本出願は、自動車の分野に関し、より具体的には、油圧制御ユニット、ブレーキシステム、および制御方法に関する。
自動車のブレーキシステムは、自動車に一定程度の強制ブレーキを加えるように、自動車の車輪に一定のブレーキ力を印加するシステムである。ブレーキシステムは、運転者または制御器によって要求されて、走行中の自動車を強制的に減速させる、または停止させるように、あるいは、停止した自動車を、様々な道路状況下で(例えば、傾斜路上で)安定して駐車させるように、あるいは、自動車を、安定した速度で下り坂を走行させるように、意図される。
一般的なブレーキシステムとして、電気油圧ブレーキ(Electro-Hydraulic Brake、EHB)は、2系統ブレーキシステムおよび分散ブレーキシステムを通常含む。2系統ブレーキシステムでは、油圧制御装置が、ブレーキ力を第1のブレーキラインを介して、第1の車輪シリンダのグループに与えるために使用され、油圧制御装置は、ブレーキ力を第2のブレーキラインを介して第2の車輪のグループに与えるために使用される。現在、双方向加圧機能を有する油圧制御装置が、前述の2系統ブレーキシステムにおける油圧制御装置として、通常使用される。
従来の2系統ブレーキシステムでは、双方向加圧機能を有する油圧制御装置の順方向加圧プロセスでは、油圧制御装置の第2の油圧チャンバが、ブレーキ力を、一方向弁が設けられた第1のブレーキラインを介して、第1の車両のグループに与え、第2の油圧チャンバは、ブレーキ力を、一方向弁が設けられた第2のブレーキラインを介して、第2の車両のグループに与える。逆方向加圧プロセスでは、油圧制御装置の第1の油圧チャンバが、ブレーキ力を、一方向弁が設けられた第1のブレーキラインを介して、第1の車両のグループに与え、第1の油圧チャンバは、ブレーキ力を、一方向弁が設けられた第2のブレーキラインを介して、第2の車両のグループに与える。
しかしながら、第1のブレーキラインおよび第2のブレーキラインは各々、一方向弁に基づいて、ブレーキ液の流れ方向を制御するものであり、閉または開で制御され得ない。その結果、ブレーキラインのうちの1つが漏れたとき、ブレーキシステム内のブレーキ液は、漏れたブレーキラインに沿って失われる可能性がある。これは、油圧制御ユニットに、ブレーキシステムを加圧できなくさせ、車両の運転安全性を低下させる。
本出願は、油圧制御ユニット、ブレーキシステム、および制御方法を提供し、車両の運転安全性を向上させるために、2系統ブレーキラインにおける任意のブレーキラインを別々に加圧する。
第1の態様によれば、双方向加圧機能を有する油圧制御装置10を含む油圧制御ユニットが提供される。油圧制御装置10は、第1の油圧チャンバ16と、第2の油圧チャンバ17と、を含む。第2の油圧チャンバ17は、第1のブレーキライン110における第1の制御弁111の第1の端部に接続され、第2のブレーキライン120における第2の制御弁121の第1の端部に接続される。第1のブレーキライン110は、ブレーキ力を、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるように構成され、第2のブレーキライン120は、ブレーキ力を、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるように構成される。第1の制御弁111は、第1のブレーキライン110の接続/遮断状態を制御するように構成され、第2の制御弁121は、第2のブレーキライン120の接続/遮断状態を制御するように構成され、第1の制御弁111の第1の端部は、第4のブレーキライン140を介して第2の制御弁121の第1の端部に接続される。第1の油圧チャンバ16は、第3のブレーキライン130を介して第4のブレーキライン140に接続される。
本出願の本実施形態では、第2の油圧チャンバ17または第1の油圧チャンバ16は、ブレーキ力を、第1の制御弁111が設けられた第1のブレーキライン110を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え、ブレーキ力を、第2の制御弁121が設けられた第2のブレーキライン120を介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。これは、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120に対する別々の加圧の実施に役立ち、車両の運転安全性を向上させる。これは、従来技術では、第1の油圧チャンバ16が第1のブレーキライン110を介して第1の車輪シリンダ28および29のグループを別々に加圧し得ないことを回避する。
別の態様によれば、第1の油圧チャンバ16および第2の油圧チャンバ17は、2系統ブレーキシステム内の任意のブレーキ回路に別々の加圧を実施するように、第1の制御弁111および第2の制御弁121を再利用する。これは、2系統ブレーキシステム内の制御弁の数の低減に役立ち、ブレーキシステムのコストを削減する。
さらに別の態様によれば、第4のブレーキライン140が、第1の制御弁111の第1の端部と、第2の制御弁121の第1の端部と、を接続するので、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120内のブレーキ液の圧力は、第4のブレーキラインを介して、さらに釣合いを取られてもよい。
1つの可能な実施態様では、第1の油圧チャンバ16は、第3のブレーキライン130を介して第2のブレーキライン120に接続される。第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120との間の接続部は、第2の制御弁121の第1の端部に接続され、その接続部は、第4のブレーキライン140に接続される。
本出願の本実施形態では、第3のブレーキライン130は、第2の制御弁121の第1の端部に接続され、第2の制御弁121の第1の端部は、第4のブレーキライン140を介して第1の制御弁111の第1の端部に接続される。このようにして、第3のブレーキライン130が、ブレーキ力を第1のブレーキライン110を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるか否かを、第1の制御弁111は制御し得る。第3のブレーキライン130が、ブレーキ力を第2のブレーキライン120を介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるか否かを、第2の制御弁121は制御し得る。これは、ブレーキシステム内の油圧制御装置10と協働する制御弁の数の低減に役立つ。
1つの可能な実施態様では、第1の制御弁111の閉開状態は、ブレーキ力を、接続された第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120とを介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるように、第1の油圧チャンバ16を制御するために使用される。第2の制御弁121の閉開状態は、ブレーキ力を、接続された第3のブレーキライン130と第4のブレーキライン140とを介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるように、第1の油圧チャンバ16を制御するために使用される。
本出願の本実施形態では、第3のブレーキライン130が、ブレーキ力を第1のブレーキライン110を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるか否かを、第1の制御弁111は制御し得る。第3のブレーキライン130が、ブレーキ力を第2のブレーキライン120を介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるか否かを、第2の制御弁121は制御し得る。これは、ブレーキシステム内の油圧制御装置10と協働する制御弁の数の低減に役立つ。
1つの可能な実施態様では、第2の油圧チャンバ17は、第5のブレーキライン150を介して、第4のブレーキライン140に接続され、第3の制御弁151が、第5のブレーキライン150の接続および遮断を制御するために、第5のブレーキライン150に配置される。
本出願の本実施形態では、第3の制御弁151は、第5のブレーキライン150の接続および遮断を制御するために配置される。これは、油圧制御装置10の逆方向加圧プロセスでは、第5のブレーキライン150の開状態の制御に役立ち、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部が第5のブレーキライン150を通って第2の油圧チャンバ17に流れることを防止するように、油圧制御装置10の逆方向加圧プロセスのブレーキ効率の向上に役立つ。ブレーキ液は、第1の車輪シリンダ28および29のグループに、ならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループには流れない。
1つの可能な実施態様では、第3の制御弁151は、一方向弁152に並列接続される。一方向弁152は、ブレーキ液が第2の油圧チャンバ17から第4のブレーキライン140に流れることを可能にし、ブレーキ液が第4のブレーキライン140から第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止する。
本出願の本実施形態では、第3の制御弁151は、一方向弁152に並列接続される。一方向弁152が不具合を起こした後、ブレーキ液の流れる方向は、第3の制御弁151の閉開を制御することによって制御され得る。これは、ブレーキシステムの冗長性能の向上に役立つ。
1つの可能な実施態様では、第2の油圧チャンバ17は、第6のブレーキライン160を介して第1のブレーキライン110に接続され、第4の制御弁161が、第6のブレーキライン160の接続および遮断を制御するために、第6のブレーキライン160に配置される。第2の油圧チャンバ17は、第7のブレーキライン170を介して第2のブレーキライン120に接続され、第5の制御弁171が、第7のブレーキライン170の接続および遮断を制御するために、第7のブレーキライン170に配置される。
本出願の本実施形態では、第2の油圧チャンバ17は、第6の制御管160を介して第1の制御管110に接続され、第2の油圧チャンバ17は、第7の制御管170を介して第2の制御管120にさらに接続される。このようにして、第2の油圧チャンバ17は、複数のブレーキラインを介してブレーキ液を出力または回収する。これは、ブレーキ液の伝達量の増加に役立つ。
別の態様によれば、第6の制御管160は、第1のブレーキライン110に接続され、第7の制御管170は、第2のブレーキライン120に接続され、第1のブレーキライン110は、第4のブレーキライン140を介して第2のブレーキライン120に接続される。このようにして、第4の制御弁161または第5の制御弁171が故障したとき、他方の制御弁は、油圧制御装置10の双方向加圧機能を実施するために、油圧制御装置10と引き続き協働し得る。これは、ブレーキシステムの冗長性能の向上に役立つ。
1つの可能な実施態様では、第1の油圧チャンバ16および第2の油圧チャンバ17は、油圧制御ユニット内のピストン12を介して、油圧制御ユニット内の油圧シリンダ11を分離することによって形成される。アキュエータ支持部品14が、第1の油圧チャンバ16の端部に配置され、アキュエータ支持部品14は、アクチュエータ13を支持するために使用され、アクチュエータ13は、ピストン12を押して、油圧シリンダ11内をピストンストロークに沿って移動させ、第1の油圧制御ポート14aは、アキュエータ支持部品14に配置される。第2の油圧制御ポート13aが、アクチュエータ13に配置され、第2の油圧制御ポート13aの第1の端部が、第1の油圧チャンバ16に接続される。ピストン12が、ピストンストロークの内死点に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続される、またはピストン12が、ピストンストロークの内死点以外の位置に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続されない。
本出願の本実施形態では、第1の油圧チャンバ16の液体出口ラインは、第1の油圧制御ポート14aに対応するアキュエータ支持部品14と、第2の油圧制御ポート13aに対応するアクチュエータ13と、に区分的に構成される。このようにして、ピストン12が、ピストンストロークの内死点に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続される。ピストン12が、ピストンストローク内の内死点以外の位置に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続されない、すなわち、第1の油圧制御ポート14aと第2の油圧制御ポート13aとの間の閉/開状態が、ピストンストローク内のピストン12の位置を利用することによって制御され、これにより、第1の油圧チャンバ16の液体出口ラインの接続/遮断を制御するための従来の油圧制御装置内に、第1の油圧チャンバ16のための制御弁を特別に構成する必要がない。これは、油圧制御ユニット内の油圧制御装置と共に使用される制御弁の数の低減に役立ち、油圧制御ユニット内のコストの削減に役立つ。
第2の油圧制御ポート13aの第1の端部が第1の油圧チャンバ16に接続されることは、ピストン12がピストンストロークの内死点に位置付けられたとき、第2の油圧制御ポート13aの第1の端部は第1の油圧チャンバ16に接続されること、またはピストン12がピストンストローク内のすべての位置に位置付けられたとき、第2の油圧制御ポート13aの第1の端部は第1の油圧チャンバ16に接続されることを含み得ることに留意されたい。
1つの可能な実施態様では、第1の油圧制御ポート14aは、第1の液体出口ライン180に接続される。ピストン12が、ピストンストロークの内死点にあるとき、第1の液体出口ライン180は、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液を排出するように構成される。
本出願の本実施形態では、第1の油圧チャンバ16の液体出口ラインは、第1の油圧制御ポート14aに対応するアキュエータ支持部品14と、第2の油圧制御ポート13aに対応するアクチュエータ13と、に区分的に構成される。このようにして、ピストン12が、ピストンストロークの内死点に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aに接続され、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、接続された第1の油圧制御ポート14aと第2の油圧制御ポート13aとを通って、第1の液体出口ライン180に排出され得、次いで、第1の液体出口ライン180から第1の油圧チャンバ16に排出される。これは、油圧制御ユニットの制御弁の数の低減、および油圧制御ユニットのコストの削減に役立つ。
1つの可能な実施態様では、円形リング状または半円形リング状の第1のガイド溝13bが、アクチュエータ13の外周に沿って配置され、第1のガイド溝13bは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続される。これに対応して、ピストンが、内死点に位置付けられたとき、第1のガイド溝13bは、第1の油圧制御ポート14aに接続される。
本出願の本実施形態では、円形または半円形の第1のガイド溝13bは、アクチュエータ13の外周に沿って配置され、ピストン12は、アクチュエータ13が回転するときに、内死点に位置付けられ、第1の油圧制御ポート14aは、第1のガイド溝13bを介して第2の油圧制御ポート13aに接続される。これは、油圧制御装置の性能の向上に役立つ。
1つの可能な実施態様では、円形リング状または半円形リング状の第2のガイド溝13cが、アキュエータ支持部品14の内周に沿って配置され、第2のガイド溝13cは、第1の油圧制御ポート14aに接続され、ピストン12が、ピストンストロークの内死点に位置付けられたとき、第2のガイド溝13cは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続される。
本出願の本実施形態では、円形または半円形の第2のガイド溝13cは、アキュエータ支持部品14の内周に沿って配置され、ピストン12は、アクチュエータ13が回転するときに、内死点に位置付けられ、第1の油圧制御ポート14aは、第2のガイド溝13cを介して第2の油圧制御ポート13aに接続される。これは、油圧制御装置の性能の向上に役立つ。
1つの可能な実施態様では、第2の油圧制御ポート13aは、アクチュエータ13に対し斜めに配置され、アクチュエータ13を貫通し、第2の油圧制御ポート13aの第1の端部とピストン12との間の距離は、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部とピストン12との間の距離よりも短い。
本出願の本実施形態では、第2の油圧制御ポート13aの第1の端部とピストン12との間の距離は、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部とピストン12との間の距離よりも短くなるように設定され、これにより、接続された第2の油圧制御ポート13aと第1の油圧制御ポート14aとは、第1の油圧チャンバ16に接続され得る。
1つの可能な実施態様では、ピストン12が、内死点に位置付けられたとき、アキュエータ支持部品14は、第2の油圧制御ポート13aと離隔されている。
本出願の本実施形態では、ピストン12が、内死点に位置付けられたとき、アキュエータ支持部品14は、第2の油圧制御ポート13aから離隔され、アキュエータ支持部品14が第2の油圧制御ポート13aを塞ぐことを防止する。これは、ブレーキ液の第2の油圧制御ポート13aへの流れに役立ち、油圧制御装置の減圧効率を向上させる。
第2の態様によれば、第1の車輪シリンダ28および29のグループと、第2の車輪シリンダ26および27のグループと、第1の態様のいずれかの実施態様による油圧制御ユニットと、を含むブレーキシステムが提供される。油圧制御ユニットは、ブレーキ力を、第1の車輪シリンダ28および29のグループに、ならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループに、与える。
本出願の本実施形態では、第2の油圧チャンバ17または第1の油圧チャンバ16は、ブレーキ力を、第1の制御弁111が設けられた第1のブレーキライン110を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え、ブレーキ力を、第2の制御弁121が設けられた第2のブレーキライン120を介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。これは、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120に対する別々の加圧の実施に役立ち、車両の運転安全性を向上させる。これは、従来技術では、第1の油圧チャンバ16が第1のブレーキライン110を介して第1の車輪シリンダ28および29のグループを別々に加圧し得ないことを回避する。
別の態様によれば、第1の油圧チャンバ16および第2の油圧チャンバ17は、2系統ブレーキシステム内の任意のブレーキ回路に別々の加圧を実施するように、第1の制御弁111および第2の制御弁121を再利用する。これは、2系統ブレーキシステム内の制御弁の数の低減に役立ち、ブレーキシステムのコストを削減する。
さらに別の態様によれば、第4のブレーキライン140が、第1の制御弁111の第1の端部と、第2の制御弁121の第1の端部と、を接続するので、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120内のブレーキ液の圧力は、第4のブレーキラインを介して、さらに釣合いを取られてもよい。
1つの可能な実施態様では、ブレーキシステムは、駆動装置15をさらに含む。駆動装置15は、油圧制御装置10のピストン12を駆動して、油圧制御ユニットの油圧シリンダ11の内壁に沿って移動させて、ピストンストロークを形成する。
1つの可能な実施態様では、第1の油圧制御ポート14aは、第1の液体出口ライン180に接続され、ピストン12が、ピストンストロークの内死点に位置付けられたとき、第1の車輪シリンダ28および29のグループ内ならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループ内のブレーキ液が、接続された第1の油圧制御ポート14aと第2の油圧制御ポート13aの第2の端部とを通って、第1の液体出口ライン180に流れ、第1の液体出口ライン180を通って液体リザーバ30に排出される。
第3の態様によれば、ブレーキシステムの制御方法。ブレーキシステムは、双方向加圧機能を有する油圧制御装置10を含む。油圧制御装置10は、ピストン12と、油圧シリンダ11と、アクチュエータ13と、を含み、ピストン12は、油圧シリンダ11を、第1の油圧チャンバ16と第2の油圧チャンバ17とに分離する。第2の油圧チャンバ17は、第1のブレーキライン110における第1の制御弁111の第1の端部に接続され、第2のブレーキライン120における第2の制御弁121の第1の端部に接続される。第1のブレーキライン110は、ブレーキ力を、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるように構成され、第2のブレーキライン120は、ブレーキ力を、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるように構成される。第1の制御弁111は、第1のブレーキライン110の接続/遮断状態を制御するように構成され、第2の制御弁121は、第2のブレーキライン120の接続/遮断状態を制御するように構成され、第1の制御弁111の第1の端部は、第4のブレーキライン140を介して第2の制御弁121の第1の端部に接続される。第1の油圧チャンバ16は、第3のブレーキライン130を介して第4のブレーキライン140に接続される。制御方法は、制御器が制御命令を生成するステップを含み、制御命令は、ブレーキシステム内の駆動装置15を制御するために使用される。制御器は、ピストン12を駆動して、油圧シリンダ11の内壁に沿って移動させ、第1の車輪シリンダ28および29のグループ内ならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループ内のブレーキ液の圧力を増加または低減させるように、駆動装置15を制御するために、制御命令を駆動装置15に送信する。
本出願の本実施形態では、第2の油圧チャンバ17または第1の油圧チャンバ16は、ブレーキ力を、第1の制御弁111が設けられた第1のブレーキライン110を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え、ブレーキ力を、第2の制御弁121が設けられた第2のブレーキライン120を介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。これは、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120に対する別々の加圧の実施に役立ち、車両の運転安全性を向上させる。これは、従来技術では、第1の油圧チャンバ16が第1のブレーキライン110を介して第1の車輪シリンダ28および29のグループを別々に加圧し得ないことを回避する。
別の態様によれば、第1の油圧チャンバ16および第2の油圧チャンバ17は、2系統ブレーキシステム内の任意のブレーキ回路に別々の加圧を実施するように、第1の制御弁111および第2の制御弁121を再利用する。これは、2系統ブレーキシステム内の制御弁の数の低減に役立ち、ブレーキシステムのコストを削減する。
さらに別の態様によれば、第4のブレーキライン140が、第1の制御弁111の第1の端部と、第2の制御弁121の第1の端部と、を接続するので、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120内のブレーキ液の圧力は、第4のブレーキラインを介して、さらに釣合いを取られてもよい。
1つの可能な実施態様では、第2の油圧チャンバ17は、第5のブレーキライン150を介して第4のブレーキライン140に接続され、第5のブレーキライン150には、第5のブレーキライン150の接続および遮断を制御するために、第3の制御弁151が設けられる。制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップは、制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップであって、制御命令が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される、ステップを含む。
本出願の本実施形態では、油圧制御装置10が、順方向加圧を実施するとき、第3の制御弁151は、閉状態にある。このようにして、制御器が、駆動装置15を使用することによって、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第5のブレーキライン150を通って第2の油圧チャンバ17から流出し得る。
1つの可能な実施態様では、油圧制御装置10が逆方向加圧を実施するプロセスでは、第3の制御弁151が、開状態にあるとき、制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップは、制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップであって、制御命令が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される、ステップを含む。
本出願の本実施形態では、油圧制御装置10が逆方向加圧を実施するとき、第3の制御弁151は、開状態にある。このようにして、制御器が、駆動装置15を使用することによって、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第2の油圧チャンバ17に流れない。
1つの可能な実施態様では、第3の制御弁151は、一方向弁152に並列接続される。一方向弁152は、ブレーキ液が第2の油圧チャンバ17から第4のブレーキライン140に流れることを可能にし、ブレーキ液が第4のブレーキライン140から第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止する。本方法は、一方向弁152が故障し、油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17が、ブレーキ力を第5のブレーキライン150を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループにならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループに、与えるように、制御器が第3の制御弁151を閉状態に制御することをさらに含む。
本出願の本実施形態では、第3の制御弁151は、一方向弁152に並列接続される。一方向弁152が故障した後、ブレーキ液の流れ方向は、第3の制御弁151の閉開を制御することによって制御され得る。これは、ブレーキシステムの冗長性能の向上に役立つ。
1つの可能な実施態様では、第2の油圧チャンバ17は、第6のブレーキライン160を介して第1のブレーキライン110に接続され、第4の制御弁161が、第6のブレーキライン160の接続および遮断を制御するために、第6のブレーキライン160に配置される。第2の油圧チャンバ17は、第7のブレーキライン170を介して第2のブレーキライン120に接続され、第5の制御弁171が、第7のブレーキライン170の接続および遮断を制御するために、第7のブレーキライン170に配置される。油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171は、閉状態にある。制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップは、制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップであって、制御命令が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される、ステップを含む。
本出願の本実施形態では、油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171は、閉状態にある。このようにして、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第6のブレーキライン160および第7のブレーキライン170を通って、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120に流れ得る。これは、ブレーキ液を第2の油圧チャンバ17を通して出力する効率の向上に役立つ。
1つの可能な実施態様では、第4の制御弁161がジャミング故障を有するとき、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および第5の制御弁171は、閉状態にある。制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップは、制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップであって、制御命令が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される、ステップを含む。
本出願の本実施形態では、第4の制御弁161がジャミング故障を有するとき、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および第5の制御弁171は、ブレーキシステムの冗長性能を向上するように、順方向加圧機能を実施するために、油圧制御装置10と引き続き協働し得る。
1つの可能な実施態様では、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れる。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に流れる。
本出願の本実施形態では、第4の制御弁161がジャミング故障を有するとき、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れる。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、ブレーキシステムの冗長性能を向上するように、油圧制御装置10の順方向加圧機能を実施するために、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に流れる。
1つの可能な実施態様では、第5の制御弁171がジャミング故障を有するとき、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および第4の制御弁161は、閉状態にある。制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップは、制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップであって、制御命令が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される、ステップを含む。
本出願の本実施形態では、第5の制御弁171がジャミング故障を有するとき、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および第4の制御弁161は、ブレーキシステムの冗長性能を向上するように、順方向加圧を実施するために、油圧制御装置10と引き続き協働し得る。
1つの可能な実施態様では、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に流れる。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に流れる。
本出願の本実施形態では、第5の制御弁171がジャミング故障を有するとき、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、ブレーキシステムの冗長性能を向上するように、油圧制御装置10の順方向加圧を実施するために、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に流れる。
1つの可能な実施態様では、油圧制御装置10が逆方向加圧を実施するプロセスでは、第4の制御弁161および第5の制御弁171は、開状態にあり、第1の制御弁111および第2の制御弁121は、閉状態にある。制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップは、制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップであって、制御命令が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される、ステップを含む。
本出願の本実施形態では、油圧制御装置10が逆方向加圧を実施するプロセスでは、第4の制御弁161および第5の制御弁171は、開状態にあり、第1の制御弁111および第2の制御弁121は、閉状態にあり、第2の油圧チャンバ16の加圧効率を向上するように、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液が第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン12を通って第2の油圧チャンバに流れることを防止する。
第4の態様によれば、第2の態様の可能な実施態様のいずれか1つによるブレーキシステムを含む自動車が、提供される。ブレーキシステムの油圧制御ユニットは、ブレーキシステムのブレーキライン内のブレーキ液の圧力を調整して、ブレーキシステム内の車輪シリンダに加えられるブレーキ力の大きさを制御する。
第5の態様によれば、制御装置が提供される。本制御装置は、処理ユニットと、送信ユニットと、を含む。送信ユニットは、制御命令を送信するように構成され、処理ユニットは、制御装置が、第3の態様の可能な実施態様のいずれか1つによる制御方法を実施するように、制御命令を生成するように構成される。
任意選択で、制御装置は、自動車内の独立した制御器であってもよく、または自動車内の制御機能を有するチップであってもよい。処理ユニットは、プロセッサであってもよく、送信ユニットは、通信インターフェースであってもよい。
任意選択で、制御装置は、記憶ユニットをさらに含んでもよい。記憶ユニットは、制御器内のメモリであってもよい。記憶ユニットは、チップ内の記憶ユニット(例えば、レジスタまたはキャッシュ)であってもよく、または自動車内のチップの外部に配置された記憶ユニット(例えば、読み取り専用メモリまたはランダム・アクセス・メモリ)であってもよい。
前述の制御器では、メモリがプロセッサに接続されることに留意されたい。メモリがプロセッサに接続されることは、メモリがプロセッサの内部に配置される、またはメモリがプロセッサの外部に配置されるため、プロセッサから独立していると理解され得る。
第6の態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ・プログラム・コードを含み、コンピュータ・プログラム・コードがコンピュータで実行されると、コンピュータは、前述の態様の方法を実施する。
前述のコンピュータ・プログラム・コードの全部または一部が第1の記憶媒体に記憶され得ることに留意されたい。第1の記憶媒体は、プロセッサと共にカプセル化されてもよく、またはプロセッサとは別にカプセル化されてもよい。これは、本出願の実施形態では特に限定されない。
第7の態様によれば、コンピュータ可読媒体が提供され、コンピュータ可読媒体は、プログラムコードを記憶し、コンピュータ・プログラム・コードがコンピュータで実行されると、コンピュータは、前述の態様の方法を実施する。
本出願の一実施形態による、油圧制御装置の概略図である。
本出願の一実施形態による、油圧制御装置における第1のガイド溝の構造の概略図である。
本出願の一実施形態による、油圧制御装置における第2のガイド溝の構造の概略図である。
双方向加圧/減圧油圧制御装置に基づく従来の2系統電気油圧ブレーキの図である。
本出願の一実施形態による、油圧制御ユニットの概略図である。
本出願の一実施形態による、油圧制御ユニット600の概略図である。
本出願の一実施形態による、液体リザーバ30と油圧制御装置10との間の接続方法1の概略図である。
本出願の一実施形態による、液体リザーバ30と油圧制御装置10との間の接続方法2の概略図である。
本出願の一実施形態による、液体リザーバ30と油圧制御装置913との間の接続方法3の概略図である。
本出願の一実施形態による、ブレーキシステムの概略図である。
本出願の一実施形態による、ブレーキシステムの概略図である。
本出願の一実施形態による、ブレーキシステムの概略図である。
本出願の一実施形態による、ブレーキシステムの概略図である。
本出願の一実施形態による、制御方法の概略フローチャートである。
本出願の一実施形態による、制御装置の概略図である。
本出願の別の実施形態による、制御器の概略ブロック図である。
以下では、添付の図面を参照して、本出願の技術的解決策を説明する。
本出願の理解を容易にするために、以下では、図1から図3を参照して、本出願の実施形態に適用可能な油圧制御装置を、最初に説明する。本出願の実施形態における解決策は、双方向加圧/減圧機能を有する別の油圧制御装置にさらに適用可能であることを理解されたい。これは、本出願の実施形態において限定されない。
図1は、本出願の一実施形態による、油圧制御装置の概略図である。図1に示される油圧制御装置10は、油圧シリンダ11と、ピストン12と、アクチュエータ13と、アキュエータ支持部品14と、を含む。
ピストン12は、油圧シリンダ11の内壁に沿って移動して、ピストンストロークを形成し、ピストン12は、油圧シリンダ11を、第1の油圧チャンバ16と第2の油圧チャンバ17とに分離する。アキュエータ支持部品14は、第1の油圧チャンバ16の端部に配置され、アキュエータ支持部品14は、アクチュエータ13を支持し、第1の油圧制御ポート14aが、アキュエータ支持部品14に配置される。第2の油圧制御ポート13aが、アクチュエータ13に配置される。第2の油圧制御ポート13aの第1の端部が、第1の油圧チャンバ16に接続される。ピストン12が、ピストンストロークの内死点に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続される。ピストン12が、ピストンストロークの内死点以外に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続されない。
図1に示されるように、アクチュエータ13は、ピストン12を押して、油圧シリンダ11の内壁に沿って移動させ、ピストンストロークを形成する。油圧シリンダ11は、ピストン12によって、第1の油圧チャンバ16と第2の油圧チャンバ17との2つの油圧チャンバに分離される。第1の油圧チャンバ16に接続される第1のランナは、ポート11aおよびポート11dで形成される。第2の油圧チャンバ17に接続される第2のランナは、ポート11cおよびポート11bで形成される。
ピストン12は、油圧シリンダ11内に移動可能に配置され、アクチュエータ13の一方の端部が、油圧シリンダ11内に延在し、ピストン12に接続され、アクチュエータ13の他方の端部は、油圧シリンダ11を貫通し、駆動装置15に伝達接続される。駆動装置15によって駆動されることによって、ピストン12は、油圧シリンダ11内を往復運動して、ブレーキシステムに対する加圧または減圧動作を実施し得る。
油圧シリンダ11の内壁に沿ったピストン12の移動中に、ピストン12が駆動装置15の駆動シャフト(例えば、クランクシャフトセンタ)から最も離隔した位置は、「外部停止点」と呼ばれる。これに対応して、ピストン12が駆動装置15の駆動シャフト(例えば、クランクシャフトセンタ)に最も近い位置は、「内死点」と呼ばれる。「外部停止点」と「内死点」との間の距離は、ピストンストロークと呼ばれる。
任意選択で、ピストン12は、アクチュエータ13を駆動することによって、駆動装置15によって押されてもよい。駆動装置15は、モータなどの駆動能力を有する他の装置であってもよい。駆動装置15がモータであるとき、モータの一部がトルクを出力することを理解されたい。したがって、モータによって出力されたトルクを、アクチュエータ13を駆動するための直線運動に変換するために、駆動装置15およびアクチュエータ13は、減速機構または別の動力変換機構18を使用することによって、さらに接続されてもよい。動力変換機構は、例えば、タービン・ウォーム・アセンブリまたはボールねじナットアセンブリを含んでもよい。
第1の油圧チャンバ16および第2の油圧チャンバ17は、ピストン12によって分離されており、第1の油圧チャンバ16の容積および第2の油圧チャンバ17の容積は、ピストン12の移動に伴って変化する。例えば、ピストン12が、油圧シリンダ11内を、駆動装置15から離隔する方向(「順方向移動」とも呼ばれる)に移動すると、第1の油圧チャンバ16の容積は増加され、第2の油圧チャンバ17の容積は減少される。別の実施例として、ピストン12が、油圧シリンダ11内を、駆動装置15に近い方向(「逆方向移動」とも呼ばれる)に移動すると、第1の油圧チャンバ16の容積は減少され、第2の油圧チャンバ17の容積は増加される。
これに対応して、加圧プロセスでは、ピストン12は、油圧シリンダ11内を順方向に移動し、これは、「順方向加圧プロセス」と呼ばれ得る。加圧プロセスでは、ピストン12は、油圧シリンダ11内を逆方向に移動し、これは、「逆方向加圧プロセス」と呼ばれ得る。
第1の油圧制御ポート14aおよび第2の油圧制御ポート13aは、第1の油圧チャンバ16に接続された第1のランナのポートと考えられてもよい。第1の油圧チャンバ16は、第1の油圧制御ポート14aを介して、第2の油圧制御ポート13aに接続される。第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液が、接続された第1の油圧制御ポート14aと第2の油圧制御ポート13aとを通って、第1の油圧チャンバ16から排出され得ることが理解されよう。
任意選択で、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第1の油圧チャンバに配置された第3の油圧制御ポート11aを通って流れてもよい。第3の油圧制御ポート11aは、第1の油圧チャンバ16とブレーキシステムのブレーキラインとを接続するように構成される。ブレーキラインは、自動車の車輪の車輪シリンダに接続され得、ブレーキシステムの制御器は、ブレーキライン内の油圧を調整することによって車輪に加えられるブレーキ力を調整し得る。
換言すれば、加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16は、ブレーキ液を、第3の油圧制御ポート11aを通して、ブレーキラインに押し出し、それによって、車輪に加えられるブレーキ力を増加させ得る。減圧プロセスでは、ブレーキシステム内の圧力差に基づいて、ブレーキライン内のブレーキ液は、第3の油圧制御ポート11aを通って第1の油圧チャンバ16に流れ、それによって車輪に加えられるブレーキ力を低減または相殺し得る。
任意選択で、油圧シリンダ11には、第4の油圧制御ポート11bがさらに設けられてもよく、第4の油圧制御ポート11bは、管を介して、第2の油圧チャンバ17とブレーキシステムのブレーキラインとを接続するように構成される。
同様に、第2の油圧チャンバ17は、車輪に加えられるブレーキ力を増加させるように、ブレーキ液を第4の油圧制御ポート11bを通ってブレーキラインに押し出し得る。これに対応して、ブレーキライン内のブレーキ液は、車輪に加えられるブレーキ力を低減するように、第4の油圧制御ポート11bを通って第2の油圧チャンバ17に、代替的に流れ得る。
第4の油圧制御ポート11bは、ブレーキラインを介して、第2の油圧チャンバ17と第1の油圧チャンバ16とを接続するようにさらに構成されてもよい。このようにして、油圧制御装置10が、順方向加圧を実施するとき、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部が、ブレーキラインに押し出されて、車輪にブレーキ力を与え、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第2の油圧チャンバ17と第1の油圧チャンバ16との間の圧力差を小さくするように、第4の油圧制御ポート11bを通って第1の油圧チャンバ16に入り、駆動装置15の作業負荷を低減し、モータ駆動装置の長寿命化を図る。
任意選択で、第5の油圧制御ポート11cが、第2の油圧チャンバ17内にさらに配置されてもよく、第5の油圧制御ポート11cは、第2の油圧チャンバ17用の液体リザーバ30によって、ブレーキ液を補充するために使用され、すなわち、液体リザーバ30は、ブレーキ液を、第5の油圧制御ポート11cを通じて第2の油圧チャンバ17に補充する。
具体的には、第5の油圧制御ポート11cは、管を介して液体リザーバ30に接続される。逆方向加圧が実施されるとき、ピストン12が右向きに移動するプロセスでは、液体リザーバ30内のブレーキ液は、第5の油圧制御ポート11cを通って第2の油圧チャンバ17に、適時に補充され得る。これは、第2の油圧チャンバ17と第1の油圧チャンバ16との圧力差を小さくする。
任意選択で、第1の油圧チャンバ16と第1の油圧制御ポート14aとの間の接続を容易にするために、第2の油圧制御ポート13aは、アクチュエータ13に対して斜めに配置され、アクチュエータ13を貫通してもよく、第2の油圧制御ポート13aの液体入口(「第2の油圧制御ポート13aの第1の端部」とも呼ばれる)とピストン12との間の距離は、第2の油圧制御ポート13aの液体出口(「第2の油圧制御ポート13aの第2の端部」とも呼ばれる)とピストン12との間の距離よりも短い。
第2の油圧制御ポート13aの液体入口とピストン12との間の距離が第2の油圧制御ポート13aの液体出口とピストン12との間の距離よりも短いことは、第2の油圧制御ポート13aが第1の油圧制御ポート14aに接続されている側が、第2の油圧制御ポート13aが第1の油圧チャンバ16に接続されている側よりもピストン12に近いこととして理解されてもよい。もちろん、第2の油圧制御ポート13aは、代替的にU字形の穴などであってもよい。これは、本出願では限定されない。
通常、ピストン12が、内死点または外部停止点に位置付けられたとき、アキュエータ支持部品14が第2の油圧制御ポート13aを塞ぐことを防止するために、アキュエータ支持部品14は、第2の油圧制御ポート13aから離隔されてもよく、あるいはピストン12が内死点または外部停止点に位置付けられたとき、アキュエータ支持部品14と第2の油圧制御ポート13aとの間に特定の間隔があってもよく、これにより、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、阻止されることなく、第2の油圧制御ポート13aに入る、またはそこを出ることができる。もちろん、アキュエータ支持部品14は、第2の油圧制御ポート13aの一部を、代替的に塞いでもよい。これは、本出願の実施形態において限定されない。
本出願の本実施形態では、第1の油圧チャンバ16の液体出口ラインは、第1の油圧制御ポート14aに対応するアキュエータ支持部品14と、第2の油圧制御ポート13aに対応するアクチュエータ13と、に区分的に構成される。このようにして、ピストン12が、ピストンストロークの内死点に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続される。ピストン12が、ピストンストローク内の内死点以外の位置に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続されない、すなわち、第1の油圧制御ポート14aと第2の油圧制御ポート13aとの間の閉/開状態が、ピストンストローク内のピストン12の位置を利用することによって制御され、これにより、第1の油圧チャンバ16の液体出口ラインの接続/遮断を制御するための従来の油圧制御装置内に、第1の油圧チャンバ16のための制御弁を特別に構成する必要がない。これは、油圧制御ユニット内の油圧制御装置と共に使用される制御弁の数の低減に役立ち、油圧制御ユニット内のコストの削減に役立つ。
通常、アクチュエータ13は、長時間の動作後に回転することがあり、これに対応して、アクチュエータ13に配置された第2の油圧制御ポート13aも回転することがある。この場合、ピストン12が内死点にある場合でも、回転後の第2の油圧制御ポート13aは、第1の油圧制御ポート14aに接続され得ない。例えば、回転後の第2の油圧制御ポート13aの出口が、アキュエータ支持部品14の内壁によって塞がれる可能性があり、これに対応して、第1の油圧制御ポート14aは、アクチュエータ13の外壁によって塞がれる可能性がある。
前述の問題を回避するために、特定の長さを有する第1のガイド溝13bが、アクチュエータ13の外周に沿って配置されてもよく、第1のガイド溝13bは、第2の油圧制御ポート13aに接続される。アクチュエータ13が回転した後、第2の油圧制御ポート13aが第1の油圧制御ポート14aに引き続き接続されることを、第1のガイド溝13bは確保し得る。
任意選択で、第1のガイド溝13bは、アクチュエータ13の外周に沿って円形リング形状または半円形リング形状であってもよい。もちろん、第1のガイド溝13bが、アクチュエータ13の外周に沿って設けられた半円形リング状の溝であるとき、アクチュエータ13の機械的強度に対する第1のガイド溝13bの影響を低減することは、有益である。半円形リングの円弧長は、アクチュエータ13の最大回転量に基づいて決定され得ることを理解されたい。
以下では、説明のための例として、図2に示される第1のガイド溝を使用する。図2は、本出願の一実施形態による、油圧制御装置における第1のガイド溝の構造の概略図である。図2(b)は、アクチュエータ13の要部図であり、図2(a)は、図2(b)のA-Aに沿った斜視で見た断面である。
第1のガイド溝13bは、アクチュエータ13の外周に沿って設けられ得る。ガイド溝は、アクチュエータ13の周方向に設けられており、第2の油圧制御ポート13aは、第1のガイド溝13bに接続される。このようにして、ピストン12が、内死点に移動されると、第2の油圧制御ポート13aは、第1のガイド溝13bを介して第1の油圧制御ポート14aに接続され、これにより、迅速な減圧が実施され得る。
第1のガイド溝13bは、アクチュエータ13の外周に沿って設けられ、特定の長さを有し、これにより、アクチュエータ13が回転すると、第1のガイド溝13bは、第1の油圧制御ポート14aに常に接続され、第2の油圧制御ポート13aも第1のガイド溝13bに接続され、すなわち、この場合、第2の油圧制御ポート13aと第1の油圧制御ポート14aとは、互いに接続されることを引き続き確保され得る。
図2(a)に示されるように、第1のガイド溝13bは、環状で端から端までの溝である。これは、アクチュエータ13による回転の角度にかかわらず、第1のガイド溝13bおよび第1の油圧制御ポート14aが常に互いに接続され、かつ第1のガイド溝13bおよび第2の油圧制御ポート13aも常に互いに接続されることを確保する。このようにして、第2の油圧制御ポート13aおよび第1の油圧制御ポート14aは、常に互いに接続される。
任意選択で、円形リングまたは半円形リング形状の第2のガイド溝13cは、アクチュエータ支持部14の内周に沿って設けられ、第2のガイド溝13cは、第1の油圧制御ポート14aに接続される。以下では、図3を参照して、本出願の本実施形態における第2のガイド溝13cの構造を説明する。
図3は、本出願の一実施形態による、油圧制御装置における第2のガイド溝の概略図である。図3に示されるように、第2のガイド溝13cは、アクチュエータ支持部14の内壁に設けられてもよく、第2のガイド溝13bは、第1の油圧制御ポート14aに接続される。
第2のガイド溝13cは、アキュエータ支持部品14の内周に沿って設けられてもよい。アキュエータ支持部品14の内周が、アクチュエータ13の外周を常に覆っているので、アクチュエータ13が回転した場合でも、アキュエータ支持部品14の内周に位置付けられた第2のガイド溝13cは、第2の油圧制御ポート13aに接続され得る、すなわち、第2の油圧制御ポート13aは、第1の油圧制御ポート14aに接続される。
本出願の本実施形態では、第2のガイド溝13cは、アキュエータ支持部品14に設けられ、それによって、アクチュエータ13の機械的強度への影響の低減に役立ち、アクチュエータ13が長時間の動作後に破損することを防止する。
図1から図3を参照して、上記は、本出願の実施形態に適用可能な油圧制御装置を説明している。以下では、図4を参照して、双方向加圧/減圧油圧制御装置に基づく従来の2系統電気油圧ブレーキを説明する。
図4を参照すると、2系統ブレーキシステム400は、双方向加圧/減圧を用いる油圧制御装置10と、第1の油圧チャンバ16と、第2の油圧チャンバ17と、第1のブレーキライン110と、第2のブレーキライン120と、第3のブレーキライン130と、第1の制御弁111と、第2の制御弁121と、を含む。
双方向加圧/減圧を有する油圧制御装置10によれば、油圧制御装置10は、第1の油圧チャンバ16と、第2の油圧チャンバ17と、を含む。
第2の油圧チャンバ17は、第1のブレーキライン110と、第2のブレーキライン120と、に分離して接続される。第1のブレーキライン110は、ブレーキ力を、ブレーキシステム内の第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるように構成される。第2のブレーキライン120は、ブレーキ力を、ブレーキシステム内の第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるように構成される。第1の制御弁111は、第1のブレーキライン110の接続/遮断状態を制御するために、第1のブレーキライン110に配置される。第2の制御弁121は、第2のブレーキライン120の接続/遮断状態を制御するために、第2のブレーキライン120に配置される。
第1の油圧チャンバ16は、ブレーキシステム内の第3のブレーキライン130を介して、第2のブレーキライン120に接続され、第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120との間のインターフェースは、第2の制御弁121の第2の端部に接続される。第1の油圧チャンバ16は、ブレーキ力を第2のブレーキライン120を介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。第1の制御弁111と第2の制御弁121との両方が閉状態にあるとき、第3のブレーキライン130は、第2のブレーキライン120を介して第1のブレーキライン110に接続される。第1の油圧チャンバ16は、ブレーキ力を第1のブレーキライン110を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2の制御弁121の第2の端部は、第2の制御弁121の端部であって、ブレーキシステムにおける第2の車輪シリンダ26および27のグループに接続される、端部である。
しかしながら、図4に示されるブレーキシステムでは、第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120との間のインターフェースが、第2の制御弁121の第2の端部に接続されるので、逆方向加圧プロセスでは、第1の制御弁111の閉開を制御することだけによって、第1の油圧チャンバ16がブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29に与えるか否かが、制御され得る。しかしながら、第1の油圧チャンバ16がブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるか否かは、第2の制御弁121によって制御され得ない。このようにして、ブレーキ液の漏れが、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるブレーキ回路(例えば、第2のブレーキライン120)に生じたとき、逆方向加圧プロセスでは、ブレーキ液は、漏れがあったブレーキ回路からブレーキシステムの外に流れる。その結果、逆方向加圧プロセスでは、ブレーキシステム全体が、加圧され得ず、車両の運転安全性が、低下される。
前述の問題を回避するために、本出願は、新規の油圧制御ユニットを提供し、すなわち、第3のブレーキ回路130と第2のブレーキ回路120との間のインターフェースが、第2の制御弁121の第2の端部から、第2の制御弁121の第1の端部に移される。このようにして、第1の油圧チャンバ16がブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるか否かを、第2の制御弁121は制御し得、これにより、油圧制御装置が、順方向加圧プロセスまたは逆方向加圧プロセスのいずれかにあるとき、2系統ブレーキシステム内の任意のブレーキ回路は、別々に加圧され得る。
図5は、本出願の一実施形態による、油圧制御ユニットの概略図である。図5に示される油圧制御ユニット500は、双方向加圧機能を有する油圧制御装置10と、第1のブレーキライン110と、第2のブレーキライン120と、第3のブレーキライン130と、第1の制御弁111と、第2の制御弁121と、を含む。
双方向加圧機能を有する油圧制御装置10によれば、油圧制御装置10は、第1の油圧チャンバ16と、第2の油圧チャンバ17と、を含む。
第2の油圧チャンバ17は、第4のブレーキライン140に接続され、第4のブレーキライン140は、第1の制御弁111の第1の端部と、第2の制御弁121の第1の端部と、を接続する。第1の制御弁111は、第1のブレーキライン110に配置され、第1のブレーキライン110の接続/遮断状態を制御するように構成される。第2の制御弁121は、第2の制御ライン120に配置され、第2のブレーキライン120の接続/遮断状態を制御するように構成される。第1のブレーキライン110は、第1の車輪シリンダ28および29のグループにおいて、ブレーキ液の圧力を調整するように構成され、第2のブレーキライン120は、第2の車輪シリンダ26および27のグループにおいて、ブレーキ液の圧力を調整するように構成される。
第1の油圧チャンバ16は、第3のブレーキライン130を介して第4のブレーキライン140に接続される。
第2の制御弁121の第1の端部は、油圧制御装置10内のブレーキ液が加圧プロセスで第2の制御弁121に流れる端部と理解されてもよい。これに対応して、油圧制御装置10内のブレーキ液が第2の制御弁121から流れる端部は、第2の制御弁121の第2の端部と呼ばれ得る。
第1の制御弁111の第1の端部は、油圧制御装置10内のブレーキ液が加圧プロセスで第1の制御弁111に流れる端部と理解されてもよい。これに対応して、油圧制御装置10内のブレーキ液が第1の制御弁111から流れる端部は、第1の制御弁111の第2の端部と呼ばれ得る。
本出願の本実施形態では、第2の油圧チャンバ17または第1の油圧チャンバ16は、ブレーキ力を、第1の制御弁111が設けられた第1のブレーキライン110を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え、ブレーキ力を、第2の制御弁121が設けられた第2のブレーキライン120を介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。これは、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120に対する別々の加圧の実施に役立ち、車両の運転安全性を向上させる。これは、従来技術では、第1の油圧チャンバ16が第1のブレーキライン110を介して第1の車輪シリンダ28および29のグループを別々に加圧し得ないことを回避する。
別の態様によれば、第1の油圧チャンバ16および第2の油圧チャンバ17は、2系統ブレーキシステム内の任意のブレーキ回路に別々の加圧を実施するように、第1の制御弁111および第2の制御弁121を再利用する。これは、2系統ブレーキシステム内の制御弁の数の低減に役立ち、ブレーキシステムのコストを削減する。
さらに別の態様によれば、第4のブレーキライン140が、第1の制御弁111の第1の端部と、第2の制御弁121の第1の端部と、を接続するので、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120内のブレーキ液の圧力は、第4のブレーキラインを介して、さらに釣合いを取られてもよい。
任意選択で、第1の油圧チャンバ16は、第3のブレーキライン130を介して第2のブレーキライン120に接続される。第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120との間のインターフェースは、第2の制御弁121の第1の端部に接続され、そのインターフェースは、第4のブレーキライン140に接続される。
第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120との間のインターフェースは、第2の制御弁121の第1の端部に接続される。第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120との間のインターフェースが第4のブレーキライン140に接続されることは、第1の油圧チャンバ16が第3のブレーキライン130を介して第2のブレーキライン120に接続され得ること、ならびに第2のブレーキライン120が第2の車輪シリンダ26および27のグループにおけるブレーキ液の圧力を調整することと理解されてもよい。第1の油圧チャンバ16は、第3のブレーキライン130を介して第4のブレーキライン140に接続され、次いで、第4のブレーキライン140を介して第1のブレーキライン110に接続されてもよく、第1の車輪シリンダ28および29のグループにおけるブレーキ液の圧力は、第1のブレーキライン110を介して調整される。
あるいは、第1の車輪シリンダ28および29のグループは、自動車の右前輪の車輪シリンダと、左前輪の車輪シリンダと、を含んでもよく、第2の車輪シリンダ26および27のグループは、自動車の右後輪の車輪シリンダと、左後輪の車輪シリンダと、を含んでもよい。この場合、油圧ブレーキユニットは、自動車内にH字形に配置されると理解され得る。あるいは、第1の車輪シリンダ28および29のグループは、自動車の右前輪の車輪シリンダと、左後輪の車輪シリンダと、を含んでもよく、第2の車輪シリンダ26および27のグループは、自動車の右後輪の車輪シリンダと、左前輪の車輪シリンダと、を含んでもよい。この場合、油圧ブレーキユニットは、自動車内にX字形に配置されると理解され得る。
上述したように、第2の油圧チャンバ17は、第4のブレーキライン140に接続されてもよい。逆方向加圧プロセスでは、第3のブレーキライン130のブレーキ液の一部が、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、第3のブレーキライン130のブレーキ液の他の一部は、第4のブレーキライン140を通って第2の油圧チャンバ17に流れる。このようにして、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液と第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液との圧力差は、駆動装置15によって、ピストン12の移動を駆動する動力消費を低減するように、小さくされ得る。しかし、ブレーキ液の一部が、第2の油圧チャンバ17に到達するので、第1の油圧制御装置16によるブレーキシステムへの加圧の効率が、影響される可能性がある。
前述の問題を回避するために、第3のブレーキライン130内のブレーキ液が、第2の油圧チャンバ17に流れ得るか否かを制御するために、第3の制御弁151または一方向弁152は、第2の油圧チャンバ17と第4のブレーキライン140との間に配置されてもよい。
図5を参照されたい。第2の油圧チャンバ17は、第5のブレーキライン150を介して第4のブレーキライン140に接続され、第3の制御弁151は、第5のブレーキライン150の接続および遮断を制御するために、第5のブレーキライン150に配置される。このようにして、逆方向加圧プロセスでは、第3の制御弁151は、開状態に制御されて、第5のブレーキライン150を遮断し得る。このようにして、第3のブレーキライン130内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120および/または第1のブレーキライン110を通って、車輪シリンダ26および27と、28および29と、に流れ得る。もちろん、一方向弁もまた、ブレーキ液が、第2の油圧チャンバ17から第4のブレーキライン150に流れ得るように、第5のブレーキライン140に配置され得、ブレーキ液が第4のブレーキライン140から第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止し得る。
一般に、第3の制御弁151が不具合のために開状態にあり、第2の油圧チャンバ17がブレーキ力をブレーキシステムに与え得ないことを回避するために、第3の制御弁151および一方向弁152は、第5のブレーキラインに並列に配置されてもよく、または一方向弁152は、第3の制御弁151の両端部に並列接続される。一方向弁152は、ブレーキ液が第2の油圧チャンバ17から第4のブレーキライン140に流れることを可能にし、ブレーキ液が第4のブレーキライン140から第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止する。
油圧制御ユニット500では、第3の制御弁151が不具合を起こし、常に開状態にあるとき、油圧制御装置10は、ブレーキシステムを減圧し得ず、それによって、ブレーキシステムの冗長性能を制限する。ブレーキシステムの冗長性能を向上させるために、本出願の一実施形態は、油圧制御ユニット600をさらに提供する。具体的には、第6のブレーキライン160および第7のブレーキライン170は、第2の油圧チャンバ17と第4のブレーキライン140との間に配置され、ブレーキシステムの冗長性能を向上させる。
図6は、本出願の一実施形態による、油圧制御ユニット600の概略図である。図6に示される油圧制御ユニット600では、油圧制御ユニット500と同一の機能を有する構成要素は同一の番号を使用することに留意されたい。構成要素の具体的な機能については、前述の説明を参照されたい。簡潔にするために、詳細は、以下では説明されない。
第2の油圧チャンバ17は、第6のブレーキライン160を介して第1のブレーキライン110に接続され、第4の制御弁161は、第6のブレーキライン160の接続および遮断を制御するために、第6のブレーキライン160に配置される。第2の油圧チャンバ17は、第7のブレーキライン170を介して第2のブレーキライン120に接続され、第5の制御弁171が、第7のブレーキライン170の接続および遮断を制御するために、第7のブレーキライン170に配置される。
このようにして、第4の制御弁161または第5の制御弁171のいずれかが故障したとき、正常に動作するもう一方の制御弁は、ブレーキ力を、ブレーキシステム全体に、またはブレーキシステム内のブレーキ回路に与えるように、油圧制御装置10を支援し得る。以下では、一実施例としてジャミング故障を使用する。不具合の別のタイプは、ブレーキシステムが以下に説明されるときに、詳細に説明される。
第4の制御弁161または第5の制御弁171が、ジャミング故障を有し、常に開状態にあるとき、正常に動作し得る第4の制御弁161または第5の制御弁171は、双方向加圧または減圧機能を実施するために、油圧制御装置10と引き続き協働し得る。
例えば、第4の制御弁161が、ジャミング故障を有し、第5の制御弁171は、正常に動作している場合、順方向加圧機能を実施するために、油圧制御装置10は、第5の制御弁171を閉状態に制御してもよい。このようにして、ブレーキシステム全体またはブレーキシステム内のブレーキ回路にブレーキ力を与えるように、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第5の制御弁171が配置されている第7のブレーキライン170を通って、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120に流れ得る。
別の実施例として、第5の制御弁171が、ジャミング故障を有し、第4の制御弁161は正常に動作して、順方向加圧機能を実施する場合、油圧制御装置10は、第4の制御弁161を閉状態に制御してもよい。このようにして、ブレーキ力を、ブレーキシステム全体、またはブレーキシステム内のブレーキ回路に与えるように、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第4の制御弁161が配置されている第6のブレーキライン160を通って、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120に流れ得る。
本出願の本実施形態では、第2の油圧チャンバ17は、第6のブレーキライン160を介して第1のブレーキライン110に接続され、第7のブレーキライン170を介して第2のブレーキライン120に接続され、第6のブレーキライン160および第7のブレーキライン170を介して冗長ブレーキラインを形成して、ブレーキシステムの冗長性能を向上させる。
油圧制御ユニット600では、第1の制御弁111および第4の制御弁161は共に、第1の車輪シリンダ28および29のグループに対応するブレーキラインの接続および遮断を制御する。このようにして、第4の制御弁161が故障したとき、第1の制御弁111は、ブレーキシステム全体を加圧するために、またはブレーキ力をブレーキシステム内のブレーキ回路に与えるために、油圧制御装置10とさらに協働してもよい。これに対応して、第2の制御弁121および第5の制御弁171は共に、第2の車輪シリンダ26および27のグループに対応するブレーキラインの接続および遮断を制御する。このようにして、第5の制御弁171が故障したとき、第2の制御弁121は、ブレーキシステム全体を加圧するために、またはブレーキ力をブレーキシステム内のブレーキ回路に与えるために、油圧制御装置10とさらに協働してもよい。
本出願の実施形態における油圧制御装置と2系統ブレーキシステムとの間の接続方法が、図5および図6を参照して上述されている。油圧制御装置と液体リザーバ30との間の接続方法は、図7および図8を参照して以下に説明される。理解を容易にするために、以下では、油圧制御装置10を一実施例として使用することによって、油圧制御装置10と液体リザーバ30との間の接続方法を説明することを理解されたい。
接続方法1:第2の油圧チャンバ17には、液体リザーバ30に接続された液体入口ライン1 173が設けられ、第1の油圧チャンバ16には、液体リザーバ30に接続される液体入口ラインが設けられない。
図7は、本出願の一実施形態による、液体リザーバ30と油圧制御装置10との間の接続方法1の概略図である。図7に示される油圧制御ユニット700では、一方向弁174が、液体入口ライン1に配置され、一方向弁174は、液体入口ライン1内のブレーキ液が液体リザーバ30から第2の油圧チャンバ17に流れることを可能にする。第1の油圧チャンバ16の第1の油圧制御ポート(「液体出口」とも呼ばれる)14aは、第1の液体出口ライン180に接続される。
これに対応して、第2の制御弁121が、閉状態にあるとき、油圧制御装置10の順方向加圧モードでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液のある一部は、2系統ブレーキシステムに流れ、ある一部は、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16に流れる。すなわち、順方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16の液体入口ラインは、第3のブレーキライン130である。
減圧プロセスでは、ピストン12が順方向に移動すると、2系統ブレーキシステム内のブレーキ液は、第2の油圧チャンバ17内に圧送される。ピストン12が内死点に移動した後、2系統ブレーキシステム内の残りのブレーキ液は、第1の液体出口ライン180を通って液体リザーバ30に流れる。
接続方法2:第1の油圧チャンバ16には、液体リザーバ30に接続される液体入口ライン2 190が設けられ、第2の油圧チャンバ17には、液体リザーバ30に接続される液体入口ライン1 173が設けられる。
図8は、本出願の一実施形態による、液体リザーバ30と油圧制御装置10との間の接続方法2の概略図である。図8に示されるように、油圧制御ユニット800は、液体入口ライン1に一方向弁174が設けられ、一方向弁174は、液体入口ライン1内のブレーキ液が液体リザーバ30から第2の油圧チャンバ17に流れることを可能にする。第1の油圧チャンバ16の第1の油圧制御ポート(「液体出口」とも呼ばれる)14aは、第1の液体出口ライン180に接続される。
一方向弁191は、液体入口ライン2 190に配置される。一方向弁191は、液体入口ライン2内のブレーキ液が液体リザーバ30から第1の油圧チャンバ16に流れることを可能にし、液体入口ライン2内のブレーキ液が第1の油圧チャンバ16から液体リザーバ30に流れることを防止する。
これに対応して、第2の制御弁121が閉状態にあるとき、油圧制御装置10の順方向加圧モードでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液のある一部は、2系統ブレーキシステムに流れ、ある一部は、第2の制御弁121を通って第3のブレーキライン130に流れ、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16に流れる。すなわち、順方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16の液体入口ラインは、第3のブレーキライン130である。
順方向減圧プロセスでは、ピストン12が順方向に移動すると、2系統ブレーキシステム内のブレーキ液は、第2の油圧チャンバ17内に圧送される。ピストン12が内死点に移動した後、2系統ブレーキシステム内の残りのブレーキ液は、第1の液体出口ライン180を通って液体リザーバ30に流れる。
接続方法3:第1の油圧チャンバ16には、液体リザーバ30に接続されたブレーキライン910が設けられ、第2の油圧チャンバ17には、液体リザーバ30に接続された液体入口ライン1 173が設けられる。ブレーキライン910は、第1の油圧チャンバ16の液体入口ラインまたは液体出口ラインとして使用されてもよい。油圧制御装置は、第1の油圧制御ポート14aおよび第2の油圧制御ポート13aなどが設けられていない従来の油圧制御装置である。
図9は、本出願の一実施形態による、液体リザーバ30と油圧制御装置913との間の接続方法3の概略図である。別の油圧制御装置913の構造が油圧制御ユニット900に示されていることに留意されたい。油圧制御装置913の構造は、油圧制御装置10の構造と若干異なる。しかしながら、簡潔にするために、双方向加圧機能の実施態様のタイプは、以下では詳細に説明されない。
図9に示されるように、油圧制御ユニット900は、一方向弁174が液体入口ライン1 173に設けられ、一方向弁174は、液体入口ライン1のブレーキ液が液体リザーバ30から第2の油圧チャンバ17に流れることを可能にする。
第1の油圧チャンバ16は、ブレーキライン910を介して液体リザーバ30に接続される。制御弁912は、ブレーキライン910の接続および遮断を制御するために、ブレーキライン910に配置される。また、一方向弁911が、制御弁912の両端部に、並列に接続される。一方向弁911は、ブレーキ液が液体リザーバ30から第1の油圧チャンバ16に流れることを可能にし、ブレーキ液が第1の油圧チャンバ16から液体リザーバ30に流れることを阻止する。
順方向加圧プロセスでは、制御弁912は、開状態に制御され得、これにより、液体リザーバ30内のブレーキ液は、一方向弁911を通って第1の油圧チャンバ16に流れる。これは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液と、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液と、の圧力差を小さくする。
逆方向加圧プロセスでは、制御弁912は、開状態に制御され得、これにより、液体リザーバ30内のブレーキ液は、一方向弁911を通って第1の油圧チャンバ16に流れ、ブレーキ液は、第1の油圧チャンバ16を通って、ブレーキシステム内の車輪シリンダに押し出される。
油圧制御ユニット900では、一方向弁911が、不具合を起こして、常に開状態にある場合、制御弁912の閉開状態は、双方向加圧機能を実施するために、油圧制御装置と協働して制御され得る。例えば、一方向弁911が、不具合を起こして、常に開状態にあるとき、順方向加圧プロセスでは、制御弁912は、閉状態に制御されてもよく、これにより、ブレーキ液は、液体リザーバ30から第1の油圧チャンバ16に流れる。これは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液と、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液と、の圧力差を小さくする。別の実施例として、一方向弁911が、不具合を起こして、常に開状態にあるとき、逆方向加圧プロセスでは、制御弁912は、閉状態に制御されてもよく、これにより、ブレーキ液は、液体リザーバ30から第1の油圧チャンバ16に流れ、ブレーキ液は、第1の油圧チャンバ16を通ってブレーキシステム内の車輪シリンダに押し出される。
油圧制御装置10と2系統ブレーキラインとの間の接続方法および油圧制御装置10と液体リザーバ30との間の接続方法は、図5から図9を参照して上述されている。上述して示された油圧制御ユニット500および600は、油圧制御ユニット700から900と任意に組み合わされてもよい。以下では、油圧制御ユニット500が油圧制御ユニット800と組み合わされ、油圧制御ユニット500が油圧制御ユニット900と組み合わされ、油圧制御ユニット600が油圧制御ユニット800と組み合わされ、油圧制御ユニット600が油圧制御ユニット900と組み合わされる一実施例を使用することによって、複数の不具合事例におけるブレーキシステムの冗長解決策を説明する。
以下に示されるブレーキシステムでは、ブレーキペダルを踏むことによって運転者によってトリガされる手動ブレーキモード、ブレーキペダルを踏むことによって運転者によってトリガされるブレーキバイワイヤモード、および自動運転シナリオにおける運転者なしブレーキモードも、実施され得ることに留意されたい。前述の手動ブレーキモードにおけるブレーキプロセスの原理は、既存のブレーキシステムにおける手動ブレーキモードにおけるブレーキプロセスの原理と同様である。簡潔にするために、詳細は再度説明されない。以下では、複数の不具合モードにおけるブレーキシステムの冗長解決策を、主に説明する。
理解を容易にするために、ブレーキシステムにおける4つの一般的な不具合モードが、最初に紹介される。漏出不具合モード1では、ブレーキ液の漏れが、ブレーキシステム内のブレーキ回路において発生する。ジャミング不具合モード2では、ブレーキシステム内の1つまたは複数の制御弁が、ジャミング故障を有し、ジャミング故障を有する制御弁を常に開状態にする。閉鎖不具合モード3では、ブレーキシステム内の1つまたは複数の制御弁が、閉鎖故障を有し、閉鎖故障を有する制御弁を常に閉状態にする。複合不具合モード4では、ブレーキシステムにおける不具合モードは、上記3つの故障モードのうちのいずれか2つを含む。
以下では、図10を参照して、油圧制御ユニット500と油圧制御ユニット800とを組み合わせることによって形成されるブレーキシステム1000を説明する。図10は、本出願の一実施形態による、ブレーキシステムの概略図である。ブレーキシステム1000では、マスタシリンダ加圧および制御ユニット1010によって実施される機能は、運転者の関与を要求する手動ブレーキモードおよびブレーキバイワイヤモードである。
マスタシリンダ加圧および制御ユニット1010により、運転者は、ブレーキペダル1019を踏み込み、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液を、制御弁1013が配置されたブレーキラインを通って、ペダル・フィール・シミュレータ1012に流させる。ブレーキバイワイヤモードでは、制御弁1015および制御弁1016が、開状態にあり、これに対応して、油圧制御装置10は、ペダル・ストローク・センサ1018によって検出されたペダルストロークに、または圧力センサ1014によって検出されたブレーキ液の圧力に基づいて、ブレーキ力を2系統ブレーキシステムに与える。手動ブレーキモードでは、制御弁1015および制御弁1016は、閉状態にあり、ブレーキ液は、ブレーキライン162およびブレーキライン150を通って、ブレーキ力を車輪シリンダ26、27、28、および29に与える。
油圧制御装置10は、双方向加圧モードでは、順方向加圧プロセスと、逆方向加圧プロセスと、に分けられ得る。
順方向加圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および液体入口弁1020が、閉状態にあり、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1030、ならびに第3の制御弁151が、開状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120を通って、ブレーキライン163およびブレーキライン162のそれぞれに押し出され、ブレーキライン163を通って、車輪シリンダ28および29に押し出され、ブレーキライン162を通って、車輪シリンダ26および27に押し出される。
ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、ブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16にさらに入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。また、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン2 190を通って第1の油圧チャンバ16にさらに入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および液体入口弁1020が、閉状態にあり、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、液体出口弁1030、ならびに第3の制御弁151が、開状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部が、接続された第3のブレーキライン130と第4のブレーキライン140とを通って、第1のブレーキライン110に押し出され、次いで、第1のブレーキライン110からブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。ブレーキ液が第4のブレーキライン140に流れるプロセスでは、第3の制御弁151が開状態にあるので、第4のブレーキライン140のブレーキ液は、第5のブレーキライン150を通って第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止される。これは、逆方向加圧の効率の向上に役立つ。
第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の他の一部は、接続された第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120とを通って、第2のブレーキライン120に入り、第2の制御弁121を通って第1のブレーキライン110に入り、最終的に、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
また、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って第2の油圧チャンバ17にさらに入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減するように、第2の油圧チャンバ17および第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の圧力を低減させる。
油圧制御装置10の減圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、液体入口弁1020、ならびに車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する液体出口弁1030は、開状態にあり、第3の制御弁151、第1の制御弁111、および第2の制御弁121は、閉状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、車輪シリンダ26、27、28、および29内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120のそれぞれを通って、第2の油圧チャンバ17に圧送され、第2の油圧チャンバ17に貯留される。
ピストン12が、ピストンストローク中に、内死点に移動した後、第2の油圧チャンバ17の容積は最大である。この場合、第2の油圧チャンバ17は、さらに多くのブレーキ液を収容し得ない。第1の車輪シリンダ28および29のグループ内の残りのブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通って第4のブレーキライン140に流れ続け、第4のブレーキライン140を通って第3のブレーキライン130に流れ、第3のブレーキライン130および第1の油圧チャンバ16を通って第1の液体出口ライン180に流れ、最後に第1の液体出口ライン180を通って液体リザーバ30に流れ得る。
これに対応して、第2の車輪シリンダ26および27のグループ内の残りのブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通って第3のブレーキライン130に流れ、第3のブレーキライン130を通って第2の油圧チャンバ16に流れ、第1の液体出口ライン180を通って液体リザーバ30に流れ得る。
以下では、上述した四つの不具合モードを参照して、各不具合モードにおけるブレーキシステム1000の冗長性能を説明する。
1.漏出不具合モードでは、ブレーキシステム1000は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
ブレーキ回路1040が不具合を起こしたと仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1050に与え得る。
この場合、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第2の制御弁121、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1030は、開状態にあり、第3の制御弁151および第1の制御弁111は、閉状態にある。
この場合、車輪シリンダ28および29に対応する液体出口弁1030の閉開状態はブレーキシステムのブレーキ性能に影響しないことに留意されたい。
順方向加圧プロセスでは、駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキライン163を通って車輪シリンダ28および29に押し出される。第2のブレーキライン120では、第2の制御弁121が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通過し得ない。
また、ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン2 190を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、第3の制御弁151は、開状態に制御される必要がある。駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2のブレーキライン120では、第2の制御弁121が、開状態にあるので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ得ない。
ブレーキ回路1050が不具合を起こしたと仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1040に与え得る。
この場合、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1030は、開状態にあり、第3の制御弁151および第2の制御弁121は、閉状態にある。この場合、車輪シリンダ26および27に対応する液体出口弁1030の閉開状態はブレーキシステムのブレーキ性能に影響しないことに留意されたい。
順方向加圧プロセスでは、駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液を第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に押し出し、ブレーキ液を、ブレーキライン162を通って車輪シリンダ26および27に押し出すように、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮する。第1のブレーキライン110では、第1の制御弁111が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通過し得ない。
また、ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン2 190を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。また、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、第2のブレーキライン120内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って、第1の油圧チャンバ16にさらに入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、第3の制御弁151は、開状態に制御される必要がある。駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2のブレーキライン120では、第2の制御弁121が、開状態にあるので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ得ない。
また、ピストン12が第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って第2の油圧チャンバ17に入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
2.制御弁ジャミング不具合モードでは、ブレーキシステム1000は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
第3の制御弁151がジャミング不具合を有していると仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介して、ブレーキ回路1050および/またはブレーキ回路1040に引き続き与え得る。この場合、順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、一方向弁152を通って第4のブレーキライン140に流れ、第1の制御弁111および第2の制御弁121の閉開状態に基づいて、ブレーキ力を、第1の車輪シリンダ28および29のグループに、または第2の車輪シリンダ26および27のグループに、与えるか否かを決定してもよい。
これに対応して、第3の制御弁151のジャミング不具合は、油圧制御装置10の逆方向加圧プロセスに影響しない。逆方向加圧プロセスは、上述されている。簡潔にするため、詳細は、ここでは再度説明されない。
第1の制御弁111がジャミング不具合を有し、第2の制御弁121が正常に動作していると仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1040に引き続き与え得る。この場合、第2の制御弁121は、閉状態に制御される。順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、一方向弁152を通って第4のブレーキライン140に流れ、第2の制御弁121を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキライン162を通って、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。
これに対応して、逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第2の制御弁121を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキライン162を通って、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。
第2の制御弁121がジャミング不具合を有し、第1の制御弁111が正常に動作していると仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1050に引き続き与え得る。この場合、第1の制御弁111は、閉状態に制御される。順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、一方向弁152を通って第4のブレーキライン140に流れ、第1の制御弁111を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え得る。
これに対応して、逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第1の制御弁111を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え得る。
3.制御弁閉鎖不具合モードでは、閉鎖不具合モードの制御弁は、開モードにされ得ない。したがって、ブレーキ力が、故障を有する制御弁を介して、ブレーキシステムに継続的に与えられ得るだけである。
第1の制御弁111が接続に不具合を起こし、第2の制御弁121が正常に動作していると仮定されると、油圧制御装置10は、第1の制御弁111を開状態に制御し得ない。したがって、第2の制御弁121を制御するだけで、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるか否かが、決定され得る。
第2の制御弁121が接続に不具合を起こし、第1の制御弁111が正常に動作していると仮定されると、油圧制御装置10は、第2の制御弁121を開状態に制御し得ない。したがって、第1の制御弁111を制御するだけで、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるか否かが、決定され得る。
第3の制御弁151が接続に不具合を起こし、第1の制御弁111および第2の制御弁121が正常に動作していると仮定されると、双方向加圧プロセスでは、油圧制御装置10は、第1の制御弁111および第2の制御弁121の閉開に基づいて、ブレーキ力をブレーキ回路1040および/またはブレーキ回路1050に与えるように、決定し得る。しかし、逆方向加圧プロセスでは、第3の制御弁151が、接続に不具合を起こしているので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第4のブレーキライン140に流れた後、第5のブレーキラインを通って第2の油圧チャンバ17に流れる。これは、逆方向加圧効率を、ある程度低下させる。
4.複合不具合モードでは、ブレーキシステム1000は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
第1の制御弁111または第2の制御弁121が閉鎖不具合モードにあり、漏れが閉鎖不具合モードの制御弁に対応するブレーキ回路に発生したと仮定されると、ブレーキシステム1000は、手動ブレーキモードにおいて、漏れのないブレーキ回路にブレーキをかけさせてもよい。
例えば、第1の制御弁111が、閉鎖不具合モードにあり、漏れが、ブレーキ回路1050に発生したとき、制御弁1016および第2の制御弁121は、開状態に制御されてもよく、制御弁1015は、閉状態に制御されてもよい。このようにして、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液は、ブレーキライン162を通って第2の車輪シリンダ26および27のグループに流れ得る。
別の実施例として、第2の制御弁121が、閉鎖不具合モードにあり、漏れが、ブレーキ回路26および27に発生したとき、制御弁1015および第1の制御弁111は、開状態に制御されてもよく、制御弁1016は、閉状態に制御されてもよい。このようにして、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液は、ブレーキライン163を通って第1の車輪シリンダ28および29のグループに流れ得る。
第1の制御弁111と第2の制御弁121とが同時にジャミング不具合を起こさない限り、油圧制御装置10は、ブレーキシステム全体を減圧し得ることに留意されたい。
以下では、図11を参照して、油圧制御ユニット500と油圧制御ユニット900とを組み合わせることによって形成されるブレーキシステム1100を説明する。図11は、本出願の一実施形態による、ブレーキシステムの概略図である。ブレーキシステム1100では、マスタシリンダ加圧および制御ユニット1010によって実施される機能は、運転者の関与を要求する手動ブレーキモードおよびブレーキバイワイヤモードである。
マスタシリンダ加圧および制御ユニット1010により、運転者は、ブレーキペダル1019を踏み込み、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液を、制御弁1013が配置されたブレーキラインを通ってペダル・フィール・シミュレータ1012に流させる。ブレーキバイワイヤモードでは、制御弁1015および制御弁1016が、開状態にあり、これに対応して、油圧制御装置913が、ペダル・ストローク・センサ1018によって検出されたペダルストロークまたは圧力センサ1014によって検出されたブレーキ液の圧力に基づいて、ブレーキ力を2系統ブレーキシステムに与える。手動ブレーキモードでは、制御弁1015および制御弁1016は、閉状態にあり、ブレーキ液は、ブレーキライン162およびブレーキライン150を通って、ブレーキ力を車輪シリンダ26、27、28、および29に与える。
油圧制御装置913は、双方向加圧モードにおいて、順方向加圧プロセスと、逆方向加圧プロセスと、に分けられ得る。
順方向加圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および液体入口弁1020は、閉状態にあり、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1030、ならびに第3の制御弁151は、開状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120を通って、ブレーキライン163およびブレーキライン162にそれぞれ押し出され、ブレーキライン163を通って、車輪シリンダ28および29に押し出され、ブレーキライン162を通って車輪シリンダ26および27に押し出される。
ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、ブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16にさらに入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。また、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン2 190を通って第1の油圧チャンバ16にさらに入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および液体入口弁1020は、閉状態にあり、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、液体出口弁1030、ならびに第3の制御弁151は、開状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、接続された第3のブレーキライン130と第4のブレーキライン140とを通って、第1のブレーキライン110に押し出され、次いで、第1のブレーキライン110からブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。ブレーキ液が、第4のブレーキライン140を通って流れるプロセスでは、第3の制御弁151が、開状態にあるので、第4のブレーキライン140のブレーキ液が第5のブレーキライン150を通って第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止される。これは、逆方向加圧の効率の向上に役立つ。
第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の他の一部は、接続された第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120とを通って、第2のブレーキライン120に入り、第2の制御弁121を通って第1のブレーキライン110に入り、最終的に、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
また、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って、第2の油圧チャンバ17にさらに入り、第2の油圧チャンバ17を補充し、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減するように、第2の油圧チャンバ17および第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の圧力を低減させ得る。
油圧制御装置913の減圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、液体入口弁1020、ならびに車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する液体出口弁1030は、開状態にあり、第3の制御弁151、第1の制御弁111、制御弁912、および第2の制御弁121は、閉状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、車輪シリンダ26、27、28、および29内のブレーキ液の一部は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120のそれぞれを通って、第2の油圧チャンバ17に圧送され、第2の油圧チャンバ17に貯留される。
同時に、車輪シリンダ26、27、28、および29内のブレーキ液の他の一部は、第2のブレーキライン120または第4のブレーキライン140を通過した後、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16に流れ、ブレーキライン910を通って液体リザーバ30に流れる。
油圧制御装置913に基づく上記の減圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16と第2の油圧チャンバ17との間に圧力差があるので、第2の油圧チャンバ17に貯留されたブレーキ液の少なくとも一部は、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16にも流れ、ブレーキライン910を通って液体リザーバ30に流れることに留意されたい。
以下では、上述した4つの不具合モードを参照して、各不具合モードにおけるブレーキシステム1100の冗長性能を説明する。
1.漏出不具合モードでは、ブレーキシステム1100は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
ブレーキ回路1040が不具合を起こしたと仮定されると、油圧制御装置913は、双方向加圧プロセスを介して、ブレーキ力をブレーキ回路1050に与え得る。
この場合、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第2の制御弁121、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1030は、開状態にあり、第3の制御弁151、および第1の制御弁111は、閉状態にある。
この場合、車輪シリンダ28および29に対応する液体出口弁1030の閉開状態はブレーキシステムのブレーキ性能に影響しないことに留意されたい。
順方向加圧プロセスでは、駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキライン163を通って車輪シリンダ28および29に押し出される。第2のブレーキライン120では、第2の制御弁121が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通過し得ない。
ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、ブレーキライン910を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、第3の制御弁151は、開状態に制御される必要がある。駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2のブレーキライン120では、第2の制御弁121が、開状態にあるので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ得ない。
また、ピストン12が第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って第2の油圧チャンバ17に入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
ブレーキ回路1050が不具合を起こしたと仮定されると、油圧制御装置913は、双方向加圧プロセスを介してブレーキ力をブレーキ回路1040に与え得る。
この場合、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1030は、開状態にあり、第3の制御弁151および第2の制御弁121は、閉状態にある。この場合、車輪シリンダ26および27に対応する液体出口弁1030の閉開状態はブレーキシステムのブレーキ性能に影響しないことに留意されたい。
順方向加圧プロセスでは、駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液を第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に押し出し、ブレーキ液を、ブレーキライン162を通って車輪シリンダ26および27に押し出すように、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮する。第1のブレーキライン110では、第1の制御弁111が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通過し得ない。
また、ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、ブレーキライン910を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。また、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、第2のブレーキライン120内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って、第1の油圧チャンバ16にさらに入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、第3の制御弁151は、開状態に制御される必要がある。駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に押し出され、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2のブレーキライン120では、第2の制御弁121が、開状態にあるので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ得ない。
また、ピストン12が第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って第2の油圧チャンバ17に入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
2.制御弁ジャミング不具合モードでは、ブレーキシステム1100は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
第3の制御弁151がジャミング不具合を有していると仮定されると、油圧制御装置913は、双方向加圧プロセスを介して、ブレーキ力をブレーキ回路1050および/またはブレーキ回路1040に引き続き与え得る。この場合、順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、一方向弁152を通って第4のブレーキライン140に流れ、第1の制御弁111および第2の制御弁121の閉開状態に基づいて、ブレーキ力を、第1の車輪シリンダ28および29のグループに、または第2の車輪シリンダ26および27のグループに、与えるか否かを決定してもよい。
これに対応して、第3の制御弁151のジャミング不具合は、油圧制御装置913の逆方向加圧プロセスに影響しない。逆方向加圧プロセスは、上述されている。簡潔にするため、詳細は、ここでは再度説明されない。
第1の制御弁111がジャミング不具合を有し、第2の制御弁121が正常に動作していると仮定されると、油圧制御装置913は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1040に引き続き与え得る。この場合、第2の制御弁121は、閉状態に制御される。順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、一方向弁152を通って第4のブレーキライン140に流れ、第2の制御弁121を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキライン162を通って、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。
これに対応して、逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第2の制御弁121を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキライン162を通って、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。
第2の制御弁121がジャミング不具合を有し、第1の制御弁111が正常に動作していると仮定されると、油圧制御装置913は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1050に引き続き与え得る。この場合、第1の制御弁111は、閉状態に制御される。順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、一方向弁152を通って第4のブレーキライン140に流れ、第1の制御弁111を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え得る。
これに対応して、逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第1の制御弁111を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え得る。
3.制御弁閉鎖不具合モードでは、閉鎖不具合モードの制御弁は、開モードにされ得ない。したがって、ブレーキ力が、故障を有する制御弁を介して、ブレーキシステムに継続的に与えられ得るだけである。
第1の制御弁111が接続に不具合を起こし、第2の制御弁121が正常に動作していると仮定されると、油圧制御装置913は、第1の制御弁111を開状態に制御し得ない。したがって、第2の制御弁121を制御するだけで、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるか否かが、決定され得る。
第2の制御弁121が接続に不具合を起こし、第1の制御弁111が正常に動作していると仮定されると、油圧制御装置913は、第2の制御弁121を開状態に制御し得ない。したがって、第1の制御弁111を制御するだけで、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるか否かが、決定され得る。
第3の制御弁151が接続に不具合を起こし、第1の制御弁111および第2の制御弁121が正常に動作していると仮定されると、双方向加圧プロセスでは、油圧制御装置913は、第1の制御弁111および第2の制御弁121の閉開に基づいて、ブレーキ力をブレーキ回路1040および/またはブレーキ回路1050に与えるように、決定し得る。しかし、逆方向加圧プロセスでは、第3の制御弁151が、接続に不具合を起こしているので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第4のブレーキライン140に流れた後、第5のブレーキラインを通って第2の油圧チャンバ17に流れる。これは、逆方向加圧効率を、ある程度低下させる。
4.複合不具合モードでは、ブレーキシステム1100は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
第1の制御弁111または第2の制御弁121が閉鎖不具合モードにあり、漏れが閉鎖不具合モードの制御弁に対応するブレーキ回路に発生したと仮定されると、ブレーキシステム1100は、手動ブレーキモードにおいて、漏れのないブレーキ回路にブレーキをかけさせてもよい。
例えば、第1の制御弁111が、閉鎖不具合モードにあり、漏れが、ブレーキ回路1050に発生したとき、制御弁1016および第2の制御弁121は、開状態に制御されてもよく、制御弁1015は、閉状態に制御されてもよい。このようにして、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液は、ブレーキライン162を通って第2の車輪シリンダ26および27のグループに流れ得る。
別の実施例として、第2の制御弁121が、閉鎖不具合モードにあり、漏れが、ブレーキ回路26および27に発生したとき、制御弁1015および第1の制御弁111は、開状態に制御されてもよく、制御弁1016は、閉状態に制御されてもよい。このようにして、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液は、ブレーキライン163を通って第1の車輪シリンダ28および29のグループに流れ得る。
第1の制御弁111と第2の制御弁121とが同時にジャミング不具合を起こさない限り、油圧制御装置913は、ブレーキシステム全体を減圧し得ることに留意されたい。
以下では、図12を参照して、油圧制御ユニット600と油圧制御ユニット800とを組み合わせることによって形成されるブレーキシステム1200を説明する。図12は、本出願の一実施形態による、ブレーキシステムの概略図である。図12に示されるブレーキシステム1200において、マスタシリンダ加圧および制御ユニット1010によって実施される機能は、図10に示される油圧制御ユニット1010によって実施される機能と同じである。簡潔にするために、詳細は、以下では説明されない。
油圧制御装置10は、双方向加圧モードでは、順方向加圧プロセスと、逆方向加圧プロセスと、に分けられ得る。
順方向加圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、第5の制御弁171、および液体入口弁1120は、閉状態にあり、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1130は、開状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120を通って、ブレーキライン163およびブレーキライン162にそれぞれ押し出され、ブレーキライン163を通って、車輪シリンダ28および29に押し出され、ブレーキライン162を通って車輪シリンダ26および27に押し出される。
ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン2 190を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。また、第5の制御弁131が、開状態にあるので、第2のブレーキライン120内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16に入り得ない。
逆方向加圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および液体入口弁1120は、閉状態にあり、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、第4の制御弁161、第5の制御弁171、および液体出口弁1130は、開状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、接続された第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120とを通って、ブレーキライン162に押し出され、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。
第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の他の一部は、接続された第3のブレーキライン130と第4のブレーキライン140とを通って、第1のブレーキライン110に入り、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に入り、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第4の制御弁161および第5の制御弁171が、開状態にあるので、ブレーキ液は、第5のブレーキライン150および第6のブレーキライン160を通って第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止される。
また、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン2 173を通って第2の油圧チャンバ17にさらに入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減するように、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液と第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液との圧力差を小さくする。
油圧制御装置10の順方向減圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、液体入口弁1120、ならびに車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する液体出口弁1130は、開状態にあり、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171は、閉状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、車輪シリンダ26、27、28、および29内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120のそれぞれを通って、第2の油圧チャンバ17に圧送され、第2の油圧チャンバ17に貯留される。
ピストン12が、ピストンストローク中に、内死点に移動した後、第2の油圧チャンバ17の容積は最大である。この場合、第2の油圧チャンバ17は、さらに多くのブレーキ液を収容し得ず、車輪シリンダ26、27、28、および29内の残りのブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16に流れ続け得る。ピストン12が、ピストンストローク内の内死点に移動するので、第2の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第1の液体出口ライン180を通って液体リザーバ30に流れ得る。
以下では、上述した4つの不具合モードを参照して、各不具合モードにおけるブレーキシステム1100の冗長性能を説明する。
1.ブレーキ回路の漏出不具合モードでは、ブレーキシステム1200は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
油圧制御装置10が、単一回路ブレーキの2方向加圧モードにあるとき、ブレーキ回路1140が不具合を起こしていると仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ力を、ブレーキ回路1150を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える必要がある。
この場合、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第2の制御弁121、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1130は、開状態にあり、車輪シリンダ28および29に対応する、第4の制御弁161、第5の制御弁171、第1の制御弁111、および液体出口弁1130は、閉状態にある。
順方向加圧プロセスでは、駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に押し出され、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に押し出され、次いで、ブレーキライン163を通ってブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるように、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に入る。第2のブレーキライン120では、第2の制御弁121が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通過し得ない。
また、ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン2 190を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、第4の制御弁161および第5の制御弁171は、開状態に制御される。駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に押し出され、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に入り、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第4の制御弁161、第5の制御弁171、および第2の制御弁121は、開状態にあるので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通過し得ない。
また、ピストン12が第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って第2の油圧チャンバ17に入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
油圧制御装置10が、単一回路ブレーキの2方向加圧モードにあるとき、ブレーキ回路1150が不具合を起こしていると仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ回路1140を介して、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える必要がある。
この場合、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1130は、開状態にあり、第5の制御弁171、第4の制御弁161、および第2の制御弁121は、閉状態にある。
駆動装置15は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液を、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に押し出し、ブレーキ液を、ブレーキライン162を通って車輪シリンダ26および27に押し出すように、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮する。第1のブレーキライン110では、第1の制御弁111が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通過し得ない。
順方向加圧プロセスでは、駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に押し出され、次いで、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に押し出され、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に押し出され、次いで、ブレーキライン162を通って、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるように、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に入る。第1のブレーキライン110では、第1の制御弁111が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通過し得ない。
また、ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン2 190を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、第4の制御弁161および第5の制御弁171は、開状態に制御される。駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に押し出され、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に押し出され、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。第4の制御弁161、第5の制御弁171、および第1の制御弁111が、開状態にあるので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通過し得ない。
また、ピストン12が第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って第2の油圧チャンバ17に入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
以上では、ブレーキシステムにおけるブレーキ回路の漏出不具合後のブレーキシステムの冗長方式が紹介されている。漏出不具合が、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171のいずれかに発生したとき、漏出不具合のない制御弁が配置されたブレーキ回路は、手動ブレーキによって制御され得る。
例えば、第1の制御弁111および/または第4の制御弁161に漏出不具合があるとき、制御弁1015は、閉状態に制御されてもよく、制御弁1016は、開状態に制御されてもよい。この場合、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017は、ブレーキ液をブレーキライン162に押し出し、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。
別の実施例として、第2の制御弁121および/または第5の制御弁171に漏出不具合があるとき、制御弁1016は、閉状態に制御されてもよく、制御弁1015は、閉状態に制御されてもよい。この場合、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017は、ブレーキ液をブレーキライン163に押し出し、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
2.制御弁ジャミング不具合モードでは、ブレーキシステム1200は、油圧制御装置に基づいて、冗長ブレーキ方式を実施し得る。第4の制御弁161または第5の制御弁171にジャミング不具合があるとき、油圧制御装置は、双方向加圧モードにおいて、ブレーキ力を車輪シリンダ26、27、28、および29に引き続き与えてもよいことに留意されたい。第1の制御弁111または第2の制御弁121にジャミング不具合があるとき、油圧制御装置は、正常に動作する制御弁のみを介して、ブレーキシステムに単一回路ブレーキの解決策をもたらし得る。
第4の制御弁161がジャミング不具合を有していると仮定されると、順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の他の一部は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
第5の制御弁171がジャミング不具合を有していると仮定されると、順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に流れ、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え得る。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に流れ、次いで、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。
逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の他の一部は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
第1の制御弁111がジャミング不具合を有していると仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1040に引き続き与え得る。順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に流れ、次いで、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に流れ、次いで、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。
逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2の制御弁121を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を、ブレーキライン162を介して第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。
第2の制御弁121がジャミング不具合を有していると仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1050に引き続き与え得る。順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第1の制御弁111を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を、ブレーキライン163を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え得る。
3.制御弁閉鎖不具合モードでは、閉鎖不具合モードの制御弁は、常に閉状態にあり、ブレーキ液の流れを阻止しない。したがって、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171のうちの1つまたは複数が、接続に不具合を起こしたとき、油圧制御装置10の双方向加圧機能または減圧機能の実施は、影響されない。しかしながら、第4の制御弁161および/または第5の制御弁171に閉鎖不具合がある場合、逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液が、接続に不具合を起こしている制御弁を使用することによって、第2の油圧チャンバ17に流れる可能性があるので、逆方向加圧プロセスの効率は、ある程度影響される可能性がある。
制御弁の閉鎖不具合モードにおける双方向加圧プロセスおよび減圧プロセスは、ブレーキシステム内の制御弁が正常に動作している場合における双方向加圧プロセスおよび減圧プロセスと同様であることに留意されたい。簡潔にするため、詳細は、ここでは再度説明されない。
4.複合不具合モードでは、ブレーキシステム1200は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
第1の制御弁111または第2の制御弁121が閉鎖不具合モードにあり、漏れが閉鎖不具合モードの制御弁に対応するブレーキ回路に発生したと仮定されると、ブレーキシステム1200は、手動ブレーキモードにおいて、漏れのないブレーキ回路にブレーキをかけさせてもよい。
例えば、第1の制御弁111が、閉鎖不具合モードにあり、漏れが、ブレーキ回路1050に発生したとき、制御弁1016および第2の制御弁121は、開状態に制御されてもよく、制御弁1015は、閉状態に制御されてもよい。このようにして、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液は、ブレーキライン162を通って第2の車輪シリンダ26および27のグループに流れ得る。
別の実施例として、第2の制御弁121が、閉鎖不具合モードにあり、漏れが、ブレーキ回路1040に発生したとき、制御弁1015および第1の制御弁111は、開状態に制御されてもよく、制御弁1016は、閉状態に制御されてもよい。このようにして、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液は、ブレーキライン163を通って第1の車輪シリンダ28および29のグループに流れ得る。
第1の制御弁111と第2の制御弁121とが同時にジャミング不具合を起こさない限り、油圧制御装置10は、ブレーキシステム全体を減圧し得ることに留意されたい。
以下では、図13を参照して、油圧制御ユニット600と油圧制御ユニット900とを組み合わせることによって形成されるブレーキシステム1300を説明する。図13は、本出願の一実施形態による、ブレーキシステムの概略図である。図13に示されるブレーキシステム1300において、マスタシリンダ加圧および制御ユニット1010によって実施される機能は、図10に示される油圧制御ユニット1010によって実施される機能と同じである。簡潔にするために、詳細は、以下では説明されない。
油圧制御装置913は、双方向加圧モードにおいて、順方向加圧プロセスと、逆方向加圧プロセスと、に分けられ得る。
順方向加圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、第5の制御弁171、および液体入口弁1120は、閉状態にあり、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、制御弁912、および液体出口弁1130は、開状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120を通って、ブレーキライン163およびブレーキライン162にそれぞれ押し出され、ブレーキライン163を通って、車輪シリンダ28および29に押し出され、ブレーキライン162を通って、車輪シリンダ26および27に押し出される。
ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、液体リザーバ30内のブレーキ液は、ブレーキライン910を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。また、第5の制御弁131が、開状態にあるので、第2のブレーキライン120内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16に入り得ない。
逆方向加圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および液体入口弁1120は、閉状態にあり、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、第4の制御弁161、第5の制御弁171、および液体出口弁1130は、開状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、接続された第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120とを通って、ブレーキライン162に押し出され、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。
第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の他の一部は、接続された第3のブレーキライン130と第4のブレーキライン140とを通って、第1のブレーキライン110に入り、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に入り、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第4の制御弁161および第5の制御弁171が、開状態にあるので、ブレーキ液は、第5のブレーキライン150および第6のブレーキライン160を通って第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止される。
また、液体リザーバ30内のブレーキ液は、ブレーキライン173を通って第2の油圧チャンバ17にさらに入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減するように、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液と第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液との圧力差を小さくする。
油圧制御装置913の減圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、液体入口弁1120、ならびに車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、液体出口弁1130は、開状態にあり、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、制御弁912、および第5の制御弁171は、閉状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、車輪シリンダ26、27、28、および29内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120のそれぞれを通って、第2の油圧チャンバ17に圧送され、第2の油圧チャンバ17に貯留される。
油圧制御装置913の減圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、液体入口弁1020、ならびに車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する液体出口弁1030は、開状態にあり、第1の制御弁111、制御弁912、第3の制御弁161、第4の制御弁171、および第2の制御弁121は、閉状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、車輪シリンダ26、27、28、および29内のブレーキ液の一部は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120のそれぞれを通って、第2の油圧チャンバ17に圧送され、第2の油圧チャンバ17に貯留される。
同時に、車輪シリンダ26、27、28、および29内のブレーキ液の他の一部は、第2のブレーキライン120または第4のブレーキライン140を通過した後、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16に流れ、ブレーキライン910を通って液体リザーバ30に流れる。
油圧制御装置913に基づく上記の減圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16と第2の油圧チャンバ17との間に圧力差があるので、第2の油圧チャンバ17に貯留されたブレーキ液の少なくとも一部は、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16にも流れ、ブレーキライン910を通って液体リザーバ30に流れることに留意されたい。
以下では、上述した4つの不具合モードを参照して、各不具合モードにおけるブレーキシステム1100の冗長性能を説明する。
1.ブレーキ回路の漏出不具合モードでは、ブレーキシステム1300は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
油圧制御装置913が、単一回路ブレーキの2方向加圧モードにあるとき、ブレーキ回路1140が不具合を起こしていると仮定されると、油圧制御装置913は、ブレーキ力を、ブレーキ回路1150を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える必要がある。
この場合、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第2の制御弁121、制御弁1015、制御弁1016、制御弁912、および液体出口弁1130は、開状態にあり、車輪シリンダ28および29に対応する、第4の制御弁161、第5の制御弁171、第1の制御弁111、および液体出口弁1130は、閉状態にある。
順方向加圧プロセスでは、駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に押し出され、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に押し出され、次いで、ブレーキライン163を通ってブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるように、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に入る。第2のブレーキライン120では、第2の制御弁121が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通過し得ない。
また、ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、ブレーキライン910を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、第4の制御弁161および第5の制御弁171は、開状態に制御される。駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に押し出され、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に入り、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第4の制御弁161、第5の制御弁171、および第2の制御弁121は、開状態にあるので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通過し得ない。
また、ピストン12が第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って第2の油圧チャンバ17に入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
油圧制御装置913が、単一回路ブレーキの2方向加圧モードにあるとき、ブレーキ回路1150が不具合を起こしていると仮定されると、油圧制御装置913は、ブレーキ力を、ブレーキ回路1140を介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える必要がある。
この場合、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、制御弁1015、制御弁1016、制御弁912、および液体出口弁1130は、開状態にあり、第5の制御弁171、第4の制御弁161、および第2の制御弁121は、閉状態にある。
駆動装置15は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液を、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に押し出し、ブレーキ液を、ブレーキライン162を通って車輪シリンダ26および27に押し出すように、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮する。第1のブレーキライン110では、第1の制御弁111が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通過し得ない。
順方向加圧プロセスでは、駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に押し出され、次いで、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に押し出され、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に押し出され、次いで、ブレーキライン162を通って、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるように、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に入る。第1のブレーキライン110では、第1の制御弁111が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通過し得ない。
また、ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、ブレーキライン910を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、第4の制御弁161および第5の制御弁171は、開状態に制御される。駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に押し出され、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に押し出され、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。第4の制御弁161、第5の制御弁171、および第1の制御弁111が、開状態にあるので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通過し得ない。
また、ピストン12が第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って第2の油圧チャンバ17に入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
以上では、ブレーキシステムにおけるブレーキ回路の漏出不具合後のブレーキシステムの冗長方式が紹介されている。漏出不具合が、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171のいずれかに発生したとき、漏出不具合のない制御弁が配置されたブレーキ回路は、手動ブレーキによって制御され得る。
例えば、第1の制御弁111および/または第4の制御弁161に漏出不具合があるとき、制御弁1015は、閉状態に制御されてもよく、制御弁1016は、開状態に制御されてもよい。この場合、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017は、ブレーキ液をブレーキライン162に押し出し、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。
別の実施例として、第2の制御弁121および/または第5の制御弁171に漏出不具合があるとき、制御弁1016は、閉状態に制御されてもよく、制御弁1015は、閉状態に制御されてもよい。この場合、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017は、ブレーキ液をブレーキライン163に押し出し、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
2.制御弁ジャミング不具合モードでは、ブレーキシステム1300は、油圧制御装置に基づいて、冗長ブレーキ方式を実施し得る。第4の制御弁161または第5の制御弁171にジャミング不具合があるとき、油圧制御装置は、双方向加圧モードにおいて、ブレーキ力を車輪シリンダ26、27、28、および29に引き続き与えてもよいことに留意されたい。第1の制御弁111または第2の制御弁121にジャミング不具合があるとき、油圧制御装置は、正常に動作する制御弁のみを介して、ブレーキシステムに単一回路ブレーキの解決策をもたらし得る。
第4の制御弁161がジャミング不具合を有していると仮定されると、順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の他の一部は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
第5の制御弁171がジャミング不具合を有していると仮定されると、順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に流れ、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え得る。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に流れ、次いで、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。
逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の他の一部は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
第1の制御弁111がジャミング不具合を有すると仮定されると、油圧制御装置913は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1040に引き続き与え得る。順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に流れ、次いで、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に流れ、次いで、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。
逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2の制御弁121を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を、ブレーキライン162を介して第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。
第2の制御弁121がジャミング不具合を有すると仮定されると、油圧制御装置913は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1050に引き続き与え得る。順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第1の制御弁111を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を、ブレーキライン163を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え得る。
3.制御弁閉鎖不具合モードでは、閉鎖不具合モードの制御弁は、常に閉状態にあり、ブレーキ液の流れを阻止しない。したがって、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171のうちの1つまたは複数が、接続に不具合を起こしたとき、油圧制御装置913の双方向加圧機能または減圧機能の実施は、影響されない。しかしながら、第4の制御弁161および/または第5の制御弁171に閉鎖不具合がある場合、逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液が、接続に不具合を起こしている制御弁を使用することによって、第2の油圧チャンバ17に流れる可能性があるので、逆方向加圧プロセスの効率は、ある程度影響される可能性がある。
制御弁の閉鎖不具合モードにおける双方向加圧プロセスおよび減圧プロセスは、ブレーキシステム内の制御弁が正常に動作している場合における双方向加圧プロセスおよび減圧プロセスと同様であることに留意されたい。簡潔にするため、詳細は、ここでは再度説明されない。
4.複合不具合モードでは、ブレーキシステム1300は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
第1の制御弁111または第2の制御弁121が閉鎖不具合モードにあり、漏れが閉鎖不具合モードの制御弁に対応するブレーキ回路に発生したと仮定されると、ブレーキシステム1300は、手動ブレーキモードにおいて、漏れのないブレーキ回路にブレーキをかけさせてもよい。
例えば、第1の制御弁111が、閉鎖不具合モードにあり、漏れが、ブレーキ回路1050に発生したとき、制御弁1016および第2の制御弁121は、開状態に制御されてもよく、制御弁1015は、閉状態に制御されてもよい。このようにして、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液は、ブレーキライン162を通って第2の車輪シリンダ26および27のグループに流れ得る。
別の実施例として、第2の制御弁121が、閉鎖不具合モードにあり、漏れが、ブレーキ回路1040に発生したとき、制御弁1015および第1の制御弁111は、開状態に制御されてもよく、制御弁1016は、閉状態に制御されてもよい。このようにして、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液は、ブレーキライン163を通って第1の車輪シリンダ28および29のグループに流れ得る。
第1の制御弁111と第2の制御弁121とが同時にジャミング不具合を起こさない限り、油圧制御装置913は、ブレーキシステム全体を減圧し得ることに留意されたい。
以上は、図1から図13を参照して、本出願の実施形態における油圧制御装置、油圧制御ユニット、およびブレーキシステムを説明している。以下では、図14を参照して、本出願の実施形態で提供される制御方法を説明する。本出願の実施形態で提供される解決策は、前述の油圧制御ユニットのいずれか1つと共に使用されてもよく、または本出願の方法は、前述の油圧制御ユニットのいずれか1つを含むブレーキシステムにさらに適用されてもよいことを理解されたい。
図14は、本出願の一実施形態による、制御方法の概略フローチャートである。図14に示される方法は、ステップ1410と、ステップ1420と、を含む。
1410:制御器が、制御命令を生成し、制御命令は、ブレーキシステム内の駆動装置15を制御するために使用される。
1420:制御器は、制御命令を駆動装置15に送信し、ピストン12を駆動して、油圧シリンダ11の内壁に沿って移動させ、第1の車輪シリンダ28および29のグループ内ならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループ内のブレーキ液の圧力を増加または低減させるように、駆動装置15を制御する。
任意選択で、一実施形態では、第2の油圧チャンバ17は、第5のブレーキライン150を使用することによって、第4のブレーキライン140に接続される。第5のブレーキライン150には、第5のブレーキライン150の接続および遮断を制御するために、第3の制御弁151が設けられる。油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第3の制御弁151は、閉状態にある。前述のステップ1420は、制御器が、制御命令を駆動装置15に送信することを含み、制御命令は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、油圧制御装置10が逆方向加圧を実施するプロセスにおいて、第3の制御弁151は、閉状態にある。前述のステップ1420は、制御器が制御命令を駆動装置15に送信することを含み、制御命令は、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、第3の制御弁151は、一方向弁152に並列接続される。一方向弁152は、ブレーキ液が第2の油圧チャンバ17から第4のブレーキライン140に流れることを可能にし、ブレーキ液が第4のブレーキライン140から第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止する。本方法は、一方向弁152が故障し、油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17が、ブレーキ力を第5のブレーキライン150を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに、ならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループに、与えるように、制御器が第3の制御弁151を閉状態に制御することをさらに含む。
任意選択で、一実施形態では、第2の油圧チャンバ17は、第6のブレーキライン160を介して第1のブレーキライン110に接続され、第4の制御弁161は、第6のブレーキライン160の接続および遮断を制御するために、第6のブレーキライン160に配置される。第2の油圧チャンバ17は、第7のブレーキライン170を介して第2のブレーキライン120に接続され、第5の制御弁171が、第7のブレーキライン170の接続および遮断を制御するために、第7のブレーキライン170に配置される。油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171は、閉状態にある。ステップ1420は、制御器が制御命令を駆動装置15に送信することを含み、制御命令は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、第4の制御弁161が、ジャミング故障を有するとき、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および第5の制御弁171は、閉状態にある。ステップ1420は、制御器が制御命令を駆動装置15に送信することを含み、制御命令は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れる。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に流れる。
任意選択で、一実施形態では、第5の制御弁171が、ジャミング故障を有する場合、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および第4の制御弁161は、閉状態にある。ステップ1420は、制御器が制御命令を駆動装置15に送信することを含み、制御命令は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に流れる。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に流れる。
任意選択で、一実施形態では、油圧制御装置10が逆方向加圧を実施するプロセスにおいて、第4の制御弁161および第5の制御弁171は、開状態にあり、第1の制御弁111および第2の制御弁121は、閉状態にある。ステップ1420は、制御器が制御命令を駆動装置15に送信することを含み、制御命令は、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
制御弁の故障を検出するための制御器、制御弁の状態を制御するための制御器、および制御命令を送信するための制御器は、1つの制御器であってもよいことに留意されたい。あるいは、制御弁の故障を検出するための制御器および制御弁の状態を制御するための制御器が、1つの制御器であり、制御命令を送信するための制御器は、別の制御器である。換言すれば、本出願では、前述の制御機能は、1つの制御器によって実施されてもよく、または協働する複数の制御器によって実施されてもよい。これは、本出願の本実施形態では特に限定されない。
以上は、図14を参照して、本出願の実施形態における制御方法を説明している。以下では、図15から図16を参照して、本出願における前述の制御方法を実施する制御装置を説明する。本出願の本実施形態における装置は、上述の制御方法における1つまたは複数のステップを実施するために、上述の任意の油圧制御ユニットまたはブレーキシステムに適用され得ることに留意されたい。簡潔にするため、詳細は、ここでは再度説明されない。
図15は、本出願の一実施形態による、制御装置の概略図である。図15に示されるように、制御装置1500は、処理ユニット1510と、送信ユニット1520と、を含む。
処理ユニット1510は、制御命令を生成するように構成され、制御命令は、駆動装置15を制御するために使用される。
送信ユニット1520は、生成ユニット1510によって生成された制御命令を、駆動装置15に送信し、ピストン12を駆動して、油圧シリンダ11の内壁に沿って移動させ、第1の車輪シリンダ28および29のグループ内、ならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループ内のブレーキ液の圧力を増加または低減させるように、駆動装置15を制御するように構成される。
任意選択で、一実施形態では、第2の油圧チャンバ17は、第5のブレーキライン150を使用することによって、第4のブレーキライン140に接続される。第5のブレーキライン150には、第5のブレーキライン150の接続および遮断を制御するために、第3の制御弁151が設けられる。油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第3の制御弁151は、閉状態にある。送信ユニット1520は、制御命令を駆動装置15に送信するようにさらに構成され、制御命令は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、油圧制御装置10が逆方向加圧を実施するプロセスにおいて、第3の制御弁151は、閉状態にある。送信ユニット1520は、制御器によって、制御命令を駆動装置15に送信するようにさらに構成され、制御命令は、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、第3の制御弁151は、一方向弁152に並列接続される。一方向弁152は、ブレーキ液が第2の油圧チャンバ17から第4のブレーキライン140に流れることを可能にし、ブレーキ液が第4のブレーキライン140から第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止する。処理ユニット1510は、一方向弁152が故障し、油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第3の制御弁151を閉状態に制御し、これにより、第2の油圧チャンバ17が、ブレーキ力を、第5のブレーキライン150を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに、ならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるように、さらに構成される。
任意選択で、一実施形態では、第2の油圧チャンバ17は、第6のブレーキライン160を介して第1のブレーキライン110に接続され、第4の制御弁161は、第6のブレーキライン160の接続および遮断を制御するために、第6のブレーキライン160に配置される。第2の油圧チャンバ17は、第7のブレーキライン170を介して第2のブレーキライン120に接続され、第5の制御弁171が、第7のブレーキライン170の接続および遮断を制御するために、第7のブレーキライン170に配置される。油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171は、閉状態にある。送信ユニット1520は、制御命令を駆動装置15に送信するようにさらに構成され、制御命令は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、第4の制御弁161が、ジャミング故障を有するとき、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および第5の制御弁171は、閉状態にある。送信ユニット1520は、制御命令を駆動装置15に送信するようにさらに構成され、制御命令は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れる。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に流れる。
任意選択で、一実施形態では、第5の制御弁171が、ジャミング故障を有する場合、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および第4の制御弁161は、閉状態にある。送信ユニット1520は、制御命令を駆動装置15に送信するようにさらに構成され、制御命令は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に流れる。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に流れる。
任意選択で、一実施形態では、油圧制御装置10が逆方向加圧を実施するプロセスにおいて、第4の制御弁161および第5の制御弁171は、開状態にあり、第1の制御弁111および第2の制御弁121は、閉状態にある。送信ユニット1520は、制御命令を駆動装置15に送信するようにさらに構成され、制御命令は、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択の実施形態では、処理ユニット1510は、プロセッサ1620であってもよく、送信ユニット1520は、通信インターフェース1630であってもよく、制御器の特定の構造は、図16に示される。
図16は、本出願の別の実施形態による、制御器の概略的なブロック図である。図16に示される制御器1600は、メモリ1610と、プロセッサ1620と、通信インターフェース1630と、を含み得る。メモリ1610、プロセッサ1620、および通信インターフェース1630は、内部接続経路を使用することによって接続される。メモリ1610は、命令を記憶するように構成される。プロセッサ1620は、メモリ1620に記憶された命令を実行し、通信インターフェース1630を制御して、情報を受信/送信するように構成される。任意選択で、メモリ1610は、インターフェースを介してプロセッサ1620に接続されてもよく、またはプロセッサ1620に統合されてもよい。
通信インターフェース1630は、限定しないが、入力/出力インターフェース(input/output interface)などの装置を使用して、制御器1600と、別のデバイスまたは通信ネットワークと、の間の通信を実施することに留意されたい。
一実施態様プロセスでは、前述の方法のステップは、プロセッサ1620内のハードウェアの集積論理回路を使用することによって、またはソフトウェアの形態の命令を使用することによって、実施され得る。本出願の実施形態を参照して開示された本方法は、ハードウェアプロセッサによって直接実施されてもよく、またはプロセッサ内のハードウェアと、ソフトウェアモジュールと、の組合せを使用することによって、実施されてもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダム・アクセス・メモリ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、プログラマブル読み取り専用メモリ、電気的消去可能プログラマブルメモリ、またはレジスタなど、当技術分野における成熟した記憶媒体内に配置されてもよい。記憶媒体は、メモリ1610に配置され、プロセッサ1620は、メモリ1610内の情報を読み取り、プロセッサ1620のハードウェアと共同して前述の方法のステップを完遂する。繰り返しを避けるため、ここでは詳細を再度説明されない。
本出願の実施形態のプロセッサは、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)であってもよく、あるいは別の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field programmable gate array、FPGA)、または別のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理デバイス、ディスクリート・ハードウェア・コンポーネントなどであってもよいことを理解されたい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、またはプロセッサは、任意の従来のプロセッサなどであってもよい。
本出願の実施形態では、メモリは、読み取り専用メモリ、およびランダム・アクセス・メモリを含んでもよく、命令およびデータをプロセッサに提供してもよいことも理解されたい。プロセッサの一部は、不揮発性ランダム・アクセス・メモリをさらに含んでもよい。例えば、プロセッサは、デバイスタイプの情報をさらに格納してもよい。
本出願で言及される「液体出口ライン」および「液体入口ライン」は、異なるブレーキラインに対応してもよく、または同じブレーキラインに対応してもよいことに留意されたい。「液体出口ライン」および「液体入口ライン」は、ブレーキシステムにおけるブレーキラインの機能のみに基づいて区別される。例えば、「液体出口ライン」および「液体入口ライン」が、同じブレーキライン1に対応するとき、ブレーキシステム内のブレーキライン1は、自動車の車輪を減圧するプロセスにおいて、車輪シリンダ内のブレーキ液を液体リザーバに送達するために使用されることが理解されよう。ブレーキライン1は、「液体出口ライン」と呼ばれることがある。自動車の車輪を加圧するプロセスでは、ブレーキライン1は、自動車の車輪にブレーキ液を供給し、自動車の車輪にブレーキ力を与えるために使用される。この場合、第1のブレーキラインは、「液体入口ライン」と呼ばれることがある。
また、本出願で使用される「液体入口弁」、「液体出口弁」、および「均圧弁」は、ブレーキシステム内の制御弁の機能のみに基づいて区別される。液体入口ラインの接続または遮断を制御するために使用される制御弁は、「液体入口弁」または「加圧弁」と呼ばれることがある。液体戻り管の接続または遮断を制御するように構成される制御器は、「液体出口弁」または「減圧弁」と呼ばれることがある。2段階ブレーキサブシステムを分離するために使用される制御弁は、「遮断弁」と呼ばれることがある。制御弁は、既存のブレーキシステムで一般的に使用される弁、例えば電磁弁であってもよい。これは、本出願の実施形態では特に限定されない。
また、制御弁がブレーキラインに接続された後、制御弁とブレーキラインとの間の接続ポートは、第1の端部および第2の端部によって示されてもよく、第1の端部と第2の端部との間のブレーキ液の流れ方向は、本出願では限定されない。例えば、制御弁が閉状態にあるとき、ブレーキ液は、制御弁の第1の端部から制御弁の第2の端部に流れてもよく、または制御弁が開状態にあるとき、ブレーキ液は、制御弁の第2の端部から制御弁の第1の端部に流れてもよい。
また、本出願における「第1のブレーキライン110」、「第2のブレーキライン120」、「第3のブレーキライン130」、「第4の液体入口ライン140」、他のブレーキラインなどは、機能を実施する1つまたは複数のブレーキラインとして理解され得る。例えば、第1の液体入口ライン130は、ブレーキ・マスタ・シリンダ3と、第1の車輪グループの車輪シリンダ151と、を接続するために使用される複数セクションのブレーキラインである。
また、本出願が、添付の図面を参照して、ブレーキシステムおよび自動車などのアーキテクチャを説明するとき、添付の図面は、各制御弁が実施し得る2つの動作状態(開または閉)を概略的に示し、制御弁の現在の動作状態を図面に示すものに限定しない。
また、本出願が添付図面を参照して、油圧制御ユニット、ブレーキシステム、および自動車などのアーキテクチャを説明するとき、実施形態に対応する添付図面において同じ機能を有する構成要素は、同じ番号を使用する。簡潔にするために、構成要素の機能は、各実施形態では説明されず、本文全体の構成要素の機能の説明を参照されたい。
また、本出願における油圧制御ユニットは、ブレーキシステム内のブレーキ液の圧力を調整するように構成されたユニットであってもよく、上述した1つまたは複数のブレーキラインと、ブレーキライン内の制御弁および一方向弁などの要素と、を含む。任意選択で、油圧制御ユニットは、油圧制御装置内の油圧シリンダ、ピストン、およびアクチュエータなどの構成要素をさらに含んでもよい。油圧制御ユニットがブレーキシステムに取り付けられた後、ブレーキシステムは、油圧制御ユニット、車輪シリンダ、液体リザーバ、およびブレーキペダルなどの構成要素を含んでもよい。
当業者は、本明細書で開示された実施形態で説明された実施例と組み合わせて、ユニットおよびアルゴリズムステップが、電子ハードウェアによって、またはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組合せによって、実装され得ることを認識し得る。機能がハードウェアまたはソフトウェアのどちらによって実施されるかは、技術的解決策の特定の用途および設計上の制約に依存する。当業者は、特定のアプリケーションごとに説明された機能を実装するために様々な方法を使用し得るが、実施態様が本出願の範囲を超えると見なされるべきではない。
簡便で、簡単な説明のために、前述のシステム、装置およびユニットの詳細な動作プロセスについては、前述の方法実施形態の対応するプロセスを参照されたく、ここでは詳細は再び説明されないことが、当業者によって明確に理解されよう。
本出願において提供されるいくつかの実施形態においては、開示したシステム、装置、および方法が、他の方式で実装され得ることを理解されたい。例えば、説明された装置の実施形態は、単なる一例である。例えば、ユニットへの分割は、単に論理的な機能分割であり、実際の実施態様では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニットまたは構成要素は、別のシステムに組み合わされるか、または統合されてもよく、あるいは一部の特徴は、無視されるか、または実施されなくてもよい。また、表示される、または議論される、相互結合または直接結合または通信接続は、一部のインターフェースを使用することによって実装されてもよい。装置またはユニット間の間接的な結合または通信接続は、電子的、機械的、または他の形態で実装され得る。
別々の部分として説明されるユニットは、物理的に別個であっても、なくてもよく、ユニットとして表示される部分は、物理ユニットであっても、なくてもよく、1つの位置に配置されてもよく、または複数のネットワークユニット上に分散されてもよい。ユニットの一部または全部は、実施形態の解決策の目的を達成するための実際の要件に基づいて選択されてもよい。
また、本出願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、またはユニットの各々は、物理的に単独で存在してもよく、または2つ以上のユニットが、1つのユニットに統合されてもよい。
機能が、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売または使用されるとき、機能は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。かかる理解に基づいて、本出願の技術的解決策は本質的に、または従来技術に寄与する部分は、または技術的解決策の一部は、ソフトウェア製品の形態で実装され得る。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、本出願の実施形態で説明された方法のステップの全部または一部を実施するように、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスであり得る)に命令するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブル・ハード・ディスク、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを記憶し得る何らかの媒体を含む。
前述の説明は、本出願の特定の実施態様にすぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図されていない。本出願に開示された技術的範囲内で当業者によって容易に考え出されるいかなる変形または置換も、本出願の保護範囲内にあるものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
1 漏出不具合モード、液体入口ライン
2 液体入口ライン、ジャミング不具合モード
3 ブレーキ・マスタ・シリンダ、閉鎖不具合モード
4 複合不具合モード
10 油圧制御装置
11 油圧シリンダ
11a 第3の油圧制御ポート
11b 第4の油圧制御ポート
11c 第5の油圧制御ポート
11d ポート
12 ピストン、第2のブレーキライン
13 アクチュエータ
13a 第2の油圧制御ポート
13b 第1のガイド溝
13c 第2のガイド溝
14 アキュエータ支持部品、アクチュエータ支持部
14a 第1の油圧制御ポート
15 駆動装置
16 第1の油圧チャンバ、第1の油圧制御装置
17 第2の油圧チャンバ
18 動力変換機構
26 第2の車輪シリンダ、ブレーキ回路
27 車輪シリンダ
28 車輪シリンダ
29 車輪シリンダ
30 液体リザーバ
110 第1のブレーキライン、第1の制御管
111 第1の制御弁
120 第2のブレーキライン、第2の制御管、第2のブレーキ回路、第2の制御ライン
121 第2の制御弁
130 第3のブレーキライン、第1の液体入口ライン、第3のブレーキ回路
131 第5の制御弁
140 第4のブレーキライン、第4の液体入口ライン
150 第5のブレーキライン
151 第3の制御弁、第1の車輪グループの車輪シリンダ
152 一方向弁
160 第6のブレーキライン、第6の制御管
161 第4の制御弁
162 ブレーキライン
163 ブレーキライン
170 第7のブレーキライン、第7の制御管
171 第5の制御弁
173 液体入口ライン1、液体入口ライン2、ブレーキライン
174 一方向弁
180 第1の液出口ライン
190 液体入口ライン2
191 一方向弁
400 2系統ブレーキシステム
500 油圧制御ユニット
600 油圧制御ユニット
700 油圧制御ユニット
800 油圧制御ユニット
900 油圧制御ユニット
910 ブレーキライン
911 一方向弁
912 制御弁
913 油圧制御装置
1000 ブレーキシステム
1010 マスタシリンダ加圧および制御ユニット、油圧制御ユニット
1012 ペダル・フィール・シミュレータ
1013 制御弁
1014 圧力センサ
1015 制御弁
1016 制御弁
1017 ブレーキ・マスタ・シリンダ
1018 ペダル・ストローク・センサ
1019 ブレーキペダル
1020 液体入口弁
1030 液体出口弁
1040 ブレーキ回路
1050 ブレーキ回路
1100 ブレーキシステム
1120 液体入口弁
1130 液体出口弁
1140 ブレーキ回路
1150 ブレーキ回路
1200 ブレーキシステム
1300 ブレーキシステム
1500 制御装置
1510 処理ユニット、生成ユニット
1520 送信ユニット
1600 制御器
1610 メモリ
1620 プロセッサ
1630 通信インターフェース
本出願は、自動車の分野に関し、より具体的には、油圧制御ユニット、ブレーキシステム、および制御方法に関する。
自動車のブレーキシステムは、自動車に一定程度の強制ブレーキを加えるように、自動車の車輪に一定のブレーキ力を印加するシステムである。ブレーキシステムは、運転者または制御器によって要求されて、走行中の自動車を強制的に減速させる、または停止させるように、あるいは、停止した自動車を、様々な道路状況下で(例えば、傾斜路上で)安定して駐車させるように、あるいは、自動車を、安定した速度で下り坂を走行させるように、意図される。
一般的なブレーキシステムとして、電気油圧ブレーキ(Electro-Hydraulic Brake、EHB)は、2系統ブレーキシステムおよび分散ブレーキシステムを通常含む。2系統ブレーキシステムでは、油圧制御装置が、ブレーキ力を第1のブレーキラインを介して、第1の車輪シリンダのグループに与えるために使用され、油圧制御装置は、ブレーキ力を第2のブレーキラインを介して第2の車輪のグループに与えるために使用される。現在、双方向加圧機能を有する油圧制御装置が、前述の2系統ブレーキシステムにおける油圧制御装置として、通常使用される。
従来の2系統ブレーキシステムでは、双方向加圧機能を有する油圧制御装置の順方向加圧プロセスでは、油圧制御装置の第2の油圧チャンバが、ブレーキ力を、一方向弁が設けられた第1のブレーキラインを介して、第1の車輪のグループに与え、第2の油圧チャンバは、ブレーキ力を、一方向弁が設けられた第2のブレーキラインを介して、第2の車輪のグループに与える。逆方向加圧プロセスでは、油圧制御装置の第1の油圧チャンバが、ブレーキ力を、一方向弁が設けられた第1のブレーキラインを介して、第1の車輪のグループに与え、第1の油圧チャンバは、ブレーキ力を、一方向弁が設けられた第2のブレーキラインを介して、第2の車輪のグループに与える。
しかしながら、第1のブレーキラインおよび第2のブレーキラインは各々、一方向弁に基づいて、ブレーキ液の流れ方向を制御するものであり、閉または開で制御され得ない。その結果、ブレーキラインのうちの1つが漏れたとき、ブレーキシステム内のブレーキ液は、漏れたブレーキラインに沿って失われる可能性がある。これは、油圧制御ユニットに、ブレーキシステムを加圧できなくさせ、車両の運転安全性を低下させる。
本出願は、油圧制御ユニット、ブレーキシステム、および制御方法を提供し、車両の運転安全性を向上させるために、2系統ブレーキラインにおける任意のブレーキラインを別々に加圧する。
第1の態様によれば、双方向加圧機能を有する油圧制御装置10を含む油圧制御ユニットが提供される。油圧制御装置10は、第1の油圧チャンバ16と、第2の油圧チャンバ17と、を含む。第2の油圧チャンバ17は、第1のブレーキライン110における第1の制御弁111の第1の端部に接続され、第2のブレーキライン120における第2の制御弁121の第1の端部に接続される。第1のブレーキライン110は、ブレーキ力を、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるように構成され、第2のブレーキライン120は、ブレーキ力を、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるように構成される。第1の制御弁111は、第1のブレーキライン110の接続/遮断状態を制御するように構成され、第2の制御弁121は、第2のブレーキライン120の接続/遮断状態を制御するように構成され、第1の制御弁111の第1の端部は、第4のブレーキライン140を介して第2の制御弁121の第1の端部に接続される。第1の油圧チャンバ16は、第3のブレーキライン130を介して第4のブレーキライン140に接続される。
本出願の本実施形態では、第2の油圧チャンバ17または第1の油圧チャンバ16は、ブレーキ力を、第1の制御弁111が設けられた第1のブレーキライン110を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え、ブレーキ力を、第2の制御弁121が設けられた第2のブレーキライン120を介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。これは、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120に対する別々の加圧の実施に役立ち、車両の運転安全性を向上させる。これは、従来技術では、第1の油圧チャンバ16が第1のブレーキライン110を介して第1の車輪シリンダ28および29のグループを別々に加圧し得ないことを回避する。
別の態様によれば、第1の油圧チャンバ16および第2の油圧チャンバ17は、2系統ブレーキシステム内の任意のブレーキ回路に別々の加圧を実施するように、第1の制御弁111および第2の制御弁121を再利用する。これは、2系統ブレーキシステム内の制御弁の数の低減に役立ち、ブレーキシステムのコストを削減する。
さらに別の態様によれば、第4のブレーキライン140が、第1の制御弁111の第1の端部と、第2の制御弁121の第1の端部と、を接続するので、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120内のブレーキ液の圧力は、第4のブレーキラインを介して、さらに釣合いを取られてもよい。
1つの可能な実施態様では、第1の油圧チャンバ16は、第3のブレーキライン130を介して第2のブレーキライン120に接続される。第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120との間の接続部は、第2の制御弁121の第1の端部に接続され、その接続部は、第4のブレーキライン140に接続される。
本出願の本実施形態では、第3のブレーキライン130は、第2の制御弁121の第1の端部に接続され、第2の制御弁121の第1の端部は、第4のブレーキライン140を介して第1の制御弁111の第1の端部に接続される。このようにして、第3のブレーキライン130が、ブレーキ力を第1のブレーキライン110を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるか否かを、第1の制御弁111は制御し得る。第3のブレーキライン130が、ブレーキ力を第2のブレーキライン120を介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるか否かを、第2の制御弁121は制御し得る。これは、ブレーキシステム内の油圧制御装置10と協働する制御弁の数の低減に役立つ。
1つの可能な実施態様では、第1の制御弁111の閉/開状態は、ブレーキ力を、接続された第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120とを介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるように、第1の油圧チャンバ16を制御するために使用される。第2の制御弁121の閉/開状態は、ブレーキ力を、接続された第3のブレーキライン130と第4のブレーキライン140とを介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるように、第1の油圧チャンバ16を制御するために使用される。
本出願の本実施形態では、第3のブレーキライン130が、ブレーキ力を第1のブレーキライン110を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるか否かを、第1の制御弁111は制御し得る。第3のブレーキライン130が、ブレーキ力を第2のブレーキライン120を介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるか否かを、第2の制御弁121は制御し得る。これは、ブレーキシステム内の油圧制御装置10と協働する制御弁の数の低減に役立つ。
1つの可能な実施態様では、第2の油圧チャンバ17は、第5のブレーキライン150を介して、第4のブレーキライン140に接続され、第3の制御弁151が、第5のブレーキライン150の接続および遮断を制御するために、第5のブレーキライン150に配置される。
本出願の本実施形態では、第3の制御弁151は、第5のブレーキライン150の接続および遮断を制御するために配置される。これは、油圧制御装置10の逆方向加圧プロセスでは、第5のブレーキライン150の開状態の制御に役立ち、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部が第5のブレーキライン150を通って第2の油圧チャンバ17に流れることを防止するように、油圧制御装置10の逆方向加圧プロセスのブレーキ効率の向上に役立つ。ブレーキ液は、第1の車輪シリンダ28および29のグループに、ならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループには流れない。
1つの可能な実施態様では、第3の制御弁151は、一方向弁152に並列に接続される。一方向弁152は、ブレーキ液が第2の油圧チャンバ17から第4のブレーキライン140に流れることを可能にし、ブレーキ液が第4のブレーキライン140から第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止する。
本出願の本実施形態では、第3の制御弁151は、一方向弁152に並列に接続される。一方向弁152が不具合を起こした後、ブレーキ液の流れる方向は、第3の制御弁151の閉開を制御することによって制御され得る。これは、ブレーキシステムの冗長性能の向上に役立つ。
1つの可能な実施態様では、第2の油圧チャンバ17は、第6のブレーキライン160を介して第1のブレーキライン110に接続され、第4の制御弁161が、第6のブレーキライン160の接続および遮断を制御するために、第6のブレーキライン160に配置される。第2の油圧チャンバ17は、第7のブレーキライン170を介して第2のブレーキライン120に接続され、第5の制御弁171が、第7のブレーキライン170の接続および遮断を制御するために、第7のブレーキライン170に配置される。
本出願の本実施形態では、第2の油圧チャンバ17は、第6の制御ライン160を介して第1の制御ライン110に接続され、第2の油圧チャンバ17は、第7の制御ライン170を介して第2の制御ライン120にさらに接続される。このようにして、第2の油圧チャンバ17は、複数のブレーキラインを介してブレーキ液を出力または回収する。これは、ブレーキ液の伝達量の増加に役立つ。
別の態様によれば、第6の制御ライン160は、第1のブレーキライン110に接続され、第7の制御ライン170は、第2のブレーキライン120に接続され、第1のブレーキライン110は、第4のブレーキライン140を介して第2のブレーキライン120に接続される。このようにして、第4の制御弁161または第5の制御弁171が故障したとき、他方の制御弁は、油圧制御装置10の双方向加圧機能を実施するために、油圧制御装置10と引き続き協働し得る。これは、ブレーキシステムの冗長性能の向上に役立つ。
1つの可能な実施態様では、第1の油圧チャンバ16および第2の油圧チャンバ17は、油圧制御ユニット内のピストン12によって、油圧制御ユニット内の油圧シリンダ11を分離することによって形成される。アクチュエータ支持部14が、第1の油圧チャンバ16の端部に配置され、アクチュエータ支持部14は、アクチュエータ13を支持するために使用され、アクチュエータ13は、ピストン12を押して、油圧シリンダ11内をピストンストロークに沿って移動させ、第1の油圧制御ポート14aは、アクチュエータ支持部14に配置される。第2の油圧制御ポート13aが、アクチュエータ13に配置され、第2の油圧制御ポート13aの第1の端部が、第1の油圧チャンバ16に接続される。ピストン12が、ピストンストロークの内死点に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続される、またはピストン12が、ピストンストロークの内死点以外の位置に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続されない。
本出願の本実施形態では、第1の油圧チャンバ16の液体出口ラインは、第1の油圧制御ポート14aに対応するアクチュエータ支持部14と、第2の油圧制御ポート13aに対応するアクチュエータ13と、に区分的に構成される。このようにして、ピストン12が、ピストンストロークの内死点に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続される。ピストン12が、ピストンストローク内の内死点以外の位置に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続されない、すなわち、第1の油圧制御ポート14aと第2の油圧制御ポート13aとの間の閉/開状態が、ピストンストローク内のピストン12の位置を利用することによって制御され、これにより、第1の油圧チャンバ16の液体出口ラインの接続/遮断を制御するための従来の油圧制御装置内に、第1の油圧チャンバ16のための制御弁を特別に構成する必要がない。これは、油圧制御ユニット内の油圧制御装置と共に使用される制御弁の数の低減に役立ち、油圧制御ユニット内のコストの削減に役立つ。
第2の油圧制御ポート13aの第1の端部が第1の油圧チャンバ16に接続されることは、ピストン12がピストンストロークの内死点に位置付けられたとき、第2の油圧制御ポート13aの第1の端部は第1の油圧チャンバ16に接続されること、またはピストン12がピストンストローク内のすべての位置に位置付けられたとき、第2の油圧制御ポート13aの第1の端部は第1の油圧チャンバ16に接続されることを含み得ることに留意されたい。
1つの可能な実施態様では、第1の油圧制御ポート14aは、第1の液体出口ライン180に接続される。ピストン12が、ピストンストロークの内死点にあるとき、第1の液体出口ライン180は、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液を排出するように構成される。
本出願の本実施形態では、第1の油圧チャンバ16の液体出口ラインは、第1の油圧制御ポート14aに対応するアクチュエータ支持部14と、第2の油圧制御ポート13aに対応するアクチュエータ13と、に区分的に構成される。このようにして、ピストン12が、ピストンストロークの内死点に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aに接続され、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、接続された第1の油圧制御ポート14aと第2の油圧制御ポート13aとを通って、第1の液体出口ライン180に排出され得、次いで、第1の液体出口ライン180から第1の油圧チャンバ16に排出される。これは、油圧制御ユニットの制御弁の数の低減、および油圧制御ユニットのコストの削減に役立つ。
1つの可能な実施態様では、円形リング状または半円形リング状の第1のガイド溝13bが、アクチュエータ13の外周に沿って配置され、第1のガイド溝13bは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続される。これに対応して、ピストンが、内死点に位置付けられたとき、第1のガイド溝13bは、第1の油圧制御ポート14aに接続される。
本出願の本実施形態では、円形または半円形の第1のガイド溝13bは、アクチュエータ13の外周に沿って配置され、ピストン12は、アクチュエータ13が回転するときに、内死点に位置付けられ、第1の油圧制御ポート14aは、第1のガイド溝13bを介して第2の油圧制御ポート13aに接続される。これは、油圧制御装置の性能の向上に役立つ。
1つの可能な実施態様では、円形リング状または半円形リング状の第2のガイド溝13cが、アクチュエータ支持部14の内周に沿って配置され、第2のガイド溝13cは、第1の油圧制御ポート14aに接続され、ピストン12が、ピストンストロークの内死点に位置付けられたとき、第2のガイド溝13cは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続される。
本出願の本実施形態では、円形または半円形の第2のガイド溝13cは、アクチュエータ支持部14の内周に沿って配置され、ピストン12は、アクチュエータ13が回転するときに、内死点に位置付けられ、第1の油圧制御ポート14aは、第2のガイド溝13cを介して第2の油圧制御ポート13aに接続される。これは、油圧制御装置の性能の向上に役立つ。
1つの可能な実施態様では、第2の油圧制御ポート13aは、アクチュエータ13に対し斜めに配置され、アクチュエータ13を貫通し、第2の油圧制御ポート13aの第1の端部とピストン12との間の距離は、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部とピストン12との間の距離よりも短い。
本出願の本実施形態では、第2の油圧制御ポート13aの第1の端部とピストン12との間の距離は、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部とピストン12との間の距離よりも短くなるように設定され、これにより、接続された第2の油圧制御ポート13aと第1の油圧制御ポート14aとは、第1の油圧チャンバ16に接続され得る。
1つの可能な実施態様では、ピストン12が、内死点に位置付けられたとき、アクチュエータ支持部14は、第2の油圧制御ポート13aと離隔されている。
本出願の本実施形態では、ピストン12が、内死点に位置付けられたとき、アクチュエータ支持部14は、第2の油圧制御ポート13aから離隔され、アクチュエータ支持部14が第2の油圧制御ポート13aを塞ぐことを防止する。これは、ブレーキ液の第2の油圧制御ポート13aへの流れに役立ち、油圧制御装置の減圧効率を向上させる。
第2の態様によれば、第1の車輪シリンダ28および29のグループと、第2の車輪シリンダ26および27のグループと、第1の態様のいずれかの実施態様による油圧制御ユニットと、を含むブレーキシステムが提供される。油圧制御ユニットは、ブレーキ力を、第1の車輪シリンダ28および29のグループに、ならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループに、与える。
本出願の本実施形態では、第2の油圧チャンバ17または第1の油圧チャンバ16は、ブレーキ力を、第1の制御弁111が設けられた第1のブレーキライン110を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え、ブレーキ力を、第2の制御弁121が設けられた第2のブレーキライン120を介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。これは、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120に対する別々の加圧の実施に役立ち、車両の運転安全性を向上させる。これは、従来技術では、第1の油圧チャンバ16が第1のブレーキライン110を介して第1の車輪シリンダ28および29のグループを別々に加圧し得ないことを回避する。
別の態様によれば、第1の油圧チャンバ16および第2の油圧チャンバ17は、2系統ブレーキシステム内の任意のブレーキ回路に別々の加圧を実施するように、第1の制御弁111および第2の制御弁121を再利用する。これは、2系統ブレーキシステム内の制御弁の数の低減に役立ち、ブレーキシステムのコストを削減する。
さらに別の態様によれば、第4のブレーキライン140が、第1の制御弁111の第1の端部と、第2の制御弁121の第1の端部と、を接続するので、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120内のブレーキ液の圧力は、第4のブレーキラインを介して、さらに釣合いを取られてもよい。
1つの可能な実施態様では、ブレーキシステムは、駆動装置15をさらに含む。駆動装置15は、油圧制御装置10のピストン12を駆動して、油圧制御ユニットの油圧シリンダ11の内壁に沿って移動させて、ピストンストロークを形成する。
1つの可能な実施態様では、第1の油圧制御ポート14aは、第1の液体出口ライン180に接続され、ピストン12が、ピストンストロークの内死点にあるとき、第1の車輪シリンダ28および29のグループ内ならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループ内のブレーキ液が、接続された第1の油圧制御ポート14aと第2の油圧制御ポート13aの第2の端部とを通って、第1の液体出口ライン180に流れ、第1の液体出口ライン180を通って液体リザーバ30に排出される。
第3の態様によれば、ブレーキシステムの制御方法。ブレーキシステムは、双方向加圧機能を有する油圧制御装置10を含む。油圧制御装置10は、ピストン12と、油圧シリンダ11と、アクチュエータ13と、を含み、ピストン12は、油圧シリンダ11を、第1の油圧チャンバ16と第2の油圧チャンバ17とに分離する。第2の油圧チャンバ17は、第1のブレーキライン110における第1の制御弁111の第1の端部に接続され、第2のブレーキライン120における第2の制御弁121の第1の端部に接続される。第1のブレーキライン110は、ブレーキ力を、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるように構成され、第2のブレーキライン120は、ブレーキ力を、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるように構成される。第1の制御弁111は、第1のブレーキライン110の接続/遮断状態を制御するように構成され、第2の制御弁121は、第2のブレーキライン120の接続/遮断状態を制御するように構成され、第1の制御弁111の第1の端部は、第4のブレーキライン140を介して第2の制御弁121の第1の端部に接続される。第1の油圧チャンバ16は、第3のブレーキライン130を介して第4のブレーキライン140に接続される。制御方法は、制御器が制御命令を生成するステップを含み、制御命令は、ブレーキシステム内の駆動装置15を制御するために使用される。制御器は、ピストン12を駆動して、油圧シリンダ11の内壁に沿って移動させ、第1の車輪シリンダ28および29のグループ内ならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループ内のブレーキ液の圧力を増加または低減させるように、駆動装置15を制御するために、制御命令を駆動装置15に送信する。
本出願の本実施形態では、第2の油圧チャンバ17または第1の油圧チャンバ16は、ブレーキ力を、第1の制御弁111が設けられた第1のブレーキライン110を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え、ブレーキ力を、第2の制御弁121が設けられた第2のブレーキライン120を介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。これは、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120に対する別々の加圧の実施に役立ち、車両の運転安全性を向上させる。これは、従来技術では、第1の油圧チャンバ16が第1のブレーキライン110を介して第1の車輪シリンダ28および29のグループを別々に加圧し得ないことを回避する。
別の態様によれば、第1の油圧チャンバ16および第2の油圧チャンバ17は、2系統ブレーキシステム内の任意のブレーキ回路に別々の加圧を実施するように、第1の制御弁111および第2の制御弁121を再利用する。これは、2系統ブレーキシステム内の制御弁の数の低減に役立ち、ブレーキシステムのコストを削減する。
さらに別の態様によれば、第4のブレーキライン140が、第1の制御弁111の第1の端部と、第2の制御弁121の第1の端部と、を接続するので、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120内のブレーキ液の圧力は、第4のブレーキラインを介して、さらに釣合いを取られてもよい。
1つの可能な実施態様では、第2の油圧チャンバ17は、第5のブレーキライン150を介して第4のブレーキライン140に接続され、第5のブレーキライン150には、第5のブレーキライン150の接続および遮断を制御するために、第3の制御弁151が設けられる。制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップは、制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップであって、制御命令が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される、ステップを含む。
本出願の本実施形態では、油圧制御装置10が、順方向加圧を実施するとき、第3の制御弁151は、閉状態にある。このようにして、制御器が、駆動装置15を使用することによって、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第5のブレーキライン150を通って第2の油圧チャンバ17から流出し得る。
1つの可能な実施態様では、油圧制御装置10が逆方向加圧を実施するプロセスでは、第3の制御弁151が、開状態にあるとき、制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップは、制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップであって、制御命令が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される、ステップを含む。
本出願の本実施形態では、油圧制御装置10が逆方向加圧を実施するとき、第3の制御弁151は、開状態にある。このようにして、制御器が、駆動装置15を使用することによって、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第2の油圧チャンバ17に流れない。
1つの可能な実施態様では、第3の制御弁151は、一方向弁152に並列に接続される。一方向弁152は、ブレーキ液が第2の油圧チャンバ17から第4のブレーキライン140に流れることを可能にし、ブレーキ液が第4のブレーキライン140から第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止する。本方法は、一方向弁152が故障し、油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17が、ブレーキ力を第5のブレーキライン150を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループにならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループに、与えるように、制御器が第3の制御弁151を閉状態に制御することをさらに含む。
本出願の本実施形態では、第3の制御弁151は、一方向弁152に並列に接続される。一方向弁152が故障した後、ブレーキ液の流れ方向は、第3の制御弁151の閉開を制御することによって制御され得る。これは、ブレーキシステムの冗長性能の向上に役立つ。
1つの可能な実施態様では、第2の油圧チャンバ17は、第6のブレーキライン160を介して第1のブレーキライン110に接続され、第4の制御弁161が、第6のブレーキライン160の接続および遮断を制御するために、第6のブレーキライン160に配置される。第2の油圧チャンバ17は、第7のブレーキライン170を介して第2のブレーキライン120に接続され、第5の制御弁171が、第7のブレーキライン170の接続および遮断を制御するために、第7のブレーキライン170に配置される。油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171は、閉状態にある。制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップは、制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップであって、制御命令が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される、ステップを含む。
本出願の本実施形態では、油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171は、閉状態にある。このようにして、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第6のブレーキライン160および第7のブレーキライン170を通って、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120に流れ得る。これは、ブレーキ液を第2の油圧チャンバ17を通して出力する効率の向上に役立つ。
1つの可能な実施態様では、第4の制御弁161がジャミング故障を有するとき、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および第5の制御弁171は、閉状態にある。制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップは、制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップであって、制御命令が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される、ステップを含む。
本出願の本実施形態では、第4の制御弁161がジャミング故障を有するとき、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および第5の制御弁171は、ブレーキシステムの冗長性能を向上するように、順方向加圧機能を実施するために、油圧制御装置10と引き続き協働し得る。
1つの可能な実施態様では、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れる。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に流れる。
本出願の本実施形態では、第4の制御弁161がジャミング故障を有するとき、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れる。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、ブレーキシステムの冗長性能を向上するように、油圧制御装置10の順方向加圧機能を実施するために、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に流れる。
1つの可能な実施態様では、第5の制御弁171がジャミング故障を有するとき、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および第4の制御弁161は、閉状態にある。制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップは、制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップであって、制御命令が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される、ステップを含む。
本出願の本実施形態では、第5の制御弁171がジャミング故障を有するとき、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および第4の制御弁161は、ブレーキシステムの冗長性能を向上するように、順方向加圧を実施するために、油圧制御装置10と引き続き協働し得る。
1つの可能な実施態様では、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に流れる。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に流れる。
本出願の本実施形態では、第5の制御弁171がジャミング故障を有するとき、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、ブレーキシステムの冗長性能を向上するように、油圧制御装置10の順方向加圧を実施するために、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に流れる。
1つの可能な実施態様では、油圧制御装置10が逆方向加圧を実施するプロセスでは、第4の制御弁161および第5の制御弁171は、開状態にあり、第1の制御弁111および第2の制御弁121は、閉状態にある。制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップは、制御器が制御命令を駆動装置15に送信するステップであって、制御命令が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される、ステップを含む。
本出願の本実施形態では、油圧制御装置10が逆方向加圧を実施するプロセスでは、第4の制御弁161および第5の制御弁171は、開状態にあり、第1の制御弁111および第2の制御弁121は、閉状態にあり、第1の油圧チャンバ16の加圧効率を向上するように、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液が第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン12を通って第2の油圧チャンバに流れることを防止する。
第4の態様によれば、第2の態様の可能な実施態様のいずれか1つによるブレーキシステムを含む自動車が、提供される。ブレーキシステムの油圧制御ユニットは、ブレーキシステムのブレーキライン内のブレーキ液の圧力を調整して、ブレーキシステム内の車輪シリンダに加えられるブレーキ力の大きさを制御する。
第5の態様によれば、制御装置が提供される。本制御装置は、処理ユニットと、送信ユニットと、を含む。送信ユニットは、制御命令を送信するように構成され、処理ユニットは、制御装置が、第3の態様の可能な実施態様のいずれか1つによる制御方法を実施するように、制御命令を生成するように構成される。
任意選択で、制御装置は、自動車内の独立した制御器であってもよく、または自動車内の制御機能を有するチップであってもよい。処理ユニットは、プロセッサであってもよく、送信ユニットは、通信インターフェースであってもよい。
任意選択で、制御装置は、記憶ユニットをさらに含んでもよい。記憶ユニットは、制御器内のメモリであってもよい。記憶ユニットは、チップ内の記憶ユニット(例えば、レジスタまたはキャッシュ)であってもよく、または自動車内のチップの外部に配置された記憶ユニット(例えば、読み取り専用メモリまたはランダム・アクセス・メモリ)であってもよい。
前述の制御器では、メモリがプロセッサに接続されることに留意されたい。メモリがプロセッサに接続されることは、メモリがプロセッサの内部に配置される、またはメモリがプロセッサの外部に配置されるため、プロセッサから独立していると理解され得る。
第6の態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ・プログラム・コードを含み、コンピュータ・プログラム・コードがコンピュータで実行されると、コンピュータは、前述の態様の方法を実施する。
前述のコンピュータ・プログラム・コードの全部または一部が第1の記憶媒体に記憶され得ることに留意されたい。第1の記憶媒体は、プロセッサと共にカプセル化されてもよく、またはプロセッサとは別にカプセル化されてもよい。これは、本出願の実施形態では特に限定されない。
第7の態様によれば、コンピュータ可読媒体が提供され、コンピュータ可読媒体は、プログラムコードを記憶し、コンピュータ・プログラム・コードがコンピュータで実行されると、コンピュータは、前述の態様の方法を実施する。
本出願の一実施形態による、油圧制御装置の概略図である。
本出願の一実施形態による、油圧制御装置における第1のガイド溝の構造の概略図である。
本出願の一実施形態による、油圧制御装置における第2のガイド溝の構造の概略図である。
双方向加圧/減圧油圧制御装置に基づく従来の2系統電気油圧ブレーキの図である。
本出願の一実施形態による、油圧制御ユニットの概略図である。
本出願の一実施形態による、油圧制御ユニット600の概略図である。
本出願の一実施形態による、液体リザーバ30と油圧制御装置10との間の接続方法1の概略図である。
本出願の一実施形態による、液体リザーバ30と油圧制御装置10との間の接続方法2の概略図である。
本出願の一実施形態による、液体リザーバ30と油圧制御装置913との間の接続方法3の概略図である。
本出願の一実施形態による、ブレーキシステムの概略図である。
本出願の一実施形態による、ブレーキシステムの概略図である。
本出願の一実施形態による、ブレーキシステムの概略図である。
本出願の一実施形態による、ブレーキシステムの概略図である。
本出願の一実施形態による、制御方法の概略フローチャートである。
本出願の一実施形態による、制御装置の概略図である。
本出願の別の実施形態による、制御器の概略ブロック図である。
以下では、添付の図面を参照して、本出願の技術的解決策を説明する。
本出願の理解を容易にするために、以下では、図1から図3を参照して、本出願の実施形態に適用可能な油圧制御装置を、最初に説明する。本出願の実施形態における解決策は、双方向加圧/減圧機能を有する別の油圧制御装置にさらに適用可能であることを理解されたい。これは、本出願の実施形態において限定されない。
図1は、本出願の一実施形態による、油圧制御装置の概略図である。図1に示される油圧制御装置10は、油圧シリンダ11と、ピストン12と、アクチュエータ13と、アクチュエータ支持部14と、を含む。
ピストン12は、油圧シリンダ11の内壁に沿って移動して、ピストンストロークを形成し、ピストン12は、油圧シリンダ11を、第1の油圧チャンバ16と第2の油圧チャンバ17とに分離する。アクチュエータ支持部14は、第1の油圧チャンバ16の端部に配置され、アクチュエータ支持部14は、アクチュエータ13を支持し、第1の油圧制御ポート14aが、アクチュエータ支持部14に配置される。第2の油圧制御ポート13aが、アクチュエータ13に配置される。第2の油圧制御ポート13aの第1の端部が、第1の油圧チャンバ16に接続される。ピストン12が、ピストンストロークの内死点に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続される。ピストン12が、ピストンストロークの内死点以外に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続されない。
図1に示されるように、アクチュエータ13は、ピストン12を押して、油圧シリンダ11の内壁に沿って移動させ、ピストンストロークを形成する。油圧シリンダ11は、ピストン12によって、第1の油圧チャンバ16と第2の油圧チャンバ17との2つの油圧チャンバに分離される。第1の油圧チャンバ16に接続される第1のランナは、ポート11aおよびポート11dで形成される。第2の油圧チャンバ17に接続される第2のランナは、ポート11cおよびポート11bで形成される。
ピストン12は、油圧シリンダ11内に移動可能に配置され、アクチュエータ13の一方の端部が、油圧シリンダ11内に延在し、ピストン12に接続され、アクチュエータ13の他方の端部は、油圧シリンダ11を貫通し、駆動装置15に伝達接続される。駆動装置15によって駆動されることによって、ピストン12は、油圧シリンダ11内を往復運動して、ブレーキシステムに対する加圧または減圧動作を実施し得る。
油圧シリンダ11の内壁に沿ったピストン12の移動中に、ピストン12が駆動装置15の駆動シャフト(例えば、クランクシャフトセンタ)から最も離隔した位置は、「外死点」と呼ばれる。これに対応して、ピストン12が駆動装置15の駆動シャフト(例えば、クランクシャフトセンタ)に最も近い位置は、「内死点」と呼ばれる。「外死点」と「内死点」との間の距離は、ピストンストロークと呼ばれる。
任意選択で、ピストン12は、アクチュエータ13を駆動することによって、駆動装置15によって押されてもよい。駆動装置15は、モータなどの駆動能力を有する他の装置であってもよい。駆動装置15がモータであるとき、モータの一部がトルクを出力することを理解されたい。したがって、モータによって出力されたトルクを、アクチュエータ13を駆動するための直線運動に変換するために、駆動装置15およびアクチュエータ13は、減速機構または別の動力変換機構18を使用することによって、さらに接続されてもよい。動力変換機構は、例えば、タービン・ウォーム・アセンブリまたはボールねじナットアセンブリを含んでもよい。
第1の油圧チャンバ16および第2の油圧チャンバ17は、ピストン12によって分離されており、第1の油圧チャンバ16の容積および第2の油圧チャンバ17の容積は、ピストン12の移動に伴って変化する。例えば、ピストン12が、油圧シリンダ11内を、駆動装置15から離隔する方向(「順方向移動」とも呼ばれる)に移動すると、第1の油圧チャンバ16の容積は増加され、第2の油圧チャンバ17の容積は減少される。別の実施例として、ピストン12が、油圧シリンダ11内を、駆動装置15に近い方向(「逆方向移動」とも呼ばれる)に移動すると、第1の油圧チャンバ16の容積は減少され、第2の油圧チャンバ17の容積は増加される。
これに対応して、加圧プロセスでは、ピストン12は、油圧シリンダ11内を順方向に移動し、これは、「順方向加圧プロセス」と呼ばれ得る。加圧プロセスでは、ピストン12は、油圧シリンダ11内を逆方向に移動し、これは、「逆方向加圧プロセス」と呼ばれ得る。
第1の油圧制御ポート14aおよび第2の油圧制御ポート13aは、第1の油圧チャンバ16に接続された第1のランナのポートと考えられてもよい。第1の油圧チャンバ16は、第1の油圧制御ポート14aを介して、第2の油圧制御ポート13aに接続される。第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液が、接続された第1の油圧制御ポート14aと第2の油圧制御ポート13aとを通って、第1の油圧チャンバ16から排出され得ることが理解されよう。
任意選択で、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第1の油圧チャンバに配置された第3の油圧制御ポート11aを通って流れてもよい。第3の油圧制御ポート11aは、第1の油圧チャンバ16とブレーキシステムのブレーキラインとを接続するように構成される。ブレーキラインは、自動車の車輪の車輪シリンダに接続され得、ブレーキシステムの制御器は、ブレーキライン内の油圧を調整することによって車輪に加えられるブレーキ力を調整し得る。
換言すれば、加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16は、ブレーキ液を、第3の油圧制御ポート11aを通して、ブレーキラインに押し出し、それによって、車輪に加えられるブレーキ力を増加させ得る。減圧プロセスでは、ブレーキシステム内の圧力差に基づいて、ブレーキライン内のブレーキ液は、第3の油圧制御ポート11aを通って第1の油圧チャンバ16に流れ、それによって車輪に加えられるブレーキ力を低減または相殺し得る。
任意選択で、油圧シリンダ11には、第4の油圧制御ポート11bがさらに設けられてもよく、第4の油圧制御ポート11bは、ラインを介して、第2の油圧チャンバ17とブレーキシステムのブレーキラインとを接続するように構成される。
同様に、第2の油圧チャンバ17は、車輪に加えられるブレーキ力を増加させるように、ブレーキ液を第4の油圧制御ポート11bを通ってブレーキラインに押し出し得る。これに対応して、ブレーキライン内のブレーキ液は、車輪に加えられるブレーキ力を低減するように、第4の油圧制御ポート11bを通って第2の油圧チャンバ17に、代替的に流れ得る。
第4の油圧制御ポート11bは、ブレーキラインを介して、第2の油圧チャンバ17と第1の油圧チャンバ16とを接続するようにさらに構成されてもよい。このようにして、油圧制御装置10が、順方向加圧を実施するとき、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部が、ブレーキラインに押し出されて、車輪にブレーキ力を与え、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第2の油圧チャンバ17と第1の油圧チャンバ16との間の圧力差を小さくするように、第4の油圧制御ポート11bを通って第1の油圧チャンバ16に入り、駆動装置15の作業負荷を低減し、モータ駆動装置の長寿命化を図る。
任意選択で、第5の油圧制御ポート11cが、第2の油圧チャンバ17内にさらに配置されてもよく、第5の油圧制御ポート11cは、第2の油圧チャンバ17用の液体リザーバ30によって、ブレーキ液を補充するために使用され、すなわち、液体リザーバ30は、ブレーキ液を、第5の油圧制御ポート11cを通じて第2の油圧チャンバ17に補充する。
具体的には、第5の油圧制御ポート11cは、ラインを介して液体リザーバ30に接続される。逆方向加圧が実施されるとき、ピストン12が右向きに移動するプロセスでは、液体リザーバ30内のブレーキ液は、第5の油圧制御ポート11cを通って第2の油圧チャンバ17に、適時に補充され得る。これは、第2の油圧チャンバ17と第1の油圧チャンバ16との圧力差を小さくする。
任意選択で、第1の油圧チャンバ16と第1の油圧制御ポート14aとの間の接続を容易にするために、第2の油圧制御ポート13aは、アクチュエータ13に対して斜めに配置され、アクチュエータ13を貫通してもよく、第2の油圧制御ポート13aの液体入口(「第2の油圧制御ポート13aの第1の端部」とも呼ばれる)とピストン12との間の距離は、第2の油圧制御ポート13aの液体出口(「第2の油圧制御ポート13aの第2の端部」とも呼ばれる)とピストン12との間の距離よりも短い。
第2の油圧制御ポート13aの液体入口とピストン12との間の距離が第2の油圧制御ポート13aの液体出口とピストン12との間の距離よりも短いことは、第2の油圧制御ポート13aが第1の油圧制御ポート14aに接続されている側が、第2の油圧制御ポート13aが第1の油圧チャンバ16に接続されている側よりもピストン12に近いこととして理解されてもよい。もちろん、第2の油圧制御ポート13aは、代替的にU字形の穴などであってもよい。これは、本出願では限定されない。
通常、ピストン12が、内死点または外死点に位置付けられたとき、アクチュエータ支持部14が第2の油圧制御ポート13aを塞ぐことを防止するために、アクチュエータ支持部14は、第2の油圧制御ポート13aから離隔されてもよく、あるいはピストン12が内死点または外死点に位置付けられたとき、アクチュエータ支持部14と第2の油圧制御ポート13aとの間に特定の間隔があってもよく、これにより、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、阻止されることなく、第2の油圧制御ポート13aに入る、またはそこを出ることができる。もちろん、アクチュエータ支持部14は、第2の油圧制御ポート13aの一部を、代替的に塞いでもよい。これは、本出願の実施形態において限定されない。
本出願の本実施形態では、第1の油圧チャンバ16の液体出口ラインは、第1の油圧制御ポート14aに対応するアクチュエータ支持部14と、第2の油圧制御ポート13aに対応するアクチュエータ13と、に区分的に構成される。このようにして、ピストン12が、ピストンストロークの内死点に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続される。ピストン12が、ピストンストローク内の内死点以外の位置に位置付けられたとき、第1の油圧制御ポート14aは、第2の油圧制御ポート13aの第2の端部に接続されない、すなわち、第1の油圧制御ポート14aと第2の油圧制御ポート13aとの間の閉/開状態が、ピストンストローク内のピストン12の位置を利用することによって制御され、これにより、第1の油圧チャンバ16の液体出口ラインの接続/遮断を制御するための従来の油圧制御装置内に、第1の油圧チャンバ16のための制御弁を特別に構成する必要がない。これは、油圧制御ユニット内の油圧制御装置と共に使用される制御弁の数の低減に役立ち、油圧制御ユニット内のコストの削減に役立つ。
通常、アクチュエータ13は、長時間の動作後に回転することがあり、これに対応して、アクチュエータ13に配置された第2の油圧制御ポート13aも回転することがある。この場合、ピストン12が内死点にある場合でも、回転後の第2の油圧制御ポート13aは、第1の油圧制御ポート14aに接続され得ない。例えば、回転後の第2の油圧制御ポート13aの出口が、アクチュエータ支持部14の内壁によって塞がれる可能性があり、これに対応して、第1の油圧制御ポート14aは、アクチュエータ13の外壁によって塞がれる可能性がある。
前述の問題を回避するために、特定の長さを有する第1のガイド溝13bが、アクチュエータ13の外周に沿って配置されてもよく、第1のガイド溝13bは、第2の油圧制御ポート13aに接続される。アクチュエータ13が回転した後、第2の油圧制御ポート13aが第1の油圧制御ポート14aに引き続き接続されることを、第1のガイド溝13bは確保し得る。
任意選択で、第1のガイド溝13bは、アクチュエータ13の外周に沿って円形リング形状または半円形リング形状であってもよい。もちろん、第1のガイド溝13bが、アクチュエータ13の外周に沿って設けられた半円形リング状の溝であるとき、アクチュエータ13の機械的強度に対する第1のガイド溝13bの影響を低減することは、有益である。半円形リングの円弧長は、アクチュエータ13の最大回転量に基づいて決定され得ることを理解されたい。
以下では、説明のための例として、図2に示される第1のガイド溝を使用する。図2は、本出願の一実施形態による、油圧制御装置における第1のガイド溝の構造の概略図である。図2(b)は、アクチュエータ13の要部図であり、図2(a)は、図2(b)のA-Aに沿った斜視で見た断面である。
第1のガイド溝13bは、アクチュエータ13の外周に沿って設けられ得る。ガイド溝は、アクチュエータ13の周方向に設けられており、第2の油圧制御ポート13aは、第1のガイド溝13bに接続される。このようにして、ピストン12が、内死点に移動されると、第2の油圧制御ポート13aは、第1のガイド溝13bを介して第1の油圧制御ポート14aに接続され、これにより、迅速な減圧が実施され得る。
第1のガイド溝13bは、アクチュエータ13の外周に沿って設けられ、特定の長さを有し、これにより、アクチュエータ13が回転すると、第1のガイド溝13bは、第1の油圧制御ポート14aに常に接続され、第2の油圧制御ポート13aも第1のガイド溝13bに接続され、すなわち、この場合、第2の油圧制御ポート13aと第1の油圧制御ポート14aとは、互いに接続されることを引き続き確保され得る。
図2(a)に示されるように、第1のガイド溝13bは、環状で端から端までの溝である。これは、アクチュエータ13による回転の角度にかかわらず、第1のガイド溝13bおよび第1の油圧制御ポート14aが常に互いに接続され、かつ第1のガイド溝13bおよび第2の油圧制御ポート13aも常に互いに接続されることを確保する。このようにして、第2の油圧制御ポート13aおよび第1の油圧制御ポート14aは、常に互いに接続される。
任意選択で、円形リングまたは半円形リング形状の第2のガイド溝13cは、アクチュエータ支持部14の内周に沿って設けられ、第2のガイド溝13cは、第1の油圧制御ポート14aに接続される。以下では、図3を参照して、本出願の本実施形態における第2のガイド溝13cの構造を説明する。
図3は、本出願の一実施形態による、油圧制御装置における第2のガイド溝の概略図である。図3に示されるように、第2のガイド溝13cは、アクチュエータ支持部14の内壁に設けられてもよく、第2のガイド溝13bは、第1の油圧制御ポート14aに接続される。
第2のガイド溝13cは、アクチュエータ支持部14の内周に沿って設けられてもよい。アクチュエータ支持部14の内周が、アクチュエータ13の外周を常に覆っているので、アクチュエータ13が回転した場合でも、アクチュエータ支持部14の内周に位置付けられた第2のガイド溝13cは、第2の油圧制御ポート13aに接続され得る、すなわち、第2の油圧制御ポート13aは、第1の油圧制御ポート14aに接続される。
本出願の本実施形態では、第2のガイド溝13cは、アクチュエータ支持部14に設けられ、それによって、アクチュエータ13の機械的強度への影響の低減に役立ち、アクチュエータ13が長時間の動作後に破損することを防止する。
図1から図3を参照して、上記は、本出願の実施形態に適用可能な油圧制御装置を説明している。以下では、図4を参照して、双方向加圧/減圧油圧制御装置に基づく従来の2系統電気油圧ブレーキを説明する。
図4を参照すると、2系統ブレーキシステム400は、双方向加圧/減圧を有する油圧制御装置10と、第1の油圧チャンバ16と、第2の油圧チャンバ17と、第1のブレーキライン110と、第2のブレーキライン120と、第3のブレーキライン130と、第1の制御弁111と、第2の制御弁121と、を含む。
双方向加圧/減圧を有する油圧制御装置10によれば、油圧制御装置10は、第1の油圧チャンバ16と、第2の油圧チャンバ17と、を含む。
第2の油圧チャンバ17は、第1のブレーキライン110と、第2のブレーキライン120と、に分離して接続される。第1のブレーキライン110は、ブレーキ力を、ブレーキシステム内の第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるように構成される。第2のブレーキライン120は、ブレーキ力を、ブレーキシステム内の第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるように構成される。第1の制御弁111は、第1のブレーキライン110の接続/遮断状態を制御するために、第1のブレーキライン110に配置される。第2の制御弁121は、第2のブレーキライン120の接続/遮断状態を制御するために、第2のブレーキライン120に配置される。
第1の油圧チャンバ16は、ブレーキシステム内の第3のブレーキライン130を介して、第2のブレーキライン120に接続され、第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120との間の接続部は、第2の制御弁121の第2の端部に接続される。第1の油圧チャンバ16は、ブレーキ力を第2のブレーキライン120を介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。第1の制御弁111と第2の制御弁121との両方が閉状態にあるとき、第3のブレーキライン130は、第2のブレーキライン120を介して第1のブレーキライン110に接続される。第1の油圧チャンバ16は、ブレーキ力を第1のブレーキライン110を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2の制御弁121の第2の端部は、第2の制御弁121の端部であって、ブレーキシステムにおける第2の車輪シリンダ26および27のグループに接続される、端部である。
しかしながら、図4に示されるブレーキシステムでは、第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120との間の接続部が、第2の制御弁121の第2の端部に接続されるので、逆方向加圧プロセスでは、第1の制御弁111の閉開を制御することだけによって、第1の油圧チャンバ16がブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29に与えるか否かが、制御され得る。しかしながら、第1の油圧チャンバ16がブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるか否かは、第2の制御弁121によって制御され得ない。このようにして、ブレーキ液の漏れが、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるブレーキ回路(例えば、第2のブレーキライン120)に生じたとき、逆方向加圧プロセスでは、ブレーキ液は、漏れがあったブレーキ回路からブレーキシステムの外に流れる。その結果、逆方向加圧プロセスでは、ブレーキシステム全体が、加圧され得ず、車両の運転安全性が、低下される。
前述の問題を回避するために、本出願は、新規の油圧制御ユニットを提供し、すなわち、第3のブレーキライン130と第2のブレーキ回路120との間の接続部が、第2の制御弁121の第2の端部から、第2の制御弁121の第1の端部に移される。このようにして、第1の油圧チャンバ16がブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるか否かを、第2の制御弁121は制御し得、これにより、油圧制御装置が、順方向加圧プロセスまたは逆方向加圧プロセスのいずれかにあるとき、2系統ブレーキシステム内の任意のブレーキ回路は、別々に加圧され得る。
図5は、本出願の一実施形態による、油圧制御ユニットの概略図である。図5に示される油圧制御ユニット500は、双方向加圧機能を有する油圧制御装置10と、第1のブレーキライン110と、第2のブレーキライン120と、第3のブレーキライン130と、第1の制御弁111と、第2の制御弁121と、を含む。
双方向加圧機能を有する油圧制御装置10によれば、油圧制御装置10は、第1の油圧チャンバ16と、第2の油圧チャンバ17と、を含む。
第2の油圧チャンバ17は、第4のブレーキライン140に接続され、第4のブレーキライン140は、第1の制御弁111の第1の端部と、第2の制御弁121の第1の端部と、を接続する。第1の制御弁111は、第1のブレーキライン110に配置され、第1のブレーキライン110の接続/遮断状態を制御するように構成される。第2の制御弁121は、第2の制御ライン120に配置され、第2のブレーキライン120の接続/遮断状態を制御するように構成される。第1のブレーキライン110は、第1の車輪シリンダ28および29のグループにおいて、ブレーキ液の圧力を調整するように構成され、第2のブレーキライン120は、第2の車輪シリンダ26および27のグループにおいて、ブレーキ液の圧力を調整するように構成される。
第1の油圧チャンバ16は、第3のブレーキライン130を介して第4のブレーキライン140に接続される。
第2の制御弁121の第1の端部は、油圧制御装置10内のブレーキ液が加圧プロセスで第2の制御弁121に流れる端部と理解されてもよい。これに対応して、油圧制御装置10内のブレーキ液が第2の制御弁121から流れる端部は、第2の制御弁121の第2の端部と呼ばれ得る。
第1の制御弁111の第1の端部は、油圧制御装置10内のブレーキ液が加圧プロセスで第1の制御弁111に流れる端部と理解されてもよい。これに対応して、油圧制御装置10内のブレーキ液が第1の制御弁111から流れる端部は、第1の制御弁111の第2の端部と呼ばれ得る。
本出願の本実施形態では、第2の油圧チャンバ17または第1の油圧チャンバ16は、ブレーキ力を、第1の制御弁111が設けられた第1のブレーキライン110を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え、ブレーキ力を、第2の制御弁121が設けられた第2のブレーキライン120を介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。これは、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120に対する別々の加圧の実施に役立ち、車両の運転安全性を向上させる。これは、従来技術では、第1の油圧チャンバ16が第1のブレーキライン110を介して第1の車輪シリンダ28および29のグループを別々に加圧し得ないことを回避する。
別の態様によれば、第1の油圧チャンバ16および第2の油圧チャンバ17は、2系統ブレーキシステム内の任意のブレーキ回路に別々の加圧を実施するように、第1の制御弁111および第2の制御弁121を再利用する。これは、2系統ブレーキシステム内の制御弁の数の低減に役立ち、ブレーキシステムのコストを削減する。
さらに別の態様によれば、第4のブレーキライン140が、第1の制御弁111の第1の端部と、第2の制御弁121の第1の端部と、を接続するので、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120内のブレーキ液の圧力は、第4のブレーキラインを介して、さらに釣合いを取られてもよい。
任意選択で、第1の油圧チャンバ16は、第3のブレーキライン130を介して第2のブレーキライン120に接続される。第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120との間の接続部は、第2の制御弁121の第1の端部に接続され、その接続部は、第4のブレーキライン140に接続される。
第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120との間の接続部は、第2の制御弁121の第1の端部に接続される。第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120との間の接続部が第4のブレーキライン140に接続されることは、第1の油圧チャンバ16が第3のブレーキライン130を介して第2のブレーキライン120に接続され得ること、ならびに第2のブレーキライン120が第2の車輪シリンダ26および27のグループにおけるブレーキ液の圧力を調整することと理解されてもよい。第1の油圧チャンバ16は、第3のブレーキライン130を介して第4のブレーキライン140に接続され、次いで、第4のブレーキライン140を介して第1のブレーキライン110に接続されてもよく、第1の車輪シリンダ28および29のグループにおけるブレーキ液の圧力は、第1のブレーキライン110を介して調整される。
あるいは、第1の車輪シリンダ28および29のグループは、自動車の右前輪の車輪シリンダと、左前輪の車輪シリンダと、を含んでもよく、第2の車輪シリンダ26および27のグループは、自動車の右後輪の車輪シリンダと、左後輪の車輪シリンダと、を含んでもよい。この場合、油圧ブレーキユニットは、自動車内にH字形に配置されると理解され得る。あるいは、第1の車輪シリンダ28および29のグループは、自動車の右前輪の車輪シリンダと、左後輪の車輪シリンダと、を含んでもよく、第2の車輪シリンダ26および27のグループは、自動車の右後輪の車輪シリンダと、左前輪の車輪シリンダと、を含んでもよい。この場合、油圧ブレーキユニットは、自動車内にX字形に配置されると理解され得る。
上述したように、第2の油圧チャンバ17は、第4のブレーキライン140に接続されてもよい。逆方向加圧プロセスでは、第3のブレーキライン130のブレーキ液の一部が、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、第3のブレーキライン130のブレーキ液の他の一部は、第4のブレーキライン140を通って第2の油圧チャンバ17に流れる。このようにして、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液と第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液との圧力差は、駆動装置15によって、ピストン12の移動を駆動する動力消費を低減するように、小さくされ得る。しかし、ブレーキ液の一部が、第2の油圧チャンバ17に到達するので、第1の油圧制御装置16によるブレーキシステムへの加圧の効率が、影響される可能性がある。
前述の問題を回避するために、第3のブレーキライン130内のブレーキ液が、第2の油圧チャンバ17に流れ得るか否かを制御するために、第3の制御弁151または一方向弁152は、第2の油圧チャンバ17と第4のブレーキライン140との間に配置されてもよい。
図5を参照されたい。第2の油圧チャンバ17は、第5のブレーキライン150を介して第4のブレーキライン140に接続され、第3の制御弁151は、第5のブレーキライン150の接続および遮断を制御するために、第5のブレーキライン150に配置される。このようにして、逆方向加圧プロセスでは、第3の制御弁151は、開状態に制御されて、第5のブレーキライン150を遮断し得る。このようにして、第3のブレーキライン130内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120および/または第1のブレーキライン110を通って、車輪シリンダ26および27と、28および29と、に流れ得る。もちろん、一方向弁もまた、ブレーキ液が、第2の油圧チャンバ17から第4のブレーキライン150に流れ得るように、第5のブレーキライン140に配置され得、ブレーキ液が第4のブレーキライン140から第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止し得る。
一般に、第3の制御弁151が不具合のために開状態にあり、第2の油圧チャンバ17がブレーキ力をブレーキシステムに与え得ないことを回避するために、第3の制御弁151および一方向弁152は、第5のブレーキラインに並列に配置されてもよく、または一方向弁152は、第3の制御弁151の両端部に並列に接続される。一方向弁152は、ブレーキ液が第2の油圧チャンバ17から第4のブレーキライン140に流れることを可能にし、ブレーキ液が第4のブレーキライン140から第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止する。
油圧制御ユニット500では、第3の制御弁151が不具合を起こし、常に開状態にあるとき、油圧制御装置10は、ブレーキシステムを減圧し得ず、それによって、ブレーキシステムの冗長性能を制限する。ブレーキシステムの冗長性能を向上させるために、本出願の一実施形態は、油圧制御ユニット600をさらに提供する。具体的には、第6のブレーキライン160および第7のブレーキライン170は、第2の油圧チャンバ17と第4のブレーキライン140との間に配置され、ブレーキシステムの冗長性能を向上させる。
図6は、本出願の一実施形態による、油圧制御ユニット600の概略図である。図6に示される油圧制御ユニット600では、油圧制御ユニット500と同一の機能を有する構成要素は同一の番号を使用することに留意されたい。構成要素の具体的な機能については、前述の説明を参照されたい。簡潔にするために、詳細は、以下では説明されない。
第2の油圧チャンバ17は、第6のブレーキライン160を介して第1のブレーキライン110に接続され、第4の制御弁161は、第6のブレーキライン160の接続および遮断を制御するために、第6のブレーキライン160に配置される。第2の油圧チャンバ17は、第7のブレーキライン170を介して第2のブレーキライン120に接続され、第5の制御弁171が、第7のブレーキライン170の接続および遮断を制御するために、第7のブレーキライン170に配置される。
このようにして、第4の制御弁161または第5の制御弁171のいずれかが故障したとき、正常に動作するもう一方の制御弁は、ブレーキ力を、ブレーキシステム全体に、またはブレーキシステム内のブレーキ回路に与えるように、油圧制御装置10を支援し得る。以下では、一実施例としてジャミング故障を使用する。不具合の別のタイプは、ブレーキシステムが以下に説明されるときに、詳細に説明される。
第4の制御弁161または第5の制御弁171が、ジャミング故障を有し、常に開状態にあるとき、正常に動作し得る第4の制御弁161または第5の制御弁171は、双方向加圧または減圧機能を実施するために、油圧制御装置10と引き続き協働し得る。
例えば、第4の制御弁161が、ジャミング故障を有し、第5の制御弁171は、正常に動作している場合、順方向加圧機能を実施するために、油圧制御装置10は、第5の制御弁171を閉状態に制御してもよい。このようにして、ブレーキシステム全体またはブレーキシステム内のブレーキ回路にブレーキ力を与えるように、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第5の制御弁171が配置されている第7のブレーキライン170を通って、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120に流れ得る。
別の実施例として、第5の制御弁171が、ジャミング故障を有し、第4の制御弁161は正常に動作して、順方向加圧機能を実施する場合、油圧制御装置10は、第4の制御弁161を閉状態に制御してもよい。このようにして、ブレーキ力を、ブレーキシステム全体、またはブレーキシステム内のブレーキ回路に与えるように、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第4の制御弁161が配置されている第6のブレーキライン160を通って、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120に流れ得る。
本出願の本実施形態では、第2の油圧チャンバ17は、第6のブレーキライン160を介して第1のブレーキライン110に接続され、第7のブレーキライン170を介して第2のブレーキライン120に接続され、第6のブレーキライン160および第7のブレーキライン170を介して冗長ブレーキラインを形成して、ブレーキシステムの冗長性能を向上させる。
油圧制御ユニット600では、第1の制御弁111および第4の制御弁161は共に、第1の車輪シリンダ28および29のグループに対応するブレーキラインの接続および遮断を制御する。このようにして、第4の制御弁161が故障したとき、第1の制御弁111は、ブレーキシステム全体を加圧するために、またはブレーキ力をブレーキシステム内のブレーキ回路に与えるために、油圧制御装置10とさらに協働してもよい。これに対応して、第2の制御弁121および第5の制御弁171は共に、第2の車輪シリンダ26および27のグループに対応するブレーキラインの接続および遮断を制御する。このようにして、第5の制御弁171が故障したとき、第2の制御弁121は、ブレーキシステム全体を加圧するために、またはブレーキ力をブレーキシステム内のブレーキ回路に与えるために、油圧制御装置10とさらに協働してもよい。
本出願の実施形態における油圧制御装置と2系統ブレーキシステムとの間の接続方法が、図5および図6を参照して上述されている。油圧制御装置と液体リザーバ30との間の接続方法は、図7および図8を参照して以下に説明される。理解を容易にするために、以下では、油圧制御装置10を一実施例として使用することによって、油圧制御装置10と液体リザーバ30との間の接続方法を説明することを理解されたい。
接続方法1:第2の油圧チャンバ17には、液体リザーバ30に接続された液体入口ライン1 173が設けられ、第1の油圧チャンバ16には、液体リザーバ30に接続される液体入口ラインが設けられない。
図7は、本出願の一実施形態による、液体リザーバ30と油圧制御装置10との間の接続方法1の概略図である。図7に示される油圧制御ユニット700では、一方向弁174が、液体入口ライン1に配置され、一方向弁174は、液体入口ライン1内のブレーキ液が液体リザーバ30から第2の油圧チャンバ17に流れることを可能にする。第1の油圧チャンバ16の第1の油圧制御ポート(「液体出口」とも呼ばれる)14aは、第1の液体出口ライン180に接続される。
これに対応して、第2の制御弁121が、閉状態にあるとき、油圧制御装置10の順方向加圧モードでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液のある一部は、2系統ブレーキシステムに流れ、ある一部は、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16に流れる。すなわち、順方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16の液体入口ラインは、第3のブレーキライン130である。
減圧プロセスでは、ピストン12が順方向に移動すると、2系統ブレーキシステム内のブレーキ液は、第2の油圧チャンバ17内に圧送される。ピストン12が内死点に移動した後、2系統ブレーキシステム内の残りのブレーキ液は、第1の液体出口ライン180を通って液体リザーバ30に流れる。
接続方法2:第1の油圧チャンバ16には、液体リザーバ30に接続される液体入口ライン2 190が設けられ、第2の油圧チャンバ17には、液体リザーバ30に接続される液体入口ライン1 173が設けられる。
図8は、本出願の一実施形態による、液体リザーバ30と油圧制御装置10との間の接続方法2の概略図である。図8に示されるように、油圧制御ユニット800は、液体入口ライン1に一方向弁174が設けられ、一方向弁174は、液体入口ライン1内のブレーキ液が液体リザーバ30から第2の油圧チャンバ17に流れることを可能にする。第1の油圧チャンバ16の第1の油圧制御ポート(「液体出口」とも呼ばれる)14aは、第1の液体出口ライン180に接続される。
一方向弁191は、液体入口ライン2 190に配置される。一方向弁191は、液体入口ライン2内のブレーキ液が液体リザーバ30から第1の油圧チャンバ16に流れることを可能にし、液体入口ライン2内のブレーキ液が第1の油圧チャンバ16から液体リザーバ30に流れることを防止する。
これに対応して、第2の制御弁121が閉状態にあるとき、油圧制御装置10の順方向加圧モードでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液のある一部は、2系統ブレーキシステムに流れ、ある一部は、第2の制御弁121を通って第3のブレーキライン130に流れ、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16に流れる。すなわち、順方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16の液体入口ラインは、第3のブレーキライン130である。
順方向減圧プロセスでは、ピストン12が順方向に移動すると、2系統ブレーキシステム内のブレーキ液は、第2の油圧チャンバ17内に圧送される。ピストン12が内死点に移動した後、2系統ブレーキシステム内の残りのブレーキ液は、第1の液体出口ライン180を通って液体リザーバ30に流れる。
接続方法3:第1の油圧チャンバ16には、液体リザーバ30に接続されたブレーキライン910が設けられ、第2の油圧チャンバ17には、液体リザーバ30に接続された液体入口ライン1 173が設けられる。ブレーキライン910は、第1の油圧チャンバ16の液体入口ラインまたは液体出口ラインとして使用されてもよい。油圧制御装置は、第1の油圧制御ポート14aおよび第2の油圧制御ポート13aなどが設けられていない従来の油圧制御装置である。
図9は、本出願の一実施形態による、液体リザーバ30と油圧制御装置913との間の接続方法3の概略図である。別の油圧制御装置913の構造が油圧制御ユニット900に示されていることに留意されたい。油圧制御装置913の構造は、油圧制御装置10の構造と若干異なる。しかしながら、簡潔にするために、双方向加圧機能の実施態様のタイプは、以下では詳細に説明されない。
図9に示されるように、油圧制御ユニット900は、一方向弁174が液体入口ライン1 173に設けられ、一方向弁174は、液体入口ライン1のブレーキ液が液体リザーバ30から第2の油圧チャンバ17に流れることを可能にする。
第1の油圧チャンバ16は、ブレーキライン910を介して液体リザーバ30に接続される。制御弁912は、ブレーキライン910の接続および遮断を制御するために、ブレーキライン910に配置される。また、一方向弁911が、制御弁912の両端部に、並列に接続される。一方向弁911は、ブレーキ液が液体リザーバ30から第1の油圧チャンバ16に流れることを可能にし、ブレーキ液が第1の油圧チャンバ16から液体リザーバ30に流れることを阻止する。
順方向加圧プロセスでは、制御弁912は、開状態に制御され得、これにより、液体リザーバ30内のブレーキ液は、一方向弁911を通って第1の油圧チャンバ16に流れる。これは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液と、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液と、の圧力差を小さくする。
逆方向加圧プロセスでは、制御弁912は、開状態に制御され得、これにより、液体リザーバ30内のブレーキ液は、一方向弁911を通って第1の油圧チャンバ16に流れ、ブレーキ液は、第1の油圧チャンバ16を通って、ブレーキシステム内の車輪シリンダに押し出される。
油圧制御ユニット900では、一方向弁911が、不具合を起こして、常に開状態にある場合、制御弁912の閉/開状態は、双方向加圧機能を実施するために、油圧制御装置と協働して制御され得る。例えば、一方向弁911が、不具合を起こして、常に開状態にあるとき、順方向加圧プロセスでは、制御弁912は、閉状態に制御されてもよく、これにより、ブレーキ液は、液体リザーバ30から第1の油圧チャンバ16に流れる。これは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液と、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液と、の圧力差を小さくする。別の実施例として、一方向弁911が、不具合を起こして、常に開状態にあるとき、逆方向加圧プロセスでは、制御弁912は、閉状態に制御されてもよく、これにより、ブレーキ液は、液体リザーバ30から第1の油圧チャンバ16に流れ、ブレーキ液は、第1の油圧チャンバ16を通ってブレーキシステム内の車輪シリンダに押し出される。
油圧制御装置10と2系統ブレーキラインとの間の接続方法および油圧制御装置10と液体リザーバ30との間の接続方法は、図5から図9を参照して上述されている。上述して示された油圧制御ユニット500および600は、油圧制御ユニット700から900と任意に組み合わされてもよい。以下では、油圧制御ユニット500が油圧制御ユニット800と組み合わされ、油圧制御ユニット500が油圧制御ユニット900と組み合わされ、油圧制御ユニット600が油圧制御ユニット800と組み合わされ、油圧制御ユニット600が油圧制御ユニット900と組み合わされる一実施例を使用することによって、複数の不具合事例におけるブレーキシステムの冗長解決策を説明する。
以下に示されるブレーキシステムでは、ブレーキペダルを踏むことによって運転者によってトリガされる手動ブレーキモード、ブレーキペダルを踏むことによって運転者によってトリガされるブレーキバイワイヤモード、および自動運転シナリオにおける運転者なしブレーキモードも、実施され得ることに留意されたい。前述の手動ブレーキモードにおけるブレーキプロセスの原理は、既存のブレーキシステムにおける手動ブレーキモードにおけるブレーキプロセスの原理と同様である。簡潔にするために、詳細は再度説明されない。以下では、複数の不具合モードにおけるブレーキシステムの冗長解決策を、主に説明する。
理解を容易にするために、ブレーキシステムにおける4つの一般的な不具合モードが、最初に紹介される。漏出不具合モード1では、ブレーキ液の漏れが、ブレーキシステム内のブレーキ回路において発生する。ジャミング不具合モード2では、ブレーキシステム内の1つまたは複数の制御弁が、ジャミング故障を有し、ジャミング故障を有する制御弁を常に開状態にする。閉鎖不具合モード3では、ブレーキシステム内の1つまたは複数の制御弁が、閉鎖故障を有し、閉鎖故障を有する制御弁を常に閉状態にする。複合不具合モード4では、ブレーキシステムにおける不具合モードは、上記3つの故障モードのうちのいずれか2つを含む。
以下では、図10を参照して、油圧制御ユニット500と油圧制御ユニット800とを組み合わせることによって形成されるブレーキシステム1000を説明する。図10は、本出願の一実施形態による、ブレーキシステムの概略図である。ブレーキシステム1000では、マスタシリンダ加圧および制御ユニット1010によって実施される機能は、運転者の関与を必要とする手動ブレーキモードおよびブレーキバイワイヤモードである。
マスタシリンダ加圧および制御ユニット1010により、運転者は、ブレーキペダル1019を踏み込み、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液を、制御弁1013が配置されたブレーキラインを通って、ペダル・フィール・シミュレータ1012に流させる。ブレーキバイワイヤモードでは、制御弁1015および制御弁1016が、開状態にあり、これに対応して、油圧制御装置10は、ペダル・ストローク・センサ1018によって検出されたペダルストロークに、または圧力センサ1014によって検出されたブレーキ液の圧力に基づいて、ブレーキ力を2系統ブレーキシステムに与える。手動ブレーキモードでは、制御弁1015および制御弁1016は、閉状態にあり、ブレーキ液は、ブレーキライン162およびブレーキライン150を通って、ブレーキ力を車輪シリンダ26、27、28、および29に与える。
油圧制御装置10は、双方向加圧モードでは、順方向加圧プロセスと、逆方向加圧プロセスと、に分けられ得る。
順方向加圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および液体入口弁1020が、閉状態にあり、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1030、ならびに第3の制御弁151が、開状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120を通って、ブレーキライン163およびブレーキライン162のそれぞれに押し出され、ブレーキライン163を通って、車輪シリンダ28および29に押し出され、ブレーキライン162を通って、車輪シリンダ26および27に押し出される。
ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、ブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16にさらに入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。また、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン2 190を通って第1の油圧チャンバ16にさらに入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および液体入口弁1020が、閉状態にあり、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、液体出口弁1030、ならびに第3の制御弁151が、開状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部が、接続された第3のブレーキライン130と第4のブレーキライン140とを通って、第1のブレーキライン110に押し出され、次いで、第1のブレーキライン110からブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。ブレーキ液が第4のブレーキライン140に流れるプロセスでは、第3の制御弁151が開状態にあるので、第4のブレーキライン140のブレーキ液は、第5のブレーキライン150を通って第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止される。これは、逆方向加圧の効率の向上に役立つ。
第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の他の一部は、接続された第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120とを通って、第2のブレーキライン120に入り、第2の制御弁121を通って第1のブレーキライン110に入り、最終的に、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
また、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って第2の油圧チャンバ17にさらに入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減するように、第2の油圧チャンバ17および第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の圧力を低減させる。
油圧制御装置10の減圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、液体入口弁1020、ならびに車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する液体出口弁1030は、開状態にあり、第3の制御弁151、第1の制御弁111、および第2の制御弁121は、閉状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、車輪シリンダ26、27、28、および29内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120のそれぞれを通って、第2の油圧チャンバ17に圧送され、第2の油圧チャンバ17に貯留される。
ピストン12が、ピストンストローク中に、内死点に移動した後、第2の油圧チャンバ17の容積は最大である。この場合、第2の油圧チャンバ17は、さらに多くのブレーキ液を収容し得ない。第1の車輪シリンダ28および29のグループ内の残りのブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通って第4のブレーキライン140に流れ続け、第4のブレーキライン140を通って第3のブレーキライン130に流れ、第3のブレーキライン130および第1の油圧チャンバ16を通って第1の液体出口ライン180に流れ、最後に第1の液体出口ライン180を通って液体リザーバ30に流れ得る。
これに対応して、第2の車輪シリンダ26および27のグループ内の残りのブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通って第3のブレーキライン130に流れ、第3のブレーキライン130を通って第2の油圧チャンバ17に流れ、第1の液体出口ライン180を通って液体リザーバ30に流れ得る。
以下では、上述した四つの不具合モードを参照して、各不具合モードにおけるブレーキシステム1000の冗長性能を説明する。
1.漏出不具合モードでは、ブレーキシステム1000は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
ブレーキ回路1040が不具合を起こしたと仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1050に与え得る。
この場合、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第2の制御弁121、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1030は、開状態にあり、第3の制御弁151および第1の制御弁111は、閉状態にある。
この場合、車輪シリンダ28および29に対応する液体出口弁1030の閉/開状態はブレーキシステムのブレーキ性能に影響しないことに留意されたい。
順方向加圧プロセスでは、駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキライン163を通って車輪シリンダ28および29に押し出される。第2のブレーキライン120では、第2の制御弁121が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通過し得ない。
また、ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン2 190を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、第3の制御弁151は、開状態に制御される必要がある。駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2のブレーキライン120では、第2の制御弁121が、開状態にあるので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ得ない。
ブレーキ回路1050が不具合を起こしたと仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1040に与え得る。
この場合、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1030は、開状態にあり、第3の制御弁151および第2の制御弁121は、閉状態にある。この場合、車輪シリンダ26および27に対応する液体出口弁1030の閉/開状態はブレーキシステムのブレーキ性能に影響しないことに留意されたい。
順方向加圧プロセスでは、駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液を第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に押し出し、ブレーキ液を、ブレーキライン162を通って車輪シリンダ26および27に押し出すように、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮する。第1のブレーキライン110では、第1の制御弁111が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通過し得ない。
また、ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン2 190を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。また、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、第2のブレーキライン120内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って、第1の油圧チャンバ16にさらに入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、第3の制御弁151は、開状態に制御される必要がある。駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2のブレーキライン120では、第2の制御弁121が、開状態にあるので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ得ない。
また、ピストン12が第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って第2の油圧チャンバ17に入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
2.制御弁ジャミング不具合モードでは、ブレーキシステム1000は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
第3の制御弁151がジャミング不具合を有していると仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介して、ブレーキ回路1050および/またはブレーキ回路1040に引き続き与え得る。この場合、順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、一方向弁152を通って第4のブレーキライン140に流れ、第1の制御弁111および第2の制御弁121の閉/開状態に基づいて、ブレーキ力を、第1の車輪シリンダ28および29のグループに、または第2の車輪シリンダ26および27のグループに、与えるか否かを決定してもよい。
これに対応して、第3の制御弁151のジャミング不具合は、油圧制御装置10の逆方向加圧プロセスに影響しない。逆方向加圧プロセスは、上述されている。簡潔にするため、詳細は、ここでは再度説明されない。
第1の制御弁111がジャミング不具合を有し、第2の制御弁121が正常に動作していると仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1040に引き続き与え得る。この場合、第2の制御弁121は、閉状態に制御される。順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、一方向弁152を通って第4のブレーキライン140に流れ、第2の制御弁121を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキライン162を通って、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。
これに対応して、逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第2の制御弁121を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキライン162を通って、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。
第2の制御弁121がジャミング不具合を有し、第1の制御弁111が正常に動作していると仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1050に引き続き与え得る。この場合、第1の制御弁111は、閉状態に制御される。順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、一方向弁152を通って第4のブレーキライン140に流れ、第1の制御弁111を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え得る。
これに対応して、逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第1の制御弁111を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え得る。
3.制御弁閉鎖不具合モードでは、閉鎖不具合モードの制御弁は、開モードにされ得ない。したがって、ブレーキ力が、故障を有する制御弁を介して、ブレーキシステムに継続的に与えられ得るだけである。
第1の制御弁111が接続に不具合を起こし、第2の制御弁121が正常に動作していると仮定されると、油圧制御装置10は、第1の制御弁111を開状態に制御し得ない。したがって、第2の制御弁121を制御するだけで、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるか否かが、決定され得る。
第2の制御弁121が接続に不具合を起こし、第1の制御弁111が正常に動作していると仮定されると、油圧制御装置10は、第2の制御弁121を開状態に制御し得ない。したがって、第1の制御弁111を制御するだけで、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるか否かが、決定され得る。
第3の制御弁151が接続に不具合を起こし、第1の制御弁111および第2の制御弁121が正常に動作していると仮定されると、双方向加圧プロセスでは、油圧制御装置10は、第1の制御弁111および第2の制御弁121の閉開に基づいて、ブレーキ力をブレーキ回路1040および/またはブレーキ回路1050に与えるように、決定し得る。しかし、逆方向加圧プロセスでは、第3の制御弁151が、接続に不具合を起こしているので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第4のブレーキライン140に流れた後、第5のブレーキラインを通って第2の油圧チャンバ17に流れる。これは、逆方向加圧効率を、ある程度低下させる。
4.複合不具合モードでは、ブレーキシステム1000は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
第1の制御弁111または第2の制御弁121が閉鎖不具合モードにあり、漏れが閉鎖不具合モードの制御弁に対応するブレーキ回路に発生したと仮定されると、ブレーキシステム1000は、手動ブレーキモードにおいて、漏れのないブレーキ回路にブレーキをかけさせてもよい。
例えば、第1の制御弁111が、閉鎖不具合モードにあり、漏れが、ブレーキ回路1050に発生したとき、制御弁1016および第2の制御弁121は、開状態に制御されてもよく、制御弁1015は、閉状態に制御されてもよい。このようにして、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液は、ブレーキライン162を通って第2の車輪シリンダ26および27のグループに流れ得る。
別の実施例として、第2の制御弁121が、閉鎖不具合モードにあり、漏れが、ブレーキ回路26および27に発生したとき、制御弁1015および第1の制御弁111は、開状態に制御されてもよく、制御弁1016は、閉状態に制御されてもよい。このようにして、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液は、ブレーキライン163を通って第1の車輪シリンダ28および29のグループに流れ得る。
第1の制御弁111と第2の制御弁121とが同時にジャミング不具合を起こさない限り、油圧制御装置10は、ブレーキシステム全体を減圧し得ることに留意されたい。
以下では、図11を参照して、油圧制御ユニット500と油圧制御ユニット900とを組み合わせることによって形成されるブレーキシステム1100を説明する。図11は、本出願の一実施形態による、ブレーキシステムの概略図である。ブレーキシステム1100では、マスタシリンダ加圧および制御ユニット1010によって実施される機能は、運転者の関与を必要とする手動ブレーキモードおよびブレーキバイワイヤモードである。
マスタシリンダ加圧および制御ユニット1010により、運転者は、ブレーキペダル1019を踏み込み、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液を、制御弁1013が配置されたブレーキラインを通ってペダル・フィール・シミュレータ1012に流させる。ブレーキバイワイヤモードでは、制御弁1015および制御弁1016が、開状態にあり、これに対応して、油圧制御装置913が、ペダル・ストローク・センサ1018によって検出されたペダルストロークまたは圧力センサ1014によって検出されたブレーキ液の圧力に基づいて、ブレーキ力を2系統ブレーキシステムに与える。手動ブレーキモードでは、制御弁1015および制御弁1016は、閉状態にあり、ブレーキ液は、ブレーキライン162およびブレーキライン150を通って、ブレーキ力を車輪シリンダ26、27、28、および29に与える。
油圧制御装置913は、双方向加圧モードにおいて、順方向加圧プロセスと、逆方向加圧プロセスと、に分けられ得る。
順方向加圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および液体入口弁1020は、閉状態にあり、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1030、ならびに第3の制御弁151は、開状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120を通って、ブレーキライン163およびブレーキライン162にそれぞれ押し出され、ブレーキライン163を通って、車輪シリンダ28および29に押し出され、ブレーキライン162を通って車輪シリンダ26および27に押し出される。
ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、ブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16にさらに入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。また、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン2 190を通って第1の油圧チャンバ16にさらに入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および液体入口弁1020は、閉状態にあり、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、液体出口弁1030、ならびに第3の制御弁151は、開状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、接続された第3のブレーキライン130と第4のブレーキライン140とを通って、第1のブレーキライン110に押し出され、次いで、第1のブレーキライン110からブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。ブレーキ液が、第4のブレーキライン140を通って流れるプロセスでは、第3の制御弁151が、開状態にあるので、第4のブレーキライン140のブレーキ液が第5のブレーキライン150を通って第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止される。これは、逆方向加圧の効率の向上に役立つ。
第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の他の一部は、接続された第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120とを通って、第2のブレーキライン120に入り、第2の制御弁121を通って第1のブレーキライン110に入り、最終的に、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
また、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って、第2の油圧チャンバ17にさらに入り、第2の油圧チャンバ17を補充し、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減するように、第2の油圧チャンバ17および第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の圧力を低減させ得る。
油圧制御装置913の減圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、液体入口弁1020、ならびに車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する液体出口弁1030は、開状態にあり、第3の制御弁151、第1の制御弁111、制御弁912、および第2の制御弁121は、閉状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、車輪シリンダ26、27、28、および29内のブレーキ液の一部は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120のそれぞれを通って、第2の油圧チャンバ17に圧送され、第2の油圧チャンバ17に貯留される。
同時に、車輪シリンダ26、27、28、および29内のブレーキ液の他の一部は、第2のブレーキライン120または第4のブレーキライン140を通過した後、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16に流れ、ブレーキライン910を通って液体リザーバ30に流れる。
油圧制御装置913に基づく上記の減圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16と第2の油圧チャンバ17との間に圧力差があるので、第2の油圧チャンバ17に貯留されたブレーキ液の少なくとも一部は、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16にも流れ、ブレーキライン910を通って液体リザーバ30に流れることに留意されたい。
以下では、上述した4つの不具合モードを参照して、各不具合モードにおけるブレーキシステム1100の冗長性能を説明する。
1.漏出不具合モードでは、ブレーキシステム1100は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
ブレーキ回路1040が不具合を起こしたと仮定されると、油圧制御装置913は、双方向加圧プロセスを介して、ブレーキ力をブレーキ回路1050に与え得る。
この場合、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第2の制御弁121、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1030は、開状態にあり、第3の制御弁151、および第1の制御弁111は、閉状態にある。
この場合、車輪シリンダ28および29に対応する液体出口弁1030の閉/開状態はブレーキシステムのブレーキ性能に影響しないことに留意されたい。
順方向加圧プロセスでは、駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキライン163を通って車輪シリンダ28および29に押し出される。第2のブレーキライン120では、第2の制御弁121が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通過し得ない。
ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、ブレーキライン910を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、第3の制御弁151は、開状態に制御される必要がある。駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2のブレーキライン120では、第2の制御弁121が、開状態にあるので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ得ない。
また、ピストン12が第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って第2の油圧チャンバ17に入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
ブレーキ回路1050が不具合を起こしたと仮定されると、油圧制御装置913は、双方向加圧プロセスを介してブレーキ力をブレーキ回路1040に与え得る。
この場合、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1030は、開状態にあり、第3の制御弁151および第2の制御弁121は、閉状態にある。この場合、車輪シリンダ26および27に対応する液体出口弁1030の閉/開状態はブレーキシステムのブレーキ性能に影響しないことに留意されたい。
順方向加圧プロセスでは、駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液を第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に押し出し、ブレーキ液を、ブレーキライン162を通って車輪シリンダ26および27に押し出すように、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮する。第1のブレーキライン110では、第1の制御弁111が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通過し得ない。
また、ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、ブレーキライン910を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。また、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、第2のブレーキライン120内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って、第1の油圧チャンバ16にさらに入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、第3の制御弁151は、開状態に制御される必要がある。駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に押し出され、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2のブレーキライン120では、第2の制御弁121が、開状態にあるので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ得ない。
また、ピストン12が第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って第2の油圧チャンバ17に入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
2.制御弁ジャミング不具合モードでは、ブレーキシステム1100は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
第3の制御弁151がジャミング不具合を有していると仮定されると、油圧制御装置913は、双方向加圧プロセスを介して、ブレーキ力をブレーキ回路1050および/またはブレーキ回路1040に引き続き与え得る。この場合、順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、一方向弁152を通って第4のブレーキライン140に流れ、第1の制御弁111および第2の制御弁121の閉/開状態に基づいて、ブレーキ力を、第1の車輪シリンダ28および29のグループに、または第2の車輪シリンダ26および27のグループに、与えるか否かを決定してもよい。
これに対応して、第3の制御弁151のジャミング不具合は、油圧制御装置913の逆方向加圧プロセスに影響しない。逆方向加圧プロセスは、上述されている。簡潔にするため、詳細は、ここでは再度説明されない。
第1の制御弁111がジャミング不具合を有し、第2の制御弁121が正常に動作していると仮定されると、油圧制御装置913は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1040に引き続き与え得る。この場合、第2の制御弁121は、閉状態に制御される。順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、一方向弁152を通って第4のブレーキライン140に流れ、第2の制御弁121を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキライン162を通って、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。
これに対応して、逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第2の制御弁121を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキライン162を通って、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。
第2の制御弁121がジャミング不具合を有し、第1の制御弁111が正常に動作していると仮定されると、油圧制御装置913は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1050に引き続き与え得る。この場合、第1の制御弁111は、閉状態に制御される。順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、一方向弁152を通って第4のブレーキライン140に流れ、第1の制御弁111を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え得る。
これに対応して、逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第1の制御弁111を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキライン163を通って、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え得る。
3.制御弁閉鎖不具合モードでは、閉鎖不具合モードの制御弁は、開モードにされ得ない。したがって、ブレーキ力が、故障を有する制御弁を介して、ブレーキシステムに継続的に与えられ得るだけである。
第1の制御弁111が接続に不具合を起こし、第2の制御弁121が正常に動作していると仮定されると、油圧制御装置913は、第1の制御弁111を開状態に制御し得ない。したがって、第2の制御弁121を制御するだけで、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるか否かが、決定され得る。
第2の制御弁121が接続に不具合を起こし、第1の制御弁111が正常に動作していると仮定されると、油圧制御装置913は、第2の制御弁121を開状態に制御し得ない。したがって、第1の制御弁111を制御するだけで、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるか否かが、決定され得る。
第3の制御弁151が接続に不具合を起こし、第1の制御弁111および第2の制御弁121が正常に動作していると仮定されると、双方向加圧プロセスでは、油圧制御装置913は、第1の制御弁111および第2の制御弁121の閉開に基づいて、ブレーキ力をブレーキ回路1040および/またはブレーキ回路1050に与えるように、決定し得る。しかし、逆方向加圧プロセスでは、第3の制御弁151が、接続に不具合を起こしているので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第4のブレーキライン140に流れた後、第5のブレーキラインを通って第2の油圧チャンバ17に流れる。これは、逆方向加圧効率を、ある程度低下させる。
4.複合不具合モードでは、ブレーキシステム1100は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
第1の制御弁111または第2の制御弁121が閉鎖不具合モードにあり、漏れが閉鎖不具合モードの制御弁に対応するブレーキ回路に発生したと仮定されると、ブレーキシステム1100は、手動ブレーキモードにおいて、漏れのないブレーキ回路にブレーキをかけさせてもよい。
例えば、第1の制御弁111が、閉鎖不具合モードにあり、漏れが、ブレーキ回路1050に発生したとき、制御弁1016および第2の制御弁121は、開状態に制御されてもよく、制御弁1015は、閉状態に制御されてもよい。このようにして、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液は、ブレーキライン162を通って第2の車輪シリンダ26および27のグループに流れ得る。
別の実施例として、第2の制御弁121が、閉鎖不具合モードにあり、漏れが、ブレーキ回路26および27に発生したとき、制御弁1015および第1の制御弁111は、開状態に制御されてもよく、制御弁1016は、閉状態に制御されてもよい。このようにして、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液は、ブレーキライン163を通って第1の車輪シリンダ28および29のグループに流れ得る。
第1の制御弁111と第2の制御弁121とが同時にジャミング不具合を起こさない限り、油圧制御装置913は、ブレーキシステム全体を減圧し得ることに留意されたい。
以下では、図12を参照して、油圧制御ユニット600と油圧制御ユニット800とを組み合わせることによって形成されるブレーキシステム1200を説明する。図12は、本出願の一実施形態による、ブレーキシステムの概略図である。図12に示されるブレーキシステム1200において、マスタシリンダ加圧および制御ユニット1010によって実施される機能は、図10に示される油圧制御ユニット1010によって実施される機能と同じである。簡潔にするために、詳細は、以下では説明されない。
油圧制御装置10は、双方向加圧モードでは、順方向加圧プロセスと、逆方向加圧プロセスと、に分けられ得る。
順方向加圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、第5の制御弁171、および液体入口弁1120は、閉状態にあり、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1130は、開状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120を通って、ブレーキライン163およびブレーキライン162にそれぞれ押し出され、ブレーキライン163を通って、車輪シリンダ28および29に押し出され、ブレーキライン162を通って車輪シリンダ26および27に押し出される。
ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン2 190を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。また、第5の制御弁171が、開状態にあるので、第2のブレーキライン120内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16に入り得ない。
逆方向加圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および液体入口弁1120は、閉状態にあり、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、第4の制御弁161、第5の制御弁171、および液体出口弁1130は、開状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、接続された第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120とを通って、ブレーキライン162に押し出され、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。
第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の他の一部は、接続された第3のブレーキライン130と第4のブレーキライン140とを通って、第1のブレーキライン110に入り、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に入り、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第4の制御弁161および第5の制御弁171が、開状態にあるので、ブレーキ液は、第5のブレーキライン150および第6のブレーキライン160を通って第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止される。
また、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン2 173を通って第2の油圧チャンバ17にさらに入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減するように、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液と第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液との圧力差を小さくする。
油圧制御装置10の順方向減圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、液体入口弁1120、ならびに車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する液体出口弁1130は、開状態にあり、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171は、閉状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、車輪シリンダ26、27、28、および29内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120のそれぞれを通って、第2の油圧チャンバ17に圧送され、第2の油圧チャンバ17に貯留される。
ピストン12が、ピストンストローク中に、内死点に移動した後、第2の油圧チャンバ17の容積は最大である。この場合、第2の油圧チャンバ17は、さらに多くのブレーキ液を収容し得ず、車輪シリンダ26、27、28、および29内の残りのブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16に流れ続け得る。ピストン12が、ピストンストローク内の内死点に移動するので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1の液体出口ライン180を通って液体リザーバ30に流れ得る。
以下では、上述した4つの不具合モードを参照して、各不具合モードにおけるブレーキシステム1200の冗長性能を説明する。
1.ブレーキ回路の漏出不具合モードでは、ブレーキシステム1200は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
油圧制御装置10が、単一回路ブレーキの2方向加圧モードにあるとき、ブレーキ回路1140が不具合を起こしていると仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ力を、ブレーキ回路1150を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える必要がある。
この場合、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第2の制御弁121、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1130は、開状態にあり、車輪シリンダ28および29に対応する、第4の制御弁161、第5の制御弁171、第1の制御弁111、および液体出口弁1130は、閉状態にある。
順方向加圧プロセスでは、駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に押し出され、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に押し出され、次いで、ブレーキライン163を通ってブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるように、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に入る。第2のブレーキライン120では、第2の制御弁121が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通過し得ない。
また、ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン2 190を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、第4の制御弁161および第5の制御弁171は、開状態に制御される。駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に押し出され、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に入り、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第4の制御弁161、第5の制御弁171、および第2の制御弁121は、開状態にあるので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通過し得ない。
また、ピストン12が第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って第2の油圧チャンバ17に入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
油圧制御装置10が、単一回路ブレーキの2方向加圧モードにあるとき、ブレーキ回路1150が不具合を起こしていると仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ回路1140を介して、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える必要がある。
この場合、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、制御弁1015、制御弁1016、および液体出口弁1130は、開状態にあり、第5の制御弁171、第4の制御弁161、および第2の制御弁121は、閉状態にある。
駆動装置15は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液を、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に押し出し、ブレーキ液を、ブレーキライン162を通って車輪シリンダ26および27に押し出すように、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮する。第1のブレーキライン110では、第1の制御弁111が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通過し得ない。
順方向加圧プロセスでは、駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に押し出され、次いで、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に押し出され、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に押し出され、次いで、ブレーキライン162を通って、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるように、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に入る。第1のブレーキライン110では、第1の制御弁111が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通過し得ない。
また、ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン2 190を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、第4の制御弁161および第5の制御弁171は、開状態に制御される。駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に押し出され、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に押し出され、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。第4の制御弁161、第5の制御弁171、および第1の制御弁111が、開状態にあるので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通過し得ない。
また、ピストン12が第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って第2の油圧チャンバ17に入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
以上では、ブレーキシステムにおけるブレーキ回路の漏出不具合後のブレーキシステムの冗長方式が紹介されている。漏出不具合が、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171のいずれかに発生したとき、漏出不具合のない制御弁が配置されたブレーキ回路は、手動ブレーキによって制御され得る。
例えば、第1の制御弁111および/または第4の制御弁161に漏出不具合があるとき、制御弁1015は、閉状態に制御されてもよく、制御弁1016は、開状態に制御されてもよい。この場合、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017は、ブレーキ液をブレーキライン162に押し出し、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。
別の実施例として、第2の制御弁121および/または第5の制御弁171に漏出不具合があるとき、制御弁1016は、閉状態に制御されてもよく、制御弁1015は、閉状態に制御されてもよい。この場合、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017は、ブレーキ液をブレーキライン163に押し出し、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
2.制御弁ジャミング不具合モードでは、ブレーキシステム1200は、油圧制御装置に基づいて、冗長ブレーキ方式を実施し得る。第4の制御弁161または第5の制御弁171にジャミング不具合があるとき、油圧制御装置は、双方向加圧モードにおいて、ブレーキ力を車輪シリンダ26、27、28、および29に引き続き与えてもよいことに留意されたい。第1の制御弁111または第2の制御弁121にジャミング不具合があるとき、油圧制御装置は、正常に動作する制御弁のみを介して、ブレーキシステムに単一回路ブレーキの解決策をもたらし得る。
第4の制御弁161がジャミング不具合を有していると仮定されると、順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の他の一部は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
第5の制御弁171がジャミング不具合を有していると仮定されると、順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に流れ、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え得る。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に流れ、次いで、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。
逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の他の一部は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
第1の制御弁111がジャミング不具合を有していると仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1040に引き続き与え得る。順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に流れ、次いで、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に流れ、次いで、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。
逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2の制御弁121を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を、ブレーキライン162を介して第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。
第2の制御弁121がジャミング不具合を有していると仮定されると、油圧制御装置10は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1050に引き続き与え得る。順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第1の制御弁111を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を、ブレーキライン163を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え得る。
3.制御弁閉鎖不具合モードでは、閉鎖不具合モードの制御弁は、常に閉状態にあり、ブレーキ液の流れを阻止しない。したがって、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171のうちの1つまたは複数が、接続に不具合を起こしたとき、油圧制御装置10の双方向加圧機能または減圧機能の実施は、影響されない。しかしながら、第4の制御弁161および/または第5の制御弁171に閉鎖不具合がある場合、逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液が、接続に不具合を起こしている制御弁を使用することによって、第2の油圧チャンバ17に流れる可能性があるので、逆方向加圧プロセスの効率は、ある程度影響される可能性がある。
制御弁の閉鎖不具合モードにおける双方向加圧プロセスおよび減圧プロセスは、ブレーキシステム内の制御弁が正常に動作している場合における双方向加圧プロセスおよび減圧プロセスと同様であることに留意されたい。簡潔にするため、詳細は、ここでは再度説明されない。
4.複合不具合モードでは、ブレーキシステム1200は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
第1の制御弁111または第2の制御弁121が閉鎖不具合モードにあり、漏れが閉鎖不具合モードの制御弁に対応するブレーキ回路に発生したと仮定されると、ブレーキシステム1200は、手動ブレーキモードにおいて、漏れのないブレーキ回路にブレーキをかけさせてもよい。
例えば、第1の制御弁111が、閉鎖不具合モードにあり、漏れが、ブレーキ回路1050に発生したとき、制御弁1016および第2の制御弁121は、開状態に制御されてもよく、制御弁1015は、閉状態に制御されてもよい。このようにして、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液は、ブレーキライン162を通って第2の車輪シリンダ26および27のグループに流れ得る。
別の実施例として、第2の制御弁121が、閉鎖不具合モードにあり、漏れが、ブレーキ回路1040に発生したとき、制御弁1015および第1の制御弁111は、開状態に制御されてもよく、制御弁1016は、閉状態に制御されてもよい。このようにして、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液は、ブレーキライン163を通って第1の車輪シリンダ28および29のグループに流れ得る。
第1の制御弁111と第2の制御弁121とが同時にジャミング不具合を起こさない限り、油圧制御装置10は、ブレーキシステム全体を減圧し得ることに留意されたい。
以下では、図13を参照して、油圧制御ユニット600と油圧制御ユニット900とを組み合わせることによって形成されるブレーキシステム1300を説明する。図13は、本出願の一実施形態による、ブレーキシステムの概略図である。図13に示されるブレーキシステム1300において、マスタシリンダ加圧および制御ユニット1010によって実施される機能は、図10に示される油圧制御ユニット1010によって実施される機能と同じである。簡潔にするために、詳細は、以下では説明されない。
油圧制御装置913は、双方向加圧モードにおいて、順方向加圧プロセスと、逆方向加圧プロセスと、に分けられ得る。
順方向加圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、第5の制御弁171、および液体入口弁1120は、閉状態にあり、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、制御弁912、および液体出口弁1130は、開状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120を通って、ブレーキライン163およびブレーキライン162にそれぞれ押し出され、ブレーキライン163を通って、車輪シリンダ28および29に押し出され、ブレーキライン162を通って、車輪シリンダ26および27に押し出される。
ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、液体リザーバ30内のブレーキ液は、ブレーキライン910を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。また、第5の制御弁131が、開状態にあるので、第2のブレーキライン120内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16に入り得ない。
逆方向加圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および液体入口弁1120は、閉状態にあり、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、第4の制御弁161、第5の制御弁171、および液体出口弁1130は、開状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、接続された第3のブレーキライン130と第2のブレーキライン120とを通って、ブレーキライン162に押し出され、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。
第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の他の一部は、接続された第3のブレーキライン130と第4のブレーキライン140とを通って、第1のブレーキライン110に入り、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に入り、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第4の制御弁161および第5の制御弁171が、開状態にあるので、ブレーキ液は、第5のブレーキライン150および第6のブレーキライン160を通って第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止される。
また、液体リザーバ30内のブレーキ液は、ブレーキライン173を通って第2の油圧チャンバ17にさらに入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減するように、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液と第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液との圧力差を小さくする。
油圧制御装置913の減圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、液体入口弁1120、ならびに車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、液体出口弁1130は、開状態にあり、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、制御弁912、および第5の制御弁171は、閉状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、車輪シリンダ26、27、28、および29内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120のそれぞれを通って、第2の油圧チャンバ17に圧送され、第2の油圧チャンバ17に貯留される。
油圧制御装置913の減圧プロセスでは、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、制御弁1015、制御弁1016、液体入口弁1020、ならびに車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する液体出口弁1030は、開状態にあり、第1の制御弁111、制御弁912、第3の制御弁151、第4の制御弁161、および第2の制御弁121は、閉状態にある。
駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、車輪シリンダ26、27、28、および29内のブレーキ液の一部は、第1のブレーキライン110および第2のブレーキライン120のそれぞれを通って、第2の油圧チャンバ17に圧送され、第2の油圧チャンバ17に貯留される。
同時に、車輪シリンダ26、27、28、および29内のブレーキ液の他の一部は、第2のブレーキライン120または第4のブレーキライン140を通過した後、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16に流れ、ブレーキライン910を通って液体リザーバ30に流れる。
油圧制御装置913に基づく上記の減圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16と第2の油圧チャンバ17との間に圧力差があるので、第2の油圧チャンバ17に貯留されたブレーキ液の少なくとも一部は、第3のブレーキライン130を通って第1の油圧チャンバ16にも流れ、ブレーキライン910を通って液体リザーバ30に流れることに留意されたい。
以下では、上述した4つの不具合モードを参照して、各不具合モードにおけるブレーキシステム1100の冗長性能を説明する。
1.ブレーキ回路の漏出不具合モードでは、ブレーキシステム1300は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
油圧制御装置913が、単一回路ブレーキの2方向加圧モードにあるとき、ブレーキ回路1140が不具合を起こしていると仮定されると、油圧制御装置913は、ブレーキ力を、ブレーキ回路1150を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える必要がある。
この場合、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第2の制御弁121、制御弁1015、制御弁1016、制御弁912、および液体出口弁1130は、開状態にあり、車輪シリンダ28および29に対応する、第4の制御弁161、第5の制御弁171、第1の制御弁111、および液体出口弁1130は、閉状態にある。
順方向加圧プロセスでは、駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に押し出され、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に押し出され、次いで、ブレーキライン163を通ってブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与えるように、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に入る。第2のブレーキライン120では、第2の制御弁121が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通過し得ない。
また、ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、ブレーキライン910を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、第4の制御弁161および第5の制御弁171は、開状態に制御される。駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に押し出され、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に入り、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に押し出され、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第4の制御弁161、第5の制御弁171、および第2の制御弁121は、開状態にあるので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第2のブレーキライン120を通過し得ない。
また、ピストン12が第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って第2の油圧チャンバ17に入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
油圧制御装置913が、単一回路ブレーキの2方向加圧モードにあるとき、ブレーキ回路1150が不具合を起こしていると仮定されると、油圧制御装置913は、ブレーキ力を、ブレーキ回路1140を介して、第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える必要がある。
この場合、車輪シリンダ26、27、28、および29に対応する、第1の制御弁111、制御弁1015、制御弁1016、制御弁912、および液体出口弁1130は、開状態にあり、第5の制御弁171、第4の制御弁161、および第2の制御弁121は、閉状態にある。
駆動装置15は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液を、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に押し出し、ブレーキ液を、ブレーキライン162を通って車輪シリンダ26および27に押し出すように、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮する。第1のブレーキライン110では、第1の制御弁111が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通過し得ない。
順方向加圧プロセスでは、駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮すると、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に押し出され、次いで、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に押し出され、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に押し出され、次いで、ブレーキライン162を通って、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるように、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に入る。第1のブレーキライン110では、第1の制御弁111が、開状態にあるので、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通過し得ない。
また、ピストン12が第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するプロセスでは、第1の油圧チャンバ16の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、ブレーキライン910を通って第1の油圧チャンバ16に入り、第1の油圧チャンバ16を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
逆方向加圧プロセスでは、第4の制御弁161および第5の制御弁171は、開状態に制御される。駆動装置15が、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮すると、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に押し出され、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に押し出され、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。第4の制御弁161、第5の制御弁171、および第1の制御弁111が、開状態にあるので、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第1のブレーキライン110を通過し得ない。
また、ピストン12が第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17の容積が増加し、液体リザーバ30内のブレーキ液は、液体入口ライン1 173を通って第2の油圧チャンバ17に入り、第2の油圧チャンバ17を補充し得る。これは、駆動装置15がピストン12を駆動するための駆動力を低減する。
以上では、ブレーキシステムにおけるブレーキ回路の漏出不具合後のブレーキシステムの冗長方式が紹介されている。漏出不具合が、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171のいずれかに発生したとき、漏出不具合のない制御弁が配置されたブレーキ回路は、手動ブレーキによって制御され得る。
例えば、第1の制御弁111および/または第4の制御弁161に漏出不具合があるとき、制御弁1015は、閉状態に制御されてもよく、制御弁1016は、開状態に制御されてもよい。この場合、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017は、ブレーキ液をブレーキライン162に押し出し、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。
別の実施例として、第2の制御弁121および/または第5の制御弁171に漏出不具合があるとき、制御弁1016は、閉状態に制御されてもよく、制御弁1015は、閉状態に制御されてもよい。この場合、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017は、ブレーキ液をブレーキライン163に押し出し、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
2.制御弁ジャミング不具合モードでは、ブレーキシステム1300は、油圧制御装置に基づいて、冗長ブレーキ方式を実施し得る。第4の制御弁161または第5の制御弁171にジャミング不具合があるとき、油圧制御装置は、双方向加圧モードにおいて、ブレーキ力を車輪シリンダ26、27、28、および29に引き続き与えてもよいことに留意されたい。第1の制御弁111または第2の制御弁121にジャミング不具合があるとき、油圧制御装置は、正常に動作する制御弁のみを介して、ブレーキシステムに単一回路ブレーキの解決策をもたらし得る。
第4の制御弁161がジャミング不具合を有していると仮定されると、順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の他の一部は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
第5の制御弁171がジャミング不具合を有していると仮定されると、順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に流れ、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え得る。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に流れ、次いで、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。
逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の一部は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液の他の一部は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
第1の制御弁111がジャミング不具合を有すると仮定されると、油圧制御装置913は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1040に引き続き与え得る。順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に流れ、次いで、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に流れ、次いで、第2のブレーキライン120を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を第2の車輪シリンダ26および27のグループに与える。
逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第2のブレーキライン120に流れ、第2の制御弁121を通ってブレーキライン162に流れ、ブレーキ力を、ブレーキライン162を介して第2の車輪シリンダ26および27のグループに与え得る。
第2の制御弁121がジャミング不具合を有すると仮定されると、油圧制御装置913は、ブレーキ力を、双方向加圧プロセスを介してブレーキ回路1050に引き続き与え得る。順方向加圧プロセスでは、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に流れ、次いで、第1のブレーキライン110を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を第1の車輪シリンダ28および29のグループに与える。
逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液は、第3のブレーキライン130を通って第4のブレーキライン140に流れ、第1の制御弁111を通ってブレーキライン163に流れ、ブレーキ力を、ブレーキライン163を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに与え得る。
3.制御弁閉鎖不具合モードでは、閉鎖不具合モードの制御弁は、常に閉状態にあり、ブレーキ液の流れを阻止しない。したがって、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171のうちの1つまたは複数が、接続に不具合を起こしたとき、油圧制御装置913の双方向加圧機能または減圧機能の実施は、影響されない。しかしながら、第4の制御弁161および/または第5の制御弁171に閉鎖不具合がある場合、逆方向加圧プロセスでは、第1の油圧チャンバ16内のブレーキ液が、接続に不具合を起こしている制御弁を使用することによって、第2の油圧チャンバ17に流れる可能性があるので、逆方向加圧プロセスの効率は、ある程度影響される可能性がある。
制御弁の閉鎖不具合モードにおける双方向加圧プロセスおよび減圧プロセスは、ブレーキシステム内の制御弁が正常に動作している場合における双方向加圧プロセスおよび減圧プロセスと同様であることに留意されたい。簡潔にするため、詳細は、ここでは再度説明されない。
4.複合不具合モードでは、ブレーキシステム1300は、油圧制御装置に基づいて、単一回路ブレーキの冗長ブレーキ方式を実施し得る。
第1の制御弁111または第2の制御弁121が閉鎖不具合モードにあり、漏れが閉鎖不具合モードの制御弁に対応するブレーキ回路に発生したと仮定されると、ブレーキシステム1300は、手動ブレーキモードにおいて、漏れのないブレーキ回路にブレーキをかけさせてもよい。
例えば、第1の制御弁111が、閉鎖不具合モードにあり、漏れが、ブレーキ回路1050に発生したとき、制御弁1016および第2の制御弁121は、開状態に制御されてもよく、制御弁1015は、閉状態に制御されてもよい。このようにして、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液は、ブレーキライン162を通って第2の車輪シリンダ26および27のグループに流れ得る。
別の実施例として、第2の制御弁121が、閉鎖不具合モードにあり、漏れが、ブレーキ回路1040に発生したとき、制御弁1015および第1の制御弁111は、開状態に制御されてもよく、制御弁1016は、閉状態に制御されてもよい。このようにして、ブレーキ・マスタ・シリンダ1017内のブレーキ液は、ブレーキライン163を通って第1の車輪シリンダ28および29のグループに流れ得る。
第1の制御弁111と第2の制御弁121とが同時にジャミング不具合を起こさない限り、油圧制御装置913は、ブレーキシステム全体を減圧し得ることに留意されたい。
以上は、図1から図13を参照して、本出願の実施形態における油圧制御装置、油圧制御ユニット、およびブレーキシステムを説明している。以下では、図14を参照して、本出願の実施形態で提供される制御方法を説明する。本出願の実施形態で提供される解決策は、前述の油圧制御ユニットのいずれか1つと共に使用されてもよく、または本出願の方法は、前述の油圧制御ユニットのいずれか1つを含むブレーキシステムにさらに適用されてもよいことを理解されたい。
図14は、本出願の一実施形態による、制御方法の概略フローチャートである。図14に示される方法は、ステップ1410と、ステップ1420と、を含む。
1410:制御器が、制御命令を生成し、制御命令は、ブレーキシステム内の駆動装置15を制御するために使用される。
1420:制御器は、制御命令を駆動装置15に送信し、ピストン12を駆動して、油圧シリンダ11の内壁に沿って移動させ、第1の車輪シリンダ28および29のグループ内ならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループ内のブレーキ液の圧力を増加または低減させるように、駆動装置15を制御する。
任意選択で、一実施形態では、第2の油圧チャンバ17は、第5のブレーキライン150を使用することによって、第4のブレーキライン140に接続される。第5のブレーキライン150には、第5のブレーキライン150の接続および遮断を制御するために、第3の制御弁151が設けられる。油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第3の制御弁151は、閉状態にある。前述のステップ1420は、制御器が、制御命令を駆動装置15に送信することを含み、制御命令は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、油圧制御装置10が逆方向加圧を実施するプロセスにおいて、第3の制御弁151は、閉状態にある。前述のステップ1420は、制御器が制御命令を駆動装置15に送信することを含み、制御命令は、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、第3の制御弁151は、一方向弁152に並列に接続される。一方向弁152は、ブレーキ液が第2の油圧チャンバ17から第4のブレーキライン140に流れることを可能にし、ブレーキ液が第4のブレーキライン140から第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止する。本方法は、一方向弁152が故障し、油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第2の油圧チャンバ17が、ブレーキ力を第5のブレーキライン150を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに、ならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループに、与えるように、制御器が第3の制御弁151を閉状態に制御することをさらに含む。
任意選択で、一実施形態では、第2の油圧チャンバ17は、第6のブレーキライン160を介して第1のブレーキライン110に接続され、第4の制御弁161は、第6のブレーキライン160の接続および遮断を制御するために、第6のブレーキライン160に配置される。第2の油圧チャンバ17は、第7のブレーキライン170を介して第2のブレーキライン120に接続され、第5の制御弁171が、第7のブレーキライン170の接続および遮断を制御するために、第7のブレーキライン170に配置される。油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171は、閉状態にある。ステップ1420は、制御器が制御命令を駆動装置15に送信することを含み、制御命令は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、第4の制御弁161が、ジャミング故障を有するとき、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および第5の制御弁171は、閉状態にある。ステップ1420は、制御器が制御命令を駆動装置15に送信することを含み、制御命令は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れる。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に流れる。
任意選択で、一実施形態では、第5の制御弁171が、ジャミング故障を有する場合、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および第4の制御弁161は、閉状態にある。ステップ1420は、制御器が制御命令を駆動装置15に送信することを含み、制御命令は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に流れる。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に流れる。
任意選択で、一実施形態では、油圧制御装置10が逆方向加圧を実施するプロセスにおいて、第4の制御弁161および第5の制御弁171は、開状態にあり、第1の制御弁111および第2の制御弁121は、閉状態にある。ステップ1420は、制御器が制御命令を駆動装置15に送信することを含み、制御命令は、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
制御弁の故障を検出するための制御器、制御弁の状態を制御するための制御器、および制御命令を送信するための制御器は、1つの制御器であってもよいことに留意されたい。あるいは、制御弁の故障を検出するための制御器および制御弁の状態を制御するための制御器が、1つの制御器であり、制御命令を送信するための制御器は、別の制御器である。換言すれば、本出願では、前述の制御機能は、1つの制御器によって実施されてもよく、または協働する複数の制御器によって実施されてもよい。これは、本出願の本実施形態では特に限定されない。
以上は、図14を参照して、本出願の実施形態における制御方法を説明している。以下では、図15および図16を参照して、本出願における前述の制御方法を実施する制御装置を説明する。本出願の本実施形態における装置は、上述の制御方法における1つまたは複数のステップを実施するために、上述の任意の油圧制御ユニットまたはブレーキシステムに適用され得ることに留意されたい。簡潔にするため、詳細は、ここでは再度説明されない。
図15は、本出願の一実施形態による、制御装置の概略図である。図15に示されるように、制御装置1500は、処理ユニット1510と、送信ユニット1520と、を含む。
処理ユニット1510は、制御命令を生成するように構成され、制御命令は、駆動装置15を制御するために使用される。
送信ユニット1520は、処理ユニット1510によって生成された制御命令を、駆動装置15に送信し、ピストン12を駆動して、油圧シリンダ11の内壁に沿って移動させ、第1の車輪シリンダ28および29のグループ内、ならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループ内のブレーキ液の圧力を増加または低減させるように、駆動装置15を制御するように構成される。
任意選択で、一実施形態では、第2の油圧チャンバ17は、第5のブレーキライン150を使用することによって、第4のブレーキライン140に接続される。第5のブレーキライン150には、第5のブレーキライン150の接続および遮断を制御するために、第3の制御弁151が設けられる。油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第3の制御弁151は、閉状態にある。送信ユニット1520は、制御命令を駆動装置15に送信するようにさらに構成され、制御命令は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、油圧制御装置10が逆方向加圧を実施するプロセスにおいて、第3の制御弁151は、閉状態にある。送信ユニット1520は、制御器によって、制御命令を駆動装置15に送信するようにさらに構成され、制御命令は、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、第3の制御弁151は、一方向弁152に並列に接続される。一方向弁152は、ブレーキ液が第2の油圧チャンバ17から第4のブレーキライン140に流れることを可能にし、ブレーキ液が第4のブレーキライン140から第2の油圧チャンバ17に流れることを阻止する。処理ユニット1510は、一方向弁152が故障し、油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第3の制御弁151を閉状態に制御し、これにより、第2の油圧チャンバ17が、ブレーキ力を、第5のブレーキライン150を介して、第1の車輪シリンダ28および29のグループに、ならびに/または第2の車輪シリンダ26および27のグループに与えるように、さらに構成される。
任意選択で、一実施形態では、第2の油圧チャンバ17は、第6のブレーキライン160を介して第1のブレーキライン110に接続され、第4の制御弁161は、第6のブレーキライン160の接続および遮断を制御するために、第6のブレーキライン160に配置される。第2の油圧チャンバ17は、第7のブレーキライン170を介して第2のブレーキライン120に接続され、第5の制御弁171が、第7のブレーキライン170の接続および遮断を制御するために、第7のブレーキライン170に配置される。油圧制御装置10が順方向加圧を実施するプロセスでは、第1の制御弁111、第2の制御弁121、第4の制御弁161、および第5の制御弁171は、閉状態にある。送信ユニット1520は、制御命令を駆動装置15に送信するようにさらに構成され、制御命令は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、第4の制御弁161が、ジャミング故障を有するとき、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および第5の制御弁171は、閉状態にある。送信ユニット1520は、制御命令を駆動装置15に送信するようにさらに構成され、制御命令は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第7のブレーキライン170を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第1のブレーキライン110に流れる。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第7のブレーキライン170を通って第2のブレーキライン120に流れる。
任意選択で、一実施形態では、第5の制御弁171が、ジャミング故障を有する場合、第1の制御弁111、第2の制御弁121、および第4の制御弁161は、閉状態にある。送信ユニット1520は、制御命令を駆動装置15に送信するようにさらに構成され、制御命令は、ピストン12を駆動して、第2の油圧チャンバ17の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択で、一実施形態では、第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の一部は、第6のブレーキライン160を通って第4のブレーキライン140に流れ、第4のブレーキライン140を通って第2のブレーキライン120に流れる。第2の油圧チャンバ17内のブレーキ液の他の一部は、第6のブレーキライン160を通って第1のブレーキライン110に流れる。
任意選択で、一実施形態では、油圧制御装置10が逆方向加圧を実施するプロセスにおいて、第4の制御弁161および第5の制御弁171は、開状態にあり、第1の制御弁111および第2の制御弁121は、閉状態にある。送信ユニット1520は、制御命令を駆動装置15に送信するようにさらに構成され、制御命令は、ピストン12を駆動して、第1の油圧チャンバ16の容積を圧縮するように、駆動装置15を制御するために使用される。
任意選択の実施形態では、処理ユニット1510は、プロセッサ1620であってもよく、送信ユニット1520は、通信インターフェース1630であってもよく、制御器の特定の構造は、図16に示される。
図16は、本出願の別の実施形態による、制御器の概略的なブロック図である。図16に示される制御器1600は、メモリ1610と、プロセッサ1620と、通信インターフェース1630と、を含み得る。メモリ1610、プロセッサ1620、および通信インターフェース1630は、内部接続経路を使用することによって接続される。メモリ1610は、命令を記憶するように構成される。プロセッサ1620は、メモリ1610に記憶された命令を実行し、通信インターフェース1630を制御して、情報を受信/送信するように構成される。任意選択で、メモリ1610は、インターフェースを介してプロセッサ1620に接続されてもよく、またはプロセッサ1620に統合されてもよい。
通信インターフェース1630は、限定しないが、入力/出力インターフェース(input/output interface)などの装置を使用して、制御器1600と、別のデバイスまたは通信ネットワークと、の間の通信を実施することに留意されたい。
一実施態様プロセスでは、前述の方法のステップは、プロセッサ1620内のハードウェアの集積論理回路を使用することによって、またはソフトウェアの形態の命令を使用することによって、実施され得る。本出願の実施形態を参照して開示された本方法は、ハードウェアプロセッサによって直接実施されてもよく、またはプロセッサ内のハードウェアと、ソフトウェアモジュールと、の組合せを使用することによって、実施されてもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダム・アクセス・メモリ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、プログラマブル読み取り専用メモリ、電気的消去可能プログラマブルメモリ、またはレジスタなど、当技術分野における成熟した記憶媒体内に配置されてもよい。記憶媒体は、メモリ1610に配置され、プロセッサ1620は、メモリ1610内の情報を読み取り、プロセッサ1620のハードウェアと共同して前述の方法のステップを完遂する。繰り返しを避けるため、ここでは詳細を再度説明されない。
本出願の実施形態のプロセッサは、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)であってもよく、あるいは別の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field programmable gate array、FPGA)、または別のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理デバイス、ディスクリート・ハードウェア・コンポーネントなどであってもよいことを理解されたい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、またはプロセッサは、任意の従来のプロセッサなどであってもよい。
本出願の実施形態では、メモリは、読み取り専用メモリ、およびランダム・アクセス・メモリを含んでもよく、命令およびデータをプロセッサに提供してもよいことも理解されたい。プロセッサの一部は、不揮発性ランダム・アクセス・メモリをさらに含んでもよい。例えば、プロセッサは、デバイスタイプの情報をさらに格納してもよい。
本出願で言及される「液体出口ライン」および「液体入口ライン」は、異なるブレーキラインに対応してもよく、または同じブレーキラインに対応してもよいことに留意されたい。「液体出口ライン」および「液体入口ライン」は、ブレーキシステムにおけるブレーキラインの機能のみに基づいて区別される。例えば、「液体出口ライン」および「液体入口ライン」が、同じブレーキライン1に対応するとき、ブレーキシステム内のブレーキライン1は、自動車の車輪を減圧するプロセスにおいて、車輪シリンダ内のブレーキ液を液体リザーバに送達するために使用されることが理解されよう。ブレーキライン1は、「液体出口ライン」と呼ばれることがある。自動車の車輪を加圧するプロセスでは、ブレーキライン1は、自動車の車輪にブレーキ液を供給し、自動車の車輪にブレーキ力を与えるために使用される。この場合、第1のブレーキラインは、「液体入口ライン」と呼ばれることがある。
また、本出願で使用される「液体入口弁」、「液体出口弁」、および「均圧弁」は、ブレーキシステム内の制御弁の機能のみに基づいて区別される。液体入口ラインの接続または遮断を制御するために使用される制御弁は、「液体入口弁」または「加圧弁」と呼ばれることがある。液体戻りラインの接続または遮断を制御するように構成される制御器は、「液体出口弁」または「減圧弁」と呼ばれることがある。2段階ブレーキサブシステムを分離するために使用される制御弁は、「遮断弁」と呼ばれることがある。制御弁は、既存のブレーキシステムで一般的に使用される弁、例えば電磁弁であってもよい。これは、本出願の実施形態では特に限定されない。
また、制御弁がブレーキラインに接続された後、制御弁とブレーキラインとの間の接続ポートは、第1の端部および第2の端部によって示されてもよく、第1の端部と第2の端部との間のブレーキ液の流れ方向は、本出願では限定されない。例えば、制御弁が閉状態にあるとき、ブレーキ液は、制御弁の第1の端部から制御弁の第2の端部に流れてもよく、または制御弁が開状態にあるとき、ブレーキ液は、制御弁の第2の端部から制御弁の第1の端部に流れてもよい。
また、本出願における「第1のブレーキライン110」、「第2のブレーキライン120」、「第3のブレーキライン130」、「第4の液体入口ライン140」、他のブレーキラインなどは、機能を実施する1つまたは複数のブレーキラインとして理解され得る。例えば、第1の液体入口ライン130は、ブレーキ・マスタ・シリンダ3と、第1の車輪グループの車輪シリンダ151と、を接続するために使用される複数セクションのブレーキラインである。
また、本出願が、添付の図面を参照して、ブレーキシステムおよび自動車などのアーキテクチャを説明するとき、添付の図面は、各制御弁が実施し得る2つの動作状態(開または閉)を概略的に示し、制御弁の現在の動作状態を図面に示すものに限定しない。
また、本出願が添付図面を参照して、油圧制御ユニット、ブレーキシステム、および自動車などのアーキテクチャを説明するとき、実施形態に対応する添付図面において同じ機能を有する構成要素は、同じ番号を使用する。簡潔にするために、構成要素の機能は、各実施形態では説明されず、本文全体の構成要素の機能の説明を参照されたい。
また、本出願における油圧制御ユニットは、ブレーキシステム内のブレーキ液の圧力を調整するように構成されたユニットであってもよく、上述した1つまたは複数のブレーキラインと、ブレーキライン内の制御弁および一方向弁などの要素と、を含む。任意選択で、油圧制御ユニットは、油圧制御装置内の油圧シリンダ、ピストン、およびアクチュエータなどの構成要素をさらに含んでもよい。油圧制御ユニットがブレーキシステムに取り付けられた後、ブレーキシステムは、油圧制御ユニット、車輪シリンダ、液体リザーバ、およびブレーキペダルなどの構成要素を含んでもよい。
当業者は、本明細書で開示された実施形態で説明された実施例と組み合わせて、ユニットおよびアルゴリズムステップが、電子ハードウェアによって、またはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組合せによって、実装され得ることを認識し得る。機能がハードウェアまたはソフトウェアのどちらによって実施されるかは、技術的解決策の特定の用途および設計上の制約に依存する。当業者は、特定のアプリケーションごとに説明された機能を実装するために様々な方法を使用し得るが、実施態様が本出願の範囲を超えると見なされるべきではない。
簡便で、簡単な説明のために、前述のシステム、装置およびユニットの詳細な動作プロセスについては、前述の方法実施形態の対応するプロセスを参照されたく、ここでは詳細は再び説明されないことが、当業者によって明確に理解されよう。
本出願において提供されるいくつかの実施形態においては、開示したシステム、装置、および方法が、他の方式で実装され得ることを理解されたい。例えば、説明された装置の実施形態は、単なる一例である。例えば、ユニットへの分割は、単に論理的な機能分割であり、実際の実施態様では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニットまたは構成要素は、別のシステムに組み合わされるか、または統合されてもよく、あるいは一部の特徴は、無視されるか、または実施されなくてもよい。また、表示される、または議論される、相互結合または直接結合または通信接続は、一部のインターフェースを使用することによって実装されてもよい。装置またはユニット間の間接的な結合または通信接続は、電子的、機械的、または他の形態で実装され得る。
別々の部分として説明されるユニットは、物理的に別個であっても、なくてもよく、ユニットとして表示される部分は、物理ユニットであっても、なくてもよく、1つの位置に配置されてもよく、または複数のネットワークユニット上に分散されてもよい。ユニットの一部または全部は、実施形態の解決策の目的を達成するための実際の要件に基づいて選択されてもよい。
また、本出願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、またはユニットの各々は、物理的に単独で存在してもよく、または2つ以上のユニットが、1つのユニットに統合されてもよい。
機能が、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売または使用されるとき、機能は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。かかる理解に基づいて、本出願の技術的解決策は本質的に、または従来技術に寄与する部分は、または技術的解決策の一部は、ソフトウェア製品の形態で実装され得る。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、本出願の実施形態で説明された方法のステップの全部または一部を実施するように、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスであり得る)に命令するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブル・ハード・ディスク、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを記憶し得る何らかの媒体を含む。
前述の説明は、本出願の特定の実施態様にすぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図されていない。本出願に開示された技術的範囲内で当業者によって容易に考え出されるいかなる変形または置換も、本出願の保護範囲内にあるものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
1 漏出不具合モード、液体入口ライン
2 液体入口ライン、ジャミング不具合モード
3 ブレーキ・マスタ・シリンダ、閉鎖不具合モード
4 複合不具合モード
10 油圧制御装置
11 油圧シリンダ
11a 第3の油圧制御ポート
11b 第4の油圧制御ポート
11c 第5の油圧制御ポート
11d ポート
12 ピストン、第2のブレーキライン
13 アクチュエータ
13a 第2の油圧制御ポート
13b 第1のガイド溝
13c 第2のガイド溝
14 アクチュエータ支持部
14a 第1の油圧制御ポート
15 駆動装置
16 第1の油圧チャンバ、第1の油圧制御装置
17 第2の油圧チャンバ
18 動力変換機構
26 第2の車輪シリンダ、ブレーキ回路
27 車輪シリンダ
28 車輪シリンダ
29 車輪シリンダ
30 液体リザーバ
110 第1のブレーキライン、第1の制御管
111 第1の制御弁
120 第2のブレーキライン、第2の制御管、第2のブレーキ回路、第2の制御ライン
121 第2の制御弁
130 第3のブレーキライン、第1の液体入口ライン、第3のブレーキ回路
131 第5の制御弁
140 第4のブレーキライン、第4の液体入口ライン
150 第5のブレーキライン
151 第3の制御弁、第1の車輪グループの車輪シリンダ
152 一方向弁
160 第6のブレーキライン、第6の制御管
161 第4の制御弁
162 ブレーキライン
163 ブレーキライン
170 第7のブレーキライン、第7の制御管
171 第5の制御弁
173 液体入口ライン1、液体入口ライン2、ブレーキライン
174 一方向弁
180 第1の液出口ライン
190 液体入口ライン2
191 一方向弁
400 2系統ブレーキシステム
500 油圧制御ユニット
600 油圧制御ユニット
700 油圧制御ユニット
800 油圧制御ユニット
900 油圧制御ユニット
910 ブレーキライン
911 一方向弁
912 制御弁
913 油圧制御装置
1000 ブレーキシステム
1010 マスタシリンダ加圧および制御ユニット、油圧制御ユニット
1012 ペダル・フィール・シミュレータ
1013 制御弁
1014 圧力センサ
1015 制御弁
1016 制御弁
1017 ブレーキ・マスタ・シリンダ
1018 ペダル・ストローク・センサ
1019 ブレーキペダル
1020 液体入口弁
1030 液体出口弁
1040 ブレーキ回路
1050 ブレーキ回路
1100 ブレーキシステム
1120 液体入口弁
1130 液体出口弁
1140 ブレーキ回路
1150 ブレーキ回路
1200 ブレーキシステム
1300 ブレーキシステム
1500 制御装置
1510 処理ユニット、生成ユニット
1520 送信ユニット
1600 制御器
1610 メモリ
1620 プロセッサ
1630 通信インターフェース