JP2023516264A - リチウム及び少なくとも別の金属を含む材料からのリチウムの抽出プロセス - Google Patents

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Abstract

本発明は、リチウム及び少なくとも別の金属を含む材料からのリチウムの抽出の分野にある。特に、本発明は、少なくとも、リチウム及び少なくとも別の金属を含む材料からリチウムを抽出する方法に関する。

Description

本発明は、リチウム及び少なくとも別の金属を含む材料からのリチウムの抽出の分野にある。特に、本発明は、リチウム及び少なくとも別の金属を含む材料から少なくともリチウムを抽出する方法に関する。
リチウム及びその化合物は、耐熱性ガラス及びセラミック、リチウムグリース潤滑剤、鉄、鋼及びアルミニウム製造用のフラックス添加剤、リチウム電池及びリチウムイオン電池など、いくつかの工業用途があり、特に最後の2つの用途の自動車産業向けである。これらの使用は、リチウム製造の4分の3以上を消費する。
リチウムイオン電池は、そのエネルギーポテンシャル、製造プロセス、及び低コストのために、現在重要な開発が行われている。これらの電池は、電子機器に用いられるが、ほとんどの場合、電気自動車に用いられる電池である。
特に、電気自動車は、2040年の全車両販売台数の35%~50%を占める可能性があり、その結果、リチウム消費量の変化は、電気自動車の普及と同じ傾向に従う。したがって、ADEME及びIFPenによる最近の研究によれば、2050年までのリチウムの総需要量は年間約1400万トンと推定される。
リチウム塩は、鉱泉、ブラインプール、及びブライン堆積物中の水から抽出することができる。現在、ブライン掘削はおそらく最も広く使用されているリチウム抽出技術である。しかし、リチウムブライン製造に伴う少なくとも2つの問題、すなわち信頼性の問題及び地理学的問題が出現している。実際、天候がリチウムブライン作業の生産に与える影響は明らかで、世界的なリチウム需要が増加しているため、より信頼性が高く一貫した生産方法が必要とされる。しかし、リチウムブライン作業は、経済的処理を確実に行うために十分な天候を維持することができる、選択された気候及び地域に限定される。
硬岩リチウム堆積物は、地球全体により均一に地理的に分布しており、変化する気候に生産があまり依存しないので、需要を満たすことができる。
リチウムは多種多様な鉱物及び鉱石中に存在するが、十分に入手可能であり、商業的に実用可能なリチウム源として魅力な、十分な量のリチウムを含有する鉱石は比較的少ない。これらの商業的に実用可能なリチウム源の中で、リシア輝石は最も関心の高い鉱物であり、リシア輝石の鉱石からリチウム値を回収するための様々なプロセスが提案されている。工業的に実施されているのは、焼結法と硫酸法の2つの方法のみのようであり、硫酸法は、その高効率のためにリシア輝石から炭酸リチウムを製造するための主要な方法となっている。しかし、このプロセスには、生成物中の高レベルの硫酸イオン及び重金属イオン、硫酸ナトリウムを回収するための精巧なプロセスなどの固有の欠点がある。
他の方法としては、オートクレーブに基づく工程に加えて、二酸化炭素による浸出工程が挙げられる。追加の工程の及びガス状COの管理の必要性があるため、経済的及び環境的に高価なプロセスとなっている。
それに加えて、「都市鉱山」とも呼ばれる電気電子機器の廃棄物(wastes of electrical and electronic equipment:WEEE)の評価は、注目を集めるテーマとなっており、重要な潜在的リチウム源となる。
実際、リチウムに対する需要の増大という状況において、リサイクルされる材料を管理するという方針は、原材料へのアクセスを持たない(又はそれらを直接利用しない)国に、その成長に必要な資源を提供することができる。
更に、欧州連合は、WEEEのリサイクル、エコデザイン、及び循環経済のためのその行動計画に採用された多くの指令によって証明されるように、この問題を考慮に入れ始めている。電池の具体的な事例では、このリサイクルは、電池及び蓄電池並びに廃電池及び蓄電池に関する2006年9月6日の欧州議会及び理事会の指令2006/66/ECによって規制されており、この指令は、第13条において「会員国は、新しいリサイクル及び処理技術の開発を奨励し、あらゆる種類の電池及び蓄電池のための環境に優しく費用効果の高いリサイクル方法の研究を促進する」と規定している。
リチウムイオン電池のリサイクルプロセスはいくつか存在し、そのほとんどは湿式製錬又は乾式製錬に基づいている。湿式製錬プロセスは強酸浴を使用し、非常に溶媒集約的であり、高い経済的及び環境的コストを生じる。更に、浸出のために強酸を使用すると、全ての活性電極成分(すなわち、リチウム、及びCo、Ni、Mnなどの他の金属)が非選択的に溶解する。これは、いくつかの追加の抽出及び/又は沈殿工程の必要性を意味する。
湿式製錬は、化合物を抽出するために化合物の高い加熱(700~1000℃又はそれ以上)を必要とし、これは多くのエネルギーを必要とし、やはり高い経済的及び環境的コストを伴う。
いくつかのプロセスは、Liイオン電池の正極リサイクルのために濃い共融溶媒を使用する。しかし、やはり、これらのプロセスは、正極材料中に存在する元素、例えばLiに加えてCo、Ni、及び/又はMnの完全な溶解を伴う。したがって、Liを他の金属から単離するために選択的析出処理を行う必要がある。
他の方法としては、過酸化水素及び二酸化炭素などの酸化剤の存在下での水中での加熱、又は揮発性有機溶媒及び酸の使用が挙げられる。しかし、追加の工程の必要性、ガス状CO又は有機溶媒の管理、及び酸化剤又は酸の取り扱い及びその後の処理は、これらのプロセスを経済的及び環境的観点から高価にする。
したがって、本発明の目的は、有害な化学物質及び/又は廃棄物後処理を必要とする化学物質の使用を必要とせず、経済的に実行可能なプロセス、特にエネルギーをほとんど使用せず、環境に優しいプロセスを提供することである。
本発明の更なる目的は、他の金属を含有するリチウム源の抽出の場合、リチウムがこれらの他の金属から容易に分離される方法を提供することである。
したがって、一態様では、本発明は、リチウム及び少なくとも別の金属を含む材料から少なくともリチウムを抽出するプロセスに関し、当該プロセスは、
a)前記材料をポリオール溶媒及び炭酸塩と接触させて反応混合物を得る工程、
b)工程a)で得られた反応混合物をソルボサーマル処理して、ソルボサーマル処理された組成物SP1を得る工程、
c)工程b)で得られた組成物SP1を形成している、炭酸リチウムを含む液体L1と固体S1とを分離する工程、
d)オプションで、液体L1から固体炭酸リチウムを単離する工程、
を含む。
本発明はまた、リチウム及び少なくとも別の金属を含む材料から少なくともリチウムを抽出するプロセスに関し、当該プロセスは、
a)前記材料をポリオール溶媒及び炭酸塩と接触させて反応混合物を得る工程、
b)工程a)で得られた反応混合物をソルボサーマル処理して、ソルボサーマル処理された組成物SP1を得る工程、
c)工程b)で得られた組成物SP1を形成している、炭酸リチウムを含む液体L1と固体S1とを分離する工程、
d)オプションで、液体L1から固体炭酸リチウムを単離する工程、
e)固体S1を水と接触させて組成物SP2を得る工程、
f)工程e)で得られた組成物SP2を形成している、炭酸リチウムを含む液体L2と固体S2とを分離する工程、
g)オプションで、液体L2から固体炭酸リチウムを単離する工程、
を含む。
特定の実施形態では、固体S2は、少なくとも別の金属を含む。
特定の実施形態では、少なくとも別の金属は、遷移金属及びポスト遷移金属から選択され、特にCo、Ni、Mn、Fe、Ti及びAlから選択され、特にCo、Ni、Mn及びAlから選択される。
特定の実施形態では、材料は、特に、以下から選択されるリチウムイオン電池正極材料を含むか、又はリチウムイオン電池正極材料である:
-リチウム及びコバルト含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiCoO
-リチウム及びマンガン含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiMn
-リチウム、ニッケル、マンガン及びコバルト含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiNi0.33Mn0.33Co0.33
-リチウム、ニッケル、コバルト及びアルミニウム含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiNi0.8Co0.15Al0.05
-リチウム及びチタン含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiTi12
-リチウム及び鉄含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiFe(PO
-上に列挙した材料のうちの少なくとも2つの混合物。
特定の実施形態では、材料は、特に、以下から選択されるリチウムイオン電池正極材料を含むか、又はリチウムイオン電池正極材料である:
-リチウム及びコバルト含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiCoO
-リチウム及びマンガン含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiMn
-リチウム、ニッケル、マンガン及びコバルト含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiNi0.33Mn0.33Co0.33
-リチウム、ニッケル、コバルト及びアルミニウム含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiNi0.8Co0.15Al0.05、及び、
-上に列挙した材料のうちの少なくとも2つの混合物。
より特定の実施形態では、リチウムイオン電池正極材料は、上記の材料のうちの2つ、3つ、4つ又はそれ以上の混合物である。例えば、LiCoO、LiMn、LiNi0.33Mn0.33Co0.33及びLiNi0.8Co0.15Al0.05からなる混合物であってもよく、又はそれらを含有する混合物であってもよい。
特定の実施形態では、材料は、上記のリチウムイオン電池正極材料を含む材料である。
特定の実施形態では、材料は、上記のリチウムイオン電池正極材料である。
材料はまた、リチウムイオン電池正極であってもよい。
リチウムイオン電池正極材料は、例えば、使用済み正極、製造スクラップ又は不適合材料である。リチウムイオン電池正極材料は、特に、粉砕された使用済み正極、使用済み正極のリチウム含有組成物、又は使用済みリチウムイオン電池正極に見られるリチウム組成物でコーティングされたアルミニウム箔であってもよい。
材料はまた、リチウムイオン電池であってもよい。特に、リチウムイオン電池負極は、本発明のプロセスを妨害しない。
リチウムイオン電池は、例えば、使用済み電池、製造スクラップ又は不適合材料である。リチウムイオン電池は、特に、粉砕された使用済み電池、又は使用済み電池のリチウム含有組成物であってもよい。
特定の実施形態では、材料は、リチウム鉱石、特にリシア輝石(より具体的にはLiAlSi)、葉長石(より具体的にはLiAlSi10)、リチア雲母(より具体的には、K(Li,Al)(Si,Al)10(F,OH))、ユークリプタイト(より具体的にはLiAlSiO)、アンブリゴナイト(より具体的には(Li,Na)AlPO(F,OH))、又はそれらの混合物である。
リチウム鉱石材料がリシア輝石である場合、当該リシア輝石は、好ましくは工程a)の前に焼成される。この焼成は当業者に公知であり、α-リシア輝石をβ-リシア輝石に変換することを可能にする。
特定の実施形態では、材料は粉末形態である。より具体的には、材料は、1~1000μm、特に1~100μmの範囲のサイズを有する複数の粒子を含む組成物の形態である。
材料がリチウムイオン電池正極材料である場合、当該材料は通常、リチウムイオン電池正極内で既に粉末形態である。
材料がリチウム鉱石である場合、工程a)の前に上記の通り粉末形態に粉末化されてもよい。
特定の実施形態では、ポリオール溶媒は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレンジオール、ポリエチレングリコール200~600などの液体ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、特に1,3-ブチレングリコール及び1,4-ブチレングリコール、ヘキシレングリコール及びグリセロールを含む群から選択される。
特定の実施形態では、ポリオール溶媒は無水である。無水とは、特に、ポリオール溶媒が、水の重量に対して5%以下、特に4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下又は0.1%以下、より具体的には水の重量に対して1%又は1%未満を含有することを意味する。
特定の実施形態では、炭酸塩は、少なくとも1種の金属炭酸塩、特に少なくとも1種のアルカリ金属炭酸塩、より具体的には炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又はそれらの混合物である。
より特定の実施形態では、炭酸塩は、炭酸ナトリウム及び/又は炭酸カリウム、更により具体的には、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムである。
特定の実施形態では、ポリオール溶媒中の前記材料の質量濃度は、1~100g/L、特に5~50g/L、より具体的には10~20g/Lの範囲、例えば約16g/Lである。
特定の実施形態では、前記炭酸塩に対する前記材料の重量比は、0.1~10、特に0.2~5の範囲である。特定の実施形態では、当該プロセスは、酸、特に強酸、例えば塩酸、硝酸又は硫酸の不存在下で、二酸化炭素の不存在下で、酸化剤、特に過酸化水素、オゾン、過硫酸塩の不存在下で、並びに揮発性有機溶媒、例えばアセトン、アセトニトリル、ベンゼン、1-ブタノール、酢酸、クロロホルム、t-ブタノール、シクロヘキサン、四塩化炭素、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、エタノール、ジエチルエーテル、酢酸イソプロピル、ヘプタン、ジクロロエタン、2-プロパノール、イソオクタン、ジイソプロピルエーテル、1-プロパノール、メチルシクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、2-メチルTHF、ジオキサン、メチルt-ブチルエーテル、酢酸ジメチル、メタノール、トルエン、ジメトキシエタン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、キシレン、N-メチルピロリジノン、ペンタン、及びピリジンの不存在下で実施される。
接触工程a)は、当業者に公知の任意の技術に従って、特に機械的、磁気的若しくは手動の撹拌及び/又は超音波処理によって行うことができる。
特定の実施形態では、ポリオール溶媒は、本発明による前の抽出の工程a)の液体L1に相当する。この実施形態は、本発明の枠組みで使用されるポリオール溶媒のリサイクルに対応する。このリサイクルは、2回、3回、4回以上行うことができる。この場合、ポリオール溶媒は、特に、ポリオール溶媒を用いた本発明によるn回目の抽出の工程a)の液体L1に相当し、このポリオール溶媒は、特に、ポリオール溶媒を用いた(n-1)回目の抽出から得られ、(n-1)回目で使用されるポリオール溶媒は、例えば、(n-2)回目の抽出の工程a)の液体L1などである。
工程b)のソルボサーマル処理は、当業者に公知の任意の技術に従って、特にオートクレーブ、より具体的にはステンレス鋼オートクレーブを使用することによって行うことができる。
当該オートクレーブの構成は、バッチ、半バッチ又は連続構成であってもよい。そのような構成は当業者に公知である。
特定の実施形態では、工程b)のソルボサーマル処理は、ポリオール溶媒の沸点を超え且つ500℃未満の温度で行われる。
特定の実施形態では、工程b)のソルボサーマル処理は、200~500℃、特に220~500℃、より具体的には220~400℃、例えば約225℃の温度で行われる。
特定の実施形態では、工程b)のソルボサーマル処理は、大気圧を超える圧力、例えば1.013バールを超える圧力、及び5000バール以下の圧力、特に10~500バールの範囲の圧力、より具体的には約125バールで行われる。
特定の実施形態では、工程b)のソルボサーマル処理は、特に前記オートクレーブがバッチ構成である場合、1時間~1週間、特に2時間~5日間、より具体的には4~80時間行われる。
特定の実施形態では、工程b)のソルボサーマル処理は、特に前記オートクレーブが連続構成にある場合に、0.25時間~24時間、特に0.5時間~10時間行われる。
分離工程c)は、当業者に公知の任意の技術に従って、特に遠心分離、濾過及び/又はデカンテーションによって、より具体的には遠心分離によって行うことができる。
工程d)は、当業者に公知の任意の技術に従って、特にポリオール溶媒の蒸発によって、より具体的には減圧下で行うことができる。
有利な実施形態では、工程c)で得られた固体S1は、工程e)の前に、炭酸リチウムが溶解しない溶媒で洗浄される。この溶媒は、特に、アルコール溶媒、例えばエタノール又はプロパノール、及びケトン溶媒、例えばアセトンから選択される。例えば、この洗浄は、超音波下で固体S1をエタノールと接触させることによって行うことができ、次いで、洗浄された固体S1は、特に遠心分離によって液体から分離される。
接触工程e)は、当業者に公知の任意の技術に従って、特に機械的、磁気的若しくは手動の撹拌及び/又は超音波処理によって行うことができる。
分離工程f)は、当業者に公知の任意の技術に従って、特に遠心分離、濾過及び/又はデカンテーションによって、より具体的には遠心分離によって行うことができる。
特定の実施形態では、少なくとも別の金属が、少なくとも磁性金属であるか、又は少なくとも磁性金属及び少なくとも非磁性金属である場合、分離工程f)は、組成物SP1から少なくとも磁性金属を単離するための磁性分離サブ工程f1)を含み、続いて上記記載の分離工程f)に相当する分離サブ工程f2)を含み、液体L2及び特に少なくとも非磁性金属を含む固体S2を得ることができる。
工程g)は、当業者に公知の任意の技術に従って、特に水の蒸発によって、より具体的には減圧下で行うことができる。
固体S2は、当業者に公知の任意の技術に従って更に乾燥及び/又は焼成することができる。
より特定の実施形態では、本発明は、リチウム及びコバルト含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiCoOからなる又はそれを含む材料からリチウム及びコバルトを抽出するプロセスに関し、当該プロセスは、
a)前記材料をポリオール溶媒及び炭酸塩と接触させて反応混合物を得る工程、
b)工程a)で得られた反応混合物をソルボサーマル処理して、ソルボサーマル処理された組成物SP1を得る工程、
c)工程b)で得られた組成物SP1を形成している、炭酸リチウムを含む液体L1と固体S1とを分離する工程、
d)オプションで、液体L1から固体炭酸リチウムを単離する工程、
e)固体S1を水と接触させて組成物SP2を得る工程、
f)工程e)で得られた組成物SP2を形成している、炭酸リチウムを含む液体L2とコバルトを含有する固体S2とを分離する工程、
g)オプションで、液体L2から固体炭酸リチウムを単離する工程、
を含む。
より特定の実施形態では、本発明は、リチウム、ニッケル、マンガン及びコバルト含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiNi0.33Mn0.33Co0.33からなる又はそれを含む材料からリチウム及びコバルトを抽出するプロセスに関し、当該プロセスは、
a)前記材料をポリオール溶媒及び炭酸塩と接触させて反応混合物を得る工程、
b)工程a)で得られた反応混合物をソルボサーマル処理して、ソルボサーマル処理された組成物SP1を得る工程、
c)工程b)で得られた組成物SP1を形成している、炭酸リチウムを含む液体L1と固体S1とを分離する工程、
d)オプションで、液体L1から固体炭酸リチウムを単離する工程、
e)固体S1を水と接触させて組成物SP2を得る工程、
f1)組成物SP2を磁気分離して、コバルト及びニッケルを含有する固体を組成物から単離する工程、
f2)工程f1)の終わりに得られた組成物を形成している、炭酸リチウムを含有する液体L2と特にMnCO形態のマンガンを含有する固体S2とを分離する工程、
g)オプションで、液体L2から固体炭酸リチウムを単離する工程、
を含む。
より特定の実施形態では、本発明は、リチウム及びマンガン含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiMnの抽出プロセスに関し、当該プロセスは、
a)前記材料をポリオール溶媒及び炭酸塩と接触させて反応混合物を得る工程、
b)工程a)で得られた反応混合物をソルボサーマル処理して、ソルボサーマル処理された組成物SP1を得る工程、
c)工程b)で得られた組成物SP1を形成している、炭酸リチウムを含む液体L1と固体S1とを分離する工程、
d)オプションで、液体L1から固体炭酸リチウムを単離する工程、
e)固体S1を水と接触させて組成物SP2を得る工程、
f)工程e)で得られた組成物SP2を形成している、炭酸リチウムを含有する液体L2と特にMnCO及び/又はMn形態のマンガンを含有する固体S2とを分離する工程、
g)オプションで、液体L2から固体炭酸リチウムを単離する工程、
h)オプションで、固体S2を焼成して、特にMn形態のマンガンを含有する固体S3を得る工程、
を含む。
より特定の実施形態では、本発明は、リチウム、ニッケル、コバルト及びアルミニウム含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiNi0.8Co0.15Al0.05の抽出プロセスに関し、当該プロセスは、
a)前記材料をポリオール溶媒及び炭酸塩と接触させて反応混合物を得る工程、
b)工程a)で得られた反応混合物をソルボサーマル処理して、ソルボサーマル処理された組成物SP1を得る工程、
c)工程b)で得られた組成物SP1を形成している、炭酸リチウムを含む液体L1と固体S1とを分離する工程、
d)オプションで、液体L1から固体炭酸リチウムを単離する工程、
e)固体S1を水と接触させて組成物SP2を得る工程、
f1)組成物SP2を磁気分離して、コバルト及びニッケルを含有する固体を組成物から単離する工程、
f2)工程f1)の終わりに得られた組成物を形成している、炭酸リチウムを含有する液体L2と特にCoAlO及び/又はCoAlO形態のアルミニウムを含有する固体S2とを分離する工程、
g)オプションで、液体L2から固体炭酸リチウムを単離する工程、
を含む。
別の態様では、本発明は、リチウムイオン電池正極又はリチウムイオン電池からリチウムイオン電池正極材料を回収する工程の後に、上記の工程を含むリチウムイオン電池正極リサイクルのプロセスに関し、オプションで、当該工程の後に、新しいプロセス又はデバイスにおいて上記の金属のうちの少なくとも1つを使用する工程が存在する。
別の態様では、本発明は、
-リチウムイオン電池正極材料及びリチウム鉱石から選択される材料、
-炭酸塩、及び、
-ポリオール溶媒、
を含む組成物に関する。
特に、組成物は、ソルボサーマル処理用組成物である。
プロセスに関連して上述した全ての実施形態がこの実施形態においても適用されることに留意されたい。
特定の実施形態では、材料は、リチウム鉱石、又は、以下から選択されるリチウムイオン電池正極材料である:
-リチウム及びコバルト含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiCoO
-リチウム及びマンガン含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiMn
-リチウム、ニッケル、マンガン及びコバルト含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiNi0.33Mn0.33Co0.33
-リチウム、ニッケル、コバルト及びアルミニウム含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiNi0.8Co0.15Al0.05
-リチウム及びチタン含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiTi12
-オプションで、LiFe(PO、及び、
-上に列挙した材料のうちの少なくとも2つの混合物。
特定の実施形態では、材料は、リチウム鉱石、又は、以下から選択されるリチウムイオン電池正極材料である:
-リチウム及びコバルト含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiCoO
-リチウム及びマンガン含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiMn
-リチウム、ニッケル、マンガン及びコバルト含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiNi0.33Mn0.33Co0.33
-リチウム、ニッケル、コバルト及びアルミニウム含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiNi0.8Co0.15Al0.05、及び、
-上に列挙した材料のうちの少なくとも2つの混合物。
別の態様では、本発明は、上記で記載された方法によって得られる組成物SP1に関し、材料は、特にリチウムイオン電池正極材料及びリチウム鉱石から選択される。
特定の実施形態では、材料は、リチウム鉱石、又は、以下から選択されるリチウムイオン電池正極材料である:
-リチウム及びコバルト含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiCoO
-リチウム及びマンガン含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiMn
-リチウム、ニッケル、マンガン及びコバルト含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiNi0.33Mn0.33Co0.33
-リチウム、ニッケル、コバルト及びアルミニウム含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiNi0.8Co0.15Al0.05
-リチウム及びチタン含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiTi12
-オプションで、LiFe(PO、及び、
-上に列挙した材料のうちの少なくとも2つの混合物。
特定の実施形態では、材料は、リチウム鉱石、又は、以下から選択されるリチウムイオン電池正極材料である:
-リチウム及びコバルト含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiCoO
-リチウム及びマンガン含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiMn
-リチウム、ニッケル、マンガン及びコバルト含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiNi0.33Mn0.33Co0.33
-リチウム、ニッケル、コバルト及びアルミニウム含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiNi0.8Co0.15Al0.05、及び、
-上に列挙した材料のうちの少なくとも2つの混合物。
別の態様では、本発明は、ポリオール溶媒(特にエチレングリコール)及び固体組成物を含む組成物に関し、当該ポリオール溶媒は、リチウムを含み、当該固体組成物は、炭酸リチウム及びコバルト(特にコバルトα及び/又はコバルトβ)を含む。
別の態様では、本発明は、ポリオール溶媒(特にエチレングリコール)及び固体組成物を含む組成物に関し、当該ポリオール溶媒は、リチウムを含み、当該固体組成物は、炭酸リチウム、ニッケル及びコバルト(特にNi-Co合金の形態)、及び炭酸マンガンを含む。
別の態様では、本発明は、ポリオール溶媒(特にエチレングリコール)及び固体組成物を含む組成物に関し、当該ポリオール溶媒は、リチウムを含み、当該固体組成物は、炭酸リチウム、炭酸マンガン及び酸化マンガン(特にMn)を含む。プロセスに関連して上述した全ての実施形態がこの実施形態においても適用されることに留意されたい。
定義
bに含まれる以下の用語及び表現は、以下のように定義される。
本明細書で使用される場合、「x-y」又は「x~y」又は「x~y」の形式の値の範囲は、整数x、y、及びそれらの間の整数を含む。例えば、「1~6」という記載又は「1~6(1 to 6)」又は「1~6(1 through 6)」は、整数1、2、3、4、5、及び6を含むことが意図されている。好ましい実施形態は、範囲内の個々の各整数、並びに整数の任意の部分的組み合わせを含む。例えば、「1~6」の好ましい整数は、1、2、3、4、5、6、1~2、1~3、1~4、1~5、2~3、2~4、2~5、2~6などを含むことができる。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、特に特定の値の±10%以内の値の範囲を指す。例えば、「約100」という用語は、100±10%の値、すなわち90~110の値を含む。
「ソルボサーマル処理」とは、特に、溶媒の存在下、この溶媒の沸点より高い温度で、前駆体間で分解又は化学反応を誘発する、閉じられた反応容器内のプロセスを意味する。圧力は自動的又は印加されたものであってもよく、特に自動的なものである。
「溶媒に不溶性の化合物」とは、特に25℃の温度での当該溶媒への溶解度が1g/L以下、より具体的には0.1g/L以下である化合物を意味する。
実施例
実施例1:リチウムイオン電池正極材料からの本発明によるリチウム及び他の金属の抽出
リチウムイオン電池正極材料からの本発明によるリチウム及び他の金属の抽出は、例えば以下のように行われる。
工程1:
この工程は、エチレングリコール又はジエチレングリコール並びに炭酸ナトリウム及び/又は炭酸カリウムの存在下、ソルボサーマル容器、例えば鋼又はチタン容器中で実施される。溶媒に炭酸塩を溶解した後、リチウムイオン電池正極材料(粉末形態)を添加する。試験した材料は、LiCoO、LiMn、LiNi0.33Mn0.33Co0.33及びLiFe(PO、並びにLiNi0.8Co0.15Al0.05であった。次いで、容器を閉じ、加熱チャンバに導入する。異なる電池材料の処理条件の例を表1に要約する。容器内の圧力は125バールであり、選択された容器によって達成可能であれば、125バールより高くすることができる。
Figure 2023516264000001
この段階の終わりに、容器は、室温に冷却した後、液体中に懸濁した粉末を含む。液体L1と粉末S1を遠心分離により分離する。
次いで、回収された粉末S1を以下の工程に供する。
工程2:
工程1で回収された粉末S1をエタノールで洗浄してもよく、粉末を超音波下で数分間エタノールと接触させ、次いで遠心分離によって液体から分離する。この洗浄の目的は、残留炭酸ナトリウム及びエチレングリコールを除去することである。
工程3:
次いで、工程1又は2で得られた粉末を水で洗浄して、水系液体L2に懸濁した固体S2を得る。
固体S2を回収し、次いで90℃で最大2時間乾燥させる。
LiNi0.33Mn0.33Co0.33の場合、洗浄後に磁気分離が続くので、工程3はわずかに変更され(工程3´)、水に分散された粉末を磁石の近くに配置し、粉末の磁性分画と非磁性分画とを分離する。実際には、処理中に形成された相のうちの1つ(ニッケルコバルト合金)のみが磁性を有し、したがって磁石によって引き付けられる。
次いで、上澄み液L2を次工程の処理に供する。
工程4:
液体L2を空気下、90℃で3~5時間乾燥させる。
工程3及び4の後に得られた粉末は、場合によっては最後の工程に供することができる。
工程5:
500又は800℃で2時間の空気下での焼成。
複数の材料に関し、固体S2及び液体L2の組成を以下の表2に示す。
Figure 2023516264000002
複数の材料の抽出収率を以下の表3に示す。
Figure 2023516264000003
ポリオール溶媒及び水溶液を再利用することにより(すなわち、以前のプロセスのL1及び/又はL2液体を使用することによって)、粉末形態で回収された金属(Co、Ni、Mn)の抽出収率を向上させることができることが見出された。
実施例2:リチウム鉱石からのリチウムの抽出
実施例1で述べたものと類似のプロセスが、リシア輝石などのリチウム鉱石に対して首尾よく実施されることが示されている。
例えば、1.0gのβLiAlSiが、225℃で12時間、30mlのEG中0.85gのNaCOで首尾よく処理された。
EG溶媒は、上記のように再利用することができる。
実施例3:ポリオール溶媒の再利用によるリチウム及び他の金属の抽出
エチレングリコール溶媒(EG)は、少なくとも4回、濾過することなく再利用することができる。再利用されたEGは、その還元特性を保持する。
LiMn 電極粉末について
同じ溶媒を使用して同じ処理条件で以下に記載される2回の実施を行った。
0.5gのLiMnが、225℃で5時間、30mlのEG中0.2gのKCOで処理された。
得られたSP1組成物を誘導結合プラズマ(ICP)によって分析した。結果を以下の表4に示す。
Figure 2023516264000004
Mnの収率は、一般に、例えば遠心分離速度を増加させることによって増加させることができる。溶媒の2回目の使用から、S1粉末中の回収されたLi及び/又はMnの収率は、100%に近いか又はそれを超えることができる、なぜなら、残留材料(Mn酸化物粒子)又は溶解した材料(炭酸Li)が最初の実施に由来するEG中に回収されているからである。
LiMn 電極粉末(2倍量)について
同じ溶媒を使用して同じ処理条件で以下に記載される3回の実施を行った。
1.0gのLiMnが、225℃で8時間、30mlのEG中0.2gのKCOで処理された。
得られたSP1組成物を誘導結合プラズマ(ICP)によって分析した。結果を以下の表5に示す。
Figure 2023516264000005
Mnの収率は、一般に、例えば遠心分離速度を増加させることによって増加させることができる。溶媒の2回目の使用から、S1粉末中の回収されたLi及び/又はMnの収率は、100%に近いか又はそれを超えることができる、なぜなら、残留材料(Mn酸化物粒子)又は溶解した材料(炭酸Li)が最初の実施に由来するEG中に回収されているからである。
実施例4:電極粉末の混合物からのリチウム及び他の金属の抽出(LiCoO、LiMn、LiNi0.33Mn0.33Co0.33、LiNi0.8Co0.15Al0.05
同じ溶媒を使用して同じ処理条件で以下に記載される4回の実施を行った。
0.25gのLiCoO 、0.25gのNMC、0.25gのNCA及び0.25gのLiMn を含む1.0gの混合物を、225℃で45時間、60mlのEG中1.52gのKCOで処理した。
得られたSP1組成物を誘導結合プラズマ(ICP)によって分析した。結果を以下の表6に示す。
Figure 2023516264000006
3つの粉末は以下の通りである:
-S2から得られ、磁石によって引き付けられる、Ni-Co合金を本質的に含有する粉末、
-S2から得られ、本質的にMnCOを含有する遊離粉末、
-L2から得られ、純LiCOを含有する、水上澄みの乾燥後に得られた粉末。
実施例4は、電極粉末を混合しても、所望の元素の分離が依然として達成されることを示す。
したがって、本発明の方法は、分別段階を経ることなく電池粉末の混合物をリサイクルすることを可能にする。
更に、同じ溶媒を数回再使用することによって、回収された化合物の純度が保存される。
実施例5:電池全体について
MI電池を解体した後、電極(負極と正極の混合物)からの粉末を回収した。
回収した粉末を以下に示す3つの異なるメッシュふるいを用いてふるい分けした:
-以下「MI T630」と称する粉末を得るための630μm、
-以下「MI T200」と称する粉末を得るための200μm、
-以下「MI T40」と称する粉末を得るための40μm。
MI T200粉末を誘導結合プラズマ(ICP)によって分析した。結果を以下の表7に示す。
Figure 2023516264000007
1.0gのMI T200粉末を、225℃で8時間、0.5gのKCOを含む30mlのEGで処理した。
得られたSP1組成物を誘導結合プラズマ(ICP)によって分析した。結果を以下の表7に示す。
Figure 2023516264000008
炭酸リチウムは、ふるい分けによってAlから分離することができる。
炭酸リチウムを水に再溶解し、濾過し、溶液を乾燥させてアルミニウムから分離することもできる。この工程は、遠心分離に取って代わることができる。
磁石によって(S2固体から)引き付けられる粉末は、CoO、α-及びβ-Coを本質的に含有する。
1.0gのMI T40粉末を、225℃で16時間、30mlのEG(既に一度使用)中の0.5gのKCOで処理した。
得られたSP1及び次いでS2固体から、磁石によって引き付けられた粉末はα-及びβ-Coを本質的に含有し、遊離画分をふるい分けしてグラファイトのみを回収することができた。
炭酸リチウムは、ふるい分けによってAlから分離することができる。
炭酸リチウムを水に再溶解し、濾過し、溶液を乾燥させてアルミニウムから分離することもできる。この工程は、遠心分離に取って代わることができる。
グラファイトの大部分は、200ミクロンふるい、大部分は630ミクロンふるいに残っており、いずれの場合もリサイクルプロセスの影響を受けない。

Claims (16)

  1. リチウム及び少なくとも別の金属を含む材料から、少なくともリチウムを抽出するプロセスであって、
    a)前記材料をポリオール溶媒及び炭酸塩と接触させて反応混合物を得る工程と、
    b)工程a)で得られた前記反応混合物をソルボサーマル処理して、ソルボサーマル処理された組成物SP1を得る工程と、
    c)工程b)で得られた前記組成物SP1を形成している、炭酸リチウムを含む前記液体L1と固体S1とを分離する工程と、
    d)オプションで、前記液体L1から固体炭酸リチウムを単離する工程と、
    を含むプロセス。
  2. a)前記材料をポリオール溶媒及び炭酸塩と接触させて反応混合物を得る工程と、
    b)工程a)で得られた前記反応混合物をソルボサーマル処理して、ソルボサーマル処理された組成物SP1を得る工程と、
    c)工程b)で得られた前記組成物SP1を形成している、炭酸リチウムを含む前記液体L1と固体S1とを分離する工程と、
    d)オプションで、前記液体L1から固体炭酸リチウムを単離する工程と、
    e)前記固体S1を水と接触させて組成物SP2を得る工程と、
    f)工程e)で得られた前記組成物SP2を形成している、炭酸リチウムを含む前記液体L2と前記固体S2とを分離する工程と、
    g)オプションで、前記液体L2から固体炭酸リチウムを単離する工程と、
    を含む請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記少なくとも別の金属が、遷移金属及びポスト遷移金属から選択され、特にCo、Ni、Mn、Fe、Ti及びAlから選択され、特にCo、Ni、Mn及びAlから選択される、請求項1から2のいずれか1項に記載のプロセス。
  4. 前記材料が、リチウムイオン電池正極材料であり、特に、
    -リチウム及びコバルト含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiCoO
    -リチウム及びマンガン含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiMn
    -リチウム、ニッケル、マンガン及びコバルト含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiNi0.33Mn0.33Co0.33
    -リチウム、ニッケル、コバルト及びアルミニウム含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiNi0.8Co0.15Al0.05
    -リチウム及びチタン含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiTi12
    -リチウム及び鉄含有リチウムイオン電池正極材料、特にLiFe(PO
    から選択される、請求項1から3のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. 前記材料が、リチウム鉱石、特にリシア輝石、葉長石、リチア雲母、ユークリプタイト、アンブリゴナイト、又はそれらの混合物である、請求項1から4のいずれか1項に記載のプロセス。
  6. 前記ポリオール溶媒が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレンジオール、ポリエチレングリコール200~600などの液体ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、特に1,3-ブチレングリコール及び1,4-ブチレングリコール、ヘキシレングリコール並びにグリセロールを含む群から選択される、請求項1から5のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. 前記炭酸塩が、少なくとも1種の金属炭酸塩、特に少なくとも1種のアルカリ金属炭酸塩、より具体的には炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又はそれらの混合物である、請求項1から6のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. 前記ポリオール溶媒が、請求項1に記載の前の抽出の工程a)の液体L1に相当する、請求項1から7のいずれか1項に記載のプロセス。
  9. 工程b)の前記ソルボサーマル処理が、前記ポリオール溶媒の沸点を超え且つ500℃未満の温度、特に200~500℃、特に220~500℃、より具体的には220~400℃の温度、例えば約225℃で行われる、請求項1から8のいずれか1項に記載のプロセス。
  10. 工程b)の前記ソルボサーマル処理が、大気圧より高い圧力、例えば1.013バールで、5000以下の圧力、特に約125バールで行われる、請求項1から9のいずれか1項に記載のプロセス。
  11. 工程b)の前記ソルボサーマル処理が、特に前記オートクレーブがバッチ構成である場合に、1時間~1週間、特に2時間~5日間、より具体的には4~80時間行われる、請求項1から10のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 工程c)で得られた前記固体S1が、工程e)の前に、炭酸リチウムが溶解しない溶媒で洗浄される、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記少なくとも別の金属が、少なくとも磁性金属であるか、又は少なくとも磁性金属及び少なくとも非磁性金属であり、前記分離工程f)が、前記組成物SP1から前記少なくとも磁性金属を単離するための磁性分離サブ工程f1)と、それに続く上記記載の分離工程f)に相当する分離サブ工程f2)と、を含み得る、請求項1から12のいずれか1項に記載のプロセス。
  14. リチウムイオン電池からリチウムイオン電池正極材料を回収する工程の後に、請求項1又は2に記載の工程を含むリチウムイオン電池正極リサイクルのプロセスであって、オプションで、前記工程の後に、新しいプロセス又はデバイスにおいて上記金属のうちの少なくとも1つを使用する工程が存在する、プロセス。
  15. 請求項4又は5に記載の方法によって得られる組成物SP1。
  16. -リチウムイオン電池正極材料及びリチウム鉱石から選択される材料、
    -炭酸塩、及び、
    -ポリオール溶媒、
    を含む組成物。
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