JP2023523515A - 長持ちする香りを提供するための化合物 - Google Patents

長持ちする香りを提供するための化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023523515A
JP2023523515A JP2022551038A JP2022551038A JP2023523515A JP 2023523515 A JP2023523515 A JP 2023523515A JP 2022551038 A JP2022551038 A JP 2022551038A JP 2022551038 A JP2022551038 A JP 2022551038A JP 2023523515 A JP2023523515 A JP 2023523515A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
formula
compounds
hydrogen atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022551038A
Other languages
English (en)
Inventor
ヘルマン アンドレアス
ランボレ セルジュ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Firmenich SA
Original Assignee
Firmenich SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Firmenich SA filed Critical Firmenich SA
Publication of JP2023523515A publication Critical patent/JP2023523515A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D235/00Heterocyclic compounds containing 1,3-diazole or hydrogenated 1,3-diazole rings, condensed with other rings
    • C07D235/02Heterocyclic compounds containing 1,3-diazole or hydrogenated 1,3-diazole rings, condensed with other rings condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D263/00Heterocyclic compounds containing 1,3-oxazole or hydrogenated 1,3-oxazole rings
    • C07D263/52Heterocyclic compounds containing 1,3-oxazole or hydrogenated 1,3-oxazole rings condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D487/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00
    • C07D487/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D487/04Ortho-condensed systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11BPRODUCING, e.g. BY PRESSING RAW MATERIALS OR BY EXTRACTION FROM WASTE MATERIALS, REFINING OR PRESERVING FATS, FATTY SUBSTANCES, e.g. LANOLIN, FATTY OILS OR WAXES; ESSENTIAL OILS; PERFUMES
    • C11B9/00Essential oils; Perfumes
    • C11B9/0069Heterocyclic compounds
    • C11B9/0092Heterocyclic compounds containing only N as heteroatom
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11BPRODUCING, e.g. BY PRESSING RAW MATERIALS OR BY EXTRACTION FROM WASTE MATERIALS, REFINING OR PRESERVING FATS, FATTY SUBSTANCES, e.g. LANOLIN, FATTY OILS OR WAXES; ESSENTIAL OILS; PERFUMES
    • C11B9/00Essential oils; Perfumes
    • C11B9/0069Heterocyclic compounds
    • C11B9/0096Heterocyclic compounds containing at least two different heteroatoms, at least one being nitrogen

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)

Abstract

本発明は、香料の分野に関する。より具体的には、本発明は、長持ちするまたは持続性の香りを環境に提供することができる式(I)の化合物に関する。さらに、本発明は、長持ちする香りを、環境に、または硬質表面、布地、皮膚もしくは毛髪などの表面に付与する方法に関する。さらに、本発明は、香料における該化合物の使用、ならびに本発明の化合物を含む賦香組成物または賦香された物品に関する。

Description

本発明は、香料の分野に関する。より具体的には、本発明は、長持ちするまたは持続性の香りを環境に提供することができる式(I)の化合物に関する。さらに、本発明は、長持ちする香りを、環境に、または硬質表面、布地、皮膚もしくは毛髪などの表面に付与する方法に関する。さらに、本発明は、香料における該化合物の使用、ならびに本発明の化合物を含む賦香組成物または賦香された物品に関する。
従来技術
消費者は、多くの場合、賦香された物品の効率を、香料の知覚の長持ち度または持続性と関連付けている。香料は、多数の異なる揮発性化合物で構成されており、これらは、表面に適用され、そこから蒸発して、匂いを発する。香料は、香料組成物または賦香された消費者物品、例えば、ファインフレグランスまたはシャワージェルを介して、環境に、または硬質表面、布地、皮膚もしくは毛髪などの表面に適用される。香料を構成するフレグランスの揮発性が高いことから、賦香された表面から発せられる香りは、限られた期間しか知覚することができない。特に、香料のいわゆるトップノートは、非常に急速に蒸発する。これらは、組成物のなかで最も揮発性の高い化合物であり、香料の新鮮さを表す。トップノートは、典型的には、なかでも、シトラス、フラワー、グリーンおよびフルーティーなノートを含み、特に、フローラルおよびフルーティーなノートが、消費者に高く評価されている。幾つかの種類のフローラルおよびフルーティーなノートが香料に使用されている。フルーティーなノートの典型的な例は、ピーチ、アプリコットおよびエキゾチックなフルーツに似たものである。
消費者は、対象となる用途で安定していると同時に、適用後数時間または数日間にわたって匂いのする、長持ちするまたは持続性のフレグランスを求めている。特に、長持ちするフルーティーおよびフローラルなノートが望ましい。
したがって、本発明の目的は、長持ちするまたは持続性の香り、特に、フルーティーおよび/またはフローラルな香りを環境に与えることができる系を提供することである。さらに、本発明の別の目的は、そのフルーティーおよび/またはフローラルな官能特性で知られているシクロペンタノン由来の香料成分の長持ちする香りを、賦香組成物または賦香された物品の適用を介して、硬質表面、布地、皮膚または毛髪などの表面に付与する方法を見出すことである。
発明の説明
ここで、幾つかの特定の化合物、すなわち、シクロペンタノンベースの香料成分に由来する多環式化合物は、長持ちするまたは持続性の香料効果、特に、フルーティーおよび/またはフローラルなノートを所与の表面から環境にもたらすために有利に用いられ得ること、また、したがって、賦香組成物または賦香された物品の成分として有用であることが見出された。
したがって、本発明の第1の対象は、その立体異性体のうちのいずれか1つまたはそれらの混合物の形態にある下式の化合物である。
Figure 2023523515000001
ここで、式中、
nは、1、2、3または4であり、
点線は、単結合または二重結合を表し、
Xは、酸素原子またはN-R基であり、ここで、Rが、水素原子、C~Cアルキル基、フェニル基またはベンジル基であり、
は、水素原子であるか、または1~5個の酸素原子および/もしくは1個の硫黄原子および/もしくは1個、2個もしくは3個の窒素原子を含んでいてもよいC~C10炭化水素基であり、
およびR’は、互いに独立して、水素原子、C~Cアルキル基もしくはCHRXH基であるか、またはRおよびR’が、一緒になったときにカルボニル基を形成し、
は、水素原子、C~Cアルキル基、フェニル基またはベンジル基であり、
は、水素原子、COOR’基、またはCOOR’基で置換されていてもよいC1~3アルキル基であり、ここで、R’はC1~3アルキル基であり、
は、互いに独立して、水素原子またはメチル基であるか、あるいは
RおよびRは、一緒になったときにC4~6アゾシクロアルキル基を形成するか、あるいは
およびRは、一緒になったときにC5~6シクロアルキル基を形成するか、あるいは
およびRは、一緒になったときに下式の基を形成する。
Figure 2023523515000002
(式中、太線はRの炭素原子に接続されており、ハッチング線はRの窒素原子に接続されている。)
明確にするために述べると、「その立体異性体のうちのいずれか1つまたはそれらの混合物」などの表現は、当業者によって理解される通常の意味、すなわち、式(I)の化合物が純粋なエナンチオマー(光学活性の場合)またはジアステレオ異性体であり得ることを意味する。言い換えるなら、式(I)の化合物は、幾つかの立体中心を有し得、該立体中心はそれぞれ、2つの異なる立体化学(例えば、RまたはS)を有し得る。式(I)の化合物はさらに、純粋なエナンチオマーの形態にあっても、またはエナンチオマーもしくはジアステレオ異性体の混合物の形態にあってもよい。式(I)の化合物は、ラセミ形態またはスケールミック形態にあり得る。したがって、式(I)の化合物は、1つの立体異性体であり得るか、または様々な立体異性体を含むもしくはこれらからなる物質の組成物の形態にあり得る。
明確にするために述べると、「点線は、単結合または二重結合を表す」などの表現は、当業者によって理解される通常の意味、すなわち、該点線によって接続されている炭素原子間の結合全体(実線および点線)が炭素-炭素単結合または二重結合であることを意味する。
「・・・炭化水素基・・・」とは、該基が、水素および炭素原子からなり、脂肪族炭化水素、すなわち、線状もしくは分岐状飽和炭化水素(例えば、アルキル基)、線状もしくは分岐状不飽和炭化水素(例えば、アルケニル基もしくはアルキニル基)、飽和環状炭化水素(例えば、シクロアルキル)もしくは不飽和環状炭化水素(例えば、シクロアルケニルもしくはシクロアルキニル)の形態にあり得るか、または芳香族炭化水素、すなわち、アリール基の形態にあり得るか、または同様に該種類の基の混合物の形態にあり得ること、例えば、特定の基が、1つの種類にのみ特定の制限が言及されていない限り、線状アルキル、分岐状アルケニル(例えば、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する)、(ポリ)シクロアルキルおよびアリール部分を含み得ることを意味すると理解される。同様に、本発明のすべての実施形態において、基が1つより多くの種類のトポロジー(例えば、線状、環状または分岐状)の形態にある、および/または飽和もしくは不飽和(例えば、アルキル、芳香族またはアルケニル)であると言及される場合、これはまた、先に説明したように、該トポロジーのうちのいずれか1つを有するまたは飽和もしくは不飽和である部分を含み得る基を意味する。同様に、本発明のすべての実施形態において、基が1つの種類の飽和または不飽和の形態(例えば、アルキル)にあると言及される場合、これは、該基が、任意の種類のトポロジー(例えば、線状、環状または分岐状)であり得るか、または様々なトポロジーを有する幾つかの部分を有することを意味する。
「・・・を含んでいてもよい炭化水素基・・・」および「・・・で置換されていてもよい炭化水素基・・・」という用語は、該炭化水素基が、アルコール、ケトン、アルデヒド、エーテル、チオエーテル、エステル、カルボン酸、アミン、アミド、カルバメート、ニトリルまたはチオール基を任意選択的に含むことを意味する。これらの基は、炭化水素基の水素原子を置換することで該炭化水素に横方向に結合されても、または(化学的に可能であれば)炭化水素基の炭素原子を置換することで炭化水素鎖に挿入されてもよい。例えば、-CH-CH-CHOH-CH-基は、アルコール基(水素原子の置換)を含むC炭化水素基を表し、-CH-CH-COO-CH-CH-OCO-CH-CH-基は、2個のエステル基(炭素原子の置換/炭化水素鎖への挿入)を含むC炭化水素基を表し、同様に、-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-基は、2個のエーテル基を含むC炭化水素基を表す。
「アルキル」という用語は、分岐状および線状アルキル基を含むと理解される。「シクロアルキル」という用語は、単環式または多環式アルキル基を含むと理解され、すなわち、式(I)の化合物は、縮合二環式基を含む。「アゾシクロアルキル」という用語は、炭素原子および1個の窒素原子で作製された環を含むと理解される。
明確にするために述べると、「式中、太線はRの炭素原子に接続されており、ハッチング線はRの窒素原子に接続されている」などの表現は、当業者によって理解される通常の意味を意味し、すなわち、式(I)の化合物は、その立体異性体のうちのいずれか1つの形態にあるまたはそれらの混合物としての下式の化合物である。
Figure 2023523515000003
(式中、点線、n、X、R、R’、RおよびRは、先に定義したものと同じ意味を有する。)
本発明の任意の実施形態によると、本発明の化合物は、先に定義したような式(I)の化合物であるが、ただし、1,3-ジベンジル-2’-ペンチルオクタヒドロスピロ[ベンゾ[d]イミダゾール-2,1’-シクロペンタン]は除外される。
本発明の任意の実施形態によると、Rはそれぞれ、メチル基であり得るか、またはRはそれぞれ、水素原子であり得る。特に、Rはそれぞれ、水素原子であり得る。
本発明の任意の実施形態によると、Rは、水素原子またはC~Cアルキル基であり得る。特に、Rは、水素原子、メチルまたはエチル基であり得る。
本発明の任意の実施形態によると、本発明の化合物は、その立体異性体のうちのいずれか1つまたはそれらの混合物の形態にある下式の化合物である。
Figure 2023523515000004
ここで、式中、
nは、1、2、3または4であり、
点線は、単結合または二重結合を表し、
Xは、酸素原子またはN-R基であり、ここで、Rは、水素原子、C~Cアルキル基、フェニル基またはベンジル基であり、
は、水素原子であるか、または1~5個の酸素原子および/もしくは1個の硫黄原子および/もしくは1個、2個もしくは3個の窒素原子を含んでいてもよいC~C10炭化水素基であり、
およびR’は、互いに独立して、水素原子、C~Cアルキル基もしくはCHRXH基であるか、またはRおよびR’は、一緒になったときにカルボニル基を形成し、
は、水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、COOR’基、またはCOOR’基で置換されていてもよいC1~3アルキル基であり、ここで、R’はC1~3アルキル基であるか、あるいは
RおよびRは、一緒になったときにC4~6アゾシクロアルキル基を形成する。
本発明の任意の実施形態によると、Rは、水素原子、メチル基、COOCH基またはCHCOOCH基であり得る。特に、Rは、水素原子であり得る。
本発明の任意の実施形態によると、nは、2、3または4、特に2または3、さらにより具体的には3であり得る。
本発明の任意の実施形態によると、Rは、水素原子であり得る。
本発明の任意の実施形態によると、本発明の化合物は、その立体異性体のうちのいずれか1つの形態にあるまたはそれらの混合物としての下式の化合物である。
Figure 2023523515000005
(式中、点線、n、R、RおよびR’は、先に定義したものと同じ意味を有する。)
本発明の任意の実施形態によると、Xは、N-R基であってもよく、ここで、Rは、水素原子、メチルまたはエチル基であり、特に、Rは、水素原子であり得る。
本発明の任意の実施形態によると、点線は、二重結合であり得る。
本発明の任意の実施形態によると、RおよびR’は、互いに独立して、水素原子、メチル基、エチル基もしくはCHRXH基であり得るか、またはRおよびR’は、一緒になったときにカルボニル基を形成する。特に、RおよびR’は、互いに独立して、水素原子、メチル基、エチル基もしくはCHROH基であり得るか、またはRおよびR’は、一緒になったときにカルボニル基を形成する。特に、RおよびR’は、互いに独立して、メチル基、エチル基もしくはヒドロキシメチル基であり得るか、またはRおよびR’は、一緒になったときにカルボニル基を形成する。特に、Rがメチル基またはエチル基であり、かつR’がヒドロキシメチル基であり得るか、またはRおよびR’が、一緒になったときにカルボニル基を形成する。特に、RおよびR’は、一緒になってカルボニル基を形成し得る。
本発明の任意の実施形態によると、本発明の化合物は、その立体異性体のうちのいずれか1つの形態にあるまたはそれらの混合物としての下式の化合物である。
Figure 2023523515000006
(式中、RおよびRは、先に定義したものと同じ意味を有する。)
本発明の任意の実施形態によると、Rは、水素原子であり得るか、またはアミド、グアニジン、チオール、第1級アミン(すなわち、NH)、C1~3チオエーテル、好ましくはSCH、フェニル、ヒドロキシフェニル、カルボン酸、ヒドロキシもしくはC4~8ヘテロシクロアルケニル基によって置換されていてもよいC1~4アルキル基であってよく、ここで、ヘテロ原子は、イミダゾリルまたはインドリル基などの1個または2個の窒素原子である。言い換えるなら、Rは、水素原子であり得るか、または式RCH(NH)COOHのアミノ酸、特に、例えばS-アラニン(R=CH)、S-アルギニン[R=(CHNHC(NH)(NH)]、S-アスパラギン(R=CHCONH)、R-システイン(R=CHSH)、S-グルタミン[R=(CHCONH]、グリシン(R=H)、S-ヒスチジン(R=CH)、S-イソロイシン[R=C(CH)CHCH]、S-ロイシン[R=CHCH(CH]、S-リジン[R=(CHNH]、S-メチオニン[R=(CHSCH]、S-フェニルアラニン(R=CH)、S-セリン(R=CHOH)、S-スレオニン[R=CH(OH)CH]、S-トリプトファン(R=CHN)、S-チロシン(R=CHOH)、S-バリン[R=CH(CH]、S-アスパラギン酸(R=CHCOOH)およびS-グルタミン酸[R=(CHCOOH]等の天然α-アミノ酸;もしくはノルロイシン[R=(CHCH]、ノルバリン[R=(CHCH]、2-フェニルグリシン(R=C)、オルニチン[R=(CHNH]、ホモアラニン(R=CHCH)、ホモシステイン[R=(CHSH]およびホモセリン[R=(CHOH]の群から選択される人工α-アミノ酸に由来する残基であり得る。特に、Rは、水素原子、メチル基、エチル基またはベンジル基であり得る。さらにより具体的には、Rは、水素原子、メチル基またはエチル基であり得る。
「ヘテロシクロアルケニル」という用語は、1つ、2つまたはそれより多くのオレフィン二重結合を含み、かつ単環式または縮合スピロおよび/または架橋二環式または三環式ヘテロシクロアルケニル基、好ましくは、単環式または縮合二環式ヘテロシクロアルケニル基を含むと理解される。
本発明の特定の実施形態によると、RおよびRは、一緒になってC4~5アゾシクロアルキル基を形成し得る。特に、RおよびRは、一緒になってCアゾシクロアルキル基を形成し得る。
先の実施形態のうちのいずれか1つによると、式(I)の該化合物は、その立体異性体のうちのいずれか1つの形態にある6-(5-ヘキセニル)-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-オン、2-(5-ヘキセニル)テトラヒドロスピロ[シクロペンタン-1,3’-ピロロ[1,2-c]イミダゾール]-1’(2’H)-オン、6-(ヘキサ-5-エン-1-イル)-3-メチル-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-オン、3-ベンジル-6-(ヘキサ-5-エン-1-イル)-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-オン、2-(ヘキサ-5-エン-1-イル)テトラヒドロ-2’H-スピロ[シクロペンタン-1,3’-イミダゾ[1,5-a]ピリジン]-1’(5’H)-オン、6-ペンチル-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-オン、3-メチル-6-ペンチル-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-オン、3-ベンジル-6-ペンチル-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-オン、2-ペンチルテトラヒドロスピロ[シクロペンタン-1,3’-ピロロ[1,2-c]イミダゾール]-1’(2’H)-オン、2-ペンチルテトラヒドロ-2’H-スピロ[シクロペンタン-1,3’-イミダゾ[1,5-a]ピリジン]-1’(5’H)-オン、7-メチル-6-ペンチル-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-オン、6-ヘキシル-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-オン、2-ヘキシルテトラヒドロスピロ[シクロペンタン-1,3’-ピロロ[1,2-c]イミダゾール]-1’(2’H)-オン、6-ヘプチル-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-オン、2-ヘプチルテトラヒドロスピロ[シクロペンタン-1,3’-ピロロ[1,2-c]イミダゾール]-1’(2’H)-オン、6-(ブタ-3-エン-1-イル)-6,9,9-トリメチル-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-オン、メチル2-(2-オキソ-6-ペンチル-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-イル)アセテート、(6-(ヘキサ-5-エン-1-イル)-3-メチル-1-オキサ-4-アザスピロ[4.4]ノナン-3-イル)メタノール、(6-(ヘキサ-5-エン-1-イル)-1-オキサ-4-アザスピロ[4.4]ノナン-3-イル)メタノール、(3-メチル-6-ペンチル-1-オキサ-4-アザスピロ[4.4]ノナン-3-イル)メタノール、(6-ペンチル-1-オキサ-4-アザスピロ[4.4]ノナン-3-イル)メタノール、(6-ヘキシル-3-メチル-1-オキサ-4-アザスピロ[4.4]ノナン-3-イル)メタノール、(6-ヘキシル-1-オキサ-4-アザスピロ[4.4]ノナン-3-イル)メタノール、(6-ヘプチル-3-メチル-1-オキサ-4-アザスピロ[4.4]ノナン-3-イル)メタノールまたは(6-ヘプチル-1-オキサ-4-アザスピロ[4.4]ノナン-3-イル)メタノールであり得る。好ましくは、式(I)の化合物は、2-(5-ヘキセニル)テトラヒドロスピロ[シクロペンタン-1,3’-ピロロ[1,2-c]イミダゾール]-1’(2’H)-オンまたは2-ペンチルテトラヒドロスピロ[シクロペンタン-1,3’-ピロロ[1,2-c]イミダゾール]-1’(2’H)-オンであり得る。特に、式(I)の化合物は、2-(5-ヘキセニル)テトラヒドロスピロ[シクロペンタン-1,3’-ピロロ[1,2-c]イミダゾール]-1’(2’H)-オンであり得る。
式(I)による化合物は、その立体異性体のうちのいずれか1つの形態にあるまたはそれらの混合物としての式(VI)のシクロペンタノン誘導体を、時間をかけてゆっくりと生成することができる。
Figure 2023523515000007
(式中、点線、n、RおよびRは、先に定義したものと同じ意味を有する。)
式(I)の化合物は、不揮発性であり、本質的に無臭である。同時に、これらは、賦香組成物または賦香された物品において比較的安定している。環境条件下で表面に曝露されている場合、化合物(VI)は、周囲の水分との反応によって形成されると考えられている。これらの化合物の生成は、空気中の酸素の存在によって、pHの変化によって、光、特にUV-A光への曝露によって、酵素の存在によって、または温度の上昇で、または他の種類の機構によって、または幾つかの機構の組み合わせによってさらに誘発され得る。
不揮発性かつ本質的に無臭の化合物は、ソフトウェアEPIwin v.3.10(2000、US Environmental Protection Agencyで入手可能)を使用した計算によって得られるように、2.0Pa未満の蒸気圧によって有利に特徴付けられる。好ましくは、該蒸気圧は、0.2Pa未満、またはさらにより好ましくは0.02Pa未満である。
本発明の式(I)の化合物から生成される式(VI)の化合物の網羅的なリストを提供することはできないものの、好ましい非限定的な例として、以下のものを挙げることができる:2-(5-ヘキセン-1-イル)シクロペンタノン、2-ヘキシル-1-シクロペンタノン、2-ヘプチル-1-シクロペンタノン、2-ペンチル-1-シクロペンタノン、2,2,5-トリメチル-5-ペンチル-1-シクロペンタノン、メチル2-[3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル]アセテート、3-メチル-2-ペンチルシクロペンタン-1-オン、メチル3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタン-1-カルボキシレートまたは2-(3-ブテン-1-イル)-2,5,5-トリメチルシクロペンタノン。特に、式(VI)の化合物は、2-(5-ヘキセン-1-イル)シクロペンタノンであり得る。
上述のように、本発明は、長持ちする香り、特に、シクロペンタノンに由来する香料成分によって付与される香りを環境に提供するための、賦香成分としての式(I)の化合物の使用に関する。言い換えるなら、本発明は、賦香組成物または賦香された物品の香り、特に、シクロペンタノンに由来する香料成分によって付与される香り(すなわち、フルーティーおよび/またはフローラルな香り)を与える、強化する、改善する、または改変する方法であって、該組成物または物品に、有効量の少なくとも1つの式(I)の化合物を添加することを含む、方法に関する。ここで、「式(I)の化合物の使用」とは、式(I)の化合物を含有しており、かつ香料産業で有利に用いることが可能な任意の組成物の使用であるとも理解されたい。
ここで、「賦香成分」とは、快楽効果を付与するために賦香調製物または組成物に使用される化合物を意味する。言い換えるなら、賦香成分であると考えられるべきそのような賦香成分は、単に香りを有するものとしてではなく、有利にまたは心地良いように組成物の香りを付与または改変することができるものとして、当業者によって認識されるはずである。
「フルーティーおよび/またはフローラルな香り」または「フルーティーおよび/またはフローラルなノート」という表現は、フローラル、例えばローズ、およびフルーティーな嗅覚的印象、特に、例えばアプリコット、ピーチノートなどのイエローフルーツのノート、またはエキゾチックなフルーツのノートなどのフルーティーフローラルノートを連想させる香りとして理解されるべきである。
明確にするために述べると、長持ちする効果は、典型的には、一定時間後に、例えば数時間後または数日後に、所定の化合物が同じ種類の香りを提供する参照化合物よりも多量の香りを環境に放出する場合に、達成される。したがって、本発明の式(I)の化合物に言及する場合、「長持ちする香り」という表現は、そのような印象を有する分子単独のものと比較したときの、かつ例えば数時間(6または8時間)後または数日(1日間、3日間または7日間)後に同じ条件下で測定したときの、香りの知覚(フルーティーおよび/またはフローラルな嗅覚的印象を提供する大気中への化合物の放出)の持続時間の増加として理解されるべきである。
実際に賦香成分として有利に用いることができる該組成物も、本発明の対象である。
したがって、本発明の別の態様は、
i) 賦香成分としての、先に定義したような本発明の少なくとも1つの式(I)の化合物と、
ii) 香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分と、
iii) 任意選択的に少なくとも1つの香料補助剤と
を含む、賦香組成物である。
ここで、「香料担体」とは、香料の観点から実質的に中性である、すなわち、賦香成分の官能特性を著しくは変化させない材料を意味する。該担体は、液体または固体であり得る。
液体担体としては、非限定的な例として、乳化系、すなわち、溶媒および界面活性剤系、または香料において一般的に使用される溶媒が挙げられる。香料に一般的に使用される溶媒の性質および種類の詳細な説明については、網羅できるものではない。しかしながら、非限定的な例としては、最も一般的に使用されている、ブチレングリコールまたはプロピレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコールおよびそのモノエーテル、1,2,3-プロパントリイルトリアセテート、ジメチルグルタレート、ジメチルアジペート、1,3-ジアセチルオキシプロパン-2-イルアセテート、フタル酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール、2-(2-エトキシエトキシ)-1-エタノ、クエン酸トリエチルまたはそれらの混合物などの溶媒が挙げられる。また、香料担体および香料ベースの両方を含む組成物について、先に明記したもの以外の好適な香料担体は、エタノール、水/エタノール混合物、リモネンまたは他のテルペン、例えばIsopar(登録商標)(製造元:Exxon Chemical)という商標で知られているようなイソパラフィン、または例えばDowanol(登録商標)(製造元:Dow Chemical Company)という商標で知られているようなグリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステル、または例えばCremophor(登録商標)RH40(製造元:BASF)という商標で知られているような水添ヒマシ油であり得る。
固体担体は、賦香組成物または賦香組成物の幾つかの要素が化学的または物理的に結合可能な材料を示すことを意味する。一般的に、そのような固体担体は、組成物を安定化するために、または組成物もしくは幾つかの成分の蒸発速度を制御するために用いられる。固体担体の使用は、当技術分野で現在行われており、当業者は、所望の効果を得る方法を知っている。しかしながら、固体担体の非限定的な例としては、吸収性ガムもしくはポリマーまたは無機材料、例えば、多孔性ポリマー、シクロデキストリン、木材ベースの材料、有機もしくは無機ゲル、粘土、石膏タルクまたはゼオライトが挙げられる。
固体担体の他の非限定的な例としては、カプセル化材料が挙げられる。そのような材料の例は、単糖類、二糖類もしくは三糖類、天然デンプンもしくは加工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、タンパク質、またはペクチンのような壁形成および可塑化材料;あるいはH.Scherz,Hydrokolloide:Stabilisatoren,Dickungs-und Geliermittel in Lebensmitteln,Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie,Lebensmittelqualitaet,Behr’s Verlag GmbH&Co.,Hamburg,1996のような参考文献に引用されている材料を含み得る。カプセル化は、当業者に周知の方法であり、例えば、噴霧乾燥、凝集もしくは押出しのような技法を使用することによって実施され得るか、またはコアセルベーションおよび複雑なコアセルベーション技法を含むコーティングカプセル化からなる。
固体担体の非限定的な例としては、特に、任意選択的にポリマー安定剤またはカチオン性コポリマーの存在下で、重合、界面重合、コアセルベーションまたはこれら全体(これらの技術はすべて従来技術に記載されている)によって誘発される相分離プロセスのような技術を使用する、アミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリ尿素またはポリウレタンタイプの樹脂またはそれらの混合物(該樹脂はすべて当業者に周知である)を有するコア-シェルカプセルが挙げられる。
樹脂は、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、2,2-ジメトキシエタナール、グリオキサール、グリオキシル酸またはグリコールアルデヒドおよびそれらの混合物)と、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、メラミン、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、グアナゾールなどのアミン、ならびにそれらの混合物との重縮合によって生成され得る。あるいは、予め成形された樹脂アルキロール化ポリアミン、例えば、Urac(登録商標)(製造元:Cytec Technology Corp.)、Cymel(登録商標)(製造元:Cytec Technology Corp.)、Urecoll(登録商標)またはLuracoll(登録商標)(製造元:BASF)という商標で市販されているものが使用され得る。
他の樹脂は、グリセロールのようなポリオールと、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリマー、イソホロンジイソシアネートもしくはキシリレンジイソシアネートのトリマー、またはヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット、またはキシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのトリマー(Takenate(登録商標)という商品名で知られている、製造元:Mitsui Chemicals)のようなポリイソシアネート、なかでも、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのトリマーおよびヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット、との重縮合によって生成されるものである。
アミノ樹脂、すなわち、メラミンベースの樹脂とアルデヒドとの重縮合による香料のカプセル化に関連する重要な文献のうちの幾つかは、K.Dietrich等のActa Polymerica,1989,vol.40,pages 243,325 and 683、ならびに1990,vol.41,page 91に示されている。そのような論文には、従来技術の方法に従ったそのようなコア-シェルマイクロカプセルの調製に影響を与える様々なパラメータがすでに記載されており、これらの方法はまた、特許文献においてさらに詳述および例示されている。Wiggins Teape Group Limitedの米国特許第4,396,670号明細書は、後者のものの関連する初期的な例である。それ以降、他の多くの著者がこの分野の文献を充実させてきたため、ここですべての公開された開発を包含することは不可能であり得るが、カプセル化技術の一般的な知識は、非常に重要である。そのようなマイクロカプセルの好適な使用を開示する関連性のあるより最近の刊行物は、例えば、K.BruyninckxおよびM.Dusselier,ACS Sustainable Chemistry&Engineering,2019,vol.7,pages 8041-8054の論文に示されている。
ここで、「香料ベース」とは、少なくとも1つの賦香共成分を含む組成物を意味する。
該賦香共成分は、式(I)のものではない。さらに、ここで、「賦香共成分」とは、式(I)の賦香成分に加えて賦香調製物または組成物に使用され、かつ式(I)の賦香成分などに快楽効果を付与する、化合物を意味する。言い換えるなら、賦香共成分であると考えられるそのような共成分は、単に香りを有するものとしてではなく、組成物の香りを有利または心地良いように付与または改変することができるものとして、当業者に認識されるはずである。
特に、以下のような、香料配合物に一般的に使用される賦香共成分が挙げられる:
- アルデヒド成分:デカナール、ドデカナール、2-メチル-ウンデカナール、10-ウンデカナール、オクタナール、ノナナールおよび/またはノネナール;
- 芳香性ハーブ成分:ユーカリ油、カンファー、ユーカリプトール、5-メチルトリシクロ[6.2.1.0~2,7~]ウンデカン-4-オン、1-メトキシ-3-ヘキサンチオール、2-エチル-4,4-ジメチル-1,3-オキサチアン、2,2,7/8,9/10-テトラメチルスピロ[5.5]ウンデカ-8-エン-1-オン、メントールおよび/またはα-ピネン;
- バルサム成分:クマリン、エチルバニリンおよび/またはバニリン;
- シトラス成分:ジヒドロミルセノール、シトラール、オレンジ油、酢酸リナリル、シトロネリルニトリル、オレンジテルペン、リモネン、1-p-メンテン-8-イルアセテートおよび/または1,4(8)-p-メンタジエン;
- フローラル成分:メチルジヒドロジャスモネート、リナロール、シトロネロール、フェニルエタノール、3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、酢酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、テトラヒドロ-2-イソブチル-4-メチル-4(2H)-ピラノール、ベータイオノン、メチル2-(メチルアミノ)ベンゾエート、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、1-(2,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-[2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、2,5-ジメチル-2-インダンメタノール、2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート、3-(4,4-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール、サリチル酸ヘキシル、3,7-ジメチル-1,6-ノナジエン-3-オール、3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール、酢酸ベルジル、ゲラニオール、p-メンタ-1-エン-8-オール、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアセテート、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、サリチル酸アミル、高cisメチルジヒドロジャスモネート、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、プロピオン酸ベルジル、酢酸ゲラニル、テトラヒドロリナロール、cis-7-p-メンタノール、プロピル(S)-2-(1,1-ジメチルプロポキシ)プロパノエート、2-メトキシナフタレン、2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエチルアセテート、4/3-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、アミルシンナミックアルデヒド、8-デセン-5-オリド、4-フェニル-2-ブタノン、酢酸イソノニル、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート、イソ酪酸ベルジルおよび/またはメチルイオノン異性体の混合物;
- フルーティー成分:γ-ウンデカラクトン、2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、2-メチル-4-プロピル-1,3-オキサチアン、4-デカノリド、エチル2-メチル-ペンタノエート、酢酸ヘキシル、エチル2-メチルブタノエート、γ-ノナラクトン、ヘプタン酸アリル、2-フェノキシエチルイソブチレート、エチル2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテート、3-(3,3/1,1-ジメチル-5-インダニル)プロパナール、ジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、3-メチル-2-ヘキセン-1-イルアセテート、1-[3,3-ジメチルシクロヘキシル]エチル[3-エチル-2-オキシラニル]アセテートおよび/またはジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート;
- グリーン成分:2-メチル-3-ヘキサノン(E)-オキシム、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、2-tert-ブチル-1-シクロヘキシルアセテート、酢酸スチラリル、アリル(2-メチルブトキシ)アセテート、4-メチル-3-デセン-5-オール、ジフェニルエーテル、(Z)-3-ヘキセン-1-オールおよび/または1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン;
- ムスク成分:1,4-ジオキサ-5,17-シクロヘプタデカンジオン、(Z)-4-シクロペンタデセン-1-オン、3-メチルシクロペンタデカノン、1-オキサ-12-シクロヘキサデセン-2-オン、1-オキサ-13-シクロヘキサデセン-2-オン、(9Z)-9-シクロヘプタデセン-1-オン、2-{1S)-1-[(1R)-3,3-ジメチルシクロヘキシル]エトキシ}-2-オキソエチルプロピオネート3-メチル-5-シクロペンタデセン-1-オン、1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-シクロペンタ-g-2-ベンゾピラン、(1S,1’R)-2-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシ]-2-メチルプロピルプロパノエート、オキサシクロヘキサデカン-2-オンおよび/または(1S,1’R)-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート;
- ウッディ成分:1-[(1RS,6SR)-2,2,6-トリメチルシクロヘキシル]-3-ヘキサノール、3,3-ジメチル-5-[(1R)-2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-4-ペンテン-2-オール、3,4’-ジメチルスピロ[オキシラン-2,9’-トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ[4]エン、(1-エトキシエトキシ)シクロドデカン、2,2,9,11-テトラメチルスピロ[5.5]ウンデカ-8-エン-1-イルアセテート、1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノン、パチュリ油、パチュリ油のテルペン画分、clearwood(登録商標)、(1’R,E)-2-エチル-4-(2’,2’,3’-トリメチル-3’-シクロペンテン-1’-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、メチルセドリルケトン、5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテニル)-3-メチルペンタン-2-オール、1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタン-1-オンおよび/または酢酸イソボルニル;
- 他の成分(例えば、アンバー、パウダリースパイシーまたはウォータリー):ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチル-ナフト[2,1-b]フランおよび任意のその立体異性体、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、オイゲノール、シンナミックアルデヒド、チョウジ油、3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン、2,5,5-トリメチル-1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロ-2-ナフタレノール、1-フェニルビニルアセテート、6-メチル-7-オキサ-1-チア-4-アザスピロ[4.4]ノナンおよび/または3-(3-イソプロピル-1-フェニル)ブタナール。
本発明による香料ベースは、先に言及した賦香共成分に限定されなくてもよく、これらの共成分のうちの他の多くは、いずれの場合も、S.Arctander,Perfume and Flavor Chemicals,1969,Montclair,New Jersey,USAの書籍もしくはそのより新しい版、または類似した種類の他の著作物、ならびに香料の分野における豊富な特許文献に列挙されている。また、該共成分は、香料前駆体またはプロフレグランスとしても知られている様々な種類の賦香化合物を制御された手法で放出すると知られている化合物であり得るとも理解される。好適な香料前駆体またはプロフレグランスの非限定的な例としては、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブタノン、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブタノン、3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-ブタノン、2-(ドデシルチオ)オクタン-4-オン、2-フェニルエチルオキソ(フェニル)アセテート、3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルオキソ(フェニル)アセテート、(Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルオキソ(フェニル)アセテート、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-イルヘキサデカノエート、ビス(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)スクシネート、(2-((2-メチルウンデカ-1-エン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼン、1-メトキシ-4-(3-メチル-4-フェネトキシブタ-3-エン-1-イル)ベンゼン、(3-メチル-4-フェネトキシブタ-3-エン-1-イル)ベンゼン、1-(((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イル)オキシ)-2-メチルウンデカ-1-エン、(2-((2-メチルウンデカ-1-エン-1-イル)オキシ)エトキシ)ベンゼン、2-メチル-1-(オクタン-3-イルオキシ)ウンデカ-1-エン、1-メトキシ-4-(1-フェネトキシプロパ-1-エン)-2-イル)ベンゼン、1-メチル-4-(1-フェネトキシプロパ-1-エン-2-イル)ベンゼン、2-(1-フェネトキシプロパ-1-エン-2-イル)ナフタレン、(2-フェネトキシビニル)ベンゼン、2-(1-((3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イル)オキシ)プロパ-1-エン-2-イル)ナフタレン、(2-((2-ペンチルシクロペンチリデン)メトキシ)エチル)ベンゼンまたはそれらの混合物が挙げられる。
「香料補助剤」という用語は、色、特定の耐光性、化学的安定性などのさらなる付加的な利点を付与することが可能な成分であると理解される。賦香ベースにおいて一般的に使用される補助剤の性質および種類の詳細な記載は、網羅できるものではなく、この成分は、当業者に周知であることに言及する必要がある。しかしながら、特定の非限定的な例として、以下のものが挙げられる:粘度剤(例えば、界面活性剤、増粘剤、ゲル化および/またはレオロジー調整剤)、安定剤(例えば、保存剤、酸化防止剤、熱/光および/もしくは緩衝剤またはキレート化剤、例えばBHT)、着色剤(例えば、染料および/または顔料)、保存剤(例えば、抗菌剤、または抗微生物剤、または抗真菌剤、または抗刺激剤)、研磨剤、皮膚冷却剤、定着剤、防虫剤、軟膏、ビタミンおよびそれらの混合物。
当業者は、賦香組成物の先の成分を混ぜ合わせることによって、単に当技術分野の標準的な知識を適用することによって、また試行錯誤の方法論によって、所望の効果のための最適な配合物を完全に設計することができると理解される。
少なくとも1つの式(I)の化合物と少なくとも1つの香料担体とからなる本発明の組成物は、本発明の特定の実施形態、ならびに少なくとも1つの式(I)の化合物と、少なくとも1つの香料担体と、少なくとも1つの香料ベースと、任意選択的に少なくとも1つの香料補助剤とを含む賦香組成物を表す。
上述の組成物において、式(I)の化合物に加えて、他のフレグランスを生成することができる類似のまたは異なる性質の他の化合物を使用する可能性があることが重要であるとここで言及することが有用である。というのも、これによって、調香師は、本発明の様々な化合物の香りの調性を有し、したがって創作目的のための新たな基礎的要素を作製する、アコード、香料を調製することが可能になるからである。
明確にするために述べると、任意の混合物が、十分な精製なしで、化学合成、例えば反応媒体から直接的に得られるとも理解され、ここで、混合物が香料に好適な形態で本発明の化合物を提供しない限り、本発明の化合物は、出発中間体として関与するか、または最終生成物は、本発明による賦香組成物であると考えることはできない。したがって、特に明記されない限り、未精製の反応混合物は、一般的に本発明から除外される。
さらに、本発明の式(I)の化合物はまた、現代の香料、すなわちファインパフューマリーまたは機能性香料のすべての分野で有利に使用されて、長持ちするまたは持続性のフルーティーおよび/またはフローラルな香りを、該化合物(I)が添加される消費者製品に有利に付与することができる。
結果として、本発明の別の態様は、少なくとも1つの式(I)の化合物または先に定義したような賦香組成物を賦香成分として含む賦香消費者製品に関する。
本発明の化合物は、そのまま添加することも、または本発明の賦香組成物の一部として添加することもできる。
明確にするために、「賦香消費者製品」とは、これが適用される表面(例えば、皮膚、毛髪、布地または硬質表面)に少なくとも1つの心地良い賦香効果を与えることが期待される消費者製品を意味することに言及する必要がある。言い換えるなら、本発明による賦香された消費者製品は、機能性配合物、ならびに任意選択的に所望の消費者製品、例えば、コンディショナー、洗剤またはエアフレッシュナーに対応するさらなる有益な薬剤、および嗅覚的有効量の少なくとも1つの本発明の化合物を含む、賦香された消費者製品である。明確にするために述べると、賦香消費者製品は、非食用製品である。
ここで、賦香消費者製品の構成要素の性質および種類は、より詳細な記載を保証するものではなく、いずれの場合にせよ、網羅できるものではないため、当業者であれば、その一般的な知見に基づき、製品の性質および望ましい効果に応じて、これらを選択することができる。
本明細書で使用される場合、「消費者製品」とは、ベビーケア、パーソナルケア、布地&ホームケア、ファミリーケア、フェミニンケア、ヘルスケア、ビューティーケアおよびこれらが販売される形態での使用または消費が一般的に意図された同様の製品を意味する。
好適な賦香消費者製品の非限定的な例は、香料、例えば、ファイン香料、コロンまたはアフターシェーブローション;布地ケア製品、例えば、液体もしくは固体洗剤またはユニドース洗剤(粉末タブレット、液体ユニドースまたはマルチチャンバーユニドース洗剤など)、布地柔軟剤、布地リフレッシャー、アイロン水、紙、漂白剤、カーペットクリーナーまたはカーテンケア製品;ボディケア製品、例えば、ヘアケア製品(例えば、シャンプー、カラーリング調製物またはヘアスプレー、カラーケア製品または整髪製品)、デンタルケア製品、消毒剤、インティメイトケア製品)、化粧品(例えば、スキンクリームもしくはローション、バニシングクリーム、またはデオドラントもしくは制汗剤(例えば、スプレーまたはロールオン))、除毛剤、タンニング、日焼けまたは日焼け後製品、ネイル製品、スキンクレンジング製品またはメイクアップ)、スキンケア製品(例えば、賦香された石鹸、シャワーもしくはバスムース、オイルもしくはジェル、衛生製品、またはフット/ハンドケア製品);空気ケア製品、例えば、エアフレッシュナーまたは家庭空間(部屋、冷蔵庫、食器棚、靴または車)および/もしくは公共空間(ホール、ホテル、モールなど)で使用可能な「すぐに使用できる(ready to use)」粉末エアフレッシュナー;あるいはホームケア製品、例えば、カビ取り剤、家具ケア製品、ワイプ、食器洗剤または硬質表面(例えば、床、浴室、衛生品または窓)洗剤、レザーケア製品;カーケア製品、例えば、つや出し剤、ワックスまたはプラスチッククリーナーであり得る。
好ましい賦香組成物または賦香された物品は、香料、布地または硬質表面洗剤、スキンまたはヘアケア製品、および布地柔軟剤またはリフレッシャーである。
本発明の化合物を組み込むことができる布地洗剤または柔軟剤組成物の典型的な例は、国際公開第97/34986号、または米国特許第4,137,180号明細書および同第5,236,615号、または欧州特許第799885号明細書に記載されている。使用可能な他の典型的な洗剤および柔軟剤組成物は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,vol.20,Wiley-VCH,Weinheim,p.355-540(2012);Flick,Advanced Cleaning Product Formulations,Noye Publication,Park Ridge,New Jersey (1989);Showell,in Surfactant Science Series,vol.71:Powdered Detergents,Marcel Dekker,New York(1988);Proceedings of the World Conference on Detergents(4th,1998,Montreux,Switzerland),AOCS printなどの著作物に記載されている。
上述の消費者製品ベースのうちの幾つかは、本発明の化合物にとって攻撃的な媒体を表し得るため、カプセル化などによって後者を早期分解から保護する必要があり得る。
本発明による化合物を前述の様々な物品または組成物に組み込むことができる割合は、広範囲の値で変化する。これらの値は、賦香すべき物品の性質および所望の官能効果に依存し、また本発明による化合物が当技術分野で一般的に使用される賦香共成分、溶媒または添加剤と混合される場合は所与のベース中の共成分の性質に依存する。
例えば、賦香組成物の場合、典型的な濃度は、これらが組み込まれる組成物の質量に基づいて、本発明の化合物0.001質量%~10質量%またはそれよりも高いオーダーにある。賦香された消費者製品の場合、典型的な濃度は、これらが組み込まれる消費者製品の質量に基づいて、本発明の化合物0.0001質量%~5質量%またはそれよりも高いオーダーにある。
上述のように、本発明は、シクロペンタノンに由来する香料成分によって付与される長持ちするまたは持続性の香り、例えば、フルーティーおよび/またはフローラルな香りを、硬質表面、布地、皮膚または毛髪などの表面に付与する方法に関する。表面からの蒸発によってフルーティーおよび/またはフローラルな香りを環境に提供する香料成分は、典型的には、それほど長持ちしないか、または持続性ではない。先に概説したように、これについての理由の1つは、表面付着後の効率的な蒸発を保証するそれらの比較的高い揮発性である。これについての別の理由は、非常に多くの場合、これらの化合物が少量しか表面に効率的に付着されないことである。これは特に、これらが賦香組成物または賦香された物品を介して表面に適用され、適用後に濯がれる場合に当てはまる。この濯ぎステップでは、ターゲット表面に残るはずの大量の香料も運び去られる。この場合の例は、適用後に濯ぎ流される、硬質表面クリーナー、洗剤、シャワージェル、シャンプーなどの洗浄剤および清浄剤である。さらに、表面を賦香組成物または賦香された物品(ここから、賦香組成物または賦香された物品と対応する表面との間の分配平衡によって香料が表面上に付着する)と接触させることによって賦香することは、香料の付着に非効率的である可能性がある。この場合の例は、コンディショナーまたは表面リフレッシャー、例えばフレグランス柔軟剤であり、これは、ターゲットと接触させられ、次いで、除去されるか、または乾燥させられる。本発明による式(I)の化合物は、香料の付着を強化し、したがって、シクロペンタノンに由来する香料成分を、硬質表面、布地、皮膚または毛髪などの表面に付与することによって長持ちする香りを付与するのに好適である。
したがって、本発明の別の態様は、少なくとも1つの式(I)の化合物を賦香組成物または賦香された物品に添加し、これらを対応するターゲットの環境または表面に適用することによって、シクロペンタノンに由来する香料成分によって付与される長持ちするまたは持続性の香りを、環境に、または硬質表面、布地、皮膚もしくは毛髪などの表面に付与する方法に関する。
本発明はまた、少なくとも1つの式(I)の化合物を含むマイクロカプセルにも関する。一実施形態において、の少なくとも1つの式(I)化合物は、コア-シェルマイクロカプセルにカプセル化されており、少なくとも1つの式(I)の化合物は、シェルによって囲まれたコアに含まれている。一実施形態において、マイクロカプセルのシェルは、式(I)の化合物を環境から保護する。シェルは、の少なくとも1つの式(I)化合物を放出することができる材料で作製されている。一実施形態では、シェルは、シェルの破壊時に、および/またはシェルを介した拡散によって、式(I)の化合物を放出することができる材料で作製されている。当業者は、該マイクロカプセルを調製するプロセスを熟知している。
特定の実施形態によると、マイクロカプセルのシェルは、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート(すなわち、ポリアクリレートおよび/またはポリメタクリレート)、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリスルホンアミド、尿素とホルムアルデヒドとのポリマー、メラミンとホルムアルデヒドとのポリマー、メラミンと尿素とのポリマー、またはメラミンとグリオキサールとのポリマー、およびそれらの混合物からなる群から選択される材料を含む。シェルはまた、ハイブリッド、すなわち、架橋された少なくとも2つの種類の無機粒子からなるハイブリッドシェルのような有機-無機であるか、またはポリアルコキシシランマクロモノマー組成物の加水分解および縮合反応から生じるシェルであり得る。
特定の実施形態によると、コア-シェルマイクロカプセル(複数可)は、異なるまたは1つより多くのカプセル化方法を使用することによっても得ることができる。
好ましい実施形態では、マイクロカプセルのシェルは、それぞれ独立して、アミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリ尿素およびポリウレタンシェル、ならびにそれらの混合物の群から選択され得る。
特定の実施形態では、マイクロカプセルのシェルは、メラミン-ホルムアルデヒド、または尿素-ホルムアルデヒド、または架橋メラミンホルムアルデヒド、またはメラミングリオキサールなどのアミノプラストコポリマーを含む。
特定の実施形態では、マイクロカプセルのシェルは、例えば、イソシアネートベースのモノマー、ならびに炭酸グアニジンおよび/またはグアナゾールなどのアミン含有架橋剤から作製されたポリ尿素ベースであるが、これらに限定されることはない。特定のポリ尿素マイクロカプセルは、少なくとも2個のイソシアネート官能基を含む少なくとも1つのポリイソシアネートと、アミンからなる群から選択される少なくとも1つの反応物(例えば、水溶性グアニジン塩およびグアニジン)との間の重合の反応生成物であるポリ尿素壁;コロイド安定剤または乳化剤;およびカプセル化された香料を含む。しかしながら、アミンの使用は省略してもよい。
特定の実施形態では、コロイド安定剤は、0.1%~0.4%のポリビニルアルコール、0.6%~1%のビニルピロリドンと4級化ビニルイミダゾールとのカチオン性コポリマーの水溶液を含む(パーセントはすべて、コロイド安定剤の総質量に対する質量によって定義される)。特定の実施形態では、乳化剤は、例えば、アラビアガム、ダイズタンパク質、ゼラチン、カゼインナトリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択され得るアニオン性または両親媒性バイオポリマーである。
特定の実施形態では、マイクロカプセルのシェルは、例えば、ポリイソシアネートおよびポリオール、ポリアミド、ポリエステルなどから作製されたポリウレタンベースであるが、これらに限定されることはない。
特定の実施形態では、マイクロカプセルは、複合コアセルベーションから得られるポリマーシェルを有し、このシェルは架橋されていてもよい。
コア-シェルマイクロカプセルの特定の実施形態では、コア-シェルマイクロカプセルは、疎水性活性物質、好ましくは少なくとも1つの式(I)の化合物を含む油性コアと、第1の材料および第2の材料を含む複合シェルとを含み、第1の材料および第2の材料は異なり、第1の材料はコアセルベートであり、第2の材料はポリマー材料である。
特定の実施形態では、第1の材料と第2の材料との間の質量比は、50:50~99.9:0.1の間に含まれる。
特定の実施形態では、コアセルベートは、好ましくはタンパク質(ゼラチンなど)、ポリペプチドまたは多糖類(キトサンなど)、最も好ましくはゼラチンから選択される第1の高分子電解質と、第2の高分子電解質、好ましくは、アルギン酸塩、セルロース誘導体、グアーガム、ペクチン酸塩、カラギーナン、ポリアクリル酸およびメタクリル酸、またはキサンタンガムもしくは植物ガム、例えばアカシアガム(アラビアガム)、最も好ましくはアラビアガムとを含む。
第1のコアセルベート材料は、グルタルアルデヒド、グリオキサール、ホルムアルデヒド、タンニン酸またはゲニピンなどの好適な架橋剤を使用して化学的に硬化させることができるか、またはトランスグルタミナーゼなどの酵素を使用して酵素的に硬化させることができる。
第2のポリマー材料は、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリスルホンアミド、尿素とホルムアルデヒドとのポリマー、メラミンとホルムアルデヒドとのポリマー、メラミンと尿素とのポリマー、またはメラミンとグリオキサールとのポリマー、およびそれらの混合物、好ましくはポリ尿素および/またはポリウレタンからなる群から選択され得る。第2の材料は、マイクロカプセルスラリーの総質量に基づいて、3質量%未満、好ましくは1質量%未満の量で存在することが好ましい。
コア-シェルマイクロカプセルの水性分散液/スラリーの調製は、当業者に周知である。特定の実施形態では、マイクロカプセル壁材料は、任意の好適な樹脂を含んでよく、特に、メラミン、グリオキサール、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステルなどを含む。好適な樹脂としては、アルデヒドとアミンとの反応生成物が挙げられ、好適なアルデヒドとしては、ホルムアルデヒドおよびグリオキサールが挙げられる。好適なアミンとしては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリルおよびそれらの混合物が挙げられる。好適なメラミンとしては、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、イミノメラミンおよびそれらの混合物が挙げられる。好適な尿素としては、ジメチロール尿素、メチル化ジメチロール尿素、尿素-レゾルシノールおよびそれらの混合物が挙げられる。製造に好適な材料は、以下の会社のうちの1社以上から得ることができる:Solutia Inc.(St Louis,Missouri U.S.A.)、Cytec Industries(West Paterson,New Jersey U.S.A.)、Sigma-Aldrich(St.Louis,Missouri U.S.A.)。
コア-シェルマイクロカプセルの特定の実施形態では、コア-シェルマイクロカプセルは、
- 少なくとも1つの式(I)の化合物を含むことが好ましい、疎水性活性物質を含む油性コア、
- 任意選択的に、重合された多官能性モノマーで作製された内側シェル、
- タンパク質を含むバイオポリマーシェルであって、少なくとも1つのタンパク質が架橋されている、バイオポリマーシェル
を含む。
特定の実施形態によると、タンパク質は、乳タンパク質、カゼインナトリウムまたはカゼインカルシウムなどのカゼイン塩、カゼイン、乳清タンパク質、加水分解タンパク質、ゼラチン、グルテン、エンドウマメタンパク質、ダイズタンパク質、シルクタンパク質およびそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはカゼインナトリウム、最も好ましくはカゼインナトリウムである。
特定の実施形態によると、タンパク質は、カゼインナトリウムと、乳清タンパク質、β-ラクトグロブリン、オボアルブミン、ウシ血清アルブミン、植物性タンパク質およびそれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい球状タンパク質とを含む。
タンパク質は、好ましくは、カゼインナトリウムと乳清タンパク質との混合物である。
特定の実施形態によると、バイオポリマーシェルは、カゼインナトリウムおよび/または乳清タンパク質からなる群から選択される架橋タンパク質を含む。
特定の実施形態によると、マイクロカプセルスラリーは、
- 少なくとも1つの式(I)の化合物を含むことが好ましい、疎水性活性物質を含む油性コア、
- 重合された多官能性モノマー、好ましくは、少なくとも2個のイソシアネート官能基を有するポリイソシアネートで作製された内側シェル、
- タンパク質を含むバイオポリマーシェルであって、少なくとも1つのタンパク質が架橋されており、タンパク質が、好ましくは、カゼインナトリウムと、球状タンパク質、好ましくは乳清タンパク質とを含む混合物を含む、バイオポリマーシェル、
- 任意選択的に、少なくとも1つの外側無機層
で作製された少なくとも1つのマイクロカプセルを含む。
一実施形態によると、カゼインナトリウムおよび/または乳清タンパク質は、架橋されたタンパク質(複数可)である。
カゼインナトリウムと乳清タンパク質との間の質量比は、0.01~100の間、好ましくは0.1~10の間、より好ましくは0.2~5の間に含まれることが好ましい。
特定の実施形態では、マイクロカプセルは、
1) 香油を、少なくとも2個のイソシアネート官能基を有する少なくとも1つのポリイソシアネートと混ぜ合わせて、油相を形成するステップと、
2) アミノプラスト樹脂および任意選択的に安定剤を水に分散または溶解させて、水性相を形成するステップと、
3) 油相および水相を混ぜ合わせることによって、平均液滴径が1~100ミクロンの間に含まれる水中油型分散液を調製するステップと、
4) 硬化ステップを実施して、該マイクロカプセルの壁を形成するステップと、
5) 任意選択的に、最終的な分散液を乾燥させて、乾燥したコア-シェルマイクロカプセルを得るステップと
を含むプロセスによって得られる、単一シェルアミノプラストコア-シェルマイクロカプセルである。
特定の実施形態では、コア-シェルマイクロカプセルは、ホルムアルデヒド不含カプセルである。アミノプラストホルムアルデヒド不含マイクロカプセルスラリーを調製するための典型的なプロセスは、
1) 以下のもの:
a. メラミンの形態の、またはメラミンと、2個のNH官能基を含む少なくとも1つのC~C化合物との混合物の形態のポリアミン成分、
b. グリオキサール、C4~6の2,2-ジアルコキシ-エタナールおよび任意選択的にグリオキサレートの混合物の形態のアルデヒド成分であって、該混合物が、1/1~10/1の間に含まれるグリオキサール/C4~6の2,2-ジアルコキシ-エタナールのモル比を有する、アルデヒド成分、ならびに
c) 非プロトン性酸触媒
の反応生成物、またはこれらを一緒に反応させることによって得られる反応生成物を含むオリゴマー組成物を調製するステップと、
2) 水中油型分散液を調製するステップであって、液滴径が1~600ミクロンの間に含まれ、
a. 油、
b. 水媒体、
c. ステップ1で得られるような少なくとも1つのオリゴマー組成物、
d. 以下のもの:
i. C~C12芳香族もしくは脂肪族ジイソシアネートもしくは脂肪族トリイソシアネート、およびそれらのビウレット、トリウレット、トリマー、トリメチロールプロパン付加物およびそれらの混合物、ならびに/または
ii. 式:
Q-(オキシラン-2-イルメチル) [式中、mは、2または3であり、Qは、2~6個の窒素および/または酸素原子を含んでいてもよいC~C基を表す]
のジオキシラン化合物またはトリオキシラン化合物
から選択される少なくとも1つの架橋剤、
e. 任意選択的に、2個のNH官能基を含むC~C化合物
を含む、ステップと、
3) 分散液を加熱するステップと、
4) 分散液を冷却するステップと
を含む。
先のプロセスは、国際公開第2013/068255号により詳細に記載されている。
コア-シェルマイクロカプセルの特定の実施形態では、コア-シェルマイクロカプセルは、
- 少なくとも1つの式(I)の化合物を含むことが好ましい、疎水性活性物質を含む油性コアと、
- 以下のもの:
・ 塩化アシル、
・ 第1のアミノ化合物、および
・ 第2のアミノ化合物
を含むか、またはこれらから得られるポリアミドシェルと
を含む、ポリアミドコア-シェルマイクロカプセルである。
特定の実施形態によると、ポリアミドコア-シェルマイクロカプセルは、
少なくとも1つの式(I)の化合物を含むことが好ましい、疎水性活性物質を含む油性コアと、
以下のもの:
・ 5~98%w/wの間、好ましくは20~98%w/wの間、より好ましくは30~85%w/wの間に含まれる量であることが好ましい塩化アシル、
・ 1%~50%w/wの間、好ましくは7%~40%w/wの間に含まれる量であることが好ましい第1のアミノ化合物、
・ 1%~50%w/wの間、好ましくは2%~25%w/wの間に含まれる量であることが好ましい第2のアミノ化合物、
・ 0~90%の間、好ましくは0.1~75%の間、より好ましくは1~70%の間に含まれる量であることが好ましい安定剤、好ましくはバイオポリマー
を含むか、またはこれらから得られるポリアミドシェルと
を含む。
特定の実施形態によると、ポリアミドコア-シェルマイクロカプセルは、
- 少なくとも1つの式(I)の化合物を含むことが好ましい、疎水性活性物質を含む油性コアと、
- 以下のもの:
・ 塩化アシル、
・ L-リジン、L-アルギニン、L-ヒスチジン、L-トリプトファンおよび/またはそれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい、アミノ酸である第1のアミノ化合物、
・ エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、シスタミンおよび/またはそれらの混合物からなる群から選択される第2のアミノ化合物、ならびに
・ カゼイン、カゼインナトリウム、ウシ血清アルブミン、乳清タンパク質および/またはそれらの混合物からなる群から選択されるバイオポリマー
を含むか、またはこれらから得られるポリアミドシェルと
を含む。
第1のアミノ化合物は、第2のアミノ化合物とは異なり得る。
典型的には、ポリアミドベースのマイクロカプセルを調製するためのプロセスは、以下のステップ:
a) 少なくとも1つの塩化アシルを疎水性材料、好ましくは香料に溶解させて、油相を形成するステップ、
b) ステップa)で得られた油相を、第1のアミノ化合物を含む水相に分散させて、水中油型エマルションを形成するステップ、
c) 硬化ステップを実施して、スラリーの形態のポリアミドマイクロカプセルを形成するステップ
を含み、
安定剤は、油相および/または水相に添加され、
少なくとも第2のアミノ化合物は、水中油型エマルションの形成前に水相に、および/またはステップb)の後に得られる水中油型エマルションに添加される。
特定の実施形態では、マイクロカプセルのシェルは、ポリ尿素またはポリウレタンベースである。ポリ尿素およびポリウレタンベースのマイクロカプセルスラリーを調製するプロセスの例は、例えば、国際公開第2007/004166号、欧州特許第2300146号明細書および欧州特許第2579976号明細書に記載されている。典型的には、ポリ尿素またはポリウレタンベースのマイクロカプセルスラリーを調製するためのプロセスは、以下のステップ:
a) 少なくとも2個のイソシアネート基を有する少なくとも1つのポリイソシアネートを油に溶解させて、油相を形成するステップと、
b) 乳化剤またはコロイド安定剤の水溶液を調製して、水性相を形成するステップと、
c) 油相を水相に添加して、水中油型分散液を形成するステップであって、平均液滴径が、1~500μmの間、好ましくは5~50μmの間に含まれる、ステップと、
d) 界面重合を誘発し、かつスラリーの形態でマイクロカプセルを形成するのに十分な条件を適用するステップと
を含む。
特定の実施形態では、マイクロカプセルは、粉末の形態であってよく、これは特に、マイクロカプセルスラリーを噴霧乾燥などの乾燥ステップに供して、マイクロカプセルをそのまま、すなわち粉末形態で提供することによって得ることができる。そのような乾燥を実施するための当業者に公知の任意の標準的な方法も適用可能であると理解される。特に、スラリーを、好ましくは、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、デキストリン、天然または加工デンプン、アラビアガム、植物ガム、ペクチン、キサンタン、アルギン酸塩、カラギーナンまたはセルロース誘導体のようなポリマー担体材料の存在下で噴霧乾燥して、粉末形態のマイクロカプセルを提供することができる。
しかしながら、押出し、めっき、噴霧造粒もしくは流動床プロセス、またはさらに国際公開第2017/134179号に開示されているような特定の基準を満たす材料(担体、乾燥剤)を使用した室温での乾燥などの他の乾燥方法も挙げられる。
本発明の式(I)の化合物は、本明細書で以下に記載されるように、当技術分野で公知の標準的な方法によって調製することができる。
以下、本発明を以下の例によってより詳細に説明するが、ここで、略語は当技術分野における通常の意味を有し、温度は摂氏度(℃)で示される。NMRスペクトルデータは、Bruker Avance III 500または600分光計で記録した。特に示されない場合、スペクトルは、CDClにおいて、Hについては500MHzで、13Cについては125.8MHzで記録した。化学置換δは、標準としてのSi(CHに対してppmで示し、結合定数Jは、Hzで表す(br.=ブロードピーク)。反応は、N下で標準的なガラス製品において実行した。特に述べられない場合、市販の試薬および溶媒をさらなる精製なしで使用した。
幾つかの化合物について特定の立体配座または立体配置が示されているが、これは、これらの化合物の使用を記載されている異性体に限定することを意味するものではない。
[例1]
(式(I)による化合物の調製)
(a) (±)-6-(5-ヘキセニル)-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-オン(化合物1)の合成
モレキュラーシーブ(4Å)を有するソックスレー抽出器において、メタノール(125mL)中に入った2-(5-ヘキセニル)シクロペンタン-1-オン(1.73g、10mmol)、トリエチルアミン(TEA、1.5mL、11mmol)およびグリシンアミド塩酸塩(1.13g、10mmol)の混合物を、数日間にわたって加熱して還流させた。室温に冷却した後に、溶媒を減圧下で蒸発させ、混合物を酢酸エチル(50mL)および水(25mL)に溶かした。分離後に、水性相を酢酸エチル(50mL)で再抽出し、有機相をNaClの飽和水溶液(25mL)で洗浄した。合わせた有機相を、乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチル)によって、ターゲット生成物の第1のジアステレオ異性体(化合物1a)0.15gがもたらされ、さらなる溶出(酢酸エチル/エタノール)によって、0.24gの異性体混合物および0.19gの第2のジアステレオ異性体(化合物1b)が生成された。この化合物を、その個々の分離されたジアステレオ異性体の形態で、または分離されていない異性体混合物として使用することができる。
Figure 2023523515000008
(b) (±)-(7a’S)-2-(5-ヘキセニル)テトラヒドロスピロ[シクロペンタン-1,3’-ピロロ[1,2-c]イミダゾール]-1’(2’H)-オン(化合物2)の合成
化合物1について記載した通りであるが、メタノール(125mL)中に入った2-(5-ヘキセニル)シクロペンタン-1-オン(1.73g、10mmol)、TEA(2.25mL、16mmol)、L-プロリンアミド塩酸塩(2.26g、15mmol)を用いる。カラムクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチル、次いで酢酸エチル/エタノール9:1)によって、幾つかの生成物画分がもたらされ、これを再精製(SiO、酢酸エチル)すると、0.22gの第1のジアステレオ異性体(化合物2a)および0.48gのターゲット生成物の第2のジアステレオ異性体(化合物2b)が得られた。この化合物を、その個々の分離されたジアステレオ異性体の形態で、または分離されていない異性体混合物として使用することができる。
Figure 2023523515000009
(c) (±)-(6-(ヘキサ-5-エニル)-3-メチル-1-オキサ-4-アザスピロ[4.4]ノナン-3-イル)メタノール(化合物3)の合成
2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール(1.06g、10mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(0.10g)を、トルエン(25mL)中に入った2-(5-ヘキセニル)シクロペンタン-1-オン(3.82g、22mmol)の撹拌溶液に添加した。混合物を一晩加熱して還流させ、室温に冷却した後に、NaHCOで濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、n-ヘプタン/酢酸エチル7:3)によって、約2:1の比の2対のジアステレオ異性体の混合物1.21g(48%)がもたらされた。
Figure 2023523515000010
(d) (±)-6-ペンチル-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-オン(化合物4)の合成
メタノール(250mL)中に入った2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(13.90g、90mmol)、TEA(15mL、108mmol)およびグリシンアミド塩酸塩(10.15g、90mmol)の混合物を、16時間にわたって加熱して還流させた。室温に冷却した後に、溶媒を減圧下で蒸発させた。水(50mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相を、NaClの飽和水溶液(50mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、n-ヘプタン/酢酸エチル7:3、次いで酢酸エチル/エタノール1:1)によって、約1:1の比の2つのジアステレオ異性体の混合物6.75g(36%)がもたらされた。
Figure 2023523515000011
(e) (±)-(3S)-3-メチル-6-ペンチル-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-オン(化合物5)の合成
TEA(15.3mL、110mmol)および2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7.71g、50mmol)を、メタノール(250mL)中に入ったL-アラニンアミド塩酸塩(12.45g、100mmol)の溶液に添加した。反応混合物を24時間にわたって加熱して還流させた。室温に冷却した後に、溶媒を減圧下で蒸発させた。水(100mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(100mL)で抽出した。相分離後に、水性相を酢酸エチル(150mL)で再抽出した。合わせた有機相を、水(100mL)、NaClの飽和水溶液(100mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮すると、約1.9:1.0:1.4:1.8の比の4つのジアステレオ異性体の混合物8.23gがもたらされた(化合物5)。6.18gのカラムクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチル/n-ヘプタン4:1、次いで酢酸エチル)によって、0.52gの化合物5a、3.40gの化合物5a~5dの混合物および0.13gの化合物5dがもたらされた。この化合物を、その個々の分離されたジアステレオ異性体の形態で、または分離されていない異性体混合物として使用することができる。
Figure 2023523515000012
(f) (±)-(3S)-3-ベンジル-6-ペンチル-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-オン(化合物6)の合成
メタノール(150mL)中に入った2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(3.87g、25mmol)、TEA(3.9mL、28mmol)およびL-フェニルアラニンアミド塩酸塩(5.14g、25mmol)の混合物を、週末にかけて加熱して還流させた。室温に冷却した後に、溶媒を減圧下で蒸発させた。水(50mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相を、NaClの飽和水溶液(2×50mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、n-ヘプタン/酢酸エチル7:3、酢酸エチルおよび酢酸エチル/エタノール1:1)によって、約2.9:1の比の2つのジアステレオ異性体の混合物1.01g(化合物6a)および約1.2:1の比の2つのジアステレオ異性体の別の混合物2.02g(化合物6b)がもたらされた。
Figure 2023523515000013
(g) (±)-(7a’S)-2-ペンチルテトラヒドロスピロ[シクロペンタン-1,3’-ピロロ[1,2-c]イミダゾール]-1’(2’H)-オン(化合物7)の合成
メタノール(500mL)中に入った2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(23.14g、150mmol)、TEA(46mL、330mmol)およびL-プロリンアミド塩酸塩(47.56g、300mmol、2当量)の混合物を、22時間にわたって加熱して還流させた。室温に冷却した後に、溶媒を減圧下で蒸発させた。水(150mL)およびペンタン(150mL)を添加し、混合物を15分にわたって撹拌した。相分離後に、水性層をペンタン(2×150mL)で再抽出し、合わせた有機層を、水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶かし、Celite(登録商標)および活性炭を通して濾過し、濃縮し、真空下で乾燥させると、約9:6:1の比の3つのジアステレオ異性体の混合物21.85g(58%)がもたらされた(化合物7)。カラムクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチル/n-ヘプタン2:1)によって、異なる異性体を分離することができた。この化合物を、その個々の分離されたジアステレオ異性体の形態で、または分離されていない異性体混合物として使用することができる。
Figure 2023523515000014
(h) (±)-2-ペンチルテトラヒドロ-2’H-スピロ[シクロペンタン-1,3’-イミダゾ[1,5-a]ピリジン]-1’(5’H)-オン(化合物8)の合成
TEA(0.85mL、6mmol)および2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(4.63g、30mmol)を、メタノール(50mL)中に入った2-ピペリジンカルボキサミド(8.09g、60mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、45時間にわたって加熱して還流させ、室温に冷却した後に、濃縮した。残留物を酢酸エチル(150mL)に溶かし、水(50mL)で処理した。水性相を酢酸エチル(150mL)で抽出し、合わせた有機相を、水(50mL)およびNaClの飽和水溶液(50mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。残留2-ペンチルシクロペンタン-1-オンを除去するためのバルブ・ツー・バルブ蒸留(130℃、0.4mbar)によって、約7:1:2の比の3つのジアステレオマーの混合物3.14g(40%)が生成された(化合物8)。カラムクロマトグラフィー(SiO、トルエン/酢酸エチル4:1、次いで3:1)によって、異なる異性体の(部分的な)分離が可能になり、それによって、化合物8a、約1:1.3の比の化合物8aと8bとの混合物および化合物8cが生成された。この化合物を、その個々の分離されたジアステレオ異性体の形態で、または分離されていない異性体混合物として使用することができる。
Figure 2023523515000015
(i) (±)-(3-メチル-6-ペンチル-1-オキサ-4-アザスピロ[4.4]ノナン-3-イル)メタノール(化合物9)の合成
2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール(5.31g、50mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(0.20g)を、トルエン(100mL)中に入った2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(8.48g、55mmol)の撹拌溶液に添加した。混合物を22時間にわたって加熱して還流させた。室温に冷却した後に、酢酸エチル(100mL)を添加し、混合物をNaHCOの飽和水溶液(100mL)で洗浄した。水性層を酢酸エチル(100mL)で再抽出し、合わせた有機相を、NaClの飽和水溶液(100mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチル)によって、7.07gの粗化合物がもたらされた。2.00g(SiO、n-ヘプタン/酢酸エチル1:1)のさらなるカラムクロマトグラフィーによって、0.6g(18%)の化合物9が、約2.0:1.2:1:1の比の4つのジアステレオ異性体の混合物としてもたらされた。この化合物を、その個々の分離されたジアステレオ異性体の形態で、または分離されていない異性体混合物として使用することができる。
Figure 2023523515000016
(j) (±)-6-ヘキシル-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-オン(化合物10)の合成
メタノール(50mL)中に入った2-ヘキシルシクロペンタン-1-オン(5.31g、30mmol)、TEA(9.3mL=9.75g、66mmol、2.2当量)およびグリシンアミド塩酸塩(6.77g、60mmol、2当量)の混合物を、24時間にわたって加熱して還流させた。室温に冷却した後に、反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。水(50mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相を、水(50mL)およびNaClの飽和水溶液(50mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、n-ヘプタン/酢酸エチル7:3、次いで酢酸エチル/エタノール1:1)によって、約1:1の比のジアステレオ異性体の混合物3.48g(52%)がもたらされた。この化合物を、その個々の分離されたジアステレオ異性体の形態で、または分離されていない異性体混合物として使用することができる。
Figure 2023523515000017
(k) (±)-6-ヘプチル-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-オン(化合物11)の合成
メタノール(50mL)中に入ったグリシンアミド塩酸塩(6.77g、60mmol、2当量)、TEA(9.3mL、66mmol、2.2当量)および2-ヘプチルシクロペンタン-1-オン(5.47g、30mmol)の混合物を、24時間にわたって加熱して還流させた。室温に冷却した後に、反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。水(50mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相を、水(50mL)およびNaClの飽和水溶液(50mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、n-ヘプタン/酢酸エチル7:3、次いで、酢酸エチルおよび酢酸エチル/エタノール1:1)によって、約1:1の比のジアステレオ異性体の混合物4.35g(61%)がもたらされた(化合物11)。さらなるカラムクロマトグラフィー(SiO、n-ヘプタン/酢酸エチル7:3、次いで、酢酸エチルおよび酢酸エチル/エタノール1:1)によって、幾つかの生成物画分がもたらされた。第1の画分を脱脂綿で濾過し、アセトンで洗浄し、部分的に濃縮し、冷凍庫に入れると、白色の結晶が得られた。液体をピペットで取り出し、最小限の冷アセトンで洗浄すると、ジアステレオ異性体のうちの1つ(化合物11a)の白色結晶0.11gがもたらされた。第2の(主)画分をアセトンで再結晶させた。濾過後に、母液を再びクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチル)にかけると、他のジアステレオ異性体(化合物11b)および幾つかの混合画分が得られた。この化合物を、その個々の分離されたジアステレオ異性体の形態で、または分離されていない異性体混合物として使用することができる。
Figure 2023523515000018
(l) メチル(±)-2-(2-オキソ-6-ペンチル-1,4-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-イル)アセテート(化合物12)の合成
メタノール(50mL)中に入ったメチル2-(3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテート(Hedione(登録商標)、6.79g、30mmol)、TEA(9.3mL=9.75g、66mmol)およびグリシンアミド塩酸塩(6.77g、60mmol)の混合物を、70時間にわたって加熱して還流させた。室温に冷却した後に、反応混合物を減圧下で濃縮した。酢酸エチル(100mL)を添加し、混合物をNaClの水溶液(50%、50mL)で洗浄した。水性相を酢酸エチル(100mL)で再抽出し、合わせた有機相を、NaClの飽和水溶液(50mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、n-ヘプタン/酢酸エチル7:3、次いで酢酸エチル/エタノール1:1)および残留揮発物を除去するための主画分のバルブ・ツー・バルブ蒸留によって、約1:1の比のジアステレオ異性体の混合物3.90g(46%)がもたらされた。この化合物を、その個々の分離されたジアステレオ異性体の形態で、または分離されていない異性体混合物として使用することができる。
Figure 2023523515000019
[例2]
(本発明の式(I)の化合物を含む布地柔軟剤ベースの性能)
本発明の式(I)の化合物の性能を、以下の最終的な組成を有する布地柔軟化界面活性剤エマルションにおいて試験した:
Stepantex(登録商標)VL90A(製造元:Stepan) 12.21質量%
塩化カルシウム(10%の水溶液) 0.40質量%
Proxel(登録商標)GXL(製造元:Avecia) 0.04質量%
水 87.35質量%
(a) 動的ヘッドスペース測定
本発明の式(I)の化合物(0.1mmol)を、エタノール(0.2mL)に溶解させ、7.0gの上記の布地柔軟剤配合物に添加した。均質化後に、サンプルのアリコート(0.07g)を、脱塩した冷たい水道水(23.0g)で希釈した。次いで、賦香されていない洗剤粉末で予め洗浄され、約5.2gの約15×15cmのシートにカットされた1枚のコットンシート(EMPAコットン試験布Nr.221、製造元:Eidgenoessische Materialpruefanstalt)を加え、手動で3分にわたって撹拌し、2分にわたって静置し、次いで、手で絞り、秤量(約10.0g)して、一定量の残留水を得た。式(I)の化合物の代わりに式(VI)の対応する等モル量の未修飾の化合物からなる参照サンプルを調製し、同じ手法で分析した。コットンシートを、分析する前に1日または3日にわたって吊り干しした。測定のために、シートをヘッドスペースサンプリングセル(約160mLの内容積)に入れ、これを25℃に温度調節し、約200mL/分の一定の空気流に曝露した。空気を、活性炭を通して濾過し、NaClの飽和溶液を通して吸引した(約75%の一定の空気の湿度を確実にした)。揮発物を廃棄Tenax(登録商標)カートリッジに吸着させながら、系を15分間平衡化した。次いで、7回連続して、揮発物を、清浄Tenax(登録商標)カートリッジに15分にわたって、廃棄Tenax(登録商標)カートリッジに45分にわたって吸着させた。廃棄カートリッジは捨てた。他のカートリッジは、HP-1キャピラリーカラム(30m、内径0.32μm、膜0.25μm)およびFID検出器を備えるAgilent Technologies 7890Aガスクロマトグラフに接続されたPerkin Elmer TurboMatrix ATD脱着器で脱着した。揮発物は、15℃/分で80℃~260℃において変化する温度勾配を使用して分析した。ヘッドスペース濃度(ng/L空気)は、エタノール中に放出される異なる濃度のフレグランスを使用して外部標準較正によって得た。較正溶液(0.2μL)をそれぞれ、清浄Tenax(登録商標)カートリッジに注入し、これを、脱着し、同じ条件下で分析した。式(VI)のそれぞれの化合物の放出について得られた結果を、1日および3日にわたる吊り干し後の乾燥したコットンの上方での合計270分のサンプリング時間後の式(VI)の対応する等モル量の未修飾の化合物と比較して、表1にまとめる。すべてのデータは、少なくとも2回の測定の平均値である。
Figure 2023523515000020
Figure 2023523515000021
式(I)による化合物は、式(VI)の対応する等モル量の未修飾の化合物からなる参照サンプルよりも、乾燥したコットンの上方のヘッドスペースに多量の式(VI)の化合物を放出した。したがって、本発明による式(I)の化合物は、シクロペンタノンに由来する香料成分の知覚の長持ち度を増加させることができる。
(b) 官能パネル評価
本発明の式(I)の化合物の性能を、以下の組成を有する布地柔軟化界面活性剤エマルションにおいて試験した:
Figure 2023523515000022
柔軟剤は、65℃に加熱したメチルビス[エチル(牛脂脂肪酸)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルスルフェートを秤量することによって調製した。次いで、水および1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オンを反応器に入れ、撹拌しながら65℃に加熱した。先の混合物に、メチルビス[エチル(牛脂脂肪酸)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルスルフェートを添加した。混合物を15分間撹拌し、CaClを添加した。次いで、0.1gの化合物7または0.0616gの2-ペンチルシクロペンタノンを添加した。混合物を15分間撹拌し、撹拌しながら室温に冷却した(粘度測定:結果35+/-5mPas.(剪断速度106秒-1))。
コットンテリータオル(36片、18cm×18cm、それぞれ約30g)を、ショートサイクルプログラムを使用して、40℃で、欧州製の洗濯機(Miele Novotronic W300-33CH)において、55gの賦香されていない洗剤を用いて洗浄した。洗浄に続いて、23gの先の濃縮布地柔軟剤を用いて900rpmで濯いだ。次いで、テリータオルを、24時間にわたって吊り干し、それから、訓練を受けた20人のパネリストのパネルによって評価した。パネリストに、布地を手で穏やかにこすった後にタオルの香りの強度を1~7のスケールで評価するように指示した。1は無臭に対応し、7は非常に強い香りに対応する。得られた結果を表2にまとめる。
Figure 2023523515000023
香料前駆体である化合物7の存在に基づく乾燥布地への嗅覚的性能は、1日目では2-ペンチルシクロペンタノン対照に比較的近い性能となり、3日目および7日目では2-ペンチルシクロペンタノン対照よりもかなり強く知覚された。これらの結果に基づいて、0.1%の香料前駆体である化合物7は、少なくとも乾燥3日目から乾燥7日目までで、0.0616%の2-ペンチルシクロペンタノン対照よりもかなり良好に機能した。
[例3]
(本発明の式(I)の化合物を含む多目的硬質表面クリーナー配合物の性能)
本発明の式(I)の化合物からの式(VI)の化合物の放出を多目的表面クリーナー(APC)において試験した。以下の最終的な組成を有するAPC配合物を調製した:
Neodol(登録商標)91-8(製造元:Shell Chemicals) 5.0質量%
Marlon(登録商標)A375(製造元:Huels AG) 4.0質量%
クメンスルホン酸ナトリウム(Sodium cumolsulphonate) 2.0質量%
Kathon(登録商標)CG(製造元:Rohm and Haas) 0.2質量%
脱イオン水 88.8質量%
フラスコ内で、本発明の式(I)の化合物のうちの1つ(0.0369mmol)をエタノール(100μL)に溶解させた。次いで、APC配合物(3.0mL)を添加し、サンプルを穏やかに振とうした。これらのサンプルのアリコート(1mL)をピペットで取り、脱塩した水道水(9mL)で希釈した。この溶液の膜(0.75mL)を多孔質セラミックプレート(約5×10cm)にピペットで移し、室温で静置した。同様に、エタノール(100μL)中に入った本発明の式(I)の化合物のうちの1つの代わりに式(VI)の対応する等モル量の未修飾の化合物(0.0369mmol)からなる参照サンプルを調製し、同じ手法で処理した。
1日後に、各セラミックプレートをヘッドスペースサンプリングセル(約625mL)内に配置し、約200mL/分の一定の空気流に曝露した。空気を、活性炭を通して濾過し、NaClの飽和水溶液を通して吸引した(約75%の一定の空気の湿度を確実にした)。揮発物を廃棄Tenax(登録商標)カートリッジに吸着させることによって、ヘッドスペースシステムを15分にわたって平衡化した。次いで、揮発物を、清浄Tenax(登録商標)カートリッジに10分にわたって、廃棄Tenax(登録商標)カートリッジに20分にわたって交互に吸着させた(6回)。廃棄カートリッジは捨てた。清浄カートリッジを脱着し、例2に記載されているように分析した。すべての測定は、少なくとも2回実施した。多孔質セラミックプレートの上方で55分間のサンプリング後に、例1で調製したような式(I)の化合物から、または参照サンプルから放出された式(VI)の化合物の平均ヘッドスペース濃度を表3に列挙する。表3はまた、参照サンプルに関して、本発明の式(I)の化合物から放出された式(VI)の化合物の増加倍率を示す。
Figure 2023523515000024
1日後に、例1で調製したような本発明の式(I)の化合物は、参照サンプルよりも多くの式(VI)の化合物をヘッドスペースに放出する。したがって、本発明の式(I)の化合物は、APC用途から、硬質表面への式(VI)の化合物の長持ちするかつ持続性の放出を提供することができる。
[例4]
(本発明の式(I)の化合物を含むヘアコンディショニング配合物の性能)
本発明の式(I)の化合物からの式(VI)の化合物の生成をヘアコンディショニング用途において試験した。以下の最終的な組成を有するヘアコンディショニング配合物を調製した:
Dehyquart(登録商標)C4046(製造元:BASF) 5.00質量%
グリセリン(85%)(製造元:Brenntag) 2.00質量%
流動パラフィン(Paraffinum Perliquidum)(製造元:Acros) 2.00質量%
Genamin(登録商標)CTAC(製造元:Clariant) 1.00質量%
Xiameter MEM-949 Cationic Emulsion(製造元:Xiameter) 1.00質量%
Jaguar(登録商標)C14S(製造元:Lubrizol) 0.30質量%
Kathon(登録商標)CG(製造元:Rohm and Haas) 0.08質量%
EDTA B粉末(製造元:BASF) 0.05質量%
脱イオン水 88.57質量%
エタノール中に入った本発明の式(I)の化合物のうちの1つの溶液を、0.3mmolの化合物をメスフラスコ(5mL)に正確に秤量し、エタノールで満たすことによって調製した。同様に、放出すべき等モル量の式(VI)の化合物を含有する参照溶液を調製した。
上記のヘアコンディショナー配合物(920mg)をサンプル管(3mL)に秤量し、次いで、式(I)の本発明の化合物または(VI、参照)のうちの1つを含有するエタノール溶液(100μL)を添加した。管を閉じ、振とうし(50回)、手動遠心機を用いて(約3500rpmで)30秒間遠心分離した。
白人の毛髪見本(製造元:Kerling International Haarfabrik GmbH、長さ約10cm、約0.5g)を濯ぎ、約2L/分の流量の37℃の水道水で30秒にわたってこすり、余分な水を指先で絞った。賦香されていないシャンプー配合物(0.1g)を毛髪見本に広げ、これを30秒にわたって洗浄した。次いで、37℃の水道水で30秒にわたってシャンプーを濯ぎ落とし、余分な水を指先で絞った。次いで、式(I)による本発明の化合物のうちの1つまたは式(VI)の参照化合物のいずれかを含有するヘアコンディショニング配合物(0.1g)を毛髪見本に広げた。毛髪見本を指先の間で1分にわたって穏やかにこすり、1回櫛ですき、吊り干しした。
6時間後に、毛髪見本を櫛ですき(10回)、内容積約165mLの温度調整した(25℃)ヘッドスペースサンプリングセル内に粘着テープで固定した。空気の一定の流れ(200mL/分)をサンプル全体に圧送した。入ってくる空気を、活性炭を通して、またNaClの飽和水溶液を通して濾過した。揮発物を廃棄Tenax(登録商標)カートリッジに吸収させることによって、システムを10分にわたって平衡化した。次いで、揮発物を第1の清浄Tenax(登録商標)カートリッジに10分にわたって、第2の清浄Tenax(登録商標)カートリッジにさらに10分にわたって吸着させた。次いで、ポンプを停止した。毛髪見本は、カートリッジを接続することなくヘッドスペースサンプリングセル内に残った。24時間後に、廃棄Tenax(登録商標)カートリッジを接続し、ポンプのスイッチを入れ、システムを10分にわたって平衡化した。次いで、揮発物を2つの清浄Tenax(登録商標)カートリッジに10分にわたって連続的に吸着させた。廃棄カートリッジは捨てた。清浄カートリッジを脱着し、例2に記載されているように分析した。すべての測定は、少なくとも2回実施した。
6時間後および24時間後に化合物9(例1で調製したような式(I)の化合物)または参照サンプル(第1のカートリッジから脱着)から放出された2-ペンチル-1-シクロペンタノン(式(VI)の化合物)の平均ヘッドスペース濃度を表4に列挙する。表4はまた、参照サンプルに関して、本発明の式(I)の化合物から放出されたフレグランスの増加倍率を示す。
Figure 2023523515000025
例1で調製したような本発明の式(I)の化合物は、特に長時間(24時間)後に、参照サンプルよりも多くの量のフレグランスをヘッドスペースに放出する。したがって、本発明の式(I)の化合物は、ヘアコンディショニング用途から、長持ちするおよび持続性の香料の香りを毛髪に提供することができる。
[例5]
(香油の調製)
典型的な香油の非限定的な例は、以下の賦香共成分を混ぜ合わせることによって調製される:
Figure 2023523515000026
Figure 2023523515000027
[例6]
(本発明の式(I)の化合物を含む透明な等方性シャンプー配合物の調製)
典型的な賦香されていない透明な等方性シャンプー配合物を表5に列挙する。賦香されていないシャンプー配合物は、ポリクオタニウム-10を水に分散させることによって調製される。相Aの残りの成分を、各付加後に十分に混合しながら順次添加することによって別々に混合する。このプレミックスをポリクオタニウム-10分散液に添加し、さらに5分にわたって混合する。次いで、プレミックス相Bおよびプレミックス相Cを撹拌しながら添加する(Monomuls(登録商標)90L-12を加熱してTexapon(登録商標)NSO ISに溶融する)。相Dおよび相Eを撹拌しながら添加する。pHをクエン酸溶液で5.5~6.0に調整する。
Figure 2023523515000028
次いで、穏やかに振とうしながら、香油(例えば、例5に記載されているようなものであり、賦香されていないシャンプー配合物の総質量に対して0.1~0.8質量%)および式(I)の化合物のうちの少なくとも1つ(賦香されていないシャンプー配合物の総質量に対して0.05~0.50質量%)を表5に列挙されている賦香されていないシャンプー配合物に添加することによって、賦香されたシャンプー配合物が得られる。
[例7]
(本発明の式(I)の化合物を含むパーリーシャンプー配合物の調製)
典型的な賦香されていないパーリーシャンプー配合物を表6に列挙する。賦香されていないシャンプー配合物は、EDTA四ナトリウム、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドおよびポリクオタニウム-10を水に分散させることによって調製される。相Aが均質になったら、NaOH(10%の水溶液、相B)を添加する。次いで、予め混合した相Cを添加し、混合物を75℃に加熱する。相Dの成分を添加し、混合物が均質になるまで混合する。混合物を冷却する。45℃で、相E成分を混合しながら添加する。最終的な粘度をNaCl(25%の水溶液)で調整し、5.5~6.0のpHをNaOH(10%の水溶液)で調整する。
Figure 2023523515000029
Figure 2023523515000030
次いで、穏やかに振とうしながら、香油(例えば、例5に記載されているようなものであり、賦香されていないシャンプー配合物の総質量に対して0.1~0.8質量%)および式(I)の化合物のうちの少なくとも1つ(賦香されていないシャンプー配合物の総質量に対して0.05~0.50質量%)を表6に列挙されている賦香されていないパーリーシャンプー配合物に添加することによって、賦香されたパーリーシャンプー配合物が得られる。
[例8]
(本発明の式(I)の化合物を含むリンスオフヘアコンディショナー配合物の調製)
典型的な賦香されていないリンスオフヘアコンディショナー配合物を表7に列挙する。均一な混合物が得られるまで相Aの成分を混合することによって、賦香されていないリンスオフヘアコンディショナー配合物を調製する。Tyrose(登録商標)を完全に溶解させることができる。次いで、混合物を70~75℃に加熱する。相Bの成分を合わせ、70~75℃で溶融する。次いで、相Bの成分をよく撹拌しながら相Aに添加し、混合物が60℃の温度になるまで混合を続ける。次いで、混合物が40℃に冷却されるまで撹拌し、混合を維持しながら、相Cの成分を添加する。pHをクエン酸溶液で3.5~4.0に調整する。
Figure 2023523515000031
次いで、穏やかに振とうしながら、香油(例えば、例5に記載されているようなものであり、賦香されていないコンディショナー配合物の総質量に対して0.2~1.0質量%)および式(I)の化合物のうちの少なくとも1つ(賦香されていないコンディショナー配合物の総質量に対して0.05~0.5質量%)を表7に列挙されている賦香されていないリンスオフヘアコンディショナー配合物に添加することによって、賦香されたリンスオフヘアコンディショナー配合物が得られる。
[例9]
(本発明の式(I)の化合物を含む構造化されたシャワージェル配合物の調製)
典型的な賦香されていない構造化されたシャワージェル配合物を表8に列挙する。穏やかに振とうしながら、香油(例えば、例5に記載されているようなものであり、構造化されたシャワージェルの総質量に対して0.1~1.5質量%)および本発明の式(I)の化合物のうちの少なくとも1つ(構造化されたシャワージェルの総質量に対して0.05~0.50質量%)を表8の賦香されていない構造化されたシャワージェル配合物に添加することによって、賦香された構造化されたシャワージェルが調製される。
Figure 2023523515000032
[例10]
(本発明の式(I)の化合物を含む透明なシャワージェル配合物の調製)
典型的な賦香されていない透明なシャワージェル配合物を表9に列挙する。穏やかに振とうしながら、香油(例えば、例5に記載されているようなものであり、透明なシャワージェルの総質量に対して0.5~1.5質量%)および本発明の式(I)の化合物のうちの少なくとも1つ(透明なシャワージェルの総質量に対して0.05~0.50質量%)を表9の賦香されていない透明なシャワージェル配合物に添加することによって、賦香された透明なシャワージェルが調製される。
Figure 2023523515000033
[例11]
(本発明の式(I)の化合物を含むミルキーシャワージェル配合物の調製)
典型的な賦香されていないミルキーシャワージェル配合物を表10に列挙する。穏やかに振とうしながら、香油(例えば、例5に記載されているようなものであり、ミルキーシャワージェルの総質量に対して0.1~1.5質量%)および本発明の式(I)の化合物のうちの少なくとも1つ(ミルキーシャワージェルの総質量に対して0.05~0.50質量%)を表10の賦香されていないミルキーシャワージェル配合物に添加することによって、賦香されたミルキーシャワージェルが調製される。
Figure 2023523515000034
[例12]
(本発明の式(I)の化合物を含む無水制汗スプレー配合物の調製)
典型的な賦香されていない無水制汗スプレー配合物を表11に列挙する。高速撹拌機を使用することによって、無水制汗スプレー配合物を調製する。シリカおよびクオタニウム-18-ヘクトライトをミリスチン酸イソプロピルとシクロメチコンとの混合物に添加する。完全に膨潤したら、混合物が均質になり塊がなくなるまで、アルミニウムクロロハイドレートを撹拌しながら少しずつ添加する。
Figure 2023523515000035
次いで、香油(例えば、例5に記載されているようなものであり、制汗スプレー配合物の総質量に対して0.85質量%)および本発明の式(I)の化合物のうちの少なくとも1つ(制汗スプレー配合物の総質量に対して0.15質量%)を表11の賦香されていない制汗スプレー配合物に添加することによって、賦香された配合物が得られる。
[例13]
(本発明の式(I)の化合物を含むデオドラントスプレーエマルション配合物の調製)
表12の順序に従ってすべての成分を混合および溶解することによって、典型的なデオドラントスプレーエマルション配合物を調製する。次いで、香油(例えば、例5に記載されているようなものであり、デオドラントスプレー配合物の総質量に対して1.35質量%)および本発明の式(I)の化合物のうちの少なくとも1つ(デオドラントスプレー配合物の総質量に対して0.10~0.20質量%)を穏やかに振とうしながら添加する。次いで、エアロゾル缶に充填し、噴射剤を圧入して追加する。エアロゾル充填:40%の活性溶液60%のプロパン/ブタン(2.5bar)。
Figure 2023523515000036
[例14]
(本発明の式(I)の化合物を含むデオドラントスティック配合物の調製)
典型的な賦香されていないデオドラントスティック配合物を表13に列挙する。デオドラントスティック配合物は、部分Aのすべての成分を秤量し、70~75℃に加熱することによって得られる。他の部分Aの成分を混合および加熱したら、セテアレス-25を添加する。セテアレス-25が溶解したら、ステアリン酸を添加する。部分Bは、トリクロサンを1,2-プロピレングリコールに溶解させることによって調製される。蒸発した水が補われる。次いで、ゆっくりと、混合しながら、部分Bを部分Aに注ぐ。
Figure 2023523515000037
次いで、香油(例えば、例5に記載されているようなものであり、デオドラントスティック配合物の総質量に対して0.85質量%)および本発明の式(I)の化合物のうちの少なくとも1つ(デオドラントスティック配合物の総質量に対して0.10~0.20質量%)を穏やかに振とうしながら添加することによって、賦香されたデオドラントスティック配合物が得られる。貯蔵するために、ビニール袋をバケツに入れ、冷却してから密閉する。型を約70℃で充填した。
[例15]
(本発明の式(I)の化合物を含むデオドラントロールオン配合物の調製)
典型的な賦香されていないデオドラントロールオン配合物を表14に列挙する。部分Aは、ヒドロキシエチルセルロースが完全に膨潤して澄んだゲルが得られるまで、タービンで急速に撹拌しながら、ヒドロキシエチルセルロースを水に少しずつ振りかけることによって調製される。混合物全体が均質になるまで撹拌を続けながら、部分Bを部分Aにゆっくりと注ぐ。次いで、部分Cを添加する。
Figure 2023523515000038
次いで、香油(例えば、例5に記載されているようなものであり、デオドラントスティック配合物の総質量に対して0.85質量%)および本発明の式(I)の化合物のうちの少なくとも1つ(デオドラントスティック配合物の総質量に対して0.10~0.20質量%)を穏やかに振とうしながら添加することによって、賦香されたデオドラントロールオン配合物が得られる。
[例16]
(本発明の式(I)の化合物を含むデイクリームベースO/Wエマルションの調製)
本発明の式(I)の化合物を含む典型的なデイクリームベースO/Wエマルション配合物を表15に列挙する。相AおよびBを別々に70~75℃に加熱し、次いで、相Aを相Bに添加し、真空を適用する。混合物を撹拌し、15分にわたって55℃に冷却する。室温に冷却した後に、温度が45℃に達したら、フェノキシエタノール(および)ピロクトンオラミン(部分C)を添加する。混合物を5分にわたって撹拌し、それから、カルボマーナトリウム(部分D)、香油(例えば、例5に記載されているようなもの)および本発明の式(I)の化合物のうちの少なくとも1つ(部分E)を添加する。混合物を3分にわたって撹拌し、次いで、撹拌を15分にわたって停止した。混合物の温度が30℃に達したら、クリームが均質で光沢があり塊がなくなるまで、さらに15分にわたって撹拌を再開する。必要に応じて、pHを、Glydant(登録商標)、Phenoni(登録商標)pまたはNipaguard(登録商標)PO5で6.70~7.20に、またはNikkoguard(登録商標)で6.30~7.00に調整する。
Figure 2023523515000039
[例17]
(本発明の式(I)の化合物を含む液体洗剤配合物の調製)
典型的な液体洗剤配合物は、表16に列挙されている成分を混合することによって調製される。次いで、香油(例えば、例5に記載されているようなものであり、液体洗剤の総質量に対して0.3~0.8質量%)および本発明の式(I)の化合物のうちの少なくとも1つ(液体洗剤の総質量に対して0.05~1.0質量%)を、穏やかに振とうしながら、表16の賦香されていない液体洗剤配合物に添加する。
Figure 2023523515000040
[例18]
(本発明の式(I)の化合物を含む手洗い用食器洗浄剤配合物の調製)
典型的な賦香されていない手洗い用食器洗浄剤配合物を表17に列挙する。賦香されていない手洗い用食器洗浄剤は、水を水酸化ナトリウムおよびジエタノールアミドと混合することによって調製される。次いで、線状のアルキルベンゼンスルホン酸を添加する。中和後に、残りの成分を添加し、必要に応じてpHを7~8に調整する。
Figure 2023523515000041
次いで、香油(例えば、例5に記載されているようなものであり、手洗い用食器洗浄剤配合物の総質量に対して0.85質量%)および本発明の式(I)の化合物のうちの少なくとも1つ(手洗い用食器洗浄剤配合物の総質量に対して0.10~0.20質量%)を、穏やかに振とうしながら、表17の賦香されていない手洗い用食器洗浄剤配合物に添加することによって、賦香された手洗い用食器洗浄剤配合物が得られる。

Claims (15)

  1. その立体異性体のうちのいずれか1つまたはそれらの混合物の形態の式
    Figure 2023523515000042
    の化合物であって、式中、
    nが、1、2、3または4であり、
    点線が、単結合または二重結合を表し、
    Xが、酸素原子またはN-R基であり、ここで、Rが、水素原子、C~Cアルキル基、フェニル基またはベンジル基であり、
    が、水素原子であるか、または1~5個の酸素原子および/もしくは1個の硫黄原子および/もしくは1個、2個もしくは3個の窒素原子を含んでいてもよいC~C10炭化水素基であり、
    およびR’が、互いに独立して、水素原子、C~Cアルキル基もしくはCHRXH基であるか、またはRおよびR’が、一緒になったときにカルボニル基を形成し、
    が、水素原子、C~Cアルキル基、フェニル基またはベンジル基であり、
    が、水素原子、COOR’基、またはCOOR’基で置換されていてもよいC1~3アルキル基であり、ここで、R’がC1~3アルキル基であり、
    が、互いに独立して、水素原子またはメチル基であるか、あるいは
    RおよびRが、一緒になったときにC4~6アゾシクロアルキル基を形成するか、あるいは
    およびRが、一緒になったときにC5~6シクロアルキル基を形成するか、あるいは
    およびRが、一緒になったときに式
    Figure 2023523515000043
    の基を形成し、
    式中、太線が、Rの炭素原子に接続されており、ハッチング線が、Rの窒素原子に接続されており、
    ただし、1,3-ジベンジル-2’-ペンチルオクタヒドロスピロ[ベンゾ[d]イミダゾール-2,1’-シクロペンタン]が除外される、
    化合物。
  2. が、水素原子、メチル基またはエチル基であり、好ましくは、Rが水素原子である、請求項1記載の化合物。
  3. nが、2、3または4であり、RおよびRが水素原子である、請求項1または2記載の化合物。
  4. XがN-R基であり、Rが、水素原子、メチル基もしくはエチル基であるか、またはRおよびRが、一緒になってC4~6アゾシクロアルキル基を形成している、請求項1から3までのいずれか1項記載の化合物。
  5. nが3であり、点線が二重結合である、請求項1から4までのいずれか1項記載の化合物。
  6. がメチル基もしくはエチル基であり、かつR’がヒドロキシメチル基であるか、またはRおよびR’が、一緒になってカルボニル基を形成している、請求項1から5までのいずれか1項記載の化合物。
  7. が、水素原子であるか、または式RCH(NH)COOHのアミノ酸、特に、例えばS-アラニン、S-アルギニン、S-アスパラギン、R-システイン、S-グルタミン、グリシン、S-ヒスチジン、S-イソロイシン、S-ロイシン、S-リジン、S-メチオニン、S-フェニルアラニン、S-セリン、S-スレオニン、S-トリプトファン、S-チロシン、S-バリン、S-アスパラギン酸およびS-グルタミン酸等の天然α-アミノ酸;もしくはノルロイシン、ノルバリン、2-フェニルグリシン、オルニチン、ホモアラニン、ホモシステインおよびホモセリンの群から選択される人工α-アミノ酸に由来する残基である、請求項1から6までのいずれか1項記載の化合物。
  8. RおよびRが、一緒になってC4~5アゾシクロアルキル基を形成している、請求項1から6までのいずれか1項記載の化合物。
  9. シクロペンタノンに由来する香料成分によって付与される長持ちする香りを環境に提供するための、賦香成分としての請求項1から8までのいずれか1項に定義されている式(I)の化合物の使用。
  10. 賦香組成物または賦香された物品の香り特性を与える、強化する、改善する、または改変する方法であって、前記組成物または物品に、有効量の、請求項1から8までのいずれか1項に定義されている少なくとも1つの式(I)の化合物を添加することを含む、方法。
  11. i) 賦香成分としての、請求項1から8までのいずれか1項に定義されている少なくとも1つの式(I)の化合物と、
    ii) 香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分と、
    iii) 任意選択的に少なくとも1つの香料補助剤と
    を含む、賦香組成物。
  12. 賦香成分として、請求項1から8までのいずれか1項に定義されている少なくとも1つの式(I)の化合物、または請求項11に定義されている賦香組成物を含む、賦香された消費者製品。
  13. 前記賦香された消費者製品が、香料、布地ケア製品、ボディケア製品、空気ケア製品またはホームケア製品である、請求項12記載の賦香された消費者製品。
  14. 前記賦香された消費者製品が、ファイン香料、液体もしくは固体洗剤、布地柔軟剤、布地リフレッシャー、アイロン水、シャンプー、カラーリング調製物、ヘアスプレー、デオドラントもしくは制汗剤、賦香された石鹸、シャワーもしくはバスムース、オイルもしくはジェル、衛生品、エアフレッシュナー、「すぐに使用できる(ready-to-use)」粉末エアフレッシュナーまたは硬質表面洗剤である、請求項13記載の賦香された消費者製品。
  15. 請求項1から8までのいずれか1項記載の少なくとも1つの式(I)の化合物を賦香組成物または賦香された物品に添加し、これらを対応するターゲットの環境または表面に適用することによって、シクロペンタノンに由来する香料成分によって付与される長持ちするまたは持続性の香りを、環境に、または硬質表面、布地、皮膚もしくは毛髪などの表面に付与する、方法。
JP2022551038A 2020-04-14 2021-04-12 長持ちする香りを提供するための化合物 Pending JP2023523515A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP20169432 2020-04-14
EP20169432.0 2020-04-14
PCT/EP2021/059457 WO2021209396A1 (en) 2020-04-14 2021-04-12 Compounds for providing a long-lasting odor

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023523515A true JP2023523515A (ja) 2023-06-06

Family

ID=70289574

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022551038A Pending JP2023523515A (ja) 2020-04-14 2021-04-12 長持ちする香りを提供するための化合物

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20230091481A1 (ja)
EP (1) EP4085052B1 (ja)
JP (1) JP2023523515A (ja)
CN (1) CN115151530A (ja)
BR (1) BR112022016526A2 (ja)
IL (1) IL295686A (ja)
MX (1) MX2022010501A (ja)
WO (1) WO2021209396A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024018014A1 (en) * 2022-07-21 2024-01-25 Firmenich Sa Composite microcapsules

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1567947A (en) 1976-07-02 1980-05-21 Unilever Ltd Esters of quaternised amino-alcohols for treating fabrics
AU539624B2 (en) 1980-04-08 1984-10-11 Wiggins Teape Group Limited, The Production of microcapsules
US5236615A (en) 1991-08-28 1993-08-17 The Procter & Gamble Company Solid, particulate detergent composition with protected, dryer-activated, water sensitive material
WO1997034986A1 (en) 1996-03-22 1997-09-25 The Procter & Gamble Company Detergent compositions containing fragrance precursors and the fragrance precursors themselves
EP0799885A1 (en) 1996-04-01 1997-10-08 The Procter & Gamble Company Betaine ester compounds of active alcohols
WO2007004166A1 (en) 2005-06-30 2007-01-11 Firmenich Sa Polyurethane and polyurea microcapsules
EP2300146B1 (en) 2008-06-16 2017-03-29 Firmenich S.A. Process for preparing polyurea microcapsules
EP2579976B1 (en) 2010-06-11 2017-08-09 Firmenich SA Process for preparing polyurea microcapsules
EP2827978B1 (en) 2011-11-10 2018-05-16 Firmenich SA Stable formaldehyde-free microcapsules
MX2018009013A (es) 2016-02-02 2018-09-28 Firmenich & Cie Proceso para secado de suspension a temperatura ambiente.
JP6404266B2 (ja) * 2016-05-27 2018-10-10 山本香料株式会社 臭気変調剤及び臭気変調方法
WO2020058058A1 (en) * 2018-09-17 2020-03-26 Henkel Ag & Co. Kgaa HYDROLYTICALLY LABILE PRO-FRAGRANCES CONTAINING α,β UNSATURATED ESTERS
JP7317867B2 (ja) * 2018-10-15 2023-07-31 フイルメニツヒ ソシエテ アノニム シクロペンタノン化合物

Also Published As

Publication number Publication date
BR112022016526A2 (pt) 2022-11-22
WO2021209396A1 (en) 2021-10-21
MX2022010501A (es) 2022-09-21
CN115151530A (zh) 2022-10-04
IL295686A (en) 2022-10-01
EP4085052B1 (en) 2024-04-24
EP4085052A1 (en) 2022-11-09
US20230091481A1 (en) 2023-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6763017B2 (ja) グリーン、スズランの付香成分
JP7369708B2 (ja) 長持ちするイチゴの香りを付与するための化合物
JP2018523641A (ja) ミュゲの香りを有する化合物
EP3259339B1 (en) Poly(aspartic acid) derived copolymers for a controlled release of perfuming ingredients
JP7368530B2 (ja) ミュゲ香気を有する組成物
US9902920B2 (en) Polysiloxanes as fragrance delivery systems in fine perfumery
US20230392098A1 (en) Improved freshness imparting compositions
JP2020502083A (ja) スズランの匂い
JP6713484B2 (ja) オスマンサス匂い物質
JP2023523515A (ja) 長持ちする香りを提供するための化合物
JP2023529006A (ja) エノールエーテルプロパフューム
JP6643338B2 (ja) ローズの香りを有する脂肪族ニトリル
JP2023506675A (ja) 長持ちするフローラルおよびフルーティーな香りを付与するための化合物
ES2968216T3 (es) Odorizante verde
JP2021511395A (ja) リリー・オブ・ザ・バレーの匂い物質
WO2023067063A1 (en) Improved perfume compositions comprising sulfur-containing pro-fragrance compounds
JP2024512956A (ja) 香気物質
JP2020515661A (ja) ベチバーの匂い物質
WO2018050655A1 (en) Perfuming composition

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240401