JP2023525132A - 濡れた地面上の寿命末期グリップが改善されたタイヤ - Google Patents

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Abstract

本発明は、法定摩耗閾値を定める少なくとも1つの法定摩耗インジケータ(46)と、複素動的せん断弾性率G*_1及び動的損失tanD0_1を示すエラストマートレッド材料を備えるトレッド層(52)と、複素動的せん断弾性率G*_2及びtanD0_2≧0.37×tanD0_1かつG*_2≧0.90×G*_1であるような動的損失tanD0_2を示すエラストマー裏当て材料を備えるトレッド層(52)のための裏当て層(54)とを備えるトレッドを備える乗用車のためのタイヤ(10)に関する。【選択図】図3

Description

本発明は、乗用車のためのタイヤに関する。
タイヤの回転軸と実質的に一致する旋回軸の周りに実質的に円環形状の商品名MICHELIN Primacy 4の下で販売されているタイヤが従来技術から公知である。このタイヤは、クラウンと、2つの側壁と、2つのビードとを備え、各側壁は、各ビードをクラウンに接続する。タイヤはまた、各ビード内に固着されて各側壁内を延び、更に半径方向にクラウンの内側を延びるカーカス補強材を備える。クラウンは、トレッドと、半径方向にトレッドの内側に配置されたクラウン補強材とを備える。
トレッドは、トレッドパターンブロックを互いから分離する切れ込みを備える。切れ込みは、特に溝とサイプを備える。溝は、周方向溝を備え、その底部に摩耗インジケータが配置される。そのような摩耗インジケータは、例えば、国連法定R30及びR54、米国規格FMVSS139、又は中国規格GB97743によって義務付けられており、特に濡れた地面上でそれを超えると走行が危険である法定タイヤ摩耗閾値をタイヤのユーザに確認することを目的としている。これらの摩耗インジケータは、すなわち、法定摩耗インジケータと呼ばれる。各法定摩耗インジケータは、1.6mmに実質的に等しい半径方向高さにわたって半径方向外向きに周方向溝の底部から、特に最深の周方向溝の底部から半径方向に延びる突起によって形成される。この半径方向高さは、タイヤの摩耗ポテンシャル、この事例では5.4mmをタイヤが新品である時の法定摩耗インジケータの半径方向最外点と、タイヤが走行している時の地面の上へのその投影との間の半径方向高さとして定めることを可能にする。言い換えれば、摩耗ポテンシャルは、この事例では7.0mmに等しい新品時のタイヤのトレッドパターン深さと、この事例では1.6mmに等しい法定摩耗インジケータの半径方向高さとの間の差に等しい。
タイヤのトレッドは、タイヤがトレッド面を通じて走行している時に地面との接触状態になることが意図されたトレッド層と、トレッド層の内側で半径方向に配置されたトレッド層のための裏当て層とを備える。トレッド層は、エラストマートレッド材料を備え、裏当て層は、エラストマートレッド材料とは異なるエラストマー裏当て材料を備える。すなわち、トレッド層と裏当て層は、タイヤの子午断面平面内でインタフェース軌道を表すインタフェースを通じて隣接する。
裏当て層は、タイヤが走行している時に少なくとも法定摩耗閾値に達していない限り地面との接触状態にならないことが意図される。言い換えれば、新品時のタイヤのトレッド面と平行であり、かつ法定摩耗インジケータの半径方向最外点を通過する法定摩耗軌道を子午面内に定めることにより、トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道は、子午面内で法定摩耗軌道の内側で半径方向に配置される。
上述のMICHELIN Primacy 4タイヤは、特に非常に小さい転がり抵抗を示す。その理由は、各エラストマートレッド及び裏当て材料が、それぞれtanDMAX23_1、tanDMAX23_2と表示され、23℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って測定された比較的小さく、それぞれ0.38及び0.15に等しい動的損失を示すからである。
非常に小さい転がり抵抗を取得するための比較的小さい動的損失値tanDMAX23_1、tanDMAX23_2の探求は、摩耗ポテンシャルの半分を超えた状態で、濡れた地面上での制動性能が新品タイヤと比較して阻害されるという結果をもたらした。
国際公開第2018/115722号 国際公開第2014/090845号
本発明の主題は、その摩耗ポテンシャルの半分を超えた状態で、濡れた地面上で従来技術のタイヤと比較して改善された制動性能を示すタイヤである。
上述の目的に対して、本発明の主題は、切れ込みとトレッドパターンブロックとを備えるトレッドを備える乗用車のためのタイヤであり、切れ込みは、トレッドパターンブロックを互いに分離し、トレッドは、タイヤがトレッド面を通じて走行している時に地面との接触状態になることが意図され、トレッドは、法定摩耗閾値を定める少なくとも1つの法定摩耗インジケータを備え、トレッド面の幅の少なくとも70%に等しい軸線方向幅を有するトレッドの軸線方向中心部分内では、トレッドは、トレッド面を担持するトレッド層であって、23℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って10%歪みで測定された複素動的剪断弾性率G*_1と、0℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って測定された動的損失tanD0_1とを示すエラストマートレッド材料を備える上記トレッド層と、トレッド層の内側で半径方向に配置されたトレッド層のための裏当て層であって、23℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って10%歪みで測定された複素動的剪断弾性率G*_2と、0℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って測定された動的損失tanD0_2とを示すエラストマー裏当て材料を備える上記裏当て層とを備え、エラストマートレッド材料は、エラストマー裏当て材料とは異なり、従って、トレッド層と裏当て層は、法定摩耗インジケータを備える子午断面平面内でインタフェース軌道を表すインタフェースを通じて隣接し、tanD0_2≧0.37×tanD0_1かつG*_2≧0.90×G*_1であることを特徴とし、トレッドの軸線方向中心部分内で子午断面平面内に新品時のタイヤのトレッド面と平行であり、かつ法定摩耗インジケータの半径方向最外点を通過する法定摩耗軌道を定めることにより、トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道の長さの少なくとも75%が、子午断面平面内で法定摩耗軌道の内側で半径方向に配置されることを特徴とし、かつトレッドの軸線方向中心部分内でトレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道の長さの少なくとも75%が、法定摩耗軌道から2.0mmよりも小さいか又はそれに等しい平均半径方向距離に配置されることを特徴とする。
その摩耗ポテンシャルの半分を超えた状態で、本発明によるタイヤは、下記で説明する比較試験によって示すように濡れた地面上で従来技術のタイヤと比較して有意に改善された制動性能を示す。
本発明は、特に、タイヤが走行している時にその大部分がそれにも関わらず地面との接触状態になることが意図されない裏当て層が、その摩耗ポテンシャルの半分を超えた状態でタイヤの濡れた地面上での制動性能を改善することを可能にする点で顕著である。
一方で、0℃で測定された動的損失tanD0は、濡れた地面上でのグリップポテンシャルを特徴付けることを可能にする。その理由は、タイヤが、凹凸を示す濡れた地面上を走行している時に、トレッドが、凹凸の上部と適合するように変形して圧入本体を形成するからである。タイヤがその摩耗ポテンシャルの半分を超えた状態で、裏当て層は、0℃で測定された裏当て層の動的損失tanD0が0℃で測定されたトレッド層の動的損失tanD0と比較して高い場合に、この圧入機構に対してより有効に作用する。従って、tanD0_2≧0.37×tanD0_1であるという特性を満足することにより、タイヤがその摩耗ポテンシャルの半分を超えた状態で、濡れた地面上でのタイヤのグリップポテンシャルが改善される。
一方で、23℃での10%歪みで測定された複素動的せん断弾性率G*は、層の硬度を特徴付け、従って、タイヤが濡れた地面上を走行している時の水圧の効果の下でのトレッドの変形に対抗するこの層の機能を特徴付ける。このトレッド変形機構は、ブリスタリングとして公知であり、接触面の一部と地面との接触の喪失を招き、従って、タイヤのグリップを低減する可能性がある。タイヤがその摩耗ポテンシャルの半分を超えた状態で、裏当て層は、23℃での10%歪みで測定された裏当て層の複素動的せん断弾性率G*が、23℃での10%歪みで測定されたトレッド層の複素動的せん断弾性率G*と比較して高い場合に、このブリスタリング機構に対してより有効に作用する。従って、G*_2≧0.90×G*_1であるという特性を満足することにより、裏当て層の硬度が改善され、従って、トレッドがその摩耗ポテンシャルの半分を超えた状態でトレッドの硬度が改善される。
本発明により、トレッドのグリップポテンシャルと硬度とを制御する必要があることに注意しなければならない。その理由は、濡れた地面上でのグリップポテンシャルを改善することが、トレッドが地面上に正しく配置された場合にのみ有利であり、その逆も同様であるからである。
複素動的せん断弾性率G*は、当業者に公知であり、Metravib VA4000粘性分析器上でタイヤから抽出された試験片を用いて測定される動的性質である。ASTM D1349-99規格に従って標準温度条件(この事例では23℃)の下で10Hzの周波数での単調交替正弦波せん断応力に露出される試験片の応答の記録が取られる。歪み振幅掃引が、0.1%から100%まで実施され(外向きサイクル)、次に、100%から0.1%まで実施される(戻りサイクル)。試験片は、ASTM D5992-96規格(最初に1996年に承認され、2006年9月に公開されたバージョン)の図X2.1(円形バージョン)に説明されているように円筒形断面を有し、10mm[0から+0.04mm]の直径と2mm[1.85-2.20]の厚みとを有する。複素動的せん断弾性率G*は、弾性率を表すG’の二乗と粘性係数を表すG″の二乗との和の平方根として定められる。次に、戻りサイクルにわたって10%歪みでの測定値が得られる。
動的損失tanD0は、当業者に公知であり、上記と同じMetravib VA4000粘性分析器上でタイヤから抽出された同じ試験片を用いて測定される別の動的性質である。この性質を決定するために、温度勾配上で材料のガラス転移温度Tgよりも低い温度Tminからエラストマー材料のゴムプラトーに対応することができる温度Tmaxまで1.5℃毎分で温度掃引が実施される。掃引を開始する前に、試験片を通して均一な温度を有するために、サンプルを温度Tminで20分にわたって安定させる。各温度値に関して10Hzの周波数での単調交替正弦波せん断応力に露出された試験片の応答の記録が、タイヤ内のエラストマー材料の作動点を表す応力、この事例では0.7MPaに達するまで行われる。動的損失tanD0の値は、0℃に等しい温度値で得られた測定値である。
動的損失tanDMAX23は、当業者に公知であり、上記と同じMetravib VA4000粘性分析器上でタイヤから抽出された同じ試験片を用いて測定される更に別の動的性質である。ASTM D1349-99規格に従って決定温度条件(この事例では23℃)の下で10Hzの周波数での単調交替正弦波せん断応力に露出される試験片の応答の記録が取られる。歪み振幅掃引は、0.1%から100%まで実施され(外向きサイクル)、次に、100%から0.1%まで実施される(戻りサイクル)。動的損失として表されるサンプルに対して作用された力とサンプルの変位との間の位相角の正接Dが、比G″/G’に等しい。歪み戻りサイクルで観察される位相角の正接Dの最大値tanDMAXが記録される。
トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道の長さの少なくとも75%が、子午断面平面内で法定摩耗軌道の内側で半径方向に配置されるという特徴は、タイヤが走行している時に少なくとも法定摩耗閾値に達しない限り裏当て層の大部分が地面との接触状態にならないことが意図されるということを特徴付ける。従来技術のタイヤとは対照的に、本発明によるタイヤでは、裏当て層を局所的に、すなわち、トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道の長さの最大で25%にわたって地面との接触状態にすることができる。その理由は、裏当て層の動的損失tanD0_2の比較的高い値に起因して地面との接触の場合にこの裏当て層によって与えられるグリップポテンシャルが、従来技術のタイヤの裏当て層が地面との接触状態になった場合に従来技術の裏当て層によって与えられるグリップポテンシャルよりも高いと考えられるからである。言い換えれば、本発明によるタイヤの裏当て層が地面との接触状態になった場合に、グリップポテンシャルは、それ程阻害されないと考えられる。
上述の特徴は、裏当て層のうちの小さいが無視することができない部分が半径方向に法定摩耗軌道を上回って露出したタイヤを廃棄することを回避することを可能にすることで特に有利である。そのような半径方向の露出は、特に、切れ込みのモールド成形が、切れ込みの半径方向下方に位置付けられたエラストマートレッド材料及びエラストマー裏当て材料の外向きの軸線方向流れ及びその得られる切れ込みに半径方向に近い場所に位置付けられたエラストマートレッド材料及びエラストマー裏当て材料の外向きの半径方向流れをもたらすことで切れ込みの近くで見られる。
これに加えて、トレッドの軸線方向中心部分にわたって本発明による特別なトレッド層及び裏当て層の配置、並びにトレッド材料及び裏当て材料の性質が見られるという特徴は、本発明が、地面との接触状態になることが意図されたトレッドのかなりの軸線方向部分、この事例ではトレッド面の幅の少なくとも70%に等しい軸線方向部分にわたってこれらの材料の配置及び性質を必要とすることを反映することを可能にする。軸線方向中心部分は、タイヤの子午面を備える。
本発明による第1の好ましい変形では、トレッドの軸線方向中心部分は、トレッドの軸線方向幅に等しい軸線方向幅を有する。言い換えれば、トレッドの軸線方向中心部分は、トレッド面の幅の100%に等しい軸線方向幅を有する。
同じく本発明による第2の変形では、トレッドが、軸線方向中心部分の軸線方向外側に配置された軸線方向横部分を備え、各軸線方向横部分が、トレッドの軸線方向幅の最大で15%に等しい軸線方向幅を有するように、トレッドの軸線方向中心部分は、トレッド面の軸線方向幅よりも厳密に小さい軸線方向幅を有する。この第2の変形の第1の構成では、軸線方向横部分は、軸線方向中心部分とは異なる特別な配置を有する。この第2の変形の第2の構成では、軸線方向横部分は、軸線方向中心部分とは異なる材料性質を示す。
従来的に、トレッド面は、公称リム上に装着されて公称圧力まで膨張させたタイヤ上で決定される。トレッド面とタイヤの残余の間に明白な境界がある場合に、トレッド面の軸線方向幅は簡単に測定される。トレッド面がタイヤの側壁の外面と連続している場合に、トレッド面の軸線方向限界は、点を通過し、この点では、トレッド面のタンジェンシャルと軸線方向と平行にこの点を通過する直線との間の角度は、30°に等しい。子午断面平面内で、この角度が絶対値で30°に等しいいくつかの点が存在する時は、半径方向最外点が採用される。
トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道は、タイヤが新品である時にトレッド面に対して垂直であり、かつトレッド面の一部である各トレッドパターンブロックの軸線方向端部を通過する2つの直線によって軸線方向に境界が定められる。
本発明により、タイヤがその摩耗ポテンシャルの半分を超えた状態で、裏当て層が上述の圧入及びブリスタリング機構に対して有意な効果を有するように、裏当て層は、トレッド面から半径方向に過度に離れていないことが必要である。従って、トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道の長さのかなりの部分、この事例では少なくとも75%は、子午断面平面内で法定摩耗軌道から比較的小さい距離、この事例では2.0mmよりも小さいか又はそれに等しい距離に配置される。インタフェース軌道と法定摩耗軌道の間の平均半径方向距離を決定するために、トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道に沿って定期的に測定されたインタフェース軌道と法定摩耗軌道の間の半径方向距離の平均が、例えば、ミリメートル単位で取られることになる。
トレッド層と裏当て層が隣接ことは、特に、トレッド材料と裏当て材料がインタフェースに沿って互いに直接接触しており、トレッド層と裏当て層の間にいずれの他の材料も半径方向に挟まれないことを特徴付ける。
トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道の長さを決定するために、トレッド面の半径方向下方に配置されたインタフェース軌道の曲線長さの測定が子午断面平面内で行われ、この測定は、それ自体は地面との接触状態になることが意図された面を持たない様々な切れ込みの半径方向下方に配置されたインタフェース軌道の長さを暗に除外する。
トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道の長さが法定摩耗軌道の半径方向内側又は外側のいずれに配置されているかを決定するために、インタフェース軌道上の各点に関して法定摩耗軌道上への当該点の半径方向投影点が当該点の半径方向内側又は外側のいずれに位置付けられたかの決定が行われる。類似の手法で、トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道と法定摩耗軌道の間の距離を決定するために、インタフェース軌道上の各点に関してインタフェース軌道上の当該点と法定摩耗軌道上への当該点の半径方向投影点との間の距離が決定される。
この出願で説明する幾何学的特徴は、タイヤの子午断面平面内で簡単に決定することができる。
エラストマー材料は、弾性挙動を示す材料である。そのような材料は、少なくとも1つのエラストマーと少なくとも1つの他の成分とを備える架橋性組成物を架橋することによって有利に得られる。好ましくは、少なくとも1つのエラストマーと少なくとも1つの他の成分とを備える架橋性組成物は、エラストマーと架橋システムと、充填剤とを備える。トレッド層及び裏当て層に使用される架橋性組成物は、一般的に、ジエンエラストマーと、カーボンブラック及び/又はシリカのような強化充填剤と、加硫システムと、従来の添加剤とに基づく従来のタイヤトレッドのための組成物を備える。
特に、水を排出して濡れた地面上での良好なグリップ性能を保証することを可能にするために、本発明によるタイヤのトレッドは切れ込みを備える。切れ込みは、ウェル、溝、又はサイプのいずれかを表し、トレッド面への空間開口部を形成する。
トレッド面上では、サイプ又は溝は、2つの特徴的な主寸法、すなわち、幅Wと、幅Wの2倍に少なくとも等しいような長さLoとを有する。従って、サイプ又は溝は、その長さLoを決定し、底面によって接続され、かつ切れ込みの幅Wと呼ぶ非ゼロ距離だけ互いに離れた2つの主側面によって境界が定められる。新品のタイヤでは、切れ込みの幅Wは、切れ込みが面取りされていない時に半径方向面がトレッド面と一致する場所で測定され、切れ込みが面取りされている時に切れ込みの半径方向に最も外側にある半径方向面と面取りの半径方向に最も内側にある面とが一致する場所で測定された2つの主側面の間の最大距離である。新品のタイヤ上では、切れ込みの深さは、切れ込みの底部とタイヤが走行している時の地面上へのこの底部の投影点との間の最大半径方向距離である。切れ込みの深さに対する最大値をトレッドパターン深さと呼ぶ。
サイプは、主側面間の距離が、特にタイヤが新品であり、かつ取りわけタイヤが公称荷重及び公称圧力の下にあることを備える通常走行条件下にある時にサイプの境界を定めるこれらの主側面間が接触面内で少なくとも部分的な接触状態になることを可能にするのに適するようなものである。一般的に、サイプの幅は、2mmよりも小さいか又はそれに等しい。
溝は、主側面間の距離が、取りわけタイヤが公称荷重及び公称圧力の下にあることを備える通常走行条件下でこれらの主側面間が互いに接触状態になることができないような距離であるようなものである。一般的に、溝の幅は、2mmよりも厳密に大きく、好ましくは、5mmよりも大きいか又はそれに等しく、より好ましくは、8mmよりも大きいか又はそれに等しい。
溝は、特に周方向溝、すなわち、タイヤの周方向と30°よりも小さいか又はそれに等しく、好ましくは、10°よりも小さいか又はそれに等しい角度を形成する主方向に延びる溝とすることができる。周方向溝は、その長さを決定する2つの主側面がタイヤの全周にわたって不断であるように連続的なもの、すなわち、トレッドパターンブロック又は別の切れ込みによって分断されないものとすることができる。それにも関わらず、周方向溝は、その長さを決定する2つの主側面が1又は2以上のトレッドパターンブロック及び/又は1又は2以上の他の切れ込みによって分断されるように不連続のもの、すなわち、1又は2以上のトレッドパターンブロック及び/又は1又は2以上の他の切れ込みによって分断されたものとすることができる。一般的に、新品時のタイヤの周方向溝の深さは、トレッドパターン深さの85%、好ましくは、90%よりも大きいか又はそれに等しい。非常に従来的には、新品時のタイヤの周方向溝は、4.0mmよりも大きいか又はそれに等しく、好ましくは、5.0mmよりも大きいか又はそれに等しく、より好ましくは、5.5mmよりも大きいか又はそれに等しい。本発明によるタイヤのトレッドパターンブロックを分離する切れ込みは、非常に好ましくは、周方向溝である。
本発明によるタイヤは、その回転軸と実質的に一致する旋回軸の周りに実質的に円環形状を有する。この旋回軸は、当業者によって従来的に使用される3つの方向、すなわち、軸線方向、周方向、及び半径方向を定める。
「軸線方向」という表現は、タイヤの旋回軸、すなわち、タイヤの回転軸に対して実質的に平行な方向を意味する。
「周方向」という表現は、軸線方向とタイヤの半径の両方に対して実質的に垂直な(言い換えれば、タイヤの回転軸上に中心が定められた円に対して正接の)方向を意味する。
「半径方向」という表現は、タイヤの半径に沿う方向、すなわち、タイヤの回転軸に交わり、この軸に対して実質的に垂直ないずれかの方向を意味する。
タイヤの子午面(Mと表示する)は、タイヤの回転軸に対して垂直であり、2つのビードの間で軸線方向中間に位置し、クラウン補強材の軸線方向中心を通過する平面であると理解される。
タイヤの赤道円周面(Eと表示する)は、タイヤの赤道を通過し、子午面と半径方向とに垂直な子午断面平面であると理解される。タイヤの赤道は、子午断面平面(周方向に対して垂直であり、半径方向と軸線方向とに平行である)内でタイヤの回転軸と平行であり、地面と接触していることが意図された半径方向最外点と、支持体、例えば、リムと接触していることが意図された半径方向最内点との間で等距離に位置付けられた軸線であり、これら2つの点の間の距離はHに等しい。
子午面は、タイヤの回転軸と平行であり、それを含有し、かつ周方向に対して垂直な平面であると理解される。
「半径方向内側」及び「半径方向外側」は、それぞれ「タイヤの回転軸に近いこと」及び「タイヤの回転軸から遠いこと」を意味する。「軸線方向内側」及び「軸線方向外側」は、それぞれ「タイヤの子午面に近いこと」及び「タイヤの子午面から遠いこと」を意味する。
ビードは、装着支持体、例えば、リムを備えるホイールにタイヤを取り付けることを可能にすることが意図されたタイヤの部分であると理解される。従って、各ビードは、取りわけ、リムのフランジとの接触状態になり、取り付けられることを可能にすることが意図される。
「aとbの間」という表現によって表される値間のいずれの間隔も、a超からb未満までに及ぶ値の範囲(すなわち、限度値a及びbは除外される)を表し、それに対して「aからbまで」という表現によって表される値間のいずれの間隔も、aからbまでに及ぶ値の範囲(すなわち、厳密な限度値a及びbを含む)を意味する。
本発明のタイヤは、European Tyre and Rim Technical Organisation(欧州タイヤ及びリム技術協会)又は「ETRTO」の2019年規格に従って定められた乗用車に関するものである。そのようなタイヤは、European Tyre and Rim Technical Organisation(欧州タイヤ及びリム技術協会)又は「ETRTO」の2019年規格に従って断面高さHと公称断面幅Sとによって特徴付けられる断面を子午断面平面内に有する。
本発明のタイヤは、好ましくは、乗用車に関するものである。そのようなタイヤは、European Tyre and Rim Technical Organisation(欧州タイヤ及びリム技術協会)(「ETRTO」という略語で表示される)の規格マニュアル2019に記載の規格に従って公称断面幅Sと断面高さHとによって特徴付けられて百分率として表される比H/Sが、最大で90に等しく、好ましくは、最大で80に等しく、より好ましくは、最大で70に等しく、かつ少なくとも30に等しく、好ましくは、少なくとも40に等しく、公称断面幅Sが、少なくとも115mmに等しく、好ましくは、少なくとも155mmに等しく、より好ましくは、少なくとも175mmに等しく、かつ最大で385mmに等しく、好ましくは、最大で315mmに等しく、より好ましくは、最大で285mmに等しく、更に好ましくは、最大で255mmに等しいような断面を子午断面平面内に有する。更に、タイヤの装着リムの直径を定めるリムフランジでの直径Dは、少なくとも12インチに等しく、好ましくは、少なくとも16インチに等しく、かつ最大で24インチに等しく、好ましくは、最大で20インチに等しい。
上述のように、裏当て層は、それが地面との接触状態になる場合にグリップポテンシャルをそれ程損ねないが、地面との接触状態になることができるこの裏当て層の分量を最小にすることが好ましい。従って、有利なことに、トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道の長さの少なくとも80%、好ましくは、少なくとも90%は、子午断面平面内で法定摩耗軌道の内側で半径方向に配置される。
圧入及びに対する裏当て層の効果を最大に高めるために、裏当て層の可能な最も大きい分量が、半径方向に法定摩耗軌道に比較的近い場所に位置付けられることが好ましいことは理解されるであろう。従って、有利なことに、トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道の長さの少なくとも80%、好ましくは、少なくとも90%が、子午断面平面内で2.0mmよりも小さいか又はそれに等しい半径方向距離に配置される。
更に圧入及びブリスタリング機構に対する裏当て層の効果を最大に高めるために、裏当て層は、その分量に関係なく法定摩耗軌道に半径方向に最も近い場所に位置付けられることが好ましいことは理解されるであろう。従って、トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道の長さの少なくとも75%、好ましくは、少なくとも80%、より好ましくは、少なくとも90%は、子午断面平面内で法定摩耗軌道から有利に1.2mmよりも小さいか又はそれに等しく、より好ましくは、1.0mmよりも小さいか又はそれに等しい半径方向距離に配置される。
圧入機構に対する裏当て層の効果を改善するために、有利な実施形態では、tanD0_2≧0.5×tanD0_1、好ましくは、tanD0_2≧0.75×tanD0_1、より好ましくは、tanD0_2≧tanD0_1、更により好ましくは、tanD0_2>tanD0_1、非常に好ましくは、tanD0_2≧1.10×tanD0_1であることが該当する。特に、値tanD0_2の増加が大きいほど、タイヤがその摩耗ポテンシャルの半分を超えた状態で濡れた地面に対するタイヤのグリップポテンシャルは有意に改善される。tanD0_2>tanD0_1及びtanD0_2≧1.10×tanD0_1であるより好ましい場合及び非常に好ましい場合に、本発明によるタイヤの裏当て層が地面との接触状態になった場合に、グリップポテンシャルは、それ程阻害されることがないだけでなく、全く反対に実際に改善される。
ブリスタリング機構に対する裏当て層の効果を改善するために、有利な実施形態ではG*_2≧0.92×G*_1、好ましくは、G*_2≧G*_1、より好ましくは、G*_2>G*_1であることが該当する。特に、値G*_2の増加が大きいほど、トレッドがその摩耗ポテンシャルの半分を超えた状態で裏当て層の硬度は高く、従って、トレッドの硬度は高い。
圧入及びブリスタリング機構に対する裏当て層の効果を最大に高めることを可能にする特定の実施形態では、トレッドの軸線方向中心部分内では、トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道の長さの少なくとも75%は、子午断面平面内で新品時のタイヤのトレッド面と平行であり、かつ最深切れ込み又は各最深切れ込みの半径方向最内点を通過する軌道の外側で半径方向に配置される。言い換えれば、インタフェース軌道は、法定摩耗インジケータの厚みの軸線方向延長上に位置付けられた半径方向面上に位置付けられる。特に、法定摩耗インジケータは、非常に好ましくは、最深切れ込み又は最深切れ込みのうちの1つの底部に配置される。
同じ深さを有する複数の切れ込みが最深のものである場合に、上述の特徴は、法定摩耗インジケータを備える各最深切れ込みに関して検証される。
圧入及びブリスタリング機構に対する裏当て層の効果を最大に高めるために、裏当て層の可能な最も大きい分量は、法定摩耗インジケータの厚みの軸線方向延長内で半径方向に位置付けられることが好ましいことは理解されるであろう。従って、有利なことに、トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道の長さの少なくとも80%、好ましくは、少なくとも90%は、子午断面平面内で新品時のタイヤのトレッド面と平行であり、かつ最深切れ込みの半径方向最内点又は同じ深さを有する複数の切れ込みが存在し、その全てがトレッド上で最深のものである場合に、各最深切れ込みの半径方向最内点を通過する軌道の外側で半径方向に配置される。
裏当て層がトレッド層を貫通して露出することが過度に頻繁に起こり、従って、裏当て層の過度に大きい分量が地面との接触状態になる可能性があることに起因して非準拠タイヤを廃棄する必要性を回避するために、トレッドの軸線方向中心部分内では、トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道の長さの少なくとも75%は、子午断面平面内で法定摩耗軌道から0.4mmよりも大きいか又はそれに等しく、好ましくは、0.6mmによっても大きいか又はそれに等しい平均半径方向距離に配置される。更に、トレッドの所与の厚みに対して使用エラストマー裏当て材料の体積は、インタフェース軌道と法定摩耗軌道の間の半径方向距離を拡大することによって低減される。
露出の事例の低減及び使用エラストマー裏当て材料の体積の最小化の幅を更に広げるために、トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道の長さの有利には少なくとも80%、好ましくは、少なくとも90%は、子午断面平面内で法定摩耗軌道から0.4mmよりも大きいか又はそれに等しく、好ましくは、0.6mmよりも大きいか又はそれに等しい半径方向距離に配置される。
裏当て層の局所露出が許され、インタフェース軌道の僅かな部分のみが法定摩耗軌道の外側で半径方向に位置付けられるタイヤであっても指定通りに廃棄されることが回避される特に有利な実施形態では、トレッドの軸線方向中心部分内では、トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道の少なくとも非ゼロの長さは、子午断面平面内で法定摩耗軌道の外側で半径方向に配置される。本発明により、この長さは、トレッドパターンブロックの半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道の長さの最大で25%に等しい。
圧入機構に対するトレッド層の効果を最適化することを可能にする実施形態では、tanD0_1は、0.50から1.00までに及び、より好ましくは、0.50から0.85までに及ぶ。
圧入機構に対する裏当て層の効果を最適化することを可能にする実施形態では、tanD0_2は、0.60から1.10までに及び、より好ましくは、0.60から1.00までに及ぶ。
ブリスタリング機構に対するトレッド層の効果を最適化することを可能にする実施形態では、G*_1は、1.30MPaから4.10MPaまでに及び、好ましくは、1.30MPaから3.00MPaまでに及ぶ。
ブリスタリング機構に対する裏当て層の効果を最適化することを可能にする実施形態では、G*_2は、2.00MPaよりも大きいか又はそれに等しく、好ましくは、2.00MPaから4.10MPaに及び、より好ましくは、2.15MPaから3.50MPaに及ぶ。
従来的に、タイヤは、クラウンと、2つの側壁と、2つのビードとを備え、各側壁が各ビードをクラウンに接続する。同じく従来手法では、クラウンは、トレッドと、トレッドの内側で半径方向に配置されたクラウン補強材とを備える。タイヤは、各ビード内に固着されて各側壁内をクラウンの内側で半径方向に延びるカーカス補強材を更に備える。
従来的に、クラウン補強材は、補強要素を備える少なくとも1つのクラウン層を備える。これらの補強要素は、好ましくは、織物又は金属のフィラメント状要素である。
ETRTOによって定められる半径方向タイヤと呼ばれるタイヤの性能態様を達成することを可能にする実施形態では、カーカス補強材は、少なくとも1つのカーカス層を備え、上記又は各カーカス層は、カーカスフィラメント状補強要素を備え、各カーカスフィラメント状補強要素は、実質的に、タイヤの周方向と絶対値で80°から90°までに及ぶ角度を形成する主方向に延びる。
有利なことに、タイヤは、トレッドの内側で半径方向に配置されたクラウン補強材を備え、トレッドの軸線方向中心部分内では、クラウン補強材の半径方向最外補強要素を備える層と上記又は各最深切れ込みの半径方向最内点との間の平均距離は、2.50mmよりも小さいか又はそれに等しく、好ましくは、2.25mmよりも小さいか又はそれに等しい。上述のように、タイヤがモールド成形されている時に、切れ込みの半径方向下方に位置付けられたエラストマートレッド材料及びエラストマー裏当て材料の外向き軸線方向流れ及びその得られる切れ込みに半径方向に近い場所に位置付けられたエラストマートレッド材料及びエラストマー裏当て材料の外向きの半径方向流れが見られる。これらの流れは、クラウン補強材の半径方向外側かつ各切れ込みの半径方向内側、より好ましくは、最深切れ込みの内側で半径方向に位置付けられたエラストマー材料の厚みが小さい時に一層有意である。本発明は、トレッド層を貫通する裏当て層の局所露出を許すので、クラウン補強材の半径方向外側かつ各切れ込みの半径方向内側、より好ましくは、最深切れ込みの内側で半径方向に位置付けられたエラストマー材料の厚みを低減することができる。この低減は、タイヤの質量だけでなく、その転がり抵抗を低減することも可能にする。
同じ深さを有する複数の切れ込みが最深のものである場合に、上述の特徴は、各最深切れ込みに関して検証される。好ましくは、最深切れ込みは周方向溝であるので、トレッドの軸線方向中心部分内では、クラウン補強材の半径方向最外補強要素を備える層と各周方向溝の半径方向最内点との間の平均距離は、2.50mmよりも小さいか又はそれに等しく、好ましくは、2.25mmよりも小さいか又はそれに等しい。
上記にも関わらず、クラウン補強材を外部腐食から保護するために、タイヤは、トレッドの内側で半径方向に配置されたクラウン補強材を備えるクラウンを備え、トレッドの軸線方向中心部分内では、クラウン補強材の半径方向最外補強要素を備える層と上記又は各最深切れ込みの半径方向最内点との間の平均距離は、1.0mmよりも大きいか又はそれに等しい。
同じ深さを有する複数の切れ込みが最深のものである場合に、上述の特徴は、各最深切れ込みに関して検証される。好ましくは、最深切れ込みは周方向溝であるので、トレッドの軸線方向中心部分内では、クラウン補強材の半径方向最外補強要素を備える層と各周方向溝の半径方向最内点との間の平均距離は、1.0mmよりも大きいか又はそれに等しい。
クラウン補強材の半径方向最外補強要素を備える層と上記又は各最深切れ込み又は各周方向溝の半径方向最内点との間の平均距離を決定するために、クラウン補強材の半径方向最外補強要素を備える層と上記又は各最深切れ込み又は各周方向溝の半径方向最内点との間の直線距離の平均は、例えば、ミリメートル単位で取られることになる。
クラウン補強材の半径方向最外補強要素を備える層と上記又は各最深切れ込み又は各周方向溝の半径方向最内点との間の直線距離は、子午断面平面内で上記又は各最深切れ込み又は各周方向溝の半径方向最内点と、半径方向最外クラウン層の補強要素の半径方向最外点を通過する軌道上へのこの半径方向最内点の投影点との間で測定される。
例えば、押出成形手段を用いて工業的に実施することが容易な実施形態では、上記又は各最深切れ込みの半径方向下方に位置付けられたトレッドの軸線方向部分は、非ゼロ半径方向厚のトレッド層と非ゼロ半径方向厚の裏当て層とを備える。好ましくは、押出成形工程中の切れ込みの下にあるエラストマー材料の不均等な流れの問題を低減するために、裏当て層の半径方向厚に対するトレッド層の半径方向厚の比は、0.40から0.60までに及ぶ。
裏当て層が、濡れた地面上でのグリップ性能を改善し、従って、使用エラストマー裏当て材料の量を最小にすることを可能にする場所にのみ配置される実施形態では、上記又は各最深切れ込みの半径方向下方に位置付けられたトレッドの軸線方向部分は、トレッド層によって構成される。好ましくは、各周方向溝の半径方向下方に位置付けられたトレッドの軸線方向部分は、トレッド層によって構成される。言い換えれば、トレッド内には、上記又は各最深切れ込みの半径方向下方又は各周方向溝の半径方向下方に位置付けられたエラストマー裏当て材料は存在しない。
上述の実施形態では、上記又は各最深切れ込み又は各周方向溝の半径方向下方に位置付けられたトレッドの軸線方向部分は、タイヤが新品である時に切れ込み又は各溝を区切り、かつトレッド面の一部であるトレッドパターンブロックの各々の軸線方向端部を通過するトレッド面に対して垂直な2つの直線によって軸線方向に境界が定められる。
可能な限り小さい転がり抵抗を有するタイヤを達成するために、エラストマートレッド材料は、23℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って測定された場合に、0.13から0.70、好ましくは、0.13から0.47に及ぶ動的損失tanDMAX23_1を示す。その理由は、23℃及び10Hzの周波数で測定された動的損失tanDMAX23が、エラストマー材料のヒステリシスを特徴付け、従って、その転がり抵抗を特徴付けるからである。
同様に、タイヤの転がり抵抗に対する裏当て層の影響を最小にするために、エラストマー裏当て材料は、23℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って測定された場合に、0.13から0.53、好ましくは、0.13から0.46に及ぶ動的損失tanDMAX23_2を示す。
上述したように、法定摩耗インジケータは、非常に好ましくは、最深切れ込みの底部に配置される。摩耗インジケータは、非常に好ましくは、周方向溝の底部に配置される。
実施することが特に簡単な実施形態では、摩耗インジケータは、1.45mmから1.75mmに及び、好ましくは、1.6mmに実質的に等しい半径方向高さにわたって切れ込みの底部から半径方向外向きに延びる突起によって形成される。
有利なことに、タイヤに比較的大きい摩耗ポテンシャルを与え、従って、長い寿命を与えるために、新品時のタイヤのトレッドパターン高さは、5.0mmから9.0mm、好ましくは、6.0mmから7.5mmに及ぶ。切れ込みの深さの最大値がトレッドパターン高さである。
濡れた地面上で走行している時に水が実質的に排出されることを可能にするために、摩耗の後に2.0mmに等しいトレッドパターン高さを示すタイヤの表面積孔隙比は、20%から35%、好ましくは、22%から30%に及ぶ。本発明による裏当て層は、摩耗と共に発生して表面積孔隙比が小さい場合に一層激しい排水機能の低下を補償することを可能にするので、この裏当て層の使用は、摩耗後にそのような表面積孔隙比を示すタイヤの場合に一層有利である。
タイヤの表面積孔隙比は、公称圧力まで膨張されて公称荷重の下にあり、その間に滑らかな地面、例えば、ガラス板との接触しているタイヤのトレッドの接触面の全面積ATとタイヤが走行する地面と接触するトレッドの要素の面積ACとの間の差と、公称圧力まで膨張されて公称荷重の下にあり、その間に滑らかな地面との接触しているタイヤのトレッドの接触面の全面積ATとの間の比である。
表面積孔隙比を決定するために、公称荷重は、European Tyre and Rim Technical Organisation(欧州タイヤ及びリム技術協会)又は「ETRTO」の2019年規格によって示されている定格荷重の80%に等しく、公称圧力は2.5バールである。
使用エラストマー裏当て材料の量を最少にするために、トレッドの軸線方向中心部分内のエラストマートレッド材料の体積は、トレッドの軸線方向中心部分の体積の60%よりも大きいか又はそれに等しく、好ましくは、65%よりも大きいか又はそれに等しく、トレッドの軸線方向中心部分内のエラストマー裏当て材料の体積は、トレッドの軸線方向中心部分の体積の40%よりも小さいか又はそれに等しく、好ましくは、35%よりも小さいか又はそれに等しい。
工業的な複雑さ及びトレッドを製造するための工程の観点から特に有利な実施形態では、トレッドの軸線方向中心部分の体積の少なくとも90%がトレッド材料と裏当て材料とで製造される。トレッドの軸線方向中心部分の体積の最大で10%までに及ぶ可能性があるトレッドの軸線方向中心部分の場合によって残る体積内に、トレッドは、クラウン補強材の半径方向最外層と裏当て層の間に配置されたこれら2つの層の間の接続を提供するための0.4mmよりも小さい薄い軸線方向厚の層を備えることができる。更に、タイヤが導電率規格を満足することを可能にするために、トレッドは、小さい軸線方向幅を有し、導電材料で製造され、タイヤが走行している地面とクラウン補強材の間の導電経路を形成するストリップを同じく備えることができる。
裏当て層が、トレッドの軸線方向中心部分の軸線方向外側に配置された軸線方向横部分の中に軸線方向に突入し、上述の圧入及びブリスタリング機構に対する効果を軸線方向中心部分の外側に有することを可能にする実施形態では、裏当て層の軸線方向幅は、トレッド面の軸線方向幅の90%よりも大きいか又はそれに等しく、好ましくは、裏当て層の軸線方向幅は、トレッド面の軸線方向幅の100%よりも大きいか又はそれに等しい。
使用エラストマー裏当て材料の量を最小にするために裏当て層が軸線方向に中心部分に制限される別の実施形態では、裏当て層の軸線方向幅は、トレッドの幅の90%よりも小さいか又はそれに等しい。
本発明及びその利点は、以下の詳細説明及び非限定例示的実施形態に照らしてこれらの例に関する図1から図8に基づくことで容易に理解されるであろう。
本発明の第1の実施形態によるタイヤの子午断面平面図である。 クラウン内及びその下にあるフィラメント状補強要素の配置を示す、図1に記載のタイヤの破断図である。 図1に記載のタイヤのクラウンの詳細図である。 図1に記載のタイヤのクラウンの詳細図である。 図1に記載のタイヤのクラウンの詳細図である。 図1に記載のタイヤのクラウンの詳細図である。 第2の実施形態によるタイヤの図3に記載と類似の図である。 第3の実施形態によるタイヤの図3に記載と類似の図である。
タイヤに関する図には、タイヤの通常の軸線方向(Y)、半径方向(Z)、及び周方向(X)にそれぞれ対応する基準座標系X,Y,Zを例示する。
図1は、本発明によるものであり、全体的参照名10で表示するタイヤを例示する。タイヤ10は、軸線方向Yに対して実質的に平行な旋回軸の周りに実質的に円環の形状を有する。タイヤ10は、乗用車に関して225/45R17というサイズを有する。様々な図では、タイヤ10を新品、すなわち、まだ走行していない時として描いている。
タイヤ10は、走行している時に地面との接触状態になることが意図されたトレッド14を備えるクラウン12と、クラウン12内で周方向Xに延びるクラウン補強材16とを備える。更に、タイヤ10は、それが、それに対する装着支持体、例えば、リム上に装着された時にこの装着支持体と共に閉じた内部キャビティの境界を定めることが意図された膨張ガスに対する気密層18を備える。
クラウン補強材16は、作動補強材20とフープ補強材22とを備える。作動補強材16は、少なくとも1つの作動層を備え、この場合は2つの作動層24、26を備える。この特定の事例では、作動補強材16は、2つの作動層24、26から構成される。半径方向内側の作動補強材24が、半径方向外側の作動層26の内側で半径方向に配置される。
フープ補強材22は、少なくとも1つのフーピング層を備え、この場合は1つのフーピング層28を備える。フープ補強材22は、この場合はフーピング層28から構成される。
クラウン補強材16には、半径方向にトレッド14が被装される。この場合に、フープ補強材22、この場合にフーピング層28は、作動補強材20の外側で半径方向に配置され、従って、半径方向に作動補強材20とトレッド14の間に挟まれる。好ましくは、フープ補強材22が作動補強材20の軸線方向幅と少なくとも同程度に大きい軸線方向幅を有し、図1に図示の実施形態にあるこの特定の事例では、フープ補強材22が作動補強材20の軸線方向幅よりも大きい軸線方向幅を有することを概念上可能にすることができる。
タイヤ10は、クラウン12から半径方向内向きに延びる2つの側壁30を備える。更に、タイヤ10は、側壁30の内側で半径方向に2つのビード32を有する。各側壁30は、各ビード32をクラウン12に接続する。
タイヤ10は、各ビード32内に固着され、この特定の事例ではビードワイヤ33の周りに巻き付けられたカーカス補強材34を備える。カーカス補強材34は、各側壁30内でクラウン12の内側で半径方向に延びる。クラウン補強材16は、半径方向にトレッド14とカーカス補強材34の間に配置される。カーカス補強材34は、少なくとも1つのカーカス層を備え、この場合は単一カーカス層36を備える。この特定の事例では、カーカス補強材34は、単一カーカス層36から構成される。
作動層24、26、フーピング層28、及びカーカス層36の各々は、対応する層の1又は2以上のフィラメント状補強要素が埋め込まれたエラストマー母材を備える。次に、これらの層は、図2を参照して以下に説明する。
フープ補強材22、この場合にフーピング層28は、フープ補強材22の2つの軸線方向縁部28A、28Bによって軸線方向に境界が定められる。フープ補強材22は、1又は2以上のフーピングフィラメント状補強要素280を備え、フーピングフィラメント状補強要素280は、軸線方向にフーピング層28の軸線方向縁部28Aから他方の軸線方向縁部28Bまで各フーピングフィラメント状補強要素280の主方向D0に延びるように周方向に螺旋状に巻装される。主方向D0は、タイヤ10の周方向Xと絶対値で10°よりも小さいか又はそれに等しく、好ましくは、7°よりも小さいか又はそれに等しく、より好ましくは、5よりも小さいか又はそれに等しい角度AFを構成する。この場合はAF=-5°である。フーピング層28は、フーピング層の1デシメートル毎に98本のフィラメント状補強要素という密度を備え、この密度は、方向D0と垂直に測定したものである。
半径方向内側の作動層24は、2つの軸線方向縁部28A、28Bによって軸線方向に境界が定められる。半径方向内側の作動層24は、軸線方向に軸線方向縁部24Aから他方の軸線方向縁部24Bまで主方向D1に沿って互いに対して実質的に平行な方式を延びる作動フィラメント状補強要素240を備える。同様に、半径方向外側の作動層26は、2つの軸線方向縁部26A、26Bによって軸線方向に境界が定められる。半径方向外側の作動層26は、軸線方向に軸線方向縁部26Aから他方の軸線方向縁部26Bまで主方向D2に沿って互いに対して実質的に平行な方式を延びる作動フィラメント状補強要素260を備える。半径方向内側の作動層24の各作動フィラメント状補強要素240が延びる主方向D1、及び他方の半径方向外側の作動層26の各作動フィラメント状補強要素260が延びる主方向D2は、タイヤ10の周方向Xと反対の向きの角度AT1及びAT2をそれぞれ形成する。各主方向D1、D2は、タイヤ10の周方向Xと絶対値で厳密に10°よりも大きく、好ましくは、15°から50°までに及び、より好ましくは、15°から30°までに及ぶ角度AT1、AT2をそれぞれ形成する。この場合に、AT1=-26°及びAT2=+26°である。
カーカス層36は、2つの軸線方向縁部36A、36Bによって軸線方向に境界が定められる。カーカス層36は、軸線方向に軸線方向縁部36Aから他方の軸線方向縁部36Bまでタイヤ10の周方向Xと絶対値で60°よりも大きいか又はそれに等しく、好ましくは、80°から90°までに及ぶ角度AC、この場合はAC=+90°を構成する主方向D3に延びるカーカスフィラメント状補強要素360を備える。
従来的に、各フーピングフィラメント状補強要素280は、脂肪族ポリアミドの紡績糸、この事例では140テックスに等しい糸番手を有するナイロンのモノフィラメントで各々が構成された2つのマルチフィラメントプライを備え、これら2つのマルチフィラメントプライは、個々に1つの方向に螺旋状に1メートル当たり250回加撚され、互いに反対方向に螺旋状に1メートル当たり250回加撚される。これら2つのマルチフィラメントプライは、互いの周りに螺旋状に巻装される。変形として脂肪族ポリアミドの紡績糸、この場合は140テックスに等しい糸番手を有するナイロンのモノフィラメントを備えた1つのマルチフィラメントプライと、芳香族ポリアミドの紡績糸、この場合は167テックスに等しい糸番手を有するアラミドのモノフィラメントを備えた1つのマルチフィラメントプライとを備え、これら2つのマルチフィラメントプライが個々に1つの方向に螺旋状に1メートル当たり290回加撚され、互いに反対方向に螺旋状に1メートル当たり290回加撚されたフーピングフィラメント状補強要素280を使用することができると考えられる。これら2つのマルチフィラメントプライは、互いの周りに螺旋状に巻装される。
各作動フィラメント状補強要素180は、各々が0.30mmに等しい直径を有し、1.2mm又は1.05mmのピッチで螺旋状に巻装された2つのスチールモノフィラメントの編組体である。別の実施形態では、各作動フィラメント状補強要素180は、0.30mmに等しい直径を有するスチールモノフィラメントから構成される。より一般的に、は、スチールモノフィラメントは、0.25mmから0.32mmまでに及ぶ直径を有する。
従来的に、各カーカスフィラメント状補強要素340は、ポリエステルの紡績糸、この場合はPETのモノフィラメントで各々が構成された2つのマルチフィラメントプライを備え、これら2つのマルチフィラメントプライは、個々に1つの方向に螺旋状に1メートル当たり240回加撚され、互いに反対方向に螺旋状に1メートル当たり240回加撚される。これらのマルチフィラメントプライの各々は、220テックスに等しい糸番手を有する。他の変形では、144テックス又は334テックスに等しい糸番手を使用することができると考えられる。
図1を参照すると、トレッド14は、それを地面との接触状態にするトレッド面38を備える。更に、トレッド14は、切れ込み40とトレッドパターンブロック42とを備え、切れ込み40は、トレッドパターンブロック42を互いに分離する。図1に記載の子午断面平面内では、切れ込み40は、複数の周方向溝44を備え、そのうちの少なくとも1つがタイヤ10の最深切れ込みを形成する。この最深切れ込み44の深さは、タイヤが新品の時に、図6に示すようにタイヤのトレッドパターン高さHSを定め、この高さHSは、5.0mmから9.0mm、好ましくは、6.0mmから7.5mmに及び、この事例ではHS=7.0mmである。
トレッド面38は、タイヤ10が地面に沿って走行している時に地面と接触状態になることが意図され、子午面Mの各側部に配置された各点Nを通過し、トレッド面38に対する正接Tと、軸線方向Yと平行に当該点を通過する直線Rとの間の角度が30°に等しい軸線方向限界39間によって軸線方向に境界が定められる。
この事例では、トレッド14は、タイヤ10の子午面を備え、この場合は軸線方向にタイヤ10の子午面M上に中心が定められた軸線方向中心部分P1を備える。軸線方向中心部分P1は、トレッド面38の軸線方向幅の少なくとも70%に等しい軸線方向幅L1を有し、この事例ではL1=Lである。
トレッド14は、それを下回るとタイヤが摩耗に関して対応する法規に準拠しない法定摩耗閾値を定める複数の法定摩耗インジケータ46を更に備える。図1及び図3から図6に示す摩耗インジケータ46は、最深切れ込みの底部48、この場合は周方向溝44のうちの1つの底部48に配置される。この特定の事例では、法定摩耗インジケータ46は、1.45mmから1.75mmに及び、この場合は1.6mmに実質的に等しい半径方向高さHTにわたって周方向溝44の底部48から半径方向外向きに延びる突起50によって形成される。法定摩耗インジケータ46は、この場合は法定摩耗インジケータ46の半径方向外面51によって形成された半径方向最外点を有する。
2.0mmに等しいトレッドパターン高さまでの摩耗が発生した後に、タイヤの表面積孔隙比は、20%から35%、好ましくは、22%から30%に及び、この場合は25%に等しい。
図1及び図3を参照すると、トレッド14は、トレッド面38を担持するトレッド層52と、トレッド層52の内側で半径方向に配置されたトレッド層52に対する裏当て層54とを備える。そのような裏当て層54は、一般的に、下地層と呼ばれる。裏当て層54の軸線方向幅Jは、トレッド面38の軸線方向幅Lの90%よりも大きいか又はそれに等しく、この場合は裏当て層54の軸線方向幅Jは、トレッド面38の軸線方向幅Lの100%よりも大きいか又はそれに等しく、この場合はトレッド面38の軸線方向幅Lの105%に等しい。
トレッド層52と裏当て層54とは、法定摩耗インジケータ46を備える図3に記載の子午断面平面内でインタフェース軌道58を示すインタフェース56を通じて隣接する。
引き続き図3に記載の子午断面平面内には、タイヤ10のトレッド面38と平行であり、法定摩耗インジケータ46の半径方向外面51を通過する法定摩耗軌道60が定められる。図3では、法定摩耗軌道60を破線に示している。
図3を参照すると、トレッド14の軸線方向中心部分P1内では、インタフェース軌道58は、トレッドパターンブロック42の半径方向下方に位置付けられた長さlを有し、長さlは、トレッドパターンブロック42の半径方向下方に位置付けられた長l1、l2、l3の和であり、インタフェース軌道58の長さの残りは、切れ込み40の半径方向下方、この場合は周方向溝44の半径方向下方に位置付けられた長U1とU2との和に等しい。この特定の事例では、トレッド14の軸線方向中心部分P1の半分内では、インタフェース軌道は、長さl1、l2、l3、U1、U2の和に等しく、8.13cmに等しい長さを有し、この場合に、l1=2.90cm、l2=2.28cm、l3=l2/2=1.14cm、U1=0.65cm、及びU2=1.16cmである。
トレッド14の軸線方向中心部分P1の半分内では、トレッドパターンブロック42の半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道58の長さlの少なくとも75%、好ましくは、少なくとも80%、更に好ましくは、90%、この場合は長さlの少なくとも75%、好ましくは、少なくとも80%、更に好ましくは、90%は、図3に記載の子午断面平面内で法定摩耗軌道60の内側で半径方向に配置される。この特定の事例では、トレッドパターンブロック42の半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道58の長さlの100%は、図3に記載の子午断面平面内で法定摩耗軌道60の内側で半径方向に配置されるように、トレッドパターンブロック42の半径方向下方に位置付けられた長さl1、l2、l3の全てが法定摩耗軌道60の内側で半径方向に位置付けられる。
更に、トレッド14の軸線方向中心部分P1の半分内では、トレッドパターンブロック42の半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道58の長さの少なくとも75%、好ましくは、少なくとも80%、更に好ましくは、90%、この場合は長さlの少なくとも75%、好ましくは、少なくとも80%、更に好ましくは、90%は、図4に記載の子午断面平面内で法定摩耗軌道60から2.0mmよりも小さいか又はそれに等しく、好ましくは、1.2mmよりも小さいか又はそれに等しく、より好ましくは、1.0mmよりも小さいか又はそれに等しい平均半径方向距離d1に配置される。この特定の事例では、長さK1<l1、K2<l2、K3<l3は、法定摩耗軌道60から1.0mmよりも小さいか又はそれに等しい平均半径方向距離d1の場所に位置付けられたインタフェース軌道58の長さに対応する。この場合に、長さlの97%は、図4に記載の子午断面平面内で法定摩耗軌道60から1.0mmよりも小さいか又はそれに等しい平均半径方向距離d1に配置されるように、K1=2.85cm、K2=2.18cm、及びK3=1.09cmである。
これに加えて、トレッド14の軸線方向中心部分P1の半分内では、トレッドパターンブロック42の半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道58の長さの少なくとも75%、好ましくは、少なくとも80%、更に好ましくは、90%、この場合は長さlの少なくとも75%、好ましくは、少なくとも80%、更に好ましくは、90%は、図4に記載の子午断面平面内で法定摩耗軌道60から0.4mmよりも大きいか又はそれに等しく、好ましくは、0.6mmよりも大きいか又はそれに等しい平均半径方向距離d1に配置される。この特定の事例では、長さlの100%が、図4に記載の子午断面平面内で法定摩耗軌道60から0.6mmよりも大きいか又はそれに等しい平均半径方向距離d1に配置されるように、トレッドパターンブロック42の半径方向下方に位置付けられた長さl1、l2、l3の全ては、法定摩耗軌道60から0.6mmよりも大きいか又はそれに等しい平均半径方向距離d1に配置される。
このようにして、法定摩耗軌道60と、トレッドパターンブロック42の半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道58の長さlの全体との間の半径方向距離は、0.8mmと2.65mmの間で変化する。長さK1、K2、K3がトレッドパターンブロック42の半径方向下方に位置付けさることに限定される場合に、トレッドパターンブロック42の半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道58の長さlの97%は、図4に記載の子午断面平面内で0.85mmに等しい平均半径方向距離d1に対応する法定摩耗軌道60の0.6mmと1.0mmの間の半径方向距離に配置される。
これに加えて、トレッド14の軸線方向中心部分P1の半分内では、トレッドパターンブロック42の半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道58の長さの少なくとも75%、好ましくは、少なくとも80%、更に好ましくは、90%、この場合は長さlの少なくとも75%、好ましくは、少なくとも80%、更に好ましくは、90%は、新品時のタイヤ10のトレッド面38と平行であり、図5に記載の子午断面平面内で最深切れ込みの半径方向最内点を通過し、この場合は各周方向溝44の底部48を通過する軌道62の外側で半径方向に配置される。この特定の場合に、K1<F1<l1、K2<F2<l2、K3<F3<l3であるような長さF1、F2、F3は、軌道62の外側で半径方向に配置されたインタフェース軌道58の長さに対応する。この場合に、トレッドパターンブロック42の半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道58の長さlの97%は、図5に記載の子午断面平面内で軌道62の半径方向外側でトレッド14の軸線方向中心部分P1の半分に配置されるようにF1=2.86cm、F2=2.20cm、及びF3=1.10cmである。
図6を参照すると、トレッド14の軸線方向中心部分P1の半分内では、最深切れ込みの半径方向下方に位置し、この場合は各周方向溝44の半径方向下方に位置付けられたトレッド14の軸線方向部分は、トレッド層52の非ゼロ半径方向厚みE1と裏当て層54の非ゼロ半径方向厚みE2とを備える。比E1/E2は、0.40と0.60の間で変化し、この場合は実質的に0.50に等しい。
引き続き図6を参照すると、トレッド14の軸線方向中心部分P1の半分内では、クラウン補強材16の半径方向最外補強要素を備える層、この場合はフーピング層28と、最深切れ込みの半径方向最内点、この事例では各周方向溝44の底部48との間の平均距離d2は、2.50mmよりも小さいか又はそれに等しく、好ましくは、2.25mmよりも小さいか又はそれに等しく、かつ1.0mmよりも大きいか又はそれに等しい。この特定の事例では、d2=2.10mmである。
タイヤは、子午面Mに関して対称であるので、タイヤ10の子午断面の半分と軸線方向中心部分P1の半分とを表す図1及び図3から図6に示す計算は、タイヤ10の子午断面全体と軸線方向中心部分P1全体とに関して同じく成り立つことに注意しなければならない。
トレッド層52は、エラストマートレッド材料M1を備え、裏当て層54は、エラストマートレッド材料とは異なるエラストマー裏当て材料M2を備える。この特定の事例では、エラストマートレッド材料は、WO2018115722に説明されている組成物CD1に基づいており、それに対してエラストマー裏当て材料は、WO2018115722に説明されている組成物CC1に基づいている。当然ながら、特定の使用に適するが本発明の範囲から逸脱することのない性質を達成するために、組成物の様々な構成物質を変化させることによって他の組成物を使用することができる。
中心部分P1内のエラストマートレッド材料M1の体積は、中心部分P1の体積の60%よりも大きいか又はそれに等しく、好ましくは、65%よりも大きいか又はそれに等しく、この場合は70%に等しい。中心部分P1内のエラストマー裏当て材料M2の体積は、中心部分P1の体積の40%よりも小さいか又はそれに等しく、好ましくは、35%よりも小さいか又はそれに等しく、この事例では30%に等しい。
エラストマートレッド材料M1は、23℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って10%歪みで測定された場合に、1.30MPaから4.10MPaまでに及び、好ましくは、1.30MPaから3.00MPaまでに及ぶ複素動的剪断弾性率G*_1、この場合はG*_1=2.13MPaを示す。
エラストマー裏当て材料M2は、23℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って10%歪みで測定された場合に、2MPaよりも大きいか又はそれに等しく、好ましくは、2.00MPaから4.10MPaに及び、より好ましくは、2.15MPaから3.50MPaに及ぶ複素動的剪断弾性率G*_2、この場合はG*_2=2.14MPaを示す。
*_2≧0.90×G*_1であり、更にG*_2≧0.92×G*_1であり、更にG*_2≧G*_1であり、この場合はG*_2>G*_1であることに注意しなければならない。
エラストマートレッド材料M1は、0℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って測定された場合に、0.50から1.00までに及び、より好ましくは、0.50から0.85までに及ぶ動的損失tanD0_1、この場合はtanD0_1=0.67を示す。
エラストマー裏当て材料M2は、0℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って測定された場合に、0.60から1.10までに及び、より好ましくは、0.60から1.00までに及ぶ動的損失tanD0_2、この場合はtanD0_2=0.65を示す。
tanD0_2≧0.37×tanD0_1であり、更にtanD0_2≧0.5tanD0_1であり、好ましくは、tanD0_2≧0.75×tanD0_1であることに注意しなければならない。エラストマー裏当て材料M2がtanD0_2を増大させるように修正される他の非常に有利な実施形態では、好ましくは、tanD0_2≧tanD0_1、非常に有利にはtanD0_2>tanD0_1、更に、tanD0_2≧1.10×tanD0_1であるということができることに注意しなければならない。当業者に公知であるように、tanD0_2の値を増大するために、エラストマー裏当て材料及び/又はそのシリカ含有物のガラス転移温度を上昇させることができると考えられる。
エラストマー材料M1及びM2の他の性質の中でも取りわけ、エラストマートレッド材料M1は、23℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って測定された場合に、0.13から0.70まで、好ましくは、0.13から0.47までに及び、この場合は0.25に等しい動的損失tanDMAX23_1を示すことに注意しなければならない。エラストマー裏当て材料M2は、23℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って測定された場合に、0.13から0.53まで、好ましくは、0.13から0.46までに及び、この場合は0.31に等しい動的損失tanDMAX23_2を示すことに注意しなければならない。
第2の実施形態によるタイヤを図7に示している。従来の図に示すものと類似の要素は、同じ参照名で表示している。
第1の実施形態によるタイヤとは対照的に、図7に記載の第2の実施形態によるタイヤは、トレッド14の軸線方向中心部分P1内に、各トレッドパターンブロック42の垂直方向下方の切れ込み40、この場合は周方向溝44の近くにある裏当て層54の露出の事例を例示している。従って、トレッド14の軸線方向中心部分P1内で、トレッドパターンブロック42の半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道58の少なくとも非ゼロの長さl’は、図7に記載の子午断面平面内で法定摩耗軌道60の外側で半径方向に配置される。この場合に、l=l1+l2+l3+l4+l5+l6+l7+l’、l=l1’+l2’+l3’+l4’であり、l1=2.44cm、l2=1.64cm、l3=l2/2=0.82cm、l4=l5=l6=l7=0.25cm、l1=l2=l3=l4=0.35cmである。トレッドパターンブロック42の半径方向下方に位置付けられたインタフェース軌道58の全長lのうちの最大で25%は、図7に記載の子午断面平面内で法定摩耗軌道60の外側で半径方向に配置され、この場合はl’/l=1.40/5.9=23%である。
第3の実施形態によるタイヤを図8に示している。従来の図に示すものと類似の要素は、同じ参照名で表示している。
従来の実施形態とは対照的に、トレッド14が軸線方向中心部分P1の軸線方向外側に配置された軸線方向横部分P2を備えるように、トレッド14の軸線方向中心部分P1は、トレッド面38の軸線方向幅Lよりも厳密に小さい軸線方向長さL1を有する。各軸線方向横部分P2は、トレッドの軸線方向幅Lの最大で15%に等しい軸線方向幅L2を有し、この事例ではL2/(L1+L2)=4%である。図8に記載の実施形態では、各軸線方向横部分P2のトレッド層52は、軸線方向中心部分P1のエラストマー材料とは異なるエラストマー材料を備える。例えば、WO2014/090845に説明されていうように、例えば、比較的低い転がり抵抗を示すエラストマー材料が選択されることになる。
比較試験
タイヤの摩耗ポテンシャルの半分を超えた状態で、濡れた地面上でのグリップに関する試験では、第1の実施形態によるタイヤ10を同じ寸法を有する従来技術のMICHELIN Primacy 4タイヤと比較した。比較目的で、従来技術のMICHELIN Primacy 4タイヤのエラストマートレッド材料は、第1の実施形態によるタイヤ10のエラストマー材料M1と同じである。従来技術のMICHELIN Primacy 4タイヤのエラストマー裏当て材料は、23℃の温度で規格ASTM D-5992-96に従って10%歪みで測定された場合に1.90MPaに等しい複素動的せん断弾性率G*_2Tを示し、0℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って測定された場合に0.23に等しい動的損失tanD0_2Tを示す。
最初に、半分よりも大きい使用程度、この場合は摩耗ポテンシャルの93%を模擬するために、各タイヤを2mmに等しいトレッドパターン高さに達するまで平削りした。トレッドパターン高さは、各最深切れ込みの半径方向最内点とタイヤが走行している時の地面上へのこの切れ込みの投影点との間の半径方向高さとして定められる。このトレッドパターン高さは、1.6mmに等しいこのトレッドパターン高さに対応し、タイヤの摩耗の進行状態、この特定の事例では摩耗ポテンシャルの半分超(この場合は摩耗ポテンシャルの93%が使いされた)を表す法定摩耗軌道に到達しないようなものである。平削りは、平削り刃が装備された転動機上で通常の走行条件に対応する走行条件下で走行するタイヤをこの平削り刃との接触状態にすることで当業者に公知の方式を用いて実施した。
この平削り段階の終了時に、同じ条件下及び1つの同じ車両上で4つの平削りされたMICHELIN Primacy 4タイヤと本発明による4つの平削りされたタイヤ10とを試験し、それによってこれらのタイヤを取り付けた車両の80km/hと20km/hの間の平均減速度を決定した。この試験は、ISO23671-2006規格の推奨を用い、従来技術のMICHELIN Primacy 4タイヤに関する制動力係数BFCTと、本発明によるタイヤ10に関する制動力係数BFCAとを決定することを可能にする手法を用いて実施されたものである。制動力係数が大きいほど、試験したタイヤの性能は良好である。試験結果は、BFCA/BFCT=106であるようなものであり、それによって従来技術のタイヤに優る本発明によるタイヤの濡れた地面上での改善された制動性能が明らかにしている。
本発明は、上述の実施形態に限定されない。
10 タイヤ
12 クラウン
14 トレッド
40 切れ込み
54 裏当て層
56 インタフェース

Claims (15)

  1. 乗用車用のタイヤ(10)であって、切れ込み(40)とトレッドパターンブロック(42)とを備えるトレッド(14)を備え、該切れ込み(40)が、該トレッドパターンブロック(42)を互いから分離し、該トレッド(14)が、タイヤ(10)がトレッド面(38)により走行している時に地面との接触状態になるようになっており、該トレッド(14)が、法定摩耗閾値を定める少なくとも1つの法定摩耗インジケータ(46)を備え、
    該トレッド面(38)の幅(L)の少なくとも70%に等しい軸線方向幅(L1)を有する該トレッド(14)の軸線方向中心部分(P1)内で、該トレッド(14)が、
    前記トレッド面(38)を担持するトレッド層(52)であって、
    23℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って10%歪みで測定された複素動的剪断弾性率G*_1、及び
    0℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って測定された動的損失tanD0_1、
    を示すエラストマートレッド材料を備える前記トレッド層(52)と、
    前記トレッド層(52)の内側で半径方向に配置された該トレッド層(52)のための裏当て層(54)であって、
    23℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って10%歪みで測定された複素動的剪断弾性率G*_2、及び
    0℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って測定された動的損失tanD0_2、
    を示すエラストマー裏当て材料を備える前記裏当て層(54)と、
    を備え、前記エラストマートレッド材料が、前記トレッド層(52)と前記裏当て層(54)が前記法定摩耗インジケータ(46)を備える子午断面平面内でインタフェース軌道(58)を表すインタフェース(56)を通じて隣接するように、前記エラストマー裏当て材料とは異なる、乗用車用のタイヤ(10)であって、
    tanD0_2≧0.37×tanD0_1かつG*_2≧0.90×G*_1であり、
    前記トレッド(14)の前記軸線方向中心部分(P1)内で、前記子午断面平面内に、新品時のタイヤ(10)の前記トレッド面(38)と平行であり、かつ前記法定摩耗インジケータ(46)の半径方向最外点(51)を通過する法定摩耗軌道(60)を定めることにより、前記トレッドパターンブロック(42)の半径方向下方に位置付けられた前記インタフェース軌道(58)の長さ(l)の少なくとも75%が、該子午断面平面内で、該法定摩耗軌道(60)の内側で半径方向に配置され、かつ
    前記トレッド(14)の前記軸線方向中心部分(P1)内で、前記トレッドパターンブロック(42)の半径方向下方に位置付けられた前記インタフェース軌道(58)の前記長さ(l)の少なくとも75%が、該子午断面平面内で、前記法定摩耗軌道(60)から2.0mmよりも小さいか又はそれに等しい平均半径方向距離(d1)に配置される、
    ことを特徴とするタイヤ(10)。
  2. tanD0_2≧0.5×tanD0_1、好ましくは、tanD0_2≧0.75×tanD0_1、より好ましくは、tanD0_2≧tanD0_1、更により好ましくは、tanD0_2>tanD0_1、非常に好ましくは、tanD0_2≧1.10×tanD0_1であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ(10)。
  3. *_2≧0.92×G*_1、好ましくは、G*_2≧G*_1、より好ましくは、G*_2>G*_1であることを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ(10)。
  4. 前記トレッド(14)の前記軸線方向中心部分(P1)内で、前記トレッドパターンブロック(42)の半径方向下方に位置付けられた前記インタフェース軌道(58)の前記長さ(l)の少なくとも75%が、前記子午断面平面内で、新品時のタイヤ(10)の前記トレッド面(38)と平行であって前記又は各最深切れ込み(44)の半径方向最内点(48)を通過する軌道(62)の外側で半径方向に配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  5. 前記トレッド(14)の前記軸線方向中心部分(P1)内で、前記トレッドパターンブロック(42)の半径方向下方に位置付けられた前記インタフェース軌道(58)の前記長さ(l)の少なくとも75%が、前記子午断面平面内で、前記法定摩耗軌道(60)から0.4mmよりも小さいか又はそれに等しい、好ましくは、0.6mmによっても大きいか又はそれに等しい平均半径方向距離(d1)に配置されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  6. 前記トレッド(14)の前記軸線方向中心部分(P1)内で、前記トレッドパターンブロック(42)の半径方向下方に位置付けられた前記インタフェース軌道(58)の少なくとも非ゼロ長さ(l’)が、前記子午断面平面内で、前記法定摩耗軌道(60)の外側で半径方向に配置されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  7. tanD0_1は、0.50から1.00に及び、より好ましくは、0.50から0.85に及ぶことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  8. tanD0_2は、0.60から1.10に及び、より好ましくは、0.60から1.00に及ぶことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  9. *_1は、1.30MPaから4.10MPaに及び、好ましくは、1.30MPaから3.00MPaに及ぶことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  10. *_2は、2.00_MPaよりも大きいか又はそれに等しく、好ましくは、2.00MPaから4.10MPaに及び、より好ましくは、2.15MPaから3.50MPaに及ぶことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  11. 前記トレッド(14)の内側で半径方向に配置されたクラウン補強材(16)を備えるクラウン(12)を備え、
    前記トレッド(14)の前記軸線方向中心部分(P1)内で、前記クラウン補強材(16)の半径方向最外補強要素(280)を備える層(28)と前記又は各最深切れ込み(44)の半径方向最内点(48)との間の平均距離(d2)が、2.50mmよりも小さいか又はそれに等しく、好ましくは、2.25mmよりも小さいか又はそれに等しい、
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  12. 前記トレッド(14)の内側で半径方向に配置されたクラウン補強材(16)を備えるクラウン(12)を備え、
    前記トレッド(14)の前記軸線方向中心部分(P1)内で、前記クラウン補強材(16)の半径方向最外補強要素(280)を備える層(28)と前記又は各最深切れ込み(44)の半径方向最内点(48)との間の平均距離(d2)が、1.0mmよりも大きいか又はそれに等しい、
    ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  13. 前記エラストマートレッド材料は、23℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って測定された0.13から0.70、好ましくは、0.13から0.47に及ぶ動的損失tanDMAX23_1を示すことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  14. 前記エラストマー裏当て材料は、23℃の温度及び10Hzの周波数で規格ASTM D-5992-96に従って測定された0.13から0.53、好ましくは、0.13から0.46に及ぶ動的損失tanDMAX23_2を示すことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  15. 摩耗の後に2.0mmに等しいトレッドパターン高さ(HS)を示すタイヤ(10)の表面積孔隙比が、20%から35%、好ましくは、22%から30%に及ぶことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
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