JP2023530974A - 筋ジストロフィーのためのアデノ随伴ウイルスベクター送達 - Google Patents

筋ジストロフィーのためのアデノ随伴ウイルスベクター送達 Download PDF

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Abstract

本開示は、対象の免疫系を抑制するステップと組み合わせて、小型化ヒトマイクロジストロフィン遺伝子を発現するアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターなどの遺伝子療法ベクターを投与することを含む、必要とする対象において筋ジストロフィーを治療する方法を提供する。

Description

本出願は、2020年6月15日に出願された米国仮出願第63/039,252号、2020年9月27日に出願された米国仮出願第63/083,953号、2021年3月12日に出願された米国仮出願第63/160,376号、及び2021年5月13日に出願された米国仮出願第63/188,266号に対する優先権を主張し、それらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
電子的に提出された資料の参照による組み込み
本出願は、本開示の別個の部分として、参照によりその全体が組み込まれ、ファイル名:55714_Seqlisting.txt、サイズ:83,380バイト、作成:2021年6月7日として認識されるコンピュータ可読形態の配列表を含む。
本開示は、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターなどの遺伝子治療ベクターを投与することと、対象の免疫系を抑制するステップと組み合わせて、小型化ヒトマイクロジストロフィン遺伝子又はβ-サルコグリカン遺伝子などの目的の導入遺伝子を発現させることと、を含む必要とする対象において、筋ジストロフィーなどの疾患を治療する方法を提供する。
運動及び呼吸などの日常活動、並びに全身代謝のための筋肉量及び筋力の重要性は明確である。筋肉機能の欠損は、筋力の低下及び消耗を特徴とし、生活の質に深刻な影響を及ぼす筋ジストロフィー(MD)を生じさせる。最もよく特性評価されたMDは、ジストロフィン結合タンパク質複合体(DAPC)のメンバーをコードする遺伝子の変異に起因する。これらのMDは、DAPCによる筋細胞膜-細胞骨格係留の喪失に関連する膜の脆弱性に起因する。デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、5000人に1人の新生児男性が罹患する最も壊滅的な筋肉疾患のうちの1つである。
DMDは、mRNAの減少と、ジストロフィン結合タンパク質複合体(DAPC)に結合する427kDの筋細胞膜タンパク質であるジストロフィンの欠如をもたらすDMD遺伝子の変異によって引き起こされる(Hoffman et al.,Cell 51(6):919-28,1987)。DAPCは、筋細胞膜の複数のタンパク質で構成され、細胞外マトリックス(ECM)と、アクチン結合タンパク質であるジストロフィン、及びラミニン結合タンパク質であるアルファジストログリカンを介した細胞骨格との構造的な連結を形成する。これらの構造的な連結は、収縮中に筋肉細胞膜を安定させ、収縮による損傷から保護するように作用する。ジストロフィンの喪失により、膜の脆弱性は筋細胞膜の裂離とカルシウムの流入をもたらし、カルシウム活性化プロテアーゼと分節線維壊死を引き起こす(Straub et al.,Curr Opin.Neurol.10(2):168-75,1997)。筋肉の変性と再生のこの制御不能のサイクルは、最終的に筋肉幹細胞集団を使い果たし(Sacco et al.,Cell,2010.143(7):p.1059-71;Wallace et al.,Annu Rev Physiol,2009.71:p.37-57)、進行性の筋力低下、筋内膜炎、及び線維性瘢痕をもたらす。
ジストロフィン又はマイクロジストロフィンによる膜の安定化がなければ、DMDは組織損傷と修復の制御不能なサイクルを示し、最終的に、結合組織の増殖を通じて喪失した筋線維を線維性瘢痕組織に置き換える。線維症は、コラーゲン及びエラスチンを含むECMマトリックスタンパク質の過剰な沈着を特徴とする。ECMタンパク質は、主に、ストレス及び炎症に反応する活性化線維芽細胞によって放出されるTGFβなどのサイトカインから生成される。DMDの主な病理学的特徴は筋線維の変性と壊死であるが、病理学的な結果としての線維症は同等の影響を及ぼす。線維組織の過剰産生は、筋肉の再生を制限し、DMD患者の進行性の筋力低下の一因となる。ある研究では、初期のDMD筋生検での線維症の存在は、10年間の追跡調査での運動転帰不良と高い相関があった(Desguerre et al.,J Neuropathol Exp Neurol,2009.68(7):p.762-7)。これらの結果は、線維症がDMD筋機能障害の主な原因であることを示しており、顕性線維症の前の早期介入の必要性を強調している。
MDのうちの別のグループは、MDの肢帯型筋群(LGMD)である。LGMDは、まれな状態であり、発症年齢、筋力低下の領域、心臓及び呼吸器の関与、進行速度、並びに重症度に関して、ヒトによって症状が異なる。LGMDは、小児期、青年期、若年成人期、又はそれ以降に始まる可能性がある。両方の性別が等しく影響を受ける。LGMDは、肩及び骨盤帯に衰弱を引き起こし、上肢及び腕の近くの筋肉も時間とともに衰弱することがある。脚の脱力感は、腕の脱力感よりも前に現れることがよくある。顔の筋肉は、通常影響を受けない。状態が進行するにつれて、人々は、歩行に問題を抱えることがあり、時間の経過とともに車椅子を使用する必要があるかもしれない。肩及び腕の筋肉が関与すると、腕を頭上に上げたり、物を持ち上げたりするのが困難になることがある。LGMDのタイプによっては、心臓及び呼吸筋が関与し得る。
LGMDのための専門の検査は、診断のための全国的な計画であるNational Commissioning Group(NCG)を通じて現在利用可能である。
DMD又はLGMDなどの筋ジストロフィーを治療するための遺伝子療法が開発されるにつれて、これらの療法を最適化し、最適化された遺伝子療法ベクターによってマイクロジストロフィン導入遺伝子の発現に対する免疫抑制の効果を評価する必要がある。
Hoffman et al.,Cell 51(6):919-28,1987 Straub et al.,Curr Opin.Neurol.10(2):168-75,1997 Sacco et al.,Cell,2010.143(7):p.1059-71 Wallace et al.,Annu Rev Physiol,2009.71:p.37-57 Desguerre et al.,J Neuropathol Exp Neurol,2009.68(7):p.762-7
本開示は、免疫抑制剤の投与と組み合わせて筋ジストロフィーを治療するために骨格筋に目的の導入遺伝子を発現する遺伝子療法ベクター、例えば、AAVに関する。加えて、本開示は、対象にAAV遺伝子療法を再投与する方法を含み、対象の血漿は、AAV遺伝子療法の初回投与に応答して産生されるAAV抗体を除去するために、治療的血漿交換(TPE)に供される。
本開示は、横隔膜及び心筋を含む骨格筋にマイクロジストロフィン遺伝子を発現して、筋線維を損傷から保護し、筋力を増加させ、免疫抑制剤の投与と組み合わせて線維症を低減及び/又は予防する遺伝子療法ベクター、例えば、AAVに関する。加えて、本開示は、対象にAAV遺伝子療法を再投与する方法を含み、対象の血漿は、対象が有する抗体への治療的血漿交換(TPE)に供され、AAV遺伝子療法の初回投与に応答して産生されるAAV抗体を除去する。
加えて、本開示は、免疫抑制剤の投与と組み合わせて横隔膜及び心筋を含む骨格筋にβ-サルコグリカン遺伝子を発現する遺伝子治療ベクター、例えば、AAVに関する。加えて、本開示は、対象にAAV遺伝子療法を再投与する方法を含み、対象の血漿は、対象が有する抗体への治療的血漿交換(TPE)に供され、AAV遺伝子療法の初回投与に応答して産生されるAAV抗体を除去する。
本開示は、マイクロジストロフィンを送達して、DMDにおいて観察される遺伝子欠損に対処するために遺伝子療法ベクターを使用して、筋力を増加させる及び/又は筋肉量を増加させるための療法及びアプローチを提供する。特に、本開示は、免疫抑制の持続時間、用量及び種類が変更された異なる免疫抑制療法を使用して、非ヒト霊長類モデルにおけるrAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンの全身送達の遺伝子発現を実証する研究を提供する。本開示はまた、TPEを使用して以前に投与された非ヒト霊長類からAAVウイルス抗体を除去し、かつrAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを使用して霊長類に全身的に再投与した後の、マイクロジストロフィン導入遺伝子発現を実証する研究を提供する。
本開示はまた、rAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンの投与前に抗AAVrh.74抗体でDMDに罹患しているヒト対象を治療するためのアプローチも提供し、対象は、rAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンの投与前にTPEの複数のセッションに供される。
本開示は、配列番号3、8又は9のヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供する。本開示はまた、配列番号9の核酸配列、又は配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号3のヌクレオチド55~5021を含むrAAV、及び配列番号9の核酸配列、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号3のヌクレオチド55~5021を含むrAAV粒子も提供する。
本開示の別の態様は、配列番号3、8又は9の核酸配列ヌクレオチド配列、配列番号9の核酸配列を含むrAAV、又は配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号3のヌクレオチド55~5021を含む組成物、及び配列番号9の核酸配列、又は配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号3のヌクレオチド55~5021を含むrAAV粒子を提供する。本明細書に開示される方法のいずれも、これらの組成物を用いて行うことができる。
加えて、本開示は、AAVrh.74.tMCK.CAP N3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05のうちの1つのrAAVゲノムを含む核酸を含む組成物を提供する。
本開示は、組換えアデノウイルス関連(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン及び抗炎症ステロイドを投与するステップを含む、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療する方法を提供する。加えて、本開示は、rAAV及び抗炎症ステロイドが同時に又は別々に併用投与されるように、組換えアデノウイルス関連(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンと、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療するための薬剤の調製のための抗炎症ステロイドとを含む併用療法の使用を提供し、例えば、rAAV及び抗炎症ステロイドは、同時に又は別々に併用投与される。本開示は、筋ジストロフィーを治療するための併用療法も提供し、この療法は、組換えアデノウイルス関連(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン及び抗炎症ステロイドを含み、かつrAAV及び抗炎症ステロイドは、別々に併用投与され、例えば、rAAV及び抗炎症ステロイドは、同時に又は別々に併用投与される。例えば、筋ジストロフィーは、DMD又はベッカー型筋ジストロフィーである。例えば、抗炎症ステロイドは、グルココルチコイドである。いくつかの実施形態では、抗炎症ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はデフラザコートである。いくつかの実施形態では、抗炎症ステロイドは、経口投与される。抗炎症ステロイドは、rAAVの投与前及び投与後の両方で投与されてもよい。代替的に、抗炎症ステロイドは、rAAVの投与前のみに又は投与後のみに投与される。
加えて、本開示は、組換えアデノウイルス関連(rAAV)及び抗炎症ステロイドを投与するステップを含む、肢帯型筋ジストロフィー治療を必要とするヒト対象において肢帯型筋ジストロフィーを治療する方法を提供し、rAAVは、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択される。加えて、本開示は、薬剤のrAAV及び抗炎症ステロイドが別々に併用投与されるように、例えば、rAAV及び抗炎症ステロイドが同時に又は連続的に併用投与されるように、肢帯型筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において肢帯型筋ジストロフィーを治療するための薬剤の調製のための組換えアデノウイルス関連(rAAV)及び抗炎症ステロイドを含む併用療法の使用であって、rAAVが、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択される、使用を提供する。本開示は、肢帯型筋ジストロフィーを治療するための併用療法も提供し、併用療法は、組換えアデノウイルス関連(rAAV)及び抗炎症ステロイドを含み、rAAVは、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択され、rAAV及び抗炎症ステロイドは、別々に併用投与され、例えば、rAAV及び抗炎症ステロイドは、同時に又は順次に併用投与される。例えば、抗炎症ステロイドは、グルココルチコイドである。いくつかの実施形態では、抗炎症ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はデフラザコートである。いくつかの実施形態では、抗炎症ステロイドは、経口投与される。抗炎症ステロイドは、rAAVの投与前及び投与後の両方で投与されてもよい。代替的に、抗炎症ステロイドは、rAAVの投与前のみに又は投与後のみに投与される。
例えば、本明細書に開示される方法、使用又は併用療法のいずれにおいても、抗炎症ステロイドは、rAAVの投与の約12時間前、又はrAAVの投与の約24時間前、又はrAAVの投与の約36時間前、又はrAAVの投与の約48時間前、又はrAAVの投与の約60時間前、又はrAAVの投与の約72時間前、又は投与の約96時間前に投与される。いくつかの実施形態では、炎症ステロイドは、rAAVの投与の約5日前、rAAVの投与の約6日前、rAAVの投与の約7日前、又はrAAVの投与の約8日前、又はrAAVの投与の約9日前、又はrAAVの投与の約10日前、又はrAAVの投与の約11日前、又はrAAVの投与の約12日前、又はrAAVの投与の約13日前、又はrAAVの投与の約14日前、又はrAAVの投与の約30日前に投与される。
加えて、開示される方法、使用又は併用療法のいずれにおいても、抗炎症ステロイドは、rAAVの投与の約7日前に少なくとも1日1回投与され、又はrAAVの投与の約14前に少なくとも1日1回投与され、又は21日に少なくとも1日1回投与され、又はrAAVの投与の約28日前に少なくとも1日1回投与され、又はrAAVの投与の約30日前に少なくとも1日1回投与され、又はrAAVの投与の約45日前に少なくとも1日1回投与され、又はrAAVの投与の約60日前に少なくとも1日1回投与される。いくつかの実施形態では、抗炎症ステロイドは、rAAVの投与の30~60日前に投与される。
例えば、開示される方法、使用又は併用療法のいずれにおいても、抗炎症ステロイドは、rAAVの投与の前に投与され、かつ抗炎症ステロイドは、rAAVの投与後1日目~30日までに少なくとも1日1回、rAAVの投与後1~60日までに少なくとも1日1回、又はrAAVの投与後1~7日までに少なくとも1日1回、又はrAAVの投与後1~14日までに少なくとも1日1回、又はrAAVの投与後1~21日までに少なくとも1日1回、又はrAAVの投与後1~24日までに少なくとも1日1回、又はrAAVの投与後1~28日までに少なくとも1日1回、又はrAAVの投与後少なくとも1~30日までに、又はrAAVの投与後少なくとも30~60日までに投与される。
本明細書に開示される方法、使用又は併用療法のいずれにおいても、抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与の前に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与の少なくとも7日前に投与される。抗CD20特異的抗体という用語は、CD20に特異的に結合するか、又はCD20の発現若しくは活性を阻害若しくは低減する抗体を指す。例示的な抗CD20抗体には、リツキシマブ、オクレリズマブ、又はオファツムマブが含まれる。
開示される方法、使用又は併用療法のいずれかにおいても、抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与の約60日前、又はrAAVの投与の約45日前、又はrAAVの投与の約30日前、rAAVの投与の約14日前、rAAVの投与の約7日前、及びrAAVの投与の約24時間以内に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、rAAVの投与の30~60日前に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与後に投与される。例えば、抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与前及び投与後の両方で投与される。代替的に、抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与前に投与されるか、又は抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与後に投与される。
加えて、開示される方法、使用又は併用療法のいずれにおいても、免疫抑制マクロライドを投与することを含んでもよい。免疫抑制マクロライドという用語は、対象の免疫系を抑制又は調節するマクロライド剤を指す。マクロライドは、クラジノース又はデソアミンなどの1つ以上のデオキシ糖が付着した大きな大環状ラクトン環を含む薬剤のクラスである。ラクトン環は通常、14、15、又は16員である。マクロライドは、ポリケチドクラスの薬剤に属し、天然産物であり得る。免疫抑制マクロライドの例には、タクロリムス、ピメクロリムス、及びシロリムスが含まれる。いくつかの実施形態では、免疫抑制マクロライドは、対象に経口投与される。いくつかの実施形態では、免疫抑制マクロライドは、rAAVの投与前及びrAAVの投与後の両方で投与されてもよい。代替的に、免疫抑制マクロライドは、投与前に投与されるか、又はrAAV若しくは免疫抑制マクロライドは、rAAVの投与後に投与される。
いくつかの実施形態では、免疫抑制マクロライドは、rAAVの投与の少なくとも3日前に少なくとも1日1回投与される、又はrAAVの投与の少なくとも4日前に投与される、又はrAAVの投与の少なくとも5日前に投与される、又はrAAVの投与の少なくとも6日前に投与される、rAAVの投与の少なくとも7日前に投与される、又はrAAVの投与の少なくとも10日前に投与される、又は投与の少なくとも14日前に投与される、又はrAAVの投与の少なくとも30日前に投与される、又はrAAVの投与の少なくとも45日前に投与される、又はrAAVの投与の少なくとも60日前に投与される。いくつかの実施形態では、免疫抑制マクロライドは、rAAVの投与の30~60日前に投与される。
本開示はまた、組換えアデノウイルス関連(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン及び免疫抑制レジメンを投与することを含む、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療する方法も提供し、免疫抑制レジメンは、抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、及び免疫抑制マクロライドのうちの1つ以上を投与することを含む。本開示はまた、組換えアデノウイルス関連(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンと、必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療するための薬剤の調製のための免疫抑制レジメンとを含む併用療法の使用も提供し、免疫抑制レジメンは、抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、及び免疫抑制マクロライドのうちの1つ以上を投与することを含み、例えば、開示される薬剤において、rAAV及び免疫抑制レジメンの1つ以上の成分は、別々に併用投与され、例えば、rAAV及び免疫抑制レジメンの1つ以上の成分は、同時に又は連続的に併用投与される。本開示はまた、必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療するための併用療法も提供し、併用療法は、組換えアデノウイルス関連(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン及び免疫抑制レジメンを含み、かつrAAV及び免疫抑制レジメンは、別々に併用投与され、例えば、rAAV及び免疫抑制レジメンの1つ以上の成分は、同時に又は連続的に併用投与される。免疫抑制レジメンという用語は、対象の免疫系を抑制又は調節する治療又は療法の方法を指す。このレジメンは、1つ以上の免疫抑制剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、免疫抑制レジメンは、抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、及び免疫抑制マクロライドを投与することを含む。
本開示はまた、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択される組換えアデノウイルス関連(rAAV)と、免疫抑制レジメンとを投与することを含む、肢帯型筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において肢帯型筋ジストロフィーを治療する方法も提供し、免疫抑制レジメンは、抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、及び免疫抑制マクロライドのうちの1つ以上を投与することを含む。本開示はまた、必要とするヒト対象において肢帯型筋ジストロフィーを治療するための薬剤の調製のための、rAAV及び免疫抑制レジメンを含む併用療法の使用を提供し、rAAVは、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択されるrAAV組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を含み、免疫抑制レジメンは、抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、及び免疫抑制マクロライドのうちの1つ以上を投与することを含み、例えば、開示される薬剤において、rAAV及び免疫抑制レジメンの1つ以上の成分は、別々に併用投与され、例えば、rAAV及び免疫抑制レジメンのうちの1つ以上の成分は、同時に又は連続的に併用投与される。本開示はまた、肢帯型筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において肢帯型筋ジストロフィーを治療するための併用療法も提供し、併用療法は、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択される組換えアデノウイルス関連(rAAV)を含み、免疫抑制レジメンは、抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、及び免疫抑制マクロライドのうちの1つ以上を投与することを含み、rAAV及び免疫抑制レジメンの1つ以上の成分は、別々に併用投与され、例えば、rAAV及び免疫抑制レジメンのうちの1つ以上の成分は、同時に又は連続的に併用投与される。いくつかの実施形態では、免疫抑制レジメンは、抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、及び免疫抑制マクロライドを投与することを含む。
1つの例示的な免疫抑制レジメンでは、抗炎症ステロイドは、rAAVの投与の約24時間前に投与される。別の例示的な免疫抑制レジメンでは、抗炎症ステロイドは、rAAVの投与前に投与され、かつ抗炎症ステロイドは、rAAVの投与後1日目~30日までに少なくとも1日1回投与されるか、又は抗炎症ステロイドは、rAAVの投与後1日目~60日までに少なくとも1日1回投与される。
開示される免疫抑制レジメンのいずれにおいても、抗炎症ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はデフラザコートなどのグルココルチコイドである。いくつかの実施形態では、抗炎症ステロイドは、経口投与される。
更なる例示的な免疫抑制レジメンでは、rAAVの投与前に抗CD20特異的抗体。例えば、抗CD20抗体は、血管内注入によって投与される。例示的な抗CD20特異的抗体には、リツキシマブ、オクレリズマブ又はオファツムマブが含まれる。
一実施形態では、抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与の少なくとも14日前に投与される。別の実施形態では、抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与の約60日前、rAAVの投与の約45日前、rAAVの投与の約30日前、rAAVの投与の14日前、rAAVの投与の約7日前及びrAAVの投与の約24時間以内に投与される。加えて、抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与前に30~60日間投与される。開示される免疫抑制レジメンはまた、rAAVの投与後に抗CD20特異的抗体を投与することも含む。
加えて、開示される免疫抑制レジメンは、rAAVの投与前に少なくとも3日間、少なくとも1日1回、免疫抑制マクロライドを投与することを含む。免疫抑制レジメンはまた、rAAVの投与後に免疫抑制マクロライドを投与することを含んでもよい。開示される免疫抑制レジメンのいずれにおいても、免疫抑制マクロライドは、経口投与される。例示的な免疫抑制マクロライドには、タクロリムス、ピネクロリムス又はシロリムスが含まれる。
いくつかの実施形態では、開示される免疫抑制レジメンは、rAAVの投与の30~60日前に投与される。加えて、免疫抑制レジメンは、rAAVの投与の約60日前、rAAVの投与の約45日前、rAAVの投与の約30日前、rAAVの投与の約14日前、rAAVの投与の約7日前、rAAVの投与の約24時間前に投与される。
特定の実施形態では、本開示は、組換えアデノウイルス関連(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン及び免疫抑制レジメンを投与することを含む、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療する方法を提供し、免疫抑制レジメンは、i)rAAVの投与の約24時間前に抗炎症ステロイドを経口投与し、rAAVの投与後1日目~30日までに少なくとも1日1回、抗炎症ステロイドを投与するか、又はrAAVの投与後1日目~60日までに少なくとも1日1回、抗炎症ステロイドを投与するステップと、ii)rAAVの投与の約14日前、rAAVの投与の約7日前、及び約24時間以内に抗CD20抗体を静脈内投与し、任意選択で、rAAVの投与後に抗CD20抗体を投与するステップと、iii)rAAVの投与前に少なくとも3日間、少なくとも1日1回、免疫抑制マクロライドを経口投与し、任意選択で、rAAVの投与後に免疫抑制マクロライドを投与するステップとを含む。例えば、抗炎症ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はデフラザコートであり、抗CD20特異的抗体は、リツキシマブ、オクレリズマブ、若しくはオファツムマボン、又はそれ以上の抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、若しくは免疫抑制マクロライドであり、かつ免疫抑制マクロライドは、タクロリムス、ピネクロリムス又はシロリムスである。例示的な実施形態では、免疫抑制レジメンは、抗炎症ステロイドプレドニゾン又はプレドニゾロン、抗CD20抗体リツキシマブ、及び免疫抑制マクロライドシロリムスを含む。
また、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療するための薬剤の調製のための、rAAV及び免疫抑制レジメンを含む併用療法の使用も提供し、rAAVは、rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンであり、免疫抑制レジメンは、i)rAAVの投与の約24時間前に抗炎症ステロイドを経口投与し、rAAVの投与後1日目~30日までに少なくとも1日1回、抗炎症ステロイドを投与するか、又はrAAVの投与後1日目~60日までに少なくとも1日1回、抗炎症ステロイドを投与することと、ii)rAAVの投与の約14日前、rAAVの投与の約7日前及びrAAVの投与の約24時間以内に抗CD20抗体を静脈内投与し、任意選択で、rAAVの投与後に抗CD20抗体を投与することと、iii)rAAVの投与前に少なくとも3日間、少なくとも1日1回免疫抑制マクロライドを経口投与し、任意選択で、rAAVの投与後に免疫抑制マクロライドを投与することとを含む。例えば、抗炎症ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はデフラザコートであり、抗CD20特異的抗体は、リツキシマブ、オクレリズマブ、若しくはオファツムマボン、又はそれ以上の抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、若しくは免疫抑制マクロライドであり、かつ免疫抑制マクロライドは、タクロリムス、ピネクロリムス又はシロリムスである。例示的な実施形態では、免疫抑制レジメンは、抗炎症ステロイドプレドニゾン又はプレドニゾロン、抗CD20抗体リツキシマブ、及び免疫抑制マクロライドシロリムスを含む。
本開示は、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療するためのrAAV及び免疫抑制レジメンを含む併用療法を提供し、rAAVは、rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンであり、かつ免疫抑制レジメンは、rAAV投与の約24時間前に抗炎症ステロイドを経口投与し、rAAV投与後1日目~30日までに少なくとも1日1回抗炎症ステロイドを経口投与するか、又はrAAVの投与後1日目~60日までに少なくとも1日1回抗炎症ステロイドを投与することと、ii)rAAVの投与の約14日前、rAAVの投与の約7日前及びrAAVの投与の約24時間以内に、抗CD20抗体を静脈内投与し、任意選択で、rAAVの投与後に抗CD20抗体を投与することと、iii)rAAVの投与前に少なくとも3日間、少なくとも1日1回免疫抑制マクロライドを経口投与し、任意選択で、rAAVの投与後に免疫抑制マクロライドを投与することとを含む。例えば、抗炎症ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はデフラザコートであり、抗CD20特異的抗体は、リツキシマブ、オクレリズマブ、若しくはオファツムマボン、又はそれ以上の抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、若しくは免疫抑制マクロライドであり、かつ免疫抑制マクロライドは、タクロリムス、ピネクロリムス又はシロリムスである。例示的な実施形態では、免疫抑制レジメンは、抗炎症ステロイドプレドニゾン又はプレドニゾロン、抗CD20抗体リツキシマブ、及び免疫抑制マクロライドシロリムスを含む。
別の特定の実施形態では、本開示は、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択される組換えアデノウイルス関連(rAAV)と、免疫抑制レジメンとを投与することを含む、肢帯型筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において肢帯型筋ジストロフィーを治療する方法を提供し、免疫抑制レジメンは、i)rAAVの投与の約24時間前に抗炎症ステロイドを経口投与し、rAAVの投与後1日目~30日までに少なくとも1日1回、抗炎症ステロイドを投与するか、又は抗炎症ステロイドが、rAAVの投与後1日目~60日までに少なくとも1日1回投与されるステップと、ii)rAAVの投与の約14日前、rAAVの投与の7日前及びrAAVの投与の約24時間以内に抗CD20抗体を静脈内投与し、任意選択で、rAAVの投与後に抗CD20抗体を投与するステップと、iii)rAAVを投与する前に少なくとも3日間、少なくとも1日1回、免疫抑制マクロライドを経口投与し、任意選択で、rAAVの投与後に免疫抑制マクロライドを投与するステップとを含む。
別の特定の実施形態では、本開示は、肢帯型筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において肢帯型筋ジストロフィーを治療するための薬剤の調製のための、rAAV及び免疫抑制レジメンを含む併用療法の使用を提供し、rAAVは、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択され、免疫抑制レジメンは、i)rAAVの投与の約24時間前に抗炎症ステロイドを経口投与し、rAAVの投与後1日目~30日までに少なくとも1日1回、抗炎症ステロイドを投与するか、又は抗炎症ステロイドが、rAAVの投与後1日目~60日までに少なくとも1日1回投与されることと、ii)rAAVの投与の約14日前、rAAVの投与の約7日前及びrAAVの投与の約24時間以内に抗CD20抗体を静脈内投与し、任意選択で、rAAVの投与後に抗CD20抗体を投与することと、iii)rAAVの投与前に少なくとも3日間、少なくとも1日1回免疫抑制マクロライドを経口投与し、任意選択で、rAAVの投与後に免疫抑制マクロライドを投与することとを含む。
別の特定の実施形態では、本開示は、肢帯型筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において肢帯型筋ジストロフィーを治療するためのrAAV及び免疫抑制レジメンを含む併用療法を提供し、rAAVは、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択され、かつ免疫抑制レジメンは、i)rAAV投与の約24時間前に抗炎症ステロイドを経口投与し、rAAV投与後1日目~30日までに少なくとも1日1回抗炎症ステロイドを経口投与するか、又は抗炎症ステロイドが、rAAVの投与後1日目~60日までに少なくとも1日1回投与されることと、ii)rAAVの投与の約14日前、rAAVの投与の約7日前及びrAAVの投与の約24時間以内に、抗CD20抗体を静脈内投与し、任意選択で、rAAVの投与後に抗CD20抗体を投与することと、iii)rAAVの投与前に少なくとも3日間、少なくとも1日1回免疫抑制マクロライドを経口投与し、任意選択で、rAAVの投与後に免疫抑制マクロライドを投与することとを含む。
別の実施形態では、本開示は、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療する方法であって、アデノウイルス関連(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンの第2の用量の投与前に少なくとも1回の治療的血漿交換(TPE)に対象の血漿を供することを含み、対象が、TPEに供せられる前にrAAVの第1の用量を投与された、方法を提供する。
別の実施形態では、本開示は、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療するための併用療法の使用を提供し、この併用療法は、アデノウイルス関連(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンの第2の用量の投与前に少なくとも1回の治療的血漿交換(TPE)に対象の血漿を供し、対象は、TPEに供せられる前にrAAVの第1の用量を投与された。
別の実施形態では、本開示は、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療するための併用療法を提供し、この併用療法は、アデノウイルス関連(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンの第2の用量の投与前に少なくとも1回の治療的血漿交換(TPE)に対象の血漿を供し、対象は、TPEに供せられる前にrAAVの第1の用量を投与された。
本開示は、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療する方法であって、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択される組換えアデノウイルス関連(rAAV)の第2の用量の投与前に、少なくとも1回の治療的血漿交換(TPE)に対象の血漿を供することを含み、対象は、TPEに供せられる前にrAAVの第1の用量を投与された、方法を提供する。
更なる実施形態では、本開示は、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療する方法であって、a)組換えアデノウイルス関連(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンの第1の用量を投与するステップと、b)少なくとも1回の治療的血漿交換(TPE)に対象の血漿の投与するステップと、c)rAAVの第2の用量を投与するステップとを含む、方法を提供する。開示される方法のいずれにおいても、対象の血漿は、第2の用量又はrAAVの投与前に、少なくとも2回のTPE又は少なくとも3回のTPEに供される。いくつかの実施形態では、対象の血漿は、rAAVの第2の用量の投与前に少なくとも4回のTPEに供されるか、又は対象の血漿は、rAAVの第2の用量の投与前に5回のTPEに供されるか、又は対象の血漿は、rAAVの第2の用量の投与前に6回のTPEに供されるか、又は対象の血漿は、rAAVの第2の用量の投与前に7回のTPEに供される。
別の実施形態では、本開示は、肢帯型筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において肢帯型筋ジストロフィーを治療する方法であって、
a)AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択される組換えアデノウイルス関連の第1の用量を投与するステップと、b)少なくとも1回の治療的血漿交換(TPE)に対象の血漿を供するステップと、c)第2の用量又はrAAVを投与するステップとを含む、方法を提供する。開示される方法のいずれにおいても、対象の血漿は、第2の用量又はrAAVの投与前に、少なくとも2回のTPE又は少なくとも3回のTPEに供される。いくつかの実施形態では、対象の血漿は、rAAVの第2の用量の投与前に少なくとも4回のTPEに供されるか、又は対象の血漿は、rAAVの第2の用量の投与前に5回のTPEに供されるか、又は対象の血漿は、rAAVの第2の用量の投与前に6回のTPEに供されるか、又は対象の血漿は、rAAVの第2の用量の投与前に7回のTPEに供される。
更なる実施形態では、本開示は、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療する方法であって、a)組換えアデノウイルス関連(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンを投与する前に、少なくとも1回の治療的血漿交換(TPE)に対象の血漿を供するステップと、b)rAAVを投与するステップとを含む、方法を提供する。開示される方法のいずれにおいても、対象の血漿は、rAAVを投与する前に少なくとも2回のTPEに、rAAVを投与する前に少なくとも3回のTPEに、rAAVを投与する前に少なくとも4回のTPEに、rAAVを投与する前に少なくとも5回のTPEに、rAAVを投与する前に少なくとも6回のTPEに、又はrAAVを投与する前に少なくとも7回のTPEに供される。これらの開示された方法では、対象は、rAAVの投与の約24時間前に抗炎症ステロイドを投与される。加えて、いくつかの実施形態では、対象は、rAAVの投与後1日目~60日までに少なくとも1日1回、抗炎症ステロイドを投与される。例えば、抗炎症ステロイドは、経口投与される。加えて、抗炎症ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はデフラザコートなどのグルココルチコイドである。
加えて、本開示は、肢帯型筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において肢帯型筋ジストロフィーを治療する方法であって、a)AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択される組換えアデノウイルス(rAAV)を投与する前に、少なくとも1回の治療的血漿交換(TPE)に対象の血漿を供するステップと、b)rAAVを投与するステップとを含む、方法を提供する。開示された方法のいずれにおいても、対象の血漿は、rAAVを投与する前に少なくとも2回のTPEに、rAAVを投与する前に少なくとも3回のTPEに、rAAVを投与する前に少なくとも4回のTPEに、rAAVを投与する前に少なくとも5回のTPEに、rAAVを投与する前に少なくとも6回のTPEに、又はrAAVを投与する前に少なくとも7回のTPEに供される。これらの開示された方法では、対象は、rAAVの投与の約24時間前に抗炎症ステロイドを投与される。加えて、いくつかの実施形態では、対象は、rAAVの投与後1日目~60日までに少なくとも1日1回、抗炎症ステロイドを投与される。例えば、抗炎症ステロイドは、経口投与される。加えて、抗炎症ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はデフラザコートなどのグルココルチコイドである。
開示される方法のいずれにおいても、対象の血漿は、rAAVの投与前に少なくとも9日間、投与の少なくとも7日前、投与の5日前、又は投与の2日前に、TPEに供される。加えて、rAAVの投与前に対象の血漿に対して実施されるTPEのセッション間には、約24~約48時間がある。特定の実施形態において、被験体の血漿は、rAAVの投与前に少なくとも2回のTPEに供され、TPEの間には約48時間がある。
本開示に記載の方法のいずれにおいても、対象は、rAAVの投与時に約1:400以下の抗AAVrh.74抗体のレベルを有する。例えば、対象は、rAAVの投与時に約1:100~約1:400の抗AAVrh.74抗体のレベル、又は約1:100~1:300の抗AAVrh.74抗体のレベル、又は約1:100~1:200の抗AAVrh.74抗体のレベル、又は約1:250~1:500の抗AAVrh.74抗体のレベル、又は約1:200~1:400の抗AAVrh.74抗体のレベルを有する。抗体力価は、総抗体結合力価として決定される。筋ジストロフィーを治療する開示された方法のいずれにおいても、これらの方法は、更に、当該対象の血清又は血漿中の抗AAVrh.74抗体の存在を決定するステップを含む。抗AAVrh.74抗体の存在を決定するステップは、rAAVの投与前、rAAVの投与後、免疫応答若しくは有害事象が観察される前、又は免疫応答若しくは有害事象が観察された後に、実施され得る。加えて、この決定するステップは、免疫抑制レジメン又はTPEを投与するステップの前に、実行され得る。例えば、この決定するステップは、当該対象への任意のAAVの投与の前に実行されるか、又はこの決定ステップは、当該対象への任意のAAVrh.74の投与の前に実行される。
本開示はまた、当該対象の血清又は血漿中の抗AAVrh.74抗体のレベルを陽性対照と比較するステップを更に含む方法も提供する。例えば、陽性対照は、抗AAVrh.74モノクローナル抗体を利用する。
開示される方法のいずれにおいても、抗AAVrh.74の存在の決定は、免疫蛍光アッセイ、免疫組織化学的アッセイ、ウエスタンブロット、直接酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、間接ELISA、サンドイッチELISA、競合ELISA、リバースELISA、化学発光アッセイ、ラジオイムノアッセイ、又は免疫沈降アッセイを利用して決定されてもよい。
開示された方法のいずれにおいても、抗AAVrh.74抗体の存在を決定するステップは、NYGMN(配列番号20)、DYGMN(配列番号22)、YTFTNYGMN(配列番号21)、及びYTFTKYGMN(配列番号23)からなる群から選択されるVH CDR1アミノ酸配列を含むモノクローナル抗体、又はWINTYTGEPTYADDFKG(配列番号24)、WINTNTGEPTYGDDFKG(配列番号25)、及びWMGWINTYTGEPTY(配列番号26)からなる群から選択されるVH CDR2アミノ酸配列を含むモノクローナル抗体、又はGVAHYSDSRFAFDY(配列番号27)、GNAHPGGSAFVY(配列番号28)、RGSYYYDSSPAWFAY(配列番号29)、RGVDSSGYGAFAY(配列番号30)、及びTRGTSTMISTFAFVY(配列番号31)からなる群から選択されるVH CDR3アミノ酸配列を含むモノクローナル抗体、又はSVSSSVSYMH(配列番号32)、SASSGVTYMH(配列番号33)、SSVSYMH(配列番号34)、及びSSVRYMH(配列番号35)からなる群から選択されるVL CDR1アミノ酸配列を含むモノクローナル抗体、又はYTSNLAS(配列番号36)、RTSNLAS(配列番号37)、LWIYSTSNLAS(配列番号38)、及びVWIYSTSNLAS(配列番号39)からなる群から選択されるVL CDR2アミノ酸配列を含むモノクローナル抗体、又はQQRSSYPFT(配列番号40)、QQRSTYPF(配列番号41)、QQRSFYPF(配列番号42)、及びQQRTYYPF(配列番号43)からなる群から選択されるVH CDR3アミノ酸配列を含むモノクローナル抗体を利用することを含む。
例示的な実施形態では、開示される方法は、配列番号10、12、14、16、若しくは18に示される可変重鎖(VH)配列を含むモノクローナル抗体、又は配列番号11、13、15、17、若しくは19に示される可変軽鎖(VL)配列を含むモノクローナル抗体などの抗AAVrh.74モノクローナル抗体を利用して、抗AAVrh.74抗体の存在を決定するステップを含む。
更なる実施形態では、開示される方法は、配列番号10、12、14、16、又は18に示される可変重鎖(VH)配列を含む抗AAVrh.74モノクローナル抗体、及び配列番号11、13、15、17、又は19に示される可変軽鎖(VL)配列を利用して、抗AAVrh.74抗体の存在を決定するステップを含む。
開示される方法のいずれにおいても、抗AAVrh.74抗体の存在を決定するステップは定量的であり、当該対象は、当該定量に基づいて抗AAVrh.74抗体について血清陽性として特定され、当該免疫抑制レジメン又はTPEは、血清陽性対象に選択的に投与される。本明細書に開示される方法のいずれにおいても、rAAVは、約5.0×1012vg/kg~約1.0×1015vg/kgの用量で投与の全身経路によって投与される。筋ジストロフィーは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー又はベッカー型筋ジストロフィーであり得る。
例えば、投与されるrAAVの用量は、約5.0x1012vg/kg~約1.0x1014vg/kg、又は約5.0x1012vg/kg~1.0x1014vg/kg、又は約5.0x1012vg/kg~約2.0x1014vg/kg、又は約5.0x1012vg/kg~約1.0x1014vg/kg、又は約5.0x1012vg/kg~約5.0x1013vg/kg、又は約5.0x1012vg/kg~約2.0x1013vg/kg、又は約5.0x1012vg/kg~約1.0x1013vg/kg、又は1.0x1014vg/kg~約1.0x1015vg/kg、又は1.0x1013vg/kg~約1.0x1014vg/kg、又は約1.0x1013vg/kg~約1.0x1014vg/kg、又は約1.0x1013vg/kg~約2.0x1014vg/kg、又は約1.0x1013vg/kg~約1.0x1014vg/kg、又は約1.0x1013vg/kg~約5.0x1013vg/kg、又は約1.0x1013vg/kg~約3.0x1014vg/kg、又は約1.0x1013vg/kg~約5.0x1014vg/kg、又は約1.0x1013vg/kg~約6.0x1014vg/kg、又は1.0x1013vg/kg~約1.0x1015vg/kg、又は5.0x1013vg/kg~約1.0x1014vg/kg、又は約5.0x1013vg/kg~1.0x1014vg/kg、又は約5.0x1013vg/kg~約2.0x1014vg/kg、又は約5.0x1013vg/kg~約1.0x1014vg/kg、又は約5.0x1013vg/kg~約3.0x1014vg/kg、又は約5.0x1013vg/kg~約5.0x1014vg/kg、又は約5.0x1013vg/kg~約6.0x1014vg/kg、又は5.0x1013vg/kg~約1.0x1015vg/kg、又は1.0x1014vg/kg~約6.0x1014vg/kg、又は1.0x1014vg/kg~約5.0x1014vg/kg、又は1.0x1014vg/kg~約4.0x1014vg/kg、又は1.0x1014vg/kg~約1.0x1015vg/kg、又は1.0x1014vg/kg~約3.0x1014vg/kg、又は約1.0x1014vg/kg~約2.5x1014vg/kg、又は1.0x1014vg/kg~約2.0x1014vg/kg、又は約1.25x1014vg/kg~約3.75x1014vg/kg、又は約1.25x1014vg/kg~6.0x1014、又は約1.25x1014vg/kg~5.0x1014、又は約1.25x1014vg/kg~4.0x1014、又は約1.25x1014vg/kg~1.0x1015、又は約1.25x1014vg/kg~約3.5x1014vg/kg、又は約1.25x1014vg/kg~約3.0x1014vg/kg、又は約1.25x1014vg/kg~約2.75x1014vg/kg、又は約1.25x1014vg/kg~約2.5x1014vg/kg、又は約1.25x1014vg/kg~約2.0x1014vg/kg、又は1.25x1014vg/kg~約3.75x1014vg/kg、又は約1.25x1014vg/kg~約3.5x1014vg/kg、又は1.5x1014vg/kg~1.0x1015vg/kg、又は約1.5x1014vg/kg~6.0x1014、又は約1.5x1014vg/kg~5.0x1014、又は約1.5x1014vg/kg~4.0x1014、又は約1.5x1014vg/kg~約3.75x1014、又は約1.5x1014vg/kg~約3.5x1014vg/kg、又は約1.5x1014vg/kg~約3.25x1014vg/kg、又は約1.5x1014vg/kg~約3.0x1014vg/kg、又は約1.5x1014vg/kg~約2.75x1014vg/kg、又は約1.5x1014vg/kg~約2.5x1014vg/kg、又は約1.5x1014vg/kg~約2.0x1014vg/kg、又は1.75x1014vg/kg~約1.0x1015vg/kg、又は約1.75x1014vg/kg~6.0x1014、又は約1.75x1014vg/kg~5.0x1014、又は約1.75x1014vg/kg~4.0x1014、又は約1.75x1014vg/kg~約3.75x1014vg/kg、又は約1.75x1014vg/kg~約3.5x1014vg/kg、又は約1.75x1014vg/kg~約3.25x1014vg/kg、又は約1.75x1014vg/kg~約3.0x1014vg/kg、又は約1.75x1014vg/kg~約2.75x1014vg/kg、又は約1.75x1014vg/kg~約2.5x1014vg/kg、又は約1.75x1014vg/kg~約2.25x1014vg/kg、又は約1.75x1014vg/kg~約2.0x1014vg/kg、又は約2.0x1014vg/kg~約1.0x1015、又は約2.0x1014vg/kg~6.0x1014、又は約2.0x1014vg/kg~5.0x1014、又は約2.0x1014vg/kg~約4.0x1014vg/kg、又は約2.0x1014vg/kg~約3.75x1014vg/kg、又は約2.0x1014vg/kg~約3.5x1014vg/kg、又は約2.0x1014vg/kg~約3.25x1014vg/kgである。
一実施形態では、本開示の方法は、rAAVを全身投与することを含み、投与の全身経路は、静脈内経路であり、投与されるrAAVの用量は、約2.0×1014vg/kgである。別の実施形態では、本開示の方法は、rAAVを全身投与することを含み、投与の全身経路は静脈内経路であり、投与されるrAAVの用量は、約5.0×1012vg/kg、又は約6.0×1012vg/kg、又は約7.0×1012vg/kg、又は約8.0×1012vg/kg、又は約9.0×1012vg/kg、又は約1.0×1013vg/kg、又は約1.25×1013vg/kg、又は約1.5×1013vg/kg、又は約1.75×1013vg/kg、又は約2.25×1013vg/kg、又は約2.5×1013vg/kg、又は約2.75×1013vg/kg、又は約3.0×1013vg/kg、又は約3.25×1013vg/kg、又は約3.5×1013vg/kg、又は約3.75×1013vg/kg、又は約4.0×1013vg/kg、又は約5.0×1013vg/kg、又は約6.0×1013vg/kg、又は約7.0×1013vg/kg、又は約8.0×1013vg/kg、又は約9.0×1013vg/kg、又は約1.0×1014vg/kg、又は約1.25×1014vg/kg、又は約1.5×1014vg/kg、又は約1.75×1014vg/kg、又は約2.25×1014vg/kg、又は約2.5×1014vg/kg、又は約2.75×1014vg/kg、又は約3.0×1014vg/kg、又は約3.25×1014vg/kg、又は約3.5×1014vg/kg、又は約3.75×1014vg/kg、又は約4.0×1014vg/kg、又は約5.0×1014vg/kg、又は約6.0×1014vg/kg、又は約1×1015vg/kgである。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン又はAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、rAAVは、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977又は配列番号6のヌクレオチド56~5022である。一実施形態では、rAAVは、配列番号5のヌクレオチド56~4820のAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。
本開示の方法、併用療法又は使用のいずれにおいても、rAAVの用量は、約5mL/kg~約15mL/kg、又は約8mL/kg~約12mL/kg、又は8mL/kg~約10mL/kg、又は5mL/kg~約10mL/kg、又は約10mL/kg~12mL/k、又は約10mL/kg~15mL/kg又は10mL/kg~約20mL/kgで投与され得る。特定の実施形態では、用量又はrAAVは、約10mL/kgで投与される。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン又はAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、rAAVは、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977又は配列番号6のヌクレオチド56~5022である。一実施形態では、rAAVは、配列番号5のヌクレオチド56~4820のAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。
本開示の方法、併用療法又は薬剤のいずれにおいても、rAAVの用量は、注射、注入又は移植によって投与され得る。例えば、rAAVの用量は、約1時間にわたる注入によって投与される。加えて、rAAVの用量は、末梢腕静脈又は末梢脚静脈などの末梢四肢静脈を介する静脈内経路によって投与される。代替的に、注入は、約30分、又は約1.5時間、又は約2時間、又は約2.5時間、又は約3時間にわたって投与され得る。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンは、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977又は配列番号6のヌクレオチド56~5022である。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンは、配列番号5のヌクレオチド56~4820のAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。
本開示の方法、併用療法又は使用のいずれによっても投与されるrAAVは、配列番号1のヒトマイクロジストロフィンヌクレオチド配列、配列番号2又は配列番号7のMHCK7プロモーター配列を含み得る。加えて、本開示の方法のいずれによっても投与されるrAAVは、配列番号1のヒトマイクロジストロフィンヌクレオチド配列及び配列番号2又は配列番号7のMHCK7プロモーター配列を含む。例えば、rAAVは、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977又は配列番号6のヌクレオチド56~5022を含み得る。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンは、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977又は配列番号6のヌクレオチド56~5022である。
一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンは、配列番号5のヌクレオチド56~4820のAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。
本開示の方法、併用療法又は使用のいずれにおいても、投与されるrAAVは、AAVrh.74についての血清型のものである。
いくつかの実施形態では、本開示の方法、併用療法又は使用は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー又はベッカー型筋ジストロフィーを治療する。例示的な実施形態は、用量組換えアデノウイルス関連(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンを投与するステップを含む、デュシェンヌ型筋ジストロフィー又はベッカー型筋ジストロフィーの治療を必要とするデュシェンヌ型筋ジストロフィー又はベッカー型筋ジストロフィーを治療するための方法、併用療法又は薬剤であり、投与の経路は、静脈内注入であり、投与されるrAAVの用量は、約1時間にわたって約2×1014vg/kgであり、rAAVベクターは、配列番号9の若しくは配列番号3のヌクレオチド55~5021のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022である。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンは、配列番号9の、又は配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、若しくは配列番号6のヌクレオチド56~5022のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンは、配列番号5のヌクレオチド56~4820のAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。
一実施形態では、本開示は、筋肉特異的制御エレメントのヌクレオチド配列と、マイクロジストロフィンタンパク質をコードするヌクレオチド配列とを含む、rAAVを提供する。例えば、ヌクレオチド配列は、機能的マイクロジストロフィンタンパク質をコードし、ヌクレオチドは、配列番号1に対して、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、又は89%、より典型的には、少なくとも90%、91%、92%、93%、又は94%、更により典型的には、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有し、タンパク質は、マイクロジストロフィン活性を保持する。マイクロジストロフィンタンパク質は、筋肉収縮時に筋肉膜に安定性を提供し、例えば、マイクロジストロフィンは、筋肉収縮時にショックアブソーバーとして機能する。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンは、配列番号9の、又は配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンは、配列番号5のヌクレオチド56~4820のAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。
本発明はまた、ヌクレオチド配列が、ストリンジェントな条件下で配列番号1の核酸配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列、又はその補体を含み、機能的マイクロジストロフィンタンパク質をコードするrAAVも提供する。
一実施形態では、rAAVは、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022と呼ばれる非複製組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)である。このベクターゲノムには、MHCK7プロモーター/エンハンサーの制御下にあるAAV2末端逆位配列(ITR)、マイクロジストロフィン、SV40イントロン(SD/SA)、及び合成ポリアデニル化(ポリA)シグナルを含む、遺伝子発現に必要な最小限の要素が含まれている。ゲノム及び発現カセットの概略図を図1に示す。AAVrh74血清型は、IV投与後の骨格筋及び心筋における効率的な遺伝子導入を達成するために使用され得る。
別の実施形態では、本開示は、配列番号44のヌクレオチド配列を含むrAAVを投与することを含む、肢帯型筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において肢帯型筋ジストロフィーを治療する方法を提供する。
別の態様では、本開示は、必要とする対象において肢帯型筋ジストロフィーを治療する方法、併用療法又は使用であって、定量標準としてのスーパーコイルプラスミドに基づいて、約5.0×1013vg/kg若しくは約2.0×1014vg/kg、又は定量標準としての線状化プラスミドに基づいて約1.85×1013vg/kg若しくは約7.41×1013vg/kgの用量で、約1~2時間にわたってrAAV静脈内注入を対象に投与することを含み、rAAVが、配列番号44のヌクレオチド配列を含む、方法、併用療法又は使用を提供する。別の態様では、本開示は、対象の細胞においてベータ-サルコグリカン遺伝子を発現する方法であって、配列番号19と少なくとも90%、95%、又は99%同一であるヌクレオチド配列を含むscAAVrh74.MHCK7.hSGCB構築物を対象に投与することを含む、方法を記載する。一態様では、本開示は、対象の筋肉組織においてベータ-サルコグリカン陽性線維を増加させ、及び/又はCKレベルを減少させる方法であって、配列番号44と少なくとも90%、95%、又は99%同一であるscAAVrh74.MHCK7.hSGCB構築物ヌクレオチド配列を対象に投与することを含む、方法を提供する。
別の態様では、β-サルコグリカンをコードするポリヌクレオチド配列を含む組換えAAVベクターが本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、β-サルコグリカンをコードするポリヌクレオチド配列は、例えば、配列番号45に記載のヌクレオチド配列と少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、又は89%、より典型的には、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上同一の配列を含み、β-サルコグリカン活性を保持するタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、β-サルコグリカンをコードするポリヌクレオチド配列は、配列番号45に記載のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、β-サルコグリカンをコードするポリヌクレオチド配列は、配列番号45に記載のヌクレオチド配列からなる。
別の態様では、本明細書に記載の組換えAAVベクターは、配列番号46のアミノ酸配列と、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、又は89%、より典型的には、少なくとも90%、91%、92%、93%、又は94%、更により一般的には、少なくとも95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一である、β-サルコグリカンをコードするポリヌクレオチド配列を含み、このタンパク質は、β-サルコグリカン活性を保持する。
別の態様では、本明細書に記載の組換えAAVベクターは、配列番号46のアミノ酸配列を有するβ-サルコグリカンをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
別の態様では、ストリンジェントな条件下で配列番号45の核酸配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む機能性β-サルコグリカンをコードするポリヌクレオチド配列、又はその補体を含む、組換えAAVベクターが、本明細書に記載されている。
特定の実施形態では、本開示は、rAAV scAAVrh74.MHCK7.HSGCBを投与することを含む、LGMD2Eの治療を必要とするヒト対象においてLGMD2Eを治療するための方法、併用療法又は使用を提供する。例えば、LGMD2Eを治療する方法のいずれにおいても、scAAVrh74.MHCK7.HSGCBは、約0.5×1014vg/kg又は約2×1014vg/kgの用量で静脈内注入によって投与される。すぐ前のものを含むscAAVrh74.MHCK7.HSGCBに関連して本明細書に記載される投与量は、スーパーコイルqPCR標準を利用することに基づいている。それぞれ、0.5x1014vg/kg及び2x1014vg/kgは、リニアqPCRスタンダードを利用して測定した場合、1.85×1013及び7.41×1013vg/kgに対応する。
特定の実施形態では、ヒト対象において肢帯型筋ジストロフィーを治療するための方法、併用療法又は使用のいずれにおいても、ヒト対象は、LGMD2Eに罹患しており、rAAVは、約2×1014vg/kgの用量で静脈内注入によって投与され、rAAVは、配列番号44のヌクレオチド配列を含むscAAVrh74.MHCK7.HSGCBであるrAAVを含む。
関連する実施形態では、ヒト対象は、筋ジストロフィーLGMD2Eを患っており、rAAVは、約2x1014vg/kgの用量で静脈内注入によって投与されるscAAVrh74.MHCK7.HSGCBであり、この方法は、更に、rAAVの投与の1日(12~24時間)前に開始し、かつテーパリングの有無にかかわらず60日間継続する、対象に1mg/kg/日のプレドニゾンを投与することを含む。
別の関連する実施形態では、ヒト対象は、筋ジストロフィーLGMD2Eを患っており、rAAVは、約0.5×1014vg/kgの用量で静脈内注入によって投与されるscAAVrh74.MHCK7.HSGCBであり、この方法は、更に、rAAVの投与の1日(12~24時間)前に開始し、かつテーパリングの有無にかかわらず30日間継続する、対象に1mg/kg/日のプレドニゾンを投与することを含む。
プレドニゾンの30日及び60日の投与は、対象の特定の臨床症状に従って、及びそうでなければ本明細書で更に記載されるように、当業者によって、漸減され得ることが認識される。
「ストリンジェントな」という用語は、ストリンジェントとして当該技術分野において一般に理解される条件を指すために使用される。ハイブリダイゼーションストリンジェシーは、主に、温度、イオン強度、及びホルムアミドなどの変性剤の濃度によって決定される。ハイブリダイゼーション及び洗浄のためのストリンジェントな条件の例は、0.015Mの塩化ナトリウム、65~68℃の0.0015Mのクエン酸ナトリウム又は0.015Mの塩化ナトリウム、0.0015Mのクエン酸ナトリウム、及び42℃の50%ホルムアミドである。Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,(Cold Spring Harbor,N.Y.1989)を参照されたい。よりストリンジェントな条件(より高い温度、より低いイオン筋力、より高いホルムアミド、又は他の変性剤など)も使用することができるが、ハイブリダイゼーションの速度が影響を受ける。デオキシオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが関係する場合、追加のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例には、37℃(14塩基オリゴの場合)、48℃(17塩基オリゴの場合)、55℃(20塩基オリゴの場合)、及び60℃(23塩基オリゴの場合)での6×SSC 0.05%ピロリン酸ナトリウムでの洗浄が含まれる。
非特異的及び/又はバックグラウンドハイブリダイゼーションを低減する目的で、ハイブリダイゼーション及び洗浄緩衝液に他の薬剤を含めることができる。例としては、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%ピロリン酸ナトリウム、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、NaDodSO4、(SDS)、フィコール、デンハルト溶液、超音波処理したサケ精子DNA(又は他の非相補的DNA)、及び硫酸デキストランが挙げられるが、他の好適な薬剤も使用され得る。これらの添加物の濃度及びタイプは、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーに実質的に影響を与えることなく変更され得る。ハイブリダイゼーション実験は通常、pH6.8~7.4で行われるが、典型的なイオン強度条件では、ハイブリダイゼーションの速度はpHにほとんど依存しない。Anderson et al.,Nucleic Acid Hybridisation:A Practical Approach,Ch.4,IRL Press Limited(Oxford,England)を参照されたい。ハイブリダイゼーション条件は、これらの変数を考慮して、異なる配列類似性のDNAがハイブリッドを形成することを可能にするために、当業者によって調整され得る。
「筋肉特異的制御エレメント」という用語は、筋肉組織での発現に特異的なコード配列の発現を調節するヌクレオチド配列を指す。これらの制御エレメントには、エンハンサー及びプロモーターが含まれる。本開示は、筋肉特異的制御エレメントMCKH7プロモーター、MCKプロモーター及びMCKエンハンサーを含む構築物を提供する。
一態様では、本開示は、筋肉特異的制御エレメントが、ヒト骨格アクチン遺伝子エレメント、心臓アクチン遺伝子エレメント、筋細胞特異的エンハンサー結合因子(MEF)、筋肉クレアチンキナーゼ(MCK)、短縮型MCK(tMCK)、ミオシン重鎖(MHC)、ハイブリッドα-ミオシン重鎖エンハンサー/MCKエンハンサープロモーター(MHCK7)、C5-12、マウスクレアチンキナーゼエンハンサー因子、速筋骨格筋トロポニンc遺伝子エレメント、遅筋心臓トロポニンc遺伝子エレメント、遅筋トロポニンi遺伝子エレメント、低酸素誘導性核内因子、ステロイド誘導性エレメント、又はグルココルチコイド応答エレメント(GRE)である、rAAVを提供する。
例えば、筋肉特異的制御エレメントは、MHCK7プロモーターヌクレオチド配列の配列番号2であるか、又は、筋肉特異的制御エレメントは、MCKヌクレオチド配列の配列番号4である。加えて、本開示のrAAVベクターのいずれにおいても、筋肉特異的制御エレメントヌクレオチド配列、例えば、MHCK7又はMCKヌクレオチド配列は、マイクロジストロフィンタンパク質をコードするヌクレオチド配列に操作可能に連結されている。例えば、MHCK7プロモーターヌクレオチド配列(配列番号2又は配列番号7)は、図1若しくは図2(配列番号3)又は図13(配列番号9)に提示される構築物に記述されるように、ヒトマイクロジストロフィンコード配列(配列番号1)に操作可能に連結されている。別の例では、MCKプロモーター(配列番号4)は、図5又は図6(配列番号5)に提示される構築物に記述されるように、ヒトマイクロジストロフィンコード配列(配列番号1)に操作可能に連結されている。別の態様では、本開示は、配列番号1及び配列番号2、又は配列番号1及び配列番号7のヌクレオチド配列を含むrAAVベクターを提供する。本発明はまた、配列番号1及び配列番号4のヌクレオチド配列を含むrAAVベクターを提供する。
更なる態様では、本開示は、配列番号3、配列番号5、配列番号6、又は配列番号8のヌクレオチド配列を含むプラスミドに含有されるrAAV構築物を提供する。例えば、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンベクターは、配列番号3のITR内にあり、かつそれを含み、図2に示されるヌクレオチド配列を含む。rAAVベクターは、5’ITR、MHCK7プロモーター、キメライントロン配列、ヒトマイクロジストロフィン遺伝子、ポリA、及び3’ITRのためのコード配列を含む。一実施形態では、このベクターは、配列番号3のヌクレオチド55~5021を含む。配列番号3に示されるプラスミドは、更に、アンピシリン耐性及びpBR322複製起点を有するpGEXプラスミド骨格を含む。
別の態様では、本開示は、配列番号9のヌクレオチド配列を含むrAAVを提供し、例えば、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンベクター構築物は、配列番号9のヌクレオチド配列を含み、図7に示されている。このrAAVベクター構築物は、MHCK7プロモーター、キメライントロン配列、ヒトマイクロジストロフィン遺伝子のためのコード配列、及びポリAを含む。一実施形態では、rAAVベクター構築物は、更に、プロモーターにITR5’を、及びポリAにITR3’を含む。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74である。
別の態様では、例えば、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンベクターは、配列番号8のITR内にあり、かつそれを含み、図9に示されるヌクレオチド配列を含む。rAAVベクターは、5’ITR、MHCK7プロモーター、キメライントロン配列、ヒトIマイクロジストロフィン遺伝子、ポリA、及び3’ITRのためのコード配列を含む。一実施形態では、このベクターは、配列番号9のヌクレオチド1~4977を含む。配列番号3に示されるプラスミドは、更に、カナマイシン耐性及びpBR322複製起点を有するpGEXプラスミド骨格を含む。
別の態様では、本開示は、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンベクター構築物を含むプラスミドを提供する。一実施形態では、プラスミドは、5’ITR、MHCK7プロモーター、キメライントロン配列、ヒトマイクロジストロフィン遺伝子、ポリA、及び3’ITRのためのコード配列を含む。一実施形態では、プラスミドは、カナマイシン耐性を含み、任意選択で、pBR322複製起点を有するpGEXプラスミド骨格を含む。特定の実施形態では、プラスミドは、配列番号8に示され、図8及び9に示されている。
本開示は、配列番号1のヒトマイクロジストロフィンヌクレオチド配列及び配列番号2又は配列番号7のMHCK7プロモーターヌクレオチド配列を含む組換えAAVベクターを提供する。このrAAVベクターは、AAV血清型AAVrh.74である。
本開示はまた、配列番号3内にあり、かつそれを含むAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンベクター構築物ヌクレオチド配列、配列番号8内にあり、かつそれを含むヌクレオチド配列、又は配列番号9に示されるヌクレオチド配列を含むrAAVを提供する。このrAAVベクターは、AAV血清型AAVrh.74である。
本開示のrAAVベクターは、血清型AAVrh.74、AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12又はAAV13などの、任意のAAV血清型であってもよい。
本開示はまた、本開示のrAAVベクターのいずれかを含む医薬組成物(又は、本明細書でときどき、単に「組成物」と呼ばれる)も提供する。
別の実施形態では、本開示は、本開示のいずれかのrAAVベクターでトランスフェクトされた細胞を培養することと、トランスフェクトされた細胞の上清からrAAV粒子を回収することと、を含む、rAAVベクター粒子を産生する方法を提供する。本開示はまた、本開示の組換えAAVベクターのいずれかを含むウイルス粒子を提供する。
筋ジストロフィーを治療する方法のいずれにおいても、対象の細胞において、ベータ-サルコグリカン遺伝子又はマイクロジストロフィン遺伝子発現などの、対象の導入遺伝子のレベルは、rAAVの投与後に増加する。rAAVの投与の前後に生検された筋肉においてウエスタンブロットにより目的のタンパク質のレベルを測定することにより、細胞内の目的の遺伝子の導入遺伝子の発現が検出される。特に、目的のタンパク質のレベルは、rAAVの投与前の目的のタンパク質のレベルと比較して、rAAVの投与後に、少なくとも約70%~少なくとも約80%、又は少なくとも約70%~少なくとも約90%、又は少なくとも約80%~少なくとも約90%増加する。例えば、目的のタンパク質のレベルは、rAAVの投与前の目的のタンパク質のレベルと比較して、rAAVの投与後に、少なくとも約70%又は少なくとも約71%又は少なくとも約72%又は少なくとも約73%又は少なくとも約74%又は少なくとも約75%又は少なくとも約76%又は少なくとも約77%又は少なくとも約78%又は少なくとも約79%又は少なくとも約80%、又は少なくとも約81%、又は少なくとも約82%、又は少なくとも約83%、又は少なくとも約84%、又は少なくとも約85%増加する。
加えて、細胞内のマイクロジストロフィン遺伝子の発現は、rAAVの投与前後の筋生検における免疫組織化学による目的のタンパク質のレベルを測定することによって検出される。目的のタンパク質のレベルは、rAAVの投与前の目的mのタンパク質のレベルと比較して、投与後に、少なくとも約70%~少なくとも約80%、又は少なくとも約70%~少なくとも約90%、又は少なくとも約80%~少なくとも約90%増加する。例えば、目的のタンパク質のレベルは、rAAVの投与前の目的のタンパク質のレベルと比較して、rAAVの投与後に、少なくとも約70%又は少なくとも約71%又は少なくとも約72%又は少なくとも約73%又は少なくとも約74%又は少なくとも約75%又は少なくとも約76%又は少なくとも約77%又は少なくとも約78%又は少なくとも約79%又は少なくとも約80%、又は少なくとも約81%、又は少なくとも約82%、又は少なくとも約83%、又は少なくとも約84%、又は少なくとも約85%増加する。
筋ジストロフィーを治療するための方法、併合療法又は使用のいずれにおいても、対象における血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後に減少する。例えば、対象の血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに、約65%~約90%、又は約65%~約95%、又は約75%~約90%、又は約80%~約90%、又は約85%~約95%、又は約87%~約95%、又は約87%~約90%減少する。特に、本開示の筋ジストロフィーを治療するための方法、併用療法若しくは使用のいずれにおいても、対象における血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに、約87%減少する、又は、本開示の筋ジストロフィーを治療するための方法、併用療法若しくは使用のいずれにおいても、対象における血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに、約72%減少する、又は、本開示の筋ジストロフィーを治療するための方法、併用療法若しくは使用のいずれにおいても、対象における血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに、約73%減少する、又は、本開示の筋ジストロフィーを治療するための方法、併用療法若しくは使用のいずれにおいても、対象における血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに、約78%減少する、又は、本開示の筋ジストロフィーを治療するための方法、併用療法若しくは使用のいずれにおいても、対象における血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに、約95%減少する。筋ジストロフィーを治療するための方法、併用療法又は使用のいずれにおいても、対象の筋組織における目的のタンパク質の陽性の筋線維の数は、rAAVの投与前の目的のタンパク質の陽性の筋線維の数と比較して、rAAVの投与後に増加する。例えば、目的のタンパク質の陽性の筋線維の数は、rAAVの投与前後の筋生検におけるウエスタンブロット又は免疫組織化学により陽性の筋線維の目的のタンパク質のレベルを測定することによって検出される。
筋ジストロフィーを治療するための方法、併用療法又は使用のいずれにおいても、rAAVの投与は、アルファサルコグリカン又はベータサルコグリカンなどのDAPCタンパク質の発現をアップレギュレートする。例えば、対象におけるアルファサルコグリカンのレベルは、rAAVの投与前のアルファサルコグリカンのレベルと比較して、rAAVの投与後に増加する。加えて、対象におけるベータサルコグリカンのレベルは、rAAVの投与前のベータサルコグリカンのレベルと比較して、rAAVの投与後に増加する。アルファサルコグリカンのレベルは、rAAV投与の前後の筋生検におけるウエスタンブロット又は免疫組織化学によりアルファサルコグリカンタンパク質レベル又はベータサルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。
筋ジストロフィーを治療するための方法、併用療法又は使用のいずれにおいても、対象における疾患の進行は、6分間歩行テスト、立ち上がり時間、4段上昇、4段昇降、North Star Ambulatory Assessment(NSAA)、10メートルの時限テスト、100メートル計時テスト、ハンドヘルドダイナモメトリー(HHD)、Timed Up and Go、及び/又はGross Motor Subtest Scaled(Bayley-III)スコアのいずれかによって測定される場合に、rAAVの投与後に遅延する。
例えば、方法、併用療法又は使用のいずれにおいても、対象は、rAAVの投与前のNSAAスコアと比較して、rAAVの投与後少なくとも270日に、NSAAスコアにおいて、少なくとも6ポイントの改善を有する。更に、方法、併用療法又は使用のいずれにおいても、対象は、rAAVの投与前の上昇する時間と比較して、rAAVの投与後少なくとも270日に上昇する時間において、少なくとも約0.8秒の改善を有する。加えて、方法、併用療法又は使用のいずれにおいても、対象は、rAAVの投与前の4段上昇時間テストと比較して、rAAVの投与後少なくとも270日に、4段上昇時間テストにおいて、少なくとも約1.2秒の改善を有する。加えて、方法、併用療法又は使用のいずれにおいても、対象は、rAAVの投与前の100m計時テストと比較して、rAAVの投与後少なくとも270日に、100m計時テストにおいて、少なくとも約7秒の改善を有する。
別の実施形態では、本開示は、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022を患者に投与することを含む、患者の細胞においてマイクロジストロフィン遺伝子を発現するための方法、組成物、併用療法又は使用を提供する。例えば、患者の細胞におけるマイクロジストロフィン遺伝子の発現は、rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物の投与前後の筋生検におけるウエスタンブロット又は免疫組織化学によりマイクロジストロフィンタンパク質レベルを測定することによって検出される。加えて、マイクロジストロフィン遺伝子の発現は、核当たりより多くの数のベクターゲノムを検出することによって患者において測定され、核当たり1ベクターゲノムは、約50%のマイクロジストロフィン発現であり、核当たり1コピー超は、マイクロジストロフィン発現レベルと一致している。例えば、細胞は、核当たり1.2個のベクターコピー、又は核当たり1.3個のベクターコピー、又は核当たり1.4個のベクターコピー、又は核当たり1.5個のベクターコピー、又は核当たり1.6個のベクターコピー、又は核当たり1.7個のベクターコピー、又は核当たり1.8個のベクターコピー、又は核当たり1.9個のベクターコピーを有する。
更なる実施形態では、本開示は、血清CKレベルの低下を必要とする患者において血清CKレベルを低下させるための方法、組成物、併用療法又は使用を提供し、この方法は、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022を患者に投与することを含む。例えば、患者の血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに、少なくとも約65%~約90%、又は約65%~約95%、又は約75%~約90%、又は約80%~約90%、又は約85%~約95%、又は約87%~約95%、又は約87%~約90%減少する。特に、対象における血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに、約87%減少する、又は、本開示の筋ジストロフィーを治療するための方法、組成物、併用療法若しくは使用のいずれにおいても、対象における血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに、約72%減少する、又は、本開示の筋ジストロフィーを治療するための方法、組成物、併用療法若しくは使用のいずれにおいても、対象における血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに、約73%減少する、又は、本開示の筋ジストロフィーを治療するための方法、組成物、併用療法若しくは使用のいずれにおいても、対象における血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに、約78%減少する、又は、本開示の筋ジストロフィーを治療するための方法、組成物、併用療法若しくは使用のいずれにおいても、対象における血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに、約95%減少する。
本開示はまた、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022を患者に投与することを含む、患者の筋細胞においてマイクロジストロフィン陽性線維を増加させるための方法、組成物、併用療法又は使用を提供する。例えば、ベータサルコグリカン陽性線維の数は、rAAV投与前後の筋生検におけるウエスタンブロット又は免疫組織化学によりジストロフィンタンパク質レベルを測定することによって検出される。加えて、マイクロジストロフィン遺伝子の発現は、核当たりより多くの数のベクターゲノムを検出することによって患者において測定され、核当たり1ベクターゲノムは、約50%のマイクロジストロフィン発現であり、核当たり1コピー超は、マイクロジストロフィン発現レベルと一致している。例えば、細胞は、核当たり1.2ベクターコピー、又は核当たり1.3ベクターコピー、又は核当たり1.4ベクターコピー、又は核当たり1.5ベクターコピー、又は核当たり1.6ベクターコピー、又は核当たり1.7ベクターコピー、又は核当たり1.8ベクターコピー、又は核当たり1.9ベクターコピーを有する。
別の実施形態では、本開示は、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022を患者に投与することを含む、アルファサルコグリカンの発現の増加を必要とする患者においてアルファサルコグリカンの発現を増加させるための方法、組成物、併用療法又は使用を提供する。例えば、アルファ-サルコグリカンのレベルは、rAAVの投与前後の筋生検におけるウエスタンブロット又は免疫組織化学によりアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。
加えて、本開示は、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022を患者に投与することを含む、ベータサルコグリカンの発現の増加を必要とする患者においてベータサルコグリカンの発現を増加させるための方法、組成物、併用療法又は使用を提供する。例えば、ベータサルコグリカンのレベルは、rAAV投与前後の筋生検におけるウエスタンブロット又は免疫組織化学によりベータサルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。
本開示はまた、対象における疾患の進行が、6分間歩行テスト、立ち上がり時間、4段上昇、4段昇降、North Star Ambulatory Assessment(NSAA)、10メートル計時テスト、100メートル計時テスト、ハンドヘルドダイナモメトリー(HHD)、Timed Up and Go、及び/又はGross Motor Subtest Scaled(Bayley-III)スコアのいずれかによって測定される場合に、遅延するように、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022を患者に投与することを含む、デュシェンヌ型筋ジストロフィー又はベッカー型筋ジストロフィーを有する患者を治療するための方法、組成物、併用療法又は使用も提供する。
例えば、方法、組成物、併用療法又は使用のいずれにおいても、対象は、rAAVの投与前のNSAAスコアと比較して、rAAVの投与の少なくとも270日後に、NSAAスコアにおいて少なくとも6ポイントの改善を有する。更に、方法のいずれにおいても、対象は、rAAVの投与前の上昇する時間と比較して、rAAVの投与後少なくとも270日に、上昇する時間において、少なくとも約0.8秒の改善を有する。加えて、方法のいずれにおいても、対象は、rAAVの投与前の4段上昇時間テストと比較して、rAAVの投与後少なくとも270日に、4段上昇時間テストにおいて、少なくとも約1.2秒の改善を有する。加えて、方法のいずれにおいても、対象は、rAAVの投与前の100m計時テストと比較して、rAAVの投与後少なくとも270日に、100m計時テストにおいて、少なくとも約7秒の改善を有する。
「線維症」とは、骨格筋、心筋、肝臓、肺、腎臓、及び膵臓を含む、細胞外マトリックス(ECM)成分の過剰又は無秩序な沈着及び損傷時の組織の異常な修復プロセスを指す。沈着するECM成分には、フィブロネクチン及びコラーゲン、例えばコラーゲン1、コラーゲン2、又はコラーゲン3が含まれる。
本開示はまた、配列番号1のヒトマイクロジストロフィンヌクレオチド配列及び配列番号2のMHCK7プロモーターヌクレオチド配列を含む治療有効量のrAAV、又は配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、若しくは配列番号6のヌクレオチド56~5022を含む治療有効量のrAAVベクターを投与することを含む、筋ジストロフィーに罹患している対象において線維症を低減又は予防する方法も提供する。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンは、配列番号3のヌクレオチド55~5021のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。別の実施形態では、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンは、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。別の実施形態では、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンは、配列番号8のヌクレオチド1~4977又は配列番号6のヌクレオチド56~5066のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。更なる実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンは、配列番号5のヌクレオチド56~4820のAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。
別の実施形態では、本開示は、治療有効量の配列番号1のヒトマイクロジストロフィンヌクレオチド配列及び配列番号2若しくは配列番号7のMHCK7プロモーターヌクレオチド配列、又は配列番号9のAAV74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、若しくは配列番号6のヌクレオチド56~5022を含むrAAVベクターを投与することを含む、線維症の予防を必要とする対象において線維症を予防する方法を提供する。例えば、本開示のrAAVのいずれも、筋ジストロフィーを患っている対象に投与して線維症を予防され得、例えば、ヒトマイクロジストロフィンタンパク質を発現する本開示のrAAVは、線維症が対象において観察される前に投与される。加えて、ヒトマイクロジストロフィン遺伝子を発現する本発明のrAAVは、筋ジストロフィー、例えば、DMDを患っているか又は診断された対象などの、線維症を発症するリスクがある対象に投与され得る。本開示のrAAVは、筋ジストロフィーを患っている対象に投与して、これらの対象における新規の線維症を予防することができる。
本開示は、線維症が対象において観察される前にrAAVを投与することを企図する。加えて、rAAVは、筋ジストロフィー、例えば、DMDを患っているか又は診断された対象などの、線維症を発症するリスクがある対象に投与することができる。rAAVは、筋ジストロフィーを患っており、すでに線維症を発症している対象に投与して、これらの対象において新規の線維症を予防することができる。
本開示はまた、治療有効量の配列番号1のヒトマイクロジストロフィンヌクレオチド配列及び配列番号2若しくは配列番号7のMHCK7プロモーターヌクレオチド配列、又は配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、若しくは配列番号6のヌクレオチド56~5022を含むrAAVを投与することを含む、筋ジストロフィーに羅漢している対象において筋力及び/又は筋肉量を増加させる方法を提供する。
本発明は、線維症が対象において観察される前、又は筋力が低減する前、又は筋肉量が低減する前に、DMDと診断された患者に本発明のrAAVベクターを投与することを企図する。
本開示はまた、すでに線維症を発症している筋ジストロフィーに罹患している対象に、配列番号1のヒトマイクロジストロフィンヌクレオチド配列及び配列番号2若しくは配列番号7のMHCK7プロモーターヌクレオチド配列、又は配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、若しくは配列番号6のヌクレオチド56~5022を含むrAAVを投与して、これらの対象において新たな線維症を予防するか又はこれらの対象において線維症を低減することも含む。本開示はまた、筋力がすでに低減しているか又は筋肉量が低減している、筋ジストロフィーに罹患している対象に、配列番号1のヒトマイクロジストロフィンヌクレオチド配列及び配列番号2若しくは配列番号7のMHCK7プロモーターヌクレオチド配列、又は配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、若しくは配列番号6のヌクレオチド56~5022を含むrAAVを投与して、更なる損傷から筋肉を保護することも含む。
本開示の方法のいずれにおいても、対象は、DMD又は任意の他のジストロフィン関連筋ジストロフィーなどの筋ジストロフィーを患っていてもよい。
本明細書に記載される本開示の方法のいずれかの他の実施形態では、対象における血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後に、以下からなる群から選択されるパーセントレベルだけ減少する:
a)投与後90、180、又は270日までに少なくとも78%;
b)投与後270日までに少なくとも46、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70又は85%;
c)投与後180日までに少なくとも72、73、74、又は95%;
d)投与後90日までに少なくとも87、88、93又は95%;
e)投与後270日までに少なくとも70%;
f)投与後90日、180日、又は270日までに70~95%;
g)投与後90、180、又は270までに少なくとも約56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91,92、93、94、又は95%;及び
h)投与後90、180、又は270までに少なくとも約56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91,92、93、94、又は95%。
別の実施形態では、本開示は、必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療するための組成物を提供し、組成物は、組換えアデノウイルス関連(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンの用量を含み、組成物は、全身投与経路用に製剤化され、rAAVの投与量は、約1×1014vg/kg~約4×1014vg/kgである。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンは、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022である。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンは、配列番号5のヌクレオチド56~4820のAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。
例えば、本開示の組成物は、約5.0x1012vg/kg~約1.0x1014vg/kg、又は約5.0x1012vg/kg~1.0x1014vg/kg、又は約5.0x1012vg/kg~約2.0x1014vg/kg、又は約5.0x1012vg/kg~約1.0x1014vg/kg、又は約5.0x1012vg/kg~約5.0x1013vg/kg、又は約5.0x1012vg/kg~約2.0x1013vg/kg、又は約5.0x1012vg/kg~約1.0x1013vg/kg、又は1.0x1014vg/kg~約1.0x1015vg/kg、又は1.0x1013vg/kg~約1.0x1014vg/kg、又は約1.0x1013vg/kg~1.0x1014vg/kg、又は約1.0x1013vg/kg~約2.0x1014vg/kg、又は約1.0x1013vg/kg~約1.0x1014vg/kg、又は約1.0x1013vg/kg~約5.0x1013vg/kg、又は約1.0x1013vg/kg~約3.0x1014vg/kg、又は約1.0x1013vg/kg~約5.0x1014vg/kg、又は約1.0x1013vg/kg~約6.0x1014vg/kg、又は1.0x1013vg/kg~約1.0x1015vg/kg、又は5.0x1013vg/kg~約1.0x1014vg/kg、又は約5.0x1013vg/kg~1.0x1014vg/kg、又は約5.0x1013vg/kg~約2.0x1014vg/kg、又は約5.0x1013vg/kg~約1.0x1014vg/kg、又は約5.0x1013vg/kg~約3.0x1014vg/kg、又は約5.0x1013vg/kg~約5.0x1014vg/kg、又は約5.0x1013vg/kg~約6.0x1014vg/kg、又は5.0x1013vg/kg~約1.0x1015vg/kg、又は1.0x1014vg/kg~約6.0x1014vg/kg、又は1.0x1014vg/kg~約5.0x1014vg/kg、又は1.0x1014vg/kg~約4.0x1014vg/kg、又は1.0x1014vg/kg~約1.0x1015vg/kg、又は1.0x1014vg/kg~約3.0x1014vg/kg、又は約1.0x1014vg/kg~約2.5x1014vg/kg、又は1.0x1014vg/kg~約2.0x1014vg/kg、又は約1.25x1014vg/kg~約3.75x1014vg/kg、又は約1.25x1014vg/kg~6.0x1014、又は約1.25x1014vg/kg~5.0x1014、又は約1.25x1014vg/kg~4.0x1014、又は約1.25x1014vg/kg~1.0x1015、又は約1.25x1014vg/kg~約3.5x1014vg/kg、又は約1.25x1014vg/kg~約3.0x1014vg/kg、又は約1.25x1014vg/kg~約2.75x1014vg/kg、又は約1.25×1014vg/kg~約2.5×1014vg/kg、又は約1.25x1014vg/kg~約2.0×1014vg/kg、又は1.25x1014vg/kg~約3.75x1014vg/kg、又は約1.25x1014vg/kg~約3.5×1014vg/kg、又は1.5x1014vg/kg~約1.0x1015vg/kg、又は約1.5x1014vg/kg~6.0x1014、又は約1.5x1014vg/kg~5.0x1014、又は約1.5x1014vg/kg~4.0x1014、又は約1.5x1014vg/kg~約3.75x1014vg/kg、又は約1.5x1014vg/kg~約3.5x1014vg/kg、又は約1.5x1014vg/kg~約3.25x1014vg/kg、又は約1.5x1014vg/kg~約3.0x1014vg/kg、又は約1.5x1014vg/kg~約2.75x1014vg/kg、又は約1.5x1014vg/kg~約2.5x1014vg/kg、又は約1.5x1014vg/kg~約2.0x1014vg/kg、又は1.75x1014vg/kg~約1.0x1015vg/kg、又は約1.75x1014vg/kg~6.0x1014、又は約1.75x1014vg/kg~5.0x1014、又は約1.75x1014vg/kg~4.0x1014、又は約1.75x1014vg/kg~約3.75x1014vg/kg、又は約1.75x1014vg/kg~約3.5x1014vg/kg、又は約1.75x1014vg/kg~約3.25x1014vg/kg、又は約1.75x1014vg/kg~約3.0x1014vg/kg、又は約1.75x1014vg/kg~約2.75x1014vg/kg、又は約1.75x1014vg/kg~約2.5x1014vg/kg、又は約1.75x1014vg/kg~約2.25x1014vg/kg、又は約1.75x1014vg/kg~約2.0x1014vg/kg、又は約2.0x1014vg/kg~1.0x1015、又は約2.0x1014vg/kg~6.0x1014、又は約2.0x1014vg/kg~5.0x1014、又は約2.0x1014vg/kg~約4.0x1014vg/kg、又は約2.0x1014vg/kg~約3.75x1014vg/kg、又は約2.0x1014vg/kg~約3.5x1014vg/kg、又は約2.0x1014vg/kg~約3.25x1014vg/kgのrAAVの用量を含む。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンは、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022である。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンは、配列番号5のヌクレオチド56~4820のAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。
一実施形態では、本開示の組成物は、静脈内投与のために配合され、約2.0×1014vg/kgのrAAVの用量を含む。別の実施形態では、本開示の組成物は、静脈内投与のために配合され、約5.0x1012vg/kg、又は約6.0x1012vg/kg、又は約7.0x1012vg/kg、又は約8.0x1012vg/kg、又は約9.0x1012vg/kg、又は約1.0x1013vg/kg、又は約1.25x1013vg/kg、又は約1.5x1013vg/kg、又は約1.75x1013vg/kg、又は約2.25x1013vg/kg、又は約2.5x1013vg/kg、又は約2.75x1013vg/kg、又は約3.0x1013vg/kg、又は約3.25x1013vg/kg、又は約3.5x1013vg/kg、又は約3.75x1013vg/kg、又は約4.0x1013vg/kg、又は約5.0x1013vg/kg、又は約6.0x1013vg/kg、又は約7.0x1013vg/kg、又は約8.0x1013vg/kg、又は約9.0x1013vg/kg、又は約1.0x1014vg/kg、又は約1.25x1014vg/kg、又は約1.5x1014vg/kg、又は約1.75x1014vg/kg、又は約2.25x1014vg/kg、又は約2.5x1014vg/kg、又は約2.75x1014vg/kg、又は約3.0x1014vg/kg、又は約3.25x1014vg/kg、又は約3.5x1014vg/kg、又は約3.75x1014vg/kg、又は約4.0x1014vg/kg、又は約5.0x1014vg/kg、又は約6.0x1014vg/kg、又は約1x1015vg/kgのrAAVの用量を含む。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンは、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022である。別の実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンは、配列番号5のヌクレオチド56~4820のAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。
本開示の組成物のいずれにおいても、rAAVの用量は、約5mL/kg~約15mL/kg、又は約8mL/kg~約12mL/kg、又は8mL/kg~約10mL/kg、又は5mL/kg~約10mL/kg、又は約10mL/kg~12mL/kg、又は約10mL/kg~15mL/kg、又は10mL/kg~約20mL/kgで送達される。特定の実施形態では、組成物は、約10mL/kgで送達されるrAAVの用量を含む。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンは、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022である。別の実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンは、配列番号5のヌクレオチド56~4820のAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。
本開示の組成物は、注射、注入又は移植による投与のために製剤化される。例えば、組成物は、約1時間にわたる注入による投与のために製剤化される。加えて、本開示の組成物は、末梢腕静脈又は末梢脚静脈などの末梢四肢静脈を介する静脈内投与用に製剤化される。代替的に、注入は、約30分、又は約1.5時間、又は約2時間、又は約2.5時間、又は約3時間にわたって投与され得る。
本開示の組成物のいずれも、配列番号1のヒトマイクロジストロフィンヌクレオチド配列及び配列番号2若しくは配列番号7のMHCK7プロモーター配列を含むrAAV、又は配列番号9のAAVrh74.MHCK7のマイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、若しくは配列番号6のヌクレオチド56~5022を含むrAAVを含む。
特に、本開示の組成物は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー又はベッカー型筋ジストロフィーを治療するためのものである。例えば、本開示は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー又はベッカー型筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象においてデュシェンヌ型筋ジストロフィー又はベッカー型筋ジストロフィーを治療するための組成物を提供し、組成物は、組換えアデノウイルス関連(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンの用量を含み、組成物は、約1時間にわたる静脈内注入による投与用に製剤化され、投与されるrAAVの用量は、約2×1014vg/kgであり、rAAVは、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022を含む。
別の実施形態では、本開示は、線維症の低減を必要とする対象において線維症を低減させるためのrAAVを含む組成物も提供する。更に、本開示は、筋ジストロフィーに罹患している対象において線維症を予防するためのrAAVベクターを含む組成物を提供する。
本開示はまた、筋ジストロフィーに罹患している対象において筋力及び/又は筋肉量を増加させるためのrAAVを含む組成物を提供する。更なる態様では、本開示は、筋ジストロフィーの治療のための本開示のrAAVのいずれかを含む組成物を提供する。
本開示の組成物のいずれかの他の実施形態では、筋ジストロフィーのための治療を必要とするヒト対象への当該組成物の投与後に、対象における血清CKレベルは、組成物の投与前の血清CKレベルと比較して、以下からなる群から選択されたパーセンテージレベルだけ減少する:
a)投与後90、180、又は270日までに少なくとも78%;
b)投与後270日までに少なくとも46、55、70、又は85%;
c)投与後180日までに少なくとも72、73、74、又は95%;
d)投与後90日までに少なくとも87、99、93又は95%;
e)投与後270日までに少なくとも70%;
f)投与後90日、180日、又は270日までに70~95%;
g)投与後90、180、又は270日までに少なくとも69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、又は95%;及び
h)投与後90、180、又は270日までに69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、又は95%。
別の実施形態では、本開示は、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーの治療のための薬剤の調製のための組換えアデノウイルス関連(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンの用量の使用を提供し、薬剤は、全身投与経路用に製剤化され、rAAVの用量は、約1×1014vg/kg~約4×1014vg/kgである。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンは、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022である。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンは、配列番号5のヌクレオチド56~4820のAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。
例えば、薬剤は、約5.0×1012vg/kg~約1.0×1014vg/kg、又は約5.0×1012vg/kg~1.0×1014vg/kg、又は約5.0×1012vg/kg~約2.0×1014vg/kg、又は約5.0×1012vg/kg~約1.0×1014vg/kg、又は約5.0×1012vg/kg~約5.0×1013vg/kg、又は約5.0×1012vg/kg~約2.0×1013vg/kg、又は約5.0×1012vg/kg~約1.0×1013vg/kg、又は1.0×1014vg/kg~約1.0×1015vg/kg、又は1.0×1013vg/kg~約1.0×1014vg/kg、又は約1.0×1013vg/kg~1.0×1014vg/kg、又は約1.0×1013vg/kg~約2.0×1014vg/kg、又は約1.0×1013vg/kg~約1.0×1014vg/kg、又は約1.0×1013vg/kg~約5.0×1013vg/kg、又は約1.0×1013vg/kg~約3.0×1014vg/kg、又は約1.0×1013vg/kg~約5.0×1014vg/kg、又は約1.0×1013vg/kg~約6.0×1014vg/kg、又は1.0×1013vg/kg~約1.0×1015vg/kg、又は5.0×1013vg/kg~約1.0×1014vg/kg、又は約5.0×1013vg/kg~1.0×1014vg/kg、又は約5.0×1013vg/kg~約2.0×1014vg/kg、又は約5.0×1013vg/kg~約1.0×1014vg/kg、又は約5.0×1013vg/kg~約3.0×1014vg/kg、又は約5.0×1013vg/kg~約5.0×1014vg/kg、又は約5.0×1013vg/kg~約6.0×1014vg/kg、又は5.0×1013vg/kg~約1.0×1015vg/kg、又は1.0×1014vg/kg~約6.0×1014vg/kg、又は1.0×1014vg/kg~約5.0×1014vg/kg、又は1.0×1014vg/kg~約4.0×1014vg/kg、又は1.0×1014vg/kg~約1.0×1015vg/kg、又は1.0×1014vg/kg~約3.0×1014vg/kg、又は約1.0×1014vg/kg~約2.5×1014vg/kg、又は1.0×1014vg/kg~約2.0×1014vg/kg、又は約1.25×1014vg/kg~約3.75×1014vg/kg、又は約1.25×1014vg/kg~6.0×1014、又は約1.25×1014vg/kg~5.0×1014、又は約1.25×1014vg/kg~4.0×1014、又は約1.25×1014vg/kg~1.0×1015、又は約1.25×1014vg/kg~約3.5×1014vg/kg、又は約1.25×1014vg/kg~約3.0×1014vg/kg、又は約1.25×1014vg/kg~約2.75×1014vg/kg、又は約1.25×1014vg/kg~約2.5×1014vg/kg、又は約1.25×1014vg/kg~約2.0×1014vg/kg、又は1.25×1014vg/kg~約3.75×1014vg/kg、又は約1.25×1014vg/kg~約3.5×1014vg/kg、又は1.5×1014vg/kg~約1.0×1015vg/kg、又は約1.5×1014vg/kg~6.0×1014、又は約1.5×1014vg/kg~5.0×1014、又は約1.5×1014vg/kg~4.0×1014、又は約1.5×1014vg/kg~約3.75×1014vg/kg、又は約1.5×1014vg/kg~約3.5×1014vg/kg、又は約1.5×1014vg/kg~約3.25×1014vg/kg、又は約1.5×1014vg/kg~約3.0×1014vg/kg、又は約1.5×1014vg/kg~約2.75×1014vg/kg、又は約1.5×1014vg/kg~約2.5×1014vg/kg、又は約1.5×1014vg/kg~約2.0×1014vg/kg、又は1.75×1014vg/kg~約1.0×1015vg/kg、又は約1.75×1014vg/kg~6.0×1014、又は約1.75×1014vg/kg~5.0×1014、又は約1.75×1014vg/kg~4.0×1014、又は約1.75×1014vg/kg~約3.75×1014vg/kg、又は約1.75×1014vg/kg~約3.5×1014vg/kg、又は約1.75×1014vg/kg~約3.25×1014vg/kg、又は約1.75×1014vg/kg~約3.0×1014vg/kg、又は約1.75×1014vg/kg~約2.75×1014vg/kg、又は約1.75×1014vg/kg~約2.5×1014vg/kg、又は約1.75×1014vg/kg~約2.25×1014vg/kg、又は約1.75×1014vg/kg~約2.0×1014vg/kg、又は約2.0×1014vg/kg~1.0×1015、又は約2.0×1014vg/kg~6.0×1014、又は約2.0×1014vg/kg~5.0×1014、又は約2.0×1014vg/kg~約4.0×1014vg/kg、又は約2.0×1014vg/kg~約3.75×1014vg/kg、又は約2.0×1014vg/kg~約3.5×1014vg/kg、又は約2.0×1014vg/kg~約3.25×1014vg/kgのrAAVの用量を含む。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンは、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022である。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンは、配列番号5のヌクレオチド56~4820のAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。
一実施形態では、本開示の薬剤は、全身投与経路が静脈内経路であり、投与されるrAAVの用量が約2.0×1014vg/kgである、rAAVの用量の全身投与用に製剤化される。別の実施形態では、本開示の薬剤は、全身投与経路用に製剤化され、全身投与経路が静脈内経路であり、rAAVの用量が、約5.0×1012vg/kg、又は約6.0×1012vg/kg、又は約7.0×1012vg/kg、又は約8.0×1012vg/kg、又は約9.0×1012vg/kg、又は約1.0×1013vg/kg、又は約1.25×1013vg/kg、又は約1.5×1013vg/kg、又は約1.75×1013vg/kg、又は約2.25×1013vg/kg、又は約2.5×1013vg/kg、又は約2.75×1013vg/kg、又は約3.0×1013vg/kg、又は約3.25×1013vg/kg、又は約3.5×1013vg/kg、又は約3.75×1013vg/kg、又は約4.0×1013vg/kg、又は約5.0×1013vg/kg、又は約6.0×1013vg/kg、又は約7.0×1013vg/kg、又は約8.0×1013vg/kg、又は約9.0×1013vg/kg、又は約1.0×1014vg/kg、又は約1.25×1014vg/kg、又は約1.5×1014vg/kg、又は約1.75×1014vg/kg、又は約2.25×1014vg/kg、又は約2.5×1014vg/kg、又は約2.75×1014vg/kg、又は約3.0×1014vg/kg、又は約3.25×1014vg/kg、又は約3.5×1014vg/kg、又は約3.75×1014vg/kg、又は約4.0×1014vg/kg、又は約5.0×1014vg/kg、又は約6.0×1014vg/kg、又は約1×1015vg/kgである、rAAVの用量の全身投与用に製剤化される。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンは、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022である。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンは、配列番号5のヌクレオチド56~4820のAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。
本開示の使用のいずれにおいても、薬剤は、約5mL/kg~約15mL/kg、又は約8mL/kg~約12mL/kg、又は8mL/kg~約10mL、又は5mL/kg~約10mL/kg、又は約10mL/kg~12mL/k、又は約10mL/kg~15mL/kg、又は10mL/kg~約20mL/kgのrAAVの用量を含む。特定の実施形態では、rAAVの用量は、約10mL/kgである。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンは、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022である。一実施形態では、rAAVは、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。一実施形態では、AAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンは、配列番号5のヌクレオチド56~4820のAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンである。
本開示の使用のいずれにおいても、薬剤は、注射、注入又は移植による投与用に製剤化される。例えば、薬剤は、約1時間にわたる注入による投与用に製剤化される。加えて、薬剤は、末梢腕静脈又は末梢脚静脈などの、末梢四肢静脈を介した静脈内投与用に製剤化される。代替的に、注入は、約30分、又は約1.5時間、又は約2時間、又は約2.5時間、又は約3時間にわたって投与され得る。
本開示の使用のいずれにおいても、薬剤は、配列番号1のヒトマイクロジストロフィンヌクレオチド配列及び配列番号2若しくは配列番号7のMHCK7プロモーター配列、又は配列番号9のAAVrh74.MHCK7マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、若しくは配列番号6のヌクレオチド56~5022を含むrAAVを含む。
本開示の特定の使用は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー又はベッカー型筋ジストロフィーの治療のための薬剤の調製のためのものである。例えば、本開示は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー又はベッカー型筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象においてデュシェンヌ型筋ジストロフィー又はベッカー型筋ジストロフィーを治療するための薬剤の調製のための組換えアデノウイルス関連(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンの用量の使用を提供し、薬物は、約1時間にわたる静脈内注入による投与用に製剤化され、投与されるrAAVの用量は、約2×1014vg/kgであり、rAAVは、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022を含む。
更なる実施形態では、本開示は、線維症の低減を必要とする対象において線維症を低減するための薬剤の調製のためのrAAVの使用を提供する。例えば、必要とする対象は、DMD又は任意の他のジストロフィン関連筋ジストロフィーなどの筋ジストロフィーに羅漢している可能性がある。
別の実施形態では、本開示は、筋ジストロフィーに羅漢している対象において線維症を予防する薬剤の調製のためのrAAVの使用を提供する。
加えて、本開示は、筋ジストロフィーに羅漢している対象において筋力及び/又は筋肉量を増加させるための薬剤の調製のためのrAAVの使用を提供する。
本発明はまた、筋ジストロフィーの治療のための薬剤の調製のためのrAAVの使用を提供する。
本開示は、筋ジストロフィーの治療のための薬剤の調製のための、配列番号1のヒトマイクロジストロフィンヌクレオチド配列及び配列番号2若しくは配列番号7のMHCK7プロモーターヌクレオチド配列を含むrAAVベクターの使用、又は筋ジストロフィーのための、配列番号9のAAVrf74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、若しく配列番号6のヌクレオチド56-5022を含むrAAVベクターの使用を提供する。
本開示の使用のいずれの他の実施形態では、対象における血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、対象へのrAAVの投与後に、以下からなる群から選択されるパーセントレベルだけ減少する:
a)投与後90、180、又は270日までに少なくとも78%;
b)投与後270日までに少なくとも46、55、70、又は95%;
c)投与後180日までに少なくとも72、73、74、又は95%;
d)投与後90日までに少なくとも87、88、93又は95%;
e)投与後270日までに少なくとも70%;
f)投与後90日、180日、又は270日までに70~95%;
g)投与後90、180、又は270日までに少なくとも69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、又は95%;及び
h)投与後90、180、又は270日までに69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、又は95%。
併用療法、筋ジストロフィーを治療するための組成物、又は筋ジストロフィーを治療するための薬剤の使用のいずれにおいても、対象の細胞におけるマイクロジストロフィン遺伝子発現のレベルは、組成物又は薬剤の投与後に増加する。細胞におけるマイクロジストロフィン遺伝子の発現は、組成物又は薬剤の投与前後に生検された筋肉においてウエスタンブロットによりマイクロジストロフィンタンパク質レベルを測定することによって検出される。特に、マイクロジストロフィンタンパク質のレベルは、組成物又は薬剤の投与前のマイクロジストロフィンのレベルと比較して、組成物又は薬剤の投与後に、少なくとも約70%~少なくとも約80%、又は少なくとも約70%~少なくとも約90%、又は少なくとも約80%~少なくとも約90%増加する。例えば、マイクロジストロフィンタンパク質のレベルは、組成物又は薬剤の投与前のマイクロジストロフィンのレベルと比較して、組成物の投与後に、少なくとも約70%又は少なくとも約71%又は少なくとも約72%又は少なくとも約73%又は少なくとも約74%又は少なくとも約75%又は少なくとも約76%又は少なくとも約77%又は少なくとも約78%又は少なくとも約79%又は少なくとも約80%、又は少なくとも約81%、又は少なくとも約82%、又は少なくとも約83%、又は少なくとも約84%、又は少なくとも約85%増加する。
加えて、細胞内のマイクロジストロフィン遺伝子の発現は、組成物又は薬剤の投与前後の筋肉生検において免疫組織化学によりマイクロジストロフィンタンパク質レベルを測定することによって検出される。マイクロジストロフィンタンパク質のレベルは、組成物又は薬剤の投与前のマイクロジストロフィンのレベルと比較して、rAAVの投与後に、少なくとも約70%~少なくとも約80%、又は少なくとも約70%~少なくとも約90%、又は少なくとも約80%~少なくとも約90%増加する。例えば、マイクロジストロトロフィンタンパク質のレベルは、組成物又は薬剤の投与前のマイクロジストロフィンのレベルと比較して、組成物又は薬剤の投与後に、少なくとも約70%又は少なくとも約71%又は少なくとも約72%又は少なくとも約73%又は少なくとも約74%又は少なくとも約75%又は少なくとも約76%又は少なくとも約77%又は少なくとも約78%又は少なくとも約79%又は少なくとも約80%、又は少なくとも約81%、又は少なくとも約82%、又は少なくとも約83%、又は少なくとも約84%、又は少なくとも約85%増加する。
併用療法、筋ジストロフィーを治療するための組成物、及び筋ジストロフィーを治療するための薬剤の使用のいずれにおいても、対象における血清CKレベルは、組成物又は薬剤の投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後に、減少する。例えば、対象における血清CKレベルは、組成物又は薬剤の投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに、約65%~約90%又は約65%~約95%又は約75%~約90%又は約80%~約90%又は約85%~約95%又は約87%~約95%又は約87%~約90%減少する。特に、本開示の筋ジストロフィーを治療するための併用療法、組成物、及び薬剤の使用のいずれにおいても、対象における血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに約87%減少する。本開示の併用療法、筋ジストロフィーを治療するための組成物、若しくは筋ジストロフィーを治療するための薬剤の使用のいずれにおいても、対象における血清CKレベルは、組成物若しくは薬剤の投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに、約72%減少する、又は本開示の併用療法、筋ジストロフィーを治療するための組成物、若しくは筋ジストロフィーを治療するための薬剤のいずれにおいても、対象における血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに、約73%減少する、又は本開示の筋ジストロフィーを治療するための組成物、若しくは筋ジストロフィーを治療するための薬剤の使用のいずれにおいても、対象における血清CKレベルは、併用療法、組成物若しくは薬剤の投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに、約78%減少する、又は本開示の併用療法、筋ジストロフィーを治療するための組成物、若しくは筋ジストロフィーを治療するための薬剤の使用のいずれにおいても、対象における血清CKレベルは、併用療法、組成物若しくは薬剤の投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後60日までに、約95%減少する。併用療法、筋ジストロフィーを治療するための組成物、又は筋ジストロフィーを治療するための薬剤の使用のいずれにおいても、対象の筋組織中のマイクロジストロフィン陽性線維の数は、rAAVの投与前のマイクロジストロフィン陽性線維の数と比較して、併用療法、組成物又は薬剤の投与後に増加する。例えば、マイクロジストロフィン陽性線維の数は、併用療法、組成物又は薬剤の投与前後の筋生検におけるウエスタンブロット又は免疫組織化学によりマイクロジストロフィンタンパク質レベルを測定することによって検出される。
併用療法、筋ジストロフィーを治療するための組成物、又は筋ジストロフィーを治療するための薬剤の使用のいずれにおいても、組成物又は薬剤の投与は、アルファサルコグリカン又はベータサルコグリカンなどのDAPCタンパク質の発現をアップレギュレートする。例えば、対象におけるアルファサルコグリカンのレベルは、併用療法、組成物又は薬剤の投与前のアルファサルコグリカンのレベルと比較して、rAAVの投与後に増加する。アルファサルコグリカンのレベルは、rAAV投与前後の筋生検におけるウエスタンブロット又は免疫組織化学によりアルファサルコグリカンタンパク質レベル又はベータサルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。
併用療法、筋ジストロフィーを治療するための組成物、又は筋ジストロフィーを治療するための薬剤の使用のいずれにおいても、対象における疾患の進行は、6分間歩行テスト、立ち上がり時間、4段上昇、4段昇降、North Star Ambulatory Assessment(NSAA)、10メートル計時テスト、100メートル計時テスト、ハンドヘルドダイナモメトリー(HHD)、Timed Up and Go、及び/又はGross Motor Subtest Scaled(Bayley-III)スコアのいずれかによって測定される場合に、rAAVの投与後に遅延する。
例えば、併用療法、筋ジストロフィーを治療するための組成物、又は筋ジストロフィーを治療するための薬剤の使用のいずれかの投与後に、対象は、rAAVの投与前のNSAAスコアと比較して、組成物又は薬剤の投与後少なくとも270日に、NSAAスコアにおいて少なくとも6ポイントの改善を有する。更に、方法、併用療法、筋ジストロフィーを治療するための組成物、又は筋ジストロフィーを治療するための薬剤の使用のいずれにおいても、対象は、併用療法、組成物又は薬剤の投与前の上昇する時間と比較して、rAAVの投与後少なくとも270日に、上昇する時間において少なくとも約0.8秒の改善を有する。加えて、本開示の方法、併用療法、組成物又は使用のいずれにおいても、対象は、併用療法、組成物又は薬剤の投与前の4段上昇テストの時間と比較して、rAAVの投与後少なくとも270日に、4段上昇テストの時間において少なくとも約1.2秒の改善を有する。加えて、本開示の方法、併用療法、組成物又は使用のいずれにおいても、対象は、rAAVの投与前の100m計時テストと比較して、rAAVの投与後少なくとも270日に、100m計時テストにおいて少なくとも約7秒の改善を有する。
別の実施形態では、本開示は、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977又は配列番号6のヌクレオチド56~5022ヌクレオチドを含む患者細胞においてマイクロジストロフィン遺伝子を発現するための組成物を提供する。更なる実施形態では、本開示は、患者細胞においてマイクロジストロフィン遺伝子を発現するための薬剤の調製のための、組成物配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977又は配列番号6のヌクレオチド56~5022ヌクレオチドの用量の使用を提供する。例えば、患者細胞におけるマイクロジストロフィン遺伝子の発現は、rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物の投与前後の筋生検におけるウエスタンブロット又は免疫組織化学によりマイクロジストロフィンタンパク質レベルを測定することによって検出される。加えて、マイクロジストロフィン遺伝子の発現は、核当たりより多くの数のベクターゲノムを検出することによって患者において測定され、核当たり1つのベクターゲノムは、約50%のマイクロジストロフィン発現であり、核当たり1コピー超は、マイクロジストロフィン発現レベルと一致している。例えば、細胞は、核当たり1.2個のベクターコピー、又は核当たり1.3個のベクターコピー、又は核当たり1.4個のベクターコピー、又は核当たり1.5個のベクターコピー、又は核当たり1.6個のベクターコピー、又は核当たり1.7個のベクターコピー、又は核当たり1.8個のベクターコピー、又は核当たり1.9個のベクターコピーを有する。
更なる実施形態では、本開示は、血清CKレベルの低下を必要とする患者において血清CKレベルを低下させるための組成物を提供し、この組成物は、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022ヌクレオチドを含む。加えて、本開示は、血清CKレベルの低下を必要とする患者において血清CKレベルを低下させるための薬剤の調製のための、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022ヌクレオチドの用量の使用を提供する。例えば、患者における血清CKレベルは、組成物又は薬剤の投与前の血清CKレベルと比較して、組成物又は薬剤の投与後60日までに、少なくとも約65%~約90%又は約65%~約95%又は約75%~約90%又は約80%~約90%又は約85%~約95%又は約87%~約95%又は約87%~約90%減少する。特に、対象における血清CKレベルは、組成物若しくは薬剤の投与前の血清CKレベルと比較して、組成物若しくは薬剤の投与後60日までに約87%減少するか、又は組成物若しくは薬剤の投与前の血清CKレベルと比較して、組成物若しくは薬剤の投与後60日までに約72%減少するか、又は組成物若しくは薬剤の投与前の血清CKレベルと比較して、組成物若しくは薬剤の投与後60日までに約73%減少するか、又は組成物若しくは薬剤の投与前の血清CKレベルと比較して、組成物若しくは薬剤の投与後60日までに約78%減少するか、又は組成物若しくは薬剤の投与前の血清CKレベルと比較して、組成物若しくは薬剤の投与後60日までに約95%減少する。
本開示はまた、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022を含む患者筋組織においてマイクロジストロフィン陽性線維を増加させる組成物を提供する。加えて、本開示は、患者筋組織においてマイクロジストロフィン陽性線維を増加させる薬剤の調製のための、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022の用量の使用を提供する。例えば、マイクロジストロフィン陽性線維の数は、組成物又は薬剤の投与前後の筋生検におけるウエスタンブロット又は免疫組織化学によりジストロフィンタンパク質レベルを測定することによって検出される。加えて、マイクロジストロフィン遺伝子の発現は、核当たりより多くの数のベクターゲノムを検出することによって患者において測定され、核当たり1つのベクターゲノムは、約50%のマイクロジストロフィン発現であり、核当たり1コピー超は、マイクロジストロフィン発現レベルと一致している。例えば、細胞は、核当たり1.2個のベクターコピー、又は核当たり1.3個のベクターコピー、又は核当たり1.4個のベクターコピー、又は核当たり1.5個のベクターコピー、又は核当たり1.6個のベクターコピー、又は核当たり1.7個のベクターコピー、又は核当たり1.8個のベクターコピー、又は核当たり1.9個のベクターコピーを有する。
別の実施形態では、本開示は、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022を含む、アルファサルコグリカンの発現を必要とする患者においてアルファサルコグリカンの発現を増加させるための組成物を提供する。本開示はまた、アルファサルコグリカンの発現を必要とする患者においてアルファサルコグリカンの発現を増加させるための薬剤の調製のための、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022の用量の使用を提供する。例えば、アルファサルコグリカンのレベルは、組成物又は薬剤の投与前後の筋生検におけるウエスタンブロット又は免疫組織化学によりアルファサルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。
加えて、本開示は、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022を含む、ベータサルコグリカンの発現を必要とする患者においてベータサルコグリカンの発現を増加させるための組成物を提供する。本開示はまた、ベータサルコグリカンの発現を必要とする患者においてベータサルコグリカンの発現を増加させるための薬剤の調製のための、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022の使用を提供する。例えば、ベータサルコグリカンのレベルは、組成物又は薬剤の投与前後の筋生検におけるウエスタンブロット又は免疫組織化学によりベータサルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。
本開示はまた、患者における疾患の進行をもたらす薬剤の投与が、6分間歩行テスト、立ち上がり時間、4段上昇、4段昇降、North Star Ambulatory Assessment(NSAA)、10メートル計時テスト、100メートル計時テスト、ハンドヘルドダイナモメトリー(HHD)、Timed Up and Go、及び/又はGross Motor Subtest Scaled(Bayley-III)スコアのいずれかによって測定されるように、デュシェンヌ型筋ジストロフィー又はベッカー型筋ジストロフィーを有する患者を治療するための薬剤の調製のための、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド55~5021、配列番号8のヌクレオチド1~4977、又は配列番号6のヌクレオチド56~5022の用量の使用も提供する。
例えば、対象は、rAAVの投与前のNSAAスコアと比較して、rAAVの投与後少なくとも270日後に、NSAAスコアにおいて少なくとも6ポイントの改善を有する。更に、対象は、rAAVの投与前の上昇する時間と比較して、rAAVの投与後少なくとも270日に、上昇する時間において少なくとも約0.8秒の改善を有する。加えて、対象は、組成物又は薬剤の投与前の4段上昇テストの時間と比較して、rAAVの投与後少なくとも270日に、4段上昇テストの時間において少なくとも約1.2秒の改善を有する。加えて、対象は、組成物又は薬剤の投与前の100m計時テストと比較して、rAAVの投与後少なくとも270日に、100m計時テストにおいて少なくとも約7秒の改善を有する。
rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物を示す。この構築物では、cDNA発現カセットにAAV2末端逆位配列(ITR)が隣接している。構築物はインフレームロッド欠失(R4~R23)を特徴とし、ヒンジ1、2、及び4(H、H、及びH)並びにシステインリッチドメインが138kDaタンパク質を産生することを維持する。マイクロジストロフィンタンパク質(3579bp)の発現は、MHCK7プロモーター(795bp)によって誘導される。イントロン及び5’UTRは、プラスミドpCMVβ(Clontech)に由来する。マイクロジストロフィンカセットは、ATG開始の直前にコンセンサスのコザックがあり、mRNA終了のための小さな53bpの合成ポリAシグナルを有していた。Harper et al.(Nature Medicine 8,253-261(2002))によって以前に記載されたように、ヒトマイクロジストロフィンカセットは、(R4~R23/Δ71~78)ドメインを含んでいた。 核酸配列(配列番号3)rAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを提供する。 核酸配列(配列番号3)rAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを提供する。 核酸配列(配列番号3)rAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを提供する。 核酸配列(配列番号3)rAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを提供する。 pNLREP2-Caprh74 AAVヘルパープラスミドマップを提供する。 Ad HelperプラスミドpHELPを提供する。 rAAV.MCK.マイクロジストロフィンプラスミド構築物を示す。 核酸配列(配列番号5)rAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンを提供する。 核酸配列(配列番号5)rAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンを提供する。 核酸配列(配列番号5)rAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンを提供する。 核酸配列(配列番号5)rAAVrh74.MCK.マイクロジストロフィンを提供する。 核酸配列(配列番号9)rAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを提供する。 核酸配列(配列番号9)rAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを提供する。 核酸配列(配列番号9)rAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを提供する。 AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンプラスミド構築物を示す。 カナマイシン耐性遺伝子を含むrAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンプラスミド構築物の核酸配列(配列番号8)を提供する。 カナマイシン耐性遺伝子を含むrAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンプラスミド構築物の核酸配列(配列番号8)を提供する。 カナマイシン耐性遺伝子を含むrAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンプラスミド構築物の核酸配列(配列番号8)を提供する。 カナマイシン耐性遺伝子を含むrAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンプラスミド構築物の核酸配列(配列番号8)を提供する。 治療的β-サルコグリカン導入遺伝子カセットの概略図を提供する。コドン最適化ヒトβ-サルコグリカン遺伝子(hSGCB)を含む自己相補的AAVベクター。筋特異的MHCK7プロモーターが発現を駆動する。カセットはまた、安定性のためにプロセシング及びポリアデニル化シグナルを増強するキメライントロンを含む。 rAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを再投与した後のNHPにおけるAAVrh74に対する抗体力価のグラフを提供する。点線は、AAVrh.74に対する1:400の閾値であった総AAVrh.74抗体力価レベルについての選択基準を表す。 TPE後にrAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを再投与したNHPにおけるTPE前と比較して、TPE後のマイクロジストロフィンタンパク質発現の倍率変化を提供する。 TPEの10日間コースにわたる血漿量(PV)除去後の血漿抗体のコースを提供する。
本開示は、rAAV.rh74.MHCK7.マイクロジストロフィンの血管内送達後の遺伝子発現を増強するための用量、期間、及び免疫抑制レジメンを特定することと、TPEを使用して既存のAAV抗体を除去することと併せて、rAAVの投与後又は再投与後に技術を特定し、遺伝子発現を増強することと、TPEを使用せずに再投与することを評価することに関する。本発明の方法は、本明細書に記載されるrAAV.rh74.MHCK7.マイクロジストロフィン、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、又はrAAVrh.74.MHCK7.huAN05のいずれかの投与前に、免疫抑制レジメン及び/又はTPEを投与することを包含し、この方法は、本明細書に記載されるrAAV.rh74.MHCK7.マイクロジストロフィン、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、又はrAAVrh.74.MHCK7.huAN05の再投与前に、免疫抑制レジメン及び/又はTPEを投与することを包含する。
本開示は、ヒトマイクロジストロフィンを過剰発現する遺伝子治療用ベクター、例えば、rAAVベクター、並びに筋ジストロフィー患者において線維症を軽減及び予防する方法を提供する。DMDの診断の最も早い年齢で採取された筋生検は、顕著な結合組織の増殖を明らかにする。筋線維症は複数の点で有害である。それは、結合組織関門を介した筋内膜の栄養素の通常の通過を減らし、血流を減らし、筋肉から血管由来の栄養成分を奪い、四肢拘縮による歩行の早期喪失の機能的な一因となる。経時的に、筋肉の顕著な線維化の結果として、治療の課題が増加する。これは、連続した時点での結合組織の増殖を比較する筋生検で観察できる。このプロセスは悪化を続け、特に車椅子依存の患者では、歩行の喪失をもたらし、制御不能を加速する。
線維症を軽減するための並行アプローチを含む早期治療なしでは、エクソンスキッピング、ストップコドンリードスルー、又は遺伝子置換療法の利点が完全に達成される可能性は低いであろう。低分子又はタンパク質置換戦略でさえ、筋線維症を軽減するアプローチなしでは失敗する可能性がある。AAV.マイクロジストロフィンで治療した既存の線維症を有する高齢mdxマウスでの以前の研究では、完全な機能回復を達成できないことが示された(Liu,M.,et al.,Mol Ther 11,245-256(2005))。DMD心筋症の進行は、心室壁の瘢痕化と線維化を伴うことも知られている。
本発明の実施は、他に示されない限り、当業者の技術の範囲内で、ウイルス学、微生物学、分子生物学、及び組換えDNA技術の従来の方法を使用する。そのような技術は、文献で完全に説明されている。例えば、Sambrook et al.Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Current Edition)、DNA Cloning:A Practical Approach,Vol.I & II(D.Glover,ed.)、Oligonucleotide Synthesis(N.Gait,ed.,Current Edition)、Nucleic Acid Hybridization(B.Hames & S.Higgins,eds.,Current Edition)、Transcription and Translation(B.Hames & S.Higgins,eds.,Current Edition)、CRC Handbook of Parvoviruses,vol.I & II(P.Tijssen,ed.)、Fundamental Virology,2nd Edition,vol.I & II(B.N.Fields and D.M.Knipe,eds.)、Freshney Culture of Animal Cells,A Manual of Basic Technique(Wiley-Liss,Third Edition)、及びAusubel et al.(1991)Current Protocols in Molecular Biology(Wiley Interscience,N.Y.)を参照されたい。
本明細書で引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、上記又は下記にかかわらず、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
定義
単数形「a」、「an」、及び「the」には、文脈上特に明記されていない限り、複数形の指示対象が含まれる。したがって、例えば、「細胞」への言及は、複数のそのような細胞を含み、「培養物」への言及は、1つ以上の培養物及び当業者に周知されるその同等物への言及を含む、などである。「組換えAAV」への言及は、2つ以上のrAAVビリオンの混合物を含む、などである。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当該技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
特許請求の範囲における「又は」という用語の使用は、代替案のみを指すように明示的に示されない限り、又は代替案が相互に排他的である場合を除き、「及び/又は」を意味するように使用されるが、本開示は、代替案及び「及び/又は」のみを指す定義を支持する。
本出願全体を通して、「約」という用語は、値が、値を決定するために使用されているデバイス又は方法に対する統計的実験誤差(誤差の標準偏差)を含むことを示すために使用される。
「ベクター」という用語は、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体、ウイルス、ビリオンなどの、適切な制御要素と関連する場合に複製することができ、かつ細胞間で遺伝子配列を移入することができる、任意の遺伝子要素を意味する。一実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターである。
本明細書で使用される場合、「AAV」という用語は、アデノ随伴ウイルスの一般的な略語である。アデノ随伴ウイルスは、ある特定の機能が同時感染ヘルパーウイルスによって提供される細胞内でのみ成長する一本鎖DNAパルボウイルスである。現在、特性評価されているAAVの血清型は13個存在する。AAVの一般的な情報及び概説は、例えば、Carter,1989,Handbook of Parvoviruses,Vol.1,pp.169-228、及びBerns,1990,Virology,pp.1743-1764,Raven Press,(New York)に見出すことができる。しかしながら、様々な血清型が遺伝子レベルでさえも構造的及び機能的の両方で非常に密接に関連していることがよく知られているため、これらの同じ原理が追加のAAV血清型に適用可能であることが十分に予想される。(例えば、Blacklowe,1988,pp.165-174 of Parvoviruses and Human Disease,J.R.Pattison,ed.、及びRose,Comprehensive Virology 3:1-61(1974)を参照されたい)。例えば、全てのAAV血清型は、相同rep遺伝子によって媒介される非常に類似した複製特性を明らかに呈し、これらは全て、AAV2で発現されたもの等の3つの関連カプシドタンパク質を有する。関連性の程度は、ゲノムの長さに沿った血清型間の広範な交差ハイブリダイゼーション、及び「逆位末端反復配列」(ITR)に対応する末端における類似自己アニーリングセグメントの存在を明らかにする、ヘテロ二本鎖分析によって更に示唆される。類似感染性パターンはまた、各血清型における複製機能が類似調節制御下にあることも示唆する。
本明細書で使用される場合の「AAVベクター」とは、AAV末端反復配列(ITR)に隣接している1つ以上の目的とするポリヌクレオチド(又は導入遺伝子)を指す。かかるAAVベクターは、rep及びcap遺伝子産物をコード及び発現するベクターでトランスフェクトされた宿主細胞中に存在する場合に、感染性ウイルス粒子に複製及びパッケージングされ得る。一実施形態では、AAVベクターは、限定されないが、AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8、AAV-9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV rh10、及びAAVrh.74を含む、アデノ随伴ウイルス血清型に由来するベクターである。AAVベクターは、好ましくはrep及び/又はcap遺伝子で、AAV野生型遺伝子のうちの1つ以上が全部又は一部分において欠失しているが、機能的な隣接ITR配列を保持することができる。機能的なITR配列は、AAVビリオンのレスキュー、複製、及びパッケージングに必要である。したがって、AAVベクターは、ウイルスの複製及びパッケージング(例えば、機能的ITR)のためにシスで必要とされる少なくともそれらの配列を含むように本明細書で定義される。ITRは、野生型ヌクレオチド配列である必要はなく、配列が機能的レスキュー、複製、及びパッケージングを提供する限り、例えば、ヌクレオチドの挿入、欠失又は置換によって変更され得る。
「AAVヘルパー機能」という用語は、生産的なAAV複製のために次にトランスで機能するAAV遺伝子産物を提供するために発現され得るAAV由来コード配列を指す。したがって、AAVヘルパー機能は、主要なAAVオープンリーディングフレーム(ORF)、rep、及びcapを含む。Rep発現産物は、とりわけ、DNA複製のAAV起点の認識、結合、及びニッキング、DNAヘリカーゼ活性、並びにAAV(又は他の異種)プロモーターからの転写の調節を含む、多くの機能を所有することが示されている。Cap発現産物は、必要なパッケージング機能を供給する。AAVヘルパー機能は、本明細書では、AAVベクターから失われたトランスのAAV機能を補完するために使用される。
「組換えウイルス」とは、例えば、ウイルス粒子への異種核酸配列の付加又は挿入によって遺伝的に変更されたウイルスを意味する。
「AAVビリオン」又は「AAVウイルス粒子」又は「AAVベクター粒子」とは、少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質及びカプシドに包まれたポリヌクレオチドAAVベクターからなるウイルス粒子を指す。一実施形態では、AAVビリオンは、異種ポリヌクレオチド(すなわち、哺乳動物細胞に送達される導入遺伝子などの野生型AAVゲノム以外のポリヌクレオチド)を含む。いくつかの実施形態では、AAVウイルス粒子の産生には、AAVベクターの産生が含まれ、例えば、ベクターは、AAVベクター粒子内に含有される。
哺乳動物細胞に送達される導入遺伝子などのAAVゲノム、それは、典型的には、「AAVベクター粒子」又は単に「AAVベクター」と称される。したがって、かかるベクターがAAVベクター粒子内に含有されるため、AAVベクター粒子の産生には、必然的にAAVベクターの産生が含まれる。
例えば、野生型(wt)AAVウイルス粒子は、AAVキャプシドタンパク質コートに関連する線状の一本鎖AAV核酸ゲノムを含む。AAVビリオンは、一本鎖(ss)AAV又は自己相補的(SC)AAVのいずれかであり得る。一実施形態では、相補的センス、例えば「センス」又は「アンチセンス」鎖のいずれかの一本鎖AAV核酸分子は、AAVビリオンにパッケージングされ得、両方の鎖は、等しく感染性である。
「組換えAAV」又は「rAAV」という用語は、AAV ITRが両側に隣接する目的の異種ヌクレオチド配列をカプセル化する、AAVタンパク質シェルからなる感染性の複製欠損ウイルスとして本明細書で定義される。一実施形態では、rAAVは、好適な宿主細胞で産生され、これは、その中に導入されたAAVベクター、AAVヘルパー機能、及びアクセサリー機能を有する。このようにして、宿主細胞は、その後の遺伝子送達のために、AAVベクター(目的の組換えヌクレオチド配列を含有する)を感染性組換えビリオン粒子にパッケージングするために必要とされるAAVポリペプチドをコードすることができる。
「トランスフェクション」という用語は、細胞による外来DNAの取り込みを指し、細胞は、外因性DNAが細胞膜内に導入されたときに「トランスフェクト」される。多くのトランスフェクション技術が当該技術分野において一般的に知られている。例えば、Graham et al.(1973)Virology,52:456、Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning,a laboratory manual,Cold Spring Harbor Laboratories,New York、Davis et al.(1986)Basic Methods in Molecular Biology,Elsevier、及びChu et al.(1981)Gene 13:197を参照されたい。そのような技術を用いて、ヌクレオチド組み込みベクター及び他の核酸分子などの、1つ以上の外来性DNA部分を好適な宿主細胞に導入することができる。
「形質導入」という用語は、複製欠損ウイルスベクターを介した、例えば、組換えAAVビリオンを介したインビボ又はインビトロのいずれかでのレシピエント細胞へのDNA分子の送達を意味する。
「宿主細胞」という用語は、AAVヘルパー構築物、AAVベクタープラスミド、アクセサリー機能ベクター、又はその他のトランスファーDNAのレシピエントとして使用できるか、又は使用されてきた、例えば、微生物、酵母細胞、昆虫細胞、及び哺乳動物細胞を意味する。この用語には、トランスフェクトされた元の細胞の子孫が含まれる。したがって、本明細書で使用される「宿主細胞」は、一般に、外因性DNA配列でトランスフェクトされた細胞を指す。単一の親細胞の子孫は、自然、偶発的、又は意図的な変異のために、形態又はゲノム又は全DNA補体において必ずしも完全に同一でない場合があることが理解される。
「筋肉細胞」又は「筋肉組織」とは、あらゆる種類の筋肉(例えば、消化管、膀胱、血管、又は心臓組織に由来する骨格筋及び平滑筋)に由来する細胞又は細胞群を意味する。そのような筋肉細胞は、筋芽細胞、筋細胞、筋管、心筋細胞、及び心筋芽細胞など、分化又は未分化であり得る。
「異種」という用語は、コード配列及び制御配列などの核酸配列に関連するとき、通常は一緒に結合されていない、かつ/又は通常は特定の細胞に関連していない配列を示す。したがって、核酸構築物又はベクターの「異種」領域は、自然界で他の分子と関連して見られない、別の核酸分子内又は別の核酸分子に付着した核酸のセグメントである。例えば、核酸構築物の異種領域は、自然界のコード配列に関連して見られない配列が隣接するコード配列を含み得る。異種コード配列の別の例は、コード配列自体が自然界で見られない(例えば、天然の遺伝子とは異なるコドンを有する合成配列)構築物である。同様に、細胞内に通常は存在しない構築物で形質転換された細胞は、本発明の目的のために異種であるとみなされるであろう。本明細書で使用される場合、対立遺伝子変異又は自然に発生する変異事象は、異種DNAを生じさせない。
「コード配列」又は特定のタンパク質を「コードする」配列は、適切な調節配列の制御下に配置されると、インビトロ又はインビボでポリペプチドに転写され(DNAの場合)、翻訳される(mRNAの場合)核酸配列である。コード配列の境界は、5’(アミノ)末端の開始コドン及び3’(カルボキシ)末端の翻訳停止コドンによって決定される。コード配列には、原核生物又は真核生物のmRNAからのcDNA、原核生物又は真核生物のDNAからのゲノムDNA配列、更には合成DNA配列が含まれ得るが、これらに限定されない。転写終結配列は、通常、コード配列の3’側に位置するであろう。
「核酸」配列は、DNA又はRNA配列を指す。核酸には、4-アセチルシトシン、8-ヒドロキシ-N6-メチルアデノシン、アジリジニルシトシン、シュードイソシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルアデニン、1-メチルシュードウラシル、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-メチルアデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、ベータ-D-マンノシルケオシン、5’-メトキシカルボニルメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸、オキシブトキソシン、シュードウラシル、クエオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、-ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸、シュードウラシル、クエオシン、2-チオシトシン、及び2,6-ジアミノプリンを含むが、これらに限定されないDNA及びRNAの塩基類似体が含まれる。
DNA「制御配列」という用語は、集合的に、プロモーター配列、ポリアデニル化シグナル、転写終結配列、上流調節ドメイン、複製の起点、内部リボソーム侵入部位(「IRES」)、エンハンサーなどを指し、これらは、レシピエント細胞におけるコード配列の複製、転写、及び翻訳を集合的に提供する。選択されたコード配列が適切な宿主細胞で複製、転写、及び翻訳されることができる限り、これらの制御配列の全てが常に存在する必要はない。
「プロモーター」という用語は、DNA調節配列を含むヌクレオチド領域を指すために、その通常の意味で本明細書において使用され、調節配列は、RNAポリメラーゼに結合し、下流(3’-方向)コーディング配列の転写を開始させることができる遺伝子に由来する。転写プロモーターには、「誘導性プロモーター」(プロモーターに作動可能に連結されたポリヌクレオチド配列の発現が分析物、補因子、調節タンパク質などによって誘導される)、「抑制性プロモーター」(プロモーターに作動可能に連結されたポリヌクレオチド配列の発現が分析物、補因子、調節タンパク質などによって誘導される)、及び「構成的プロモーター」が含まれ得る。一実施形態では、プロモーターは、筋特異的プロモーターであり、これには、ヒト骨格アクチン遺伝子要素、心臓アクチン遺伝子要素、デスミンプロモーター、骨格アルファアクチン(ASKA)プロモーター、トロポニンI(TNNI2)プロモーター、筋細胞特異的エンハンサー結合因子mef結合要素、筋クレアチンキナーゼ(MCK)プロモーター、短縮型MCK(tMCK)プロモーター、ミオシン重鎖(MHC)プロモーター、ハイブリッドa-ミオシン重鎖エンハンサー/MCKエンハンサープロモーター(MHCK7)プロモーター、C5~12プロモーター、マウスクレアチンキナーゼエンハンサー要素、骨格の速筋トロポニンc遺伝子要素、遅筋心臓トロポニンc遺伝子要素、遅筋トロポニンi遺伝子要素、低酸素誘導性核因子(HIF)応答要素(HRE)、ステロイド誘導性要素、及びグルココルチコイド応答要素(gre)が含まれるが、これらに限定されない。別の実施形態では、プロモーターは、MCKプロモーター、tMCKプロモーター、又はMHCK7プロモーターである。
「動作可能にリンクされた」という用語は、そのように記述された構成要素がそれらの通常の機能を実行するように構成される要素の配置を指す。したがって、コード配列に作動可能に連結された制御配列は、コード配列の発現に影響を与えることができる。制御配列は、それらがその発現を指示するように機能する限り、コード配列と隣接している必要はない。したがって、例えば、介在する未翻訳であるが転写された配列は、プロモーター配列とコード配列との間に存在することができ、プロモーター配列は、依然としてコード配列に「作動可能に連結されている」とみなされ得る。
RNAポリメラーゼがプロモーター配列に結合し、コード配列をmRNAに転写し、次にコード配列によってコードされるポリペプチドに翻訳されるとき、プロモーターは、細胞内のコード配列の「転写を指示」する。
「発現カセット」又は「発現構築物」は、目的の配列又は遺伝子の発現を指示することができる集合体を指す。発現カセットは、上記のように、目的の配列又は遺伝子に(転写を指示するように)作動可能に連結されるプロモーターなどの制御要素を含み、ポリアデニル化配列も含むことが多い。本発明のある特定の実施形態内で、本明細書に記載の発現カセットは、プラスミド構築物内に含まれ得る。発現カセットの構成要素に加えて、プラスミド構築物はまた、1つ以上の選択可能なマーカー、プラスミド構築物が一本鎖DNAとして存在することを可能にするシグナル、少なくとも1つのマルチクローニング部位、及び「哺乳動物」の複製起点(例えば、SV40又はアデノウイルスの複製起点)を含み得る。
ヌクレオチド配列を指す場合の「単離された」とは、示された分子が、他のヌクレオチド配列、クロマチン材料などの他の生物学的高分子の実質的な不在下に存在することを意味する。したがって、「特定のポリペプチドをコードする単離された核酸分子」は、対象のポリペプチドをコードしない他の核酸分子を実質的に含まない核酸分子を指すが、しかしながら、分子は、組成物の基本的な特性に悪影響を及ぼさないいくつかの追加の塩基又は部分を含み得る。
特定のヌクレオチド配列が別の配列に対して「上流」、「下流」、「3」、又は「5」に位置すると記載されている場合など、本出願全体にわたって特定の核酸分子中のヌクレオチド配列の相対位置を記載する目的で、それは、当技術分野で慣習的であると称されるDNA分子の「センス」又は「コーディング」鎖における配列の位置であることが理解されるべきである。
核酸配列又はアミノ酸配列の文脈における「配列同一性」、「配列同一性の割合」、又は「同一の割合」という用語は、最大限対応するようにアラインメントさせたときに同じである2つの配列中の残基を指す。配列同一性の比較の長さは、ゲノムの全長、遺伝子コード配列の全長であり得るか、又は少なくとも約500~5000個のヌクレオチドのフラグメントが望ましい。しかしながら、少なくとも約9個のヌクレオチド、通常は少なくとも約20~24個のヌクレオチド、少なくとも約28~32個のヌクレオチド、少なくとも約36個以上のヌクレオチドなど、より小さいフラグメント間の同一性もまた所望され得る。配列の同一性の割合は、当技術分野で知られている技術によって決定することができる。例えば、相同性は、配列情報を整列させ、ALIGN、ClustalW2、及びBLASTなどの容易に入手可能なコンピュータプログラムを使用することにより、2つのポリペプチド分子間の配列情報を直接比較することによって決定することができる。一実施形態では、BLASTがアラインメントツールとして使用される場合、次のデフォルトパラメータ、遺伝暗号=標準;filter=なし;鎖=両方;カットオフ=60;予測=10;マトリクッス=BLOSUM62;説明=50個の配列;並べ替え=高得点;データベース=非冗長、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS翻訳+スイスプロテイン+Spupdate+PIR。
「対象」という用語は、動物界の任意のメンバーを指し、これには、ヒト並びにチンパンジー及び他の類人猿及びサル種などの非ヒト霊長類、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、及びウマなどの家畜、イヌ及びネコなどの家畜哺乳動物、マウス、ラット、及びモルモットなどのげっ歯動物を含む実験動物などが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、対象は、出生~2歳、1~10歳の範囲、又は4~15歳の範囲、又は10~19歳の範囲、又は20~40歳、又は15~29歳又は25~55歳の範囲、又は40~60歳の範囲、又は50歳以上又は60歳以上又は65歳以上又は70歳以上のヒトである。
AAV
アデノ随伴ウイルス(AAV)は、複製欠損パルボウイルスであり、その一本鎖DNAゲノムは、145ヌクレオチドの末端逆位配列(ITR)を含む約4.7kb長である。AAVの複数の血清型が存在する。AAV血清型のゲノムのヌクレオチド配列は、既知である。例えば、AAV血清型2(AAV2)ゲノムのヌクレオチド配列は、Ruffing et al.,J Gen Virol,75:3385-3392(1994)によって修正されたSrivastava et al.,J Virol,45:555-564(1983)に提示されている。他の例として、AAV-1の完全ゲノムは、GenBank受理番号NC_002077に提示されており、AAV-3の完全ゲノムは、GenBank受理番号NC_1829に提示されており、AAV-4の完全ゲノムは、GenBank受理番号NC_001829に提示されており、AAV-5ゲノムは、GenBank受理番号AF085716に提示されており、AAV-6の完全ゲノムは、GenBank受理番号NC_00 1862に提示されており、AAV-7及びAAV-8のゲノムの少なくとも一部は、それぞれ、GenBank受理番号AX753246及びAX753249に提示されており(AAV-8に関する米国特許第7,282,199及び同第7,790,449もまた参照されたい)、AAV-9ゲノムは、Gao et al.,J.Virol.,78:6381-6388(2004)に提示されており、AAV-10ゲノムは、Mol.Ther.,13(1):67-76(2006)に提示されており、AAV-11ゲノムは、Virology,330(2):375-383(2004)に提示されている。AAVrh.74血清型のクローニングは、Rodino-Klapac.,et al.Journal of translational medicine 5,45(2007)に記載されている。ウイルスDNA複製(rep)、カプシド形成/パッケージング、及び宿主細胞染色体組み込みを指示するCis作用配列は、ITR内に含有される。3つのAAVプロモーター(それらの相対マップ位置に対してp5、p19、及びp40と名付けられる)は、rep及びcap遺伝子をコードする2つのAAV内部オープンリーディングフレームの発現を駆動する。単一のAAVイントロンの差異的スプライシング(例えば、AAV2のヌクレオチド2107及び2227における)と相まって、2つのrepプロモーター(p5及びp19)は、rep遺伝子から4つのrepタンパク質(rep78、rep68、rep52、及びrep40)の産生をもたらす。Repタンパク質は、最終的にウイルスゲノムの複製に関与する複数の酵素特性を保有する。cap遺伝子は、p40プロモーターから発現され、3つのカプシドタンパク質VP1、VP2、及びVP3をコードする。選択的スプライシング及び非コンセンサス翻訳開始部位は、3つの関連カプシドタンパク質の産生に関与する。単一コンセンサスポリアデニル化部位は、AAVゲノムのマップ位置95に位置する。AAVのライフサイクル及び遺伝学は、Muzyczka,Current Topics in Microbiology and Immunology,158:97-129(1992)に概説されている。
AAVは、例えば、遺伝子療法において、外来DNAを細胞に送達するためのベクターとしてそれを魅力的にする固有の特徴を有する。培養中の細胞のAAV感染は、非細胞変性であり、ヒト及び他の動物の自然感染は、サイレント及び無症候性である。更に、AAVは、多くの哺乳動物細胞を感染させ、インビボで多くの異なる組織を標的とする可能性を許容する。更に、AAVは、ゆっくりと分裂する細胞及び非分裂細胞を形質導入し、転写的に活性な核エピソーム(染色体外エレメント)としてそれらの細胞の寿命にわたって本質的に存続することができる。AAVプロウイルスゲノムは、組換えゲノムの構築を実現可能にするプラスミド中のクローン化DNAとして感染性である。更に、AAV複製、ゲノムカプシド形成及び組み込みを指示するシグナルがAAVゲノムのITR内に含有されるため、ゲノムの内部約4.3kb(複製及び構造カプシドタンパク質、rep-capをコードする)のいくつか又は全ては、プロモーター、目的のDNA、及びポリアデニル化シグナルを含有する遺伝子カセットなどの外来DNAと置換され得る。rep及びcapタンパク質は、トランスで提供され得る。AAVの別の重要な特徴は、それが極めて安定した頑健なウイルスであることである。これは、アデノウイルスを不活性化するために使用される条件(56℃~65℃で数時間)に容易に耐え、AAVの低温保存の重要性を低くする。AAVは、凍結乾燥され得る。最後に、AAV感染細胞は、重複感染に耐性を示さない。
複数の研究により、筋肉における長期(1.5年を超える)の組換えAAV媒介タンパク質発現が実証されている。Clark et al.,Hum Gene Ther,8:659-669(1997);Kessler et al.,Proc Nat.Acad Sc.USA,93:14082-14087(1996)、及びXiao et al.,J Virol,70:8098-8108(1996)を参照されたい。また、Chao et al.,Mol Ther,2:619-623(2000)、及びChao et al.,Mol Ther,4:217-222(2001)も参照されたい。更に、筋肉は高度に血管形成されているため、Herzog et al.,Proc Natl Acad Sci USA,94:5804-5809(1997)、及びMurphy et al.,Proc Natl Acad Sci USA,94:13921-13926(1997)に記載されているように、組換えAAV形質導入が、筋肉内注射に続いて体循環において導入遺伝子産物の出現をもたらした。更に、Lewis et al.,J Virol,76:8769-8775(2002)は、骨格筋線維が、正しい抗体グリコシル化、折り畳み、及び分泌のための必要な細胞因子を保有することを実証し、筋肉が分泌タンパク質治療薬の安定した発現が可能であることを示した。
本開示の組換えAAVゲノムは、本開示の核酸分子及び核酸分子に隣接する1つ以上のAAV ITRを含む。rAAVゲノムのAAV DNAは、AAV血清型AAVrh.74、AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8、AAV-9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、AAV-13及びAAVrh.74を含むがこれらに限定されない、組換えウイルスを誘導できる任意のAAV血清型に由来し得る。偽型rAAVの生成は、例えば、WO01/83692に開示される。他のタイプのrAAVバリアント、例えば、カプシド変異を有するrAAVも企図される。例えば、Marsic et al.,Molecular Therapy,22(11):1900-1909(2014)を参照されたい。上記の背景技術の部分に記載されたように、様々なAAV血清型のゲノムのヌクレオチド配列が、当該技術分野において既知である。筋肉特異的な発現を促進するために、AAVrh.74を使用することができる。
本開示のDNAプラスミドは、本開示のrAAVゲノムを含む。DNAプラスミドは、rAAVゲノムの感染性ウイルス粒子への組み立てのために、AAVのヘルパーウイルス(例えば、アデノウイルス、E1欠失アデノウイルス、又はヘルペスウイルス)の感染に許容される細胞に移される。パッケージングされるAAVゲノム、rep及びcap遺伝子、並びにヘルパーウイルス機能が細胞に提供される、rAAV粒子を産生する技術は、当該技術分野において標準的である。rAAVの産生は、以下の成分、rAAVゲノム、rAAVゲノムから分離した(すなわち、その中に存在しない)AAV rep及びcap遺伝子、並びにヘルパーウイルス機能が、単一細胞(本明細書でパッケージング細胞と表される)内に存在することを必要とする。AAVのrep及びcap遺伝子は、組換えウイルスが由来し得る任意のAAV血清型に由来してもよく、rAAVゲノムITRとは異なるAAV血清型、例えば、AAV血清型AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAVrh.74、AAV-8、AAV-9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、及びAAV-13を含むがこれらに限定されない血清型に由来してもよい。偽型rAAVの産生は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWO01/83692に開示される。
パッケージング細胞を生成する方法は、AAV粒子の産生に必要な全ての成分を安定して発現する細胞株を作製することである。例えば、AAV rep及びcap遺伝子を欠くrAAVゲノム、rAAVゲノムから分離したAAV rep及びcap遺伝子、並びにネオマイシン耐性遺伝子などの選択可能なマーカーを含む、プラスミド(又は複数のプラスミド)が、細胞のゲノムに組み込まれる。AAVゲノムは、GCテーリング(Samulski et al.,1982,Proc.Natl.Acad.S6.USA,79:2077-2081)、制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含む合成リンカーの付加(Laughlin et al.,1983,Gene,23:65-73)、又は直接的な平滑末端ライゲーション(Senapathy & Carter,1984,J.Biol.Chem.,259:4661-4666)などの方法によって、バクテリアプラスミドに導入されている。次いで、パッケージング細胞株を、アデノウイルスなどのヘルパーウイルスに感染させる。この方法の利点は、細胞が選択可能であり、rAAVの大規模産生に好適であることである。好適な方法の他の例は、rAAVゲノム及び/又はrep遺伝子及びcap遺伝子をパッケージング細胞に導入するためのプラスミドではなく、アデノウイルス又はバキュロウイルスを使用する。
rAAV生産の一般原則は、例えば、Carter,1992,Current Opinions in Biotechnology,1533-539、及びMuzyczka,1992,Curr.Topics in Microbial.and Immunol.,158:97-129)に概説されている。様々なアプローチは、Ratschin et al.,Mol.Cell.Biol.4:2072(1984)、Hermonat et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6466(1984)、Tratschin et al.,Mo1.Cell.Biol.5:3251(1985)、McLaughlin et al.,J.Virol.,62:1963(1988)、及びLebkowski et al.,Mol.Cell.Biol.,7:349(1988)、Samulski et al.,J.Virol.,63:3822-3828(1989)、米国特許第5,173,414号、WO95/13365、並びに対応する米国特許第5,658.776号、WO95/13392、WO96/17947、PCT/US98/18600、WO97/09441(PCT/US96/14423)、WO97/08298(PCT/US96/13872)、WO97/21825(PCT/US96/20777)、WO97/06243(PCT/FR96/01064)、WO99/11764、Perrin et al.Vaccine 13:1244-1250(1995)、Paul et al.Human Gene Therapy 4:609-615(1993)、Clark et al.Gene Therapy 3:1124-1132(1996)、米国特許第5,786,211号、米国特許第5,871,982号、及び米国特許第6,258,595号に記載されている。前述の文書は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれ、rAAV産生に関する文書の部分を特に強調する。
したがって、本開示は、感染性rAAVを産生するパッケージング細胞を提供する。一実施形態では、パッケージング細胞は、HeLa細胞、293細胞、及びPerC.6細胞(同種293株)などの安定して形質転換されたがん細胞であり得る。別の実施形態では、パッケージング細胞は、形質転換されたがん細胞ではない細胞、例えば、低継代293細胞(アデノウイルスのE1で形質転換されたヒト胎児腎細胞)、MRC-5細胞(ヒト胎児線維芽細胞)、WI-38細胞(ヒト胎児線維芽細胞)、Vero細胞(サル腎細胞)、及びFRhL-2細胞(アカゲザル胎児肺細胞)である。
本開示の組換えAAV(すなわち、感染性カプシド化rAAV粒子)は、rAAVゲノムを含む。例示的な実施形態では、両方のrAAVのゲノムは、AAVのrep及びcapのDNAを欠いており、すなわち、ゲノムのITR間にAAVのrep又はcapのDNAが存在しない。本開示の核酸分子を含むように構築され得るrAAVの例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる国際特許出願第PCT/US2012/047999号(WO2013/016352)に記載されている。
例示的な実施形態では、本開示の組換えAAVベクターは、AAVベクタープラスミドrAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン、pNLRep2-Caprh74及びpHelpを使用するトリプルトランスフェクション法(Xiao et al.,J Virol 72,2224-2232(1998)によって産生され、rAAVは、AAV2逆方向末端反復配列(ITR)が隣接するマイクロジストロフィン遺伝子発現カセットを含有する。AAVrh.74ビリオンにカプシド化されるのはこの配列である。プラスミドには、マイクロジストロフィン配列と、遺伝子発現を駆動するMHCK7エンハンサー及び筋肉特異的プロモーターのコアプロモーターエレメントが含まれている。発現カセットには、高レベルの遺伝子発現を促進するSV40イントロン(SD/SA)も含まれており、効率的な転写終結のためにウシ成長ホルモンのポリアデニル化シグナルが使用される。
pNLREP2-Caprh74は、血清型rh74由来の4つの野生型AAV2 repタンパク質と3つの野生型AAV VPカプシドタンパク質をコードするAAVヘルパープラスミドである。pNLREP2-Caprh74プラスミドの概略図を、図3に示す。
pHELPアデノウイルスヘルパープラスミドは11,635bpであり、Applied Viromicsから入手した。このプラスミドには、AAV複製に重要なアデノウイルスゲノムの領域、すなわちE2A、E4ORF6、及びVA RNAが含まれている(アデノウイルスE1機能は293細胞によって提供される)。このプラスミドに存在するアデノウイルス配列は、アデノウイルスゲノムの約40%に過ぎず、アデノウイルスの末端反復配列などの複製に重要なシスエレメントを含んでいない。したがって、このような生産システムから感染性アデノウイルスが生成されることは予想されない。pHELPプラスミドの概略図を図4に示す。
rAAVは、カラムクロマトグラフィー又は塩化セシウム勾配によってなど、当該技術分野で標準的な方法によって精製され得る。ヘルパーウイルスからrAAVベクターを精製するための方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、Clark et al.,Hum.Gene Ther.,10(6):1031-1039(1999)、Schenpp and Clark,Methods Mol.Med.,69 427-443(2002)、米国特許第6,566,118号、及びWO98/09657に開示される方法を含む。
別の実施形態では、本開示は、本開示のrAAVを含む組成物を企図する。本開示の組成物は、rAAV及び薬学的に許容される担体を含む。本組成物は、希釈剤及びアジュバントなどの他の成分も含み得る。許容される担体、希釈剤、及びアジュバントは、レシピエントに対して無毒であり、好ましくは、採用された投薬量及び濃度で不活性であり、緩衝液及びプルロニック(登録商標)などの界面活性剤を含む。
本開示の方法で投与されるrAAVの力価は、例えば、特定のrAAV、投与モード、治療目標、標的化された個体、及び細胞型に応じて異なり、当該技術分野における標準の方法によって決定され得る。rAAVの力価は、1ml当たり、約1×10、約1×10、約1×10、約1×10、約1×1010、約1×1011、約1×1012、約1×1013、約1×1014から、又はそれ以上のDNase耐性粒子(DRP)の範囲であってもよい。投薬量は、ウイルスゲノム(vg)の単位で表されてもよい。カプセル化されたベクターゲノム力価を決定する1つの例示的な方法は、(Pozsgai et al.,Mol.Ther.25(4):855-869,2017)に記載される方法などの定量的PCRを使用する。特に記載されない限り、本明細書に記載の投与量は、スーパーコイルDNA標準によって決定される用量に対応する。
インビボ又はインビトロで、rAAVで標的細胞を形質導入する方法が、本開示によって企図される。インビボ方法は、有効用量又は有効複数回用量の本開示のrAAVを含む組成物を、それを必要とする動物(人間を含む)に投与するステップを含む。用量が、障害/疾患の発症前に投与される場合、投与は予防的である。用量が、障害/疾患の発症後に投与される場合、投与は治療的である。本開示の実施形態では、有効用量は、治療される障害/疾患状態と関連する少なくとも1つの症状を緩和(排除若しくは低減)し、障害/疾患状態への進行を遅延若しくは予防し、障害/疾患状態の進行を遅延若しくは予防し、疾患の程度を軽減し、疾患の寛解(部分若しくは完全)をもたらし、かつ/又は生存を延長する用量である。本開示の方法による予防又は治療のために企図される疾患の例は、DMDである。
併用療法も本開示によって企図される。本明細書で使用される組み合わせは、同時治療及び逐次的治療の両方を含む。新規の療法との併用など、本開示の方法と標準の医学的治療(例えば、コルチコステロイド)との併用が特に企図される。
有効用量の組成物、併用療法又は製剤の投与は、筋肉内、非経口、静脈内、経口、頬側、鼻、肺、頭蓋内、骨内、眼内、直腸、又は膣を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で標準的な経路によるものであり得る。本開示のrAAVのAAV成分(特に、AAV ITR及びカプシドタンパク質)の投与の経路及び血清型は、感染及び/又は治療される疾患状態、並びにマイクロジストロフィンタンパク質を発現する標的細胞/組織を考慮して、当業者により選択及び/又は適合され得る。
本開示は、本開示のrAAV、製剤、及び組成物の有効用量の局所投与及び全身投与を提供する。例えば、全身投与とは、全身が影響を受けるように循環系に投与することである。全身投与には、消化管を通した吸収などの経腸投与、及び注射、注入、又は移植を通した非経口投与が含まれる。
特に、本開示のrAAVの実際の投与は、rAAV組換えベクターを動物の標的組織に輸送する任意の物理的方法を使用することによって達成され得る。本開示による投与には、筋肉への注射及び血流への注射が含まれるが、これらに限定されない。リン酸緩衝生理食塩水中にrAAVを単に再懸濁させることが、筋肉組織発現に有用なビヒクルを提供するのに十分であることが実証されており、rAAVと同時投与され得る担体又は他の成分に対する既知の制限はない(が、DNAを分解する組成物がrAAVとの通常の様式で避けられるべきである)。rAAVのカプシドタンパク質は、rAAVが筋肉などの目的の特定の標的組織に標的化されるように修飾されてもよい。例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれるWO02/053703を参照されたい。医薬組成物は、注射可能な製剤として、又は経皮輸送により筋肉に送達される局所製剤として調製することができる。筋肉内注射及び経皮輸送の両方のための多数の製剤が先行して開発されており、本開示を実施する際に使用され得る。rAAVは、投与及び取り扱いを容易にするために、任意の薬学的に許容される担体とともに使用することができる。
本開示の一実施形態では、本明細書に記載されるAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンは、20mMのTris(pH8.0)、1mMの塩化マグネシウム(MgCl)、200mMの塩化ナトリウム(NaCl)、及び0.001%のポロキサマー188を含有する緩衝液に配合される。
本明細書に開示される方法で投与されるrAAVの用量は、例えば、特定のrAAV、投与方法、治療目標、個体、及び標的とされる細胞型に応じて変動し、当該技術分野における標準の方法によって決定され得る。投与される各rAAVの力価は、1ml当たり、約1×10、約1×10、約1×10、約1×10、約1×1010、約1×1011、約1×1012、約1×1013、約1×1014、2×1014から、又は約1×1015以上のDNase耐性粒子(DRP)の範囲であってもよい。投薬量はまた、ウイルスゲノム(vg)の単位(すなわち、それぞれ、1×10vg、1×10vg、1×10vg、1×1010vg、1×1011vg、1×1012vg、1×1013vg、1×1014vg、2×1014vg、1×1015vg)で表されてもよい。投薬量はまた、体重1キログラム(kg)当たりのウイルスゲノム(vg)の単位(すなわち、1×1010vg/kg、1×1011vg/kg、1×1012vg/kg、1×1013vg/kg、1×1014vg/kg、1.25×1014vg/kg、1.5×1014vg/kg、1.75×1014vg/kg、2.0×1014vg/kg、2.25×1014vg/kg、2.5×1014vg/kg、2.75×1014vg/kg、3.0×1014vg/kg、3.25×1014vg/kg、3.5×1014vg/kg、3.75×1014vg/kg、4.0×1014vg/kg、1×1015vg/kg)で表されてもよい。AAVを滴定する方法は、Clark et al.,Hum.Gene Ther.,10:1031-1039(1999)に記載されている。
特に、本開示のrAAVの実際の投与は、rAAV組換えベクターを動物の標的組織に輸送する任意の物理的方法を使用することによって達成され得る。本開示による投与には、筋肉への注射及び血流への注射が含まれるが、これらに限定されない。リン酸緩衝生理食塩水中にrAAVを単に再懸濁させることが、筋肉組織発現に有用なビヒクルを提供するのに十分であることが実証されており、rAAVと同時投与され得る担体又は他の成分に対する既知の制限はない(が、DNAを分解する組成物がrAAVとの通常の様式で避けられるべきである)。rAAVのカプシドタンパク質は、rAAVが筋肉などの目的の特定の標的組織に標的化されるように修飾されてもよい。例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれるWO02/053703を参照されたい。医薬組成物は、注射可能な製剤として、又は経皮輸送により筋肉に送達される局所製剤として調製することができる。筋肉内注射及び経皮輸送の両方のための多数の製剤が先行して開発されており、本開示を実施する際に使用され得る。rAAVは、投与及び取り扱いを容易にするために、任意の薬学的に許容される担体とともに使用することができる。
筋肉内注射を目的として、ゴマ油若しくは落花生油などのアジュバント溶液、又は水性プロピレングリコール溶液、及び滅菌水溶液を用いることができる。そのような水溶液は、必要に応じて緩衝化することができ、液体希釈剤は最初に生理食塩水又はグルコースで等張にされる。遊離酸(DNAは酸性リン酸基を含む)又は薬理学的に許容される塩としてのrAAVの溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と好適に混合した水で調製することができる。rAAVの分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物中で、並びに油中で調製することができる。通常の保存状態及び使用下においては、これらの製剤は、微生物の増殖を防止するために保存剤を含む。これに関連して、用いられる滅菌水性媒体は全て、当業者に周知の標準的な技術により容易に入手可能である。
注射用途に好適な薬学的な担体、希釈剤、又は賦形剤には、滅菌水溶液又は分散液、及び滅菌注射溶液又は分散液の即時調製用の滅菌粉末が含まれる。全ての場合において、形態は滅菌でなければならず、容易な注射器使用可能性が存在する程度に流動性でなければならない。形態は、製造及び保管の条件下で安定していなければならず、細菌及び真菌などの微生物の汚染作用に対して保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、それらの好適な混合物、及び植物油を含む溶媒又は分散媒体であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用によって、分散剤の場合には必要な粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによってもたらすことができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖又は塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。注射可能な組成物の長時間の吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンの使用によってもたらされ得る。
滅菌されている注射可能な溶液は、必要な量のrAAVを適切な溶媒に、必要に応じて上に列挙した他の様々な成分とともに組み込み、その後濾過滅菌することによって調製される。一般的に、分散液は滅菌した活性成分を、基礎的な分散媒及び上に列挙されるものからの必要とされる他の成分を含む滅菌ビヒクルへと混合することによって調製される。滅菌されている注射可能な溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製の好ましい方法は、真空乾燥及び凍結乾燥技術であり、それは、活性成分プラス予め滅菌濾過したそれらの溶液からの任意の追加の所望の成分の粉末をもたらす。
rAAVによる形質導入は、インビトロで行うこともできる。一実施形態では、所望の標的筋肉細胞を対象から取り出し、rAAVで形質導入し、対象に再導入する。代替的に、同系又は異種の筋肉細胞は、それらの細胞が対象において不適切な免疫応答を生成しない場合に使用され得る。
対象への形質導入及び形質導入細胞の再導入のための好適な方法は、当該技術分野で既知である。一実施形態では、細胞は、例えば適切な培地でrAAVを筋肉細胞と組み合わせ、サザンブロット及び/又はPCRなどの従来の技術を使用して、又は選択可能なマーカーを使用して目的のDNAを持つ細胞をスクリーニングすることにより、インビトロで形質導入することができる。次に、形質導入された細胞を医薬組成物に製剤化し、組成物を、筋肉内、静脈内、皮下、及び腹腔内注射による、又は例えばカテーテルを使用して平滑筋及び心筋への注射によるなど、様々な技術により対象に導入することができる。
本開示のrAAVによる細胞の形質導入は、マイクロジストロフィンタンパク質の持続的発現をもたらす。したがって、本開示は、マイクロジストロフィンタンパク質を発現するrAAVを動物、好ましくは、ヒトに投与/送達する方法を提供する。これらの方法には、本開示の1つ以上のrAAVで組織(筋肉などの組織、肝臓及び脳などの臓器、並びに唾液腺などの腺を含むが、これらに限定されない)を形質導入することが含まれる。形質導入は、組織特異的制御エレメントを含む遺伝子カセットで行われ得る。例えば、本開示の一実施形態は、筋特異的制御要素によって指示される筋細胞及び筋肉組織を形質導入する方法を提供し、これには、限定されないが、アクチン及びミオシン遺伝子ファミリー、例えば、myoD遺伝子ファミリーに由来するもの(Weintraub et al.,Science,251:761-766(1991)を参照されたい)、筋細胞特異的エンハンサー結合因子MEF-2(Cserjesi and Olson,Mol.Cell.Biol.,11:4854-4862(1991))、ヒト骨格アクチン遺伝子に由来する制御要素(Muscat et al.,Mol.Cell.Biol.,7:4089-4099(1987))、心筋アクチン遺伝子、筋クレアチンキナーゼ配列要素(Johnson et al.,Mol.Cell.Biol.,9:3393-3399(1989)を参照されたい)、並びにマウスクレアチンキナーゼエンハンサー(mCK)要素、骨格速筋トロポニンC遺伝子、遅筋心臓トロポニンC遺伝子及び遅筋トロポニンI遺伝子に由来する制御要素、低酸素誘発性核内因子(Semenza et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:5680-5684(1991))、グルココルチコイド応答要素(GRE)を含むステロイド誘発性要素及びプロモーター(Mader and White,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5603-5607(1993)を参照されたい)、並びに他の制御要素が含まれる。
筋肉組織は生命維持に必須な臓器ではなく、アクセスしやすいため、インビボDNA送達の魅力的な標的である。本開示は、形質導入筋線維由来のマイクロジストロフィンの持続的発現を企図する。
したがって、本開示は、マイクロジストロフィンをコードする有効用量のrAAV(又は、本質的に同時に投与される用量若しくは間隔が置かれる用量)を、それを必要とする患者に投与する方法を提供する。
免疫抑制レジメン
本開示は、対象が免疫抑制レジメンを受けている筋ジストロフィーを治療する方法を提供する。免疫抑制レジメンという用語は、対象の免疫系を抑制又は調節する治療方法を指す。このレジメンは、1つ以上の免疫抑制剤の投与を含む。これらの方法のいずれにおいても、免疫抑制レジメンは、少なくとも1つの免疫抑制剤、又は少なくとも2つの免疫抑制剤、又は少なくとも3つの免疫抑制剤、又は少なくとも4つの免疫抑制剤、又は少なくとも5つの免疫抑制剤を含む。
免疫抑制レジメンは、遺伝子療法の投与前、又は遺伝子療法の投与後の対象においてrAAVに対する免疫応答の開始前に免疫抑制レジメンが投与されるという点で、予防的に投与される。免疫応答には、投与されるrAAVに対する有害免疫応答又は炎症反応が含まれる。免疫応答は、投与されるrAAV、例えば、抗AAVrh.74抗体に応答する対象における抗体の産生であってもよい。
予防的投与には、遺伝子療法の投与と同時の、例えば、遺伝子療法の投与の24時間以内、又は遺伝子療法の投与の12時間以内、又は遺伝子療法の投与の6時間以内、又は遺伝子療法の投与の5時間以内、又は遺伝子療法の投与の4時間以内、又は遺伝子療法の投与の3時間以内、又は遺伝子療法の投与の2時間以内、又は遺伝子療法の投与の我々以内の免疫抑制レジメンの投与が含まれる。免疫抑制剤は、対象の免疫系を阻害する、対象の免疫系の有効性を低減させる、又は対象の免疫系の活性若しくは有効性を調節する任意の薬剤である。
他の実施形態では、免疫抑制レジメンは、治療的に投与される。例えば、免疫抑制剤は、遺伝子療法の投与後の対象においてrAAVに対する免疫応答の開始後に投与される。対象における免疫応答には、対象へのrAAVの投与に続くか、又はそれによって引き起こされる、有害な免疫応答又は炎症反応が含まれる。免疫応答は、投与されるrAAV、例えば、抗AAVrh.74抗体に応答する対象における抗体の産生であってもよい。
他の実施形態では、免疫抑制レジメンは、遺伝子療法の第2の用量を投与する前に投与される。いくつかの実施形態では、第2の用量は、治療的血漿交換(TPE)後に投与される。
例示的な免疫抑制剤には、グルココルチコステロイド、ヤヌスキナーゼ阻害剤、カルシニューリン阻害剤、mTOR阻害剤、プリン類似体、メトトレキサート及びシクロホスファミドなどの細胞増殖抑制剤、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMDH)阻害剤、モノクローナル抗体又は融合タンパク質及びポリペプチドなどの生物製剤、並びにポリペプチドが含まれる。
免疫抑制剤は、炎症を減少させ、対象の免疫系を抑制又は調節するステロイドである、抗炎症ステロイドであってもよい。例示的な抗炎症ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、デフラザコート、ブデソニド又はプレドニゾンなどのグルココルチコイドである。
ヤヌスキナーゼ阻害剤は、ヤヌスキナーゼファミリーの酵素のうちの1つ以上を標的とすることによる、JAK/STATシグナル伝達経路の阻害剤である。例示的なヤヌスキナーゼ阻害剤には、トファシチニブ、バリシチニブ、ウパダシチニブ、ペフィシチニブ、及びオクラシチニブが含まれる。
カルシニューリン阻害剤は、シクロフィリンに結合し、カルシニューリンの活性を阻害する。例示的なカルシニューリン阻害剤には、シクロスポリン、タクロリムス及びピセクロリムスが含まれる。
mTOR阻害剤は、セリン/スレオニン特異的タンパク質キナーゼmTORを低減又は阻害する。例示的なmTOR阻害剤には、シロリムス、エベロリムス、及びテムシロリムスが含まれる。
免疫抑制剤には、免疫抑制マクロライドが含まれる。「免疫抑制マクロライド」という用語は、対象の免疫系を抑制又は変調するマクロライド剤を指す。マクロライドは、クラジノース又はデソアミンなどの1つ以上のデオキシ糖が付着した大きな大環状ラクトン環を含む薬剤のクラスである。ラクトン環は通常、14、15、又は16員である。マクロライドは、ポリケチドクラスの薬剤に属し、天然産物であり得る。免疫抑制マクロライドの例には、タクロリムス、ピメクロリムス、及びシロリムスが含まれる。
プリン類似体は、ヌクレオチド合成を阻止し、IMDH阻害剤を含む。例示的なプリン類似体には、アザチオプリン、ミコフェノール酸、及びレフノミドが含まれる。
例示的な免疫抑制生物製剤には、アバタセプト、アダリムマブ、アナキンラ、セルトリズマブ、エタネルセプト、ゴリムマブ、インフリキシマブ、イセキズマブ、ナタリズマブ、リツキシマブ、セクキヌマブ、トシリズマブ、ウステキネヌマブ、ベドリズマブ、バシリキシマブ、ベラタセプト、及びダクリズマブが含まれる。
特に、免疫抑制剤は、抗CD20抗体である。抗CD20特異的抗体という用語は、CD20に特異的に結合するか、又はCD20の発現若しくは活性を阻害若しくは低減する抗体を指す。例示的な抗CD20抗体には、リツキシマブ、オクレリズマブ、又はオファツムマブが含まれる。
免疫抑制抗体の追加の例には、バシリキシマブ及びダクリズマブなどの抗CD25抗体(又は抗IL2抗体若しくは抗TAC抗体)、並びにムロモナブ-CD3、オテリキシズマブ、テプリズマブ及びビシリズマブなどの抗CD3抗体、アレムツズマブなどの抗CD52抗体が含まれる。
本発明の実施形態では、本開示の1つ以上の方法で利用される免疫抑制剤(免疫抑制抗体)は、ナノ粒子として投与され得る。ナノ粒子を作製及び/又は調合する方法、並びに本開示の方法で利用できるナノ粒子には、例えば、ポリマーとして(Patil et al.,Pharmaceutical Nanotechnol.367:195-203,2009;Yang et al.,ACS Appl.Mater.Interfaces,doi:10.1021/acsami.6b16556,2017;Perepelyuk et al.,Mol.Ther.Nucleic Acids 6:259-268,2017)、リポソームとして(Buyens et al.,J.Control Release 158(3):362-370,2012;Scarabel et al.,Expert Opin.Drug Deliv.17:1-14,2017)、ミセルとして(Tangsangasaksri et al.,Bio Macromolecules 17:246-255,2016;Wu et al.,Nanotechnology,doi:10.1088/1361-6528/aa6519,2017)、マイクロエマルションとして(WO 11/004395)、ナノエマルション又は固体脂質ナノ粒子として(Sahay et al.,Nature Biotechnol.31:653-658,2013;and Lin et al.,Nanomedicine 9(1):105-120,2014)、並びにWO2008/066965、WO2011/143201、WO2008/014478、WO2020/081938、WO2013/016058、WO2013/086373、WO2019/177550、WO2013/016126、WO2019/089828、WO99/39741、WO2017/117528、WO2017/004143、WO2017/075531、WO2015/199952、WO2014/008334、WO2013/086373、WO2013/086322、WO2013/016058、WO2013/086373、WO2011/141705及びWO2001/07548、米国特許出願第2004/0142025号、同第2007/0042031号、同第2016/0199485号、同第2016/0009637号、同第2015/0273068号、同第2015/0265708号、同第2015/0203446号、同第2015/0005363号、同第2014/0308304号、同第2014/0200257号、同第2013/086373号、同第2013/0338210号、同第2013/0323269号、同第2013/0245107号、同第2013/0195920号、同第2013/0123338号、同第2013/0022649号、同第2013/0017223号、同第2012/0295832号、同第2012/0183581号、同第2012/0172411号、同第2012/0027803号、同第2012/0058188号、同第2011/0311583号、同第2011/0311582号、同第2011/0262527号、同第2011/0216622号、同第2011/0117125号、同第2011/0091525号、同第2011/0076335号、同第2011/0060032号、同第2010/0130588号、同第2007/0042031号、同第2006/0240093号、同第2006/0083780号、同第2006/0008910号、同第2005/0175682号、同第2005/017054号、同第2005/0118253号、同第2005/0064595号、同第2004/0142025号、同第2007/0042031号、同第1999/009076、及び米国特許第8,569,256号、同第5,965,542号に記載されるものが含まれ、それらの全体の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
治療的血漿交換
治療的血漿交換(TPE)は、抗体などの、高分子量物質を除去するように設計された体外血液浄化技術である。ある用量のrAAVの初期の全身投与後、対象は、AAV血清型に対する抗体を作ることができ、例えば、対象は、rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンの投与後にAAVrh74に対する抗体を作る。TPEを使用してこれらの抗体を除去することにより、rAAVベクターの安全で効果的な再投与が可能になる。TPEプロセスでは、全血が、バスキュラーアクセスを介して除去され、続いて、血漿(抗体)が除去されるアフェレーシスマシン内の遠心分離機により回転される。赤血球は、対象の維持液用の補充液(ヒトアルブミン)とともに戻るように送達される。
TPEセッションで交換される血漿の量は、対象の推定血漿量(EPV)に関連して決定される。EPVを計算するために、多くの式を使用することができる(例えば、Inkley et al.,J.Lab Clin.Med.45:841-850,1955,Retzlaff et al.,Blood 33:649-887,1969、Feldschuh et al.,Circulation 56:605-612,1977、Spenger et al.,Predication of patient’s plasma volume in plasma exchange therapy、In: Smeby et al.ed.Immune and Metabolic Aspects of Therapeutic Blood Purification Systems.Basel, Switzerland: Krager.1986, pp. 394-402を参照されたい)。EPVを推定する例示的な方法は、Kaplan et al.Kidney Intl.38:160-166,1990に記載される次式にしたがった対象の体重及びヘマトクリットを使用して計算され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
EPV=[0.065x体重(kg)]x[1-ヘモクリット]
実施例5に記載のプロトコルは、IgG抗体の動力学に基づいて開発され、48時間後にリバウンドがあり、前の手順から除去された抗体の約50~60%がリバウンドすることを示している。本明細書に記載の方法の目的のために、一実施形態では、遺伝子送達を可能にするAAVrh.74抗体レベル<1:100まで抗体力価を低減させなければならないことが決定された。
例えば、対象の血漿をTPEに供する方法は、対象の血管内空間内の抗rAAV抗体の少なくとも約50%を除去するか、又は対象の血管内空間内の抗rAAV抗体の少なくとも約55%を除去するか、又は対象の血管内空間内の抗rAAV抗体の少なくとも約60%を除去するか、又は対象の血管内空間内の抗rAAV抗体の少なくとも約63%を除去するか、又は抗rAAV抗体の少なくとも約64%を除去するか、又は対象の血管内空間内の抗rAAV抗体の少なくとも約65%を除去するか、又は対象の血管内空間内の抗rAAV抗体の少なくとも約69%を除去するか、又は対象の血管内空間内の抗rAAV抗体の少なくとも約70%を除去するか、又は対象の血管内空間内の抗rAAV抗体の少なくとも約74%を除去するか、又は対象の血管内空間内の抗rAAV抗体の少なくとも約75%を除去するか、又は対象の血管内空間内の抗rAAV抗体の少なくとも約85%を除去するか、又は対象の血管内空間内の抗rAAV抗体の少なくとも約90%を除去するか、又は対象の血管内空間内の抗rAAV抗体の少なくとも約95%を除去する。
開示された方法は、対象の血漿を、少なくとも1回のTPEセッション、又は少なくとも2回のTPEセッション、又は少なくとも3回のTPEセッション、又は少なくとも5回のTPEセッション、又は少なくとも6回のTPEセッション、又は少なくとも7回のTPEセッション、又は少なくとも8回のTPEセッション、又は少なくとも9回のTPEセッション、又は少なくとも10回のTPEセッションに供することを含む。加えて、TPEセッションは、約1~5日、又は約1~10日、又は約5~10日、又は約5~7日又は約7~10日にわたって1日に1回実施される。TPEセッションは、2日間連続で1日に1回、又は3日間連続で1日に1回、又は4日間連続で1日に1回、又は5日間連続で1日に1回、又は6日間連続で1日に1回、又は7日間連続で1日に1回、又は7日間連続で1日に1回、又は8日間連続で1日に1回、又は9日間連続で1日に1回、又は10日間連続で1日に1回実施される。
TPEは、Gurland et al.,Nephron 36:173-182,1984に記載される透過性の高いフィルター及び透析機器を使用する膜血漿分離(MPS)を使用する、Gurland et al.,Int.J.Artif Organs 7:35-38,1984に記載される選択的細胞除去(細胞吸着除去療法)を使用する血液バンク手順を使用して実施される技術を用いて実施される。TPEを実施する追加の方法は、Sowada et al.(利用可能な除去システム:最先端技術。In Nydegger UE,editor.Therapeuitc Hemapheresis in the 1990s.Current Studies in Hematology and Blood Transfusions,Vol 57.Basal Switzerland:Karger.1990 pp.57-113))に記載されている。これらの参考文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の実施形態は、(rAAV)rh74MHCK7.マイクロジストロフィンを含む(rAAV)rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン遺伝子療法での対象の治療と、ヒト患者を含む、対象の血清又は血漿が、既存の抗AAVrh.74抗体を含有し得、したがって、任意の遺伝子療法治療を受ける前にAAVrh.74について血清陽性として特定され得ることが認識される免疫抑制レジメン、TPE、又は両方で対象を更に治療することと、関連した対象の血清又は血漿中の抗AAVrh.74抗体の存在の決定を含む。ヒト患者を含む対象は、AAVベースの遺伝子治療を受けることにより、血清陽性になり得ることが、更に認識される。したがって、その決定は、そのような対象の血清又は血漿中の抗AAVrh.74抗体の存在及びレベルを監視するように使用され得、免疫抑制レジメン、TPE、又は両方を、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを含むrAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンでの治療の前にそのような対象に投与すべきかどうかを決定する際に更に使用され得る。この関連では、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを含むrAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンは、初回の遺伝子療法治療、又は再投与治療を含む追加の遺伝子療法治療であり得る。この関連では、そのような血清又は血漿における血清陽性の決定を使用して、対象が、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを含むrAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンでの初回の遺伝子療法治療に好適であるかどうか、対象が、免疫抑制レジメン及び/又はTPEを必要としているかどうか、並びに、免疫抑制レジメンによる治療により、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを含むrAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンでの治療か若しくは再治療について対象を好適にするのに十分なレベルに抗AAVrh74抗体由来の血清又は血漿での対象の清澄化がもたらされたかどうかを決定するように使用される。対象の血清又は血漿中の抗AAVrh.74抗体の存在のそのような決定に有用な方法及び組成物には、Griffin et al.,Adeno-associated Virus Serotype rh74 Prevalence in Muscular Dystrophy Population,American Society of Gene and Cell Therapy,22ndannual meeting,2019、及び米国特許出願第63/038957号に対応する2021年6月15日に出願された国際特許出願PCT/US2021/037314に記載されるものが含まれ、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
対象の血清又は血漿中の抗AAVrh.74抗体の存在の決定に利用される抗体の例には、以下が含まれるか、又は本明細書に別途記載される:
対象の血清又は血漿中の抗AAVrh.74抗体の存在の決定に利用される抗体の更なる例には、NYGMN(配列番号20)、DYGMN(配列番号22)、YTFTNYGMN(配列番号20)、YTFTKYGMN(配列番号23)、及びYTFTNYGMN(配列番号21)からなる群から選択されるVH CDR1アミノ酸配列、及び/又はWINTYTGEPTYADDFKG(配列番号24)、WINTNTGEPTYGDDFKG(配列番号25)、及びWMGWINTYTGEPTY(配列番号26)からなる群から選択されるVH CDR2アミノ酸配列、及び/又はGVAHYSDSRFAFDY(配列番号27)、GNAHPGGSAFVY(配列番号28)、RGSYYYDSSPAWFAY(配列番号29)、RGVDSSGYGAFAY(配列番号30)、及びTRGTSTMISTFAFVY(配列番号31)からなる群から選択されるVH CDR3アミノ酸配列、及び/又はSVSSSVSYMH(配列番号32)、SASSGVTYMH(配列番号33)、SSVSYMH(配列番号34)、SSVSYMH(配列番号34)、及びSSVRYMH(配列番号35)からなる群から選択されるVL CDR1アミノ酸配列、及び/又はYTSNLAS(配列番号36)、RTSNLAS(配列番号37)、LWIYSTSNLAS(配列番号38)、及びVWIYSTSNLAS(配列番号39)からなる群から選択されるVL CDR2アミノ酸配列、及び/又はQQRSSYPFT(配列番号40)、QQRSTYPF(配列番号41)、QQRSFYPF(配列番号42)、及びQQRTYYPF(配列番号43)からなる群から選択されるVH CDR3アミノ酸配列が含まれる。
マイクロジストロフィンを含むrAAVによる、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(「DMD」)又はベッカー型筋ジストロフィー(「BMD」)を含む筋ジストロフィーの治療
本発明は、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療する方法であって、マイクロジストロフィンをコードする異種ヌクレオチド配列を含む組換えアデノウイルス関連(rAAV)を投与するステップを含み、更に免疫抑制レジメンを投与することを含む、方法を包含する。本発明の様々な実施形態において、方法は、マイクロジストロフィンをコードする異種ヌクレオチド配列を含む組換えアデノウイルス関連(rAAV)を投与することを含み、更に、例えばプレドニゾンを含む抗炎症ステロイドを投与することを含む。
マイクロジストロフィンを含むrAAVで筋ジストロフィーを治療することを対象とし、更に免疫抑制レジメン又は抗炎症ステロイドを投与することを含む本発明の全ての実施形態において、本発明の方法で利用できるヌクレオチド配列をコードするrAAV又はマイクロジストロフィンには、各々の内容が参照により本明細書に組み込まれる、WO-2020/123645、WO-2019/209777、WO-2019/195362、WO-2016/115543、WO-2019118806、WO-2017/221145に記載されているものが含まれ、SGT-001、zildistrogene varoparvovec、及びPF-06939926が含まれる。
肢帯型筋ジストロフィーの治療
肢帯型筋ジストロフィー(「LGMD」)の治療は、本発明の態様である。本明細書に記載の本発明の方法は、そのようなジストロフィーを治療するのに有用なrAAVベクターを用いることによって、肢帯型筋ジストロフィーの治療に利用できることが認識されている。このようなrAAVベクターには、AAVrh.74.tMCK.CAPN3を含むPCT/US2019/039893(WO2020/06458)、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF.DVを含む米国特許出願第63/024,338号、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCGを含むPCT/US2019/015779(WO2019/15474)、AAVrh74.tMCK.hSCGAを含むPCT/US2020/47339、scAAVrh74.MHCK7.HSGCBを含むPCT/US2020/019892(WO2020/176614)、rAAVrh.74.MHCK7.huAN05を含むPCT/US2016/061703(WO2017/083776)に記載されるものが含まれ、これらの各々の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
筋ジストロフィーを治療するための併用療法
本開示は、DMD、ベッカー型筋ジストロフィー及び肢帯型筋ジストロフィーを治療することを含む、必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療するための併用療法を提供し、併用療法は、rAAV及び抗炎症ステロイドを含む。本開示はまた、DMD、ベッカー型筋ジストロフィー及び肢帯型筋ジストロフィーを治療することを含む、筋ジストロフィーを治療するための薬剤の調製のための、rAAV及び抗炎症ステロイドを含む併用療法の使用を提供する。
本開示は、同時に、連続して又は異なる時点で投与されることを含む、組み合わせて投与されるrAAV rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン及び抗炎症ステロイドを含む併用療法及び薬剤を提供する。本開示は、同時に、連続して又は異なる時点で投与されることを含む、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択されるrAAV及び抗炎症ステロイドを組み合わせて含む併用療法及び薬剤を提供する。例えば、抗炎症ステロイドは、グルココルチコイドである。いくつかの実施形態では、抗炎症ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はデフラザコートである。いくつかの実施形態では、抗炎症ステロイドは、経口投与用に配合される。併用療法及び薬剤の場合、抗炎症ステロイドは、rAAVの投与前及び投与後の両方で投与され得る。代替的に、抗炎症ステロイドは、rAAVの投与前のみに又は投与後のみに投与される。
いくつかの併用療法及び薬剤では、抗炎症ステロイドは、rAAVの投与の約12時間前、又はrAAVの投与の約24時間前、又はrAAVの投与の約36時間前、又は投与の約48時間前、又はrAAVの投与の約60時間前、又はrAAVの投与の約72時間前、又は投与の約96時間前に投与される。いくつかの併用療法及び薬剤では、炎症ステロイドは、rAAVの投与の約5日前、rAAVの投与の約6日前、rAAVの投与の約7日前、又はrAAVの投与の約8日前、又はrAAVの投与の約9日前、又はrAAVの投与の約10日前、又はrAAVの投与の約11日前、又はrAAVの投与の約12日前、又はrAAVの投与の約13日前、又はrAAVの投与の約14日前、又はrAAVの投与の約30日前に投与される。
いくつかの併用療法及び薬剤では、抗炎症ステロイドは、rAAVの投与前に約7日間、少なくとも1日1回投与されるか、又はrAAVの投与前に約14日間、少なくとも1日1回投与されるか、又は21日間、少なくとも1日1回投与されるか、又はrAAVの投与前に約28日間、少なくとも1日1回投与されるか、又はrAAVの投与前に約30日間、少なくとも1日1回投与されるか、又はrAAVの投与の約45日前に、少なくとも1日1回投与されるか、又はrAAVの投与の約60日前に、少なくとも1日1回投与される。いくつかの組成物及び薬剤では、抗炎症ステロイドは、rAAVの投与の30から60日前に投与される。
例示的な併用療法及び薬剤では、抗炎症ステロイドは、rAAVの投与前に投与され、抗炎症ステロイドは、rAAVの投与後1日目~30日までに少なくとも1日1回、又はrAAVの投与後1~60日までに少なくとも1日1回、又はrAAVの投与後1~7日までに少なくとも1日1回、又はrAAVの投与後1~14日までに少なくとも1日1回、又はrAAVの投与後1~21日までに少なくとも1日1回、又はrAAVの投与後1~24日までに少なくとも1日1回、又はrAAVの投与後1~28日までに少なくとも1日1回、又はrAAVの投与後少なくとも1~30日までに、又はrAAVの投与後少なくとも30~60日までに投与される。
本明細書に開示される併用療法及び薬剤のいずれにおいても、併用療法又は薬剤はまた、rAAV及び抗炎症ステロイドと組み合わせて投与される抗CD20特異的抗体を含んでもよい。抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与前に投与される。いくつかの組成物では、抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与の少なくとも7日前に投与される。例示的な抗CD20抗体には、リツキシマブ、オクレリズマブ、又はオファツムマブが含まれる。
いくつかの併用療法及び薬剤では、抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与の約60日前、又はrAAVの投与の約45日前、又はrAAVの投与の約30日前、又はrAAVの投与の約14日前、rAAVの投与の約7日前及びrAAVの投与の約24時間以内に投与される。いくつかの組成物では、抗CD20抗体は、rAAVの投与の30~60日前に投与される。いくつかの併用療法及び薬剤では、抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与後に投与される。例えば、抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与前及び投与後の両方で投与される。代替的に、抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与前に投与されるか、又は抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与後に投与される。
加えて、開示された併用療法及び薬剤のいずれにおいても、免疫抑制マクロライドは、rAAV及び抗炎症ステロイド、並びに任意選択で、抗CD-20抗体と組み合わせて、対象に投与される。免疫抑制マクロライドの例には、タクロリムス、ピメクロリムス、及びシロリムスが含まれる。いくつかの併用療法及び薬剤では、免疫抑制マクロライドは、経口投与のために配合される。いくつかの併用療法及び薬剤では、免疫抑制マクロライドは、rAAVの投与前及びrAAVの投与後の両方で投与され得る。代替的に、免疫抑制マクロライドは、投与前に投与されるか、又はrAAV若しくは免疫抑制マクロライドは、rAAVの投与後に投与される。
いくつかの併用療法及び薬剤では、免疫抑制マクロライドは、rAAVの投与前に少なくとも3日間、少なくとも1日1回投与されるか、又はrAAVの投与の少なくとも4日前に投与されるか、又はrAAVの投与の少なくとも5日前に投与されるか、又はrAAVの投与の少なくとも6日前に投与されるか、又はrAAVの投与の少なくとも7日前に投与されるか、又はrAAVの投与の少なくとも10日前に投与されるか、又は投与の少なくとも14日前に投与されるか、又はrAAVの投与の少なくとも30日前に投与されるか、又はrAAVの投与の少なくとも45日前に投与されるか、又はrAAVの投与の少なくとも60日前に投与される。いくつかの併用療法及び薬剤では、免疫抑制マクロライドは、rAAVの投与の30~60日前に投与される。
本開示はまた、DMD、ベッカー型筋ジストロフィー及び肢帯型筋ジストロフィーを治療することを含む、rAAV及び免疫抑制レジメンを同時投与することを含む、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療するための併用療法を提供し、rAAV及び免疫抑制レジメン1つ以上の成分は、同時に、連続して又は異なる時点で投与される。加えて、本開示はまた、DMD、ベッカー型筋ジストロフィー及び肢帯型筋ジストロフィーの治療を含む、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療するための薬剤の調製のための、rAAV及び免疫抑制レジメンを含む併用療法の使用を提供し、rAAV及び免疫抑制レジメンの1つ以上の成分は、同時に、連続して又は異なる時点で投与される。例えば、本開示は、rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン及び免疫抑制レジメンを含む筋ジストロフィーを治療するための併用療法を提供し、免疫抑制レジメンは、抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、及び免疫抑制マクロライドのうちの1つ以上を含み、rAAV及び免疫抑制レジメンの成分の1つ以上は、同時に、連続して又は異なる時点で投与される。例えば、本開示は、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択されるrAAV、及び免疫抑制レジメンを含む、筋ジストロフィーを治療するための併用療法を提供し、免疫抑制レジメンは、抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、及び免疫抑制マクロライドのうちの1つ以上を含み、rAAV及び免疫抑制レジメンの成分の1つ以上は、同時に、連続して又は異なる時点で投与される。
例えば、本開示は、rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンと、筋ジストロフィーを治療するための薬剤の調製のための免疫抑制レジメンとを含む併用療法の使用を提供し、免疫抑制レジメンは、抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、及び免疫抑制マクロライドのうちの1つ以上を含み、rAAV及び免疫抑制レジメンの成分の1つ以上は、同時に、連続して又は異なる時点で投与される。例えば、本開示は、筋ジストロフィーを治療するためのrAAV及び免疫抑制レジメンの使用を提供し、rAAVは、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択され、免疫抑制レジメンは、抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、及び免疫抑制マクロライドのうちの1つ以上を含み、rAAV及び免疫抑制レジメンの成分の1つ以上は、同時に、連続して又は異なる時点で投与される。
免疫抑制レジメンという用語は、対象の免疫系を抑制又は調節する治療方法を指す。このレジメンは、1つ以上の免疫抑制剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、免疫抑制レジメンは、抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、及び免疫抑制マクロライドを投与することを含む。
例示的な併用療法又は薬剤では、免疫抑制レジメンは、rAAVの投与の約24時間前に投与される抗炎症ステロイドを含む。別の例示的な併用療法又は薬剤では、免疫抑制レジメンは、rAAVの投与前に投与される抗炎症ステロイドを含み、抗炎症ステロイドは、rAAVの投与後1日目~30日までに少なくとも1日1回投与されるか、又は抗炎症ステロイドは、rAAVの投与後1日目~60日までに少なくとも1日1回投与される。別の実施形態では、プレドニゾンなどのグルココルチコイド抗炎症ステロイドは、1mg/kgでのrAAVの投与後、少なくとも60日間投与される。
開示される併用療法及び薬剤のいずれにおいても、免疫抑制療法において、抗炎症ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はデフラザコートなどのグルココルチコイドである。いくつかの併用療法では、抗炎症ステロイドは、経口投与のために配合される。
更なる例示的な併用療法及び薬剤では、免疫抑制レジメンは、rAAVの投与前に投与される抗CD20特異的抗体を含む。例えば、抗CD20抗体は、血管内注入による投与のために配合される。例示的な抗CD20特異的抗体には、リツキシマブ、オクレリズマブ又はオファツムマブが含まれる。
いくつかの併用療法及び薬剤では、抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与の少なくとも14日前に投与される。別の実施形態では、抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与の約60日前、rAAVの投与の約45日前、rAAVの投与の約30日前、rAAVの投与の14日前、rAAVの投与の約7日前及びrAAVの投与の約24時間以内に投与される。加えて、抗CD20特異的抗体は、rAAVの投与前に30~60日間投与される。開示される免疫抑制レジメンはまた、rAAVの投与後に抗CD20特異的抗体を投与することも含む。
加えて、開示される免疫抑制レジメンは、rAAVの投与前に少なくとも3日間、少なくとも1日1回投与される免疫抑制マクロライドを含む。免疫抑制レジメンはまた、rAAVの投与後に投与される免疫抑制マクロライドを含んでもよい。開示される免疫抑制レジメンのいずれにおいても、免疫抑制マクロライドは、経口投与のために配合される。例示的な免疫抑制マクロライドには、タクロリムス、ピネクロリムス又はシロリムスが含まれる。
いくつかの実施形態では、開示される免疫抑制レジメンは、rAAVの投与の30~60日前に投与される。加えて、免疫抑制レジメンは、rAAVの投与の約60日前、rAAVの投与の約45日前、rAAVの投与の約30日前、rAAVの投与の約14日前、rAAVの投与の約7日前、約24時間、又はrAAVの投与の約12時間前に投与される。
特定の実施形態では、本開示は、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療するための併用療法を提供し、併用療法は、rAAV及び免疫抑制レジメンを含み、免疫抑制レジメンは、i)rAAVの投与の約24時間前に経口投与される抗炎症ステロイド、及びrAAVの投与後1日目~30日までに少なくとも1日1回投与される抗炎症ステロイド、又はrAAVの投与後1日目~60日までに少なくとも1日1回投与される抗炎症ステロイドと、ii)rAAVの投与の約14日前、rAAVの投与の約7日前、及びrAAVの投与の約24時間以内に静脈内投与される抗CD20抗体(及び任意選択で、rAAVの投与後に投与される抗CD20抗体を含む)と、iii)rAAVの投与前に少なくとも3日間、1日1回経口投与される免疫抑制マクロライド(及び任意選択で、rAAVの投与後に投与される免疫抑制マクロライドを含む)と、を含む。例えば、抗炎症ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はデフラザコートであり、抗CD20特異的抗体は、リツキシマブ、オクレリズマブ、若しくはオファツムマボン、又はそれ以上の抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、及び免疫抑制マクロライドであり、かつ免疫抑制マクロライドは、タクロリムス、ピネクロリムス又はシロリムスである。例示的な実施形態では、免疫抑制レジメンは、抗炎症ステロイドプレドニゾン又はプレドニゾロン、抗CD20抗体リツキシマブ、及び免疫抑制マクロライドシロリムスを含む。
特定の実施形態では、本開示は、肢帯型筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において肢帯型筋ジストロフィーを治療するためのrAAV及び疫抑制レジメンを含む併用療法の使用を提供し、rAAVは、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択され、併用療法は、rAAV及び免疫抑制レジメンを含み、免疫抑制レジメンは、i)rAAVの投与の約24時間前に経口投与される抗炎症ステロイド、及びrAAVの投与後1日目~30日までに少なくとも1日1回投与される抗炎症ステロイド、又はrAAVの投与後1日目~60日までに少なくとも1日1回投与される抗炎症ステロイドと、ii)rAAVの投与の約14日前、rAAVの投与の約7日前、及びrAAVの投与の約24時間以内に静脈内投与される抗CD20抗体(及び任意選択で、rAAVの投与後に投与される抗CD20抗体を含む)と、iii)rAAVの投与前に少なくとも3日間、1日1回経口投与される免疫抑制マクロライド(及び任意選択で、rAAVの投与後に投与される免疫抑制マクロライドを含む)と、を含む。例えば、抗炎症ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はデフラザコートであり、抗CD20特異的抗体は、リツキシマブ、オクレリズマブ、若しくはオファツムマボン、又はそれ以上の抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、及び免疫抑制マクロライドであり、かつ免疫抑制マクロライドは、タクロリムス、ピネクロリムス又はシロリムスである。例示的な実施形態では、免疫抑制レジメンは、抗炎症ステロイドプレドニゾン又はプレドニゾロン、抗CD20抗体リツキシマブ、及び免疫抑制マクロライドシロリムスを含む。
本開示はまた、必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療するための併用療法を提供し、併用療法は、rAAVの用量、例えば、第2の用量を含み、対象の血漿は、組換えアデノウイルス関連(rAAV)の第2の用量の投与の前に少なくとも1回の治療的血漿交換(TPE)に供せられ、かつ対象は、TPEに供せられる前に、rAAVの第1の用量を投与された。例えば、rAAVは、rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、又はrAAVrh.74.MHCK7.huAN05である。筋ジストロフィーは、DMD、ベッカー型筋ジストロフィー又は肢帯型筋ジストロフィーである。
加えて、本開示は、必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療するための薬剤の調製のための併用療法の使用を提供し、併用療法は、rAAVの用量、例えば、rAAVの第2の用量を含み、対象の血漿は、組換えアデノウイルス関連(rAAV)の第2の用量の投与前に、少なくとも1回の治療的血漿交換(TPE)に供され、かつ対象は、TPEに供される前に、rAAVの第1用量を投与された。例えば、rAAVは、rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、又はrAAVrh.74.MHCK7.huAN05である。筋ジストロフィーは、DMD、ベッカー型筋ジストロフィー又は肢帯型筋ジストロフィーである。
開示される併用療法及び使用のいずれにおいても、対象の血漿は、2回目の用量又はrAAVの投与前に、少なくとも2回のTPE又は少なくとも3回のTPEに供せられる。いくつかの実施形態では、対象の血漿は、rAAVの2回目の用量の投与前に少なくとも4回のTPEに供されるか、又は対象の血漿は、rAAVの2回目の用量の投与前に5回のTPEに供されるか、又は対象の血漿は、rAAVの2回目の用量の投与前に6回のTPEに供されるか、又は対象の血漿は、rAAVの2回目の用量の投与前に7回のTPEに供される。
本開示は、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療するための併用療法を提供し、併用療法は、対象に投与されるrAAVを含み、対象の血漿は、rAAVを投与する前に少なくとも1回の治療的血漿交換(TPE)に供され、rAAV rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、又はrAAVrh.74.MHCK7.huAN05。筋ジストロフィーは、DMD、ベッカー型筋ジストロフィー又は肢帯型筋ジストロフィーである。
本開示は、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療するための薬剤の調製のための併用療法の使用を提供し、併用療法は、対象に投与されるrAAVを含み、対象の血漿は、rAAVを投与する前に少なくとも1回の治療的血漿交換(TPE)に供され、rAAV rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、又はrAAVrh.74.MHCK7.huAN05。筋ジストロフィーは、DMD、ベッカー型筋ジストロフィー又は肢帯型筋ジストロフィーである。
開示された併用療法及び使用のいずれにおいても、対象の血漿は、rAAVを投与する前に少なくとも2回のTPE、rAAVを投与する前に少なくとも3回のTPE、rAAVを投与する前に少なくとも4回のTPE、少なくとも5回のTPE、rAAVを投与する前に少なくとも6回のTPE、rAAVを投与する前に少なくとも7回のTPEに供される。これらの開示された併用療法及び使用では、対象は、rAAVの投与の約24時間前に抗炎症ステロイドを投与された。加えて、いくつかの実施形態では、対象は、rAAVの投与後1日目~60日までに少なくとも1日1回、抗炎症ステロイドを投与される。例えば、抗炎症ステロイドは、経口投与のために配合される。加えて、抗炎症ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はデフラザコートなどのグルココルチコイドである。
開示される併用療法及び使用のいずれにおいても、対象の血漿は、rAAVの投与の少なくとも9日前、投与の少なくとも7日前、投与の5日前、又は投与の2日前に、TPEに供される。加えて、rAAVの投与前に対象の血漿に対して実施されるTPEのセッション間には、約24~約48時間がある。特定の実施形態では、対象の血漿は、rAAVの投与前に少なくとも2回のTPEに供され、TPEの間には、約48時間がある。
本明細書に記載の併用療法及び使用のいずれにおいても、対象は、rAAVの投与時に約1:400以下の抗AAVrh.74抗体のレベルを有する。例えば、対象は、rAAVの投与時に約1:100~約1:400の抗AAVrh.74抗体のレベル、又は約1:100~1:300の抗AAVrh.74抗体のレベル、又は約1:100~1:200の抗AAVrh.74抗体のレベル、又は約1:250~1:500の抗AAVrh.74抗体のレベル、又は約1:200~1:400の抗AAVrh.74抗体のレベルを有する。抗体力価は、総抗体結合力価として決定される。筋ジストロフィーを治療するための開示される併用療法及び使用のいずれにおいても、抗AAVrh.74抗体の存在は、rAAVの投与前、rAAVの投与後、免疫応答若しくは有害事象が観察される前、又は免疫応答若しくは有害事象が観察された後に、当該対象の血清又は血漿中で決定された。加えて、抗AAVrh.74抗体の存在は、免疫抑制レジメン又はTPEを投与するステップの前に決定される。例えば、抗AAVrh.74抗体の存在は、AAVを含む任意の併用療法若しくは薬剤の当該対象への任意の投与前に、又はAAVrh.74を含む任意の併用療法若しくは薬剤の当該対象への投与前に決定される。
加えて、開示された併用療法及び使用では、当該対象の血清又は血漿中の抗AAVrh.74抗体のレベルは、陽性対照として使用される。例えば、陽性対照は、本明細書に記載される抗AAVrh.74モノクローナル抗体のいずれかなどの抗AAVrh.74モノクローナル抗体を利用する。
開示されるもの及び使用のいずれにおいても、対象における抗AAVrh.74抗体の存在は、定量的方法を使用して決定され、当該対象は、当該定量に基づいて抗AAVrh.74抗体について血清陽性として特定され、かつ当該免疫抑制レジメン又はTPEは、血清陽性対象に選択的に投与される。
本開示は、次の追加の態様を提供する。
請求項1.換えアデノウイルス関連(rAAV)及び抗炎症ステロイドを投与するステップを含む、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療する方法であって、rAAVが、血清型AAVrh.74であり、rAAVが、配列番号9の発現カセットを含む、方法。
請求項2.rAAVが、1.33×1014vg/kgの用量で投与される、請求項1に記載の方法。1.33×1014の用量は、力価決定のためのスーパーコイルqPCR DNAスタンダードによって決定される2×1014に対応する線形qPCR DNAスタンダードを利用して決定される。
請求項3.対照が、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに羅漢しており、rAAVrh.74ベースの遺伝子治療を以前に受けておらず、rAAV.rh74抗体について血清陽性であると判定されている、請求項1又は2に記載の方法。
請求項4.対象が、ELISAイムノアッセイに基づいてrAAVrh.74抗体について血清陽性であると判定されており、対象が、1:400以上の血清希釈で2.00の吸光度比を示す、請求項3に記載の方法。
請求項5.対象へのrAAVrh74の任意の投与前に、当該対象の血清又は血漿中の抗AAVrh.74抗体の存在を判定するステップを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
請求項6.抗AAVrh.74抗体の存在の判定が、ELISAイムノアッセイによって決定され、対象が、1:400の血清希釈で2.00以上の吸光度比を示す、請求項5に記載の方法。
請求項7.抗炎症ステロイドが、経口投与される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
請求項8.抗炎症ステロイドが、rAAVの投与の約12時間前に投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
請求項9.抗炎症ステロイドが、rAAVの投与の少なくとも12時間前に投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
請求項10.抗炎症ステロイドが、rAAVの投与の少なくとも12時間前に投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
請求項11.抗炎症ステロイドが、rAAVの投与の少なくとも24時間前に投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
請求項12.抗炎症ステロイドが、rAAVの投与後1日目~約30日までに少なくとも1日1回、又はrAAVの投与後1~60日に少なくとも1日1回投与される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
請求項13.抗炎症ステロイドが、rAAVの投与後少なくとも30日間、少なくとも1日1回投与される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
請求項14.抗炎症ステロイドが、rAAVの投与後少なくとも60日間、少なくとも1日1回投与される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
請求項15.抗炎症ステロイドが、グルココルチコイドである、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
請求項16.免疫細胞が、プレドニゾンである、請求項13に記載の方法。
加えて、本開示は、次の追加の態様を提供する。
請求項1.筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療する方法であって、
a)組換えアデノウイルス関連(rAAV)を投与する前に、少なくとも1回の治療的血漿交換(TPE)に対象の血漿を供するステップと、
b)rAAVを投与することであって、rAAVが、血清型rhAAVrh.74であり、rAAVが、配列番号9の発現カセットを含む、投与するステップとを含む、方法。
請求項2.対象の血漿が、投与前に少なくとも2回のTPE、少なくとも3回のTPE、少なくとも4回のTPE、少なくとも5回のTPE rAAV、少なくとも6回のTPE、又は少なくとも7回のTPEに供される、請求項1に記載の方法。
請求項3.対象の血漿が、rAAVの投与の少なくとも9日前、投与の少なくとも7日前、投与の5日前、又は投与の2日前に、TPEに供される、請求項1又は2に記載の方法。
請求項4.対象血漿が、rAAVが投与される日にTPEに供される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
請求項5.対象の血漿が、少なくとも2回のTPEに供され、TPEの間に約48時間がある、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
請求項6.rAAVが、1.33×1014の用量で投与される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。1.33×1014の用量は、力価決定のためのスーパーコイルqPCR DNAスタンダードによって決定される2×1014に対応する線形qPCR DNAスタンダードを利用して決定される。
請求項7.対照が、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに罹患しており、対照が、rAAVrh.74抗体について血清陽性である決定されている、請求項1~6のいずれか一項記載の方法。
請求項8.対象が、請求項1bの投与するステップの前に少なくとも1回AAVrh.74を投与された、請求項7に記載の方法。
請求項9.対象が、ELISAイムノアッセイに基づいてrAAVrh7抗体について血清陽性であると決定されており、対象が、1:100の血清希釈で2.00以上の吸光度比を示す、請求項7に記載の方法。
請求項10.rAAVrh.74の投与前に、当該対象の血清又は血漿中の抗AAVrh.74抗体の存在を決定するステップを更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
請求項11.抗AAVrh.74抗体の存在の決定が、ELISAイムノアッセイによって判定され、対象が、1:100の血清希釈で2.00以上の吸光度比を示す、請求項10に記載の方法。
請求項12.抗炎症ステロイドを投与することを更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
請求項13.抗炎症ステロイドが、経口投与される、請求項12に記載の方法。
請求項14.抗炎症ステロイドが、rAAVの投与の約12時間前に投与される、請求項12又は13に記載の方法。
請求項15.抗炎症ステロイドが、rAAVの投与の少なくとも12時間前に投与される、請求項12又は13に記載の方法。
請求項16.抗炎症ステロイドが、rAAVの投与の少なくとも12時間前に投与される、請求項12又は13に記載の方法。
請求項17.抗炎症ステロイドが、rAAVの投与の少なくとも24時間前に投与される、請求項12又は13に記載の方法。
請求項18抗炎症ステロイドが、rAAVの投与後1日目~約30日までに少なくとも1日1回、又はrAAVの投与後1日目~約30日までに少なくとも1日1回投与される、請求項12~17のいずれか一項に記載の方法。
請求項19.抗炎症ステロイドが、rAAVの投与後少なくとも30日間、少なくとも1日1回投与される、請求項12~17のいずれか一項に記載の方法。
請求項20.抗炎症ステロイドが、rAAVの投与後少なくとも60日間、少なくとも1日1回投与される、請求項12~17のいずれか一項に記載の方法。
請求項21.抗炎症ステロイドが、グルココルチコイドである、請求項12~17のいずれか一項に記載の方法。
請求項22.免疫細胞が、プレドニゾンである、請求項21に記載の方法。
以下の実施例は、限定ではなく例示として提供される。記載された数値範囲には、各範囲内の各整数値が含まれ、記述される整数の最小及び最大が含まれる。
実施例1
A)AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン対照の生成
AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンプラスミドには、AAV2末端逆位配列(ITR)が隣接するヒトマイクロジストロフィンcDNA発現カセットが含まれる(図1を参照されたい)。マイクロジストロフィン構築物は、インフレームロッド欠失(R4~R23)を特徴とし、ヒンジ1、2、及び4、並びにシステインリッチドメインが138kDaタンパク質を産生することを維持する。マイクロジストロフィンタンパク質(3579bp)の発現は、MHCK7プロモーター(795bp)によって誘導された。MCKプロモーターを除去しかつMHCK7プロモーターを挿入することによって、rAAV.MCK.マイクロジストロフィンプラスミドからプラスミドを構築した。コアプロモーターの後、53bpの内在性マウスMCK Exon1(非翻訳)がSV40後期16S/19Sスプライスシグナル(150bp)及び小さな5’UTR(61bp)に続いて、効率的な転写開始のために存在する。イントロン及び5’UTRはプラスミドpCMVβ(Clontech)に由来する。マイクロジストロフィンカセットは、ATG開始の直前にコンセンサスのコザックがあり、mRNA終了のための小さな53bpの合成ポリAシグナルを有していた。Harper et al.(Nature Medicine 8,253-261(2002))によって以前に記載されたように、ヒトマイクロジストロフィンカセットは、(R4~R23/Δ71~78)ドメインを含んでいた。相補的DNAは、ヒトでの使用のためにコドン最適化され、GenScript(Piscataway,NJ)によって合成された(Mol Ther 18,109-117(2010))。このベクターに含まれる唯一のウイルス配列は、ウイルスDNAの複製とパッケージングの両方に必要なAAV2の末端逆位配列であった。マイクロジストロフィンカセットは、mRNA終結のための小さな53bpの合成ポリAシグナルを有する。
以前の研究では、MHCK7プロモーター(Salva et al.Mol Ther 15,320-329(2007))を使用する心臓での発現が立証され、AAVrh.74が、骨格筋、横隔膜、及び心筋での発現を達成し(Sondergaard et al.Annals of clinical and Transl Neurology 2,256--270 (2015))、図1の構築物の配列は、AAVrh.74ビリオンにカプシド化された。AAVrh.74血清型の分子クローンは、rhesus macaqueのリンパ節からクローン化され、Rodino-Klapac et al.Journal of Translational medicine 5,45(2007)で議論されている。
B)AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン対照及びカナマイシン(Kan)耐性をコードするプラスミドの生成
MHCK7μDys.KANのクローニングは、MHCK7.μDysフラグメントをMHCK7.μDys.AMPプラスミド及びカナマイシン骨格から単離し、かつNEBuilderクローニングワークフローを使用してそれらをアニーリングすることによって達成された。MHCK7.μDysフラグメントは、SnaBIによる制限酵素消化によって単離された。消化は、1xCutSmart Buffer(NEB)及び1μLのSnaBI中の50μLの全反応において、37℃で1時間実行した。得られたフラグメントを、105ボルトで1.5時間実行する、1%アガロースゲルを使用する電気泳動によって単離した。MHCK7μDysインサートに対応したバンドを切り出し、ゲル精製キット(Macherey-Nagel)を使用して精製した。得られたフラグメントのDNA濃度は、10ng/μLであった。Kan骨格フラグメントは、1xCutSmart Buffer(NEB)及び1μLXbaIを使用した50μL反応液中のXbaI制限酵素消化により、37℃で1時間、分離した。得られたフラグメントを、105ボルトで1.5時間実行する、1%アガロースゲルを使用する電気泳動によって単離した。Kan骨格に対応するバンドを切り出し、ゲル精製キット(Macherey-Nagel)で精製した。得られたフラグメントのDNA濃度は、8.1ng/μLであった。2つのフラグメントは、重複配列を有する2つのフラグメントを結合する機能を有するNEB Builderクローニングワークフローを使用して、アニーリングされた。NEBuilderクローニング反応は、総反応量20μLについての1xNEBuilder HiFi DNA Assembly Master Mix中のMHCK7.μDysのカナマイシン骨格の比を使用して、50℃で15分間、製造自動化に従って実行された。得られたクローンは、続いて、氷上で30分間、次いで、42℃で30秒間、及び氷上で追加の5分間、細胞に2.5μLのクローニング産物を加えることによって、NEB(登録商標)Stable Competent E.coli(C3040)に形質転換された。形質転換後、950μLの増殖培地を細胞に加え、225rpmで振盪しながら30℃で1.5時間増殖させた。増殖後、450μLのこれらの細胞を、50μg/mLのカナマイシンLB寒天プレートに播種し、乾燥インキュベーター内で30℃で一晩インキュベートした。このプレートからコロニーを採取し、50μg/mLのカナマイシンを含むLB内で一晩増殖させた。QIAprep(登録商標)Spin Miniprep Kit(Qiagen)を使用して、この培養物3mLからDNAを単離した。このDNAは、クローニング産物を確認するために使用された。クローニング産物を、PmeI、MscI、及びSmaIによる制限酵素消化と、それに続くゲル電気泳動によって確認した。クローニング産物は、配列決定によって追加的に確認された。得られたプラスミドは、配列番号8に示され、図8及び9に示されている。配列番号9の配列に対応する図7の構築物の配列、及び配列番号8のヌクレオチド1~4977を、上記のAAVrh.74ビリオンにキャプシド化した。
C)pAAV.MCK.マイクロジストロフィン構築物の生成
pAAV.MCK.マイクロジストロフィンプラスミドは、コドン最適化ヒトマイクロジストロフィンcDNA配列を駆動するMCK発現カセットをAAVクローニングベクターpsub201(Samulski et al.,J.Virol.61(10):3096-3101)に挿入することにより構築された。筋肉特異的な遺伝子発現を駆動するために、筋肉特異的な調節エレメントが構築物に含まれていた。この調節エレメントは、351bpのMCKコアプロモーター(近位)に融合したマウスMCKコアエンハンサー(206bp)で構成されていた。コアプロモーターの後、構築物には、効率的な転写開始のための53bpの内因性マウスMCKエクソン1(非翻訳)が含まれ、その後にSV40後期16S/19Sスプライスシグナル(97bp)及び小さな5’UTR(61bp)が続く。イントロン及び5’UTRは、プラスミドpCMVβ(Clontech)に由来した。マイクロジストロフィンカセットは、ATG開始の直前にコンセンサスのコザックがあり、mRNA終了のための小さな53bpの合成ポリAシグナルを有している。Harper et al.Nat.Med.8(3):253-61,2002によって以前に記載されたように、ヒトマイクロジストロフィンカセットは、(R4~R23/Δ71~78)ドメインを含んでいる。
pAAV.MCK.マイクロジストロフィンプラスミドには、AAV2末端逆位配列(ITR)が隣接するヒトマイクロジストロフィンcDNA発現カセットが含まれていた(図5を参照されたい)。この配列はAAVrh.74ビリオンにカプシド化された。AAVrh.74血清型の分子クローンはrhesus macaqueのリンパ節からクローン化され、Rodino-Klapac et al.Journal of Tran.Med.45(2007)に記載されている。
D)ベクター産生
本明細書に記載される研究のためのベクターは、研究グレードの条件下で、HEK293細胞のトリプルトランスフェクション法を利用して産生された。産生後のベクターの特性評価には、スーパーコイルスタンダード、エンドトキシンレベル測定(EU/mL)及び無菌性評価を伴う、qPCRによる力価決定が含まれる。産生されたベクターを、SDS-PAGEで分析し、予想されるrAAVとのバンドパターンの一致性を検証した。これらの研究で使用される代理ベクターrAAVrh74.MCHK7.uDYS.FLAGは、C末端FLAGタグを追加して、上記のように構築された。
実施例2
非ヒト霊長類研究における免疫抑制によるrAAVrh74.MCHK7.マイクロジストロフィンの全身遺伝子送達
この研究の主な目標は、最適な用量、期間、及び免疫抑制レジメンを特定し、rAAV.rh74.MHCK7.マイクロジストロフィンの血管内送達後の遺伝子発現を最適化することであった。この研究は、アカゲザルの5つのコホート(各コホートn=3)を使用して開始し、ベクター投与前後の免疫抑制期間を変化させた(表1)。アカゲザルは、本明細書では「非ヒト霊長類」又はNHPと呼ばれる。
コホート1では、対照のサルに、免疫抑制剤を加えずに、頭静脈又は伏在静脈にrAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを2×1014vg/kgで血管内投与した(n=2)。他の全てのコホートでは、アカゲザルは、免疫抑制とともに、頭静脈又は伏在静脈に送達される2×1014vg/kgのrAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンの血管内注射も受けた。
コホート2では、全身遺伝子導入の1日前から遺伝子導入後30日まで、プレドニゾン(2mg/kg/日)を経口投与した(n=3)。コホート3では、全身遺伝子導入の1日前から遺伝子導入後60日まで、プレドニゾン(2mg/kg/日)を経口投与した(n=3)。コホート4では、全身遺伝子導入の14日前から遺伝子導入の60日後まで、プレドニゾン(2mg/kg/日)を経口投与した(n=3)。
コホート5(n=3)では、3重免疫抑制レジメンが調査された。このコホートでは、リツキシマブ(750mg/m2)は、ベクター投与の14日前及び7日前の2回の投与セッションで血管内注入により投与され、3回目の投与は遺伝子導入前のベクター投与の日に投与された。抗体が最初の3回の投与に反応しない場合は、リツキシマブを注入後に4回投与することができる。ベクター投与の3日前にシロリムス(4mg/m/日)を経口投与し、抗体が減少するまで続けた。ベクター投与の1日前からベクター投与後30日まで、プレドニゾンを経口投与した(2mg/kg/日)。
治療後、全てのコホートは、前脛骨筋(TA)及び/又は腓腹筋(gn)から得られた針生検を受けました。生検は、遺伝子導入前、及び遺伝子導入後6、8、及び12週で最大3回収集された。免疫学、CBC及び化学検査のための採血は、少なくとも隔週で行われた。
以下の血液学測定を、血液サンプルに関して実施した:赤血球(赤血球)数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、平均赤血球容積、平均赤血球ヘモグロビン、平均赤血球ヘモグロビン、濃度、赤血球分布幅、絶対網状赤血球数、血小板数血球数、好塩基球の絶対数、大きな染色されていない細胞の絶対数、及び血液塗抹標本。
以下の臨床化学測定を、血液サンプルに関して実施した:グルコース、尿素窒素、総タンパク質、アルブミン、グロブリン、アルブミン:グロブリン比、総ビリルビン、アラニンアミノトランスフェラーゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、コレステロール、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ及びアルカリホスファターゼ。
安全性プロファイル及び形質導入効率
AAVrh.74(抗AAVrh.74抗体)に対する総抗体反応は、AAVrh.74に対する抗体反応を起こさなかったコホート2(NHP_03)からの1つのNHPを除いて、異常な観察の証拠がなく、コホート間で同様であった。加えて、コホート5のNHPは、3重免疫抑制レジメンで治療されているにもかかわらず、コホート1~4のNHPで観察されたものと同様のAAVrh.74に対する抗体反応を示した。コホート1~4からNHPが経験した悪影響には、一過性のアラニントランスアミナーゼ(ALT)及びアスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)肝酵素の上昇が含まれていた。コホート1からの2つのNHP(NHP_12、NHP_13)、コホート3からの1つのNHP(NHP_06)、及びコホート4からの1つ(NHP_07)は、遺伝子導入後12週間でALT及びAST肝臓酵素の上昇を示した。形質導入効率に関しては、遺伝子導入後12週間でNHPコホート1~5間でベクターゲノムコピー(vgコピー/μgDNA)における統計的に有意な差は観察されなかった(P>0.05)。
実施例3
治療的血漿交換(TPE)による投与
この研究の主な目的は、rAAVrh74.MHCK7.ジストロフィンを再投与した後、既存のAAV抗体を除去し、TPEを使用せずに再投与を評価する治療的血漿交換(TPE)を使用して、技術及び遺伝子発現の両方を最適化することであった。
実施例2に記載される研究においてrAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを予め注射された非ヒト霊長類(コホート2、3及び4由来)は、1回のアフェレーシス手順中に2~3回のTPEを受けた。TPEの4週間前及び2週間前に、霊長類は、最大の採血を受けた(霊長類の体重の10%)。血液は、ACDA溶液で最大30日間保存し、TPEの日に使用して、手順中の過度の失血を防ぐためにアフェレーシスマシンをプライミングした。加えて、AAVrh.74結合抗体力価の判定を決定して、力価が現在の臨床試験の選択基準の閾値である1:400を超えていることを確認した。TPE後、2×1014vg/kgのrAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン又はrAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン.FLAGを、伏在静脈又は頭静脈を介して全身送達した。
これらのNHPはまた、TPEの1日前からTPE及び遺伝子導入の30日後まで、1日1回、プレドニゾン(2mg/kg)も受けた。化学、CBC、ELISA及びELISpotアッセイのための採血は、TPE前、再投与前のTPE後、及びエンドポイントまで少なくとも隔週で行われた。エンドポイントは、2回目の遺伝子導入後8~12週の間にあり、完全な剖検が含まれていた。有効性を評価するために、ベクターゲノムについてのウエスタンブロット及びqPCR、並びにFLAG免疫蛍光法を実施した。
追加的に、実施例2に記載される免疫抑制療法中に以前に注射された非ヒト霊長類(コホート5)に、TPEを使用せずにrAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンが再投与されて、AAVrh.74に向かう既存の抗体を低下させた。具体的には、リツキシマブ(750mg/m/日)を遺伝子導入の7及び14日前に、注射の日に1回、及び遺伝子導入後に1回、血管内(IV)に送達し、シロリムス(4mg/m/日)を、遺伝子導入の3日前に送達し、研究終了まで継続した。シロリムスのレベルは、3~14ng/mLの間で変化する採血によって監視された。化学、CBC、シロリムス血中濃度、ELISA及びELISpotアッセイのための採血は、エンドポイントまで少なくとも隔週で行われた。エンドポイントは、2回目の遺伝子導入後8~12週の間にあり、完全な剖検が含まれていた。各動物の観察は、毎日実行された。NHPの体重を隔週で監視し、それに応じて免疫抑制薬の投与量を調整した。
治療的血漿交換手順:
TPEプロセスでは、血管アクセスを介して全血を取り出し、続いて血漿(抗体)を除去するアフェレーシスマシン内の遠心分離機で遠心分離した。赤血球は、霊長類の維持液用の補充液(ヒトアルブミン)と一緒に戻るように送達された。ヒト以外の霊長類はサイズが小さい(10kg未満)ため、安全性を確保し、霊長類から引き出される血液の量を低減させるために、血漿交換の前に保存血でアフェレーシス装置のプライミングを実行した。アフェレーシスの28及び14日前に、最大の採血(非ヒト霊長類循環血液の10%)を実行した。採取した全血は、4℃で抗凝固酸-クエン酸-デキストロース(ACDA)溶液中に30日以内の間、保存及び保管された。追加的に、NHPには、余分な鉄リッチなサプリメント及び濃縮物が供給された。アフェレーシスの日に、非ヒト霊長類を、テラゾール(3~6mg/kg)で筋肉内鎮静し、挿管し、加熱されたプロシージャテーブルに固定した。麻酔の維持は、酸素1~4%のイソフルランで達成された。血管カテーテルを両脚(伏在静脈)に配置し、1つのアクセスポートで全血を回収し、もう1つのアクセスポートを反対側の脚に配置して、赤血球及び補充液を再送達した。追加のカテーテルを腕(橈側皮静脈)に配置して、手順全体を通して流体及び採血をサポートした。血管アクセスが得られた後、動物にヘパリン(50~100U/kg)を投与して、十分な血流を維持し、アフェレーシス中の凝固を防いだ。NHPは、温度、ECG、及び呼吸を使用して監視して、適切な麻酔面を決定した。
上記のように、NHPをカテーテルを介してCOBE Spectraアフェレーシス装置に接続し、装置を事前に採取した血液でプライミングした。1回の総血漿交換は、循環血液の全量が1回で除去及び交換されることに相当する。推定抗体除去率98%を達成するために、2~3回の血漿交換を実行した。血液化学分析及び血清抗体検査のための各完了した交換後に、血液を採取した。血漿交換の直後に、NHPをアフェレーシスユニットから外し、rAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを全身に再投与した。ベクター送達後、全てのカテーテルが外され、出血を制御するために圧力が加えられた。動物を、完全に歩けるようになるまで監視した。
剖検分析
剖検では、NHPは、エンドポイント(再投与後8~12週の間で発生し得る)でEuthasol(1mL/101b)を投与された。血液を採取し、全血を全血球計算(CBC)分析、シロリムス検査レベル、及び血清化学のために送信した。次いで、組織を収集し、独立した獣医組織病理学者による分析のために送り、遺伝子及びタンパク質の発現を、有効性及び毒性を評価するために分析した。
遺伝子発現の最適化を評価するために、2×1014vg/kgのrAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン又はrAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン.FLAGが静脈内に投与及び再投与されたNHP由来の前後の筋生検を、収集した。ベクターDNAの特定の配列を検出するために、前の及び全ての後の筋肉組織由来のDNAを、リアルタイムの定量的qPCRのために抽出した。収集した全ての筋肉由来のタンパク質を抽出し、ウエスタンブロットを実行して、生検前の組織と比較して、マイクロジストロフィンタンパク質(138kD)を検出した。追加的に、ナイーブな全長ジストロフィン(427kD)を、正常な対照として使用し、遺伝子発現としての結果の尺度としてのマイクロジストロフィンタンパク質と定量的に比較した。FLAG発現の存在を観察するための免疫蛍光染色は、rAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン.FLAGが注入された霊長類において実行された。
免疫抑制レジメン、ベクター投与、及び再投与の安全性を評価するために、採血を、ベースラインで、エンドポイントまで隔週で行った。血清化学、CBC、及びシロリムスレベルは、研究の両方の目的を通して隔週で監視された。ELISpot分析を利用して、AAVrh.74ペプチド及びマイクロジストロフィンペプチドの両方に対するT細胞応答を評価した。最後に、抗AAVrh.74抗体応答を、研究の両方の目的を通じて隔週で監視した。
以下の血液学測定を、血液サンプルに関して実施した:赤血球(赤血球)数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、平均赤血球容積、平均赤血球ヘモグロビン、平均赤血球ヘモグロビン、濃度、赤血球分布幅、絶対網状赤血球数、血小板数血球数、好塩基球の絶対数、大きな染色されていない細胞の絶対数、及び血液塗抹標本。
以下の臨床化学測定を、血液サンプルに関して実施した:グルコース、尿素窒素、総タンパク質、アルブミン、グロブリン、アルブミン:グロブリン比、総ビリルビン、アラニンアミノトランスフェラーゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、コレステロール、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ及びアルカリホスファターゼ。
結果
TPE前及びTPE後(rAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンによる再投与前)のNHPにおけるAAVrh.74に対する総抗体力価を、下の表に示す。図11は、rAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンの再投与後のNHPにおけるAAV74に対する抗体力価を提供する。NHPで実行できるTPCサイクルの数は、利用可能なドナー血液が不足しているために制限されている。ヒトでは、複数ラウンドのTPEを投与することができる。実施例2で検出された力価は、最初の遺伝子導入の12週間後に得られた(*)。実施例3で検出された力価は、rAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンの再投与注射前に得られた()。NHP_03は、AAVrh.74に対する抗体応答が不足しているために、事前のTPEなしで再投与された。NHP_06は、サイズが小さく、血管へのアクセスが悪いため、0.5サイクルのTPEのみを受けた。
TPE手順は、一般に、良好な耐容性を示した。AAVrh.74に対するIFN-γスポット形成細胞(SCF)レベル及び末梢血単核細胞由来のマイクロジストロフィンペプチドによって評価される異常な免疫学的観察はなかった。TPE後の再投与によって、次のNHP:NHP_01及びNHP_02、コホート2;NHP_04、コホート3;NHP_08及びNHP_09、コホート4)において肝酵素レベル(ALT/AST)の増加がもたらされた。これは、プレドニゾンの毎日の投与を継続することで解決された。
コホート5由来のNHPは、リツキシマブによる以前の治療との不適合性のためにTPEを受けず、2つのNHP(NHP_10、NHP_11)が再投与された。コホート5は、再投与前のAAVrh.74に対する総抗体価が1:51,200を超えていた。高抗体価で再投与されたNHP(コホート5)は、次の有害事象を経験した:心拍数及び人工呼吸数、嘔吐、送達部位近くの発疹、蒼白、並びに浅呼吸の増加;ジフェンヒドラミン及びデキサメタゾンの投与後に解決した。
7つのNHPが2~3サイクルのTPEを連続して受けた結果、AAVrh.74に対する循環抗体のレベルが低下した。TPEの直後に、NHPは、rAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンの再投与に成功した。コホート4由来の2つのNHP(NHP_08及びNHP_09)では、1:200の抗体価が達成された。
図12に示すように、12週目の生検からのTPE前の発現と比較した場合、TPE後にrAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを再投与した全てのNHP由来の組織サンプルで、マイクロジストロフィンタンパク質の発現の増加が観察された(実施例2に記載)。骨格筋(卵腹筋)、心臓、及び横隔膜において、マイクロジストロフィンタンパク質発現の増加が観察された。
実施例4
代替的に、上記の実施例2及び3に記載される試験及び研究は、配列番号9に記載のrAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物、配列番号8に記載のヌクレオチド1~4977、配列番号6に記載のヌクレオチド56~5022を利用して実施される。
実施例5
治療的血漿交換(TPE)後の既存のAAVrh.74抗体によるDMDについての遺伝子治療
第1相臨床試験は、治療的血漿交換(TPE)後の既存のAAVrh.74抗体による患者におけるDMDの遺伝子治療を調査するために、ヒトで実施される。5サイクルのTPEが、AAVrh.74(本明細書では、「抗AAVrh.74抗体」とも呼ばれる)への抗体の結合を低下させ、ベースラインと比較して、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを使用して安全かつ効率的な筋肉の形質導入を可能にして、発現レベルの平均値>50%を達成するという仮説が立てられる。
研究の目的及び主要な結果は、マイクロジストロフィン遺伝子(AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン)を運ぶrAAVの安全な送達である。二次的な目的は、DMDに羅漢している対象の筋肉におけるマイクロジストロフィン遺伝子の発現、及び機能的転帰尺度としての筋ジストロフィーについてのNorth Star Ambulatory Assessment(NSAA)を使用した臨床的改善である。
治療計画は、最初に10日間のスケジュールでアフェレーシスによってAAVrh.74抗体を低減し、続いて、AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンの静脈内送達を行う、安全性と有効性を組み合わせた2段階(週)プロトコル(表1)である。1週目に、月曜日(遺伝子治療の注入日から9日目)、水曜日(7日目)、金曜日(5日目)の3日間、別の日にTPEを投与する。第2週に、TPEを隔日で2日間投与し、続いて月曜日(2日目)、水曜日(1日目)にAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンを静脈内注入し、続くTPEの同日にAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン(1日目)を送達する。患者は、表1のスケジュールに従って、外来アフェレーシスユニットに運ばれる。患者は、1日目に入院遺伝子治療注入のために小児集中治療室(PICU)に入院し、2日目に退院予定である。
このプロトコルは、IgG抗体の動態に基づいて開発されており、48時間後にリバウンドがあり、前の手順で除去された抗体の約50~60%が回復し、したがって、隔日で10日間のコースにわたってTPEを支持し、TPEの最終日(遺伝子療法に関して1日目に指定される)の遺伝子送達が続くことが示されている(図13及びExchange Volumesを参照されたい)。これらの手順のタイミングは、他の既知の抗体介在性病状と同様の経過をたどる(Padmanabhan et al.,J Clin Apheresis 34:171-354,2019)。
このプロトコルは新しい適応症のために開発されているため、5~6回の治療(Padmanabhan et al.,J Clin Apheresis 34:171-354,2019)から5~7回の治療(Pham et al.,Transfusion and Apheresis Science 58:237-246、2019)を繰り返して推奨する既存の確立されたガイドラインに従うことが適切である。免疫抑制のためにプレドニゾンを服用しているこのプロトコルにおける対象に適用される追加のサポートには、同時の免疫抑制療法の結果として、無視できる免疫抑制の産生率、及び1時間当たり約1~2パーセントである血管内平衡化率に対する血管外平衡化率が仮定され、次いで、7~10日間にわたって5回の個別の手順が、最初の身体の免疫グロブリン負荷全体の90パーセントを除去する必要があることが記載されている。新しい抗体産生が発生した場合は、追加の治療が必要になる場合がある。(Fridey & Kaplan Therapeutic apheresis(plasma exchange or cytapheresis):Indications and technology.American Society for Apheresis Guidelines UPTODATE May 2020(available on-line)(Kaplan et al.J Clin Apheresis 28:3-10,2013)
プロトコル
このプロトコルについての患者の特徴:
選択基準
・歩行可能な男性対象、いずれかの民族、スクリーニング時の年齢4~10歳(境界値を含む)
・DMDフレームシフト又は早期終止コドン遺伝子変異を確認
・CK>1000U/L
・症候性疾患を示す100m歩行テストにおける年齢について予測される95のパーセンタイル未満
・運動能力評価テストへの協力能力
・困難な走る、跳ぶ、及び階段を上る履歴に基づいて示される弱さ
・スクリーニング前少なくとも12週間の経口コルチコステロイド相当量が安定しており、研究全体を通して用量が一定に維持される(体重の変化に対応する潜在的な変更を除く)ことが予想される。
・ベースラインスクリーニング時のELISAイムノアッセイで決定されるAAVrh.74抗体価が1:400超である患者(40~10日目)
除外基準
・LVEFが40%未満であるECHOを含む心筋症の徴候
・ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染、又はB型若しくはC型肝炎感染の血清学的証拠
・自己免疫疾患の診断(又はその継続治療)
・臨床的に重要と考えられる臨床検査値の異常(ガンマグルタミルトランスフェラーゼ、正常値上限の3倍超、3mg/dL以上のビリルビン、1.8mg/dL以上のクレアチニン、8g/dL未満又は18g/dL超のヘモグロビン、18,500/cmm超の白血球数、50,000/マイクロリットル以下の血小板)。
・PIの意見では、遺伝子導入の不必要なリスクを生み出す併発疾患又は慢性薬物治療の必要性。
・4週間前以内の重度の感染症(例えば、肺炎、腎盂腎炎、髄膜炎)。
・スクリーニングから6か月以内に、いずれかの治験薬剤(コルチコステロイド以外)又はエクソンスキッピング薬剤(EXONDYS51(登録商標)を含む)が投与された。
・任意の種類の遺伝子療法、細胞ベースの療法(例えば、幹細胞移植)、又はCRISPR/Cas9療法を受けた。
・家族は、かかりつけ医及び他の医療提供者による患者の研究参加を開示したくない。
スクリーニング/ベースライン期間
スクリーニング/ベースライン期間は、最長9日目の4週間前までである。インフォームドコンセントを得た後、患者は、適格性について評価される。スクリーニングには、人口統計及び病歴の収集、バイタルサイン測定、身体検査、心電図(ECG)、並びに心エコー図(ECHO)及び心臓MRIが含まれる。血液及び尿のサンプルは、臨床及び安全性検査評価のために収集される。血液サンプルを、B型及びC型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、並びにAAVrh.74に対する抗体とAAVrh.74キャプシド及びマイクロジストロフィンに対する抗原特異的T細胞についても、収集する。治療前の筋生検は、腓腹筋、又は主治医(PI)によって選択された筋肉を含み、適格後、9日目より前に実行される。親/介護者は、PROMISアンケートに記入するよう求められる。身体機能性評価には、筋ジストロフィーのNorth Star Ambulatory Assessment(NSAD)と、床からの立ち上がり、標準的な4段の上昇、10メートル歩行/走行テスト及び100メートル歩行/走行テストを含む計時機能性テストとが含まれる。
治療的血漿交換
TPEは、患者の血漿を除去し、5%アルブミンでの置換に関与する。新鮮な凍結血漿(FFP)は、患者の安全のために必要な場合、TPE手順中に使用され得る。血漿交換中に除去された血漿は、米国食品医薬品局(FDA)の規制に従って、別の個体への輸血には使用されない。
プロトコル
TPEは、可能であれば、末梢静脈を介して実施される。より可能性の高い患者には、介入放射線科医によって入れられたトンネル化中心線を有する。親は、予定の合間にカテーテルの手入れ方法について説明を受ける。
交換体積-
1.0~1.5血漿体積交換の血漿交換が、手順ごとに実行される。単回の血漿交換で、血漿高分子レベルは63%低下する(J Clin Apheresis 2019;34:171-354)。血管内コンパートメント及び血管外コンパートメントの両方に分布するIgG抗体は、総身体貯蔵量を減少させる複数回交換を必要とし、通常は、両方のコンパートメント間の再分布を可能にするように1日おきに実行される。最初の1.0~1.5血漿体積の交換で、最大量の標的物質が除去され、除去量はその後の交換ごとに減少する。単回の血漿量交換ごとに、同じ量の交換液が使用される。このプロトコルでは、5%のアルブミンが補液として使用される。
免疫抑制レジメンが、持続的な反応を得るために推奨されている。免疫抑制がない場合、交換後にリバウンドする可能性があるが、このプログラムに参加する全てのDMD少年には、疾病についての標準治療としてグルココルチコイドが投与される。血漿交換についての実験プロトコル中に、患者には、TPEの1日前に、グルココルチコイド(1mg/kgのプレドニゾン、又は同等のコルチコステロイド)が投与される。患者は、初期のテーパリングが患者の最良の関心内にあるとPIが判断しない場合に、遺伝子導入後の遺伝子送達後に少なくとも60日間はこの用量を維持する。(表1)。
患者の更なる関心のために、遺伝子送達を遅らせ、#7TPEが遺伝子療法を進めることができるように提供され得る代替計画(「代用スケジュール」と呼ばれる)が提供される。標的のAAVrh.74力価が、アフェレーシス#4に続く1日目に到達されない場合、TPE#5は実施されるが、遺伝子送達には進められない。AAV抗体レベルが2日目(木曜日)に得られ、金曜日のアフェレーシス、TPE#6及び遺伝子送達が続けられる。ただし、力価が木曜日(2日目)に標的の1:100に達していない場合、金曜日のTPE又は遺伝子送達には進められない。
***遺伝子送達
これは、52週間の非盲検臨床治験である。適格要件を満たす6~12人の患者が登録され、IV AAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンが投与される。1日目に、外来患者として、身体検査が実施され、バイタルサイン、血液サンプル、及び尿サンプルが収集される。1日目に、患者は入院する。5回目で最後のTPEが、午前中に実施され、同日遅くに、IRB及びFDAによって承認された以前のプロトコルに使用されたスタディオペレーションマニュアルに従って、1~2時間にわたってIV投与されるAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィンが投与される。注入の翌日(2日目)に、患者は、健康診断を受け、バイタルサインが収集され、退院前に血液及び尿サンプルを提供する。
患者は、452週間追跡され、次いで、5年間の長期追跡調査に進む。患者は、1、2、4、6、8、10、12、24、36、及び48週間(1日目の注入と比較して)の遺伝子送達後、追跡調査来院を完了する。加えて、3週目及び5週目に、患者は、肝機能検査の評価のための追跡調査来院を完了する。全ての患者には、12週目に筋生検が実行される。生検には、腓腹筋、又はPIが選択する筋肉が含まれる。
安全性は、治療に起因する有害事象(TEAE)、SAE、及び選択された検査室評価の監視によって評価される。
実施例6
血清中の抗体のサンドイッチELISA決定
サンドイッチELISAアッセイの材料は次のとおりである。
・キャプチャー抗体=抗AAVrh.74 mAb
・試験サンプル=血清又は血漿、検出に役立つ
・抗原=AAVrh.74キャプシド
・ブロッキング溶液=5%のドライミルク、1%のヤギ血清、100mLのPBS
・洗浄緩衝液=0.05%のPBS-Tween(登録商標)
・陽性対照=抗AAVrh.74抗体を有することが知られている血清
・二次抗体=抗ヒトHRP結合抗体
・基質=TMB
・停止液=硫酸
方法
96ウェルプレートの全てのウェルは、4Cで炭酸緩衝液で希釈したキャプチャー抗体で一晩コーティングされる。内容物を廃棄し、プレートをブロッキング溶液で37Cで1時間ブロッキングする。ブロッキング溶液を廃棄して、キャプチャー抗体でコーティングされたウェルにAAVrh.74キャプシドを2つ追加する。追加的に、ウェルを複製してバックグラウンド値を決定するために、炭酸緩衝液を加える。非結合キャプシドを廃棄し、試験血清をブロッキング溶液中1:25の開始希釈で添加し、連続的に希釈する。陽性対照は、ブロッキング溶液中1:400希釈で希釈する。プレートを洗浄緩衝液で洗浄した後、ブロッキング溶液中1:10,000の希釈で二次インキュベーションを行う。プレートを洗浄し、緩衝液を廃棄し、基質を加えた後、硫酸でアッセイを終了する。プレートの吸光度を、450nmで読み取る。
分析及び結果
吸光度比は、抗原をコーティングされたウェルの平均光学密度(OD)から抗原をコーティングされていないウェルのODを減算し、抗原をコーティングされていないウェルの平均(OD)で除算することによって決定される。2.00以上の比は、陽性抗体応答とみなされる。エンドポイントの力価は、2.00以上の比をもたらす最後の血清希釈を特定することによって決定される。抗体のカットオフは、1:400超の血清希釈で定義されている。
実施例7
間接ELISA:血清中の抗AAVrh.74抗体の決定
材料
・抗原=AAVrh.74キャプシド
・ブロッキング溶液=5%のドライミルク、1%のヤギ血清、カルシウム及びマグネシウムを含まない100mLのPBS
・洗浄緩衝液=0.05%のPBS-Tween(登録商標)
・一次抗体=ヒト試験用血清又は血漿
・陽性対照=抗AAVrh74 mAb、又は任意選択での抗rh74抗体を含有する血清(又は血漿)
・陰性対照:抗AAVrh74抗体を含まない対象由来の血清を陰性対照として含めることができる
・二次抗体=抗ヒト抗体
・基質=3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)
・停止液=硫酸
方法
炭酸緩衝液で希釈した2x10vg/ウェルの濃度の抗原で一晩コーティングした96ウェルプレート内のウェルを複製する。追加的に、炭酸緩衝液を、ウェルを複製して、バックグラウンドを決定するために加える。抗原を廃棄し、ウェルをブロッキング溶液でブロックする。ブロッキング溶液を廃棄し、一次抗体(試験血清)をブロッキング溶液中1:25の開始希釈で添加し、連続的に希釈する。陽性対照は、血清を使用する場合は、1:400希釈で、AAVrh.74 mAbを使用する場合は、例えば、1:1,000~1:10,000希釈で、ブロッキング溶液中に希釈する。抗AAVrh.74 mAbの特定の希釈は、参照としての抗AAVrh.74抗体を含有する血清又は血漿を利用して、任意に決定できることが認識されている。プレートを洗浄緩衝液で洗浄した後、ブロッキング溶液中1:10,000の希釈で二次インキュベーションを行う。プレートを洗浄し、緩衝液を廃棄し、かつ基質を加えた後に、硫酸でアッセイを終了する。プレートの吸光度を、450nmで読み取る。
分析及び結果
吸光度比は、抗原をコーティングされたウェルの平均光学密度(OD)から抗原をコーティングされていないウェルのODを減算し、抗原をコーティングされていないウェルの平均(OD)で除算することによって決定される。2.00以上の比は、陽性抗体反応とみなされ、そのような陽性反応を示す血漿又は血清サンプルは、血清陽性であるとみなされる。エンドポイントの力価は、2.00以上の比をもたらす最後の血清希釈を特定することによって決定される。抗体価のカットオフは、1:400超の血清希釈で定義されている。換言すれば、1:400の血清希釈での2.00以上の比を有する対象は、血清陽性とみなされ、rAAVrh.74ベースの遺伝子治療を受けることから除外される。
実施例8
scAAVrh.74.MHCK7.hSGCBの構築
図10に示されるコドン最適化全長ヒトSCGB cDNAを含有する導入遺伝子カセットを構築した。カセットは、コンセンサスKozak配列(CCACC)、SV40キメライントロン、合成ポリアデニル化部位、及びカセットの発現を駆動するのに使用される筋特異的MHCK7を含む。これは、近位プロモーターを有する内因性筋クレアチンキナーゼ遺伝子(enh358MCK、584bp)内の転写開始部位の約1.2kbの5’から採取した206bpエンハンサーを利用するMCKベースのプロモーターである。カセットを、AAV8に対して93%相同である自己相補的(sc)AAVrh.74ベクターにパッケージングした。AAVrh.74は、マウス及び非ヒト霊長類において、特に、循環によって筋肉に送達される場合に血管バリアを通過する際に、安全かつ効果的であることが示されている。
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配列表

Claims (95)

  1. 筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療する方法であって、組換えアデノウイルス関連(rAAV)及び抗炎症ステロイドを投与するステップを含み、前記rAAVが、rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択される、方法。
  2. 前記筋ジストロフィーが、デュシェンヌ型筋ジストロフィーであり、前記rAAVが、rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記筋ジストロフィーが、肢帯型筋ジストロフィーであり、前記rAAVが、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記抗炎症ステロイドが、前記rAAVの投与の約24時間前に投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記抗炎症ステロイドが、前記rAAVの投与前の約14日間、少なくとも1日1回投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記抗炎症ステロイドが、前記rAAVの投与前に投与され、前記抗炎症ステロイドが、前記rAAVの投与後1日目~30日まで少なくとも1日1回又は前記rAAVの投与後1日目~60日まで少なくとも1日1回投与される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 抗炎症ステロイドが、経口投与される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記抗炎症ステロイドが、グルココルチコイドである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記抗炎症ステロイドが、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はデフラザコートである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記rAAVの投与前に、抗CD20特異的抗体を投与するステップを更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記抗CD-20特異的抗体が、前記rAAVの投与の少なくとも7日前に投与される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記抗CD20特異的抗体が、前記rAAVの投与の少なくとも14日前に投与される、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記抗CD20特異的抗体が、前記rAAVの投与の約14日前、前記rAAVの投与の約7日前、及び前記rAAVの前記投与の約24時間以内に投与される、請求項10に記載の方法。
  14. 前記rAAVの投与後に抗CD20特異的抗体を投与するステップを更に含む、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記抗CD20特異的抗体が、リツキシマブ、オクレリズマブ又はオファツムマブである、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 免疫抑制マクロライドを投与するステップを更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記免疫抑制マクロライドが、前記rAAVの投与前に少なくとも3日間、少なくとも1日1回投与される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記免疫抑制マクロライドが、前記rAAVの投与後に投与される、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 前記免疫抑制マクロライドが、経口投与される、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記免疫抑制マクロライドが、タクロリムス、ピネクロリムス又はシロリムスである、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 組換えアデノウイルス関連(rAAV)、及び免疫抑制レジメンを投与することを含む、筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療する方法であって、前記免疫抑制レジメンが、抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、及び免疫抑制マクロライドのうちの1つ以上を投与することを含み、前記rAAVが、AAVrh.74.MHCK7.マイクロジストロフィン、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択される、方法。
  22. 前記筋ジストロフィーが、デュシェンヌ型筋ジストロフィーであり、前記rAAVが、rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィンである、請求項21に記載の方法。
  23. 前記筋ジストロフィーが、肢帯型筋ジストロフィーであり、前記rAAVが、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05である、請求項21に記載の方法。
  24. 前記免疫抑制レジメンが、抗炎症ステロイド、抗CD20抗体、及び免疫抑制マクロライドを投与することを含む、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記抗炎症ステロイドが、前記rAAVの投与の約24時間前に投与される、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記抗炎症ステロイドが、前記rAAVの投与前に投与され、前記抗炎症ステロイドが、前記rAAVの投与後1日目~30日まで少なくとも1日1回投与される、請求項21~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記抗炎症ステロイドが、経口投与される、請求項21~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記抗炎症ステロイドが、グルココルチコイドである、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記抗炎症ステロイドが、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はデフラザコートである、請求項21~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記抗CD20特異的抗体が、前記rAAVの投与前である、請求項21~295のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記抗CD20特異的抗体が、前記rAAVの投与の少なくとも14日前に投与される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記抗CD20特異的抗体が、前記rAAVの投与の約14日前、前記rAAVの投与の約7日前、及び前記rAAVの前記投与の約24時間以内に投与される、請求項30に記載の方法。
  33. 前記免疫抑制レジメンが、前記rAAVの投与後に抗CD20特異的抗体を投与することを更に含む、請求項21~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記抗CD20抗体が、静脈内注入によって投与される、請求項21~33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記抗CD20特異的抗体が、リツキシマブ、オクレリズマブ又はオファツムマブである、請求項21~34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記免疫抑制マクロライドが、前記rAAVの投与前に少なくとも3日間少なくとも1日1回投与される、請求項21~35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記免疫抑制レジメンが、前記rAAVの投与後に免疫抑制マクロライドを投与することを更に含む、請求項21~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記免疫抑制マクロライドが、経口投与される、請求項21~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記免疫抑制マクロライドが、タクロリムス、ピネクロリムス又はシロリムスである、請求項21~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療する方法であって、AAVrh.74.MHCK7.マイクロジストロフィン、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択される、組換えアデノウイルス関連(rAAV)、及び免疫抑制レジメンを投与することを含み、前記免疫抑制レジメンが、
    i)前記rAAVの投与の約24時間前に抗炎症ステロイドを経口投与し、前記rAAVの投与後1日目~30日まで、又は前記rAAVの投与後1日目~60日まで少なくとも1日1回抗炎症ステロイドを投与するステップと、
    ii)前記rAAVの投与の約14日前、前記rAAVの投与の約7日前、及び前記rAAVの前記投与の約24時間以内に抗CD20抗体を静脈内投与し、任意選択で、前記rAAVの投与後に前記抗CD20抗体を投与するステップと、
    iii)前記rAAVの投与前に、少なくとも3日間少なくとも1日1回免疫抑制マクロライドを経口投与し、任意選択で、前記rAAVの投与後に前記免疫抑制マクロライドを投与するステップと、を含む、方法。
  41. 前記筋ジストロフィーが、デュシェンヌ型筋ジストロフィーであり、前記rAAVが、AAVrh.74.MHCK7.マイクロジストロフィンである、請求項40に記載の方法。
  42. 前記筋ジストロフィーが、肢帯型筋ジストロフィーであり、前記rAAVが、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、又はrAAVrh.74.MHCK7.huAN05である、請求項40に記載の方法。
  43. 前記抗炎症ステロイドが、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はデフラザコートである、請求項40~42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 抗CD20特異的抗体が、リツキシマブ、オクレリズマブ又はオファツムマボンである、請求項40~43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記免疫抑制マクロライドが、タクロリムス、ピネクロリムス又はシロリムスである、請求項40~42のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記抗炎症ステロイドが、プレドニゾロンであり、前記抗CD20抗体が、リツキシマブであり、前記免疫抑制マクロライドが、シロリムスである、請求項40~42のいずれか一項に記載の方法。
  47. 筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療する方法であって、AAVrh.74.MHCK7.マイクロジストロフィン、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択される組換えアデノウイルス関連(rAAV)の第2の用量の投与前に、少なくとも1回の治療的血漿交換(TPE)に前記対象の血漿を供することを含み、前記対象が、TPEに供せられる前にrAAVの第1の用量を投与された、方法。
  48. 筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療する方法であって、
    a)AAVrh.74.MHCK7.マイクロジストロフィン、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05からなる群から選択される組換えアデノウイルス関連の第1の用量を投与するステップと、
    b)少なくとも1回の治療的血漿交換(TPE)に前記対象の血漿を供するステップと、
    c)第2の用量又はrAAVを投与するステップと、を含む、方法。
  49. 前記筋ジストロフィーが、デュシェンヌ型筋ジストロフィーであり、前記rAAVが、AAVrh.74.MHCK7.マイクロジストロフィンである、請求項47又は48に記載の方法。
  50. 前記筋ジストロフィーが、肢帯型筋ジストロフィーであり、前記rAAVが、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、及びrAAVrh.74.MHCK7.huAN05である、請求項47又は48に記載の方法。
  51. 前記対象の血漿が、前記第2の用量又はrAAVの投与前に、少なくとも2回のTPE又は少なくとも3回のTPEに供される、請求項47~50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 筋ジストロフィーの治療を必要とするヒト対象において筋ジストロフィーを治療する方法であって、
    a)組換えアデノウイルス関連(rAAV)を投与する前に、少なくとも1回の治療的血漿交換(TPE)に前記対象の血漿を供するステップと、
    b)rAAVを投与するステップと、を含み、
    前記rAAVが、rAAV.MHCK7.マイクロジストロフィン、AAVrh.74.tMCK.CAPN3、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF、scAAVrh.74.MHCK7.hSGCG、AAVrh74.tMCK.hSCGA、scAAVrh74.MHCK7.HSGCB、又はrAAVrh.74.MHCK7.huAN05である、方法。
  53. 前記対象の血漿が、投与前に、少なくとも2回のTPE、少なくとも3回のTPE、少なくとも4回のTPE、少なくとも5回のTPE rAAV、少なくとも6回のTPE又は少なくとも7回のTPEに供される、請求項52に記載の方法。
  54. 前記対象の血漿が、前記rAAVの投与の少なくとも9日前、投与の少なくとも7日前、投与の5日前、又は投与の2日前にTPEに供される、請求項52又は53に記載の方法。
  55. 前記対象の血漿が、前記rAAVが投与される日にTPEに供される、請求項52~54のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記対象の血漿が、少なくとも2回のTPEに供され、前記TPE間に約48時間ある、請求項52~55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記対象が、前記rAAVの投与の約24時間前に抗炎症ステロイドを投与される、請求項52~56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記対象が、前記rAAVの投与後1日目~60日まで少なくとも1日1回抗炎症ステロイドを投与される、請求項52~57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記抗炎症ステロイドが、経口投与される、請求項57又は58に記載の方法。
  60. 前記抗炎症ステロイドが、グルココルチコイドである、請求項57~59のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記抗炎症ステロイドが、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はデフラザコートである、請求項57~60のいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記rAAVが、全身投与経路によって投与される、請求項1~61のいずれか一項に記載の方法。
  63. 前記全身投与経路が、静脈内経路であり、投与される前記rAAVの用量が、約2×1014vg/kgである、請求項62に記載の方法。
  64. 前記rAAVの用量が、約10mL/kgの濃度で投与される、請求項1~63のいずれか一項に記載の方法。
  65. 前記rAAVが、注射、注入又は移植によって投与される、請求項1~64のいずれか一項に記載の方法。
  66. 前記rAAVが、約1時間にわたって注入によって投与される、請求項1~65のいずれか一項に記載の方法。
  67. 前記rAAVが、末梢四肢静脈を介する静脈内経路によって投与される、請求項1~65のいずれか一項に記載の方法。
  68. 前記rAAVが、血清型AAVrh.74のものである、請求項1~67のいずれか一項に記載の方法。
  69. 前記rAAVが、配列番号1のヒトマイクロジストロフィンヌクレオチド配列を含む、請求項1~68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記rAAVが、配列番号2又は配列番号7のMHCK7プロモーター配列を含む、請求項1~69のいずれか一項に記載の方法。
  71. 前記rAAVが、配列番号44のヌクレオチド配列を含む、請求項1~70のいずれか一項に記載の方法。
  72. 前記rAAVが、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列又は配列番号3のヌクレオチド55~5021を含む、請求項1~68のいずれか一項に記載の方法。
  73. 前記ヒト対象が、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに罹患しており、前記rAAVが、約2×1014vg/kgの用量で約1時間にわたって静脈内注入によって投与され、前記rAAVが、配列番号9のAAVrh74.MHCK7.マイクロジストロフィン構築物ヌクレオチド配列又は配列番号3のヌクレオチド55~5021を含む、請求項1~68のいずれか一項に記載の方法。
  74. 前記筋ジストロフィーが、LGMD2Eであり、前記rAAVが、scAAVrh74.MHCK7.HSGCBである、請求項1~68のいずれか一項に記載の方法。
  75. 前記ヒト対象が、LGMD2Eに罹患しており、前記rAAVが、約2×1014vg/kgの用量で静脈内注入によって投与され、前記rAAVが含む、前記rAAVが配列番号44のヌクレオチド配列を含むscAAVrh74.MHCK7.HSGCBであるrAAVである、請求項1~68のいずれか一項に記載の方法。
  76. 前記対象の細胞におけるマイクロジストロフィン遺伝子発現のレベルが、前記rAAVの投与前の前記マイクロジストロフィン遺伝子発現のレベルと比較して、前記rAAVの投与後に増加する、請求項1~75のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記対象の血清又は血漿中の抗AAVrh.74抗体の存在を決定するステップを更に含む、請求項1~76のいずれか一項に記載の方法。
  78. 前記決定するステップが、免疫抑制レジメン又はTPEの前記投与を投与する前記ステップの前に実行される、請求項77に記載の方法。
  79. 前記決定するステップが、前記対象へのAAVのいずれかの投与の前に実行される、請求項78に記載の方法。
  80. 前記決定するステップが、前記対象にaAAVrh.74を投与する前に実行される、請求項79に記載の方法。
  81. 前記決定が、定量的である、請求項77~80のいずれか一項に記載の方法。
  82. 前記対象の血清又は血漿中の抗AAVrh.74抗体のレベルを陽性対照と比較するステップを更に含む、請求項81に記載の方法。
  83. 前記陽性対照が、抗AAVrh.74モノクローナル抗体を利用する、請求項82に記載の方法。
  84. 前記決定するステップが、抗AAVrh.74モノクローナル抗体を利用することを含む、請求項77~83のいずれか一項に記載の方法。
  85. 前記決定ステップが、免疫蛍光アッセイ、免疫組織化学的アッセイ、ウエスタンブロット、直接酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、間接ELISA、サンドイッチELISA、競合ELISA、リバースELISA、化学発光アッセイ、ラジオイムノアッセイ、又は免疫沈降アッセイを利用することを含む、請求項77~84のいずれか一項に記載の方法。
  86. 前記モノクローナル抗体が、NYGMN(配列番号20)、DYGMN(配列番号22)、YTFTNYGMN(配列番号21)、及びYTFTKYGMN(配列番号23)からなる群から選択されるVH CDR1アミノ酸配列を含む、請求項83~85のいずれか一項に記載の方法。
  87. 前記モノクローナル抗体が、WINTYTGEPTYADDFKG(配列番号24)、WINTNTGEPTYGDDFKG(配列番号25)、及びWMGWINTYTGEPTY(配列番号26)からなる群から選択されるVH CDR2アミノ酸配列を含む、請求項83~85のいずれか一項に記載の方法。
  88. 前記モノクローナル抗体が、GVAHYSDSRFAFDY(配列番号27)、GNAHPGGSAFVY(配列番号28)、RGSYYYDSSPAWFAY(配列番号29)、RGVDSSGYGAFAY(配列番号30)、及びTRGTSTMISTFAFVY(配列番号31)からなる群から選択されるVH CDR3アミノ酸配列を含む、請求項83~85のいずれか一項に記載の方法。
  89. 前記モノクローナル抗体が、SVSSSVSYMH(配列番号32)、SASSGVTYMH(配列番号33)、SSVSYMH(配列番号34)、及びSSVRYMH(配列番号35)からなる群から選択されるVL CDR1アミノ酸配列を含む、請求項83~85のいずれか一項に記載の方法。
  90. 前記モノクローナル抗体が、YTSNLAS(配列番号36)、RTSNLAS(配列番号37)、LWIYSTSNLAS(配列番号38)、及びVWIYSTSNLAS(配列番号39)からなる群から選択されるVL CDR2アミノ酸配列を含む、請求項83~85のいずれか一項に記載の方法。
  91. 前記モノクローナル抗体が、QQRSSYPFT(配列番号40)、QQRSTYPF(配列番号41)、QQRSFYPF(配列番号42)、及びQQRTYYPF(配列番号43)からなる群から選択されるVH CDR3アミノ酸配列を含む、請求項83~85のいずれか一項に記載の方法。
  92. 前記モノクローナル抗体が、配列番号10、12、14、16、又は18に示される可変重鎖(VH)配列を含む、請求項83~85のいずれか一項に記載の方法。
  93. 前記モノクローナル抗体が、配列番号11、13、15、17、又は19に示される可変軽鎖(VL)配列を含む、請求項83~85のいずれか一項に記載の方法。
  94. 前記モノクローナル抗体が、配列番号10、12、14、16、又は18に示される可変重鎖(VH)配列、及び配列番号11、13、15、17、又は19に示される可変軽鎖(VL)配列を含む、請求項83~85のいずれか一項に記載の方法。
  95. 前記決定が、定量的であり、前記対象が、前記定量に基づく抗AAVrh.74について血清陽性として特定され、前記免疫抑制レジメン又はTPEが、前記血清陽性対象に選択的に投与される、請求項83~85のいずれか一項に記載の方法。
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