JP2023542351A - ケアおよび/またはメークアップコンパクトパウダー - Google Patents

ケアおよび/またはメークアップコンパクトパウダー Download PDF

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Abstract

本発明は、ケラチン物、特に皮膚をケアおよび/またはメークアップするための、コンパクトパウダーの形態の化粧品組成物であって、コンパクトパウダーは、生理学的に許容できる媒体中に、少なくとも、充填剤および、式(I):[Chem 1]で示される添加物で処理された顔料、を含む固相を含み、該組成物は、(i)少なくとも水を含む液相と粉末形態の固相とを混合することで、ペースト状物を形成する工程;および(ii)得られたペースト状物を圧縮して液相を完全にまたは部分的に除去することによって成形することで、コンパクトパウダーの形態の組成物を得る工程を含む方法によって得ることができる、固体化粧品組成物に関する。

Description

本発明は、化粧品分野に関し、特に、皮膚を化粧品としてケアおよび/またはメークアップすることを目的とするコンパクトパウダーの分野に関する。
メークアップおよび/または皮膚ケアのためのコンパクトパウダーは、「乾式」プロセス、またはパウダーを分散させるために溶媒または希釈剤を使用する場合は「湿式」プロセスによって調製することができる。乾式プロセスでは、充填剤や顔料などの粉状材料を、非揮発性脂肪物質を主成分とする結合剤と混合する。湿式プロセスでは、粉状材料および結合剤を溶媒で希釈することでペースト状物(別称スラリー)を得て、次に、これを乾燥させる。乾式プロセスでは、コンパクトパウダーは、一般に、粉状相(pulverulent phase)の全成分を混合し、次に、この混合物に攪拌しながら結合脂肪相を加えることによって調製する。混合物を粉砕し、ふるいにかけ、次に、皿に注いて圧縮する。圧縮は、一般に、5~25MPaの圧力で行われる。湿式プロセスでは、製造プロセスにペースト状物(スラリー)を使用し、乾燥圧縮工程を含まない。従来のパウダーと比較して官能性質や快適性が改善したクリーム状のパウダーが強く求められており、それは、スラリーが興味深く最新の技術である理由からである。「スラリー」とは、粒子相(充填剤および顔料)、非揮発性液相(パウダーおよびクリーム状の面に滑らかさを与える結合剤)、および製造プロセス中に蒸発する溶媒からなる化粧品ペースト状物(懸濁液)を示す用語である。
最も一般的に使用される溶媒はイソドデカンであるが、現在は技術や環境の発展により、技術的リスクが少ないという理由から、水が好まれている。
しかし、顔料を用いてメークアップ製品を製造する目的でスラリー法において水を使用すると、配合の不適合や製品表面の不均一、例えばまだら模様(マーブリング)またはその他の色むらが生じ、消費者にとって完成度が低く魅力的でない外観を与えることがある。
したがって、本発明は、特に水スラリープロセスによって製造される場合に、均質な外観を有する新しい固体化粧品メークアップ組成物、特にコンパクトメークアップパウダーを提供することを目的とする。
「均質」とは、様々な成分、特に顔料が、肉眼で均一または実質的に均一な外観を与えるように分布している組成物を意味する。特に、本発明のプロセスに従って得られる組成物は、マーブリングのような表面の色むらを有さない。
したがって、本発明の第一態様は、ケラチン物質、特に皮膚をケアおよび/またはメークアップするための、コンパクトパウダーの形態の固体化粧品組成物であって、コンパクトパウダーは、生理学的に許容できる媒体中に、
少なくとも充填剤および、
式(I):
[式中:
- nは、1または2を示し、
- Mは、Hまたは陽イオンを示し、
- MがHである場合、mは1を示し、Mが陽イオンである場合、mは陽イオンの原子価を示し、
- Rは、
- サッカライドまたは-[CH2-CHR1-O]q-R2基または-[CH2-CH(CH2OH)-O]q-R2基から選択されるG基を示し、ここで:
- qは、1~1000の整数を示し、
- 各CH2-CHR1-O単位において、R1は、独立して、Hまたはメチルを示し、
- R2は、Hまたは1~3個の炭素原子を含むアルキルを示し、そして
- 1~500個の炭素原子を含む炭化水素鎖は、一つまたはそれ以上のG基、リン酸基(式:OPO3(M)2/m)および/またはヒドロキシル(OH)基によって置換されている]
で示される添加物で処理された顔料、
を含む固相を含み、
該組成物は、(i)少なくとも水を含む液相とパウダー形態の固相とを混合することでペースト状物を形成す工程;および(ii)ペースト状物を圧縮して液相を完全にまたは部分的に除去することによって成形することで、コンパクトパウダーの形態の組成物を得る工程、を含む方法によって得ることができる、固体化粧品組成物である。
また、本発明に従って定義される組成物をケラチン物質に適用することを含む、ケラチン物質、特に皮膚、より詳細には顔のケア及び/又はメークアップのための化粧品プロセスに関する。
「本発明による組成物」とは、一般に、本発明の方法に従って得られる最終的化粧品組成物を意味し、方法の中間工程で得られるペースト状物またはスラリーとは区別される。
本発明の詳細な説明
したがって、本発明の第一態様は、ケラチン物質、特に皮膚をケアおよび/またはメークアップするための、コンパクトパウダーの形態の固体化粧品組成物であって、コンパクトパウダーのは、生理学的に許容できる媒体中に、
少なくとも充填剤および、
式(I):
[式中:
- nは、1または2を示し、
- Mは、Hまたは陽イオンを示し、
- MがHである場合、mは1を示し、Mが陽イオンである場合、mは陽イオンの原子価を示し、
- Rは、
- サッカライドまたは-[CH2-CHR1-O]q-R2基または-[CH2-CH(CH2OH)-O]q-R2基から選択されるG基を示し、ここで:
- qは、1~1000の整数を示し、
- 各CH2-CHR1-O単位において、R1は、独立して、Hまたはメチルを示し、
- R2は、Hまたは1~3個の炭素原子を含むアルキルを示し、そして
- 1~500個の炭素原子を含む炭化水素鎖は、一つまたはそれ以上のG基、リン酸基(式:OPO3(M)2/m)および/またはヒドロキシル(OH)基によって置換されている]
で示される添加物で処理された顔料、
を含む固相を含み、
該組成物は、(i)少なくとも水を含む液相とパウダー形態の固相とを混合することでペースト状物を形成す工程;および(ii)得られたペースト状物を圧縮して液相を完全にまたは部分的に除去することによって成形することで、コンパクトパウダーの形態の組成物を得る工程、を含む方法によって得ることができる、固体化粧品組成物である。
「コンパクトパウダー」とは、ルースパウダー(loose powder)と異なる、パウダーを基礎とする固体組成物を意味し、より具体的には、本発明の場合、圧縮工程と称される工程により成形される少なくとも一つの固相を含む組成物を意味し、その工程は、該固相および少なくとも水を含む液相から形成されるペースト状物に、得られる組成物が固体となるように該固相に凝集力を与えるための圧力を適用するものであり、すなわちそれ自体の重さでは流動せずに、時間が経過してもその形状は保持される。典型的には、該圧力は粒子相に適用される。
コンパクトパウダーとは対照的に、ルースパウダーは、一般に、場合により粉砕と篩分けを伴う、成分を単に混合して製造される乾燥物であり、ここには、粒子相の成形を目的とする圧縮工程は無い。
コンパクトパウダーは、一般に、粒子相の全成分を混合し、次に、この混合物に液相を添加して攪拌することによって調製される。次に、この混合物をカップ、バケットまたは金型に注ぎ、圧縮する。圧縮は、一般に、5~25MPaの圧力で行われ、その結果、圧縮された組成物の体積が減少する。
コンパクトパウダーは、逆にワックスおよび結合剤を主成分とする「キャスト(cast)」組成物とは異なる。キャスト組成物は、室温で固体である脂肪相を加熱することによって調製され、粉状材料と混合するように溶融する必要があるものである。
本発明の組成物は、一般に、100~500Gf(重量グラム)、特に200~400Gf(重量グラム)の範囲の硬度を有する。組成物の硬度は、以下のプロトコルにしたがって測定することができる。
硬度は、コンパクト表面に適用される直径5mmのシリンダーが固定されたロッドを備えた、TA.XT PLUS TEXTURE ANALYZER(STABLE MICROSYSTEMS)テクスチュロメータ(texturometer)を用いて測定される。シリンダー貫通力は、厚さ1mmにわたって0.5mm/秒の速度で測定される。
特定の実施態様によれば、本発明の組成物は、(i)少なくとも水を含む液相とパウダー形態の固相とを混合することでペースト状物を形成す工程;および(ii)得られたペースト状物を圧縮して液相を完全にまたは部分的に除去することによって成形することで、コンパクトパウダーの形態の組成物を得る工程、を含む方法得られる。
本発明による「(ペースト状物中に存在する)液相の部分的または完全な除去」とは、得られるコンパクトパウダーが、無水(完全な除去)であるか、または所望の保湿性質に応じて最終水率を含むことを意味する。除去される液相は、水と、任意の追加の揮発性または非揮発性の溶媒および結合剤(油)を含む。液相は、室温で揮発性または不揮発性の液体からなることができる。
この除去工程は、組成物中の水の所望の最終パーセンテージを得るように制御される。したがって、本発明の例示では、「制御された除去」または「制御された吸引」について言及する。
液相を完全にまたは部分的に除去するこの工程は、組成物を固化させるように、液相を実質的に除去することを可能にする。液相の完全なまたは部分的除去は、吸引などの機械的手段、または熱などの熱的手段で行うことができる。
液相の部分的除去はまた、前述の手段の組み合わせを含むことができる。したがって、本発明の方法の変形例に従って、ペースト状物に含まれている液相の部分的除去は、機械的除去、次いで、熱的な除去を行うことを含む。
この方法は、例えば、機械的除去手段を用いてペースト状物を部分的に乾燥させて湿ったパウダーを得る工程、および該湿ったパウダーを熱的手段で乾燥させる工程という二つの連続した工程を含む。機械的除去は、プレス下で吸引することによって行うことができ、熱的除去は、例えば、好ましくは70℃未満、より好ましくはなお60℃未満の温度で、オーブンで乾燥させることによって行うことができる。特定の実施態様によれば、液相の完全にまたは部分的除去は、真空下、室温で、特に1~4バールの圧縮圧力および1~4バールの吸引圧力(限界値を含む)で吸引することによって行われる。
当業者は、この工程の期間を適合させることで、液相の完全にまたは部分的除去を最適化することができる。特定の実施態様によれば、液相の完全にまたは部分的除去は、真空下、環境温度で、1~2バールの圧縮圧力および1~2バールの吸引圧力で3~20秒間、特に、2バールの圧縮圧力および1バールの吸引圧力で20秒間吸引することによって行われる。
ペースト状物は、使用する期間や除去手段に応じて、液体の割合を高くしたり低くしたりすることができる。
したがって、水は、好ましくは、ペースト状物の10重量%~70重量%を示し、本発明の最終個体組成物の0重量%~35重量%を示す。
固形組成物を形成するためにペースト状物から水を完全にまたは部分的に除去することに応じて、最終コンパクトパウダーの水分含有量は、組成物の0重量%~50重量%で変化し得る。
したがって、本発明の固体組成物の含水量は、一般に、前記組成物の総重量に対して、水の0重量%~50重量%、特に水の10重量%~45重量%の範囲である。
特定の実施形態によれば、本発明の組成物は無水であり、すなわち1重量%未満の水を含み、有利には水を含まない(0%の水)である。これは、ペースト状物からの水の除去が完全である場合である。液相を完全に除去する場合、この除去工程は、例えばオーブン内で、好ましくは70℃未満、さらにより好ましくは60℃未満の温度で乾燥することによる加熱工程を含み得る。
別の特定の実施態様によれば、本発明の組成物は、組成物の総重量に対して、1重量%~40重量%、特に5重量%~30重量%、または10重量%~20重量%の範囲の含水量を含む。
固相
固相は、成形工程の前には、最初は粉末の形態である。これが、固相が成形工程の前に、前記固体相が液相と混合されてペースト状物を形成するときに、粒子固相という用語、または総称「パウダー」もしくは「粉状相」によって示される理由である。
この固相は、以下の形状に限定されない、この固相は、棒状、板状、球状の形状に限定されない、さまざまな形状の粒子の混合物からなる。特定の実施態様によれば、板状の形態の充填剤は、本発明の化粧品配合物中に高い割合で含まれる。これらの白色充填剤には、グライド(glide)を与えるためにテクスチャー剤およびタッチ剤、例えば、球状充填剤を添加することができる。その目的は、さまざまなパウダーの比率を最適化して、満足のいく感覚(滑り性質(glide property)、ピックアップ性質および柔らかさ性質)を維持しながら圧縮することである。
粒子固相は、有利には、少なくとも一つの顔料および/または少なくとも一つの充填剤を含む粉状材料の混合物からなる。顔料は、鉱物顔料、有機顔料および真珠光沢顔料から選択することができる。
添加物で処理された顔料
鉱物顔料は、酸化鉄、特に、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄および褐色酸化鉄;二酸化チタン、マンガンバイオレット;ウルトラマリンブルー; 酸化クロム、特に酸化クロム水和物、フェリックブルー(ferric blue)、カーボンブラック、およびこれらの混合物から選択され得る。
有機顔料のうち、特にD&C Black No. 2、FD&C Blue No. 1、FD&C Green No. 3、D&C Green No. 5、D&C Orange No. 4、D&C Orange No. 5、D&C orange No. 10、D&C No. red 3、D&C Red No. 6、D&C Red No. 7、D&C red No. 9、D&C red No. 13、D&C red No. 19、D&C Red No. 21、D&C Red No. 22、D&C Red No. 27、D&C Red No. 28、D&C Red No. 30、D&C Red No. 33、D&C Red No. 36、FD&C Red No. 40、FD&C Yellow No. 5、FD&C Yellow No. 6、D&C Yellow No. 10およびチニールカーマインなどの色素から得られるレーキが挙げられる。
真珠光沢顔料は、例えば、酸化チタンで覆われた雲母、酸化鉄で覆われた雲母チタン、フェリックブルーで覆われた雲母チタン、酸化クロムまたは酸化スズで覆われた雲母チタン;前述のような有機顔料で覆われた雲母チタン、およびオキシ塩化ビスマスに基づく顔料から選択される。
本発明に従って使用される顔料は、以下に記載の特定の添加物で処理された顔料である。
したがって、本発明の組成物は、顔料および式(I):
[式中:
- nは、1または2を示し、
- Mは、Hまたは陽イオンを示し、
- MがHである場合、mは1を示し、Mが陽イオンである場合、mは陽イオンの原子価を示し、
- Rは、
- サッカライドまたは-[CH2-CHR1-O]q-R2基または-[CH2-CH(CH2OH)-O]q-R2基から選択されるG基を示し、ここで:
- qは、1~1000の整数を示し、
- 各CH2-CHR1-O単位において、R1は、独立して、Hまたはメチルを示し、
- R2は、Hまたは1~3個の炭素原子を含むアルキルを示し、そして
- 1~500個の炭素原子を含む炭化水素鎖は、一つまたはそれ以上のG基、リン酸基(式:OPO3(M)2/m)および/またはヒドロキシル(OH)基によって置換されている]
で示される添加剤、
を含む顔料または顔料系組成物を含む。
このような顔料は、特にSENSIENTの国際出願WO2012120098に記載されている。
この顔料系組成物は、化粧品組成物、特に水性化粧品組成物への導入に適している。それは一般に、密接に混合されている顔料および添加物を含むパウダーの形態であり、添加物は一般に、顔料の表面に吸着または沈殿している。パウダー状態の顔料系組成物は、液体形態(懸濁液、エマルジョンまたは溶液)の組成物と比較して特に有利である。
出願WO2012120098に記載の顔料組成物は、水性媒体中または水中油型エマルジョンの連続水相中に非常に容易にかつ効果的に分散することが判明された。
この式(I)の化合物において、炭化水素鎖が1~500個の炭素原子、特に1~50個、典型的には1~10個の炭素原子、好ましくは1~5個の炭素原子を含むことを意味する。炭化水素鎖は、直鎖状、分枝鎖状または環状であり得る。好ましい炭化水素鎖は、アルキル基(好ましくは1~10個の炭素原子、特に1~5個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子を有する、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基およびイソプロピル基)、アルケニル(好ましくは2~10個の炭素原子、特に2~6個を有する)、アリール(好ましくは6~10個の炭素原子を有する)、アリールアルキル(好ましくは7~10個の炭素原子を有する)またはアルキルアリール(好ましくは7~10個の炭素原子を有する)である。Mは特に、Ag3+、Al3+、Fe3+、Fe2+、Ag2+、Zn2+、Sn2+、Ca2+、Ba2+、Ag+、Na+などの無機陽イオン、またはジエタノールアンモニウム(DEA)(H3N+-(CH2)2-OH)もしくは第4級アンモニウムなどの有機陽イオンであり得る。
特定の実施態様によれば、顔料または顔料系組成物は、式(II):
[式中、Mおよびmは、上記に定義されている通りである]
で示される添加物(式(I)(式中、nは2を示し、Rは式:-[CH2-CH(CH2OH)-O]q-R2(ここで、qは1を示し、そして、R2はHを示す)で示されるG基を示す)で示される添加物に相当する)を含む。
特定の好ましい実施態様によれば、式(III):
で示されるグリセロホスフェート添加物[式(II)(式中、MはNaを示し、そして、mは1を示す)で示される添加物に相当する]であって、有利には市販されているものが使用される。
したがって、特定の好ましい実施態様によれば、本発明によって使用される顔料は、グリセロリン酸ナトリウムで処理された顔料(別称「SGP」顔料)、特にこのような添加物で処理された酸化鉄である。
特に、SENSIENTより以下の参考番号で販売されている、グリセロリン酸ナトリウムで処理された顔料(SGP)から作られるものが挙げられる:
Unipure red LC381 SGP(酸化鉄(CI 77491およびCI 77499)およびグリセロリン酸ナトリウム)
Unipure black LC989 SGP(酸化鉄(CI 77499)およびアルミナおよび酸化マグネシウムおよびグリセロリン酸ナトリウム)
Unipure yellow LC182 SGP(酸化鉄(CI 77492)およびグリセロリン酸ナトリウム)
Unipure white LC 981 SGP(二酸化チタン(CI 77891)およびグリセロリン酸ナトリウム)。
別の特定の実施態様によれば、式(V):
で示される添加物[式(I)(式中、nは、2を示し、Rは、2位、3位、4位、5位および6位で式OPO3H2のリン酸基によって置換されているシクロヘキシル炭化水素鎖を示す)で示される添加物に相当する]が使用される。好ましくは、式(V’):
で示されるフィチン酸[式(V)(式中、MはHを示し、そして、mは1を示す)で示される添加物に相当する]であって、有利には市販されている、例えばNutriscience(登録商標)が使用される。
式(V’)で示されるフィチン酸溶液で処理された顔料は、Sensientの出願WO2012/120098およびFR3080116に記載されている。
SENSIENTより以下の参考番号で販売されている、フィチン酸(PHY)で処理された顔料が挙げられる:
Unipure red LC388 PHY(赤色酸化鉄(CI 77491)およびフィチン酸および水酸化ナトリウム)
Unipure black LC 998 PHY(CI 77499およびフィチン酸およびグリセロリン酸ナトリウム)
Unipure yellow LC 188 PHY(CI 77492およびフィチン酸およびグリセロリン酸ナトリウム)
Unipure white LC 985 PHY(アナターゼ(anatase、CI 77891)およびフィチン酸およびグリセロリン酸ナトリウム)。
本発明の組成物は、式(I)、(II)、(III)、(V)または(V’)で示される添加物、好ましくは式(III)で示されるグリセロリン酸ナトリウム添加物、または式(V')で示されるフィチン酸添加物で処理された顔料を、前記組成物の総重量に対して0.5重量%~60重量%、特に0.8重量%~50重量%、好ましくは1重量%~30重量%の範囲の含有量で含む。
特定の実施態様によれば、ケア製品の場合、顔料の総含有量は、一般に、組成物の総重量に対して0.5重量%~5重量%の範囲である。
別の特定の実施態様によれば、メークアップ製品の場合、顔料の総含有量は、一般に、組成物の総重量に対して8重量%~30重量%、特に12重量%~20重量%%の範囲である。
充填剤
充填剤は、鉱物であっても有機物であってもよく、板状、球状または長方形のいずれかの形状であってもよい。
特定の実施態様によれば、充填剤は、板状充填剤、球状充填剤およびこれらの混合物から選択される。
充填剤は、有利には、100ナノメートルを超え200マイクロメートル(μm)未満の平均直径を有し、より具体的には、5~150ナノメートルの直径を有する。
本発明の変形実施態様によれば、充填剤は、その表面状態を改変するように処理することができる。有利には、本発明のパウダーの十分な凝集を保証しながら、疎水性または親水性親水性にするように、表面処理することができる。特定の実施態様によれば、充填剤は、前述の顔料と同様に、前述のような親水性添加物で処理することができる。
充填剤は、特に、以下のような無機充填剤から選択される:
- タルク、好ましくは、一般に40μm未満の大きさの粒子の形態のもの;
- 2~200μm、好ましくは5~70μmの大きさおよび0.1~5μm、好ましくは0.2~3μmの厚さを有する天然起源または合成起源のマイカ、絹雲母(sericites);
- 一般に30μm未満の粒子径を有するカオリン;
- 8~22個の炭素原子、好ましくは12~18個の炭素原子を有する有機カルボン酸に由来する金属石鹸、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、好ましくは10μm未満の大きさを有する粒子の形態のもの;これらの金属石鹸は特にパウダー中で凝集剤(cohesive agent)の役割を果たす;
- 酸化亜鉛、酸化チタン;炭酸カルシウム;硫酸バリウム;炭酸マグネシウム、マグネシウム炭化水素、シリカ、ガラスビーズ、セラミックビーズ(ceramic bead);窒化ホウ素;
- およびこれらの混合物。
有機充填剤として、特に以下のものが挙げられる:
- 架橋または非架橋デンプン、例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプンまたはジャガイモデンプン;
- セルロースパウダー;
- 合成ポリマーパウダー(架橋または非架橋、球状または球状ではない、拡張されたかまたは拡張されていない)、例えばポリアミドパウダー(例えば、ORGASOL(登録商標)の名称で販売されているポリR-アラニンパウダーおよびナイロンパウダー)、ポリ(メト)アクリル酸またはポリ(メト)アシレートパウダー、例えば、架橋メチルメタクリレートパウダー、シリコーン樹脂パウダー、例えばシルセスキオキサン、
- およびこれらの混合物。
特定の実施態様によれば、本発明の組成物は、少なくとも、賦形剤の役割を果たす充填剤、テクスチャーおよび感覚に関する役割を果たす充填剤、および組成物内の凝集の役割を果たす充填剤を含む。
したがって、本発明の組成物は、有利には以下のものを含む:
賦形剤として、タルク、雲母、絹雲母、合成ふっ素金雲母、窒化ホウ素、硫酸バリウム、アミノ酸、デンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択される充填剤;
テクスチャー剤または感覚剤(feel agent)として、シリカ、シリコーン樹脂、PMMA、セルロース、およびナイロン-12からなる群から選択される充填剤、および
8~22個の炭素原子、好ましくは12~18個の炭素原子を有する有機カルボン酸に由来する金属石鹸、好ましくは、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウムおよびこれらの混合物から選択される金属石鹸の群から選択される充填剤。
充填剤はまた、その形状によって分類することができる。組成物は、有利には、球状充填剤および板状充填剤を含む。
特定の実施態様によれば、板状充填剤は、タルク、雲母、絹雲母、合成ふっ素金雲母、窒化ホウ素、硫酸バリウム、アミノ酸およびこれらの混合物からなる群から選択され、球状充填剤は、シリカ、PMMA粒子、セルロース粒子、ナイロン粒子、シリコーン樹脂粒子、デンプンおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の本発明は、有利には、少なくとも:
- 板状充填剤として、タルク、雲母、絹雲母、合成ふっ素金雲母、窒化ホウ素、硫酸バリウム、アミノ酸およびこれらの混合物からなる群から選択される充填剤;および
- 球状充填剤として、シリカ、シリコーン樹脂、PMMA、セルロース、およびナイロン-12、デンプンおよびこれらの混合物からなる群から選択される充填剤、
を含む。
球状充填剤および板状充填剤の含有量は、所望の性質に応じて調整することができる。特に、組成物は、0.1重量%~50重量%、特に1重量%~25重量%の含有量の、シリカ、シリコーン樹脂、PMMA、セルロース、ナイロン-12、およびこれらの混合物からなる群から選択される球状充填剤、ならびに0.1重量%~70重量%、特に1重量%~60重量%の含有量の板状充填剤を含み得る。
特定の好ましい実施態様によれば、組成物はまた、本発明によって得られるパウダーの凝集を改善するための、8~22個の炭素原子を有する有機カルボン酸に由来する金属石鹸から選択される少なくとも一つの充填剤を、該組成物の総重量に対して0重量%~10重量%の範囲の含有量で含む。
液相
液相は、少なくとも水を含む。
液相は、有利には、ポリオール、グリコールエーテルおよびこれらの混合物から選択されるヒドロキシル化化合物をさらに含む。
固体組成物を形成するためにペースト状物から水を完全に除去するか部分的に除去するかによって、最終コンパクトパウダーの含水量は、組成物の0重量%~50重量%で変化し得る。
したがって、本発明の固体組成物の含水量は、一般に、該組成物の総重量に対して0重量%~50重量%、特に水の10重量%~45重量%の水の範囲である。
特定の実施態様によれば、本発明の組成物は無水であり、すなわち1重量%未満の水を含み、有利には水を含まない(0%の水)である。これは、ペースト状物からの水の除去が完全である場合である。
別の特定の実施態様によれば、本発明の組成物は、組成物の総重量に対して1重量%~40重量%、特に5重量%~30重量%、または10重量%~20重量%の範囲の含水量を含む。
コンパクトパウダー中の水の存在は、皮膚への組成物の適用時に、皮膚との接触時にほぼ瞬時に蒸発する水から生じるさわやかな感覚を得ることを可能にする。この驚くべき効果は、この種の製品を使用する消費者が求める幸福感を提供するため、顔に適用される組成物の場合に特に求められるものである。
液相は、有利には、また、ポリオール、ポリオールエーテルおよびこれらの混合物から選択される少なくとも一つのヒドロキシル化化合物を含む。
ポリオールおよびグリコールエーテルのうち、特にいかのものが挙げられる:
- C3-C6ポリオール、例えばC3-C6脂肪族ジオール(またはグリコール)、例えばプロパン-1,2-ジオール(またはプロピレングリコール)、プロパン-1,3-ジオール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール(ペンタン-1,5-ジオール)、またはトリオール、例えばグリセロール、
- グリコールエーテルまたは芳香族アルコール、例えばフェノキシエタノール、およびこれらの混合物。
好ましくは、組成物は、少なくとも一つのC3-C5ポリオール、好ましくはグリセロールを含む。
本発明の組成物中のポリオール(複数可)および/またはグリコールエーテル(複数可)の総含有量は、特に、該組成物の総重量に対して1重量%~30重量%、特に該組成物の総重量に対して1重量%~25重量%の範囲である。特定の実施態様によれば、ポリオール(複数可)および/またはグリコールエーテル(複数可)、特にグリセロールの総含有量は、該組成物の総重量に対して5重量%~25重量%、好ましくは5重量%~15重量%の範囲である。
油相(場合による)
組成物はまた場合により、少なくとも一つの油を含む油相を含む。
「油相」とは、油または互いに混和できる油の混合物を意味する。
「油」とは、本発明の意味において、水に不溶な、25℃、大気圧で液体である脂肪物質を意味する。
これらの油は、揮発性油または非揮発性油、植物起源油、鉱物起源油または合成起源油であり得る。
油相は、脂肪エステル、シリコーン、炭化水素油、バター、およびこれらの混合物などの様々な種類の結合剤を含むことができる。特定の実施態様によれば、脂肪エステル、炭化水素油、およびこれらの混合物が使用される。
これらの成分は、ペースト状物の圧縮時に粒子固相の結合剤の役割を果たし、凝集を与え、テクスチャーの方面では適用時のクリーム状、快適性を、ケア方面ではパウダーへの非乾燥性を与える。
炭化水素油として、特に、直鎖または分枝鎖C8-C16アルカン、分枝鎖C8-C16エステル、植物起源の炭化水素を基礎とする油、C10-C40合成エーテル、C10-C40合成エステル、C12-C26脂肪アルコール、C12-C22高級脂肪酸、およびこれらの混合物が挙げられる。
特に、イソノナン酸イソノニル、トリイソステアリン酸ペンタエリスリチル、ネオペンタン酸イソヘキシル、または炭化水素、例えばイソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン、n-ドデカン(C12)およびn-テトラデカン(C14)またはウンデカン-トリデカン混合物が挙げられる。
シリコーン油として、特に、直鎖状または環状のシリコーン油、フェニルまたは非フェニルシリコーン油、およびこれらの混合物が挙げられる。
構造化剤
本発明の組成物は、場合により、液相を構造化またはゲル化するための物質、特に動物起源、植物起源、鉱物起源または合成起源の親水性ゲル化剤(または懸濁化剤)、ペースト状脂肪物質またはワックスを含む。
「親水性ゲル化剤」としては、特に、アクリル酸ポリマー、多糖ゲル化剤、例えばアルギネート、ザンサンガム、カラギーナンガム、寒天ガム、グアーガム、ジェランガム、スクレロチウムガム、キトサン、マンナン、セルロース誘導体、ゼラチン、ペクチン、鉱物ゲル化剤、例えばベントンまたは変性シリカ、およびこれらの混合物が挙げられる。
特定の実施態様によれば、固体組成物はまた、ベントナイトゲル、ヘクトライトゲルおよびこれらの混合物から選択される少なくとも一つの親水性ゲル化剤を含む。
膜形成剤
組成物は、有利には、膜形成剤、好ましくは膜形成ポリマーを含む。
膜形成性ポリマーとは、支持体上に連続した膜を形成することができるポリマーを意味する。本文中では、ポリマーという用語は、ホモポリマーまたはコポリマーを示すことができる。「コポリマー」とは、同じ化学系列であるが異なる構造であり得る少なくとも二つのモノマーまたは二つの異なるブロックを含むポリマーを意味する。
膜形成剤は、組成物の適用時に皮膚表面に膜を形成する能力を有し、経時的な皮膚保持力、皮脂に対する耐性、汗に対する耐性、または機械的ストレスに対する耐性、特に顔の動きに関連する耐性を向上させることができる。この膜の形成により、組成物は皮膚保持が改善および延長し、したがって前記組成物によってもたらされる効果を改善および延長することを可能にし、また「非転写(non-transfer)」性質と称される特性を付与することも可能にする。
このような膜形成剤を少なくとも一つ含む、本発明による組成物は、「長持ち」および/または「非転写」と称される。
これらの膜形成剤は、その親和性に応じて液相に溶解するか、あるいはそれらが不溶である相に粒子またはラテックスの形態で分散することができる。これらの膜形成剤は、有利には、性質が親水性であり、したがって水相に対して親和性を有するか、または性質が疎水性であり、組成物の場合による油相に対して親和性を有するポリマーである。
親水性の特性は、特に、分子中に酸素原子または窒素原子が存在することによって付与され、ヒドロキシル基、カルボキシ基、アクリル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、またはヘテロ原子またはエーテルまたはケトン官能基を含む他の基の形態である。
疎水性の特性は、分子内に酸素または窒素原子、より一般的にはヘテロ原子が存在しないこと、および飽和または不飽和環状直鎖または分枝鎖炭化水素基が排他的に存在することに関連するものである。
親水性膜形成剤は、有利には、ポリウレタンおよびその誘導体などの合成化合物、より具体的には20~60重量%の固体含有量(乾燥物質)を有し得る水性ポリウレタン分散液、特にポリウレタン-35、ポリアルキレン、例えばポリイソプレンから選択され得る。
このようなポリウレタン分散液は、例えば、BAYER社より商業的な参照番号Baycusan(登録商標)C1000、C1001で販売されているポリウレタン-34、およびBAYER社(COVESTRO)より商業的な参照番号Baycusan(登録商標)C1004で販売されている、水中分散状態で乾燥物質中に41%のポリウレタンを含むポリウレタン-35が挙げられる。
また、親水性膜形成剤を、天然または天然起源の化合物、例えば天然多糖類または化学的に修飾された多糖類、特にプルランまたはその誘導体の一つ、デンプンまたはその誘導体の一つおよびこれらの混合物から選択することも有利に可能である。
特定の実施態様によれば、組成物は、有利には、天然多糖類または化学修飾された多糖類から選択される親水性膜形成ポリマーを含む。
特に好まし変形例によれば、膜形成ポリマーは、プルランまたはその誘導体、デンプンまたはその誘導体、特にヒドロキシプロピルデンプンから選択される。
特に好ましいデンプン誘導体は、ヒドロキシプロピルデンプン(INCI名称:ヒドロキシプロピルデンプン)である。
特に好ましい変形例によれば、組成物は、少なくとも一つのポリオールまたは一つのポリオールエーテルおよび少なくとも一つの親水性膜形成剤を含む。
親水性膜形成ポリマーは、前記組成物の総重量に対して乾燥物質として0.1重量%~10重量%、好ましくは0.5重量%~5重量%の範囲の含有量で存在し得る。疎水性膜形成ポリマーのパーセンテージは、組成物の総重量に対する乾燥抽出物(乾燥物質または活性物質、a.m)の重量%として示される。
組成物は、皮膚上の組成物の膜の保持力性質を改善するための、少なくとも1つの疎水性ポリマーを含み得る。
疎水性または脂溶性の膜形成ポリマーとは、組成物の場合による油相に溶解される膜形成ポリマーを意味する。
疎水性膜形成ポリマーは、天然起源または合成起源のもの、有利には、以下のものからなる群から選択されるものであり得る:
- トリメチルシロキシシリケート、例えば、Belsil TMS 803 (WACKER)、Shin EtsuからのKF7312
- フェニルアルキルシロキシシリケート(ここで、アルキル基は、好ましくは1~6個の炭素原子を含む)、例えば、フェニルプロピルジメチルシロキシシリケート、
- シリコーンアクリレートポリマー、例えばアクリレート/ジメチコンコポリマー、特にシクロペンタシロキサン中のアクリレート/ジメチコンコポリマー(例えば、Shin-EtsuからのKP-545)、メチルトリメチコン中のアクリレート/ジメチコンコポリマー(例えば、Shin-EtsuからのKP-549およびKP-579)、およびイソドデカン中のアクリレート/ジメチコンコポリマー(例えば、Shin-EtsuからのKP-550);アクリレート/ポリトリメチルシロキシ-メタクリレートコポリマー、特に、ジメチコン中のアクリレート/ポリトリメチルシロキシ-メタクリレートコポリマー(例えば、Dow Corning(登録商標)からのFA-4003 DM)、イソドデカン中のアクリレート/ポリトリメチルシロキシ-メタクリレートコポリマー(例えば、Dow Corning(登録商標)からのFA-4004 ID)、
- 1~6個の炭素原子を含むポリアルキルシルセスキオキサン、好ましくはポリメチルシルセスキオキサン(例えば、MomentiveからのSilform(登録商標)可とう性樹脂)、
- トリアルキルシロキシシリルカルバモイルプルラン(ここで、アルキル基は、1~6個の炭素原子を含む)、好ましくはトリメチルシロキシシリルカルバモイルプルラン(例えば、Shin-EtsuからのTSPL-30-ID)、
- ビニルピロリドン(VP)および2~20個の炭素原子を含むアルケンのコポリマー、例えば、VP/イコセンコポリマー、VP/ヘキサデセンコポリマー、VP/スチレンコポリマー、
- ビニルエステルコポリマー、好ましくはビニルアセテート/アリルステアレートコポリマー、ビニルアセテート/ビニルラウレートコポリマー、ビニルアセテート/ビニルステアレートコポリマー、ビニルアセテート/オクタデセンコポリマー、ビニルアセテート/オクタデシルビニルエーテルコポリマー、ビニルプロピオネート/アリルラウレートコポリマー、ビニルプロピオネート/ビニルラウレートコポリマー、ビニルステアレート/オクタデセン-1コポリマー、ビニルアセテート/ドデセン-1コポリマー、ビニルステアレート/エチルビニルエーテルコポリマー、ビニルプロピオネート/セチルビニルエーテルコポリマー、ビニルステアレート/アリルアセテートコポリマー、ジメチル-2,2-ビニルオクタノエート/ビニルラウレートコポリマー、ジメチル-2,2-アリルペンタノエート/ビニルラウレートコポリマー、ジメチルビニルプロピオネート/ビニルステアレートコポリマー、アリルジメチルプロピオネート/ビニルステアレートコポリマー、
- 水素化または非水素化ポリオレフィン、好ましくは2~20個の炭素原子を含むアルケンのポリマーまたはコポリマー、例えば、ポリブテン、ポリイソブテン、ポリデセン、
- アルキルセルロース、好ましくは、2~6個の炭素原子を含むアルキル基を有するアルキルセルロース、例えば、エチルセルロースおよびプロピルセルロース、
- ポリビニルアルコール、
およびこれらの混合物。
疎水性膜形成ポリマーは、前記組成物の総重量に対して乾燥物質として0.1重量%~10重量%、好ましくは0.5重量%~5重量%の範囲の含有量で存在し得る。疎水性膜形成ポリマーのパーセンテージは、組成物の総重量に対する乾燥抽出物(乾燥物質または活性物質、a.m)の重量%として示される。
追加の成分
組成物は、色素、界面活性剤、香料、電解物、抗酸化剤、防腐剤、および物理的および/または化学的UVフィルターから選択される少なくとも一つの追加の成分をさらに含み得る。
本発明の組成物は、有利には、親水性であれ親油性であれ、いずれかの類型の化粧品活性物質を包含させることができる。好ましい活性物質は、ヒアルラン酸またはセラミドのような保湿活性を有する活性物質、抗老化活性を有する活性物質;平滑化活性を有し、皮膚の輝きに関する活性物質;皮膚の脱色素(depigmenting)活性またはライトニング(lightening)活性を有する活性物質;スリミング活性を有する活性物質;保湿活性を有する活性物質;鎮静またはリラックス活性を有する活性物質;およびそれらの混合物からなる群から選択される。
この組成物は、有利には、界面活性剤を含まないが、それは、粉状物質を水でペースト化することによって得られる先行技術のパウダーとは異なり、ペースト状物の良好な均質性を保証するために界面活性剤を使用する必要がないためである。したがって、特定の実施態様によれば、本発明の組成物中の界面活性剤の含有量は、組成物の総重量に対して5重量%未満、特に3重量%未満、好ましくは1重量%未満である。
特定の実施態様によれば、本発明の組成物は、界面活性剤を含まない。
湿式調製方法(中間ペースト状物「スラリー」の形成)
パウダーを基礎とする本発明の組成物は、適当な工業方法に従ってペースト状物(またはペースト状組成物)を調製することによって、湿式方法により製造される。
その一態様によれば、本発明の目的は、上記のパウダーを基礎とする組成物を製造する方法であり、この方法は、(i)本発明で定義されている少なくとも水を含む液相と、充填剤および処理された顔料を含むパウダー形態の固相とを混合することでペースト状物を形成すること;および(ii)得られたペースト状物を、圧縮してペースト状物中に存在する液相を完全にまたは部分的に除去することで、特にシリコーン金型に成形すること、を含む。
ペースト状物中に存在する液相を部分的に除去する実施態様のための水の存在により、顔料が懸濁状態にあり、放出がなく、ペースト状物が均質なままであるように、貯蔵段階でペースト状物を一定時間保存することを可能にする懸濁化剤を組成に取り込むことが可能である。
懸濁化剤としては、上述したように、有利には、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、ヘクトライト、ベントナイト、ザンサンガム、コンドルス・クリスプス(chondrus crispus)およびこれらの混合物を使用することができる。
したがって、本発明の組成物はまた、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、ヘクトライト、ベントナイト、ザンサンガム、コンドルス・クリスプス(chondrus crispus)およびこれらの混合物から選択される少なくとも一つの懸濁化剤を含む。
水と式(I)、(II)、(III)、(V)または(V')で示される添加物で処理された顔料を使用する本発明の方法は、有利には、均質なペースト状物および均質なコンパクトパウダーを得ることを可能にする。「均質」とは、様々な成分、特に顔料が肉眼で均一または実質的に均一な外観を与えるように分散されている組成物を意味する。特に、本発明の方法によって得られる組成物は、マーブリングのような表面の色ムラを有しないものである。
その別の態様によれば、本発明の目的は、パウダーを基礎とする組成物を製造する方法であって、(i)本発明で定義されている少なくとも水を含む液相と、充填剤および処理された顔料を含むパウダー形態の固相とを混合することでペースト状物を形成すること;および(ii)得られたペースト状物を、圧縮して、特に真空吸引によってペースト状物中に存在する液相を完全にまたは部分的に除去ことで、特にシリコーン金型に成形すること、場合により次いで冷凍すること、場合により70℃以下の温度で乾燥させること、を含む。
水の除去時に、油(揮発性または非揮発性)相を部分的に除去できることは、暗黙の了解である。
本発明による「完全なまたは部分的除去」とは、得られるコンパクトパウダーが最終製品中に、残存水率を含むことを意味する。完全なまたは部分的除去は、特定の実施態様によれば、真空下、環境温度で、1~4バールの吸引圧力、1~4バールの圧縮圧力で吸引することによって実施される。
ペースト状物(「スラリー」)は、様々な成分を、好ましくは、以下の割合で含む:
- ペースト状物の総重量に対して15重量%~80重量の粒子固相;
- ペースト状物の総重量に対して10重量%~70重量%の水;および
- ペースト状物の総重量に対して0.1重量%~30重量%の油および/または構造化剤。
水は、好ましくは、ペースト状物の10重量%~70重量%、好ましくは15重量%~60重量%を示す。
成形について、ペースト状物は、当業者に知られている技術に従って成形を受けるように、金型に入れることができる。金型は金属製またはシリコーン製であり、組成物を金型から取り出した後、再利用することができる。また、金型は、製造されたらパッケージングのハウジングに入れることができるように、組成物に付着したままであるカップまたはバケットであり得る。ペースト状物が液体である場合、金型の底部、側面または上部から注入するか、または金型の上部開口部を介して簡単に充填することによって注ぐことができる。金型の底部を介して注入する方法は、例えば「バックインジェクションマシン(Back Injection Machine)」またはBIMという名称で知られている。側面から注入する方法は、例えば「サイドインジェクション(Side Injection)」の名称で知られている。ペースト状物を上部から金型に注ぐことを含む、金型を充填方法は、「トップフィル(Top Fill)」といる名称で知られている。また、ペースト状物は、ペースト状物の断片を調製することによって投与できるように、より粘性にすることもできる。揮発性または非揮発性の液体(水および場合による溶媒および追加の揮発性または非揮発性の結合剤)のパーセンテージは、ペースト状物が、混練、測定および切断が可能な十分な粘度を有するように選択することが好ましい。この場合、揮発性液体を除去する前に、組成物がバケットの縁を抱くようにペースト状物を成形することが必要である。この成形は、揮発性または非揮発性の液体を除去するのと同時に、プレスすることによって行うことができる。本発明の調製方法は、揮発性液体または非揮発性の液体を完全にまたは部分的に除去する工程を含み、その目的は、組成物固化するように、揮発性液体非揮発性の液体を実質的に除去することにある。揮発性または非揮発性の液体の完全なまたは部分的除去は、吸引などの機械的手段、または熱などの熱的手段で行うことができる。特定の好ましい実施態様によれば、揮発性または非揮発性の液体の完全なまたは部分的除去は、真空下、室温で、好ましくは1~4バールの吸引圧力、および、好ましくは1~4バールの圧縮圧力(限界値含む)で、吸引することによって行われる。
当業者は、揮発性または非揮発性の液体の完全なまたは部分的除去を最適化するためには、この工程の時間をどのように適合させるかを知っている。ペースト状物は、使用される時間および除去手段に応じて、揮発性または非揮発性の液体を高いまたは低い割合で含み得る。
したがって、水は、好ましくは、ペースト状物の10重量%~70重量%を示し、本発明による最終固体組成物の0重量%~35重量%を示す。
プレス(圧縮)は、特に、ペースト状物と接触し、吸引中に金型の底部とその表面との間で組成物を圧縮する型枠(stamp)によって行われる。型枠の端または金型の底部には、吸引中にペースト状物から揮発性または非揮発性の液体を抜き出すようにする穴が開いている。この実施態様において、多孔性材料は、各金型内のペースト状物の自由表面上に堆積され得るか、または吸引中に金型内にパウダーを保持するようにプレスとして機能する型枠上に配置され得る。この多孔性材料は、例えば織物シート、横糸シートまたは吸収シートである。吸引が完了すると、組成物から除去される。揮発性または非揮発性の液体の除去はまた、上記の手段の組み合わせを含むことができる。したがって、本発明の方法の変形例によれば、ペースト状物に含まれる揮発性または非揮発性の液体の除去は、機械的除去およびそれに続く熱的除去を含む。
この方法は、例えば、機械的除去手段を用いてペースト状物を部分的に乾燥させることで湿ったパウダーを得る工程、および熱的手段によって該湿った固体組成物を部分的に乾燥させる工程との二つの連続する工程を含むことができる。機械的除去は、プレス下で吸引することによって行うことができ、熱的除去は、例えばオーブン内で、好ましくは70℃未満、より好ましくはさらに60℃未満の温度で乾燥させることによって行うことができる。
第一の好ましい実施態様によれば、本発明の組成物は、以下の工程を含む方法によって調製される:
- ペースト状物(「スラリー」)の調製、
- ペースト状物の金型への導入(例えば、ポンプおよび、有利にはペースト状物が金型の下部または上部から注入されるようにするノズルを含む注入ユニットの手段によって)
- ペースト状物の自由表面上に多孔性材料を堆積および/または多孔性材料を堆積させる前に、表面にプラスチックグリッドを堆積、
- 充填された金型を真空にし、ペースト状物中に存在する揮発性または非揮発性の液体を吸引することによって完全にまたは部分的に除去、好ましくは、吸引中にペースト状物をプレス下に維持することによって吸引、および
- 大気圧に戻し。
本発明は、身体および/または顔をケアまたはメークアップすることを目的とする化粧品組成物の調製に特に適している。本発明の方法は、様々な成分、特に顔料が十分に分散している均質な外観のコンパクトパウダーを調製することを可能にする。
バケット法
「第1世代」実施態様(1G法)と称される第一実施態様によれば、ペースト状物はバケット中で上部から圧縮される。
圧縮中に、穴の開いたヘッドおよび圧縮パターンを備えたツールを用いて、圧縮および吸引が同時に行われる。
圧縮織物はパターンと接触される。残りの溶媒はオーブンで数時間蒸発される。
圧縮は以下の二つの工程で行われる:
- 溶媒を部分的に吸い取るようにする1回目の圧縮
- 表面にパターンが入った最終的な形状を与える2回目の圧縮。
シリコーン金型法
第2世代の実施態様(2G法)と称される第二実施態様によれば、得られるコンパクトパウダーはもはやバケットを必要としないが、前の実施態様よりも精密な3次元パターンを有する。ビジュアルとレリーフ(3D効果、精度、ジェスチャー)は新しいものである。2G法は、従来の圧縮よりもはるかに大きい5mmを超える表面体積ならびに美しい表面外観、良好なパターン定義および光沢の達成を可能にする。さらに、2G法の表面外観は、レリーフ(シリコン金型に存在するパターン)の制作中に中間圧縮がないため、1G法よりもはるかに精密で明るい。
また、この2G方式では、乾燥圧縮によるパウダー配合に比べて結合剤を高比率で取り込むこと、コンパクトパウダー中に水を高パーセンテージで、例えば組成物の20重量%を超えるパーセンテージで取り込むことを可能にすることで、適用時のさわやか感や水和感を増強する。
ペースト状物の調製
ペースト状物は、パウダーを結合剤および溶媒でペースト化したものである。相の混合は、レイネリや脱凝集類型のブレードを用いて行われる。
水、懸濁化剤(例えばベントナイトおよび/またはヘクトライトゲル)、防腐剤、グリコールおよびいずれかの追加の油を撹拌しながら均質化し、次に、パウダー相(粒子固相)を残りの混合物に徐々に取り込み、それによってペースト状物またはスラリーと称されるペースト状物を形成する。揮発性油を添加する場合は、パウダー相を添加した後、最後に取り込まれる。
2G法によるパウダーの成形
コンパクトパウダーの成形のためには、有利にはシリコーン金型が使用される。これらの金型は、新しい表面レリーフおよびパターンを作り出すことを可能にする。これらのレリーフおよびパターンは、金型の内面にネガで示される。
ペースト状物はシリコーン金型に取り込まれ、支持グリッドが表面に添加されることで、コンパクトの堅牢性を改善させる。
次に、圧縮織物を添加し、金型の上部から圧縮して、穴の開いた平坦な表面のツールを用いて溶媒を吸い上げる。
圧縮は、例えば、トップフィル(Top Fill)、バックフィル(Back Fill)、またはサイド注入機を用いて実行される。
圧縮中には、織物がパターンに接触しなくなるため、バケットによる方法と比較して、表面にできるパターンがより精密で、よりレリーフになる。
圧縮後、ペースト状物を15分~2時間そのシリコーン金型に入れたまま冷凍庫に入れることで、脱型を容易にし、脱型中のデザインの定義を最適化させる。
次に、場合により、最終製品中に最終的に維持されることが望まれる溶媒(水)の含有量に応じて、多かれ少なかれ長時間、45℃または50℃のオーブンに入れておく。
最終製品中の水の含有量が0重量%~35重量%の場合、最終製品中の水の量を調節するために使用される手段(炉、45℃または50℃のオーブンまたは乾燥なし)に応じて、時間は数分~6時間の範囲であり得る。
したがって、特定の実施態様によれば、本発明の組成物は、以下の実施例で例示される方法によって、以下の工程に従った調製される:
(i)少なくとも水を含む液相と、パウダー形態の固相とを混合することでペースト状物(「スラリー」)を形成する工程:
a. 水相Aの成分を、A相が粒子固体相Bとほぼ同等の重量になるような過剰量の水に溶解する;
b. B相の成分を混合し、次に、レイネリ(Rayneri)を用いてA相に分散させ;例えば、均質な混合物が得られるまで、1000回転/分で5~10分間行う;
c. 場合による結合相Cを、最後に相Aと相Bによって形成されたペースト状分散液に添加する;
(ii)以下の工程に従って、コンパクトパウダーの形態の組成物を与えるように、ペースト状物を圧縮して液相を完全にまたは部分的除去によって成形する工程:
a. ペースト状物を、気泡を取り除くように注意しながら、金型、例えばシリコーン金型に取り込み;有利には、表面に支持グリッドを加えることでコンパクトの堅牢性を改善する;
b. 圧縮織物を添加し、次に、例えば金型の上部から圧縮して(トップフィル機)、同時にエンクロージャー内を真空にすることによって(圧縮圧力1~4バール、吸引圧力1~4バール)、溶媒(水)を吸引(環境温度で真空吸引)し;この工程では、もはや織物はパターンに接触しないので、1G法と比較して表面に作られるパターンはより精密で、よりレリーフである;
c. 次に、有利には、金型を30分~1時間冷凍庫に入れておくことで、簡単に脱型できるようにする;
d. 脱型後、必要に応じて、最終製品中に保持されることが望まれる水の量に達するまで、製品を50℃のオーブンに5時間、または代わりに45℃のオーブンに一晩入れておく。
ガレヌス
特定の一実施態様によれば、本発明の組成物は、顔および/または唇のためのケアパウダーまたはメークアップパウダー、特に頬紅、アイシャドウ、ハイライト、ブロンザー、保護ファウンデーションパウダー、コンシーラー、リップパウダーまたはアイブローパウダー、好ましくはファウンデーションパウダー、ハイライト、頬紅またはアイシャドウの形態である。
特定の実施態様によれば、本発明の組成物は、表面に3次元(3D)レリーフパターンを有し、ロゴ、英数字または英数字の列、または花などの物体で様式化された表現などの特定のパターンを浮き上がらせる。
このレリーフの態様は、視覚的に非常に魅力的であり、これは所望の形状に適合されたシリコーン金型の使用により可能になり、その使用は、本発明のコンパクトパウダー類型の固体組成物に使用される成形方法に非常に適している。
パウダーは、ブラシ、スポンジまたは指を用いて適用できる。
化粧方法
本発明はまた、ケラチン物質、より具体的には、皮膚をケアおよび/またはメークアップするための化粧品方法であって、本発明による組成物をケラチン物質に適用することを含む、化粧品方法に関する。
皮膚、特に顔の皮膚に適用され、特に上記の「スラリー」法によって得られるコンパクトパウダーは、消費者に求められる快適さおよび感覚を与え、良いメークアップ結果をもたらす。
次に、本発明を以下の非限定的な実施例において説明する。特に指示しない限り、%は、組成物の総重量に対する原材料の重量%として示される。
以下の例では、「SGP処理顔料」および「SGP処理顔料」という用語はそれぞれ、グリセロリン酸ナトリウム(SGP)またはフィチン酸(PHY)で親水性表面処理を受け、水相などの親水性媒体に親和性を与える顔料を示す。それらを使用すると驚くべきことに、適用時に、スラリーをコンパクトの形態に成形した後も均質性と硬度の性質を保持しながら、滑らかでさわやかなテクスチャーが特に心地よいパウダーのスラリーを得ることができる。これらの処理された顔料は、例えば、SENSIENT COSMETIC TECHNOLOGIES社よりUNIPURE(登録商標)のブランドで販売されている。
試験顔料:
処理されていない顔料(対照)
Sympholight顔料(比較対象)
Sympholight RW(CI 77491およびシリカ)
Sympholight BW(CI 77499およびシリカ)
Sympholight YW10(水酸化鉄およびシリカ)
Sympholight WW(二酸化チタンまたはCI 77891およびシリカ)
SENSIENTからのSGP顔料(発明)
Unipure red LC381 SGP(酸化鉄(CI77491およびCI 77499)およびグリセロリン酸ナトリウム)
Unipure black LC989 SGP(酸化鉄(CI 77499)およびアルミナおよび酸化マグネシウムおよびグリセロリン酸ナトリウム)
Unipure yellow LC182 SGP(酸化鉄(CI 77492)およびグリセロリン酸ナトリウム)
Unipure white LC 981 SGP(二酸化チタン(CI 77891)およびグリセロリン酸ナトリウム)
SENSIENTからのPHY顔料(発明)
Unipure red LC388 PHY(赤色酸化鉄(CI 77491)およびフィチン酸および水酸化ナトリウム)
Unipure black LC 998 PHY(CI 77499およびフィチン酸およびグリセロリン酸ナトリウム)
Unipure yellow LC 188 PHY(CI 77492およびフィチン酸およびグリセロリン酸ナトリウム)
Unipure white LC 985 PHY(アナターゼ(anatase、CI 77891)およびフィチン酸およびグリセロリン酸ナトリウム)
Unipure white LC 987 PHY(ルチル(CI 77891)およびフィチン酸およびグリセロリン酸ナトリウム)
本発明の方法に従い、以下の実施例において;水相Aは、過剰の水を含み、その少なくとも一部は、溶媒吸引工程時に除去される。
したがって、水の初期量を計算することで、A相とB相と、場合により相Cとを混合することによって形成される、スラリー調製工程の終了時に示される中間水パーセンテージを得る。
溶媒の除去は、以下の表に示す最終的な水のパーセンテージが得られるように制御する。
以下の例では、所望の色度を得るために、前記の説明による親水性化合物で処理された、異なる色の酸化鉄(INCI:IRON OXIDE)が使用される。より具体的には、黒色、黄色または赤色の処理された酸化鉄が使用される。したがって、所望の色度を得るために、2色または3色を含む混合物を調製することが可能である。混合物中の各顔料の性質および割合は、製品の性能および皮膚に適用されるときの性質に影響を及ぼさない。
以下の例において、処理された顔料のパーセンテージは、例えば、混合物に使用される各色のパーセンテージを追加することによって得られる、処理された顔料の総量を示す。
実施例1:式(I)で示される添加物:グリセロリン酸ナトリウム(別称「SGP顔料」)およびフィチン酸(別称「PHY顔料」)で処理された顔料の選択
本出願人は、いくつかの親水性処理顔料を試験し、SGP顔料、PHY顔料、特にグリセロリン酸ナトリウムまたはフィチン酸で処理した酸化鉄、例えば、SENSIENTよりUnipure SGPまたはPHYの名称で販売しているものは、水スラリー工程で製造したメークアップパウダーのテクスチャーの不均質さといった問題に対処できるようにする。

操作方法
A相の成分を、A相が粒子固相Bとほぼ同等の重量となるように、過剰量の水に溶解する。
B相の成分をA相に、均質な混合物が得られるまでレイネリを用いて1000回転/分で5~10分間混合して分散させる。
最後に、相Aと相Bによって形成されたペースト状分散液に結合相Cを追加する。スラリーは、1000回転/分で15分間均質化する。
気泡の除去に注意しながら、シリコーン金型のあるトップフィルを充填する。
組成物を覆う織物を金型の表面に配置する。エンクロージャー中を真空にして水を吸い上げながら、パウダースラリーに1バールの圧力を3秒間適用する。
次に、金型を30分間冷凍庫に入れておくことで、簡単脱型できるようになる。
脱型後、製品をオーブン(50℃)で5時間、あるいは45℃で一晩入れておく。
スラリーから水を完全に除去する。
評価
最終組成物の外観および、皮膚への適用を実験室で評価する。
組成物の外観(コンパクトの凝集性、マーブリングの不存在):
++:非常に満足
+:適度に満足
-:不満足(凝集性欠如、砂質の外観)。
適用時のカバー力、快適さ:
++:非常に満足
+:適度に満足感
-:不満足(適用時のカバー力欠如および/または粗さ)。
対照組成物(未処理またはシリカで処理された顔料)および本発明(SGPまたはPHYで処理された顔料)の比較評価の結果では、本発明に記載の式(I)で示される添加物で処理する使用により、コンパクトの凝集およびマーブリングの不存在の性質、ならびに皮膚に適用した場合のカバー力および快適さの特性の両方を得ることが可能になることを示す。
実施例2:艶消しコンパクトファウンデーション
本発明による固体組成物の配合を下表に示す(最終組成物に対する重量%)。

上記表による組成物を調製するには、過剰の水をふくむA相の成分を混合し、これをレイネリで500回転/分で5~10分間冷間分散させる。
次に、B相のパウダー混合ををA相に添加し、その全体をレイネリで分散させ、速度を徐々に最大1200回転/分まで上げて、目視で均質な混合物を得る。
この段階で、水はスラリー中に本発明の組成物の他のすべての成分の合計に対して132重量%の量と過剰に存在する。
成形は、支持グリッドを備えたシリコーン金型に、トップフィルモードで充填することによって行う。組成物を覆う織物を金型の表面に置き、次に、圧縮する同時に、パウダースラリーの溶媒を4バールで30秒間吸引する。
金型を冷凍庫に1時間入れておく。
脱型後、組成物を45℃のオーブンに2時間入れておく。
この乾燥工程の後、組成物を密封したパックに入れる。
本組成物を適用することにより、配合されている水の存在に関連するさわやか効果に伴う、艶消しカバー力のある効果をもたらす。
実施例3 保湿ファウンデーション
本発明によるファンデーションの配合は、以下の表3に示す(最終組成物の重量%)。

上記表で示されるコンパクトファンデーションfを調製するには、過剰の水を含むA相の成分を混合し、これをレイネリで500回転/分で5~10分間冷間分散させ、混合する。
相のパウダー混合物をA相に追加し、次に、その全体をレイネリで分散させ、速度を徐々に最大1200回転/分まで上げて、目視で均質な混合物を得る。
最後に、A相およびB相で形成されたペースト状物にC相を添加する。均質なペースト状物が得られるまで、均質化を続ける。
この段階で、水はスラリー中に、組成物の配合のすべての他のものの合計と比較して107重量%の量と過剰に存在する。
成形は、支持グリッドを備えたシリコーン金型にトップフィルモードで充填することによって行う。組成物を覆う織物を金型の表面に置き、次に、4バールで30秒間、パウダースラリーの溶媒を吸引する。
金型を冷凍庫に1時間入れておく。
脱型後、組成物を45℃のオーブンに2時間入れておく。
この乾燥工程の後、組成物を密封したパックに入れる。
本組成物を適用することにより、保湿効果に関連するカバー効果および、配合されている水の存在に関連するさわやか効果をもたらす。
実施例4 真珠ピンク色のハイライト化粧品
本発明による固体組成物の配合は、以下の表4に示す(最終組成物の重量%):

上記表で示されるハイライト化粧品を調製するには、過剰の水を含むA相の成分を、レイネリで500回転/分で5~10分間冷間分散させ、これを混合する。
次に、B相のパウダー混合物をA相に添加し、その全体をレイネリで分散させ、速度を徐々に最大1200回転/分まで上げる。
最後に、A相およびB相で形成されたペースト状物C相を添加する。均質なペースト状物が得られるまで、均質化を続ける。
この段階で、水はスラリー中に、混合物の他のすべての成分の合計と比較して74重量%の量と過剰に存在する。
成形は、支持グリッドを備えたシリコーン金型にトップフィルモードで充填することによって行う。組成物を覆う織物を金型の表面に置き、次に、圧縮(圧力=2バール)及び溶媒の吸引(圧力=2バール)の工程を20秒間行う。
金型を冷凍庫に1時間入れておく。
脱型後、組成物を45℃のオーブンに1時間入れておく。
乾燥工程の後、組成物を密封パックに入れる。
硬度測定
硬度は、以下のプロトコルにしたがって測定する:
硬度は、コンパクトの表面に適用される直径5mmのシリンダーが固定されたロッドを備えたTA.XT PLUS TEXTURE ANALYSER(STABLE MICROSYSTEMS)テクスチャーメーターを用いて測定する。シリンダー貫通力は、厚さ1mmにわたって0.5mm/秒の速度で測定する。
前述のプロトコルに従って、2つの部分で測定したこの実施例4の組成物の平均硬度は、316重量グラム(grams force、Gf)に等しい。
真珠ピンク色のハイライト化粧品は、皮膚に対して保湿効果を有する。
実施例5 アイシャドウ
褐色のアイシャドウを調製する。
組成物の配合は、以下の表5に示す(最終組成物の重量%):

上記表に示されたアイシャドウを調製するには、過剰の水を含むA相の成分を混合する。
次に、B相のパウダー混合物をA相に添加し、その全体をレイネリで1000回転/分で15分間冷間分散させる。
C相を添加し、再度レイネリで1000回転/分で15分間、均質なスラリーが得られるまで分散させる。
この段階で、水はスラリー中に、混合物中の他のすべての成分の合計に対して50重量%の量で存在する。
成形は、サポートグリッドを備えたシリコーン金型にトップフィルモードで充填することによって行う。
配合物をカバーする織物を金型の表面に置き、次に、溶剤吸引および圧縮工程(圧力=1バール)を3秒間行う。金型を冷凍庫に30分間入れておく。
脱型後、組成物を45℃のオーブンに一晩入れて置く。
完全に乾燥させた後(最終組成物は無水である)、組成物を適切なパックに入れる。
アイシャドウを適用することでカバー効果をもたらす。
実施例6 真珠ブロンザー(Pearl bronzer)
皮膚上で真珠光沢効果を有する固形コンパクトパウダーを調製する。
組成物の配合は、以下の表6に示る(最終組成物に対する重量%):

上記表に示した真珠のブロンザーを調製するには、過剰の水を含むA相の成分を混合し、レイネリで500回転/分で5~10分間冷間分散させる。
次に、相のパウダーの混合物をA相に添加し、その全体をレイネリで分散させ、速度を徐々に最大1200回転/分まで上げる。

最後にC相を添加し、均質化を続ける。
この段階では、水はスラリー中に、混合物の他のすべての成分の合計と比較して83重量%の量と過剰に存在する。
成形は、支持グリッドを備えたシリコーン金型にトップフィルモードで充填することによって行う。配合物を覆う織物を金型の表面に置き、次に、圧縮(圧力=2バール)および溶媒の吸引(圧力=1バール)の工程を20秒間行う。
金型を冷凍庫に1時間入れておく。
脱型後、組成物を密封パックに入れる。
本組成物を提供することにより、配合物中の水の存在に関連するさわやか効果と相まって、真珠の効果をもたらす。
実施例7 ケアのためのアイシャドウ
皮膚ケアのためのアイシャドウを調製する。
組成物の配合は、以下の表7に示す(最終組成物の重量%):

上記表に示したアイシャドウを調製するには、過剰の水を含むA相の成分を混合し、これをレイネリで500回転/分で5~10分間冷間分散させる。
次に、B相のパウダーの混合物をA相に添加し、次に、その全体をレイネリで分散させ、速度を徐々に最大1200回転/分まで上げる。
最後にC相を添加し、均質化を続ける。
この段階で、水はスラリー中に、混合物の他のすべての成分の合計と比較して100重量%の量と過剰に存在する。
成形は、支持グリッドを備えたシリコーン金型にトップフィルモードで充填することによって行う。組成物を覆う織物を金型の表面に置き、次に、圧縮(圧力=2バール)および溶媒の吸引(圧力=1バール)の工程を20秒間行う。
金型を冷凍庫に1時間入れておく。
脱型後、組成物を密封パックに入れる。
この実施例の組成物は、まぶたの皮膚のケアに有用であり、配合物中の水の存在に関連する冷却効果を提供する。
実施例8 真珠ピンク色のハイライト化粧品
皮膚に対して真珠の効果を有するハイライト化粧品を調製する。
組成物の配合は、以下の表8に示す(最終組成物の重量%):

上記表で示したコンパクトハイライト化粧品を調製するには、過剰の水を含むA相の成分を混合し、これをレイネリで500回転/分で5~10分間冷間分散させる。
次に、B相のパウダー混合物をA相に添加し、その全体をレイネリで分散させ、速度を徐々に最大1200回転/分まで上げる。
最後に油相Cを添加し、均質化を続ける。
この段階で、水はスラリー中に、混合物の他のすべての成分の合計と比較して74重量%の量と過剰に存在する。
成形は、支持グリッドを備えたシリコーン金型にトップフィルモードで充填することによって行う。組成物を覆う織物を金型の表面に置き、次に、圧縮(圧力=2バール)および溶媒の吸引(圧力=1バール)の工程を20秒間行う。
金型を冷凍庫に1時間入れておく。
脱型後、組成物を密封パックに入れる。
本実施例のハイライト化粧品は、顔の皮膚に適用することで、配合物中の水の存在に関連するさわやか効果と相まって、皮膚の輝き効果をもたらす。また、皮膚上の耐性膜の形成を改善する親水性ポリマーであるプルランの存在に関連して、保持力も改善した。
実施例9 艶消しブロンズパウダー(Matte Bronzing Powder)
皮膚に対して艶消し効果を有する固体コンパクトパウダーを調製する。
組成物の配合は、以下の表9に示す(最終組成物の重量%):

上記表に示した固体ハイライト化粧品を調製するには、過剰の水を含むA相の成分を混合し、これをレイネリで500回転/分で5~10分間冷間分散させる。
次に、B相のパウダー混合物をA相に添加し、その全体をレイネリで分散させ、速度を徐々に最大1200回転/分まで上げる。
最後にC相を添加し、均質化を続ける。
この段階で、水はスラリー中に、混合物の他のすべての成分の合計と比較して107重量%の量と過剰に存在する。
成形は、支持グリッドを備えたシリコーン金型にトップフィルモードで充填することによって行う。組成物を覆う織物を金型の表面に置き、次に、20秒間圧縮および溶媒の吸引の工程を行う。
金型を冷凍庫に1時間入れておく。
脱型後、組成物を密封パックに入れる。
実施例のハイライト化粧品は、顔の皮膚に適用して艶消し効果をもたらす。
また、特に皮膚ケアに有利な皮膚水和効果(+11%、膜除去の6時間後)を測定した。
水和性は、当業者にはおなじみのCourage & Khazaka社SN「NUM_SERIE」提供のCORNEOMETER CM825装置を用いて、コルネオメトリにより測定する。
角質層の水和性を測定する方法は、皮膚表面に電場を作り、電極を用いて、表皮上層の水和状態によって誘導される誘電率の変動を検出することに基づく(Measurement of the electrical properties is recognized as an objective method of assessing stratum corneum hydration (E. Berardesca - EEMCO guidance for the assessment of stratum corneum hydration: electrical methods - Skin Research and Technology 1997; 3:126-132)を参照)。
対照配合物または本発明の組成物をボランティアの前腕部に適用する。適用量は、皮膚の2μl/cm2に相当する。次に、適用部位を囲む金属リングを配置して接着剤で前腕に固定することによって、適用部位を摩擦から保護する。
測定の前に、組成物の適用前、次に、組成物の適用の6時間後に、摩擦防止剤の除去後の安定化のために15分の時間を空けて、適用部位を測定する。
対照配合物または本発明の組成物の残存膜を、適用部位から拭き取る。水和の変動は、上述のプロセスに従って実施した測定から計算する。
実施例10 真珠のファウンデーション
皮膚に対して真珠の効果有する固体ファンデーションを調製する。
組成物の配合は、以下の表10に示す(最終組成物の重量%):

上記表に示したファンデーションを調製するには、過剰の水を含むA相の成分を混合し、レイネリで500回転/分で5~10分間冷間分散させる。
次に、B相のパウダー混合物をA相に添加し、その全体をレイネリで分散させ、速度を徐々に最大1200回転/分まで上げる。
最後に、ペースト状物の均質化を続けながらC相を添加する。
この段階で、水はスラリー中に、混合物の他のすべての成分の合計と比較して83重量%の量と過剰に存在する。
成形は、支持グリッドを備えたシリコーン金型にトップフィルモードで充填することによって行う。織物を置き、次に、圧縮(圧力=2バール)および溶媒の吸引(圧力=1バール)の工程を20秒間行う。
金型を冷凍庫に1時間入れておく。
脱型後、組成物を密封パックに入れる。
この組成物を顔に適用すると、配合物中の水の存在に関連するさわやか効果と相まって真珠の効果をもたらす。
実施例11 艶消しピンク色のハイライト化粧品
皮膚に艶消し仕上がりを有するハイライト化粧品を調製する。
組成物の配合は、以下の表11に示す(最終組成物の重量%):

上記表11に示しているコンパクトハイライト化粧品を調製するには、過剰の水を含むA相の成分を混合し、これをレイネリで500回転/分で5~10分間冷間分散させる。
次に、B相のパウダー混合物をA相に添加し、その全体をレイネリで分散させ、速度を徐々に最大1200回転/分まで上げる。
最後に、C相を添加し、均質化を続ける。
この段階で、水はスラリー中に、混合物の他のすべての成分の合計と比較して88重量%の量と過剰に存在する。
成形は、支持グリッドを備えたシリコーン金型にトップフィルモードで充填することによって行う。組成物を覆う織物を金型の表面に置き、次に、圧縮(圧力=2バール)および溶媒の吸引(圧力=1バール)の工程を20秒間行う。
金型を冷凍庫に1時間入れておく。
脱型後、組成物を密封パックに入れる。
実施例のハイライト化粧品を顔の皮膚に適用することで、配合物中の水の存在に関連するさわやか効果とと相まって、淡紅色の艶消し仕上がりをもたらす。艶消し仕上がりは、パウダー混合物中の雲母Hの使用に関連する。

Claims (10)

  1. ケラチン物質、特に皮膚をケアおよび/またはメークアップするための、コンパクトパウダーの形態の固体化粧品組成物であって、コンパクトパウダーは、生理学的に許容できる媒体中に、
    少なくとも充填剤および、
    式(I):
    [式中:
    - nは、1または2を示し、
    - Mは、Hまたは陽イオンを示し、
    - MがHである場合、mは1を示し、Mが陽イオンである場合、mは陽イオンの原子価を示し、
    - Rは、
    - サッカライドまたは-[CH2-CHR1-O]q-R2基または-[CH2-CH(CH2OH)-O]q-R2基から選択されるG基を示し、ここで:
    - qは、1~1000の整数を示し、
    - 各CH2-CHR1-O単位において、R1は、独立して、Hまたはメチルを示し、
    - R2は、Hまたは1~3個の炭素原子を含むアルキルを示し、そして
    - 1~500個の炭素原子を含む炭化水素鎖は、一つまたはそれ以上のG基、リン酸基(式:OPO3(M)2/m)および/またはヒドロキシル(OH)基によって置換されている]
    で示される添加物で処理された顔料、
    を含む固相を含み、
    該組成物は、(i)少なくとも水を含む液相とパウダー形態の固相とを混合することで、ペースト状物を形成する工程;および(ii)得られたペースト状物を圧縮して液相を完全にまたは部分的に除去することによって成形することで、コンパクトパウダーの形態の組成物を得る工程、を含む方法により得ることができる、固体化粧品組成物。
  2. 顔料、特に酸化鉄が、式(II):
    [式中、
    - Mおよびmは、請求項1に定義されている通りであり、
    - nは2を示し、Rは、式-[CH2-CH(CH2OH)-O]q-R2(式中、qは1を示し、R2はHを示す)で示されるG基を示す]
    で示される添加物、
    好ましくは、グリセロリン酸ナトリウム(SGP)と称される式(III):
    で示される添加物、
    で処理されていることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物
  3. 顔料、特に酸化鉄が、式(V):
    [式中、
    - Mおよびmは、請求項1に定義されている通りであり、
    - nは2を示し、Rは、2位、3位、4位、5位および6位で式OPO3H2基によって置換されているシクロヘキシル炭化水素鎖を示す]
    で示される添加物で処理されており、
    好ましくは、添加物は、式(V’):
    で示されるフィチン酸であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
  4. (I)、(II)、(III)、(V)または(V’)で示される添加物、好ましくはグリセロリン酸ナトリウム(III)またはフィチン酸(V)で処理された顔料が、組成物中に、該組成物の総重量に対して0.5重量%~60重量%の範囲の含有量で存在することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  5. 充填剤が、板状充填剤、球状充填剤およびこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  6. 懸濁化剤を、特にヘクトライトおよびベントナイトゲルおよびこれらの混合物から選択される懸濁化剤をさらに、および場合により、凝集剤を、特にステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウムおよびこれらの混合物から選択される凝集剤を、含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  7. 顔または唇のためのケアパウダーまたはメークアップパウダー、特に頬紅、アイシャドウ、ハイライト化粧品、ブロンザー、保護ファウンデーションパウダー、コンシーラー、リップパウダーまたはアイブローパウダー、好ましくはファウンデーションパウダー、ハイライト化粧品、頬紅またはアイシャドウの形態であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  8. 表面に3Dレリーフパターンを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の化粧品組成物を製造する方法であって、
    (i)少なくとも水を含む液相と、充填剤および請求項1に規定するように処理された顔料を含むパウダー形態の固相とを混合することで、ペースト状物を形成する工程;および
    (ii)得られたペースト状物を、圧縮してペースト状物中に存在する液相を完全にまたは部分的に除去することで、特にシリコーン金型に成形する工程、を含むことを特徴とする方法。
  10. ケラチン物質、特に皮膚をケアおよび/またはメークアップするための化粧方法であって、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物をケラチン物質に適用することを含む方法。
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