JP2023539760A - グアニジノ酢酸の製造方法 - Google Patents

グアニジノ酢酸の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023539760A
JP2023539760A JP2023513994A JP2023513994A JP2023539760A JP 2023539760 A JP2023539760 A JP 2023539760A JP 2023513994 A JP2023513994 A JP 2023513994A JP 2023513994 A JP2023513994 A JP 2023513994A JP 2023539760 A JP2023539760 A JP 2023539760A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glycine
reaction mixture
cyanamide
dicyandiamide
gaa
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023513994A
Other languages
English (en)
Inventor
シュタール ティーモ
ロネブルク アクセル
イェーガー バルバラ
ロート フィリップ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Evonik Operations GmbH
Original Assignee
Evonik Operations GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Evonik Operations GmbH filed Critical Evonik Operations GmbH
Publication of JP2023539760A publication Critical patent/JP2023539760A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C277/00Preparation of guanidine or its derivatives, i.e. compounds containing the group, the singly-bound nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C277/02Preparation of guanidine or its derivatives, i.e. compounds containing the group, the singly-bound nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups of guanidine from cyanamide, calcium cyanamide or dicyandiamides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C277/00Preparation of guanidine or its derivatives, i.e. compounds containing the group, the singly-bound nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C277/00Preparation of guanidine or its derivatives, i.e. compounds containing the group, the singly-bound nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C277/08Preparation of guanidine or its derivatives, i.e. compounds containing the group, the singly-bound nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups of substituted guanidines
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C279/00Derivatives of guanidine, i.e. compounds containing the group, the singly-bound nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C279/04Derivatives of guanidine, i.e. compounds containing the group, the singly-bound nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups having nitrogen atoms of guanidine groups bound to acyclic carbon atoms of a carbon skeleton
    • C07C279/14Derivatives of guanidine, i.e. compounds containing the group, the singly-bound nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups having nitrogen atoms of guanidine groups bound to acyclic carbon atoms of a carbon skeleton being further substituted by carboxyl groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C279/00Derivatives of guanidine, i.e. compounds containing the group, the singly-bound nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C279/28Derivatives of guanidine, i.e. compounds containing the group, the singly-bound nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups having nitrogen atoms of guanidine groups bound to cyano groups, e.g. cyanoguanidines, dicyandiamides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

本発明は、塩基の存在下に水性反応混合物中でシアナミドをグリシンと反応させることによるグアニジノ酢酸の製造方法であって、反応混合物中のアンモニア含有量を20g/L以下に制御し、反応混合物中のジシアンジアミド含有量を5重量%以下に保持する方法に関する。

Description

グアニジノ酢酸(GAA)は、動物飼料添加物として使用される無色の結晶性有機化合物である(国際公開第2005120246号/米国特許出願公開第2011257075号明細書)。GAAは、クレアチンの天然前駆体である(例えば、Humm et al., Biochem. J. (1997) 322, 771-776)。したがって、GAAを補充することにより、生体内のクレアチンの最適な供給が可能となる。
本発明は、塩基の存在下に水性反応混合物中でシアナミドをグリシンと反応させることによるグアニジノ酢酸(GAA)の製造方法に関する。
グリシンにシアナミドを加えることによるGAAの製造は、1861年に初めて記載された(M. Strecker, comptes rendus 1861, 52, 1212; Ber. Chem. Ges. (現:Eur. J. Inorg. Chem.) 1908, 41, 4385において引用)。反応媒体として、弱アルカリ性のアンモニア水溶液が使用された。また、より最近の文献には、pH調整用の塩基として水酸化ナトリウム溶液または炭酸ナトリウムを用いた反応条件も記載されている(例えば、中国特許出願公開第102329250号明細書および中国特許出願公開第101462983号明細書)。
シアナミドおよびグリシンからGAAを製造するためには、アルカリ性環境(pH8~10)が必要であるが、これはまた、特にジシアンジアミドやメラミンといった望ましくない副産物を生じる可能性がある環境とまったく同じ環境でもある:
Figure 2023539760000002
この点で課題を伴う文献(欧州特許出願公開第3677329号明細書および中国特許出願公開第102329250号明細書)には、シアナミドおよびグリシンからGAAを製造する方法が2種類記載されている:
A)シアナミド溶液をアルカリ性グリシン溶液に添加する方法(フェッドバッチ;図1)。
B)グリシンおよびシアナミドを連続運転反応系に添加し、生成物分離後にグリシンを含む母液を連続的に再循環させる方法(図2)。
A)フェッドバッチ:特に反応開始時に、セットアップは、グリシンが大過剰であり、これにより副生成物の生成が抑制されることを特徴とする。しかし、提供されるグリシンはpH緩衝作用に乏しいため、pH値を調整するために多量の塩基が必要となる。しかし、反応中にグリシンが消費され、緩衝作用が低下し、pHが過度に上昇して収率や選択率が低下する。この望ましくない作用は、酸を添加することで防ぐことができるが、まだ記載されていない。酸によるpH制御により、全体的に塩の生成速度が高くなる。
B)連続運転反応系:技術的な理由から、連続運転では、反応器内で許容されるグリシンの過剰量はわずかであり(通常は、グリシン:シアナミド=2:1)、さもなくば循環部が大きくなりすぎる。その結果、選択率が低くなる。同時に、副産物をサイクルから排出しなければならず、さもなくば蓄積の危険性がある。しかし、このようなパージ流では、多量のグリシンも除去されて失われてしまう。
副産物であるジシアンジアミドはメラミンに比べかなり多量に形成されるが、メラミンは国によってppm規模でその存在が規制されているため、クリティカルな成分である。最終的なGAA生成物を洗浄ステップで精製することは可能であるが、手間がかかるため、洗浄水における生成物および原料の損失も大きくなる。
中国特許出願公開第105503659号明細書にはGAAの他の製造方法が開示されており、GAAは、グリシンの水溶液に液体アンモニアを加えてpHを10に調整し、この溶液を55℃まで加熱して50%シアナミド水溶液を加えることによって形成される。この条件下では、アンモニア含有量は20g/Lの閾値以下に保持されていると考えることができる。しかし、この中国特許出願公開第105503659号明細書には、この反応におけるジシアナミド含有量の制御について記載されておらず、またこの方法で得られるメラミン不純物の制御についても何ら開示されていない。
したがって、グリシンおよびシアナミドからのGAA製造の経済性を向上させると同時に生成物の品質を向上させるために、メラミンの形成を防止または大幅に低減することが望まれている。
これは、グリシンおよびシアナミドからグアニジノ酢酸(GAA)を製造する方法であって、メラミン形成を促進する反応条件を回避する方法により達成され、特に、塩基の存在下に水性反応混合物中でシアナミドをグリシンと反応させることによるグアニジノ酢酸の製造方法であって、反応混合物中のアンモニア含有量を20g/L以下に制御し、反応混合物中のジシアンジアミド含有量を5重量%以下に保持する方法によって達成される。
本発明による方法に適した塩基は、例えば、カリウムまたはナトリウムの水酸化物、重炭酸塩または炭酸塩である。
メラミンは、シアナミドから、またはシアナミドとジシアンジアミドとの反応によって形成可能であることが知られている。しかし、どちらの反応も通常は非常に高い温度を必要とし(例1参照)、低温での顕著なメラミン形成について説明することができない(例2参照)。GAA製造の典型的な反応温度は100℃以下であるため、その観察を合理化するためには、別のメラミン形成方法が必要である。100℃以下の水溶液中でのメラミン形成には常にシアナミドが必要であるという直感的な仮定に反して、シアナミドの非存在下でメラミン形成が観察された(例3参照)。実際に、ジシアンジアミドおよびアンモニアが存在することにより、微量のメラミンの形成が同様に促進される(例4および例5参照)。つまり本発明によれば、ジシアンジアミドまたはアンモニアのいずれかを存在させないことによって、メラミン含有量が著しく減少したGAA製造が可能になるということである。本発明によれば、ジシアンジアミドの含有量は、pH値および温度に依存する溶解度積以下でなければならない。
ジシアンジアミドの形成は、通常、グリシン:シアナミド比が低いか、あるいはGAA反応中のpH値が高すぎることにより促進される。このように、グリシン:シアナミド比が低いことは連続GAAプロセスにおける典型的な技術課題であり、一方で、高すぎるpH値は、フェッドバッチプロセスの終了時にしばしば観察される。これら双方のGAAプロセスに当てはまるジシアンジアミド蓄積の第三の事実として、母液の再循環は実際のジシアンジアミドレベルに強い影響を与える。GAAプロセスでは、常時、わずかなアンモニアの形成が観察される。しかし、アンモニアの形成はpH値が高すぎると非常に促進され、これは特にフェッドバッチプロセスにとって課題となっている。他の供給源として、アンモニアはGAAプロセスにおいて塩基として使用されることもあり、このことは、この化合物が多量に存在することを直接的に意味する。アンモニア含有量を減少させる、またはその形成を避けるためには、アンモニアを塩基として使用しないことが好ましく、反応のpH値を注意深く監視して10以下に保持する必要があり、これは特にフェッドバッチプロセスにとって重要なことである。別の選択肢として、アンモニアを水溶液からストリッピングにより除去することも可能であり、これはどちらのプロセスタイプでも有効である。
したがって、本発明による方法において、アンモニア含有量を以下の手段の少なくとも1つによって制御することができる:
(a)反応混合物からアンモニアをストリッピングにより除去すること。これは、実験室規模では表面積を拡大するための高速撹拌、または工業規模では不活性ガス、例えば窒素もしくは空気によるストリッピングを意味する。
(b)pH値がpH=10を超えるレベルにまで上昇した場合に、有機酸または無機酸を添加すること。
反応混合物のpHは、電子式pHメーターまたはpH試験紙によって測定することができる。
ジシアンジアミド含有量は、反応混合物にグリシンが添加されている間に反応混合物中のグリシン:シアナミドのモル比が4:1以上となるようにシアナミドおよびグリシンを反応混合物に連続的に添加することにより制御することが可能である。これは、グリシンと塩基とを含む予備混合水溶液にシアナミドおよびグリシンを同時に添加することにより、シアナミドを過剰モル量のグリシンと連続的に反応させ、ここで、シアナミドおよびグリシンの同時添加の速度を、シアナミドおよびグリシンの同時添加の全期間にわたって反応混合物内のグリシンに対する塩基のモル比が0.1~0.4の範囲に一定に保持されるように調節することにより達成できる。
反応混合物にグリシンが添加されている間に反応混合物中のグリシン:シアナミドのモル比が4:1以上であるこの特定の方法は、シアナミドを全体として等モル量のグリシンと反応させ、後続のステップにおいて、酸の添加により反応混合物のpHを約8~約10の範囲内に保持しながら、残りのモル量のシアナミドをグリシンなしでグリシン含有反応混合物に連続的に添加する(結果としてシアナミドおよびグリシンが全体として等モル量となる)という点で変化させることが可能である。この後続のステップの間、理想的には、酸の添加により反応混合物のpHを約8~約10の範囲内に保持する。
pH制御のために反応混合物に添加される酸は、亜硫酸、酢酸、塩酸、炭酸、二酸化炭素、ギ酸またはリン酸であってよく、好ましくは酢酸および亜硫酸またはアミノ酸グリシンである。
本発明による方法において、ジシアンジアミド含有量は、反応混合物からジシアンジアミドを沈殿させることにより制御することができる。明示的に参照される好適な沈殿方法は、例えば中国実用新案公告第211099033号明細書に開示されている。
一実施形態では、シアナミドに対するGAA収率は、少なくとも15モル%、好ましくは少なくとも45モル%、より好ましくは少なくとも60モル%、さらにより好ましくは少なくとも70モル%、最も好ましくは少なくとも90モル%である。
フェッドバッチを示す図である。 連続運転反応系を示す図である。
実験の部
全般的な情報
供給元:
- グリシン(p.a.):Merck KGaA、ダルムシュタット(ドイツ)
- シアナミド、HO中50%:ABCR GmbH、カールスルーエ(ドイツ)
- ジシアンジアミド:Alfa Aesar as part of Thermo Fischer Scientific、カンデル(ドイツ)
- 水酸化ナトリウム:Merck KGaA、ダルムシュタット(ドイツ)
- アンモニア、HO中25%:Merck KGaA、ダルムシュタット(ドイツ)
器具:
- 250mLの三ツ口フラスコ
- 300mLの圧力容器
分析機器:
- Agilent HPCによるGAA分析
・誘導体化:なし
・カラム:Zorbax SB-Phenyl;カラム温度:30℃
・200nmでのUV検出
・溶離液:1780gのHO+68gのオルトリン酸、HO中85重量%
・流量:0.4mL/分
・保持時間:15.1分
- Agilent HPCによるメラミン分析
・誘導体化:なし
・カラム:HiChrom Alltima 5μm C18;カラム温度:20℃
・210nmでのUV検出
・溶離液A:1780gのHO+68gのオルトリン酸、HO中85重量%
・溶離液B:アセトニトリル
・時間/フロープログラム:
Figure 2023539760000003
・保持時間:18.0分
- 反応混合物のpHは、電子式pHメーターまたはpH試験紙によって測定することができる。
例1
ジシアンジアミド(8.4g、100ミリモル)とシアナミド水溶液(8.4g、50重量%、100ミリモル)とを300mLの圧力容器中で混合し、次いで撹拌下で4時間にわたって120℃に加熱した(懸濁液のpH値=5)。メラミン形成量を、形成された反応混合物のHPLC分析により求めた。
メラミン生成量:7.0ミリモル
例2
ジシアンジアミド(8.4g、100ミリモル)と水酸化ナトリウム水溶液(10g、水中0.004重量%、0.01ミリモル、懸濁液のpH値=9)とを300mLの圧力容器中で混合し、次いで撹拌下で4時間にわたって90℃に加熱した。メラミン形成量を、形成された反応混合物のHPLC分析により求めた。
メラミン生成量:0.1ミリモル
例3
ジシアンジアミド(8.4g、100ミリモル)と水酸化ナトリウム水溶液(10g、0.004重量%、0.01ミリモル)とを300mLの圧力容器中で混合した(懸濁液のpH値=10)。この反応混合物を、撹拌下に90℃まで4時間加熱した。メラミン形成量を、形成された反応混合物のHPLC分析により求めた。
メラミン生成量:5.0ミリモル
例4
ジシアンジアミド(8.4g、100ミリモル)、水(45g)、水酸化ナトリウム(0.3g、8.5ミリモル)およびアンモニア水溶液(5.3g、32重量%、100ミリモル)を300mLの圧力容器中で混合した(懸濁液のpH値=11)。シアナミド水溶液(8.4g、50重量%、100ミリモル)を加え、この反応混合物を、撹拌下に90℃まで4時間加熱した。メラミン形成量を、形成された反応混合物のHPLC分析により求めた。
メラミン生成量:4.6ミリモル
例5
ジシアンジアミド(8.4g、100ミリモル)とアンモニア水溶液(5.3g、32重量%、100ミリモル)とを300mLの圧力容器中で混合した。シアナミド水溶液(8.4g、50重量%、100ミリモル)を添加し、この反応混合物を、撹拌下に90℃まで4時間加熱した。メラミン形成量を、形成された反応混合物のHPLC分析により求めた。
メラミン生成量:5.0ミリモル
Figure 2023539760000004
例6 - 本発明によるが、さらにジシアンジアミド含有量を高めたGAA合成(密閉系)
ジシアンジアミド(8.4g、100ミリモル)、水(50g)、水酸化ナトリウム(0.65g、16ミリモル)およびグリシン(7.5g、100ミリモル)を300mLの圧力容器中で混合した(懸濁液のpH値=9.5)。シアナミド水溶液(8.4g、50重量%、100ミリモル)を添加した。この反応混合物を撹拌下に90℃まで4時間加熱し、GAAへの反応を確実に完了させた。メラミン生成量とGAA生成量との双方を、形成された懸濁液のHPLC分析により求めた。
シアナミドに対するGAA収率:91%
メラミン生成量:0.4ミリモル
例7 - 本発明によるが、さらにジシアンジアミド含有量を高めたGAA合成(開放系)
ジシアンジアミド(8.4g、100ミリモル)、水(50g)、水酸化ナトリウム(0.65g、16ミリモル)およびグリシン(7.5g、100ミリモル)を250mLの三ツ口フラスコ中で混合した(懸濁液のpH値=9.5)。シアナミド水溶液(8.4g、50重量%、100ミリモル)を添加した。この反応混合物を撹拌下に90℃まで4時間加熱し、GAAへの反応を確実に完了させた。高速撹拌により表面積が拡大し、これは、アンモニアが反応混合物から容易に流出し得ることを意味する。アンモニアは、気相ではっきりと臭いが感じられた。メラミン生成量とGAA生成量との双方を、形成された懸濁液のHPLC分析により求めた。
シアナミドに対するGAA収率:93%
メラミン生成量:0.4ミリモル
例8 - 高ジシアンジアミド含有量および高pH値でのGAA合成(密閉系)
ジシアンジアミド(8.4g、100ミリモル)、水(50g)、水酸化ナトリウム(4.0g、100ミリモル)およびグリシン(7.5g、100ミリモル)を300mLの圧力容器中で混合した(懸濁液のpH=12)。シアナミド水溶液(8.4g、50重量%、100ミリモル)を添加した。この反応混合物を撹拌下に90℃まで4時間加熱し、GAAへの反応を確実に完了させた。メラミン生成量とGAA生成量との双方を、形成された懸濁液のHPLC分析により求めた。
シアナミドに対するGAA収率:44%
メラミン生成量:9.4ミリモル
例9 - 高ジシアンジアミド含有量および高pH値でのGAA合成(開放系)
ジシアンジアミド(8.4g、100ミリモル)、水(50g)、水酸化ナトリウム(4.0g、100ミリモル)およびグリシン(7.5g、100ミリモル)を250mLの三ツ口フラスコ中で混合した(懸濁液のpH=12)。シアナミド水溶液(8.4g、50重量%、100ミリモル)を添加した。この反応混合物を撹拌下に90℃まで4時間加熱し、GAAへの反応を確実に完了させた。メラミン生成量とGAA生成量との双方を、形成された懸濁液のHPLC分析により求めた。
シアナミドに対するGAA収率:37%
メラミン生成量:4.1ミリモル
例10 - 高pH値でのGAA合成(密閉系)
グリシン(7.5g、100ミリモル)、水(58g)および水酸化ナトリウム(4.0g、100ミリモル)を300mLの圧力容器中で混合した(懸濁液のpH=12)。シアナミド水溶液(8.4g、50重量%、100ミリモル)を添加した。この反応混合物を撹拌下に90℃まで4時間加熱し、GAAへの反応を確実に完了させた。メラミン生成量とGAA生成量との双方を、形成された懸濁液のHPLC分析により求めた。
シアナミドに対するGAA収率:22%
メラミン生成量:0.9ミリモル
例11 - 高pH値でのGAA合成(開放系)
グリシン(7.5g、100ミリモル)、水(58g)および水酸化ナトリウム(4.0g、100ミリモル)を250mLの三ツ口フラスコ中で混合した(懸濁液のpH=12)。シアナミド水溶液(8.4g、50重量%、100ミリモル)を添加した。この反応混合物を撹拌下に90℃まで4時間加熱し、GAAへの反応を確実に完了させた。メラミン生成量とGAA生成量との双方を、形成された懸濁液のHPLC分析により求めた。
シアナミドに対するGAA収率:17%
メラミン生成量:0.8ミリモル
Figure 2023539760000005
例6~例11:全般的注記
例6および例7は、本発明による条件下で行ったが、反応混合物に等モル量のジシアナミド(100ミリモル/11重量%)を添加したものである。これらの例は、アンモニアを含まない条件およびアンモニア形成条件なし(pH=9.5)での反応の場合、反応混合物にさらにジシアンジアミドを添加しても、メラミン濃度は依然として非常に低くなることを示している。
例8および例9:アンモニアを含む条件およびアンモニア形成条件(pH>10)での反応の場合、反応混合物中にジシアンジアミドが存在すると、メラミン濃度が高くなる。
例10および例11:アンモニアを含まない条件およびアンモニア形成条件(pH>10)での反応の場合、反応混合物中にジシアンジアミドが存在しないと、メラミン濃度が低くなる。
「密閉型」とは、形成されたアンモニアが流出できない系を意味する。この系は実際の生産プラントに相当する。実際の生産プラントは密閉系ではないが、容積が大きいためアンモニアが流出しにくい。したがって、ここでも高いアンモニア濃度の値が存在する。
「開放型」とは、撹拌子を備えた開放された小さな系を意味し、アンモニアの流出が単純化されるため、アンモニアの「ストリッピング」をシミュレートすることができる。本実験では、メラミン含有量が多い条件下でも、密閉型装置に比べてメラミンが少ないことが実際に確認された。
例12:本発明によるGAAの製造方法
グリシン(4.3kg、57モル)、水(11.4kg)および水酸化ナトリウム(水中50%、1.5kg、18.9モル)を混合した。シアナミド水溶液(水中50.4%、3.4kg、40.5モル)を18mL/分で178分かけて加えた。撹拌下に90℃で5時間反応を行って、GAAへの反応を確実に完了させた。高速撹拌により表面積が拡大し、これは、アンモニアが反応混合物から容易に流出し得ることを意味する。アンモニアは、気相ではっきりと臭いが感じられた。反応混合物のアンモニウム濃度を、市販の比色試験キット(Merck、MQUANT(登録商標)と共に使用するアンモニウムテスト)で試験した。反応中のアンモニア濃度は、5g/l~8g/lであった。GAA生成量およびジシアンジアミド生成量を、形成された懸濁液のHPLC分析により求めた。
シアナミドに対するGAA収率:67%
ジシアンジアミド1.8重量%
例13:pH制御を行う本発明によるGAAの製造方法
50Lの反応装置において、シアナミド(HO中50重量%、4.5kg、54モル、1.0当量、178分で24mL/分)を、グリシン(5.8kg、77モル、1.4当量)と水酸化ナトリウム(HO中50重量%、1.2kg、15モル)との水溶液(水16kg、溶液のグリシン含有量:25重量%)に82℃で撹拌下に添加した。82℃でさらに2時間撹拌した後、形成された懸濁液のHPLC分析によりGAA収率を求めた。
反応開始時のpH値:9、反応終了時のpH値:10
GAA収率:88%(5.6kg)
ジシアンジアミド1.8重量%
例14:シアナミドおよびグリシンの連続的添加ならびにpH制御を行う本発明によるGAAの製造方法
50Lの反応装置において、シアナミド(HO中50重量%、4.5kg、54モル、1.0当量、178分で24mL/分)とグリシン(4.6kg、62モル、1.1当量)の水溶液(水14kg、溶液のグリシン含有量:25重量%、178分で合計107mL/分)との双方を、グリシン(1.2kg、15モル、0.28当量)と水酸化ナトリウム(HO中50重量%、0.30kg、3.8モル)との水溶液(水3.2kg、溶液のグリシン含有量:25重量%)に82℃で撹拌下に添加した。82℃でさらに2時間撹拌した後、形成された懸濁液のHPLC分析によりGAA収率を求めた。
反応開始時のpH値:9.5、反応終了時のpH値:8.9
GAA収率:89%(5.7kg)
ジシアンジアミド3.6重量%

Claims (6)

  1. 塩基の存在下に水性反応混合物中でシアナミドをグリシンと反応させることによるグアニジノ酢酸の製造方法であって、前記反応混合物中のアンモニア含有量を20g/L以下に制御し、前記反応混合物中のジシアンジアミド含有量を5重量%以下に保持する、方法。
  2. 前記アンモニア含有量を、以下の手段:
    (a)前記反応混合物からアンモニアをストリッピングにより除去すること;
    (b)pH値がpH=10を超えるレベルにまで上昇した場合に、有機酸または無機酸を添加すること
    の少なくとも1つによって制御する、請求項1記載の方法。
  3. 前記ジシアンジアミド含有量を、前記反応混合物にグリシンが添加されている間に前記反応混合物中のグリシン:シアナミドのモル比が4:1以上となるようにシアナミドおよびグリシンを前記反応混合物に連続的に添加することにより制御する、請求項1または2記載の方法。
  4. グリシンと前記塩基とを含む予備混合水溶液にシアナミドおよびグリシンを同時に添加することにより、シアナミドを過剰モル量のグリシンと連続的に反応させ、シアナミドおよびグリシンの同時添加の速度を、前記シアナミドおよびグリシンの同時添加の全期間にわたって前記反応混合物内のグリシンに対する塩基のモル比が0.1~0.4の範囲に一定に保持されるように調節する、請求項3記載の方法。
  5. シアナミドを全体として等モル量のグリシンと反応させ、後続のステップにおいて、酸の添加により前記反応混合物のpHを約8~約10の範囲内に保持しながら、残りのモル量のシアナミドをグリシンなしでグリシン含有反応混合物に連続的に添加する、請求項4記載の方法。
  6. 前記ジシアンジアミド含有量を、前記反応混合物からジシアンジアミドを沈殿させることにより制御する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
JP2023513994A 2020-09-01 2021-08-19 グアニジノ酢酸の製造方法 Pending JP2023539760A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP20193776.0 2020-09-01
EP20193776 2020-09-01
PCT/EP2021/073004 WO2022048913A1 (en) 2020-09-01 2021-08-19 Method for preparing guanidino acetic acid

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023539760A true JP2023539760A (ja) 2023-09-19

Family

ID=72322319

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023513994A Pending JP2023539760A (ja) 2020-09-01 2021-08-19 グアニジノ酢酸の製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20240010611A1 (ja)
EP (1) EP4208437A1 (ja)
JP (1) JP2023539760A (ja)
KR (1) KR20230057371A (ja)
CN (1) CN115943136A (ja)
WO (1) WO2022048913A1 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2296186T3 (es) 2004-06-09 2008-04-16 Alzchem Trostberg Gmbh Acido guanidinoacetico como aditivo para piensos.
CN101462983A (zh) 2007-12-21 2009-06-24 上海浩洲化工有限公司 胍基乙酸的制备方法
CN102329250A (zh) 2011-07-22 2012-01-25 周彬 胍基乙酸的化学合成方法
CN105503659A (zh) 2016-01-29 2016-04-20 浙江汇能生物股份有限公司 一种高纯度高收率胍基乙酸的合成方法
EP3677329B1 (en) 2019-01-02 2021-07-21 Evonik Operations GmbH Process for preparing guanidino acetic acid
CN211099033U (zh) 2019-11-04 2020-07-28 北京君德同创生物技术股份有限公司 一种胍基乙酸生产过程中的双氰胺回收设备

Also Published As

Publication number Publication date
KR20230057371A (ko) 2023-04-28
WO2022048913A1 (en) 2022-03-10
EP4208437A1 (en) 2023-07-12
CN115943136A (zh) 2023-04-07
US20240010611A1 (en) 2024-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2193161A1 (en) A process for the preparation of d,l-methionine or the salt thereof
CN106083673B (zh) 一种羧甲司坦的制备工艺
CN103467348B (zh) 大颗粒晶型高堆积密度2-羟基-4-甲硫基丁酸钙的制备方法
JP2011515316A (ja) シアン化水素酸の改善された生産プロセス
JP2012201672A (ja) メチオニンの製造方法
JP2023539760A (ja) グアニジノ酢酸の製造方法
EP1035109A1 (en) Aqueous lysine solution
US3988360A (en) Process for preparing iminodiacetonitrile
US6657082B2 (en) Process for the preparation of thiourea
CN112679994B (zh) 一种调节橡胶用炭黑pH值的方法
CN109879786B (zh) 一种氰醇法连续快速合成蛋氨酸的工艺
EP4208436B1 (en) Method for preparing guanidino acetic acid
CN105315174B (zh) 亚硫酸作为甲醛阻断剂和脱色剂的应用
JP7431581B2 (ja) メチオニンの製造方法
CN105272881A (zh) 亚氨基二乙腈的清洁生产方法
WO2011158758A1 (ja) シアノヒドリンの製造方法
JP7048641B2 (ja) メチオニンの製造方法
WO2023067059A1 (en) Process for producing dl-methionine and dlld-methionylmethionine
CN105315175B (zh) 亚氨基二乙腈的清洁生产方法
US832466A (en) Production of ferrocyanids from gas.
CN105315173B (zh) 亚氨基二乙腈的脱色方法
WO2020254403A1 (en) Process for the preparation of d,l-methionine
JPH02306946A (ja) グリシンの着色防止方法
WO2023242020A1 (en) Process for obtaining mixtures containing methionine and potassium hydrogencarbonate
CN108185151A (zh) 一种饲料级氧化锌及其制备方法