JP2023535673A - 二量体造影剤の製造 - Google Patents

二量体造影剤の製造 Download PDF

Info

Publication number
JP2023535673A
JP2023535673A JP2023500041A JP2023500041A JP2023535673A JP 2023535673 A JP2023535673 A JP 2023535673A JP 2023500041 A JP2023500041 A JP 2023500041A JP 2023500041 A JP2023500041 A JP 2023500041A JP 2023535673 A JP2023535673 A JP 2023535673A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solution
formula
mixture
water
aqueous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023500041A
Other languages
English (en)
Inventor
バラーレ,アンドレア
ボイ,ヴァレリア
フェリガート,アウレリア
ガッツェット,ソニア
ジャルディーナ-パーパ,ダニエラ
モルティラーロ,アルマンド
オーリオ,ラウラ
ヴェラーニ,マッシモ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bracco Imaging SpA
Original Assignee
Bracco Imaging SpA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bracco Imaging SpA filed Critical Bracco Imaging SpA
Publication of JP2023535673A publication Critical patent/JP2023535673A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F5/00Compounds containing elements of Groups 3 or 13 of the Periodic System
    • C07F5/003Compounds containing elements of Groups 3 or 13 of the Periodic System without C-Metal linkages
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D257/00Heterocyclic compounds containing rings having four nitrogen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D257/02Heterocyclic compounds containing rings having four nitrogen atoms as the only ring hetero atoms not condensed with other rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K49/00Preparations for testing in vivo
    • A61K49/06Nuclear magnetic resonance [NMR] contrast preparations; Magnetic resonance imaging [MRI] contrast preparations
    • A61K49/08Nuclear magnetic resonance [NMR] contrast preparations; Magnetic resonance imaging [MRI] contrast preparations characterised by the carrier
    • A61K49/10Organic compounds
    • A61K49/101Organic compounds the carrier being a complex-forming compound able to form MRI-active complexes with paramagnetic metals
    • A61K49/106Organic compounds the carrier being a complex-forming compound able to form MRI-active complexes with paramagnetic metals the complex-forming compound being cyclic, e.g. DOTA
    • A61K49/108Organic compounds the carrier being a complex-forming compound able to form MRI-active complexes with paramagnetic metals the complex-forming compound being cyclic, e.g. DOTA the metal complex being Gd-DOTA

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Abstract

本発明は、得られた中間体を単離することなくワンポットで実施する調製工程を含む、磁気共鳴画像法(MRI)で使用するための二量体造影剤、特に[μ-[1-[ビス[2-(ヒドロキシ-κO)-3-[4,7,10-トリス[(カルボキシ-κO)メチル]-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル-κN1,κN4,κN7,κN10]プロピル]アミノ]-1-デオキシ-D-グルシトレート(6-)]ジガドリニウム錯体、の製造方法に関する。

Description

発明の分野
本発明は、磁気共鳴画像法(MRI)で使用する造影剤の製造に関する。特に本発明は、二量体造影剤、特に[μ-[1-[ビス[2-(ヒドロキシ-κO)-3-[4,7,10-トリス[(カルボキシ-κO)メチル]-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル-κN,κN,κN,κN10]プロピル]アミノ]-1-デオキシ-D-グルシトレート(6-)]ジガドリニウム錯体の新しい製造方法に関する。
技術水準
磁気共鳴画像法(MRI)は、臨床診断においてますます多くの適応症で使用されている画像診断技術として知られている。
医療用MRIの発展は、MRI造影剤と呼ばれる一群の化合物の開発によってもたらされた。造影剤は、それらが分布する組織/臓器/体液中の近傍の水のプロトン緩和率を劇的に変化させることにより作用し、関連する生理学的情報を非造影MRI画像で得られる印象深い解剖学的分解能に付加するものである。
MRI画像化技術において使用される造影剤は、典型的には、環式または非環式キレートリガンド、より典型的にはポリアミノポリカルボン酸キレート剤、と錯体化した常磁性金属イオンを含む。最も重要な部類のMRI造影剤は、現在、臨床試験の約1/3で使用されているGd(III)キレートに代表される。実際、Gd(III)は、7つの不対電子および長い電子緩和時間を有する高い常磁性を有し、それにより緩和剤として優れた候補となっている。
WO2017098044(本願と同一出願人)は、特に磁気共鳴画像法(MRI)において有用な造影剤として、式

で示される二量体常磁性錯体、及びその製造のための合成経路を開示している。
数多くの特定化合物のうち、本願は、式

で示される、1-[ビス[2-ヒドロキシ-3-[4,7,10-トリス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル]プロピル]アミノ]-1-デオキシ-D-グルシトールリガンドのジガドリニウム錯体(以下、「二量体錯体化合物5」または、より簡潔に「化合物5」と称する)を開示する。
この錯体化合物は、特に緩和能と忍容性の点で興味深い特性を示し、市販の造影剤よりも低い常磁性錯体の投与量で実施される生体内画像診断に適している。
上記の国際出願にはさらに、以下の一般スキーム1で示される製造法が開示されている。
開示された合成法の主な工程は、以下の通りである。
a)DO3Aトリ-tert-ブチルエステル(化合物1A)の調製および単離を、実質的にOrg. Synth. 2008, 85, 10に開示されているように行い;
b)D-グルカミンをエピクロロヒドリン(モル比1:4.95)でMeOH中50℃にて26時間アルキル化し、粗反応物を蒸発させ縮合生成物を単離することにより中間体2を調製し;
c)DMSOおよびEtN中、DO3Aトリ-tert-ブチルエステルを中間体2でアルキル化し、粗残留物を蒸発させ、Amberlite XAD(登録商標)1600で精製して、保護されたリガンド3を得;
d)ジクロロメタン中、TFA酸とTIPSでリガンド3を脱保護し、粗反応物を蒸発させ、残留物をAmberlite XE 750で精製し;
e)水中でリガンド4を塩化ガドリニウム六水和物と錯体形成させ、溶液の濾過と蒸発により得られた粗生成物をAmberchrome CG161M樹脂で精製する。
この製造法では、個々の中間体について合成と単離が必要であり、一般に溶媒を蒸発させて残留物とすることで行われる。このような単離工程は、大規模な生産には不向きであることに加えて、製造全体の収率と効率の低下が避けられない。さらに、先行技術の製造法は、TFA、TIPSおよびDCMのような、取り扱いが困難で、すなわち腐食を引き起こし、したがって合成装置を摩耗させる可能性があり、および/または作業者の健康に安全でない可能性がある、刺激の強い物質(harsh materials)を用いるので、例えば工業生産など、より大きな規模で実施するのには特に適していない。
発明の概要
本発明は、一般に、ワンポットで行われる製造工程を含み、得られた中間体を単離することなく、時間短縮と全体の収率と効率の改善の両方を可能にする二量体錯体化合物5の最適化された製造方法に関する。
より詳細には、本発明は、二量体錯体化合物5

の製造方法であって、主な工程として、以下:
1)例えば有機溶媒中の、式1A

で示されるDO3Aトリ-tert-ブチルエステルの溶液を調製すること;
2)例えば有機溶媒中の、式2

で示される中間体の溶液を調製すること;
3)工程1および工程2に従って調製した溶液を混和して、式3

で示される保護されたリガンドの溶液を得ること;
4)工程3の溶液から保護されたリガンドを単離することなく、保護されたリガンドから保護基tert-ブチルを除去して、式4

で示されるフリーのリガンド溶液を得ること;
5)得られた溶液から式4で示されるフリーのリガンドを単離することなく、工程4の溶液にガドリニウム金属イオンを添加して、式5の二量体錯体の溶液を得ること;および
6)二量体錯体を単離すること、
を含んでなる方法に関する。
本発明の好ましい態様において、式3の化合物の調製後のすべての工程における反応溶媒は、水性溶媒または水性溶媒混合物である。水性溶媒または水性溶媒混合物は、有利には、TFA、TIPSおよび/またはDCMのような有害な物質を含まない。
本製法の工程1は、一般に、DO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aの溶液を調製することを含んでなる。一実施形態では、溶液は、有機溶媒中で、例えば、市販のDO3Aトリ-tert-ブチルエステル、または既知の合成手順を使用して調製されたDO3Aトリ-tert-ブチルエステルを溶媒に溶解することによって調製される。
好ましい実施形態において、1Aの溶液は、使用直前に、DO3Aトリ-tert-ブチルエステルの塩、例えば臭化水素塩をそのフリーの塩基1Aに変換することによって調製される。典型的に臭化水素酸塩の中和を含んでなる変換は、有機溶媒中、塩基または塩基性塩(強塩基と弱酸(塩基性溶液を形成することにより加水分解する)との中和生成物である塩)の存在下に行うことが望ましい。次いで、形成した塩の除去および任意選択で濾液を濃縮することにより、エステルの精製または単離を必要とすることなく本製法の後続の工程でそのまま使用するのに適した、DO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aの溶液を有機溶媒中で得ることが可能である。
好適な有機溶媒としては、好ましくは、MeCN、プロピレンカーボネート、エタノール、t-ブタノール、ヘキサンなどが挙げられる。より好ましくは、有機溶媒はMeCNである。
出発物質の臭化水素酸塩の中和のための好適な塩基又は塩基性塩としては、例えば、強塩基、陰イオン交換樹脂、例えば、Diaon PA308、Amberlite IRA 400、KOH、tBuOK、NaCO及びKCO等が挙げられ、NaCO及びKCOが好ましい。より好ましくは、DO3Aトリ-tert-ブチルエステル臭化水素酸塩の中和は、KCOの存在下で行われる。
本製法の工程2は、式2の化合物の調製を含み、これはD-グルカミンをエピクロロヒドリンでアルキル化することによって得ることができる。アルキル化は、有機溶媒、例えば双極性有機溶媒またはその水性混合物中で実施される。例えば好適な有機溶媒としては、DMAC、DMF、MeOHなどのアルコール類、およびそれらの混合物が挙げられる。より好ましくは、有機溶媒はDMACである。混合物から水性溶媒および/または過剰のエピクロロヒドリンを留去することにより、次いで、アルキル化生成物の単離および/またはさらなる精製なしに、本製法の次の工程でそのまま使用するのに適した、有機溶媒中の式2の化合物の溶液が得られる。
本製法の工程3は、本質的に、式2の中間化合物とDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aとの、式3の保護されたリガンドの形成を伴う縮合(またはカップリング、ここでは交換可能に使用する)を含む。縮合反応は、好ましくは、例えば形成したHClのアクセプターとして働く塩基の存在下で実施される。例えば好適な塩基としては、Amberlite GC400、NMM、tBuOK、EtN、およびDIPEAなどの陰イオン交換樹脂が挙げられ、EtNおよびDIPEAが好ましく、DIPEAが特に好ましい。
一実施形態では、縮合反応は、塩基および工程1から直接回収したDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aの有機溶液を、工程2で回収した化合物2の溶液に加えることによって行われ、有機溶媒の混合物中に式3の縮合生成物を含む有機粗製液が得られる。次いで、有機粗製液を精製して水/有機溶媒混合物中で精製物が得られ、さらに任意選択で有機溶媒を最終的に留去することにより、保護されたリガンド自体を単離および/またはさらに精製することなく次の工程でそのまま使用できる、水性溶媒または水性溶媒混合物中の式3の保護されたリガンドが得られる。
本製法の工程4は、実質的に、式3の保護されたリガンドからカルボキシル保護基を除去して、式4で示されるフリーのリガンドの水溶液または水性混合物を得ることを含む。保護基であるtert-ブチルの加水分解による脱保護は、当業者に公知の反応試薬および条件を用いることにより、酸性および塩基性の両方の条件下で実施することが可能である。一実施形態では、脱保護は、本製法の工程3から直接回収された保護リガンドの水溶液または水性混合物を酸性化することによって実施され、式4で示されるフリーのリガンドの酸性溶液が得られる。酸性化は、例えばHCl、HSO、およびHPOから選択される酸の添加によって実施することが好ましい。好ましい実施形態では、脱保護は、HClを用いて行われる。次いで、酸性溶液の中和、その後の精製および得られた混合物の部分濃縮により、単離することなく錯体形成の工程でそのまま使用される、リガンド4の水溶液または水性混合物が得られる。
工程5は、リガンドとガドリニウム金属イオンとの錯体を形成させて、目的の二量体錯体5を得ることを含む。錯体形成反応は、周知の手順に従って、例えば、化学量論量の適当なGd(III)誘導体、具体的には酸化物(Gdなど)またはガドリニウム塩をリガンドの溶液に添加することによって都合よく実施することができる。一実施形態では、錯体形成反応は、本製法の工程4から直接回収されたリガンドの溶液にGdClを添加することによって行われる。得られた混合物をpH約5~約7に調整し、攪拌して、ガドリニウム錯体5の水溶液または水性混合物を得、これを精製および濃縮して、目的の純度を有する目的の二量体錯体5の溶液が得られる。
工程6は、目的のガドリニウム錯体5を最終的に単離することを含む。この工程は、公知の手順に従って便利に実施することができる。一実施形態では、工程5で回収した精製された錯体の溶液を噴霧乾燥して、目的の生成物が、所望の純度を満足する白色固体として得られる。
興味深いことに、上記の製法は、従来技術の製法では必要とされていた、例えば工業生産で大規模で実施する場合に取り扱い困難な、トリフルオロ酢酸(TFA)のような有害な試薬やジクロロメタンのような厄介な溶媒の使用を、回避または大幅に減らすことが可能である。
さらに、本製法は、大規模での実施に適したワンポットで実施される工程を含んでなり、調製した前駆体(1Aなど)または中間体を単離する必要がない。その結果、製造時間が短縮され、上記のように大規模に容易に実施できることに加えて、本製法は、有利には、製法全体の収率を、10%(WO2017098044に開示の製法で得られる)から、少なくとも20%、好ましくは25%、典型的には約28%、有利には30%を超えて、大幅に増加させることが可能である。
発明の詳細な記載
本明細書において、特に規定しない限り、用語「中間体」(例えば、D-グルカミンとエピクロロヒドリンとのアルキル化反応から得られる式2の化合物、または式3の保護されたリガンドに関して使用)は、本製法の化学合成または調製工程の過程で生成する分子であって、それ自体は最終生成物ではなく、本製法の最終生成物、即ち二量体錯体化合物5、を得るためにさらに1つ(または複数)の反応、例えばアルキル化/脱保護/錯体化反応など、を必要とするものを意味する。
他に規定がない限り、用語「前駆体」(例えば、化合物1Aを参照して使用)は、当該前駆体を含むかまたは当該前駆体から誘導される別の分子への変換を促進する化学反応に関わる分子を意味する。
本明細書において、用語「水性溶媒」は、水および塩の水溶液を意味し、場合によっては、水と混和する少量(例えば、水と混和する有機溶媒の体積割合が10%以下、好ましくは8%以下、より好ましくは5%以下)の有機溶媒を含有し得る(例えば本発明の製法は、中間生成物をほぼ単離することなく行われ、それにより本製法の上流および最初の工程を通じて少量の有機溶媒が残り得るため)。好ましくは、水性溶媒は水である。
本明細書で互換的に使用される「水/有機溶媒混合物」またはより簡単に「水性溶媒混合物」という表現は、水性溶媒、例えば水と1つ以上の有機溶媒の混合物がすべて互いに混和して、均質な溶媒混合物を与える2つ以上の溶媒混合物を意味し、1つ以上の有機溶媒の容量割合は10%より高い、15%より高い、より好ましくは20%より高い。好適な例としては、例えば式3の化合物のクロマトグラフィー精製において溶離液として用いられる水とアセトニトリルの混合物(または水/MeCN)、または例えば工程3の縮合反応から生じる粗混合物を水で希釈して得られる水/MeCN/DMACの混合物などが挙げられる。本発明の好ましい態様によれば、水性溶媒混合物内の1つ以上の有機溶媒は(存在する場合、水性溶媒内も同様に)、刺激の強い(harsh)溶媒または材料ではない;実際には、水性溶媒混合物は、好ましくはTFA、TIPSおよび/またはDCMなどの過酷な溶媒または材料から構成されない。
同様に、「水溶液」および「水性混合物」という表現は、それぞれ、水を含む溶液または混合物を意味する。好適な例としては、それぞれ、水(より一般的には水性混合物)中または水性溶媒混合物中の、1つ以上の化合物(試薬、酸、溶液、塩基または反応生成物など)の溶液、および、水または水溶液を有機溶媒中の反応混合物に添加した結果得られる水/有機混合物などの混合物が挙げられる。
本明細書において、用語「保護基」(例えば、式3の化合物を参照して使用)は、それが結合している基の機能を保存するのに適した保護基を意味する。具体的には、保護基は、カルボキシル機能を保持するために使用される。より具体的には、この用語は、tert-ブチルエステルの形成によってリガンドのカルボキシル基のキレート機能を保存するtert-ブチル基を指す[保護基および脱保護条件に関する一般的な文献として、T. W. Green and P. G. M. Wuts; Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, N.Y. 1999, third editionを参照]。
本発明の実施形態は、本質的な以下の一般的合成スキーム2

で示される、二量体化合物5の製造方法であって、主な工程として以下を含む:
1)有機溶媒中でDO3Aトリ-tert-ブチルエステルの臭化水素酸塩を中和し、有機溶媒中のDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aの溶液を得ること;
2)D-グルカミンとエピクロロヒドリンとを反応させて、DMACなどの有機溶媒中の式2の化合物の溶液を得ること;そして、生成物を単離することなく、
3)工程2で得た式2の化合物を、塩基の存在下、工程1で得たDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aと反応させ、任意選択で溶液を濃縮して、有機粗製液を得、この有機粗製液を水、水/有機溶媒混合物および/または任意選択で水溶液で希釈して、水/有機粗製液を得、水/有機粗製液を精製し、任意選択で有機溶媒を除去し、式3の保護リガンドの水溶液または水性混合物を得ること;そして、生成物を単離することなく、
4)工程3で得た式3の保護されたリガンドの溶液を酸性化して、脱保護されたリガンド4の酸性水溶液または水性混合物を得、この酸性溶液を中和し、得られた中性溶液を精製して脱保護されたリガンド4の水溶液または水性混合物を得ること;そして、単離することなく、
5)リガンド4の溶液にガドリニウム金属イオンを加え、対応する錯体化合物5の溶液を得ること;そして
6)この錯体を単離すること。
工程1
本製法の最初の工程は、塩基または塩基性塩の存在下、MeCNなどの有機溶媒中でDO3Aトリ-tert-ブチルエステルの臭化水素酸塩をそのフリーの塩基に直接変換することによって、有機溶媒中のDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aの溶液を調製することを含む。
好ましい実施形態では、本製法の工程1は、以下を含む:
i)DO3Aトリ-tert-ブチルエステルの臭化水素塩を塩基またはKCOなどの塩基性塩と共にMeCNなどの有機溶媒中に懸濁し、形成した塩を含む懸濁液を得ること;
ii)懸濁液を濾過すること;および
iii)濾過した懸濁液を回収し、任意選択で濃縮して、エステルの精製や単離を必要とすることなくその後の縮合反応にそのまま使用するのに適した、有機溶媒中のDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aの溶液を得ること。
エステルの臭化水素酸塩とKCOは、好ましくは室温で有機溶媒に懸濁して混合物を得、この混合物を、20~30℃、好ましくは約25℃の温度で16~30時間、好ましくは18~20時間の時間、撹拌下に維持する。次いで、混合物を処理し、好ましくは濾過により、生成した塩を除去する。
好ましい実施形態では、濾過によって得られた溶液を加熱して濃縮(例えば溶媒の部分蒸留によって)し、本製法の後続の縮合工程でそのまま使用するのに適した、MeCN中、最終濃度が55~65%、好ましくは約60%(w/w)のトリtert-ブチルエステル1Aの溶液を得る。
工程2
この工程は、D-グルカミンとエピクロロヒドリンとを反応させることにより、式2の中間化合物の溶液を調製することを含む。一実施形態では、この反応は、溶媒の混合物中、好ましくは水/DMAC中で、化学量論量より若干過剰のエピクロロヒドリン、例えばD-グルカミン1モル当たり2~3モル、より好ましくは約2.2モルのエピクロロヒドリンを用いることにより実施される。好ましくは、工程2のこのような反応は、化学量論的量よりも若干過剰なエピクロロヒドリン、例えばD-グルカミン1モル当たり2~3モル、より好ましくは2.05~2.5モル、さらに好ましくは約2.2モルのエピクロロヒドリンを用いることによって行われる。
好ましい実施形態では、本製法の工程2は、以下を含む:
i)D-グルカミンの水溶液をDMAC中のエピクロロヒドリンの溶液に加え、水/DMAC溶媒混合物中の式2の中間化合物を得ること;および
ii)溶媒混合物から水を除去し、有機溶媒中の式2の化合物の溶液を得ること。
D-グルカミンを、好ましくは室温にて約2時間かけてエピクロロヒドリンの溶液に添加して混合物を得、15~30℃、好ましくは15~25℃、より好ましくは20~25℃の温度で、16~24時間、好ましくは16~20時間、より好ましくは約17時間攪拌する。
次いで、混合物を蒸留して、水および残留したエピクロロヒドリンを除去する。蒸留は、好ましくは減圧で、好ましくは40~65℃の温度で行い、残留水分が好ましくは<2%w/wであるDMAC中の式2の目的の中間化合物の溶液を得る。得られた溶液は、その後、生成物の単離または精製を必要とすることなく、後続の縮合反応にそのまま使用される。
工程3
この工程は、本質的に、EtNまたはより好ましくはDIPEAのような塩基の存在下、DO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aと中間体2との縮合を含む。縮合は、好ましくは、塩基および工程1で得たMeCN中のエステル1Aの溶液と、工程2から直接回収したDMAC中の中間体2の溶液とを混和することによって行い、MeCN/DMAC有機溶媒の混合物中に式3の保護されたリガンドを含む粗製の溶液を得た後、これを精製する。
一実施形態では、縮合反応から得られる有機粗製液を水で希釈するか、または部分的に濃縮し、次いで水または水性溶媒混合物、好ましくは水/MeCNで希釈して、水/有機粗製液または水性粗製液(本明細書で互換的に使用する)が得られる。
好ましい実施形態では、このようにして得られた水/有機粗製液、または好ましくは縮合反応により得られた有機粗製液に、DO3Aトリ-tert-ブチルエステル塩酸塩を含む、反応塩の沈殿を促進する水溶液を加え、この沈殿を濾過により除去し、水/有機濾過液が得られる。その後、水/有機粗製液または水/有機濾過液を、好ましくはクロマトグラフィーによって精製する。
一実施形態において、塩酸塩の沈殿を促進するために使用される水溶液は、アンモニア水である。
より具体的には、本製法の工程3は、好ましくは以下を含む:
i)工程2で得た式2の中間体化合物を、塩基、好ましくはDIPEAの存在下、工程1で得たDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aと縮合し、有機溶媒混合物中の式3の縮合生成物と反応塩からなる有機粗製液を得、任意選択で有機粗製液を濃縮すること;
ii)工程iの有機粗製液を水または水/有機溶媒混合物、好ましくは水/MeCNで希釈し、水/有機粗製液を得ること;
iii)任意選択で、反応塩の沈殿を促進する水溶液を水/有機粗製液に添加し、濾過により除去して水/有機濾過液を得ること;または
iv)工程iの有機粗製液を、濾過により除去される反応塩の沈殿を促進する水溶液で希釈し、水/有機濾過液を得ること;
v)工程iiの水/有機粗製液、または工程iiiもしくは工程ivの水/有機濾過液を精製して、保護された生成物の単離またはさらなる精製を必要とすることなく本製法の次の脱保護工程で使用できる、水/有機溶媒混合物中の式3の保護されたリガンドの溶液を得ること;および
vi)任意選択で、混合物から有機溶媒を除去して、保護された生成物の単離またはさらなる精製を必要とすることなく、本製法の次の脱保護工程で使用される、水中の式3の保護されたリガンドの溶液を得ること。
縮合反応は、好ましくは、塩基および本製法の工程1で回収したMeCN中のエステル1Aの溶液を、工程2で回収したDMAC中の式2の中間化合物の溶液に加えることにより行われる。
塩基およびエステル1Aの好適な量は、反応に供されるD-グルカミンの量に対して都合よく決定される。一実施形態では、縮合反応は、反応に供される出発D-グルカミン1モル当たり1.6~2.4モル、好ましくは約1.8モルのエステル1A、および2~4モル、好ましくは約2.3モルのDIPEAを用いて実施される。
この添加は、好ましくは40~50℃の温度で行う。次いで、縮合反応を50~80℃、好ましくは65~75℃の温度で、例えば60~80時間、好ましくは70~75時間行い、MeCN/DMAC溶媒混合物中に目的の式3の縮合生成物と塩酸塩を含む粗製液を得る。
一実施形態では、次いで、この粗製液を水で希釈し、好ましくは約25~30%、より好ましくは約25%(w/w)の濃度を有する水/有機粗製液を得る。1つの好ましい実施形態において、水性粗製液は、有機溶媒(具体的には混合物中のMeCN)の量に対し重量で少なくとも等しい量の水を含み;より好ましくは、粗製液は約60:40の水:MeCN比を有する。
次いで、水性/有機粗製液は、好ましくはクロマトグラフィーによって、より好ましくは樹脂上で、さらにより好ましくはAmberlite XAD(登録商標)1600のような吸着性樹脂上で精製される。好ましい実施形態では、水性粗製液を、水/MeCN混合物を溶離液として用いてAmberlite XAD(登録商標)1600などの吸着性樹脂上で精製し、未反応のDO3Aトリtert-ブチルエステル1Aと純粋な縮合生成物とが、水/MeCN溶媒混合物中の分離されたフラクションとして得られる。
別の実施形態では、縮合反応から得られる粗製液は、まず、MeCNの少なくとも一部を除去することによって(例えば、蒸留によって)濃縮される。濃縮された溶液は、次いで、水または水:MeCNの混合物で希釈して、上記水:MeCN比を有する水/有機粗製液が得られ、次いで、上記のようにクロマトグラフィーによって精製される。
任意選択で、上記のとおりに得られた水/有機粗製液に、混合物の冷却により未反応のDO3Aトリ-tert-ブチルエステルを塩酸塩として沈殿させる水溶液(アンモニア水など)を加え、これを濾過により除去し、任意選択で再利用する。次いで、塩化物塩をほとんど含まない濾過液を、上記のようにAmberlite XAD(登録商標)1600樹脂などの吸着樹脂上を用いるクロマトグラフィーによって精製し、残留したDO3Aトリtert-ブチルエステル1Aと純粋な縮合生成物が、水/有機(例えば水/MeCN)溶媒混合物中の分離されたフラクションとして得られる。
好ましい実施形態において、混合物の冷却によって未反応のDO3Aトリ-tert-ブチルエステルを塩酸塩として沈殿させる水溶液(例えばアンモニア水)を、縮合反応で得た有機粗製液に直接加え、次いで濾過によって沈殿を除去し、任意選択でこれを再利用する。塩化物塩をほとんど含まない濾過液を、上記のようにAmberlite XAD(登録商標)1600樹脂などの吸着樹脂上を用いるクロマトグラフィーによって精製し、残留したDO3Aトリtert-ブチルエステル1Aと純粋な縮合生成物が、水/有機(例えば水/MeCN)溶媒混合物中の分離されたフラクションとして得られる。
任意選択で、純粋なフラクションから、有機溶媒を最終的に蒸留する(例えば減圧下で)ことにより、式3の縮合物を、中間体の単離またはさらなる精製を必要とすることなくそのまま後続の脱保護工程での使用に適した、最終濃度5~15%(w/w)、好ましくは約10%(w/w)の水溶液として得られる。
興味深いことに、上記の工程により、保護された縮合生成物3が水性溶媒または水性溶媒混合物中で得られ、主要な反応溶媒の唯一または1つとして、水、より一般的には水性溶媒または水性溶媒混合物を使用することで、その脱保護と最終の錯体5への錯体形成を行うことが可能になる。水性溶媒中の保護された縮合生成物3は、当業者に公知の種々の方法に従って得ることができる。例えば、上記のように、工程2で得た式2の化合物を工程1で得たDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aと反応させることによって得られる式3の化合物の有機粗製液は、水、水/有機溶媒混合物または水溶液で希釈し、水/有機粗製液を得ることができる。有機溶媒を除去する前に、水/有機粗製液をクロマトグラフィー、好ましくは樹脂、より好ましくは吸着性樹脂、例えばAmberlite XAD(登録商標)1600をにより精製することができる。次いで、有機溶媒を除去して、例えば、減圧下で蒸留することにより、式3の化合物の水溶液を得ることができる。また、水性溶媒混合物中の保護された縮合生成物3は、当業者に公知の種々の方法に従って得ることができる。例えば、工程2で得た式2の化合物を工程1で得たDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aと反応させることによって得られる式3の化合物の有機粗製液は、水、水/有機溶媒混合物または水溶液で希釈することができ、生成物3を単離することなく後続の工程で使用する水/有機溶液を得ることができる。
したがって、本発明の好ましい態様によれば、本発明は、式3の化合物の溶液を、式3の化合物の水溶液に、または式3の化合物の水性混合物に変換するさらなる工程を含む。好ましくは、このさらなる工程は、
(i)式3の化合物の溶液を水、水/有機溶媒混合物、または水溶液で希釈して、水性混合物(または水/有機溶液)を得ること、および
(ii)任意選択で、有機溶媒を除去(例えば蒸留によって)して、水溶液を得ること
によって行う。
工程4
この工程は、カルボキシル保護基を除去することにより式3の保護されたリガンドを脱保護して、フリーのリガンド4の水溶液または水性混合物を得ることを含む。この反応は、好ましくは、本製法の工程3から直接回収した式3の保護されたリガンドの水溶液または混合物を酸性化することにより行われる。
一実施形態では、本製法の工程4は、以下を含む:
i)工程3で回収した式3の化合物の水溶液または水性混合物に酸を添加し、フリーのリガンド4の酸性溶液を得ること;
ii)酸性溶液に塩基を加え、実質的に中和されたリガンド4の溶液を得ること;
iii)中和された溶液を精製し、任意選択で濃縮し、リガンドの単離を必要とすることなく、次の錯体形成反応にそのまま使用するのに適した、フリーのリガンド4の水溶液または水性混合物を得ること。
一実施形態では、式3の保護された化合物の溶液は、酸、例えば34%水性HClの添加により酸性化される。酸性化は、保護された化合物3のモル量の、例えば30~100倍、好ましくは30~80倍、より好ましくは40~50倍の大過剰のHClを使用することによって実施される。
酸の添加は、20~35℃、好ましくは30~35℃の温度で実施される。次いで、得られた溶液を30~40℃にて、例えばクロマトグラフィーでリガンドの脱保護を追跡することによって、10~36時間、好ましくは25~30時間、攪拌する。
次いで、酸性溶液を、例えば25℃で冷却した後、塩基、好ましくはNaOHの添加により中和して、最終pHが6.5~7.5の粗製液を得た後、これを精製する。
精製工程は、好ましくは、
i)中和された溶液を蒸留し、生じたt-ブタノールを除去すること、
ii)蒸留残留物の脱塩、及び
iii)脱塩した溶液のクロマトグラフィー精製
を含む。
特に、一実施形態では、塩基を添加して得られた溶液を、好ましくは40~60℃の温度で蒸留し、生じたt-ブタノールを除去する。次いで、蒸留残留物を、好ましくはナノ濾過により、脱塩し、回収した溶液を精製する。
一実施形態では、ナノ濾過によって得られた溶液を、まず、例えば減圧下、40~60℃、好ましくは約50℃にて、好ましくは23~27%(w/w)の濃度まで濃縮し、次いで樹脂、より好ましくはAmberlite XAD(登録商標)1600上で溶出することにより精製される。溶出液は、任意選択でCarbonpuron(登録商標)で処理し、減圧下約50℃にて濃縮し、リガンドを分離することなくそのまま次の錯体形成反応に使用される最終濃度が好ましくは8~25%の式4のリガンドの水溶液または水性混合物が得られる。
有利には、上記手順は、水を単独のまたは主要な反応溶媒の1つとして使用するため、上記従来技術の製法が必要とする有機溶媒、特にDCMなどの刺激の強い(harsh)溶媒や、TFAおよびTIPSなどの刺激の強い反応成分の使用が回避または低減される。これらの刺激の強い物質は取り扱いが困難であり、したがって大量生産での使用には適さない。さらに、この工程では、単離することなく、目的のリガンドを、錯体形成反応に使用できる水溶液または水性混合物中で得ることができる。
工程5
この工程は、式4の二量体リガンドをガドリニウムイオンと錯体形成させて、目的のキレート化錯体5の水溶液または水性混合物を得ることを含む。
より具体的には、本工程は、好ましくは、以下を含む:
i)工程4で回収したリガンドの溶液に、GdClなどのガドリニウム塩を添加して、二量体キレート錯体5を含む混合物を得ること;
ii)塩基を加えて、pHが約5~約7の混合物を得ること;
iii)混合物を精製して、式5の二量体錯体の溶液を得ること;および
iv)回収した溶液を濃縮すること。
この反応は、好ましくは、前の工程で回収したリガンドの溶液に直接GdClを添加することにより行われる。添加は、好ましくは、25~45℃の温度で行われる。リガンドを完全に錯体化するために必要なGdClの量は、周知の手順に従い、例えば硫酸銅を滴定剤として用いるリガンド溶液の滴定により決定される。
一実施形態では、式4のリガンドと添加するGdClとの比率は、1:1.98~1:2.02(mol/mol)であり、より好ましくは、添加したランタニドイオンの消費を確実にするために1:2.00の比率である。
添加後、得られた混合物のpHを、塩基、好ましくはNaOHの添加によって約5~約7.5の範囲に調整する。
一つの代替的な実施形態では、GdClおよびpHを目的の中性の値に維持するために必要な量のNaOHを同時に添加することができ、得られた混合物は、次いで、上記のとおり約25時間攪拌する。
好ましい実施形態では、GdClを添加して得られる混合物のpHを、約5~約6、好ましくは5~5.6、より好ましくは約5.3に調整した後、約40℃にて1~4時間、例えば約2時間、攪拌する。次いで、フリーのGd3+、リガンドまたは部分的に錯体化したリガンドなどの残留したフリーの化学種の存在を、例えば滴定および/またはHPLC法により評価し、計算した量のリガンドまたはGdClの添加により相殺し、式5の二量体錯体の水溶液または水性混合物を得た後、精製する。
精製は、クロマトグラフィー、好ましくは樹脂上のクロマトグラフィーにより行う。
一実施形態では、精製は、錯体形成反応で得られた混合物を高分子樹脂、好ましくはAmberlite XAD(登録商標)1600樹脂上で溶出することを含む。
別の実施形態では、精製は、最初に錯体形成反応で得られた混合物を、例えば、Hi Trap IMAC FF、Lewatit MonoPlus TP 260、Lewatit TP 208、IRC748I、DIAION CR11、SiliaMets AMPAおよびSiliaMets DOTA、好ましくはDiaion CR11およびAmberlite IRC748から選択されるキレート樹脂上で溶出して遊離ガドリニウム含量を最小限にし、回収した溶出液を、Amberlite XAD(登録商標)1600樹脂などのポリマー樹脂上でさらに精製することを含む。
実際の実施では、ほぼ中性のpH値に調整した混合物を、Amberlite XAD(登録商標)1600樹脂上で溶出することにより適切に精製する。
あるいは、溶液を低いpH値(例えば5~5.6)に調整して得られた混合物を、まずAmberlite IRC748やDiaion CR11樹脂などのキレート樹脂で溶出させることが好ましい。次いで、回収した溶出液を、好ましくは約5.5~6のpH値に再調整し、好ましくは減圧下50℃にて濃縮し、好ましくは約25%(w/w)の濃度の二量体錯体の水溶液または水性混合物を得、これをAmberlite XAD(登録商標)1600樹脂上で精製する。
次いで、回収したフラクションを、任意選択でチャコールで処理し、濾過する。次いで、得られた濾液を、好ましくは、例えば減圧下45~55℃にて蒸留することにより濃縮し、最終濃度が約25%(w/w)の二量体錯体5の溶液を得る。
工程6
次いで、式5の二量体錯体を単離する。錯体は、工程5で得た水溶液または水性混合物から、例えば凍結乾燥または噴霧乾燥によって、単離することができる。一つの好ましい実施形態では、目的の二量体錯体は、本製法の工程5から直接回収した溶液を噴霧乾燥することにより、白色固体として得られる。
フリーの塩基DO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aとして限定した反応物から求められる本製法の全体収率は、少なくとも20%、好ましくは25%、より好ましくは約28~30%、または>30%である。
興味深いことに、上記の製法は、大規模な実施に適したワンポットで実施される工程を含んでなり、調製された前駆体(式1Aの化合物など)または反応中間体のいずれも単離する必要がない。その結果、本発明が目的とする合成アプローチは、WO2017098044に開示された製法よりも少なくとも約18%増加した全体収率で最終生成物を得ることが可能である。
しかも、中間体の単離がないため、プロセス全体の時間短縮が可能である。
さらに、本製法は、カップリング生成物3の調製後のすべての工程において、反応溶媒として水、より一般的には水性溶媒または水性溶媒混合物を使用するものである。特に、工程3において式3の化合物を有機溶媒中で調製する場合、例えば、工程2で得た式2の化合物を工程1で得たDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aと反応させることにより調製する場合、当業者に知られている方法によって、有機溶媒を水性溶媒または水性溶媒混合物に置換する(例えば、式3の化合物の有機溶液をまず水、水/有機溶媒混合物、または水溶液で希釈した後、任意選択で有機溶媒を除去して、式3の化合物の水溶液を得る)ことができる。カップリング後の全ての工程において反応溶媒として水性溶媒または水性溶媒混合物を使用することは、特にコスト、環境への影響、および工業規模での実施の容易さの観点から非常に有利である。実際、WO2017098044に開示された製法では、DCMなどの溶媒やTFAやTIPSなどの物質が使用されており、これらは高価であることに加え、特にプロセスを工業規模にスケールアップする場合に取り扱いが難しく、また同様に労働者の健康の観点からも安全でない可能性がある。本発明の製法は、式3の化合物の調製後の全ての工程で水性溶媒または水性溶媒混合物を使用することで、有機溶媒の使用が回避されるまたは大幅に減少するため、より大きい規模での実施、例えば工業的プロセスでの実施に適しており容易に実施することができるので、本発明によって従来技術の製法の問題が解決される。さらに、本発明の製法は、驚くべきことに、式3の化合物の調製後に水性溶媒または水性溶媒混合物を使用するだけで、単離された二量体錯体の非常に高い収率(特に従来技術の製法よりも高い収率)をもたらす。
すべての溶媒および出発物質は、エピクロロヒドリン、D-グルカミンおよびDO3Aトリ-tert-ブチルエステルの臭化水素酸塩などの反応試薬を含め、市販されているか、または公知の手順に従って得ることができる。
好ましい実施形態では、エステル1Aの溶液の調製のための出発物質として使用されるDO3Aトリ-tert-ブチルエステルの臭化水素酸塩は、同時係属中のEP19215900.2特許出願(本願と同一出願人)に記載されている製造法(以下の実験セクションに例示する)を用いて調製し、使用するまで保存する。
本発明の本製法の好ましい実施形態の非限定的な例を、その範囲を限定することなく、本発明をより詳細に説明することを目的として、以下のセクションに記載する。
実験パート
略語と用語の定義
DO3Aトリ-tert-ブチルエステル:トリ-tert-ブチル 1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリアセテート
DO3Aトリ-tert-ブチルエステル-HBr:トリ-tert-ブチル 1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリアセテート臭化水素酸塩
TAZA:1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン
tBuOK:カリウム tert-ブトキシド
DMAC:N,N-ジメチルアセトアミド
DMC:ジクロロメタン
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
HCl:塩酸
MeCN:アセトニトリル
NaOH:水酸化ナトリウム
NH:アンモニア
MRI:磁気共鳴画像法
MeCN:アセトニトリル
NMM:N-メチルモルホリン
CO:炭酸カリウム
TFA:トリフルオロ酢酸
TIPS:トリイソプロピルシラン
FLD:蛍光検出器
UV/Vis:紫外線/可視光線
得られた化合物のHPLCキャラクタリゼーション
一般的手順
手順1:DO3A-トリ-tert-ブチルエステルのHPLCキャラクタリゼーションとアッセイの測定
Figure 2023535673000010
手順2:中間体2の形成のモニタリングのためのHPLC法
本法はD-グルカミンのアルキル化終了時と水の蒸留後に混合物をモニターするために用いる。
Figure 2023535673000011
手順3:中間体3の生成および精製をモニターするためのHPLC法
一般的手順
本方法は中間体3の生成および精製工程のモニタリングに使用する。
Figure 2023535673000012

移動相A
溶液の調製
1000mL容のメスフラスコに酢酸アンモニウム2.0gを正確に量り水で希釈する。酢酸アンモニウム溶液600mLとメタノール300mLを1000mL容のメスフラスコに入れる。30分間超音波処理する。
手順4:キレートリガンド4の生成および精製をモニターするためのHPLC方法。
一般的手順
二量体リガンド4の形成および精製のモニタリングは、210nmでUV検出する逆相HPLCにより行った。
Figure 2023535673000013
実施例1:DO3A-トリ-tert-ブチルエステル臭化水素酸塩の合成
出発物質のDO3Aトリ-tert-ブチルエステル臭化水素酸塩の合成は、同時係属中の特許出願EP19215900.2(本願と同一出願人)に記載の手順を用いて実施した。具体的には、以下の通りである。
DMAC(98.07kg;104.33L)中の市販のTAZA(14.39kg;83.53mol)および酢酸ナトリウム(21.58kg;263.12mol)の懸濁液に、DMAC(50.72kg;53.96L)中のブロモ酢酸 tert-ブチル(51.32kg;263.12mol)の溶液を10℃にて2.5時間かけて加えた。次いで、温度を25℃まで上げ、この温度で24時間攪拌した。水(57.56kg)を0.5時間で加え、2時間後、混合物を遠心分離し、水(2×57kg)で洗浄した。湿った固体を減圧下で乾燥させ、36,62kg;61.48molのDO3Aトリ-tert-ブチルエステル臭化水素酸塩(収率73.6%)を得た。HPLCによる生成物のアッセイ(標準に対して)は100%w/wであり、NMRによるアッセイ(標準に対して)は99.86%w/wである。
実施例2:二量体化合物5の調製
二量体錯体化合物5は、以下に示す合成手順:
を用いることにより得られ、以下を含む:
a)臭化水素酸塩を中和しDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aを得る
実施例1の記載に従って得られたDO3Aトリ-tert-ブチルエステル-HBr(36.62kg;61.5mol)および炭酸カリウム(16.99kg;122.9mol)を、室温でMeCN(72.29kg;91.50L)に懸濁し、混合物を24℃で20時間撹拌した。次いで、得られた塩を濾過し、濾液を減圧下50℃で部分蒸留して、MeCN中最終濃度約62%w/wのDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1A(30.68kg;59.6mol)の溶液を得、これをさらに単離することなく次の工程に使用した。HPLC-UV法により溶液中の1Aアッセイを実施した。
b)中間体2の合成
水(15kg)中のD-グルカミン(6kg;33.1mol)を、DMAC(6kg;6.38L)中のエピクロロヒドリン(6.74kg;72.8mol)の溶液に室温にて2時間かけて滴下した。混合物を17時間撹拌した。次いで、混合物をDMAC(12kg;12.77L)で希釈し、減圧下45~50℃にて水を蒸留し、DMAC中、残留する水の量が<2.0%の中間体2の溶液を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
c)中間体2をDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aでアルキル化し、保護されたリガンド3を得る
DIPEA(9.79kg;75.8mol)および工程aで回収した1Aの溶液を、50℃に加熱した中間体2の溶液に加えた後、得られた混合物をHPLC-UV法で変換をモニターしながら70℃で72時間攪拌した。次いで、この混合物を20~25℃に冷却し、16%w/wアンモニア水溶液(36L)で希釈した。得られた混合物を25℃で15時間攪拌して塩を沈殿させ、これを濾過により除去した。濾液をAmberlite XAD(登録商標)1600(450L:溶離液:水/MeCNのグラジエント)を用いるクロマトグラフィーにより精製した。次いで、純粋なフラクション(HPLC Area %≧90)を集め、有機溶媒を留去し、水性残留物を減圧下約50℃で濃縮して、さらに分離することなく次の工程でそのまま使用するのに適した保護されたリガンド3の水溶液(濃度:約10%w/w)を得た。
d)脱保護
34%塩酸水溶液(64.72kg;603.5mol)を、温度を約30℃に維持しながら、工程cで得た保護されたリガンド3の溶液に添加した。添加終了後、混合物を35~40℃に加熱し、30時間撹拌した。溶液を20~25℃に冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液を添加して中和し(最終pH約7)、反応副生成物として生じたt-ブタノールを留去し、混合物をナノ濾過により脱塩処理した。脱塩した混合物を50℃にて減圧下で部分濃縮し、最終濃度25%(w/w)とした後,Amberlite XAD(登録商標)1600(150L:溶離液は水)を用いるクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクション(HPLC Area %≧90)をチャコールで処理し、減圧下45~55℃で濃縮して目的のリガンド4(11.4mol)の10%(w/w)水溶液を得、硫酸銅溶液を滴定剤として用いる電位差滴定により定量した。
e)錯体形成
リガンド4の溶液を40℃に加熱し、温度を40℃付近に維持しながら塩化ガドリニウムの水溶液(21.35kgの溶液;塩化ガドリニウム6.01kg;22.8mol)を添加した。添加後、10%水酸化ナトリウム水溶液を添加して溶液のpHを5.3に調整し、混合物を40℃に2時間維持し、常磁性錯体5を形成させた。フリーの化学種の存在を例えば滴定により評価した。Diaion CR11(6L)で精製して遊離ガドリニウム含量を減少させ、二量体錯体の最終溶液を得る。ロードした後、樹脂を水で洗浄し;回収した溶液をpH5.5に調整し、50℃にて減圧下で濃縮して25%w/wの水溶液を得、これをpH6.2でAmberlite XAD(登録商標)1600(500L:溶離液:水/MeCNのグラジエント)にロードした。選択したフラクションをチャコールで処理し、減圧下50℃で蒸留して最終濃度約25%(w/w)の混合物を得、そこからガドリニウム錯体を噴霧乾燥により白色粉末として単離した(11.74kg;無水ベースで10.80kg;8.3mol)。最終の滴定による分析値99%(w/w%;無水ベース)。
DO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aからの全体の収率:28%
実施例3:化合物5の製造
a)DO3A 3tBu-HBrの中和
DO3A トリ-tert-ブチルエステル-HBr(241.6g;0.406mol)および炭酸カリウム(112.1g;0.811mol)をMeCN(477.2g;0.604L)に懸濁し、混合物を25℃で20時間攪拌した。次いで、形成した塩を濾過により除去し、濾液を減圧下50℃で部分蒸留し、MeCN中最終濃度61%w/wのDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1A(204.5g;0.397mol)の溶液を得、さらに単離することなく次の工程で使用した。溶液中の1Aを、HPLC-UV法によりアッセイした。
b)中間体2の合成
水(99.3g)中のD-グルカミン(40.0g;0.221mol)を、DMAC(40.0g;0.043L)中のエピクロロヒドリン(44.9g;0.486mol)の溶液に24℃で2時間かけて滴下した。混合物を17時間撹拌した後、DMAC(80.0g;0.085L)を加え、水を減圧下50℃で留去し、DMAC中、残留する水の量が<2.0%w/wの中間体2の溶液を得た。
c)中間体2による化合物1Aのアルキル化
DIPEA(65.3g;0.505mol)と1Aの溶液を、50℃で、工程bで得た中間体2の溶液に加えた。HPLC-UV法により転化率をモニターしながら、混合物をさらに70℃で72時間撹拌した後、25℃に冷却し、16%w/wアンモニア水溶液(0.240L)で希釈した。得られた混合物を20℃で15時間撹拌し、塩を沈殿させ、これを濾過により除去した。次いで、濾液を、Amberlite XAD(登録商標)1600(3L:溶離液:水/MeCNのグラジエント)を用いるクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクション(HPLC Area %≧90)を集め、有機溶媒を留去した。次いで、得られた残留物を減圧下50℃で濃縮し、最終濃度約10%w/wの保護されたリガンド3の水溶液を得、次の工程でそのまま使用した。
d)中間体3の脱保護
34%塩酸水溶液(431.5g;4.023mol)を、温度を30~35℃に維持しながら工程cで得た中間体3の溶液に添加した。添加終了後、混合物を37℃に加熱し、36時間攪拌した。溶液を25℃に冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、副生成物として生じたt-ブタノールを留去し、混合物をナノ濾過により脱塩した。次いで,混合物を減圧下50℃で24%w/wの濃度まで部分濃縮し、Amberlite XAD(登録商標)1600(1L;溶離液は水)を用いるクロマトグラフィーにより精製した。HPLC-UVによる評価で選択したフラクションをチャコールで処理し、減圧下50℃で濃縮して、目的のリガンド4(0.075mol)の10%w/w水溶液を得、硫酸銅溶液を滴定剤とする電位差滴定により定量を行った。。
e)錯体形成
脱保護されたリガンド4の溶液を37℃に加熱した後、塩化ガドリニウム水溶液(140.5gの溶液;塩化ガドリニウム39.5g;0.150mol)を、温度を37~43℃の範囲に維持しながら添加した。添加終了後、10%水酸化ナトリウム水溶液の添加によりpHを5.3に調整した。この混合物を40℃で2時間維持し、常磁性錯体5を形成させた。フリーの化学種の存在を例えば滴定により評価した。ついで、この溶液をDiaion CR11キレート樹脂(0.16L)で精製し、遊離ガドリニウムの含量を減少させた。ロードした後、樹脂を水で洗浄し、pHを5.5に調整し、溶液を50℃にて減圧下で濃縮して25%w/wの水溶液を得た。この溶液をpH6でAmberlite XAD(登録商標)1600(3.3L:溶離液:水/MeCNのグラジエント)にロードした。HPLC-FLDおよびUVによる評価で選択したフラクションをチャコールで処理し、得られた溶液を減圧下50℃で蒸留した。最終の溶液(25%w/w)を噴霧乾燥し、ガドリニウム錯体を白色粉末として単離した(82.0g、無水生成物74.6gに相当;滴定アッセイ:99%w/w%、無水ベース)。
DO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aからの全体の収率:29%
実施例4:化合物5の製造
a)DO3A 3tBu-HBrの中和
DO3A 3tBu-HBr(241.6g;0.406mol)および炭酸カリウム(112.1g;0.811mol)をMeCN(480.0g;0.608L)に懸濁し、混合物を27℃で18時間攪拌した。次いで、形成した塩を濾過により除去し、濾液を減圧下50℃で部分蒸留し、MeCN中最終濃度58%w/wのDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1A(205.0g;0.398mol)の溶液を得、さらに単離することなく次の工程で使用した。溶液中の1Aを、HPLC-UV法によりアッセイした。
b)中間体2の合成
水(100.0g)中のD-グルカミン(40.0g;0.221mol)を、DMAC(40.0g;0.043L)中のエピクロロヒドリン(44.9g;0.486mol)の溶液に25℃で2時間かけて滴下した。混合物を16時間攪拌した後、DMAC(80.0g;0.085L)を加え、水を減圧下50℃で留去し、DMAC中、残留する水の量が<2.0%w/wの中間体2の溶液を得た。
c)中間体2による化合物1Aのアルキル化
DIPEA(65.3g;0.505mol)と1Aの溶液を、50℃で、工程bで得た中間体2の溶液に加えた。HPLC-UV法により転化率をモニターしながら、混合物をさらに75℃で70時間撹拌した後、減圧下60℃で部分濃縮した。23℃まで冷却した後、あらかじめ調製した水(80.0g)とMeCN(126.4g;0.160L)の混合物、次いで25%w/wアンモニア水溶液(144.5g;0.160L)を添加した。得られた混合物を22℃で14時間撹拌した。混合物を濾過し、Amberlite XAD(登録商標)1600(3L:溶離液:水/MeCNのグラジエント)を用いるクロマトグラフィーにより精製した。溶出後、十分な純度(HPLC Area %≧90)のフラクションを集め、有機溶媒を留去し、得られた溶液を減圧下50℃で濃縮して、保護されたリガンド3の水溶液(濃度:13%w/w)を得、次の工程でそのまま使用した。
d)中間体3の脱保護
34%塩酸水溶液(435.0g;4.057mol)を、温度を30~35℃に維持しながら、工程cで得た中間体3の溶液に添加した。添加終了後、混合物を35℃に維持しながら32時間攪拌した。溶液を23℃に冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した後、副生成物として生じたt-ブタノールを留去し、混合物をナノ濾過により脱塩した。次いで、混合物を減圧下50℃で22%w/wの濃度まで部分濃縮し、Amberlite XAD(登録商標)1600(1L:溶離液は水)を用いるクロマトグラフィーにより精製した。HPLC-UVによる評価で選択したフラクションをチャコールで処理し、減圧下50℃で濃縮して、目的のリガンド4(0.076mol)の25%w/w水溶液を得、硫酸銅溶液を滴定剤とする電位差滴定により定量を行った。。
e)錯体形成
脱保護されたリガンド4の25℃の溶液に、塩化ガドリニウム水溶液(142.4gの溶液;塩化ガドリニウム 40.1g;0.152mol)を、温度を23~27℃の範囲に維持しながら加え、30%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを7.0~7.5に調整した。この混合物を25℃で24時間維持し、常磁性錯体5を形成させた。フリーの化学種の存在を例えば滴定により評価した。得られた溶液をAmberlite XAD(登録商標)1600(3.3L:溶離液:水/MeCNのグラジエント)で精製した。HPLC-FLDおよびUVによる評価で選択したフラクションをチャコールで処理し、得られた溶液を減圧下50℃で蒸留した。最終の溶液(25%w/w)を噴霧乾燥し、ガドリニウム錯体を白色粉末として単離した(73.5g、無水生成物66.9gに相当;滴定アッセイ:99%w/w%、無水ベース)。
DO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aからの全体の収率:26%
実施例5:化合物5の調製
a)DO3A 3tBu-HBrの中和
DO3A 3tBu-HBr(724.9g;1.217mol)および炭酸カリウム(336.4g;2.434mol)をMeCN(1431.7g;1.812L)に懸濁し、混合物を25℃で18時間攪拌した。次いで、形成した塩を濾過により除去し、溶液を減圧下50℃で部分留去し、MeCN中最終濃度56%w/wのDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1A(613.9g;1.193mol)の溶液を得、さらに単離することなく次の工程で使用した。溶液中の1Aを、HPLC-UV法によりアッセイした。
b)中間体2の合成
水(298.0g)中のD-グルカミン(120.0g;0.662mol)を、DMAC(120.0g;0.128L)中のエピクロロヒドリン(134.8g;1.457mol)の溶液に24℃で2時間かけて滴下した。混合物を18時間攪拌した後、DMAC(240.0g;0.255L)を加え、水を減圧下50℃で留去し、DMAC中、残留する水の量が<2.0%w/wの中間体2の溶液を得た。
c)中間体2による化合物1Aのアルキル化
DIPEA(195.9g;1.516mol)と1Aの溶液を、45℃で中間体2の溶液に添加した。HPLC-UV法により転化率をモニターしながら、混合物を70℃で75時間撹拌した。次いで、混合物を減圧下60℃で部分的に濃縮した。残留物を25℃に冷却し、あらかじめ調製した水(720.0g)とMeCN(379.2g;0.480L)の混合液で希釈した。得られた溶液をAmberlite XAD(登録商標)1600(9L:溶離液:水/MeCNのグラジエント)を用いたクロマトグラフィーで精製した。十分な純度(HPLC Area %≧90)を有するフラクションを回収し、有機溶媒を留去した。こうして得られた水性残留物を減圧下50℃で濃縮し、次の工程に使用する、最終濃度15%w/wの保護されたリガンド3の水溶液を得た。
d)中間体3の脱保護
34%塩酸水溶液(1294.4g;12.070mol)を、温度を30~35℃に維持しながら、中間体3の溶液に加えた。添加終了後、混合物を約40℃に加熱し、この温度で28時間撹拌した。次いで、溶液を25℃に冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液を添加して中和した。生じたt-ブタノールを留去し、残留混合物をまずナノ濾過により脱塩し、次いで減圧下50℃で26%w/wの濃度まで部分濃縮した。濃縮した溶液をAmberlite XAD(登録商標)1600(3L:溶離液は水)を用いるクロマトグラフィーで精製した。純粋なフラクションを集め、チャコールで処理し、減圧下50℃で濃縮して,脱保護されたリガンド4の12%w/w水溶液(0.228mol)を得、硫酸銅溶液を滴定剤とする電位差滴定により定量を行った。。
e)錯体形成
脱保護されたリガンド4の溶液を37℃に加熱した後、塩化ガドリニウム水溶液(溶液427.1g;塩化ガドリニウム120.2g;0.456mol)を、温度を37~43℃の範囲に維持しながら添加した。添加終了後、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを5.5に調整し、得られた混合物を42℃で2時間維持し、常磁性錯体5を形成させた。フリーの化学種の存在を例えば滴定により評価した。この溶液を25℃でDiaion CR11キレート樹脂(0.48L)上で精製し、遊離ガドリニウム含有量を減少させた。ロードした後、樹脂を水で洗浄し、pHを5.8に調整し、溶液を50℃にて減圧下で濃縮して26%w/wの水溶液を得た。この溶液をpH6.2でAmberlite XAD(登録商標)1600(10L:溶離液:水/MeCNのグラジエント)にロードした。HPLC-FLDおよびUVによる評価で選択したフラクションをチャコールで処理し、得られた溶液を減圧下50℃で蒸留した。最終の溶液(22%w/w)を噴霧乾燥し、ガドリニウム錯体を白色粉末として単離した(226.5g、無水生成物208.3gに相当;滴定アッセイ:99%w/w%、無水ベース)。
DO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aからの全体の収率:27%
実施例6:化合物5の製造
a)DO3A 3tBu-HBrの中和
DO3A 3tBu-HBr(724.9g;1.217mol)および炭酸カリウム(336.4g;2.434mol)をMeCN(1435.5g;1.817L)に懸濁し、混合物を25℃で18時間攪拌した。次いで、形成した塩を濾過により除去し、溶液を減圧下50℃で部分留去し、MeCN中最終濃度62%w/wのDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1A(607.9g;1.181mol)の溶液を得、さらに単離することなく次の工程で使用した。溶液中の1Aを、HPLC-UV法によりアッセイした。
b)中間体2の合成
水(300.0g)中のD-グルカミン(120.0g;0.662mol)を、DMAC(120.0g;0.128L)中のエピクロロヒドリン(134.8g;1.457mol)の溶液に25℃で2時間かけて滴加した。この混合物を18時間攪拌した後、DMAC(240.0g;0.255L)を加え、減圧下50℃で水を留去し、DMAC中、残留する水の量が<2.0%w/wの中間体2の溶液を得た。
c)中間体2による化合物1Aのアルキル化
DIPEA(196.1g;1.517mol)と1Aの溶液を、50℃で、2の溶液に添加した。次いで、HPLC-UV法により転化率をモニターしながら、混合物を70℃で70時間攪拌した。25℃に冷却した後、水(720.0g)で希釈した。得られた混合物をAmberlite XAD(登録商標)1600(9L;溶離液:水/MeCNのグラジエント)を用いるクロマトグラフィーにより精製した。溶出後、適切な純度(HPLC Area %≧90)のフラクションを集め、有機溶媒を留去し、得られた溶液を減圧下50℃で濃縮して、最終濃度14%w/wの保護されたリガンド3の水溶液を得、これを次の工程に使用した。
d)中間体3の脱保護
34%塩酸水溶液(1290.0g;12.030mol)を、温度を30~35℃に維持しながら中間体3の溶液に添加した。添加終了後、混合物を38℃に加熱し、30時間撹拌した。溶液を25℃に冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液を添加して中和した。生じたt-ブタノールを留去し、残留した混合物をナノ濾過により脱塩し、次いで減圧下50℃で22%w/wの濃度まで部分濃縮した。濃縮した溶液をAmberlite XAD(登録商標)1600(3L:溶離液は水)を用いるクロマトグラフィーにより精製した。HPLC-UVによる評価で選択したフラクションをチャコールで処理し、減圧下50℃で濃縮して目的のリガンド4の23%w/w水溶液(0,226mol)を得、硫酸銅溶液を滴定剤とする電位差滴定により定量を行った。
d)錯体形成
脱保護されたリガンド4の25℃溶液に、塩化ガドリニウム水溶液(423.3g;119.2g;0.452mol)を、温度を23~27℃の範囲に維持しながら加え、30%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを7.0~7.5に調整した。混合物を25℃で24時間維持した。得られた溶液をAmberlite XAD(登録商標)1600(10L:溶離液:水/MeCNのグラジエント)で精製した。HPLC-FLDおよびUVによる評価で選択したフラクションをチャコールで処理し、得られた溶液を減圧下50℃で蒸留した。最終の溶液(25%w/w)を噴霧乾燥して、ガドリニウム錯体を白色粉末として単離した(201.3g、無水生成物185.2gに相当;滴定アッセイ:99%w/w%、無水ベース)。
DO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aからの全体の収率:24%
実施例7:化合物5の調製
a)化合物1の中和
DO3A 3tBu-HBr 1(724.9g;1.217mol)および炭酸カリウム(336.4g;2.434mol)をMeCN(1431.7g;1.812L)に懸濁し、混合物を25℃で18時間攪拌した。次いで、塩を濾過により除去し、溶液を減圧下50℃で部分留去し、化合物1A(613.6g;1.192mol,変換率98%)のMeCN溶液(最終濃度:56%w/w)を、さらに単離することなく、次の工程まで保存した。
b)中間体2の合成
水(298.0g)中のD-グルカミン(120.0g;0.662mol)を、DMAC(120.0g;0.128L)中のエピクロロヒドリン(134.8g;1.457mol)の溶液に24℃で2時間かけて滴下した。混合物を18時間攪拌した後、DMACを加え(240.0g;0.255L)、水を減圧下50℃で留去し、DMAC中、残留する水の量が<2.0%w/wの中間体2の溶液を得た。
c)中間体2による化合物1Aのアルキル化
DIPEA(195.9g;1.516mol)と1Aの溶液を、50℃で中間体2の溶液に添加した。HPLC-UV法で転化率をモニターしながら、混合物を70℃で75時間撹拌した(HPLC Area %:75)。次いで、混合物を減圧下60℃で部分的に濃縮した。残留物を25℃に冷却し、あらかじめ調製した水(240.0g)とMeCN(379.2g;0.480L)の混合物で希釈した後、25%アンモニア水溶液(433.4g;0.480L)を加えて混合物を得、これを16時間撹拌し、生じた塩酸塩の沈殿を濾過した。次いで、濾液を回収し、Amberlite XAD(登録商標)1600(9L:溶離液:水/MeCNのグラジエント)を用いるクロマトグラフィーにより精製した。十分な純度(HPLC A%≧90)を有するフラクションを集め、有機溶媒を留去した。こうして得られた水性残留物を減圧下50℃で濃縮し、最終濃度14%w/wの保護されたリガンド3の水溶液を得、これを次の工程に使用した。
d)中間体3の脱保護
34%塩酸水溶液(1294.4g;12.070mol)を、温度を30~35℃に維持しながら、中間体3の溶液に添加した。添加終了後、混合物を約40℃に加熱し、この温度で30時間攪拌した。次いで、溶液を25℃に冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液を添加して中和した。生じたt-ブタノールを留去し、残留混合物をナノ濾過により脱塩した後、減圧下50℃で26%w/wの濃度まで部分濃縮した。濃縮した溶液をAmberlite XAD(登録商標)1600(3L:溶離液は水)を用いるクロマトグラフィーで精製した。純粋なフラクションを集め、チャコールで処理し、減圧下50℃で濃縮して、脱保護されたリガンド4の25%w/w水溶液を得、硫酸銅溶液を滴定剤とする電位差滴定により定量した。
e)錯体形成
脱保護されたリガンド4の溶液を37℃に加熱した後、塩化ガドリニウム水溶液(427.1g;塩化ガドリニウム 120.2g;0.456mol)を、温度を37~43℃の範囲に維持しながら添加した。添加終了後、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを5.5に調整し、得られた混合物を42℃で2時間維持した。この溶液を25℃にてDiaion CR11 キレート樹脂(0.48L)で精製し、遊離ガドリニウム含量を減少させた。溶出後、樹脂を水で洗浄し、pHを5.8に調整し、溶液を減圧下で50℃にて濃縮して26%w/wの水溶液を得た。この溶液をpH6.2でAmberlite XAD(登録商標)1600(10L:溶離液:水/MeCNのグラジエント)にロードした。HPLC-FLDおよびUVによる評価で選択したフラクションをチャコールで処理し、得られた溶液を減圧下50℃にて蒸留した。最終の溶液(22%w/w)を噴霧乾燥して、ガドリニウム錯体を白色粉末として単離した(251.6g、無水生成物231.5gに相当;滴定アッセイ:99%w/w%、無水ベース)。
DO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aからの全体の収率:30%
実施例8:二量体化合物5の製造
a)臭化水素酸塩を中和しDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aを得る
実施例1の記載に従って得られたDO3Aトリ-tert-ブチルエステル-HBr(36.60kg;61.4mol)および炭酸カリウム(16.99kg;122.9mol)を、室温(すなわち25℃)にてMeCN(72.50kg;91.77L)に懸濁し、混合物を24℃で19時間攪拌した。次いで、生じた塩を濾過により除去し、濾液を減圧下50℃で部分蒸留して、MeCN中最終濃度約56%w/wのDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1A(31.07kg;60.4mol)溶液を得、さらに単離することなく次の工程で使用した。溶液中の1Aを、HPLC-UV法によりアッセイした。
b)中間体2の合成
水(15.1kg)中のD-グルカミン(6kg;33.1mol)の溶液を、DMAC(6.2kg;6.60L)中のエピクロロヒドリン(6.75kg;73.0mol)に室温にて2時間かけて滴下した。混合物を16時間撹拌した。次いで、この混合物をDMAC(12.2kg;12.98L)で希釈し、水を減圧下55~60℃にて留去して、DMAC中、残留する水の量が<2.0%の中間体2の溶液を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
c)中間体2をDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aでアルキル化し、保護されたリガンド3を得る
DIPEA(9.80kg;75.8mol)および工程aで回収した1Aの溶液を、50℃に加熱した中間体2の溶液に加え、得られた混合物を、HPLC-UV法で変換をモニターしながら、70℃で80時間撹拌した。次いで、混合物を減圧下60℃で部分的に濃縮した。残留物を25℃に冷却し、あらかじめ調製した水(12.2kg)とMeCN(19.0kg;24.05L)の混合物で希釈した後、25%アンモニア水溶液(21.7kg;24.03L)で希釈して、混合物を得、これを15時間攪拌し、生じた塩酸塩の沈殿を濾過により除去した。濾液を集め、Amberlite XAD(登録商標)1600(450L:溶離液:水/MeCNのグラジエント)を用いるクロマトグラフィーにより精製した。次いで、純粋なフラクション(HPLC Area %≧90)を集め、有機溶媒を留去し、水性の残留物を減圧下約50℃で濃縮し、さらに単離することなく次の工程でそのまま使用するのに適した、保護されたリガンド3の水溶液(濃度:約10%w/w)を得た。
d)脱保護
34%塩酸水溶液(64.75kg;603.8mol)を、温度を約30℃に維持しながら、工程cで回収した保護されたリガンド3の溶液に添加した。添加終了後、混合物を35~40℃に加熱し、30時間撹拌した。溶液を20~25℃に冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液を添加して中和し(最終pH約7)、反応副生成物として生じたt-ブタノールを留去し、混合物をナノ濾過により脱塩処理した。脱塩した混合物を50℃にて減圧下で部分濃縮し、最終濃度25%(w/w)とした後,Amberlite XAD(登録商標)1600(150L:溶離液は水)を用いるクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクション(HPLC Area %≧90)をチャコールで処理し、減圧下45~55℃で濃縮して目的のリガンド4(15.3mol)の12%(w/w)水溶液を得、硫酸銅溶液を滴定剤とする電位差滴定により定量した。
e)錯体形成
リガンド4の溶液を40℃に加熱し、温度を40℃付近に維持しながら塩化ガドリニウムの水溶液(溶液27.79kg;塩化ガドリニウム 8.10kg;30.7mol)を加えた。添加後、10%水酸化ナトリウム水溶液を添加して溶液のpHを5.5に調整し、混合物を40℃で2時間保持し、常磁性錯体5を形成させた。フリーの化学種の存在を例えば滴定によって評価した。こうして得られた二量体錯体の最終溶液を、Diaion CR11(6L)で精製し、遊離ガドリニウム含量を減少させた。ロードした後、樹脂を水で洗浄し、回収した溶液をpH5.5に調整し、減圧下50℃で濃縮して23%w/wの水溶液を得、これをpH5.7でAmberlite XAD(登録商標)1600(500L:溶離液:水/MeCNグラジエント)にロードした。選択したフラクションをチャコールで処理し、減圧下50℃で蒸留して、最終濃度約28%(w/w)の混合物を得、そこからガドリニウム錯体を噴霧乾燥により白色粉末として単離した(13.38kg;無水ベースで12.58kg;9.7mol)。最終の滴定による分析値99%(w/w%;無水ベース)。
DO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aからの全体の収率:33%

Claims (15)

  1. 次式
    で示される二量体錯体化合物5の製造方法であって、以下:
    1)有機溶媒中の、式1A
    で示されるDO3Aトリ-tert-ブチルエステルの溶液を調製すること;
    2)有機溶媒中の、式2
    で示される中間体の溶液を調製すること;
    3)工程1および工程2に従って調製した溶液を混和して、式3
    で示される保護されたリガンドの溶液を得ること;
    4)工程3の溶液から化合物を単離することなく、式3の化合物から保護基tert-ブチルを除去して、式4
    で示されるフリーのリガンド溶液を得ること;
    5)式4で示されるフリーのリガンドを単離することなく、工程4の溶液にガドリニウム金属イオンを添加して、式5の二量体錯体の溶液を得ること;および
    6)二量体錯体を単離すること、
    を含んでなり、式3の化合物の調製後のすべての工程における反応溶媒が水性溶媒である、方法。
  2. 工程1のDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aの溶液が、DO3Aトリ-tert-ブチルエステルの臭化水素酸塩から調製される、請求項1記載の製造方法。
  3. 工程1が以下を含む、請求項1または2に記載の製造方法:
    i)DO3Aトリ-tert-ブチルエステルの臭化水素酸塩を塩基または塩基性塩と共に有機溶媒中に懸濁し、懸濁液を得ること;
    ii)懸濁液を濾過すること;および
    iii)濾過した懸濁液を回収し、任意選択で濃縮して、有機溶媒中のDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aの溶液を得ること。
  4. 工程2が、D-グルカミンとエピクロロヒドリンとを反応させて有機溶媒中の式2の化合物の溶液を得ることを含む、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 以下を含む請求項4記載の製造方法:
    i)D-グルカミンの水溶液を有機溶媒中のエピクロロヒドリンの溶液に加え、水/有機溶媒混合物中の式2の化合物を得ることであって;好ましくはエピクロロヒドリンの量が化学量論量より若干過剰であること;および
    ii)混合物から水を除去し、有機溶媒中の式2の化合物の溶液を得ること。
  6. 有機溶媒がジメチルアセトアミド(DMAC)である、請求項4または5記載の製造方法。
  7. 工程3が以下を含む、請求項1~6のいずれかに記載の製造方法:
    a.工程2で得た式2の化合物を、塩基の存在下、工程1で得たDO3Aトリ-tert-ブチルエステル1Aと反応させ、有機粗製液を得ること;
    b.得られた有機粗製液を水、水/有機溶媒混合物または水溶液で希釈して、水/有機粗製液を得ること;
    c.水/有機粗製液を精製し、水/有機溶媒混合物中で式3の化合物を得ること、および
    d.任意選択で混合物から有機溶媒を除去し、式3の化合物の水溶液を得ること。
  8. 有機粗製液を水/有機溶媒混合物で希釈して得られる工程bの水/有機粗製液に、水溶液を添加することを含む、請求項7に記載の製造方法。
  9. 工程cの水/有機粗製液の精製がクロマトグラフィーによって行われる、請求項7または8に記載の製造方法。
  10. 工程4が以下を含む、請求項1~9のいずれかに記載の製造方法:
    i)工程3で得た式3の化合物の水溶液に酸を添加して保護基tert-ブチルを除去し、式4で示されるフリーのリガンドの酸性水溶液を得ること;
    ii)該酸性溶液に塩基を加え、フリーのリガンドの実質的に中性の水溶液を得ること;
    iii)得られた中性溶液を精製し、任意選択で濃縮して、式4で示されるフリーのリガンドの水溶液を得ること。
  11. 工程iii)が、中性溶液を蒸留して生じたt-ブタノールを除去すること、蒸留残留物を脱塩すること、脱塩した溶液をクロマトグラフィーによって精製して、式4で示されるリガンドの水溶液を得ること、および任意選択で該水溶液を濃縮することを含む、請求項10に記載の製造方法。
  12. 得られた式4で示されるリガンドの水溶液の濃度が8~25%(w/w)である、請求項10または11に記載の製造方法。
  13. 工程5が以下を含む、請求項1~12のいずれかに記載の製造方法:
    i)工程4で得た式4で示されるリガンドの溶液にガドリニウム塩を添加し、式5で示される二量体錯体を含む混合物を得ること;
    ii)混合物を精製して、二量体錯体の溶液を得ること;および
    iii)該溶液を濃縮すること。
  14. 工程ii)がクロマトグラフィーによって混合物を精製することを含む、請求項13に記載の製造方法。
  15. 工程6が、工程5から直接回収した溶液を噴霧乾燥することにより、式5で示される二量体錯体を白色固体として単離することを含む、請求項1~14のいずれかに記載の製造方法。
JP2023500041A 2020-07-27 2021-07-26 二量体造影剤の製造 Pending JP2023535673A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP20187948 2020-07-27
EP20187948.3 2020-07-27
PCT/EP2021/070801 WO2022023240A1 (en) 2020-07-27 2021-07-26 Manufacturing of dimeric contrast agents

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023535673A true JP2023535673A (ja) 2023-08-21

Family

ID=71833254

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023500041A Pending JP2023535673A (ja) 2020-07-27 2021-07-26 二量体造影剤の製造

Country Status (10)

Country Link
US (1) US20230303592A1 (ja)
EP (1) EP4188912A1 (ja)
JP (1) JP2023535673A (ja)
KR (1) KR20230047362A (ja)
CN (1) CN116419920A (ja)
AU (1) AU2021314803A1 (ja)
BR (1) BR112023000078A2 (ja)
CA (1) CA3185759A1 (ja)
IL (1) IL300192A (ja)
WO (1) WO2022023240A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024074648A1 (en) 2022-10-07 2024-04-11 Bracco Imaging Spa Precipitation and isolation of gadolinium complex

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2932302T3 (es) 2015-12-10 2023-01-17 Bracco Imaging Spa Agentes de contraste diméricos

Also Published As

Publication number Publication date
CA3185759A1 (en) 2022-02-03
KR20230047362A (ko) 2023-04-07
IL300192A (en) 2023-03-01
EP4188912A1 (en) 2023-06-07
US20230303592A1 (en) 2023-09-28
WO2022023240A1 (en) 2022-02-03
CN116419920A (zh) 2023-07-11
BR112023000078A2 (pt) 2023-02-07
AU2021314803A1 (en) 2023-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2021261839B2 (en) Process for the preparation of 6-(cyclopropaneamido)-4-((2-methoxy-3-(1-methyl-1h-1,2,4-triazol-3-yl)phenyl)amino)-n-(methyl-d3)pyridazine-3-carboxamide
US9458117B2 (en) Process for producing 1,4,7,10-tetraazacyclododecane-1,4,7,10-tetraacetic acid and complexes thereof
JPH08511003A (ja) コントラスト剤として使用するためのトリシクロポリアザマクロシクロホスホン酸、それらの錯体および誘導体
EP3530648B1 (en) Process for production of precursor compound for radioactive halogen-labeled organic compound
JP4399163B2 (ja) N−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)−1,4,7−トリスカルボキシメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのリチウム錯体、その製造及び使用
JP2023535673A (ja) 二量体造影剤の製造
CA2621339C (en) Process for the preparation of contrast agents
EP4073045B1 (en) Manufacturing of protected do3a
JP2013531643A (ja) 結晶質3,6,9−トリアザ−3,6,9−トリス(カルボキシメチル)−4−(4−エトキシベンジル)ウンデカン二酸を調製する方法及びプリモビスト(Primovist)(登録商標)を製造するための方法
JP4450881B2 (ja) 5,5’−ビ−1h−テトラゾール塩の製造方法
Strauch et al. A simple approach to a new T 8-POSS based MRI contrast agent
CA2336919C (en) A process for the preparation of 4-carboxy-5,8,11-tris(carboxymethyl)-1-phenyl-2-oxa-5,8,11-triazatridecan-13-oic acid
IL308888A (en) Generation of dimeric contrast agents
WO2023110867A1 (en) Manufacturing of dimeric contrast agent
CZ2002483A3 (cs) Způsob přípravy thiazolových derivátů
WO2023110863A1 (en) Process for manufacturing a mixture comprising a dimeric macrocycle intermediate of a gadolinium complex
JPH11189588A (ja) 2−メルカプトチアゾ−ルの製法
TWI651097B (zh) 造影劑前驅物之製備方法
US20010039342A1 (en) Process for preparing 5'-acetylstavudine
WO2020154891A1 (zh) 用于钆系造影剂中叔丁酯的水解方法
JPS61140552A (ja) N↑2−ホルミルリジンの製造方法
JP2003026689A (ja) 光学活性3−ホスホグリセリン酸誘導体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240116