に蓄積された脂質から大量に供給され、エネルギー源のグルコースにほぼ完全に置き換わる。
ケト体は、肝臓でβ酸化に由来するアセチルコエンザイムA(=アセチルCoA)から生成され、ヒトの体内でアセチルコエンザイムAの運搬可能な形態となるものである。しかし、ケト体を利用するためには、まず脳と筋肉が、ケト体をアセチルコエンザイムAに戻すために必要な酵素を発現して適応しなければならない。特に空腹時には、ケト体はエネルギー生産に相当貢献する。例えば、脳は、しばらくすると1日の3分の1の量のブドウ糖だけでやっていけるようになる。
生理学的には、前記ケト体は、2分子の活性化酢酸から、脂肪酸分解の通常の中間産物であるアセチルコエンザイムAの形態において合成され、さらに、アセチルコエンザイムAユニットと酵素HMG-CoA-シンターゼを使用して、中間生成物3-ヒドロキシ-3-メチルーグルタリルーCoA(HMG-CoA)に拡張されるもので、最後にHMG-CoAリラーゼがアセト酢酸を切り離すというものである。この3つの段階は、肝臓のミトコンドリアでのみ行われ(リネンサイクル)、3-ヒドロキシ酪酸は最終的に細胞質でD-β-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素によって生成される。また、HMG-CoAは、アミノ酸のロイシンの分解の最終産物であり、アセト酢酸はアミノ酸のフェニルアラニンやチロシンの分解の際に生成される。
自然脱炭酸によりアセト酢酸はアセトンに変化し、糖尿病患者やダイエット中の人の呼気から感知されることがある。これは体内でそれ以上利用されることはない。しかし、ケト体に含まれるアセトンの割合は少ない。
このように、アセト酢酸は、3-ヒドロキシ酪酸又は3-ヒドロキシ酪酸塩の生理学的に関連する形態に還元的に変換されるが、二酸化炭素の放出とともに生理学的に使用できないアセトンに分解することもでき、これは、重度のケトーシス、ケトアシドーシス(例えば、インスリンが補充されていない1型糖尿病の患者)において、尿及び呼気中で検出可能であり嗅ぎ分けることが可能である。
3-ヒドロキシ酪酸は、現在、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩として、ウェイトトレーニング分野で使用及び販売されている。
しかしながら、植物が3-ヒドロキシ酪酸を生成せず且つ動物生命体内の3-ヒドロキシ酪酸が、単にケトーシスの痩せた動物の死体にしか発生しないため、3-ヒドロキシ酪酸が、経口投与すると吐き気を催すために、3-ヒドロキシ酪酸が、知られていないか、進化論的な観点でいえばヒトに対してごく少量においてしか知られていない。遊離酸とその塩の形の3-ヒドロキシ酪酸も、非常に苦い味がして、激しい嘔吐と吐き気を催す。
さらに、これらの化合物は腎臓を損傷する作用があるため、患者、特に新生児だけでなく、成人でさえ、3-ヒドロキシ酪酸の塩を大量に許容されることがない。
また、3-ヒドロキシ酪酸及びその塩の血漿中半減期は非常に短く、数グラム摂取してもケトーシスは3~4時間程度しか持続しないため、3-ヒドロキシ酪酸及びその塩による治療が、特に夜間は継続的に有効であるとは言えない。代謝性疾患の場合は、生命を脅かす事態につながることもある。
したがって、このような代謝性疾患の治療の場合、現在、いわゆる中鎖トリグリセリド、いわゆるMCTは、ケトジェニック療法のために使用され、すなわち対応するトリグリセリドからのカプロン酸、カプリル酸及びカプリン酸(すなわち飽和直鎖C-、C-及びC10-脂肪酸)の代謝的変換が意図される。
しかし、基本的には、医薬・臨床的観点から、3-ヒドロキシ酪酸は、より有効な医薬・薬理学的標的分子であり、先行技術によれば、原理的には多数の疾患の治療に使用できるが、生理的適合性がないため使用できない(例えば、エネルギー代謝、特にケト体代謝の不調に関連する疾患、あるいは認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病等の神経変性疾患、脂肪代謝疾患等)。
以下の表は、純粋に例示であり、決して限定するものではありませんが、有効成分である3-ヒドロキシ酪酸の潜在的な治療オプション又は可能な適応症を示している。

Figure 2023543654000001
したがって、特に人体又は動物の生理的代謝において、生理的に3-ヒドロキシ酪酸又はその塩に直接又は間接的にアクセスできる有効な前駆体又は代謝物を見出すことができることは、医薬及び臨床の観点から望ましい。
その結果、先行技術では、3-ヒドロキシ酪酸又はその塩の生理学的に適した前駆体又は代謝物を見出す試みが欠落していない。しかしながら、これまでのところ、先行技術において効率的な化合物は見つかっていない。また、このような化合物へのアクセスは、従来技術によれば不可能であり、容易に可能なものではない。
したがって、本発明の根底にある課題は、3-ヒドロキシ酪酸(すなわち、β-ヒドロキシ酪酸又はBHB又は3-BHB)又はその塩の生理学的に好適又は生理学的に適合する前駆体及び/又は代謝物を製造するための効率的方法の提供である。
このような方法は、特に、それぞれのBHB前駆体及び/又はBHB代謝物を効率的に、特に大量に、かつ有毒な副産物を大量に発生させることなく利用できるようにすることが望ましい。
全く驚くべき方法において、本出願人は、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステルが、ケト体3-ヒドロキシ酪酸又はその塩の効率的かつ生理的に有効又は生理的に適合する前駆体及び/又は代謝物を表すことを見出し、これに関連して、これらの化合物に直接かつ有効に、特に経済的にも工業的に実現可能なアクセスを可能にする、これらの化合物を製造する効率的な方法を発見又は開発することができたのである。
したがって、上記の問題を解決するために、本発明は、-本発明の第1の態様によれば-請求項1に記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステルの製造方法を提案する;さらに、本発明方法の特に特別及び/又は有利な実施態様は、関連する従属請求項の主題である。
さらに、本発明は-本発明の第2の態様によれば-独立請求項(請求項33)に従い本発明方法に従って得られる反応生成物、又は、それぞれの請求項(請求項34~46)に従い高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、又は、それぞれの請求項(請求項47)に従いこの点で得られる少なくとも二つの高分子カルボン酸のオキソブタノールエステルの混合物に関連するものである;さらに、本発明のこの態様の特に特別な及び/又は有利な実施形態は、関連する従属請求項の主題である。
同様に、本発明は、-本発明の第3の態様によれば-それぞれの独立請求項(請求項48)による医薬組成物、特に薬剤又は医薬品に関する;さらに、本発明のこの態様の特に特別及び/又は有利な実施形態は、関連する従属請求項の主題とされる。
さらに、本発明は、-本発明の第4の態様によれば-それぞれの独立請求項(請求項50)に記載のヒト又は動物の身体の疾患の予防的及び/又は治療的処置又はそれに用いるための、高分子カルボン酸の本発明の反応生成物又は本発明のオキソブタノールエステル又は少なくとも二つの高分子カルボン酸の本発明の混合物に関するものである。
さらに、本発明は、-本発明の第5の態様によれば-関連する独立請求項(請求項51)に従い、ヒト又は動物の身体の疾患の予防及び/又は治療的処置のための、又は医薬品の製造のための、本発明による高分子カルボン酸の本発明の反応生成物又はオキソブタノールエステル、又は少なくとも2つの高分子カルボン酸の本発明混合物の使用に関するものである。
さらに、本発明は、-本発明の第6の態様によれば-関連する独立請求項(請求項52)に従う、高分子カルボン酸の本発明の反応生成物又は本発明のオキソブタノールエステル又は高分子カルボン酸の少なくとも2つのオキソブタノールエステルの本発明の混合物の使用に関するものである。
さらに、本発明は、-本発明の第7の態様によれば-関連する独立請求項(請求項53)による食品及び/又は食品生成物に関し、さらに、本発明による食品及び/又は食品生成物の特に特別及び/又は有利な実施形態は、関連する従属請求項の主題である。
最後に、本発明は、-本発明の第8の態様によれば-関連する独立請求項(請求項55)による食品及び/又は食品生成物における、本発明の反応生成物又は高分子カルボン酸の本発明のオキソブタノールエステル又は高分子カルボン酸の少なくとも二つのオキソブタノールエステルの発明の混合物の使用に関する;さらに、本発明に従う使用の特に特別及び/又は有利な実施態様は使用に対して関連する従属請求項の主題とされる。
以下、繰り返しを避ける目的で本発明の一態様に関してのみ記載する以下の特徴、実施形態、利点等は、当然、本発明の他の態様にも適宜適用され、これには別途言及する必要がないことは言うまでもない。
さらに、本発明の個々の側面及び実施形態は、本発明の他の側面及び実施形態との任意の組み合わせにおいても開示されているとみなされ、特に、すべての特許請求の範囲の後方参照から生じる特徴及び実施形態の任意の組み合わせも、結果として生じるすべての組み合わせ可能性に関して広範に開示されているとみなされることは言うまでもない。
以下に提供される全ての相対的又は百分率の重量ベースのデータ、特に相対的な量又は重量データに関して、本発明の範囲内で、これらは、特に以下に定義するように、全ての成分又は成分を含む、それぞれ100重量%又は100重量%に常に加算するように当業者によって選択されるべきであることに更に留意すべきである;しかしながら、これは当業者にとって自明なことである。
また、当業者は、必要に応じて、本発明の範囲を逸脱することなく、以下の範囲の仕様を設定することができる。
さらに、以下に規定するすべての値又はパラメータ等は、原則として、標準化された又は明示的に規定された測定方法、あるいは、当業者に周知の決定又は測定方法により決定又は特定できることが適用される。
このように述べた上で、以下、本発明をより詳細に説明する:
したがって、本発明の主題は、本発明の第1の態様によれば、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル、を製造するための方法であって、
ラジカルRが、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルである一般式(I)
CH-CH(OH)-CH-C(O)OR (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に少なくとも1つの3-ヒドロキシブタン酸エステル、好ましくは少なくとも1つの4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールが、少なくとも3つのカルボキシ基を有する少なくとも1つのポリマーの、特に重縮合の又は重合したカルボン酸(II)と、特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下で反応し、
これによって、反応生成物(III)として、高分子カルボン酸(II)の1つ以上のオキソブタノールエステル、特に1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルが取得できる。
従って、本発明によれば、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に3-ヒドロキシブタン酸エステルの製造方法が提供される。なお、3-ヒドロキシブタン酸エステルは、3-ヒドロキシ酪酸エステル又は4-オキソ-2-ブタノールと同義語的に呼ばれることもある。
ここでいう高分子カルボン酸とは、カルボン酸をベースとしたポリマー(すなわち、カルボン酸の重縮合又は重合によって形成されたポリマー)のことである。高分子カルボン酸は、カルボキシ基を2つ以上持つ分子であるポリカルボン酸と混同してはならない。特に、高分子カルボン酸は、単量体カルボン酸から誘導された、又は単量体カルボン酸に基づく少なくとも2つの繰返し単位を有する。これに関して、「由来する」とは、繰り返し単位が、単量体カルボン酸から、特に、さらなる同一の単量体カルボン酸との(ポリ)縮合(例えばエステル化)によって形成されること;すなわち、繰り返し単位が、例えば、対応する単量体カルボン酸のラジカル(ジカルボン酸ラジカル)、特に2回エステル化されたものであることをいう。
厳密に言えば、本発明に関して、一般式(I)のオキソブタノール(特に3-ヒドロキシ酪酸エステルとして参照される)は、(C-C-アルキル)-3-ヒドロキシブタン酸エステル(=3-ヒドロキシ酪酸(C-C-アルキル)エステル)、すなわち3-ヒドロキシ酪酸のC-C-アルキルエステルであり、これは同義語的に4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールを示すもの、又は、(ヒドロキシ-C-C-アルキル)-3-ヒドロキシブタン酸エステル(=3-ヒドロキシ酪酸(ヒドロキシ-C-C-アルキル)エステル)、すなわち3-ヒドロキシ酪酸のヒドロキシ-C-C-アルキルエステルであり、これは、同義語的に4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールをしめすもののいずれかである。
これに関して、3-ヒドロキシブタン酸エステルは、遊離3-ヒドロキシ酪酸を対応するアルコール(例えばモノアルコール又はジオール)でエステル化することによって調製することができる。以下に、3-ヒドロキシブタン酸ヒドロキシブチル(すなわち、R=ドロキシブチルである一般式(I)の3-ヒドロキシブタン酸)の合成が、模式的に示される。
Figure 2023543654000002
さらに、3-ヒドロキシブタン酸ヒドロキシペンチル(すなわち、R=ヒドロキシペンチルである一般式(I)の3-ヒドロキシブタン酸)の合成が、以下に模式的に示される。
Figure 2023543654000003
さらなる3-ヒドロキシブタン酸エステルの製造又は合成は、類似的に行われる。
本発明による方法において、出発物質又は化合物オキソブタノール又は一般式(I)の3-ヒドロキシブタン酸エステルは、ヒドロキシ基を介してエステル化アルコールとして作用し、ここで高分子カルボン酸(II)のカルボキシ基と反応することによって、反応生成物(III)として、高分子カルボン酸の対応するオキソブタノールエステル、特に4-オキソ-4-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は高分子カルボン酸(II)の4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルが形成されるものである。
本発明において、使用される高分子カルボン酸(II)及び高分子カルボン酸(II)の基となる単量体カルボン酸は、いずれも有機カルボン酸(すなわち、1以上のカルボキシ基(-COOH)を有する有機化合物で、酸性の特性を有するもの)である。
高分子カルボン酸の使用は、高い薬物密度、特に3-ヒドロキシブタン酸エステル又は3-BHB又は対応する誘導体の密度を有する分子を提供することができる。
また、所望により、生成物(すなわち、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル)は、適切な反応剤を使用し、反応条件を調整することによって固体で提供することができる。固形剤形は、薬物、医薬品、又は食品及び/又は食品生成物において又はとしての使用のために有利である。また、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステルは、単量体カルボン酸の対応するオキソブタノールエステルと比較して、は、反応物の選択と反応条件によって影響を受ける可能性がある異なる溶解性を示すものである。
驚くべきことに、本出願人は、3-ヒドロキシ酪酸又はその誘導体(すなわちエステル)を有機的に適合する形態で提供すると同時に、3-ヒドロキシ酪酸又はそのエステルをそれ自体、特に動物又は人体によって容易に放出させることができる方法を見出している。
さらに、本出願人は、遅延効果が存在するように、すなわち3-ヒドロキシ酪酸がより長い期間にわたって連続的に放出されるように、3-ヒドロキシ酪酸の感覚刺激的適合性形態を提供することに成功した。
また、その他の分解又は開裂生成物(すなわち、3-ヒドロキシ酪酸に加えて放出される開裂生成物)も、体内で利用することができ又は少なくとも体内で処理することができる。特に、3-BHBに加えて、クエン酸サイクルの反応物、生成物又は中間体であり、あるいはクエン酸サイクルの反応物、生成物、中間体が酸化されてできる誘導体や塩である分解生成物や開裂生成物が放出されるものである。
したがって、3-ヒロドキシ酪酸を放出する間に形成される更なる分解生成物や開裂生成物は、動物や人体によってエネルギー源として利用することができる。
高分子カルボン酸を用いることで、遊離カルボキシ基が多数存在するため、複数のオキソブタノール又は3-ヒドロキシブタン酸エステルが、高分子カルボン酸と反応すること(すなわち複数のオキソブタノール又は3-ヒドロキシブタン酸エステルが高分子カルボン酸に加えられること)により、3-BHB又はそのエステルの高い密度が、1分子中に存在し、結果として高い薬物密度を生じるものである。
上記のように、本出願人は、極めて驚くべきことに、これによって製造された高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルが、3-ヒドロキシ酪酸又はその塩の生理学的に適合した前駆体及び/又は代謝物が、生理学的に適合していることから、医薬又は臨床応用においてより大量に使用することも可能であるので、効率的であることを発見した。
本発明による製造方法によって初めて効率的にアクセス可能となる、高分子カルボン酸の上記オキソブタノールエステル、特に4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルは、遊離3-ヒドロキシ酪酸又はその塩あるいはエステルに対して生理学的にも薬学的にも関連する代替物を示すものである。
従来の有機合成による高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルの製造は、3-ヒドロキシブチル酸が重合する傾向が増し、他の望ましくない副反応(例えば脱水、分解など)が起こることから、複雑でコストがかかる。本発明の範囲内で、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルが、望ましくない副作用なしに、特に1段階において、又は1ポット合成において製造できる効率的に働く製造方法を初めて提供できることになった。
したがって、本発明の方法は、既知の、市販の、とりわけ生理学的に無害な成分又は反応物(出発化合物)から、高分子カルボン酸の無毒なオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルを、複雑ではない生産方法の一部として提供することを初めて可能にするものである。得られた高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルは、生理的、特に胃及び/又は腸で分解されて有効成分又は活性成分として目的分子「3-ヒドロキシ酪酸」やその塩又はエステルを放出し又は発生させることが可能である。
また、前記高分子カルボン酸の上述したオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルは、長期間にわたって多量を経口投与(例えば50gの日量以上投与)した場合でも相容れるように、許容できる味を有することも可能である。
同様に、本発明による製造方法は、有毒な不純物を含まない高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルの提供を可能するものである。
さらに、適切な出発物質を用いれば、本方法は、エナンチオ選択的に実施することも可能である。例えば、本発明によれば、製造方法は、生物学的に関連する形態、すなわち3-BHBの(R)-エナンチオマーを、例えば、経口投与した場合に患者の腎臓系に負荷をかけないように(すなわち、腎臓を介した排泄)、酵素触媒によって又は使用された出発化合物(反応物)の目標とされる選択によって、濃縮することが可能である。しかし、原理的には、有用な特定の条件下で、3-BHBの(S)-エナンチオマーを濃縮することも可能である。
さらに、本発明による製造方法は、任意のさらなる処理又は精製工程を含めて、経済的に運用することができ、大規模に実施することも可能である。
特に、本発明の製造方法は、市販の出発化合物又は出発原料を用いるため、大規模な合成が容易かつ実現可能であり、さらに大規模に実施する場合であっても、全体として比較的簡単な工程管理を、可能にする。
従来の先行技術の製造方法とは対照的に、本発明による製造方法は、複雑な出発材料を使用せず、特に1つの工程のみを使用するものである。それにもかかわらず、本発明に従って優れた収率が達成され、副生成物の形成が最小化又は回避される。
さらに、本発明の方法は、簡便で経済的である。特に、本発明による方法は、通常、溶媒の非存在下及び/又は無溶媒で(すなわち、質量での反応として又は物質での反応として又はいわゆるバルク反応として)行われる。その結果、得られた反応生成物は溶媒で汚染されておらず、方法又は反応の実施後に、コストとエネルギーを要する方法で溶媒を除去して廃棄又はリサイクルする必要がない。さらに、有害な副生成物も形成されない。
本発明による製造方法は、高分子カルボン酸の異なるオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の異なる4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は異なる4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルからなる混合物、いわゆる高分子カルボン酸の少なくとも2つ、特に3つからなるオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の少なくとも2つ、特に3つからなる4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルからなる混合物を生じるものである。結果として得られた生の反応生成物又は生の混合物は、公知の方法、特に残存する出発化合物及び/又は存在する副生成物を除去することによって精製され、さらに-所望により-公知の方法、特に蒸留及び/又はクロマトグラフィーによって分離される(例えば、高分子カルボン酸の個々のオキソブタノールエステルへの分別、すなわちそれぞれのモノエステル、ジエステル等の分離、又は、個々のエステル等の濃縮された部分及び希釈された部分を有する画分への分別)。
上述したように、本発明の第1の態様によれば、本発明は、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルを製造する方法に関するものであり、
ここで、ラジカルRが、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを表す一般式(I)
CH-CH(OH)-CH-C(O)OR (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に少なくとも1つの3-ヒドロキシブタン酸エステル、好ましくは少なくとも1つの4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルが、
少なくとも3つのカルボキシ基を有する少なくとも1つのポリマー、特に重縮合又は重合されたカルボン酸(II)と、特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下で、反応し、
それによって、反応生成物(III)として、高分子カルボン酸(II)の1つ以上のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルが得られる。
本発明の特定の実施形態によれば、一般式(I)の化合物は、ラセミ形態又は(R)-エナンチオマーの形態で使用することができる。(R)-配置は、一般式(I)の化合物の3位にある不斉炭素原子を指す。
本発明によれば、一般式(I)において、ラジカルRがエチルを表す場合が好ましい。
すなわち、本発明によれば、一般式(I)の化合物として、式CH-CH(OH)-CH-C(O)OCの3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル(同義語的に、3-ヒドロキシ酪酸エチルエステル又は4-エトキシ-4-オキソ-2-ブタノールとも参照される)が使用されることが好ましい。
これは、特に効率的なプロセス制御と、副生成物の生成を最小化又は抑制した高収率化を可能にする。さらに、3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル又は4-エトキシ-4-オキソ-2-ブタノールも大量に市販されており、特に出発化合物として、例えば酢酸エチルのクライゼン縮合により大量に入手することができる。
本発明の特定の実施形態によれば、高分子カルボン酸(II)は、遊離カルボン酸の形態で、高分子カルボン酸の(部分的)塩の形態で、又は高分子カルボン酸の(部分的)エステルの形態で、特に遊離高分子カルボン酸の形態で使用することができる。
本発明に関して、高分子カルボン酸(II)が、重縮合によって又は重合によって、特に開環重合によって製造されることが提供される。
重縮合による製造において、例えば、高分子カルボン酸は、1つのカルボン酸のカルボキシ基と別のカルボン酸のカルボキシ基とのエステル化反応により、エステル化される。これに関して、同一のカルボン酸が互いにエステル化される、すなわち同一のカルボン酸の2つの分子、例えば2つの酒石酸分子又は2つのクエン酸分子が、互いにエステル化される。以下に、酒石酸を例にとって、その反応方法を模式的に示す:
Figure 2023543654000004
あるいは、カルボン酸のラクトンの開環重合によって、高分子カルボン酸が、調整されることが可能である。ラクトンとは、環内にエステル結合を有する複素環化合物である。以下に、酒石酸を例として、その反応方法を模式的に示す。
Figure 2023543654000005
高分子カルボン酸の製造のための対応する反応物(すなわち、モノマーカルボン酸又はその対応するラクトン)は市販されており、重縮合又は開環重合は簡単で、大規模に実施可能である。あるいは、多くの高分子カルボン酸も商業高分子カルボン酸の製造のための対応する反応物(すなわち、モノマーカルボン酸又はその対応するラクトン)は市販されており、重縮合又は開環重合は簡単で、大規模に実施可能である。あるいは、多くの高分子カルボン酸も商業的に入手可能である。
本発明による方法に関して、高分子カルボン酸(II)が、食品法の下で認可された成分、特に添加物である場合が好ましい。
食品法で認可された成分や添加物は、EU全域で食品添加物リストに掲載され、その中で独自の表示(いわゆるE番号)がされている。例えば、メタ酒石酸(E353)は、同義語的にポリ酒石酸とも呼ばれ、食品法で認可された高分子カルボン酸である。
さらに、高分子カルボン酸(II)が2つの末端及び/又は一級カルボキシ基を有する場合も、好ましい。これに関して、末端及び/又は一級カルボキシ基は、分子の反対側の端部に位置する。
本発明による方法の好ましい実施形態によれば、高分子カルボン酸(II)が、高分子カルボン酸(II)の基礎となる単量体カルボン酸から誘導される少なくとも2つ、特に2~20、好ましくは2~10、より好ましくは3~7の繰り返し単位を含むことが提供される。
高分子カルボン酸(II)の基礎となる単量体カルボン酸は、対応する高分子カルボン酸(II)を合成するために重縮合又は重合されたカルボン酸である。例えば、酒石酸はポリマー酒石酸(メタ酒石酸)の下層の単量体カルボン酸であり、ポリクエン酸の場合、クエン酸が下層の単量体カルボン酸である。
特に、繰り返し単位は、それぞれ少なくとも1つの遊離カルボキシ基を含んでいる。繰り返し単位に少なくとも1つの遊離カルボキシ基があるため、特に多くのオキソブタノールを高分子カルボン酸にエステル化することができ、高い有効成分密度を提供することができる。
典型的には、繰り返し単位及び/又は高分子カルボン酸(II)の基礎となる単量体カルボン酸は、ヒドロキシジ-及びポリカルボン酸に由来するか及び/又は選択され、好ましくは酒石酸、リンゴ酸及びクエン酸ならびにそれらの組み合わせ及び混合物からなる群に由来するか及び/又は選択されるものである。
ここでいう「由来」とは、繰り返し単位と単量体カルボン酸のそれぞれを下層とするヒドロキシ酸及びポリカルボン酸のことをいう。繰り返し単位の場合、これはヒドロキシジ-及びポリカルボン酸のエステル化によって形成され、繰り返し単位を形成するのはヒドロキシジ-及びポリカルボン酸それ自体ではなく、その(ジ)カルボン酸エステルである。ヒドロキシジ-及びポリカルボン酸は、少なくとも1つの水酸基と少なくとも2つのカルボキシ基を有する有機物質を指す。
これらのカルボン酸は、特に高分子カルボン酸への変換に適しており、また、市販されており、さらに、食品への使用が認められている添加物又は成分である。
通常、高分子カルボン酸(II)の基となる単量体カルボン酸は、ヒト及び/又は動物の代謝で生じる天然由来のカルボン酸又はその誘導体、特にその反応生成物である。
カルボン酸に基づく高分子カルボン酸、又は、ヒト及び/もしくは動物の代謝の一部であり、ヒト及び/もしくは動物の代謝の反応物又は生成物又は中間媒体である誘導体は、医薬品、医薬又は食品及び/又は食品生成物の使用において特に適合する。特に、高分子カルボン酸又はその誘導体が基づいている単量体カルボン酸が、クエン酸サイクルにおいて生じるもの、クエン酸サイクルから生じるもの、又はクエン酸サイクルに関連するものである場合に、これに関して有利である。これに関して、誘導体は、例えば、(例えば、クエン酸サイクルからの)代謝産物の酸化によって得られる塩又はエステルを表すものである。単量体カルボン酸に基づく高分子カルボン酸、又は、ヒト及び/又は動物の代謝の一部であり、ヒト及び/又は動物の代謝の反応物又は生成物又は中間媒体である誘導体を使用することによって、さらなるエネルギー源(ケト体3-ヒドロキシ酪酸又は3-ヒドロキシブタン酸エステルに加えて)は供給され、本発明による反応生成物を用いる際に、ヒト及び/又は動物の身体に適合させることができるものである。
特に、高分子カルボン酸(II)の基となる単量体カルボン酸は、食品法で認可された成分、特に添加物である。
例えば、以下のカルボン酸は、食品添加物リストに記載されており、本発明による方法で使用できる高分子カルボン酸(II)の調製にも適している;酒石酸(E334)、クエン酸(E330)及びリンゴ酸(E296)。これらの酸は、クエン酸サイクルの一部であるか又はクエン酸サイクルの代謝産物の酸化によって得ることが可能である。クエン酸サイクルとは、生体の好気性細胞の代謝に重要な役割を果たす生化学反応のサイクルで、主にエネルギー生産と生合成の中間体の提供を目的とした有機物の酸化分解に利用されるものである。このように、本発明による方法から得られる反応生成物(III)を用いた場合、分解により生成されるカルボン酸は、さらなる代替エネルギー源として身体によって利用されるものである。
本発明の方法の特定の実施形態によれば、高分子カルボン酸(II)は、ポリマーヒドロキシジ-及びポリカルボン酸から、好ましくはポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)、ポリリン酸及びポリクエン酸ならびにそれらの(部分)塩及び(部分的)エステルならびにそれらの組み合わせ及び混合物、より好ましくはポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)ならびにそれらの(部分的)塩及び(部分的)エステルならびに混合物、さらにより好ましいポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)の群から選択されることが好ましい。
ここでいうポリ酒石酸又はその塩は、ポリ酒石酸塩ともいい、ポリリン酸又はその塩は、ポリリン酸塩ともいい、ポリクエン酸又はその塩は、ポリクエン酸塩ともいう。
本発明の特定の実施形態によれば、高分子カルボン酸(II)が、ポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)ならびにその(部分的)塩及び(部分的)エステルならびにそれらの混合物、特にポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)から選択される場合が好ましい。
ポリ酒石酸は、同義的にメタ酒石酸とも呼ばれ、食品法で認可された添加物(E番号:E353)であるため、医薬品、薬又は食品及び/又は食品生成物として使用する製品の製造に特に適している。
本発明の特定の実施形態によれば、高分子カルボン酸(II)は、一般式(IIa)
-[O-X-C(O)]-Y (IIa)
に対応するものであり、
ここで、一般式(IIa)において、
・Xは、有機ラジカル、3~10個、好ましくは3~8個の炭素原子を有し且つ1~3個のカルボキシ基を有するとともに任意に少なくとも1つのヒドロキシ基を有する飽和又は不飽和、線形又は分枝状の有機ラジカルを示すものであり;
・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すものであり;
・Y及びYは、それぞれ互いに独立した、末端及び/又は第1級カルボキシ基を有し且つ3~7個の炭素原子及び4~8個の酸素原子を有する飽和又は不飽和、直鎖又は分枝状の有機ラジカルを示すものである。
本発明の特定の実施形態によれば、高分子カルボン酸(II)は、一般式(IIb)
-[O-cH(COOH)-CHZ-C(O)]-Y (IIb)
に対応することが好ましい。
ここで、一般式(IIa)において、
・Zは、水素又はヒドロキシ基を示すこと;
・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すものであり;
・Yは、Zが水素の場合には、基HOOC-CH(OH)-CH-C(O)-を示し、Zがヒドロキシ基の場合には、基HOOC-CH(OH)-CH(OH)-C(O)-を示すこと;
・Yは、Zが水素の場合には、基-O-CH(COOH)-CH-COOHを示し、Zがヒドロキシ基の場合には、基-O-CH(COOH)-CH(OH)-COOHを示すこと。
本発明の別の特定の実施形態によれば、高分子カルボン酸(II)は、一般式(IIc)
-[O-CH(COOH)-CH(OH)-C(O)]-Y (IIc)
に対応することが好ましい。
ここで、一般式(IIc)において、
・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すものであり;
・Yは、基HOOC-CH(OH)-CH(OH)-C(O)-を示すものであり、
・Yは、基-O-CH(COOH)-CH(OH)-COOHを示すものである。
本発明の特定の実施形態によれば、高分子カルボン酸(II)は、一般式(IId)
Figure 2023543654000006
に対応することが好ましい。
ここで、一般式(IId)において、変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すものである。
本発明の特定の実施形態によれば、本発明は、本発明のこの態様によれば、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル、を製造する方法、特に上記に記載したような方法に関するものである。
ここで、ラジカルRが、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示す一般式(I)
CH-CH(OH)-CH-C(O)OR (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に少なくとも1つの3-ヒドロキシブタン酸エステル、好ましくは少なくとも1つの4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールが、
ポリマーヒドロキシジ-及び-ポリカルボン酸から選択され、好ましくはポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)、ポリリン酸及びポリクエン酸、ならびにそれらの(部分的)塩及び(部分的)エステルならびにそれらの組み合わせ及び混合物の群から選択され、より好ましくはポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)ならびにそれらの(部分的)塩及び(部分的)エステルならびに組み合わせ及び混合物、さらに好ましくはポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)から選択される少なくとも1つのカルボン酸(II)と、特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下で反応し、
それによって、反応生成物として、高分子カルボン酸(II)の1つ以上のオキソブタノールステル、特に高分子カルボン酸(II)の1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステルが、得られるものである。
本発明の別の特定の実施形態によれば、本発明のこの態様に係る発明は、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエスルに関するものであり、特に上述された方法に関するものである。
ここで、ラジカルRが、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示す一般式(I)
CH-CH(OH)-CH-C(O)OR (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に少なくとも1つの3-ヒドロキシブタン酸エステル、好ましくは少なくとも1つの4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールが、
ポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)並びにその(部分的)塩及び(部分的)エステル及びそれらの混合物から選択され、特にポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)から選ばれる少なくとも一つのカルボン酸(II)と、特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下で、反応し、
これによって、反応生成物(III)として、高分子カルボン酸(II)の1つ以上のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸(II)の1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステルが得られるものである。
本発明のさらに別の特定の実施形態によれば、本発明のこの態様に係る発明は、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルを製造する方法、特に上述された方法に関するものであり、
ここで、ラジカルRがC-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示す一般式(I)
CH-CH(OH)-CH-C(O)OR (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に少なくとも1つの3-ヒドロキシブタン酸エステル、好ましくは少なくとも1つの4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールが、
・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すものであり;
・Yは、基HOOC-CH(OH)-CH(OH)-C(O)-を示すものであり、
・Yは、基-O-CH(COOH)-CH(OH)-COOHを示すものである一般式(IIc)
-[O-CH(COOH)-CH(OH)-C(O)]-Y (IIc)
の少なくとも1つのカルボン酸(II)と、エステル反応において及び/又はエステル化条件において、反応し、
これによって、反応生成物(III)として、反応生成物(III)として、高分子カルボン酸(II)の1つ以上のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸(II)の1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステルが得られるものである。
さらに、本発明のこの態様による特定の実施形態によれば、本発明は、また、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルを製造する方法に関するものであり、特に上述されるような方法に関するものである。
ここで、ラジカルRがC-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示す一般式(I)
CH-CH(OH)-CH-C(O)OR (I)
の少なくとも1つのオキソブタノール、特に少なくとも1つの3-ヒドロキシブタン酸エステル、好ましくは少なくとも1つの4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールが、
・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すものである一般式(IId)


Figure 2023543654000007
の少なくとも1つのカルボン酸(II)と、エステル反応において及び/又はエステル化条件において、反応し、
これによって、反応生成物(III)として、反応生成物(III)として、高分子カルボン酸(II)の1つ以上のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸(II)の1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステルが得られるものである。
本発明の特定の実施形態によれば、前記反応は、溶媒の非存在下及び/又は無溶媒で実施される。これは、質量での反応として、物質での反応として、いわゆるバルク反応として行われることを意味する。これは、得られた反応生成物が溶媒で汚染されることがなく、方法又は反応を実施した後に、コストとエネルギーを要する方法で溶媒を除去して廃棄又はリサイクルする必要がないという利点を有する。驚くべきことに、この方法又は反応は、それにもかかわらず、高い転化率と収率で進行し、少なくとも本質的に重大な副生成物の形成がない。
本発明の別の特定の実施形態によれば、前記反応は、触媒の非存在下及び/又は触媒なしで実施されてもよく、さもなければ、反応は、代替的に触媒、特に酵素及び/又は金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒の存在下で実施されてもよく、ここで触媒は、反応後にリサイクルされる。
本発明による方法では、前記反応は、溶媒の非存在下及び/又は無溶媒で実施される場合、及び反応が触媒の非存在下及び/又は無触媒で実施される場合が、特に好ましい。
溶媒を使用せず、触媒を使用しないため、完全に除去されていない溶媒や完全に除去されていない触媒によって反応生成物が汚染されることがない。さらに、エネルギー集約的でコストのかかる除去や分離の工程が不要になる。驚くべきことに、この好ましい実施形態による本発明方法は、それにもかかわらず経済的であり、著しい副生成物の形成なしに高い変換率をもたらす。
前述のように、本発明の製造方法の特定の実施形態によれば、反応は、触媒の非存在下及び/又は無触媒で実施することができる。
触媒の非存在下及び/又は無触媒で実施されることを条件として、反応は、20℃~160℃の範囲内、特に50℃~150℃の範囲内、好ましくは70℃~140℃の範囲内、より好ましくは80℃~135℃の範囲内、さらに好ましくは100℃~130℃の範囲内の温度で実施されることが、より好ましい。
触媒の非存在下での反応の場合、適用圧力範囲は広い範囲内で変化させることができる。特に、前記反応は、触媒の非存在下及び/又は触媒なしで、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、さらに好ましくは約1バールの圧力で実施される。
触媒の非存在下で反応させる場合、前記反応は、不活性ガスの存在下、特にヘリウム、アルゴン、窒素の存在下、好ましくは窒素の存在下で実施されることが好ましい。特に、好ましくない副反応、特に酸化又は加水分解による副反応が、この方法において防止される。
しかし、この特定の実施形態に代えて、例えば、前記反応が触媒として酵素の存在下で実施されることも可能である。
これに関して、酵素は特に、シンテターゼ(リガーゼ)、カタラーゼ、エステラーゼ、リパーゼ及びそれらの組み合わせから選択される。本発明によれば、シンテターゼ(同義語でリガーゼ)は、特にリガーゼのクラスの酵素であり、リガーゼは、共有結合によって2つ以上の分子を連結することを触媒する酵素である。本発明でいうカタラーゼとは、特に過酸化水素を酸素と水に変換する能力を有する酵素のことである。エステラーゼという用語は、特にエステルをアルコールと酸に加水分解(ケン化)する能力を持つ酵素を指し、したがってこれらは特にヒドロラーゼであり、脂肪分解エステラーゼはリパーゼとも呼ばれる。本発明の意味でのリパーゼは、特にグリセリドなどの脂質から遊離脂肪酸を分解する(脂肪分解)能力を有する酵素である。
これに関して、触媒として使用される酵素は、カンディダ・アンタークティカ、ムコル・ミエヘイ(リゾムコル・ミエヘイ)、テルモミセス・ラヌギノーサ、カンジダ・ルゴサ、アスペルギルス・オリゼ(ニホンコウジカビ)、シュードモナス・セパシア、シュードモナス・フルオレッセンス、リゾパス・デレマール及びシュードモナス種及びそれらの組み合わせ、好ましくはカンディダ・アンタークティカ、ムコル・ミエヘイ(リゾムコル・ミエヘイ)及びテルモミセス・ラヌギノーサから得られる。
特定の実施形態によれば、前記酵素は、固定化形態、特に担体、優先的にはポリマー担体、好ましくは疎水性を有するポリマー有機担体、より好ましくはポリ(メタ)アクリル樹脂系担体に固定化されて使用されることができる。
本発明においては、酵素を触媒として使用する場合、反応後に酵素をリサイクルすることが好ましい。
本発明製造方法の枠内で、触媒としての酵素の存在下で反応を行う場合、前記反応は、10℃~80℃の範囲内、特に20℃~80℃の範囲内、好ましくは25℃~75℃の範囲内、より好ましくは45℃~75℃の範囲内、さらに好ましくは50℃~70℃の範囲内の温度で行われることが好ましい。
酵素を触媒として使用する場合、使用する酵素の量は広い範囲で変化させることができる。特に、前記酵素は、出発化合物(I)及び(II)の総量を基準として、0.001重量%~20重量%の範囲内、特に0.01重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.5重量%~10重量%の範囲内で使用されることが可能である。それにもかかわらず、それぞれの場合又は特定の用途について、本発明の範囲を離れることなく、上記の量から逸脱する場合もある。
本発明の特定の実施形態によれば、反応が触媒としての酵素の存在下で行われる場合、加えられる圧力の範囲も広い範囲内で変動することが可能である。典型的には、酵素の存在下での反応は、0.0001bar~10barの範囲内、特に0.001bar~5barの範囲内、好ましくは0.01bar~2barの範囲内、より好ましくは0.05bar~1barの範囲内、さらに好ましくは約0.5barの圧力で実施されることが可能である。
前記反応が触媒としての酵素の存在下で行われる本発明の特定の実施形態によれば、前記反応は、酵素の存在下で、不活性ガス、特にヘリウム、アルゴン又は窒素の存在下、好ましくは窒素の存在下で行われる場合が好ましい。触媒非存在下での反応に関連しては先に述べたように、望ましくない副反応、特に酸化又は加水分解による副反応を、不活性ガスの存在下での反応により防止することができる。
本発明の別の代替的な実施形態によれば、この反応は、例えば、金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒の存在下で実施される。
前記反応が金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒の存在下で行われる本発明のこの代替実施形態によれば、前記触媒は、特に、(i)塩基性触媒、特にアルカリ又はアルカリ土類水酸化物及びアルカリ又はアルカリ土類アルコール塩、たとえばNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)、NaOMe、KOMe及びNa(OBu-tert.)、(ii)酸性触媒、特に鉱酸、及び有機酸、例えば硫酸エステル酸、リン酸、硝酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸及びカルボン酸、(iii)ルイス酸、特にチタン、錫、亜鉛及びアルミニウム化合物をベースとするルイス酸、たとえば、チタンテトラブチレート、スズ酸、酢酸亜鉛、三塩化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロピル、及び(iv)不均一系触媒、特に鉱物ケイ酸エステル、ゲルマン酸エステル、炭酸エステル及びアルミニウム酸化物に基づくもの、例えばゼオライト、モンモリロナイト、モルデナイト、ヒドロタルサイト及びアルミナ及びそれらの組み合わせ、から選択されるものである。
本実施形態では、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム化合物に基づくルイス酸、例えば、チタンテトラブチレート、スズ酸、酢酸亜鉛、三塩化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロピルが、触媒として使用されることが好ましい。
特に、この実施形態によれば、また、金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒が、反応後にリサイクルされる場合が好ましい。
本発明の特定の実施態様によれば、前記反応が、金属含有及び/又は金属系、酸性又は塩基性触媒の存在下で実施される場合、温度を広い範囲内で変化させることが可能である。特に、前記反応は、金属含有及び/又は金属系、酸性又は塩基性触媒の存在下、20℃~160℃の範囲内、特に50℃~150℃の範囲内、好ましくは70℃~140℃の範囲内、より好ましくは80℃~135℃の範囲内、さらに好ましくは100℃~130℃の範囲内の温度で行われるものである。
さらにまた、この実施形態によれば、触媒(すなわち、金属含有及び/又は金属ベース、酸性又は塩基性触媒の存在下)は、広い量的範囲内で変化させることができる。したがって、前記触媒は、出発化合物(I)及び(II)の総量を基準にして、0.01重量%~30重量%の範囲内、特に0.05重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.2重量%~10重量%の範囲内の量で使用されるものである。しかしながら、特定の用途やそれぞれ事例については、本発明の範囲を逸脱することなく、上記の量から離れることも可能である。
本発明のこの特定の実施形態によれば、前記反応が、金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒の存在下で実施される場合、圧力範囲は広い範囲内で同様に変化することが可能である。特に、前記反応は、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、さらに好ましくは約1バールの圧力で、金属含有及び/又は金属系、酸性又は塩基性触媒の存在下で、実施されるものである。
さらにまた、本発明のこの特定の実施形態によれば、前記反応は、金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒の存在下で実施されるが、前記反応は、不活性ガス、特にヘリウム、アルゴン又は窒素の存在下、好ましくは窒素の存在下で実施されるものである。前述のように、不活性ガスの存在下で反応させることで、特に酸化や加水分解による好ましくない副反応を防ぐことができる。
出発物質又は出発化合物の総量に関しては、広い範囲で変更することができる。
プロセスの経済性及び方法の経過の最適化、特に副生成物の最小化に関して考慮すると、高分子カルボン酸(II)のカルボキシ基を基にした一般式(I)のオキソブタノールが、等モル量から200モル%のモル過剰までの範囲内、特に等モル量から150モル%のモル過剰までの範囲内、好ましくは等モル量から100モル%のモル過剰までの範囲内のモル量で使用される場合が有利である。
同様に、プロセスの経済性と方法の経過の最適化、特に副産物の最小化を考慮すると、一般式(I)のオキソブタノールと高分子カルボン酸(II)とが、1:1~10:1の範囲内、特に2:1~8:1の範囲内、好ましくは3:1~6:1の範囲内の一般式(I)のオキソブタノール/高分子カルボン酸(II)のカルボキシ基のモル比において使用される場合が有利である。
本発明による方法において、一般式(I)のオキソブタノールと遊離酸の形の高分子カルボン酸(II)との反応の間に、水が同時に形成される。特に水が、反応から回収され、特に連続的に回収され、好ましくは連続的な、特に蒸留又は吸着除去によって回収されることが好ましい。
あるいは、本発明による方法において、一般式(I)のオキソブタノールとエステルの形態の高分子カルボン酸(II)との反応の間、1モルの対応するアルコールが、反応したエステル基のモル毎に形成される。特に、アルコールが反応から回収され、特に連続的に回収され、特に好ましくは連続した蒸留又は吸着除去によって回収されることが好ましい。
これに関して、用語「反応したエステル基」は、本発明による方法においてトランスエステル化されるエステル基、すなわち、オキソブタノールと反応するエステル基を意味する。これに関して、対応するアルコールが分離される。すなわち高分子カルボン酸のエチルエステルが存在する場合、オキソブタノールとのトランスエステル化によりエタノールが分割される。
副産物(水やアルコールなど)の連続的な除去は、特に化学平衡を生成物側にシフトさせ、変換率を高めるものである。
本発明による製造方法において、反応生成物の組成、特に高分子カルボン酸の種々のオキソブタノールエステルの存在、及び、混合物の場合におけるそれらの割合は、反応条件によって、特に反応温度(変換温度)を選択することによって、及び/又は、反応圧力(変換圧力)を選択することによって、及び/又は、触媒なし又は触媒を提供することによって且つ種類及び/又は量に関して触媒を選択することによって、及び/又は、出発化合物(遊離体)の量を選択することによって、及び/又は、任意に生成する副産物、特に水及び/又はアルコールの除去を提供することによって、制御及び/又は調節されることができる。
したがって、用途に応じて正確な組成を調整することができ、特に、例えば、置換オキソブタノールラジカル(3-ヒドロキシブタン酸エステルラジカル)の数を調整することで、1分子あたりのオキソブタノール又は3-ヒドロキシブタン酸エステルの形態のケト体密度を意図的に調整することができる。
反応後、得られた反応生成物は、さらに精製又はワークアップの工程にかけることができる。
この際、得られた反応生成物は、反応を行った後に分別されることが可能であり、特に蒸留により分別されることが可能である。
また、未反応の出発化合物(I)及び/又は(II)は、反応生成物から分離され、その後リサイクルされることが好ましい。
本発明による製造方法の特別な実施形態によれば、前記反応が行われた後に反応生成物中に依然として存在するヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基が、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、官能化され、特にエステル化されるように進めることが、特に可能である。
特に、前記反応に続いて、まだ存在するヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基の部分的、特に完全な官能基化、特にエステル化が行われる。
本発明方法のこの特定の実施形態では、まだ存在するヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基の官能化、特にエステル化は、例えば、遊離ヒドロキシ基の場合にはC-C30-カルボン酸又はC-C30-脂肪酸の、遊離カルボキシ基の場合にはC-C30-脂肪アルコールのカルボン酸無水物との反応によって実施することが可能である。これらは、直鎖状又は分岐状の、飽和又はモノ-もしくはポリ不飽和のC-C30-カルボン酸無水物又はC-C30-脂肪酸無水物又はC-C30-脂肪族アルコールであってもよい。これに関して、まだ存在するヒドロキシ基は、特にカルボン酸無水物又は脂肪酸と反応させることができ、まだ存在するカルボキシ基は、特に脂肪アルコールと反応させて、それぞれ対応するエステルを生じさせることができる。
本発明による方法において、反応生成物(III)として、高分子カルボン酸(II)の1つ以上のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸(II)の1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルが得られることが好ましい。
本発明による製造方法において、反応生成物(III)として、上記に定義されるような高分子カルボン酸(II)の1つ以上のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸(II)の1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルが得られることが好ましい。
本発明による製造方法において、反応生成物(III)として、上記に定義されるような高分子カルボン酸(II)の少なくとも2つ、特に少なくとも3つの異なるオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸(II)の1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルの混合物が得られることが好ましい。
本発明のさらなる主題は、本発明の第2の態様によれば、好ましくは上記に定義された方法によって取得可能な反応生成物、特に(化学)生成物又は生成物混合物、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル、又は高分子カルボン酸の複数のオキソブタノールエステルの混合物、特に高分子カルボン酸の複数の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールの混合物である。
特に、本発明はまた、上記又は下記に定義されるような高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルに関する。
本発明のこの態様の特定の実施形態によれば、高分子カルボン酸の少なくとも1つのカルボキシ基、特に少なくとも1つの末端及び/又は第1級カルボキシ基は、オキソブタノールで、特に一般式(I)
CH-CH(OH)-CH-C(O)OR (I)
の少なくとも1つの3-ヒドロキシブタン酸で、好ましくは少なくとも1つの4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールで、エステル化されることが好ましい。
ここで、一般式(I)において、ラジカルRは、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すものである。
本発明のこの態様の別の特定の実施形態によれば、前記高分子カルボン酸は、重縮合によって、又は重合、特に開環重合によって製造される。
本発明のこの態様に従えば、高分子カルボン酸が食品法で認可された成分、特に添加物である場合が、好ましい。本発明による方法に関連して既に述べたように、食品法で認可された高分子カルボン酸を含む本発明オキソブタノールエステルは、医薬品、薬剤、食品及び/又は食品生成物において又はとして使用に特に好適である。
さらに、本発明のこの態様によれば、前記高分子カルボン酸が2つの末端及び/又は第1級カルボキシ基からなる場合が好ましい。
本発明のこの態様の特定の実施形態によれば、前記高分子カルボン酸が、高分子カルボン酸の基礎となる単量体カルボン酸に由来する少なくとも2個、特に2~20個、好ましくは2~10個、より好ましくは3~7個の繰り返し単位を含む場合が、有利である。
典型的には、前記繰り返し単位はそれぞれ少なくとも1つの遊離カルボキシ基を含んでいる。各繰り返し単位が少なくとも1つの遊離カルボキシ基を含む場合、各遊離カルボキシ基がオキソブタノールによって又はオキソブタノールで、エステル化できるため、高い薬剤濃度を提供することが可能である。
特に、繰り返し単位及び/又は高分子カルボン酸の基礎となる単量体カルボン酸は、ヒドロキシジ-及びポリカルボン酸から派生し及び/又は選択され、好ましくは酒石酸、リンゴ酸及びクエン酸並びにこれらの組み合わせ及び混合物の群から派生し及び/又は選択され、より好ましくは酒石酸から派生され及び/又は選択される。
前述したように、「派生する」とは、ヒドロキシジ-、ポリカルボン酸がそれぞれ繰り返し単位又は単量体カルボン酸の基を形成していることを意味する。繰り返し単位の場合、これはヒドロキシジ-及びポリカルボン酸のエステル化によって形成され、繰り返し単位を形成するのはヒドロキシジ-及びポリカルボン酸それ自体ではない。ヒドロキシジ-及びポリカルボン酸は、少なくとも1つのヒドロキシ基と少なくとも2つのカルボキシ基を持つ有機物質を指す。
好ましくは、高分子カルボン酸の基となる単量体カルボン酸は、ヒト及び/又は動物の代謝で生じる天然由来のカルボン酸又はその誘導体、特に反応生成物、特にカルボン酸又はその誘導体、特に反応生成物である。
前述したように、得られた反応生成物を医薬品、医薬、食品及び/又は食品生成物に使用する際、又は医薬品、医薬、食品及び/又は食品生成物として使用する際には、ヒト及び/又は動物の代謝の一部であるカルボン酸又は誘導体に基づく高分子カルボン酸が特に相溶性がよい。特に、高分子カルボン酸又はその誘導体が基づいている単量体カルボン酸が、クエン酸サイクルにおいて生じるもの、クエン酸サイクルから生じるもの、又はクエン酸サイクルに関連するものであれば、これに関して有利である。これに関して、誘導体は、例えば、代謝産物(例えば、クエン酸サイクルから)の酸化によって得られる塩又はエステルを表すことができる。ヒト及び/又は動物の代謝の一部であるか、ヒト及び/又は動物の代謝の反応物又は生成物又は中間体である単量体カルボン酸又は誘導体をベースとする高分子カルボン酸を用いることにより、本発明による反応生成物を用いる際にヒト及び/又は動物の身体にさらなるエネルギー源(ケト体3-ヒドロキシブタン酸又は3-ヒドロキシブタン酸に加えて)を供給又は利用可能とすることができる。
特に、高分子カルボン酸の基となる単量体カルボン酸は、食品法で認可された成分、特に添加物であることが好ましい。
先に述べたように、例えば以下のカルボン酸は食品添加物リストに記載されており、本発明による方法で使用できる高分子カルボン酸(II)の製造にも適している:酒石酸(E334)、クエン酸(E330)及びリンゴ酸(E296)。これらの酸は、クエン酸サイクルの一部であるか、クエン酸サイクルの代謝産物の酸化によって得られるものである。クエン酸サイクルは、生体の好気性細胞の代謝に重要な役割を果たす生化学反応のサイクルで、主にエネルギー生産と生合成のための中間生成物を供給する目的で有機物質の酸化分解を行うものである。したがって、本発明による方法から得られる反応生成物(III)を使用する際に分解により生成する酸は、別の代替エネルギー源として体内で利用することができる。
本発明のこの態様の特定の実施形態によれば、前記高分子カルボン酸は、高分子ヒドロキシジ-及びポリカルボン酸、好ましくはポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)の群から、ポリマー酸及びポリクエン酸ならびにそれらの(部分的)塩及び(部分的)エステルならびにそれらの組み合わせ及び混合物から、より好ましくはポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)ならびにそれらの(部分的)塩及び(部分的)エステルならびに混合物から、さらにより好ましいポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)から選択されることが好ましい。
本発明のこの態様の好ましい実施形態によれば、前記高分子カルボン酸は、ポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)ならびにその(部分的)塩及び(部分的)エステルならびにそれらの混合物から、特にポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)から選択されることが好ましい。
本発明の態様の別の特定の実施形態によれば、高分子カルボン酸は、一般式(IIa)
-[O-X-C(O)]-Y (IIa)
に対応するものである。
ここで、一般式(IIa)において、
・Xは、有機ラジカル、特に3~10個、好ましくは3~8個の炭素原子を含み且つ1~3個のカルボキシ基を含み、任意に少なくとも1つのヒドロキシ基を含む飽和又は不飽和、線形又は分枝状の有機ラジカルを示すこと;
・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20の範囲内の整数、好ましくは2~10の範囲内の整数、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すこと;
・Y及びYは、それぞれ互いに独立した、末端及び/又は第1級カルボキシ基を有し、3~7個の炭素原子及び4~8個の酸素原子を有する飽和又は不飽和、直鎖又は分枝状の有機ラジカルを示すこと。
本発明の態様のさらに別の特定の実施形態によれば、高分子カルボン酸は、一般式(IIb)
-[O-CH(COOH)-CHZ-C(O)]-Y (IIb)
に対応するものである。
ここで、一般式(IIb)において、
・Zは、水素又はヒドロキシ基を示すこと;
・変数nは、2以上の(整数)数を示し、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すこと;
・Yは、Zが水素の場合は、基HOOC-CH(OH)-CH-C(O)-を示し、Zがヒドロキシ基の場合は基HOOC-CH(OH)-CH(OH)-C(O)-を示すこと;
・Yは、Zが水素の場合は、基-O-CH(COOH)-CH-COOHを示し、Zがヒドロキシ基の場合は、基-O-CH(COOH)-CH(OH)-COOHを示すこと。
本発明のこの態様のさらに別の特定の実施形態によれば、高分子カルボン酸は、一般式(IIc)
-[O-CH(COOH)-CH(OH)-C(O)]-Y (IIc)
に対応するものである。
ここで、一般式(IIc)において、
・変数nは、2以上の(整数)数を示し、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すこと;
・Yは、基HOOC-CH(OH)-CH(OH)-C(O)-を示すこと;
・Yは、基-O-CH(COOH)-CH(OH)-COOHを示すこと。
さらに、本発明のこの態様の特定の実施形態によれば、高分子カルボン酸は、一般式(IId)
Figure 2023543654000008
に対応するものである。
ここで、一般式(IId)において、
・変数nは、2以上の(整数)数を示し、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すこと。
また、特定の実施形態による本発明の目的は、特に上に定義したような高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルを提供することである。
ここで、オキソブタノールエステルは、一般式(IIIa)
-[O-X-C(O)]-Y (IIIa)
に対応するものである。
ここで、一般式(IIIa)において、
・Xは、有機ラジカル、特に3~10個、特に3~8個の炭素原子を有し且つ1~3個の基-COORを有し且つ任意に少なくとも1個のヒドロキシ基を有する飽和又は不飽和、直鎖又は分枝状の有機ラジカルを示すものであり、ここで、ラジカルRは、それぞれの繰り返し単位に関して互いに独立した、水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示すものであり、ここでラジカルRは、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルであることを示すものであること;
・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すこと;
・Y及びYは、それぞれ互いに独立した、3~7個の炭素原子及び4~8個の酸素原子を有する末端及び/又は第1級基COORを有する飽和又は不飽和、直鎖又は分岐有機ラジカルを示すものであり、ここで、基-COORにおいて、ラジカルRが水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここでラジカルRはC-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルであることを示すこと;
ただし、ラジカルR及びRの少なくとも1つ、特に少なくとも2つが、上記に定義されるようなラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示すことを条件とし、好ましくは(さらなる)条件として、少なくとも1つのラジカルRが、上記に定義されるようなラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示すこと。
特定の実施形態による本発明のさらなる目的はまた、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に本明細書で定義される高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルであり、
ここで、オキソブタノールエステルが、
一般式(IIIb)
-[O-CH(COOR)-CHZ-C(O)]-Y (IIIb)
に対応するものであり、
ここで、一般式(IIIb)において、
・Zは、水素又はヒドロキシ基を示すこと;
・Rは、それぞれの繰り返し単位に関して互いに独立した水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここでラジカルRはC-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すこと;
・Yは、Zが水素の場合には基ROOC-CH(OH)-CH-C(O)-を示し、Zがヒドロキシ基の場合には基ROOC-CH(OH)-CH(OH)-C(O)-を示し、ここでラジカルRは、水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここで、ラジカルRは、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
・Yは、Zが水素の場合には、基-O-CH(COOR)-CH-COORを示し、Zがヒドロキシ基の場合には、基-O-CH(COOR)-CH(OH)-COORを示し、ここで、ラジカルRは、互いに独立して、水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここで、ラジカルRは、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
ただし、ラジカルR及びRの少なくとも1つ、特に少なくとも2つは、上記に定義するようなラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示すことを条件とし、(さらなる)条件として、少なくとも1つのラジカルRが、上記に定義するようなラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示すこと。
さらなる特定の実施形態による本発明の別の目的もまた、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に上記に定義されるような高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルであり、
前記オキソブタノールエステルは、一般式(IIIc)
-[O-CH(COOR)-CH(OH)-C(O)]-Y (IIIc)
に対応するものであり、
ここで、一般式(IIIc)において、
・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すこと;
・Rは、それぞれの繰り返し単位に関して互いに独立した水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここでラジカルRはC-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
・Yは、基ROOC-CH(OH)-CH(OH)-C(O)-を示し、ここでラジカルRは、水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここで、ラジカルRは、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと:
・Yは、基-O-CH(COOR)-CH(OH)-COORを示し、ここで、ラジカルRは、互いに独立して、水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここで、ラジカルRは、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
ただし、ラジカルR及びRの少なくとも1つ、特に少なくとも2つは、上記に定義するようなラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示すことを条件とし、(さらなる)条件として、少なくとも1つのラジカルRが、上記に定義するようなラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示すこと。
さらに、さらに別の特定の実施形態による本発明の目的は、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に上記に定義するような高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルを提供することでもあり、
前記オキソブタノールエステルが、一般式(IIId)
Figure 2023543654000009
に対応するものであり、
ここで、一般式(IIId)において、
・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すこと;
・Rは、それぞれの繰り返し単位に関して互いに独立した水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここでラジカルRはC-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
・Rは、互いに独立した、水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここでラジカルRは、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
ただし、ラジカルR及びRの少なくとも1つ、特に少なくとも2つが、上記に定義されるようなラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示すことを条件とし、好ましくは(さらなる)条件として、少なくとも1つのラジカルRが、上記に定義されるようなラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示すこと。
特定の実施形態による本発明の目的は、さらに、高分子カルボン酸の少なくとも2つ、特に少なくとも3つの異なるオキソブタノールエステルの混合物、特に上記に定義するような高分子カルボン酸の1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルの混合物である。
それぞれ本発明の方法によって取得される反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に本発明の製造方法によって取得される高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル、又は、高分子カルボン酸の本発明のオキソブタノールエステル、特に上記に定義されるような高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得される混合物又は上記に定義されるような本発明の混合物は、それぞれ従来技術と比較して多数の利点及び特別な構成を有するものである。
出願人は、驚くべきことに、それぞれ本発明の方法によって取得される反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に上記に定義されるような高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得される混合物又は上記に定義されるような本発明の混合物が、一方で、生理的に、特に胃腸管内で3-ヒドロキシ酪酸又はその塩に変換され、他方で、特に非毒性及び許容できる有機食品特性に関して、良好な生理的適合性又は許容性を同時に構成することから、3-ヒドロキシ酪酸又はその塩の前駆体又は代謝物として好適であることを見いだした。
それぞれ本発明の方法によって取得される反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に上記に定義されるような高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得される混合物又は上記に定義されるような本発明の混合物は、合成ベースで、商業規模であっても、容易に入手可能であり、かつ、必要な医薬又は薬理学的品質を有する。
それぞれ本発明の方法によって取得される反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に上記に定義されるような高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得される混合物又は上記に定義されるような本発明の混合物は、必要に応じて、エナンチオマー的に純粋な又はエナンチオマー的に濃縮された形態で提供することができる。
それぞれ本発明の方法によって取得される反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に上記に定義されるような高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得される混合物又は上記に定義されるような本発明の混合物は、これによって、ヒトや動物の体のケト体治療において、効率的な薬理学的な薬品ターゲットを示すものである。
以下に、本発明の残りの態様をより詳細に説明する。
本発明のさらなる主題は、本発明の第3の態様によれば、それぞれ本発明の方法によって取得される反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に上記に定義されるような高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得される混合物又は上記に定義されるような本発明の混合物を有する医薬組成物、特に薬物又は医薬品である。
特に、本発明のこの態様によれば、本発明は、予防的及び/又は治療的処置のための医薬組成物又はヒト又は動物の身体の疾患の予防的及び/又は治療的処置における医薬組成物の使用のための医薬組成物に関する。これは、特にエネルギー代謝、特にケト体代謝の障害に関連する疾患、例えば、特に脳梗塞、脳卒中、低酸素症、心筋梗塞などの循環器系疾患、再食症、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの脂肪代謝疾患、リフィーディング症候群、食欲不振、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、グルコーストランスポーター欠損(GLUT1欠損)などの脂肪代謝性疾患、VL-FAOD、ミトコンドリアチオラーゼ欠損などのミトコンドリア病、ハンチントン病、T細胞リンパ腫、星細胞腫、グリオブラストーマなどの癌、HIV、関節リウマチ、ウリカ関節炎などのリュウマチ性疾患、慢性炎症性腸疾患、特に潰瘍性大腸炎やクローン病などの消化管疾患、スフィンゴ糖脂質症などのリオソーム貯蔵病、特にニーマン・ピック病、糖尿病、化学療法の影響や副作用に関するものである。
また、本発明のさらなる主題は、本発明の第4の態様によれば、本発明の予防的及び/又は治療的処置のための、ヒト又は動物体の疾患、特にエネルギー代謝、特にケト体代謝の障害に関連する疾患、例えば、特に脳梗塞、脳卒中、低酸素症、心筋梗塞などの循環器系疾患、再食症、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの脂肪代謝疾患、リフィーディング症候群、食欲不振、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、グルコーストランスポーター欠損(GLUT1欠損)などの脂肪代謝性疾患、VL-FAOD、ミトコンドリアチオラーゼ欠損などのミトコンドリア病、ハンチントン病、T細胞リンパ腫、星細胞腫、グリオブラストーマなどの癌、HIV、関節リウマチ、ウリカ関節炎などのリュウマチ性疾患、慢性炎症性腸疾患、特に潰瘍性大腸炎やクローン病などの消化管疾患、スフィンゴ糖脂質症などのリオソーム貯蔵病、特にニーマン・ピック病、糖尿病、化学療法の影響や副作用の予防的及び/又は治療的処置における使用のための、それぞれ本発明の方法によって取得される反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に上記に定義されるような高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得される混合物又は上記に定義されるような本発明の混合物である。
本発明のさらなる主題は、本発明の第5の態様によれば、本発明の予防的及び/又は治療的処置のための、ヒト又は動物体の疾患、特にエネルギー代謝、特にケト体代謝の障害に関連する疾患、例えば、特に脳梗塞、脳卒中、低酸素症、心筋梗塞などの循環器系疾患、再食症、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの脂肪代謝疾患、リフィーディング症候群、食欲不振、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、グルコーストランスポーター欠損(GLUT1欠損)などの脂肪代謝性疾患、VL-FAOD、ミトコンドリアチオラーゼ欠損などのミトコンドリア病、ハンチントン病、T細胞リンパ腫、星細胞腫、グリオブラストーマなどの癌、HIV、関節リウマチ、ウリカ関節炎などのリュウマチ性疾患、慢性炎症性腸疾患、特に潰瘍性大腸炎やクローン病などの消化管疾患、スフィンゴ糖脂質症などのリオソーム貯蔵病、特にニーマン・ピック病、糖尿病、化学療法の影響や副作用の予防的及び/又は治療的処置における製造のための、それぞれ本発明の方法によって取得される反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に上記に定義されるような高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得される混合物又は上記に定義されるような本発明の混合物の使用である。
同様に、本発明のさらなる主題は、本発明の第6の態様によれば、予防的及び/又は治療的処置のための、又は空腹、ダイエット又は低炭水化物栄養のような異化代謝状態への適用のための医薬品の製造のための、それぞれ本発明の方法によって取得される反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に上記に定義されるような高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得される混合物又は上記に定義されるような本発明の混合物の使用である。
同様に、本発明のさらなる主題は、本発明の第7の態様によれば、それぞれ本発明の方法によって取得される反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に上記に定義されるような高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得される混合物又は上記に定義されるような本発明の混合物を有する食品及び/又は食品生成物である。
特定の実施形態によれば、前記食品及び/又は食品生成物は、本質的に、栄養補助食品、機能性食品、新規食品、食品添加物、食品サプリメント、ダイエット食品、パワースナック、食欲抑制剤、又は筋力及び/又は耐久スポーツサプリメントであることが好ましい。
最後に、本発明の別の主題は、本発明の第8の態様によれば、食品及び食品生成物におけるそれぞれ本発明の方法によって取得される反応生成物又は上記に定義されるような本発明の反応生成物、及び/又は、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に上記に定義されるような高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル、及び/又は、本発明の製造方法によって取得される混合物又は上記に定義されるような本発明の混合物の使用である、
本発明のこの態様によれば、食品及び/又は食品生成物は、特に、栄養補助食品、機能性食品、新規食品、食品添加物、食品サプリメント、ダイエット食品、パワースナック、食欲抑制剤、又は筋力及び/又は耐久スポーツ補助食品であることが好ましい。
本発明のさらなる実施形態、修正及び変形は、本発明の範囲を離れることなく、明細書を読んだ当業者によって容易に認識又は実現可能なものである。
本発明は、以下の実施例によって説明されるが、これらは本発明を何ら限定するものではなく、本発明の例示的かつ非限定的な実施及び構成を説明するためのものに過ぎない。
使用した略語
・3-BHB-EE=BHB-EE:3-ヒドロキシ酪酸エチルエステル(=3-ヒドロキシブタン酸エチル又は4-エトキシ--4-オキソブタン-2-オール)(反応物)。
・EE-BHB-PWS:ポリ酒石酸の3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル
・EE-BHB-PAS:ポリリン酸の3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル
・EE-BHB-PCS:ポリクエン酸の3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル
I.触媒を使用しない本発明による方法の特定の実施態様の製造例
I.1. メタ酒石酸の4-エトキシ-4-オキソブタン-2-オールエステル(=3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル)の製造
デフレグメーター(部分凝縮器)と蒸留ブリッジを備えた100mL-マルチネックフラスコに、11gの(R)/(S)-3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル(3-BHB-EE=3-ヒドロキシブタン酸エチル又は4-エトキシ-4-オキソブタン-2-オール)(ラセミ)及び5gのメタ酒石酸(ぽり酒石酸)が供給される。反応混合物は、120℃で6時間攪拌された反応し、得られた反応水は、蒸留により連続的に除去される。さらなる分析のための反応混合物のサンプルは、3時間後及び6時間後に採取される。反応水は蒸留により除去される。その後、過剰の3-ヒドロキシブタン酸エチルエステルは、70℃で窒素気流において蒸発させた後、別のサンプルが採取される。得られた残渣は、高真空中で2~4時間水蒸気処理される。
メタ酒石酸の3-ヒドロキシブタン酸エチルモノ-、ジ-及び高級エステルの混合物(すなわち、メタ酒石酸モノ(4-エトキシ-4-オキソ-ブタン-2-オール)エステル、メタ酒石酸ジ(4-エトキシ-4-オキソ-ブタン-2-オール)エステル及びメタ酒石酸ポリ(4-エトキシ-4-オキソ-ブタン-2-オール)エステルの混合物)が得られる。
特性評価は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)及び酸価測定により行われる。
酸価(SZ)は、分析対象の酸(ここではメタ酒石酸)1gを中和するのに必要な水酸化カリウム(KOH)の質量をミリグラム(mg)単位で示したものである。酸価とは、化合物中のカルボン酸基を表す指標で、物質の酸性度を数値化するために用いられる。
純粋なメタ酒石酸(反応物)の酸価は469mgKOH/gであり、得られた反応生成物の酸価は190mgKOH/gである。このように、遊離カルボン酸基の数が著しく減少しているため、3-ヒドロキシ酪酸エチルとのエステル化に成功した。
合成中に採取したサンプル(反応時間3時間後、反応時間6時間後、窒素蒸発後)と純粋なメタ酒石酸(反応物)をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で分析し、GC面積分析を表2にまとめました:


Figure 2023543654000010
* 酒石酸 ** 3-BHB-EE
反応経過を模式的に示すと以下のようになる:
Figure 2023543654000011
I.2. ポリリンゴ酸の4-エトキシ-4-オキソブタン-2-オールエステル(=3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル)の製造
デフレグメーター(部分凝縮器)と蒸留ブリッジを備えた100mL-マルチネックフラスコに、11gの(R)/(S)-3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル(3-BHB-EE=3-ヒドロキシブタン酸又は4-エトキシ-4-オキソブタン-2-オール)(ラセミ)と5gのポリリンゴ酸を提供する。反応混合物は、120℃で6時間攪拌されて反応し、得られた反応水を蒸留により連続的に除去される。その後、過剰の3-ヒドロキシ酪酸エチルエステルは、窒素気流において、70℃で蒸発され、その後、別の試料が採取される。得られた残渣は、高真空中で2~4時間蒸気処理される。
ポリリンゴ酸の3-ヒドロキシブタン酸エチルモノ-、ジ-、及び高級エステルの混合物が得られる。
特性評価は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)及び酸価測定により行われる。
I.3. ポリクエン酸の4-エトキシ-4-オキソブタン-2-オールエステル(=3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル)の製造
デフレグメーター(部分凝縮器)及び蒸留ブリッジを備えた100mL-マルチネックフラスコに、11gの(R)/(S)-3-ヒドロキシ酪酸エチルエステル(3-BHB-EE=3-ヒドロキシ-ブタン酸エチル又は4-エトキシ-4-オキソブタン-2-オール)(ラセミ体)、及び5gポリクエン酸を提供する。反応混合物は、120℃で6時間攪拌されて反応し、得られた反応水は蒸留により連続的に除去される。その後、過剰の3-ヒドロキシブタン酸エチルエステルは、窒素気流において、70℃で蒸発された後、別の試料が採取される。得られた残渣は、高真空中で2~4時間水蒸気処理される。
ポリクエン酸の3-ヒドロキシブタン酸エチルモノ-、ジ-及び高級エステルの混合物が得られる。
特性評価は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)及び酸価測定により行われる。
I.4. 高分子カルボン酸の更なる4-エトキシ-4-オキソブタン-2-オールエステル(=3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル)の製造
さらに、上記の合成番号I.1、I.2、I.3が、それぞれ繰り返されるが、しかしそれぞれ異なる3-ヒドロキシブタン酸エステル(すなわちそれぞれの場合、3-ヒドロキシブタン酸エチルエステルの代わりに3-ヒドロキシブタン酸(ヒドロキシブチル)エステル又は3-ヒドロキシブタン酸(ヒドロキシペンチル))を用いてである。3-ヒドロキシ酪酸(ヒドロキシブチル)エステルは、3-ヒドロキシ酪酸とブタンジオール(例えば1,3ブタンジオール)とのエステル化により得られ、3-ヒドロキシ酪酸(ヒドロキシペンチル)エステルは、3-ヒドロキシ酪酸とペンタンジオール(例えば1,3ペンタンジオール)のエステル化により得られる。同等の結果が得られる。精製・分離も同じ方法において行われる。
また、先に述べた製造例は、ただし、高分子カルボン酸のメチルエステル及びエチルエステルを用いて、繰り返される。同様の結果が得られる。精製及び分離も同じ方法において行われる。
II. 金属触媒を使用する本発明による方法の代替的な特定の実施形態の製造例
前記I節で前述されたすべての化学合成例が再び行われるが、しかし触媒としてテトラブチル酸チタンを加える(チタン(IV)-触媒)。チタン(IV)-触媒は、他の反応物とともにフラスコ内に提供される。その後、反応方法は前述の実施例に対応する。同等の結果が得られる。触媒は、反応終了時に分離され、リサイクルされる。
III. 酵素触媒を使用する本発明による方法の更なる代替的な特定の実施形態の製造例
前記I節で前述されたすべての化学合成例が、ただし触媒として固定化酵素(カンジダ・アンタルティカ、例えばシグマ-アルドリッヒ又はメルクから市販されるNovozym(登録商標)435又はストレム化学から市販されるLipozym(登録商標)435から由来するポリマー支持体上のCALBリパーゼ)を加えて、真空下において70℃で、実施される。同等の結果が得られる。触媒(=酵素)は反応終了後、分離されてリサイクルされる。
IV. 生理学的応用試験:人工的消化試験
高分子カルボン酸の本発明の3-ヒドロキシブタン酸エステルの消化実験(分裂又は開裂実験)
開裂実験により、反応副生成物を含む、本発明に従って調製された高分子カルボン酸又はその混合物の3-ヒドロキシブタン酸エステル(参照:前記I節、II節及びIII節による既出の実験)が、ヒト胃腸管内で開裂し得ることが示された。
いずれの場合も、本発明の方法によって得られた精製反応生成物(すなわち、ポリ酒石酸の3-ヒドロキシブタン酸エステル、ポリリン酸の3-ヒドロキシブタン酸エステル及びポリクエン酸の3-ヒドロキシブタン酸エステル)を出発混合物として使用する。
ニアボディ条件下での開裂実験では、2つの媒体が検討された。
・ 胃を模擬したFaSSGF
・ 腸管を模擬したFaSSIF
どちらの培地も英国のBiorelevant(登録商標)社製のものである。また,実験によってはブタの膵臓(Panzytrat(登録商標)40,000,Fa.アラガン社製)が加えられた。
Panzytrat(登録商標)の有無(ともに35℃、24時間)におけるFaSSGF又はFaSSIF培地での切断実験の結果は、Panzytrat(登録商標)の有無によるFaSSGF条件下で、試料は加水分解することを示している;これは主に培地の低いpH値(pH=1.6)に起因する。FaSSIFの条件下では、Panzytrat(登録商標)を使用する低い変換が実行される。
開裂実験では、3-ヒドロキシブタン酸の開裂がカスケード的に進行することがわかる(すなわち、3-ヒドロキシブタン酸は段階的に放出され、その後、遊離3-ヒドロキシブタン酸とエタノールにさらに開裂することができる)。
V. 3-ヒドロキシブタン酸エステルの本発明のカルボン酸のさらなる消化実験(開裂実験)
パンクレアチンを用いた開裂実験
2gの上述されるように調製された高分子カルボン酸の3-ヒドロキシブタン酸エステル又は対応する混合物が、50gの水に溶解され、パンクレアチン0.5g(1重量%)が添加される。パンクレアチンは、アラガン社から市販されているPanzytrat(登録商標)40,000の形態において使用される。混合物全体は、50℃のホットプレート上で撹拌され、反応の経過が、酸価を経時的に連続記録することによって測定され、モニターされる。観察期間中に酸価が上昇する(高分子カルボン酸の3-ヒドロキシブタン酸エステルが開裂して遊離3-ヒドロキシブタン酸になる)。パンクレアチンによる本発明による高分子カルボン酸の3-ヒドロキシブタン酸エステルの水性開裂の変換-時間経過は、時間経過による酸価の増加を含み、反応物混合物の遊離高分子カルボン酸と3-ヒドロキシブタン酸への望ましい分解を実証する。これは、対応する分析結果からも確認できる。この実験は、本発明による出発混合物が、対応するケト体療法のための3-ヒドロキシブタン酸又はそのエステル(3-ヒドロキシブタン酸エステル)の適切な生理学的前駆体であることを証明するものである。
実験は、それぞれの場合において純粋な形態の個々のエステルを使って行われ、検証される。それぞれの場合において同様の結果が得られる。すなわち、高分子カルボン酸の3-ヒドロキシブタン酸エステルが、それぞれパンクレアチンによって切断されて、遊離高分子カルボン酸と3-ヒドロキシブタン酸エステルを与えるということである。
上記の開裂実験は、高分子カルボン酸の3-ヒドロキシブタン酸エステルが、特にその意図する効果に関して、生理的に適合する又は生理的に適合する形態で存在する遊離ヒドロキシブタン酸又はそのエステル(ここではエチルエステル、ヒドロキシブチルエステル、ヒドロキシペンチルエステル)の効率よい前駆体又は代謝物であることを示すものである。同様に、自然の代謝(例えばクエン酸サイクル)で生じるカルボン酸に基づく代謝的に使用可能な又は変換可能な高分子カルボン酸も形成される(例えばポリクエン酸又はポリクエン酸塩、ポリリン酸又はポリリン酸塩、ポリ酒石酸又はメタ酒石酸又はポリ酒石酸塩など)。
VI. さらなる試験(有機食品及び毒性試験)
本発明による高分子カルボン酸の3-ヒドロキシブタン酸エステルの有機的性質及び毒性に関して、さらなる実験及び試験シリーズを実施する。これらのことから、本発明の高分子カルボン酸の3-ヒドロキシブタン酸エステルは、有機的に受容可能で相溶性があり、特に純粋な3-ヒドロキシブタン酸及びその塩やエステルと比較して著しく向上した有機物性を示し、さらに、本願と食い違う毒性を示さないことがわかる。

Claims (56)

  1. 高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル、を製造するための方法において、
    ラジカルRが、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルである一般式(I)
    CH-CH(OH)-CH-C(O)OR (I)
    の少なくとも1つのオキソブタノール、特に少なくとも1つの3-ヒドロキシブタン酸エステル、好ましくは少なくとも1つの4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールが、少なくとも3つのカルボキシ基を有する少なくとも1つのポリマーの、特に重縮合され又は重合されたカルボン酸(II)と、特にエステル化反応中及び/又はエステル化条件下で反応し、
    これによって、反応生成物(III)として、高分子カルボン酸(II)の1つ以上のオキソブタノールエステル、特に1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルが取得できることを特徴とする方法。
  2. 前記一般式(I)の化合物は、ラセミ体又は(R)-エナンチオマーの形態で使用されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記一般式(I)において、ラジカルRは、エチルであること、及び/又は
    前記一般式(I)の化合物として、式CH-CH(OH)-CHC(O)OCの3-ヒドロキシブタン酸エチル(3-ヒドロキシブタン酸エチルエステル又は4-エトキシ-4-オキソ-2-ブタノール)が使用されることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記高分子カルボン酸(II)は、遊離カルボン酸の形態、高分子カルボン酸の(部分的)塩の形態又は高分子カルボン酸の(部分的)エステルの形態で使用され、特に遊離高分子カルボン酸の形態において使用されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
  5. 前記高分子カルボン酸(II)は、重縮合によって又は重合によって、特に開環重合によって製造されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 前記高分子カルボン酸(II)は、食品法で認可された成分、特に添加物であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 前記高分子カルボン酸(II)は、2つの末端及び/又は第1級カルボキシ基を有することを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の方法。
  8. 前記高分子カルボン酸(II)は、高分子カルボン酸(II)の基礎となる単量体カルボン酸から誘導される少なくとも2つ、特に2~20、好ましくは2~10、より好ましくは3~7の繰り返し単位を含むこと;
    特に、繰り返し単位がそれぞれ少なくとも1つの遊離カルボキシ基を含んでいること;及び/又は、
    特に、繰り返し単位および/または高分子カルボン酸(II)の基礎となる単量体カルボン酸が、ヒドロキシジおよびポリカルボン酸、好ましくは酒石酸、リンゴ酸およびクエン酸ならびにこれらの組み合わせおよび混合物の群から誘導されるおよび/または選択されること、及び/又は、酒石酸から誘導されおよび/または選択されること;及び/又は、
    特に、高分子カルボン酸(II)の基となる単量体カルボン酸が、ヒト及び/又は動物の代謝で生じる天然由来のカルボン酸又はその誘導体、特に反応生成物、特にカルボン酸又はその誘導体、特に反応生成物であること;及び/又は、
    特に、高分子カルボン酸(II)の基となる単量体カルボン酸が、食品法で認可された成分、特に添加物であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 前記高分子カルボン酸(II)は、ポリマーヒドロキシジ-及びポリカルボン酸から、好ましくはポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)、ポリリン酸及びポリクエン酸ならびにそれらの(部分)塩及び(部分的)エステルならびにそれらの組み合わせ及び混合物、より好ましくはポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)ならびにそれらの(部分的)塩及び(部分的)エステルならびに混合物、さらにより好ましいポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)の群から選択されることを特徴とする請求項1~8のいずれか1つに記載の方法。
  10. 前記高分子カルボン酸(II)が、ポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)ならびにその(部分的)塩及び(部分的)エステルならびにそれらの混合物、特にポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)から選択されることを特徴とする請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
  11. 前記高分子カルボン酸(II)は、一般式(IIa)
    -[O-X-C(O)]-Y (IIa)
    に対応すること、
    ここで、一般式(IIa)において、
    ・Xは、有機ラジカル、3~10個、好ましくは3~8個の炭素原子を有し且つ1~3個のカルボキシ基を有するとともに任意に少なくとも1つのヒドロキシ基を有する飽和又は不飽和、線形又は分枝状の有機ラジカルを示すものであり;
    ・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すものであり;
    ・Y及びYは、それぞれ互いに独立した、末端及び/又は第1級カルボキシ基を有し且つ3~7個の炭素原子及び4~8個の酸素原子を有する飽和又は不飽和、直鎖又は分枝状の有機ラジカルを示すものであることを特徴とする請求項1~10のいずれか1つに記載の方法。
  12. 前記高分子カルボン酸(II)は、一般式(IIb)
    -[O-cH(COOH)-CHZ-C(O)]-Y (IIb)
    に対応すること、
    ここで、一般式(IIa)において、
    ・Zは、水素又はヒドロキシ基を示すこと;
    ・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すものであり;
    ・Yは、Zが水素の場合には、基HOOC-CH(OH)-CH-C(O)-を示し、Zがヒドロキシ基の場合には、基HOOC-CH(OH)-CH(OH)-C(O)-を示すこと;
    ・Yは、Zが水素の場合には、基-O-CH(COOH)-CH-COOHを示し、Zがヒドロキシ基の場合には、基-O-CH(COOH)-CH(OH)-COOHを示すことを特徴とする請求項1~11のいずれか1つに記載の方法。
  13. 前記高分子カルボン酸(II)は、一般式(IIc)
    -[O-CH(COOH)-CH(OH)-C(O)]-Y (IIc)
    に対応すること、
    ここで、一般式(IIc)において、
    ・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すものであり;
    ・Yは、基HOOC-CH(OH)-CH(OH)-C(O)-を示すものであること;
    ・Yは、基-O-CH(COOH)-CH(OH)-COOHを示すものであることを特徴とする請求項1~12のいずれか1つに記載の方法。
  14. 高分子カルボン酸(II)は、一般式(IId)
    Figure 2023543654000012
    に対応すること、
    ここで、一般式(IId)において、変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すことを特徴とする請求項1~13のいずれか1つに記載の方法。
  15. 高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル、を製造する方法、特に請求項1~14のいずれか1つに記載の方法において、
    ラジカルRが、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示す一般式(I)
    CH-CH(OH)-CH-C(O)OR (I)
    の少なくとも1つのオキソブタノール、特に少なくとも1つの3-ヒドロキシブタン酸エステル、好ましくは少なくとも1つの4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールが、
    ポリマーヒドロキシジ-及び-ポリカルボン酸から選択され、好ましくはポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)、ポリリン酸及びポリクエン酸、ならびにそれらの(部分的)塩及び(部分的)エステルならびにそれらの組み合わせ及び混合物の群から選択され、より好ましくはポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)ならびにそれらの(部分的)塩及び(部分的)エステルならびに組み合わせ及び混合物、さらに好ましくはポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)から選択される少なくとも1つのカルボン酸(II)と、特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下で、反応すること、
    それによって、反応生成物として、高分子カルボン酸(II)の1つ以上のオキソブタノールステル、特に高分子カルボン酸(II)の1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステルが、得られることを特徴とする方法。
  16. 高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル、を製造する方法、特に請求項1~15のいずれか1つに記載の方法において、
    ラジカルRが、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示す一般式(I)
    CH-CH(OH)-CH-C(O)OR (I)
    の少なくとも1つのオキソブタノール、特に少なくとも1つの3-ヒドロキシブタン酸エステル、好ましくは少なくとも1つの4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールが、
    ポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)並びにその(部分的)塩及び(部分的)エステル及びそれらの混合物、特にポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)から選択される少なくとも1つのカルボン酸(II)と、特にエステル化反応において及び/又はエステル化条件下で、反応すること、
    これによって、反応生成物(III)として、高分子カルボン酸(II)の1つ以上のオキソブタノールステル、特に高分子カルボン酸(II)の1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)
    -2-ブタノールエステルが、得られることを特徴とする方法。
  17. 高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルを製造する方法、特に請求項1~16のいずれか1つに記載の方法において、
    ラジカルRがC-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示す一般式(I)
    CH-CH(OH)-CH-C(O)OR (I)
    の少なくとも1つのオキソブタノール、特に少なくとも1つの3-ヒドロキシブタン酸エステル、好ましくは少なくとも1つの4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールが、
    ・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すものであり;
    ・Yは、基HOOC-CH(OH)-CH(OH)-C(O)-を示すものであり、
    ・Yは、基-O-CH(COOH)-CH(OH)-COOHを示すものである一般式(IIc)
    -[O-CH(COOH)-CH(OH)-C(O)]-Y (IIc)
    の少なくとも1つのカルボン酸(II)と、エステル反応において及び/又はエステル化条件において、反応すること、
    これによって、反応生成物(III)として、反応生成物(III)として、高分子カルボン酸(II)の1つ以上のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸(II)の1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステルが得られることを特徴とする方法。
  18. 高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルを製造する方法に関するものであり、特に請求項1~17のいずれか1つに記載の方法において、
    ラジカルRがC-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示す一般式(I)
    CH-CH(OH)-CH-C(O)OR (I)
    の少なくとも1つのオキソブタノール、特に少なくとも1つの3-ヒドロキシブタン酸エステル、好ましくは少なくとも1つの4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールが、
    ・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すものである一般式(IId)
    Figure 2023543654000013
    の少なくとも1つのカルボン酸(II)と、エステル反応において及び/又はエステル化条件において、反応すること、
    これによって、反応生成物(III)として、反応生成物(III)として、高分子カルボン酸(IId)の1つ以上のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸(IId)の1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルキコシ)-2-ブタノールエステルが得られることを特徴とする方法。
  19. 前記反応は、溶媒の非存在下及び/又は無溶媒で実施されること;及び/又は、
    前記反応は、触媒の非存在下及び/又は触媒なしで実施されること、又は、前記反応は、触媒の存在下で、特に酵素及び/又は金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒の存在下で実施されること、特に触媒は、反応後にリサイクルされることを特徴とする請求項1~18のいずれか1つに記載の方法。
  20. 前記反応が、溶媒の非存在下及び/又は無溶媒で実施されること;及び前記反応が、触媒の非存在下及び/又は無触媒で実施されることを特徴とする請求項1~19のいずれか1つに記載の方法。
  21. 前記反応が、触媒の非存在下及び/又は無触媒で実施されること;及び
    前記反応が、20℃~160℃の範囲内、特に50℃~150℃の範囲内、好ましくは70℃~140℃の範囲内、より好ましくは80℃~135℃の範囲内、さらに好ましくは100℃~130℃の範囲内の温度で実施されること;及び/又は、
    前記反応は、触媒の非存在下及び/又は触媒なしで、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、さらに好ましくは約1バールの圧力で実施されること;及び/又は、
    前記反応は、触媒の非存在下及び/又は触媒なしで、不活性ガスの存在下、特にヘリウム、アルゴン、窒素の存在下、好ましくは窒素の存在下で実施されることを特徴とする請求項1~20のいずれか1つに記載の方法。
  22. 前記反応が触媒として酵素の存在下で実施されること;
    特に、前記酵素は、シンテターゼ(リガーゼ)、カタラーゼ、エステラーゼ、リパーゼ及びそれらの組み合わせから選択されること;及び/又は、
    特に、前記酵素は、カンディダ・アンタークティカ、ムコル・ミエヘイ(リゾムコル・ミエヘイ)、テルモミセス・ラヌギノーサ、カンジダ・ルゴサ、アスペルギルス・オリゼ(ニホンコウジカビ)、シュードモナス・セパシア、シュードモナス・フルオレッセンス、リゾパス・デレマール及びシュードモナス種及びそれらの組み合わせ、好ましくはカンディダ・アンタークティカ、ムコル・ミエヘイ(リゾムコル・ミエヘイ)及びテルモミセス・ラヌギノーサから得られること;及び/又は、
    特に、前記酵素は、固定化形態、特に担体、優先的にはポリマー担体、好ましくは疎水性を有するポリマー有機担体、より好ましくはポリ(メタ)アクリル樹脂系担体に固定化されて使用されること;及び/又は、
    特に、前記酵素は、反応後にリサイクルされること;及び/又は、
    特に、前記反応は、10℃~80℃の範囲内、特に20℃~80℃の範囲内、好ましくは25℃~75℃の範囲内、より好ましくは45℃~75℃の範囲内、さらに好ましくは50℃~70℃の範囲内の温度で行われること;及び/又は、
    前記酵素は、出発化合物(I)及び(II)の総量を基準として、0.001重量%~20重量%の範囲内、特に0.01重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.5重量%~10重量%の範囲内で使用されること;及び/又は、
    前記反応は、0.0001bar~10barの範囲内、特に0.001bar~5barの範囲内、好ましくは0.01bar~2barの範囲内、より好ましくは0.05bar~1barの範囲内、さらに好ましくは約0.5barの圧力で、触媒としての酵素の存在下で、実施されること;及び/又は、
    前記反応は、酵素の存在下で、不活性ガス、特にヘリウム、アルゴン又は窒素の存在下、好ましくは窒素の存在下で行われることを特徴とする請求項1~19のいずれか1つに記載の方法。
  23. 前記反応は、金属含有及び/又は金属ベースの、酸性又は塩基性触媒の存在下で実施されること;
    特に、前記触媒は、(i)塩基性触媒、特にアルカリ又はアルカリ土類水酸化物及びアルカリ又はアルカリ土類アルコール塩、たとえばNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)、NaOMe、KOMe及びNa(OBu-tert.)、(ii)酸性触媒、特に鉱酸、及び有機酸、例えば硫酸エステル酸、リン酸、硝酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸及びカルボン酸、(iii)ルイス酸、特にチタン、錫、亜鉛及びアルミニウム化合物をベースとするルイス酸、たとえば、チタンテトラブチレート、スズ酸、酢酸亜鉛、三塩化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロピル、及び(iv)不均一系触媒、特に鉱物ケイ酸エステル、ゲルマン酸エステル、炭酸エステル及びアルミニウム酸化物に基づくもの、例えばゼオライト、モンモリロナイト、モルデナイト、ヒドロタルサイト及びアルミナ及びそれらの組み合わせ、から選択されること;及び/又は、
    特に、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム化合物に基づくルイス酸、チタンテトラブチレート、スズ酸、酢酸亜鉛、三塩化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロピルが、触媒として使用されること;及び/又は、
    特に、前記触媒が、反応後にリサイクルされること;及び/又は、
    特に、前記反応は、金属含有及び/又は金属系、酸性又は塩基性触媒の存在下、20℃~160℃の範囲内、特に50℃~150℃の範囲内、好ましくは70℃~140℃の範囲内、より好ましくは80℃~135℃の範囲内、さらに好ましくは100℃~130℃の範囲内の温度で行われること;及び/又は、
    特に、前記触媒は、出発化合物(I)及び(II)の総量を基準にして、0.01重量%~30重量%の範囲内、特に0.05重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%~15重量%の範囲内、好ましくは0.2重量%~10重量%の範囲内の量で使用されること;及び/又は、
    前記反応は、0.0001バール~10バールの範囲内、特に0.001バール~5バールの範囲内、好ましくは0.01バール~2バールの範囲内、より好ましくは0.05バール~1バールの範囲内の圧力で、さらに好ましくは約1バールの圧力で、金属含有及び/又は金属系、酸性又は塩基性触媒の存在下で、実施されること;及び/又は、
    特に、前記反応は、不活性ガス、特にヘリウム、アルゴン又は窒素の存在下、好ましくは窒素の存在下で実施されることを請求項1~19のいずれか1つに記載の方法。
  24. 高分子カルボン酸(II)のカルボキシ基を基にした一般式(I)のオキソブタノールが、等モル量から200モル%のモル過剰までの範囲内、特に等モル量から150モル%のモル過剰までの範囲内、好ましくは等モル量から100モル%のモル過剰までの範囲内のモル量で使用されること;及び/又は、
    一般式(I)のオキソブタノールと高分子カルボン酸(II)とが、1:1K等10:1の範囲内、特に2:1~8:1の範囲内、好ましくは3:1~6:1の範囲内の一般式(I)のオキソブタノール/高分子カルボン酸(II)のカルボキシ基のモル比において使用されることを特徴とする請求項1~23のいずれか1つに記載の方法。
  25. 一般式(I)のオキソブタノールと遊離酸の形の高分子カルボン酸(II)との反応の間に、水が同時に形成され、特に水が、反応から回収され、特に連続的に回収され、好ましくは連続的な、特に蒸留又は吸着除去によって回収されること;及び/又は、
    一般式(I)のオキソブタノールとエステルの形態の高分子カルボン酸(II)との反応の間、1モルの対応するアルコールが、反応したエステル基のモル毎に形成され、特に、アルコールが反応から回収され、特に連続的に回収され、特に好ましくは連続した蒸留又は吸着除去によって回収されることを特徴とする請求項1~24のいずれか1つに記載の方法。
  26. 反応生成物の組成、特に高分子カルボン酸の種々のオキソブタノールエステルの存在、及び、混合物の場合におけるそれらの割合は、反応条件によって、特に反応温度(変換温度)を選択することによって、及び/又は、反応圧力(変換圧力)を選択することによって、及び/又は、触媒なし又は触媒を提供することによって且つ種類及び/又は量に関して触媒を選択することによって、及び/又は、出発化合物(遊離体)の量を選択することによって、及び/又は、任意に生成する副産物、特に水及び/又はアルコールの除去を提供することによって、制御及び/又は調節されることを特徴とする請求項1~25のいずれか1つに記載の方法。
  27. 得られた反応生成物は、反応を行った後に分別され、特に蒸留により分別されることを特徴とする請求項1~26のいずれか1つに記載の方法。
  28. 未反応の出発化合物(I)及び/又は(II)は、反応生成物から分離され、その後リサイクルされることを特徴とする請求項1~27のいずれか1つに記載の方法。
  29. 前記反応が行われた後に反応生成物中に依然として存在するヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基が、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、官能化され、特にエステル化されること;及び/又は、
    前記反応に続いて、まだ存在するヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基の部分的、特に完全な官能基化、特にエステル化が行われることを特徴とする請求項1~28のいずれか1つに記載の方法。
  30. 反応生成物(III)として、高分子カルボン酸(II)の1つ以上のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸(II)の1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルが得られることを特徴とする請求項1~29のいずれか1つに記載の方法。
  31. 反応生成物(III)として、請求項33~47のいずれか1つに定義されるような高分子カルボン酸(II)の1つ以上のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸(II)の1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルが得られることを特徴とする請求項1~30のいずれか1つに記載の方法。
  32. 反応生成物(III)として、上記に定義されるような高分子カルボン酸(II)の少なくとも2つ、特に少なくとも3つの異なるオキソブタノールエステルの混合物、特に高分子カルボン酸(II)の1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルの混合物が得られることを特徴とする請求項1~31のいずれか1つに記載の方法。
  33. 請求項1~32のいずれか1つに記載の方法によって取得される反応生成物、特に(化学)生成物又は生成物混合物、高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル、又は高分子カルボン酸の複数のオキソブタノールエステルの混合物、特に高分子カルボン酸の複数の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールの混合物。
  34. 請求項33記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル。
  35. 高分子カルボン酸の少なくとも1つのカルボキシ基、特に少なくとも1つの末端及び/又は第1級カルボキシ基が、オキソブタノールで、特に一般式(I)
    CH-CH(OH)-CH-C(O)OR (I)
    の少なくとも1つの3-ヒドロキシブタン酸で、好ましくは少なくとも1つの4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノール又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールで、エステル化されること、
    ここで、一般式(I)において、ラジカルRは、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すことを特徴とする請求項34記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル。
  36. 前記高分子カルボン酸は、重縮合によって、又は重合、特に開環重合によって製造されること;及び/又は、
    前記高分子カルボン酸が食品法で認可された成分、特に添加物であること;及び/又は、
    前記高分子カルボン酸が2つの末端及び/又は第1級カルボキシ基からなることを特徴とする請求項34又は35記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル。
  37. 前記高分子カルボン酸が、高分子カルボン酸の基礎となる単量体カルボン酸に由来する少なくとも2個、特に2~20個、好ましくは2~10個、より好ましくは3~7個の繰り返し単位を含むこと;
    特に、前記繰り返し単位はそれぞれ少なくとも1つの遊離カルボキシ基を含んでいること;及び/又は、
    特に、繰り返し単位及び/又は高分子カルボン酸の基礎となる単量体カルボン酸は、ヒドロキシジ-及びポリカルボン酸から派生し及び/又は選択され、好ましくは酒石酸、リンゴ酸及びクエン酸並びにこれらの組み合わせ及び混合物の群から派生し及び/又は選択され、より好ましくは酒石酸から派生され及び/又は選択されること;及び/又は、
    特に、前記高分子カルボン酸の基となる単量体カルボン酸は、ヒト及び/又は動物の代謝で生じる天然由来のカルボン酸又はその誘導体、特に反応生成物、特にカルボン酸又はその誘導体、特に反応生成物であること;及び/又は、
    前記高分子カルボン酸の基となる単量体カルボン酸は、食品法で認可された成分、特に添加物であることを特徴とする請求項34~36のいずれか1つに記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル。
  38. 前記高分子カルボン酸は、高分子ヒドロキシジ-及びポリカルボン酸、好ましくはポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)、ポリリンゴ酸及びポリクエン酸ならびにそれらの(部分的)塩及び(部分的)エステルならびにそれらの組み合わせ及び混合物からなる群から、より好ましくはポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)ならびにそれらの(部分的)塩及び(部分的)エステルならびに混合物から、さらにより好ましいポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)から選択されること;及び/又は、
    前記高分子カルボン酸は、ポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)ならびにその(部分的)塩及び(部分的)エステルならびにそれらの混合物から、特にポリ酒石酸(メタ酒石酸又はE353)から選択されることを特徴とする請求項34~37のいずれか1つに記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル。
  39. 高分子カルボン酸は、一般式(IIa)
    -[O-X-C(O)]-Y (IIa)
    に対応すること、
    ここで、一般式(IIa)において、
    ・Xは、有機ラジカル、特に3~10個、好ましくは3~8個の炭素原子を含み且つ1~3個のカルボキシ基を含み、任意に少なくとも1つのヒドロキシ基を含む飽和又は不飽和、線形又は分枝状の有機ラジカルを示すこと;
    ・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20の範囲内の整数、好ましくは2~10の範囲内の整数、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すこと;
    ・Y及びYは、それぞれ互いに独立した、末端及び/又は第1級カルボキシ基を有し、3~7個の炭素原子及び4~8個の酸素原子を有する飽和又は不飽和、直鎖又は分枝状の有機ラジカルを示すことを特徴とする請求項34~37のいずれか1つに記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル。
  40. 高分子カルボン酸は、一般式(IIb)
    -[O-CH(COOH)-CHZ-C(O)]-Y (IIb)
    に対応すること、
    ここで、一般式(IIb)において、
    ・Zは、水素又はヒドロキシ基を示すこと;
    ・変数nは、2以上の(整数)数を示し、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すこと;
    ・Yは、Zが水素の場合は、基HOOC-CH(OH)-CH-C(O)-を示し、Zがヒドロキシ基の場合は基HOOC-CH(OH)-CH(OH)-C(O)-を示すこと;
    ・Yは、Zが水素の場合は、基-O-CH(COOH)-CH-COOHを示し、Zがヒドロキシ基の場合は、基-O-CH(COOH)-CH(OH)-COOHを示すことを特徴とする請求項34~39のいずれか1つに記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル。
  41. 高分子カルボン酸は、一般式(IIc)
    -[O-CH(COOH)-CH(OH)-C(O)]-Y (IIc)
    に対応すること、
    ここで、一般式(IIc)において、
    ・変数nは、2以上の(整数)数を示し、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すこと;
    ・Yは、基HOOC-CH(OH)-CH(OH)-C(O)-を示すこと;
    ・Yは、基-O-CH(COOH)-CH(OH)-COOHを示すことを特徴とする請求項34~40のいずれか1つに記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル。
  42. 高分子カルボン酸は、一般式(IId)


    Figure 2023543654000014
    に対応すること、
    ここで、一般式(IId)において、
    ・変数nは、2以上の(整数)数を示し、特に2~20の範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すことを特徴とする請求項34~41のいずれか1つに記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル。
  43. オキソブタノールエステルが、一般式(IIIa)
    -[O-X-C(O)]-Y (IIIa)
    に対応すること、
    ここで、一般式(IIIa)において、
    ・Xは、有機ラジカル、特に3~10個、特に3~8個の炭素原子を有し且つ1~3個の基-COORを有し且つ任意に少なくとも1個のヒドロキシ基を有する飽和又は不飽和、直鎖又は分枝状の有機ラジカルを示すものであり、ここで、ラジカルRは、それぞれの繰り返し単位に関して互いに独立した、水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示すものであり、ここでラジカルRは、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルであることを示すものであること;
    ・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すこと;
    ・Y及びYは、それぞれ互いに独立した、3~7個の炭素原子及び4~8個の酸素原子を有する末端及び/又は第1級基COORを有する飽和又は不飽和、直鎖又は分岐有機ラジカルを示すものであり、ここで、基-COORにおいて、ラジカルRが水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここでラジカルRはC-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルであることを示すこと;
    ただし、ラジカルR及びRの少なくとも1つ、特に少なくとも2つが、上記に定義されるようなラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示すことを条件とし、好ましくは(さらなる)条件として、少なくとも1つのラジカルRが、上記に定義されるようなラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示すことを特徴とする高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル、特に請求項34~42のいずれか1つに記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル。
  44. オキソブタノールエステルが、
    一般式(IIIb)
    -[O-CH(COOR)-CHZ-C(O)]-Y (IIIb)
    に対応するものであり、
    ここで、一般式(IIIb)において、
    ・Zは、水素又はヒドロキシ基を示すこと;
    ・Rは、それぞれの繰り返し単位に関して互いに独立した水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここでラジカルRはC-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
    ・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すこと;
    ・Yは、Zが水素の場合には基ROOC-CH(OH)-CH-C(O)-を示し、Zがヒドロキシ基の場合には基ROOC-CH(OH)-CH(OH)-C(O)-を示し、ここでラジカルRは、水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここで、ラジカルRは、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと:
    ・Yは、Zが水素の場合には、基-O-CH(COOR)-CH-COORを示し、Zがヒドロキシ基の場合には、基-O-CH(COOR)-CH(OH)-COORを示し、ここで、ラジカルRは、互いに独立して、水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここで、ラジカルRは、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
    ただし、ラジカルR及びRの少なくとも1つ、特に少なくとも2つは、上記に定義するようなラジカル-CH(CH)-CH-c(O)ORを示すことを条件とし、(さらなる)条件として、少なくとも1つのラジカルRが、上記に定義するようなラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示すことを特徴とする高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル、特に請求項34~43のいずれか1つに記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル。
  45. 前記オキソブタノールエステルは、一般式(IIIc)
    -[O-CH(COOR)-CH(OH)-C(O)]-Y (IIIc)
    に対応するものであり、
    ここで、一般式(IIIc)において、
    ・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すこと;
    ・Rは、それぞれの繰り返し単位に関して互いに独立した水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここでラジカルRはC-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
    ・Yは、基ROOC-CH(OH)-CH(OH)-C(O)-を示し、ここでラジカルRは、水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここで、ラジカルRは、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと:
    ・Yは、基-O-CH(COOR)-CH(OH)-COORを示し、ここで、ラジカルRは、互いに独立して、水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここで、ラジカルRは、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
    ただし、ラジカルR及びRの少なくとも1つ、特に少なくとも2つは、上記に定義するようなラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示すことを条件とし、(さらなる)条件として、少なくとも1つのラジカルRが、上記に定義するようなラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示すことを特徴とする高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル、特に請求項34~44のいずれか1つに記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル。
  46. 前記オキソブタノールエステルが、一般式(IIId)
    Figure 2023543654000015
    に対応するものであり、
    ここで、一般式(IIId)において、
    ・変数nは、2以上の(整数)数、特に2~20範囲内、好ましくは2~10の範囲内、より好ましくは3~7の範囲内の整数を示すこと;
    ・Rは、それぞれの繰り返し単位に関して互いに独立した水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここでラジカルRはC-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
    ・Rは、互いに独立した、水素又はラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示し、ここでラジカルRは、C-C-アルキル又はヒドロキシ-C-C-アルキル、特にエチル、ブチル、ペンチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、好ましくはエチル、ヒドロキシブチル又はヒドロキシペンチル、より好ましくはエチルを示すこと;
    ただし、ラジカルR及びRの少なくとも1つ、特に少なくとも2つが、上記に定義されるようなラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示すことを条件とし、好ましくは(さらなる)条件として、少なくとも1つのラジカルRが、上記に定義されるようなラジカル-CH(CH)-CH-C(O)ORを示すことを特徴とする高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル、特に請求項34~45のいずれか1つに記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル。
  47. 高分子カルボン酸の少なくとも2つ、特に少なくとも3つの異なるオキソブタノールエステルの混合物、特に上記に定義するような高分子カルボン酸の1つ以上の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステルの混合物。
  48. 請求項33に記載の反応生成物、及び/又は、請求項34~46のいずれか1つに記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル、及び/又は、請求項47記載の混合物を有する医薬組成物、特に薬剤又は薬品。
  49. 予防的及び/又は治療的処置のための、又は、ヒト又は動物の身体の疾患、特にエネルギー代謝、特にケト体代謝の障害に関連する疾患、例えば、特に脳梗塞、脳卒中、低酸素症、心筋梗塞などの循環器系疾患、再食症、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの脂肪代謝疾患、リフィーディング症候群、食欲不振、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、グルコーストランスポーター欠損(GLUT1欠損)などの脂肪代謝性疾患、VL-FAOD、ミトコンドリアチオラーゼ欠損などのミトコンドリア病、ハンチントン病、T細胞リンパ腫、星細胞腫、グリオブラストーマなどの癌、HIV、関節リウマチ、ウリカ関節炎などのリュウマチ性疾患、慢性炎症性腸疾患、特に潰瘍性大腸炎やクローン病などの消化管疾患、スフィンゴ糖脂質症などのリオソーム貯蔵病、特にニーマン・ピック病、糖尿病、化学療法の影響や副作用の予防的及び/又は治療的処置における使用のための請求項48記載の医薬組成物。
  50. 予防的及び/又は治療的処置のための、又は、ヒト又は動物の身体の疾患、特にエネルギー代謝、特にケト体代謝の障害に関連する疾患、例えば、特に脳梗塞、脳卒中、低酸素症、心筋梗塞などの循環器系疾患、再食症、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの脂肪代謝疾患、リフィーディング症候群、食欲不振、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、グルコーストランスポーター欠損(GLUT1欠損)などの脂肪代謝性疾患、VL-FAOD、ミトコンドリアチオラーゼ欠損などのミトコンドリア病、ハンチントン病、T細胞リンパ腫、星細胞腫、グリオブラストーマなどの癌、HIV、関節リウマチ、ウリカ関節炎などのリュウマチ性疾患、慢性炎症性腸疾患、特に潰瘍性大腸炎やクローン病などの消化管疾患、スフィンゴ糖脂質症などのリオソーム貯蔵病、特にニーマン・ピック病、糖尿病、化学療法の影響や副作用の予防的及び/又は治療的処置における使用のための請求項33に記載の反応生成物、及び/又は、請求項34~46のいずれか1つに記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル、及び/又は、請求項47記載の混合物。
  51. 予防的及び/又は治療的処置のための、又は、ヒト又は動物の身体の疾患、特にエネルギー代謝、特にケト体代謝の障害に関連する疾患、例えば、特に脳梗塞、脳卒中、低酸素症、心筋梗塞などの循環器系疾患、再食症、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの脂肪代謝疾患、リフィーディング症候群、食欲不振、てんかん、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、グルコーストランスポーター欠損(GLUT1欠損)などの脂肪代謝性疾患、VL-FAOD、ミトコンドリアチオラーゼ欠損などのミトコンドリア病、ハンチントン病、T細胞リンパ腫、星細胞腫、グリオブラストーマなどの癌、HIV、関節リウマチ、ウリカ関節炎などのリュウマチ性疾患、慢性炎症性腸疾患、特に潰瘍性大腸炎やクローン病などの消化管疾患、スフィンゴ糖脂質症などのリオソーム貯蔵病、特にニーマン・ピック病、糖尿病、化学療法の影響や副作用の予防的及び/又は治療的処置における使用のための請求項33に記載の反応生成物、及び/又は、請求項34~46のいずれか1つに記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル、及び/又は、請求項47記載の混合物の使用。
  52. 予防的及び/又は治療的処置のための、又は、空腹、ダイエット又は低炭水化物栄養のような異化代謝状態への適用のための医薬品の製造のための、請求項33に記載の反応生成物、及び/又は、請求項34~46のいずれか1つに記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル、及び/又は、請求項47記載の混合物の使用。
  53. 請求項33に記載の反応生成物、及び/又は、請求項34~46のいずれか1つに記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル、及び/又は、請求項47記載の混合物を有する食品及び/又は食品生成物。
  54. 栄養補助食品、機能性食品、新規食品、食品添加物、食品サプリメント、ダイエット食品、パワースナック、食欲抑制剤、又は筋力及び/又は耐久スポーツサプリメントであることを特徴とする請求項53記載の前記食品及び/又は食品生成物。
  55. 食品及び/又は食品生成物における請求項33に記載の反応生成物、及び/又は、請求項34~46のいずれか1つに記載の高分子カルボン酸のオキソブタノールエステル、特に高分子カルボン酸の4-オキソ-4-(C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル又は4-オキソ-4-(ヒドロキシ-C-C-アルコキシ)-2-ブタノールエステル、及び/又は、請求項47記載の混合物の使用。
  56. 前記食品及び/又は食品生成物が、栄養補助食品、機能性食品、新規食品、食品添加物、食品サプリメント、ダイエット食品、パワースナック、食欲抑制剤、又は筋力及び/又は耐久スポーツサプリメントであることを特徴とする請求項55記載の使用。

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