JP2023529935A - 低密度熱可塑性ポリウレタン発泡体を製造するためのマイクロセルラー発泡プロセス - Google Patents

低密度熱可塑性ポリウレタン発泡体を製造するためのマイクロセルラー発泡プロセス Download PDF

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Abstract

本発明は、マイクロセルラー発泡プロセスによって低密度熱可塑性ポリウレタン(TPU)発泡体を製造する方法であって、逆圧を高めるために金型内に逆圧ガスを導入する工程を含み、前記金型が、前記金型全体に分布される通気孔を有する方法に関連する。本発明はまた、このようにして得られる低密度TPU発泡体、及び前記発泡体のスポーツ用品又は靴底における使用方法にも関連する。

Description

本発明は、マイクロセルラー発泡プロセス(microcellular foaming process)によって低密度熱可塑性ポリウレタン(TPU)発泡体を製造する方法であって、逆圧(counter pressure)を高めるために金型内に逆圧ガスを導入する工程を含み、前記金型が、前記金型全体に分布される通気孔(venting hole)を有する方法に関連する。本発明はまた、このようにして得られる低密度TPU発泡体、及び前記発泡体のスポーツ用品又は靴底における使用方法にも関連する。
近年、低密度発泡体材料は、それらが材料コストを削減できることから、工業界からの関心が高まっている。中でもTPU発泡体は、材料自体の弾性による高反発という更なる利点を有し、このことが、そのスポーツ用品又は靴底等における優れた利用を可能にする。したがって、低密度のTPU発泡体を製造する方法を開発することは、そのような利用に非常に重要である。
マイクロセルラー発泡プロセスは、熱可塑性発泡体を製造するための商業的プロセスである。金型の適切な形状を設計することにより、本プロセスから直接多くの形状の発泡体を製造することができる。マイクロセルラー発泡プロセスにおいては、窒素又は二酸化炭素のような超臨界流体(SCF)が、機械バレル(machine barrel)内の熱可塑性ポリマー溶融物(melt)中に注入される。それが、金型のキャビティ(cavity)内の減圧時のガス膨張により、成形品中に発泡構造を生じさせる。このプロセスの詳細を図1に示す。
従来のマイクロセルラー発泡プロセスにおいては、低密度のTPU発泡体を製造することは困難である。多くの場合、前記TPU発泡体が減圧時に金型内で膨張するにつれ、発泡気泡(foamed bubbles)が崩壊し、セル(cell)が射出フロー(injection flow)中に同時に成長せず、結果として、高密度で大きな空隙(void)を有するTPU発泡体製品をもたらす。したがって、一般に、マイクロセルラー発泡プロセスによって製造されたTPU発泡体は、0.45g/cm3を超える高密度であり、5mmを超える直径である大きなセル空隙を有する。大きな空隙の形成の形成のため、得られる発泡体の均一性は不十分であり、反発弾性(rebound resilience)が低く、そのような発泡体の用途は制限される。
本発明の一目的は、上述の問題がない低密度熱可塑性ポリウレタン発泡体を製造する方法を提供することである。
この目的は、マイクロセルラー発泡プロセスによって低密度熱可塑性ポリウレタン発泡体を製造する方法であって、前記発泡プロセスが、
a)超臨界流体を熱可塑性ポリウレタン溶融物に注入し、混合物を形成する工程;
b)前記混合物を金型に射出し、前記混合物を発泡させる工程;
c)前記混合物の射出前、又は射出中に、前記金型内に逆圧ガスを導入する工程;
d)前記射出後に、前記逆圧ガスを放出する工程;及び
e)前記金型から前記熱可塑性ポリウレタン発泡体を取り出す工程、
を含み、
前記金型が、前記金型全体に分布される通気孔を有することを特徴とする方法によって達成される。
一実施形態においては、前記超臨界流体は、窒素、二酸化炭素、又はそれらの混合物から選択される。
一実施形態においては、前記逆圧ガスは、窒素、二酸化炭素、及び空気から選択される。
一実施形態においては、前記逆圧ガスは、金型内部に0.5~1.0MPa(5~10bar)、好ましくは0.55~0.95MPa(5.5~9.5bar)、さらに好ましくは0.65~0.85MPa(6.5~8.5bar)の逆圧を高めるために導入される。
さらなる実施形態において、前記金型は、0.05~1mmの直径を有する通気孔を、平均1~8孔/cm3、好ましくは2~5孔/cm3、さらに好ましくは2~3孔/cm3の密度で有する。
さらなる実施形態において、前記超臨界流体は、前記TPU溶融物の質量に基づいて、0.3~1.5質量%、好ましくは0.5~1.2質量%、さらに好ましくは0.6~1質量%の量で、前記TPU溶融物に注入される。
さらなる実施形態において、前記金型は、3カ所のゲート開口部(gate opens)、すなわち上部ゲート(upper gate)、下部ゲート(lower gate)、及び中間ゲート(middle gate)を有する。前記上部ゲート及び下部ゲートは、2~4秒遅延のゲート開口遅延時間(gate open delay time)を有し、且つ前記中間ゲートは、0~0.5秒遅延のゲート開口遅延時間を有する。
さらなる実施形態において、前記熱可塑性ポリウレタンは、前記TPUの質量に基づいて、0.1~6質量%、好ましくは0.5~5質量%、さらに好ましくは1.5~3.5質量%のシリコーン油を添加することによって調製される。
本発明は、本発明の方法によって得ることができる、又は得られる熱可塑性ポリウレタン発泡体に関連する。前記発泡体は、0.3g/cm3以下の低密度、及び2mm未満、好ましくは1mm未満、特に0.5mm未満の直径の空隙を有し得る。本発明はまた、本発明の方法によって得ることができる、又は得られる熱可塑性ポリウレタン発泡体を含む製品にも関連する。そのような製品は、靴底等の履物であり得る。
従来のマイクロセルラー発泡プロセスと比較して、本発明のプロセスは、より低密度で、且つより高い均一性を有する発泡体を生成する。密度は0.3g/cm3未満、さらには0.2g/cm3未満であり得る。前記発泡体の空隙はより小さく、2mm未満、好ましくは1mm未満の直径で、さらには0.5mm未満でさえあり得る。高い均一性により、前記発泡体はより高い反発弾性を有し、スポーツ用品、靴部品、自動車部品及びレジャー用品等の用途に優れている。
図1は、TPU発泡体を製造するための従来のマイクロセルラー発泡プロセスの概略図である。 図2は、制御可能な逆圧を備えた新規金型の概略図である。 図3は、2種のテストプレート試料:(a)通常の金型による従来のマイクロセルラー発泡のTPU製品、及び(b)制御可能な逆圧及び通気孔を備えた新規金型による本発明のマイクロセルラー発泡のTPU製品の写真を示す。 図4は、本発明の実施例1~2及び比較例1~2から得られた試料の写真を示す。
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用後及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解される意味を有する。本明細書で使用される場合、以下の用語は、別段の指定がない限り、それらに帰する意味を有する。
本明細書で使用される場合、 冠詞「a」及び「an」は、冠詞の文法的目的の1個、又は1個以上(すなわち少なくとも1個)のことを指し、例として、「an element(成分)」は、1個の成分、又は1個以上の成分のことを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「約」は、当業者が、同じ機能又は結果を達成する文脈において列挙された値と等価と考える数値の範囲を指すことと理解される。
本明細書で使用される場合、用語「添加剤」は、その物理的又は化学的特性を高め、所望の結果を提供するために処方された系に含まれる添加剤のことを指す。
このような添加剤は、制限されないが、染料、顔料、強化剤、衝撃改質剤(impact modifier)、レオロジー調整剤(rheology modifier)、可塑剤、チキソトロピー剤(thixotropic agent)、天然又は合成ゴム、フィラー剤、補強剤、増粘剤、阻害剤、蛍光又はその他のマーカー、熱劣化抑制剤(thermal degradation reducer)、耐熱性付与剤、界面活性剤、湿潤剤、消泡剤、分散剤、フロー又はスリップ補助剤(flow or slip aid)、殺生物剤、及び安定剤が含まれる。
別段の特定がない限り、全てのパーセンテージ(%)は、「質量パーセント」である。
一般的な用語で、又は好ましい領域内で上述された根本的な定義又は説明は、最終生成物、及びそれに対応する出発物質、及び中間体に適用される。これらの根本的な定義は、任意に互いに組み合わせることができ、すなわち、一般的な定義、及び/又はそれぞれの好ましい範囲、及び/又は実施形態の間の組み合わせを含む。
本明細書に開示される全ての実施形態、及び好ましい実施形態は、任意に組み合わせることができ、それらもまた、本発明の範囲内に包含されると見なされる。
別段の特定がない限り、温度は、室温のことを指し、圧力は、周囲圧力のことを指す。
別段の特定がない限り、溶媒は、当業者に知られている全ての有機及び無機溶媒のことを指し、いかなる種類のモノマー分子も含まない。
本発明は、マイクロセルラー発泡プロセスによって低密度熱可塑性ポリウレタン発泡体を製造する方法であって、
a)超臨界流体を熱可塑性ポリウレタン溶融物に注入し、混合物を形成する工程;
b)前記混合物を金型に射出し、前記混合物を発泡させる工程;
c)前記混合物の射出前、又は射出中に、前記金型内に逆圧ガスを導入する工程;
d)前記射出後に、前記逆圧ガスを放出する工程;及び
e)前記金型から前記熱可塑性ポリウレタン発泡体を取り出す工程、
を含み、
前記金型が、前記金型全体に分布される通気孔を有することを特徴とする方法を対象とする。
[工程a)]
工程a)において、超臨界流体が、熱可塑性ポリウレタン溶融物に注入され、容器内で混合物が形成される。まず、前記熱可塑性ポリウレタンが、容器中に供給される。一実施形態においては、前記容器は、機械バレルであり、TPUペレットが、ホッパー等のポリマー材料搬送系から、前記バレル内の加工空間(processing space)中に供給される。前記バレルは、前記バレルの表面に取り付けられる1基以上の加熱装置によって加熱され得る。前記加熱装置は、混合前に前記バレルを高温に加熱し、混合及び射出中に前記バレルを高温で保持するために使用される。一実施形態においては、前記加熱装置は、前記バレルを、160~320℃、好ましくは180~280℃、さらに好ましくは200~240℃に加熱し得る。加熱することにより、前記TPUペレットは、液体に融解し、前記TPU溶融物は、前記バレルの内部に取り付けられたスクリューによって搬送される。
TPUは、ジイソシアネート及び/又はポリイソシアネート、イソシアネート反応性水素原子を有する化合物、触媒、任意にフリーラジカル開始剤、及び任意にさらなる添加剤を反応混合物に混合し、前記混合物を硬化させることによって調製され得る。TPUは、100000~300000g/mol、好ましくは200000~250000g/molの分子量Mw、50~90A、好ましくは60~90A、さらに好ましくは65~85Aのショア硬度A(shore hardness A)を有し得る。
有用なジイソシアネート又はポリイソシアネートには、ポリウレタンの調製用に知られている任意の脂肪族、脂環式又は芳香族イソシアネート、及び前記イソシアネートの任意の所望の混合物も含まれる。例としては、2,2’-、2,4’-及び4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、モノマージフェニルメタンジイソシアネート及びジフェニルメタンジイソシアネートの多核同族体(higher-nuclear homologs)の混合物(ポリマーMDI)、2,4- 又は2,6-トリレンジイソシアネート(TDI)又はそれらの混合物、テトラメチレンジイソシアネート又はそのオリゴマー、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)又はそのオリゴマーである。ジイソシアネート及びポリイソシアネート(a)は、ポリイソシアネートプレポリマーの形態でも使用できる。これらのポリイソシアネートプレポリマーは、上記のポリイソシアネートを、例えば30~100℃、好ましくは約80℃の温度で、2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物と過剰に反応させてプレポリマーを形成させることによって得られる。
2個以上のイソシアネート反応性基を有する化合物は、当業者に知られている。 2個以上のイソシアネート反応性基を有する有用な化合物には、例えば、ポリエーテルオール又はポリエステルオールが含まれる。2個以上のイソシアネート反応性基を有するものとして使用される化合物は、好ましくは、第2級OH基を含むポリエーテルオール又はポリエステルオール、例えばポリプロピレンオキシド等である。これらのポリエーテルオール又はポリエステルオールは、好ましくは2~3、さらに好ましくは2の官能価(functionality)を有し、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、特に少なくとも85%の第2級OH基の割合を有する。
有用な触媒には、慣例の種類のポリウレタン触媒が含まれる。これらは、イソシアネート反応性水素原子を有する化合物と、ジイソシアネート及びポリイソシアネートとの反応をかなりの程度まで促進する。ポリウレタンの調製に有用な慣例の触媒には、例えば、2,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリミジン等のアミジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン等の第3級アミンが含まれる。同様に、有機金属化合物、好ましくは有機カルボン酸のスズ(II)塩、例えば酢酸スズ(II)、オクタン酸スズ(II)、エチルヘキサン酸スズ(II)及びラウリン酸スズ(II)等の有機スズ化合物が有用である。
使用される熱可塑性ポリウレタンに特に制限はない。本発明において、50~90A、好ましくは60~90A、さらに好ましくは65~85Aのショア硬度Aを有する、ポリウレタン工業で慣例的に使用される任意の熱可塑性ポリウレタンが選択され得、例えば、BASFからElastollan(登録商標)として市販されている。慣例的に、熱可塑性ポリウレタンは、100000~300000g/mol、好ましくは200000~250000g/molの分子量Mwを有し得る。
熱可塑性ポリウレタンの適切な製造方法は、例えば、EP0922552A1、DE10103424A1又はWO2006/072461A1に開示される。前記調製は、通常、ベルト系(belt system)又は反応押出機(reaction extruder)で行われるが、実験室規模で、例えばハンドキャスティング(hand casting)によっても実施され得る。成分の材料特性に応じて、これらはすべて互いに直接混合されるか、又は個々の成分が、予備混合及び/又は予備反応されて、例えばプレポリマーになり、さらに重付加される。
一実施形態においては、前記熱可塑性ポリウレタンは、前記TPUの質量に基づいて、0.1~6質量%、好ましくは0.5~5質量%、さらに好ましくは1.5~3.5質量%のシリコーン油を添加することによって調製される。シリコーン油は、慣例的に、ポリウレタン系において、乳化剤として、又は核剤(nucleator)として使用される。本発明において使用され得る適切なシリコーン油には、制限されないが、メチルシリコーン油、エチルシリコーン油、フェニルシリコーン油、メチルヒドロシリコーン油、メチルフェニルシリコーン油、メチルクロロフェニルシリコーン油、メチルエトキシシリコーン油、メチルトリフルオロプロピルシリコーン油、メチルビニルシリコーン油、メチルヒドロキシルシリコーン油、エチルヒドロシリコーン油、ヒドロキシルヒドロシリコーン油、シアノシリコーン油等が含まれる。シリコーン油は、乳化力及び核形成力を同時に有する。しかしながら、核剤としてより優れた性能を有する特定のシリコーン油は、本発明に特に適切であり、前記発泡体の密度、及びセル均一性に関して、より優れた効果をもたらす。これらのシリコーン油は、例えば、Momentive Performance Materials Inc.からNiax L-6863、L-6860、L-6950、L-6164等として市販されている。
一実施形態においては、前記発泡プロセスの前に、TPUペレットは、例えば真空オーブン内で80~130℃、又は100~120℃で1~4時間予備乾燥される。予備乾燥後、TPU ペレットは、ホッパーに投入される。前記TPUペレットの起こり得る吸水を防ぐため、窒素ガスが前記ホッパーに連続的に注入され得る。前記発泡プロセスが開始されると、バレル内でスクリューが、10~50rpm、好ましくは10~30rpm、さらに好ましくは10~20rpmの可塑化速度で回転する。対照的に、TPUの従来の射出成形は、100rpm以上の可塑化速度を使用する場合が多い。 前記TPUペレットは、加熱装置の加熱下で、前記バレル内で融解され、スクリューによって前記バレルに沿って前記バレルの下流の射出ノズルに向けて搬送される。一実施形態においては、前記バレルは、加熱のためにいくつかの区域(sector)に分割することができ、したがって、前記バレルに沿ってバレル温度プロファイル(barrel temperature profile)が存在する。例えば、前記バレルは、前記TPUペレットの供給口から射出空間に至るまで、4~8個の加熱ゾーンを有し得る。前記加熱ゾーンの温度は、例えば160~240℃、又は180~220℃の間で互いに異なり得る。
前記超臨界流体は、TPU供給ホッパーと射出ノズルとの間に配置されたガス注入系(gas dosing system)から注入され得る。前記超臨界流体は、窒素、二酸化炭素、又は適切に使用され得る他の不活性流体から選択され得る。前記ガス注入系は、流体の供給源、1基以上のポンプ、前記流体の注入を制御する制御系、及び前記超臨界流体の流量及び/又は注入量を制御する計量装置を含み得る。このようなガス注入系は、例えば、Trexel Inc.から、type T150 SCF systemとして市販されている。一実施形態においては、前記超臨界流体は、0.001kg/h~100kg/h、場合によっては0.01kg/h~60kg/h、場合によっては0.1kg/h~10kg/hの質量流量(mass flow rate)を有し得る。
前記超臨界流体が前記バレルに注入され、TPU溶融物と混合されて混合物が形成される。前記混合工程は、形成される混合物が単相溶液になるように完全に実行され得る。前記TPU溶融物と前記超臨界流体の混合比は、実際的は要求に応じて調整され得る。一実施形態においては、前記超臨界流体は、前記TPU溶融物の質量に基づいて、0.3~1.5質量%、好ましくは0.5~1.2質量%、さらに好ましくは0.6~1質量%の量で、前記TPU溶融物に注入される。前記混合工程中、前記混合物は高圧下で加熱装置によってバレルの高温で保持される。このように形成された混合物は、前記混合物が射出される前記バレルの遠位部に向かって前記バレルに沿ってスクリューによって搬送される。
[工程b)]
工程b)において、前記TPU溶融物、及び前記超臨界流体を含む混合物は、射出ノズルを通じて前記バレルから金型に射出される。前記混合物は、スクリューによってバレルの遠位部に搬送され、前記スクリューの下流の遠位部に蓄積する。前記バレルのこの遠位部は、別個の加熱装置によって、前記バレルの前の区域の温度よりも高い高温に加熱される。例えば、前記遠位部の温度は、220~360℃、又は240~280℃であり得る。前記混合物の蓄積が、前記遠位部に高圧を加える。前記超臨界流体が前記混合物から抜け出すことを防ぐため、先端バルブが、高圧を維持するために遠位部の前に設置され得る。蓄積中、十分に高い圧力を維持し、早過ぎる核形成、発泡、又はガス溶解を防ぐために、前記ノズルは、遮断ノズルバルブ(shut-off nozzle valve)によって閉じられる。
十分な充填が蓄積された後、前記スクリューは、回転を停止し得る。次に、前記遮断ノズルバルブが開放され、前記TPU溶融物及び超臨界流体の混合物が、高圧下で前記ノズルを通って前記金型のキャビティ内に射出される。前記射出速度は、3~25mm/s、好ましくは5~20mm/s、さらに好ましくは5~15mm/sであり得る。前記金型内に射出される前記混合物の体積は、前記金型のキャビティの体積の15%~80%であり得る。前記混合物が、金型に射出されると、前記金型は前記バレル内の圧力より低い圧力下に保持されるので、前記超臨界流体は、減圧時に前記混合物の内部から膨張する。膨張時に、前記超臨界流体は、気化し、前記混合物又は溶液から抜け出し、多数のマイクロセル部位を核形成する(nucleate)。前記核形成された部位は、マイクロセルに成長し、発泡した混合物が、前記金型のキャビティ全体を徐々に満たす。前記金型は、発泡した混合物を冷却するため、周囲温度、又は20~60℃の温度下に保持される。冷却時に、前記混合物が硬化し、これにより発泡製品が、前記金型のキャビティの形状で得られる。
[工程c]]
前記混合物の射出前、又は射出中に、前記金型内部に逆圧を高めるために前記金型内に逆圧ガスを注入する。本発明の金型は、特別に設計され、本発明の一発明の側面を構成する。この金型は、例えば鋼鉄から作製され得、逆圧ガス注入系を備え、この系を通って、逆圧ガスが、制御可能な方法で前記金型に注入され得る。前記逆圧ガス注入系は、ガス源、1基以上のポンプ、ガスの導入を制御する制御系、及び前記ガスの流量及び/又は注入量を制御する計量装置を含み得る。前記逆圧を検出するために、圧力センサーが取り付けられ得る。そのようなガス注入系の構造は、上述の超臨界流体を注入するための系と同様であり得る。そのような制御可能な逆圧を備えた金型の概略図を図2 に示す。
前記金型は、前記金型表面上と前記金型キャビティエッジ(mold cavity edge)内の両方に分布される多数の通気孔を有する。前記金型の通気孔の密度は、平均1~8孔/cm3、好ましくは2~5孔/cm3、さらに好ましくは2~3孔/cm3である。前記通気孔は、0.05~1mm、好ましくは0.1~0.5mm、さらに好ましくは0.1~0.3mmの直径を有し得る。射出及び発泡の前又はその最中に、窒素、二酸化炭素、又は空気等の逆圧ガスが、これらの通気孔を通って、前記金型内に注入され、前記金型内部に逆圧が高められる。前記逆圧は0.55~0.95MPa(5.5~9.5bar)、好ましくは0.65~0.85MPa(6.5~8.5bar)であり得る。過剰な逆圧ガスは、射出成形中に前記通気孔を通じて迅速に排出(vent)又は放出(release)され得る。そのため、射出中は、TPUは、前記逆圧ガスにより発泡されず、前記ガスは、前記多数の通気孔によって急速に放出され、その結果、前記TPUは、セルの全てが同時に且つ均一に成長して発泡する。
前記金型は、3カ所のゲート開口部、すなわち中間ゲート、上部ゲート、及び下部ゲートを有する。射出時に、3カ所のゲートの全てが開口し、前記3カ所のゲートの開口遅延時間は、中間ゲート:0~0.5秒遅延、上部ゲート及び下部ゲート:2~4秒遅延である。好ましくは、前記開口遅延時間は、中間ゲート:0.2~0.3秒遅延、上部ゲート及び下部ゲート:2.5~3.5秒遅延である。前記金型は、150~240℃の温度のホットランナー(hot runner)を有する。前記射出された混合物の発泡前に、前記金型は、前記逆圧ガス注入系によって制御可能な逆圧下に保持され、前記材料は、実質的に発泡されない。
[工程d)]
前記射出の完了後、前記逆圧の空気が放出される。前記金型内に広く分布される通気口により、前記逆圧の空気は迅速に放出される。前記超臨界流体が前記混合物から抜け出し、セルを核形成し、前記混合物内部に空隙を形成する。前記逆圧の存在が、セルの膨張を防ぐ。次いで、ガス放出後、前記混合物が同時に発泡する。前記金型の温度は、20~60℃、又は30~45℃に設定し、前記発泡体を、例えば200~500秒間冷却する。
[工程e)]
前記発泡が完了後、このように形成された前記TPU発泡体が、前記金型から離型される。前記超臨界流体及び前記逆圧ガスの使用により、前記金型の圧力は低くなり、前記金型からの前記発泡体の離型力(releasing force)が低減され、前記発泡体が、前記金型からより容易に離型される。前記発泡体は、例えば2~48時間安定化され得る。
本発明の方法によって形成される発泡体は、0.3g/cm3以下、さらに0.2g/cm3未満でさえあり得る低い密度を有する。対照的に、通常、TPU発泡体は、0.45g/cm3より高い密度を有する。前記混合物の射出時の前記逆圧ガスの導入が、前記混合物の内部と前記金型のキャビティとの間の圧力差を低減し、それにより射出された前記混合物が同時に発泡し、前記超臨界流体が前記混合物から、より穏やかに抜け出し、均一なセルを有するTPU発泡体が得られると考えられている。前記発泡体内に形成された空隙は、逆圧なしで得られた空隙と比較して、より小さく、且つはるかに均一なサイズを有し、直径は、2mm未満、又は1mm未満、さらには0.5mmでさえあり得る。前記発泡体内の空隙の、より小さく、且つはるかに均一なサイズのため、前記発泡体は、従来のマイクロセルラー発泡プロセスによって製造された発泡体と比較して、優れた反発弾性、及び前記反発弾性のより小さい偏差(deviation)を有する。対照的に、通常の金型による従来のマイクロセルラー発泡プロセスによって製造された発泡体は、肉眼で観察できる、5mm超の大きな空隙サイズを有する。図2は、本発明の方法、及び従来のマイクロセルラー発泡プロセスによって得られた発泡製品の写真を示す。
一実施形態においては、本発明はまた、本発明の上述の方法によって得ることができる、又は得られる熱可塑性ポリウレタン発泡体にも関連する。前記TPU発泡体は、2mm未満の直径で、発泡体に均一且つ一様に(homogenously and uniformly)分散された空隙を有し、0.3g/cm3以下の低密度を有し得る。
したがって、本発明の方法によって得られる発泡体は、上記に列挙した有利な特性を有し、軽量、且つ優れた反発弾性を必要とする多くの用途に適している。これらの用途は、制限されないが、スポーツ用品、靴部品(靴底等)、自動車部品、梱包材、及びレジャー用品が含まれる。
ここで、本発明は実施例及び比較例を参照して説明されるが、本発明を限定するものではない。
以下の材料を使用した:
標準TPU組成物:TPUは、62.6部の4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、100部の分子量1000を有するポリエーテルポリオールポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、13.5部の鎖延長剤1,4-ブタンジオールから調製した。
窒素(N2)純度:99.9995%、Air Liquidから供給され、量の範囲(amount range):0.5%~1%。
測定方法:
発泡体の密度は、DIN EN ISO1183-1,Aに従って試験する。
反発弾性は、DIN 53512 に従って試験する。反発弾性の偏差も計算する。 5% 未満の偏差は良好な均一性を示すが、5%を超える偏差は不均一性を示す。
[実施例1:]
TPU発泡体を新規金型によるマイクロセルラー発泡プロセスによって作製した。前記マイクロセルラー発泡プロセスは、射出成形機(Kraussmaffei,type KM110/380CX)及びガス注入系(Trexel,type T150SCF system)を用いて実行した。前記新規金型は、前記金型全体に分布される多数の通気孔を有する特別に設計された金型であり、前記孔のサイズは、0.1~0.3mm(直径)であり、密度は、平均2孔/cm3である。前記金型は、逆圧ガス注入系が装備され、これは前記金型の通気孔によってガスを注入及び放出が可能であった。この金型にはホットランナーを有する3カ所のゲート(上部、中間、下部ゲート)があり、前記ゲートの全ては開口シーケンス(open sequence)及び開口遅延(open delay)によって制御ができる。
発泡プロセス中、TPU ペレットを真空オーブン中で、100℃、3時間予備乾燥し、次いで、射出機のホッパー内に、TPUペレットによる更なる吸水を防ぐため、前記ホッパーに連続的にN2ガスを注入しながら投入した。発泡プロセスにおいては、前記射出機のバレル温度プロファイルを180℃、195℃、200℃、205℃、205℃、205℃、205℃、可塑化長さ50mm、可塑化速度15rpmに設定した。次に、可塑化中に、N2ガスを前記バレルに、ガス含有量を溶融物質量(62g)の0.8質量%に設定し、SCF注入系によって注入した。可塑化後、TPU/ガス混合物を前記金型に射出した。射出速度は、充填時間(packing time)なしで、7mm/sに設定した。射出時に、3カ所のゲートの全てを開口した。前記3カ所のゲートの開口遅延時間は、射出時に中間ゲートで0.2秒、上部ゲート及び下部ゲートで3秒であった。前記ホットランナー温度は178℃に設定した。一方、前記溶融物の射出時にも、逆圧ガスとして空気を前記金型内に導入し、前記ガス圧を0.75~0.85MPa(7.5~8.5bar)の範囲に設定し、維持した。射出が完了した後、前記逆圧の空気を放出した。前記金型の温度は、350秒間の冷却時間で、40℃に設定した。発泡後、更なる試験のため、試料を室温で24時間安定させた。
[実施例2:]
セットした機械は実施例1と同じであり、同じ新規金型を使用した。発泡プロセス中、TPU ペレットを真空オーブン中で、100℃、3時間予備乾燥し、次いで、射出機のホッパー内に、TPUペレットによる更なる吸水を防ぐため、前記ホッパーに連続的にN2ガスを注入しながら投入した。発泡プロセスにおいては、前記射出機のバレル温度プロファイルを180℃、195℃、200℃、205℃、205℃、205℃、205℃、可塑化長さ52mm、可塑化速度20rpmに設定した。次に、可塑化中に、N2ガスを前記バレルに、ガス含有量を溶融物質量(65g)の0.6質量%に設定し、SCF注入系によって注入した。可塑化後、TPU/ガス混合物を前記金型に射出した。射出速度は、充填時間なしで、7mm/sに設定した。射出時に、3カ所のゲートの全てを開口した。前記3カ所のゲートの開口遅延時間は、射出時に中間ゲートで0.2秒、上部ゲート及び下部ゲートで3秒であった。前記ホットランナー温度は178℃に設定した。一方、前記溶融物の射出時にも、逆圧ガスとして空気を前記金型内に導入し、前記ガス圧を0.75~0.85MPa(7.5~8.5bar)の範囲に設定し、維持した。射出が完了した後、前記逆圧の空気を放出した。前記金型の温度は、350秒間の冷却時間で、40℃に設定した。発泡後、更なる試験のため、試料を室温で24時間安定させた。
[実施例3~12:]
実施例3~12においては、セットした機械は実施例1と同じであり、同じ新規金型を使用した。TPU発泡体の試料を製造するプロセスは、プロセスパラメータを表1に示したように設定したことを除いて、実施例1の手順に従った。発泡後、更なる試験のため、試料を室温で24時間安定させた。
[比較例1:]
セットした機械は、旧金型(old mold)を使用したことを除いて、実施例1と同じであった。旧金型もテストプレートの金型であった。それは、大気と繋がった厚いエッジ上に3カ所の大きな通気開口部(venting open)(直径8mm)を有するのみであり、逆圧ガス注入系を装備していなかった。前記金型は、3カ所の開口ゲートにコールドランナーを有していた。
発泡プロセス中、TPU ペレットを真空オーブン中で、100℃、3時間予備乾燥した。次いで、TPUペレットを、射出機のホッパー内に、TPUペレットによる更なる吸水を防ぐため、前記ホッパーに連続的にN2ガスを注入しながら投入した。発泡プロセスにおいては、前記射出機のバレル温度プロファイルを180℃、195℃、200℃、205℃、205℃、205℃、205℃、可塑化長さ92mm、可塑化速度15rpmに設定した。次に、可塑化中に、N2ガスを前記バレルに、ガス含有量を溶融物質量(117g)の0.8質量%に設定し、SCF注入系によって注入した。可塑化後、TPU/ガス混合物を前記金型に射出した。射出速度は、1秒の充填時間で、7mm/sに設定した。射出時に、3カ所のゲートの全てを同時に開口した。前記金型温度は、350秒間の冷却時間で、40℃に設定した。発泡後、更なる試験のため、試料を室温で24時間安定させた。
[比較例2:]
セットした機械は、同じ旧金型で、比較例1と同じであった。発泡プロセス中、TPU ペレットを真空オーブン中で、100℃、3時間予備乾燥した。次いで、TPUペレットを、射出機のホッパー内に、TPUペレットによる更なる吸水を防ぐため、前記ホッパーに連続的にN2ガスを注入しながら投入した。発泡プロセスにおいては、前記射出機のバレル温度プロファイルを180℃、195℃、200℃、205℃、205℃、205℃、205℃、可塑化長さ92mm、可塑化速度20rpmに設定した。次に、可塑化中に、N2ガスを前記バレルに、ガス含有量を溶融物質量(117g)の0.6質量%に設定し、SCF注入系によって注入した。可塑化後、TPU/ガス混合物を前記金型に射出した。射出速度は、1秒の充填時間で、100mm/sに設定した。射出時に、3カ所のゲートの全てを同時に開口した。前記金型温度は、350秒間の冷却時間で、40℃に設定した。発泡後、更なる試験のため、試料を室温で24時間安定させた。
実施例1~12及び比較例1~2から製造された試料の特性を試験し、結果を以下の表1にまとめた。
Figure 2023529935000002


Figure 2023529935000003
制御可能な逆圧及び通気孔を備えた新規金型を用いた本発明の実施例において製造された試料は、全て0.3g/cm3未満の低密度、及び2mm未満、さらには0.7mm又は0.5mm未満の大きな空隙サイズを示す。その結果として、これらの試料の反発弾性及び均一性が優れている。対照的に、逆圧及び通気孔のない旧金型を用いたプロセスによって製造された比較例1~2からの試料は、0.45g/cm3の高密度、及び5又は7mm超の大きな空隙サイズを有していた。その結果として、これらの試料の反発弾性及び均一性は劣っており、靴底やレジャー用品等の用途にあまり適していない。
上記の効果は、図3からも明らかである。図3は、実施例1~2及び比較例1~2から得られた発泡体試料の写真を示す。これらの試料間の相違は、肉眼で容易に確認し得る。本発明の実施例1~2からの試料は、はるかに小さい空隙及びはるかに均一な発泡体形態(foam morphology)を有するが、比較例1~2からの試料は、より大きな空隙及び明らかに不均一な発泡体形態を有する。
さらに、旧金型を用いた比較例に関しては、100mm/sの極めて高い射出速度の比較例7の方が、7mm/sの射出速度を採用した比較例6の場合より良好な結果が得られている。通常、低密度の熱可塑性ポリウレタン発泡体の調製のためには、低い射出速度が好ましい。対照的に、新規金型を用いると、低密度の発泡体が、低い射出速度で達成された。
[実施例13~15]
実施例13~15においては、セットした機械は実施例2と同じであり、同じ新規金型を使用した。TPU発泡体の試料を製造するプロセスは、実施襟13~15において使用したTPUが、上述の標準TPU組成物に基づいて、異なる量のシリコーン油のさらなる添加によって調製されたことを除いて、実施例2の手順に従った。これらの実施例において使用した特定のシリコーン油は、Momentive Niax Silicone L-6863であった。発泡後、更なる試験のため、試料の全てを室温で24時間安定させた。
実施例13~15から製造された試料の特性を試験し、結果を実施例2の結果と共に、以下の表2にまとめた。
Figure 2023529935000004
上記表から、TPUを調製する際のシリコーン油の添加は、得られるTPU発泡体の特性、特に発泡体密度及びセル均一性に関して、かなりの効果があることが理解できる。一定量のシリコーン油の添加は、実施例13~15の全てにおいて、TPU発泡体の密度が低下をもたらす。しかしながら、前記TPU 組成物への0.5%のL6863の添加では、前記発泡体密度及びセル均一性の僅かな改善をもたらすだけであり、L6863の含有量を3%に増加することで、標準のTPU発泡体(実施例2)と同様のセル均一性で、最高~0.2g/cm3までのはるかに低い密度をもたらす。L6863の含有量を6%にさらに増加することは、密度及びセル均一性の改善に、悪影響を有する。したがって、シリコーン油の含有量を特定の範囲内に調整することにより、本発明で実施される本発明のプロセスに基づいて、発泡体密度及び/又はセル均一性に関して、さらなる改善が達成され得る。
本明細書に記載される構造、材料、組成物、及び方法は、本発明の代表的な例であることを意図しており、本発明の範囲は実施例の範囲によって限定されないことが理解される。当業者は、本発明が、開示された構造、材料、組成物、及び方法を変更させて実施され得、そのような変更が本発明の範囲内であるとみなされることを認識する。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内にあるような修正及び変更を包含することを意図している。

Claims (22)

  1. マイクロセルラー発泡プロセスによって熱可塑性ポリウレタン発泡体を製造する方法であって、
    a)超臨界流体を熱可塑性ポリウレタン溶融物に注入し、混合物を形成する工程;
    b)前記混合物を金型に射出し、前記混合物を発泡させる工程;
    c)前記混合物の射出前、又は射出中に、前記金型内に逆圧ガスを導入する工程;
    d)前記射出後に、前記逆圧ガスを放出する工程;及び
    e)前記金型から前記熱可塑性ポリウレタン発泡体を取り出す工程、
    を含み、
    前記金型が、前記金型全体に分布される通気孔を有することを特徴とする方法。
  2. 前記金型における前記通気孔が、0.05~1mm、好ましくは0.1~0.5mm、さらに好ましくは0.1~0.3mmの範囲の直径を有する請求項1に記載の方法。
  3. 前記金型における前記通気孔の密度が、平均1~8孔/cm3、好ましくは2~5孔/cm3、さらに好ましくは2~3孔/cm3である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記超臨界流体が、窒素、二酸化炭素、又はそれらの混合物から選択される請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記超臨界流体が、前記TPU溶融物の質量に基づいて、0.3~1.5質量%、好ましくは0.5~1.2質量%、さらに好ましくは0.6~1質量%の量で、前記TPU溶融物に注入される請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記逆圧ガスが、窒素、二酸化炭素、又は空気から選択される請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記逆圧ガスは、前記金型内部に5~10bar、好ましくは5.5~9.5bar、さらに好ましくは6.5~8.5barの逆圧を高めるために導入される請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記金型が、前記逆圧ガスを導入するためのガス注入システムを備える請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記金型が、中間ゲート、上部ゲート、及び下部ゲートの3カ所のゲート開口部を有する請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記上部ゲート及び下部ゲートは、2~4秒遅延のゲート開口遅延時間を有し、且つ前記中間ゲートは、0~0.5秒遅延のゲート開口遅延時間を有する請求項9に記載の方法。
  11. TPUが、容器内の加熱ユニットによって加熱され、前記加熱温度が、160~320℃、好ましくは180~280℃、さらに好ましくは200~240℃である請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記TPUが、10~50rpm、好ましくは10~30rpm、さらに好ましくは10~20rpmの可塑化速度で可塑化される請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記混合物が、3~25mm/秒、好ましくは5~20mm/秒、さらに好ましくは5~15mm/秒の射出速度で前記金型に射出される請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記TPU発泡体が、0.3g/cm3以下、好ましくは0.25g/cm3以下の密度を有する請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記TPU発泡体が、2mm未満、好ましくは1mm未満、さらに好ましくは0.5mm未満の直径の空隙を有する請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記熱可塑性ポリウレタンが、前記TPUの質量に基づいて、0.1~6質量%、好ましくは0.5~5質量%、さらに好ましくは1.5~3.5質量%のシリコーン油を添加することによって調製される請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
  17. 請求項1~16のいずれか1項に記載の方法によって得ることができる、又は得られる熱可塑性ポリウレタン発泡体。
  18. 0.3g/cm3以下、好ましくは0.25g/cm3以下、さらに好ましくは0.21g/cm3以下の密度を有する請求項17に記載の熱可塑性ポリウレタン発泡体。
  19. 2mm未満、好ましくは1mm未満、さらに好ましくは0.5mm未満の直径の空隙を含む請求項17又は18に記載の熱可塑性ポリウレタン発泡体。
  20. スポーツ用品、靴部品(靴底等)、玩具、自動車部品、梱包材、及びレジャー用品における発泡製品を製造するための、請求項17~19のいずれか1項に記載の熱可塑性ポリウレタン発泡体、又は請求項1~16のいずれか1項に従って得ることができる、若しくは得られる熱可塑性ポリウレタン発泡体の使用方法。
  21. 請求項17~19のいずれか1項に記載の熱可塑性ポリウレタン発泡体を含む製品。
  22. 靴底等の履物である請求項21に記載の製品。
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