JP2023542187A

JP2023542187A - 当接工具、ボルト取り付け装置及び高圧コンプレッサロータの組み立て方法

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Publication number: JP2023542187A
Application number: JP2023518148A
Authority: JP
Inventors: 一廷胡; 文省母; 非潘; 宇乾周
Original assignee: AECC Commercial Aircraft Engine Co Ltd; AECC Shanghai Commercial Aircraft Engine Manufacturing Co Ltd
Current assignee: AECC Commercial Aircraft Engine Co Ltd; AECC Shanghai Commercial Aircraft Engine Manufacturing Co Ltd
Priority date: 2020-09-21
Filing date: 2021-07-09
Publication date: 2023-10-05
Anticipated expiration: 2041-07-09
Also published as: EP4215309A1; EP4215309A4; JP7558400B2; US11958149B2; US20230356337A1; WO2022057411A1; CN111823001A; CA3196017A1; CN111823001B

Abstract

当接工具（１）、ボルト取り付け装置（２００）及び高圧コンプレッサロータ（１００）の組み立て方法。当接工具（１）において、支持台（２）は当接部材案内部、押圧部材案内部（２２）、伝動部材案内溝（２３）を提供し、当接部材（３）は当接部材案内嵌合部を提供して、当接部材案内部にスライド嵌合され、押圧部材（４）は押圧部材案内嵌合部（４２）を提供して、押圧部材案内部（２２）にスライド嵌合され、てこ（５）は支持台（２）にヒンジ接続され、伝動部材（６）と伝動部材案内溝（２３）はスライド嵌合され、押圧部材（４）は伝動部材（６）をスライドさせ、伝動部材（６）はてこ（５）を回転させ、さらに当接部材（３）を滑り出せ、伝動部材（６）が押圧部材（４）に作用する反作用力及び押圧部材（４）と支持台（２）の摩擦力によって、押圧部材（４）は摩擦によるセルフロッキング状態にあり、これにより、押圧部材（４）を制動して、当接部材（３）をロックする。

Description

本発明は、発動機の組み立て技術の分野に関し、具体的には、当接工具、ボルト取り付け装置及び高圧コンプレッサロータの組み立て方法に関する。

高圧コンプレッサロータは航空発動機の重要な構成部分であり、多段ハブで構成され、ハブの間はねじ付き締結具によって接続される。図１に示すように、例示的な型番の発動機の高圧コンプレッサロータ１００は第１ハブ１１０、第２ハブ１２０と第３ハブ１３０を含み、ここでは、第３ハブ１３０は上ハブ１３１と下ハブ１３２を溶接して一体化したものである。第１ハブ１１０、第２ハブ１２０と第３ハブ１３０の間は複数のボルト１０５と複数のナット１０６によって接続され、ロータのハブ中心１０７（多段ハブの中心における貫通孔）の直径は小さく、ボルト１０５の取り付け位置とハブ中心１０７との距離が大きく、隣接するハブの軸方向距離が小さく、ボルト１０５の取り付け位置と多段ハブの後端面１０４との軸方向距離が大きく、且つ多段ハブは逆円錐形であり、ハブの内壁とハブのウェブとの接続箇所にフィレットが設けられ、例えば第１ハブ１１０のウェブ１１２と内壁１１３との接続箇所にフィレット１１５が設けられ、これによって、ボルト１０５の取り付け位置の下方は非規則的な平面であり、典型的な深腔狭窄ねじれ空間に属する。

高圧コンプレッサロータ１００の従来の組み立てプロセスで、作業員はハブ中心１０７からボルト１０５を取り付け孔１０８に送る必要があり、取り付け過程では、作業員は、ナット１０６がしっかり締め付けられるまで手動でボルト１０５を固定する必要がある。ボルト１０５の数が多く、取り付け空間が非常に狭く、且つ可視ではないため、取り付け難易度が大きく、作業員はアームを上記の深腔狭窄ねじれ空間に差し込み、手の感じで、ボルト１０５を取り付け孔１０８に合わせてみて、手でボルト１０５の固定を長時間維持し、非常に体力を費やし、ボルト１０５の取り付けを完了するには長い時間が必要であり、取り付け効率が低い。

本発明の一つの目的は、セルフロッキング可能な当接工具を提供することであり、それは構造が簡単であり、操作されやすい。

前記目的の当接工具を実現するために、支持台であって、当接部材案内部、押圧部材案内部、伝動部材案内溝を提供するものと、当接部材であって、少なくとも部分的に前記支持台の内部に設けられ、当接部材案内嵌合部を提供し、前記当接部材案内部と前記当接部材案内嵌合部がスライド嵌合されるものと、押圧部材であって、伝動傾斜面、押圧部材案内嵌合部を有し、前記押圧部材案内嵌合部と前記押圧部材案内部はスライド嵌合されて、前記押圧部材のスライドを案内するものと、てこであって、第１端、第２端及び前記第１端と前記第２端との間におけるヒンジ接続部を有し、前記ヒンジ接続部は前記支持台にヒンジ接続されるものと、伝動部材であって、前記伝動部材案内溝にスライド嵌合されるものとを含み、ここでは、前記押圧部材は当接方向にスライドする時、前記押圧部材の前記伝動傾斜面は前記伝動部材をスライドさせ、前記伝動部材は前記てこの前記第２端に作用して、前記てこを回転させ、前記てこの前記第１端は前記当接部材に作用し、さらに前記当接部材を前記支持台の外側に滑り出せ、突き上げ作用を果たし、前記伝動部材が前記伝動傾斜面に作用する反作用力及び前記押圧部材案内嵌合部と前記押圧部材案内部との間の摩擦力によって、前記押圧部材を摩擦によるセルフロッキング状態にし、これによって前記押圧部材案内嵌合部と前記押圧部材案内部のスライド嵌合を制動し、さらに滑り出した前記当接部材をロックする。

前記の当接工具の一つ又は複数の実施形態において、前記ヒンジ接続部から前記第１端までの距離は前記ヒンジ接続部から前記第２端までの距離より大きい。

前記の当接工具の一つ又は複数の実施形態において、前記当接部材案内部と前記当接部材案内嵌合部の嵌合は死点を有することで、前記当接部材が前記支持台から脱落することを防止する。

前記の当接工具の一つ又は複数の実施形態において、前記支持台は当接壁を含み、前記当接壁には、貫通する当接部材シュートが設けられ、前記当接部材シュートは前記当接部材案内部とする。

前記の当接工具の一つ又は複数の実施形態において、前記支持台は二つの側壁を含み、前記当接部材は少なくとも部分的に前記二つの側壁の間の空間に設けられ、前記二つの側壁はそれぞれ案内シュート又は案内ピン又は案内ボスを設けて前記当接部材案内部とし、対応的に、前記当接部材に案内ピン又は案内ボス又は案内シュートを設けて前記当接部材案内嵌合部とし、又は前記当接部材の外表面を前記当接部材案内嵌合部とする。

前記の当接工具の一つ又は複数の実施形態において、前記支持台は二つの縦方向側壁を含み、前記当接部材は少なくとも部分的に前記二つの縦方向側壁の間の空間に設けられ、前記てこは前記二つの縦方向側壁の間に挟まれ、前記ヒンジ接続部と前記二つの縦方向側壁はそれぞれヒンジ接続され、前記二つの縦方向側壁にそれぞれ水平方向における案内シュート又は案内ピン又は案内ボスを設けて前記押圧部材案内部とし、対応的には、前記押圧部材に水平方向における案内ピン又は案内ボス又は案内シュートを設けて前記押圧部材案内嵌合部とし、前記二つの縦方向側壁にそれぞれ垂直方向の案内シュート又は案内ピン又は案内ボスを設けて前記当接部材案内部とし、対応的に、前記当接部材に垂直方向の案内ピン又は案内ボス又は案内シュートを設けて前記当接部材案内嵌合部とし、又は前記当接部材の外表面を前記当接部材案内嵌合部とし、前記二つの縦方向側壁においてそれぞれ垂直方向に前記伝動部材案内溝が設けられ、前記伝動部材は伝動ピン軸によって前記伝動部材案内溝にそれぞれ嵌合され、前記押圧部材は中間壁と前記中間壁の両側にある二つの側アームを含み、前記二つの側アームはそれぞれ前記伝動傾斜面を提供し、前記伝動ピン軸に嵌合され、前記中間壁又は／及び前記二つの側アームに前記押圧部材案内嵌合部が設けられる。

前記の当接工具の一つ又は複数の実施形態において、前記伝動部材は伝動ピン軸と前記伝動ピン軸に設けられるローラを含み、前記ローラによって前記てこの前記第２端に接触嵌合される。

前記の当接工具の一つ又は複数の実施形態において、前記伝動部材と前記てこの前記第２端は一体となり、前記伝動部材案内溝は前記ヒンジ接続部を円心とする円弧形溝である。

該当接工具はセルフロッキングを実現でき、持続的な外力をかけることなくボルト又は他のツーリングを突き上げる状態を維持して、ボルト又は他のツーリングに対する後続の取り付け又はほかの操作を容易にする。該当接工具は構造が簡単であり、加工製造されやすく、製造コストが低く、操作されやすい。

本発明の他の目的は、セルフロッキング可能なボルト取り付け装置を提供することであり、深腔狭窄ねじれ空間におけるボルトの取り付けを実現することに利用され、取り付け効率を向上させる。

前記目的のボルト取り付け装置を高圧コンプレッサロータの多段ハブの取り付けに用いることを実現するために、以上に記載のいずれか一つに記載の当接工具を複数含み、前記当接工具はボルト取り付け位置の下方にあるハブのウェブに配置することに適し、前記押圧部材に接続されるアンロック部材が配置され、前記押圧部材は前記ハブの径方向にスライドし、前記アンロック部材は前記ボルト取り付け位置からハブ中心に延伸する。

前記のボルト取り付け装置の一つ又は複数実施形態において、前記支持台は前記ハブの内壁に面して隅切部が設けられて、前記ハブの前記内壁と前記ウェブの接続箇所のフィレットを退避する。

前記のボルト取り付け装置の一つ又は複数実施形態において、前記アンロック部材はケーブル又はチェーンである。

該ボルト取り付け装置はセルフロッキングを実現でき、持続的な外力をかけることなくボルトに当接する状態を維持でき、これにより、ねじ付き締結具の取り付けを容易にし、作業員の片手を解放し、取り付け効率を向上させることができる。該ボルト取り付け装置は構造が簡単であり、加工製造されやすく、製造コストが低く、操作されやすく、到着しにくい位置又は操作空間が制限される位置、例えば、前記の深腔狭窄ねじれ空間でも、容易に使用でき、取り付け効率を向上させることができる。

本発明の更なる目的は、高圧コンプレッサロータの組み立て方法を提供することであり、深腔狭窄ねじれ空間におけるボルト取り付けを実現し、取り付け効率を向上させるために利用される。

前記目的の高圧コンプレッサロータの組み立て方法を実現するために、多段ハブをボルトで接続し、まずいずれか一つの前記のボルト取り付け装置をボルト取り付け位置の下方にあるハブのウェブに配置し、前記当接工具によって前記ボルトをそれぞれ当接し、続いて隣接するハブを前記下方にあるハブに積み重ね、かつ当接された前記ボルトを前記隣接するハブのボルト孔を貫通させることを含む。

該高圧コンプレッサロータの組み立て方法は当接工具によってボルトを下方にあるハブに予め当接し、続いて隣接するハブを下方のハブに積み重ねて、ボルトの配置過程を可視にし、従来における各段ハブを積み重ねてからボルトを取り付けるという取り付け方法に比べて、作業員は手の感じで深腔狭窄ねじれ空間にボルトを配置せず、手でボルトの固定を持続的に維持することを必要とせず、取り付け難易度と作業員の作業負荷を低下させ、ボルトの取り付け効率を大幅に向上させ、ボルトの取り付け周期を短縮し、プロセスコストを低下させることができる。

本発明に係る上記、及び他の特徴、性質と利点は、以下の図面と実施例の説明からより明らかになるであろう。

従来技術による高圧コンプレッサロータの多段ハブ接続構造の断面図である。一つ又は複数の実施形態によるボルト取り付け装置の斜視図である。一つ又は複数の実施形態によるボルト取り付け装置の断面図である。一つ又は複数の実施形態によるボルト取り付け装置の一部の部品を分解した模式図である。図３の実施形態による押圧部材の力受け状況の模式図である。一つ又は複数の実施形態によるてこの構造模式図である。一つ又は複数の実施形態による伝動部材の構造模式図である。一つ又は複数の実施形態によるボルト取り付け装置がボルトに当接する時の部分斜視図である。一つ又は複数の実施形態によるボルト取り付け装置がボルトに当接する時の半分のハブを省いた部分断面図である。一つ又は複数の実施形態によるボルト取り付け装置のアンロックと除去状態の半分のハブを省いた部分断面図である。

以下、記載された主題の技術的解決手段を実施するための様々な実施形態又は実施例を開示する。

本開示の内容を簡単にするために、各要素及び配列の具体的な例を以下に説明するが、これらは単なる例であり、本発明の保護範囲を限定するものではないことを理解されたい。例えば本明細書において後に記載される第１特徴は、第２特徴の上方又は上に形成されることは、第１及び第２特徴が直接関連して形成される実施形態を含んでもよく、第１及び第２特徴の間に追加の特徴が形成される実施形態を含んでもよく、これにより、第１及び第２特徴の間は直接関連していなくてもよい。また、これらの開示内容には、様々な例において、符号及び／又は文字を繰り返す場合がある。この繰り返しは、簡潔さ及び明確さのためであり、それ自体は、議論されるべき様々な実施形態及び／又は構造間の関係を表していない。更に、第１素子が第２素子に接続されているか、又は第２の要素と組み合わせられている方式で説明される場合、この説明は、第１及び第２素子が直接接続されるか、又は互いに組み合わせられる実施形態を含み、第１及び第２素子が間接的に接続されるか、又は互いに組み合わせられるように、一つ又は複数の他の介在素子を組み込むことも含む。本願の説明において、説明すべきことは、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語によって指示される方位又は位置関係は、図面において示される方位又は位置関係に基づくものであり、これらの実施形態を説明するため、及び説明の簡略化のためのものに過ぎず、言及する装置又は素子が特定の方位にあり、特定の方位で構造され操作されることを示し又は暗示するものではない。また、「第１」、「第２」などの用語は説明するためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は暗示するものや、これらにより示される技術的特徴の数を示唆するものではない。これにより、「第１」、「第２」などで限定された特徴は、一つ以上の該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。また、図面は例示的なものに過ぎず、等比例で描画されるものではなく、さらにこれによって本発明の実際に請求する特許請求の範囲を限定すべきではないことを理解されたい。また、異なる実施形態における変換方式は、適宜組み合わせてもよい。

本発明の当接工具１は図２から図４に示すように、支持台２、当接部材３、押圧部材４、てこ５と伝動部材６を含む。

支持台２は当接部材案内部、押圧部材案内部２２及び伝動部材案内溝２３を提供する。当接部材３は少なくとも部分的に支持台２の内部に設けられ、当接部材案内嵌合部を提供し、当接部材案内嵌合部と当接部材案内部はスライド嵌合され、詳細は後に述べる。押圧部材４は伝動傾斜面４１と押圧部材案内嵌合部４２を含み、押圧部材案内嵌合部４２と押圧部材案内部２２はスライド嵌合されて、押圧部材４のスライドを案内する。てこ５は第１端５１、第２端５２及び第１端５１と第２端５２との間に位置するヒンジ接続部５３を有し、ヒンジ接続部５３は支持台２にヒンジ接続される。伝動部材６は伝動部材案内溝２３とスライド嵌合される。

外力Ｆ_１をかけて押圧部材４を当接方向へ（図３に示される実施形態では右方向から左方向へ）スライドする時、押圧部材４の伝動傾斜面４１は伝動部材６をスライドさせ、伝動部材６はてこ５の第２端５２に作用し、てこ５を回転させ、てこ５の第１端５１は当接部材３に作用し、さらに当接部材３を支持台２の外側に滑り出させ、当接部材３がボルト又は他のツーリングを突き上げるという役割を果たす。

外力Ｆ_１を除去した後、伝動部材６の伝動傾斜面４１に作用する反作用力、及び押圧部材案内嵌合部４２と押圧部材案内部２２との間の摩擦力により、押圧部材４を摩擦によるセルフロッキング状態にし、これにより、押圧部材案内嵌合部４２と押圧部材案内部２２のスライド嵌合を制動して、滑り出した当接部材３をロックすることができる。

図３に示される実施形態を例にすると、外力Ｆ_１を除去した後、押圧部材４の力受け分析は図５に示しており、押圧部材４が受けた主動力は重力Ｇ、及び伝動部材６の伝動傾斜面４１に作用する反作用力Ｆであり、受けた受動力は押圧部材案内部２２の押圧部材案内嵌合部４２への支持力Ｎと摩擦力ｆであり、押圧部材案内部２２と押圧部材案内嵌合部４２との間の最大静摩擦力はｆ_ｍａｘである。反作用力Ｆの大きさは当接部材３の重力、突き上げられるツーリングの当接部材３に対する反力、てこ５のヒンジ接続部５３から当接部材３と伝動部材６までのそれぞれ距離（即ちてこ５の両端のアーム）等に関連し、当接部材３、押圧部材４とてこ５の構造や重量を設計することで、反作用力Ｆの垂直方向における分力Ｆ_ｙ＞Ｇとすると、支持力Ｎの方向と重力Ｇの方向は同じになり、且つ大きさは反作用力Ｆの増大につれて増大し、それにより、最大静摩擦力ｆ_ｍａｘもＦの増大につれて増大する。伝動傾斜面４１は傾斜した平面又は曲面であってもよく、伝動傾斜面４１が平面の場合、伝動部材６の伝動傾斜面４１に対する反作用力Ｆは伝動傾斜面４１に垂直となり、伝動傾斜面４１が曲面の場合、反作用力Ｆは伝動傾斜面４１と伝動部材６との接触位置箇所の共通接平面（図示せず）に垂直となり、前記の平面又は共通接平面の勾配を設計することで、押圧部材４が受けた主動力、即ち重力Ｇと反作用力Ｆの合力の押圧部材４のスライド方向（図３に示される実施形態には水平方向である）における分力Ｆ_ｘ＝ｆ≦ｆ_ｍａｘとすることで、押圧部材４を摩擦によるセルフロッキング状態にし、これによって、押圧部材案内嵌合部４２と押圧部材案内部２２との間のスライド嵌合を制動し、さらに滑出の当接部材３をロックすることができる。

該当接工具１はセルフロッキングを実現することができ、持続的な外力をかけることなく、ボルト又は他のツーリングを突き上げる状態を維持することができ、ボルト又は他のツーリングに対する後続の取り付け又はほかの操作を容易にする。操作を完成した後、押圧部材４を引いて当接方向の反対方向に移動させ、当接部材３を支持台２の内側方向へ縮ませることができ、これにより、該当接工具１の高さは小さくなり、ボルト又は他のツーリングへの突き上げ状態を解除し、該当接工具１を引き戻しやすい。該当接工具１は構造が簡単であり、加工製造されやすく、製造コストが低く、且つ操作されやすい。

図３と図６に示すように、てこ５のヒンジ接続部５３から第１端５１までの距離はヒンジ接続部５３から第２端５２までの距離より大きく、これにより、押圧部材４の変位に対して拡大作用を有し、押圧部材４の小さな変位で当接部材３を大きな変位を発生させ、これにより、空間を省き、該当接工具１の構造をよりコンパクトにする。

図２から図４に示すように、支持台２は当接壁２４を含み、当接壁２４には、貫通する当接部材シュート２５が設けられ、当接部材シュート２５は前記の当接部材案内部として、対応的に当接部材３の外表面３１を前記の当接部材案内嵌合部として、当接部材シュート２５にスライド嵌合される。従って、構造をさらに簡略化し、加工を容易にすることができる。

いくつかの実施形態において、当接部材３に案内ピン又は案内ボス（図示せず）を当接部材案内嵌合部として設け、当接部材シュート２５にスライド嵌合してもよい。

引き続き図２から図４に示すように、当接部材案内部は支持台２の二つの側壁２６に設けられてもよく、当接部材３は少なくとも部分的に二つの側壁２６の間の空間に設けられ、二つの側壁２６はそれぞれ案内シュート２１を当接部材案内部として設けてもよく、対応的に当接部材３に案内ピン３２を当接部材案内嵌合部として設けて、案内シュート２１にスライド嵌合する。従って、構造をさらに簡略化し、加工を容易にすることができる。

いくつかの実施形態において、当接部材３に案内ボス（図示せず）を当接部材案内嵌合部として設けて、案内シュート２１にスライド嵌合し、又は、当接部材３の外表面３１を当接部材案内嵌合部としてもよい。

いくつかの実施形態において、二つの側壁２６に案内ピン又は案内ボス（図示せず）を当接部材案内部として設け、対応的に当接部材３に案内シュート（図示せず）を当接部材案内嵌合部として設けてもよい。

当接部材案内部と当接部材案内嵌合部の嵌合は死点を有して、当接部材３が支持台２から脱落することを防止し、死点の例は支持台２又は当接部材３に設けられるリミットボス、又はリミットバッフル、又はリミットピン、又は案内シュートの端点、又は伝動部材案内溝２３の端点等を含むがこれらに限定されない。

引き続き図２から図４に示すように、二つの側壁２６は垂直方向に設けられ、てこ５は二つの側壁２６の間に挟まれ、ヒンジ接続部５３は二つの側壁２６にそれぞれヒンジ接続される。二つの側壁２６にそれぞれ水平方向における案内シュート又は案内ピン又は案内ボスを押圧部材案内部２２として設け、対応的に押圧部材４に水平方向における案内ピン又は案内ボス又は案内シュートを押圧部材案内嵌合部４２として設ける。二つの側壁２６にそれぞれ垂直方向の案内シュート又は案内ピン又は案内ボスを設けて当接部材案内部とし、対応的に、当接部材３に垂直方向の案内ピン又は案内ボス又は案内シュートを設けて当接部材案内嵌合部とし、又は当接部材３の外表面を当接部材案内嵌合部とする。二つの側壁２６にそれぞれ垂直方向に伝動部材案内溝２３を設け、伝動部材６は伝動ピン軸６１によって二つの側壁２６における伝動部材案内溝２３にそれぞれ嵌合される。押圧部材４は中間壁４３と中間壁４３の両側にある二つの側アーム４４を含み、二つの側アーム４４はそれぞれ伝動傾斜面４１を提供し、伝動ピン軸６１に嵌合され、中間壁４３又は／及び二つの側アーム４４に押圧部材案内嵌合部４２が設けられる。従って、該当接工具１の構造をよりコンパクトにし、構造をさらに簡略化し、加工しやすくなる。

図３と図７に示すように、伝動部材６は伝動ピン軸６１と伝動ピン軸６１に設けられるローラ６２を含み、ローラ６２によって、てこ５の第２端５２に接触嵌合される。従って、伝動部材６とてこ５とを良好に接触させ、かつ構造をさらに簡略化し、加工しやすくなる。

伝動部材６とてこ５の第２端５２は一体構造として設けられてもよく、対応的に、伝動部材案内溝２３を、ヒンジ接続部５３を円心とする円弧形溝に設ける。従って、構造をさらに簡略化し、加工を容易にすることができる。

図２に示すように、押圧部材４は接続部材２７によって支持台２に接続され、該当接工具１の保管を容易にし、押圧部材４の紛失を防止する。接続部材２７の例はワイヤーロープ又はチェーンを含むがこれらに限定されない。

図２と図３に示すように、支持台２は止めピン２８を含み、てこ５の行程を制限するために用いられ、てこ５が支持台２の外部に張り出して損傷を起こすことを防止し、かつ該当接工具１の構造をコンパクトにし、保管しやすく、さらにてこ５によって当接部材３の行程を制限する役割を間接的に果たし、当接部材３が支持台２から脱落することを防止する。止めピン２８を設置するかわりに、伝動部材案内溝２３の端点位置の設置によって、てこ５と当接部材３の行程を制限することもできる。

本発明のボルト取り付け装置２００は図２から図４に示すように、当接工具１とアンロック部材７を含み、アンロック部材７は当接工具１の押圧部材４に接続され、これにより、該ボルト取り付け装置２００のアンロックと取り外しを容易にし、特に、該ボルト取り付け装置２００が到着しにくい位置又は操作空間が制限される位置に位置する場合に、例えば、前記の深腔狭窄ねじれ空間に位置する時、それに対するアンロックと取り外しを行うことに適する。アンロック部材７の例はケーブル又はチェーンを含むがこれらに限定されない。

該ボルト取り付け装置２００はセルフロッキングを実現でき、持続的な外力をかけることなくボルトに当接する状態を維持することができ、これにより、ねじ付き締結具の取り付けを容易にし、作業員の片手を解放でき、取り付け効率を向上させることができる。該ボルト取り付け装置２００は構造が簡単であり、加工製造しやすく、製造コストが低く、操作しやすく、到着しにくい位置又は操作空間が制限される位置、例えば、前記の深腔狭窄ねじれ空間であっても、容易に使用でき、取り付け効率を向上させることができる。

図８から図１０に示すように、該ボルト取り付け装置２００は高圧コンプレッサロータ１００の多段ハブの取り付けに利用でき、当接工具１はボルト１０５の取り付け位置の下方の第１ハブ１１０のウェブ１１２に配置することに適し、押圧部材４は第１ハブ１１０の径方向にスライドし、ここでは、径方向は半径方向及び半径方向から少しずれている方向を含み、アンロック部材７はボルト１０５の取り付け位置からハブ中心１０７に延伸する。第１ハブ１１０の内壁１１３とウェブ１１２の接続箇所のフィレット１１５を退避するために、当接工具１の支持台２は第１ハブ１１０の内壁１１３に面して隅切部２９が設けられる。

該ボルト取り付け装置２００を採用する高圧コンプレッサロータ１００の多段ハブの組み立て方法は、（図８から図１０に示す）
ボルト１０５を第１ハブ１１０の第１取り付け孔１１１に貫通させるステップ１と、
ボルト取り付け装置２００をボルト１０５の取り付け位置の下方の第１ハブ１１０のウェブ１１２に配置し、押圧部材４を第１ハブ１１０の径方向内側に位置させるステップ２と、
押圧部材４を押して第１ハブ１１０の径方向外側にスライドさせ、伝動部材６によって、てこ５の回転を駆動し、当接部材３を滑り出し、ボルト１０５を第１ハブ１１０のフランジ縁１１４に当接し、かつアンロック部材７をボルト１０５の取り付け位置からハブ中心１０７（ハブ中心１０７の位置は図１に示す）に延伸するステップ３と、
ステップ１から３を繰り返し、他のボルト１０５をそれぞれ当接工具１で当接し、かつ各アンロック部材７を対応するボルト１０５の取り付け位置からハブ中心１０７に延伸させるステップ４であって、完成後の状態は図８に示す、ステップ４と、
第２ハブ１２０の各第２取り付け孔１２１を各ボルト１０５に合わせ、各ボルト１０５をそれぞれ対応する第２取り付け孔１２１を貫通させ、第２ハブ１２０を第１ハブ１１０に配置するステップ５と、
第３ハブ１３０の各第３取り付け孔１３３を各ボルト１０５に合わせ、各ボルト１０５をそれぞれ対応する第３取り付け孔１３３を貫通させ、第３ハブ１３０を第２ハブ１２０に積み重ねるステップ６と、
複数のナット１０６をそれぞれ対応するボルト１０５にねじ込むステップ７と、
ハブ中心１０７箇所のアンロック部材７を引いて、押圧部材４を第１ハブ１１０の径方向内側に移動させるステップ８であって、重力作用で、当接部材３は下り、当接工具１の高さは小さくなり、これにより、アンロック部材７によって当接工具１をハブ中心１０７に引き、当接工具１を取り出すことができ、図１０に示すとおりである、ステップ８と
を含む。

該高圧コンプレッサロータ１００の多段ハブの組み立て方法は当接工具１によってボルト１０５を第１ハブ１１０のフランジ縁１１４に予め当接し、続いて第２ハブ１２０と第３ハブ１３０を第１ハブ１１０に積み重ねて、ボルト１０５の配置過程を可視にし、従来の各段ハブを積み重ねてからボルト１０５を取り付けるという取り付け方法に比べて、作業員は手の感じで深腔狭窄ねじれ空間にボルトを配置せず、手でボルト１０５の固定を持続的に維持することを必要とせず、取り付け難易度と作業員の作業負荷を低下させ、ボルト１０５の取り付け効率を大幅に向上させ、ボルト１０５の取り付け周期を短縮し、プロセスコストを低下させることができる。

本発明は、好ましい実施例によって前記の通り開示されたが、本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく、種々の変更や修正をすることができる。そのため、本発明の技術的解決手段の内容から逸脱しない限り、本発明の技術趣旨に基づいて以上の実施例に対して行われたいかなる修正、均等物による変更及び修正は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。

Claims

当接工具であって、
支持台であって、当接部材案内部、押圧部材案内部、伝動部材案内溝を提供するものと、
当接部材であって、少なくとも部分的に前記支持台の内部に設けられ、当接部材案内嵌合部を提供し、前記当接部材案内部と前記当接部材案内嵌合部がスライド嵌合されるものと、
押圧部材であって、伝動傾斜面、押圧部材案内嵌合部を有し、前記押圧部材案内嵌合部と前記押圧部材案内部はスライド嵌合されて、前記押圧部材のスライドを案内するものと、
てこであって、第１端、第２端及び前記第１端と前記第２端との間におけるヒンジ接続部を有し、前記ヒンジ接続部は前記支持台にヒンジ接続されるものと、
伝動部材であって、前記伝動部材案内溝にスライド嵌合されるものと
を含み、
前記押圧部材は当接方向にスライドする時、前記押圧部材の前記伝動傾斜面は前記伝動部材をスライドさせ、前記伝動部材は前記てこの前記第２端に作用して、前記てこを回転させ、前記てこの前記第１端は前記当接部材に作用し、さらに前記当接部材を前記支持台の外側に滑り出せ、突き上げ作用を果たし、前記伝動部材が前記伝動傾斜面に作用する反作用力及び前記押圧部材案内嵌合部と前記押圧部材案内部との間の摩擦力によって、前記押圧部材を摩擦によるセルフロッキング状態にし、これによって前記押圧部材案内嵌合部と前記押圧部材案内部のスライド嵌合を制動し、さらに滑り出した前記当接部材をロックすることを特徴とする当接工具。
前記ヒンジ接続部から前記第１端までの距離は前記ヒンジ接続部から前記第２端までの距離より大きいことを特徴とする請求項１に記載の当接工具。
前記当接部材案内部と前記当接部材案内嵌合部との嵌合は死点を有することで、前記当接部材が前記支持台から脱落することを防止することを特徴とする請求項１に記載の当接工具。
前記支持台は当接壁を含み、前記当接壁には、貫通する当接部材シュートが設けられ、前記当接部材シュートは前記当接部材案内部とすることを特徴とする請求項１に記載の当接工具。
前記支持台は二つの側壁を含み、前記当接部材は少なくとも部分的に前記二つの側壁の間の空間に設けられ、前記二つの側壁はそれぞれ案内シュート又は案内ピン又は案内ボスを設けて前記当接部材案内部とし、対応的に、前記当接部材に案内ピン又は案内ボス又は案内シュートを設けて前記当接部材案内嵌合部とし、又は前記当接部材の外表面を前記当接部材案内嵌合部とすることを特徴とする請求項１に記載の当接工具。
前記支持台は二つの縦方向側壁を含み、前記当接部材は少なくとも部分的に前記二つの縦方向側壁の間の空間に設けられ、前記てこは前記二つの縦方向側壁の間に挟まれ、前記ヒンジ接続部と前記二つの縦方向側壁はそれぞれヒンジ接続され、
前記二つの縦方向側壁にそれぞれ水平方向における案内シュート又は案内ピン又は案内ボスを設けて前記押圧部材案内部とし、対応的には、前記押圧部材に水平方向における案内ピン又は案内ボス又は案内シュートを設けて前記押圧部材案内嵌合部とし、
前記二つの縦方向側壁にそれぞれ垂直方向の案内シュート又は案内ピン又は案内ボスを設けて前記当接部材案内部とし、対応的に、前記当接部材に垂直方向の案内ピン又は案内ボス又は案内シュートを設けて前記当接部材案内嵌合部とし、又は前記当接部材の外表面を前記当接部材案内嵌合部とし、
前記二つの縦方向側壁においてそれぞれ垂直方向に前記伝動部材案内溝が設けられ、前記伝動部材は伝動ピン軸によって前記伝動部材案内溝にそれぞれ嵌合され、
前記押圧部材は中間壁と前記中間壁の両側にある二つの側アームを含み、前記二つの側アームはそれぞれ前記伝動傾斜面を提供し、前記伝動ピン軸に嵌合され、前記中間壁又は／及び前記二つの側アームに前記押圧部材案内嵌合部が設けられることを特徴とする請求項１に記載の当接工具。
前記伝動部材は伝動ピン軸と前記伝動ピン軸に設けられるローラを含み、前記ローラによって前記てこの前記第２端に接触嵌合されることを特徴とする請求項１に記載の当接工具。
前記伝動部材と前記てこの前記第２端は一体となり、前記伝動部材案内溝は前記ヒンジ接続部を円心とする円弧形溝であることを特徴とする請求項１に記載の当接工具。
高圧コンプレッサロータの多段ハブの取り付けのためのボルト取り付け装置であって、請求項１～８のいずれか一項に記載の当接工具を複数含み、前記当接工具はボルト取り付け位置の下方にあるハブのウェブに配置することに適し、前記押圧部材に接続されるアンロック部材が配置され、前記押圧部材は前記ハブの径方向にスライドし、前記アンロック部材は前記ボルト取り付け位置からハブ中心に延伸することを特徴とするボルト取り付け装置。
前記支持台は前記ハブの内壁に面して隅切部が設けられて、前記ハブの前記内壁と前記ウェブの接続箇所のフィレットを退避することを特徴とする請求項９に記載のボルト取り付け装置。
前記アンロック部材はケーブル又はチェーンであることを特徴とする請求項９に記載のボルト取り付け装置。
多段ハブをボルトで接続することを含む高圧コンプレッサロータの組み立て方法であって、まず請求項９～１１のいずれか一項に記載のボルト取り付け装置をボルト取り付け位置の下方にあるハブのウェブに配置し、前記当接工具によって前記ボルトをそれぞれ当接し、続いて隣接するハブを前記下方にあるハブに積み重ね、かつ当接された前記ボルトを前記隣接するハブのボルト孔を貫通させることを特徴とする高圧コンプレッサロータの組み立て方法。