JP2023535432A - 保護用切断要素ガイドを有する注ぎ口要素 - Google Patents

Abstract

注出筒（１５）および円周締結フランジ（１６）を有する本体（４）と、注出筒（１５）と同心円状に配置された、注出筒（１５）内を移動可能に案内される、中空円筒切断要素（３）と、再封可能なねじ蓋（２）とを備えた、積層包装体のための注ぎ口要素（１）が図示および説明される。切断要素（３）は、積層包装体の初回開口のために、ねじ蓋（２）によって駆動可能である。先ず少なくとも１つの主に軸線方向に突刺するセグメントによって、次に、注出筒（１５）の長手方向軸線（Ａ）を中心に回転する直線セグメントによって、開口経路がプロットされるように、注出筒（１５）に形成された少なくとも２つのガイドリブ（１７）は切断要素（３）の内側に形成された伝達手段と相応に連携する。切断要素（３）は、開口経路に沿って案内され得るように、配置されている。切断要素（３）の案内時の安全性を確実に高めるために、注出筒（１５）は、少なくとも２つの第１安全要素（１８）を有する。これら第１安全要素（１８）は、少なくとも２つのガイドリブ（１７）と共に、切断要素（３）の伝達手段のための両側での案内を、開口経路の突刺セグメントおよび／または回転セグメントに沿って、実現するように構成されている。【選択図】図２

Description

本発明は、注出筒および円周締結フランジを有する本体と、注出筒と同心円状に配置された、注出筒内を移動可能に案内される、中空円筒切断要素と、再封可能なねじ蓋とを備えた、積層包装体のための注ぎ口要素であって、切断要素は、積層包装体の初回開口のために、ねじ蓋によって駆動可能であり、注出筒の内側に形成された少なくとも２つのガイドリブと切断要素の外側に形成された伝達手段とは、先ず少なくとも主に軸線方向に突刺するセグメントによって、次に、注出筒の長手方向軸線を中心に純粋に回転するセグメントによって、開口経路がプロット（独：beschrieben，英：plotted）されるように、相応に連携し、切断要素は、開口経路に沿って案内され得るように、配置される、注ぎ口要素に関する。

このような注ぎ口要素は、注ぎ出し中の取り扱いを簡易化するために、および積層包装体の再封を可能にするために、それぞれのゲーブルに貼着される。中空円筒切断要素は、それ迄は気密であった包装体を初めて開口し、ひいては注出口を形成する。ねじ蓋は、開口された積層包装体の再封を可能にする。これら注ぎ口要素の貼着は、通常、別個の機械によって、ホットメルト接着剤または外側プラスチック被覆層への本体の溶着のどちらか一方によって、行われる。両変形例において、この貼着プロセスのために、円周締結フランジが使用される。

積層材の正確な層構造は、諸要件に応じて可変であるが、厚紙製のキャリア層とプラスチック製の被覆層とで少なくとも構成される。加えて、無菌製品に対するガス、更にはアルミニウムに対する光、に対するバリア効果を確実に高めるために、バリア層（例えば、アルミニウム、ポリアミド、またはエチレン－ビニルアルコール共重合体）が必要であり得る。したがって、このような積層包装体は、厚紙／プラスチック積層包装体とも称される。

このような積層包装体は、通常、２種類の包装機のうちの１つにおいて製作される。第１の選択肢では、滅菌済み積層材製の無端ウェブが筒に形成されて封着され、その後、同様に滅菌済みの充填材料で充填され、封着され、その横方向に一定間隔で切断される。得られた「包装体パッド（独：Packungskissen，英：package pads）」は、その後、折り癖が付けられた折り山に沿って平行六面体の包装体に形成される。横方向封着中にゲーブル領域に形成された封着継目は、通常、ゲーブルシームと称される。もう１つの選択肢は、積層材製のブランクを使用する。ブランクは、最初に、長手方向シームを封着することによって包装スリーブに形成され、その後、マンドレル上で片側が開口した包装体に形成され、その後、滅菌、充填、最後に密封、されて最終的に形成される。

積層材は、安定した層構造のおかげで極めて分離し難いので、積層包装体は、通常、状況に応じて適合化される。注ぎ口要素は、その切断要素によって積層材の全層を容易に貫通切断するために十分な安定性を有することもできるであろう。ただし、これは、コスト上の理由により、大抵の場合は魅力がない。したがって、開口領域に脆弱領域が形成されるように、開口領域を用意することが一般的である。これは、主に２つの異なる実施形態で知られている。一方では、所謂脆弱化線が積層材の外層に導入される。この脆弱化線は、使用される切断要素の形状およびサイズに応じて、容易な分離を可能にする。他方、脆弱領域は、所謂「薄層穴（独：ueberbeschichtetes Loch，英：laminated hole）」として設計可能である。第１の選択肢は、開口されたカートンに複数のエッジが生じ、注き出し中の充填材料に直接接触するという欠点を有する。これにより、厚紙の繊維が製品中に入り得る、ならびに製品の味が変化し得る。したがって、通常は薄層穴が解決策として好適である。

本出願人の特許文献１にも記載されているように、薄層穴は積層材の製作中に形成される。厚紙製キャリア層に穴が打ち抜かれるので、プラスチック製被覆層による被覆後、局所的な脆弱化が積層材に生じる。すなわち、打ち抜きの故に失われた厚紙製キャリア層以外の通常の積層材の全ての層、すなわち、複数のプラスチック製被覆層、必要であればバリア層、および必要であれば更なる積層および結合剤、で薄層穴が構成される。

特許文献２には、一般的な注ぎ口要素が記載されている。注出筒および円周締結フランジを有する本体と、ねじ蓋と、切断要素とが一緒に注ぎ口要素を形成する。この注ぎ口要素は、初回作動時、注出口を形成するために、薄層穴を大きな範囲にわたって切り離し、薄層穴の未切断部分を脇へ押し退ける。この場合、切断要素の移動は、本体の注出筒の外側に形成されたねじ山によって案内され、ねじ蓋によって駆動される。切断要素がねじ山上を案内されるので、ねじ山のアンダーカットの故に、組立体、すなわち個々の構成要素から成る構成、が複雑であることが分かっており、製作は射出成形法で可能であるが、材料の選択および／または工具の構造の部分で制限がある。切断要素のねじ運動における一定の送りに対するこの制約は、薄層穴への低速挿入をもたらす。これが意味するのは、切断要素が薄層穴上で対応する平角で引きずられることである。これは、所謂「ＰＥ延伸」を助長する。ポリエチレンフィルムは、切断要素の切断体の前端および切断体間で長さが延伸する。このようにして延伸されたフィルムは、きれいでない、または不完全でさえある、開口結果をもたらす。

これらの問題は、本出願人の特許文献３および特許文献４においては、突入および切断動作を行うことによって解決されている。この突入および切断動作は、最初に急角度で下方に、または純粋に軸線方向に、突っ込み、その後、水平方向の純粋回転動作に移行する。これを可能にするのは、本体の注出筒に設けられた個々のガイドリブである。これらガイドリブは、切断要素の動作方向を変え、案内する。これらガイドリブは、注ぎ口要素の組み立てもはるかに容易にする。その一方で、この片側だけの案内は、切断要素の相対的に不確実で不安定な案内のみを可能にする。切断要素は、その中空円筒嵌合と、ねじ蓋、切断要素、および薄層穴の間に作用する力と、によって、本体内にも保持される。したがって、上記プロセスから逸脱する場合は特に、切断要素のこの案内形態が提供する安全性は不十分である。プラスチック部品に対する過度の外力は、意図された経路から切断要素を外れさせ得る、または、包装体への貼着前、組み付けられた切断要素がさまざまな方法で、ずれる、動かなくなる、または完全に抜け落ちることさえあり得る。開口プロセス中、さまざまな不正確な操作が切断要素を傾斜させることもあり得る。

欧州特許出願公開第２ ５２８ ７３１（Ａ１）号 欧州特許出願公開第１ ０８８ ７６５（Ａ１）号 欧州特許第１ ５０９ ４５６（Ｂ１）号 欧州特許第１ ５１３ ７３２（Ｂ１）号

上記に基づき、本発明の基礎を成す目的は、上記の諸欠点が解消されるように、冒頭で言及し先に詳細に説明した注ぎ口要素を設計し、更に発展させることである。この目的は、安全性を高めることである。一方では、注ぎ口要素が意図どおりに取り扱われたときは公知の所望される開口挙動が保証されるべきであるが、消費者側の取り扱いミスの場合でも、その機能が維持されるべきである。特に、切断要素は、主要素からの取り外しおよび脱落、場合によってはその結果としての飲み込み、が防止されなければならない。

この目的は、請求項１の前提部分の諸特徴を有する注ぎ口要素の場合、注出筒が少なくとも２つの第１安全要素を有することによって達成される。この２つの第１安全要素は、少なくとも２つのガイドリブと共に、切断要素の伝達手段のための両側での案内を開口経路の突刺セグメントおよび／または回転セグメントに沿って実現するために、構成されている。これら第１安全要素は、切断要素の望ましくないずれまたは傾斜を防止し得るので、開口プロセス中の切断要素の動作を保証することもできる。

伝達手段は本体内で最早片側にしか自由に動けないので、例えば、未だ完全には開口されていないロック（独：Verschlusses，英：lock）のねじ蓋を螺脱させても、切断要素を意図されていない位置には少なくとも移動させることができない。過度の力が注ぎ口要素に加えられた場合でも、伝達手段によって切断要素はガイドに留まっている。

本発明の別の教示は、各ガイドリブが注出筒の長手方向軸線に垂直な平面に対して９０°～１２０°、好ましくは９０°、の角度（α）を形成することを想定している。リブは、構成要素構造の長手方向に形成された補強部分である。この場合、このようなリブは、切断要素を案内するために、本体の注出筒の内壁から突出している。したがって、切断要素の対応するガイド手段を案内するリブの側縁でも、角度が測定される。角度が９０°である特殊なケースは、本出願人の上記特許文献４の記述にも、更には本願明細書に詳細に説明されている例示的実施形態にも、正に相当する。

更なる複数の有利な実施形態において、第１ガイド手段は、第１部分に円周方向に延在する少なくとも２つの伝達リブとして形成されている。これら伝達リブの円周方向の、すなわち包装体と注ぎ口要素とが平らに配置されている場合は水平の、延在部分は、純粋回転中の安全な案内のために、すなわち開口経路の純粋回転セグメント上で、使用される。これに対して、突刺動作中、これら伝達リブの前側は、対応するガイドリブに沿って走行する。

本発明の別の実施形態は、軸線方向に測定された各伝達リブの高さが、ガイドリブとこれに対応する第１安全要素との間の軸線方向に測定された内法距離の９０～９９％であることを想定している。各伝達リブをその水平回転動作においてできる限り安全に案内するために、これらの距離は小さく維持されるべきであるが、両側で案内されている伝達リブが望ましくない方法で動かなくなる、または動けなくなる、ことを防ぐために、一定量の隙間は常に必要である。

本発明の別の教示によると、少なくとも２つの伝達リブは、回転方向の前端に位置するそれぞれの端部に第２部分を有するべきである。第２部分は、第１部分から円周締結フランジに向かって９０°～１２０°、好ましくは９０°、の角度で延在する。ここでも、この角度はリブ部分の前縁において測定され、９０°の特殊なケースは、上記の例示的実施形態に相当する。ただし、第２部分は、突刺プロセス中、ガイドリブと第１安全要素との間にそれぞれ挿入される必要があるので、第２部分の両側面は、上から下に互いに向かって鋭角で先細りなっていることが好ましい。このような場合、この位置合わせを調整するために、前縁および後縁の平均角度寸法を使用することもできる。

好都合な更なる一実施形態において、第２部分の各々は、円周方向に測定された幅を有する。この幅は、ガイドリブとこれに対応する第１安全要素との間の円周方向に測定された内法距離の９０～９９％である。

本発明の別の実施形態において、少なくとも２つの第１安全要素は、軸線方向に配置された長手方向リブとして設計されている。開口プロセスの後、各長手方向リブは、切断要素の少なくとも２つの水平伝達リブのうちの２つによって側方から囲まれている。これら長手方向リブは、いくつかの目的のために役立つ。一方では、これらリブは、より長い突刺経路にわたって第２部分が両側で案内されることを可能にする。他方、それらが円周方向への回転を完了した後、回転方向のそれぞれ次の補助要素、２つの場合は単にもう一方、が伝達手段、またはその第２部分、のための停止点を提供する。この回転の終止点は、勿論、他の複数の実施形態においても規定されるが、軸線方向に配置された長手方向リブはより安定した位置を提供する。

本発明の別の教示は、開口経路の回転セグメントが軸線方向セグメントの下流にも存在することを想定している。この追加の軸線方向セグメントに沿った、所謂パーキング位置で終了する、この最後の移動は、通常、既に開いている蓋が再封されるまで行われない。ねじ蓋と切断要素との間のそれぞれの力伝達要素は、軸線方向に見たときに、それぞれ反対方向に移動するため、初回開口中、互いから離れる方向に移動する。したがって、これら力伝達要素は、円周方向への回転動作の最後に、それぞれの機能を最早果たし続けることはできないので、切断要素は、この位置にしばらく留まる。再封時、これら力伝達要素は切断要素の力伝達要素を避けて内側に摺動する。再開口時にのみ、この移動が行われ、切断要素はパーキング位置に移動される。したがって、大半の実施形態では、この軸線方向セグメントの進入前に、包装体は既に完全に開口されている。

特殊な一実施形態によると、円周方向に均等に分散された伝達手段としての３つの伝達リブ毎に、３つの対応するガイドリブと３つの第１安全要素とが形成されている。一方では、均等に分散された３つの箇所による取り付けは、安定性の向上を約束する。他方、それぞれの要素の数は、切断要素の水平回転動作の最大回転角度も規定する。ここでは、この最大回転角度は、（３６０°／要素数）、すなわち１２０°、として規定されている。この回転角度は、薄層穴をきれいに切断するために、円周全体に切断要素の下縁の歯をどのように配置すべきかに影響する。

本発明の別の教示によると、円周締結フランジから遠くに位置する注出筒の一領域に、少なくとも１つの第２安全要素が取り付けられている。組み立て後の初期位置において、伝達手段は上から、ひいては両側で、更に保持される。さもなければ、伝達手段は、少なくとも２つのガイドリブ上に載置されているだけである。これにより、製作および使用のさまざまな段階において、切断要素の脱落または傾斜が防止される。例えば、さもなければ、組み立て中も切断要素が脱落し得るので、主要素とねじ蓋とはあるが、切断要素がない包装体が最終的に配達されることになる。同様に、第２安全要素がない場合、切断要素は、組み付け位置において傾斜し得るので、その後、初回開口中に動かなくなり得る、および／または主要素内で外れたままになり得る。特に、これら更なる機能に関して、このような第２安全要素は、伝達手段がそこに支えられるようにも位置付けられ得る。これにより、切断要素の中心合わせ、ひいては固定、も保証される。切断要素を安定化させるには、個別の第２安全要素が少なくとも１つ必要とされるが、実際には、ガイドリブ、伝達手段、および安全要素の数は、通常、それぞれ同じである。

本発明の別の教示は、少なくとも１つの第２安全要素の、円周締結フランジとは反対側の少なくとも１つの側が面取りされていることを想定している。第２安全要素のこの上側は、機能には関連せず、したがって、切断要素の回転を組み立てプロセスに組み込む必要なしに、切断要素を上から、できる限り小さい抵抗で、導入できるように、組み立ての簡素化のために設計されている。上記のケースにおいて、伝達手段が少なくとも１つの第２安全要素に載っているとき、本発明のこの教示は、それにも拘わらず、開口経路上の切断要素の通過を、開口力を不相応に増大させずに、可能にする。この目的のために、このような第２安全要素が占める割合は、少なくとも２つのガイドリブの半径方向の延長部分のほぼ８０％以下であるべきである。

特殊な一実施形態によると、追加の純粋回転セグメントが開口経路の上流にある。この場合、切断要素は、切断要素が初期の保持位置に更に第２安全要素によって確実に保持されるように、配置されている。

以下においては、好適な一例示的実施形態を単に示している図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。

本発明による注ぎ口要素を斜視図で示す。 本発明による注ぎ口要素を分解図として下からの斜視図で示す。 本発明による注ぎ口要素の開口プロセスの一段階を下からの斜視図で示す。 本発明による注ぎ口要素の開口プロセスの一段階を下から見た図で示す。 本発明による第１および第２ガイド手段ならびに安全要素を鉛直投影図で示す。 本発明による注ぎ口要素の開口プロセスの一段階を下からの斜視図で示す。 本発明による注ぎ口要素の開口プロセスの一段階を下から見た図で示す。 本発明による第１および第２ガイド手段ならびに安全要素を鉛直投影図で示す。 本発明による注ぎ口要素の開口プロセスの一段階を下からの斜視図で示す。 本発明による注ぎ口要素の開口プロセスの一段階を下から見た図で示す。 本発明による第１および第２ガイド手段ならびに安全要素を鉛直投影図で示す。 本発明による注ぎ口要素の開口プロセスの一段階を下からの斜視図で示す。 本発明による注ぎ口要素の開口プロセスの一段階を下から見た図で示す。 本発明による第１および第２ガイド手段ならびに安全要素を鉛直投影図で示す。 本発明による注ぎ口要素の開口プロセスの一段階を下からの斜視図で示す。 本発明による注ぎ口要素の開口プロセスの一段階を下から見た図で示す。 本発明による第１および第２ガイド手段ならびに安全要素を鉛直投影図で示す。

図１は、本発明による注ぎ口要素１を外側からの斜視図で示す。この場合、注ぎ口要素１は、組み付け位置、すなわち、積層包装体への貼着も行われているときの位置、にある。注ぎ口要素１の個々の構成要素は、図２の分解図でより良く分かる。ねじ蓋２が中空円筒切断要素３と共に、本体４に取り付けられる。

ねじ蓋２の下部は、アンカーリング５として設計されている。アンカーリング５は、開口プロセス後に、本体４、または本体４を備えた積層包装体、からのねじ蓋２の除去を確実に阻止する役割を果たす。この目的のために、ねじ蓋２とアンカーリング５とは、互いにヒンジ式に接続されている。このヒンジは、互いに上下に配置された２つの脆弱化ゾーン６によって形成される。これら脆弱化ゾーン６は、どちらもねじ蓋２の円周全体の一部分にのみわたり、通常、連続する複数の切り込みによって形成されている。脆弱化ゾーン６に加え、インジケータ要素７も信頼性封印としての役割を果たす。インジケータ要素７は、図６Ａおよび図７Ａから分かるように、突刺プロセス中に切断要素３が薄層穴を傷つける前に、インジケータ要素７が既に破断されていることを視認できるように、設計されている。この機能は、脆弱化ゾーン６だけでは必ず保証されるとは限らない。

ねじ蓋２の内側に、雌ねじ８の複数のねじピッチが見える。これらねじピッチは、ねじの螺旋運動によって、注ぎ口要素１の開閉を可能にする。力伝達要素９も認識できる。力伝達要素９は、ねじ蓋２のねじ運動中に切断要素３を駆動し、意図された経路に沿って切断要素３を移動させるために、切断要素３の力伝達要素１０に作用する。力伝達要素９の有効領域は、蓋表面に対して３０°と６０°の間の角度を形成する。この有効角は、突刺および回転動作において切断要素３の駆動を可能にする。力伝達要素９の下端において、別の部分が水平回転動作中の切断要素３をより良く案内するために役立つ。力伝達要素１０は、ねじ蓋２の回転動作の力を最適に吸収するために、２つの対応する表面を有する。

円周方向に延在する３つの伝達リブ１１のうちの２つが切断要素３の上縁に見える。これら伝達リブは、伝達リブ１１に対して９０°の角度に設計された第２部分１２を回転方向の前端にそれぞれ有する。切断要素３の下縁に複数の、この例示的実施形態では１２の、切歯１３が設けられている。これら切歯１３は、突刺プロセスのために最適化された先端と、純粋回転動作中に薄層穴を切り開く、回転方向の前端に位置する切刃と、を備えた形状を有する。加えて、これらの歯は、それぞれ２つの切歯１３の間に切欠きが形成されるように、連続して配置されている。これにより、「ＰＥ延伸」によって生じ得る長手方向に延伸されたポリエチレン糸の切り離しが可能になる。切歯１３を備えていない角度領域は、最初に薄層穴をきれいに分離し、その後、切り離されていない領域を容易に脇に押し退けられるように、切断要素３の最大回転角度より小さくする必要がある。この空き領域に、残留液排出用の隙間１４も形成されている。これにより、開口プロセスの完了後、特に１回目の再封後、積層包装体内に突出した要素が注出流路の少なくともこの箇所に皆無であることが保証される。これにより、充填材料の最後の残渣を積層包装体からこの間隙を通して空にすることも可能になる。

この分解図の最下部に注出筒１５が見え、その下縁に円周締結フランジ１６が見える。注出筒１５と円周締結フランジ１６とは、一緒に本体４を形成する。注ぎ口要素１を積層包装体に固締するために、円周締結フランジ１６は、積層包装体の最も外側のプラスチック層に接着剤で貼着されるか、直接溶着されるか、のどちらかである。複数のガイドリブ１７、ならびに第１安全要素１８および第２安全要素１９、が本発明による注出筒の内壁に見える。雄ねじ２０のねじピッチも注出筒の外側に見える。これらねじピッチは、ねじ蓋２の雌ねじ８の相手方になる。本体４の下縁に、複数のセンタリング要素２１が見える。これらセンタリング要素２１は、一方では、切断要素３の更なる中心合わせを行うだけでなく、薄層穴側の終端部も形成する。注出筒１５および中空円筒切断要素３の長手方向軸線Ａも見える。注出筒１５と中空円筒切断要素３とは、同心円状に配置されている。したがって、長手方向軸線Ａは、開口プロセス中、切断要素３の回転の回転軸としての役割も果たす。

図３Ａは、組み立て後の組み付け位置にある注ぎ口要素１を図２と同じ下からの斜視図で示す。この図では、力伝達要素９と力伝達要素１０とがどのように組み合わされるかが特に容易に分かる。切断要素３の各切歯１３の歯先が円周締結フランジ１６の下面から、ひいては、注ぎ口要素が積層包装体に貼着されている場合は薄層穴から、十分な距離を保っていることもはっきりと見える。これにより、薄層穴の不測の早期損傷が防止される。図３Ｂは、同じ状況を下から見た図で示す。より良い展望を保証するために、ねじ蓋２の力伝達要素９が隠されている。この図では、水平伝達リブ１１の後端がガイドリブ１７の両側に見える。その理由は、これらは、その上に載っているため、この図では隠れているからである。

図３Ｃは、筒の展開図を示す。注出筒１５の内側の連携要素および切断要素３の外側の連携要素のみが描かれている。例えば、注出筒１５の長手方向軸線Ａに垂直な平面に対してガイドリブ１７が形成する角度αと第２部分１２が形成する角度βとが対応することが容易に分かる。この例示的実施形態においては、これらの角度がどちらもほぼ９０°であるので、この２つのリブは、等しく位置合わせされたそれぞれの表面全体に沿って摺動可能である。組み付け位置において伝達リブ１１がガイドリブ１７上にどのように載るか、ひいては切断要素３を安定位置にどのように支持するかも分かる。同時に、伝達リブ１１は、第２安全要素１９（この図には不図示）によって上から所定位置に保持される。

図４Ａ～図４Ｃは、突刺動作の開始時の注ぎ口要素を示す。突刺動作のために、ねじ蓋２と切断要素３とは、初期の安定位置を離れるために、少し回転されている必要がある。この回転動作は、全ての部分図において、矢印で示されている。図４Ｂは、切断要素３がどのように回転されて伝達リブ１１がガイド要素１７に当接しているかを示す。図４Ｃは、第１安全要素１８の係合前であっても、どのように伝達リブ１１の第２部分１２をガイド要素１７に沿って平らに案内できるかを更に示す。図４Ａおよび図４Ｂは、注ぎ口要素１の注出筒１５の長手方向軸線Ａを更に示す。この軸線に沿った突刺動作とこの軸線を中心とした回転動作とは、切断プロセスの一環として行われる。

図５Ａ～図５Ｃでは、それぞれの方向矢印によって示されているように、ねじ蓋２の更なる回転によって、切断要素３の突刺動作が開口経路に沿って開始されている。これら２つの要素は互いから遠いので、開口プロセス全体の小さな一部分が行われただけであるが、力伝達要素９および力伝達要素１０がそれぞれの相対位置に既に前進していることは容易に認識可能である。どのように切歯１３の歯先が円周フランジ要素１６の下縁を越えて突出し、ひいては貼着された注ぎ口要素１の薄層穴を突き刺すかも分かる。この例示的実施形態に示されているように角度αおよびβが９０°の場合、図４Ｂ～図６Ｂの図は全く同じである。その理由は、切断要素３が純粋に軸線方向に挿入されるからである。図５Ｃは、伝達リブ１１の第２部分１２がガイドリブ１７と第１補助要素１８との間にどのように挿入されるかを明確に示している。この目的のために、この図にＸ１として示されている水平方向に測定された第２部分１２の幅は、Ｘ２として示されている同じく水平方向に測定されたガイドリブ１７と第１安全要素１８との間の内法距離より小さい必要がある。実際には、Ｘ１およびＸ２は、第２部分１２が辛うじて案内されるように、しかも問題のない正確な摺動を可能にするために十分な隙間が依然として存在するように、選択されるべきである。この図からは、幅Ｘ２の隙間への挿入を容易にするために、第２部分１２の脚部が互いに向けて僅かに先細になっていることも分かる。

図６Ａ～図６Ｃは、突刺プロセスの最後の、ひいては水平回転動作への移行時の、注ぎ口要素１を示す。この時点の切歯１３は、全ての切刃が薄層穴（この図には不図示）に作用するほど、大きく突出している。突刺中、薄層穴は弾性層として伸張するので、この位置では、通常、それぞれの歯の間にポリエチレン薄片が依然として存在する。これら薄片は、その後、水平回転動作中にのみ切り離される。これら切歯１３の最前端と最後端との間に、薄層穴の連続的に無傷の箇所も存在する。そこには、薄層穴の残部が付着しているので、それを切断要素３によって脇に押し退けることができる。この時点において、各力伝達要素９は、それぞれの鉛直方向最下部に形成された部分によって、力伝達要素１０と連携していることも認識できる。この時点からは、ねじ蓋２のみが、平らな螺脱動作によって、軸線方向に移動するので、この鉛直方向に形成された部分は、力伝達要素９の残りの部分に比べ、やや小さい。

次に図６Ｃは、第１補助要素１８の第２の機能を示している。回転動作中、伝達リブ１１は明らかに両側で案内されている。従来技術において、切断要素３は、切断プロセスのこの時点から、下から薄層穴に作用する力によってのみ、支持されていた。この図には、この支持機能の故の安全性の向上が極めて明確に示されている。水平回転動作を行えるように、どうすれば軸線方向に測定された高さＹ１を軸線方向に測定されたガイドリブ１７と第１安全要素１８との間の、この図ではＹ２で示されている、内法距離以下にできるかということも分かる。ここでも、長さＹ１およびＹ２は、水平伝達リブ１１が辛うじて案内されるように、しかも問題のない正確な摺動を可能にするために十分な隙間が依然として存在するように、選択されている。破線で示された第２部分１２は、回転動作中、切断要素３の伝達リブ１１がどのように前進するかを特に良く示している。

最後に、図７Ａは、どのように切断要素３が注ぎ口要素１の軸線を中心にほぼ１２０°回転されたかを示す。図７ｂおよび図７Ｃから分かるように、切断要素３が伝達リブ１１の第２部分１２を介してそれぞれの次の第１安全要素１８に当接しているとき、力伝達要素９と力伝達要素１０とが押し合わされ得るように、ねじ蓋２は、ねじ運動中、まだ上方に十分高く螺脱されていることも分かる。この押し合い後、ねじ蓋２は、切断要素３に最早直接接触せず、切断要素３はねじ蓋２と本体４との間に螺合対によってのみ保持される。この螺合対の長さおよびピッチに応じて、ねじ蓋２は、異なる長さだけ更に螺脱される。総回転角度は３６０°～４５０°が最適であると消費者によって見做されていることが分かっている。この例示的実施形態において、ねじ蓋２の総回転角度は４１０°であるが、ねじ蓋２が本体４から取り外される前に薄層穴の完全開口が保証されるように、切断要素はほぼ１２０°だけ駆動される。

図７Ｂおよび図７Ｃにおいては、第２部分１２が、回転方向に見て、次の第１安全要素１８にそれぞれ当接していることが容易に認識可能である。これらの図には、初回開口後の切断要素３の終端位置が示されている。ほぼこの時点から、力伝達要素９は力伝達要素１０に最早能動的に接触しない。注ぎ口要素１の再封時、各力伝達要素１０の後側の各力伝達要素９が内方に押されて外れるので、力伝達要素９は力伝達要素１０の傍を過ぎ去る。再開口時、これら要素は互いに係合し、ひいては切断要素３は包装体に向かって軸線方向に再度変位される。それぞれの要素の正確な設計および配置に応じて、１回目の動作と２回目の開口中の動作との間のこの中断は、当然異なる点で起こり得る。したがって、他の複数の実施形態においては、切断要素３のこの２回目の軸線方向動作の一部分が初回開口中に既に起こっていること、または長手方向軸線Ａを中心とした回転動作の最終部分が再開口中にのみ行われること、も可能であろう。

本発明は、提示されている例示的実施形態に限定されず、本発明の根底をなす概念から逸脱することなく、さまざまな構成に展開可能である。この目的のために、更なる好適な実施形態が従属請求項に提供されている。

このコンテキストにおいて、特にリブは忘れられるべきではない。上記のように、リブは、構成要素構造の長手方向に形成された補強部分である。このようなリブは、ここでは、例えば、切断要素を案内するために、本体の注出筒の内壁から突出している。勿論、本発明の大半の機能は、例えば、注出筒の壁から突出した、より小さな、少なくとも２つの要素によって果たすこともできる。これらの要素は、異なる形態を有してもよく、直線状に配置されることも可能である。換言すると、これは、複数の間隙が導入されているリブであろう。

Claims (12)

1. 注出筒（１５）および円周締結フランジ（１６）を有する本体（４）と、前記注出筒（１５）と同心円状に配置された、前記注出筒（１５）内を移動可能に案内される、中空円筒切断要素（３）と、再封可能なねじ蓋（２）とを備えた、積層包装体のための注ぎ口要素（１）であって、前記切断要素（３）は、前記積層包装体の初回開口のために、前記ねじ蓋（２）によって駆動可能であり、前記注出筒（１５）の内側に形成された少なくとも２つのガイドリブ（１７）と前記切断要素（３）の外側に形成された伝達手段とは、先ず少なくとも主に軸線方向に突刺するセグメントによって、次に、前記注出筒（１５）の長手方向軸線（Ａ）を中心に回転する直線セグメントによって、開口経路がプロットされるように、相応に連携し、前記切断要素（３）は、前記開口経路に沿って案内され得るように、配置される、注ぎ口要素（１）において、
   前記注出筒（１５）は少なくとも２つの第１安全要素（１８）を有し、前記少なくとも２つの第１安全要素（１８）は、前記少なくとも２つのガイドリブ（１７）と共に、前記切断要素（３）の前記伝達手段のための両側での案内を、前記開口経路の突刺セグメントおよび／または回転セグメントに沿って、実現するように設計されていることを特徴とする注ぎ口要素（１）。
2. 各ガイドリブ（１７）は、前記注出筒（１５）の長手方向軸線（Ａ）に垂直な平面に対して９０°～１２０°、好ましくは９０°、の角度（α）を形成することを特徴とする、請求項１に記載の注ぎ口要素。
3. 前記切断要素（３）上の前記伝達手段は、第１部分に円周方向に延在する少なくとも２つの伝達リブ（１１）として設計されていることを特徴とする、請求項１または２に記載の注ぎ口要素。
4. 各伝達リブ（１１）は、軸線方向に測定された高さ（Ｙ１）を有し、前記高さ（Ｙ１）は、ガイドリブ（１７）とこれに対応する第１安全要素（１８）との間の軸線方向に測定された内法距離（Ｙ２）の９０～９９％であることを特徴とする、請求項３に記載の注ぎ口要素。
5. 前記少なくとも２つの伝達リブ（１１）は、回転方向の前端に位置するそれぞれの端部に、前記第１部分から前記円周締結フランジ（１６）に向かって９０°～１２０°、好ましくは９０°、の角度（β）で延在する第２部分（１２）を有することを特徴とする、請求項３または４に記載の注ぎ口要素。
6. 前記第２部分（１２）の各々は、円周方向に測定された幅（Ｘ１）を有し、前記幅（Ｘ１）は、前記ガイドリブ（１７）とこれに対応する第１安全要素（１８）との間の円周方向に測定された内法距離（Ｘ２）の９０～９９％であることを特徴とする、請求項５に記載の注ぎ口要素。
7. 前記少なくとも２つの第１安全要素（１８）は、軸線方向に配置された長手方向リブとして設計され、前記開口プロセスの後、各長手方向リブは、前記切断要素（３）の前記少なくとも２つの伝達リブ（１１）のうちの２つによって側方から囲まれることを特徴とする、請求項３～６の何れか一項に記載の注ぎ口要素。
8. 前記開口経路の前記回転セグメントは、軸線方向セグメントの下流にも存在することを特徴とする、請求項７に記載の注ぎ口要素。
9. 前記円周方向に均等に分散された伝達手段としての３つの伝達リブ（１１）毎に、３つの対応するガイドリブ（１７）と３つの第１安全要素（１８）とが形成されていることを特徴とする、請求項１～８の何れか一項に記載の注ぎ口要素。
10. 前記円周締結フランジ（１６）から遠い前記注出筒（１５）の領域に、少なくとも１つの第２安全要素（１９）が取り付けられていることを特徴とする、請求項１～９の何れか一項に記載の注ぎ口要素。
11. 前記少なくとも１つの第２安全要素（１９）は、前記円周締結フランジ（１６）とは反対側の少なくとも１つの側が面取りされていることを特徴とする、請求項１０に記載の注ぎ口要素。
12. 追加の純粋回転セグメントが前記開口経路の上流にあり、前記切断要素（３）は、前記切断要素（３）が初期の保持位置に更に前記第２安全要素（１９）によって確実に保持されるように、配置されることを特徴とする、請求項１０または１１に記載の注ぎ口要素。

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